[第1の実施形態]
以下、本発明の実施形態のリアクトルを、図面を用いて説明する。なお、本実施の形態のリアクトルは、例えばハイブリッド車両や、電気自動車、燃料電池車両等の電動車両の電気回路を構成する昇圧コンバータや昇降圧コンバータ等の電圧変換器に組み込んで使用できる。ただし、リアクトルは、このような使用形態で使用するものに限定せず、種々の電気回路に組み込んで使用できる。
図1〜5は、本発明の第1の実施形態を示している。図1〜3に示すように、リアクトル10は、コイル12の外側にコアが存在するいわゆる「外鉄型」であり、それぞれ断面の外形が略矩形状の第1コア14及び第2コア16と、第1コア14及び第2コア16にまたがって巻回されたコイル12とを備える。
第1コア14は、断面が略C字形で、角部が直角に形成された形状を有し、磁性材料により造られた第1コア要素18と、第1ギャップG1(図3)とを含む。すなわち、第1コア要素18は、互いに平行な一対の断面I字形の板状の基部20と、各基部20の一端同士を連結し、各基部20に対して直交する方向に設けられた断面I字形の板状の外側脚部22と、各基部20の他端に外側脚部22と平行に配置するように、各基部20に対し直交する方向に結合された一対の断面I字形の板状の内側脚部24とを含む。各内側脚部24の先端同士は第1ギャップG1を介して対向している。また、第1コア要素18は、長さ方向、すなわち周方向に対し直交する平面で切断した場合の断面形状を矩形としている。ただし、この断面形状は矩形に限定するものではなく、円形等種々の形状とすることもできる。また、第1コア要素18は、断面が略C字形で、角部が直角に形成された形状を有する場合に限定せず、少なくとも一部が断面円弧形となっていてもよい。
図3に示すように、第1ギャップG1は、第1ギャップ長Gp1の厚さを有する第1空間または非磁性材製の第1ギャップ材である。すなわち、第1ギャップG1は空間とする場合に限定せず、第1ギャップ長Gp1の厚さを有する樹脂等の非磁性材により構成されるギャップ板、または非磁性材の充填材により構成することもできる。第1コア要素18は、従来から多くのコアで使用されるけい素鋼(例えば各種のけい素鋼のうちで最も鉄損の低いけい素鋼)よりも鉄損の低い材料により形成されている。例えば、第1コア要素18は、アモルファス金属またはフェライト等により形成される。例えば、第1コア要素18を、高透磁率で低鉄損な材料である粉体アモルファス金属を樹脂等のバインダで結着してなる加圧成形体の圧粉コアにより形成できる。
また、図1〜3に示すように、第2コア16は、磁性材料により造られた第2コア要素26と、第2ギャップG2(図3)とを含む。すなわち、第2コア要素26は、第1コア要素18と同様の基本形状により形成されており、断面が略C字形で、角部が直角に形成された形状を有する。また、第2コア要素26は、互いに平行な一対の断面I字形の板状の第2基部28と、各第2基部28の一端同士を連結し、各第2基部28に対して直交する方向に設けられた断面I字形の板状の第2外側脚部30と、各第2基部28の他端から第2外側脚部30と平行に配置するように、各第2基部28に対し直交する方向に結合された一対の断面I字形の板状の第2内側脚部32とを含む。各第2内側脚部32の先端同士は第2ギャップG2を介して対向している。また、第2コア要素26は、長さ方向、すなわち周方向に対し直交する平面で切断した場合の断面形状を矩形としている。ただし、この断面形状は矩形に限定するものではなく、円形等種々の形状とすることもできる。また、第2コア要素26は、断面が略C字形で、角部が直角に形成された形状を有する場合に限定せず、少なくとも一部が断面円弧形となっていてもよい。
図3に示すように、第2ギャップG2は、第2ギャップ長Gp2の厚さを有する第2空間または非磁性材製の第2ギャップ材である。すなわち、第2ギャップG2は空間とする場合に限定せず、第2ギャップ長Gp2の厚さを有する樹脂等の非磁性材により構成されるギャップ板、または非磁性材の充填材により構成することもできる。第2コア要素26は、第1コア要素18よりも鉄損の高い材料により形成する。また、第2コア要素26を形成する磁性材料として、第2コア16の周囲に配置するコイルに流す電流と、第2コア要素26の磁気抵抗との関係を表す電流−磁気抵抗特性において、磁気抵抗一定直線に近い程度、すなわち磁気抵抗の変化が小さい程度を表す、「コア要素の磁気抵抗線形性」が、第1コア要素18を形成する磁性材料の場合よりも高い、すなわち磁気抵抗一定直線に近い磁性材料が使用されている。また、第2コア要素26には、飽和磁化が第1コア要素18の磁性材料よりも高く、磁気抵抗線形性が高い線形領域を使用可能な磁性材料を使用することができる。例えば、第2コア要素26を構成する材料として、けい素鋼や圧粉磁心等を使用する。例えば、第2コア要素26は、けい素鋼からなる磁性鋼板の積層体や、圧粉磁心等により構成されることができる。
また、第1コア14及び第2コア16は、互いに空間または非磁性材のギャップ材であり、ギャップ長Gp12を有するコア間ギャップG12を介して対向するように設けられている。すなわち、リアクトル10は、コア間ギャップG12を介して対向するように設けられた2つのコアを備え、2つのコアは、第1コア14と第2コア16とにより構成されている。
また、図3に示すように、第1ギャップG1及び第2ギャップG2は、互いにコア間ギャップG12のギャップ長Gp12の方向、すなわち厚さ方向である、図3の左右方向に対向する位置に設けられている。また、第1ギャップG1の磁路方向(図3の上下方向)長さである第1ギャップ長Gp1は、前記第2ギャップG2の磁路方向(図3の上下方向)長さである第2ギャップ長Gp2よりも小さくしている(Gp1<Gp2)。
また、コイル12は、第1コア14及び第2コア16にまたがって巻回されている。具体的には、コイル12は、第1コア14の各内側脚部24と、第2コア16の各第2内側脚部32との周囲にまたがって巻回されている。コイル12は、第1コア14及び第2コア16に、樹脂等の非磁性材製の図示しないボビン等を介して巻回することもできる。コイル12は、例えば軸方向に複数のターンが設けられ、図1、図2に示すように軸方向に見た形状が略矩形である、エッジワイズコイルにより構成されている。なお、コイル12は、軸方向に見た形状が略円形等の矩形以外の形状であるエッジワイズコイルにより構成することもできる。また、コイル12は、断面丸形のソレノイドコイルや、フラットワイズコイル等のエッジワイズコイル以外により構成することもできる。コイル12の両端にそれぞれ図示しない外部端子を接続可能としている。例えば、直流電源である図示しないバッテリの正極側に接続された、コイル12の図示しない一端から電流を入力し、図示しない他端から電流を出力する。
また、第1コア14は、予め設定された所定電流値よりも低電流域の電流がコイル12に流れる場合に第2コア16よりも低い磁気抵抗を有し、第2コア16は、所定電流値よりも高電流域の電流がコイル12に流れる場合に第1コア14よりも低い磁気抵抗を有するようにしている。具体的には、一部の動作領域であり、実用上頻繁に使用される低負荷側の動作領域である主要動作領域で、第1コア14の磁気抵抗を、第2コア16の磁気抵抗よりも低くしている。図4は、図1のリアクトル10において、電流負荷であるバッテリ電流、すなわちバッテリからコイル12へ入力される電流に対する、各コア14,16の磁気抵抗の関係の1例を示す図である。なお、以下の説明では、図1から図3で示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
図4では、各コア14,16にまたがるように巻装されたコイル12に電流を流した場合の電流負荷と、各コア14,16の磁気抵抗との関係を示しており、主要動作領域で、第2コア16の磁気抵抗が高く、第1コア14の磁気抵抗が低くなっている。また、第2コア16の磁気抵抗は、電流負荷にかかわらず一定値に近くなっている、すなわち磁気抵抗線形性が高くなっている。
また、主要動作領域から高負荷側(図4の右側)に外れた領域に、第1コア14及び第2コア16の磁気特性が交差するクロスポイントP1が設定されるように、ギャップ長Gp1,Gp2や、各コア要素18,26の材料が設定されている。
図5は、図1のリアクトル10において、電流負荷であるバッテリ電流に対する各コア14,16の透磁率であるコア透磁率の関係の1例を示す図である。コア透磁率は、コア14,16の磁気抵抗に対し逆数の関係にあるので、図5では、バッテリ電流値が低い領域で、第1コア14の透磁率が第2コア16の透磁率よりも高く、バッテリ電流値が高い領域で、第1コア14の透磁率が第2コア16の透磁率よりも低くなっている。
また、上記のように各コア14,16同士でギャップ長Gp1,Gp2の関係を調整することで、各コア14,16の磁気抵抗バランスを、上記の図4の関係に設定することができる。これにより、第1コア14の電流負荷に対する磁気抵抗特性が一定定数から大きく外れる程度を表す「コアの磁気抵抗非線形性」を許容することができる。第1コア14と第2コア16とは、その配置関係を逆にすることもできる。
このようなリアクトル10によれば、低電流域の電流がコイル12に流れる場合、第1コア14の磁気抵抗が第2コア16の磁気抵抗よりも低く、主に第1コア14に磁束が流れる。これに対して、高電流域の電流がコイル12に流れる場合、第2コア16の磁気抵抗が第1コア14の磁気抵抗よりも低く、主に第2コア16に磁束が流れる。
このように電流−磁気抵抗特性の異なる2つのコアである、第1コア14及び第2コア16を電流域に応じて磁気経路に使い分ける構成で、より広い電流域で全体として磁気抵抗の変動を小さくでき、リアクトル10全体の磁気特性が向上する。このため、より広い電流域でリアクトル電流値に対してインダクタンスを一定値に近づけることができ、リアクトル10において高性能化を図れる。特に、電流域で第1コア14及び第2コア16を使い分けるため、高電流域で磁気飽和せずに使用できる領域が拡大して、高磁場領域でもリアクトル10を有効活用できる。
また、リアクトル10は、透磁率が互いに異なる、第1コア14及び第2コア16を備え、第1コア14及び第2コア16間にコア間ギャップG12が設けられている。また、クロスポイントP1(図4)を含む一部の電流域を除く多くの電流域で、第1コア14及び第2コア16は異なる透磁率を有し、かつ、互いの磁気抵抗差が大きくなる。リアクトル10にコア間ギャップG12を設けることで、例えば低電流域で、片側のコアである第1コア14を含む第1磁路を流れる磁束が他側のコアである第2コア16を含む第2磁路に、容易に流れ込まないようにできる。
また、第1コア14は、磁性材製の第1コア要素18の両端が第1空間または非磁性材製の第1ギャップ材である第1ギャップG1を介して対向することにより構成され、第2コア16は、磁性材製の第2コア要素26の両端が第2空間または非磁性材製の第2ギャップ材である第2ギャップG2を介して対向することにより構成されている。また、第1ギャップG1及び第2ギャップG2は、互いに対向する位置に設けられ、第1ギャップ長Gp1は、第2ギャップ長Gp2よりも小さくしている(Gp1<Gp2)。このため、低電流域の電流をコイル12に流す場合でのみ第1コア14を使用することで、第1コア14の電流−磁気抵抗特性において、電流変化に対して磁気抵抗が大きく変化し、磁気抵抗一定の直線から大きく外れる程度を表す「コアの磁気抵抗非線形性」を許容でき、第1ギャップG1を小さくできる。
また、第1ギャップ長Gp1が小さいことで、第1ギャップG1での漏れ磁束を低減でき、コイル12に対する渦損抑制を図れる。
また、コイル12に入力される電流、例えばバッテリ電流が小さいときには、第2コア16を含む第2磁路に磁束が多くは流れないので、第2磁路に隣接するコイル12に対する漏れ磁束による渦損が低減される。
また、高電流域の電流をコイル12に流す場合、第2コア16を主に使用するが、第2ギャップ長Gp2を大きくすることで、第2ギャップG2を含む第2コア16の磁気抵抗が大きくなる。このため、第2コア16の電流−磁気抵抗特性において、電流変化に対する磁気抵抗の変化を小さくして、磁気抵抗一定の直線に近づけることができる。また、第2コア16の磁気抵抗は高く、通電電流増加による第1コア14の磁束密度上昇に伴う磁気抵抗増加が第2コア16の磁気抵抗を超えない限り、第2コア16での鎖交磁束量は小さく、第2ギャップG2が大きなギャップであってもコイル渦損が小さい。すなわち燃費を左右する低電流では、コイル渦損は小さくなる。
また、第1コア要素18は、けい素鋼よりも鉄損の低い材料、例えばアモルファス等により形成されている。このため、実用上頻繁に使用される主要動作領域で、低電流域の電流をコイル12に流す場合に、第2コア要素26に磁束が流れ込みにくくなるが、上記のように第1コア要素18に鉄損の低い材料を使用することで、コア損失の低減を図れる。
また、第1コア要素18は、高透磁率、すなわち磁気抵抗が低く、かつ、低鉄損の材料であるアモルファス金属等により形成されているので、損失を低くしつつ、第1ギャップ長Gp1を十分に小さくして、電流−磁気抵抗特性において磁気抵抗一定直線から大きく外れる程度を表す「コアの磁気抵抗非線形性」を許容できる。
また、第2コア要素26を形成する磁性材料として、第2コア16の周囲に配置するコイルに流す電流と、第2コア要素26の磁気抵抗との関係を表す電流−磁気抵抗特性において、磁気抵抗一定直線に近い程度、すなわち磁気抵抗の変化が小さい程度を表す、「コア要素の磁気抵抗線形性」が、第1コア要素18を形成する磁性材料の場合よりも高い磁性材料が使用されている。このため、第1ギャップG1のギャップ長Gp1が第2ギャップG2のギャップ長Gp2よりも小さい(Gp1<Gp2)場合に限定されることなく、電流−磁気抵抗特性の異なる2つのコア14,16を電流域に応じて使い分ける構成を実現できる。すなわち、本実施形態では、ギャップ長Gp1をギャップ長Gp2よりも小さく(Gp1<Gp2)しているが、ギャップ長Gp1をギャップ長Gp2と同じ(Gp1=Gp2)か、またはギャップ長Gp2よりも大きくする(Gp1>Gp2)こともできる。ただし、本実施形態のように、ギャップ長Gp1をギャップ長Gp2よりも小さくする(Gp1<Gp2)のが、コア14,16同士の磁気抵抗非線形性の違いを大きくする面からより好ましい。
すなわち、本実施形態では、第2コア要素26を形成する磁性材料として、磁気抵抗一定直線に大きく近づく程度を表す、「コア要素の磁気抵抗線形性」の高い材料を使用して、しかも、第2コア16は、第1コア14の第1ギャップG1よりも大きなギャップ長Gp2を有する第2ギャップG2を含むので、磁気抵抗を増加でき、コアの磁気抵抗線形性を高くできる。
図6は、比較例の第1例のリアクトルにおいて、磁気飽和を生じやすい部分と生じにくい部分とを説明するための概略断面図である。図6の比較例のリアクトル34は、断面矩形のコア36と、コア36に巻装された一対のコイル12とを含んでいる。一対のコイル12は電気的に直列に接続されている。コア36は、一対の磁性材である鉄製のコア要素38と、一対の非磁性材製のギャップ板40とを含む。各コア要素38は、断面I字形の基部42の両端に互いに平行に一対のI字形の脚部44が結合されている。各コア要素38の各脚部44が、互いにギャップ板40を介して結合されている。また、図6では、コア要素38において、矢印が多く、かつ密度の高い部分により磁束が多く流れる部分を示している。
このような比較例では、例えば高電流がコイル12に入力される高磁場領域で使用される場合に、コア36内での磁気飽和を生じにくくする必要がある。このためには、コア要素38の断面積を大きくするか、またはギャップ板40の厚さであるギャップ長を大きくするとともに、コイル12の巻き数を大きくする必要がある。前者の課題は、コア体積増に伴う体格増であり、後者の課題は、ギャップ長が大きくなることに伴う漏れ磁束によりコイル渦損が大きくなることである。特にコア要素38の断面積を大きくした場合、図6に矢印で示すように、磁束は同一物質中で最短距離を通過しようとするので、図6でαで示す丸で囲んだ部分であるコア36の内周部に磁束が集中し、内側が磁気飽和しやすくなる。逆に図6のβで示す丸で囲んだ部分であるコア36の外周部には磁束が少なくなる。
これに対して、鉄損が小さいアモルファス系の材料をコア要素38に使用すると、コア36において、電流変化に対するインダクタンスの非線形性が大きくなるので、コア体格を大きくしてコア36中の磁束密度を小さくし、鉄損の低減とインダクタンスの線形性向上との両立を図れる可能性がある。ただし、この場合には、コア体格が大きくなるため、好ましくない。
また、上記のようにコア要素38に鉄を使用し、コア体格を大きくすることで磁束密度を低くすることも考えられるが、コア体格が大きくなることは好ましくない。また、ギャップ板40とコイル12との間の図6の左右方向の距離を大きくすることで、渦損を低減することも考えられる。ただし、この場合もコア体格が大きくなるので好ましくない。上記の本実施形態によれば、電流負荷に対するインダクタンスの非線形性が大きくなるのを抑制できるとともに、損失の低減を図れ、さらに体格を小さくでき、上記の不都合を解消できる。
次に、本実施形態のリアクトル10(図1等)で第1コア14及び第2コア16間にコア間ギャップG12を設けたことにより得られる効果を、図7、図8に示す比較例と本実施形態とでの等価磁気回路を用いて説明する。図7は、比較例の第2例のリアクトルにおいて、概略断面図(a)と、等価磁気回路(b)(c)とを示す図である。図8は、本実施形態のリアクトルにおいて、概略断面図(a)と、等価磁気回路(b)とを示す図である。図7(a)の比較例のリアクトル46は、図8(a)の実施形態のリアクトル10でコア間ギャップG12をなくしてコア要素48を単一の磁性材料により構成したのと同様である。すなわち、図7(a)のリアクトル46は、磁性材料製のコア要素48と、コイル12とを含み、コア要素48は、断面略矩形で中間部内面の一対の断面I字形の基部50の対向する位置からギャップGaを介して対向するように、I字形の中間脚部52が突出している。コイル12は、コア要素48の内側で各中間脚部52の周囲に巻回されている。図7(a)のリアクトル46を等価磁気回路で示すと、図7(b)(c)のようになる。すなわちコア要素48をコイル12の中心O(図7(a))に関して両側を第1部分54及び第2部分56で区別した場合に、起磁力Bに対して互いに並列に第1部分54及び第2部分56の小さい磁気抵抗R1,R2が接続され、磁気抵抗R1,R2の並列接続部分に対し直列にギャップGaの大きな磁気抵抗R3が接続されたのと磁気的に等価となる。磁気抵抗R3は、磁気抵抗R1,R2よりも大きい。
これに対して、図8(a)に示す本実施形態のリアクトル10では、第1コア14及び第2コア16間にコア間ギャップG12が設けられている。このリアクトル10を等価磁気回路で示すと、図8(b)のようになる。すなわち第1コア要素18の磁気抵抗R1aに対し直列に第1ギャップG1の磁気抵抗R1bが接続され、同様に、第2コア要素26の磁気抵抗R2aに対し直列に第2ギャップG2の磁気抵抗R2bが接続される。磁気抵抗R1bは磁気抵抗R1aよりも大きく、磁気抵抗R2bは磁気抵抗R2aよりも大きい。
起磁力Bの片側に磁気抵抗R1b、R2bの一端が接続され、起磁力Bの他側に磁気抵抗R1a、R2aの一端が接続される。図8(b)の等価磁気回路から明らかなように、第1ギャップG1のギャップ長Gp1を第2ギャップG2のギャップ長Gp2よりも小さくすることで、第1コア14側のギャップG1の磁気抵抗R1bが第2コア16側のギャップG2の磁気抵抗R2bよりも小さくなる。このため、図8(b)に2つの矢印の太さの差で示すように、第1コア14側に磁束が流れやすくなる。
また、第1コア14及び第2コア16間にコア間ギャップG12を設けることで、第1コア14の磁気回路が第2コア16の磁気回路に対して独立し、第1コア14及び第2コア16間で磁束が移動しにくくなる。また、図7の比較例の第2例では、コア要素48の第1部分54と第2部分56とが同一磁気抵抗であるため、第1部分54と第2部分56とに起磁力Bから磁束が同じ分流れるが、仮に第1部分54及び第2部分56の材料を異ならせ、異なる2つの材料を接着した場合には、材料の磁気抵抗に応じて第1部分54及び第2部分56に流れる磁束の比率を変更することはできる。ただし、この場合、コア要素48の製造作業が複雑になる。
いずれにしても本実施形態では、第2コア16の磁気抵抗は高く、通電電流増加による第1コア14の磁束密度上昇に伴う磁気抵抗増加が第2コア16の磁気抵抗を超えない限り、第2コア16での鎖交磁束量は小さく、第2ギャップG2が大きなギャップであってもコイル渦損が小さい。すなわち燃費を左右する低電流では、コイル渦損は小さくなる。
また、第1コア要素18は、けい素鋼(例えば各種のけい素鋼のうちで最も鉄損の低いけい素鋼)よりも鉄損の低い磁性材料、例えばアモルファス金属等により形成されているので、リアクトル10の損失をより低減できる。さらに、第2コア要素は、第1コア要素を形成する磁性材料よりも鉄損の高い磁性材料、例えばけい素鋼等により形成されている。このため、第1コア14及び第2コア16のうち、一部のコアである第1コア14のみに、コストが高くなりやすい低損失コア材を使用すればよく、リアクトル10のコスト低減を図りやすい。また、この場合でも通常多く使用される低電流域でのコア損失の低減を図れ、実用上のコア損失を有効に低減できる。
なお、上記では、第1コア14を構成する第1コア要素18が1つであり、第2コア16を構成する第2コア要素26が1つである場合を説明したが、第1コアおよび第2コアは、それぞれ複数の磁性材製のコア要素を第1ギャップまたは第2ギャップを介して対向することにより構成されることもできる。また、上記では、第1コア要素18と第2コア要素26との材料を異ならせる場合を説明したが、第1ギャップ長Gp1を第2ギャップ長Gp2よりも小さくする(Gp1<Gp2)ことを前提とする等により、第2コア要素26は、第1コア要素18と同じ磁性材料により形成することもできる。すなわち、本実施形態では、第1コア14は、予め設定された所定電流値よりも低電流域の電流がコイル12に流れる場合に第2コア16よりも低い磁気抵抗を有し、第2コア16は、所定電流値よりも高電流域の電流がコイル12に流れる場合に第1コア14よりも低い磁気抵抗を有するものであればよい。
[第2の実施形態]
図9〜11は、本発明の第2の実施形態に係るリアクトルを示している。図9は、本実施形態のリアクトルにおいて、低磁場領域の電流をコイル12に流す場合の磁束流れ状態を示す概略断面図である。図10は、本実施形態に係るリアクトルにおいて、高磁場領域の電流をコイルに流す場合の磁束流れ状態を示す概略断面図である。なお、図9、図10では、コア中の矢印により、磁束が流れる方向を模式的に示している。
本実施形態のリアクトル58は、いわゆる2コイル式の4脚型である。すなわち、リアクトル58は、3つのコアである、第1コア60、第2コア62及び第3コア64と、2つのコイルである第1コイル66及び第2コイル68とを備える。第1コア60は、上記の第1実施形態のリアクトル10を構成する第1コア14と同様に構成され、けい素鋼(例えば各種のけい素鋼のうちで最も鉄損の低いけい素鋼)よりも鉄損の低い磁性材料、例えばアモルファス金属、フェライト等により造られた第1コア要素70と、第1コア要素70の両端部を構成する断面I字形の板状の内側脚部72間に設けられた第1ギャップG1とを含む。例えば、第1コア要素70を、高透磁率で低鉄損な材料である粉体アモルファス金属を樹脂等のバインダで結着してなる加圧成形体の圧粉コアにより形成できる。
第3コア64も、第1コア60と同じ磁性材料により、同じ形状に造られている。すなわち、第3コア64は、上記の第1実施形態のリアクトル58を構成する第1コア60と同様に構成され、第1コア要素18の場合と同じ磁性材料により造られた第3コア要素74と、第3コア要素74の両端部を構成する一対の断面I字形の板状の内側脚部76間に設けられた第3ギャップG3とを含む。例えば、第3コア要素74を、高透磁率で低鉄損な材料である粉体アモルファス金属を樹脂等のバインダで結着してなる加圧成形体の圧粉コアにより形成できる。第1コア60及び第3コア64は、互いに内側脚部72,76が内側に配置されるように互いに平行に配置し、第1コア60及び第3コア64の間に第2コア62が配置されている。
第2コア62は、上記の図6に示した比較例のリアクトル34を構成するコア36と同様に形成されている。すなわち、第2コア62は、全体が断面矩形に形成され、一対の磁性材料製の第2コア要素78と、一対の第2ギャップである第2ギャップ材80とを含む。各第2コア要素78は、断面I字形の板状の基部82の両端に互いに平行な一対の断面I字形の板状の脚部84が直角方向に結合されている。各第2コア要素78の各脚部84が、互いに第2ギャップ材80を介して結合されている。各第2コア要素78は、例えば第1コア要素70及び第3コア要素74を構成する磁性材料よりも鉄損が高い磁性材料、例えばけい素鋼からなる磁性鋼板の積層体等により造られている。第2コア62の各脚部84が、第1コア60及び第3コア64の各内側脚部72,76及び各外側脚部と平行になるように、第1コア60及び第3コア64の間に第2コア62が配置されている。
また、第1コイル66は、第1コア60及び第2コア62にまたがるように、第1コア60の内側脚部72及び第2コア62の片側(図9、図10の左側)の脚部84の周囲に巻回されている。また、第2コイル68は、第3コア64及び第2コア62にまたがるように、第3コア64の内側脚部76及び第2コア62の他側(図9、図10の右側)の脚部84の周囲に巻回されている。第1コイル12及び第2コイル12は電気的に直列に接続されるとともに、巻き方向を互いに逆にしている。
このようなリアクトル58では、第1コイル66の磁路として、第1コア60を含む第1磁路と、第2コア62を含む第2磁路とを有する。また、第2コイル68の磁路として、第3コア64を含む第3磁路と、第2コア62を含む第2磁路とを有する。すなわち、第2磁路は、第1コイル12の磁路と第2コイル12の磁路とで共通に使用される。また、第1コア60と第2コア62とは空間または非磁性材のギャップ材であるコア間ギャップG12を介して対向しており、第2コア62と第3コア64とは空間または非磁性材のギャップ材であるコア間ギャップG23を介して対向している。各コア間ギャップG12,G23のギャップ長Gp12,Gp23は互いに同じとすることができる。
また、第1ギャップG1の第1ギャップ長Gp1及び第3ギャップG3の第2ギャップ長Gp3を互いに同じとし、各第2ギャップ材80の厚さである第2ギャップ長Gp2を互いに同じとし、各第2ギャップ長Gp2を第1ギャップ長Gp1及び第3ギャップ長Gp3のいずれよりも大きくすることができる。また、第1ギャップG1及び第2ギャップ材80は、互いに対向する位置に設けられている。また、別の第2ギャップ材80及び第3ギャップG3は、互いに対向する位置に設けられている。
図11は、本実施形態のリアクトルにおいて、各コアの電流負荷に対する磁気抵抗の関係の1例を示す図である。なお、以下の説明では、図9、図10に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。図11に示すように、予め設定された所定電流値よりも低電流域の電流が第1コイル66及び第2コイル68にそれぞれ流れる主要動作領域で、第1コア60及び第3コア64のそれぞれは、第2コア62よりも低い磁気抵抗を有する。また、所定電流値よりも高電流域の電流が第1コイル66及び第2コイル68にそれぞれ流れる、クロスポイントP2よりも電流負荷の高い領域で、第2コア62は、第1コア60及び第3コア64のそれぞれよりも低い磁気抵抗を有する。すなわち、各ギャップ長や、各コア60,62,64を構成する材料の設定等により、磁気抵抗のクロスポイントP2を主要動作領域よりも電流負荷の高い領域に設定する。
このようなリアクトル58では、第1コア60及び第3コア64で、第1ギャップ長Gp1及び第3ギャップ長Gp3を小さくすることで、電流負荷の変化に対して磁気抵抗が大きく変化する、大きな非線形性を許容させる。これに対して、第2コア62を形成する第2コア要素78として、電流負荷と磁気抵抗との関係を表す電流−磁気抵抗特性において、磁気抵抗一定の直線に近づく程度を表す「コア要素の磁気抵抗線形性」が、第1コア要素70及び第3コア要素74の場合よりも高い材料を使用して、第1ギャップ長Gp1及び第3ギャップ長Gp3よりも大きな第2ギャップ長Gp2を有する第2ギャップ材80を使用することができる。
また、第2ギャップ長Gp2と、コア間ギャップG12、G23のギャップ長Gp12、Gp23との関係は次式を満たすようにするのが好ましい。
Gp2≦2Gp12 ・・・(1)
Gp2≦2Gp23 ・・・(2)
なお、コア間ギャップG12、G23のギャップ長Gp12、Gp23は互いに同じとすることもできる。また、第1ギャップ長Gp1及び第3ギャップ長Gp3を同じとすることもできる。
また、第2ギャップ長Gp2が大きくなり過ぎる場合、第2コア62の図9、図10の左右両端のI字形部分において、非磁性材製の第2ギャップ材80を設ける位置を1個所から複数個所に変更し、3つ以上の磁性材の脚部間に第2ギャップ材をそれぞれ設けることもできる。
この結果、図9に示すように、各コイル66,68に低電流域の電流が流れる低磁場領域では、第1コア60、第2コア62及び第3コア64の透磁率μ1、μ2、μ3の関係が次式を満たすようになる。
μ1>μ2 ・・・(3)
μ3>μ2 ・・・(4)
このため、低負荷領域、すなわち低磁場領域では、第1コア60及び第3コア64に磁束が主に流れ、基本的にリアクトル58では、インダクタンスとして、第1コア60及び第3コア64を用いる自己インダクタンスのみが作用する。
これに対して、図10に示すように、各コイル66,68に高電流域の電流が流れる高磁場領域では、第1コア60、第2コア62及び第3コア64の透磁率μ1、μ2、μ3の関係が次式を満たすようになる。
μ1<μ2 ・・・(5)
μ3<μ2 ・・・(6)
このため、高負荷領域において、第2コア62では透磁率の変化が少なく、μ2>μ1、μ3となり、第2コア62に磁束が多く分流するようになる。なお、第1コア60及び第3コア64の透磁率μ1、μ3は、互いに同じとすることができるが、互いに異ならせることもできる。
このようなリアクトル58では、第1コア60及び第2コア62の間、第2コア62及び第3コア64の間に、それぞれコア間ギャップG12及び第2コア間ギャップG23が設けられるため、第1コア60及び第2コア62の間、第2コア62及び第3コア64の間のそれぞれでの磁気抵抗差を大きくすることで、例えば低負荷領域で第1コア60を含む第1磁路から第2コア62を含む第2磁路に磁束が容易に流れ込まないようにできるとともに、第3コア64を含む第3磁路から第2磁路に磁束が容易に流れ込まないようにできる。
また、電流負荷の小さい低負荷領域では、磁気抵抗の低い第1磁路及び第3磁路に磁束が流れ、第2磁路には磁束が流れにくいが、第1磁路及び第3磁路を構成するコア要素70,74に低鉄損の材料を使用することで、低負荷領域での鉄損の低減を図れる。
また、磁気抵抗が低いとインダクタンスが上昇することが知られており、磁気抵抗に大きな非線形性があると、電流負荷の変化に対するインダクタンスのフラット性を確保できなくなり、リアクトル58の性能低下が生じる可能性がある。本実施形態では、磁気回路が低負荷領域で第1磁路及び第3磁路のみを使用するために、第1磁路及び第3磁路の磁気抵抗を第2磁路の磁気抵抗よりも低くする必要がある。ただし、この場合、インダクタンスの非線形性が大きくなる可能性がある。これに対して、第1磁路及び第3磁路のインダクタンスL1は次式で表される。ここで、Sは磁路の断面積、Nは第2磁路についてのコイル66,68の巻き数であり、0.5Nは第1磁路及び第2磁路それぞれについてのコイル66(または68)の巻き数に相当する。ここで、各コイル66,68の巻き数は同じとしている。また、ν1は第1磁路及び第3磁路の磁気抵抗、dは磁路長である。
(L1)=S(0.5N)2/(ν1×d)=(SN2)/(4νd) ・・・(7)
第2磁路のインダクタンスL2は次式で表される。ν2は第2磁路の磁気抵抗である。その他の記号の意味は(7)式と同様である。
(L2)=(SN2)/(ν2×d) ・・・(8)
また、(7)式、(8)式から、ν1=ν2ならば、次式が成立することが分かる。
(L1)=(L2)/4 ・・・(9)
このため、第1磁路及び第3磁路で非線形性が高く、低負荷領域で磁気抵抗ν1が低くても、インダクタンス変化の影響、すなわち寄与度は第2磁路の1/4と小さいため、第2磁路の磁気抵抗の線形性を高くできれば、全体のインダクタンスの線形性を高く維持できることが分かる。
また、第1磁路及び第3磁路では磁気抵抗の非線形性を許容しているため、第1ギャップG1及び第3ギャップG3が小さく,これらのギャップG1,G3に隣接するコイル66,68に対して漏れ磁束が少なくなる。このため、コイル66,68に対する渦損を小さくできる。また、低負荷領域では、第2磁路に磁束があまり流れないので、この第2磁路に隣接するコイル66,68に対する渦損も小さくできる。
さらに、低損失コア材はコストが高くなりやすいが、各コア60,62,64のうち、一部のコアである第1コア60及び第3コア64のみに低損失コア材を使用すればよく、リアクトル58のコスト低減を図りやすい。その他の構成及び作用は、上記の第1の実施形態と同様である。
なお、上記では、第1コア要素70及び第3コア要素74と、第2コア要素78との材料を異ならせる場合を説明したが、第2コア要素78は、第1コア要素70及び第3コア要素74と同じ磁性材料により形成することもできる。また、第1コア要素70及び第3コア要素74同士で異なる磁性材料を用いることもできる。すなわち、本実施形態では、第1コア60及び第3コア64は、予め設定された所定電流値よりも低電流域の電流がコイル66,68に流れる場合に第2コア62よりも低い磁気抵抗を有し、第2コア62は、所定電流値よりも高電流域の電流がコイル66,68に流れる場合に第1コア60及び第3コア64よりも低い磁気抵抗を有するものであればよい。
[第3の実施形態]
図12は、本発明の第3の実施形態に係るリアクトルにおいて、複数のギャップ長の関係を説明するための模式図である。なお、図12では、各コイル66,68を模式的に示しており、「+」は図12の裏側から表側に電流が流れることを、「−」は図12の表側から裏側に電流が流れることを示している。
本実施形態のリアクトル58は、上記の図9〜11に示した第2の実施形態において、各第2コア要素78に設けられた断面I字形の基部82が、図12の左右方向である幅方向両側部分に分割されたような形状としている。すなわち、第2コア62は、4つの磁性材料製の断面L字形の板状の第2コア要素88と、4つの非磁性材料製の第2ギャップである第2ギャップ材80,90とを含み、4つの第2コア要素88が、第2ギャップ材80,90を介して全体が断面矩形になるように結合されている。各第2コア要素88は、第1コア要素70及び第3コア要素74を構成する磁性材料よりも鉄損が高い材料を使用する。また、各第2コア要素88を形成する磁性材料として、第2コア62の周囲に配置するコイル66,68に流す電流と第2コア要素88の磁気抵抗との関係を表す、電流−磁気抵抗特性において、磁気抵抗一定直線に近い程度を表す「コア要素の磁気抵抗線形性」が、第1コア要素70及び第3コア要素74のそれぞれの磁性材料よりも高い磁性材料を使用することができる。また、各第2コア要素88には、飽和磁化が第1コア要素70及び第3コア要素74のそれぞれの磁性材料よりも高く、磁気抵抗線形性が高い線形領域を使用可能な材料を使用することもできる。例えば各第2コア要素88は、けい素鋼からなる磁性鋼板の積層体や圧粉磁心等により構成される。
また、4つの第2コア要素88のうち、第1コア60側の2つの第2コア要素88と、第3コア64側の2つの第2コア要素88との間に設けられた第2ギャップ材90は、第2ギャップ長Gp2aを有する。第2ギャップ長Gp2aを有する第2ギャップ材90も、第2ギャップ長Gp2を有する第2ギャップ材80と同様に、第2コア62内での磁気抵抗を増加するとともに、磁気抵抗線形性を高くする機能を有する。
また、第1ギャップ長Gp1及び第2ギャップ長Gp2、Gp2aの関係は次式を満たすようにするのが好ましい。
Gp1≦(Gp2+Gp2a)×2 ・・・(10)
また、第3ギャップ長Gp3及び第2ギャップ長Gp2、Gp2aの関係は次式を満たすようにするのが好ましい。
Gp3≦(Gp2+Gp2a)×2 ・・・(11)
その他の構成及び作用は、上記の図9〜11に示した第2の実施形態と同様である。なお、上記の図9〜11に示した第2の実施形態、または、上記の図12に示した第3の実施形態では、第2コア62に、第2ギャップとして第2ギャップ材80、90が設けられている。ただし、第2コア62を構成する第2ギャップの少なくとも一部として、第2ギャップ材80(または90)の代わりに、第2ギャップ長Gp2(またはGp2a)を有する第2空間を設けることもできる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の形態で実施し得ることは勿論である。