JP2013026021A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL素子を用いた表示装置において、リフロー工程によって良好なレンズ形状を有するレンズを形成し、発光光の利用効率を高める。
【解決手段】有機EL素子上に開口部を有する撥液性部材8を形成し、リソグラフィ技術によって該撥液性部材8の開口部にレンズ材料を付与した後、加熱してリフローによりレンズ9を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いた表示装置に関し、特に、レンズを配置して発光光の利用効率を高めると共に輝度ムラが抑制可能な表示装置に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイとして自発光型デバイスである有機EL素子からなる表示装置が注目されている。特に、複数の微小な画素をマトリクス状に配置し、異なる発光色の画素を組み合わせてカラー画像を表示する方式が盛んに開発されている。
有機EL素子を用いた表示装置の輝度を向上させる手段として、光取り出し側に凸レンズ(レンズ)を配置して集光することにより発光光の利用効率を高める技術が知られている。また、そのレンズを形成する方法の一つとして、フォトリソグラフィ技術によるパターニング後に熱処理によるリフローで形成する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2004−363049号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、フォトリソグラフィ技術によるパターニング後に熱処理によるリフローでレンズを形成しようとすると、リフロー工程で部分的にレンズ同士が接触してレンズ形状がくずれてしまう恐れがある。そのため、輝度ムラが発生する場合があった。
本発明の課題は、上記問題を解決し、リフロー工程によって良好なレンズ形状を有するレンズを形成し、有機EL素子を用いた表示装置において、発光光の利用効率を高めることにある。
本発明の第1は、有機EL素子を形成する工程と、
前記有機EL素子の上に開口部を有する撥液性部材を配置する工程と、
前記撥液性部材の開口部にリソグラフィ技術によりレンズ材料をパターニングして付与する工程と、
リフローによって前記レンズ材料をレンズ状に形成する工程と、
を有することを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明の第2は、有機EL素子を形成する工程と、
前記有機EL素子の上に開口部を有する撥液性部材を配置する工程と、
前記撥液性部材の開口部に前記カラーフィルタを配置する工程と、
前記カラーフィルタの上にリソグラフィ技術によりレンズ材料をパターニングして付与する工程と、
リフローによって前記レンズ材料をレンズ状に形成する工程と、
を有することを特徴とする表示装置の製造方法である。
本発明によれば、熱処理によるリフローでレンズを形成する際、レンズ材料間或いはレンズを形成するカラーフィルタ間に撥液性部材を設けることで、レンズ同士の接触が防止され、所望の形状のレンズを形成することができる。よって、本発明によれば、発光光の利用効率が高く輝度ムラが抑制された表示装置が提供される。
本発明の表示装置の第1の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の表示装置の第2の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の表示装置の第3の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 比較例の表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
本発明の製造方法による表示装置は、基板上に形成された複数の有機EL素子とレンズとを有し、レンズ間或いはレンズを形成するカラーフィルタ間には撥液性部材が配置されている。有機EL素子は、一対の電極間に、発光層を含む有機化合物層を挟持してなる。
本発明の特徴は、レンズを配置する位置にリソグラフィ技術によってレンズ材料を付与し、該レンズ材料を熱処理によるリフローによって所定の形状に成形してレンズを得ることにある。そして、リフロー工程におけるレンズ同士の接触を、レンズ間或いはレンズを形成するカラーフィルタ間に撥液性部材を配置することで防止することに特徴を有する。
以下、図面を参照しながら本発明について説明する。尚、以下の説明において特に図示又は記載されていない部分に関しては、当該技術分野における周知技術又は公知技術を適用することができる。また、以下に説明される事項は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
[第1の実施形態]
以下、図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態は、有機EL素子上に開口部を有する撥液性部材を形成し、該開口部にレンズ材料を付与した後、該レンズ材料のリフローを行う形態である。先ず、有機EL素子について説明する。
本発明による表示装置は、基板1上に有機EL素子を有している。基板1としては、通常、基材上にTFT回路(不図示)が形成されたTFT基板が用いられる。ここで、表示装置に使用される基材としては、ガラス基板、合成樹脂等からなる絶縁性基板、表面に酸化シリコンや窒化シリコン等の絶縁層を形成した導電性基板若しくは半導体基板等が挙げられる。また、基材は透明であっても不透明であってもよい。
基材上にはアクリル樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂、フッ素系樹脂等からなる平坦化膜(不図示)がフォトリソグラフィ法等によって所望のパターンにて形成されている。ここで、平坦化膜は、TFT回路を設けることで生じる凹凸を平坦化するための膜である。また、平坦化膜はTFT回路を設けることで生じる凹凸を平坦化できるものであれば、材料、製法は特に限定されるものではない。尚、平坦化膜とTFT回路との間に、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン等の無機材料からなる絶縁層を形成してもよい。
平坦化膜上に設けられTFT回路の一部と電気接続する第1電極2は、透明電極或いは反射電極である。第1電極2が透明電極である場合、その構成材料として、ITO、In23等が挙げられる。第1電極2が反射電極である場合、その構成材料として、Au、Ag、Al、Pt、Cr、Pd、Se、Ir等の金属単体、これら金属単体を複数組み合わせた合金、ヨウ化銅等の金属化合物等が挙げられる。第1電極2の膜厚は、好ましくは、0.1μm乃至1μmである。
第1電極2の周縁部には画素分離層3が設けられている。画素分離層3の構成材料としては、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン等からなる無機絶縁層やアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック系樹脂等が挙げられる。画素分離層3の膜厚は、好ましくは、1μm乃至3μmである。通常、画素分離層3の開口部によって、有機EL素子の発光領域が規定される。
第1電極2上に設けられる有機化合物層4R,4G,4Bは、少なくとも発光層を有しており、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよく、有機EL素子の発光機能を考慮して適宜選択できる。4Rは赤色発光の、4Gは緑色発光の、4Bは青色発光の発光層を含んでいる。また、有機化合物層4を構成する層として、具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、発光層(R,G,B)、電子輸送層、電子注入層等が挙げられる。また、これらの層の構成材料として、公知の化合物を使用することができる。尚、有機化合物層4R,4G,4Bは、発光する領域が特定の層内であってもよいし、隣接する層同士の界面であってもよい。有機化合物層4R,4G,4Bは、真空蒸着法、インクジェット法等により形成される。蒸着法等の場合は高精細マスク、インクジェット法等の場合は高精度吐出を用いて画素領域内に有機化合物層4R,4G,4Bを形成する。
有機化合物層4R,4G,4B上には、第2電極5が形成される。第2電極5は、透明電極或いは反射電極であり、少なくとも、第1電極2と第2電極5のうち、光出射側の電極については透明電極である。また、第2電極5の構成材料は、前記第1電極2と同様の材料を使用することができる。第2電極5を形成することによりTFT基板1上に有機EL素子が形成される。
次に、第2電極5上に、空気中の酸素や水分から有機EL素子を保護するための封止層6が形成される。封止層6は、水分透過率の低いSiNやSiON等の無機材料で構成される。また、前記の無機材料とエポキシ樹脂等の有機樹脂との積層材料で構成することも可能である。いずれも一層や二層に限らず、より複数層を積層してもよい。
その上に、均一層7を形成する。均一層7は、レンズ9を形成する際に、一様な材質で覆うための部材であり、レンズ9の形成前の表面に複数の異なる材質の面が存在すると、レンズ9の樹脂を塗布する場合、濡れ性が一様でないため不均質なレンズ9が形成されてしまう可能性があるためである。レンズ9の形成表面が一様な材質で覆われているほうが形成時の安定性が増す。また、表面が平坦化されるとさらに安定性が増す。
撥液性部材8は、レンズ9を形成する際にレンズ同士が接触するのを防ぐために設ける。撥液性部材8はフォトリソグラフィ技術を用いてレジストのパターニングにより画素分離層3の開口部外(画素分離層3上)に設ける。尚、撥液性部材8にはフッ素樹脂もしくはケイ素樹脂を含有することが好ましい。さらに、撥液性部材8は透明であっても不透明であってもよい。
また、撥液性部材8を黒色で形成することにより、異なる発光の有機EL素子間を遮光するブラックマトリクスとすることができる。黒色の撥液性部材8を形成する方法としては、後述するように、一般的なカラーフィルタのブラックマトリクスの形成方法が好ましく用いられる。
均一層7の光取り出し側(図1の紙面上方向)には、複数のレンズ9が形成される。レンズ9は、レンズ材料をリソグラフィ技術によって、撥液性部材8の開口部に付与し、その後、熱処理によるリフローによってレンズ状に形成する。具体的には、感光性材料を所定のパターンに露光・現像した後、加熱することで形状が変化し(リフロー)、均一層7に面した状態で概略球レンズ状のレンズ9が形成できる。
レンズ9は画素毎(即ち、有機EL素子毎)に一つ形成されていることが好ましいが、一つの画素に複数のレンズ9を形成したり、複数の画素に一つのレンズ9を形成したりしてもよい。さらに、レンズ9の上に円偏光部材を配置してもよい。
[第2の実施形態]
次に、図2を参照しながら、本発明の第2の実施形態を説明する。尚、第1の実施形態と同様の部材については説明を省略する。
本実施形態は、カラーフィルタ10R,10G,10Bの上に撥液性部材8とレンズ9を形成するものであり、均一層7までは第1の実施形態と同様の方法で形成する。尚、10Rは赤色の、10Gは緑色の、10Bは青色のカラーフィルタを示している。
カラーフィルタ10R,10B,10Gを設ける場合は、白色発光する有機EL素子を形成することが好ましい。この時、各画素にRGB各色を塗り分け形成せず、全画素を一括に形成できる。そのため、画素分離層3は設けなくてもよい。この場合、発光領域は第1電極2によって規定される。また、有機化合物層4を構成する発光層は白色光を必要とするが、一般的にはシアン発光層とイエロー発光層とを組み合わせることで白色光が得られることが知られており、適用可能である。
次に、均一層7上にカラーフィルタ10R,10B,10Gを配置する。カラーフィルタ10R,10B,10Gを形成する方法としては、フォトリソグラフィ技術、印刷、インクジェット等が知られている。特に、画素ピッチが小さい場合は、高精度で位置ずれの小さいフォトリソグラフィ技術で形成することが好ましい。また、カラーフィルタ10R,10B,10Gは市販されているものを貼付して配置しても良い。
カラーフィルタ10R,10B,10G配置後に、カラーフィルタ10R,10B,10Gを保護するための保護層11を設けることが好ましい。保護層11は表面の濡れ性均一化、また、平坦化の役割も有しており、レンズ9を安定形成できる。
そして、保護層11上に撥液性部材8とレンズ9を、第1の実施形態と同様にして形成する。尚、この場合、撥液性部材8を黒色とすることで、カラーフィルタ10R,10B,10Gのブラックマトリクスとすることも可能である。
[第3の実施形態]
次に、図3を参照しながら、本発明の第3の実施形態を説明する。尚、第1、第2の実施形態と同様の部材については説明を省略する。
第3の実施形態は、撥液性部材8を形成し、該撥液性部材8の開口部にカラーフィルタ10R,10B,10Gを形成した後、該カラーフィルタ10R,10B,10G上にレンズ9を形成する形態である。尚、撥液性部材8を黒色で形成することにより、カラーフィルタ10R,10B,10Gのブラックマトリクスとすることができる。
黒色の撥液性部材8を形成する方法としては、カラーフィルタ10R,10B,10Gと同様に、フォトリソグラフィ技術、印刷、インクジェット等が知られている。特に、画素ピッチが小さい場合は、高精度で位置ずれの小さいフォトリソグラフィ技術で形成することが好ましい。
また、黒色の撥液性部材8を形成するための黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック等の有機黒顔料、銅・鉄・クロム・マンガン・コバルト等を含有した無機系ブラック、チタンブラック等が知られている。中でも、カラーフィルタのブラックマトリクス用としてはカーボンブラックが好ましい。尚、一般的には平均粒子径が40nm未満のカーボンブラックが用いられており、適用可能である。
また、通常、カラーフィルタに用いられるブラックマトリクスにフッ素樹脂やケイ素樹脂の撥液性材料を含有させて撥液性部材8としてもよい。尚、この時、撥液性ブラックマトリクス8とカラーフィルタ10R,10B,10Gとの高さを図3に示すように同じにすることで、レンズ9を安定に形成することができる。尚、第3の実施形態と同様に、カラーフィルタ10R,10B,10Gとしては市販のカラーフィルタを貼付して配置しても良い。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。尚、第1、第2、第3の実施形態と同様の部材については説明を省略する。
第4の実施形態は、第3の実施形態に用いられる撥液性部材8を黒色顔料を含むブラックマトリクスとし、該黒色顔料として平均粒子径が40乃至300nmのものを用いる。このように大小の粒子径の黒色顔料を用いることで、撥液性部材8は表面が凹凸形状になる。一般に、材料表面に凹凸構造があると撥液性が高まることが知られているため、撥液性部材を用いなくてもブラックマトリクスは撥液性を有することになる。さらに、係るブラックマトリクスにフッ素樹脂やケイ素樹脂の撥液性部材も含有させることで、より撥水効果が強調される。
尚、平均粒子径として300nmよりも大粒子径のものを用いると、分散処理の操作性に問題が生じる可能性があり好ましくない。本発明の平均粒子径として、好ましくは40乃至200nm、より好ましくは40乃至100nmの範囲である。
(実施例1)
実施例1として、第1の実施形態により図1の表示装置を作製した。
ガラス基板上に低温ポリシリコンTFTで画素回路を形成し、その上にSiNからなる半導体保護層とポリイミド樹脂からなる平坦化膜を形成し、TFT基板1を作製した。この基板1上にAlNd膜とITO膜をスパッタリング法にて100nmと38nmの厚さで形成し、続いて、これらの膜を画素毎にパターニングして第1電極2を形成した。
この上に、ポリイミド樹脂をスピンコートし、フォトリソグラフィ技術により第1電極2が形成された部分に開口部(発光領域)が形成されるようにパターニングし、画素分離層3を形成した。この時、各画素のピッチを30μm、開口による第1電極2の露出部の大きさを10μmとした。これをイソプロピルアルコール(IPA)で超音波洗浄し、次いで、煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄してから有機化合物層4R,4G,4Bを真空蒸着により成膜した。
有機化合物層4R,4G,4Bとしては、始めに、正孔輸送層として下記に示す構造のHT−1(FL03)を87nmの膜厚で成膜した。
Figure 2013026021
次に、シャドーマスクを用いて赤色発光層、緑色発光層、青色発光層をそれぞれ30nm、40nm、25nmの厚さで成膜した。赤色発光層にはカルバゾール化合物であるCBPをホストとしてIr(piq)3を9質量%添加し、緑色発光層にはアルミキレート錯体であるAlq3をホストとしてクマリン6を1質量%添加した。また、青色発光層にはアルミキレート錯体であるBAlqをホストとしてペリレンを3質量%添加した。続いて、発光層上に電子輸送層としてフェナントロリン化合物であるBphenを10nmの膜厚で成膜した。その後、電子輸送層上に、Bphenと炭酸セシウム(Cs2CO3)とを共蒸着(重量比で90:10)して電子注入層を40nmの膜厚で形成した。次に、この電子注入層まで成膜した基板を、真空を破ることなくスパッタ装置に移動し、第2電極5として厚さ10nmの極薄Ag及び厚さ50nmの透明電極IZOを成膜した。以上により、有機EL素子を作製した。
次に、SiNからなる封止層6をSiH4ガス、N2ガス、H2ガスを用いたプラズマCVD法で6μmの厚みに成膜した。
次に、均一層7として紫外線硬化型樹脂をスピンコーターにて塗布した。その後、紫外線硬化型樹脂を露光し、加熱硬化させた。膜厚は5μmとした。
次に、フッ素樹脂を含有させたレジストをスピンコーターにて塗布した。膜厚は1μmとした。その後、画素ピッチ30μmでφ25μmのドットが並んだフォトマスクを用いてレジストを露光・現像して、画素分離層3の開口部に開口を有する撥液性部材8のパターンを形成した。
次に、レンズ9の材料として、ポジ型レジストであるAZエレクトロニックマテリアルズ製AZ4620をスピンコーターにて塗布した。膜厚は15μmとした。その後、φ20μm、ピッチ30μmのドットパターンを有するフォトマスクにて露光し、現像してパターニングし、引き続き加熱しリフローさせることによりレンズ9を形成した。レンズ9は高さ10μm、曲率半径12μmの概略球形のレンズ形状が形成できた。
このようにして作製した表示装置は、レンズ9間に撥液性部材8が配置されているため、レンズ9同士がリフロー工程で接触することがない。そのため、発光光の利用効率を高めるとともに輝度ムラを抑制することができた。
(実施例2)
実施例2は撥液性部材8としてケイ素樹脂を含有させたレジストを用いた以外は実施例1と同様に作製した。このようにして作製した表示装置は、レンズ9間に撥液性部材8が配置されているため、レンズ9同士がリフロー工程で接触することがない。そのため、発光光の利用効率を高めるとともに、輝度ムラを抑制することができた。
(実施例3)
実施例3は第2の実施形態により図2の表示装置を作製した。
有機化合物層4の発光層として白色発光層を25nmの膜厚で成膜し、発光層と電子輸送層との間に正孔阻止層としてBAlqを10nm成膜した以外は実施例1と同様に有機EL素子を作製した。尚、白色発光層はシアン発光層とイエロー発光層とをそれぞれ10nm、15nmの膜厚で順次積層して形成した。シアン発光層としては亜鉛キレート錯体であるZn(BOX)2を成膜し、イエロー発光層にはHT−1をホストとしてルブレンを0.5質量%添加した膜を形成した。その後、同様にして封止層6及び均一層7を形成した。
次に、画素分離層3の開口部上にカラーフィルタ10R,10G,10Bをフォトリソグラフィ技術によりR,G,Bそれぞれ2.5μm、2μm、1μmの膜厚で形成した。その上に、均一層7と同様の紫外線硬化樹脂を用いて3μmの保護層11を形成した。さらに、保護層11上に、撥液性部材8とレンズ9を実施例1と同様の方法で形成し、レンズ9を高さ10μm、曲率半径12μmの概略球形のレンズ形状で形成できた。
このようにして作製した表示装置は、レンズ9間に撥液性部材8が配置されているため、レンズ9同士がリフロー工程で接触することがない。そのため、発光光の利用効率を高めるとともに、輝度ムラを抑制することができた。
(実施例4)
実施例4は第3の実施形態により図3の表示装置を作製した。白色発光の有機EL素子、封止層6、そして均一層7までは実施例3と同様にして形成した。
次に、画素分離層3上にブラックレジストに撥液性を有する部材としてフッ素樹脂を含有させて黒色の撥液性部材8を形成し、該撥液性部材8の開口部にカラーフィルタ10R,10G,10Bを、フォトリソグラフィ技術により形成した。撥液性部材8及びカラーフィルタ10R,10G,10Bは、それぞれ各1μmの膜厚で形成した。その後、カラーフィルタ10R,10G,10B上にレンズ9を実施例1と同様の方法で形成し、レンズ9を高さ10μm、曲率半径12μmの概略球形のレンズ形状で形成できた。
このようにして作製した表示装置は、レンズ9間に配置された黒色の撥液性部材8の表面が撥液性を有するため、レンズ9同士がリフロー工程で接触することがない。そのため、発光光の利用効率を高めるとともに、輝度ムラを抑制することができた。
(実施例5)
実施例5は第4の実施形態により図3の表示装置を作製した。白色発光の有機EL素子、封止層6、そして均一層7までは実施例3と同様にして形成した。
次に、画素分離層3上に撥液性部材8をフォトリソグラフィ技術により各1μmの膜厚で形成し、撥液性部材8の開口部(画素分離層3の開口部上)にカラーフィルタ10R,10G,10Bをフォトリソグラフィ技術により形成した。撥液性部材8は、平均粒子径40乃至100nmの範囲である黒色顔料を有するブラックマトリクスで形成した。撥液性部材8の表面は光学顕微鏡観察で凹凸形状である(撥液性を有する)ことを確認した。
その後、カラーフィルタ10R,10G,10B上にレンズ9を実施例1と同様の方法で形成し、レンズ9を高さ10μm、曲率半径12μmの概略球形のレンズ形状で形成できた。
このようにして作製した表示装置は、レンズ9間に配置された撥液性部材8の表面が凹凸構造になっており撥液性を有するため、レンズ9同士がリフロー工程で接触することがない。そのため、発光光の利用効率を高めるとともに、輝度ムラを抑制することができた。
(比較例1)
撥液性部材8を設けない以外は実施例1と同様にして、図4の構成を有する表示装置を作製した。このようにして作製した表示装置は、部分的にレンズ9同士がリフロー工程において接触してレンズ形状がくずれ、点灯検査において発光効率の低下と輝度ムラが確認された。
8:撥液性部材、9:レンズ、10R,10G,10B:カラーフィルタ

Claims (5)

  1. 有機EL素子を形成する工程と、
    前記有機EL素子の上に開口部を有する撥液性部材を配置する工程と、
    前記撥液性部材の開口部にリソグラフィ技術によりレンズ材料をパターニングして付与する工程と、
    リフローによって前記レンズ材料をレンズ状に形成する工程と、
    を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 前記撥液性部材を配置する工程の前に、前記有機EL素子の上に、カラーフィルタを配置する工程を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  3. 有機EL素子を形成する工程と、
    前記有機EL素子の上に開口部を有する撥液性部材を配置する工程と、
    前記撥液性部材の開口部に前記カラーフィルタを配置する工程と、
    前記カラーフィルタの上にリソグラフィ技術によりレンズ材料をパターニングして付与する工程と、
    リフローによって前記レンズ材料をレンズ状に形成する工程と、
    を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  4. 前記撥液性部材がフッ素樹脂もしくはケイ素樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法。
  5. 前記撥液性部材が黒色であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
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