JP2013040489A - オープンシールド工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒューム管の埋設にオープンシールド工法を使用する場合に、オープンシールド機での余堀りが少なくてすみ、また、安定してヒューム管を設置できるとともに、オープンシールド機掘進の際の反力をヒューム管から得ることができる。
【解決手段】オープンシールド機1は前記底板1bおよびこれに連続する側壁板1a部分をヒューム管である管体14を抱持するように湾曲させ、管体設置部を管体14の形状に合わせて円弧状αとし、かつ、推進ジャッキ2は管体14の形状に合わせて間隔を存して円形に設置した。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ヒューム管埋設用のオープンシールド工法に関するものである。
下記特許文献は、オープンシールド工法によりヒューム管を用いて鞘管路を施工しながら、同時進行で長尺の鋼管を発進坑内で溶接し、鞘管路内に挿入して本管路を施工するものである。
特開平6−129187号公報
図10に示すように、101はオープンシールド工法を施工するためのオープンシールド機にして、このオープンシールド機101は鋼製フレームの両側面に水平板状のブレード102、102aを鉛直方向に複数枚配列し、バックホー103の掘削が進むに従って、各ブレード102、102aに取り付けた油圧ジャッキにより他のブレードにかかる土圧を反力として1枚又は数枚のブレードを切羽に貫入して自力で前進するものである。
2m前後のヒューム管103を鞘管用として用いて鞘管路104を施工する。
106は発進坑にして、ここには発進台7及び9m〜12m前後の鋼管108を降ろすためのアーム109、溶接機110等が設置され、先ず1本目の鋼管108を発進台107に据え付け、芯出し、溶接検査、塗覆装等の作業を行ったのち、オープンシールド機1側に設置したウインチ111から延長したワイヤー112により一定量鞘管路104の後端内に引き込んだのち、2本目の鋼管108を降ろし、1本目の後端にこの2本目の鋼管108の先端を溶接し、再びウインチ111で鞘管路104内に引き込み、以後同じようにして本管路113を形成する。以上の鞘管路104と本管路112の施工作業は、同時進行で進められる。
なお、周知のごとくオープンシールド工法は、開削工法(オープン工法)とシールド工法の長所を生かした合理性に富む工法であり、例えば下記特許文献にもしめされているが、図12に示すような、左側壁板4a,右側壁板4bと上床板4cと下床板4dとからなり、前後面が開口10として開放されている矩形の鉄筋コンクリート製のコンクリート函体4を縦列に埋設するものとして開発されている。
特開2001−73686号公報
図11にその概略を示すと、図中1はオープンシールド機で、これは左右の側壁板1aとこれら側壁板1aに連結する底板1bとからなる前面、後面及び上面を開口したシールド機である。
該オープンシールド機1は前記側壁板1aと底板1bの先端を刃口11として形成し、また側壁板1aの中央又は後端近くに推進ジャッキ2を後方に向け上下に並べて配設する。図中3は隔壁を示す。
図示は省略するが、発進坑内にこのオープンシールド機1を設置して、オープンシールド機1の推進ジャッキ2を伸長して発進坑内の反力壁に反力をとってオープンシールド機1を前進させ、地下構造物を形成する第1番目のコンクリート函体4を上方から吊り降し、オープンシールド機1のテール部1c内で縮めた推進ジャッキ2の後方にセットする。推進ジャッキ2と反力壁の間にはストラットを配設して適宜間隔調整をする。
また、発進坑は土留壁で構成し、オープンシールド機1を発進させるにはこの土留壁を一部鏡切りするが、必要に応じて薬液注入等で発進坑の前方部分に地盤改良を施しておくこともある。
ショベル等の掘削機9でオープンシールド機1の前面又は上面から土砂を掘削しかつ排土する。この排土工程と同時またはその後に推進ジャッキ2を伸長してオープンシールド機1を前進させる。この前進工程の場合、コンクリート函体4の前にはボックス鋼材又は型鋼を用いた枠体よりなる押角8を配設する。
そして前記第1番目のコンクリート函体4の前に第2番目のコンクリート函体4をオープンシールド機1のテール部1c内に吊り降す。以下、同様の掘削・排土工程、前進工程、コンクリート函体4のセット工程を適宜繰返して、順次コンクリート函体4をオープンシールド機1の前進に伴い縦列に地中に残置し、さらにこのコンクリート函体4の上面に埋戻し5を施す。
なお、コンクリート函体4をオープンシールド機1のテール部1c内に吊り降す際には、コンクリートブロック等による高さ調整材7をコンクリート函体4下に配設し、このテール部1c内でコンクリート函体4の左右および下部の空隙にグラウト材6を充填する。
このようにして、オープンシールド機1が到達坑まで達したならばこれを撤去して工事を完了する。
コンクリート函体4は、前記のようにオープンシールド機1のテール部1c内に吊り降され、オープンシールド機1の前進とともに該テール部1cから出て地中に残されていくものである。
下記特許文献に示すように、同じオープンシールド工法でも、ジャッキを使用しないで、発進立坑と到達立坑との間に牽引用のワイヤーロープを渡し、これでオープンシールド機を前進させるものもある。
特開昭57−77796号公報
前記特許文献1のように、オープンシールド工法によりヒューム管を埋設しようとする場合は、オープンシールド機自体が矩形のものであり、円形のヒューム管の埋設に適する形状ではない。そのため、オープンシールド機の切羽の掘削断面が矩形となり、ヒューム管の埋設に必要とされる分以上に掘削することになり、時間と労力の無駄がおおい。
また、オープンシールド機に底板を設けるとすると、円形のヒューム管の設置が問題となり、オープンシールド機を掘進させてヒューム管を地中においていくのが困難であり、底板なしのオープンシールド機の使用に限定されてしまう。
さらに、オープンシールド機の推進ジャッキの配置が難しく、矩形のコンクリート函体の場合と異なり、函体の側壁板前端部で推進のための反力を取ることができない。そのため、前記特許文献3のような、ワイヤーロープでの牽引での掘進になってしまう。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、ヒューム管の埋設にオープンシールド工法を使用する場合に、オープンシールド機での余堀りが少なくてすみ、また、安定してヒューム管を設置できるとともに、オープンシールド機掘進の際の反力をヒューム管から得ることができるオープンシールド工法を提供することにある。
請求項1記載の本発明は前記目的を達成するため、左右の側壁板とこれら側壁板間を連結する底板からなる前面、後面及び上面を開口した本体内に推進ジャッキを配設し、この推進ジャッキの後方を管体設置部であるテール部としたオープンシールド機を使用し、オープンシールド機の前方の土砂を掘削排土する工程と、推進ジャッキを伸長して管体を反力にしてオープンシールド機を前進させる工程と、発進坑に元押しジャッキを配置し、管体を推進させ、発進坑内で新たな管体を上方から吊り降してセットし、これを既設の管体に連接する工程とを適宜繰り返して順次管体を縦列に埋設して地下構造物を形成するオープンシールド工法において、管体は円形のヒューム管であり、オープンシールド機は前記底板およびこれに連続する側壁板部分を前記管体を抱持するように湾曲させ、前記管体設置部を管体の形状に合わせて円弧状とし、かつ、推進ジャッキは管体の形状に合わせて間隔を存して円形に設置したことを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、シールド機は推進ジャッキ(シールドジャッキ)のより推進し、管体は発進坑内に設置した元押しジャッキにより順次管体を推進し布設するものであり、管体の運搬、吊り下し等が困難で、かつ、狭隘な施工箇所の場合に適する。オープンシールド機は前記底板およびこれに連続する側壁板部分を湾曲させ、円弧状として管体設置部で円形のヒューム管を抱持できるようにしたので、縦列するヒューム管から掘進の際のジャッキ反力を得て、オープンシールド機を前進させることができる。
請求項2記載の本発明は、管体間に中押しジャッキを配置し、管体を推進させることを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、推進延長が長く、元押しジャッキの推力が不足する場合でも、中押しジャッキにより分割して推し進めることができる。
請求項3記載の本発明は、一端を発進坑に固定するフリクションカットプレートを湾曲形状にして管体上面に配置することを要旨とするものである。
請求項3記載の本発明によれば、フリクションカットプレートにより管体と埋戻しとの縁を切り、管体のみを推進させていくことができる。
請求項4記載の本発明は、フリクションカットプレートは短尺な部材を順次端部を上に重ね合わせて接続し、長くしていくことを要旨とするものである。
請求項4記載の本発明によれば、湾曲形状にしたフリクションカットプレートをボルト止め等で簡単に長くしていくことができるものであり、管体推進後、埋戻しをする前に短尺な部材を順次連結することができるとともに、重ね合わせたものが下側に出張らず、管体の推進に邪魔になることがない。
以上述べたように本発明のオープンシールド工法は、ヒューム管の埋設にオープンシールド工法を使用する場合に、オープンシールド機の余堀りが少なくてすみ、また、安定してヒューム管を設置できるとともに、オープンシールド機掘進の際の反力をヒューム管から得ることができるものである。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のオープンシールド工法の実施形態を示す縦断側面図、図2は同上平面図で、前記図11で示した一般のオープンシールド工法と同一構成要素には同一参照符号を付したものである。
オープンシールド工法としては、図3〜図5にも示すように、左右の側壁板1aとこれら側壁板1a間を連結する底板1bからなる前面、後面及び上面を開口した本体内に推進ジャッキ2を配設し、この推進ジャッキ2の後方を管体設置部であるテール部1cとしたオープンシールド機1を使用する点は、前記従来例と同じであるが、本発明では、管体14として円形なヒューム管を使用するもので、これに合わせて下記のようなオープンシールド機1を使用する。
オープンシールド機1は前記側壁板1aと底板1bの先端を刃口11として形成し、前記底板1bおよびこれに連続する側壁板1a部分を前記管体14を抱持するように湾曲させ、前記管体設置部であるテール部1cを管体14の形状に合わせて円弧状αとし、かつ、推進ジャッキ2は管体14の形状に合わせて間隔を存して円形に設置した。
推進ジャッキ2は円形の支持壁21もしくはフランジを設けて、ここに取り付ける。
また、オープンシールド機1は隔壁3を設け、この隔壁3より前側を、オープンシールド機1の前方の地上に設置したバックホーショベル16で掘削・排土する掘削部1dとして形成する。
このようなオープンシールド機1を使用する本発明のオープンシールド工法は、最初の段階では、発進坑12内にこのオープンシールド機1を設置して、オープンシールド機1の推進ジャッキ2を伸長して発進坑12内の反力壁に反力をとってオープンシールド機1を前進させ、地下構造物を形成する第1番目の管体14を上方から吊り降し、オープンシールド機1のテール部1c内で縮めた推進ジャッキ2の後方にセットする。推進ジャッキ2と反力壁の間にはストラットを配設して適宜間隔調整をする。
バックホーショベル16でオープンシールド機1の前方の土砂を掘削排土する工程と、推進ジャッキ2を伸長して管体14を反力にしてオープンシールド機1を前進させる工程と、発進坑12に元押しジャッキ13を配置し、元押しジャッキ13により管体14を前進させ、発進坑12内で新たな管体14を上方から吊り降してセットし、これを既設の管体14に連接する工程とを適宜繰り返して順次管体14を縦列に埋設して地下構造物を形成する。図8に示すように、管体14は鋼製カラー17を介在させて接続する。
なお、管体14の縦列を押し出すのに元押しジャッキ13の推進力が不足する場合には、管体14間に中押しジャッキ15を配置し、縦列する管体4の途中を推進させるようにすることもある。
縦列する管体14の推進合わせて、図6〜図8に示すように湾曲形状にしたフリクションカットプレート18を管体14の上面に配置し、その上に埋戻し5を施す。(図1参照)
図6はフリクションカットプレート18を大きな円弧に、図7は小さな円弧にして並列させた場合で、いずれの場合も、短尺な部材18aを順次端部を上に重ね合わせてボルト19等で固定して接続し、長くしていく。
図1に示すようにフリクションカットプレート18は止め部材20で一端を発進坑12に固定し、前記短尺な部材18aの継ぎ足しはオープンシールド機1側の先頭の管体14の上で行う。
このようにして、フリクションカットプレート18は短尺な部材18aを継ぎ足していくことで管体14の前進とともに長く伸びていき、このフリクションカットプレート18があることで、管体14と埋戻し5との縁を切り、管体14のみを推進させていくことができる。
本発明のオープンシールド工法の実施形態を示す縦断側面図である。 本発明のオープンシールド工法の実施形態を示す平面図である。 本発明のオープンシールド工法で使用するオープンシールド機の縦断側面図である。 本発明のオープンシールド工法で使用するオープンシールド機の縦断背面図である。 本発明のオープンシールド工法で使用するオープンシールド機の平面図である。 フリクションカットプレートの1例を示す正面図である。 フリクションカットプレートの他例を示す正面図である。 フリクションカットプレートと管体の断面図である。 フリクションカットプレートの要部の縦断側面図である。 従来例を示す斜視図である。 一般のオープンシールド工法を示す縦断側面図である。 一般のオープンシールド工法で使用するコンクリート函体の斜視図である。
1…オープンシールド機
1a…側壁板 1b…底板
1c…テール部 2…推進ジャッキ
3…隔壁 4…コンクリート函体
4a…左側壁板 4b…右側壁板
4c…上床板 4d…下床板
5…埋戻し 6…グラウト材
7…高さ調整材 8…押角
9…掘削機 10…開口
11…刃口 12…発進坑
13…元押しジャッキ 14…管体
15…中押しジャッキ 16…バックホーショベル
17…鋼製カラー 18…フリクションカットプレート
18a…短尺な部材 19…ボルト
20…止め部材 21…支持壁

Claims (4)

  1. 左右の側壁板とこれら側壁板間を連結する底板からなる前面、後面及び上面を開口した本体内に推進ジャッキを配設し、この推進ジャッキの後方を管体設置部であるテール部としたオープンシールド機を使用し、オープンシールド機の前方の土砂を掘削排土する工程と、推進ジャッキを伸長して管体を反力にしてオープンシールド機を前進させる工程と、発進坑に元押しジャッキを配置し、管体を推進させ、発進坑内で新たな管体を上方から吊り降してセットし、これを既設の管体に連接する工程とを適宜繰り返して順次管体を縦列に埋設して地下構造物を形成するオープンシールド工法において、
    管体は円形のヒューム管であり、オープンシールド機は前記底板およびこれに連続する側壁板部分を前記管体を抱持するように湾曲させ、前記管体設置部を管体の形状に合わせて円弧状とし、かつ、推進ジャッキは管体の形状に合わせて間隔を存して円形に設置したことを特徴とするオープンシールド工法。
  2. 管体間に中押しジャッキを配置し、管体を推進させる請求項1記載のオープンシールド工法。
  3. 一端を発進坑に固定するフリクションカットプレートを湾曲形状にして管体上面に配置する請求項1または請求項2記載のオープンシールド工法。
  4. フリクションカットプレートは短尺な部材を順次端部を上に重ね合わせて接続し、長くしていく請求項1ないし請求項3記載のいずれかに記載のオープンシールド工法。
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