JP2013034973A - Pva多孔膜、その製造方法及びpva多孔膜を有する濾過フィルター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】網目状のPVAが薄膜状に集積され、一面側から他面側に連通する複数の細孔Cが設けられたPVA多孔膜であって、膜厚が10nm以上500nm以下であり、各細孔Cの最小径dが1nm以上10nm以下であるPVA多孔膜21を用いることによって前記課題を解決できる。
【選択図】図2
Description
特許文献1は、ポリビニルアルコール系中空繊維膜及びその製造方法に関するものであり、PVA中空糸における温度制御による細孔サイズ制御について記載されている。
細孔サイズの制御には、温度設定を厳密に行う方法が一般的である、例えば、PVAとポリエチレングリコールを含む紡糸原液を上限臨界共溶点以上に設定したノズルから該共溶点以下の凝固浴中に押し出すと、脱水性の塩を含む凝固浴中で紡糸原液のミクロ相分離が促進され、細孔サイズのシャープな中空糸膜が得られる。しかし、温度を低下させることで相分離を促進する方法では、溶融状態のPVAとポリエチレングリコール(ポア形成剤)が容易に長距離を移動するために、10nm以下で細孔サイズを制御することが困難であった(特許文献1)。
PVAの多孔膜を平膜で作製する場合も、脱水性の塩を含む凝固浴中でPVAの相分離を利用している。例えば、デキストランとPVAの混合液をキャストして作製した100μmの厚みの膜を凝固浴中に浸すと、表面に数10nmの細孔を有する膜が得られる。しかしながら、100μmの厚みの膜で高い透過流束を得ることは困難であった(非特許文献1)。
1nm以下の細孔をもつPVAの多孔膜は、例えば、多孔性のポリスルフォン膜の支持体にPVA水溶液をしみ込ませ、グルタルアルデヒドで架橋することで得られている。界面でのPVAの架橋では、無機塩を阻止できるナノ濾過膜が得られている(非特許文献2)。
PVAの多孔膜は、エレクトロスピニング法で作製したナノ繊維状の支持体にPVAとグルタルアルデヒドの混合液をキャストし、熱架橋することでも作製されている。しかし、この方法は、膜厚を500nmより薄くすることが困難であった(非特許文献3)。最近の架橋PVA膜の研究は、Boltoらによってまとめられている(非特許文献4)。
特許文献2は、金属酸化物ナノファイバー及びその製造方法、並びに該ナノファイバーを用いたナノ複合材料に関するものであり、ナノストランドの基本特許である。ナノストランドが、複数の水酸基を有する糖などを吸着することが記載されている。非特許文献5は、ナノストランドの発見を説明した総説である。
ナノストランドの水溶液を多孔性のフィルターで濾過すると、フィルターの表面にナノストランドのシートが得られる。このナノストランドのシートは、ナノ粒子や架橋高分子などの数nmの広がりをもつ物質を濾過することができ、これらの極薄のシートを与えることから、高分子薄膜の製造に広く用いられてきた(非特許文献8)。ナノストランドのシートは、PVAを濾過することもでき、部分的に架橋したPVAであれば、より容易に濾過することができる。その結果、極薄のPVA膜を形成できることは、非特許文献8からも容易に推定できる。
本発明は、以下の構成を有する。
(2) 前記PVAが架橋剤により架橋されていることを特徴とする(1)に記載のPVA多孔膜。
(3) 前記架橋剤がGA又はTEOSであることを特徴とする(2)に記載のPVA多孔膜。
(6) 前記PVA−ナノストランド複合体の膜を有機溶媒又は脱水性の塩の水溶液、及び酸に接触させる工程が、前記PVA−ナノストランド複合体の膜をフィルターとして、酸を含む有機溶媒又は酸を含む脱水性の塩の水溶液を透過させる工程であることを特徴とする(4)に記載のPVA多孔膜の製造方法。
(8) 前記架橋剤がGA又はTEOSであることを特徴とする(7)に記載のPVA多孔膜の製造方法。
(9) (1)〜(3)のいずれか1に記載のPVA多孔膜が、多孔性材料からなるフィルター上に配置されていることを特徴とするPVA多孔膜を有する濾過フィルター。
(10) 前記多孔性材料が、PC、PTFE又はCAのいずれか一の材料であることを特徴とする(9)に記載のPVA多孔膜を有する濾過フィルター。
<PVA多孔膜を有する濾過フィルター>
まず、本発明の実施形態であるPVA多孔膜を有する濾過フィルターについて説明する。
図1は、本発明の実施形態であるPVA多孔膜を有する濾過フィルターの一例を示す図であって、図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線における断面図である。
図1(a)に示すように、本発明の実施形態であるPVA多孔膜を有する濾過フィルター11は、平面視略円形状である。しかし、これに限られず、平面視略矩形状、平面視略多角形状、平面視略楕円形状等としてもよい。
図1(b)に示すように、本発明の実施形態であるPVA多孔膜を有する濾過フィルター11は、本発明の実施形態であるPVA多孔膜21が、多孔性材料からなるフィルター31上に配置されてなる。
多孔性材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はセルロースアセテート(CA)のいずれかの材料が好ましい。PC、PTFE又はCAのいずれかの材料を用いることにより、取り扱いを容易にでき、濾過フィルターの強度及び耐久性を高めることができる。
多孔性材料の孔径は数nm〜数μmのものを用いることができる。
次に、本発明の実施形態であるPVA多孔膜について説明する。
PVA多孔膜21の膜厚は、10nm以上500nm以下の範囲である。PVA多孔膜21の膜厚を10nm以上とすることにより、分離膜としての阻止性能を高くできるとともに、膜厚を500nm以下とすることにより、溶媒の透過速度を速くでき、濾過性能の高い濾過フィルターとして用いることができる。
PVA多孔膜21の膜厚を10nm未満とした場合には、分離膜としての阻止性能が低下する。また、PVA多孔膜における溶媒の透過速度は、膜の厚みに反比例して減少するが、前記膜厚を500nm超とした場合、透過速度の減少が顕著になる傾向がある。
なお、PVA多孔膜21の膜厚は、PVA−ナノストランド混合液の濾過量や該混合液中のPVA濃度によって制御できる。
図2に示すように、本発明の実施形態であるPVA多孔膜21は、凝集されたPVAが網目状に集積されてなる。PVAの高分子鎖間には、複数の細孔Cが形成されており、網目状に集積されたPVAは、PVA多孔膜を構成している。各細孔Cは、一面側から他面側に連通されている。一面側と他面側の間で、細孔Cの径は一定ではなく、大きくなったり、小さくなったりしている。
前記架橋剤としては、グルタルアルデヒド(GA)又はテトラエトキシシラン(TEOS)が好ましい。これらの材料は、取り扱いが容易であり、PVAを容易に架橋できる。架橋剤により架橋したPVA多孔膜は、水への安定性も向上する。
次に、本発明の実施形態であるPVA多孔膜の製造方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態であるPVA多孔膜が得られるメカニズムの説明図である。PVA多孔膜が得られるメカニズムは以下のように説明できる。
(2)PVA−ナノストランド複合体の膜においても、ナノストランドは均質に分散しており、ナノストランドの回りには、PVAが吸着している。
(3)図3(a)に示すように、PVAは、ナノストランドへの吸着性が弱く、一部は水和して膨潤状態にある。これにエタノールを接触させると、図3(b)に示すように、PVAが凝集する。
(4)PVAは、一部がナノストランドに吸着しているため、凝集の際、分子鎖が長距離を移動できず、ナノストランドの表面に凝集する。
(5)その後、酸でナノストランドを溶出すると、図3(c)に示すように、ネットワーク状に凝集したPVA多孔膜が得られる。
即ち、本発明の実施形態であるPVA多孔膜は、ナノストランドを利用して、PVAの凝集状態を制御することにより、1nm以上10nm以下の細孔を有するPVA多孔膜を提供するものである。
PVA−ナノストランド混合液調製工程S1は、ナノストランド水溶液調製工程と、PVA−ナノストランド混合液調製工程と、を有する。
まず、図4(a)に示すように、例えば、アミノエタノール水溶液と硝酸銅水溶液を混合・攪拌後、放置して、ナノストランド水溶液を調製する。
なお、ナノストランドの濃度は、合成に用いた銅塩の濃度に換算すると2mM前後が適当であり、合成に用いた塩基の濃度に換算すると0.5mM程度が適当である。
PVA−ナノストランド混合液におけるPVAの濃度は、0.005〜0.2mg/mL程度が適当である。
PVAとしては、ケン化度が高いものが好ましい。ただし、本発明では、PVAの希薄な水溶液を調製できればよく、0.005mg/mL以上の溶解性があればよい。また、水への溶解性をもつものであれば、PVAの共重合体でもよい。
PVAには、様々な架橋剤を利用できることが知られており、その具体例は、論文5の総説に記載されている。
このため、実証されている訳ではないが、複数の水酸基を有し、有機溶媒に接触させることで凝集する性質の水溶性ポリマーであれば、PVAの代わりに利用できることを容易に予測できる。
次に、図5に示すように、PVA−ナノストランド混合液を多孔性材料からなるフィルターで濾過して、PVA−ナノストランド複合体の膜を前記フィルター上に形成する。
該濾過時間は、数分から数10分である。
なお、ナノストランドシートを除去する際、吸引濾過することにより、フィルター上に安定に配置されたPVA−ナノストランド複合体の膜を形成することができる。
次に、前記PVA−ナノストランド複合体の膜に有機溶媒等及び酸を接触させる。
有機溶媒等は、先に記載したように、有機溶媒又は脱水性の塩の水溶液である。
濾過法は、PVA−ナノストランド複合体の膜をフィルターとして用いて、有機溶媒等及び酸を透過させる方法である。
具体的には、図6(a)に示すように、前記PVA−ナノストランド複合体の膜をフィルターとして、有機溶媒又は脱水性の塩の水溶液を透過させる。
該有機溶媒等の役割は、PVA−ナノストランド複合体の膜から水を吸収することである。このような有機溶媒としては、エタノールが好適に用いられる。また、他の水と混和する有機溶媒(メタノール、プロパノール、THF、アセトン、アセトニトリル等)も好適に用いられる。ただし、THFなどは、多孔性の支持体を膨潤させたり溶解させたりする可能性があり、使用に注意を要する。
PVA−ナノストランド複合体の膜から水を吸収することにより、膨潤したPVAを凝集させることができる。
酸により、ナノストランドを除去することができ、PVA多孔膜を製造できる。
PVA−ナノストランド複合体の膜をフィルターとして用いて、所定の濃度の酸を添加した有機溶媒等を通過させることにより、PVAの凝集を生じさせるとともに、酸でナノストランドを除去して、PVA多孔膜を製造できる。
50mM程度の塩酸のエタノール溶液を用いる場合、PVAの凝集がナノストランドの溶出よりも先に起こることが確認されている。そのため、1段階の操作であっても、PVAを凝集させた後、ナノストランドの除去を行うことができ、PVA多孔膜を形成できる。
具体的には、有機溶媒や水の流束は、80kPaの圧力差において20〜4000L/m2hの範囲にできる。また、10nm以下のナノ粒子をほぼ100%の除去率で分離でき、5nm以下のナノ粒子を90〜100%の除去率で分離できる。
更に、PVA多孔膜に水をしみ込ませることで、二酸化炭素の選択的な分離膜として利用でき、特定のガスを溶解しやすい物質を取り込ませると、ガス分離膜としての選択性を向上させることができ、ガス分離膜への応用も可能である。
室温(20℃)において、4mMの硝酸銅水溶液50mLに1mMのアミノエタノール水溶液50mLを一気に混合し、約10秒間撹拌後、室温で7日間放置した。
この水溶液4mLを、径200nmの孔を有するポリカーボネート製フィルター(有効面積2.27cm2:以下、PC製フィルターという。)で濾過した。これにより、PC製フィルター上にナノストランド膜を形成した。
該フィルターのナノストランド膜側の表面に白金を約2nm蒸着後、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、7日間放置した水溶液の中に水酸化銅のナノストランドが形成されていることを確認した(図7)。
PVA−ナノストランド混合液の4mLを、PC製フィルターを用いて減圧下(大気圧との圧力差:80kPa)で濾過し、引き続き10分間、減圧下で放置した。これにより、PC製フィルター上にPVA−ナノストランド膜を形成した。
図8には、PVA水溶液の混合量が200μLである場合のPC製フィルターの表面の観察像を示す。
PVAがナノストランドの表面に吸着しているため、ナノストランド単独の場合(図7)と比較して、ファイバーの幅が大きくなっていることが確認できた。
図9には、図8の試料を切断し、PVA−ナノストランド複合体の膜断面を観察した結果を示す。この写真から、PVA−ナノストランド複合体が約100nmの一定の膜厚を有し、PC製フィルターの200nmの孔を覆っていることが確認できた。
まず、所定量のPVA水溶液を用いて作製した前記PVA−ナノストランド混合液(4mL)を80kPaの減圧下でPC製フィルターを用いて濾過し、引き続き10分間、減圧下で放置した。
次に、50mMの塩酸のエタノール溶液(5規定の塩酸水溶液40μLを4mLのエタノールで希釈して調製)の4mLを濾過し、ナノストランドを溶出させた。
PVA−ナノストランド混合液の調製に用いたナノストランド水溶液の量は全て4mLであり、細孔サイズの確認は、3.5nmのミオグロビンと5nmの金ナノ粒子の阻止率から確認した。
表1に示すように、PVA多孔膜の膜厚は、PVA水溶液の混合量と伴に増加した。
この像からPVA多孔膜が多くの細孔を持つことが確認できた。
また、図10における円形状の濃い部分は、PC製フィルターの孔に対応しており、この多孔膜がフィルターの200nmの孔を覆うように形成されていることが分かった。
図11には、200μLのPVA水溶液を混合することで製造されたPVA多孔膜の断面の観察像(表1のM−5に対応)を示す。
このPVA多孔膜の膜厚は、85nmであった。
PVA水溶液の混合量が30μL以下の場合、支持体の200nmの孔を完全に覆うことができなかった。
PVA多孔膜が水に溶解するため、金ナノ粒子の溶液は、市販のナノ粒子の水分散液をエタノールで50倍に希釈することで調製した。
表2の膜の番号(M−1〜M−8)は、表1の番号に対応している。
M−1の膜では、減圧下(80kPa)でのエタノールの流束が846L/m2hであり、このような高速で金ナノ粒子を除去できる(図12を参照)ことが確認できた。
エタノールの流束は、膜厚の増加とともに減少した。
濾過前の溶液(原液)が520nm付近の波長域に吸収極大をもつのに対し、濾過された溶液(濾過後)では、このピークが失われており、金ナノ粒子が除去されていることが分かった。
M−1からM−8の全てのPVA多孔膜において、直径5nmの金ナノ粒子の阻止率は、98〜100%であった。
ミオグロビンは、直径約3.5nmのタンパク質である。
同様な結果は、他の膜でも得られており、本発明のPVA多孔膜は、直径3〜5nmのナノ細孔を有していることが確認できた。
PVA多孔膜は、様々な支持体の表面を覆うことができる。
実施例2では、耐有機溶媒性をもつポリテトラフルオロエチレン製フィルター(PTFE製フィルター)やセルロースアセテート製フィルター(CA製フィルター)の表面にPVA多孔膜を形成した。
フィルターには、有効面積2.27cm2のものを用いた。
しかしながら、これらのフィルターの表面には数マイクロメートルの開口部を有する。
本実施例では、これらの支持体の開口部を一様な厚みのPVA多孔膜で覆うために、実施例1の方法により製造したナノストランドの水溶液10mLを濾過し、その表面にナノストランドのシートを形成させた。
次に、50mMの塩酸のエタノール溶液(5規定の塩酸水溶液60μLを6mLのエタノールで希釈して調製)の6mLを濾過し、ナノストランドを溶出させた。
表3のPVA多孔膜の膜厚は、同じPVA水溶液の混合量における表1の結果と比較すると、5倍程度大きい。
この結果は、PTFE膜の表面に予め形成していたナノストランドのシートが、PVA−ナノストランド複合体の膜を形成するのに有効であり、混合したPVAの全量がPVA多孔膜になっていることを示している。
PVA多孔膜の細孔サイズは、いずれの膜も3〜5nmであった。
いずれの場合も、繊維状のフィルターの表面に平滑なPVA多孔膜が形成されていることが分かる。
また、アセトンで希釈した金ナノ粒子であっても100%の阻止率が確認させている。
これらの結果は、本発明のPVA多孔膜が有機溶媒用の限外濾過膜として利用できることを示している。
200nmの膜厚を有するM−11の場合、最も高速の溶媒透過は、アセトンで観察され、その流束は、40kPaの圧力差で1488L/m2hであった。
この値は、1気圧の圧力差で3720L/m2hに対応する。
100nmの膜厚を有するM−9の膜では、さらに大きな速度で溶媒を透過させることができる。
PVAは水溶性であるため、PVA多孔膜を製造しても、水処理膜として利用することができない。
このため、実施例3ではPVAを架橋することで、水に安定なPVA多孔膜を製造した。
実施例1のPVAを用いて1wt%の水溶液を調製し、この水溶液0.5mLに撹拌しながら2wt%のグルタルアルデヒド(GA)水溶液0.5mLを加え、さらに4時間撹拌した。
このようにして得られたPVAとグルタルアルデヒドの混合水溶液を10倍に希釈し、PVA−GA溶液とした。
一方、実施例2の方法でPTFE製フィルターの表面にナノストランドのシートを形成し、80kPaの減圧下で4mLのPVA−GA−ナノストランド混合液を濾過した。
引き続き10分間、減圧下で放置した後、実施例2の方法でナノストランドを溶出させ、100℃で5時間加熱した。
図16には、このようにして作製したGA架橋−PVA多孔膜の断面の走査電子顕微鏡像を示す。
また、このGA架橋−PVA多孔膜を水に5分間浸漬し、多孔膜が濡れた状態において0.3MPaの圧力をかけて窒素ガスと二酸化炭素ガスの透過速度を測定したところ、窒素の透過速度が0.227GPU、二酸化炭素の透過速度が10.0GPUであった。
ガス透過の選択性は、44.1であった。
実施例4では、金属アルコキシドでPVAを架橋することで、水に安定なPVA多孔膜を製造した。
実施例1のPVAを用いて0.1wt%の水溶液を調製し、この水溶液1.0mLに撹拌しながら0.02mLのテトラエトキシシラン(TEOS)と0.1mLの塩酸水溶液(pH4)を加え、さらに4時間撹拌した。このようにしてPVA−TEOS溶液とした。
次に、実施例1のPC製フィルターを用いて、80kPaの減圧下で、PVA−TEOS−ナノストランド混合液4mLを濾過した。
引き続き10分間、減圧下で放置した後、100℃で5時間加熱した。
さらにpH3の塩酸水溶液に1時間浸し、TEOS架橋−PVA多孔膜を作製した。
このTEOS架橋−PVA多孔膜の水の透水速度は、80kPaの圧力差で72.4L/m2hであり、水に分散させた直径5nmの金ナノ粒子を90%除去できることが確認された。
Claims (10)
- 網目状のPVAが薄膜状に集積され、一面側から他面側に連通する複数の細孔が設けられたPVA多孔膜であって、膜厚が10nm以上500nm以下であり、各細孔の最小径が1nm以上10nm以下であることを特徴とするPVA多孔膜。
- 前記PVAが架橋剤により架橋されていることを特徴とする請求項1に記載のPVA多孔膜。
- 前記架橋剤がGA又はTEOSであることを特徴とする請求項2に記載のPVA多孔膜。
- PVAとナノストランド水溶液を混合して、PVA−ナノストランド混合液を調製する工程と、前記PVA−ナノストランド混合液を多孔性材料からなるフィルターで濾過して、PVA−ナノストランド複合体の膜を前記フィルター上に形成する工程と、前記PVA−ナノストランド複合体の膜を有機溶媒又は脱水性の塩の水溶液、及び酸に接触させる工程と、を有することを特徴とするPVA多孔膜の製造方法。
- 前記PVA−ナノストランド複合体の膜を有機溶媒又は脱水性の塩の水溶液、及び酸に接触させる工程が、前記PVA−ナノストランド複合体の膜をフィルターとして、有機溶媒又は脱水性の塩の水溶液を透過させた後、酸を含む有機溶媒又は酸を含む脱水性の塩の水溶液を透過させる工程であることを特徴とする請求項4に記載のPVA多孔膜の製造方法。
- 前記PVA−ナノストランド複合体の膜を有機溶媒又は脱水性の塩の水溶液、及び酸に接触させる工程が、前記PVA−ナノストランド複合体の膜をフィルターとして、酸を含む有機溶媒又は酸を含む脱水性の塩の水溶液を透過させる工程であることを特徴とする請求項4に記載のPVA多孔膜の製造方法。
- PVA−ナノストランド混合液を調製する工程で、前記PVA−ナノストランド混合液に架橋剤を混合することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のPVA多孔膜の製造方法。
- 前記架橋剤がGA又はTEOSであることを特徴とする請求項7に記載のPVA多孔膜の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のPVA多孔膜が、多孔性材料からなるフィルター上に配置されていることを特徴とするPVA多孔膜を有する濾過フィルター。
- 前記多孔性材料が、PC、PTFE又はCAのいずれか一の材料であることを特徴とする請求項9に記載のPVA多孔膜を有する濾過フィルター。
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