JP2013032633A - 既設床の改修工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度、耐久性等の点で十分な性能の床に改修できるものでありながら、工期の短縮化、切削による残留利用部分の劣化防止、及び低騒音化を可能にする。
【解決手段】上記課題は、固化材により形成されている既設床1の表層を除去し、残留利用部分1Bを露出させた後、この残留利用部分1B上に新規表層1Nを形成するにあたり、残留利用部分1Bを、リン酸塩及び酸化物を固化成分として含むリン酸塩系固化材と水とを混合してなる固化スラリーCで被覆し、これを硬化させて新規表層1Nを形成する、ことを特徴とする既設床1の改修工法により解決される。
【選択図】図10

Description

本発明は、コンクリートやモルタル等の固化材により形成されている既設床の表層を除去するとともに、その除去部分に新規表層を形成することにより、既設床の改修を行う工法に関する。
例えばコンクリートやモルタル等の固化材により形成されている床(以下、単に床ともいう)、特に産業工場のコンクリート床は、ある程度まで老朽化が進行すると、クラック(ひび割れ)にコーキングするような簡単な補修ではなく、対象部分をある程度の深さまで切削等により除去し、残留利用部分上にコンクリート等の固化材を打設する改修や、床全体を完全に打ち直す改修が必要となる。
より詳細に説明すると、一般に、床の老朽化の程度は、クラック(ひび割れ)の形状や密度を指標に判別することができ、その過程を通常のクラック進行過程に基づいてみれば、次のようになる。すなわち、床材(コンクリート)の硬化収縮、またフォークリフトやトラック等の走行車輌により加えられる外力が原因で一方向クラックが発生する。これが初期段階である。次いで、この一方向クラックが成長し、クラック密度が上昇していく。これが中期段階である。次いで後期段階になると、クラックが床スラブを貫通する、つまりいわゆる貫通クラックが発生するとともに、漏水や遊離石灰が発生する。そして、末期段階においては、貫通クラック部位において浸透水等により床スラブが陥没破壊に至る。このように、床の老朽化は陥没破壊まで止まることなく進行するものであり、ある程度まで老朽化した床は、安全性等のために改修を行う必要がある。
特開2002−097797号公報 特開2002−250137号公報
しかしながら、従来の打ち継ぎによる改修を行う場合、強度、耐久性等の点で十分な性能の床に改修するためには、既設床の表層除去厚を十分に深くし、新規打設層を十分に厚くする必要があった。その結果、切削作業及び新規打設層の固化にある程度の時間を要し、工期の短縮が困難であるといった問題点や、残留利用部分が切削作業により傷み易いといった問題点、切削の騒音が大きいといった問題点があった。
そこで、本発明の主たる課題は、強度、耐久性等の点で十分な性能の床に改修できるものでありながら、工期の短縮化、切削による残留利用部分の劣化防止、及び低騒音化を可能にする、既設床の改修工法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
固化材により形成されている既設床の表層を除去し、残留利用部分を露出させた後、この残留利用部分上に新規表層を形成することにより、既設床の改修を行う既設床の改修工法であって、
前記残留利用部分を、リン酸塩及び酸化物を固化成分として含むリン酸塩系固化材と水とを混合してなる固化スラリーで被覆し、これを硬化させて前記新規表層を形成する、
ことを特徴とする既設床の改修工法。
(作用効果)
上記固化スラリーの硬化物は、コンクリートやモルタル等のセメント系固化材と比べて、強度(圧縮強度、曲げ強度及び引張強度)、並びに耐久性(すりへり・衝撃摩耗性、耐火・耐熱性、対塩・耐薬品性、塩素イオン低透過度、耐酸・耐アルカリ性、鉄筋耐食性)に優れるだけでなく、残留利用部分の表面に対する付着性に極めて優れるとともに、硬化収縮が実質的に無い。
よって、本発明では、既設床の表層除去厚を従来よりも格段に薄くしても、十分な強度、耐久性等の性能を有する床に改修することができる。しかも、既設床の表層除去厚を従来よりも格段に薄くすることにより、工期の短縮化、切削による残留利用部分の劣化防止、及び低騒音化も可能となる。さらに、新規表層の厚さがある程度以上であれば、強度、耐久性がコンクリートやモルタル等のセメント系固化材を用いた床よりも優れるようになる。さらに、上記固化スラリーの硬化物は、靭性(曲げに対して撓んで元に戻る)、低吸水性、不透水性、断熱性、無臭性(無機のため)にも優れるため、この点で単なる改修に留まらない改良工法ということもできる。
他方、上記固化スラリーは、打設の他、吹付け等様々な施工方式が可能である点、セルフレベリング性を有している点、打設後に実用強度に達するまでの時間が非常に短い(早強性)点、氷点下・水中でも施工可能である点、プライマーなしでプラスチック、ステンレス以外のほとんどのものに強固に付着する点でも、既設床の改修における工期の短縮化が図られるため、全体としての工期短縮効果は著しいものである。
本発明と同様の固化スラリーにつていては、特開2010−208880号公報等に開示されているが、同公報には既設床の改修への利用について開示及び示唆はない。
<請求項2記載の発明>
前記既設床の表層の除去厚を10〜20mmとする、請求項1記載の既設床の改修工法。
(作用効果)
既設床の表層の除去厚は既設床の老朽化・劣化の程度に応じて適宜定めることができるが、10〜20mmの範囲内とすることにより、十分な強度、耐久性等の性能を確保しつつ、工期の短縮化、切削による残留利用部分の劣化防止、及び低騒音化を図ることが可能となる。
<請求項3記載の発明>
床面に隣接する開口又は床面自体に開口を有する既設床を対象とし、前記開口を維持するように前記新規表層を形成する、請求項1又は2記載の既設床の改修工法。
(作用効果)
床面に隣接する開口(扉を有する出入口等)や、床面自体に開口(排水口等)を有する既設床は、これらの開口を塞がないように床面のレベルを維持する場合が殆どであり、このような開口部近傍の表層除去は概して困難であり、また回収後においてより一層の強度、付着性、耐久性が望まれるものである。よって、本発明はこのような場合に好適である。
<請求項4記載の発明>
前記固化スラリーとして、仕上げ色に着色したスラリーを使用し、新規表層の硬化後に新規表層表面の仕上げ塗装を行わない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設床の改修工法。
(作用効果)
本発明では改修後において床面を仕上げ色に塗装しても良いが、上記固化スラリーは顔料等の着色料を添加してもその性能に影響がなく、硬化後の表面強度及び質感にも優れるため、上記のように予め着色したスラリーを用いて仕上げ塗装(着色のための塗装だけでなく、塗装保護のためのコート含む)を省略することにより、更なる工期短縮を図ることができる。
<請求項5記載の発明>
前記リン酸塩系固化材は、前記酸化物として酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、及び酸化亜鉛の群から選択される一種又は複数種を20〜40wt%、前記リン酸塩として一価のアルカリ金属リン酸塩、リン酸水素アンモニウム、リン酸水素アルミニウム及びリン酸水溶液の群から選択される一種又は複数種を25〜45wt%、それぞれ含有するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の既設床の改修工法。
(作用効果)
本発明ではこのような固化材の使用が特に好ましい。
以上のとおり、本発明によれば、強度、耐久性等の点で十分な性能の床に改修できるものでありながら、工期の短縮化、切削による残留利用部分の劣化防止、及び低騒音化が可能となる、等の利点がもたらされる。
既設床の対処策選定表である。 既設床の平面図である 既設床の縦断面図である。 切削カッターの概略図である。 切削カッターの刃の写真である。 溝切段階を示す、平面図である。 凸部除去段階を示す、斜視図である。 打設・敷き均し・振動付与工程を示す、斜視図である。 施工完了後の床を示す、平面図である。 施工完了後の床を示す、縦断面図である。
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照しながら詳説する。
<事前調査>
既設床を改修するに際しては、先ず改修の要否等の事前調査を行なうのが望ましい。改修の要否を判断するにあたっては、例えば既設床が、表1における損傷度ランクのいずれに該当するかを概略的に調べ、次いで図1の選定表に従って対処法を選定する。もちろん、損傷が無い又は少ない場合であっても、改装目的で本発明の改修工法を実施することができる。
Figure 2013032633
その結果、改修する必要がある場合には、例えば次のような詳細調査を行う。
イ)以下では、例えば図2に示すような既設床1を想定する。この場合、比較的正常な個所、クラック2、2…が発生している個所、腐食が激しい個所の大まかに3分類に分け、各個所からコア供試体3、3…を抜き取り、既設床1の塗り床材、張り床材、油、化学薬品、ペンキ、タール、接着剤、錆等の調査、また、クラックの深さ、長さ、密度等の測定を行なう。
ロ)さらに、適当な間隔をおいて高さレベル測定点4、4…を設定し、各部位の高さレベルを測定する望ましい。倉庫等の床は、例えば図3に示すように、中央付近が一番使用頻度が高いため、多くの場合その部分で一番高さレベルが低くなっている。
ハ)また、一般のコンクリート床においては、温度、湿度等の環境変化によって起こるコンクリートのひび割れを防ぐため目地が設けられている。これも事前の調査により把握しておき、新規表層の目地形成における指標とする。
ニ)また、既設床1内の鉄筋rm,rmの配筋状態についても鉄筋探査装置等を用いて把握しておく。
<設計・準備>
かかる事前調査に基づいて、既設床1の除去厚y1,y2、新規表層11の厚さを決定する。床の場合、扉の開閉等の問題もあるので、除去厚y1,y2と新規表層厚とを同じにするのが好ましく(もちろん異ならしめることもできる)、またその厚さは、既設床1の健全な部位までとすることができれば望ましいが、本発明では新規表層の補強効果が期待できるので、不健全部位内でも良い。具体的な除去厚及び新規表層厚は一概にはいえないが、通常の既設床1の厚y3が150〜200mm程度であることや歩留まり等を考慮すると、10〜100mm、通常の場合10〜50mm、中でも10〜30mm、特に10〜20mmの範囲内で、適宜選択するのが好ましい。ここで、前述の図3に示すように既設床1の高さレベルが一様でない場合には、それに応じて除去厚y1,y2を変化させて、新規表層1Nの表面が水平となるように定めるのが望ましい。また、鉄筋rm等の埋設物がある場合には除去厚は埋設物よりも浅くするのが望ましい。
本発明では、リン酸塩及び酸化物を固化成分とするリン酸塩系固化材を、水に混合して固化スラリーとして使用する。この固化材スラリーは下記反応式(酸化物が酸化マグネシウムで、リン酸塩がリン酸二水素カリウムの場合)で例示される反応によりリン酸塩水和物のセラミックを形成し、硬化する。
MgO + KH2PO4 + 5H2O → MgKPO4・6H2O ・・・(1)
リン酸塩としては、例えば一価のアルカリ金属リン酸塩(リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素カリウム)、リン酸水素アンモニウム、及びリン酸水素アルミニウムの群から一種又は複数種を適宜選択して使用することができる。また、酸化物としては、例えば二価の酸化物の群から一種又は複数種を適宜選択して使用することができ、IIA族の酸化物である酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウムの他、IIB族酸化物である酸化亜鉛を用いることもできる。
より緻密で滑らかな固化体を形成するために、珪酸塩を追加し、珪酸塩セラミック(例えば珪酸カリウム)を混成させるのも好ましい形態である。珪酸塩としては、例えば、IIA族の珪酸塩である珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸バリウムや、IA族の珪酸塩である珪酸ナトリウム、珪酸リチウムの群から一種又は複数種を適宜選択して使用することができる。珪酸塩の使用は、塗装や研磨等の仕上げ処理を省略する場合に好適である。
また、固化スラリーを作成するにあたり、必要に応じて、フィラー、骨材(細骨材、粗骨材)、陶器の粉砕物やスラグ、アルミナ等の産業廃棄物からなる再利用骨材、顔料等の着色剤、合成繊維等の繊維、シリカヒューム微粉末、カオリナイト、繋ぎ用ポリマ、乳化剤、凝集防止剤等の添加物を添加することができる。
固化成分であるリン酸塩、酸化物及び珪酸塩の使用量は適宜定めることができるが、乾燥粉末の状態で、固化成分全量に対して20〜40wt%を酸化物とし、25〜45wt%をリン酸塩とし、15〜55wt%を珪酸塩とするのが好ましい。また、固化スラリーを製造する際には、固化材17〜35重量部に添加物を必要量(例えば15〜33重量部程度)添加し、さらに水を必要量添加して、最終的な固化スラリーの水分量が15〜23wt%程度となるようにするのが望ましく、ASTM C1437に基づく試験によるフロー度(flowability)が40〜140%程度とするのが好ましい。
<施工>
(表層除去工程)
先ず、既設床1の改修対象部分(全面であっても良い)の表層を設計除去厚y1,y2分だけ除去する。この場合、適宜の除去装置を用いることができるが、表層の除去に伴ってその下側の健全な部分にまで過度な衝撃を与え劣化させないように、実登3141473号記載の装置を用いるのが好ましい。この切削装置は図4及び図5に示すように、床面に当接される支持板47と、横向きの回転軸41を中心として回転駆動される回転体42と、この回転体42を回転駆動する図示しない駆動源と、回転体42を覆う粉塵カバー43と、この粉塵カバー43内の粉塵を吸引排出するための吸引ホース44とを備えており、回転体42には多数の切削刃45が横方向に並設されるとともに、切削刃45の回転方向の位相がずらされているものであり、回転体42を回転駆動させて、多数の切削刃45により順番に床面を細かく削りとるものである。この装置40による切削面は非常に綺麗であるため、後述するショットブラストは省略することもできる。この切削装置40を使用する場合、同一の場所を一回で除去厚y1,y2まで除去してもよいが、除去厚y1,y2が厚い場合等、必要に応じて同一の場所を複数回切削して除去厚y1,y2まで除去しても良い。
また、特許文献1及び2記載の方法を使用することもできる。すなわち、先ず図6に示すように、10枚〜30枚平行に10mm〜30mm間隔をおいて同軸的に配列された幅2mm〜10mmのダイヤモンドカッター刃10を備え、このカッター刃10を対象物に押し当てながら軸心周りに回転させて対象物を切削するグルービング装置を用い、既設床1の対象部位に相互に平行な所定深さの多数の凹溝20を形成する。次いで、図7に示すように、これら凹溝20間の凸すじ部21に、その側面の特に凹溝20内の根元部に対して、チゼルブレーカー30のヘラ状先端当接部材31を押し当てながら振動させ、当該凸すじ部21に側方から外力を与えて折り取る。このようにすることで、既設床1に対する影響を最小限に押えることができる。なお、図示例では、凹溝20を複数平行に離間して形成しているが、この例に限定されることはなく、たとえば碁盤の目状に形成しても良い。
しかる後、表層除去部分の表面を清浄化および粗面化するべく、いわゆるショットブラストによる表面処理を行う。鋼鉄の粉粒や、ブラスト処理により生じる埃及び微粒子はショットブラスト装置により除去、回収される。これにより、除去部分表面に多数の微小凹凸が一様に形成され、除去部分表面と新規表層との付着性が非常に良好になり、既設床の残留利用部分1Bと新規表層部分1Nとの打継ぎ面での一体性が高まる。
(新規表層形成工程)
以上の処理が完了したならば、続いて前述の固化スラリーを現場で製造し、表層除去部分全体に打設する。打設に際しては、ポンプ圧送により打設する他、スプレー式とすることもでき、バケツやネコ車を使用して逐次打設することもできる。なお、前述のとおり打設厚さは表層除去厚と同じにするのが好ましい。
固化スラリーを打設したならば、図8に示すように、トンボ60や金鏝等を使用して打設固化スラリーCを伸ばして均す。本発明の固化スラリーは、セルフレベリング性を有しているため、均し作業は簡単に行うだけで平滑な表面が得られる利点がある。
必要に応じて、スクリード70等を用いて敷き均すこともできる。またこの際、図示するような振動スクリード装置70を用いて振動を付与しつつ敷き均すこともできる。この振動スクリード装置70は、下端部に一対の均しアングル71Aを備える縦断面三角形状のスクリード本体部71と、このスクリード本体部71に取り付けられた振動発生手段とから構成されているものである。図示例の振動発生手段72はエア供給ポンプ72Aおよびエア駆動振動発生器72Bからなるエアバイブレータであるが、エンジン等の回転駆動源により駆動される振動発生装置を用いることもできる。
敷き均しに際しては、対象部位の両側にレール73を敷設するとともに、これらレール間に跨がせてスクリード装置70を載せ、次いで振動発生手段72を作動させるともに、適宜走行ハンドル74を回転させてスクリード装置70をレール73上を走行させる。これにより、打設固化スラリーC表面の敷き均しと同時に、打設固化スラリーCの締め固めがなされ、密に充填される。
また打設作業後に、必要に応じて目地きりを行うこともできる。この際、新規表層に設ける目地は、基本的に、事前調査しておいた既設床1の目地と同じ場所に形成するのが好ましい。既設床1の目地が複雑な場合には、適宜の、例えば一辺が3m程度の正方形状の目地にすることもできる。
以降、所定時間(実用強度に達するまでの時間が非常に短く、30〜60分程度)の養生を行う。養生後の表面は、樹脂、塗料等を塗布して仕上げることができるが、上記固化スラリーは顔料等の着色料を添加してもその性能に影響がなく、硬化後の表面強度及び質感にも優れるため、予め仕上げ色に着色したスラリーを用い、仕上げ塗装(着色のための塗装だけでなく、塗装保護のためのコート含む)を省略することにより、更なる工期短縮を図ることができる。また、目地を形成した場合、養生が完全に終了した後に、エポキシ樹脂等の充填材を充填するのが望ましい。
かくして改修された床においては、図9および図10に示すように、既設床の残留利用部分1B上に新規表層1Nが形成される。新規表層1Nは、コンクリートやモルタル等のセメント系固化材と比べて、強度(圧縮強度、曲げ強度及び引張強度)、並びに耐久性(すりへり・衝撃摩耗性、耐火・耐熱性、対塩・耐薬品性、塩素イオン低透過度、耐酸・耐アルカリ性、鉄筋耐食性)に優れるだけでなく、残留利用部分1Bの表面に対する付着性に極めて優れるとともに、硬化収縮が実質的に無い。よって、既設床1の表層除去厚y1,y2を従来よりも格段に薄くしても、十分な強度、耐久性等の性能を有する床に改修することができる。しかも、既設床1の表層除去厚y1,y2を従来よりも格段に薄くすることにより、工期の短縮化、切削による残留利用部分1Bの劣化防止、及び低騒音化も可能となる。さらに、新規表層1Nの厚さがある程度以上であれば、強度、耐久性がコンクリートやモルタル等のセメント系固化材を用いた床よりも優れるようになる。さらに、新規表層1Nは、靭性(曲げに対して撓んで元に戻る)、低吸水性、不透水性、断熱性、無臭性(無機のため)にも優れるため、この点で単なる改修に留まらず、付加価値の高い床に再生されることになる。
本発明は、コンクリートやモルタル等の固化材により形成されている既設床の改修に適用できるものである。特に、床面に隣接する開口(扉を有する出入口等)や、床面自体に開口(排水口等)を有する既設床は、これらの開口を塞がないように床面のレベルを維持する場合が殆どであり、このような開口部近傍の表層除去は概して困難であり、また回収後においてより一層の強度、付着性、耐久性が望まれるものである。よって、本発明は床面に隣接する開口又は床面自体に開口を有する既設床を対象とし、開口を維持するように新規表層を形成するような場合に特に好適である。
1…既設床、1B…残留利用部分、1N…新規表層、2…クラック、3…コア抜き取り部、4…高さレベル測定点、10…グルービング装置、20…凹溝、21…凸部、30…チゼルブレーカー、31…ヘラ状先端当接部材、60…トンボ、70…振動スクリード装置、C…固化スラリー。

Claims (5)

  1. 固化材により形成されている既設床の表層を除去し、残留利用部分を露出させた後、この残留利用部分上に新規表層を形成することにより、既設床の改修を行う既設床の改修工法であって、
    前記残留利用部分を、リン酸塩及び酸化物を固化成分として含むリン酸塩系固化材と水とを混合してなる固化スラリーで被覆し、これを硬化させて前記新規表層を形成する、
    ことを特徴とする既設床の改修工法。
  2. 前記既設床の表層の除去厚を10〜20mmとする、請求項1記載の既設床の改修工法。
  3. 床面に隣接する開口又は床面自体に開口を有する既設床を対象とし、前記開口を維持するように前記新規表層を形成する、請求項1又は2記載の既設床の改修工法。
  4. 前記固化スラリーとして、仕上げ色に着色したスラリーを使用し、新規表層の硬化後に新規表層表面の仕上げ塗装を行わない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設床の改修工法。
  5. 前記リン酸塩系固化材は、前記酸化物として酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、及び酸化亜鉛の群から選択される一種又は複数種を20〜40wt%、前記リン酸塩として一価のアルカリ金属リン酸塩、リン酸水素アンモニウム、リン酸水素アルミニウム及びリン酸水溶液の群から選択される一種又は複数種を25〜45wt%、それぞれ含有するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の既設床の改修工法。
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