以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。尚、本実施の形態において、型締装置については、型閉じを行う際の可動プラテンの移動方向を前方とし、型開きを行う際の可動プラテンの移動方向を後方とし、射出装置については、射出を行う際のスクリューの移動方向を前方とし、計量を行う際のスクリューの移動方向を後方として説明する。
図1は本発明の実施の形態の射出成形機における型締装置の型閉じ時の状態を示す図、図2は本発明の実施の形態の射出成形機における型締装置の型開き時の状態を示す図である。尚、図1及び図2において、ハッチングを付された部材は主要断面を示す。
図において、10は型締装置、Frは射出成形機のフレーム(架台)、Gdは、該フレームFrに対して可動なガイド、11は、図示されないガイド上又はフレームFr上に載置された固定プラテンであり、該固定プラテン11と所定の間隔を置いて、かつ、固定プラテン11と対向させてリヤプラテン13が配設され、固定プラテン11とリヤプラテン13との間に4本のタイバー14(図においては、4本のタイバー14のうちの2本だけを示す。)が架設される。タイバー14におけるリヤプラテン13側の端部は、後述の嵌め込み部材90に結合される。尚、リヤプラテン13は、フレームFrに対して固定される。
そして、タイバー14に沿って固定プラテン11と対向させて可動プラテン12が型開閉方向に進退自在に配設される。そのために、可動プラテン12がガイドGdに固定され、可動プラテン12におけるタイバー14と対応する箇所にタイバー14を貫通させるための図示されないガイド穴が形成される。尚、ガイドGdには、後述の吸着板22も固定される。
また、固定プラテン11には固定金型15が、可動プラテン12には可動金型16がそれぞれ固定され、可動プラテン12の進退に伴って固定金型15と可動金型16とが接離させられ、型閉じ、型締め及び型開きが行われる。尚、型締めが行われるのに伴って、固定金型15と可動金型16との間に図示されないキャビティ空間が形成され、射出装置17の射出ノズル18から射出された図示されない樹脂がキャビティ空間に充墳される。また、固定金型15及び可動金型16によって金型装置19が構成される。
吸着板22は、可動プラテン12と平行にガイドGdに固定される。これにより、吸着板22は、リヤプラテン13より後方において進退自在となる。吸着板22は、磁性材料で形成されてよい。例えば、吸着板22は、強磁性体から成る薄板を積層することによって形成される電磁積層鋼板により構成されてもよい。
リニアモータ28は、可動プラテン12を進退させるため、ガイドGdに設けられる。リニアモータ28は、固定子29、及び可動子31を備え、固定子29は、フレームFr上において、ガイドGdと平行に、かつ、可動プラテン12の移動範囲に対応させて形成され、可動子31は、可動プラテン12の下端において、固定子29と対向させて、かつ、所定の範囲にわたって形成される。
可動子31は、コア34及びコイル35を備える。そして、コア34は、固定子29に向けて突出させて、所定のピッチで形成された複数の磁極歯33を備え、コイル35は、各磁極歯33に巻装される。尚、磁極歯33は可動プラテン12の移動方向に対して直角の方向に、互いに平行に形成される。また、固定子29は、図示されないコア、及び該コア上に延在させて形成された図示されない永久磁石を備える。該永久磁石は、N極及びS極の各磁極を交互に、かつ、磁極歯33と同じピッチで着磁させることによって形成される。コイル35に所定の電流を供給することによってリニアモータ28を駆動すると、可動子31が進退させられ、それに伴って、ガイドGdにより可動プラテン12が進退させられ、型閉じ及び型開きを行うことができる。
尚、本実施の形態においては、固定子29に永久磁石を、可動子31にコイル35を配設するようになっているが、固定子にコイルを、可動子に永久磁石を配設することもできる。その場合、リニアモータ28が駆動されるのに伴って、コイルが移動しないので、コイルに電力を供給するための配線を容易に行うことができる。
尚、ガイドGdに可動プラテン12と吸着板22を固定する構成に限られず、可動プラテン12又は吸着板22にリニアモータ28の可動子31を設ける構成としてもよい。また、型開閉機構としては、リニアモータ28に限定されず、油圧式や電動式等であってもよい。
可動プラテン12が前進させられて可動金型16が固定金型15に当接すると、型閉じが行われ、続いて、型締めが行われる。そして、型締めを行うために、リヤプラテン13と吸着板22との間に、電磁石ユニット37が配設される。そして、リヤプラテン13及び吸着板22を貫通して延び、かつ、可動プラテン12と吸着板22とを連結するセンターロッド39が進退自在に配設される。該センターロッド39は、型閉じ時及び型開き時に、可動プラテン12の進退に連動させて吸着板22を進退させ、型締め時に、電磁石ユニット37によって発生させられた型締力を可動プラテン12に伝達する。
尚、固定プラテン11、可動プラテン12、リヤプラテン13、吸着板22、リニアモータ28、電磁石ユニット37、センターロッド39等によって型締装置10が構成される。
電磁石ユニット37は、リヤプラテン13側に形成された電磁石49、及び吸着板22側に形成された吸着部51からなる。また、リヤプラテン13の後端面の所定の部分、本実施の形態においては、センターロッド39まわりに溝45が形成され、溝45よりも内側にコア(内極)46、及び溝45よりも外側にヨーク(外極)47が形成される。そして、溝45内でコア46まわりにコイル48が巻装される。また、リヤプラテン13におけるタイバー14側(バックヨーク部)の表面には、後述の鍵溝47aが形成される。鍵溝47aには、後述の嵌め込み部材90が嵌め込まれる。
尚、本実施の形態において、リヤプラテン13とは別に電磁石49が、吸着板22とは別に吸着部51が形成されもよいし、リヤプラテン13の一部として電磁石を、吸着板22の一部として吸着部を形成してもよい。また、電磁石と吸着部の配置は、逆であってもよい。例えば、吸着板22側に電磁石49を設け、リヤプラテン13側に吸着部を設けてもよい。
電磁石ユニット37において、コイル48に電流を供給すると、電磁石49が駆動され、吸着部51を吸着し、型締力を発生させることができる。
センターロッド39は、後端部において吸着板22と連結させて、前端部において可動プラテン12と連結させて配設される。したがって、センターロッド39は、型閉じ時に可動プラテン12と共に前進させられて吸着板22を前進させ、型開き時に可動プラテン12と共に後退させられて吸着板22を後退させる。そのために、リヤプラテン13の中央部分に、センターロッド39を貫通させるための角穴41が形成される。なお、リヤプラテン13が電磁積層鋼板により構成される場合、角穴41の部分の電磁積層鋼板は、分割により形成されてもよいし(図3のX1参照)、若しくは、積層後、角穴41が加工により形成されてもよい。
型締装置10のリニアモータ28及び電磁石49の駆動は、制御部60によって制御される。制御部60は、CPU及びメモリ等を備え、CPUによって演算された結果に応じて、リニアモータ28のコイル35や電磁石49のコイル48に電流を供給するための回路も備える。制御部60には、また、荷重検出器55が接続される。荷重検出器55は、型締装置10において、少なくとも1本のタイバー14の所定の位置(固定プラテン11とリヤプラテン13との間における所定の位置)に設置され、当該タイバー14にかかる荷重を検出する。図中では、上下二本のタイバー14に荷重検出器55が設置された例が示されている。荷重検出器55は、例えば、タイバー14の伸び量を検出するセンサによって構成される。荷重検出器55によって検出された荷重は、制御部60に送られる。尚、制御部60は、図2においては便宜上省略されている。
次に、型締装置10の動作について説明する。
制御部60の型開閉処理部61によって型閉じ工程が制御される。図2の状態(型開き時の状態)において、型開閉処理部61は、コイル35に電流を供給する。続いて、リニアモータ28が駆動され、可動プラテン12が前進させられ、図1に示されるように、可動金型16が固定金型15に当接させられる。このとき、リヤプラテン13と吸着板22との間、すなわち、電磁石49と吸着部51との間には、ギャップδが形成される。尚、型閉じに必要とされる力は、型締力と比較されて十分に小さくされる。
続いて、制御部60の型締処理部62は、型締工程を制御する。型締処理部62は、コイル48に電流を供給し、吸着部51を電磁石49の吸着力によって吸着する。それに伴って、吸着板22及びセンターロッド39を介して型締力が可動プラテン12に伝達され、型締めが行われる。型締め開始時等、型締力を変化させる際に、型締処理部62は、当該変化によって得るべき目標となる型締力、すなわち、定常状態で目標とする型締力を発生させるために必要な定常的な電流の値をコイル48に供給するように制御している。
尚、型締力は荷重検出器55によって検出される。検出された型締力は制御部60に送られ、制御部60において、型締力が設定値になるようにコイル48に供給される電流が調整され、フィードバック制御が行われる。この間、射出装置17において溶融させられた樹脂が射出ノズル18から射出され、金型装置19のキャビティ空間に充墳される。
キャビティ空間内の樹脂が冷却されて固化すると、型開閉処理部61は、型開き工程を制御する。型締処理部62は、図1の状態において、コイル48への電流の供給を停止する。それに伴って、リニアモータ28が駆動され、可動プラテン12が後退させられ、図2に示されるように、可動金型16が後退限位置に置かれ、型開きが行われる。
尚、図示の例では、吸着板22の後方側には、型厚調整機構44が設けられる。型厚調整機構44は、金型装置19の厚さに対応させて、ギャップδを調整する機構である。例えば、型厚調整機構44は、図示しない型厚調整用モータにより吸着板22に対するセンターロッド39の位置を可変する。これにより、吸着板22に対するセンターロッド39の位置が調整され、固定プラテン11及び可動プラテン12に対する吸着板22の位置が調整されて、ギャップδを最適な値にすることができる。すなわち、可動プラテン12と吸着板22との相対的な位置を変えることによって、型厚の調整が行われる。
ここで、図3以降を参照して、本発明の特徴的な構成について説明する。
図3は、本発明の一実施例(実施例1)によるリヤプラテン13を示す斜視図である。図4は、リヤプラテン13の幾つかの主要断面を示し、図4(A)は、図3のラインA−Aに沿った断面図であり、図4(B)は、図3のラインB−Bに沿った断面図であり、図4(C)は、図3のラインC−Cに沿った断面図である。図5は、鍵溝47aの他の形状の例を示す図である。尚、図3及び図4において、矢印h、矢印Vは、それぞれリヤプラテン13の左右方向(水平方向)、上下方向(垂直方向)を示す。但し、これらの方向は射出成形機の設置状態(向き)に応じて変化するため、あくまで便宜的なものである。また、矢印fはリヤプラテン13の前方を示す。
リヤプラテン13は、電磁積層鋼板により構成されてもよい。尚、電磁積層鋼板は、強磁性体から成る薄板(鋼板)を絶縁層を介して積層することによって形成されてよい。或いは、電磁積層鋼板は、絶縁層が形成された鋼板を積層することによって形成されてよい。図3に示す例では、鋼板は、リヤプラテン13の左右方向(矢印h)に沿って積層されている。リヤプラテン13は、複数の電磁積層鋼板を一体化して形成されてもよい。例えば、図3に示す例では、リヤプラテン13は、角穴41に対応して設定される上下方向の2つのラインX1にて分割された4つの電磁積層鋼板を一体化して構成されている。尚、一体化するための電磁積層鋼板の数や分割態様(分割方向等)は任意である。例えば、図3に示す例では、上下方向(矢印V)に分割しているが、左右方向(矢印h)に分割してもよい。このようにリヤプラテン13が複数の電磁積層鋼板を一体化して形成される場合、1つの積層鋼板で構成が困難な比較的大きな体格のリヤプラテン13を構成することができる。尚、複数の電磁積層鋼板は、後述の嵌め込み部材90で一体化される。
リヤプラテン13の後端面には、図3に示されるように、溝45が面直視で矩形状になるパターンで形成されている。尚、溝45によって囲繞される内側の凸部がコア46を形成する。
リヤプラテン13の前端面には、図3及び図4に示すように、鍵溝47aが形成される。鍵溝47aは、任意の方向に延在してもよいが、好ましくは、製造性の観点から、電磁積層鋼板の積層方向に延在する態様で形成される。即ち、鍵溝47aは、好ましくは、電磁積層鋼板の鋼板に対して面直方向に延在する態様で形成される。鍵溝47aは、図3及び図4に示すように、等断面で直線的に延在してもよい。
図3に示す例では、鍵溝47aの断面形状は、入口側(表面側)が短辺となる台形(楔形)であり、この場合、台形の斜辺に対応する面が係止部47b(図4(A)参照)を構成する。尚、鍵溝47aの断面形状は、底側の方が入口側よりも幅が広くなって係止部47bを有する態様であればよく、任意である。例えば、鍵溝47aは、図5(A)に示すように、底側が広がるT字形であってもよいし、図5(B)に示すように、底側が広がるL字形であってもよい。
図6は、図3に示すリヤプラテン13の鍵溝47aに嵌め込まれる嵌め込み部材90の一例を示す斜視図である。
嵌め込み部材90は、金属のような強度・剛性の高い材料から形成される。嵌め込み部材90は、リヤプラテン13の鍵溝47aに対して、実質的に隙間無く嵌め込まれる形状を有する。即ち、嵌め込み部材90の断面形状は、鍵溝47aの断面形状に対応する。即ち、図示の例では、嵌め込み部材90の断面形状は、台形(楔形)である。但し、後述のスライド式の嵌めこみを可能とするために、嵌め込み部材90の断面形状は、鍵溝47aの断面形状よりも僅かに小さい形状(例えば縮小された相似形状)であってもよい。また、嵌め込み部材90は、好ましくは、鍵溝47aの長手方向(矢印h)の長さと略同一の長さで延在する。
嵌め込み部材90は、リヤプラテン13の鍵溝47aに対して、リヤプラテン13の左右方向の端部側から挿入してスライド式に嵌め込まれる。この際、嵌め込み部材90は、所定の形状に成形した電磁積層鋼板に装着されてもよい。例えばリヤプラテン13が上述の如く複数の電磁積層鋼板から構成される場合、複数の電磁積層鋼板の対応する鍵溝47aに嵌め込み部材90が挿入される。この場合、嵌め込み部材90は、複数の電磁積層鋼板間の位置決め機能を果たすことができる。即ち、複数の電磁積層鋼板は、嵌め込み部材90を介して互いに対して所期の位置関係で一体化されることができる。また、嵌め込み部材90は、タイバー14に結合されるので、複数の電磁積層鋼板は、嵌め込み部材90を介してタイバー14に対して所期の位置関係で一体化されることができる。尚、リヤプラテン13を構成する電磁積層鋼板は、嵌め込み部材90に各鋼板を装着してから一体化されてもよい。この場合、例えばリヤプラテン13が1つの電磁積層鋼板から構成される場合でも、嵌め込み部材90は、各鋼板を位置決めする機能を果たすことができる。
図7は、射出成形機におけるリヤプラテン13の鍵溝47aと嵌め込み部材90に関連した要部のみを取り出した断面図である。
図7に示すように、嵌め込み部材90にはタイバー14が結合される。この結合態様は、ボルト結合等を含む任意の態様であってよい。従って、リヤプラテン13は、嵌め込み部材90を介してタイバー14が結合される。換言すると、リヤプラテン13は、嵌め込み部材90を介してタイバー14により吸引方向に吊るされる。これにより、リヤプラテン13において発生しうるせん断力や曲げ応力を低減することができる。
ところで、型締工程時においてはリヤプラテン13が吸着部51を吸着するので、リヤプラテン13は、その反力を受け、図7に矢印Pにて示すように、引張り力を受ける。この引張り力は、リヤプラテン13に対して、タイバー14に結合された嵌め込み部材90から引き抜く方向に作用する。この点、本実施例によれば、上述の如く、係止部47bを有する鍵溝47aに嵌め込み部材90が嵌め込まれているので、リヤプラテン13が嵌め込み部材90から抜け出すことを防止することができる。
図8は、リヤプラテン13の端面に取り付けられてもよい抜け防止板材92の一例を示す図である。
リヤプラテン13の左右方向(矢印h)の端面には、図8に示すように、リヤプラテン13からの嵌め込み部材90の左右方向の抜けを防止する抜け防止板材92が取り付けられてもよい。抜け防止板材92は、リヤプラテン13(電磁積層鋼板)に溶接等により固定されてもよい。抜け防止板材92は、リヤプラテン13の鍵溝47aの左右方向の開口を塞ぎ、リヤプラテン13からの嵌め込み部材90の左右方向の抜けを防止する機能を果たす。尚、図示の例では、抜け防止板材92は、リヤプラテン13の左右方向の端面を構成する鋼板と同一の形状を有しているが、リヤプラテン13の鍵溝47aを少なくとも部分的に塞いで上記の抜け防止機能を果たすものであれば、任意の形状であってよい。また、図示の例では、抜け防止板材92は、リヤプラテン13の左右方向の両端面に設けられているが、一方の端面のみに設けられてもよい。この場合、好ましくは、嵌め込み部材90は、一方の端面のみに設けられる抜け防止板材92に対して固定される。
図9は、本発明の他の一実施例(実施例2)によるリヤプラテン130を示す斜視図である。図10は、リヤプラテン130の幾つかの主要断面を示し、図10(A)は、図9のラインA−Aに沿った断面図であり、図10(B)は、図9のラインB−Bに沿った断面図であり、図10(C)は、図9のラインC−Cに沿った断面図である。
本実施例2によるリヤプラテン130は、上述した実施例1によるリヤプラテン13に対して、2つの極が形成されて多極化されている点が主に異なる。以下では、上述した実施例1との相違点のみを主に説明し、上述した実施例1と同一であってよい構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図9に示す例では、リヤプラテン130は、多極化(2極化)に対応して、コイル(図示せず)が収容される2組の溝45A及び45Bが、それぞれ上面視で矩形状に形成されている。尚、溝45A及び45Bによって形成される囲繞される内側の各凸部が2組のコア46A及び46Bを形成する。但し、溝45A及び45Bの形成パターンは多種多様であり、極数も任意である。
リヤプラテン130は、リヤプラテン13と同様、電磁積層鋼板により構成されてもよい。また、リヤプラテン130は、複数の電磁積層鋼板を一体化して形成されてもよい。例えば、図9に示す例では、リヤプラテン130は、角穴41に対応して設定される上下方向及び左右方向それぞれ2つのラインX1にて分割された8つの電磁積層鋼板を一体化して構成されている。かかる分割態様によれば、同一形状の鋼板により複数の電磁積層鋼板を形成することができ、製造上有利となる。例えば、図9に示す例では、4隅の4つの電磁積層鋼板は、同一形状の鋼板の組み合わせにより製造することができ、角穴41を挟んで対向する各組の電磁積層鋼板についても、それぞれ、同一形状の鋼板により製造することができる。尚、一体化するための電磁積層鋼板の数や分割態様は任意である。また、リヤプラテン130の前端面は、リヤプラテン13と同様、鍵溝47aが形成される。鍵溝47aには、上述の実施例1と同様、嵌め込み部材90(図6参照)が嵌め込まれる。
このような多極化を実現するリヤプラテン130を用いた場合でも、上述の実施例1と同様の効果を得ることができる。特に多極化を行う場合には、リヤプラテン130を複数の電磁積層鋼板で一体的に構成する必要性が高くなり(また、電磁積層鋼板の個数が多くなりうり)、この点で、上述の嵌め込み部材90による位置決め機能がより有効に機能する。また、多極化しつつ電磁積層鋼板を複数に分ける場合には、電磁積層鋼板の幅を大幅に低減することができる。また、多極化の効果によりバックヨーク部の厚みも低減でき、これにより更に電磁積層鋼板の小型化を図ることができる。
尚、本実施例2においても、上述の実施例1と同様、リヤプラテン130の端面に、抜け防止板材(図8の抜け防止板材92参照)が取り付けられてもよい。
図11は、嵌め込み部材90とタイバー14との結合態様のその他の例を示す図であり、射出成形機におけるリヤプラテン130の鍵溝47aと嵌め込み部材90に関連した要部のみを取り出した断面図である。
図11に示す例では、嵌め込み部材90は、2列の鍵溝47aに対応して2本設けられる。2本の嵌め込み部材90は、連結部材94を介して互いに結合される。連結部材94は、2本の嵌め込み部材90に、例えばボルト等により固定されてもよいし、2本の嵌め込み部材90と一体に形成されてもよい。連結部材94は、嵌め込み部材90と同様、金属のような強度・剛性の高い材料から形成される。連結部材94には、タイバー14が結合される。これにより、タイバー14におけるリヤプラテン130側の端部は、連結部材94を介して嵌め込み部材90に結合される。このようにして、2本の嵌め込み部材90は、2本の嵌め込み部材90に結合して該2本の嵌め込み部材90を一体化する1つの連結部材94を介して、タイバー14に固定されてもよい。
尚、図11に示す例は、連結部材94は、上述の実施例2によるリヤプラテン130に対して適用されているが、連結部材94は、上述の実施例1によるリヤプラテン13に対して適用されてもよい。尚、連結部材94が連結する嵌め込み部材90の数は、任意であり、1つの連結部材94が3本以上の嵌め込み部材90を連結してもよい。また、連結部材94は、補助部材として1本の嵌め込み部材90に対して設けられてもよい。
図12は、嵌め込み部材90の他の適用例を示す図であり、射出成形機における吸着板22の鍵溝22aと嵌め込み部材90に関連した要部のみを取り出した断面図である。尚、図12に示す適用例は、単独で使用することも可能であるし、上述の実施例1又は実施例2と組み合わせて使用することもできる。
図12に示す適用例では、吸着板22は、上述の実施例1によるリヤプラテン13の鍵溝47aと同様の態様で、鍵溝22aが形成される。鍵溝22aは、吸着板22における型厚調整機構44側の表面に形成される。鍵溝22aの形状等については、上述の実施例1によるリヤプラテン13の鍵溝47aと同様であってよい。鍵溝22aには、上述の実施例1と同様の態様で、嵌め込み部材90が挿入されスライド式に嵌め込まれる。尚、吸着板22は、上述の実施例1と同様、鍵溝22aが開口する側の端面に抜け防止板材(図8の抜け防止板材92参照)が取り付けられてもよい。また、同様に、吸着板22は、複数の電磁積層鋼板を一体化して形成されてもよい。
嵌め込み部材90は、型厚調整機構44を構成する部材に固定・支持されてもよい。例えば図12に示す例では、型厚調整機構44は、図示しない型厚調整用モータにより回転されるギア44aと、センターロッド39のねじ43に噛み合うと共に、ギア44aに結合され(ギア44aと共に回転し)、その回転運動によりセンターロッド39を直線運動(位置調整)させる型厚調整回転部44cと、型厚調整回転部44cを支持する支持部材44bとを含み、支持部材44bに嵌め込み部材90が固定・支持されている。尚、支持部材44bと嵌め込み部材90との間の結合態様は、ボルトを用いた結合を含む任意の態様であってよい。また、図12に示す型厚調整機構44の構成は、一例であり、型厚調整機構44は他の構成で実現されてもよい。
図13は、本発明の別の一実施例(実施例3)によるリヤプラテン131の要部を示す断面図である。尚、本実施例の内容は、吸着板22に適用することも可能である。
図13に示すように、嵌め込み部材90は、温調流体の流路孔91を有する。流路孔91は、嵌め込み部材90を貫通しており、電磁積層鋼板の積層方向と平行に延びている。温調流体が嵌め込み部材90の内部を流れるので、電磁積層鋼板をその積層方向に貫通する貫通孔が流路となる場合と異なり、鋼板同士の間から温調流体が漏出することがない。また、温調流体が電磁積層鋼板と直接接触しないので、電磁積層鋼板の腐食が防止できる。
温調流体は、電磁積層鋼板と熱交換し、電磁積層鋼板を温調する。温調流体は、冷却水や空気などの冷媒であってよい。冷媒は、電磁積層鋼板を冷却することで、電磁石49のコイル48の過熱を抑制する。尚、温調流体は、温水などの熱媒であってもよい。
尚、リヤプラテン131が複数の嵌め込み部材90を有する場合、少なくとも1つの嵌め込み部材90に流路孔91が形成されていればよい。
嵌め込み部材90は、電磁積層鋼板の鍵溝47aに挿入され、例えば冷やし嵌め又は焼き嵌めで鍵溝47aに固定されてよい。
冷やし嵌めでは、例えばドライアイスや液体窒素等の冷媒で嵌め込み部材90を冷却し、縮ませたうえで、嵌め込み部材90よりも高温(例えば室温)の電磁積層鋼板の鍵溝47aに挿入する。その後、嵌め込み部材90の温度が室温に戻ると、嵌め込み部材90が膨らみ、嵌め込み部材90の外壁が鍵溝47aの内壁で締め付けられる。
焼き嵌めでは、電磁積層鋼板を加熱し、電磁積層鋼板の鍵溝47aの断面積を大きくしたうえで、電磁積層鋼板よりも低温(例えば室温)の嵌め込み部材90を鍵溝47aに挿入する。その後、電磁積層鋼板の温度が室温に戻ると、鍵溝47aの断面積が小さくなり、鍵溝47aの内壁で嵌め込み部材90が締め付けられる。
冷やし嵌め又は焼き嵌めによって鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との間の隙間が少なくなり、接触熱抵抗が下がるので、電磁積層鋼板の温調効率が良くなる。
鍵溝47aの内壁と、嵌め込み部材90の外壁との間には、熱伝達部材としての金属シート93が介在してよい。金属シート93の硬さは、嵌め込み部材90の硬さよりも低い(柔らかい)ことが好ましい。金属シート93の硬さは、冷やし嵌め又は焼き嵌めの前に押し込み硬さ試験法で測定される。押し込み硬さ試験法としては、例えばブリネル硬さ試験法(JIS Z2243)が用いられる。例えば、嵌め込み部材90を形成する金属がステンレス鋼の場合、金属シート93の金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、鉛(Pb)、銀(Ag)、インジウム(In)、又はこれらのいずれか1種以上を含む合金が用いられる。柔らかさ及びコストの観点から、インジウム又はインジウム合金が特に好適に用いられる。
冷やし嵌めでは、金属シート93を嵌め込み部材90の外壁に巻き付け、金属シート93及び嵌め込み部材90を電磁積層鋼板の鍵溝47aに挿入する。冷やし嵌めでは、鍵溝47aへの挿入前に、嵌め込み部材90及び金属シート93の少なくともいずれか一方を冷媒で冷却する。
例えば、鍵溝47aへの挿入前に嵌め込み部材90のみを冷媒で冷却する場合、鍵溝47aへの挿入後に嵌め込み部材90の温度が室温に戻り、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁とで金属シート93が挟まれ、薄く変形する。金属シート93の変形は、弾性変形でも塑性変形でもよい。金属シート93は、嵌め込み部材90よりも柔らかい金属で形成されるので、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との両方に密着する。
また、鍵溝47aへの挿入前に金属シート93のみを冷媒で冷却し、金属シート93の厚さを薄くする場合、鍵溝47aへの挿入後に金属シート93の温度が室温に戻り、金属シート93の厚さが厚くなり、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁とで金属シート93が挟まれる。金属シート93は、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との両方に密着する。
焼き嵌めでは、金属シート93を嵌め込み部材90の外壁に巻き付け、加熱した電磁積層鋼板の鍵溝47aに金属シート93及び嵌め込み部材90を挿入する。その後、電磁積層鋼板の温度が室温に戻ると、鍵溝47aの断面積が小さくなり、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁とで金属シート93が挟まれる。金属シート93は、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との両方に密着する。
このように、冷やし嵌め、焼き嵌めのいずれでも、金属シート93は、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との両方に密着する。よって、接触熱抵抗がさらに下がり、電磁積層鋼板の温調効率がさらに良くなる。また、上記隙間のばらつきを吸収するとき、柔らかい金属シート93が選択的に変形するので、硬い嵌め込み部材90の局所的な変形が抑えられ、嵌め込み部材90の損傷が低減される。
尚、図13の熱伝達部材は、金属で形成されるが、空気よりも高い熱伝導率を有していればよく、樹脂で形成されてもよい。また、熱伝達部材は、シート状であるが、リング状であってもよい。
尚、図13の嵌め込み部材90は、冷やし嵌め、又は焼き嵌めで鍵溝47aに固定されるが、その固定方法は、冷やし嵌め、焼き嵌めに限定されない。例えば、鍵溝47aに嵌め込み部材90を挿入しておき、鍵溝47aの内壁と嵌め込み部材90の外壁との間の隙間に加熱した溶融樹脂を流し込み、溶融樹脂を冷却固化する方法等がある。この場合、鍵溝47aの内壁と、嵌め込み部材90の外壁との間に、熱伝達部材としての樹脂層が介在する。樹脂層の硬さは、嵌め込み部材90の硬さよりも低くなる。
尚、図13では、鍵溝47aの内壁と、嵌め込み部材90の外壁との間に熱伝達部材が介在するが、熱伝達部材がなくてもよい。つまり、鍵溝47aの内壁と、嵌め込み部材90の外壁とが冷やし嵌め又は焼き嵌めによって直接密着していてもよい。
図14は、図13の変形例を示す図である。図14において、図13と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図13では嵌め込み部材90に流路孔91が形成されているのに対し、図14では嵌め込み部材90の前端面に温調流体の流路溝95が形成されており、嵌め込み部材90の前端面に蓋部材97が固定されている点で相違する。
蓋部材97は、嵌め込み部材90にボルトなどで固定される。嵌め込み部材90と、蓋部材97との間には、温調流体の漏出を防止するシール部材が介装されてよい。尚、蓋部材97と嵌め込み部材90との固定と、嵌め込み部材13の鍵溝47aへの挿入との順序は、どちらが先であってもよい。
タイバー14は、蓋部材97に固定されてよい。
尚、リヤプラテンが複数の嵌め込み部材90を有する場合、少なくとも1つの嵌め込み部材90に流路溝95が形成されていればよい。
図15は、本発明のさらに別の一実施例(実施例4)によるリヤプラテン132の要部を示す断面図である。尚、本実施例の内容は、実施例1〜実施例3の内容と組み合わせることも可能であり、また、吸着板22に適用することも可能である。
図15のリヤプラテン132は、電磁積層鋼板を補強する補強部材98を有する点で、図7のリヤプラテン13と相違する。以下、相違点を中心に説明する。
補強部材98は、例えば図15に示すように電磁積層鋼板の側面、及び/又は電磁積層鋼板の前端面等に固定される。補強部材98は、電磁積層鋼板の積層方向と平行に延びており、電磁積層鋼板の各鋼板と溶接などで連結される。
補強部材98には、温調流体の流路孔99が形成される。流路孔99は、電磁積層鋼板の積層方向と平行に延びている。温調流体が補強部材98の内部を流れるので、電磁積層鋼板を積層方向に貫通する貫通孔が流路となる場合と異なり、鋼板同士の間から温調流体が漏出することがない。また、温調流体が電磁積層鋼板と直接接触しないので、電磁積層鋼板の腐食が防止される。
温調流体は、電磁積層鋼板と熱交換し、電磁積層鋼板を温調する。温調流体は、冷却水や空気などの冷媒であってよい。冷媒は、電磁積層鋼板を冷却することで、電磁石49のコイル48の過熱を抑制する。冷却効率を高めるため、尚、温調流体は、温水などの熱媒であってもよい。
タイバー14は、電磁積層鋼板の前端面に固定される補強部材98にボルトなどで固定されてよい。
尚、図15では、補強部材98に流路孔99が形成されているが、図14と同様に、補強部材98に温調流体の流路溝が形成されており、補強部材98の流路溝が形成される面に蓋部材が固定されていてもよい。
尚、本実施例の温調流体の流路(流路孔、流路溝)は、補強部材98に形成されるが、例えば図11に示す連結部材94、図12に示す支持部材44b等に形成されてもよい。
尚、リヤプラテンが複数の補強部材98を有する場合、少なくとも1つの補強部材98に流路孔、又は流路溝が形成されていればよい。
図16は、本発明のさらに別の一実施例(実施例5)によるリヤプラテン133の要部を示す断面図である。図16において、図13(実施例3)と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。尚、本実施例の内容は、吸着板22に適用することも可能である。
図16に示すように、嵌め込み部材90には、流路管71を挿入する挿入部としての挿入孔72が形成されている。流路管71は、嵌め込み部材90を貫通してよい。流路管71は嵌め込み部材90毎に1本ずつ設けられるが、複数本ずつ設けられてもよい。尚、リヤプラテン133が複数の嵌め込み部材90を有する場合、少なくとも1つの嵌め込み部材90の挿入部に流路管71が挿入されていればよい。
流路管71は、例えば円筒管であって、温調流体の流路を内部に有する。温調流体が流路管71の内部を流れ、温調流体が嵌め込み部材90と直接接触しないので、嵌め込み部材90の腐食を防止できる。
温調流体は、リヤプラテン133と熱交換し、リヤプラテン133を温調する。温調流体は、冷却水や空気などの冷媒であってよい。冷媒は、リヤプラテン133を冷却することで、電磁石49のコイル48の過熱を抑制する。尚、温調流体は、温水などの熱媒であってもよい。
流路管71は、嵌め込み部材90の挿入孔72に挿入され、例えば冷やし嵌め、又は焼き嵌めで挿入孔72に固定されてよい。嵌め込み部材90の挿入孔72での流路管71の固定と、電磁積層鋼板の鍵溝47aでの嵌め込み部材90の固定とはどちらが先であってもよく、同時であってもよい。
冷やし嵌めでは、ドライアイスや液体窒素等の冷媒で流路管71を冷却し、流路管71の外径を小さくしたうえで、流路管71よりも高温(例えば室温)の嵌め込み部材90の挿入孔72に流路管71を挿入する。その後、流路管71の温度が室温に戻ると、流路管71が膨らみ、流路管71の外壁が挿入孔72の内壁で締め付けられる。
焼き嵌めでは、嵌め込み部材90を加熱し、嵌め込み部材90の挿入孔72の直径を大きくしたうえで、嵌め込み部材90よりも低温(例えば室温)の流路管71を挿入孔72に挿入する。その後、嵌め込み部材90の温度が室温に戻ると、挿入孔72の直径が縮み、挿入孔72の内壁で流路管71の外壁が締め付けられる。
冷やし嵌め又は焼き嵌めによって挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との間の隙間が少なくなり、接触熱抵抗が下がるので、リヤプラテン133の温調効率が良くなる。流路管71の外壁が冷やし嵌め又は焼き嵌めによって均一に締め付けられるように、流路管71は円筒管で構成され、挿入孔72は円状の断面形状を有してよい。
嵌め込み部材90の挿入孔72の内壁と、流路管71の外壁との間には、熱伝達部材としての金属シート73が介在してよい。金属シート73の硬さは、流路管71の硬さよりも低い(柔らかい)ことが好ましい。
冷やし嵌めでは、金属シート73を流路管71の外壁に巻き付け、金属シート73及び流路管71を嵌め込み部材90の挿入孔72に挿入する。冷やし嵌めでは、挿入孔72への挿入前に、流路管71及び金属シート73の少なくともいずれか一方を冷媒で冷却する。
例えば、挿入孔72への挿入前に流路管71のみを冷媒で冷却する場合、挿入孔72への挿入後に流路管71の温度が室温に戻り、流路管71が膨らみ、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁とで金属シート73が挟まれ、薄く変形する。金属シート73の変形は、弾性変形でも塑性変形でもよい。金属シート73は、流路管71よりも柔らかい金属で形成されるので、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との両方に密着する。
また、挿入孔72への挿入前に金属シート73のみを冷媒で冷却し、金属シート73の厚さを薄くする場合、挿入孔72への挿入後に金属シート73の温度が室温に戻り、金属シート73の厚さが厚くなり、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁とで金属シート73が挟まれる。金属シート73は、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との両方に密着する。
焼き嵌めでは、金属シート73を流路管71の外壁に巻き付け、加熱した嵌め込み部材90の挿入孔72に金属シート73及び流路管71を挿入する。その後、嵌め込み部材90の温度が室温に戻ると、挿入孔72の直径が縮み、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁とで金属シート73が挟まれる。金属シート73は、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との両方に密着する。
このように、冷やし嵌め、焼き嵌めのいずれでも、金属シート73は、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との両方に密着する。よって、接触熱抵抗がさらに下がり、リヤプラテン133の温調効率がさらに良くなる。また、上記隙間のばらつきを吸収するとき、柔らかい金属シート73が選択的に変形し、硬い流路管71の局所的な変形が抑えられるので、流路管71の損傷が低減される。
尚、本実施例の熱伝達部材は、金属で形成されるが、空気よりも高い熱伝導率を有していればよく、樹脂で形成されてもよい。また、熱伝達部材は、シート状であるが、リング状であってもよい。
尚、本実施例の流路管71は、冷やし嵌め、又は焼き嵌めで挿入孔72に固定されるが、その固定方法は、冷やし嵌め、焼き嵌めに限定されない。例えば、挿入孔72に流路管71を挿入しておき、挿入孔72の内壁と流路管71の外壁との間の隙間に加熱した溶融樹脂を流し込み、溶融樹脂を冷却固化する方法等がある。この場合、挿入孔72の内壁と、流路管71の外壁との間に、熱伝達部材としての樹脂層が介在する。樹脂層の硬さは、流路管71の硬さよりも低くなる。
尚、本実施例では、挿入孔72の内壁と、流路管71の外壁との間に熱伝達部材が介在するが、熱伝達部材がなくてもよい。つまり、挿入孔72の内壁と、流路管71の外壁とが冷やし嵌め又は焼き嵌めによって直接密着していてもよい。
図17は、本発明のさらに別の一実施例(実施例6)によるリヤプラテン134の要部を示す断面図である。図17において、図13(実施例3)と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。尚、本実施例の内容は、吸着板22に適用することも可能である。
図17に示すように、嵌め込み部材90には、流路管75を挿入する挿入部としての挿入溝76が形成されている。流路管75は、嵌め込み部材90を貫通してよい。流路管75は嵌め込み部材90毎に1本ずつ設けられるが、複数本ずつ設けられてもよい。尚、リヤプラテン134が複数の嵌め込み部材90を有する場合、少なくとも1つの嵌め込み部材90の挿入部に流路管75が挿入されていればよい。
流路管75は、例えば角筒管であって、温調流体の流路を内部に有する。温調流体が流路管75の内部を流れ、温調流体が嵌め込み部材90と直接接触しないので、嵌め込み部材90の腐食を防止できる。
温調流体は、リヤプラテン134と熱交換し、リヤプラテン134を温調する。温調流体は、冷却水や空気などの冷媒であってよい。冷媒は、リヤプラテン134を冷却することで、電磁石49のコイル48の過熱を抑制する。尚、温調流体は、温水などの熱媒であってもよい。
流路管75は、嵌め込み部材90の挿入溝76に挿入され、例えば冷やし嵌め、又は焼き嵌めで挿入溝76に固定されてよい。嵌め込み部材90の挿入溝76での流路管75の固定と、電磁積層鋼板の鍵溝47aでの嵌め込み部材90の固定とはどちらが先であってもよく、同時であってもよい。
冷やし嵌めでは、ドライアイスや液体窒素等の冷媒で流路管75を冷却し、縮ませたうえで、流路管75よりも高温(例えば室温)の嵌め込み部材90の挿入溝76に流路管75を挿入する。その後、流路管75の温度が室温に戻ると、流路管75が膨らみ、流路管75の外壁が断面矩形状の挿入溝193の互いに対向する内壁(側壁)で締め付けられる。
焼き嵌めでは、嵌め込み部材90を加熱し、嵌め込み部材90の挿入溝76の溝幅を広げたうえで、嵌め込み部材90よりも低温(例えば室温)の流路管75を挿入溝76に挿入する。その後、嵌め込み部材90の温度が室温に戻ると、挿入溝76の溝幅が狭くなり、断面矩形状の挿入溝76の互いに対向する内壁で流路管75の外壁が締め付けられる。
冷やし嵌め又は焼き嵌めによって挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との間の隙間が少なくなり、接触熱抵抗が下がるので、リヤプラテン134の温調効率が良くなる。
嵌め込み部材90の挿入溝76の内壁と、流路管75の外壁との間には、熱伝達部材としての金属シート77が介在してよい。金属シート77の硬さは、流路管75の硬さよりも低い(柔らかい)ことが好ましい。
冷やし嵌めでは、金属シート77を流路管75の外壁に巻き付け、金属シート77及び流路管75を嵌め込み部材90の挿入溝76に挿入する。冷やし嵌めでは、挿入溝76への挿入前に、流路管75及び金属シート77の少なくともいずれか一方を冷媒で冷却する。
例えば、挿入溝76への挿入前に流路管75のみを冷媒で冷却する場合、挿入溝76への挿入後に流路管75の温度が室温に戻り、流路管75が膨らみ、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁とで金属シート77が挟まれ、薄く変形する。金属シート77の変形は、弾性変形でも塑性変形でもよい。金属シート77は、流路管75よりも柔らかい金属で形成されるので、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との両方に密着する。
また、挿入溝76への挿入前に金属シート77のみを冷媒で冷却し、金属シート77の厚さを薄くする場合、挿入溝76への挿入後に金属シート77の温度が室温に戻り、金属シート77の厚さが厚くなり、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁とで金属シート77が挟まれる。金属シート77は、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との両方に密着する。
焼き嵌めでは、金属シート77を流路管75の外壁に巻き付け、加熱した嵌め込み部材90の挿入溝76に金属シート77及び流路管75を挿入する。その後、嵌め込み部材90の温度が室温に戻ると、挿入溝76の溝幅が狭くなり、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁とで金属シート77が挟まれる。金属シート77は、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との両方に密着する。
このように、冷やし嵌め、焼き嵌めのいずれでも、金属シート77は、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との両方に密着する。よって、接触熱抵抗がさらに下がり、リヤプラテン134の温調効率がさらに良くなる。また、上記隙間のばらつきを吸収するとき、柔らかい金属シート77が選択的に変形し、硬い流路管75の局所的な変形が抑えられるので、流路管75の損傷が低減される。
尚、本実施例の熱伝達部材は、金属で形成されるが、空気よりも高い熱伝導率を有していればよく、樹脂で形成されてもよい。また、熱伝達部材は、シート状であるが、リング状であってもよい。
尚、本実施例の流路管75は、冷やし嵌め、又は焼き嵌めで挿入溝76に固定されるが、その固定方法は、冷やし嵌め、焼き嵌めに限定されない。例えば、挿入溝76に流路管75を挿入しておき、挿入溝76の内壁と流路管75の外壁との間の隙間に加熱した溶融樹脂を流し込み、溶融樹脂を冷却固化する方法等がある。この場合、挿入溝76の内壁と、流路管75の外壁との間に、熱伝達部材としての樹脂層が介在する。樹脂層の硬さは、流路管75の硬さよりも低くなる。
尚、本実施例では、挿入溝76の内壁と、流路管75の外壁との間に熱伝達部材が介在するが、熱伝達部材がなくてもよい。つまり、挿入溝76の内壁と、流路管75の外壁とが冷やし嵌め又は焼き嵌めによって直接密着していてもよい。
図18は、本発明のさらに別の一実施例(実施例7)によるリヤプラテン135の要部を示す断面図である。図18において、図15(実施例4)と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。尚、本実施例の内容は、吸着板22に適用することも可能である。また、本実施例の内容は、図11に示す連結部材94、図12に示す支持部材44b等に適用することも可能である。
図18に示すように、補強部材98には、流路管81を挿入する挿入部としての挿入孔82が形成されている。流路管81は、補強部材98を貫通してよい。流路管81は補強部材98毎に1本ずつ設けられるが、複数本ずつ設けられてもよい。尚、リヤプラテン135が複数の補強部材98を有する場合、少なくとも1つの補強部材98の挿入部に流路管81が挿入されていればよい。
流路管81は、例えば円筒管であって、温調流体の流路を内部に有する。温調流体が流路管81の内部を流れ、温調流体が補強部材98と直接接触しないので、補強部材98の腐食を防止できる。
温調流体は、リヤプラテン135と熱交換し、リヤプラテン135を温調する。温調流体は、冷却水や空気などの冷媒であってよい。冷媒は、リヤプラテン135を冷却することで、電磁石49のコイル48の過熱を抑制する。尚、温調流体は、温水などの熱媒であってもよい。
流路管81は、補強部材98の挿入孔82に挿入され、例えば冷やし嵌め、又は焼き嵌めで挿入孔82に固定されてよい。補強部材98の挿入孔82での流路管81の固定と、電磁積層鋼板に対する補強部材98の固定とはどちらが先であってもよい。
冷やし嵌めでは、ドライアイスや液体窒素等の冷媒で流路管81を冷却し、流路管81の外径を小さくしたうえで、流路管81よりも高温(例えば室温)の補強部材98の挿入孔82に流路管81を挿入する。その後、流路管81の温度が室温に戻ると、流路管81が膨らみ、流路管81の外壁が挿入孔82の内壁で締め付けられる。
焼き嵌めでは、補強部材98を加熱し、補強部材98の挿入孔82の直径を大きくしたうえで、補強部材98よりも低温(例えば室温)の流路管81を挿入孔82に挿入する。その後、補強部材98の温度が室温に戻ると、挿入孔82の直径が縮み、挿入孔82の内壁で流路管81の外壁が締め付けられる。
冷やし嵌め又は焼き嵌めによって挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との間の隙間が少なくなり、接触熱抵抗が下がるので、リヤプラテン135の温調効率が良くなる。流路管81の外壁が冷やし嵌め又は焼き嵌めによって均一に締め付けられるように、流路管81は円筒管で構成され、挿入孔82は円状の断面形状を有してよい。
補強部材98の挿入孔82の内壁と、流路管81の外壁との間には、熱伝達部材としての金属シート83が介在してよい。金属シート83の硬さは、流路管81の硬さよりも低い(柔らかい)ことが好ましい。
冷やし嵌めでは、金属シート83を流路管81の外壁に巻き付け、金属シート83及び流路管81を補強部材98の挿入孔82に挿入する。冷やし嵌めでは、挿入孔82への挿入前に、流路管81及び金属シート83の少なくともいずれか一方を冷媒で冷却する。
例えば、挿入孔82への挿入前に流路管81のみを冷媒で冷却する場合、挿入孔82への挿入後に流路管81の温度が室温に戻り、流路管81が膨らみ、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁とで金属シート83が挟まれ、薄く変形する。金属シート83の変形は、弾性変形でも塑性変形でもよい。金属シート83は、流路管81よりも柔らかい金属で形成されるので、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との両方に密着する。
また、挿入孔82への挿入前に金属シート83のみを冷媒で冷却し、金属シート83の厚さを薄くする場合、挿入孔82への挿入後に金属シート83の温度が室温に戻り、金属シート83の厚さが厚くなり、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁とで金属シート83が挟まれる。金属シート83は、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との両方に密着する。
焼き嵌めでは、金属シート83を流路管81の外壁に巻き付け、加熱した補強部材98の挿入孔82に金属シート83及び流路管81を挿入する。その後、補強部材98の温度が室温に戻ると、挿入孔82の直径が縮み、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁とで金属シート83が挟まれる。金属シート83は、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との両方に密着する。
このように、冷やし嵌め、焼き嵌めのいずれでも、金属シート83は、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との間の隙間のばらつきを吸収するように変形して隙間を埋め、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との両方に密着する。よって、接触熱抵抗がさらに下がり、リヤプラテン135の温調効率がさらに良くなる。また、上記隙間のばらつきを吸収するとき、柔らかい金属シート83が選択的に変形し、硬い流路管81の局所的な変形が抑えられるので、流路管81の損傷が低減される。
尚、本実施例の熱伝達部材は、金属で形成されるが、空気よりも高い熱伝導率を有していればよく、樹脂で形成されてもよい。また、熱伝達部材は、シート状であるが、リング状であってもよい。
尚、本実施例の流路管81は、冷やし嵌め、又は焼き嵌めで挿入孔82に固定されるが、その固定方法は、冷やし嵌め、焼き嵌めに限定されない。例えば、挿入孔82に流路管81を挿入しておき、挿入孔82の内壁と流路管81の外壁との間の隙間に加熱した溶融樹脂を流し込み、溶融樹脂を冷却固化する方法等がある。この場合、挿入孔82の内壁と、流路管81の外壁との間に、熱伝達部材としての樹脂層が介在する。樹脂層の硬さは、流路管81の硬さよりも低くなる。
尚、本実施例では、挿入孔82の内壁と、流路管81の外壁との間に熱伝達部材が介在するが、熱伝達部材がなくてもよい。つまり、挿入孔82の内壁と、流路管81の外壁とが冷やし嵌め又は焼き嵌めによって直接密着していてもよい。
尚、本実施例の補強部材98には、流路管81を挿入する挿入部としての挿入孔82が形成されているが、挿入孔の代わりに、図17の実施例6と同様に挿入溝が形成されてよい。
尚、上述した実施例においては、特許請求の範囲における「第1の固定部材」は、固定プラテン11に対応し、特許請求の範囲における「第1の可動部材」は、可動プラテン12に対応する。また、特許請求の範囲における「第2の固定部材」は、リヤプラテン13に対応し、特許請求の範囲における「第2の可動部材」は、吸着板22に対応する。但し、変形例として、吸着板22側に電磁石49を設け、リヤプラテン13側に吸着部を設けてもよく、この変形例の場合、「第2の固定部材」は、吸着板22に対応し、特許請求の範囲における「第2の可動部材」は、リヤプラテン13に対応する。また、上述した実施例においては、特許請求の範囲における「溝」は、鍵溝47a及び/又は鍵溝22aに対応する。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、リヤプラテン13,130,131,133,134及び吸着板22は、底側の方が入口側よりも幅が広い鍵溝47a及び鍵溝22aが形成されているが、かかる鍵溝47a及び鍵溝22aに代えて、円形断面以外の断面形状の溝が形成されてもよい。この場合も、溝に嵌め込まれる嵌め込み部材90は、リヤプラテン13,130,131,133,134及び吸着板22の回転方向の変位を拘束することができ、位置決め機能を果たすことができる。
また、上述の実施例では、リヤプラテン13,130,131,133,134及び吸着板22は、電磁積層鋼板により構成されているが、鍵溝47a又は鍵溝22aが形成されない構成の場合は、鋳物の一体構造で構成されてもよい。例えば、図12に示す適用例を単独で使用する場合は、リヤプラテン13は鋳物の一体構造で構成されてもよい。また、図12に示す適用例を採用しない場合は、吸着板22は、鋳物の一体構造で構成されてもよい。
尚、上述の実施例では、2列の鍵溝47aに対応して2本の嵌め込み部材90が設けられているが、鍵溝47a及び嵌め込み部材90の数は、任意である。
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
固定金型が取り付けられる第1の固定部材と、
前記第1の固定部材と対向して配設される第2の固定部材と、
可動金型が取り付けられる第1の可動部材と、
前記第1の可動部材と連結されて前記第1の可動部材と共に移動する第2の可動部材と、を備え、
前記第2の固定部材と前記第2の可動部材は、電磁石による吸着力で型締力を発生させる型締力発生機構を構成し、
前記型締力発生機構を構成する前記第2の固定部材及び前記第2の可動部材の少なくとも一方は、複数の鋼板を積層してなる積層鋼板と、前記積層鋼板を補強する補強部材とを有し、
前記補強部材は、温調流体の流路を有することを特徴とする、射出成形機。
(付記2)
固定金型が取り付けられる第1の固定部材と、
前記第1の固定部材と対向して配設される第2の固定部材と、
可動金型が取り付けられる第1の可動部材と、
前記第1の可動部材と連結されて前記第1の可動部材と共に移動する第2の可動部材と、を備え、
前記第2の固定部材と前記第2の可動部材は、電磁石による吸着力で型締力を発生させる型締力発生機構を構成し、
前記型締力発生機構を構成する前記第2の固定部材及び前記第2の可動部材の少なくとも一方は、複数の鋼板を積層してなる積層鋼板と、前記積層鋼板を補強する補強部材とを有し、
前記補強部材に形成される挿入部に、温調流体を流す流路管が挿入され、前記流路管が冷やし嵌め又は焼き嵌めで前記挿入部に固定されることを特徴とする、射出成形機。
(付記3)
前記挿入部の内壁と、前記流路管の外壁との間に、熱伝達部材が介在する、付記2に記載の射出成形機。
(付記4)
固定金型が取り付けられる第1の固定部材と、
前記第1の固定部材と対向して配設される第2の固定部材と、
可動金型が取り付けられる第1の可動部材と、
前記第1の可動部材と連結されて前記第1の可動部材と共に移動する第2の可動部材と、を備え、
前記第2の固定部材と前記第2の可動部材は、電磁石による吸着力で型締力を発生させる型締力発生機構を構成し、
前記型締力発生機構を構成する前記第2の固定部材及び前記第2の可動部材の少なくとも一方は、複数の鋼板を積層してなる積層鋼板と、前記積層鋼板を補強する補強部材とを有し、
前記補強部材に形成される挿入部に、温調流体を流す流路管が挿入されており、前記挿入部の内壁と、前記流路管の外壁との間に、熱伝達部材が介在することを特徴とする、射出成形機。
(付記5)
前記熱伝達部材の硬さは、前記流路管の硬さよりも低い、付記2〜4のうちのいずれか1つに記載の射出成形機。