JP2013025346A - 管理システム及び管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】総合的なコストが低減できる巡視計画を提示する。
【解決手段】複数の管理領域内の検査対象の巡視計画を作成する管理システムであって、前記検査対象を巡視するコストを前記位置情報に基づいて計算する計算部と、前記計算結果に基づいて、検査対象を巡視する計画を生成する計画生成部と、を備え、前記計算部は、前記管理領域内の前記検査対象を第1の期限で同時期に巡視する場合の第1のコストと、前記管理領域内の前記検査対象の一部を前記第1の期限で個別に巡視し、当該管理領域内の他の検査対象を前記第1の期限より長い第2の期限で同時期に巡視する場合の第2のコストと、を計算し、前記計画生成部は、前記計算された第1のコストと、前記計算された第2のコストとを比較し、前記各管理領域内の前記検査対象を巡視する期限と、前記個別に巡視する検査対象とが組み合わされた巡視計画を、前記比較の結果に基づいて作成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、設備の保全を計画管理するシステムに関し、例えば、電力配電設備における電柱等、特に広範囲に数多く散在する設備を効率的に保全する計画を出力する管理システム及び管理方法に関する。
装置産業や社会インフラの多くが、そのままでは劣化していく設備資産を抱えて必要な維持コストが膨らむ一方で、それらの維持のためにかけられるコストには限界があるという課題に直面し、設備保全の取り組みを、IT(Information Technology)によって総合的に支援するEAM(Enterprise Asset Management)システムへの関心が高まっている。特に、広範囲に数多く散在する設備を効率的に保全するためには、最もコストがかかる巡視及び点検コストの削減が重要である。巡視コストを削減するための技術として、特許文献1には、設備の劣化を予測して巡視の優先巡視を決定する方法が開示されている。
また、特許文献2には、設備劣化予測結果を用いて、保全領域の巡視順序を決定する方法が開示されている。また、保全領域に跨って保全対象の巡視順序を決定する方法も開示されている。
特開2010−097392号公報 特開2009−277109号公報
特許文献1に記載の設備劣化予測方法では、保全対象毎の巡視優先順位を求めることができる。しかし、決められた優先順位から、実際の巡視計画を求める方法は記載されていない。
また、特許文献2に記載の巡視計画執行管理方法では、設備劣化予測結果のような保全対象毎の巡視優先順位を用いて保全領域毎の優先順位を決定し、保全領域内でも同結果を用いて巡視順序を決定することができる。しかし、優先順位が低い検査対象は後の順序で巡視が行われるため、優先順位を決めずに全ての巡視を行う場合に比べて巡視コストは低減されない。更に、保全領域の優先順位を該領域内で最も優先順位が高い検査対象の順位としているため、領域内に優先順位が高い対象が少ししか無い場合、優先順位が高い検査対象のために他の優先順位が低い検査対象も優先的に検査され、相対的に他の領域の優先順位が高い検査対象の巡視が遅延する問題もある。
また、特許文献2には、保全領域と関係なく、設備劣化予測結果のような保全対象毎の巡視優先順位に従って巡視順序を決定する方法が開示されている。
しかし、その場合、順序が隣接する検査対象の距離が大きければ、優先順位を決めずに隣接する検査対象を巡視する場合に比べ、巡視に要するコストが増加する。なぜならば、巡視コストは検査対象の数量だけでなく、各検査対象間を移動する時間も含まれるためである。単に優先順位の高い検査対象を巡視しただけでは、各検査対象の間を移動する時間が増加して、巡視コストが増加することがある。また、保全領域は広域にわたり、それに応じて検査対象数も多くなる。したがって、巡視に要するコストを低くするために、該当する検査対象を現時点で巡視すればよいのか、後で巡視すればよいのか、各々に対して適切な判定をすることは困難であった。
前述のように、優先順位が高い検査対象を臨時巡視経路に含めれば、臨時巡視のコストが上昇する。しかしながら、任意の期間すなわち巡視の期限を定めた定期巡視も行われるため、臨時巡視及び定期巡視のコストを総合的に考慮しなければコストは減少しない。
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、区分されている複数の管理領域内の検査対象の巡視計画を作成する管理システムであって、前記検査対象の検査の期限及び位置情報を格納するデータベースと、前記検査対象を巡視するコストを前記位置情報に基づいて計算する計算部と、前記計算結果に基づいて、検査対象を巡視する計画を生成する計画生成部と、を備え、前記計算部は、前記管理領域内の前記検査対象を第1の期限で同時期に巡視する場合の第1のコストと、前記管理領域内の前記検査対象の一部を前記第1の期限で個別に巡視し、当該管理領域内の他の検査対象を前記第1の期限より長い第2の期限で同時期に巡視する場合の第2のコストと、を計算し、前記計画生成部は、前記計算された第1のコストと、前記計算された第2のコストとを比較し、前記各管理領域内の前記検査対象を巡視する期限と、前記個別に巡視する検査対象とが組み合わされた巡視計画を、前記比較の結果に基づいて作成する。
本発明の代表的な実施の形態によれば、複数の領域に配置された検査対象に対して、総合的なコストが低減できる管理を提示することができる。
第1の実施形態の巡視計画最適化システムのシステム構成の一例を示す図である。 第1の実施形態の巡視計画最適化方法の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態の履歴データの構成の一例を示す図である。 第1の実施形態の設備状況データの構成の一例を示す図である。 第1の実施形態の経営データの構成の一例を示す図である。 第1の実施形態の巡視優先度計算方法の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態の巡視優先度計算結果を巡視計画生成部へ入力されるデータに変換する処理の一例を示すフローチャートである。 地図上の巡視領域の配置及び領域に区分された巡視対象の一例を示す図である。 (A)は地図上の巡視領域の配置を示す図であり、(B)は領域m内の設備の巡視優先度を計算した結果の一例を示す図である。 (A)は地図上の巡視領域の配置を示す図であり、(B)は個別巡視及び領域巡視を組み合わせた巡視方法の概念を示す図である。 個別巡視を組み合わせて領域巡視の間隔を延ばす方法を示す図である。 複数の巡視領域の全体の巡視コストを最小化する巡視間隔及び個別巡視グループが組み合わされた巡視計画の一例を示す図である。 領域巡視コストの構成の一例を示す図である。 領域巡視間隔を延ばす判定基準値の算出の具体例を示す図である。 第1の実施形態の巡視計画生成処理の一例を示すフローチャートである。 図15に示す巡視計画生成処理の具体例を示す図である。 図15に示す巡視計画生成処理の具体例を示す図である。 図15に示す巡視計画生成処理の具体例を示す図である。 図15に示す巡視計画生成処理の具体例を示す図である。 図15に示す巡視計画生成処理の具体例を示す図である。 図15に示す巡視計画生成処理の具体例を示す図である。 第1の実施形態の領域巡視計画データの構成の一例を示す図である。 第1の実施形態の個別巡視計画データの構成の一例を示す図である。 巡視計画最適化システムGUIの一例を示す図である。 巡視計画表示ページにおいて地図を大きく表示したGUIの一例を示す図である。 巡視計画表示ページにおいて領域巡視計画を表示したGUIの一例を示す図である。 巡視計画表示ページにおいて巡視領域内の巡視経路を表示したGUIの一例を示す図である。 巡視計画表示ページにおいて個別巡視計画を表示したGUIの一例を示す図である。 巡視計画表示ページにおいて個別巡視グループ内の巡視経路を表示したGUIの一例を示す図である。 グラフ表示ページのGUIの一例を示す図である。 第2の実施形態の巡視計画生成処理の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態の巡視計画生成処理の具体例を示す図である。 第3の実施形態の巡視計画生成処理の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態の巡視計画生成処理の具体例を示す図である。 第3の実施形態の巡視計画生成処理の具体例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
<実施形態1>
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態の巡視計画最適化システムの構成について説明する。
第1の実施形態の巡視計画最適化システムは、最適巡視計画を求める処理部(100)、各種データを記憶する記憶部(104)、及び、データを入力し、最適巡視計画を出力する入出力部(103)を備える計算機システムである。記憶部(104)は、履歴データ(107)、設備状況データ(106)、経営データ(105)、巡視計画データ(108)を記憶するメモリ又は不揮発性記憶装置(例えば、磁気ディスクドライブ、フラッシュメモリ等)である。処理部(100)は、プロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現される。プロセッサによって実行されるプログラムは、メモリ(図示省略)に格納されている。処理部(100)、記憶部(104)及び入出力部(103)は、通信経路(109)によって接続されている。入出力部(103)は、処理の結果を表示する表示画面、ユーザが入力操作を行うキーボード、マウス等、及び、他の計算機と接続するためのネットワークインターフェースを含む。
履歴データ(107)は、巡視対象設備の故障履歴及び使用履歴等を含む。巡視対象設備が電力配電設備の電柱である場合、履歴データ(107)は、電柱に設置されている機器(変圧器等)の故障履歴であり、部品の交換履歴、累積電力量等を含んでもよい。また、設備状況データ(106)は、各巡視対象設備の設置場所の環境等であり、設置日の情報を含んでもよい。巡視対象設備が電力配電設備の電柱である場合、設備状況データ(106)は、電柱及び該電柱に設置されている機器の設置日及び設置場所の環境(例えば、塩害地域、強風地域、強雷地域等)が考えられる。また、経営データ(105)は、事故時の影響度等である。巡視対象設備が電力配電設備の電柱である場合、経営データ(105)は、該電柱に接続されている配電線を経由して電力が供給される需要者の数、需要家の重要度等に基づいて決定される影響度である。巡視計画データ(108)については後述する。
次に、図1及び図2を参照して、第1の実施形態の巡視計画最適化システムの動作について説明する。
まず、巡視優先度計算部(101)は、履歴データ(107)、設備状況データ(106)、及び経営データ(105)を用いて、巡視対象設備毎の巡視優先度を予測し、設備状況データ(106)へ格納する(200)。次に、巡視計画生成部(102)は、前記予測された巡視優先度を用いて、最適な巡視領域毎の巡視間隔と個別巡視グループとの組み合わせを求め、この組み合わせを巡視計画として巡視計画データ(108)へ格納し、入出力部(103)へ出力する(201)。
次に、図3、図4、図5を参照して、巡視優先度計算(200)で用いる履歴データ(107)、設備状況データ(106)及び経営データ(105)について説明する。
図3に示すように、履歴データ(107)は、巡視対象機器の識別子(301)及び機器劣化による交換日(302)を対応づけた故障履歴を含む。例えば、データ303は、機器IDが119の機器が2006年5月6日に機器劣化により交換されたことを示す。
図4に示すように、設備状況データ(106)は、巡視対象機器の識別子(400)、環境属性値(401)、保全領域の識別子(402)、設置位置(403)及び機器の要巡視時期(406)を対応づけた設備状況を含む。
環境属性値(401)は、機器の設置環境による故障間隔に対する係数であり、
1.0以下の正の値で、値が小さいほど故障しやすい環境に設置されていることを示す。例えば、機器IDが233の機器(408)は、通常の環境に設置されているため、環境属性値(401)に1.0が記録されているが、機器IDが119の機器(407)は、通常より故障しやすい環境に設置されているため、環境属性値(401)に1.0より小さい0.8が記録されている。巡視対象設備が電力配電設備の電柱である場合、通常より故障しやすい環境は、塩害地域、強風地域、強雷地域等である。環境属性値(411)は、過去の故障履歴等に基づいて定めてもよいし、類似する環境化にあに設置されている機器の状態から推定してもよい。
保全領域の識別子(402)は、巡視対象設備が含まれる保全領域の識別子である。図4に示す例では、データ(407及び408)は、機器IDが119の機器及び機器IDが233の機器が、領域ID1の領域に含まれることを示す。
位置情報(403)は、巡視対象設備の設置位置を示す位置情報が記録されている。図4に示す例では、位置情報(403)は、設置位置の緯度(404)及び経度(405)を含む。例えば、データ(407)は、機器IDが119の機器が、北緯35.6582度、東経139.7456度の位置に設置されていることを示す。
機器の要巡視時期(406)には、巡視優先度予測(200)の結果が変換された次回要巡視時期が記録される。次回要巡視時期は、巡視計画生成(201)の入力として用いられる。
図5に示すように、経営データ(105)は、機器の識別子(500)と、機器影響度(501)とが対応づけて記録されている。機器影響度(501)は、当該対象機器の故障の業務に対する影響度を表し、通常ならば1.0であるが、影響が大きな場合にはその程度に応じて1.0より大きな値が記録されており(503)、影響が小さな場合にはその程度に応じて1.0より小さな値が記録されている(504)。例えば、巡視対象が電力配電設備の電柱である場合、当該電柱が支えている配電線を経由してが多数の供給先へ電力が供給されていれば、当該電柱の故障によって顧客に与える影響が大きいため、機器影響度(501)は大きな値となる。また、前記電柱が支えている配電線を経由して電力がが供給されている顧客が病院等の重要な施設である場合、当該電柱の故障によって顧客に与える影響が大きいため、機器影響度(501)は大きな値となる。
次に、図3、図4、図5及び図6を参照して、巡視優先度計算部(101)が行う巡視優先度計算処理(200)を説明する。
まず、巡視優先度計算部(101)は、計算対象の設備を設定し(601)、対象の設備に対して、まず、故障間隔の平均及び標準偏差σを計算し(602)、最終機器交換日からμ−2σ後の日と現在日との差に環境属性を乗じた値を、巡視優先度Aとして記録する(604)。ここで、故障間隔は、同一の機器ID(301)の機器における、隣接する機器交換日(301)の差である。例えば、図3に示す例では、機器IDが119の機器については、に機器交換日が2006年5月6日と記録されており(303)、次の機器交換日が2009年12月26日と記録されている(305)ので、故障間隔はこれらの交換日の差である1331日である。また、機器IDが233の機器については、機器交換日が2008年6月24日と記録されており(304)、次の機器交換日が2010年1月19日と記録されている(306)ので、故障間隔はこれらの交換日の差である575日である。
また、最終機器交換日は、同一の機器ID(301)の機器における、最近の機器交換日、すなわち機器交換日の最大値である。例えば、図3に示す例において、機器IDが119の機器は、2009年12月26日が最終機器交換日であり(305)、機器IDが233の機器は2010年1月19日が最終機器交換日である(306)。
また、機器IDが119の機器の故障間隔の平均が1300日、標準偏差が60日である場合、最終交換日からμ−2σ(1330−60×2=1210)日後は、2013年4月19日であり、この日が機器交換予測日の最早日となる。例えば、現在が2010年4月1日だとすると、現在日からの日数差は1114日で、機器ID(400)が119の機器の環境属性値(401)は0.8なので、巡視優先度Aは0.8×1114=891.2となる。
次に、巡視優先度Aを機器影響度で除し、その商を巡視優先度Bとする(604)。例えば、前記機器IDが119の機器の巡視優先度A=891.2と、機器IDが119の機器の機器影響度=0.9とを用いると、巡視優先度Bは891.2/0.9=990.2である。なお、巡視優先度A及びBは故障が近いかを表しているので、値が小さい方が優先度は高くなる。これらの処理601〜604は、全ての機器IDに繰り返される(605)。
次に、図4及び図7を参照して、巡視優先度計算部(101)の出力結果である各機器の巡視優先度Bを、巡視計画生成部(102)の入力形式に変換する処理について説明する。
まず、巡視の対象となる設備を設定し(701)、その対象設備の巡視優先度Bを巡視計画生成部(102)の入力形式に変換する。例えば、機器IDが119の機器の巡視優先度B=990.2は、その機器が次に故障するまでの日数を示しており、年数に変換すると約2.7年である。これを切り捨て又は四捨五入をして、次回要巡視時期とする。切り捨てによると、機器IDが119の機器の次回要巡視時期は2年後となり、四捨五入によると、機器IDが119の機器の次回要巡視時期は3年後となる。これは信頼性と巡視コストとのトレードオフによって適宜選択すればよい。これらの処理701〜702は、全ての機器IDに繰り返される(703)。そして、計算された次回要巡視時期は、設備状況データ(106)の要巡視時期(406)に格納される。
次に、図8を参照して、本実施形態が適用される広範囲に数多く散在する設備の保全業務の一例について説明する。
図8(A)に示すように、本実施形態では、営業所(801)が管轄地域(802)を持っており、その管轄地域(802)を複数の保全領域(803)に分け、その中に設置されている設備を管理している。図8(B)に示すように、保全領域(803)には、複数の設備(805)が設置されており、保全領域(803)毎に本実施形態で定める保全領域毎の巡視間隔に従って巡視がされる。例えば、次回要巡視時期が3年後である場合、現時点から3年後に対象領域を巡視する。巡視は、巡視員が営業所(800)から巡視対象の領域に行き、領域内の設備を巡視し、営業所(800)に戻り、巡視結果を報告する手順で行われる。本実施形態では、巡視をすべき保全領域(巡視領域)は正方形であり碁盤状に区切られているが、設備の設置状況に応じて保全領域の大きさ、形状、配置を変えてもよい。
次に、図4及び図9を参照して、巡視優先度計算(200)結果の一例について説明する。
図9(A)に示すように、保全領域m(900)に複数の設備が設置されており、それらの設備について巡視優先度を計算すると(200)、保全領域m(900)内の各設備に関する次回要巡視時期が計算される。図9(B)は、計算された次回要巡視時期の分布(902)を示す。次回要巡視時期の分布(902)は、領域IDがkである設備の要巡視時期データを設備状況データ(106)から抽出して作成することができ、横軸が年を表し、縦軸が各設備を表す。例えば、次回要巡視時期の分布(902)を参照すると、設備A(901)の次回要巡視時期(903)が6年であることが分かる。このように巡視優先度計算(200)によって、保全領域内の各設備への巡視が次に必要な時期を計算することができる。
次に、図9〜図12を参照して、巡視計画生成部(102)の処理について説明する。
本実施形態では、巡視優先度が高い巡視対象設備が巡視領域内に僅かに存在する場合、この巡視対象設備を領域巡視対象から除外し、個別巡視グループに含めることによって、前記巡視領域内の残りの巡視対象設備の領域毎の巡視間隔を大きくし、巡視コストを削減する。但し、優先順位が高い巡視対象設備は領域巡視対象から除外し、個別巡視グループに含めることによって、領域毎の巡視間隔を大きくすることができる。このため、領域巡視のコストは削減できるが、個別巡視のコストは上昇する。そこで、本実施形態では、複数領域での総巡視コストを最小化する領域毎の巡視間隔と個別巡視グループとの組み合わせ(最適巡視計画)を求め、全体として巡視コストを最適化する。
まず、巡視計画生成部(102)の処理の概要の説明の際に例として用いる保全領域m(900)について説明する。保全領域m(900)内の設備について巡視優先度を計算した(200)結果、保全領域m(900)内の設備の次回要巡視時期の分布(902)が得られた。次回要巡視時期分布(902)は、領域IDがmである設備の要巡視時期データを設備状況データ(106)から抽出して作成することができ、横軸が年を表し、縦軸が各設備を表す。
図10は、図9と同様に、保全領域m(1100)と保全領域m内の設備の次回要巡視時期の分布(1102)を示したものであり、この保全領域mの巡視間隔が2年(1104)であると定められている場合、保全領域m(1100)内には2年後に巡視が必要と予測された設備(1101)が含まれているので、巡視優先度が高い設備(1101)を、領域巡視対象から除外し、領域巡視とは別に2年後に個別巡視するようにする。これによって、保全領域mの巡視間隔を3年に延ばすことができる(1105)。
図10を用いて説明した方法を、さらに、図11(A)に示す領域mに適用すると、図11(B)に示すように領域m(1200)の巡視間隔が2年(1104)であると定められている場合、設備1201を2年後に個別巡視することによって、領域巡視の間隔を2年から3年に延ばすことができ、設備1202を3年後に個別巡視することによって、領域巡視の間隔を3年から4年に延ばすことができ、設備1203を4年後に個別巡視とすることによって、領域巡視の間隔を4年から5年に延ばすことができ、設備1204を5年後に個別巡視とすることによって、領域巡視の間隔を5年から6年に延ばすことができる。
このように、現在の領域巡視の時期より早期に巡視が必要な設備を個別巡視に変更し、領域巡視とは別に営業所1205から個別に巡視することによって、領域巡視の間隔を1年ずつ延ばす。さらに、2年後、3年後、…のように各年に個別巡視をすべき設備を、領域の境界を跨いでグループ化し、一度に巡視する個別巡視グループを生成することによって、巡視に要する移動コストを削減することができる。
なお、次の領域巡視までの期間を長くすることによって、領域巡視のコストが削減できるが、新たに個別巡視とした設備の巡視コストは増加する。また、個別巡視対象設備グループの纏め方によっても、個別巡視コストは増減する。そこで、複数の領域において全体での巡視コストを最小化するような、領域毎の巡視間隔及び個別巡視グループの組み合わせの最適な巡視計画を求め、全体の巡視コストを削減する。
図12は、複数の保全領域に対して最適な領域毎の巡視間隔と個別巡視グループとが組み合わされた巡視計画の計算結果を説明する図である。
図12に示す巡視計画では、領域毎に巡視間隔が決定されており、領域1305の巡視間隔は5年、領域1306の巡視間隔は5年、領域1307の巡視間隔は3年、領域1308巡視間隔は4年、領域1309巡視間隔は4年、領域1310視間隔は6年、領域1311視間隔は6年、領域1312の巡視間隔は6年、領域1313の巡視間隔は6年である。また、巡視時期が異なる個別巡視グループ、すなわち、2年後個別巡視グループ1301、3年後個別巡視グループ1302、4年後個別巡視グループ1303及び5年後個別巡視グループ1304が決定される。
次に、複数領域全体として巡視コストを最小化するために最適な領域毎の巡視間隔と個別巡視グループとを組み合わせた計画を求める具体的な方法について、図13〜図23及び式1〜式12を参照して説明する。
本実施形態では、領域巡視コスト及び個別巡視コストをモデル化し、各保全領域に対して、全ての領域巡視対象設備を現領域巡視間隔で同時に巡視した場合と、一部の巡視対象を抜き出して個別に巡視することによって領域巡視間隔を延ばし、残りの領域巡視対象設備を領域巡視する場合とのコストを算出する。そして、両コストを比較することによって、現領域巡視間隔での領域巡視対象設備を全て同時に巡視すべきか、一部の巡視対象を抜き出して個別に巡視することで領域巡視間隔を延ばし、他の領域巡視対象設備を領域巡視すべきかを判定するための判定基準値を保全領域毎に設け、その判定基準値に基づいて、保全領域毎の巡視間隔及び個別巡視グループを決定することによって、複数領域の全体の巡視コストを最小化する計画を算出する。
まず、図13及び式1〜11を参照して、領域巡視コストのモデル化について説明する。
保全領域riの集合R、すなわち、つまりある営業所の管轄地域は、式1によって表される。なお、保全領域riは、式2に示すように、設備集合Pi及びその保全領域の巡視間隔Yiによって表される。さらに、Piは、式3に示すように、設備pjの集合として表され。設備pjは、式4に示すように、その設備の設置位置の座標(Xj,Yj)を含む。
Figure 2013025346
Figure 2013025346
Figure 2013025346
Figure 2013025346
このような条件の下、ある保全領域riにおける領域巡視コストを式5で表す。領域riの1年あたりの領域巡視コストCr(ri)は、式5を用いて計算することができる。すなわち、領域巡視コストCr(ri)は、設備の検査に要する時間α(Pi)、設備間の巡回移動に要する時間β(Pi)、及び営業所と領域riとの間の往復移動時間γ(Pi)との和を、領域riの巡視間隔yiで除することによって、領域riの1年あたりの巡視コストが計算される。
Figure 2013025346
図13は、式5に示す領域巡視コストモデルを示す。領域ri(1403)内には、複数の巡視対象設備(1404)が設置されている。領域ri(1403)を巡視する場合、営業所O(1400)から、領域ri(1403)内の最初の巡視対象設備(1406)まで行き(1401)、領域ri(1403)内の巡視対象設備を巡回し(1405)、最後の巡視対象設備(1407)から営業所O(1400)に戻る(1402)。この領域ri(1403)の巡視において、領域riまでの往復時間(1401及び1402)が式5における営業所と領域との間の往復移動時間γ(Pi)に対応し、領域内の巡視対象設備をに異常が無いかをチェックする時間が設備のチェックに要する時間α(Pi)に対応し、設備間の巡回時間(1405)が設備間の巡回移動に要する時間β(Pi)に対応する。
設備のチェックのための時間α(Pi)は、式6によって表される。式6において、Aは設備あたりのチェック時間であり、Mは領域ri内に設置されている設備の数である。Aは全設備で固定値でもよいし、設備毎に異なる値でもよい。巡視対象設備が電力配電設備の電柱である場合、電柱毎に付属機器が異なるため、機器の数や種類に応じて、設備あたりのチェック時間Aを決定すればよい。また、設備あたりのチェック時間Aは巡視員の能力によっても変化するため、巡視員の能力に応じて値を変えてもよい。
Figure 2013025346
設備間の移動時間β(Pi)は、式8によって表される。式8において、dminは領域ri内の巡視対象設備の巡回ルートのうち、その移動距離が最小となる巡回距離であり、dminは、式7によって表される。式7において、σ(n)は、営業所から対象設備を巡回するための経路を表す順列のn番目の設備を表し、dσ(n)σ(n+1)は、前記順列のn番目の設備とn+1番目の設備との間の距離である。
minを求める問題は、一般的な巡回セールスマン問題であり、巡回対象数が多くなると厳密な解を求めることが困難である。このため、現実的な時間で近似解を求めるための解法(例えば、局所探索法、遺伝的アルゴリズム、焼きなまし法等)が提案されている。dminは、これらの方法を用いて計算することができる。設備間の移動時間β(Pi)は、dminから営業所から領域ri内の最初の巡視対象設備までの移動距離dσ(0)σ(1)、及び、最後の巡視対象設備から営業所に戻るまでの移動距離dσ(M)σ(0)を減算したもの、つまり、領域ri内の設備を巡回するための移動距離に単位距離あたりの移動時間Bを乗じたものである。
Figure 2013025346
Figure 2013025346
また、営業所と領域との間の往復移動時間γ(Pi)は式9で表され、すなわち、営業所から領域ri内の最初の巡視対象設備までの移動距離dσ(0)σ(1)と、最後の巡視対象設備から営業所に戻るまでの移動距離dσ(M)σ(0)との和、つまり、営業所と領域riの往復移動距離に単位距離あたりの移動時間Cを乗じたものである。管轄地域内に式10で表す個別巡視グループgiの集合Gがあり、各グループgiを領域riと同様に式11で表すことができる場合、個別巡視グループgiの巡視コストCg(gi)は式5〜9と同様な形式で表すことができる。
Figure 2013025346
Figure 2013025346
Figure 2013025346
次に、図14及び式12を参照して、各保全領域における領域巡視間隔を現在の間隔から延ばすことができるかを判定するための判定基準値を計算する方法の一例について説明する。
保全領域riに対する領域巡視間隔を現間隔から延ばすことができるかを判定するための判定基準値ΔCは式12によって表される。式12において、ΔC(ri(yi→yi+1))は、領域riの現在の巡視間隔yiを1年延ばしてyi+1とした場合に、全体の巡視コストの増減値を表す。すなわち、ΔC(ri(yi→yi+1))は、領域riの現在の巡視間隔yiを1年延ばしてyi+1とした場合の領域巡視コストの増減値ΔCr(ri(yi→yi+1))と、領域riの現在の巡視間隔yiを1年延ばしてyi+1とした場合の個別巡視コストの増減値ΔCg(ri(yi→yi+1))の和である。
Figure 2013025346
なお、前述したように、領域巡視のコストは式5を用いて計算され、個別巡視コストは式5と同様な式を用いて計算することができる。
領域riの現在の巡視間隔yiを1年延ばしてyi+1とした場合、領域riの領域巡視コストは減少するが、巡視間隔を延ばすことにより発生する個別巡視対象の分だけ全体の個別巡視コストが増加すると考えられる。よってΔCrとΔCgの和であるΔCが負であれば、領域riの現在の巡視間隔yiを1年延ばしてyi+1とすると巡視コストが減少するため、領域riの現在の巡視間隔yiを1年延ばしてyi+1としてもよいと判定できる。
一方、ΔCrと、ΔCgの和であるΔCが0以上の正の値であれば、領域riの現在の巡視間隔yiを1年延ばしてyi+1とすると巡視コストが増加するため、領域riの現在の巡視間隔yiは延ばすことができず、現在の巡視間隔yiに決定すると判定できる。
この具体例を、図14を用いて説明する。図14(A)(B)に示すように、保全領域m(1500)の現巡視間隔が2年であり(1502)、領域m(1500)の近傍領域に2年後の個別巡視グループ(1501)が既にあり、個別巡視グループ(1501)の巡視経路(1511)が定まっている場合、領域m内の2年後に巡視が必要と予測された設備(1504)を2年後の個別巡視対象(1509)とすることによって(図14(C))、領域m(1500)の巡視間隔を現間隔の2年(1502)から3年(1507)に変更することを試みる(図14(D))。
この場合、領域巡視の間隔を2年から3年へ延ばすことが可能かの判定を考える。この場合、式12におけるΔCr(ri(yi→yi+1))は、領域m(1500)を現巡視間隔2年(1502)で巡視する巡視コストと、2年後に巡視が必要と予測された設備(1504)以外の領域巡視対象設備を巡視間隔3年(1507)で巡視する巡視コストとの差によって計算される。
また、式12におけるΔCg(ri(yi→yi+1))は、例えば、現在の巡視間隔が2年(1502)に設定されている領域m(1500)において、2年後個別巡視対象(1509)を、既に存在する2年後個別巡視グループ(1501)にグループ化した2年後個別巡視グループ’(1506)の巡視コストを式5と同様な式によって計算し、式5によって計算された2年後個別巡視グループ(1501)の巡視コストとの差によって計算する。
そして前述のように計算されたΔCr(ri(yi→yi+1))とΔCg(ri(yi→yi+1))の和によって、領域m(1500)の巡視間隔を現間隔の2年(1502)から3年(1507)に延ばすことができるかを判定するための判定基準値ΔC(ri(yi→yi+1))を計算する。
次に、判定基準値ΔC(ri(yi→yi+1))に基づいて、複数領域全体で巡視コストを最小化するための保全領域毎の巡視間隔と個別巡視グループとが組み合わされた巡視計画を計算する具体的な方法の一例を図14〜図23を参照して説明する。
図15は、複数領域全体で巡視コストを最小化するための保全領域毎の巡視間隔と個別巡視グループとが組み合わされた巡視計画を計算する巡視計画生成処理の一例の全体を示すフローチャートである。
まず、処理対象となっている全ての保全領域の巡視間隔を1年に設定し、巡視間隔を初期化する(1600)。
次に、全領域についてΔC(y→y+1)の初期値を計算する。このとき、対象領域の巡視間隔yを1年延ばしy+1とした場合に、対象領域で発生したy年後の個別巡視対象の設備をグループ化せず、単独で個別巡視すると仮定して、ΔC(y→y+1)を計算する(1601)。
次に、処理対象となっている全ての保全領域の中で、ΔCが負かつ最小(絶対値が最大)であるΔCを持つ領域xを検索する(1602)。ΔCが負かつ最小であることは、領域xの巡視間隔を現間隔yから1年延ばすことによって、全ての領域の中でコストが最も削減できることを意味する。
次に、前記領域xの現巡視間隔yを1年延ばし、y+1年とする(1603)。
次に、領域xの巡視間隔を延ばしたことによって発生したy年後の個別巡視対象設備を、領域xの近傍領域の同巡視時期の個別巡視グループにグループ化する(1604)。ここでの近傍領域は、個別巡視グループをどの程度まで大きくするかを考慮して任意に決定する。近傍領域が広いと、個別巡視グループが多くの保全領域を跨って、移動距離が大きくなるため、非効率となる。一方、近傍領域が狭いと、各個別巡視グループに含まれる対象設備数が少なくなり、営業所と各個別巡視グループとの間の往復移動の比重が増す。
個別巡視を既存個別巡視グループにグループ化する際、その個別巡視グループの巡視コストを式5と同様な式を用いて計算し、1グループあたり巡視コストが1人日より大きくならないようにグループ化し、グループ化の結果1人日を超える場合は、グループ化しない。
次に、領域xの近傍領域ηxのΔC(y→y+1)を更新する(1605)。領域xの巡視間隔延ばすことによって発生した個別巡視対象を既存の個別巡視グループにグループ化することによって(1604)、個別巡視グループの構成が変化する。このため、図14(D)に示すように、y年後の個別巡視対象の設備を既存の同時期の個別巡視グループにグループ化した後の個別巡視グループにおいて、各近傍領域ηxの領域の巡視間隔yを1年延ばしy+1とした場合に、ΔC(y→y+1)を計算する。
次に、領域xの巡視間隔が1年延びてy+1となったため、y+1を新たにyに設定した場合のΔC(y→y+1)を計算する(1606)。
例えば、処理(1602)で検索した領域xの巡視間隔が2年、つまり領域xの持つΔCがΔC(2→3)である場合、処理(1603)で領域xの巡視間隔は2+1=3年に延びる。そして、領域xの巡視間隔2→3年にしたことによって、領域xで発生した2年後の個別巡視対象設備を、領域xの近傍の既存の2年後個別巡視グループにグループ化する。個別巡視対象設備のグループ化によって個別巡視グループ構成が変化したため、新しい個別巡視グループが影響する近傍領域ηxのΔC(2→3)を更新する。
そして、領域xの巡視間隔が3年となった後に、3年を4年に延ばすことを考え、ΔC(3→4)を計算する。
式5を用いてΔC(y→y+1)を計算する場合、yの値が大きくなると、領域巡視コストの減少幅が小さくなる。例えば、2年から3年に延ばす場合には領域巡視コストは約2/3に減少するが、3年から4年に延ばす場合には約3/4に減少し、その減少幅が小さくなる。一方、領域巡視間隔の増加に伴い、個別巡視対象設備が多くなり、個別巡視コストが大きくなる。よって、yの増加に伴い、ΔCの値が負の値から正の方向に増加していき、0以上となった時点で、それ以上、巡視間隔を延ばすと巡視効率が悪化する。
次に、処理(1602)に戻り、処理(1602〜1606)を繰り返す。このように全ての領域でΔCが0以上、つまりどの領域でも、これ以上、巡視間隔を延ばせなくなるまで処理を繰り返し(1607)、最終的な巡視計画を作成する。
次に、複数領域全体で巡視コストを最小化するための保全領域毎の巡視間隔と個別巡視グループとが組み合わされた巡視計画を計算する処理の内容について、図16〜図21に示す具体例を用いて説明する。
巡視計画最適化対象領域を、図16に示す領域A(1700)、領域B(1701)及び領域C(1702)の3領域とし、それぞれの領域には複数の設備が配置されており、巡視対象の3領域から離れた場所に営業所(1706)があり、巡視員が営業所(1706)から3領域に巡視に行く。領域A(1700)内には、1年後に巡視が必要だと予測された設備a(1703)があり、領域B(1701)内には、1年後に巡視が必要だと予測された設備b(1704)があり、領域C(1702)内には、1年後に巡視が必要だと予測された設備c(1705)がある。各領域において、設備a(1703)、設備b(1704)、設備c(1705)以外の設備の要巡視時期は2年後以上である。
この場合、まず、処理対象となっている全ての保全領域(領域A(1700)、領域B(1701)、領域C(1702))の巡視間隔を1年に設定し、巡視間隔を初期化する(1600)。
次に、全領域に対してΔC(y→y+1)の初期値を計算する。このとき、対象領域の巡視間隔yを1年延ばしy+1とし、対象領域で発生したy年後個別巡視対象の設備をグループ化せずに単独で個別巡視する場合、ΔC(y→y+1)を計算する(1601)。最初の段階では、どのように個別巡視対象をグループ化すれば、コストが最も減少するかを判定できないので、各領域の巡視間隔を1年から2年に延ばし、各領域で発生する個別巡視対象設備を単独で個別巡視する場合に、各領域の巡視コストの変化量ΔC(y→y+1)を計算する。
具体的には、図17に示すように、領域A(1700)では、領域A(1700)の巡視間隔を2年に延ばし、1年後に巡視が必要だと予測された設備a(1703)を1年後に単独で個別巡視する場合の巡視コストの変化量ΔCA(1→2)(1807)を計算する。同様に、領域B(1701)では、領域B(1701)の巡視間隔を2年に延ばし、1年後に巡視が必要だと予測された設備b(1704)を1年後に単独で個別巡視する場合の巡視コストの変化量ΔCB(1→2)(1808)を計算する。さらに、領域C(1702)では、領域C(1702)の巡視間隔を2年に延ばし、1年後に巡視が必要だと予測された設備c(1705)を1年後に単独で個別巡視する場合の巡視コストの変化量ΔCC(1→2)(1809)を計算する。計算されたΔCを図(1806)に表すと、各領域の領域巡視コスト及び個別巡視コストの違いから、各領域のΔCの値が異なる。
次に、処理(1602)において、処理対象となっている全ての保全領域の中で、ΔCが負かつ最小となる領域xを検索する。領域BのΔCB(1808)がこの条件に合致するので、領域Bの現在の巡視間隔yを1年延ばし、2年に延ばす(1603)。これにより、全体の巡視コストがΔCB減少する。
次に、処理(1604)において、領域Bで巡視間隔が延びたことによって発生した1年後に個別巡視をする設備を、領域Bの近傍の同巡視時期の個別巡視グループにグループ化する。しかし、この例の場合、領域B(1701)の近傍領域には、領域B(1701)の巡視間隔が延びたことによって発生した1年後に個別巡視をする設備b(1704)をグループ化可能な、同時期の個別巡視グループがないため、この処理(1604)では何もしない。
次に、処理(1605)において、領域Bの近傍の領域A(1700)及び領域C(1702)のΔC(y→y+1)を更新する。領域A(1700)については、処理(1601)で、巡視間隔を2年に延ばし、1年後に巡視が必要だと予測された設備a(1703)を1年後に単独で個別巡視する場合の巡視コストからΔCを計算したが、現状態では、1年後個別巡視グループ(1903)が既に領域B(1701)にある。このため、図18に示すように、1年後に巡視が必要だと予測された設備a(1703)を、近傍の既存の1年後個別巡視グループ(1903)にグループ化する(1912)場合の巡視コストからΔCAを計算する。設備a(1703)を、近傍の既存の1年後個別巡視グループ(1903)にグループ化する場合、設備aを単独で個別巡視する場合より個別巡視に要する移動コストが減少するため、ΔCAは元の値(1807)より小さくなる(1909)。
さらに、領域C(1702)については、処理(1601)で、巡視間隔を2年に延ばし、1年後に巡視が必要だと予測された設備c(1705)を1年後に単独で個別巡視する場合の巡視コストからΔCを計算したが、現状態では、1年後個別巡視グループ(1903)が既に領域B(1701)にある。このため、1年後に巡視が必要だと予測された設備c(1705)を、近傍の既存の1年後個別巡視グループ(1903)にグループ化する(1913)場合の巡視コストからΔCCを計算する。設備c(1705)を、近傍の既存の1年後個別巡視グループ(1903)にグループ化する場合、設備cを単独で個別巡視する場合より個別巡視に要する移動コストが減少するため、ΔCCは元の値(1809)より小さくなる(1911)。
前述したように、周囲の状況に応じて個別巡視のグループ化の影響を考慮してΔCを更新する。
領域Bの巡視間隔が2年となったため、次に、処理(1606)において、巡視時期を3年に延ばすことを考慮して、ΔCB(2→3)を計算する。そうすると、図19に示すように、更新されたΔCB(2→3)(2001)は、更新前のΔCB(1→2)(2000)より大きくなる。
次に、処理(1607)において、少なくとも1以上の領域でΔCが0以下なので、処理(1602)に戻る。
次に、全ての保全領域の中で、ΔCが負かつ最小となる領域xを検索する(1602)。各領域のΔC(2002、2001、2003)の中で、負かつ最小となるΔCは領域AのΔCA(2002)である。このため、領域Aの巡視間隔を1年から2年に延ばす(1603)。
次に、処理(1604)において、領域A(1700)内の1年後に巡視が必要だと予測された設備a(1703)を、領域B(1701)の既存の1年後個別巡視グループ(1903)にグループ化する(1912)。
次に、処理(1605)において、領域A(1700)の近傍の領域C(1702)のΔC(1→2)を更新する。図20に示すように、領域A(1700)では、現状態では、1年後個別巡視グループ(1912)が、既に、領域A(2103)と領域B(2104)上にあるので、領域C(1702)の巡視間隔を2年に延ばし、1年後に巡視が必要だと予測された設備c(1705)を近傍の既存の1年後個別巡視グループ(1912)にグループ化する(2108)場合の巡視コストからΔCCを計算する。設備c(1705)を、近傍の既存の1年後個別巡視グループ(1912)にグループ化する場合、設備cを単独で個別巡視する場合より個別巡視に要する移動コストが減少するため、ΔCCは元の値(2101)より小さくなる(2100)。
領域Aの巡視間隔が2年となったため、次に、処理(1606)において、巡視間隔を3年に延ばすことを考慮して、ΔCA(2→3)を計算する。そうすると、図21に示すように、更新されたΔCB(2→3)(2201)は、更新前のΔCA(1→2)(2200)より大きくなる。
次に、処理(1607)において、少なくとも1以上の管理区でΔCが0以上となっていないため、再び処理(1602)に戻る。全ての領域のΔCが0以上、つまり、これ以上巡視間隔を延ばしてもコストが減少しなくなるまで、同様な処理を行い、最終的な領域毎の巡視間隔と個別巡視グループとの組み合わせを求める。
このように、ΔCの絶対値が小さな領域の巡視間隔を延ばすことによって発生する個別巡視が必要な設備を、他の個別巡視グループとグループ化することによって、ΔCが減少する。つまり、巡視間隔を延ばすことによる巡視コストの削減効果が大きくなる可能性がある。よって、ΔCが負かつ最小となる領域、つまり巡視間隔を延ばすことによる巡視コスト削減効果が最も大きな領域から順に巡視間隔を延ばし、その領域の巡視間隔を延ばすことによって発生する個別巡視が必要な設備を、他の個別巡視グループとグループ化し、周辺領域のΔCを更新する。これらの処理によって、個別巡視をグループ化することによるコスト削減効果を大きくすることができ、複数領域全体として巡視コストを最小化する各領域の巡視間隔と個別巡視グループとの組み合わせ計画を算出することができる。算出した巡視計画は巡視計画データ(108)に記憶される。
次に、図22及び図23を参照して、巡視計画生成部(102)によって生成された巡視計画が格納される巡視計画データ(108)のデータ構造の一例について説明する。
図22は、領域巡視計画が格納されるテーブルの構成を説明する図である。
領域巡視計画が格納されるテーブルは、領域の識別子(2300)、その領域の次回巡視年(2301)、その領域の巡視コスト(2302)及び巡視経路(2303)を含む。巡視経路(2303)には、巡視する順に機器の識別子(2304、2305)が格納される。図示は省略するが、巡視経路(2303)には、巡視すべき設備数分の機器の識別子が格納されている。
例えば、データ(2306)では、領域IDが1の領域の次回巡視年は2012年である。前述したように、本実施形態の巡視計画生成処理(201)では、領域毎に巡視間隔(Y年)が出力されるので、出力された巡視間隔を現在の日付に加算することによって、次回巡視年を計算することができる。また、本実施形態では巡視コストを人日を単位とする工数で表しており、領域ID1の領域の巡視コストは0.99人日である。巡視経路には、順に、1番目に巡視する機器のIDが212、2番目に巡視する機器のIDが232となっている。
図23は、個別巡視計画が格納されるテーブルの構成を説明する図である。
個別巡視計画が格納されるテーブルは、個別巡視グループID(2400)、その領域の次回巡視年(2401)、その領域の巡視コスト(2402)及び巡視経路(2403)を含む。巡視経路(2403)には、巡視する順に機器識別子が格納される。図示は省略するが、巡視経路(2403)には、巡視すべき設備数分の機器の識別子が格納されている。
例えば、データ(2406)では、個別巡視グループIDが1の個別巡視グループの次回巡視年は2010年である。前述したように、本実施形態の巡視計画生成処理(201)では、個別巡視グループ毎に巡視時期(Y年後)が出力されるので、出力された巡視時期を現在の日付に加算することによって、次回巡視年を計算することができる。また、本実施形態では人日を単位とする工数でコストを表しており個別巡視グループID1の巡視コストはこの実施形態では巡視コストを人日を単位とする工数で表しており、0.8人日となっている。巡視経路には、順番に、1番目に巡視する機器ID2、2番目に巡視する機器ID13となっており、省略しているが、巡視対象設備数分だけデータが記憶されている。領域巡視、個別巡視グループともに、設備状況データ206を参照することで、対象機器IDの設備の詳細情報を得ることができる。
次に、図24〜図30を参照して、システムの使用者(例えば、巡視計画の管理者、巡視作業者)に、巡視計画データ(108)を提示するため、入出力部(103)に表示されるGUI(Graphical User Interface)の一例について説明する。
本実施形態では、巡視計画最適化システムGUI(2500)は、webアプリケーションで実現しているが、これに限ったものではなく、Windowsアプリケーション(専用プログラム)等によって実現してもよい。
図24に示すように、巡視計画最適化システムGUI(2500)は、地図上で巡視計画が確認できる巡視計画表示ページと、巡視コスト等のデータを表示するグラフ表示ページとが選択可能に構成されており、巡視計画最適化システムGUI(2500)には、各ページの表示を選択するためタブ(2502、2503)が含まれる。
巡視計画表示ページが選択されると、入出力部(103)は、巡視計画生成部(102)によって生成された巡視計画を、巡視計画データ(108)から読み込み、GIS(Geographic Information System:地図情報システム)と連係し、実際の地図が表示される領域(2501)上に巡視計画を表示する。
また、巡視計画最適化システムGUI(2500)は、営業所選択領域(2504)、領域巡視表示選択領域(2505)、個別巡視表示選択領域(2506)、巡視計画更新領域(2507)及び現在日表示(2510)を含む。営業所選択領域(2504)では、どの営業所の管轄地域に対して巡視計画を表示するかの対象営業所が選択される。領域巡視表示選択領域(2505)では、領域巡視の実施年を選択することによって、選択された年に領域巡視が実施される領域を他の領域と区別できるように(例えば、ハイライト表示、色分け表示など)表示する。個別巡視表示選択領域(2506)では、個別巡視が実施される年を選択することによって、選択された年に実施される個別巡視グループを表示する。巡視計画更新領域(2507)で「計算開始」が操作されると、最新の履歴データ(107)、設備状況データ(106)及び経営データ(105)を用いて、巡視優先度計算処理(201)及び巡視計画生成処理(102)を実行し、最新の巡視計画に更新する。
なお、図24では、営業所選択(2504)においてAA営業所が選択されているので、AA営業所(2508)とその営業所の管轄領域(2509)が地図上に表示されている。ここでは、領域巡視表示選択(2505)と個別巡視表示選択(2506)はともに選択されていないので、巡視計画は表示されていない。
また、現在日表示(2510)には、現在の年月日が表示される。
さらに、本実施形態の巡視計画最適化システムは、GIS(Geographic Information System:地図情報システム)と連係しており、マウスホイールの操作等によって地図の縮尺を変更することができる。縮尺を大きくすると、図25に示すように、建物等の詳細を確認できる地図(2600)が表示され、該地図中には個々の設備(2601)、設備毎の機器ID(2602)及び次回要巡視時期(2603)が表示される。例えば、設備(2601)の機器ID(2602)は10921であり、次回要巡視時期(2603)は2010年であることが分かる。
次に、巡視計画表示ページにおける領域巡視表示について説明する。領域巡視表示選択領域(2505)において、領域巡視の実施年を選択することによって、図26に示すように、選択された年に実施される領域を他の領域と区別できるように(例えば、ハイライト表示、色分け表示など)表示する。例えば、領域巡視表示選択領域(2505)において2009年が選択(2700)された場合、2009年に領域巡視を実施すべき領域(例えば、2701)が地図上にハイライトされて表示される。なお、実施年毎に色分けして表示してもよい。さらに、詳細を確認したい領域上でマウスを操作することによって(2702)、図27に示すように、選択された領域の巡視経路ページ(2800)が新たに開かれ、選択された領域(2801)内の設備(2802)及び設備を巡視する経路(2803)が表示される。
次に、巡視計画表示ページにおける個別巡視表示について説明する。個別巡視表示選択領域(2506)において、個別巡視の実施年を選択することによって、図28に示すように、選択された年に実施される個別巡視グループを他の領域と区別できるように(例えば、ハイライト表示、色分け表示など)表示する。例えば、個別巡視表示選択領域(2506)において2010年を選択(2900)した場合、2010年に個別巡視を実施すべき個別巡視グループ(例えば、2901)が地図上にハイライトされて表示される。なお、実施年毎に色分けして表示してもよい。さらに、詳細を確認したい個別巡視グループ(例えば、gr10_2)上でマウスを操作することによって(2902)、図29に示すように、選択された個別巡視グループgr10_2の巡視経路ページ(3000)が新たに開かれ、選択された個別巡視グループgr10_2(3003)内の設備(3001)及び設備を巡視する経路(3002)が表示される。
次に、巡視コスト等のデータを表示するグラフ表示ページについて説明する。グラフ表示ページは、営業所選択領域(2504)、年別必要巡視コスト表示領域(3101)、年別領域巡視対象一覧表示領域(3107)及び年別個別巡視対象一覧表示領域(3108)を含むが、これ以外の情報を表示してもよい。
グラフ表示ページでは、まず、営業所選択領域(2504)において、グラフを表示する営業所を選択する。図30に示す場合、AA営業所が選択されているので、AA営業所の巡視計画のグラフ及び一覧表が表示されている。
年別必要巡視コスト表示領域(3101)では、横軸を年(3103)、縦軸を巡視コスト(3102)とした折れ線グラフによって、各年に必要な領域巡視コスト(3105)、個別巡視コスト(3106)及び全コスト(3104)を表示している。年別必要巡視コスト表示領域(3101)に表示されるコストは、人日を単位とする工数で表される。
年別領域巡視対象領域(3107)では、年毎(3109)に巡視すべき領域の数(3110)、巡視すべき設備の数(3111)及び巡視コスト(3112)を表形式で表示する。図30は、2009年から2012年までのデータが表示されている状態を示す。例えば、2009年のデータ(3113)では、2009年に巡視が必要な領域の数は20個であり、その領域内の設備数は1200個であり、それらの巡視のコストは120人日である。
年別個別巡視対象(3108)では、年毎(3117)に巡視すべき個別巡視グループの数(3118)、巡視すべき設備の数(3119)及び巡視コスト(3120)を表形式で表示する。図30は、2009年から2012年までのデータが表示されている状態を示す。例えば、2009年のデータ(3121)では、2009年に巡視が必要な個別巡視グループの数は5個であり、そのグループ内の設備数は100個であり、それらの巡視のコストは10人日である。
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態によると、予測された優先順位に従って巡視領域毎の巡視間隔を求めるため。優先順位が低い巡視対象設備が含まれる巡視領域は巡視間隔を大きくして、時間当たりの領域巡視回数が減少することができ、巡視コストを削減できる。また、巡視優先度が高い巡視対象設備が巡視領域内に存在する場合、当該設備を領域巡視対象から除外し個別巡視グループに含めることによって、前記巡視領域内の他の設備の巡視間隔を大きくすることができ、巡視コストを削減できる。そして、複数領域全体での巡視コストを最小化する領域毎の巡視間隔と個別巡視グループとの組み合せを含む最適巡視計画を出力するため、全体としてコストを削減した巡視計画を得ることができる。
<実施形態2>
本発明の第2の実施形態の巡視計画最適化システムの構成は、前述した第1の実施形態(図1)同じである。しかし、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、巡視計画生成部(102)による巡視計画生成処理(202)において、予測された設備毎の優先度に従って、領域毎の巡視間隔を変化させ、領域巡視のみで巡視を行う。よって、第2の実施形態では、巡視計画生成部(102)の処理内容について、図31及び図32を参照して説明する。なお、第2の実施形態のその他の構成及び処理は、前述した第1の実施形態と同じであるので、それらの説明は省略する。
図31は、第2の実施形態の巡視計画生成部(102)による巡視計画生成処理(202)のフローチャートである。
まず、巡視すべき対象の領域を設定し(3200)、対象領域内の設備のうち最も早期に巡視が必要な設備に合わせて、対象領域の巡視間隔を決定する(3201)。そして、全領域に対して処理(3200、3201)を繰り返す(3202)。
次に、図32を参照して、巡視計画生成処理を具体例を用いて説明する。
対象設備の設定(3200)において、巡視領域k(3300)内の設備の巡視優先度を計算した(200)結果が、次回要巡視時期分布(3303)である場合、最も早期に巡視が必要だと予測された設備(3301)の次回要巡視時期は4年後である。このため、処理(3201)では、最も早期に巡視が必要だと予測された設備(3301)に合わせて、領域巡視の間隔を4年に決定する。第2の実施形態では、予測された設備毎の優先度に従って、領域毎の巡視間隔を変化させ、領域巡視のみで巡視をする。第2の実施形態では、個別巡視は行われないため、個別巡視計画の作成に関する構成である巡視計画データ(108)の個別巡視計画が格納されるテーブル(図23)、及び、巡視計画最適化システムのGUI(2500)のうち個別巡視に関する表示画面(図28、図29)の表示機能は不要である。
以上に説明したように、本発明の第2の実施形態によると、各保全領域内で最優先の設備に合わせて領域巡視間隔を決定するため、信頼性を維持したまま巡視間隔を大きくすることができ、コストを削減した巡視計画を得ることができる。
<実施形態3>
本発明の第3の実施形態の巡視計画最適化システムの構成は、前述した第1の実施形態(図1)同じである。しかし、第3の実施形態では、第1の実施形態と異なり、巡視計画生成部(102)による巡視計画生成処理(202)において、保全領域は予め定められたものではなく、予測された設備毎の優先度に従って、設備を同時に巡視するグループを生成し、そのグループの範囲を保全領域として定める。よって、第2の実施形態では、巡視計画生成部(102)の処理内容について、図33及び図34を参照して説明する。
図33は、第3の実施形態の巡視計画生成部(102)による巡視計画生成処理(202)のフローチャートである。
第3の実施形態の巡視計画生成処理(202)は、配送計画問題の解法の一つである「ルート先・クラスタ後法」に基づいている。まず、処理対象の要巡視時期yを設定し(3400)、要巡視時期がyである全ての設備と営業所を通過する大きな巡回路を生成する(3401)。なお、第3の実施形態では、巡視時期を年単位で管理しているため、処理(3401)では、同じ巡視時期の設備を抽出したが、巡視時期が時間的により細かく設定されている場合、近い巡視時期の設備を抽出すればよい。
図34は、処理(3401)によって生成された巡回路の一例を示す。生成された巡回ロは、営業所(3501)、設備(3500)及び巡回経路(3502)を含む。このように全ての設備及び営業所を通過するように大きな巡回路の生成は、一般的な巡回セールスマン問題であり、巡回対象数が多くなると厳密な解を求めることが困難である。このため、現実的な時間で近似解を求めるための解法(例えば、局所探索法、遺伝的アルゴリズム、焼きなまし法等)が提案されている。
次に、この大きな巡回路を、1.0人日で巡視可能なグループに分割する(3402)。図35は、処理(3402)によって生成された巡視グループの一例を示す。生成された巡回路は複数の巡視グループ(3600)に分割されている。これは、巡視の始点である営業所(3601)から巨大な巡回路を辿りながら巡視コストを計算していき、1.0人日を超える前の巡視対象設備までを1グループとし、再び営業所(3601)を始点として同じ処理を繰り返す。以上の処理を、全ての巡視対象設備(3500)に対して繰り返し計算することによって、要巡視時期が定まった複数の巡視グループを得ることができる。そして、各グループを巡視領域に定める。
第3の実施形態では、設備毎の予測された優先度に従って、巡視時期が同じ設備を巡視グループにまとめ、そのグループを巡視領域に定めるため、巡視の種類は領域巡視のみとなる。よって、それに応じて、巡視計画データ(108)の個別巡視計画が格納されるテーブル(図23)、及び、巡視計画最適化システムのGUI(2500)から個別巡視に関する表示画面(図28、図29)の表示機能は不要である。
以上に説明したように第3の実施形態では、設備の巡視優先度及び設置位置から最適な巡視領域を定めるため、効率的な巡視計画を作成することができる。
以上、本発明を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。例えば、本発明は、電力配電設備における電柱、水道、ガス、鉄道等、広範囲に数多く散在する設備の巡視、検査等の保全業務に対して適用可能である。

Claims (15)

  1. 区分されている複数の管理領域内の検査対象の巡視計画を作成する管理システムであって、
    前記検査対象の検査の期限及び位置情報を格納するデータベースと、
    前記検査対象を巡視するコストを前記位置情報に基づいて計算する計算部と、
    前記計算結果に基づいて、検査対象を巡視する計画を生成する計画生成部と、を備え、
    前記計算部は、前記管理領域内の前記検査対象を第1の期限で同時期に巡視する場合の第1のコストと、前記管理領域内の前記検査対象の一部を前記第1の期限で個別に巡視し、当該管理領域内の他の検査対象を前記第1の期限より長い第2の期限で同時期に巡視する場合の第2のコストと、を計算し、
    前記計画生成部は、
    前記計算された第1のコストと、前記計算された第2のコストとを比較し、
    前記各管理領域内の前記検査対象を巡視する期限と、前記個別に巡視する検査対象とが組み合わされた巡視計画を、前記比較の結果に基づいて作成することを特徴とする管理システム。
  2. 前記計画生成部は、
    前記個別に巡視する前記検査対象と、他の管理領域内の個別に巡視する前記検査対象とでグループを構成し、
    前記構成されたグループに含まれる検査対象を同時期に巡視する巡視計画を作成することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
  3. 前記計画生成部は、単位時間当たりのコストが最低となる組み合わせを生成することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
  4. 前記計画生成部は、前記第1のコストと前記第2のコストとを、単位時間当たりのコストで比較することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
  5. 前記計画生成部は、
    各管理領域において前記第1のコストと前記第2のコストの差を計算することによって、両コストを比較し、
    前記組み合わせを決定するための評価指標として、前記計算されたコストの差を格納することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
  6. 前記計画生成部は、前記各管理領域で保持される前記評価指標の中で、前記第1のコストより前記第2のコストが最も低くなる管理領域内の前記検査対象の一部を個別に巡視し、当該管理領域内の他の検査対象を前記所定の期限より長い期限で同時期に巡視する巡視計画を作成することを特徴とする請求項5に記載の管理システム。
  7. 前記計画生成部は、
    デジタル化された地図情報を取得し、
    前記作成された巡視計画及び当該巡視計画に含まれる前記検査対象の情報を、前記取得した地図情報と重畳させて表示することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
  8. 前記データベースに格納された情報に基づいて、前記検査対象の検査の優先度を計算し、前記計算された優先度から前記巡視の期限を計算する優先度計算部を備えることを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
  9. 前記優先度計算部は、前記検査対象が故障した時の影響度、前記検査対象の設置環境による故障情報、及び前記検査対象が過去に検査又は故障した履歴情報に基づいて、前記巡視の期限を計算することを特徴とする請求項8に記載の管理システム。
  10. 前記巡視の期限は、前記各巡視領域内で前記優先度が最も高い検査対象に基づいて定められることを特徴とする請求項8に記載の管理システム。
  11. 前記各管理領域は、各検査対象の前記優先度及び前記位置情報に基づいて計算された前記コストに基づいて定められることを特徴とする請求項8に記載の管理システム。
  12. 区分されている複数の管理領域内の検査対象の巡視計画を作成する管理方法であって、
    前記検査対象の検査の期限及び位置情報を格納する第1ステップと、
    前記管理領域内の前記検査対象を第1の期限で同時期に巡視する場合の第1のコストを、前記位置情報に基づいて計算する第2ステップと、
    前記管理領域内の前記検査対象の一部を前記第1の期限で個別に巡視し、当該管理領域内の他の検査対象を前記第1の期限より長い第2の期限で同時期に巡視する場合の第2のコストを、前記位置情報に基づいて計算する第3ステップと、
    前記計算された第1のコストと、前記計算された第2のコストとを比較する第4ステップと、
    前記各管理領域内の前記検査対象を巡視する期限と、前記個別に巡視する検査対象との組み合わせを、前記第4ステップにおける比較の結果に基づいて決定する第5ステップと、
    前記第5ステップで決定された組み合わせに基づいて巡視計画を作成する第6ステップとを含むことを特徴とする管理方法。
  13. 前記第5ステップでは、
    前記個別に巡視する前記検査対象と、他の管理領域内の個別に巡視する前記検査対象とでグループを構成し、
    前記構成されたグループに含まれる検査対象を同時期に巡視する巡視計画を作成することを特徴とする請求項12に記載の管理方法。
  14. 前記第5ステップでは、単位時間当たりのコストが最低となる組み合わせを決定することを特徴とする請求項12に記載の管理方法。
  15. 前記第2ステップでは、単位時間当たりの前記第1のコストを計算し、
    前記第3ステップでは、単位時間当たりの前記第2のコストを計算し、
    前記第4ステップでは、前記第1のコストと前記第2のコストとを、単位時間当たりのコストで比較することを特徴とする請求項12に記載の管理方法。
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