JP2013050821A - ペダル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッド上にのせた足の位置によって操作性が大きく変化してしまうことを抑制し、安定した操作が可能なペダル装置を提供する。
【解決手段】本願発明にかかるペダル装置100は、アクセル操作とブレーキ操作の双方の操作を行うことのできる一体型のペダル装置である。ペダル装置100は、ベースプレート103と、ベースプレート103上に重ねられたパッド105とを備え、パッド105を踏み込む第1の操作と、パッド105をベースプレート103上でスライドさせる第2の操作によってアクセル操作とブレーキ操作を担う。
【選択図】図1
【解決手段】本願発明にかかるペダル装置100は、アクセル操作とブレーキ操作の双方の操作を行うことのできる一体型のペダル装置である。ペダル装置100は、ベースプレート103と、ベースプレート103上に重ねられたパッド105とを備え、パッド105を踏み込む第1の操作と、パッド105をベースプレート103上でスライドさせる第2の操作によってアクセル操作とブレーキ操作を担う。
【選択図】図1
Description
この発明は、アクセル操作とブレーキ操作の双方を行うことのできる一体型のペダル装置に関する。
特許文献1には、ブレーキパッド上に同ブレーキパッドに対して垂直な回動軸を有するアクセルパッドを取り付けたペダル装置が開示されている。
図7(a)及び図7(b)に示されるようにこのペダル装置ではブレーキパッド4が第1パッド4aと第2パッド4bとに分割されている。そして、図7(a)に示されるように第1パッド4aがペダルアーム2に固定されている一方、第2パッド4bがリンクアーム3を介して第1パッド4aに連結されている。アクセルパッド5は第2パッド4bの下方に取り付けられた回動軸6を介して同第2パッド4b上に取り付けられている。第2パッド4bの下端部にはローラ7が設けられており、ペダル装置はペダルアーム2を介して車両側に連結されているとともに、同ローラ7を介して床面8に支持されている。
図7(a)及び図7(b)に示されるようにこのペダル装置ではブレーキパッド4が第1パッド4aと第2パッド4bとに分割されている。そして、図7(a)に示されるように第1パッド4aがペダルアーム2に固定されている一方、第2パッド4bがリンクアーム3を介して第1パッド4aに連結されている。アクセルパッド5は第2パッド4bの下方に取り付けられた回動軸6を介して同第2パッド4b上に取り付けられている。第2パッド4bの下端部にはローラ7が設けられており、ペダル装置はペダルアーム2を介して車両側に連結されているとともに、同ローラ7を介して床面8に支持されている。
これにより、このペダル装置では、図7(b)に矢印で示されるように回動軸6を中心にアクセルパッド5を回動させることにより、ブレーキパッド4に足をのせたままアクセル操作を行うことが可能となっている。
アクセルペダルとブレーキペダルとが別々に設けられており、これらのペダルを踏み分けることによりアクセル操作とブレーキ操作を行うペダル装置の場合には、アクセル操作及びブレーキ操作の双方がペダルを踏み込む操作である。これに対してこの特許文献1に記載のペダル装置では、図7(a)に矢印で示されるようにブレーキ操作の方向がブレーキパッド4を踏み込む方向であるのに対して、図7(b)に矢印で示されるようにアクセル操作の方向はアクセルパッド5を回動させる方向になっている。
このように特許文献1に記載のペダル装置では、アクセル操作の方向とブレーキ操作の方向が異なっているため、ペダルの踏み間違えにより、ブレーキ操作をしようとして誤ってアクセル操作をしてしまうことを抑制することができる。
ところで、特許文献1に記載のペダル装置では、アクセルパッド5の回動軸6が第2パッド4b上に設けられているため、ブレーキパッド4上のどの位置に足をのせるかによってアクセル操作の操作性が大きく変化し、足をのせる位置によっては、安定したアクセル操作を実現することが難しくなるという課題がある。
例えば、第2パッド4bの下方につま先をのせ、回動軸6の近くにつま先が位置するようにブレーキパッド4上に足をのせている場合には、踵を中心に回動させるように横方向につま先を移動させてアクセル操作を行おうとしてもつま先と回動軸6とが干渉してしまう。そのため、この場合にはアクセルパッド5を回動させることができず、アクセル操作を行うことができなくなってしまう。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的はパッド上にのせた足の位置によって操作性が大きく変化してしまうことを抑制し、安定した操作が可能なペダル装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、アクセル操作とブレーキ操作の双方の操作を行うことのできる一体型のペダル装置であり、ベースプレートと、前記ベースプレート上に重ねられたパッドとを備え、前記パッドを踏み込む第1の操作と、前記パッドを前記ベースプレート上でスライドさせる第2の操作によってアクセル操作とブレーキ操作を担うペダル装置である。
請求項1に記載の発明は、アクセル操作とブレーキ操作の双方の操作を行うことのできる一体型のペダル装置であり、ベースプレートと、前記ベースプレート上に重ねられたパッドとを備え、前記パッドを踏み込む第1の操作と、前記パッドを前記ベースプレート上でスライドさせる第2の操作によってアクセル操作とブレーキ操作を担うペダル装置である。
上記構成によれば、第1の操作の際に踏み込まれるパッドそのものをベースプレート上でスライドさせることにより第2の操作がなされるようになる。そのため、パッド上に足をのせていれば第1の操作と第2の操作の双方を行うことができる。すなわち、パッド上に回転軸を介して連結された別の操作部材を設け、パッド上に設けられたその操作部材を回動させるように操作するペダル装置のように、パッドにのせた足の位置によって操作が著しく困難になってしまうことはない。
要するに、上記請求項1に記載の発明によれば、パッド上にのせた足の位置によって操作性が大きく変化してしまうことを抑制し、安定した操作を可能とすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のペダル装置において、前記第1の操作がブレーキ操作を担う一方、前記第2の操作がアクセル操作を担うことをその要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のペダル装置において、前記第1の操作がブレーキ操作を担う一方、前記第2の操作がアクセル操作を担うことをその要旨とする。
咄嗟の操作の場合には、パッドをスライドさせる第2の操作よりもパッドを踏み込む第1の操作の方が操作しやすい。
これに対して、上記請求項2に記載の発明によれば、咄嗟の操作の場合に操作しやすい第1の操作がブレーキ操作を担っているため、咄嗟にブレーキを操作する必要がある場合に的確にブレーキ操作を実行することができる。
これに対して、上記請求項2に記載の発明によれば、咄嗟の操作の場合に操作しやすい第1の操作がブレーキ操作を担っているため、咄嗟にブレーキを操作する必要がある場合に的確にブレーキ操作を実行することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のペダル装置において、前記パッドが下方に中心を有する円弧状の軌道に沿ってスライドすることをその要旨とする。
ペダル装置を操作する際にパッドに足をのせた場合には踵がパッドの下方側に位置し、つま先がパッドの上方側に位置するようになる。
ペダル装置を操作する際にパッドに足をのせた場合には踵がパッドの下方側に位置し、つま先がパッドの上方側に位置するようになる。
上記構成によれば、下方に中心を有する円弧状の軌道に沿ってパッドがスライドするため、踵を中心に回動させるようにつま先を横方向に移動させる動作によってパッドをスライドさせることにより、踵の位置を大きく動かすことなく第2の操作を実現することができる。そのため、ペダルを操作する足への負担を低減することができる。
請求項4に記載の発明は、前記パッドが踏み込まれているときに同パッドと前記ベースプレートとを当接させる一方、前記パッドが踏み込まれていないときに同パッドと前記ベースプレートとを離間させる圧接機構を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のペダル装置である。
上記構成によれば、パッドが踏み込まれるとパッドとベースプレートとが当接するようになり、当接した部分に生じる摩擦力によってパッドのスライドが抑制されるようになる。これにより、パッドが踏み込まれることによって第1の操作が行われている場合には第2の操作が抑制されるため、パッドを踏み込む力を第1の操作に集中させて第1の操作を安定して行うことができる。
なお、摩擦力によってパッドのスライドを抑制する上では、パッドやベースプレートの表面にゴムなどの摩擦係数が高い部材を配設し、こうした摩擦係数の高い部材を介してパッドとベースプレートとを当接させることが望ましい。また、第2の操作と第1の操作の操作性を両立させるためには、ある程度の踏み込みがなされたときにパッドとベースプレートとが当接するようにすることが望ましい。こうした構成を実現するためには、一定量以上の力でパッドが踏み込まれているときにパッドとベースプレートが当接するように圧接機構を調整すればよい。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のペダル装置において、前記ベースプレートに対して前記パッドを右方向にスライドさせるほど前記第2の操作における操作量が大きくなるように同第2の操作の操作方向が設定されていることをその要旨とする。
アクセル操作やブレーキ操作は右足によって行われることが多い。これに対して上記構成によれば、パッドを右方向にスライドさせるほど操作量が大きくなるように第2の操作の操作方向が設定されている。そのため、右足によってこのペダル装置を操作する場合には、足を外側に開く方向に動かすことによって第2の操作がなされるようになる。
足を外側に開く動作による操作は足を内側に閉じる動作による操作よりも操作しやすいため、上記請求項5に記載の構成によれば、第2の操作に伴う足への負担を低減し、ペダル装置の操作性を向上させることができる。
以下、この発明にかかるペダル装置を具体化した一実施形態について、図1〜4を参照して説明する。
図1に破線で示されるように本実施形態にかかるペダル装置100は車両のブレーキ機構27に連結されている。ブレーキ機構27はブレーキマスタシリンダやブレーキブースタ、車両の各車輪に設けられたブレーキなどによって構成されており、ペダル装置100の操作を通じてブレーキが操作されるようになっている。
図1に破線で示されるように本実施形態にかかるペダル装置100は車両のブレーキ機構27に連結されている。ブレーキ機構27はブレーキマスタシリンダやブレーキブースタ、車両の各車輪に設けられたブレーキなどによって構成されており、ペダル装置100の操作を通じてブレーキが操作されるようになっている。
また、ペダル装置100にはアクセル開度センサ21が取り付けられており、このアクセル開度センサ21は車両に搭載された内燃機関10を制御する電子制御装置20に接続されている。
内燃機関10の吸気通路11にはモータ13によって駆動され、その開度を変更することによって内燃機関10の吸入空気量を調量するスロットルバルブ12が設けられている。スロットルバルブ12の開度制御や、燃料噴射量制御、そして点火時期制御などは、内燃機関10を制御する電子制御装置20によって実行される。
電子制御装置20は、中央演算処理装置(CPU)に加えて、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、記憶データを書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROMなどの各種メモリを備えている。
図1に示されるように電子制御装置20には、アクセル開度センサ21に加え、下記のようなセンサが接続されている。エアフロメータ22は、内燃機関10に導入される吸入空気量を検出する。回転速度センサ23は内燃機関10の出力軸の回転速度に基づいて機関回転速度を検出する。車速センサ24は車速信号を出力する。ブレーキスイッチ25はペダル装置100が踏み込み操作されていることを検知する。ブレーキ圧センサ26はブレーキの作動油圧を検出する。
電子制御装置20は、これらの各種センサからの出力信号に基づいて、内燃機関10を制御する。
例えば、アクセル開度センサ21によって検出されたアクセル開度に応じてモータ13を駆動してアクセル開度に対応するようにスロットルバルブ12の開度を制御する。そして、こうしたスロットルバルブ12の開度制御を通じて変化する吸入空気量にあわせて燃料噴射量や点火時期を制御する。
例えば、アクセル開度センサ21によって検出されたアクセル開度に応じてモータ13を駆動してアクセル開度に対応するようにスロットルバルブ12の開度を制御する。そして、こうしたスロットルバルブ12の開度制御を通じて変化する吸入空気量にあわせて燃料噴射量や点火時期を制御する。
次に図2(a)及び図2(b)を参照してペダル装置100の構成について詳しく説明する。なお、図2(a)はペダル装置100の側面図であり、図2(b)はペダル装置100の正面図である。
図2(a)の上方に示されるようにペダル装置100のペダルアーム101は回動軸102を介して車両に取り付けられている。図2(a)の下方に示されるようにペダルアーム101の先端部にはベースプレート103が固定されている。なお、図2(a)の左側に示されるようにペダルアーム101にはリンク機構が連結されており、回動軸102を中心にペダルアーム101を回動させる操作がこのリンク機構を介してブレーキ機構27に伝達されるようになっている。
ベースプレート103は図2(b)に示されるようにペダルアーム101に固定されている中央部分が最も高くなる一方で中央部分から図2(b)における左右方向に離間するほど低くなるように湾曲している。また、ベースプレート103には湾曲している上面と下面に沿って延びる一対のガイド長孔104が設けられている。そして、このベースプレート103にはペダル装置100の操作面、すなわち足で踏み込み操作される面となるパッド105が重ねられている。
パッド105はベースプレート103と同様に湾曲した形状をなしており、図2(a)に示されるようにベースプレート103の上に覆い被せられている。パッド105はガイド長孔104に挿通された4本のピン106,107,108,109によってベースプレート103の裏側から固定されている。4本のピン106,107,108,109はガイド長孔104に沿って移動可能であるため、パッド105はピン106,107,108,109がガイド長孔104に沿って移動可能な範囲でベースプレート103上をスライド可能になっている。
なお、図2(a)に示されるように各ピン106,107,108,109はベースプレート103とパッド105との間に配設された圧縮コイルばね114に挿通された状態で固定されている。そして、ベースプレート103の表面にはパッド105と対向する位置にゴム板113が貼り付けられている。このようにベースプレート103とパッド105との間に配設された圧縮コイルばね114と、ベースプレート103上に貼り付けられたゴム板113とにより、パッド105が踏み込まれているときにパッド105とベースプレート103とをゴム板113を介して当接させる圧接機構が構成されている。
また、図2(b)に示されるように、上側に位置するガイド長孔104に挿通されているピン106とピン108のうち、図2(b)において右側に位置するピン108には引っ張りコイルばね110の一端が固定されている。この引っ張りコイルばね110の他方の端部はペダルアーム101に固定されている。そのため、パッド105はこの引っ張りコイルばね110の復元力により図2(b)に示されるように左側に位置するピン106,107がガイド長孔104の左側の端部に当接する位置、すなわちパッド105の可動範囲のうち最も左側の位置に向かって常に付勢されている。
ベースプレート103の裏面には、プーリを備えたアクセル開度センサ21が取り付けられている。アクセル開度センサ21のプーリにはワイヤ111が巻き掛けられており、このワイヤ111の端部は下側に位置するガイド長孔104に挿通されているピン107とピン109のうち、図2(b)において右側に位置するピン109に固定されている。これにより、パッド105がベースプレート103上で図2(b)における右側にスライドし、ピン109がガイド長孔104に沿って右側に移動すると、ワイヤ111が引っ張られ、プーリが左回りに回動するようになっている。
アクセル開度センサ21はこのプーリの回動量に応じた電圧をアクセル開度信号として電子制御装置20に出力する。具体的には、パッド105が右側にスライドするほどアクセル開度が大きいことを示すように、より高い電圧を出力する。
(作用)
以下、このように構成されたペダル装置100の作用について説明する。
(作用)
以下、このように構成されたペダル装置100の作用について説明する。
上述したように、このペダル装置100では、パッド105がベースプレート103上をスライドするようになっている。
パッド105は、引っ張りコイルばね110の復元力によって図3(a)に示されるように可動範囲における最も左側の位置に向かって付勢されている。そのため、パッド105を右側にスライドさせる操作がなされていない場合には、パッド105は図3(a)に示されるように可動範囲における最も左側の位置に保持された状態となっている。アクセル開度センサ21は、このようにパッド105が可動範囲における最も左側の位置にあるときにアクセル開度が「0」であることを示すように設定されている。
パッド105は、引っ張りコイルばね110の復元力によって図3(a)に示されるように可動範囲における最も左側の位置に向かって付勢されている。そのため、パッド105を右側にスライドさせる操作がなされていない場合には、パッド105は図3(a)に示されるように可動範囲における最も左側の位置に保持された状態となっている。アクセル開度センサ21は、このようにパッド105が可動範囲における最も左側の位置にあるときにアクセル開度が「0」であることを示すように設定されている。
パッド105に同パッド105を右側に付勢する力が加えられると、ピン106,107,108,109がガイド長孔104に沿って移動するとともに、パッド105が図3(b)に矢印で示されるようにベースプレート103上で右側にスライドするようになる。なお、ガイド長孔104は図3(a)及び図3(b)に示される点Xを中心とする円弧に沿って延びるように形成されているため、パッド105は下方に中心(点X)を有する円弧状の軌道に沿ってベースプレート103状をスライドすることになる。
図3(b)に示されるように4つのピン106,107,108,109のうち、右側に位置するピン108,109がガイド長孔104の右側の端部まで移動するとパッド105はそれ以上右側にはスライドしなくなる。すなわち、図3(b)はパッド105が可動範囲における最も右側の位置までスライドした状態を示している。
パッド105が図3(a)に示されている状態から右側にスライドされるほどアクセル開度センサ21のプーリに巻き掛けられたワイヤ111は引き出されることになる。そのため、パッド105が図3(a)に示されている状態から右側にスライドされると、それにともなってプーリが左回りに回動するようになる。アクセル開度センサ21は図3(a)に示されているアクセル開度が「0」であることを示す状態からプーリが左回りに回動させられるほど高い電圧を出力する。そして、図3(b)に示されるようにパッド105が可動範囲における最も右側の位置にあるときに最も高い電圧を出力する。
電子制御装置20はアクセル開度センサ21から出力された電圧が大きいときほどアクセル開度が大きいと判断し、アクセル開度が大きいときほどスロットルバルブ12の開度を大きくするようにモータ13を制御する。
すなわち、このペダル装置100では、パッド105をベースプレート103上でスライドさせる操作がアクセル操作を担っており、パッド105を図3(a)に示される状態から右側にスライドさせた量がアクセル開度になる。要するにパッド105を図3(a)に示される状態から右側にスライドさせるほどアクセル開度が大きくなり、スロットルバルブ12の開度が増大することになる。
なお、パッド105は上述したように引っ張りコイルばね110の復元力によって左側に付勢されているため、パッド105を右側にスライドさせる操作力を解除すると引っ張りコイルばね110の復元力によってパッド105が左側にスライドし、アクセル開度は小さくなる。
パッド105はペダルアーム101の先端に固定されたベースプレート103上に重ねられているため、パッド105を踏み込んで押下するとペダルアーム101が回動軸102を中心に回動し、リンク機構を介してブレーキ機構27に操作力が伝達される。
すなわち、このペダル装置100ではパッド105を踏み込む操作がブレーキ操作を担っており、図4(a)に示されるようにパッド105を全く踏み込んでいない状態からパッド105を踏み込んだ量がブレーキ操作量になる。要するにパッド105を図4(a)に示される状態からパッド105を踏み込むほどブレーキ操作量が大きくなり、ブレーキ圧が増大してブレーキの制動力が大きくなる。
また、ペダル装置100では、ベースプレート103とパッド105との間に圧縮コイルばね114を配設するとともに、ベースプレート103上にゴム板113を貼り付け、圧接機構を構成している。
図4(a)に示されるようにパッド105が踏み込まれていないときには、圧縮コイルばね114の付勢力によってパッド105とベースプレート103とが離間させられるため、ベースプレート103上に貼り付けられたゴム板113とパッド105は離間した状態になっている。
一方、図4(b)に矢印で示されるようにパッド105が踏み込まれた場合には、ペダルアーム101が回動軸102を中心に回動するとともに、圧縮コイルばね114が圧縮されてパッド105とベースプレート103上に貼り付けられたゴム板113とが当接するようになる。すなわち、ベースプレート103とパッド105がゴム板113を介して当接するようになる。
なお、圧縮コイルばね114の付勢力は、一定量以上の力でパッド105が踏み込まれているときにパッド105とゴム板113とが当接するように調整されている。
上記のように本実施形態にかかるペダル装置100はパッド105を踏み込むことによりブレーキ操作を行うことができる一方、パッド105をベースプレート103上でスライド操作することによりアクセル操作を行うことができるようになっている。すなわちペダル装置100はアクセル操作とブレーキ操作の双方の操作を行うことのできる一体型のペダル装置である。
上記のように本実施形態にかかるペダル装置100はパッド105を踏み込むことによりブレーキ操作を行うことができる一方、パッド105をベースプレート103上でスライド操作することによりアクセル操作を行うことができるようになっている。すなわちペダル装置100はアクセル操作とブレーキ操作の双方の操作を行うことのできる一体型のペダル装置である。
なお、電子制御装置20はブレーキスイッチ25によってペダル装置100が踏み込み操作されていること、すなわちブレーキ操作がなされていることを検知した場合には、パッド105が右側にスライドされており、アクセル開度を示す電圧が出力されている場合であっても、アクセル操作を無効化する。
すなわち、電子制御装置20はブレーキ操作とアクセル操作の双方がなされている場合には、常にブレーキ操作を優先させ、ブレーキ操作とともになされているアクセル操作を無効化してスロットルバルブ12を閉弁させるブレーキオーバーライド機能を有している。
以上説明したペダル装置100によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ブレーキ操作の際に踏み込まれるパッド105そのものをベースプレート103上でスライドさせることによりアクセル操作がなされる。そのため、パッド105上に足をのせていればブレーキ操作とアクセル操作の双方を行うことができる。すなわち、パッド上に回転軸を介して連結された別の操作部材を設け、パッド上に設けられたその操作部材を回動させるように操作するペダル装置のように、パッドにのせた足の位置によって操作が著しく困難になってしまうことはない。
(1)ブレーキ操作の際に踏み込まれるパッド105そのものをベースプレート103上でスライドさせることによりアクセル操作がなされる。そのため、パッド105上に足をのせていればブレーキ操作とアクセル操作の双方を行うことができる。すなわち、パッド上に回転軸を介して連結された別の操作部材を設け、パッド上に設けられたその操作部材を回動させるように操作するペダル装置のように、パッドにのせた足の位置によって操作が著しく困難になってしまうことはない。
要するに、パッド105上にのせた足の位置によって操作性が大きく変化してしまうことを抑制し、安定した操作を可能とすることができる。
(2)咄嗟の操作の場合には、パッド105をスライドさせる操作よりもパッド105を踏み込む操作の方が操作しやすい。
(2)咄嗟の操作の場合には、パッド105をスライドさせる操作よりもパッド105を踏み込む操作の方が操作しやすい。
これに対して、上記実施形態のペダル装置100では、咄嗟の操作の場合に操作しやすいパッド105を踏み込む操作がブレーキ操作を担っているため、咄嗟にブレーキを操作する必要がある場合に的確にブレーキ操作を実行することができる。
(3)ペダル装置100を操作する際にパッド105に足をのせた場合には踵がパッド105の下方側に位置し、つま先がパッド105の上方側に位置するようになる。
上記のペダル装置100では、下方に中心を有する円弧状の軌道に沿ってパッド105がスライドするため、踵を中心に回動させるようにつま先を横方向に移動させる動作によってパッド105をスライドさせることにより、踵の位置を大きく動かすことなくアクセル操作を実現することができる。そのため、ペダル装置100を操作する足への負担を低減することができる。
上記のペダル装置100では、下方に中心を有する円弧状の軌道に沿ってパッド105がスライドするため、踵を中心に回動させるようにつま先を横方向に移動させる動作によってパッド105をスライドさせることにより、踵の位置を大きく動かすことなくアクセル操作を実現することができる。そのため、ペダル装置100を操作する足への負担を低減することができる。
(4)パッド105が踏み込まれるとパッド105とベースプレート103とがゴム板113を介して当接するようになり、当接した部分に生じる摩擦力によってパッド105のスライドが抑制されるようになる。これにより、パッド105が踏み込まれることによってブレーキ操作が行われている場合にはパッド105のスライドが抑制され、アクセル操作が抑制されるため、パッド105を踏み込む力をブレーキ操作に集中させてブレーキ操作を安定して行うことができる。
(5)アクセル操作やブレーキ操作は右足によって行われることが多い。これに対して上記のペダル装置100では、パッド105を右方向にスライドさせるほどアクセル開度が大きくなるようにアクセル操作の操作方向が設定されている。そのため、右足によってこのペダル装置100を操作する場合には、足を外側に開く方向に動かすことによってアクセル操作がなされるようになる。
足を外側に開く動作による操作は足を内側に閉じる動作による操作よりも操作しやすいため、上記のペダル装置100によれば、アクセル操作に伴う足への負担を低減し、ペダル装置100の操作性を向上させることができる。
なお、上記の実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態にあっては、パッド105よりも横方向に長いベースプレート103上にパッド105がスライド可能に固定されている例を示したが、図5(a)及び図5(b)に示されるようにパッド105よりも短いベースプレート103上にパッド105を重ねてスライド可能に固定する構成を採用することもできる。
・上記実施形態にあっては、パッド105よりも横方向に長いベースプレート103上にパッド105がスライド可能に固定されている例を示したが、図5(a)及び図5(b)に示されるようにパッド105よりも短いベースプレート103上にパッド105を重ねてスライド可能に固定する構成を採用することもできる。
この場合にはガイド長孔104の長さが短くなるため、パッド105のスライド量を確保するためには、図5(a)及び図5(b)に示されるように各ガイド長孔104に挿通されるピンの間隔、すなわちピン106とピン108との間隔並びにピン107とピン109との間隔を上記の実施形態における間隔よりも狭くする必要がある。なお、図5(a)及び図5(b)に示されるペダル装置100にあっては、引っ張りコイルばね110とワイヤ111を固定するために新たに固定用のピン120,121を追加している。
こうしたペダル装置100にあっても上記実施形態のペダル装置100と同様にピン106,107,108,109がガイド長孔104内で移動可能な範囲、すなわち図5(a)に示される状態と図5(b)に示される状態の間でパッド105をスライド操作することができる。したがって、上記実施形態で示したペダル装置100と同様の効果を得ることができる。
また、図5(a)及び図5(b)に示されるこのペダル装置100では、パッド105がベースプレート103の表面全体を常に覆っており、ベースプレート103が運転者側に露出することはない。そのため、ペダル装置100に足をのせて操作する場合に常にパッド105上に足がのるようになり、安定してスライド操作することが可能となる。
・上記実施形態にあっては、パッド105とベースプレート103との間に圧縮コイルばね114を配設するとともに、ベースプレート103上にゴム板113を貼り付け、圧接機構を構成するようにしていたが、図6に示されるように圧接機構を省略してもよい。
このように圧接機構を省略した場合であっても上記(1)〜(3)並びに(5)の効果を得ることができる。
・なお、圧接機構を設け、摩擦力によってパッド105のスライドを抑制する上では、パッド105やベースプレート103の表面に摩擦係数が高い部材を配設し、こうした摩擦係数の高い部材を介してパッド105とベースプレート103とを当接させることが望ましい。上記実施形態では摩擦係数の高い部材としてベースプレート103上にゴム板113を貼り付け、ゴム板113を介してパッド105とベースプレート103とを当接させる構成を例示したが、パッド105にゴム板113を貼り付けるようにしてもよい。また、摩擦係数の高い部材を取り付けるようにすれば摩擦力によってパッド105のスライドを抑制することができるため、ゴムに限らず他の材質の部材を配設するようにしてもよい。
・なお、圧接機構を設け、摩擦力によってパッド105のスライドを抑制する上では、パッド105やベースプレート103の表面に摩擦係数が高い部材を配設し、こうした摩擦係数の高い部材を介してパッド105とベースプレート103とを当接させることが望ましい。上記実施形態では摩擦係数の高い部材としてベースプレート103上にゴム板113を貼り付け、ゴム板113を介してパッド105とベースプレート103とを当接させる構成を例示したが、パッド105にゴム板113を貼り付けるようにしてもよい。また、摩擦係数の高い部材を取り付けるようにすれば摩擦力によってパッド105のスライドを抑制することができるため、ゴムに限らず他の材質の部材を配設するようにしてもよい。
また、パッド105とベースプレート103とを直接当接させるようにした場合にも摩擦力によってスライドを抑制することはできるため、圧縮コイルばね114は配設するものの、パッド105とベースプレート103の間に摩擦力を増大させるための部材を設けない圧接機構を備える構成を採用することもできる。この場合にはパッド105が踏み込まれたときにパッド105とベースプレート103とが直接当接するようになっていればよい。
・パッド105をベースプレート103上にスライド可能に取り付けるための構成は上記の実施形態の構成に限定されない。例えば、ベースプレート103にガイド長孔104を設け、ピン106,107,108,109を介してパッド105をスライド可能に取り付ける上記実施形態の構成に替えて、ベースプレート103上にレールを取り付け、このレールにパッド105を取り付けることによりパッド105をスライド可能に取り付ける構成を実現することもできる。
・パッド105の形状は適宜変更することができる。ただし、上記実施形態で示したパッド105のようにパッドの形状をスライドする方向に沿って湾曲した形状にすればパッドのスライドする方向を見た目で直感的に把握することができるようになる。
・上記実施形態では、パッド105を右側にスライドさせるほどアクセル操作量が大きくなるようにアクセル操作の方向を設定した例を示したが、アクセル操作の方向は適宜変更することができる。例えば、パッド105を左側にスライドさせるほどアクセル操作が大きくなるようにアクセル操作の方向を設定する構成や、パッド105を中央の位置から離間するように左右どちらかの方向にスライドさせるほどアクセル操作量が大きくなるようにアクセル操作の方向を設定することもできる。
・引っ張りコイルばね110の取り付け位置は、アクセル操作量が「0」になる位置からパッド105がスライドされたときに、パッド105を戻すような方向に復元力が働くように取り付けられていればよい。そのため、引っ張りコイルばね110の取り付け位置は適宜変更することができる。また、引っ張りコイルばね110によってパッド105を付勢する構成のみならず、他の構成によってパッド105を付勢する構成を採用することもできる。また、パッド105を付勢する手段を特に設けない構成を採用することもできる。
・上記実施形態にあっては、パッド105を踏み込む第1の操作をブレーキ操作にする一方、パッド105をスライドさせる第2の操作をアクセル操作にした例を示したが、パッド105を踏み込む第1の操作をアクセル操作にする一方、パッド105をスライドさせる第2の操作をブレーキ操作にしてもよい。
・上記実施形態では、ペダルアーム101の上方が回動軸102を介して車両に連結されているペダル装置100を例示したが、ペダルアーム101が車両の床面側に回動中心を有するように連結されているペダル装置に本発明を適用することもできる。
・また、本発明は車両のみならず、船舶や飛行機など、他の移動体におけるペダル装置としても適用可能である。
10…内燃機関、11…吸気通路、12…スロットルバルブ、13…モータ、20…電子制御装置、21…アクセル開度センサ、22…エアフロメータ、23…回転速度センサ、24…車速センサ、25…ブレーキスイッチ、26…ブレーキ圧センサ、27…ブレーキ機構、100…ペダル装置、101…ペダルアーム、102…回動軸、103…ベースプレート、104…ガイド長孔、105…パッド、106,107,108,109…ピン、110…引っ張りコイルばね、111…ワイヤ、113…ゴム板、114…圧縮コイルばね、120,121…ピン。
Claims (5)
- アクセル操作とブレーキ操作の双方の操作を行うことのできる一体型のペダル装置であり、
ベースプレートと、前記ベースプレート上に重ねられたパッドとを備え、
前記パッドを踏み込む第1の操作と、前記パッドを前記ベースプレート上でスライドさせる第2の操作によってアクセル操作とブレーキ操作を担う
ことを特徴とするペダル装置。 - 請求項1に記載のペダル装置において、
前記第1の操作がブレーキ操作を担う一方、前記第2の操作がアクセル操作を担う
ことを特徴とするペダル装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のペダル装置において、
前記パッドが下方に中心を有する円弧状の軌道に沿ってスライドする
ことを特徴とするペダル装置。 - 前記パッドが踏み込まれているときに同パッドと前記ベースプレートとを当接させる一方、前記パッドが踏み込まれていないときに同パッドと前記ベースプレートとを離間させる圧接機構を備える
請求項1〜3のいずれか一項に記載のペダル装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のペダル装置において、
前記ベースプレートに対して前記パッドを右方向にスライドさせるほど前記第2の操作における操作量が大きくなるように同第2の操作の操作方向が設定されている
ことを特徴とするペダル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011187911A JP2013050821A (ja) | 2011-08-30 | 2011-08-30 | ペダル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011187911A JP2013050821A (ja) | 2011-08-30 | 2011-08-30 | ペダル装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=48012817
Family Applications (1)
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JP2011187911A Withdrawn JP2013050821A (ja) | 2011-08-30 | 2011-08-30 | ペダル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013050821A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014206882A (ja) * | 2013-04-13 | 2014-10-30 | 和夫 小笠原 | 車両用操作ペダル装置 |
CN107618367A (zh) * | 2016-07-13 | 2018-01-23 | 李连东 | 一种机动车加速与制动一体踏板系统 |
JP2022033715A (ja) * | 2020-08-17 | 2022-03-02 | 株式会社戸張空調 | アクセル・ブレーキ操作装置 |
-
2011
- 2011-08-30 JP JP2011187911A patent/JP2013050821A/ja not_active Withdrawn
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JP7248251B2 (ja) | 2020-08-17 | 2023-03-29 | 株式会社戸張空調 | アクセル・ブレーキ操作装置 |
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