JP2013040517A - 戸 - Google Patents

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【課題】 上げ下げ窓の下障子の下部と下框の間から雨水が室内に漏水するのを防止できる戸の提供。
【解決手段】 上框1と下框2と竪框3,4とを框組みしてなる框体5と、框体の開口部6に設けた網戸7と上げ下げ窓8とを備え、室内側に位置する上げ下げ窓の下障子9bの下面と下框2上面間には、室外側と室内側の二箇所にタイトライン10,11が形成してあり、下框2には、両タイトラインの間の空間12に外気を導入する通気孔13が設けてあり、両タイトラインの間の空間12を室外と等圧にしたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、上げ下げ窓付きの戸に関する。
従来のドアとして、竪框と横框とを枠組みして形成した開口部に網戸と上げ下げ窓を設けた採風ドアが知られている。従来の採風ドアは、図5に示すように、室内側に位置する下障子90の下面とドア下框91の上面との間の空間92に対して、室外から雨水の浸入を遮るものがなく、台風のような強い雨風のときには当該空間92に室外から容赦なく雨水が浸入して溜まる。ドア下框91には室内側に起立壁93が設けてあり、起立壁93にタイト材94を保持し、タイト材94が下障子90の下面の室内側端部に当接するようにしているが、上げ下げ窓の障子は竪框にロック片を係合させて施錠する構造となっており、引き違いサッシの障子のようにクレセントで戸先を枠に押し付けて施錠する構造ではないため、強い雨風のときにはドア下框の起立壁93を越えて室内に雨水が漏水することがあった。止水性を向上するためには、ドア下框の起立壁93の高さを高くする必要があり、そうするとドア下框91の見付け寸法が増大し、開口部の面積が狭くなるので、好ましくない。
本発明は以上に述べた実情に鑑み、上げ下げ窓の下障子の下部と下框の間から雨水が室内に漏水するのを防止できる戸の提供を目的とする。
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による戸は、上框と下框と竪框とを框組みしてなる框体と、框体の開口部に設けた網戸と上げ下げ窓とを備え、室内側に位置する上げ下げ窓の下障子の下面と下框上面間には、室外側と室内側の二箇所にタイトラインが形成してあり、下框には、両タイトラインの間の空間に外気を導入する通気孔が設けてあり、両タイトラインの間の空間を室外と等圧にしたことを特徴とする。
請求項1記載の発明による戸は、下障子の下面と下框上面間に設けた室外側と室内側の二箇所のタイトラインにより雨水の浸入を防止し、尚且つ下框に両タイトラインの間の空間に外気を導入する通気孔を設け、両タイトラインの間の空間を室外と等圧にしたので、室外側のタイトラインを越えて雨水が浸入したとしても、その雨水は室内側に吸い込まれることなく下框の通気孔を通じて排水されるため、強い雨風のときでも下障子の下部と下框の間からの雨水の浸入を防止できる。
本発明の戸の一実施形態に係る採風ドアを示す縦断面図である。 同ドアの横断面図である。 同ドアの室内側正面図である。 同ドアの下框の平面図である。 従来の採風ドアの縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜3は、本発明の戸の一実施形態であって、玄関や勝手口等に設けられる採風ドア15に適用した例を示している。本ドア15は、躯体開口部に取付けられる枠16に、蝶番17で室外側に開くように支持してあり、アルミ合金の押出形材よりなる上框1と下框2と吊元框3と戸先框4とを四周框組みして矩形の框体5が構成され、框体5の開口部6に上げ下げ窓8を設け、開口部6の室外側に網戸7を取付けてある。枠16は、ドア15の室内側面に当接するタイト材18,19を有している。
吊元框3と戸先框4は、図2に示すように、内周側に開口した室内外2列の溝20a,20bを有し、室外側の溝20aに上障子9aが、室内側の溝20bに下障子9bがそれぞれ上下動可能に保持してある。上障子9aと下障子9bは、ワイヤーと滑車を用いた連動機構(図示省略)により連結され、下障子9bを上げるとこれに連動して上障子9aが下降し、上障子9aの上方と下障子9bの下方に形成される開口部を通じて採風が行える。吊元框3の室内側面には施錠装置21が取付けてあり(図3参照)、施錠装置21の背面より突出する施錠片が下障子9bに設けた錠受けに係合することにより、上障子9a及び下障子9bが施錠される。
上框1は、図1に示すように、上壁1aと下壁1bと室外側壁1cと室内側壁1dとで矩形の中空部が構成され、下壁1bが室外側壁1cよりも室外側に延出しており、その下面側に上障子9aの上部が挿入される溝22が構成してある。
下框2は、上壁2aと下壁2bと室外側壁2cと室内側壁2dとで矩形の中空部が構成され、上壁2aは室外側壁2cよりも室外側に延出しており、室外側に向かって僅かに下り勾配で傾斜している。下框2の室内側面には、上壁2aより突出する起立壁23が設けてあり、起立壁23の室外側面の上下方向中間部にタイト材ホルダー24を設けてタイト材25を取付けてあり、このタイト材25に下障子9bの下面の室内側端部を押し付けて、タイトライン11を構成している。上壁2aの室外側壁2cよりも室内側の部分と下壁2bには、通気孔13が形成してある。通気孔13は、図4に示すように、室内外方向の幅が8mm、左右方向の長さが40mmの長孔状となっており、このような通気孔13が左右方向に間隔をおいて複数設けてある。
上障子9aは、アルミ合金の押出形材よりなる上框26aと下框27aと左右の竪框28a,28aを方形に組み、その枠内にガラス29を装着して構成されている。上障子9aの上框26aは、図1に示すように、室外側面と室内側面に長手方向に沿ってモヘア30が取付けてあり、ドア上框1の溝22との間の隙間をモヘア30で塞いでいる。上障子9aの下框27aは、室内側面の下部に煙返し31aを有し、室内側面の上部にタイト材32が設けてある。上障子9aの竪框28aには、図2に示すように、室外側面と室内側面に長手方向に沿ってモヘア33が取付けてあり、ドア竪框(吊元框3、戸先框4)の溝20aとの間の隙間をモヘア33で塞いでいる。
下障子9bは、アルミ合金の押出形材よりなる上框26bと下框27bと左右の竪框28b,28bを方形に組み、その枠内にガラス29を装着して構成されている。下障子9bの上框26bは、図1に示すように、室外側面の上部に上障子下框27aのタイト材32が当接する当接部34を有し、室外側面の下部に上障子下框27aの煙返し31aと係合する煙返し31bが設けてある。下障子9bの下框27bは、室外側に垂下片35を有し、垂下片35の下端部にタイト材ホルダー36を設けてタイト材37を取付けてある。タイト材37は、室外側に傾斜して垂下するヒレ片37aを有し、ヒレ片37aの先端部が室外側に湾曲してドア下框2の上壁2a上面に当接し、タイトライン10を構成している。下障子9bの竪框28bには、図2に示すように、室外側面と室内側面に長手方向に沿ってモヘア33が取付けてあり、ドア竪框3,4の溝20bとの間の隙間をモヘア33で塞いでいる。
本ドア15は以上に述べたように、下障子9bの下框27bの垂下片35の下端部に設けたタイト材37と、下框2の起立壁23に設けたタイト材25とにより、下障子9bの下面と下框2上面間にタイトライン10,11が室外側と室内側の二箇所に形成され、両タイトライン10,11により下障子9bと下框2の間からの雨水38の浸入を二重に阻止する。さらに、下框2の上壁2aと下壁2bとに長孔状の通気孔13を複数設けたことで、これらの通気孔13より両タイトライン10,11の間の空間12に外気39が導入され、両タイトライン10,11の間の空間12が室外と等圧になるため、室内側の気圧が室外側より低いときであっても、室内外の気圧差により雨水38が室内側に引っ張られることがなく、仮に室外側のタイトライン10を越えて雨水38が浸入したとしても、下框2の通気孔13を通じて室外に排水されるため、下框2の起立壁23の高さを高くすることなく、下障子9bと下框2の間を確実に止水できる。これにより、台風のような強い雨風のときでも、下障子9bと下框2の間からの漏水を防止することができる。本構成を採用することで、従来止水性が乏しかった下障子9bと下框2の間の止水性が著しく改善するため、採風ドア15の止水性能を大きく向上することができ、1000Paの止水性能を得ることが可能となる。
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。本発明の戸は、実施形態のようなドア(開き戸)に限らず、引戸とすることもできる。戸や障子の框は、樹脂、あるいは金属と樹脂の複合材とすることもできる。
1 上框
2 下框
3 吊元框(竪框)
4 戸先框(竪框)
5 框体
6 框体の開口部
7 網戸
8 上げ下げ窓
9a 上障子
9b 下障子
10,11 タイトライン
12 両タイトラインの間の空間
13 通気孔
15 ドア(戸)

Claims (1)

  1. 上框と下框と竪框とを框組みしてなる框体と、框体の開口部に設けた網戸と上げ下げ窓とを備え、室内側に位置する上げ下げ窓の下障子の下面と下框上面間には、室外側と室内側の二箇所にタイトラインが形成してあり、下框には、両タイトラインの間の空間に外気を導入する通気孔が設けてあり、両タイトラインの間の空間を室外と等圧にしたことを特徴とする戸。
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