JP2013048173A - プリント配線板及び該プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板及び該プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】他のプリント配線板の電極等と接続される接続パッド部を備えるプリント配線板において、製造コストの低コスト化及び製造工程の削減化を実現することができると共に、良好な接続信頼性を実現することができるプリント配線板及び該プリント配線板の製造方法の提供を課題とする。
【解決手段】導電層2の一部に接続パッド部S1と回路部W1とを形成してあると共に、接続パッド部S1を介して他のプリント配線板の電極等と接続されるプリント配線板11であって、接続パッド部S1が、電極層2aと、電極層2aを被覆して他のプリント配線板の電極等と接続される接続層2bとから形成されると共に、回路部W1が、回路層2cと、回路層2cを被覆して回路層2cを保護する回路層保護用層2dとから形成されるものにおいて、回路層保護用層2dは、接続層2bを形成する導電性金属で兼用させて形成してある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、他のプリント配線板の電極等と接続される接続パッド部を備えるプリント配線板及び該プリント配線板の製造方法に関する。
携帯電話機やハードディスク装置等の電子機器の内部には、用途に合わせて様々なプリント配線板が配設されている。
このようなプリント配線板の中には、例えばハードディスク装置に配設されるフレキシャを構成するプリント配線板のように、電極を備える接続パッド部と、回路を備える回路部とを導電層の一部に形成し、接続パッド部を介して他のプリント配線板の電極等と電気接続されるものがある。
このようなプリント配線板を示す従来技術として、例えば下記特許文献1がある。
特開2006−49751号公報
上記特許文献1に示すようなプリント配線板においては、回路を保護するための保護層として、絶縁性樹脂からなる保護層(いわゆるカバーレイ等からなる絶縁層)を備えるものが一般的である。
しかしこのような構成のプリント配線板においては、回路が微細なものとなる場合、保護層の形成に高精度なパターニング工程が必要となる。よって保護層の形成工程が複雑になると共に、加工コストが高くなるという問題があった。
このような問題は、高密度な回路を備えると共に、露光処理、現像処理、熱硬化処理を経て感光性の絶縁性樹脂で保護層を形成するフレキシャにおいて、より顕著な問題となっていた。
そこで本発明は上記従来における問題点を解決し、他のプリント配線板の電極等と接続される接続パッド部を備えるプリント配線板において、製造コストの低コスト化及び製造工程数の削減化を実現することができると共に、良好な接続信頼性を実現することができるプリント配線板及び該プリント配線板の製造方法の提供を課題とする。
本発明のプリント配線板は、導電層の一部に接続パッド部と回路部とを形成してあると共に、前記接続パッド部を介して他のプリント配線板の電極等と接続されるプリント配線板であって、前記接続パッド部が、電極層と、該電極層を被覆して他のプリント配線板の電極等と接続される接続層とから形成されると共に、前記回路部が、回路層と、該回路層を被覆して回路層を保護する回路層保護用層とから形成されるものにおいて、前記回路層保護用層は、前記接続層を形成する導電性金属で兼用させて形成してあることを第1の特徴としている。
上記本発明の第1の特徴によれば、プリント配線板は、導電層の一部に接続パッド部と回路部とを形成してあると共に、前記接続パッド部を介して他のプリント配線板の電極等と接続されるプリント配線板であって、前記接続パッド部が、電極層と、該電極層を被覆して他のプリント配線板の電極等と接続される接続層とから形成されると共に、前記回路部が、回路層と、該回路層を被覆して回路層を保護する回路層保護用層とから形成されるものにおいて、前記回路層保護用層は、前記接続層を形成する導電性金属で兼用させて形成してあることから、接続層と回路層保護用層とを同一材料、同一工程で形成することができる。よって製造コストの低コスト化及び製造工程数の削減化を実現することができ、製造効率の良いプリント配線板とすることができる。
また接続層及び回路層保護用層を金属で形成することで、電極層及び回路層に傷等の外的損傷が生じることを効果的に防止することができる。よって良好な接続信頼性を実現することができる。加えて、絶縁性樹脂で回路層保護用層を形成する構成に比べて、薄い厚みで良好な強度を備える回路層保護用層を形成することができる。よって回路層保護用層の薄肉化を実現することができる。
また本発明のプリント配線板は、上記本発明の第1の特徴に加えて、前記接続層及び前記回路層保護用層は、1乃至複数層からなると共に、少なくとも1層がパラジウムからなるパラジウム層であることを第2の特徴としている。
上記本発明の第2の特徴によれば、上記本発明の第1の特徴による作用効果に加えて、前記接続層及び前記回路層保護用層は、1乃至複数層からなると共に、少なくとも1層がパラジウムからなるパラジウム層であることから、優れた強度を有するパラジウムで接続層及び回路層保護用層を形成することで、電極層及び回路層に傷等の外的損傷が生じることを一段と効果的に防止することができる。よって一段と良好な接続信頼性を実現することができる。
また本発明のプリント配線板は、上記本発明の第1又は第2の特徴に加えて、前記接続層及び前記回路層保護用層は、1乃至複数層からなると共に、前記パラジウム層に加えて、最表面層が金からなる金層であることを第3の特徴としている。
上記本発明の第3の特徴によれば、上記本発明の第1又は第2の特徴による作用効果に加えて、前記接続層及び前記回路層保護用層は、1乃至複数層からなると共に、前記パラジウム層に加えて、最表面層が金からなる金層であることから、金属的な安定性に優れる金で接続層及び回路層保護用層を形成することで、電極層及び回路層に腐食が発生することを効果的に防止することができる。よって一段と良好な接続信頼性を実現することができる。
また接続パッド部においては、超音波接続に好適な接続パッド部とすることができる。
また本発明のプリント配線板は、上記本発明の第1〜第3の何れか1つの特徴に加えて、前記接続層及び前記回路層保護用層は、2層からなることを第4の特徴としている。
上記本発明の第4の特徴によれば、上記本発明の第1〜第3の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、前記接続層及び前記回路層保護用層は、2層からなることから、良好な接続信頼性と、プリント配線板の薄肉化とを同時に実現することができる。
また本発明のプリント配線板の製造方法は、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法であって、絶縁性の樹脂からなる基材層を形成する基材層形成工程と、前記基材層上に導電性金属からなる導電層を形成する導電層形成工程とを少なくとも備え、該導電層形成工程に他のプリント配線板の電極等と接続される接続パッド部を形成する接続パッド部形成工程と、回路部を形成する回路部形成工程とを備えると共に、前記接続パッド部形成工程が、前記基材層上に電極層を形成する電極層形成工程と、前記電極層に導電性金属を被覆させて他のプリント配線板の電極等と接続される接続層を形成する接続層形成工程とからなり、且つ前記回路部形成工程が、前記基材層上に回路層を形成する回路層形成工程と、前記接続層形成工程において用いる導電性金属を前記回路層にも兼用させて被覆することで、前記回路層を保護する回路層保護用層を形成する回路層保護用層形成工程とからなることを第5の特徴としている。
上記本発明の第5の特徴によれば、プリント配線板の製造方法は、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法であって、絶縁性の樹脂からなる基材層を形成する基材層形成工程と、前記基材層上に導電性金属からなる導電層を形成する導電層形成工程とを少なくとも備え、該導電層形成工程に他のプリント配線板の電極等と接続される接続パッド部を形成する接続パッド部形成工程と、回路部を形成する回路部形成工程とを備えると共に、前記接続パッド部形成工程が、前記基材層上に電極層を形成する電極層形成工程と、前記電極層に導電性金属を被覆させて他のプリント配線板の電極等と接続される接続層を形成する接続層形成工程とからなり、且つ前記回路部形成工程が、前記基材層上に回路層を形成する回路層形成工程と、前記接続層形成工程において用いる導電性金属を前記回路層にも兼用させて被覆することで、前記回路層を保護する回路層保護用層を形成する回路層保護用層形成工程とからなることから、接続層と回路層保護用層とを同一材料及び同一工程で形成することができる。よって製造コストの低コスト化及び製造工程数の削減化を実現することができ、製造効率の良いプリント配線板の製造方法とすることができる。
また接続層及び回路層保護用層を金属で形成することで、電極層及び回路層に傷等の外的損傷が生じることを効果的に防止することができ、良好な接続信頼性を実現することができるプリント配線板を製造することができる。加えて、絶縁性樹脂で回路層保護用層を形成する構成に比べて、薄い厚みで良好な強度を備える回路層保護用層を形成することができる。よって回路層保護用層の薄肉化を実現することができる。
本発明のプリント配線板によれば、接続層と回路層保護用層とを同一材料及び同一工程で形成することができる。よって製造コストの低コスト化及び製造工程数の削減化を実現することができ、製造効率の良いプリント配線板とすることができる。
また接続層及び回路層保護用層を金属で形成することで、電極層及び回路層に傷等の外的損傷が生じることを効果的に防止することができ、良好な接続信頼性を実現することができるプリント配線板とすることができる。加えて、絶縁性樹脂で回路層保護用層を形成する構成に比べて、薄い厚みで良好な強度を備える回路層保護用層を形成することができる。よって回路層保護用層の薄肉化を実現することができる。
また電極層及び回路層に腐食が発生することを効果的に防止することができる。
また接続パッド部においては、超音波接続に好適な接続パッド部とすることができる。
また本発明のプリント配線板の製造方法によれば、接続層と回路層保護用層とを同一材料及び同一工程で形成することができる。よって製造コストの低コスト化及び製造工程の削減化を実現することができ、製造効率の良いプリント配線板の製造方法とすることができる。
また接続層及び回路層保護用層を金属で形成することで、電極層及び回路層に傷等の外的損傷が生じることを効果的に防止することができ、良好な接続信頼性を実現することができるプリント配線板を製造することができる。加えて、絶縁性樹脂で回路層保護用層を形成する構成に比べて、薄い厚みで良好な強度を備える回路層保護用層を形成することができる。よって回路層保護用層の薄肉化を実現することができる。
本発明の実施形態に係るプリント配線板を備えてなるフレキシャを示す図で、(a)は本発明の実施形態に係るフレキシャが組み込まれるヘッド・スタック・アセンブリを示す平面図、(b)は本発明の実施形態に係るフレキシャを示す平面図である。 本発明の実施形態に係るプリント配線板を備えてなるフレキシャの要部を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のa―a線方向における断面図、(c)は(a)のb−b線方向における断面部である。 本発明の実施形態に係るプリント配線板及び該プリント配線板を備えてなるフレキシャの製造方法を簡略化して示す要部の断面図である。 本発明の実施形態に係るプリント配線板及び該プリント配線板を備えてなるフレキシャの製造方法を簡略化して示す要部の断面図である。 本発明の実施形態に係るプリント配線板及び該プリント配線板を備えてなるフレキシャの変形例を示す図で、(a)は接続パッド部の要部を示す断面図、(b)は回路部の要部を示す断面図である。 従来のプリント配線板及び該プリント配線板を備えてなるフレキシャの要部を示す図で、(a)は接続パッド部の断面図、(b)は回路部の断面図である。
以下の図面を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板及び該プリント配線板の製造方法を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の実施形態であって、特許請求の範囲に記載の内容を限定するものではない。
まず図1、図2を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板及び該プリント配線板を備えてなるフレキシャを説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るプリント配線板を備えてなるフレキシャ10は、磁気ディスク装置として、密閉空間を形成してなるコンピュータのハードディスク装置(図示しない)を構成するヘッド・スタック・アセンブリ(Head Stack Assembly)100を形成するものである。
前記ヘッド・スタック・アセンブリ100は、図1(a)に示すように、フレキシャ10と、磁気ヘッド部20と、サスペンション30と、アクチュエータ・アセンブリ(Actuator Assembly)40と、ボイスコイルモータ50とから構成される。
前記フレキシャ10は、センス電流、書き込み情報及び読み出し情報等を送受信するためのものである。
より具体的には、図1(b)、図2(a)に示すように、接続パッド部形成領域Sに備えられる複数の接続パッド部S1が、磁気ヘッド部20若しくは外部配線との接続を行うための固定部60と超音波接続されることで、情報等の送受信が行われる。
このフレキシャ10は、図2(b)、図2(c)に示すように、プリント配線板11と、金属支持基板12とから構成される。
前記プリント配線板11は、主としてフレキシャ10の電極や配線回路等を形成するもので、図2(b)、図2(c)に示すように、基材層1と、導電層2とから構成される。
なお本実施形態においては、プリント配線板11の構成を基材層1の片面にのみ導電層2を備える、いわゆる片面フレキシブルプリント配線板とする構成としてある。
前記基材層1は、絶縁性の樹脂からなり、プリント配線板11の基台となるものである。なお本実施形態においては、基材層1を絶縁性の樹脂フィルムで形成してある。
絶縁性の樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。例えばポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等、プリント配線板の基材層を形成する絶縁性の樹脂フィルムとして通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
また特に、柔軟性に加えて高い耐熱性をも有しているものが望ましい。例えばポリアミド系の樹脂フィルムや、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルムや、ポリエチレンナフタレートを好適に用いることができる。
また耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等、プリント配線板の基材層を形成する耐熱性樹脂として通常用いられるものであれば、如何なるものであってもよい。
なお基材層1の厚みは、5μm〜20μm程度とすることが望ましい。
前記導電層2は、基材層1上に積層され、主としてプリント配線板11の電極や配線回路を形成する導電性金属からなる層である。
本実施形態に係るフレキシャ10においては、図1(b)、図2に示すように、導電層2のうち、接続パッド部形成領域Sに複数の接続パッド部S1を形成してあると共に、回路部形成領域Wに複数の回路部W1を形成してある。
前記接続パッド部形成領域Sは、フレキシャ10において、他のプリント配線板の電極等と電気的に接続される接続パッド部S1を形成してある領域である。
本実施形態においては図1(b)、図2(a)に示すように、フレキシャ10の両端に接続パッド部形成領域Sを設けてあると共に、一方の接続パッド部形成領域Sに形成される接続パッド部S1が磁気ヘッド部20と電気接続され、他方の接続パッド部形成領域Sに形成される接続パッド部S1が固定部60と超音波接続されることで、情報等の送受信が行われる。
前記接続パッド部S1は、他のプリント配線板の電極等と電気的に接続されるもので、導電性金属からなる複数の層が積層されることで形成されている。
本実施形態においては、図2(b)に示すように、電極層2aと、接続層2bとで接続パッド部S1を形成してある。更に電極層2aを被覆する第1接続層2b−1と、第1接続層2b−1を被覆する第2接続層2b−2とで接続層2bを形成してある。
前記電極層2aは、電極を形成する層である。
なお本実施形態においては、電極層2aを銅(Cu)で形成してある。
また電極層2aの厚みは5μm〜20μm程度、より好適には10μm〜15μm程度とすることが望ましい。
前記第1接続層2b−1は、電極層2aと第2接続層2b−2との間に介在し、接続層の強度を補強すると共に、電極層2aを形成する銅が第2接続層2b−2へと拡散することを防止するための拡散防止層としての役割を果たす層である。
なお本実施形態においては、第1接続層2b−1をパラジウム(Pd)からなるパラジウム層で形成してある。
また第1接続層2b−1の厚みは、0.05μm〜0.2μm程度、より好適には0.05μm〜0.1μm程度とすることが望ましい。
前記第2接続層2b−2は、接続層2bの最表面層を形成し、他のプリント配線板の電極等と接合される層である。より具体的には、本実施形態においては、磁気ヘッド部20又は固定部60の図示しない各接続パッド部と超音波接続される層である。
なお本実施形態においては、第2接続層2b−2を金(Au)からなる金層で形成してある。
また第2接続層2b−2の厚みは0.05μm〜0.2μm程度、より好適には0.05μm〜0.1μm程度とすることが望ましい。
前記回路部形成領域Wは、フレキシャ10の両端に配設されている接続パッド部S1間の電気的な接続を行うための回路部W1を備える領域である。
本実施形態においては図1(b)、図2(a)に示すように、接続パッド部S1と同数の回路部W1を備える構成としてある。
前記回路部W1は、いわゆる配線回路を備えるものであり、導電性金属からなる複数の層が積層されることで形成されている。
本実施形態においては、図2(c)に示すように、回路層2cと、回路層2cを被覆する回路層保護用層2dとで回路部W1を形成してある。更に回路層2cを被覆する第1回路層保護用層2d−1と、第1回路層保護用層2d−1を被覆する第2回路層保護用層2d−2とで回路層保護用層2dを形成してある。
前記回路層2cは、プリント配線板11及びフレキシャ10のいわゆる配線回路を形成する層である。
また本実施形態においては、既述した電極層2aと同様に銅(Cu)で回路層2cを形成してある。また回路層2cの厚みも電極層2aの厚みと同一厚に形成してある。
なお回路層2cの厚みは、電極層2aと同様に5μm〜20μm程度、より好適には10μm〜15μm程度とすることが望ましい。
前記第1回路層保護用層2d−1は、回路層2cと第2回路層保護用層2d−2との間に介在し、主として回路層保護用層2dの強度を補強すると共に、回路層2cに傷等の外的損傷が生じることを防止するための層である。また本実施形態においては、回路層2cを形成する銅が第2回路層保護用層2d−2へと拡散することを防止するための拡散防止層としての役割も果たす層である。
なお本実施形態においては、第1回路層保護用層2d−1の形成工程を第1接続層2b−1の形成工程で兼用させる構成として、第1回路層保護用層2d−1と第1接続層2b−1とを同時に形成する構成としてある。
より具体的には、同一工程内(本実施形態においては第1接続層2b−1の形成工程内)において、電極層2aの表面と回路層2cの表面とにパラジウムを被覆させることで、第1接続層2b−1と第1回路層保護用層2d−1とを同時に形成する構成としてある。
つまり第1回路層保護用層2d−1は、第1接続層2b−1を形成する導電性金属たるパラジウムで兼用させて形成してある。
なお第1回路層保護用層2d−1の厚みは、既述した第1接続層2b−1と同様に0.05μm〜0.2μm程度、より好適には0.05μm〜0.1μm程度とすることが望ましい。
前記第2回路層保護用層2d−2は、回路層保護用層2dの最表面層を形成し、主として回路層2cに傷等の外的損傷が生じることを防止するための層である。また本実施形態においては、第1回路層保護用層2d−1が腐食することを防止するための腐食防止層としての役割も果たす層である。
なお本実施形態においては、第2回路層保護用層2d−2の形成工程を第2接続層2b−2の形成工程で兼用させる構成として、第2回路層保護用層2d−2と第2接続層2b−2とを同時に形成する構成としてある。
より具体的には、同一工程内(本実施形態においては第2接続層2b−2の形成工程内)において、第1接続層2b−1の表面と第1回路層保護用層2d−1の表面とに金を被覆させることで、第2接続層2d−2と第2回路層保護用層2d−2とを同時に形成する構成としてある。
つまり第2回路層保護用層は、第2接続層2b−1を形成する導電性金属たる金で兼用させて形成してある。
なお第2回路層保護用層2d−2の厚みは、既述した第2接続層2b−2と同様に0.05μm〜0.2μm程度、より好適には0.05μm〜0.1μm程度とすることが望ましい。
なお電極層2a及び回路層2cは、めっきを用いて基材層1に銅を積層したり(いわゆるアディティブ法)、基材層1に予め積層される銅をエッチングしたり(いわゆるサブトラクティブ法)等の公知の形成方法を用いて形成することができる。
また第1接続層2b−1、第2接続層2b−2は、めっきを用いてそれぞれ電極層2a、第1接続層2b−1にパラジウム、金を被覆させることで形成することができる。
また第1回路層保護用層2d−1、第2回路層保護用層2d−2は、めっきを用いてそれぞれ回路層2c、第1回路層保護用層2d−1にパラジウム、金を被覆させることで形成することができる。
前記金属支持基板12は、平板状の金属箔や金属薄板からなり、フレキシャ10の剛性を確保すると共に、電気的なグランドを形成するものである。
なお本実施形態においては、金属支持基板12を形成する金属としてステンレス(SUS)を用いる構成としてある。
勿論、金属支持基板12を形成する金属は、ステンレスに限るものではなく、アルミ(Al)等、フレキシャの金属支持基板を形成する金属として通常用いられるものであれば、如何なる金属を用いてもよい。
なお金属支持基板12の厚みは、金属支持基板12を形成する金属としてステンレスを用いた場合は1μm〜30μm程度、より好適には15μm〜25μm程度とすることが望ましい。
また金属支持基板12は、図示しない接着剤層を介してプリント配線板11に取り付けられている。
前記磁気ヘッド部20は、情報の書き込み及び読み出しを行うためのもので、図示しないヘッドコアを備える。
このヘッドコアは、図1(a)には詳しくは図示していないが、サスペンション30に沿って設けられるフレキシャ10に接続されており、このフレキシャ10を介して情報がやりとりされる。
前記サスペンション30は、磁気ヘッド部20を支持すると共に、磁気ヘッド部20に対して図示しないハードディスク装置の磁気ディスク方向に弾性力を加える機能を有するものである。
前記アクチュエータ・アセンブリ40は、主として磁気ヘッド部20及びサスペンション30を揺動可能に保持するためのものである。
このアクチュエータ・アセンブリ40は、図1(a)に示すように、主として磁気ヘッド部20及びサスペンション30を揺動可能に保持するためのアクチュエータユニット41と、ボイスコイルモータ50の回転力を伝達させるためのピボット軸42とから構成される。
前記ボイスコイルモータ50は、アクチュエータユニット41に保持される磁気ヘッド部20及びサスペンション30を揺動するためのモータである。
このような構成からなる本発明の実施形態に係るプリント配線板11及びプリント配線板11を備えてなるフレキシャ10は、以下の効果を奏する。
まず接続パッド部S1においては、銅からなる電極層2aと、金からなる第2接続層2b−2との間にパラジウムからなる第1接続層2b−1を介在させる構成とすることで、電極層2aを形成する銅がイオン化して金からなる第2接続層2b−2へと拡散すること(いわゆるマイグレーション現象)を効果的に防止することができる。
よって電極層2aを形成する銅が第2接続層2b−2に拡散することによって、磁気ヘッド部20又は固定部60に対する接続パッド部S1の密着強度が低下し、接続パッド部S1が剥離すること等による接続不良が発生することを効果的に防止することができる。
従って良好な接続信頼性を維持することができるプリント配線板11及びフレキシャ10とすることができる。
また第2接続層2b−2の下層(下地層)となる第1接続層2b−1を、優れた強度を備えるパラジウムで形成することで、第2接続層2b−2の厚みを薄肉化させても超音波接続時に超音波振動の減衰が生じることがない。よって金からなる第2接続層2b−2の厚みを薄肉化させることができる。従って良好な接続信頼性を実現することができると共に、材料コストの低コスト化、接続パッド部S1の薄肉化を実現することができる。
また接続層2bの最表面層を金で形成することで、超音波接続に好適な接続パッド部S1とすることができる。
また金属的な安定性に優れた金で接続層2bの最表面層を形成することで、接続層2bに腐食が生じることを効果的に防止することができる。よって良好な電気的及び機械的な接続信頼性を実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ10とすることができる。
また回路部W1においては、回路層保護用層2dを金属で形成することで、回路層2cに傷等の外的損傷が生じることを効果的に防止することができ、電気的及び機械的な接続信頼性が高いプリント配線板11及びフレキシャ10とすることができる。加えて、絶縁性樹脂で回路層保護用層2dを形成する構成に比べて、薄い厚みで良好な強度を備える回路層保護用層2dを形成することができる。よって回路層保護用層2dの薄肉化を実現することができる。
また回路層保護用層2dの構成を、優れた強度を備えるパラジウムからなる第1回路層保護用層2d−1と、金属的な安定性に優れた金からなる第2回路層保護用層2d−2との2層で形成する構成とすることで、回路層2cに傷等の外的損傷が生じることを一段と効果的に防止することができる。また金からなる第2回路層保護用層2d−2の下層(下地層)となる第1接続層2d−1を、優れた強度を備えるパラジウムで形成することで、第2回路層保護用層の厚みを薄肉化させても良好な強度を備える回路層保護用層2dを形成することができる。よって回路部W1の薄肉化を一段と実現することができる。加えて既述した接続パッド部S1の薄肉化と合わさってプリント配線板11及びフレキシャ10の薄肉化を実現することができる。
また金属的な安定性に優れた金で回路層保護用層2dの最表面層を形成することで、回路層保護用層2dに腐食が生じることを効果的に防止することができる。よって良好な電気的及び機械的な接続信頼性を実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ10とすることができる。
また銅からなる回路層2cと、金からなる第2回路層保護用層2d−2との間にパラジウムからなる第1回路層保護用層2d−1を介在させる構成とすることで、回路層2cを形成する銅がイオン化して金からなる第2回路層保護用層2d−2へと拡散すること(いわゆるマイグレーション現象)を効果的に防止することができる。よって銅が拡散することによって第2回路層保護用層2d−2に腐食が生じることを効果的に防止することができ、電気的及び機械的な接続信頼性が高いプリント配線板11及びフレキシャ10とすることができる。
また回路層2cと回路層保護用層2dとの接合を、金属同士の接合とすることができ、回路層2cと回路層保護用層2dとの密着力をより強固なものとすることができる。よって剥離強度の高い回路層保護用層2dとすることができる。従って、特に使用時に振動環境下におかれるフレキシャ10においては、回路層保護用層2dが剥離することを効果的に防止することができ、電気的及び機械的な接続信頼性が一段と高いプリント配線板11及びフレキシャ10とすることができる。またこのように回路層保護用層2dを金属で形成する構成としても、本実施形態におけるプリント配線板11及びフレキシャ10は、既述したように特に密閉空間内に配設されるもの(使用時において異物の混入が防止されている環境下に配設されるもの)であるので、回路部W1に異物が接触することに伴って回路層2dに短絡(ショート)が生じることを容易に防止することができる。
まためっきを用いて回路層保護用層2dを形成する構成とすることで、高密度配線に対しても回路層保護用層2dの形成を容易且つ効率的に行うことができる。
更にプリント配線板11全体においては、第1接続層2b−1と第1回路層保護用層2d−1、また第2接続層2b−2と第2回路層保護用層2d−2とを同一材料、同一工程で形成することができる。よって製造コストの低コスト化と製造工程数の削減化を実現することができ、製造効率の良いプリント配線板11及びフレキシャ10とすることができる。
つまり他のプリント配線板の電極等と接続される接続パッド部Sを有するプリント配線板、例えば図6に示すような従来のプリント配線板74及びプリント配線板74を備えてなる従来のフレキシャ70においては、図6(a)に示すように、基材層71上に銅からなる電極層72aを形成し、電極層72aをニッケル等の導電性金属からなる第1接続層72b−1で被覆し、更に第1接続層72b−1を金からなる第2接続層72b−2で被覆することで接続パッド部S2を形成すると共に、図6(b)に示すように、銅からなる回路層72cに感光性の絶縁性樹脂を被覆させ、露光処理、現像処理、熱硬化処理を経て回路層保護用層73(いわゆる絶縁層)を形成することで、回路部W2を形成するものが一般的であった。
またこのようなフレキシャ70を構成するプリント配線板74においては、回路層72c(いわゆる配線回路)を高密度で形成するものが一般的であった。
よって従来のプリント配線板74及びフレキシャ70においては、回路層保護用層73の形成に高精度なパターニング工程が必要となることから、回路層保護用層73の形成工程が複雑になる(製造工程数が多くなる)と共に、加工コストが高くなるという問題があった。
なお従来のプリント配線板74及びフレキシャ70を構成する基材層71、電極層72a、第2接続層72b−2、回路層72c、金属支持基板75は、既述した本発明の実施形態に係るプリント配線板11及びフレキシャ10を構成する基材層1、電極層2a、第2接続層2b−2、回路層2c、金属支持基板12と同一部材、同一機能を果たすものであることから、以下の詳細な説明は省略するものとする。
従って本発明の実施形態に係るプリント配線板11、プリント配線板11を備えてなるフレキシャ10の構成とすることで、特に製造コストの低コスト化及び製造工程の削減化を実現することができ、製造効率の良いプリント配線板11及びフレキシャ10とすることができる。
次に図3、図4を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板11及びプリント配線板11を備えてなるフレキシャ10の製造方法を説明する。
なお本実施形態においては、接続パッド部S1と回路部W1とを同一材料、同一工程、同一厚みで形成する構成としてあることから、図3、図4においては、回路部W1の断面図の要部のみを図示して以下の説明を行うこととする。
まず図3(a)を参照して、基材層形成工程Eにより、絶縁性の樹脂フィルムを用いて基材層1を形成する。
次に図3(a)を参照して、金属支持基板取り付け工程Fにより、基材層1の下面に図示しない接着剤層を介して金属支持基板12を取り付ける。
次に図3(b)を参照して、導電層形成工程Gにより、基材層1の上面に銅をめっきすることで導電層2を形成する。
次に図示しない接続パッド部形成工程における電極層形成工程により、エッチングレジスト(図示しない)を用いて電極層2aを形成しない領域の銅をエッチング除去することで電極層2aを形成する(いわゆるセミアディティブ法)。
この電極層2aを形成する際に、図3(c)を参照して、回路部形成工程Hにおける回路層形成工程H1により、エッチングレジストを用いて回路層2cを形成しない領域の銅をエッチング除去することで回路層2cを電極層2aと同時に形成する。つまり回路層形成工程H1を電極層形成工程で兼用させ、電極層2aと回路層2cとを銅からなる同一層をエッチング処理することで形成する。
次に図示しない接続パッド部形成工程における接続層形成工程により、電極層2aの表面にめっきを用いてパラジウムを被覆させることで第1接続層2b−1を形成する。
この第1接続層2b−1を形成する際に、図4(a)を参照して、回路部形成工程Hにおける回路層保護用層形成工程H2により、回路層2cの表面にめっきを用いてパラジウムを被覆させることで第1回路層保護用層2d−1を形成する。つまり回路層保護用層形成工程H2を接続層形成工程で兼用させ、第1回路層保護用層2d−1を第1接続層2b−1を形成するパラジウムで兼用させて形成する。
次に図示しない接続パッド部形成工程における接続層形成工程により、第1接続層2b−1の表面にめっきを用いて金を被覆させることで第2接続層2b−2を形成する。
この第2接続層2b−2を形成する際に、図4(b)を参照して、回路部形成工程Hにおける回路層保護用層形成工程H2により、第1回路層保護用層2d−1の表面にめっきを用いて金を被覆させることで第2回路層保護用層2d−2を形成する。つまり回路層保護用層形成工程H2を接続層形成工程で兼用させ、第2回路層保護用層2d−2を第2接続層2b−2を形成する金で兼用させて形成する。
以上の工程を経ることで、本発明の実施形態に係るプリント配線板11及びプリント配線板11を備えてなるフレキシャ10が製造される。
このように製造されるフレキシャ10は、ヘッド・スタック・アセンブリ100に組み込まれ、更に図示しない密閉空間たる磁気ディスク装置内に組み込まれる。
このような構成からなる本発明の実施形態に係るプリント配線板11の製造方法及びプリント配線板11を備えてなるフレキシャ10の製造方法は以下の効果を奏する。
まず接続パッド部S1においては、銅からなる電極層2aと金からなる第2接続層2b−2との間にパラジウムからなる第1接続層2b−1を介在させる構成とすることで、電極層2aを形成する銅がイオン化して金からなる第2接続層2b−2へと拡散すること(いわゆるマイグレーション現象)を効果的に防止することができる。
よって電極層2aを形成する銅が第2接続層2b−2に拡散することによって、磁気ヘッド部20又は固定部60に対する接続パッド部S1の密着強度が低下し、接続パッド部S1が剥離すること等による接続不良が発生することを効果的に防止することができる。
従って良好な接続信頼性を維持することができるプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。
また第2接続層2b−2の下層(下地層)となる第1接続層2b−1を、優れた強度を備えるパラジウムで形成することで、第2接続層2b−2の厚みを薄肉化させても超音波接続時に超音波振動の減衰が生じることがない。よって金からなる第2接続層2b−2の厚みを薄肉化させることができる。従って良好な接続信頼性を実現することができると共に、材料コストの低コスト化、接続パッド部S1の薄肉化を実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。
また接続層2bの最表面層を金で形成することで、超音波接続に好適な接続パッド部S1を形成することができる。
また金属的な安定性に優れた金で、接続層2bの最表面層を形成することで、接続層2bに腐食が生じることを効果的に防止することができる。よって良好な電気的及び機械的な接続信頼性を実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。
また回路部W1においては、回路層保護用層2dを金属で形成することで、回路層2cに傷等の外的損傷が生じることを効果的に防止することができ、電気的及び機械的な接続信頼性が高いプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。加えて、絶縁性樹脂で回路層保護用層2dを形成する構成に比べて、薄い厚みで良好な強度を備える回路層保護用層2dを形成することができる。よって回路層保護用層2dの薄肉化を実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。
また回路層保護用層2dの構成を、優れた強度を備えるパラジウムからなる第1回路層保護用層2d−1と、金属的な安定性に優れた金からなる第2回路層保護用層2d−2との2層で形成する構成とすることで、回路層2cに傷等の外的損傷が生じることを一段と効果的に防止することができるプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。
また金からなる第2回路層保護用層2d−2の下層(下地層)となる第1接続層2d−1を、優れた強度を備えるパラジウムで形成することで、第2回路層保護用層の厚みを薄肉化させても良好な強度を備える回路層保護用層2dを形成することができる。よって回路部W1の薄肉化を一段と実現することができる。加えて既述した接続パッド部S1の薄肉化と合わさってプリント配線板11及びフレキシャ10の薄肉化を実現することができる。
また金属的な安定性に優れた金で、回路層保護用層2dの最表面層を形成することで、回路層保護用層2dに腐食が生じることを効果的に防止することができる。よって良好な電気的及び機械的な接続信頼性を実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。
また銅からなる回路層2cと、金からなる第2回路層保護用層2d−2との間にパラジウムからなる第1回路層保護用層2d−1を介在させる構成とすることで、回路層2cを形成する銅がイオン化して金からなる第2回路層保護用層2d−2へと拡散すること(いわゆるマイグレーション現象)を効果的に防止することができる。よって銅が拡散することによって第2回路層保護用層2d−2に腐食が生じることを効果的に防止することができ、電気的及び機械的な接続信頼性が高いプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。
また回路層2cと回路層保護用層2dとの接合を、金属同士の接合とすることができ、回路層2cと回路層保護用層2dとの密着力をより強固なものとすることができる。よって剥離強度の高い回路層保護用層2dとすることができる。従って、特に使用時に振動環境下におかれるフレキシャ10においては、回路層保護用層2dが剥離することを効果的に防止することができ、電気的及び機械的な接続信頼性が一段と高いプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。またこのように回路層保護用層2dを金属で形成する構成としても、本実施形態におけるプリント配線板11及びフレキシャ10は、既述したように特に密閉空間内に配設されるもの(使用時において異物の混入が防止されている環境下に配設されるもの)であるので、回路部W1に異物が接触することに伴って回路層2dに短絡(ショート)が生じることを容易に防止することができる。
まためっきを用いて回路層保護用層2dを形成する構成とすることで、高密度配線に対しても回路層保護用層2dの形成を容易且つ効率的に行うことができる。
更にプリント配線板11全体においては、第1接続層2b−1と第1回路層保護用層2d−1、また第2接続層2b−2と第2回路層保護用層2d−2とを同一材料、同一工程で形成することができる。
つまり回路部W1を形成するための材料、工程を単独で設ける必要がなく、接続パッド部S1の形成材料、形成工程で兼用させることができる。
よって既述した従来のプリント配線板74及びフレキシャ70のように、接続パッド部S2と、回路部W2とをそれぞれ別工程で形成する構成に比べて、特に回路部W1の製造工程数を大幅に削減することができる。
更に第1接続層2b−1と第1回路層保護用層2d−1、また第2接続層2b−2と第2回路層保護用層2d−2とを同一材料で形成することができることで、製造コストの低コスト化も実現することができる。
従って製造効率の良いプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法とすることができる。
次に図5を参照して、本発明の実施形態に係るプリント配線板11及びフレキシャ10の変形例を説明する。
本変形例は、既述した本発明の実施形態に係るプリント配線板11及びフレキシャ10に対して、接続層2b及び回路層保護用層2dの構成を変化させたものである。その他の構成は既述した本発明の実施形態に係るプリント配線板11及びフレキシャ10と同様である。
よって既述した本発明の実施形態に係るプリント配線板11及びフレキシャ10と同一部材、同一機能を果たすものには同一番号を付し、以下の詳細な説明は省略するものとする。
図5を参照して、本変形例に係るフレキシャ80は、接続層2b及び回路層保護用層2dをそれぞれ3層で形成する構成とするものである。
より具体的には、図5(a)を参照して、まず接続パッド部S1においては、電極層2aを被覆する第1接続層2b−1と、第1接続層2b−1を被覆する第2接続層2b−2と、第1接続層2b−1と第2接続層2b−2との間に介在する第3接続層2b−3とで接続層2bを形成してある。
更に具体的には、第1接続層2b−1をニッケル(Ni)で、第2接続層2b−2を金(Au)で、第3接続層2b−3をパラジウム(Pd)で形成する構成としてある。
このような構成とすることで、電極層2aを形成する銅がイオン化して金からなる第2接続層2b−2へと移動して拡散することを、一段と効果的に防止することができる。よって良好な接続信頼性と薄肉化とを同時に実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ80とすることができる。
また第3接続層2b−3の下地層となる第1接続層2b−1をニッケルで形成することで、めっきによるパラジウムを用いた膜形成の精度を向上させることができ、パラジウムからなる第3接続層2b−3の厚みの均一化を効果的に実現することができる。よって電極層2aを形成する銅がイオン化して金からなる第2接続層2b−2へと移動して拡散することを一段と確実に防止することができると共に、超音波接続時に超音波振動の減衰が生じることを一段と防止することができる。従って一段と良好な接続信頼性を実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ80とすることができる。
また図5(b)を参照して、回路部W1においては、回路層2cを被覆する第1回路層保護用層2d−1と、第2回路層保護用層2d−2と、第1回路層保護用層2d−1と第2回路層保護用層2d−2との間に介在する第3回路層保護用層2d−3とで回路層保護用層2dを形成してある。
更に具体的には、第1回路層保護用層2d−1をニッケル(Ni)で、第2回路層保護用層2d−2を金(Au)で、第3回路層保護用層2d−3をパラジウム(Pd)で形成する構成としてある。
このような構成とすることで、回路層2aを形成する銅がイオン化して金からなる第2回路層保護用層2d−2へと移動して拡散することを、一段と効果的に防止することができる。よって良好な接続信頼性と薄肉化とを同時に実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ80とすることができる。
また第3回路層保護用層2d−3の下地層となる第1回路層保護用層2b−1をニッケルで形成することで、めっきによるパラジウムを用いた膜形成の精度を向上させることができ、パラジウムからなる第3回路層保護用層2b−3の厚みの均一化を効果的に実現することができる。よって回路層2cを形成する銅がイオン化して金からなる第2回路層保護用層2d−2へと拡散することを一段と確実に防止することができると共に、回路層2cに傷等の外的損傷が生じることを一段と効果的に防止することができる。よって一段と良好な接続信頼性を実現することができるプリント配線板11及びフレキシャ80を製造することができる。
なお本変形例においては、ニッケルで形成する第1接続層2b−1及び第1回路層保護用層2d−1の厚みは、1μm〜5μm程度、より好適には2μm〜3μm程度とすることが望ましい。
また金で形成する第2接続層2b−2及び第2回路層保護用層2d−2の厚みは、0.05μm〜0.2μm程度、より好適には0.05μm〜0.1μm程度とすることが望ましい。
またパラジウムで形成する第3接続層2b−3及び第3回路層保護用層2d−3の厚みは、0.05μm〜0.2μm程度、より好適には0.05μm〜0.1μm程度とすることが望ましい。
なお本発明の実施形態及び変形例においては、プリント配線板11の構成を基材層1の片面にのみ導電層2を備える、いわゆる片面フレキシブルプリント配線板とする構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、基材層1の両面に導電層2を備える、いわゆる両面フレキシブルプリント配線板とする構成としてもよい。
また接続層2bと回路層保護用層2dとで、それぞれを形成する導電性金属層の層数を異なる層数とする構成としてもよい。このような構成とすることで、一段と製造コストの低コスト化を実現することができる。
また本実施形態に係るプリント配線板11及びフレキシャ10の製造方法においては、いわゆるセミアディティブ法で導電層2a及び回路層2cを形成する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、プリント配線板の電極層及び回路層を形成する方法として公知の如何なる形成方法(アディティブ法やサブトラクティブ法等)を用いてもよい。
また本実施形態に係るフレキシャ10の製造方法においては、導電層2を形成する前に基材層1に金属支持基板12を取り付ける構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、フレキシブルプリント配線板11を形成した後に、接着剤層を介して金属支持基板12を取り付ける構成としてもよい。
また本発明の実施形態に係るプリント配線板11においては、接続パッド部S1を超音波接続で他のプリント配線板の電極等と接続する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、接続パッド部S1を他のプリント配線板の電極等と接続する方法は、例えばワイヤーボンディング等適宜変更可能である。
本発明によれば、他のプリント配線板の電極等と接続される接続パッド部を備えるプリント配線板において、製造コストの低コスト化及び製造工程の削減化を実現することができると共に、良好な接続信頼性を実現することができることから、他のプリント配線板の電極等と接続される接続パッド部を備えるプリント配線板の分野における産業上の利用性が高い。
1 基材層
2 導電層
2a 電極層
2b 接続層
2b−1 第1接続層
2b−2 第2接続層
2b−3 第3接続層
2c 回路層
2d 回路層保護用層
2d−1 第1回路層保護用層
2d−2 第2回路層保護用層
2d−3 第3回路層保護用層
10 フレキシャ
11 フレキシブルプリント配線板
12 金属支持基板
20 磁気ヘッド部
30 サスペンション
40 アクチュエータ・アセンブリ
41 アクチュエータユニット
42 ピボット軸
50 ボイスコイルモータ
60 固定部
70 フレキシャ
71 基材層
72 導電層
72a 電極層
72b 接続層
72b−1 第1接続層
72b−2 第2接続層
72c 回路層
73 回路層保護用層
74 フレキシブルプリント配線板
75 金属支持基板
80 フレキシャ
100 ヘッド・スタック・アセンブリ
E 基材層形成工程
F 金属支持基板取り付け工程
G 導電層形成工程
H 回路部形成工程
H1 回路層形成工程
H2 回路層保護用層形成工程
S 接続パッド部形成領域
S1 接続パッド部
S2 接続パッド部
W 回路部形成領域
W1 回路部
W2 回路部

Claims (5)

  1. 導電層の一部に接続パッド部と回路部とを形成してあると共に、前記接続パッド部を介して他のプリント配線板の電極等と接続されるプリント配線板であって、前記接続パッド部が、電極層と、該電極層を被覆して他のプリント配線板の電極等と接続される接続層とから形成されると共に、前記回路部が、回路層と、該回路層を被覆して回路層を保護する回路層保護用層とから形成されるものにおいて、前記回路層保護用層は、前記接続層を形成する導電性金属で兼用させて形成してあることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記接続層及び前記回路層保護用層は、1乃至複数層からなると共に、少なくとも1層がパラジウムからなるパラジウム層であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記接続層及び前記回路層保護用層は、1乃至複数層からなると共に、前記パラジウム層に加えて、最表面層が金からなる金層であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板。
  4. 前記接続層及び前記回路層保護用層は、2層からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のプリント配線板。
  5. 請求項1に記載のプリント配線板の製造方法であって、絶縁性の樹脂からなる基材層を形成する基材層形成工程と、前記基材層上に導電性金属からなる導電層を形成する導電層形成工程とを少なくとも備え、該導電層形成工程に他のプリント配線板の電極等と接続される接続パッド部を形成する接続パッド部形成工程と、回路部を形成する回路部形成工程とを備えると共に、前記接続パッド部形成工程が、前記基材層上に電極層を形成する電極層形成工程と、前記電極層に導電性金属を被覆させて他のプリント配線板の電極等と接続される接続層を形成する接続層形成工程とからなり、且つ前記回路部形成工程が、前記基材層上に回路層を形成する回路層形成工程と、前記接続層形成工程において用いる導電性金属を前記回路層にも兼用させて被覆することで、前記回路層を保護する回路層保護用層を形成する回路層保護用層形成工程とからなることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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