JP2013046650A - 電気掃除機 - Google Patents

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史朗 大林
Shinpei Abe
新平 安倍
Keiichi Yabe
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Tatsumichi Suzuki
竜路 鈴木
Toshiyuki Tamura
寿之 田村
Yuji Asaka
雄二 朝香
Hiroki Kudo
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Abstract

【課題】掃除機本体および集塵ケースを大きくすることなく、通気損失が小さく、塵埃収容器に溜ったごみの圧縮性を高める。
【解決手段】流入口を備えた蓋体と、電動送風機の吸引口に対向して設けられた開口部を有するケース本体部と、開口部を覆い吸引された空気の塵埃を除去する第1フィルタを有する蓋体と、該集塵ケース内に第1フィルタを設けた塵埃収容器を備え、流入口を備えた蓋体の流入口が塵埃収容器内に突出し、流入口中心が該塵埃収容器開口中心よりも上方に位置し、流入口の左右に、該流入口の突出部の高さの薄肉の整流板を備え、塵埃収容器の高さを奥行よりも大きくしたことを特徴とする電気掃除機。
【選択図】 図20

Description

本発明は、電気掃除機に関するものである。
集塵ケース内の塵埃を圧縮し、埃の舞い上がりを抑制する電気掃除機がある。従来技術として、特許文献1には、集塵ケースの流入口の中心軸を、集塵容器の高さ方向の中央より下部に設け、集塵ケースを集塵ケース収納部に収納した状態では、集塵ケースの流入口の中心軸が、電動送風機の中心軸(回転軸)が存在する側へ向かって、上向きに傾斜している電気掃除機が記載されている。これにより、集塵容器に流入した空気流は該集塵容器内で最下流側から上流側へ流れる気流と、集塵容器の前側である前蓋側に流れる気流を生じ、塵埃を前蓋側に搬送することで前蓋側に堆積する塵埃の圧縮性を高め、塵埃を多量に蓄積し、掃除機本体の風量が低下した場合でも吸引力を維持できると記載されている。
特許文献2には、集塵ケースの上側が前方へと傾斜し、中心付近に粗塵捕集室と連通室とを連通する連通口が開口し、連通口には、第1分離部としてのメインフィルタが配置された集塵ケースが記載されている。メインフィルタは、流入口の軸線上に配置されており、粗塵捕集室内に吸い込まれた含塵空気が面方向に沿って傾斜状(鋭角状)に直接吹き付けられるように構成され、メインフィルタを通過できなかった粗塵は粗塵捕集室に収容され、蓋体を開いた状態で廃棄開口部から廃棄可能となっている。また、このメインフィルタは、集塵ケースの上側と同じように前方(上流側)へと傾斜して配置され、流入口の開口方向に対して面方向が鋭角状に傾斜していると記載されている。
特許文献3には、電動送風機を動作させると、含塵空気が集塵ケースに導入され、集塵ケースの分離室に導入された空気は分離室内で旋回気流を発生させ遠心力により塵埃を分離する電気掃除機が記載されている。また、残りの空気は貯留室内に導入され、貯留室内の塵埃を圧縮しながら、濾過フィルタを通過することで、塵埃が貯留室内部に多量にたまっても、吸引される経路は2つ確保されているので吸込風量が落ちづらいと記載されている。
特開2010−253134号公報 特開2010−22574号公報 特開2007−190416号公報
特許文献1は、電動送風機に所定の吸引力を維持するために、集塵ケース内の通気損失を小さくし、集塵容器本体に溜められた塵埃が電動送風機に吸気される空気の流れを妨げない場所に分離する必要がある。特許文献1によると、前蓋側に塵埃が堆積されるとあるが、流入口の位置や傾きから集塵容器背面への堆積も多く、集塵容器内に十分な空間を確保できないため吸込風量が低下し、十分な圧縮性が得られない恐れがある。
特許文献2は、流入口の方向から粗塵捕集室内の塵埃が、メインフィルタの下側付近から堆積するので、メインフィルタが目詰まりし易く吸込風量の低下を招き、塵埃を十分に圧縮できなくなる恐れがある。また、メインフィルタの目詰まりが早いと、粗塵捕集室に空間が多くある状態で吸引力が低下するので、頻繁に塵埃を排出する必要があるため、使用者の手間が増える恐れがある。
特許文献3は、砂などの細塵が濾過フィルタに付着し目詰し始めると、分離室内の経路からの吸込量が増加するため、分離室に設けたメッシュ状フィルタに塵埃が付着し易くなり、吸込風量が落ちやすくなる恐れがある。また、分離室内に堆積し易く、流入口まで塵埃が溢れてしまう恐れがある。
そこで、本発明の目的は、塵埃を保持する集塵容器内の含塵空気の流れを整流し、塵埃を効率良く圧縮することで、塵埃を吸引した際にも集塵容器内の空間を確保し、吸込風量の持続率を向上する電気掃除機を提供することにある。
また、特許文献1から特許文献3では、掃除機運転中(吸引時)においては塵埃に圧縮力が働くため、圧縮状態を保持できる。しかし、運転を停止すると圧力から開放され、塵埃の体積が増え集塵容器がいっぱいになり、塵埃を排出できないという可能性もある。
本体吸入口と、本体吸入口の後部に位置し着脱自在な集塵ケースを収納する集塵ケース収納部と、集塵ケース収納部の後部に配置された電動送風機を備えた電気掃除機本体を備え、集塵ケースは、本体吸入口に挿入されるホースと連通するための流入口を備えた蓋体と、電動送風機の吸引口に対向して設けられた開口部を有するケース本体部と、開口部を覆い吸引された空気の塵埃を除去する第2フィルタを有する蓋体とを備え、集塵ケース内に第1フィルタを設けた塵埃収容器を備え、塵埃収容器の高さを奥行よりも大きくすることを特徴とする。
または、本体吸入口と、本体吸入口の後部に位置し着脱自在な集塵ケースを収納する集塵ケース収納部と、集塵ケース収納部の後部に配置された電動送風機を備えた電気掃除機本体を備え、集塵ケースは、本体吸入口に挿入されるホースと連通するための流入口を備えた蓋体と、電動送風機の吸引口に対向して設けられた開口部を有するケース本体部と、開口部を覆い吸引された空気の塵埃を除去する第2フィルタを有する蓋体とを備え、集塵ケース内に第1フィルタを設けた塵埃収容器を備え、流入口が塵埃収容器内に突出し、流入口の中心が塵埃収容器開口の中心よりも上方に位置し、流入口の左右に、流入口の突出部の高さの薄肉の整流板を備え、塵埃収容器の高さを奥行よりも大きくすることを特徴とする。
好ましくは、塵埃収容器に設けた第1フィルタの一部を通気性のない壁にすることを特徴とする。
好ましくは、本発明の集塵ケースは、塵埃収容器に設けた通気性のない壁を、流入口対面に設けることを特徴とする。
本発明によれば、集塵容器の奥行長さを保持または短くした状態で集塵容器の容積を拡大し、集塵容器を扁平化することで、掃除機本体の前後幅を大きくすることなく、含塵空気の流れを更に整流でき、塵埃の圧縮性能が向上し、集塵容器内の空間をより保持することができる。これにより、吸込風量の持続率が向上する。また、集塵容器を扁平化することで、集塵容器に塵紙等の使い捨ての集塵濾紙の装着を簡単にすることができる。
本発明の実施例に係わるもので、電気掃除機の外観斜視図である。 本発明の実施例に係わるもので、掃除機本体の上蓋を開いた状態を示す斜視図である。 本発明の実施例に係わるもので、掃除機本体の上蓋を開いて、集塵ケースを取り外した状態を示す斜視図である。 本発明の実施例に係わるもので、集塵ケースの外観斜視図である。 本発明の実施例に係わるもので、集塵ケースの前蓋を開き鉤36と係止溝37とが係合した状態を示した斜視図である。 本発明の実施例に係わるもので、集塵ケースと第2フィルタを開いたところを示した斜視図である。 本発明の実施例1に係わるもので、図4のA−A断面で集塵ケース5の前蓋および第2フィルタを開いたところを示した側面図である。 本発明の実施例1に係わるもので、図4に示す集塵ケースのB−B断面図(流入口中心位置)である。 本発明の実施例1に係わるもので、吸引時の集塵容器内の含塵空気の流れを示した集塵ケース5の中央断面図である。 本発明の実施例1に係わるもので、集塵ケースの前蓋を開き鉤36と係止溝37とが係合した状態を示した斜視図である。 本発明の実施例2に係わるもので、集塵ケースの前蓋を開いたところを示した斜視図である。 本発明の実施例2に係わるもので、吸引時の集塵容器内の含塵空気の流れを示した集塵ケース5の断面図である。 本発明の実施例3に係わるもので、集塵ケースの前蓋を開いたところを示した斜視図である。 本発明の実施例3に係わるもので、吸引時の集塵容器内の含塵空気の流れを示した集塵ケース5の断面図である。 本発明の実施例3に係わるもので、流入口の位置による塵埃吸引量に対する吸込風量持続率の変化を示すグラフである。 本発明の実施例4および実施例5に係わるもので、集塵ケースの外観斜視図である。 本発明の実施例4および実施例5に係わるもので、集塵ケースの前蓋を開いたところを示した斜視図である。 本発明の実施例4および実施例5に係わるもので、集塵ケース5の中央断側面図(流入口中心位置)である。 本発明の実施例4に係わるもので、吸引時の集塵容器内の含塵空気の流れを示した図である。 本発明の実施例5に係わるもので、集塵容器の外観斜視図である。 本発明の実施例5に係わるもので、吸引時の集塵容器内の含塵空気の流れを示した図である。 本発明の実施例5に係わるもので、流入口の位置による塵埃吸引量に対する吸込風量持続率の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5を説明する。
本発明の実施例1について、図面を引用して説明する。まず、図1から図4に沿って電気掃除機の概要から説明する。図1は、本発明の実施例を示す電気掃除機の外観斜視図である。図2は、この掃除機本体の上蓋を開いた状態を示す斜視図である。図3は、この掃除機本体の上蓋を開いて、集塵ケースを取り外した状態を示す斜視図である。図4は、本発明の実施例を示す集塵ケースの外観斜視図である。
本実施の形態における電気掃除機1は、図1と図2に示すように、掃除機本体2とホース12と手元操作管13と伸縮継手管14と吸口15を備え、掃除機本体2と手元操作管13をホース12で接続し、この手元操作管13に伸縮継手管14を介して吸口15を接続して使用する。なお、ホース12は接続部12aを掃除機本体2のホース接続口部10に取り付けている。本明細書において、図1、図2の状態のように掃除機本体2が横置きされているときの掃除機本体2に対してホース12のある側を前側、排気口(図示せず)のある側を後側、上蓋8のある側を上側、下本体ケース3のある側を下側、2つの走行車輪のある側をそれぞれ左側、右側とする。また、集塵ケース5については、図4に示すように前蓋26と第2フィルタ21が集塵ケース筐体105の開口部を閉じている状態において、前蓋26のある側を前側、第2フィルタ21のある側を後側、ハンドル28のある側を上側、ハンドル28と対向する側を下側とする。
掃除機本体2は、電動送風機(図示せず)とコードリール(図示せず)とを掃除機本体2内の後方に内蔵する。集塵ケース収納部9は掃除機本体2内の前方に設けられている。
電動送風機を駆動した際の吸気流により、吸口15から含塵空気を吸い込み、吸い込んだ含塵空気を伸縮継手管14と手元操作管13とホース12を介して掃除機本体2に吸い込ませ、集塵ケース5で塵埃を捕集(集塵)した後に空気を機外に排気する。なお、電気掃除機1の運転モードの切り替えは手元操作管13に設けたスイッチ16により行える。
掃除機本体2は、図2から図3に示すように、下本体ケース3と上蓋8の間に配置した上本体ケース4の凹部に形成した集塵ケース収納部9に、集塵ケース5を着脱可能に装着している。なお、上蓋8は、上本体ケース4の上側後部に転回可能に取り付けている。集塵ケース5の出し入れは、図2に示すように上蓋8を開いて行われ、電気掃除機1を運転中には、図3に示すように上蓋8は閉じられている。
また、下本体ケース3と上本体ケース4の間、かつ集塵ケース収納部9と電動送風機(図示せず)の間にフィルタケース17が設けられている。このフィルタケース17に、保護フィルタ18と、この保護フィルタ18を抑えるフィルターカバー19とを配置している。さらに、フィルタケース17の上側には除塵ユニット7を配置している。除塵ユニット7に設けた除塵回転体24が回転して、後述するプリーツ状に成形された第2フィルタ21を弾いて、この第2フィルタ21で捕集した塵埃を除塵する。
また、下本体ケース3は、この掃除機本体2を床面に走行させるための走行車輪11と案内車輪(図示せず)を備えている。走行車輪11は掃除機本体2の左右方向に設けられている。さらに、上本体ケース4の上部にはハンドル6が転回可能に取り付けられており、掃除機本体2を持ち運ぶことができる。ホース接続口部10は掃除機本体2の前部に設けられている。
集塵ケース5に設けた流入口30(流入管)とホース接続口部10に差し込んだホース12の接続部12aとが、弾性体シール部材10aを介して気密状態に当接している。流入口30は、空気の流路が形成される管状の部材で形成される。ここで、集塵ケース5を掃除機本体2に装着した際に、後述する第2フィルタ21の枠体に設けた弾性体シール部材62により、集塵ケース5とフィルタケース17の気密が取れるようにしている。さらに、このフィルタケース17と、電動送風機(図示せず)が弾性体の防振ゴム(図示せず)を介して気密状態に当接している。
本発明における集塵ケース5を、図5から図7に示す。図5は集塵ケース5の前蓋26を開けた状態の斜視図、図6は集塵ケース5の後方に備えた第2フィルタ21を開けた状態の斜視図、図7は図4に示すA−A断面で集塵ケースの前蓋26と第2フィルタ21を開いた断面図である。集塵ケース5は、前側および後側が開口する集塵ケース筐体105を有し、それぞれの開口は、前蓋26、第2フィルタ21で覆われている。また、集塵ケース5内には集塵容器20を備える。前蓋26は板状であり、集塵ケース筐体105に対して回動可能に設けられている。また、前蓋26は流入口30を備える。本実施例においては流入口30は、集塵容器20内方に延出される円筒状に形成され、流路断面積は略円形状となっている。ただし、これに限ったものではなく、流入口30の流路断面形状は、略円形状であっても良いし、略半円形状であっても良いし、略楕円形状であっても良いし、略四角形状であっても良い。前蓋26の流路断面積は集塵ケース筐体105の前側開口の面積よりも小さい。また、流入口30には、集塵容器20に溜った塵埃の逆流や、吸引した塵埃が集塵ケース5からのこぼれを防ぐ逆止弁31が備わる。また、集塵ケース5の後側には、波形にプリーツ加工されたフィルタを有する第2フィルタ21が備えられ、この第2フィルタ21は、回動軸23により集塵ケース筐体105に対して開閉自在に設けられる。第2フィルタ21の下部は集塵ケース筐体105の下部に回動軸23により回動自在に支持され、上部は集塵ケース筐体105の上部に設けたフック22に係止されている。フック22を操作する操作ボタン32を押すことにより、このフック22の係止が外されると、第2フィルタ21は下部の回動軸23を回動中心として開かれる。第2フィルタ21は、例えば、高密度のHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)である。HEPAフィルタとは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。なお、HEPAフィルタより捕集率を下げても構わない。なお、第2フィルタ21の上流側を塵離れの良い素材で構成するとなお良い。
前述したように、集塵ケース筐体105には集塵容器20が装着される。集塵容器20は流入口30側(前側)が開口し、開口とは反対側の奥側(底側)と上下左右側面に第1フィルタ64を設けた容器状に形成する。空気の流れから見て上流側が開口し、下流側に第1フィルタ64を配置している。集塵容器20の形状は、一つの面が開口したかご形状、箱形状または容器形状であっても良いし、ちりとり形状であっても良い。開口とは反対側の奥側(底側)が曲面で形成されても良い。つまり、集塵容器20は、開口と反対側に凹んだ形状を有するものであれば良い。集塵容器20の前後方向断面形状は、略四角形状であっても良いし、略円形状であっても良いし、略三角形状であっても良い。集塵容器20の開口は集塵ケース筐体105の前側開口と略同じ面積を有している。そして、集塵容器20の開口部は流入口30と対向させるように配置され、流入口30から流入した塵埃を集塵容器20で受け入れるようにしている。そして、集塵容器20は前蓋26を開いたときに、図7に示すように塵埃が流れ込む流入口30に向かって突き出す(飛び出す)ようにしている。すなわち、第1フィルタ64を備えた集塵容器20は、集塵ケース筐体105の開口部25から突き出し可能に設けられ、第1フィルタ64の上流側で捕集した塵埃を、空気の流れ方向(塵埃を吸込む方向)とは逆向きに、空気の流れ方向上流側に向かって押し出すように排出する。
また、集塵容器20は、上下に分割される少なくとも二つの塵埃収容部片20A、20Bを有する。集塵容器20は左右に分割することも可能であるが、ここでは上下に分割された二つの塵埃収容部片20A、20Bに沿って説明する。
塵埃収容部片20Aと、下側の塵埃収容部片20Bとが上下に合わさり集塵容器20が形成され、塵埃廃棄口65は集塵容器20の前側に設けられる。集塵容器20の奥側には回動軸66が設けられ、二つの塵埃収容部片20A、20Bは、この回動軸66で回動自在に連結支持される。回動軸66で回動自在に連結支持された二つの塵埃収容部片20A、20Bは、塵埃廃棄口65を広げたり、狭めたりすることができる。なお、塵埃廃棄口65を広げるために回動軸66はバネ(図示せず)を用いて付勢しても構わない。このバネは、つるまきバネや板バネが用いられる。また、鋼線をコの字型に曲げたものを使用しても構わない。ここで、集塵容器20を構成する塵埃収容部片20Aと塵埃収容部片20Bは、二つの塵埃収容部片20A、20Bが合わさる状態では、塵埃廃棄口65から奥側(空気の流れ的に見て上流側から下流側)に向かって狭くなる形状であり、二つの塵埃収容部片20A、20Bが合わさる状態では、集塵容器20の側面形状は略D字形状をしている。集塵容器20は、流れに対する断面積が上流側である流入口30側に配置している塵埃廃棄口65から、下流側へ小さくなっている。言い換えれば、集塵容器20は塵埃廃棄口65に向かって広がっており、本実施例では、高さHを約80mm、奥行Lを約60mmとしている。また、集塵ケース5と集塵容器20外部との間で構成される流路38の流路は、上流側である前蓋26側から、下流側である第2フィルタ21側へと拡大していく形状となっている。
集塵容器20から流出した空気流は、流路38の最下流側である第2フィルタ21の上流側では、集塵ケース5に流入した空気流が全て流れるため、流路38の最上流側よりも空気の風量が多い。つまり、第1フィルタ64を通過した空気流がこの流路38の上流側から下流側に向かって次第に集まっていくので、流路38を流れる空気流の風量は上流側から下流側へ次第に増える構成となっている。
また、集塵容器20は、外郭形状を保つ支骨63と、この支骨63の内壁面に張られた第1フィルタ64とを有する。支骨63間は開口している。よって、集塵容器20の上下左右の壁面および奥側壁面も部分的に開口し、集塵容器20の前側開口が前蓋26で閉塞された場合にも、上下左右の壁面および奥側壁面が通気可能である。支骨63は、ABS樹脂などの樹脂やステンレスなどの金属で構成するのが好ましい。よって、支骨63はこのような硬質材料で形成されるため、その形状を維持でき、紙パックのように膨らんだり、大きく変形することはない。この第1フィルタ64は、メッシュ状の網フィルタとか、金網とか、微小な穴を有する金属板とか、微小な穴を有するプラスチックの板などで構成されているので、第1フィルタ64は粗塵を濾過捕集する。なお、塵離れを良くするために第1フィルタ64をステンレス等の通電性の高い金属を用いたり、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維にステンレス等の金属粒子をスパッタリング処理したものを用いたりすると良い。なお、第1フィルタ64のうち、流入口30の延長上にある上側の塵埃収容部片20Aの円弧部に設けた箇所は、吸込んだ塵埃が直接当り易いので尖ったもので穴があかないように、この部分の第1フィルタ64にステンレス等の金属で構成された網を用いるとなお良い。
集塵ケース筐体105の上部には、前後に延びるハンドル28を設けている。ハンドル28の先端側に閉じられた前蓋26を閉じた状態に拘束する前蓋用拘束手段としてのクランプ部材29(係止手段)を有する。また、前蓋26の上部には係止溝40を設け、クランプ部材29の鉤36と係合して前蓋26を拘束している。この前蓋用拘束手段により、前蓋26は閉じた状態に拘束されており、クランプ部材29を押して鉤36が係止溝40から上方に移動して係止を解くことにより、前蓋26は前側に倒れるように開放される。
なお、前蓋26を閉じれば、この前蓋26が集塵容器20を押して集塵ケース筐体105内の所定の位置に集塵容器20を収納し、クランプ部材29の鉤36が前蓋26の上部に設けた係止溝40に係合して前蓋26を拘束するとともに、この前蓋26により集塵容器20も係止される。つまり、クランプ部材29を開放する一つの動作で、前蓋26と集塵容器20の両方を開放でき、前蓋26を閉じる一つの動作で、前蓋26と集塵容器20を所定の位置に係止できる。なお、前蓋26を閉じて集塵容器20を使用者が押して集塵ケース筐体105内へ収容する際、集塵ケース筐体105の鍔部42が、クランプ部材29側の集塵容器20である塵埃収容部片20Aの支骨63を押すので、開いている集塵容器20は閉じる方向に力を受ける。つまり、前蓋26が集塵容器20を押して集塵ケース筐体105内に集塵容器20を戻し入れるとともに、開いていた集塵容器20は閉じながら所定の位置に戻し入れられる。ここで、クランプ部材29側である集塵容器20の上方に、係止溝37を設けている。このため、集塵ケース筐体105の開口部25から突き出している集塵容器20を集塵ケース筐体105側へ押すと、図5に示すようにクランプ部材29の鉤36がこの係止溝37と係合して、集塵容器20を保持することが可能である。なおこの状態は、集塵容器20が集塵ケース筐体105の開口部25から突き出している状態と、塵埃を吸引する際に集塵ケース筐体105内の所定の位置に係止された場合の間の位置で集塵容器20が保持された状態である。なお、この場合でもクランプ部材29を開放する一つの動作で、前蓋26と集塵容器20の両方を開放できる。また、この状態から前蓋26を閉じると、前蓋26に押されて集塵容器20を集塵ケース筐体105内の所定の位置に収納することも可能である。
図7に示すように、下側の塵埃収容部片20Bは、回動軸41により回動自在に支持される。この回動軸41と前蓋26の回動軸27は、集塵ケース筐体105の前側に位置し、かつ隣り合う近傍に設けられる。このため、前蓋26と、塵埃収容部片20Bの開閉作動は、一緒に揃って円滑に行われる。なお、前蓋26を開閉自在に支持する前蓋26用支持箇所である回動軸27を集塵ケース筐体105の外周部に配し、集塵容器20を開閉自在に支持するために塵埃収容部片20Bに設けた回動軸41を集塵ケース筐体105の内部に設けている。このように配置しているので、前蓋26と集塵ケース筐体105の気密は、前蓋26に取り付けた弾性体シール部材52を設ければ良い。また、塵埃収容部片20Aは滑りながら集塵ケース筐体105を出入するように作動するので、前蓋26が閉じた状態に拘束されているクランプ部材29の係止を解くことにより、前蓋26は前側に倒れ、二つの塵埃収容部片20A、塵埃収容部片20Bが塵埃廃棄口65を広げるように開放される。これに伴い、上側の塵埃収容部片20Aと下側の塵埃収容部片20Bが開き、塵埃廃棄口65が拡大する。集塵容器20に溜った塵埃は、広がった塵埃廃棄口65から一気に放出される。また集塵容器20は、突き出し付勢バネ(図示せず)を備えており、勢いよく集塵ケース筐体105外へ突き出して来たところを脱落防止部材45で急激に止められるので、この衝撃により第1フィルタ64に付着した塵埃が剥離しやすく、集塵容器20から塵埃の放出は更に良く行われるとともに、第1フィルタ64の目詰まりを防ぐことができるので、吸引力の低下を防ぐことができる。
ここで、集塵ケース5を掃除機本体2に取り付ける前に、前蓋26を開けた状態で集塵容器20の凹部に塵紙等の使い捨ての集塵濾紙を入れた後、前蓋26を閉じれば、集塵容器20は前蓋26に押されて集塵ケース筐体105内の所定の位置に配置される。なお、塵紙等の使い捨て集塵濾紙の取り付けは、クランプ部材29の鉤36が係止溝37と係合して集塵容器20を保持した状態で、塵紙等の使い捨ての集塵濾紙の一辺をクランプ部材29の鉤36に引っ掛け、対向する一辺を塵埃収容部片20Bの回動軸27側付近で押さえて、塵紙等の使い捨て集塵濾紙の中央付近を集塵容器20の凹部側へ押し入れて取り付けると良い。また、集塵容器20の断面形状を略D字状に形成しているので、塵紙等の使い捨て集塵濾紙を集塵容器20の凹部側へ押し入れての取り付けが容易にできる。
このようにした後、集塵ケース5を掃除機本体2に取り付け、電気掃除機1を運転して清掃を行えば、集塵容器20内に吸引された塵埃は、第1フィルタ64の上流に配置した塵紙等の使い捨て集塵濾紙の上流側に大部分が堆積する。この状態で、集塵ケース5を掃除機本体2から取り出して塵埃を廃棄する際について述べる。集塵容器20に吸引された塵埃は、空気流により圧縮された固まりとなり易いので、集塵容器20の上流で、しかも塵埃収容器20の凹部に配した塵紙等の使い捨て集塵濾紙に包まれた状態にある。このため、塵埃廃棄口65を通じて塵埃を排出する際もほとんどの塵埃は、塵紙等の使い捨て集塵濾紙に包まれた固まり状の状態となって排出されるので、細塵の舞い上がりが生じず衛生的である。ここで、集塵容器20の断面形状を略D字状に構成しているので、塵紙等の使い捨て集塵濾紙を廃棄する際に、この塵紙等の使い捨て集塵濾紙が丸まって排出されやすい。よって、細塵の舞い上がりを抑制できるので、より好ましい。
このような構成の集塵ケース5における本実施例1の特徴を、図8を用いて説明する。
図8は図4に示すB−B断面図(流入口30中心線縦断面図)である。図のように、前蓋26に備えた流入口30の上下方向の中心aを、第2フィルタ21の開口部(塵埃廃棄口65)の上下方向の中心bよりも上側の位置に設ける。流入口30の位置は、前蓋26の大きさにより異なるが、許容できる限り上側に設ける方が良い。これは、上側に設けるほど流入口30の下端と集塵容器20の下端との距離が開き、集塵容器20内の下方に塵埃が溜まりやすくなるためである。また、奥行L1は塵埃排出時の飛び出し量を大きくするために長めに設定されており、本実施例では高さH1は約80mm、奥行L1は約60mmとしている。
このように、流入口を上側にした場合の吸引時の空気の流れを図9に示す。電動送風機を動かすと、流入口30から含塵空気が流れ100aの方向に入る。流れ100aは、集塵容器20の第1フィルタ64を直接吹き抜ける流れ100bと、集塵容器20形状に沿った流れ100cに分かれる。流れ100cは、前蓋26側に向かい、前蓋26の中心付近は突出した流入口30に沿って旋回する。一方、前蓋26の左右は突出部分がないので、破線で示した流れ100dも発生し、流れ100aと合流する。前蓋に設けられた流入口30の突出部分により、流れ100aと流れ100cは衝突することなく、流入口30よりも下側に塵埃を集め圧縮することができ、集塵容器20の上側の空間を保持することができる。これにより、集塵容器20の第1フィルタ64の目詰まりを防止し、吸込風量を維持することで塵埃の圧縮性能が向上する。
さらに、本実施例では、流入口を上側に設けることで塵埃がこぼれ難くなるので、逆止弁31を取り除くことや、流入口30全体を覆わずに、図10に示すように下側のみに逆止弁31を設けることもできる。本実施例では、逆止弁31の形状を略扇型としているが、半分程度を塞ぐ半円状でも良いし、三日月形状でも良い。このように、逆止弁31を取り除く、または一部削除することで、吸引時の空気の流れに対する抵抗を低減することができ、通気損失の低減に繋がり、掃除機の吸込仕事率を向上することができる。
本発明の実施例2を、図11を用いて説明する。図11は、集塵ケース5の前蓋26を開いたところを示した斜視図である。実施例1の前蓋26内側に、図のような集塵容器20の内側へ突出するリブ(整流板)90を設けている。リブ(整流板)90は、前蓋26を閉じた状態において、集塵容器20の上流側面との間に、20mm以上の隙間ができるように設定している。これは、集塵容器20の上流側面とリブ(整流板)90の間に、塵埃が挟まるのを防止するためであり、隙間の寸法はこの限りではない。また、本実施例では、リブ(整流板)90を流入口30の直下の位置に設け、吸引時に抵抗にならないようにしているがこの限りではなく、流入口30よりも更に下側にしても構わない。しかし、集塵容器20の下側の空間を大きくするには、流入口30の直下の位置が好ましい。集塵容器20の下側の空間を大きくすると、この部分に溜まる塵埃量を増すことができる。このようなリブ(整流板)90により、集塵容器20内の流れを分離すことができる。
前蓋26にリブ(整流板)90を設けることで、集塵容器20内の流れは図12のようになる。電動送風機を動かすと、流入口30から含塵空気が流れ100aの方向に入る。
流れ100aは、集塵容器20の第1フィルタ64を直接吹き抜ける流れ100bと、集塵容器20の形状沿った流れ100eに分かれる。流れ100eは、リブ(整流板)90と集塵容器20との隙間を通り、リブ(整流板)90の下側で旋回する。このとき、塵埃はリブ(整流板)90があるため、流入口30側の空間に戻ることなく、リブ(整流板)90の下側の空間で圧縮される。このように、流れ100aと流れ100eとが衝突しないようにすることで、流入口30よりも下側に塵埃を集め圧縮することができ、集塵容器20の上側の空間を保持することができる。これにより、集塵容器20の第1フィルタ64の目詰まりを防止し、吸込風量を維持することで塵埃の圧縮性能が向上する。更に、集塵容器20に塵紙等の使い捨ての集塵濾紙を装着する際、前蓋26を閉じる時、集塵容器20内に突出するリブ(整流板)90が、集塵濾紙の表面をなぞるような軌跡となるため、集塵濾紙を簡単に装着することができる。
本発明の実施例3を、図13を用いて説明する。図13は、集塵ケース5の前蓋26を開けた状態の斜視図である。実施例1の前蓋26内側に、図に示すように流入口30の左右にリブ(整流板)91を設ける。このようなリブ91により、実施例2のリブ(整流板)90よりも塵埃を堆積する空間が大きくなり、塵埃の圧縮性能が向上する。本実施例では、リブ(整流板)95を吸込口の水平中心線上に設けているが、この限りではなく、中心線よりも下側でも良いし、上側にしても良い。しかし、上側にしすぎると、空気の流れを分離することができず、圧縮する空間が減少するので、中心線付近が好ましい。
また、実施例2のように集塵容器20内に大きく突出するリブ(整流板)90を設けた場合、塵埃収容器20の奥行が浅いとき、塵埃排出時に塵埃が引っ掛かり易くなる恐れがある上、流入口30の下側に堆積した塵埃が排出できない可能性もある。本実施例では、リブ(整流板)91の奥行方向の長さを前蓋26の流入口30の突出量と同じ程度にしているが、これよりも大きくして良いし、小さくしても良い。しかし、大きすぎると先述したように塵埃排出時の邪魔になる可能性があり、また小さすぎると流れの分離効果が低下するので、集塵容器20側に突出した流入口30までとするのがより好ましい。また、流入口30の突出と水平にする必要はなく、左右ともに外側へ行く程大きくなるような形状にしても構わない。
前蓋26の流入口30の左右にリブ(整流板)91を設けることで、集塵容器20内の流れは図14のようになる。電動送風機を動かすと、流入口30から含塵空気が流れ100aの方向に入る。流れ100aは、集塵容器20の第1フィルタ64を直接吹き抜ける流れ100bと、集塵容器20形状沿った流れ100fに分かれる。流れ100fは、前蓋26側に向かい、前蓋26の中心付近は突出した流入口30に沿って旋回する。一方、前蓋26の流入口30の左右はリブ(整流板)91まで流れる破線で示した流れ100gも発生し、集塵容器20の下側へ向かう旋回流が発生する。これら流れ100f、流れ100gにより、流入口30よりも下側に塵埃を集め圧縮することができ、集塵容器20の上側の空間を保持することで、集塵容器20の第1フィルタ64の目詰まりを防止し、吸込風量を維持することで塵埃の圧縮性能が向上する。
図15は、本実施例3と、流入口30を下側に設けた場合における、塵埃吸引量と吸込風量の持続率を示したグラフである。風量持続率とは、塵埃吸引前後の吸込風量を測定し、風量の低下率(保持率)から算出したものである。縦軸に風量持続率を示しており、実施例3の方が風量の持続率が向上していることが分かる。また、横軸は塵埃を吸引した量である。吸引力が持続とともに、塵埃の吸引量も増加し、圧縮性能が向上している。
以上のように、本発明によれば、掃除機本体2および集塵ケース5を大きくすることなく、集塵容器20内の含塵空気の流れを整流することで、塵埃の圧縮性能を向上し、集塵容器20内の空間を保持することができ、吸込風量の持続率が向上する。また、塵埃の圧縮性の向上は、排出時の埃の舞い上がりの防止に繋がり、使い勝手が向上する。
実施例3の発明において、より塵埃の圧縮性能を向上する手段として、図16および図17を用いて説明する。図16は本実施例の集塵ケース5の外観斜視図である。図17は前蓋26を開けた状態の斜視図である。図18は、図16に示すC−C断面図である。本実施例では、集塵容器20の高さ方向H2を実施例1から実施例3の1.4倍の約115mmに、奥行方向L2を0.8倍の約50mmに、幅(図示せず)は変えずに、集塵容器20容積比で、約1.2倍大きくしている。流入口30はホース接続部12aの大きさで決まるので、実施例3と同じ大きさとしているが、この限りではない。なお、本実施例の集塵容器20は、実施例1から実施例3の集塵容器20と比較すると、高さH2は奥行L2よりも大きくしており、高さH2は奥行L2の2倍以上である。また、集塵容器20を浅く塵埃廃棄口65の開口面積を広くすることで、塵埃の排出がし易くなる。また、流入口30の中心aと第2フィルタ21の開口部(塵埃廃棄口65)の中心bの位置関係についても、実施例3と同様に流入口30の中心を上方にする。このように高さ方向H2を増やすことで、流入口30を上方へ大きく動かすことができるので、流入口30下側の空間がより大きくなる。さらに、前蓋26を透明なABS樹脂等で生成し、掃除機本体2に集塵ケース5を装着した状態において、掃除機本体2外側の流入口30付近に覗ける窓部(図示せず)を設けることで、塵埃の堆積状況を確認できる。
本実施例における集塵容器20内の流れは、図19のようになる。電動送風機を動かすと、流入口30から含塵空気が流れ100aの方向に入る。流れ100aは、集塵容器20の第1フィルタ64を直接吹き抜ける流れ100bと、集塵容器20形状沿った流れ100hに分かれる。流れ100hは、前蓋26側に向かい、前蓋26の中心付近は突出した流入口30に沿って旋回する。一方、前蓋26の流入口30の左右ではリブ(整流板)91まで破線で示すような流れ100iも発生し、集塵容器20の下側へ向かう旋回流が発生する。このように、集塵容器20の高さH2を大きくすることで、リブ(整流板)91より下側の塵埃を圧縮できる空間が大きくなるので、塵埃の圧縮性能が向上する。
本発明の実施例5を図20および図21を用いて説明する。図20は、本実施例の集塵容器20の背面側から見た斜視図である。図21は、本実施例における含有塵埃吸引時の集塵容器20内の流れである。本実施例の特徴は、集塵容器20の第1フィルタの一部を、メッシュ状の網フィルタではなく、外郭形状と保つ支骨63と同じ部材で塞いだ面20Cを設けている。塞ぐ面の部分は、支骨63と同じ部材でなくても良く、非常に細かいメッシュ状の網フィルタなどでも良い。本実施例は、集塵容器20の高さHおよび奥行Lを大きくした、実施例4の集塵容器20と同等のもので、第1フィルタの面積は、実施例1から実施例3の第1フィルタの面積と同程度としているので、通気損失が増加することはない。また、集塵容器20の容積によって第1フィルタの面積が変化するがこの限りではなく、通気損失が増加しなければ、面20Cの面積を大きくしても構わない。面20Cの位置は、含塵空気の流れを整流するために設けており、図21で含塵空気の流れを説明する。電動送風機を動かすと、流入口30から含塵空気が流れ100aの方向に入る。流れ100aの大部分は、面20Cに沿って流れ100jのように流れる。流れ100aの一部は、集塵容器20側面の第1フィルタなど面20C以外の第1フィルタから、流れ100bのように第2フィルタ21側へ流れる。流れ100jは、集塵容器20形状に沿って、集塵容器20内に突出する流入口30で旋回する流れと、流れ100kのように流入口30の左右を通り、流入口30左右に設けたリブ91で旋回する流れとなる本実施例のように集塵容器20に面20Cを設けることで、流れ100jの流速を強めることができ、流れ100jおよび流れ100kにより、リブ91より下側の塵埃をより圧縮することができる。
本実施例は、流入口30の上流側から見て正面の集塵容器20の面に、面20Cを設けたことが特徴で、通気性のない面20Cの部分は圧縮力が弱いため、上流側から見た流入口30の正面の空間を保つことができ、集塵容器20が塵埃でいっぱいの状態になっても、流入口30からの塵埃の溢れを防ぐことができる。また、面20Cは塵埃が最初に衝突する部分なので、第1フィルタの損傷を防止するためにステンレス等の金属で構成された網を用いる場合もあるが、本実施例では、骨材63と同じ部材で塞いでいるので、損傷することなく、また製造コストの低減も可能である。
本実施例の吸込風量の持続率を示したグラフを図22に示す。比較は、実線で示した本実施例5、一点鎖線で示した実施例3、破線で示した流入口30を下側に設けた場合である。風量持続率は、塵埃吸引前後の吸込風量を測定し、風量の低下率(保持率)から算出したものである。縦軸に風量持続率を示している。このグラフから実施例5の方が風量の持続率が向上していることが分かる。また、横軸は塵埃を吸引した量である。吸引力の持続により塵埃の吸引量も増加し、圧縮性能が向上している。
以上のように、本発明によれば、集塵容器20内の含塵空気の流れを整流することで、塵埃の圧縮性能を向上し、集塵容器20内の空間を保持することができ、吸込風量の持続率が向上する。また、塵埃の圧縮性の向上は、排出時の埃の舞い散りの防止に繋がり、使い勝手が向上する。また、集塵容器の奥行Lを長くすることなく、または短くことで掃除機本体2の前後幅を維持、または小さくすることができる。
また、このように集塵容器20を扁平化することで、集塵容器20に塵紙等の使い捨ての集塵濾紙の装着し易さが向上する。なお、本実施例の集塵容器20の容積は、一般的な塵紙が収まる大きさとしているが、一般的な塵紙以外の集塵濾紙で、面積が十分にあれば、集塵容器20の容積を大きくしても構わない。
また、流入口30の下側が長くなるため、前蓋26を透明なABS樹脂などで生成することで、塵埃の溜まり具合を確認でき、掃除機本体2の集塵容器20が収まる下本体ケース3の部分も透明部材で生成するとなお良く、掃除機本体外観から塵埃の溜まり具合を確認できる。
本発明は、電気掃除機に適用可能である。
1 電気掃除機
2 掃除機本体
5 集塵ケース
9 集塵ケース収納部
10 ホース接続口部
20A、20B 塵埃収容部片
20C 面
21 第2フィルタ
23、27、66 回動軸
26 前蓋
29 クランプ部材
30 流入口
31 逆止弁
36 鉤
37、40 係止溝
64 第1フィルタ
65 塵埃廃棄口
90、91 リブ(整流板)
100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100h、100i、100j、100k 流れ

Claims (4)

  1. 本体吸入口と、前記本体吸入口の後部に位置し着脱自在な集塵ケースを収納する集塵ケース収納部と、該集塵ケース収納部の後部に配置された電動送風機を備えた電気掃除機本体を備え、前記集塵ケースは、前記本体吸入口に挿入されるホースと連通するための流入口を備えた蓋体と、前記電動送風機の吸引口に対向して設けられた開口部を有するケース本体部と、前記開口部を覆い吸引された空気の塵埃を除去する第2フィルタを有する蓋体とを備え、前記集塵ケース内に第1フィルタを設けた塵埃収容器を備え、
    前記塵埃収容器の高さを奥行よりも大きくすることを特徴とする電気掃除機。
  2. 本体吸入口と、前記本体吸入口の後部に位置し着脱自在な集塵ケースを収納する集塵ケース収納部と、該集塵ケース収納部の後部に配置された電動送風機を備えた電気掃除機本体を備え、前記集塵ケースは、前記本体吸入口に挿入されるホースと連通するための流入口を備えた蓋体と、前記電動送風機の吸引口に対向して設けられた開口部を有するケース本体部と、前記開口部を覆い吸引された空気の塵埃を除去する第2フィルタを有する蓋体とを備え、前記集塵ケース内に第1フィルタを設けた塵埃収容器を備え、流入口が塵埃収容器内に突出し、前記流入口の中心が該塵埃収容器開口の中心よりも上方に位置し、前記流入口の左右に、該流入口の突出部の高さの薄肉の整流板を備え、
    前記塵埃収容器の高さを奥行よりも大きくすることを特徴とする電気掃除機。
  3. 請求項1又は2に記載の電気掃除機において、
    前記塵埃収容器に設けた前記第1フィルタの一部を通気性のない壁にすることを特徴とする電気掃除機。
  4. 請求項3の電気掃除機において、
    前記塵埃収容器に設けた前記通気性のない壁を、前記流入口対面に設けることを特徴とする電気掃除機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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