JP2013042108A - 熱電変換素子、熱電変換発電装置および発電方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の熱電変換素子は、第1電極と、第1電極の一部分の上に設けられかつn型熱電変換材料層および第1異方性導電材料層が積層された構造を有するn型熱電変換部と、第1電極の他の一部分の上に設けられかつp型熱電変換材料層および第2異方性導電材料層が積層された構造を有するp型熱電変換部と、第1異方性導電材料層の一部の上に設けられた第2電極と、第2異方性導電材料層の一部の上に設けられた第3電極とを備え、第1および第2異方性導電材料層は、層面内方向の電気伝導率が厚さ方向の電気伝導率よりも大きい特性を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
図13に示すように、従来の熱電変換素子100は、対向する複数の電極(金属電極)120,121,180と、電極間に配置されたn型熱電変換半導体からなるブロック体130及びp型熱電変換半導体からなるブロック体131とで構成されている。ブロック体130、131は、その一端(接合端)で電極180によって互いに電気的に接続され、n型熱電変換半導体のブロック体とp型熱電変換半導体のブロック体とが直列に接続されている。また、ブロック体130、131は、もう一方の端で電極120,121に接続されている。
Q=QP−QR−QK・・・(1)式
また、すなわちブロック体の高さ(電極180と電極120,121との間隔)をL、ブロック体の断面積(前記高さ方向に垂直な面の断面積)をSとしたとき、QRはブロック体の高さLに比例し断面積Sに反比例する。さらに、QKはブロック体の断面積Sに比例し高さLに反比例する。熱電素子の形状について考えると、例えば、ブロック体の高さLが決まっている場合、断面積Sを広くするほどQRは小さくなるが、QKは大きくなってしまう。すなわち、材料の特性が決まれば、理想的な熱電変換効率を引き出す素子形状として断面積Sと高さLの関係は一義的に決まってしまう。
高温作用部(或いは発熱作用部)から低温作用部(或いは吸熱作用部)へ熱伝導する熱量:QKを低減するため、熱電変換材料層の断面積を小さくし、熱電変換材料層を厚くする対処法が従来より為されているが、熱電変換材料層の断面積が小さい熱電変換素子では、大面積化を図るため多数の熱電変換素子をモジュール化して使用しなければならない。しかしながら、モジュール化した熱電変換モジュールの大きさは5cm×5cm程度で、大面積に対応できないという問題がある。
また、従来の熱電変換素子は、高温部と低温部とがほぼ同じ面積で上下に重なるように配置される構造であり、この構造の熱電変換素子は、高温側の電極と低温側の電極が対峙しており距離も短く、高温側の電極から低温側の電極への熱伝導が大きいため高い熱電変換効率を有する熱電変換素子を製造することが困難である。また、常温の空間において10℃前後の温度差しかないような状況下では、高温側の電極から低温側の電極に熱伝導してきた熱エネルギーは低温側の電極に蓄積されすぐに温度差がなくなってしまうため、常温の空間において温度差を利用する熱電変換発電を行うことができないのが現状である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、熱電変換効率が高い熱電変換素子を提供するものであり、且つ、大面積化ができ、常温の空間で発電装置として利用できる熱電変換発電装置を提供するものである。
また、本発明によれば、熱電変換発電素子とペルチェ素子を組み合わせてなる熱電変換発電装置であって、少なくともペルチェ素子は、熱電変換材料層と異方性導電材料層が積層された熱電変換部を備える熱電変換素子を使用する。該ペルチェ素子により熱電変換発電素子の低温作用部を吸熱し、且つ熱電変換発電素子の高温作用部あるいは高温作用部に接触する熱だめとなる対象物に放熱し、熱電変換発電素子で発電することを特徴とする熱電変換発電装置及び/或いは発電方法が提供される。
また本発明は、熱電変換発電素子とペルチェ素子の組み合わせてなる熱電変換発電装置であり、本発明の異方性導電材料の延在部を有するペルチェ素子を使用することにより、熱電変換発電素子の低温作用部を吸熱しつつ、熱電変換発電素子の高温作用部に放熱することが初めて可能となる。従来の熱電変換素子では高温作用部から低温作用部に熱伝導する式(1)の熱量QKを考慮して熱電変換素子の大面積化ができなかったが、本発明の構成の熱電変換発電装置では、高温作用部と低温作用部の温度差を確実に保持できるので熱電変換発電素子の大面積化が可能となる。よって、常温の空間において10℃前後の温度差しかないような状況下でも、その温度差をロスすることなく利用でき、大面積化によって出力の高い熱電発電が可能となる。
従って、本発明は、熱電変換効率が良好な熱伝変換素子を提供するとともに、常温の空間で発電装置として利用できる大面積化を図った熱電変換発電装置及び発電方法を提供するものである。
熱電変換素子の効率を低下させる要因は、高温作用部あるいは発熱作用部として働いている一方の電極から、低温作用部あるいは吸熱作用部として働いている他方の電極へ熱伝導する式(1)で示される熱量:QKが大きな要因である。この熱量:QKを小さくするためには、QKの熱伝導に寄与する熱電変換部の断面積を小さくしなければならず、従来技術では一つの熱電変換素子で大面積化を図ることができず、面積の小さい熱電変換素子を多数繋ぎ合せて多数の熱電変換素子をモジュール化しているのが現状である。
また、本発明は熱電変換発電素子とペルチェ素子を組み合わせてなる熱電変換発電装置を使用する発電方法であり、ペルチェ素子により熱電変換発電素子の低温作用部を吸熱し、且つ熱電変換発電素子の高温作用部あるいは高温作用部に接触する熱だめとなる対象物に放熱し、熱電変換発電素子で発電することを特徴とする発電方法である。
低導電性材料層(基材層)としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂等の結着樹脂中に、半導体の性質を有する電荷輸送材料を含有させることで形成できる。n型熱電変換部に含まれる第1異方性導電材料層においては、結着樹脂中に電荷輸送材料として電子輸送材料を含有させて第1基材層を形成することが好ましく、p型熱電変換部に含まれる第2異方性導電材料層においては、結着樹脂中に電荷輸送材料として正孔輸送材料を含有させて第2基材層を形成することが好ましい。電気伝導率は結着樹脂中の電荷輸送材料の含有量や材料を変化させることでコントロールすることできる。低導電性材料層の電気伝導率としては1〜50S/cm程度が好ましい。形成方法は、蒸着法や塗布法等の一般的な層形成手段を用いることができる。本発明では、結着樹脂や電荷輸送材料を適当な有機溶剤に溶解または分散して低導電性材料層形成用塗布液を調製し、この塗布液を熱電変換材料層の上に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去することで形成する。低導電性材料層の厚みは低導電性材料層形成用塗布液の粘度を調整することでコントロールできる。低導電性材料層の厚みとしては、特に規定されるものではないが、0.1μm〜10μm程度の範囲が好ましい。
結着樹脂中に含まれる正孔輸送材料としては、例えば、ポルフィリン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリシラン、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミン置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、水素化アモルファスシリコン、水素化アモルファス炭化シリコン、硫化亜鉛、セレン化亜鉛等が好ましい。
第2電荷輸送層の形成に用いる正孔輸送材料としては、上記に例示するような半導体の性質を有する材料が好ましい。本発明では蒸着法によって形成する。第2電荷輸送層の厚さは、特に規定されるものではないが、10〜200nmの範囲が好ましい。
次に、図面を用いて、各実施形態に係る熱電変換素子について説明する。
図1は本発明の実施形態1に係る熱電変換素子の上面図、断面図及び下面図である。図1において、(1)が上面図、(2)が上面図におけるA−A線断面図、(3)が下面図である。
図1に示すように、実施形態1に係る熱電変換素子1Aは、導電性基板2(第1電極)と、導電性基板2と略平行に配置された電極8A,8B(第2又は第3電極)と、導電性基板2と電極8Aとの間に配置されたn型熱電変換部6Nと、導電性基板2と電極8Bとの間に配置されたp型熱電変換部6Pとを備えている。より詳細には、本実施形態の熱電変換素子1Aは、導電性基板2(第1電極)と、導電性基板2上に形成されたn型及びp型熱電変換部6N、6Pと、n型熱電変換部6N上に形成された第2電極8A及びp型熱電変換部6P上に形成された第3電極8Bとで構成され、n型熱電変換部6Nは、n型熱電変換材料層3N、第1異方性導電材料層5Aの順で、p型熱電変換部6Pは、p型熱電変換材料層3P、第2異方性導電材料層5Bの順で、それぞれ導電性基板2上に積層されている。また、n型熱電変換部6Nとp型熱電変換部6Pは、絶縁層9(絶縁体)を挟み、互いに離れて配置されている。
ここで、本明細書において、その作用から前者を発熱作用部、後者を吸熱作用部と呼ぶ。また、例えば発電素子として使用する場合、第2および第3電極8A,8B側を低温に、導電性基板2側を高温にすると、この熱電変換素子1Aは、その温度差を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換して発電するので、この作用から前者を低温作用部、後者を高温作用部とも呼ぶ。
なお、これらの熱電変換材料層は、焼結体を切り出した板状の熱電変換材料であっても良いし、多周知の蒸着法、スパッタリング法、CVD法で形成された層であっても良い。また熱電変換材料をペースト化し、ペーストをスクリーン印刷法やドクターブレード法等により印刷し加熱することにより熱電変換材料層を形成してもよい。
まず、異方性導電材料層5A,5Bが、グラファイトシートの場合について説明する。グラファイトシートは市販されているグラファイトシートを使用し、Bi-Te系材料の基板にグラファイトシートを接着する。接着方法は、グラファイトシートの接着面に、基板と同じ組成のBi-Te系材料を蒸着しBi-Te系材料の層を形成する。次いで上記Bi-Te系材料の基板に、グラファイトシートのBi-Te系材料の層が形成された面を密着させて熱圧着する。
以上の工程を、n型のBi-Te系材料の基板、p型のBi-Te系材料の基板、それぞれについて行い、n型Bi-Te系材料層とグラファイト層からなるn型熱電変換部6Nと、p型Bi-Te系材料層とグラファイト層からなるp型熱電変換部6Pとを作製する。
低導電性材料層は結着樹脂に電気伝導率が10〜50S/cm程度となるように導電材料を含ませたものである。導電材料は、n型熱電変換部6Nには電子輸送材料を、p型熱電変換部6Pには正孔輸送材料を使用することが好ましい。本実施形態では、例えば、結着樹脂としてポリカーボネート樹脂を使用し、樹脂中に含有させる電荷輸送材料としては、電子輸送材料としてジフェノキノン化合物(化1)を、正孔輸送材料としてヒゾラゾン系化合物(化2)を使用する。これらの材料をテトラヒドロフラン溶剤に溶解及び分散させて上記Bi-Te系材料の基板に塗布することにより形成する。低導電性材料層は、厚みが約1μm、電気伝導率が約10S/cmとなることを目標に形成する。
続いて、形成された低導電性材料層の表面に高導電性材料のコート層を形成する。導電材料は、n型熱電変換部6Nには電子輸送材料を、p型熱電変換部6Pには正孔輸送材料を使用することが好ましい。本実施形態では、例えば、電子輸送材料としてAlq3(aluminato-tris-8-hydoroxyquinolate:化3)を、正孔輸送材料としてNPP(N,N-di(naphthalene-1-yl)-N,N-diphenyl-benzidene)を使用する。高導電性材料のコート層の形成は蒸着法で行う。コート層の厚みは約70nmで、面内の電気伝導率が100S/cm以上となることを目標に形成される。
なお、絶縁層9は、本実施形態ではアクリル板が用いられている。この絶縁層9は、n型熱電変換部6Nとp型熱電変換部6Pとを電気的に絶縁するための層であるので、必要な絶縁性を考慮して適宜周知の絶縁材料で形成すればよい。
実施形態1では、異方性導電材料の電気伝導率の異方性を利用することにより、図1に示すように,電極8A,8Bの面積を小さくし、且つ導電性基板2と電極8A,8Bが上方から見た平面配置において重ならない部分を形成することができる。このため、発熱作用部(電極8A,8Bの領域)から吸熱作用部(導電性基板2の領域)への熱伝導が立体配置的に抑制されることになる。従って、本実施形態の熱電変換素子1Aは、高い熱電変換効率が実現できる。
次に、実施形態2に係る熱電変換素子1Bについて説明する。図2は、本発明の実施形態2に係る熱電変換素子の上面図、断面図及び下面図である。図2において、(1)が上面図、(2)が上面図におけるB−B線断面図、(3)が下面図である。
図2に示すように、電極の配置の例として挙げる熱電変換素子1Bは、実施形態1に係る熱電変換素子1Aと同様のn型熱電変換部6N及びp型熱電変換部6Pを備えているが、導電性基板2及び電極8A,8Bの配置が異なり、導電性基板2と電極8A,8Bとが上方から見た平面配置において互いに重なる部分がなく分離されて配置されている。
本実施形態では、例えば、異方性導電材料として、熱電変換材料層よりも長く積層構造からはみ出した延在部を有する形状のグラファイトシートを使用する。n型熱電変換部6N及びp型熱電変換部6Pに、延在部を有する異方性導電材料層5A,5Bが設けられ、異方性導電材料層の延在部に電極8A,8Bが配置される。
また、図2(2)に示したように、第2異方性導電材料層5Bは、p型熱電変換材料層3P側の第3主要面とそれに対面する側の第4主要面とを有している。p型熱電変換材料層3Pは、第3主要面の一部の上に設けられており、第3主要面には、その上にp型熱電変換材料層が設けられていない表面がある。この表面を有する第2異方性導電材料層5Bの部分を延在部という。熱電変換素子1Bでは、第4主要面のうち延在部の表面上に第3電極8Bが設けられる。
なお、図2の例における熱電変換部の作用効果は、実施形態1の熱電変換素子1Aのそれと同様であり、その製造方法もほぼ同じである。
次に、実施形態3に係る熱電変換素子1Cについて説明する。図3は、本発明の実施形態3に係る熱電変換素子の上面図、断面図及び下面図である。図3において、(1)が上面図、(2)が上面図におけるB−B線断面図、(3)が下面図である。
図3に示すように、熱電変換素子1Cは、実施形態2に係る熱電変換素子1Bとほぼ同様の素子構造を有しており、電極8A,8Bが配置される異方性導電材料層の延在部の面が異なるだけである。
上記で延在部について述べたが、図3(2)に示したように、第1異方性導電材料層5Aは、n型熱電変換材料層3N側の第1主要面とそれに対面する側の第2主要面とを有している。n型熱電変換材料層3Nは、第1主要面の一部の上に設けられており、第1主要面には、その上にn型熱電変換材料層が設けられていない表面がある。この表面を有する第1異方性導電材料層5Aの部分を延在部という。熱電変換素子1Cでは、第1主要面のうち延在部の表面上に第2電極8Aが設けられる。
また、図3(2)に示したように、第2異方性導電材料層5Bは、p型熱電変換材料層3P側の第3主要面とそれに対面する側の第4主要面とを有している。p型熱電変換材料層3Pは、第3主要面の一部の上に設けられており、第3主要面には、その上にp型熱電変換材料層が設けられていない表面がある。この表面を有する第2異方性導電材料層5Bの部分を延在部という。熱電変換素子1Cでは、第3主要面のうち延在部の表面上に第3電極8Bが設けられる。
次に、実施形態4に係る熱電変換素子について説明する。図4は、本発明の実施形態4に係る熱電変換素子の上面図、断面図及び下面図である。図4において、(1)が上面図、(2)が上面図におけるC−C線断面図、(3)が下面図である。
図4に示すように、実施形態4に係る熱電変換素子1Dは、実施形態1に係る熱電変換素子1Aと同じ構成であるが、実施形態4に係る熱電変換素子1Dにおいては、貫通孔13A、13Bを形成した異方性導電材料層5C,5Dを使用している点が、実施形態1に係る熱電変換素子1Aと異なっている。本実施形態では、異方性導電材料層5C,5Dは、グラファイトシート、あるいは絶縁層に高導電性材料をコートしたものを使用する。
このグラファイトシートの両面にn型或いはp型のBi-Te系材料の基板と同じBi-Te系材料をそれぞれ蒸着し、グラファイトシートの片面とBi-Te系材料の基板と熱圧着して接着する。Bi-Te系材料を蒸着することにより、貫通孔内にBi-Te系材料を形成することができ、グラファイト層の厚み(c軸)方向の電気伝導率を改善する。以上の工程を、n型のBi-Te系材料の基板、p型のBi-Te系材料の基板、それぞれについて行い、n型Bi-Te系材料層とグラファイト層からなるn型熱電変換部と、p型Bi-Te系材料層とグラファイト層からなるP型熱電変換部とを作製する。
続いて、形成された絶縁層の表面に高導電性材料をコートする。導電材料は、n型熱電変換部には電子輸送材料を、p型熱電変換部には正孔輸送材料を使用することが好ましい。本実施形態では、例えば、電子輸送材料としてAlq3(aluminato-tris-8- hydoroxyquinolate:化3)を、正孔輸送材料としてNPP(N,N-di(naphthalene-1-yl)- N,N- diphenyl-benzidene)を使用する。高導電性材料のコート層の形成は蒸着法で行う。このことにより、貫通孔13A内に電子輸送材料を、または貫通孔13B内に正孔輸送材料を形成することができる。コート層の厚みは約70nmで、面内の電気伝導率が100S/cm以上となることを目標に形成される。
以上の工程を、n型のBi-Te系材料の基板、p型のBi-Te系材料の基板、それぞれについて行い、n型Bi-Te系材料層と異方性導電材料層からなるn型熱電変換部6Nと、p型Bi-Te系材料層と異方性導電材料層からなるp型熱電変換部6Pとを作製する。
その他の工程は、実施形態1の熱電変換素子1Aの製造方法とほぼ同様にして、本実施形態4に係る熱電変換素子1Dが製造される。
実施形態4においても、図4に示すように,電極8A,8Bの面積を小さくし、且つ導電性基板2と電極8A,8Bが上方から見た平面配置において重ならない部分を形成することができる。このため、発熱作用部(電極8A,8Bの領域)から吸熱作用部(導電性基板2の領域)への熱伝導が立体配置によって抑制されることになる。従って、本実施形態の熱電変換素子1Dは、高い熱電変換効率が実現できる。
次に、実施形態5に係る熱電変換素子について説明する。図5は、本発明の実施形態5に係る熱電変換素子の上面図、断面図及び下面図である。図5において、(1)が上面図、(2)が上面図におけるD−D線断面図、(3)が下面図である。
図5に示すように、実施形態5に係る熱電変換素子1Eは、実施形態2に係る熱電変換素子1Bと同じ構成であるが、貫通孔13A,13Bを形成した異方性導電材料層5C,5Dを使用している点が、実施形態2に係る熱電変換素子1Bと異なっている。
本実施形態では、例えば、異方性導電材料として、熱電変換材料層よりも長く積層構造からはみ出した延在部を有する形状のグラファイトシートを使用する。グラファイトシートには貫通孔が形成される。n型熱電変換部6N及びp型熱電変換部6Pに、貫通孔と延在部を有する異方性導電材料層5C,5Dが設けられ、異方性導電材料層の延在部上に電極8A,8Bが配置される。図5に示すように,電極8A,8Bの面積を小さくし、且つ導電性基板2と電極8A,8Bが上方から見た平面配置において互いに重ならないように配置することができる。このため、発熱作用部(電極8A,8Bの領域)から吸熱作用部(導電性基板2の領域)への熱伝導が立体配置的に抑制されることになる。従って、本実施形態の熱電変換素子1Eは、高い熱電変換効率が実現できる。
なお、異方性導電材料層に貫通孔を形成する工程は、実施形態4と同様にして製造できる。貫通孔(貫通孔13A,13B)は、素子の積層部分に形成し、異方性導電材料層の積層よりはみ出た延在部分に形成しなくてもよい。その他の工程は、実施形態2と同様にして製造できる。
次に、実施形態6に係る熱電変換素子について説明する。図6は、本発明の実施形態6に係る熱電変換素子の断面図である。
図6に示すように、本実施形態に係る熱電変換素子1Fは、その構成が実施形態1とほぼ同様である(図6に示す形態は、図1に示す実施形態1と上下関係が逆であるが、各層の積層の順序は同じである)が、電極8A,8Bに相当する電極8G,8Hの配置が異なっている。すなわち、電極8G,8Hは、それぞれ異方性導電材料層5A,5Bに接するとともに、絶縁層9を挟むように配置されている。電極8G,8Hは、その大きさが異方性導電材料層5A,5Bよりも小さいので、異方性導電材料層5A,5Bの表面の一部が電極8G,8Hに覆われず、その一部が露出している。
本実施形態においても、発熱作用部と吸熱作用部との間の熱伝導を立体的配置によって抑制でき、高い熱電変換効率が実現できる。また、本実施形態は、上記の異方性導電材料層5A,5Bの表面が露出している領域を利用して、以下の実施形態9の熱電変換発電装置に用いることができる。
さらに、実施形態7に係る熱電変換素子について説明する。図7は、本発明の実施形態7に係る熱電変換素子の断面図である。図7に示すように、実施形態7に係る熱電変換素子1Gは、実施形態6に係る熱電変換素子1Fと同じ構成であるが、貫通孔13A,13Bを形成した異方性導電材料層5C,5Dを使用している点が、実施形態6に係る熱電変換素子1Fと異なっている。
本実施形態においても、発熱作用部と吸熱作用部との間の熱伝導を立体的配置によって抑制でき、高い熱電変換効率が実現できる。また、本実施形態は、上記の異方性導電材料層5C,5Dの表面が露出している領域を利用して、以下の実施形態10の熱電変換発電装置に用いることができる。
上記で説明した実施形態1〜7の熱電変換素子は、単独で使用されるだけでなく、複数で使用されてもよい。例えば、複数の熱電変換素子が組みあわさって、熱電変換発電装置を構成してもよい。
次に、実施形態8に係る熱電変換発電装置について説明する。図8は、本発明の実施形態8に係る熱電変換発電装置(複数の熱電変換素子を備える装置)の断面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る熱電変換発電装置1Hは、従来の素子構造を有する熱電変換素子1Kと、さらに別の熱電変換素子10A,10Bとで構成されている。ここで、熱電変換素子1Kは発電に寄与する熱電変換発電素子であり、熱電変換素子10A,10Bは熱電変換素子1Kを効率よく発電させるためのペルチェ素子である。
次に、実施形態9に係る熱電変換発電装置について説明する。図9は、本発明の実施形態9に係る熱電変換発電装置の断面図である。
図9に示すように、本実施形態に係る熱電変換発電装置1Iは、その構成が実施形態8の熱電変換発電装置1Hとほぼ同じである。熱電変換発電装置1Hでは、熱電変換発電素子1K(従来の熱電変換素子)と、ペルチェ素子として使用される熱電変換素子10A,10B(実施形態2の熱電変換素子)とで構成されていたが、本実施形態の熱電変換発電装置1Iは、本発明の熱電変換発電素子1F(実施形態6の熱電変換素子)と、ペルチェ素子として使用される本発明の熱電変換素子20A,20B(実施形態3の熱電変換素子)とで構成される。
次に、実施形態10に係る熱電変換発電装置について説明する。図10は、本発明の実施形態10に係る熱電変換発電装置の断面図である。
図10に示すように、本実施形態に係る熱電変換発電装置1Jは、その構成が実施形態8の熱電変換発電装置1Hとほぼ同じである。熱電変換発電装置1Hでは熱電変換発電素子1K(従来の熱電変換素子)と、ペルチェ素子として使用される熱電変換素子10A,10B(実施形態2の熱電変換素子)とで構成されていたが、本実施形態の熱電変換発電装置1Jは、本発明の熱電変換発電素子1G(実施形態7の熱電変換素子)と、ペルチェ素子として使用される本発明の熱電変換素子30A,30B(実施形態5の熱電変換素子)とで構成される。
まず、熱電変換素子として評価する前に、n型熱電変換部、p型熱電変換部の性能(熱電特性)の評価を行った。
性能評価用の試料は、Bi-Te系材料の基板を使用して製造したn型,p型熱電変換部を、必要な寸法に切り出して研磨し評価用試料を作製した。n型,p型熱電変換部の評価用試料のサイズは、熱電特性評価用試料:角3mm×3mm,厚さ10mm、熱伝導率測定用試料:φ50mm,厚さ10mmとした。
まず、Bi-Te系熱電変換材料の基板を作製した。
n型熱電変換材料としてBi2Te2.7Se0.3の組成で調整した原料を、p型熱電変換材料としてBi0.5Sb1.5Te3の組成で調整した原料を、それぞれ使用した。
Bi,Te,その他の添加物の粉末原料を混合して溶融し、溶融後できた母材を粉砕して、粉末状のn型若くはp型熱電変換材料の原料を得た。そして、得られた粉末を板状の整形部材に加圧して詰め、ゾーンメルト法を用いて溶融温度550〜650℃程度で再溶融したあと、350〜450℃で5時間焼鈍し、角110mm×510mm,厚さ10mmのBi-Te系熱電変換材料の基板を製造した。
Bi-Te系熱電変換材料の基板を第1評価用熱電変換部と同様にして製造した。製造したBi-Te系熱電変換材料の基板に、下記の組成で調整した低導電性材料層形成溶液をスピンコート法で塗布し、200℃で60分乾燥・焼成して溶剤を除去し、厚み約1μmの低導電性材料層を形成した。低導電性材料層の電気伝導率は約10S/cmとなることを目標に形成している。
(n型熱電変換部の低導電性材料層形成溶液)
・ポリカーボネート樹脂:100部
・ジフェノキノン化合物(化1):15部
・テトラヒドロフラン溶剤:300部
(p型熱電変換部の低導電性材料層形成溶液)
・ポリカーボネート樹脂:100部
・ヒゾラゾン系化合物(化2):20部
・テトラヒドロフラン溶剤:300部
このようにして作製された熱電変換材料層と異方性導電材料層の積層構造の熱電変換部を、上記の評価用試料のサイズに切り出して切削面を研磨しn型とp型の第2評価用熱電変換部を作製した。
Bi-Te系熱電変換材料の基板を第1評価用熱電変換部と同様にして製造した。製造したBi-Te系熱電変換材料の基板に、貫通孔を形成した角110mm×510mm,厚さ50μmのグラファイトシート(大塚電機(株)社製)を積層し熱電変換部を作製した。グラファイトシートへの貫通孔の形成は、サンインスツルメント(株)社製のレーザー微細加工機を使用し、φ25μm,ピッチ200μmで形成した。
その後、貫通孔を形成したグラファイトシートの表裏面に、Bi-Te系材料の基板と同じ組成のBi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層し、2層構造の熱電変換部を作製した。
Bi-Te系熱電変換材料の基板を第1評価用熱電変換部と同様にして製造した。製造したBi-Te系熱電変換材料の基板に、下記の組成で調整した絶縁層形成溶液をスピンコート法で塗布し、200℃で60分乾燥・焼成して溶剤を除去し、厚み約1μmの絶縁層を形成した。
(絶縁層形成溶液)
・ポリカーボネート樹脂:100部
・テトラヒドロフラン溶剤:300部
続いて、貫通孔が形成された絶縁層の表面に高導電性材料層を形成するために、電荷輸送材料を抵抗加熱蒸着法でコートした。n型熱電変換部には電子輸送材料:Alq3(aluminato-tris-8-hydoroxyquinolate:化3)を電荷輸送材料として使用し、p型熱電変換部には正孔輸送材料:NPP(N,N-di(naphthalene-1-yl)-N,N-diphenyl-benzidene)を電荷輸送材料として使用した。コート層の厚みは約100nmで、面内の電気伝導率は約200S/cmとなることを目標に形成した。
このようにして作製された熱電変換材料層と異方性導電材料層の積層構造の熱電変換部を、上記の評価用試料のサイズに切り出して切削面を研磨しn型とp型の第4評価用熱電変換部を作製した。
熱電変換部の性能の評価方法は、以下のようにして行った。
1)電気伝導率:アルバック理工社製の熱電特性評価装置ZEM−3を使用して測定した。円柱状に処理した熱電変換材料に白金線を装着し、直流四端子法により室温で電気伝導率を測定した。
2)ゼーベック係数:アルバック理工社製の熱電特性評価装置ZEM−3を使用して測定した。測定条件は、電気伝導率評価と同様の測定条件とした。
3)熱伝導率:アルバック理工社製の定常法熱伝導率測定装置GH−1を使用して測定した。
上記のように作製した第1〜第4評価用熱電変換部の評価結果を表1に示す。表1の結果より、第1〜第4評価用熱電変換部は、n型及びp型共に熱電変換部として十分有効な性能を有していることが認められる。
以下に説明する実施例は、次のようにして作製した。
〔実施例1〕
以下の(1−1)〜(1−4)のように、実施形態1(図1)の態様の素子を作製した。
(1−1)角100mm×250mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)の基板に、グラファイトシート(大塚電機(株)社製)を熱圧着して積層し、n型熱電変換部を作製した。グラファイトシートは、角100mm×250mm,厚さ50μmで、熱圧着面に基板と同じn型Bi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、グラファイトよりなる異方性導電材料層5Aの2層構造とした。
(1−2)角100mm×250mm,厚さ10mmのp型熱電変換材料(Bi0.5Sb1.5Te3)の基板に、グラファイトシートを熱圧着して積層し、p型熱電変換部を作製した。グラファイトシートは、角100mm×250mm,厚さ50μmで、熱圧着面に基板と同じp型Bi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層した。このようにp型熱電変換部は、p型熱電変換材料層3Pと、グラファイトよりなる異方性導電材料層5Bの2層構造とした。
(1−3)角100mm×505mm、厚さ1.0mmのCu基板よりなる導電性基板2の中央に、角100mm×5mm,高さ10.5mmのアクリル板よりなる絶縁層9を形成し、絶縁層9を挟んで、n型熱電変換部とp型熱電変換部とを対向するように導電性基板2上に配置した。
(1−4)角50mm×70mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8A,及び電極8Bを、異方性導電材料層5A,5Bの上端部にそれぞれ配置した。(以上、図1参照)
以下の(2−1)〜(2−4)のように、実施形態1(図1)の態様の素子を作製した。
(2−1)角100mm×250mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)に、下記の組成で調整した低導電性材料層形成溶液をスピンコート法で塗布し、200℃で60分乾燥・焼成して溶剤を除去し、厚み約1μmの低導電性材料層を形成した。低導電性材料層の電気伝導率は約10S/cmとなることを目標に形成している。
(n型熱電変換部の低導電性材料層形成溶液)
・ポリカーボネート樹脂:100部
・ジフェノキノン化合物(化1):15部
・テトラヒドロフラン溶剤:300部
続いて、形成された低導電性材料層の表面に高導電性材料層を形成するために、電子輸送材料:Alq3(aluminato-tris-8-hydoroxyquinolate:化3)を抵抗加熱蒸着法でコートした。コート層の厚みは約100nmで、面内の電気伝導率は約200S/cmとなることを目標に形成した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、低導電性材料層と高導電性材料層からなる異方性導電材料層5Aの2層構造とした。
(p型熱電変換部の低導電性材料層形成溶液)
・ポリカーボネート樹脂:100部
・ヒゾラゾン系化合物(化2):20部
・テトラヒドロフラン溶剤:300部
続いて、形成された低導電性材料層の表面に高導電性材料層を形成するために、正孔輸送材料:NPP(N,N-di(naphthalene-1-yl)-N,N-diphenyl-benzidene)を抵抗加熱蒸着法でコートした。コート層の厚みは約100nmで、面内の電気伝導率は約200S/cmとなることを目標に形成した。このようにp型熱電変換部は、p型熱電変換材料層3Pと、低導電性材料層と高導電性材料層からなる異方性導電材料層5Bの2層構造とした。
(2−4) 角50mm×70mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8A,8Bを、異方性導電材料層5A,5Bの上端部にそれぞれ配置した。(以上、図1参照)
次に、以上の工程で作製された熱電変換素子に電圧・電流を流し、そのときの温度変化を調べて素子の評価を行った。熱電対を図1に示す温度測定点にセットし、室温25℃、湿度50%RHの環境で、電極8Aと電極8Bとの間に8V・8Aの電圧・電流を流した。そのときの温度測定点の温度変化は、ΔT:−21Kであった。
以下の(3−1)〜(3−4)のように、実施形態2(図2)の態様の素子を作製した。
(3−1) 角100mm×200mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)の基板に、グラファイトシート(大塚電機(株)社製)を熱圧着して積層し、n型熱電変換部を作製した。グラファイトシートには、角100mm×250mm,厚さ50μmで、熱圧着面に基板と同じn型Bi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、グラファイトよりなる異方性導電材料層5Aの2層構造とした。この構造の場合、グラファイトシートはn型熱電変換材料層3Nよりも幅が長いので、異方性導電材料層5Aには、積層よりはみ出た延在部が存在する。
(3−3)角100mm×405mm、厚さ1.0mmのCu基板よりなる導電性基板2の中央に、角100mm×5mm,高さ10.5mmのアクリル板よりなる絶縁層9を形成し、絶縁層9を挟んで、n型熱電変換部とp型熱電変換部とを対向するように導電性基板2上に配置した。
(3−4)角50mm×70mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8A,8Bを、異方性導電材料層5A,5Bの上端部にそれぞれ配置した。(以上、図2参照)
以下の(4−1)〜(4−4)のように、実施形態3(図3)の態様の素子を作製した。
(4−1) 角100mm×200mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)の基板に、グラファイトシート(Panasonic社製)を熱圧着して積層し、n型熱電変換部を作製した。グラファイトシートには、角100mm×250mm,厚さ50μmで、熱圧着面に基板と同じn型Bi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、グラファイトよりなる異方性導電材料層5Aの2層構造とした。この構造の場合、グラファイトシートはn型熱電変換材料層3Nよりも幅が長いので、異方性導電材料層5Aには、積層よりはみ出た延在部が存在する。
(4−3)角100mm×405mm、厚さ1.0mmのCu基板よりなる導電性基板2の中央に、角100mm×5mm,高さ10.5mmのアクリル板よりなる絶縁層9を形成し、絶縁層9を挟んで、n型熱電変換部とp型熱電変換部とを対向するように導電性基板2上に配置した。
(4−4)角50mm×70mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8A,8Bを、異方性導電材料層5A,5Bの下端部にそれぞれ配置した。(以上、図3参照)
実施例1の貫通孔を形成していないグラファイトシート(異方性導電材料層5A,5B)を、貫通孔(貫通孔13A,13B)が形成されたグラファイトシート(異方性導電材料層5C,5D)に代えて、その他は実施例1の素子と同構成の、実施形態4(図4)の態様の素子を、以下の(5−1)〜(5−4)のように作製した。
(5−1)角100mm×250mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)の基板に、貫通孔を形成したグラファイトシートを熱圧着して積層し、n型熱電変換部を作製した。グラファイトシートは、角100mm×250mm,厚さ50μmで、グラファイトシートへの貫通孔13Aの形成は、サンインスツルメント(株)社製のレーザー微細加工機を使用し、φ20μm,ピッチ200μmで形成した。その後、貫通孔を形成したグラファイトシートの表裏面に、基板と同じn型Bi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、グラファイトよりなる異方性導電材料層5Cの2層構造とした。
(5−4)角50mm×70mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8A,8Bを、異方性導電材料層5C,5Dの上端部にそれぞれ配置した。(以上、図4参照)
以上の工程で作製された熱電変換素子に電圧・電流を流し、そのときの温度変化を調べて素子の評価を行った。熱電対を図4に示す温度測定点にセットし、室温25℃、湿度50%RHの環境で、電極8Aと電極8Bとの間に8V・8Aの電圧・電流を流した。そのときの温度測定点の温度変化は、ΔT:−25Kであった。
実施例2の異方性導電材料層(5A,5B)の低導電性材料層を、貫通孔を形成した絶縁層に代えて絶縁層に高導電性材料のコート層を形成した異方性導電材料層(5C,5D)を形成し、その他は実施例2の素子と同じ構成の、実施形態4(図4)の態様の素子を、以下の(6−1)〜(6−4)のように作製した。
(6−1)角100mm×250mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)に、下記の組成で調整した絶縁層形成溶液をスピンコート法で塗布し、200℃で60分乾燥・焼成して溶剤を除去し、厚み約1μmの絶縁層を形成した。
(絶縁層形成溶液)
・ポリカーボネート樹脂:100部
・テトラヒドロフラン溶剤:300部
次に、絶縁層表面に貫通孔を形成した。貫通孔13Aの形成は、COHERENT社製のエキシマレーザー微細加工機を使用し、φ0.5μm,ピッチ5μmで形成した。
続いて、貫通孔が形成された絶縁層の表面に高導電性材料層を形成するために、電子輸送材料:Alq3(aluminato-tris-8-hydoroxyquinolate:化3)を抵抗加熱蒸着法でコートした。コート層の厚みは約100nmで、面内の電気伝導率は約200S/cmとなることを目標に形成した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、絶縁層と高導電性材料層からなる異方性導電材料層5Cの2層構造とした。
(絶縁層形成溶液)
・ポリカーボネート樹脂:100部
・テトラヒドロフラン溶剤:300部
次に、絶縁層表面に貫通孔を形成した。貫通孔13Bの形成は、COHERENT社製のエキシマレーザー微細加工機を使用し、φ0.5μm,ピッチ5μmで形成した。
続いて、貫通孔が形成された絶縁層の表面に高導電性材料層を形成するために、正孔輸送材料:NPP(N,N-di(naphthalene-1-yl)-N,N-diphenyl-benzidene)を抵抗加熱蒸着法でコートした。コート層の厚みは約100nmで、面内の電気伝導率は約200S/cmとなることを目標に形成した。このようにp型熱電変換部は、p型熱電変換材料層3Pと、絶縁層と高導電性材料層からなる異方性導電材料層5Dの2層構造とした。
(6−4)角50mm×70mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8A,8Bを、異方性導電材料層5C,5Dの上端部にそれぞれ配置した。(以上、図4参照)
以上の工程で作製された熱電変換素子に電圧・電流を流し、そのときの温度変化を調べて素子の評価を行った。熱電対を図4に示す温度測定点にセットし、室温25℃、湿度50%RHの環境で、電極8Aと電極8Bとの間に8V・8Aの電圧・電流を流した。そのときの温度測定点の温度変化は、ΔT:−21Kであった。
実施例3の貫通孔を形成していないグラファイトシート(異方性導電材料層5A,5B)を、貫通孔(13A,13B)が形成されたグラファイトシート(異方性導電材料層5C,5D)に代えて、その他は実施例3の素子と同じ構成の、実施形態5(図5)の態様の素子を、以下の(7−1)〜(7−4)のように作製した。
(7−1)角100mm×200mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)の基板に、貫通孔を形成したグラファイトシートを熱圧着して積層し、n型熱電変換部を作製した。グラファイトシートは、角100mm×250mm,厚さ50μmで、グラファイトシートへの貫通孔13Aの形成は、サンインスツルメント(株)社製のレーザー微細加工機を使用し、φ20μm,ピッチ200μmで形成した。その後、貫通孔を形成したグラファイトシートの表裏面に、基板と同じn型Bi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、グラファイトよりなる異方性導電材料層5Cの2層構造とした。この構造の場合、グラファイトシートはn型熱電変換材料層3Nよりも幅が長いので、異方性導電材料層5Cには、積層よりはみ出た延在部が存在する。なお、貫通孔13Aは、素子の積層部分に形成しており、グラファイトシートの積層よりはみ出た延在部には形成していない。
(7−4)角50mm×70mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8A,8Bを、異方性導電材料層5C,5Dの延在部にそれぞれ配置した。(以上、図5参照)
以上の工程で作製された熱電変換素子に電圧・電流を流し、そのときの温度変化を調べて素子の評価を行った。熱電対を図5に示す温度測定点にセットし、室温25℃、湿度50%RHの環境で、電極8Aと電極8Bとの間に8V・8Aの電圧・電流を流した。そのときの温度測定点の温度変化は、ΔT:−30Kであった。
実施例1(図1、実施形態1)の熱電変換素子を、角100mm×505mm,厚さ10mmの太陽電池パネルの裏側に組み込み、装置を冷却する評価を行った。図12は、本発明に係る熱電変換素子を用いた太陽電池パネルの構造を説明するための斜視図である。電極8Aと電極8Bとの間に8V・8Aの電圧・電流を流し、太陽電池パネルの冷却を行った。少なくとも温度50℃湿度50%の環境下にて、太陽電池パネル表面が30℃まで冷却され、1000時間連続で良好な出力を得ることができた。
実施形態8(図8)の態様の熱電変換発電装置1Hを作製し熱電発電の評価を行った。
熱電変換発電装置1Hは、実施形態8で述べたように、発電に寄与する第1の熱電変換素子1Kと、第1の熱電変換素子に安定した温度差を与えるためにペルチェ素子として使用する第2、第3の熱電変換素子10A,10Bを組み合わせたものである。
第1の熱電変換素子1Kは、従来の構造を有する熱電変換素子であり、以下の(9−1)〜(9−4)のように作製した。
(9−1)n型熱電変換材料層3Nとして、角100mm×250mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)の基板を使用しn型熱電変換部とした。
(9−2)p型熱電変換材料層3Pとして、角100mm×250mm,厚さ10mmのp型熱電変換材料(Bi0.5Sb1.5Te3)の基板を使用しp型熱電変換部とした。
(9−3)角100mm×505mm、厚さ1.0mmのCu基板よりなる導電性基板2の中央下部に、角100mm×5mm,高さ10.5mmのアクリル板よりなる絶縁層9を形成し、絶縁層9を挟んで、n型熱電変換部とp型熱電変換部とを対向するように導電性基板2下部に配置した。
(9−4)角100mm×250mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8G,8Hを、絶縁層9を挟んで異方性導電材料層5A,5Bの下部にそれぞれ配置し、電極8G,8H下部に接触するようにペルチェ素子として使用する第2、第3の熱電変換素子10A,10Bを配置した。(以上、図8参照)
(9−5)角47.5mm×230mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)の基板に、グラファイトシート(大塚電機(株)社製)を熱圧着して積層し、n型熱電変換部を作製した。グラファイトシートは、角47.5mm×510mm,厚さ50μmで、熱圧着面に基板と同じn型Bi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、グラファイトよりなる異方性導電材料層5Aの2層構造とした。この構造の場合、グラファイトシートはn型熱電変換材料層3Nよりも幅が長いので、異方性導電材料層5Aには、積層よりはみ出た延在部が存在する。
(9−7)角100mm×250mm、厚さ1.0mmのCu基板よりなる導電性基板2(図7では10AL,10BL)の中央部に、角5mm×250mm,高さ10.5mmのアクリル板よりなる絶縁層9を形成し、絶縁層9を挟んでn型熱電変換部とp型熱電変換部とを対向するように導電性基板2上に配置した。
以上の工程で製造したペルチェ素子10A,10Bの表面・裏面を、厚さ100μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製)でカバーし絶縁した。
なお、図8参照、ペルチェ素子10A,10Bの吸熱作用部(電極10AL,10BL)は、発電に寄与する熱電変換素子1Kの低温作用部(電極8G,8H)に接触して配置され、ペルチェ素子10A,10Bの発熱作用部(電極10AH,10BH)は、熱電変換素子1Kの高温作用部(導電性基板2)に接触して配置され、熱電変換発電装置1Hを構成する。
実施形態9(図9)の態様の熱電変換発電装置1Iを作製し熱電発電の評価を行った。
熱電変換発電装置1Iは、実施形態9で述べたように、発電に寄与する第1の熱電変換素子1Fと、第1の熱電変換素子に安定した温度差を与えるためにペルチェ素子として使用する第2、第3の熱電変換素子20A,20Bを組み合わせたものである。
第1の熱電変換素子1Fは、実施形態6(図6)の態様の素子であり、以下の(10−1)〜(10−4)のように作製した。
(10−3)角100mm×505mm、厚さ1.0mmのCu基板よりなる導電性基板2の中央下部に、角100mm×5mm,高さ10.5mmのアクリル板よりなる絶縁層9を形成し、絶縁層9を挟んでn型熱電変換部とp型熱電変換部とを対向するように導電性基板2下部に配置した。
(10−4)角50mm×20mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8G,8Hを、絶縁層9を挟んで異方性導電材料層5A,5Bの下端部にそれぞれ配置し、異方性導電材料層5A,5B下部の電極が配置されていない部分にペルチェ素子として使用する第2、第3の熱電変換素子20A,20Bを配置した。(以上、図6、図9参照)
(10−5)角47.5mm×230mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)の基板に、グラファイトシート(Panasonic社製)を熱圧着して積層し、n型熱電変換部を作製した。グラファイトシートは、角47.5mm×510mm,厚さ50μmで、熱圧着面に基板と同じn型Bi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、グラファイトよりなる異方性導電材料層5Aの2層構造とした。この構造の場合、グラファイトシートはn型熱電変換材料層3Nよりも幅が長いので、異方性導電材料層5Aには、積層よりはみ出た延在部が存在する。
以上の工程で製造したペルチェ素子20A,20Bの表面・裏面を、厚さ100μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製)でカバーし絶縁した。
なお、図9参照、ペルチェ素子20A,20Bの吸熱作用部(20AL,20BL)は、発電に寄与する熱電変換素子1Fの低温作用部(異方性導電材料層5A,5B下部の電極が配置されていない部分)に接触して配置され、ペルチェ素子20A,20Bの発熱作用部(20AH,20BH)は、熱電変換素子1Fの高温作用部(導電性基板2)に接触して配置され、熱電変換発電装置1Iを構成する。
実施形態10(図10)の態様の熱電変換発電装置1Jを作製し熱電発電の評価を行った。
熱電変換発電装置1Jは、実施形態10で述べたように、発電に寄与する第1の熱電変換素子1Gと、第1の熱電変換素子に安定した温度差を与えるためにペルチェ素子として使用する第2、第3の熱電変換素子30A,30Bを組み合わせたものである。
第1の熱電変換素子1Gは、実施形態7(図7)の態様の素子であり、以下の(11−1)〜(11−4)のように作製した。
(11−3)角100mm×505mm、厚さ1.0mmのCu基板よりなる導電性基板2の中央下部に、角100mm×5mm,高さ10.5mmのアクリル板よりなる絶縁層9を形成し、絶縁層9を挟んで、n型熱電変換部とp型熱電変換部とを対向するように導電性基板2下部に配置した。
(11−4)角50mm×20mm,厚さ0.2mmのCu基板よりなる電極8G,8Hを、絶縁層9を挟んで異方性導電材料層5C,5Dの下端部にそれぞれ配置し、異方性導電材料層5C,5D下部の電極が配置されていない部分にペルチェ素子として使用する第2、第3の熱電変換素子30A,30Bを配置した。(以上、図7、図10参照)
(11−5)角47.5mm×230mm,厚さ10mmのn型熱電変換材料(Bi2Te2.7Se0.3)の基板に、貫通孔を形成したグラファイトシート(Panasonic社製)を熱圧着して積層し、n型熱電変換部を作製した。グラファイトシートは、角47.5mm×280mm,厚さ50μmで、グラファイトシートへの貫通孔13Bの形成は、サンインスツルメント(株)社製のレーザー微細加工機を使用し、φ20μm,ピッチ200μmで形成した。その後、貫通孔を形成したグラファイトシートの表裏面に、基板と同じp型Bi-Te系材料を抵抗加熱蒸着して100nm程度のBi-Te系材料層を形成し、Bi-Te系材料の基板とグラファイトシートを密着させて熱圧着することにより積層した。このようにn型熱電変換部は、n型熱電変換材料層3Nと、グラファイトよりなる異方性導電材料層5Cの2層構造とした。この構造の場合、グラファイトシートはn型熱電変換材料層3Nよりも幅が長いので、異方性導電材料層5Cには、積層よりはみ出た延在部が存在する。
(11−7)角100mm×230mm、厚さ1.0mmのCu基板よりなる導電性基板2(図10では10AL,10BL)の中央部に、角5mm×200mm,高さ10.5mmのアクリル板よりなる絶縁層9を形成し、絶縁層9を挟んでn型熱電変換部とp型熱電変換部とを対向するように導電性基板2上に配置した。
以上の工程で製造したペルチェ素子30A,30Bの表面・裏面を、厚さ100μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製)でカバーし絶縁した。
図9に示す対象物として、図12に示す角100mm×505mm,厚さ10mmの太陽電池パネルを、熱電変換発電素子1Gの導電性基板2上に接触して配置した。
なお、図10参照、ペルチェ素子30A,30Bの吸熱作用部(30AL,30BL)は、発電に寄与する熱電変換素子1Gの低温作用部(異方性導電材料層5C,5D下部の電極が配置されていない部分)に接触して配置され、ペルチェ素子30A,30Bの発熱作用部(30AH,30BH)は、熱電変換素子1Gの高温作用部(対象物)に配置され、熱電変換発電装置1Jを構成する。
1H,1I,1J:本発明の熱電変換発電装置
1K:従来の熱電変換素子
2:導電性基板(第1電極)
3N:n型熱電変換材料層 3P:p型熱電変換材料層
5A,5C:第1異方性導電材料層 5B,5D:第2異方性導電材料層
6N:n型熱電変換部 6P:p型熱電変換部 7:延在部
8A,8G:第2電極 8B,8H:第3電極 9:絶縁層
13A,13B:貫通孔
10A,20A,30A:第2の熱電変換素子(ペルチェ素子)
10B,20B,30B:第3の熱電変換素子(ペルチェ素子)
10AL,10BL,20AL,20BL,30AL,30BL:第1電極
10AH,10BH,20AH,20BH,30AH,30BH:第2電極または第3電極
10AG,10BG,20AG,20BG,30AG,30BG:延在部(異方性導電材料層の延在部)
60:太陽電池パネル
100:熱電変換素子
120,121,180:電極
130:n型熱電変換半導体
131:p型熱電変換半導体
Claims (11)
- 少なくとも熱電変換材料層と異方性導電材料層が積層された熱電変換部を備え、積層方向に対して該熱電変換部の上部と下部に電極を有することを特徴とする熱電変換素子。
- 前記異方性導電材料層は、層面内方向の電気伝導率が厚さ方向の電気伝導率よりも大きい特性を有することを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
- 少なくとも熱電変換材料層と異方性導電材料層が積層された熱電変換部において、前記異方性導電材料層が積層構造からはみ出してなる延在部を有し、前記延在部に電極を有する請求項1または2に記載の熱電変換素子。
- 前記熱電変換部を形成する前記異方性導電材料層において、前記異方性導電材料層が、前記異方性導電材料層を貫通する貫通孔を有し、該貫通孔には熱電変換材料あるいは半導体の性質を有する導電材料が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の熱電変換素子。
- 前記異方性導電材料層がグラファイトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱電変換素子。
- 前記異方性導電材料層が、少なくとも低導電性材料層あるいは絶縁層と、該低導電性材料層あるいは該絶縁層の表面に高導電性材料のコート層を形成してなるものであり、該低導電性材料層及び/或いは該高導電性材料層に使用される導電材料は、半導体の性質を有する電子輸送材料及び/或いは正孔輸送材料より選択される電荷輸送材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱電変換素子。
- 少なくとも熱電変換材料層と異方性導電材料層が積層された、n型熱電変換部とp型熱電変換部とを備え、積層方向に対して前記n型及びp型熱電変換部の下部に、前記n型及びp型熱電変換部に跨る第1電極と、前記n型及びp型熱電変換部の上部に、それぞれ第2及び第3電極を備える熱電変換素子であり、
第2電極は、n型熱電変換部の上部の一部分に設けられ、第3電極は、p型熱電変換部の上部の一部分に設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の熱電変換素子。 - 少なくとも熱電変換材料層と異方性導電材料層が積層された、n型熱電変換部とp型熱電変換部とを備え、積層方向に対して前記n型及びp型熱電変換部の下部に、前記n型及びp型熱電変換部に跨る第1電極と、前記n型及びp型熱電変換部の上部に、それぞれ第2及び第3電極を備える熱電変換素子であり、
n型熱電変換部の異方性導電材料層は積層構造からはみ出してなる延在部を有し、第2電極はn型熱電変換部の延在部の一部分に設けられ、
p型熱電変換部の異方性導電材料層は積層構造からはみ出してなる延在部を有し、第3電極は、p型熱電変換部の延在部の一部分に設けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の熱電変換素子。 - 熱電変換発電素子とペルチェ素子を組み合わせてなる熱電変換発電装置であり、
該ペルチェ素子により該熱電変換発電素子の低温作用部を吸熱し、且つ該熱電変換発電素子の高温作用部あるいは高温作用部に接触する熱だめとなる対象物に放熱し、該熱電変換発電素子で発電することを特徴とする熱電変換発電装置。 - 熱電変換発電素子とペルチェ素子を組み合わせてなる熱電変換発電装置を使用する発電方法であり、該ペルチェ素子により該熱電変換発電素子の低温作用部を吸熱し、且つ該熱電変換発電素子の高温作用部あるいは高温作用部に接触する熱だめとなる対象物に放熱し、該熱電変換発電素子で発電することを特徴とする発電方法。
- 請求項9に記載の熱電変換発電装置及び/或いは請求項10に記載の発電方法において、
前記ペルチェ素子は、請求項1〜8のいずれか1つに記載の熱電変換素子であることを特徴とする熱電変換発電装置及び/或いは発電方法。
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