JP2013028717A - フィルム状接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造される半導体装置の電気特性の低下を防止して製品信頼性を高めることができるとともに、薄型化を進めてもウェハないし半導体チップへの機械的損傷を防止可能なフィルム状接着剤を提供すること。
【解決手段】 本発明に係るフィルム状接着剤は、樹脂骨格から遊離したイオン捕捉性有機化合物と、平均粒径が500nm以下の無機フィラーと、接着性樹脂とを含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フィルム状接着剤に関する。
近年、携帯電話や、携帯オーディオ機器用のメモリパッケージチップを多段に積層したスタックドMCP(Multi Chip Package)が普及している。また、画像処理技術や携帯電話等の多機能化に伴い、パッケージの高密度化・高集積化・薄型化が推し進められている。半導体チップを基板等に固定する方法としては、熱硬化性ペースト樹脂を用いる方法や、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを併用した接着フィルムを用いる方法が提案されている。
一方、半導体製造のプロセス中に外部から、ウェハの結晶基板にイオン(例えば、銅イオンや鉄イオン、塩素イオン等)が混入し、この金属イオンがウェハ上に形成された回路形成面に到達すると、電気特性が低下することがある。また、製品使用中に回路やボンディングワイヤーから金属イオンが発生し、同様に電気特性が低下することがある。
そこで、イオンを捕集する方策が種々提案されている。例えば、特許文献1には、陰イオン交換体を含有させ、ワイヤーの腐食の原因となる塩化物イオンを捕捉し、接続信頼性を向上させた接着シートが開示されている。また、特許文献2には、銅イオンと錯形成し得る骨格を有する樹脂を含有する銅イオン吸着層を備えるフィルム状接着剤が開示されており、銅イオン吸着層の樹脂内部に銅イオンを化学的に吸着させることができ、銅を素材とする部材から発生する銅イオンの影響を従来よりも大幅に低減することができる旨が記載されている。
特開2009−256630号公報 特開2011−52109号公報
他方、ウェハの裏面を加工して破砕層(歪み)を形成し、この破砕層により金属イオンを捕捉して除去するエクストリンシック・ゲッタリング(以下、「EG」ともいう)や、ウェハの結晶基板中に酸素析出欠陥を形成し、この酸素析出欠陥により金属イオンを捕捉して除去するイントリンシック・ゲッタリング(以下、「IG」ともいう)が試みられている。
しかしながら、近年の半導体装置の高容量化のためのウェハの薄型化に伴い、IGの効果が小さくなるとともに、ウェハの割れや反りの原因となる裏面歪みが除去されることにより、EGの効果が得られなくなり、ゲッタリング効果を充分に発揮しにくい状況になりつつある。
また、上述の半導体装置の高容量化には、半導体パッケージのサイズが規格化されている場合、ウェハの薄型化だけでなく、半導体チップの固定のためのフィルム状接着剤も薄型化する必要がある。一般的に、フィルム状接着剤には高温下での弾性率を確保するためのフィラーが含まれるところ、フィルム状接着剤が薄くなればなるほど、フィルム状接着剤に含まれる粗大なフィラーにより半導体チップの欠けや割れの頻度が上がる。近年の薄型化によって半導体チップ自体の強度も低下してきていることから、半導体チップの欠けや割れといった機械的損傷の発生が顕在化する傾向にある。さらに、例えばフィルム状接着剤がイオンを捕集する物質を含む場合であっても、フィルム状接着剤の薄型化が進む中ではフィルム状接着剤全体でのイオン捕集効率が低下することから、より効率的なイオン捕集が要求される。上記従来技術(例えば特許文献2)では、ある程度のイオン捕集が可能なものの、錯形成し得る骨格部分が樹脂末端のみに存在するために銅イオンとの接触頻度が低下し、錯形成も十分になされないことから改善の余地がある。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、製造される半導体装置の電気特性の低下を防止して製品信頼性を高めることができるとともに、薄型化を進めてもウェハないし半導体チップへの機械的損傷を防止可能なフィルム状接着剤を提供することにある。
本願発明者らは、上記従来の問題点を解決すべく鋭意検討し、無機フィラー及びイオン捕捉剤について着目した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るフィルム状接着剤は、
樹脂骨格から遊離したイオン捕捉性有機化合物と、
平均粒径が500nm以下の無機フィラーと、
接着性樹脂とを含む。
当該フィルム状接着剤では、無機フィラーの平均粒径を500nm以下としているので、フィルム状接着剤の厚さに対して無機フィラーの平均粒径の割合を小さくすることができる。その結果、半導体装置の高容量化に対応すべく当該フィルム状接着剤の薄型化を進めても、半導体チップ等への機械的損傷を防止することができる。また、イオン捕捉性有機化合物は、当該接着フィルムに含まれるあらゆる樹脂骨格(上記接着性樹脂を含む)から遊離した状態(樹脂骨格と結合していない状態)にあるので自由度が高まり、金属イオンとの接触頻度も高まってイオン捕捉性を向上させることができる。また、イオン捕捉性有機化合物はそれ自体が有機物であることから、樹脂成分との相溶性ないし親和性も良好である。これにより、当該フィルム状接着剤全体に偏りなく存在することができるので、薄型化を進めてもイオン捕捉効率を向上させることができる。なお、本明細書において「樹脂骨格」とは、樹脂又は高分子の分野で通常用いられている意義で解釈され、例えば1種又は複数種の繰り返し単位により樹脂が構成されている場合、それら繰り返し単位が連結することで形成される構造体をいう。無機フィラーの平均粒径の測定方法は、実施例の記載による。
当該フィルム状接着剤の厚さは3〜15μmまで好適に薄型化することができる。
上記接着性樹脂が、具体的にアクリル樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選択される1種以上であってもよい。
当該フィルム状接着剤中の上記無機フィラーの含有量は1〜30重量%であることが好ましい。これにより、高温下(例えば175〜260℃)での弾性率を確保することができるとともに、無機フィラーによる半導体チップへの機械的損傷を防止することができる。
当該フィルム上接着剤を175℃で1時間硬化させた後の175℃での引張貯蔵弾性率が0.5〜500MPaであると、封止工程等の高温処理を経ても当該フィルム状接着剤の半導体チップからの剥離を好適に防止することができる。
当該フィルム上接着剤を175℃で1時間硬化させた後の175℃でのせん断接着力が0.01〜50MPaであると、良好な接着性を維持しつつ、ワイヤーボンディング工程における超音波振動によるずり変形を防止して製造歩留まりを向上させることができる。
当該フィルム状接着剤では、上記接着性樹脂100重量部に対して、イオン捕捉性有機化合物が1〜10重量部含まれていることが好ましい。イオン捕捉性有機化合物の含有量を上記範囲とすることで、金属イオンを効率良く捕捉することができるとともに、過剰量のイオン捕捉性有機化合物による接着特性の変化を防止することができる。
当該フィルム状接着剤では、上記無機フィラーの含有量の上記イオン捕捉性有機化合物の含有量に対する比を重量基準で1.1〜80とすることで、イオン捕捉性有機化合物による弾性率や接着力の低下を無機フィラーで防止することができ、かつ無機フィラーによる半導体チップへの機械的損傷を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る接着シートをダイボンドフィルムとして用いたダイシング・ダイボンドフィルムを示す断面模式図である。 前記ダイシング・ダイボンドフィルムにおけるダイボンドフィルムを介して半導体チップを実装した例を示す断面模式図である。 前記ダイシング・ダイボンドフィルムにおけるダイボンドフィルムを介して半導体チップを3次元実装した例を示す断面模式図である。
本発明の一実施形態に係るフィルム状接着剤、及びその用途の一例として該フィルム状接着剤を用いたダイシング・ダイボンドフィルム、このダイシング・ダイボンドフィルムを用いて得られる半導体装置とその製造方法について、必要に応じて図面を参照しつつ説明する。
[フィルム状接着剤]
上記フィルム状接着剤は、樹脂骨格から遊離したイオン捕捉性有機化合物と、平均粒径が500nm以下の無機フィラーと、接着性樹脂とを含む。
上記フィルム状接着剤では、無機フィラーの平均粒径が500nm以下であるので、フィルム状接着剤の厚さに対する無機フィラーのサイズを小さくすることができる。その結果、半導体装置の高容量化に対応すべく上記フィルム状接着剤の薄型化を進めても、半導体チップ等への機械的損傷を防止することができる。また、イオン捕捉性有機化合物は、上記接着フィルムに含まれる全ての樹脂骨格から遊離した状態にあるので自由度が高まり、金属イオンとの接触頻度も高まってイオン捕捉性を向上させることができる。また、有機物であるイオン捕捉性有機化合物を用いていることから、樹脂成分と良好な相溶性ないし親和性を発揮可能であり、上記フィルム状接着剤全体に偏りなく存在することができるので、薄型化を進めてもイオン捕捉効率を向上させることができる。
上記接着シートの厚さは特に限定されないが、上記接着シートに含まれる無機フィラーの平均粒径が500nmであるので、半導体装置の高容量化に対応するべく容易に薄型化を図ることができる。接着シートの厚さは、好ましくは3〜15μmまで薄型化することができ、より好ましくは3.5〜13μmまで、さらに好ましくは3〜10μmまで薄型化を進めることができる。
上記フィルム状接着剤は、85℃、85%RHの雰囲気下で120時間放置したときの吸水率が3重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましい。上記吸水率が3重量%以下であると、半導体パッケージ中において、フィルム状接着剤中の金属イオンの運動が抑制され、より好適に金属イオンを捕捉することができる。
上記フィルム状接着剤は、175℃で1時間熱硬化後のシリコンウェハに対するせん断接着力が、175℃の条件下において、0.01MPa以上50MPa以下であることが好ましく、0.02MPa以上30MPa以下であることがより好ましく、0.05MPa以上25MPa以下であることがさらに好ましい。上記せん断接着力が、175℃の条件下において、0.01MPa以上であると、半導体パッケージ中において、金属イオンが支持部材(例えば、ウェハ等)からフィルム状接着剤へと拡散し易くなり、金属イオンをより好適に捕捉することができる。また、ワイヤーボンディング時の超音波振動によるずり変形を防止することができ、ワイヤーボンディングの成功率を高めることができる。
上記フィルム状接着剤では、10ppmの銅イオンを有する水溶液50ml中に、重さ2.5gのフィルム状接着剤を浸漬し、120℃で20時間放置した後の上記水溶液中の銅イオン濃度が、0〜9.9ppmであることが好ましく、0〜9.5ppmであることがより好ましく、0〜9.0ppmであることがさらに好ましい。フィルム状接着剤がこのような銅イオン捕集性を有することにより、半導体装置の製造プロセスにおいて半導体チップ等に混入してくる金属イオンを捕捉することができる。その結果、外部から混入する金属イオンがウェハ上に形成された回路形成面に到達し難くなり、電気特性の低下が抑えられて製品信頼性を向上させることができる。本発明において、銅イオン捕捉後の銅イオン濃度を0〜9.9ppmとする方法としては、上述したように、イオン捕捉性有機化合物をフィルム状接着剤に含有させる方法に加え、使用する樹脂成分にカルボン酸基等の金属イオンを捕捉する官能基を導入する方法や、ボロン又はn型ドーパントをイオン注入する方法なども採用することができる。
(イオン捕捉性有機化合物)
上記フィルム状接着剤に、金属イオンを捕捉するイオン捕捉性有機化合物を含有させると、半導体装置の製造における各種プロセス中に外部から半導体ウェハ又は半導体チップに混入した、又は混入し得る金属イオンをより好適に捕捉することができる。イオン捕捉性有機化合物は、接着性樹脂の骨格を含め上記フィルム状接着剤中の樹脂骨格から遊離した状態で存在するので、拡散又は移動の自由度が高まって効率的に金属イオンを捕捉することができる。
本発明において、上記イオン捕捉性有機化合物により捕捉する金属イオンとしては、金属イオンであれば特に制限されないが、例えば、Na、K、Ni、Cu、Cr、Co、Hf、Pt、Ca、Ba、Sr、Fe、Al、Ti、Zn、Mo、Mn、V等のイオンを挙げることができる。
上記イオン捕捉性有機化合物は、金属イオンと錯体を形成し得る有機化合物であれば、特に制限されるものではないが、好適に金属イオンを捕捉できるという観点から、窒素含有化合物、水酸基含有化合物、カルボン酸基含有化合物からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
(窒素含有化合物)
上記窒素含有化合物としては、微粉末状のもの、有機溶媒に溶解し易いもの、又は、液状のものが好ましい。このような窒素含有化合物としては、より好適に金属イオンを捕捉できる観点から、3級の窒素原子を有する複素環化合物が好ましく、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、又は、ビピリジル化合物を挙げることができるが、銅イオンとの間で形成される錯体の安定性の観点から、トリアゾール化合物がより好ましい。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
上記トリアゾール化合物としては、特に制限されないが、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−{N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル}ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−アミルフェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル}ベンゾトリアゾール、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6’−t−ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール、1−(2’、3’−ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−(1’、2’−ジカルボキシジエチル)ベンゾトリアゾール、1−(2−エチルヘキシアミノメチル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ベンチル−6−{(H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル}フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、オクチル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−エチルヘキシル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−t−ブチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−メトラメチルブチル)フェノール]、(2‐[2‐ヒドロキシ‐3,5‐ビス(α,α‐ジメチルベンジル)フェニル]‐2H‐ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等があげられる。
上記トリアゾール化合物の市販品としては、特に制限はされないが、城北化学株式会社製の商品名:BT−120、BT−LX、CBT−1、JF−77、JF−78、JF−79、JF−80、JF83、JAST−500、BT−GL、BT−M、BT−260、BT−365、BASF社の商品名:TINUVIN PS、TINUVIN P、TINUVIN P FL、TINUVIN 99−2、TINUVIN 109、TINUVIN 900、TINUVIN 928、TINUVIN 234、TINUVIN 329、TINUVIN 329 FL、TINUVIN 326、TINUVIN 326 FL、TINUVIN 571、TINUVIN 213、台湾永光化学公司製の製品名:EVESORB 81、EVESORB109、EVESORB 70、EVESORB 71、EVESORB 72、EVESORB 73、EVESORB 74、EVESORB 75、EVESORB 76、EVESORB 78、EVESORB 80等を挙げることができる。トリアゾール化合物は、防錆剤としても使用される。
上記テトラゾール化合物としては、特に限定されないが、5−アミノ−1H−テトラゾール等が挙げられる。
上記ビピリジル化合物としては、特に限定されないが、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリンなどが挙げられる。
(水酸基含有化合物)
上記水酸基含有化合物としては、特に制限されないが、微粉末状のもの、有機溶媒に溶解し易いもの、又は、液状のものが好ましい。このような水酸基含有化合物としては、より好適に金属イオンを捕捉できる観点から、1つの芳香環上に水酸基を2つ以上有する化合物が好ましく、具体的にはキノール化合物、ヒドロキシアントラキノン化合物、又は、ポリフェノール化合物を挙げることができるが、銅イオンとの間で形成される錯体の安定性の観点から、ポリフェノール化合物がより好ましい。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。なお、芳香環とは、π電子系が非局在化した共役環構造をいい、縮合していない芳香環(例えば、ベンゼン環)だけでなく、縮合している芳香環(例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ピレン環等)、アントラキノン環等が含まれる。
上記キノール化合物としては、特に限定されないが、1,2−ベンゼンジオールなどが挙げられる。
上記ヒドロキシアントラキノン化合物としては、特に限定されないが、アリザリン、アントラルフィンなどが挙げられる。
上記ポリフェノール化合物としては、特に限定されないが、タンニン、タンニン誘導体(没食子酸、没食子酸アルキルエステル(アルキル基として、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等)、ピロガロール)などが挙げられる。
(カルボン酸基含有化合物)
上記カルボン酸基含有化合物としては、特に限定されないが、カルボキシル基含有芳香族化合物、カルボキシル基含有脂肪酸化合物等が挙げられる。
上記カルボキシル基含有芳香族化合物としては、特に限定されないが、フタル酸、ピコリン酸、ピロール−2−カルボン酸等が挙げられる。
上記カルボキシル基含有脂肪酸化合物としては、特に限定されないが、高級脂肪酸、カルボン酸系キレート試薬等が挙げられる。
上記カルボキシル酸系キレート試薬の市販品としては、特に制限はされないが、キレスト株式会社製の製品名:キレストA、キレスト110、キレストB、キレスト200、キレストC、キレストD、キレスト400、キレスト40、キレスト0D、キレストNTA、キレスト700、キレストPA、キレストHA、キレストMZ−2、キレストMZ−4A、キレストMZ−8を挙げることができる。
上記イオン捕捉性有機化合物の含有量は、上記接着シートを構成する樹脂成分100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましく、2〜8重量部であることがより好ましく、3〜5重量部であることがさらに好ましい。1重量部以上とすることにより、陽イオン(特に、銅イオン)を効果的に捕捉することができ、10重量部以下とすることにより、耐熱性の低下やコストの増加を抑制することができるとともに、過剰量のイオン捕捉性有機化合物による接着特性の変化を防止することができる。
(無機フィラー)
上記フィルム状接着剤は、平均粒径が500nm以下の無機フィラーを含む。無機フィラーの平均粒径は500nm以下であれば特に限定されないが、500nm〜1nmであることが好ましく450nm〜2nmであることがより好ましく、400nm〜5nmであることがさらに好ましい。無機フィラーの平均粒径を500nm以下とすることにより、半導体チップへの機械的損傷を防止することができるとともに、高温での弾性率や接着量の低下を防止することができる。
上記無機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウィスカ、窒化ほう素、結晶質シリカ、非晶質シリカ等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。熱電導性の向上の観点からは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶質シリカ、非晶質シリカが好ましい。また、上記各特性のバランスがよいという観点からは、結晶質シリカ、又は、非晶質シリカが好ましい。また、導電性の付与、熱電導性の向上等の目的で、無機フィラーとして、導電性物質(導電フィラー)を用いることとしてもよい。導電フィラーとしては、銀、アルミニウム、金、胴、ニッケル、導電性合金等を球状、針状、フレーク状とした金属粉、アルミナ等の金属酸化物、アモルファスカーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。
上記無機フィラーの形状は特に限定されず、球状、楕円球状、平板状、棒状、柱状、層状、鎖状、鱗片状、ドーナツ状、不定形状等のいずれの形状であってもよい。なお、いずれの形状であっても、平均粒径は、対象とする無機フィラーを球状と仮定した際のその球の直径に基づいて求められる。
上記フィルム状接着剤中の上記無機フィラーの含有量は、半導体チップへの機械的損傷を防止できれば特に限定されず、1〜50重量%であることが好ましく、3〜45重量%であることがより好ましく、5〜40重量%であることがさらに好ましい。これにより、無機フィラーによる半導体チップへの機械的損傷を防止しつつ、高温下での弾性率を確保することができる。
上記フィルム状接着剤では、重量基準での、上記無機フィラーの含有量の上記イオン捕捉性有機化合物の含有量に対する比は、イオン捕捉性、チップ損傷防止性、接着力等を考慮して適宜選択することができるが、1.1〜80が好ましく、1.5〜70がより好ましく、2.0〜60がさらに好ましい。上記重量比を上記範囲とすることで、イオン捕捉性有機化合物による弾性率や接着力の低下を無機フィラーで防止することができ、かつ無機フィラーによる半導体チップへの機械的損傷を防止することができる。
(接着性樹脂)
上記フィルム状接着剤は、接着性樹脂を含む。接着性樹脂としては従来公知の接着性を有する樹脂を用いることができ、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を好適に用いることができる。
(熱可塑性樹脂)
上記フィルム状接着剤は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBT等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又はフッ素樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂のうち、イオン性不純物が少なく耐熱性が高く、半導体素子の信頼性を確保できるアクリル樹脂が特に好ましい。
上記アクリル樹脂としては、特に限定されるものではなく、炭素数30以下、特に炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの1種又は2種以上を成分とする重合体(アクリル共重合体)等が挙げられる。上記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、又はドデシル基等が挙げられる。
上記フィルム状接着剤では、上記熱可塑性成分と後述する熱硬化性成分とが互いに架橋可能であることが好ましい。熱可塑性成分と熱硬化性成分とが架橋することにより、高温(例えば、175〜260℃)での接着力がより高まり、封止工程等における剥離等を防止することができ、その結果、半導体装置の製造の歩留まりを向上させることができる。上記熱可塑性成分と上記熱硬化性成分とが互いに架橋可能となるようにする手段として、例えば両成分に互いに架橋可能な官能基を導入すること等が挙げられる。互いに架橋可能な官能基の組み合わせとしては、例えばエポキシ基と水酸基、エポキシ基とカルボキシル基、エポキシ基とアミノ基等が挙げられる。これらの官能基の組み合わせの一方を上記熱可塑性成分に導入し、残りの官能基を上記熱硬化性成分に導入することで上記熱可塑性成分と上記熱硬化性成分とが互いに架橋可能とすることができる。
上記熱可塑性成分と上記熱硬化性成分とを架橋させるために、上記熱可塑性成分が具体的にエポキシ基又はカルボキシル基を有すると、好適に熱硬化性成分との架橋反応を進行させることができる。熱可塑性成分がエポキシ基を有する場合、上記接着シートは、熱硬化性成分としてフェノール樹脂を含むことが好ましい。また、熱可塑性成分がカルボキシル基を有する場合、上記接着シートは、熱硬化性成分としてエポキシ樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性成分のエポキシ基と熱硬化性成分のフェノール樹脂の水酸基との間、又は熱可塑性成分のカルボキシル基と熱硬化性成分のエポキシ樹脂のエポキシ基との間で好適に架橋反応させることができる。上記熱可塑性成分にエポキシ基を導入するには、上記アクリル共重合体の構成モノマーとしてエポキシ基含有モノマーを採用することができる。エポキシ基含有モノマーとしてはエポキシ基を有する限り特に限定されず、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。また、上記熱可塑性成分にカルボキシル基を導入するには、上記アクリル共重合体の構成モノマーとしてカルボキシル基含有モノマーを採用することができる。カルボキシル基含有モノマーとしてはカルボキシル基を有する限り特に限定されず、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸及びクロトン酸等が挙げられる。
上記アクリル樹脂のなかでも、酸価が5〜150のものが好ましく、10〜145のものがより好ましく、20〜140のものがさらに好ましく、20〜40のものが特に好ましい。上記フィルム状接着剤に、酸価が5〜150のアクリル樹脂が含まれると、アクリル樹脂のカルボン酸基が錯体形成に寄与してイオン捕捉性有機化合物の捕捉効果を促進するという相乗効果により、さらに良好に金属イオンを捕捉することができる。本発明におけるアクリル樹脂の酸価とは、試料1g中に含有する遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数のことをいう。
また、上記重合体を形成する他のモノマーとしては、特に限定されるものではなく、例えば、無水マレイン酸若しくは無水イタコン酸等の様な酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル若しくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等の様なヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の様なスルホン酸基含有モノマー、又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の様な燐酸基含有モノマーが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
(熱硬化性樹脂)
また、上記フィルム状接着剤は、上記熱可塑性樹脂とともに熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、又は熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を併用して用いることができ、特に、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の少なくともいずれか一方を用いることが好ましい。なかでも、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。硬化剤としてエポキシ樹脂を含有すると、高温において、フィルム状接着剤とウェハとの高い接着力が得られる。その結果、フィルム状接着剤とウェハとの接着界面に水が入りにくくなり、イオンが移動し難くなる。これにより、半導体装置の信頼性が向上する。
上記エポキシ樹脂は、接着剤組成物として一般に用いられるものであれば特に限定は無く、例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオンレン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の二官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂、又はヒダントイン型、トリスグリシジルイソシアヌレート型若しくはグリシジルアミン型等のエポキシ樹脂が用いられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらのエポキシ樹脂のうちノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型樹脂又はテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は、硬化剤としてのフェノール樹脂との反応性に富み、耐熱性等に優れるからである。
更に、上記フェノール樹脂は、上記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらのフェノール樹脂のうちフェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂が特に好ましい。半導体装置の接続信頼性を向上させることができるからである。
上記エポキシ樹脂とフェノール樹脂との配合割合は、例えば、上記エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.5〜2.0当量になるように配合することが好適である。より好適なのは、0.8〜1.2当量である。即ち、両者の配合割合が上記範囲を外れると、十分な硬化反応が進まず、エポキシ樹脂硬化物の特性が劣化し易くなるからである。
上記熱硬化性樹脂の配合割合としては、所定条件下でフィルム状接着剤を加熱した際に熱硬化型のフィルム状接着剤としての機能を発揮する程度であれば特に限定されないが、フィルム状接着剤の重量に対して0〜90重量%であることが好ましく、5〜85重量%であることがより好ましい。
中でも、低温での接着性と高温での弾性率の両立の観点から、接着性樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。特に、接着性樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及び、アクリル樹脂を含有し、アクリル樹脂100重量部に対するエポキシ樹脂、及び、フェノール樹脂の合計量が10〜2000重量部であることが好ましく、10〜1500重量部であることがより好ましく、10〜1000重量部であることがさらに好ましい。アクリル樹脂100重量部に対するエポキシ樹脂、及び、フェノール樹脂の合計量を10重量部以上とすることにより、硬化による接着効果が得られ、剥離を抑制することができ、2000重量部以下とすることより、フィルムが脆弱化して作業性が低下することを抑制することができる。
(架橋剤)
上記フィルム状接着剤を予めある程度架橋をさせておく場合には、重合体の分子鎖末端の官能基等と反応する多官能性化合物を架橋剤として添加させておくのがよい。これにより、高温下での接着特性を向上させ、耐熱性の改善を図ることができる。
上記架橋剤としては、従来公知のものを採用することができる。特に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、多価アルコールとジイソシアネートの付加物等のポリイソシアネート化合物がより好ましい。架橋剤の添加量としては、上記の重合体100重量部に対し、通常0.05〜7重量部とするのが好ましい。架橋剤の量が7重量部より多いと、接着力が低下するので好ましくない。その一方、0.05重量部より少ないと、凝集力が不足するので好ましくない。また、この様なポリイソシアネート化合物と共に、必要に応じて、エポキシ樹脂等の他の多官能性化合物を一緒に含ませるようにしてもよい。
(他の添加剤)
なお、上記フィルム状接着剤には、上記成分以外に、必要に応じて他の添加剤を適宜に配合することができる。他の添加剤としては、陰イオン捕捉剤、分散剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、硬化促進剤などが挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
上記の実施形態では、フィルム状接着剤に含有させる接着剤主成分として、接着性樹脂である熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いる場合について説明したが、本発明においては、フィルム状接着剤に含有させる接着剤主成分として、上記のような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂に加えて、セラミック系、セメント系、はんだ等の無機系のものを含有させることとしてもよい。
[フィルム状接着剤の製造方法]
本実施形態に係るフィルム状接着剤は、例えば、次の通りにして作製される。まず、フィルム状接着剤の前駆体としての接着剤組成物を調製方法する。調製方法としては、特に限定されず、例えば、イオン捕捉性有機化合物と、必要に応じて、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、他の添加剤を容器に投入して、有機溶媒に溶解させ、均一になるように攪拌することによって接着剤組成物溶液として得ることができる。
上記有機溶媒としては、フィルム状接着剤を構成する成分を均一に溶解、混練又は分散できるものであれば制限はなく、従来公知のものを使用することができる。このような溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、トルエン、キシレン等が挙げられる。乾燥速度が速く、安価で入手できる点でメチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどを使用することが好ましい。
まず、上記のようにして調製した接着剤組成物溶液を基材セパレータ上に所定厚みとなる様に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させる。基材セパレータとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙等が使用可能である。また、塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等が挙げられる。また、乾燥条件としては、例えば乾燥温度70〜160℃、乾燥時間1〜5分間の範囲内で行われる。これにより、本実施形態に係るフィルム状接着剤が得られる。
上記フィルム状接着剤の用途としては特に限定されず、半導体装置の製造に好適に用いることができ、例えば、リードフレーム等の被着体に半導体チップを固着するためのダイボンドフィルムや、フリップチップ型半導体装置の半導体チップの裏面を保護する保護フィルムや、半導体チップを封止するための封止シートとして用いられるものが挙げられる。
上記フィルム状接着剤は、熱硬化前における60℃での引張貯蔵弾性率が、0.01MPa以上1000MPa以下であることが好ましく、0.05MPa以上100MPa以下であることがより好ましく、0.1MPa以上50MPa以下であることがさらに好ましい。熱硬化前における60℃での引張貯蔵弾性率を、0.01MPa以上とすることにより、フィルムとしての形状を維持し、良好な作業性を付与することができる。また、熱硬化前における60℃での引張貯蔵弾性率を、1000MPa以下とすることにより、被着体に対する良好な濡れ性を付与することができる。
[半導体装置]
本実施形態に係る半導体装置について図2を参照しつつ説明する。半導体装置は、被着体6と、上記被着体6上に積層された上記フィルム状接着剤3と、上記フィルム状接着剤3上に配置された半導体チップ5とを備える。被着体6としては、基板でもよく他の半導体チップであってもよい。図2では基板を被着体として用いている。図2に示した半導体装置では、さらに半導体チップ5と被着体6との電気的接続を担うボンディングワイヤー7が、被着体6の端子部(インナーリード)の先端と半導体チップ5上の電極パッド(図示しない)とを接続するように設けられ、ボンディングワイヤー7も含めて半導体チップ5が封止樹脂8により覆われている。
本実施形態に係る半導体装置では、半導体チップの被着体への固定に当該フィルム状接着剤を用いているので、封止工程やリフロー工程等の高温処理を経てもフィルム状接着剤と半導体チップとの密着性を維持しつつ、その製造プロセスにおいて混入してくる金属イオンを効率的に捕捉することができ、その結果、優れた製品信頼性を確保することができる。
[半導体装置の製造方法]
次に、上記フィルム状接着剤をダイボンドフィルムとして使用した場合における半導体装置の製造方法の一実施形態について説明する。
(ダイシング・ダイボンドフィルム)
以下では、従来公知のダイシングフィルムに、本実施形態に係るフィルム状接着剤3(以下、ダイボンドフィルム3ともいう)が積層されたダイシング・ダイボンドフィルム10を用いた半導体装置の製造方法について説明する。なお、本実施形態に係るダイシングフィルムは、基材1上に粘着剤層2が積層された構造である。図1は、本発明の一実施形態に係るフィルム状接着剤をダイボンドフィルムとして用いたダイシング・ダイボンドフィルムを示す断面模式図である。
(半導体装置の製造方法)
本発明に係る半導体装置の製造方法は、ダイシング・ダイボンドフィルムのフィルム状接着剤と半導体ウェハとを貼り合わせる工程、上記半導体ウェハをダイシングして半導体チップを形成する工程、上記半導体チップを上記フィルム状接着剤とともにピックアップする工程、及びピックアップした上記半導体チップを上記フィルム状接着剤を介して被着体上に固定する工程を含む。図2は、上記ダイシング・ダイボンドフィルムにおけるダイボンドフィルムを介して半導体チップを実装した例を示す断面模式図である。
まず、図1に示すように、ダイシング・ダイボンドフィルム10におけるダイボンドフィルム3の半導体ウェハ貼り付け部分3a上に半導体ウェハ4を圧着し、これを接着保持させて固定する(マウント工程)。本工程は、圧着ロール等の押圧手段により押圧しながら行う。
次に、半導体ウェハ4のダイシングを行う。これにより、半導体ウェハ4を所定のサイズに切断して個片化し、半導体チップ5を製造する。ダイシングは、例えば半導体ウェハ4の回路面側から常法に従い行われる。また、本工程では、例えばダイシング・ダイボンドフィルム10まで切込みを行なうフルカットと呼ばれる切断方式等を採用できる。本工程で用いるダイシング装置としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。また、半導体ウェハは、ダイシング・ダイボンドフィルム10により接着固定されているので、チップ欠けやチップ飛びを抑制できると共に、半導体ウェハ4の破損も抑制できる。
ダイシング・ダイボンドフィルム10に接着固定された半導体チップを剥離するために、半導体チップ5のピックアップを行う。ピックアップの方法としては特に限定されず、従来公知の種々の方法を採用できる。例えば、個々の半導体チップ5をダイシング・ダイボンドフィルム10側からニードルによって突き上げ、突き上げられた半導体チップ5をピックアップ装置によってピックアップする方法等が挙げられる。
ここでピックアップは、粘着剤層2が紫外線硬化型の場合、該粘着剤層2に紫外線を照射した後に行う。これにより、粘着剤層2のダイボンドフィルム3に対する粘着力が低下し、半導体チップ5の剥離が容易になる。その結果、半導体チップを損傷させることなくピックアップが可能となる。
次に、図2に示すように、ダイシングにより形成された半導体チップ5を、ダイボンドフィルム3を介して被着体6にダイボンドする。ダイボンドは圧着により行われる。ダイボンドの条件としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。具体的には、例えば、ダイボンド温度80〜160℃、ボンディング圧力0.01〜5MPa、ボンディング時間1〜10秒の範囲内で行うことができる。
次に、被着体6の端子部(インナーリード)の先端と半導体チップ5上の電極パッド(図示しない)とをボンディングワイヤー7で電気的に接続するワイヤーボンディング工程を行う。上記ボンディングワイヤー7としては、例えば金線、アルミニウム線又は銅線等が用いられる。ワイヤーボンディングを行う際の温度は、80〜250℃、好ましくは80〜220℃の範囲内で行われる。また、その加熱時間は数秒〜数分間行われる。結線は、上記温度範囲内となる様に加熱された状態で、超音波による振動エネルギーと印加加圧による圧着エネルギーの併用により行われる。
なお、ワイヤーボンディング工程は、加熱処理によりダイボンドフィルム3を熱硬化させることなく行う。この場合、ダイボンドフィルム3の25℃におけるせん断接着力は、被着体6に対し0.2MPa以上であることが好ましく、0.2〜10MPaであることがより好ましい。上記せん断接着力を0.2MPa以上にすることにより、ダイボンドフィルム3を熱硬化させることなくワイヤーボンディング工程を行っても、当該工程における超音波振動や加熱により、ダイボンドフィルム3と半導体チップ5又は被着体6との接着面でずり変形を生じることがない。すなわち、ワイヤーボンディングの際の超音波振動により半導体素子が動くことがなく、これにより、ワイヤーボンディングの成功率が低下するのを防止する。
続いて、封止樹脂8により半導体チップ5を封止する封止工程を行う。本工程は、被着体6に搭載された半導体チップ5やボンディングワイヤー7を保護するために行われる。本工程は、封止用の樹脂を金型で成型することにより行う。封止樹脂8としては、例えばエポキシ系の樹脂を使用する。樹脂封止の際の加熱温度は、通常175℃で60〜90秒間行われるが、本発明はこれに限定されず、例えば165〜185℃で、数分間キュアすることができる。以下の後硬化工程においてダイボンドフィルム3が熱硬化されない場合でも、本工程において封止樹脂8の硬化と共にダイボンドフィルム3を熱硬化させて接着固定が可能になる。
次に、後硬化工程において、上記封止工程で硬化不足の封止樹脂8を完全に硬化させる。封止工程においてダイボンドフィルム3が熱硬化されない場合でも、本工程において封止樹脂8の硬化と共にダイボンドフィルム3を熱硬化させて接着固定が可能になる。本工程における加熱温度は、封止樹脂の種類により異なるが、例えば165〜185℃の範囲内であり、加熱時間は0.5〜8時間程度である。
また、フィルム状接着剤(ダイボンドフィルム)は、図3に示すように、複数の半導体チップを積層して3次元実装をする場合にも好適に用いることができる。図3は、ダイボンドフィルムを介して半導体チップを3次元実装した例を示す断面模式図である。図3に示す3次元実装の場合、まず半導体チップと同サイズとなる様に切り出した少なくとも1つのダイボンドフィルム3を被着体6上に貼り付けた後、ダイボンドフィルム3を介して半導体チップ5を、そのワイヤーボンド面が上側となる様にして貼り付ける。次に、ダイボンドフィルム13を半導体チップ5の電極パッド部分を避けて貼り付ける。さらに、他の半導体チップ15をダイボンドフィルム13上に、そのワイヤーボンド面が上側となる様にしてダイボンドする。
次に、ワイヤーボンディング工程を行う。これにより、半導体チップ5及び他の半導体チップ15におけるそれぞれの電極パッドと、被着体6とをボンディングワイヤー7で電気的に接続する。なお、本工程は、ダイボンドフィルム3、13の加熱工程を経ることなく実施される。
続いて、封止樹脂8により半導体チップ5等を封止する封止工程を行い、封止樹脂を硬化させる。次に、後硬化工程において、上記封止工程で封止樹脂8が硬化不足であれば完全に硬化させる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の要旨をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味する。
(実施例1)
下記(a)〜(e)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(ナガセケムテックス(株)製、SG−70L)
80部
(b)エポキシ樹脂(JER(株)製、エピコート1004) 10部
(c)フェノール樹脂(三井化学(株)製、ミレックスXLC−LL) 10部
(d)シリカ(日本アエロジル(株)製、R972、平均粒径0.016μm)
13部
(e)没食子酸ドデシル(東京化成工業(株)製) 1.5部
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ20μmのフィルム状接着剤Aを作製した。
(実施例2)
下記(a)〜(e)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(ナガセケムテックス(株)製、SG−70L)
80部
(b)エポキシ樹脂(JER(株)製、エピコート1004) 10部
(c)フェノール樹脂(三井化学(株)製、ミレックスXLC−LL) 10部
(d)シリカ(日本アエロジル(株)製、R972、平均粒径0.016μm)
15部
(e)没食子酸ドデシル(東京化成工業(株)製) 10部
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ20μmのフィルム状接着剤Bを作製した。
(実施例3)
下記(a)〜(e)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(ナガセケムテックス(株)製、SG−70L)
80部
(b)エポキシ樹脂(JER(株)製、エピコート1004) 10部
(c)フェノール樹脂(三井化学(株)製、ミレックスXLC−LL) 10部
(d)シリカ(堺化学工業(株)製、Sciqas グレード0.4μm(平均粒径0.4μm)) 135部
(e)没食子酸ドデシル(東京化成工業(株)製) 3部
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ20μmのフィルム状接着剤Cを作製した。
(実施例4)
下記(a)〜(e)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(ナガセケムテックス(株)製、SG−70L)
80部
(b)エポキシ樹脂(JER(株)製、エピコート1004) 10部
(c)フェノール樹脂(三井化学(株)製、ミレックスXLC−LL) 10部
(d)シリカ(堺化学工業(株)製、Sciqas グレード0.4μm(平均粒径0.4μm)) 135部
(e)没食子酸ドデシル(東京化成工業(株)製) 55部
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ20μmのフィルム状接着剤Dを作製した。
(比較例1)
下記(a)〜(d)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(ナガセケムテックス(株)製、SG−70L)
80部
(b)エポキシ樹脂(JER(株)製、エピコート1004) 10部
(c)フェノール樹脂(三井化学(株)製、ミレックスXLC−LL) 10部
(d)シリカ(日本アエロジル(株)製、R972、平均粒径0.016μm)
13部
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ20μmのフィルム状接着剤Eを作製した。
(比較例2)
下記(a)〜(e)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度20重量%の接着剤組成物溶液を得た。
(a)アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(ナセケムテックス(株)製、SG−70L)
80部
(b)エポキシ樹脂(JER(株)製、エピコート1004) 10部
(c)フェノール樹脂(三井化学(株)製、ミレックスXLC−LL) 10部
(d)シリカ(宇部日東化成(株)製、ハイプレシカUF、平均粒径5.0μm)
13部
(e)没食子酸ドデシル(東京化成工業(株)製) 1.5部
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ20μmのフィルム状接着剤Fを作製した。
(無機フィラーの平均粒径の測定)
フィラーの平均粒径は、光度式の粒度分布計(HORIBA製、装置名;LA−910)により求めた。測定条件として、レーザー89.7%、分布形態は単分散、取り込み回数10回で実施した。
(銅イオン捕捉性評価)
実施例、及び比較例の各フィルム状接着剤A〜Fを重さ約2.5gとなるように切り出し、30mm×37.5mm×0.32mmのサイズに積層し、積層したサンプルを175℃で5時間加熱した。加熱したサンプルを直径58mm、高さ37mmの円柱状の密閉式テフロン(登録商標)製容器にいれ、10ppmの銅(II)イオン水溶液50mlを加えた。その後、恒温乾燥機(エスペック(株)製、PV−231)に120℃で20時間放置した。フィルムを取り出した後、ICP−AES(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、SPS−1700HVR)を用いて水溶液中の銅イオンの濃度を測定した。水溶液中の銅イオンの濃度が0〜9.8ppmの場合を「○」とし、9.8ppmより大きい場合を「×」とした。結果を表1に示す。併せて、試験後に測定した銅イオン濃度(ppm)を表1に示す。
(ダイボンディング時のチップ損傷評価)
実施例及び比較例で得られたフィルム状接着剤A〜Fとダイシングフィルム(日東電工(株)製、DU−300)とを貼り合わせ、ダイシングフィルム付きフィルム状接着剤とした。回路を形成した厚さ30μmのウェハと、ダイシングフィルム付きフィルム状接着剤のフィルム状接着剤とを60℃で貼り合わせた後、ダイシングを行って(ダイシング装置:(株)DISCO製、DFD6361)、フィルム状接着剤が貼り合わされた10mm×10mmのチップを作製した。作製したフィルム状接着剤付きのチップをリードフレーム(Alloy42)上にダイボンディングした。ダイボンディングは、120℃の温度下で荷重(0.1MPa)をかけ、1秒間加熱するという条件下で、ダイボンダー((株)新川製SPA−300)を用いて行った。ダイボンディングしたチップ50個中、全く損傷が生じなかった場合を「○」、1個でも欠けや割れ等の損傷が生じた場合を「×」として評価した。結果を表1に示す。
(熱硬化後における175℃での引張貯蔵弾性率の測定)
各実施例及び比較例のフィルム状接着剤を175℃のオーブン中に5時間放置した後、粘弾性測定装置(RSA−II、レオメトリック社製)を用いて熱硬化後における175℃での引張貯蔵弾性率を測定した。測定には、作成した接着シートを複数枚貼り合わせ、長さ30mm、幅10mm、厚さ0.20mmとなるように切り出した測定試料を用いた。引張貯蔵弾性率の測定は、−40〜300℃の温度域で周波数1Hz、歪み量0.1%、昇温速度10℃/分で行った。引張貯蔵弾性率が0.1MPa以上の場合を「○」、0.1MPa未満の場合を「×」として評価した。175℃における測定値とともに結果を表1に示す。
(熱硬化後の175℃でのせん断接着力の測定)
上記チップ損傷評価におけるダイボンディング後のサンプルに対し175℃で1時間加熱して接着シートを硬化させた。せん断試験機(Dage社製、Dage4000)を用いて、接着シートとウェハチップとのせん断接着力を測定した。せん断試験の条件は、測定速度500μm/s、測定ギャップ100μm、ステージ温度175℃とした。せん断接着力が0.01MPa以上の場合を「○」、0.01MPa未満の場合を「×」として評価した。175℃における測定値とともに結果を表1に示す。
Figure 2013028717
表1の結果より、実施例に係るフィルム状接着剤では、銅イオン捕捉性、ダイボンディング時のチップ損傷、熱硬化後の175℃での引張貯蔵弾性率、及び熱硬化後の175℃でのせん断接着力のいずれも良好な結果であった。一方、比較例1のフィルム状接着剤では、チップ損傷は生じなかったものの、イオン捕捉性有機化合物を含んでいなかったため、イオン捕捉性はほとんど示さなかった。また、比較例2のフィルム状接着剤では、イオン捕捉性は良好であったものの、チップに損傷が生じた。これは、無機フィラーの平均粒径が5.0μmと大きく、ダイボンディング時に無機フィラーとチップが接触したことに起因すると考えられる。

Claims (8)

  1. 樹脂骨格から遊離したイオン捕捉性有機化合物と、
    平均粒径が500nm以下の無機フィラーと、
    接着性樹脂と
    を含むフィルム状接着剤。
  2. 厚さが3〜15μmである請求項1に記載のフィルム状接着剤。
  3. 上記接着性樹脂が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選択される1種以上である請求項1又は2に記載のフィルム状接着剤。
  4. 上記無機フィラーの含有量が1〜50重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤。
  5. 175℃で1時間硬化させた後の175℃での引張貯蔵弾性率が0.1〜500MPaである請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤。
  6. 175℃で1時間硬化させた後の175℃でのせん断接着力が0.01〜50MPaである請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤。
  7. 上記接着性樹脂100重量部に対して、イオン捕捉性有機化合物が0.3〜10重量部含まれている請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤。
  8. 上記無機フィラーの含有量の上記イオン捕捉性有機化合物の含有量に対する比が重量基準で1.1〜80である請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤。




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