JP2013051319A - 光半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バットジョイント再成長工程において変調器層を再成長させることによる、選択成長マスク近傍の波長ずれを低減する。
【解決手段】バットジョイント再成長工程において変調器層を再成長させるとき、成長圧力条件を50Torr以下にすることで、組成ずれや膜厚ずれを抑えられ、その結果波長ずれを低減することができる。
【選択図】図2a
【解決手段】バットジョイント再成長工程において変調器層を再成長させるとき、成長圧力条件を50Torr以下にすることで、組成ずれや膜厚ずれを抑えられ、その結果波長ずれを低減することができる。
【選択図】図2a
Description
本発明は、光通信において光源として用いられる変調器機能付き半導体レーザ素子の製造方法に関する。
光通信の光源として用いられる変調器機能付き半導体レーザは、10GHz、25GHz、40GHzといった高速の光強度変調機能がある。
変調器機能付き半導体レーザ素子の作製では、まず、InPに代表されるIII‐V族半導体基板上に、レーザとして駆動できる半導体層(以後、レーザ層と称する)を結晶成長し、このうち、レーザ層及び当該層以外に使用する領域を残して、その他の結晶成長した領域をドライエッチング及びウェットエッチングにより除去する。
エッチングに用いるエッチングマスクはSiO2やSiNx等のガラス質の膜を用いるが、当該膜はエッチング後に除去することなく、そのまま変調器となる層(以後、変調器層と称する)を結晶再成長する。その際、エッチングマスクはそのまま選択成長マスク(成長阻止マスクとも呼ばれる)となり、当該マスク以外の部分に選択的に変調器層が突き合わせ形で接合される。この結晶再成長方法をバットジョイント(Butt‐joint)再成長と呼び、バットジョイント再成長によって形成された層をバットジョイント層と呼ぶ。
このように作製された変調器機能付き半導体レーザ素子は、装荷型と呼ばれる積層構造のデバイスに比べ電気から光への変換効率が高く、高出力と消光特性が両立できる。
通常、光通信用の変調器機能付き半導体レーザ素子の結晶成長は、MOVPE(Metal Organic Vaper Phase Epitaxy:有機金属気相成長)法、またはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学蒸着)法によって行われるが、バットジョイント層として結晶再成長させた変調器層は、選択成長マスクに近づくにつれて、In、Ga、Al、As、Pの混晶比(組成)が設計値からずれ、膜厚もずれることにより結晶品質が低下する。
さらに、組成ずれと膜厚ずれは共に波長のずれに寄与する。特に波長が長波長にシフトすることで光損失が増加、光出力が低下し、同時に変調効率も低下する。
ちなみに膜厚ずれの原因は、MOVPEまたはMOCVDを行う際、選択成長マスク上ではIn、Ga、Al、As、Pは結晶化せず、選択成長マスク上に飛来した当該原子は、当該マスクから移動し、バットジョイント層として結晶再成長させた変調器層に付着するが、このとき、当該原子は当該層全体に均一に拡散するのではなく、当該層の選択成長マスク近傍の部分に集中してしまうことによる。
また組成ずれの原因は、上記の選択成長マスク近傍のバットジョイント層(変調器層)部において、選択成長マスクから移動してきたIn、Ga、Al、As、Pの、各原子の移動度に依存するマイグレーション長がそれぞれ異なることによる。
このため、通常は特に選択成長マスクの付近で組成ずれや膜厚ずれが発生し、結晶品質の低下や光学的な導波損失の増大が発生する。
ちなみに、波長ずれの程度はPL(Photoluminescence:フォトルミネッセンス)波長による測定にて確認することができる。
上述の問題の解決手段として、選択成長マスクパタンの面積を低減させ、結晶組成を安定させる方法(特許文献1参照)や、当該マスクパタンの形状を変化させることにより結晶混晶比を調整する方法(特許文献2〜4参照)等がある。
本発明は、上述のように選択成長マスクパタンを変化させるのではなく、変調器層再成長時の成長圧力条件をコントロールすることによって上述の問題を解決する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る変調器機能付き半導体レーザ素子の製造方法は、
バットジョイント再成長工程において変調器層を再成長させるとき、成長圧力条件を50Torr以下にすることで、選択成長マスク近傍の波長ずれを低減することを特徴とする。
バットジョイント再成長工程において変調器層を再成長させるとき、成長圧力条件を50Torr以下にすることで、選択成長マスク近傍の波長ずれを低減することを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る変調器機能付き半導体レーザ素子の製造方法は、
上記第1の発明に記載の変調器機能付き半導体レーザ素子の製造方法において、
前記成長圧力条件を30Torr以下にすることで、選択成長マスク近傍の波長ずれを低減することを特徴とする。
上記第1の発明に記載の変調器機能付き半導体レーザ素子の製造方法において、
前記成長圧力条件を30Torr以下にすることで、選択成長マスク近傍の波長ずれを低減することを特徴とする。
本発明によれば、選択成長マスク近傍の組成ずれと膜厚ずれを抑えることができ、結果として光学的な導波損失の増大を低減することができる。
本発明では、有機金属気相成長時の成長圧力を下げることにより、In、Ga、Al、As、Pの各原子のマイグレーション長を増加(移動度を増加)させ、選択成長マスク近傍に集中していた当該原子を広範囲に拡散させることで、当該マスク近傍の局所的な組成ずれと膜厚ずれの両方を抑え、その結果波長ずれを低減することができる(但し、本発明はMOVPEとMOCVDのいずれにも適用可能である)。
以下、本発明に係る変調器機能付き半導体レーザ素子製造方法を、実施例により図面を用いて詳細に説明する。
本発明の実施例1に係る方法を以下に詳述する。図1(a)は半導体基板1を上から見た平面図である。半導体基板1上にエッチングマスク兼選択成長マスク(以後、バットジョイントマスクと称する)2が一定の間隔を空けて6×40個並んでおり、図1(a)ではそれぞれの行と列に番号が振られている。このうち、1列目、20列目、40列目をそれぞれA、B、Cと置く。有機金属気相成長法装置において、InGaAlAs混晶により構成されるレーザ層を成長した後、上述のバットジョイントマスク2を図1(a)に示すようにパターニングした。
バットジョイントマスク2で覆われた部分以外の不要なレーザ層は、CH4及びH2の混合ガスでドライエッチングし、ドライエッチングで除去できない当該レーザ層は、硫酸と過酸化水素水の混合溶液によりウェットエッチングで除去した。
その後、InGaAlAs混晶により構成される変調器(Electro‐absorption Modulator:EA変調器)層をバットジョイント層として再成長させたが、その際にバットジョイントマスクパタン幅は27μm、長さは400μmで共通とした。
ここで、有機金属気相成長室の成長圧力条件として、従来の70Torrから30Torrに圧力を下げた。また、比較例として従来の70Torrでも同様の試験を行った。
図1(b)はバットジョイントマスクとその周辺の領域aの拡大図である。上述のように組成ずれや膜厚ずれによる波長ずれは主にバットジョイントマスク2近傍で起きるため、30Torrと70Torrのそれぞれの条件で成長させた試料に関し、図1(b)のように、それぞれバットジョイントマスク2端からの距離を0μm〜200μmの間で複数箇所取り、それぞれPL波長測定を行った。
0μmと100μmの比較結果を表1に示す。表1に示すように、0μmと100μmのPL波長差は、従来の成長圧力条件70Torrでは18nmだったが、本実施例の成長圧力条件30Torrでは10nmとなり、PL波長のシフト量を約半分に抑えることが出来た。
ちなみに、バットジョイントマスク2端からの距離が0μmと100μmのPL波長差が15nmであるとき、0.5dBの光学的過剰損失が生じ、これを超えると実用上問題となるので、上記PL波長差15nmを限度として規定する。PL波長差が15nmより大きければ光学損失は0.5dBより大きくなり、また、15nm以下なら光学損失は無視できるレベルとなる。
よって、成長圧力条件が70Torrのときは規定レベルを超えているが、30Torrのときは規定レベルを下回っていることがわかる。
また、図2a、図2bにバットジョイントマスク2端から0〜200μmの距離の間のPL波長の距離依存性を示す。横軸の距離の取り方は、図1(b)の目盛りに対応している。図1(a)における4‐A、4‐B、4‐Cの各位置に設置された3つのバットジョイントマスク2につき、同様の試験を行った。従来の成長圧力70Torrでは、マスク近傍で局所的な長波長化が見られるが、本実施例の成長圧力30Torrでは、局所的な長波長化を低減できた。これは各原子のマイグレーション長が増加(移動度が増加)したためと考えられる。
これらの素子を用いて変調器機能付き半導体レーザ装置を作製した結果、EA変調器層の長波長シフトを抑制した本実施例による素子では、導波路損失が減少し、出力が約40パーセント向上できた。
尚、本実施例では成長圧力条件を30Torrとして試験を行っているが、50Torrでも成長を行った結果、PL波長差が15nmの規定レベルに抑えることができ、光学損失の少ないバットジョイントマスクができた。
本発明は、光通信及び各種の光信号処理に用いられる半導体光レーザ素子の製造方法として好適である。
1 半導体基板
2 バットジョイントマスク
a バットジョイントマスクとその周辺の領域
2 バットジョイントマスク
a バットジョイントマスクとその周辺の領域
Claims (2)
- バットジョイント再成長工程において変調器層を再成長させるとき、成長圧力条件を50Torr以下にすることで、選択成長マスク近傍の波長ずれを低減することを特徴とする変調器機能付き半導体レーザ素子の製造方法。
- 前記成長圧力条件を30Torr以下にすることで、選択成長マスク近傍の波長ずれを低減することを特徴とする請求項1に記載の変調器機能付き半導体レーザ素子の製造方法。
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JP2015056509A (ja) * | 2013-09-12 | 2015-03-23 | 日本オクラロ株式会社 | 半導体光共振器、半導体光素子及び光通信モジュール |
US9791622B2 (en) | 2013-09-12 | 2017-10-17 | Oclaro Japan, Inc. | Optical semiconductor resonator, optical semiconductor device, and optical module |
JP2018046309A (ja) * | 2017-12-26 | 2018-03-22 | 日本オクラロ株式会社 | 半導体光素子及び光通信モジュール |
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2011
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