JP2013041983A - 有機薄膜光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

有機薄膜光電変換素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機薄膜光電変換素子内の励起子の失活を抑制し、発電変換効率の高い有機薄膜光電変換素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板、電極(陽極)、陽極側励起子ブロッキング層、p型有機半導体層、n型有機半導体層及び電極(陰極)を積層してなる有機薄膜光電変換素子であって、
前記陽極側励起子ブロッキング層の配向秩序パラメータ(S)が、−0.5≦S≦−0.1であることを特徴とする有機薄膜光電変換素子、及び前記電極(陽極)と前記p型有機半導体層を形成する工程間に、前記陽極側励起子ブロッキング層を形成する工程を有する有機薄膜光電変換素子の製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、光から電気へのエネルギー変換を行う有機光電変換素子に関し、特に、発電変換効率を向上させたpnヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子及びその製造方法に関する。
近年、地球温暖化の抑制、原子力発電代替等の理由で、火力、原子力以外のエネルギーによる発電に関する開発が注目されている。とりわけ、クリーンエネルギーの代表格でもある太陽光発電の変換効率の向上に関する開発が、世界規模で推進されている。
このような状況下で、有機薄膜太陽電池は、シリコン系太陽電池に比べ、軽量、フレキシブルまた比較的低温での製造が容易でかつ大面積化が可能であり、トータルでも低コストで製造できるため次世代の太陽電池として注目されている。しかしながら、有機薄膜を使用した太陽電池の発電効率は、シリコン系太陽電池に比べ低い値に留まっており、家庭用向け等の発電用途はもとより、野外(太陽光下)での低消費電力機器向けのバッテリー源としての実用化に当たっても、発電変換効率の向上が重要な課題となっている。
上記課題に対し、pnヘテロ型有機薄膜光電変換素子を有機薄膜太陽電池として用いた場合、該有機薄膜太陽電池の変換効率を阻む原因の一つとして、有機半導体中における励起子の拡散長が長くとも数10nmであることが挙げられ、励起子拡散効率(pn接合界面へ到達した励起子数/全励起子)の向上が一つの重要な因子となっている。励起子拡散効率を向上させるために、例えば、n型有機半導体層と陰極間に励起子ブロックキング層としてバソキュプロイン(BCP)を挿入し、陰極界面での励起子失活を抑制させる手法が用いられている(非特許文献1参照)。このようなブロッキング層の多くは、主に陰極界面で検討されており、近年になって、陽極界面における励起子失活を抑制するために、陽極とp型有機半導体層間に励起子ブロッキング層を挿入する試みがなされるようになってきている(特許文献1参照)。
特表2007−525010号公報
P.Peumans and S.R.Forrest,"Applied Physics Letters"、 2001年7月2日,vol.79,No.1,p.126−128
本発明は、上記実情を鑑み、有機薄膜光電変換素子内の励起子の失活を抑制し、発電変換効率の高い有機薄膜光電変換素子及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、透明基板、電極(陽極)、陽極側励起子ブロッキング層、p型有機半導体層、n型有機半導体層及び電極(陰極)を積層してなる有機薄膜光電変換素子であって、前記陽極側励起子ブロッキング層の配向秩序パラメータ(S)を−0.5≦S≦−0.1とすることにより、励起子の失活を抑制させ、発電変換効率の向上を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供するものである。
(1)透明基板、電極(陽極)、陽極側励起子ブロッキング層、p型有機半導体層、n型有機半導体層及び電極(陰極)を積層してなる有機薄膜光電変換素子であって、
前記陽極側励起子ブロッキング層の下記式(1)で表される配向秩序パラメータ(S)が、−0.5≦S≦−0.1であることを特徴とする有機薄膜光電変換素子。
Figure 2013041983
(式中、kx、ky、kzは、分光エリプソメトリーにより得られた、前記陽極側励起子ブロッキング層のピーク波長における消衰係数であり、θは分子長軸が基板法線となす角である。)
(2)前記陽極側励起子ブロッキング層が、下記一般式(1)で表される化合物を含む、上記(1)に記載の有機薄膜光電変換素子。
Figure 2013041983
(一般式(1)において、Aは、単結合、フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、又は1,1−シクロへキシレン基を示し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレン基、又はカルバゾール基を示し、Xは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレン基、又はカルバゾール基、又は下記一般式(2)で表される基を示す。)
Figure 2013041983
(式中、Aは、上記と同じであり、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレン基、又はカルバゾール基を示す。)
(3)前記陽極側励起子ブロッキング層が、下記一般式(3)で表される化合物を含む、上記(1)に記載の有機薄膜光電変換素子。
Figure 2013041983
(式中、Aは、単結合、フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、又は1,1−シクロへキシレン基を示し、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレン基、又はカルバゾール基を示す。)
(4)前記n型有機半導体層と前記陰極の間に陰極側励起子ブロッキング層を更に含む、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子。
(5)前記p型有機半導体層と前記陽極側励起子ブロッキング層との膜厚比(p型有機半導体層/陽極側励起子ブロッキング層)が1/99〜99/1である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子。
(6)前記p型有機半導体層の膜厚が2〜300nmであり、前記陽極側励起子ブロッキング層の膜厚が0.4〜300nmである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法であって、
前記透明な基板上に陽極となる電極を形成する工程、前記電極上に陽極側励起子ブロッキング層を形成する工程、前記陽極側励起子ブロッキング層上にp型有機半導体層を形成する工程、前記p型有機半導体層上にn型有機半導体層を形成する工程、前記n型有機半導体層上に陰極となる電極を形成する工程を有することを特徴とする有機薄膜光電変換素子の製造方法。
(8)前記n型有機半導体層と前記陰極の間に陰極側励起子ブロッキング層を形成する工程を更に含む、上記(7)に記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。
(9)前記陽極上に、前記陽極側励起子ブロック層と、前記p型有機半導体層と、前記n型有機半導体層と、前記陰極側励起子ブロック層とを連続蒸着により形成する工程を有する、上記(7)又は(8)に記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。
本発明によれば、配向秩序パラメータ(S)が、−0.5≦S≦−0.1である励起子ブロッキング層を陽極とp型有機半導体層間に挿入することにより、励起子の失活が抑制され、キャリアの輸送効率も向上し、発電変換効率をより一層向上させた有機薄膜光電変換素子を提供することができる。
本発明の有機薄膜光電変換素子の断面構造の一例を模式的に示した図である。 (A)、(B)は陽極側励起子ブロッキング層を構成する分子の配向性の例を模式的に示した図である。 有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の一例を模式的に示した図である。
本発明の有機薄膜光電変換素子は、透明基板、電極(陽極)、陽極側励起子ブロッキング層、p型有機半導体層、n型有機半導体層及び電極(陰極)を積層してなる有機薄膜光電変換素子であって、前記陽極側励起子ブロッキング層の配向秩序パラメータ(S)が、−0.5≦S≦−0.1であることを特徴とする。
以下、本発明の有機薄膜光電変換素子の各構成要素について及び有機薄膜光電変換素子の製造方法について説明する。
[有機薄膜光電変換素子]
まず、本発明に係るpnヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子(有機太陽電池)の動作原理について説明する。太陽光が本発明の有機薄膜光電変換素子に入射すると、p型及び/又はn型有機半導体層に吸収され、励起状態となった電子と正孔とのペアがクーロン力で束縛された励起子を生成する。生成した励起子がpn接合界面に拡散移動し、それぞれの半導体層が有するHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital:最高占有分子軌道)エネルギー及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:最低非占有分子軌道)エネルギーの違いにより電子と正孔が分離し、独立して移動できる電荷(電子と正孔)が発生し、それぞれの電荷が陰極、陽極に移動することにより、変換素子外部へ電気エネルギーとして取り出すことが可能となる。
本発明の有機薄膜光電変換素子の膜構成を図により説明する。
図1は、本発明の有機薄膜光電変換素子の断面構造の一例を模式的に示した図である。図1に示すように、本発明の有機薄膜光電変換素子は一対の電極2、6間にp型有機半導体層4及びn型有機半導体層5が積層されているpn接合型の素子である。そして、陽極側励起子ブロッキング層3が電極(陽極)2と前記p型有機半導体層4間に挿入されている。励起子ブロッキング層は、光電変換層(p型有機半導体層/n型有機半導体層)で生成した励起子が失活することを抑制するために、光電変換層と電極との間に挿入される。このため、陰極側励起子ブロッキング層を電極(陰極)6と前記n型有機半導体層5間に挿入してもよい。さらに、電極2と陽極側励起子ブロッキング層3間にバッファー層を形成してもよい。バッファー層により陽極表面のラフネスが改善され、リーク電流の低減化を図ることができる。
(透明基板)
本発明に使用する透明基板1は、有機薄膜光電変換素子の支持体となるものである。太陽電池として用いる場合、太陽光に対し透光性を有することが好ましい。透明基板1の光透過率は通常80%以上であり、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。前記透明基板として、ガラスなど、太陽光に対して透明で平滑であれば、特に制限はない。ガラス材料としては石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等種々あるが、機械的強度を含め素子としての特性に影響を与えるものでなければ、特に制限はない。また、PMMA等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのプラスチック基板を用いることができる。前記透明基板の厚さについては、通常0.1〜10mm程度のものが用いられ、機械的強度、熱膨張係数、重量、コストの観点から選択されるが、特に制限されない。
(電極〈陽極〉)
前記透明基板1上には、電極2が形成される。本発明で使用する陽極となる電極2は、透明基板1上に透明導電膜が形成されたものであることが好ましく、有機半導体層と前記電極6の界面において正孔の移動を妨げる障壁の形成を防止する観点から、有機半導体層(実際は電極2上の層)のHOMO準位より大きい仕事関数を併せて有することが好ましい。前記電極2としては、通常ITO(スズドープ酸化インジウム)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ネサガラス(酸化スズ)などの透明電極が用いられる。特に、透明性、導電性の観点からITOが好適に用いられる。陽極の形成は、通常、スパッタリング、蒸着等の乾式法で行われるが、ディップコート法、スピンコート法等の湿式法でもよく、特に限定されるものではない。
電極の膜厚は、好ましくは50〜200nm、より好ましくは70〜150nmである。膜厚が50nm以上であると、導電性を十分に維持できるため好ましく、200nm以下であると透明性を十分に維持できるため好ましい。
また、表面シート抵抗値は、取り出される起電力の低下を抑制するために、好ましくは100(Ω/□)以下、より好ましくは30(Ω/□)以下である。
(陽極側励起子ブロッキング層)
前記電極2上には、陽極側励起子ブロッキング層3が形成される。本発明で使用可能な前記陽極側励起子ブロッキング層3としては、正孔輸送性のある物質であり、HOMOエネルギーレベルが真空準位から比較して電極に比べ低いレベルであって、後述する数式(1)で表される配向秩序パラメータ(S)が、−0.5≦S≦−0.1である。
ここで、S値は以下のように算出される。
分光エリプソメトリーにより、陽極側励起子ブロッキング層の消衰係数、屈折率を求め、ピーク波長における消衰係数の基板垂直方向(kz)及び平行方向(kx、ky)の値を用いて、数式(1)よりS値を算出する。この値により、膜内に分子がどのように存在しているかを知ることができる。
Figure 2013041983
(ただし、θは分子長軸が基板法線となす角である。)
前述した配向秩序パラメータS値が−0.5の時は、分子長軸が基板に対し分子が完全に水平に、S値が1の時は、基板に対し分子が完全に垂直になっていることを示している。また、S値が0の時は、分子がランダムに存在していることを示している。
上記数式(1)に基づき、例えば、トリス[4−(5−フェニルチオフェン−2−イル)フェニル]アミン(TPTPA)のSの値を算出すると、S=−0.12となる。この場合、平均すると分子長軸は基板法線方向に対して60°で存在することを示している。一方、例えば、ジフェニルナフチルジアミン(α−NPD)の場合、S=−0.01となり(Applied Physics Letters 93 173302 (2008)参照)、分子はランダムに存在することを示している。
図2(A)、(B)は陽極側励起子ブロッキング層を構成する分子の配向性の例を模式的に示した図である。陽極側励起子ブロッキング層3がTPTPA(S=−0.12)の場合、図2(A)に示すように、TPTPA層を構成する分子7は、電極2に対し略水平方向に配向性を有している。また、前記陽極側励起子ブロッキング層3がα−NPD(S=−0.01)の場合、図2(B)に示すように、α−NPD層を構成する分子8は電極2に対しランダムになっている。
本発明では、ブロッキング層のSの値が−0.5≦S≦−0.1の範囲である必要がある。当該範囲をみたすブロッキング層を形成するためには、前記陽極側励起子ブロッキング層としては、下記一般式(1)又は一般式(3)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2013041983
Figure 2013041983
式(1)において、R3である直鎖もしくは分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、直鎖もしくは分岐のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げらる。これらの中では、アルキル基としてはメチル基、エチル基が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、式(2)における、R4及びR5の直鎖もしくは分岐のアルキル基およびアルコキシ基は、上記と同様であり、これらの中では、アルキル基としてはメチル基、エチル基が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
さらに、同様に式(3)における、R1及びR2の直鎖もしくは分岐のアルキル基およびアルコキシ基は、やはり上記と同様であり、これらの中では、アルキル基としてはメチル基、エチル基が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
上記一般式(1)および(3)で表される化合物の具体例としては、下記式(4)で表されるトリス[4−(5−フェニルチオフェン−2−イル)フェニル]アミン(TPTPA、S=−0.12)、下記式(5)で表されるN,N’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(N,N’,N’−トリフェニルビフェニル−4,4’−ジアミン)(TPT1、S=−0.20)、下記式(6)で表されるN,N’−(p−ターフェニル−4,4”−ジイル)ビス(N,N’,N’−トリフェニルビフェニル−4,4’−ジアミン)(TPT2、S=−0.28)、下記式(7)で表されるN,N’−ビス[4−(ビフェニル−4−イル)-フェニルアミノビフェニル−4’−イル]−N,N’−ジフェニル−4,4”−ジアミノ−p−ターフェニル(TPT9、S=−0.27)、および下記式(8)で表されるN,N,N’,N’−テトラ(ビフェニル−4−イル)ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD15、S=−0.15)が挙げられる。TPTPAのS値は本発明での測定値であるが、(5)〜(8)の化合物については、(Applied Physics Letters 93 173302 (2008))を参照した。
Figure 2013041983
Figure 2013041983
Figure 2013041983
Figure 2013041983
Figure 2013041983
前記陽極側励起子ブロッキング層3の膜厚は、後述するp型有機半導体層の膜厚により調整されるが、好ましくは0.4〜300nm、より好ましくは0.5〜100nm、更に好ましくは0.6〜20nm、特に好ましくは0.8〜15nmである。該膜厚が0.4nm以上であると均一な成膜を行う観点から好ましく、300nm以下であると素子抵抗の観点から低抵抗であり好ましい。
(p型有機半導体層)
前記陽極側励起子ブロッキング層3上にはp型有機半導体層(ドナー)4が形成される。正孔輸送性を有し、バンドギャップがブロッキング層より狭いことが好ましい。具体的には、p型有機半導体層4としてテトラフェニルジベンゾペリフランテン(DBP)が好ましい。その他、公知のものとして、例えば、フタロシアニン系誘導体、ポルフィリン系誘導体、ヘテロアセン系誘導体等が挙げられる。
前記p型有機半導体層4の膜厚は、好ましくは2〜300nm、より好ましくは6〜100nm、更に好ましくは14〜30nm、特に好ましくは12〜25nmである。該膜厚が2nm以上であると吸光度の観点から十分に光を吸収でき好ましく、300nm以下であると素子抵抗の観点から低抵抗であり好ましい。
前記p型有機半導体層4と前記陽極側励起子ブロッキング層3との膜厚比(p型有機半導体層/陽極側励起子ブロッキング層)は、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは30/70〜99/1、更に好ましくは35/65〜70/30、特に好ましくは40/60〜60/40である。当該膜厚比が1/99以上であるとp型半導体層の厚みが十分であり光吸収の点で好ましい。また、99/1以下であると励起子ブロッキング効果が現れるので好ましい。
(n型有機半導体層)
前記p型有機半導体層4上にはn型有機半導体層5(アクセプター)が形成される。電子輸送性を有し、HOMOのエネルギー準位が低い化合物を使用することが好ましい。具体的には、n型有機半導体層5としてC60フラーレンが好適に用いられる。その他、公知のものを適宜、使用することができる。例えば、前述したフラーレン系誘導体をはじめ、ペリレン系誘導体、フッ素化フタロシアニン、フッ素化へテロアセン系誘導体等が挙げられる。
前記n型有機半導体層の膜厚は、好ましくは10〜100nm、より好ましくは40〜60nmである。該膜厚が10nm以上であると吸光度の観点から十分に光を吸収でき好ましく、100nm以下であると素子抵抗の観点から低抵抗であり好ましい。
(電極〈陰極〉)
前記n型有機半導体層5上に電極6が形成される。陰極となる電極6は前記n型有機半導体層5と前記電極6の界面において電子の移動を妨げる障壁の形成を防止する観点から、n型有機半導体層のLUMO準位より小さい仕事関数を有する金属、合金が主として用いられる。具体的には、Al電極が好適に用いられる。その他、例えば、Al−Li合金、LiF、Ag等が挙げられる。前記電極6の膜厚は、反射率の観点から、好ましくは50〜300nm、より好ましくは50〜200nmである。
(陰極側励起子ブロッキング層)
前記n型有機半導体層5上には、励起子失活抑制の観点から陰極側励起子ブロッキング層を設けることが好ましい。前記陰極側励起子ブロッキング層としては、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソキュプロイン;BCP)、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリノエート)−アルミニウム(III)フェノレート(Alq2OPH)等を用いることが好ましい。使用する化合物は、特に限定されず、公知のものを適宜、使用することができる。前記陰極側励起子ブロッキング層の膜厚は、素子抵抗の観点から、好ましくは5〜20nmであり、より好ましくは5〜10nmである。
(バッファー層)
前記電極2と前記陽極側ブロッキング層3との間に、前記電極2の表面のラフネス改善によるリーク電流低減の観点から、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォネート(PSS)(以下、PEDOT:PSSと略称する)等のバッファー層を形成してもよい。使用するバッファー層は、HOMOエネルギーレベルが真空準位から比較して電極2(陽極)に比べ低いレベルであれば、特に制限はない。例えば、PEDOT:PSS以外に、PEDOT:PEG(PEG:ポリエチレングリコール)等が挙げられる。
本発明の有機薄膜光電変換素子は、必要に応じて、その他の構成部材を有してもよい。
例えば、機能層として、保護層、バリア層、高光反射層、光封じ込め層、封止材層、紫外線、赤外線遮断層等を有してもよい。さらに、層構成に応じ、層間に接着層を設けてもよい。
[有機薄膜光電変換素子の製造方法]
本発明の有機薄膜光電変換素子の製造方法は、透明な基板1上に陽極となる電極2を形成する工程、前記電極2上に陽極側励起子ブロッキング層3を形成する工程、前記陽極側励起子ブロッキング層3上にp型有機半導体層4を形成する工程、前記p型有機半導体層4上にn型有機半導体層5を形成する工程、前記n型有機半導体層5上に陰極となる電極6を形成する工程を有することを特徴とするものである。また、陰極界面での励起子の失活を抑制する観点から、陰極とn型有機半導体層間に陰極側ブロッキング層を形成する工程を有することが好ましい。さらに、表面のラフネスの改善によるリーク電流を低減する観点から、電極2と陽極側励起子ブロッキング層3の間に、PEDOT:PSS等のバッファー層を形成する工程を有することが好ましい
1−1 陽極形成工程
本発明における陽極形成工程は、透明基板1上に陽極となる電極2を形成する工程である。前記電極2の形成方法としては、一般の電極の形成方法を用いることができる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の乾式法、また、ITOを形成する場合、ITO微粒子を含む溶液のディップコート法、スピンコート法等による湿式法を用いることができる。
また、電極2をパターニングする場合、パターニングする方法としては、電極層を所定のパターンに精度よく形成することができれば、特に限定されるものではなく、一般にフォトリソグラフィーが多く用いられる。
表面のラフネスの改善によるリーク電流低減の観点から、バッファー層を電極2と前記陽極側励起子ブロッキング層3の間に形成することが好ましい。前記バッファー層は、化合物の諸物性等に応じて好適な方法で成膜する。例えば、本発明で使用したPEDOT:PSSは水分散液を使用し、スピンコート法で塗布することができる。また、塗布後、水及び溶剤分を除去し、膜を安定化する目的で熱処理工程等を必要に応じて行う。
1−2 陽極側励起子ブロッキング層形成工程
前記電極2又は前記バッファー層上に陽極側励起子ブロッキング層3を形成する。前記陽極側励起子ブロッキング層3の形成方法としては、一般の薄膜形成方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により成膜する。下地層に対し分子を略水平な向きに配向させ成膜するために、例えば、真空蒸着法において、基板加熱温度、蒸着速度、真空度を制御して成膜した。略水平な向きに配向させる成膜方法であれば、特に制限はない。その他、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法等の湿式法で成膜してもよい。
1−3 p型有機半導体層、n型有機半導体層形成工程
前記陽極側励起子ブロッキング層3上にp型有機半導体層4を形成する。前記p型有機半導体層4の形成方法としては、一般の薄膜形成方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により成膜する。
次に、前記p型有機半導体層4上にn型有機半導体層5を形成する。前記n型有機半導体層5の形成方法も、一般の薄膜形成方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により成膜する。化合物の諸物性等に応じて、ディップコート法、スピンコート法、グラビアコート法等の湿式法で成膜してもよい。
1−4 陰極形成工程
本発明における陰極形成工程は、n型有機半導体層5上に陰極6を形成する工程である。陰極6の形成方法としては、一般の電極の形成方法を用いることができる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等を用いることができる。陰極となる電極6をパターニングする場合、パターニング方法としては、電極層を所定のパターンに精度よく形成することができれば、特に限定されるものではなく、一般にフォトリソグラフィーが多く用いられる。また、前記n型有機半導体層5上に所定のパターンを有するハードマスクを設置し、成膜時にパターニング(成膜される/されないエリアがパターンとして形成)する方法を用いることもできる。
1−5 陰極側励起子ブロッキング層形成工程
陰極界面での励起子の失活を抑制する観点から、前記n型有機半導体層5上に陰極側励起子ブロック層を形成することが好ましい。前記陰極側励起子ブロック層の形成方法としては、一般の薄膜形成方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により成膜する。
ここで、陽極側励起子ブロッキング層、p型有機半導体層、n型有機半導体層及び陰極側ブロッキング層は、素子の性能、安定性の観点から、真空蒸着等の乾式法で成膜を行う場合、大気開放せずに連続蒸着で行うことが好ましい。
上記に示した工程を実施することにより、有機薄膜光電変換素子を製造することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例、比較例で作製した有機薄膜光電変換素子及び有機薄膜の評価は以下のように行った。
(1)電流電圧出力特性
疑似太陽光(AM1.5G、100mW/cm2、OTENTO−SUNII;分光計
器社製)の照射下において、半導体パラメーターアナライザー(B1500A;アジレント社製)を用いて以下の測定を行った。
(a)短絡電流密度JSC、開放電圧VOC、形状因子FF(フィルファクター)
図3は有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の一例を模式的に示した図である。図3に示すように、縦軸は出力電流を素子の発電部分の表面積で除した電流密度であり、横軸は出力電圧である。また、実線が特性線であり、点線が太陽光を照射せず暗状態の時の特性線である。さらに、電圧がゼロの時の電流密度、すなわち実線の特性線と縦軸の交点が短絡電流密度となり、電流密度がゼロの時、すなわち実線の特性線と横軸との交点が開放電圧となる。最大発電電力PMAXは、負荷を最適化した時の取り出せる太陽電池の最大出力である。形状因子FFは、形状因子FF=最大発電電力密度/(短絡電流密度×開放電圧)で定義され、算出される。
(b)光電変換効率
光電変換効率は、光電変換効率(%)={最大発電電力密度(W/cm2)/照射光のエネルギー密度(W/cm2)}×100で定義される。
照射光の単位面積あたりのエネルギーが100(mW/cm2)の時は、光電変換効率=短絡電流密度JSC(mA/cm2)×開放電圧VOC(V)×FFとなる。
(2)配向秩序パラメータ(S)
分光エリプソメトリーにより、陽極側励起子ブロッキング層の消衰係数、屈折率を測定した(Journal Of Applied Physics 107, 123512 (2010)、Organic Electronics10 (2009) 127−137等照)。得られたピーク波長における消衰係数の基板垂直方向(kz)及び平行方向(kx、ky)の値を、数式(1)に代入し、S値を算出し、その値から膜内に分子がどのように存在しているか見積もった。
[実施例1]
図1に示す構造の有機薄膜光電変換素子を、以下のように作製した。
陽極となるITO透明電極2が成膜(膜厚100nm;三容真空(株)製)された、太陽光に対して光透過率90%以上の透明なガラス基板1を、13mm角にカットし基板洗浄を行った。まず洗浄は、有機アルカリ洗浄剤(商品名:セミコクリーン56;フルウチ化学(株)製)に12時間浸漬させ、その後、イオン交換水、アセトン、イソプロピルアルコールの順に、超音波を併用し行い、イソプロピルアルコールのベーパーにてガラス基板を乾燥させ、最後に、UVオゾン処理(型番:UV253;フィルジェン(株)製)を行った。UVオゾン処理後、直ちに、基板1を真空蒸着機(有機専用:自製)に設定配置し、陽極上に陽極側励起子ブロッキング層3となるトリス[4−(5−フェニルチオフェン−2−イル)フェニル]アミン(TPTPA)(Luminescence Technology(株)製)の成膜を行った。該陽極側励起子ブロッキング層3を蒸着後、開放せずに、順に連続蒸着により、p型有機半導体層4となるテトラフェニルジベンゾペリフランテン(DBP)(Luminescence Technology(株)製)、n型有機半導体層5となるC60フラーレン(Material Technologies Research(株)製)、陰極側ブロッキング層となるバソキュプロイン(BCP) (東京化成(株)製)を成膜した。4種の有機層は、真空度10-5Pa、蒸着レート0.03(nm/秒)の条件下で、逐次大気開放せずに連続蒸着にて成膜した。
有機薄膜層を形成後、窒素雰囲気下のグローボックスへ搬送し、所定の処理(パターン形成、電極取り出し等のためのハードマスク設置等)をした後、別の真空蒸着機(金属専用;自製)へ搬送し、真空度10-6Pa、蒸着レート0.1〜0.2(nm/秒)の条件下で、陰極となる電極6であるAl層を積層した。
上記により作製した素子の層構成はITO(100nm)/TPTPA(3nm)/DBP(17nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)である。有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の有機薄膜光電変換素子において、バッファー層としてPEDOT:PSSを電極2と陽極側励起子ブロッキング層3間に挿入し、かつTPTPAの膜厚を10nm、DBPの膜厚を10nmとし(膜厚比50/50)、それ以外は実施例1と同様にして、有機薄膜光電変換素子を作製した。作製した素子の層構成はITO(100nm)/PEDOT:PSS(25nm)/TPTPA(10nm)/DBP(10nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)である。有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の結果を表1に示す。
なお、PEDOT:PSS層は、次のように成膜した。PEDOT:PSS/水分散液(Clevios,PVP AI 4083:Heraeus(株)製)を使用し、スピンコーター(型番:ACT−220DII;アクティブ(株)製)にてPEDOT:PSSを陽極上に塗布した。塗布は、回転速度3000(rpm)、塗布時間60秒で行った。塗布後、溶媒の除去、膜の安定性を目的として200℃で10分間熱処理を行った。
[実施例3]
実施例2の有機薄膜光電変換素子において、TPTPAの膜厚を15nm、DBPの膜厚を15nm(膜厚比50/50)とした以外は、実施例2と同様にして、光電変換素子を作製した。作製した素子の層構成はITO(100nm)/PEDOT:PSS(25nm)/TPTPA(15nm)/DBP(15nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)である。有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の有機薄膜光電変換素子において、TPTPA層をなくし、DBPの膜厚を20nmとし、それ以外は実施例1と同様にして、光電変換素子を作製した。上記により作製した素子の層構成はITO(100nm)/DBP(20nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)である。有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1の有機薄膜光電変換素子において、TPTPA(水平配向性あり;図2(A)参照)の代わりに、α−NPD(ランダム配向:配向性なし;図2(B)参照)とし、膜厚は3nmと同じにし、それ以外は実施例1と同様にして、光電変換素子を作製した。上記により作製した素子の層構成はITO(100nm)/α−NPD(3nm)/DBP(17nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)である。有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の結果を表1に示す。
Figure 2013041983
[実施例4、5]
実施例2の有機薄膜光電変換素子において、TPTPAの膜厚を1nm(実施例4)又は3nm(実施例5)、DBPの膜厚を19nm又は17nm(TPTPAとDBPの総膜厚を20nmに固定)とし、それ以外は実施例2と同様にして、有機薄膜光電変換素子を作製した。作製した素子の層構成はITO(100nm)/PEDOT:PSS(25nm)/TPTPA(1nm)/DBP(19nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)及びITO(100nm)/PEDOT:PSS(25nm)/TPTPA(3nm)/DBP(17nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)である。有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例2の有機薄膜光電変換素子において、TPTPAがなく、DBPのみとし、その膜厚を20nmとし、それ以外は実施例2と同様にして、有機薄膜光電変換素子を作製した。作製した素子の層構成はITO(100nm)/PEDOT:PSS(25nm)/TPTPA(15nm)/DBP(5nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)である。有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の結果を表2に示す。
Figure 2013041983
[実施例6、7]
実施例2の有機薄膜光電変換素子において、TPTPAの膜厚を10nmに固定し、DBPの膜厚を15nm(実施例6)又は20nm(実施例7)とし、それ以外は実施例2と同様にして、有機薄膜光電変換素子を作製した。作製した素子の層構成はITO(100nm)/PEDOT:PSS(25nm)/TPTPA(10nm)/DBP(15nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)及びITO(100nm)/PEDOT:PSS(25nm)/TPTPA(10nm)/DBP(20nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)である。有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の結果を表3に示す。
Figure 2013041983
[実施例8、9、10、11]
実施例1の有機薄膜光電変換素子において、TPTPAの代わりに、励起子ブロッキング層としてTPT1(実施例8)、TPT2(実施例9)、TPT9(実施例10)、TPD15(実施例11)を用いた以外は実施例1と同様にして、光電変換素子を作製した。上記により作製した素子の層構成はITO(100nm)/励起子ブロッキング層(3nm)/DBP(17nm)/C60フラーレン(50nm)/BCP(10nm)/Al(100nm)である。有機薄膜光電変換素子の電流電圧出力特性の結果を表4に示す。
Figure 2013041983
実施例1では、TPTPA層がない比較例1の変換素子と比べ、短絡電流密度が増大し、変換効率は3.5%から4.0%へと増加した。TPTPAが励起子ブロッキング層として作用していることが推測される。また、比較例2は水平配向性を有するTPTPAの代わりに、ランダムな配向を有するα−NPDを励起子ブロッキング層としたものであるが、α−NPDの短絡電流密度が−5.55(mA/cm2)であるのに対し、TPTPAの短絡電流密度が−6.37(mA/cm2)と絶対値が大きくなっていることがわかる。
実施例2、3では、リーク電流の低減化を目的としたPEDOT:PSS層をITOとTPTPA間に形成し、TPTPAとDBPの膜厚比を50/50と固定し、さらにそれらの総膜厚を20nm又は30nmとした場合、20nmの実施例2のほうが、30nmである実施例3より変換効率が高いことがわかる。
本発明によれば、高効率なpn接合型有機薄膜光電変換素子を提供できるので、軽量で、フレキシブル性の特徴を生かし、種々のシーンで太陽電池として利用可能である。例えば、モバイル用の情報端末機器用の電池、その他野外で使用する低消費電力タイプの諸機器用途、またコンパクトな発電機用途として利用が見込める。
1:透明基板
2:電極(陽極)
3:陽極側励起子ブロッキング層
4:p型有機半導体層
5:n型有機半導体層
6:電極(陰極)
7:TPTPA層を構成する分子
8:α−NPD層を構成する分子

Claims (9)

  1. 透明基板、電極(陽極)、陽極側励起子ブロッキング層、p型有機半導体層、n型有機半導体層及び電極(陰極)を積層してなる有機薄膜光電変換素子であって、
    前記陽極側励起子ブロッキング層の下記式(1)で表される配向秩序パラメータ(S)が、−0.5≦S≦−0.1であることを特徴とする有機薄膜光電変換素子。
    Figure 2013041983
    (式中、kx、ky、kzは、分光エリプソメトリーにより得られた、前記陽極側励起子ブロッキング層のピーク波長における消衰係数であり、θは分子長軸が基板法線となす角である。)
  2. 前記陽極側励起子ブロッキング層が、下記一般式(1)で表される化合物を含む、請求項1に記載の有機薄膜光電変換素子。
    Figure 2013041983
    (一般式(1)において、Aは、単結合、フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、又は1,1−シクロへキシレン基を示し、R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレン基、又はカルバゾール基を示し、Xは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレン基、又はカルバゾール基、又は下記一般式(2)で表される基を示す。)
    Figure 2013041983
    (式中、Aは、上記と同じであり、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレン基、又はカルバゾール基を示す。)
  3. 前記陽極側励起子ブロッキング層が、下記一般式(3)で表される化合物を含む、請求項1に記載の有機薄膜光電変換素子。
    Figure 2013041983
    (式中、Aは、単結合、フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、又は1,1−シクロへキシレン基を示し、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレン基、又はカルバゾール基を示す。)
  4. 前記n型有機半導体層と前記陰極の間に陰極側励起子ブロッキング層を更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子。
  5. 前記p型有機半導体層と前記陽極側励起子ブロッキング層との膜厚比(p型有機半導体層/陽極側励起子ブロッキング層)が1/99〜99/1である、請求項1〜4のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子。
  6. 前記p型有機半導体層の膜厚が2〜300nmであり、前記陽極側励起子ブロッキング層の膜厚が0.4〜300nmである、請求項1〜5のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法であって、
    前記透明な基板上に陽極となる電極を形成する工程、
    前記電極上に陽極側励起子ブロッキング層を形成する工程、
    前記陽極側励起子ブロッキング層上にp型有機半導体層を形成する工程、
    前記p型有機半導体層上にn型有機半導体層を形成する工程、
    前記n型有機半導体層上に陰極となる電極を形成する工程
    を有することを特徴とする有機薄膜光電変換素子の製造方法。
  8. 前記n型有機半導体層と前記陰極の間に陰極側励起子ブロッキング層を形成する工程を更に含む、請求項7に記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。
  9. 前記陽極上に、前記陽極側励起子ブロック層と、前記p型有機半導体層と、前記n型有機半導体層と、前記陰極側励起子ブロック層とを連続蒸着により形成する工程を有する、請求項7又は8に記載の有機薄膜光電変換素子の製造方法。
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