JP2013047067A - 樹脂製シートバックバネ及び車両用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂製シートバックバネ20では、シートバックフレームにおける左右のサイドフレーム26に取り付けられた左右のフレーム取付部42間に、バックバネ本体部62(樹脂バネ部)が掛け渡されている。このバックバネ本体部62は、シートバック高さ方向から見てシートバック後方側へ凸となるように湾曲している。このため、高温の環境下においては、バックバネ本体部62が、シートバック後方側へ更に凸となるように伸びる。これにより、例えば、バックバネ本体部62がシートバック前方側へ凸となるように湾曲したり、左右非対称(略S字状)に湾曲したりすることを防止できる。
【選択図】図3
Description
以下、図1〜図5を用いて、本発明の第1実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方を示しており、矢印UPは車両上方を示しており、矢印INは車両幅方向内方を示している。
図1には、本実施形態に係る車両用シート10の背もたれに相当するシートバック12の分解斜視図が示されている。なお、図1では、各構成要素を見る角度を若干変えて描いている。また、この車両用シート10は、乗員が着座する図示しないシートクッションを備えており、当該シートクッションの後端部にシートバック12が傾倒可能に連結されている。
図1〜図3に示されるように、シートバックフレーム14は、正面視(車両の正面から見た場合を指す。以下、車両の向き、車両用シート10の向き、及びシートバック12の向きは同一であるものとして説明する。)で、矩形枠状に形成されている。具体的には、シートバック幅方向(車両幅方向)に対向して配置された左右一対のサイドフレーム26と、左右のサイドフレーム26の上端部同士を繋ぐ逆U字状のアッパフレーム28と、左右のサイドフレーム26の下端部同士をシートバック幅方向に繋ぐロアフレーム30と、によって構成されている。上記シートバック12はアッパフレーム28も含めて4つの部材がすべてプレス成形によって製作されているが、他のフレーム構造を採用してもよい。例えば、アッパフレームのみを逆U字状に曲げたパイプ材で構成してもよいし、アッパフレームと左右一対のサイドフレームを逆U字状に曲げた一つのパイプ材で構成してもよい。
図1に示されるように、シートバックパッド16は、ウレタンフォーム等の発泡体からなり、パッド中央部36と、左右一対のパッドサイド部38と、によって構成されている。パッド中央部36は、上端側がシートバックフレーム14のアッパフレーム28にシートバック上方側から係止されており、下端側がサイドフレーム26の下端部同士をシートバック幅方向に連結する図示しないコネクティングロッドにシートバック下方側から係止されている。パッド中央部36は、樹脂製シートバックバネ20のバックバネ部48によってシートバック後方側から支持されている。
図1に示されるように、シート表皮18は、シートバックパッド16を正面側から覆うことが可能な大きさに形成されている。シート表皮18の外周部の適宜位置には、図3に示されるように、外周係止部40が縫製により取り付けられている。外周係止部40は、樹脂製シートバックバネ20の係止部56にシートバック後方側から挿入されて係止されている。これにより、シート表皮18の外周部が係止部56に取外し可能に係止されている。また、シート表皮18には、図示しない複数の係止部が設けられており、これらの係止部が樹脂製シートバックバネ20に係止されている。
次に、樹脂製シートバックバネ20の構成について詳細に説明する。樹脂製シートバックバネ20は、樹脂材料によって形成されたものであり、図2及び図3に示されるように、左右のサイドフレーム26に取り付けられた左右一対のフレーム取付部42と、シートバック12の背部に配置されたバックボード部46と、バックボード部46のシートバック前方側に配置されたバックバネ部48と、を一体に備えている。つまり、前記各部は一体に成形されている。
本実施形態では、上述したバックバネ本体部62は、図3に示されるように、シートバック高さ方向から見てシートバック後方側へ凸となるように緩やかに湾曲した状態で左右のフレーム取付部42間に掛け渡されている。つまり、バックバネ本体部62は、乗員からの荷重が作用していない状態でも、シートバック12の後方側へ凸となる湾曲形状に成形されている。より詳細には、バックバネ本体部62の長手方向両端部すなわち左右の連結部64は、シートバック前後方向において同じ位置(シートバック幅方向に対向する位置)に配置されており、バックバネ本体部62は、左右の連結部64を結ぶ仮想の直線S(シートバック幅方向に延びる直線)よりもシートバック12の後方側へ膨出するように湾曲した形状に成形されている。
次に、本第1実施形態の作用及び効果について説明する。なお、以下の説明に記載するバックバネ本体部62の湾曲形状の変化は、車両衝突時の衝撃による形状変化ではなく、車室内の温度変化による形状変化である。
図6には、本発明の第2の実施形態に係る車両用シートの部分的な構成が図3に対応した平断面図にて示されている。この実施形態に係る樹脂製シートバックバネ80では、バックバネ本体部62とフレーム取付部42との連結部64が、当該連結部64の前側に設けられた補強部82によって補強されている。この補強部82は、バックバネ本体部62及びフレーム取付部42が板厚(厚さ寸法)が連結部64の前側で周囲よりも増加されることにより構成されている。なお、この実施形態では、上記補強部82以外の構成は、前記第1実施形態と同様の構成とされている。
上記第2実施形態では、バックバネ本体部62及びフレーム取付部42が板厚が連結部64の前側で周囲よりも増加されることにより補強部82が構成された場合について説明したが、請求項6に係る発明はこれに限らず、補強部の構成は適宜変更することができる。例えば、連結部の前側又は後側にリブを設ける構成にしてもよいし、連結部の前側又は後側にパッチ(当て板)を接合する構成にしてもよい。
12 シートバック
14 シートバックフレーム
16 シートバックパッド
18 シート表皮
20 樹脂製シートバックバネ
26 サイドフレーム
42 フレーム取付部
46 バックボード部
62 バックバネ本体部(樹脂バネ部)
62A 弛み部
64 連結部
80 樹脂製シートバックバネ
82 補強部
Claims (8)
- 車両用シートのシートバックフレームにおける左右一対のサイドフレームに取り付けられる左右一対のフレーム取付部と、
シートバック高さ方向から見てシートバック後方側へ凸となるように湾曲した状態で前記一対のフレーム取付部間に掛け渡されると共に、弛み部が形成されることにより弾性的に伸縮可能とされた樹脂バネ部と、
を一体又は一体的に備えた樹脂製シートバックバネ。 - 前記弛み部は、前記樹脂バネ部における前記フレーム取付部への連結部よりもシートバック幅方向内側に形成されている請求項1に記載の樹脂製シートバックバネ。
- 前記樹脂バネ部のシートバック後方側でシートバックの背部に配置されるバックボード部を一体又は一体的に備えた請求項1又は請求項2に記載の樹脂製シートバックバネ。
- 前記樹脂バネ部は、シートバック高さ方向に間隔を開けて複数本配置されると共に、前記バッグボード部と一体に連結されており、
前記複数本の樹脂バネ部にそれぞれ形成された前記弛み部は、シートバック高さ方向から見た場合にシート幅方向に複数個の曲面を連続させることにより波状に形成されており、
各前記弛み部には、シートバック高さ方向の何れか一方に型抜きできるように抜き勾配が設定されている請求項3に記載の樹脂製シートバックバネ。 - 前記フレーム取付部は、後端側が開放された開断面形状に形成されており、前記サイドフレームの前側に嵌合される請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の樹脂製シートバックバネ。
- 前記樹脂バネ部と前記フレーム取付部との連結部を補強する補強部を有する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の樹脂製シートバックバネ。
- 前記補強部は、前記連結部の前側に設けられている請求項6に記載の樹脂製シートバックバネ。
- シートバックフレームと、
前記シートバックフレームに支持されたシートバックパッドと、
前記シートバックパッドの表面を覆ったシート表皮と、
前記シートバックフレームに取り付けられた請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の樹脂製シートバックバネと、
を備えた車両用シート。
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