以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では文字入力装置の一例である携帯型情報処理装置に本発明を適用した例について説明する。以下の説明では、同一の構成要素又は部品には同じ参照符号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。従って、それらについての詳細な説明については繰返さない。
(第1実施形態)
[構成]
図1及び図2に示すように、第1実施形態による携帯型情報処理装置80は、例えば、電話機能を有するスマートフォン(Smartphone)からなる。この携帯型情報処理装置80は、偏平状の筐体5と、筐体5の一面に配されたディスプレイ10とを備える。ディスプレイ10は、タッチパネル機能を有しており、指及びペンなどで画面に触れることでディスプレイ10から直接入力を行なうことが可能となっている。
携帯型情報処理装置80は、通信及び通話機能などに加えて、文字を入力する機能をも備えている。そのため、本携帯型情報処理装置80は、実質的に、文字入力装置として機能する。携帯型情報処理装置80は、携帯性を向上させるために本体は小型化されている一方、視認性等を向上させるためにディスプレイ10は本体に対して大画面化されている。そのため、ディスプレイ10は筐体5の一面の大部分を占めており、その周囲に最小限のハードキー6が設置された構成となっている。従って、携帯型情報処理装置80においては、その操作の大部分がタッチパネル機能を有するディスプレイ10に触れることで行われる。
図3に示すように、携帯型情報処理装置80は、ディスプレイ10に加えて、BUSライン7と、いずれもBUSライン7に接続された、制御部20、音声処理部30及び無線送受信部40とを含む。BUSライン7、制御部20、音声処理部30及び無線送受信部40は筐体5の内部に収納されている。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21及び記憶部22を含み、BUSライン7に接続されている。CPU21は、記憶部22に格納されるプログラムに基づき携帯型情報処理装置80の各部の制御を行なう。記憶部22は、プログラム又はデータを予め記憶するためのROM(Read Only Memory)22aと、各プログラム実行時のワーク領域のほか、操作情報や判定結果の一時記憶領域としても用いることができるRAM(Random Access Memory)22bとを含む。
ディスプレイ10は、表示部10a及びタッチパネル10bを含む。表示部10aは、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイからなる。また、ディスプレイ10は、ディスプレイI/F11を介して、BUSライン7と接続されている。ディスプレイI/F11は、ディスプレイ10との間の接続に関するインターフェイスを提供する。タッチパネル10bは、タッチパネル制御部12を介して、BUSライン7と接続されている。タッチパネル制御部12は、ユーザーの指等が接触又は近接した点である指示点の指示面内での位置座標(タッチパネル10bの位置座標)を抽出し、抽出した位置座標に対応した信号を生成して制御部20に出力する。ディスプレイ10は、制御部20からの指示によってその表示が制御される。
音声処理部30は、BUSライン7と接続されており、制御部20からの指示により種々の音声データを処理する。また、音声処理部30は、スピーカー31及びマイク32と接続されている。スピーカー31は、例えば、通話時等に送受信されるオーディオデータ、受信したメッセージに含まれるオーディオデータ、及び記憶部22に保存されたオーディオファイル再生によるオーディオデータなどを出力する。マイク32は、例えば、通話時にユーザーの音声又はその他のオーディオ信号を収集する。
無線送受信部40は、BUSライン7と接続されており、外部との通話及び通信を行なうためのデータを送受信する。また、携帯型情報処理装置80は、無線送受信部40を介して、インターネットを含む通信ネットワークに接続可能に構成されている。
携帯型情報処理装置80では、文字入力の際に、ディスプレイ10の画面にキーボードが表示され、そのキーボードの操作により文字入力が行われる。すなわち、本携帯型情報処理装置80では、ディスプレイ10に表示されるソフトキーボード50を用いて文字入力が行われる。具体的には、文字入力の際に、例えば、図4に示すようなソフトキーボード50がディスプレイ10に表示される。図4及び図5に示すように、ソフトキーボード50はキー51がQWERTY配列された日本語フルキーボードからなる。このようなQWERTY配列の日本語フルキーボードは、PC(Personal Computer)等で用いられるキーボードと同じキー配列であるため、多くのユーザーにとって使い慣れたキー配列であるといえる。また、日本語フルキーボードを用いた場合、ローマ字入力からかな文字列に変換される。また、このようなソフトキーボード50は、複数のキー51を含むキー入力部として機能する。
上記ソフトキーボード50(日本語フルキーボード)では、限られた表示スペースの中に全てのキー51が配置されている。そのため、図4に示すように、ソフトキーボード50においては、一つ一つのキー51は小さく、また、隣接するキー間の間隔も非常に狭い。そのため、このようなソフトキーボード50を用いてキー操作を行なう場合、ユーザーはキー51を打ち間違えるおそれがある。
次に、図3、図5〜図9を参照して、第1実施形態による携帯型情報処理装置80の文字入力について説明する。なお、以下では、ユーザーがソフトキーボード50を用いて、例えば、“AKA”と入力しようとした場合を想定し、正しくキー入力された場合と、誤入力された場合とについて説明する。
図6に示すように、正しくキー操作された場合、入力された“AKA”がかな文字列に変換されて「あか」と入力される。
一方、従来技術では、図7に示すように、“AKA”と入力しようとして、間違って“ALA”と入力した場合、かな変換されて「あぁ」と入力される。また、図8に示すように、“AKA”と入力しようとして、間違って“SKA”と入力した場合、かな変換されて「sか」と入力される。
このように、個々のキー51が小さく、隣接するキーとの間隔が狭いソフトキーボード50では、本当に入力したいキー51に隣接するキー(例えば、上下左右に位置するキー)を誤入力しやすい。
例えば、上記のように、“A”のキーを入力しようとした場合、図5に示すように、“A”のキーの近傍には“S”のキーが配置されている。そのため、間違って“S”のキーを入力してしまう場合がある。また、“K”のキーを入力しようとした場合、“K”のキーの近傍には“L”のキーが配置されているので、間違って“L”のキーを入力してしまう場合がある。
そこで、第1実施形態の携帯型情報処理装置80は、入力されたキーがミス入力かもしれないことを予測(考慮)して、キーが入力されると、入力したキーの近傍に位置するキーを抽出して入力したキーとともに記憶部22に記憶し、記憶したキーから変換候補を生成して表示するように構成されている。
具体的には、文字入力に際し、入力ミスを予測(考慮)してユーザーの意図する変換候補を表示するためのコンピュータプログラムが記憶部22に格納されている。そして、このコンピュータプログラムを実行することで、ユーザーがキー入力を行なうと、ユーザーの入力ミスを考慮した変換候補がディスプレイ10上に表示される。より具体的には、ユーザーが文字キーを入力すると入力したキーが検知されるとともに、そのキーに隣接するキーが抽出される。そして、検知されたキー及び抽出されたキーから変換候補が生成されて、生成された変換候補が表示される。
また、上記記憶部22の例えばRAM22bには、過去の変換履歴情報(例えば、ローマ字かな変換履歴)が格納される。さらに、第1実施形態の携帯型情報処理装置80は、予め各キーについて正しい可能性のあるキーの一覧をテーブル形式でもっている。例えば、図9に示すようなキー優先度テーブルが記憶部22(図3参照)に格納されている。このキー優先度テーブルでは、各行の左端が入力されるキーを示しており、その右側に入力キーが誤りのときに正しい入力キーである可能性のあるキーを示している。キー優先度テーブル内のカッコの中の数字は優先度を計算するときの係数の一例である。そして、このキー優先度テーブルを参照することで、表示させる変換候補の優先度(表示優先度)が計算(算出)される。なお、図9に示すキー優先度テーブルについては後述する。
図10〜図15は、第1実施形態の携帯型情報処理装置における変換候補の表示を説明するための図である。次に、図3、図9〜図15を参照して、携帯型情報処理装置80における変換候補の生成及び表示について説明する。
文字入力に際し、例えば、ユーザーは“A”→“K”→“A”とキーを入力するつもりでいたのに対し、実際には“S”→“K”→“A”と入力があった場合を想定する。
この場合、
“S”キーの近傍には、“A”、“D”、“W”、“Z”の各キーが配置されている。
“K”キーの近傍には、“J”、“L”、“I”、“N”、“M”の各キーが配置されている。
“A”キーの近傍には、“Q”、“S”の各キーが配置されている。
そのため、実際に入力されたキー及びそのキーの近傍に位置するキーが変換候補の生成に用いられるキーとなる。具体的には、入力ミスを考慮した、変換候補の生成に用いられるキーは例えば図10に示すようになる。より具体的には、“S”キーが入力されると、入力された“S”、及び、“S”に隣接する“A”、“D”、“W”、“Z”を含む組200が記憶部22に記憶される。同様に、“K”キーが入力されると、入力された“K”、及び、“K”に隣接する“J”、“L”、“I”、“N”、“M”を含む組202が記憶部22に記憶される。“A”キーが入力されると、入力された“A”、及び、“A”に隣接する“Q”、“S”を含む組204が記憶部22に記憶される。そして、図11に示すように、組200、組202及び組204の組み合わせによって変換候補が生成される。その際、全ての組み合わせから優先度を決めることにより、表示する変換候補が選抜される。
例えば、「ローマ字」から「かな」に変換する場合、日本語の特徴を考慮すると、異なる子音が2つ続くこと(例えば、“S”→“K”)はないので、このような場合は優先度が低く設定される。また、キー配列的に上下に位置するキーについては誤入力することは希であるため、キー配列の物理的距離を配慮すると、入力したキーに対して上下に配置されるキーについては優先度が低く設定される。
より具体的には、1文字目の入力“S”に対し、上下に位置するキー“W”、“Z”については誤入力が生じる可能性は低いと考えられるので、“W”、“Z”については優先度が下げられる。同様に、2文字目及び3文字目についても、入力キーの上下に位置するキーは優先度が下げられる。
その結果、1文字目は“S”、“A”、“D”が候補に残る。ここで、日本語の特徴を考慮すると、1文字目の入力が“S”又は“D”であった場合、2文字目は“I”しかありえない。そのため、キー配列の物理的距離を配慮すると“I”の優先度は低くなるものの、日本語の特徴を考慮すると優先度は高くなる。
一方、1文字目の入力が“A”であった場合、2文字目は“K”、“J”、“L”を候補として残すことができる。
2文字目についても同様に、3文字目との組み合わせで候補が絞られる。3文字目については、4文字目が入力されていない状態であるため絞り込みは行われない。
以上より、優先度が高い順に変換候補を左側から並べると以下のようになる。なお、変換候補の下には、変換候補をかな変換したものを併せて記載している。
“AKA”、“AJA”、“ALA”、“SIA”、“SIS”、“SIQ”
(「あか」、「あじゃ」、「あぁ」、「しあ」、「しs」、「しq」)
このような優先度による絞り込みは、例えば、入力ラティスに基づく優先度計算の結果を用いて行なうことができる。そのため、第1実施形態では、入力ラティスに基づいて優先度計算を行い、その結果を用いることで表示する変換候補の絞り込みを行っている。
図9及び図12〜図15を参照して、入力ラティスに基づく優先度計算及びその計算結果を用いた変換候補の絞り込みについて説明する。
図12に示すように、入力ラティス上で「始」(開始ノード)から「終」(終了ノード)に至る経路が、ユーザーが実際に入力したキー及びそのキーに隣接するキーを含むキーの組み合わせ(全ての組み合わせ)に対応している。
図12(A)に入力ラティスの初期状態が示されている。この状態から“S”が入力されると、図12(B)に示すように、入力ミスを考慮して“A”、“D”、“W”、“Z”が“S”とともにラティスに追加される。次に、図12(C)示すように、“K”が入力されると、入力ミスを考慮して、“J”、“L”、“I”、“N”、“M”が“K”とともにラティスに追加される。
各文字(各キー)には、例えば図9に示したテーブルに基づく優先度が付与される。具体的には、入力されたキー(入力キー)には、例えば、優先度1.0が付与される。また、入力キーに隣接するキーのうち左右に配置されたキーには、例えば、優先度0.5が付与される。入力キーに隣接するキーのうち上下に配置されたキーは、左右に配置されたキーよりも優先度が低く設定される。具体的には、入力キーに対して上下に配置されたキーには、例えば、優先度0.2が付与される。このため、“S”が入力されると、“S”には優先度1.0、“A”及び“D”には優先度0.5、“Z”には優先度0.2がそれぞれ付与される。同様に、2文字目に“K”が入力されると、“K”には優先度1.0、“J”及び“L”には優先度0.5、“I”、“N”、“M”には優先度0.2がそれぞれ付与される。
また、第1実施形態による携帯型情報処理装置80は、非連接文字テーブルを有しており、この非連接文字テーブルが記憶部22(図3参照)に格納されている。そして、非連接文字テーブルを参照して、文字と文字とをつなぐ経路の各々にも優先度が割り当てられる。非連接文字テーブルでは、日本語としてあり得ない経路には低い優先度が設定されており、日本語としてあり得る経路には高い優先度が割り当てられている。例えば、“S”→“K”、“S”→“J”、“S”→“L”及び“S”→“M”などの経路は、日本語としてありえない経路であるため、例えば優先度0.1が割り当てられる。一方、“S”→“I”のように日本語として自然な経路には例えば優先度1.0が割り当てられる。
同様にして全ての経路の優先度が決められた後、「始」から「終」までの各経路について、優先度が全て乗算される。図13に、いくつかの経路についての優先度計算の結果が表形式で示されている。
さらに、図14に、3文字目に“A”が入力されたときのいくつかの経路についての優先度計算の結果が表形式で示されている。なお、“A”が入力されたときに、入力ミスを考慮して得られる文字は“S”及び“Q”であり、これらの優先度はそれぞれ優先度0.5と優先度0.2である。
優先度の計算結果(途中の計算結果)が所定の値より小さい場合は、ユーザーが本来入力しようとする文字又は文字列である可能性が低い。そのため、このような場合には、計算量を削減するために、それ以上計算させないようにするのが好ましい。例えば、図13に示す計算では、上記経路のうち“K”入力までの優先度の計算結果が0.1以下のものは削除されている。これにより計算負荷を軽減して、計算の処理速度を速めることが可能となる。
以上のように計算した優先度計算の結果を高い順にソートすると、図15に示すようになる。そして、優先度の高い経路を所定個数選択して表示させることで、表示する変換候補が絞り込まれる。図15に示した結果より、優先度の高い経路を例えば6個選択して表示すると、以下のように上記と同様となる。
“AKA”、“AJA”、“ALA”、“SIA”、“SIS”、“SIQ”
(「あか」、「あじゃ」、「あぁ」、「しあ」、「しs」、「しq」)
なお、表示する変換候補の選抜は、優先度と個数との組み合わせにより行なうことも可能である。例えば、所定個数(例えば6個)の変換候補のうち、優先度計算の結果が所定値より小さい候補(経路)がある場合は、そのような候補を表示しないようにすることもできる。
[動作]
続いて、図3〜図5、及び、図16〜図18を参照して、第1実施形態による携帯型情報処理装置80の文字入力時の動作(文字入力方法)について説明する。
ディスプレイ10に表示されたソフトキーボード50(図4参照)において、ユーザーがキー入力を行なうと、制御部20(図3参照)により、キー入力が検知される。キー入力が検知されると、制御部20により、検知したキーに隣接するキーが抽出される。そして、入力検知したキー及び抽出したキーが1つの組として記憶部22(図3参照)に記憶される。ユーザーによりキー入力が行われると、その都度、入力検知したキー及び抽出したキーが1つの組として記憶される。そして、記憶された各組のキーの組み合わせにより変換候補が生成される。その際、各組み合わせについて上記した優先度計算が行われ、例えば、優先度計算結果の高い順に所定個数その組み合わせが変換候補として表示される。
変換候補の表示位置は、ディスプレイ10上であれば特に制限されることはないが、他のキーと干渉しない位置であるのが好ましい。この場合、変換候補は、ユーザーの操作しやすい位置に表示されているとより好ましい。例えば、図16に示すように、変換候補の表示位置(表示欄53)は入力されたキー(文字)の表示欄52の近傍に配置することが可能である。なお、図16では、変換候補を、入力されたキー51に対応するアルファベットの文字列で表示した例を示している。しかし、変換候補の表示は、例えば、図17に示すように、アルファベットの文字列を対応するかな文字列に変換した態様であってもよい。
ユーザーによるキー入力が誤入力である場合、ユーザーは表示された変換候補中から本来入力しようとする文字(文字列)を選択できる。ユーザーが、表示された変換候補の中から所望の文字(文字列)を選択すると、制御部20は選択した文字(文字列)を検知して、実際に入力された文字(文字列)を、検知した文字(文字列)に変換(修正)する。そして、変換された本来意図する文字(文字列)に対して、例えば、かな漢字変換が実行される。一方、ユーザーによるキー入力に誤入力がない場合は、従来と同様の処理が行われる。例えば、入力した文字(文字列)に対して、かな漢字変換が実行される。
図18を参照して、携帯型情報処理装置80の文字入力時の動作についてより具体的に説明する。なお、以下の説明においても、一例として、ユーザーは“A”→“K”→“A”とキーを入力するつもりでいたのに対し、実際には“S”→“K”→“A”と誤入力した場合について説明する。
図18(A)に示すように、ユーザーが1文字目に“S”を入力すると、“S”キー(図5参照)の近傍には“A”、“D”、“W”、“Z”の各キーが配置されているため、“A”、“D”、“W”、“Z”が抽出されて、“S”とともに1つの組として記憶部22に記憶される。1文字目の入力の場合は、記憶された組は1つであるため、“S”、“A”、“D”、“W”、“Z”が変換候補として生成されて表示される。なお、この場合も組内の各キー(“S”、“A”、“D”、“W”、“Z”)について優先度が計算され、優先度順に表示される。
次に、図18(B)に示すように、ユーザーが2文字目に“K”を入力すると、“K”キー(図5参照)の近傍には“J”、“L”、“I”、“N”、“M”の各キーが配置されているため、“J”、“L”、“I”、“N”、“M”が抽出されて、“K”とともに1つの組として記憶部22に記憶される。2文字目の入力においては、1文字目の入力により記憶された組の「“S”、“A”、“D”、“W”、“Z”」と、2文字目の入力により記憶された組の「“K”、“J”、“L”、“I”、“N”、“M”」との組み合わせによって変換候補が生成される。その際、各組み合わせについて上記優先度計算が行われ、優先度の高い変換候補が計算結果の高い順に所定個数表示される。
そして、図18(C)に示すように、ユーザーが3文字目に“A”を入力すると、“A”キー(図5参照)の近傍には、“Q”、“S”の各キーが配置されているため、“Q”、“S”が抽出されて、“A”とともに1つの組として記憶部22に記憶される。3文字目においては、1文字目の入力により記憶された組のキーと、2文字目の入力により記憶された組のキーと、2文字目の入力により記憶された組のキーとの組み合わせにより変換候補が生成される。その際、上記と同様、キー(文字)の各組み合わせについて上記優先度計算が行われ、優先度の高い変換候補が計算結果の高い順に所定個数表示される。
この例では、上記したように、3文字目が入力された時点で、変換候補として例えば“AKA”、“AJA”、“ALA”、“SIA”、“SIS”、“SIQ”が表示される。ユーザーが本来入力しようとしていた文字列は“AKA”であるため、表示された“AKA”をユーザーが選択する(“AKA”に触れる)と、“AKA”の選択が認識(検知)される。そして、入力された文字列(“SKA”)が本来入力しようとしていた文字列(検知された“AKA”)に修正(変換)される。なお、変換(修正)された文字列は、例えば、かな変換されて「あか」と表示(入力)される。その後、かな漢字変換を行なう場合には、ユーザーの操作により、入力された文字に対して、かな漢字変換が行われる。
また、図17に示したように、変換候補をかな文字列で表示させる場合においても、上記と同様の方法で文字入力される。
このように、本携帯型情報処理装置80は、ユーザーによって文字キーが入力されると、ユーザーの入力ミスを予測(考慮)して、変換候補を表示するようにプログラミングされている。このコンピュータプログラムは、携帯型情報処理装置80における記憶部22(例えば、ROM22a又はRAM22b)に記憶されており、携帯型情報処理装置80において、ユーザーの文字入力をサポートする機能(入力ミス補完機能)を実現する。この機能の実現は、制御部20のCPU21が上記コンピュータプログラムにしたがって携帯型情報処理装置80を制御することによって達成される。
図19は、携帯型情報処理装置の入力ミス補完機能を実現するためのコンピュータプログラム構造をフローチャート形式で示した図である。次に、図4、図5、図17及び図19を参照して、第1実施形態による携帯型情報処理装置80における入力ミス補完機能を実現するためのコンピュータプログラムについて説明する。なお、以下では、変換候補をかな文字列で表示させる構成について説明する。ただし、変換候補の表示はこれに限られるわけではなく、例えば、変換候補をアルファベットの文字列で表示させる構成とすることもできる。
文字入力に際し、まず、ソフトキーボード50(図4及び図5参照)が起動(表示)される。次に、初期設定としてバッファがクリアされ(ステップS101)、続いて、入力ラティスの初期化が行われる(ステップS102)。
次に、ステップS103において、キー入力の有無が判断される。具体的には、ユーザーによりキー入力操作が行われると、キー入力有りと判断される(ステップS103のYES)。そして、ステップS104において、入力されたキーが文字キーか否かが判断される。
ステップS104において、入力されたキーが文字キーであると判断された場合(ユーザーが文字キーを入力した場合)、ステップS105において、そのキーがバッファに追加される。そして、ステップS106において、入力されたキーに隣接するキーが抽出され、入力されたキーとともに入力誤りの候補キーとしてバッファに追加される。そして、候補キーが読出される。
入力誤りの候補キーが読出されると、ステップS107において、ラティスの更新が行われ、読出された入力誤りの候補キーがラティスに追加される。入力誤りの候補キーがラティスに追加されると、ステップS108において、キー優先度テーブル及び非連接文字テーブルを参照して、上述した優先度計算と同様の方法で、ラティス経路の優先度が計算される。
次に、ステップS109において、優先度計算の結果に基づき、優先度の高い経路が所定個数選択される。そして、ステップS110において、選択された経路に対応するかな文字列が変換候補としてディスプレイ10(図17参照)に表示される。
次に、ステップS111において、選択された文字列がかな漢字変換プログラムに渡される。そして、ステップS103の処理に戻り、ステップS103及びステップS104の処理が繰返される。
一方、ステップS104において、入力されたキーが文字キーではないと判断された場合、ステップS112に進む。ステップS112では、処理を終了する指示がされたか否かが判断される。例えば、ユーザーによって入力されたキーが文字キー以外の例えば終了キー(処理を終了させるキー)の場合、コンピュータプログラムの処理が終了する(ステップS112のYES)。他方、ユーザーによって入力されたキーが、文字キー及び終了キー以外の他のキーであった場合、ステップS113において、入力された(押された)キーに対応する処理が行われる。例えば、誤入力があった場合に、表示された変換候補の1つをユーザーが選択(入力)した場合、入力した文字列が、選択された変換候補の文字列に修正(変換)される。また、例えば、ユーザーがかな漢字変換キーを入力した場合、入力した文字列又は修正(変換)された文字列に対して、かな漢字変換が行われる。
続いて、ステップS114において、入力した文字(かな文字列)に対して入力確定処理が行われたか否かが判断される。ステップS114において、入力が確定されたと判断された場合、ステップS115において、確定したかな文字列と、その入力文字列が履歴バッファに記憶される。そして、ステップS101に戻り、上記した処理が繰返される。一方、ステップS114において、入力が確定していないと判断された場合、ステップS101に戻り、上記した処理が繰返される。
このようにして、入力ミス補完機能が実現される。
なお、このコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で提供することも可能である。上記記録媒体としては、例えば、RAM及びROM等のCPUで処理が行なわれるためのメモリーそのものが記録媒体であってもよい。又は、携帯型情報処理装置80(コンピュータ)の外部記憶装置としてプログラム読取装置が設けられ、この装置に挿入することで読取可能な記録媒体であってもよい。いずれの場合においても、記録されているプログラムは、CPUが記録媒体にアクセスすることで実行される。また、CPUが記録媒体からプログラムを読出し、この読出されたプログラムをプログラム記憶エリアにコピーして実行するようにしてもよい。CPUは、インストールされたプログラムに従って所定の処理を実行するように携帯型情報処理装置80の各部を統括的に制御する。
さらに、プログラム読取装置で読取可能な記録媒体としては、(1)磁気テープ、(2)カセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク(FD)、ハードディスク(HDD)等の磁気ディスク、又はCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、MO(Magneto Optical Disk)、MD(Mini Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクといったディスク系、(3)メモリーカードを含むIC(Integrated Circuit)カード、光カード等のカード系、及び(4)マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリー等の半導体メモリーを含めた固定的にプログラムを記録する媒体等を例示することができる。
さらに、携帯型情報処理装置80を、インターネットを含む通信ネットワークに接続可能な構成とし、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予め携帯型情報処理装置80に格納しておけばよい。また、他の記録媒体からインストールされてもよい。
第1実施形態では、上記のように、入力検知したキーに隣接するキーが入力誤りの候補キーとして抽出され、入力検知したキー及び抽出したキーが記憶部22に記憶される。そして、記憶されたキーから変換候補が生成され、生成された変換候補が表示される。ソフトキーボード50(キー入力部)において、例えば、一つ一つのキーが小さく、キーの配置スペースも狭い場合、キー入力するユーザーは入力しようとしているキーに隣接するキー(例えば、上下左右に配置されるキー)を誤入力しやすい。このため、このような場合には、本来入力しようとするキーは、実際に入力したキーに隣接するキーである可能性が高い。そのため、入力検知したキー及び抽出したキーを記憶するとともに、記憶したキーから変換候補を生成して表示することにより、ユーザーの利便性を向上させることができる。例えば、誤入力の場合には、表示された変換候補の中から本来入力しようとする文字を選択することにより、実際に入力した文字をユーザーが本来意図した文字に修正できる。このように、ユーザーの入力ミスを予測(考慮)して、変換候補を表示させることにより、ユーザーの入力し直し作業を軽減できる。
また、第1実施形態では、限られた表示スペースの中に全てのキーを配置させることにより、仮にキーの誤入力(文字の誤入力)が生じるような場合であっても、キー操作による文字入力の使い勝手が悪くなるのを抑制できる。
さらに、第1実施形態では、このように構成することにより、ソフトキーボード50のキー配列が誤入力しやすいキー配列であっても、誤入力による入力し直しの煩わしさを軽減させることができる。このため、ソフトキーボード50のキー配列を自由に設定できる。これにより、例えば、ソフトキーボード50のキー配列をユーザーが使い慣れたキー配列(日本語フルキーボード)とすることで、ユーザーの使い勝手を容易に向上させることができる。
また、第1実施形態では、入力検知されたキー及び抽出手段により抽出されたキーを含む組と、その次に入力検知されたキー及びそのキーに隣接するキーを含む組とを記憶するとともに、記憶した各組のキーの組み合わせから変換候補を生成することによって、キー入力を複数回行った際に、その一部に誤入力がある場合でも、ユーザーの入力し直し作業を軽減できる。
(第2実施形態)
図20及び図21は、本発明の第2実施形態による携帯型情報処理装置を説明するための図である。次に、図3、図20及び図21を参照して、本発明の第2実施形態による携帯型情報処理装置180について説明する。
この第2実施形態による携帯型情報処理装置180では、表示する変換候補の絞り込みにおいて、打点座標(タッチパネル上の打点された位置座標)を考慮して優先度計算が行われる。すなわち、第2実施形態では、入力したキーのどの位置を打点したか(押されたか)によって、候補キーの優先度が変わるように構成されている。
具体的には、図20に示すように、キー51の表示領域が複数の小領域(1〜6)に分割されており、どの小領域が押されたかによって各キーの優先度の重みが変えられる。例えば、“F”キー51aが押された場合に、“F”キー51aのどの小領域(1〜6)が押されたかにより重みが変えられている。
ここで、“F”キー51aの近傍には、“R”、“D”、“G”、“X”、“C”の各キーが配置されている。そのため、例えば、打点座標が小領域(3)の領域であった場合、“F”の重みが最も高く(優先度を高く)され、打点された小領域(3)に近い“D”の重みはその次に高くされる。“G”は、“F”に対して“D”の反対側に位置するため、打点された小領域(3)から遠くなる。そのため、“G”の重みはもっとも低くされる。
すなわち、上記した第1実施形態では、単純に、入力キーに隣接するキーのうち左右に配置されたキーの優先度を、上下に配置されたキーの優先度より高くしているのに対し、この第2実施形態では、打点された座標(位置)を考慮して、入力されたキーに隣接するキーの優先度を変えている。
図21に、打点座標の重みテーブルの一例が示されている。この図21では、入力されたキーが“F”キー51aである場合の各候補キーに付与される優先度が示されている。この重みテーブルは、例えば、携帯型情報処理装置180の記憶部22(図3参照)に記憶されている。なお、“F”キー51a以外の各キーについてもキーの表示領域が複数の小領域に分割されており、各キーについて打点座標の重みテーブルを有している。そして、この重みテーブルを参照して、上記第1実施形態と同様にして、入力キー及びそのキーに隣接するキーの各組み合わせについて優先度が計算される。
ただし、第1実施形態では、「入力キー>入力キーの左右に配置されるキー>入力キーの上下に配置されるキー」の順に優先度が付与されるのに対し、第2実施形態では、上記のように、実際に打点された座標を考慮して優先度が決定される点が異なる。
第2実施形態では、上記のように、変換候補の優先度計算において、打点座標の重みを考慮することによって、例えば、複数の変換候補がある場合に優先度の高い変換候補(本来入力しようとする文字である可能性が高い候補)をより優先的に表示(例えば、前の方に正確に表示)させることができる。このため、ユーザーに対して、所望の変換候補をより容易に選択させることができるので、ユーザーの入力し直し作業をより効果的に軽減できる。
第2実施形態のその他の構成及び効果は、上記第1実施形態と同様である。なお、図20では、キー51の表示領域が1〜6の6つの小領域に分割された例を示しているが、分割する小領域は6つ以外であってもよい。例えば、小領域(3)の上部、中央部、下部のように、さらに領域を細かくしてもよい。
(第3実施形態)
上記第1形態では、変換候補は優先度計算の結果が高い順に表示されるように構成されていた。これに対し、第3実施形態では、変換候補の表示順は、過去の変換履歴に基づく。すなわち、この第3実施形態では、記憶部22に格納された変換履歴情報を参照して、変換候補の表示順を並び替えるように構成されている。
変換履歴情報としては、例えば、ローマ字からかなに変換したときの変換履歴が用いられる。また、変換履歴情報は、例えば、最新のものから順に並べ、古いものを捨てていくようなテーブル形式で持つことができる。この場合、より新しい変換履歴に対応する変換候補ほど、表示順が早くなる(例えば、前の方に表示される)。
なお、変換履歴情報は、変換回数情報を含むように構成されていてもよい。この場合、変換履歴を参照する際に、変換回数をも参照して、変換回数の多い変換履歴に対応する変換候補ほど表示順が早くなる(表示順の優先度が高くなる)ように構成することもできる。
ここで、変換履歴に対応する変換候補の文字列は、過去に変換されたことのある文字列であるため、ユーザーが再度入力する可能性が高い。そのため、このような文字列は優先度が高いといえる。従って、記憶部22に記憶された変換履歴情報に基づいて、生成された変換候補の表示順を決定するように構成することにより、例えば、複数の変換候補がある場合に優先度の高い変換候補を優先的に表示(例えば、前の方に表示)させることができる。これにより、ユーザーに対して、所望の変換候補を容易に選択させることができるので、ユーザーの入力し直し作業を効果的に軽減できる。
第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、非連接文字テーブルを参照して、文字と文字とをつなぐ経路の各々に優先度が割り当てられていた。これに対し、この第4実施形態では、携帯型情報処理装置80の記憶部22(図3参照)に、例えば、日本語として存在する語句が予め変換候補として記憶されている。そして、予め記憶されている変換候補の中から生成(表示)する変換候補を決定するように構成されている。換言すると、生成された変換候補が予め記憶されている変換候補の中に存在しない場合には、変換候補として表示させないように構成されている。
このように構成することにより、例えば、ローマ字入力からかな文字列に変換する場合(ローマ字入力で日本語を入力する場合)に、日本語としてありえない組み合わせを変換候補から除外できる。これにより、変換候補を絞り込むことができるので、ユーザーに対して、所望の変換候補をより容易に選択させることができる。
第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、生成される変換候補が、記憶部22に変換候補として記憶されていない場合でも、その変換候補を表示するように構成することもできる。この場合、変換候補として記憶されていない組み合わせは、表示順の優先度を下げて(例えば、後ろの方に)表示するようにするのが好ましい。すなわち、記憶部22に予め記憶されている変換候補の中に存在する候補は表示順の優先度を上げて表示する一方、記憶部22に予め記憶されている変換候補の中に存在しない候補は表示順の優先度を下げて表示するのが好ましい。このように構成した場合でも、ユーザーに対して、所望の変換候補をより容易に選択させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記第1〜第4実施形態では、文字入力装置の一例である携帯型情報処理装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、携帯型情報処理装置以外の文字入力装置に本発明を適用してもよい。携帯型情報処理装置以外の文字入力装置としては、例えば、タブレット型のPC、複合機、コピー機などが挙げられる。また、上記実施形態では、携帯型情報処理装置としてスマートフォンを例示したが、文字入力装置としての携帯型情報処理装置は、スマートフォン以外であってもよい。例えば、携帯型情報処理装置は、通話機能を備えていないデータ通信専用のPDA(Personal Digital Assistant)型電子機器、通話及び通信機能を備えないPDA、小型ノートPCなどであってもよい。すなわち、ソフトキーボードを表示可能なタッチスクリーンを有する電子機器であれば、本発明を好適に用いることができる。特に、タッチスクリーンの面積が小さい機器であればより好適に本発明を用いることができる。
また、上記実施形態において、キー入力部におけるキー配列に応じて表示させる変換候補を異ならせるようにしてもよい。例えば、生成された変換候補の優先度を、キー入力部におけるキー配列に応じて算出し、算出された優先度にしたがった順番で、変換候補を表示するようにしてもよい。このような構成は、例えば、第1実施形態で示したキー優先度テーブルをキー配列毎に設けることで実現できる。また、このように構成すれば、例えば、キー入力部のキー配列をユーザーが使い慣れたキー配列とした場合でも、優先度の高い変換候補を優先的に表示(例えば前の方に表示)させることができる。
また、上記実施形態では、ソフトキーボートとしてQWERTY配列の日本語フルキーボードを示したが、本発明はこれに限らず、ソフトキーボードは上記以外の種々のタイプを表示できる。そして、このような場合も、日本語フルキーボードと同様、キー操作により文字入力を行なうことができる。また、キーの配列はQWERTY配列以外であってもよい。例えば、アルファベット順にキーを並べた配列であってもよいし、AZERTY配列などの他のキー配列であってもよい。ただし、ユーザーが使い慣れたキー配列であるのが好ましい。
また、上記実施形態では、ローマ字入力からかな文字列に変換する例について示したが、本発明はこれに限らず、ローマ字入力以外の例えばかな入力(日本語入力)であってもよい。かな入力の場合も、ローマ字入力と同様、隣接するキー等に重みを付けることにより、組み合わせ候補(誤入力の可能性の高い変換候補)をユーザーに提示できる。また、日本語入力以外の他の言語及び記号等の入力であっても、上記と同様、本発明を好適に用いることができる。
なお、表示される変換候補は、できるだけ最初の画面に表示されるように構成するのが好ましいが、変換候補が多くなると画面内に表示しきれなくなる場合もあり得る。その場合は、図22に示すように、例えば、スクロールバー53aを表示させることで、スクロールにより優先度の低い候補が画面に表示されるようにすればよい。また、図23に示すように、文字入力に際し、かな漢字変換候補が表示(表示欄54が表示)される場合は、表示させる変換候補(誤入力の可能性の高い変換候補)の表示欄53を表示欄54と多段表示(例えば、2段表示)してもよい。さらに、図24に示すように、表示させる変換候補(誤入力の可能性の高い変換候補)をかな漢字変換された態様で表示してもよい。この場合、かな漢字変換候補の表示欄54中に、誤入力の可能性の高い変換候補を表示させることもできる。その際、色、フォント等、表示形態を変えることで、かな漢字変換候補と誤入力の可能性の高い変換候補とが識別可能となるように表示されているのが好ましい。また、変換候補(組み合わせ候補)の表示は、上記実施形態で示した横方向表示以外に例えば縦方向表示であってもよい。
また、上記実施形態では、RAM等の記憶部に変換履歴情報が記憶されるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、通信ネットワークに接続された外部サーバーなどの外部記憶部に変換履歴情報が記憶されるように構成してもよい。
また、上記実施形態において、記憶部は、HDD(Hard Disk Drive)などの他の記憶装置又は記憶素子を含むこともできる。さらに、携帯型情報処理装置に、メモリーカード、光ディスクなどの記憶媒体を挿入する挿入部(図示せず)を設けることにより、記憶部が、挿入部に挿入された記憶媒体を含むように構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、ディスプレイは、表示部にタッチパネルが張り合わされることで構成されていてもよいし、表示部とタッチパネルとが一体に形成されることで構成されていてもよい。また、タッチパネルは、静電容量方式、赤外線方式などのいずれの方式であってもよい。
また、上記第4実施形態では、携帯型情報処理装置の記憶部に例えば日本語として存在する語句を予め変換候補として記憶させた構成について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、通信ネットワークに接続された外部サーバーなどの外部記憶部に上記変換候補を予め記憶させた構成としてもよい。
また、上記実施形態において、優先度の係数等は適宜変更できる。
なお、上記で開示された技術を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。