以下に添付図面を参照して、本発明に係る景品管理装置及び景品管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技に適用する場合について説明することとする。
なお、請求項記載の「交換レート」は、以下の実施例では「貸出レート」として記載しているが、遊技媒体を貸し出す際のレートだけに限らず、遊技媒体を景品交換する際や特殊景品を交換する際のレートであってもよい。つまり、等価交換であれば貸出レートと景品交換レートは同じであるが、等価交換ではないホール、すなわち、玉の貸出レートが4円/個に対し景品交換レートが3.5円のどちらも含むものとする。
[概要および特徴]
まず最初に、図1及び図2を用いて、実施例1に係る景品管理装置を含む店内システムのシステム構成を説明し、この店内システムにおける景品管理装置の位置付けを明確にしてから、図3を用いて、実施例1に係る景品管理装置の概要および特徴を説明する。
図1は、実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成を示す図であり、図2は、各貸出レートの遊技コーナーの機器構成を示す図である。なお、本実施例1では、パチンコ玉を1玉4円で貸し出す4円コーナーと、パチンコ玉を1玉1円で貸し出す1円コーナーと、パチンコ玉を1玉2円で貸し出す2円コーナーとが遊技店内に併設される場合について説明することとする。
図1に示すように、店内システムには、プリペイドカードに関連付けられたプリペイド残額を管理するカード管理用ターミナルコントローラ(以下、「プリペイドカードT/C」と言う)10と、遊技店にて予め登録処理された遊技客の会員情報を管理する会員管理用ターミナルコントローラ(以下、「会員管理T/C」と言う)15と、4円コーナー所属の店内機器と、1円コーナー所属の店内機器と、2円コーナー所属の店内機器と、景品管理装置70と、景品払出機80とが設けられている。
そして、プリペイドカードT/C10には、景品カウンタに配設される景品管理装置70をはじめ、図2に示すように、各貸出レートの遊技コーナー所属の島コントローラ20及び計数レシート発行機60が接続されている。さらに、4円、1円及び2円コーナーの島コントローラ20a、20b及び20cには、各島に設置された複数のパチンコ機40a、40b及び40cにそれぞれに併設されたCRユニット30a、30b及び30cが接続されている。なお、景品管理装置70には、特殊景品の払出しを行う景品払出機80がさらに接続されている。
ここで、本実施例1では、CRユニット30a及びパチンコ機40aからなる4円コーナーと、CRユニット30b及びパチンコ機40bからなる1円コーナーと、CRユニット30c及びパチンコ機40cからなる2円コーナーとが設けられている。この4円コーナーは、遊技客に対して4円/玉の貸出レートで玉貸しを行う島であり、1円コーナーは、遊技客に対して1円/玉の貸出レートで玉貸しを行う島であり、また、2円コーナーは
、遊技客に対して2円/玉の貸出レートで玉貸しを行う島である。
このように、4円/玉の汎用貸出レートよりも低い1円/玉の1円コーナー及び2円/玉の2円コーナーを設けた理由は、遊技客による試し打ちを可能にするとともに、低料金で比較的長い時間楽しんでもらえる遊技を提供し、もって遊技機に対する遊技客の客付きや評価に関する情報を得るためである。なお、本実施例1では、4円コーナーの貸出レートである4円/玉を玉1と呼称し、1円コーナーの貸出レートである1円/玉を玉2、そして2円コーナーの貸出レートである2円/玉を玉3と呼称することとする。
CRユニット30aは、現金またはプリペイドカードによる4円/玉の玉貸しを行うユニットであり、例えばこのCRユニット30aに1000円札が挿入されると、このCRユニット30aからパチンコ機40aに対して250個の玉投出指示がなされる。一方、CRユニット30bは、1円/玉の玉貸しを行うユニットであり、また、CRユニット30cは、2円/玉の玉貸しを行うユニットであるが、これらのCRユニットに1000円札が挿入された場合に相当数のパチンコ玉をそのまま投出させていたのではパチンコ機40b又は40cの上皿があふれることになるため、500円分(玉2:500個、玉3:250個)をパチンコ機40b又は40cに投出させるとともに残額(500円)を記憶しておき、次の貸出指令を受ければ、その残額分をパチンコ機40b又は40cに投出させる。
パチンコ機40a、40b及び40cは、パチンコ玉を用いたパチンコ遊技を遊技客に提供する遊技機であり、これらの遊技機には4円コーナー、1円コーナー及び2円コーナーに係る差異はない。ただし、1円コーナー及び2円コーナーに配設されるパチンコ機40b及び40cは、遊技店の売上を担う遊技機ではなく、これから遊技店に新たに導入される新台が配設されることが多い。遊技客が大きな投資をすることなく新台の試し打ちを可能にするとともに、低料金で比較的長い時間楽しんでもらえる遊技を提供するためである。
計数機50a、50b及び50cは、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を計数レシート発行機60a、60b又は60cに出力する。具体的には、計数機50aには4円コーナーのパチンコ機40aで獲得されたパチンコ玉が投入され、計数機50bには1円コーナーのパチンコ機40bで獲得されたパチンコ玉が投入され、また、計数機50cには2円コーナーのパチンコ機40cで獲得されたパチンコ玉が投入されるので、計数機50a、50b及び50cでは投入されたパチンコ玉を計数し、計数レシート発行機60a、60b又は60cに出力する。なお、本実施例1では、計数機50a、50b及び50cはパチンコ玉の計数機能のみを有することとし、計数結果がバーコード印字された計数レシートを発行する印字機能、並びに、会員管理T/C15にて記憶管理される貯玉残高に計数結果の一部または全部を貯玉加算させる計数貯玉機能は、後述する計数レシート発行機60a、60b及び60cが有することとする。また、本実施例では、各遊技コーナーの計数機50a、50b及び50cと、計数レシート発行機60a、60b及び60cとを別体として構成することとしたが、それぞれを計数機一体型のレート発行機として構成することも可能である。
計数レシート発行機60a、60b及び60cは、計数機50a、50b又は50cで計数されたパチンコ玉数をバーコード印刷した計数レシートを発行する印刷装置である。具体的には、計数機50a、50b又は50cの計数終了後に従業員によってレシート発行ボタンが押下操作されると、計数値(獲得玉数)、発行日時及び計数機号機を含む計数情報がバーコード印刷された計数レシートを発行する。なお、本実施例1では、4円コーナー専用の計数機50aと、1円コーナー専用の計数機50bと、2円コーナー専用の計数機50cとを個別に配設することとしたが、一台の計数機50を用いて4円コーナー、1円コーナー及び2円コーナーで遊技客が獲得したパチンコ玉の全てを計数することもできる。なお、本実施例1では、計数機号機とその計数機の所属の貸出レートとを紐付けることとしているため、このように一台の計数機50を用いて各遊技コーナーの獲得玉を計数する場合には、景品管理装置側で貸出レートを取得できるように計数機で貸出レートを入力させれば上記したように計数機を1つに集約することができる。
プリペイドカードT/C10は、プリペイド残額管理テーブルを用いてプリペイドカードのプリペイド残額を統括管理する管理装置である。このプリペイド残額管理テーブルは、プリペイドカードIDにプリペイド残額を対応付けて記憶している。そして、CRユニット30a、30b又は30cからプリペイドカードIDを含む残額更新依頼を受け付けた場合には、プリペイド残額管理テーブル内において当該プリペイドカードIDに対応するプリペイド残額を更新する。
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに配設された景品交換用の端末装置であり、後述する交換玉数管理テーブル76bを用いて獲得玉と景品との交換制御を行う。この交換玉数管理テーブル76bは、景品ごとに各貸出レートの交換玉数を対応付けて記憶している。そして、景品交換カウンタ内の従業員が、計数レシート発行機60により発行された計数レシートを遊技客から受け取ると、この計数レシートから獲得玉数及び計数機号機を含む計数情報をバーコードリーダ82で読み取るとともに、後述する貸出レート割当て管理テーブル76aを用いて計数機号機から獲得玉の貸出レートを特定し、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンが押下されると、当該景品に関して計数レシートの計数機号機から特定した貸出レートに合致する交換玉数を獲得玉数から減算する交換処理を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、従業員はこの景品管理装置70に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、交換玉数管理テーブル76bを参照して、計数機号機から特定した貸出レートの獲得玉数に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機80に指示する。
ここで、本実施例1に係る景品管理装置70は、遊技客によって獲得された獲得玉の数量及び貸出レートが関連付けられた計数レシートに基づいて、獲得玉と所望の景品との交換制御を行うことを概要とし、計数レシートから獲得玉の数量及び貸出レートを取得し、異なる複数の貸出レートを取得した場合に、各貸出レートの獲得玉の数量を所定の貸出レートの獲得玉の数量に換算し、所定の貸出レートに換算した獲得玉の数量を集計する点にその特徴がある。
すなわち、上記した従来技術においては、遊技店にて複数の貸出レートの遊技コーナーを設けた場合には、それぞれの貸出レート専用の景品管理装置を設ける必要があり、さらに、異なる複数の計数レシートを景品交換しようとする遊技客は、各貸出レート専用の景品管理装置にその貸出レートの計数レシートを持ち込まねばならなかった。
そこで、本実施例1では、計数レシートから貸出レートと獲得玉数を取得し、取得した各貸出レートの獲得玉数を交換の基準とする貸出レート(以下、交換基準レートと言う)に対応する獲得玉数に換算し、かかる交換基準レートに対応した獲得玉数を用いて景品との交換制御を行うことで、1つの景品管理装置70で異なる貸出レートの計数レシートを景品に交換させるとともに、異なる複数の貸出レートの計数レシートを受け付けた場合に、各貸出レートの獲得玉数から交換基準レートに換算された獲得玉数を集計することで、異なる複数の貸出レートの計数レシートを1度に景品交換することができるようにしている。
これを具体的に説明すると、景品管理装置70では、図3に示す4円レシート、1円レシート、2円レシート、そして4円レシートを受け付けた場合に、それぞれの計数レシー
トから獲得玉数および貸出レート、この例では玉1の獲得玉1000個、玉2の獲得玉1500個、玉3の獲得玉500個及び玉1の獲得玉800個を取得する。
続いて、景品管理装置70は、このようして取得した各計数レシートの獲得玉数に各貸出レートの玉2に対する換算係数、すなわち玉1から玉2に換算する場合には「4」、玉3から玉2に換算する場合には「2」を乗算し、また、玉2の場合にはそのまま据え置くか、或いは「1」を乗算して交換基準レート(玉2)の獲得玉数に換算する。図3の例で言えば、1枚目の4円レシートの獲得玉数1000個に4を乗算して交換基準レートの獲得玉数4000個に換算し、2枚目の1円レシートの獲得玉数1500個に1を乗算して交換基準レートの獲得玉数1500個に換算し、3枚目の2円レシートの獲得玉数500個に2を乗算して交換基準レートの獲得玉数1000個に換算し、最後に、4枚目の4円レシートの獲得玉数800個に4を乗算して交換基準レートの獲得玉数3200個に換算する。
そして、景品管理装置70は、これら交換基準レートに換算された獲得玉数、4000個、1500個、1000個および3200個を集計し、このようにして集計した交換基準レートの獲得玉の集計値9700個を総獲得玉数として景品との交換制御を行う。なお、ここでは、説明の便宜上、すべての計数レシートから獲得玉数および貸出レートを取得してから、各計数レシートの獲得玉について交換基準レートへの換算、そして換算後の獲得玉の集計を行うこととしたが、実際には、1つの計数レシートの獲得玉数を取得し、換算して集計した後に次の計数レシートについて取得、換算及び集計を行って計数レシートを直列的に処理するようにしてもよい。
このため、4円レシート、1円レシート又は2円レシートのいずれの計数レシートが持ち込まれた場合でも、1つの景品管理装置で交換基準レートの獲得玉として景品交換させるとともに、4円レシートを2枚、1円レシートを1枚、そして2円レシートを1枚が同一の遊技客によって景品カウンタに持ち込まれた場合でも、これらの計数レシートを一括して景品交換させることができる。
したがって、本実施例1では、1つの景品管理装置で異なる貸出レートの計数レシートを景品に交換させることができ、遊技店の設備投資費用を低減させることが可能になる。さらに、異なる複数の貸出レートの計数レシートを1度に景品交換させることができ、遊技客の景品交換に係る利便性を向上させるとともに、景品交換業務の業務効率を向上させることが可能になる。なお、本実施例1では、交換基準レートを玉2(1円/玉)とした場合を説明するが、他の貸出レート(玉1、玉3やそのほかの貸出レート)を交換基準レートとする場合にも本発明を同様に適用することができる。
[景品管理装置の構成]
次に、図1に示した景品管理装置70の構成について説明する。図4は、図1に示した景品管理装置70の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この景品管理装置70は、従業員用タッチパネル71と、従業員用操作キー72と、遊技客用タッチパネル73と、通信I/F部74と、レシート発行部75と、記憶部76と、制御部77とを有する。なお、景品管理装置70には、会員カード等の各種カードから記録情報を読み取るカードリーダ81、及び、計数レシートからバーコード情報を読み取るバーコードリーダ82に加え、特殊景品を払出す景品払出機80が接続されている。
従業員用タッチパネル71は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な従業員用デバイスであり、例えば、後述する表示制御部77eによる指示に基づき景品の交換画面(例えば、交換基準レートの総獲得玉数およびその残数、交換景品の品目や個数など)を表示する。
また、従業員用操作キー72は、従業員が操作する一般景品や特殊景品等の各種景品の交換ボタン、テンキー等の総称である。なお、本実施例1では、景品管理装置70に対する交換景品の指定を従業員に行わせることとしたが、必ずしも従業員に指定させる必要はなく、遊技客に指定させるようにしてもかまわない。
遊技客用タッチパネル73は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な遊技客用デバイスであり、従業員用タッチパネル71と同様の表示を行うことを基本とするが、両者の表示内容は必ずしも内容が同一である必要はなく、従業員にだけ景品交換業務に関してより詳細な情報を表示させるようにしてもよい。
通信I/F部74は、当該景品管理装置70と他の装置(例えば、プリペイドカードT/C10、計数レシート発行機60及び景品払出機80などの他の装置)との間で各種通信を行うためのインターフェースである。
レシート発行部75は、各種情報を紙媒体に印字する処理部であり、例えば、景品管理装置70にて交換制御が行われた内容(例えば、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品の品目、個数や交換玉数などの項目)を印字して交換レシートとして発行したり、また、遊技店の営業終了後には、景品の入出庫管理(例えば、景品出庫による粗益管理)に係る情報を締上げ票として発行したりする。
記憶部76は、制御部77による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、景品レシート等に印字するフォーマット及びその印字内容等の情報の他、計数機50に割り当てられた貸出レートを管理する貸出レート割当て管理テーブル76aと、景品との交換に要する交換玉数を管理する交換玉数管理テーブル76bとを記憶する。
貸出レート割当て管理テーブル76aは、図5に示すように、計数機号機ごとにその計数機50が割り当てられた貸出レートを記憶したテーブルである。ここで、計数機50ごとに貸出レートを割り当てて記憶する理由は、計数レシートに関連付けられた貸出レートを特定するためであるが、このように計数レシート自体に貸出レートを記録させずに計数機号機に紐付ければ、従来から計数レシートに記録されるバーコード情報に計数機号機が含まれていることから、計数機50において貸出レートに関する情報を計数レシートに埋め込ませずとも、景品管理装置70側で計数レシートの貸出レートを特定することができるからである。
交換玉数管理テーブル76bは、図6に示すように、景品マスタ、すなわち景品名ごとに交換基準レートの交換玉数を記憶したテーブルである。図6に示す例では、玉2「1円/玉」の交換玉数が交換基準レートの交換玉数として格納されており、菓子Aを100個で交換し、ジュースBを120個で交換し、また、タバコCを300個で交換するように定められている。
制御部77は、景品管理装置70を全体制御する制御部であり、計数情報取得部77aと、交換基準レート玉数換算部77cと、交換基準レート玉数集計部77dと、表示制御部77eと、景品交換処理部77fとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、計数情報取得部77a、交換基準レート玉数換算部77c、交換基準レート玉数集計部77d、表示制御部77e及び景品交換処理部77fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
計数情報取得部77aは、バーコードリーダ82を通じて計数レシートから計数情報を取得する処理部であり、貸出レート割当て管理テーブル76aを用いて計数情報に含まれる計数機号機から計数レシートの貸出レートを特定する貸出レート特定部77bを内在する。具体的には、従業員によるバーコードリーダ82の読取操作を通じて計数レシートから読み取られた計数情報を取得してから、貸出レート割当て管理テーブル76aから計数情報に含まれる計数機号機を検索し、このようにして検索した計数機号機に対応付けられた貸出レートを当該計数レシートの貸出レートとして特定する。
交換基準レート玉数換算部77cは、計数情報取得部77aによって計数レシートから取得された獲得玉数を交換基準レートに対応する獲得玉数に換算する処理部である。具体的には、貸出レート特定部77bによって計数レシートから特定された貸出レートの玉2に対する換算係数、たとえば玉1から玉2に換算する場合には「4」、玉3から玉2に換算する場合には「2」を乗算し、また、玉2の場合にはそのまま据え置くか、或いは「1」を当該計数レシートの獲得玉数に乗算して交換基準レート(玉2)の獲得玉数に換算する。
交換基準レート玉数集計部77dは、交換基準レート玉数換算部77cによって交換基準レートに換算された獲得玉数を集計する処理部である。具体的には、交換基準レート玉数換算部77cによって計数レシートから取得された獲得玉数が交換基準レートの獲得玉数に順次換算されるので、このようにして換算された獲得玉数を前回までに集計した獲得玉数に累積加算して総獲得玉数として集計する。
表示制御部77eは、従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73の表示制御を行う処理部である。例えば、景品の交換画面として表示される項目、たとえば計数情報取得部77aによって計数情報が取得された計数レシートの枚数を表す項目「読取レシート枚数」、貸出レート特定部77bによって特定された各計数レシートの貸出レートを表す項目「レシート種別」及びその獲得玉数を表す項目「レシート玉数」、そして交換基準レート玉数換算部77cによって交換基準レートに換算された各計数レシートの獲得玉数を表す項目「交換基準レート玉数」、交換基準レート玉数集計部77dによって集計された交換基準レートにおける総獲得玉数を表す項目「総数」及びその残り玉数を表す項目「残数」などを更新表示させる。
景品交換処理部77fは、交換玉数管理テーブル76bを用いて獲得玉と景品との交換を管理する処理部である。具体的には、交換基準レート玉数集計部77dによって集計された交換基準レートの獲得玉に残数が存在する場合に、従業員により遊技客指定の景品に対応する交換ボタンが押下されると、当該景品に関して交換基準レートに合致する交換玉数を獲得玉の残数から減算し、当該残数がゼロになった場合には、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品の品目、個数及び交換玉数などの項目が印字された景品レシートを発行するようにレシート発行部75に指示する。
[処理の流れ]
次に、本実施例1に係る景品管理装置70による景品交換処理について詳細に説明する。図7は、実施例1に係る景品交換処理を示すフローチャートである。このフローチャートでは、従業員によって遊技客が持ち込んだ計数レシートの読取操作が行われると、バーコードリーダ82によって計数レシートに印字されたバーコードから計数情報が読み取られるので、計数情報取得部77aがその計数情報をバーコードリーダ82から受信したことを契機に開始される。
図7に示すように、前回の交換制御が終了してから最初に計数情報取得部77aによっ
て計数情報が取得されると(ステップS701肯定)、貸出レート特定部77bは、貸出レート割当て管理テーブル76aから当該計数情報に含まれる計数機号機を検索し、このようにして検索した計数機号機に対応付けられた貸出レートを当該計数レシートの貸出レートとして特定する(ステップS702)。
続いて、交換基準レート玉数換算部77cは、貸出レート特定部77bによって計数レシートから特定された貸出レートの玉2に対する換算係数を当該計数レシートの獲得玉数に乗算して交換基準レート(玉2)の獲得玉数に換算し(ステップS703)、交換基準レート玉数集計部77dは、このようにして交換基準レートに換算された獲得玉数を総獲得玉数として計上する(ステップS704)。
そして、表示制御部77eは、従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73に表示される交換画面の表示項目、たとえば読取レシート枚数、レシート種別、レシート玉数、交換基準レート玉数、総数および残数を更新表示する(ステップS705)。
例えば、図3に示した1番目の4円レシート(玉1の獲得玉1000個)から計数情報が取得された場合には、図8に示すように、現在の読取レシート枚数「1枚」、レシート種別「4円レシート」、レシート玉数「1000個」、交換基準レート玉数「4000個」、総数「4000個」及び残数「4000個」などの項目が更新表示される。このように、レシート玉数と交換基準レート玉数を併せて表示すれば、交換基準レートと異なる計数レシートを読み取った場合でも適正な状態での景品交換が担保されている旨を明示することができる。
ここで、計数情報取得部77aによって2番目以降の新たな計数情報が取得されると(ステップS706肯定)、貸出レート特定部77bは、貸出レート割当て管理テーブル76aから当該計数情報に含まれる計数機号機を検索し、このようにして検索した計数機号機に対応付けられた貸出レートを当該計数レシートの貸出レートとして特定する(ステップS707)。
続いて、交換基準レート玉数換算部77cは、貸出レート特定部77bによって計数レシートから特定された貸出レートの玉2に対する換算係数を当該計数レシートの獲得玉数に乗算して交換基準レート(玉2)の獲得玉数に換算し(ステップS708)、交換基準レート玉数集計部77dは、このようにして交換基準レートに換算された獲得玉数を前回までに集計した獲得玉数に累積加算して総獲得玉数として集計する(ステップS709)。
そして、表示制御部77eは、従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73に表示される交換画面の表示項目、たとえば読取レシート枚数、レシート種別、レシート玉数、交換基準レート玉数、総数および残数を更新する(ステップS710)。
例えば、図3に示した4枚の計数レシートから計数情報が取得された場合には、図9に示す交換画面が表示される。かかる交換画面を表示すれば、4円レシートが2枚、1円レシート及び2円レシートが各々1枚受け付けられたことを遊技客に明示することができるとともに、各計数レシートの獲得玉数と交換基準レートの玉数とが併記されるので、交換基準レートと異なる計数レシートを読み取った場合でも適正な状態での景品交換が担保されている旨を明示することができ、さらには、交換基準レートの総獲得玉数が総数として表示されるので、景品交換の対象となる玉数を一目で把握させることができる。
その後、計数情報取得部77aにて新たな計数情報が取得されるのを待機している状態で(ステップS706否定)、従業員用タッチパネル71、従業員用操作キー72又は遊
技客用タッチパネル73などの入力デバイスを通じて、遊技客が交換を希望する景品の指定を受け付けると(ステップS711肯定)、景品交換処理部77fは、交換玉数管理テーブル76b内の指定景品に対応する交換玉数を獲得玉の残数から減算する交換制御を行う(ステップS712)。
そして、獲得玉の残数がゼロになるまで(ステップS713肯定)、上記したステップS711〜S712の処理を繰り返し行い、獲得玉の残数がゼロになると(ステップS713否定)、景品交換処理部77fは、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品の品目、個数及び交換玉数などの項目が印字された景品レシートを発行するようにレシート発行部75に指示し(ステップS714)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例1によれば、計数レシートから獲得玉の数量及び貸出レートを取得し、異なる複数の貸出レートを取得した場合に、各貸出レートの獲得玉の数量を交換基準レートの獲得玉の数量に換算し、交換基準レートに換算した獲得玉の数量を集計するように構成したので、1つの景品管理装置で異なる貸出レートの計数レシートを景品に交換させることができ、遊技店の設備投資費用を低減させることが可能になる。さらに、異なる複数の貸出レートの計数レシートを1度に景品交換させることができ、遊技客の景品交換に係る利便性を向上させるとともに、景品交換業務の業務効率を向上させることが可能になる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
例えば、遊技関連業界においては、高レートコーナー(4円コーナー)で獲得されたパチンコ玉については景品買取場で買取り可能な特殊景品との交換を容認するが、低レートコーナー(1円コーナーや2円コーナー)で獲得されたパチンコ玉については特殊景品との交換を禁止したいという強いニーズが存在する。
このような要求を実現すべく、本発明では、換算前の貸出レートが交換許可レート(玉1)又は交換不許可レート(玉2又は玉3)のいずれに由来するのかによって区別して、交換基準レートに換算後の獲得玉の数量を集計するようにしてもよい。
例えば、図10に示すように、図3に示した4枚の計数レシートから計数情報が取得された場合には、1番目と4番目の計数レシートは交換許可レート(玉1)であるため、交換基準レートに換算後の交換基準レート玉数「4000個」及び「3200個」を集計し、これらの集計値「7200個」を特殊景品との交換が許可された獲得玉「特殊」として管理する一方で、2番目と3番目の計数レシートは交換不許可レート(玉2及び玉3)であるため、交換基準レートに換算後の交換基準レート玉数「1500個」及び「1000個」を集計し、これらの集計値「2500個」を一般景品のみに交換可能な獲得玉「一般」として管理し、獲得玉「特殊」で管理した獲得玉数「7200個」の範囲内での特殊景品の交換制御を許容する。これによって、上記した遊技店の運用ニーズに適合した景品交換サービスを実現することが可能になる。
さらに、本発明では、交換許可レート及び交換不許可レートごとに集計された獲得玉の数量のうち、換算前の由来が交換許可レートもしくは交換不許可レートである獲得玉の数量の一部を他方に集計される獲得玉の数量に移行するようにしてもよい。
例えば、特殊景品との交換が許可された4円レシートから取得した獲得玉と一般景品だ
けに交換可能な1円レシート及び2円レシートから取得した獲得玉とを交換基準レートに換算後に別々に集計しても、特殊景品の交換玉数で割り切れずに余る端数の玉数が生じる。このような場合には、上記した獲得玉「特殊」として集計したもののうち、特殊景品の交換玉数で割り切れない端数の玉数を獲得玉「一般」の方に移行させる。
一例を挙げれば、図3に示した4枚の計数レシートから計数情報が取得された場合には、特殊景品との交換が許可された獲得玉「特殊」として7200個が集計され、また、一般景品にのみ交換可能な獲得玉「一般」として2500個が集計されるが(図10参照)、交換基準レートに対応した交換玉数が2500個の特殊景品「大」、交換玉数が1000個の特殊景品「小」の2種類の特殊景品が存在するとした時、特殊景品「大」2つ及び特殊景品「小」2つの組合せが7200個内で最も価値が高い特殊景品の組合せとなる。このような場合には、図11に示すように、獲得玉「特殊」で管理した獲得玉数7200個から特殊景品「大」2つの交換玉数5000個及び特殊景品「小」2つの交換玉数2000個を減算して余り玉200個を算出しておき、この余り玉を獲得玉「一般」で管理した獲得玉数2500個に移行させ、獲得玉「特殊」を7000個、獲得玉「一般」を2700個として交換制御を実行させる。
すなわち、これによって、特殊景品との交換が許可される獲得玉数ではなく、実際に特殊景品に交換することができる獲得玉数を集計値として保持することができ、たとえばかかる集計値を提示すれば、遊技客及び従業員に特殊景品に交換可能な獲得玉数を一目で把握させることができ、景品交換業務を円滑に行うことが可能になる。
また、ここでは、獲得玉「特殊」の集計値の一部を獲得玉「一般」の集計値の方に移行させることとしたが、これとは逆に、獲得玉「一般」の集計値の一部を獲得玉「特殊」の集計値の方に移行させることもできる。
例えば、図10に示す例では、特殊景品「大」2つ及び特殊景品「小」2つの組合せが7200個内で最も価値が高い特殊景品の組合せとなるが、図12に示すように、当該組合せよりも1段階価値が高い特殊景品の組合せ、すなわち特殊景品「大」3つを特定し、獲得玉「一般」の集計値のうち、1段階価値が高い特殊景品の組合せに満たない不足分の獲得玉数300個(=特殊景品「大」3つの交換玉数7500個−獲得玉「特殊」の集計値7200個)を獲得玉「特殊」の集計値に補填(移行)させる。なお、この場合、不足分の獲得玉の数量に獲得玉「一般」の集計値が満たなければ移行することができないのは言うまでもない。
すなわち、これによって、特殊景品との交換に必要な玉数に合わせて交換許可レートの集計値を調節することができ、遊技客にとって利便性の高い景品交換サービスを提供することが可能になる。
なお、このように獲得玉「一般」の集計値の一部を獲得玉「特殊」の集計値の方に移行させる運用は例外的なものであるため、かかる例外的な運用を厳格に適用する観点から、獲得玉「特殊」の集計値(交換許可レートの集計値)で交換することができる特殊景品の組合せよりも1段階だけ合計価値が高い特殊景品の組合せに必要な獲得玉数が所定値以内である場合にだけ移行を許可するようにするのが好ましい。なお、上記の所定値の設定としては、特殊景品交換可能な最小単位(本実施例では小景品に相当する500個)未満、つまり499個以下で設定するのが望ましい。
このように、交換許可レート及び交換不許可レートごとに集計された獲得玉の数量のうち、換算前の由来が交換許可レートもしくは交換不許可レートである獲得玉の数量の一部を他方に集計される獲得玉の数量に移行することで、特殊景品の交換制御を柔軟に行うこ
とが可能になる。
なお、上記した実施例1では、パチンコ玉と現金が1対1に対応する玉2(1円/玉)を交換基準レートとしたが、任意の貸出レート、たとえば玉1:4円/玉やその他の貸出レート(0.1円/玉)を交換基準レートとした場合にも本発明を同様に適用することができる。
また、上記した実施例1では、玉1(4円/玉)、玉2(1円/玉)及び玉3(2円/玉)の3つの貸出レートに対応した遊技コーナーを設けた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の貸出レートに対応した遊技コーナーが設けられていればよく、遊技コーナーの数にかかわらず本発明を同様に適用することができる。
なお、上記した実施例1では、交換用記録媒体として計数レシート(紙媒体)を用いる場合を説明したが、必ずしも紙媒体である必要はなく、紙媒体の他、ICカード、磁気カード等の任意の記録媒体を用いる場合にも本発明を同様に適用することができる。
また、計数レシートには、貸出レートそのものを記録してもよいし、また、計数IDのみを記録してもよい。このように計数IDのみを記録する場合は、景品管理装置70側で計数IDと少なくとも計数値、貸出レートとを関連付けれて記憶する必要がある。
また、上記した実施例1では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店及びパチスロ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。