JP5352440B2 - 保全管理システム、保全管理方法および保全管理プログラム - Google Patents

保全管理システム、保全管理方法および保全管理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、保全管理システム、保全管理方法および保全管理プログラムに関し、特に、広大な地域に設置される設備に対して保全を効率的に行える指示を出力する技術に関する。
電力需要の伸びが鈍化している昨今、連携された線区で構成される面当りの設備量増強がもたらす信頼性の向上が期待できず、保全管理への関心が強くなっている。保全の効率化のために様々な技術が提案されているが、保全は大きく事後保全と予防保全との2種類に分類される。
事後保全とは、故障が起こった後に設備を運用可能状態に回復するために行う保全である。
一方、予防保全では、設備の状態変化をきっかけとして保全作業が行われる。しかし、数キロ平米から数百キロ平米に設置された設備(例えば、電力の配電設備や送電設備)への予防保全を行うと、地理的に大きく隔たった設備を状態変化が発生するたびに保全することになり移動工数が大となり業務に支障が生じる。
特許文献1では、このような広域設備での予防保全を効率化するために、設備状態変化を予想して、保全での移動をスケジューリングすることで移動工数を削減することが行われている。
特願2008−129016号公報
特許文献1では、配電幹線(高圧線)の一つ一つの線区や単体設備を単位に保全を計画している。しかし、実際の電力事業者では作業の合理性から、地域を管理区と呼ばれる小エリアに分割し、管理区を単位に保全の業務が行われている(例えば、(財)エネルギー総合工学研究所の「新電力ネットワークシステム実証実験 新電力ネットワーク技術に関する総合調査経過報告」(平成18年3月)、1-61ページ)。なお、管理区の地域範囲には、高圧配電線を開閉器で区切った線区だけではなく、低圧への変圧器や、低圧配電線、電柱、鉄柱、高圧配電線の幹線部分と支線部分などさまざまな設備が設置されている。
つまり保全業務は管理区の単位で行うため、一つ一つの線区や設備を単位にした保全スケジュールでは要員の割り当てなどが困難で、保全業務が行いにくいという問題がある。
本発明の目的は、上記実情を鑑み、保全を効率的に行うことが可能な保全管理システム、および保全管理方法、保全管理プログラムを提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明に関わる保全管理システムは、地域を分割した管理区に関して管理区の位置座標データと管理区の保全についての時間データを含むデータを記録する管理区データ記録手段と、管理区同士の類似度を算出する類似度算出手段と、類似度がある管理区を抽出したグループであるところの保全管理区を算出する保全管理区算出手段と、保全管理区を単位として保全指示を出力する保全指示出力手段とを備えている。
本発明によれば、地域の管理区を単位に管理される設備に対しても、効率的に保全を行うことができる保全管理システム、保全管理方法、保全管理プログラムを実現することが可能となる。
本発明の実施形態に係わる巡回保全管理システムのハードウェアの構成例を示すブロック図である。 第一の実施形態の計画執行管理装置の構成を示すブロック図である。 第一の実施形態の計画執行管理装置による巡回保全管理システムSの処理を示すフローチャートである。 第一の実施形態の計画執行管理装置の巡回保全管理システムの処理のデータの授受関係を示すデータフロー図である。 連関信頼度算出(ステップ31)の処理の詳細を示すフローチャートである。 損耗状態遷移管理(ステップ32)の処理の詳細を示すフローチャートである。 保全期限算定(ステップ33)の処理の詳細を示すフローチャートである。 制約管理(ステップ34)の処理と巡回保全決定(ステップ35)の処理の詳細を示すフローチャートである。 連関信頼度算出(ステップ31)を説明するための図である。 劣化遷移モデルの1例を示す図である。 変電所を中心にした分割の例を示す図である。 保全成績を事後保全として壊れた設備を修繕した回数をもって評価した結果を示す図である。 (a)は、本実施形態の巡回保全を行った場合の週毎の修繕工事の回数を示した図であり、 (b)は、従来の比較例の定期保全による週毎の修繕工事の回数を示す図である。 第二の実施形態での、制約管理(ステップ34)の処理と巡回保全決定(ステップ35)の処理の詳細、及び保全指示出力を示すフローチャートである。 第二の実施形態での、地域の管理区を図示したものである。 第二の実施形態での、保全管理区への分割(ステップ1404)の処理により得られた保全管理区を図示したものである。 第二の実施形態での、保全管理区調整(ステップ1405)の処理により、調整を行った得られた保全管理区を図示したものである。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<<本発明の第一の実施形態>>
まず、本発明の第一の実施形態を説明する。
<<計画執行管理装置1の概要>>
図1は、本発明の第一の実施形態に係わる巡回保全管理システムSのハードウェアの構成例を示すブロック図である。本発明の実施形態は、電力の配電設備の保全の作業計画を立案する計画執行管理装置1の巡回保全管理システムS(図1参照)に適用したものである。図4は、計画執行管理装置1の巡回保全管理システムの処理のデータの授受関係を示すデータフロー図である。
図1に示す計画執行管理装置1の処理は、図4に示すように、配電設備の各線区B21、B31、B41、B51、…(図1参照)の故障していない確率の目標値である目標健全度を算出する連関信頼度算出(ステップ31)と、配電設備の線区の損耗状態の遷移を管理する損耗状態遷移管理(ステップ32)と、配電設備の線区の保全の期限を算定する保全期限算定(ステップ33)と、保全作業の標準時間、作業場所間の移動時間等を管理する制約管理(ステップ34)と、これらの機能の処理結果を用いて最終的に作業計画を立案する巡回保全決定(ステップ35)とを備えている。
この構成により、配電設備の保全の作業計画を立てるに際して、図1に示す配電設備の各線区B21、B31、B41、B51、…の構造および信頼度、損耗状態等を用いて保全の期限を設定し、さらに保全作業の作業時間、作業場所間の移動時間等を勘案して、保全の作業計画を立案することにより、配電設備の保全作業の効率化を図ったものである。
なお、本発明の実施形態は、広域に配置された設備を電力の配電設備であるとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<<巡回保全管理システムSの全体構成>>
図1に示す巡回保全管理システムSは、配電設備の保全計画を立案する処理を行う計画執行管理装置1と、配電設備の状態を監視する配電遠隔監視装置2と、外部に設置された配電設備の開閉器21、31、41、51、61、…等の設備や装置との通信を行うための通信ネットワーク3とを具備し構成されている。ここで、計画執行管理装置1および配電遠隔監視装置2は、広域、例えば県における幾つかの市に1箇所設置される営業所や大きな1つの市に1箇所設置される営業所などに配置されている。以下、巡回保全管理システムSの各部の構成について詳細に説明する。
<配電遠隔監視装置2>
図1に示す配電遠隔監視装置2は、開閉器21、31、41、51、61、…(図1中の三角で示す)等の状態を認識することにより、市街地等における所定距離の電線等を形成する各線区B21、B31、B41、B51、…の通電状態を監視する装置である。
例えば、停電が発生した際、配電自動化システムによって、開閉器21、31、…を一旦、オフした後、タイマを用いて開閉器21、31、…を順番にオンすることにより、配電遠隔監視装置2を用いて、どの線区B21、B31、…で地絡、断線等の故障が発生しているか認識する。
なお、1つの線区は、例えば、約200mから約500mの距離があり、トランスを介して一般顧客60軒程度に配電している。
<通信ネットワーク3、携帯端末4a、4b等>
通信ネットワーク3は、インターネット等の通信ネットワークであり、電力設備の保全要員が現地で入出力を行うPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末4a、4b、…や、変電所20、30、40、50、…との情報通信の接続の役割を担っている。
保全要員は、現地に出向き線区21、B31、…等の劣化状態を、携帯端末10、11、…を用いて入力し、この入力データが、通信ネットワーク3を介して計画執行管理装置1に送信され、計画執行管理装置1による巡回保全管理システムSの処理に用いられている。
なお、通信ネットワーク3は、WAN(Wide Area Network)、専用線等に接続されていてもよく、限定されない。
<配電構成>
図1に示すように、各変電所20、30、40、50、…からは、それぞれ配電線路L2〜L6、…が引き出されており、一般家庭等に電力の供給が行われている。
配電線路L2〜L6を構成する配電線は、開閉器21〜23、31〜33、41〜43、51〜53、61〜63により電気的に接続されており、開閉器21〜23、…間の配電線は線区B21、B31、…と称される。
これにより、開閉器21〜23、31〜33、41〜43、51〜53、61〜63を閉じて各線区B21、B31、…の電気的な接続を行う一方、開閉器21〜23、…を開けて電気的な切断を行うように構成されている。例えば、線区B21、B31、…に対して、ある線区の中で発生した地絡事故などの影響を他の線区に波及させないために線区の両端の開閉器21〜23、…を開ける、すなわち電気的な接続を切断することが可能になっている。
また、配電線路L2〜L6には、開閉器21〜23、…に加えて、配電線を接続する連絡用開閉器34、54(図1中の四角で示す)が設置されている。
連絡用開閉器34、54は、通常は開状態、すなわち電気的に切断されているが、停電発生などの事故時に閉じることで、配電線を跨って負荷側健全区間に対して電力の供給を行うことができる。
例えば、図1において、変電所50の管轄の線区B52で地絡等の事故が発生した場合、連絡用開閉器54が無い場合には、線区B52の先の線区B53、B54への配電は停止してしまうが、連絡用開閉器54を備えることで、線区B52での事故時、連絡用開閉器54を閉じることにより、線区B64から配電線を跨って、線区B54、B53に電力を供給することができる。これにより、最小限の線区での停電にとどめることができる。
また、これらの開閉器21〜23、…や連絡用開閉器34、54の開閉状態や配電線の各線区B21、B31、…の事故状態に関する情報は、変電所を経由して、ネットワーク3に接続される配電遠隔監視装置2、計画執行管理装置1等へ送信されている。
<<計画執行管理装置1>>
図2は、計画執行管理装置1の構成を示すブロック図である。
計画執行管理装置1は、例えば、サーバであり、CPU(Central Processing Unit)10と、主記憶装置であるメインメモリ11と、巡回保全管理システムSを稼働させる巡回保全管理システムプログラムが格納される記憶装置12と、キーボード、ディスプレイ装置、図1に示す通信ネットワーク3に接続される外部通信端子等の入出力インタフェース13とを備え構成されており、これらの各構成要素はバスb等により接続されている。
記憶装置12は、HDD(Hard Disk Drive)等により構成され、図2に示すように、線区B21、B31、…等(図1参照)の単一若しくは複数の設備から成る管理単位の目標信頼度を付与する設備の健全度を算出する連関信頼度算出部14、設備の損耗状態の遷移構造を与える損耗状態遷移管理部15、各々の要所や区間の信頼度が目標とする水準を満足するための保全作業に関わる期限を算出する保全期限算定部16、現場要員の移送に関する制約や、移動工量・作業量の受入可能量を捕捉して記録する制約管理部17、保全対象への出向を指示する巡回スケジュールを算出する巡回保全決定部18等の機能を実現する巡回保全管理システムプログラムを格納している。
CPU10は、巡回保全管理システムSを稼動させるに際して、そのプログラムを記憶装置12からメインメモリ11に読み込んで実行し処理を行うことにより各機能を具現化する。
なお、前述の14、15、16、17、18の機能は、ハードウェアにより実現してもよい。また、前述の機能を実現するためのプログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の記憶媒体から移行してもよいし、ネットワーク3経由で他の装置からダウンロードしてもよい。
<<計画執行管理装置1による巡回保全管理システムSに係わる保全業務>>
次に、巡回保全管理システムSに関係する保全業務について説明する。
保全活動は多岐にわたっており、主として、予防保全、障害対応、保守管理の3つがあり、その概要は次の通りである。
第1の予防保全は、稼働中の配電システムが正しく動作していることを確認すると共に、障害の発見及び故障に至る予兆を予見あるいは発見し、必要な対策を行うための活動である。点検、定期交換などがこれに該当する。
点検は、配電設備の各装置の状態を調査する活動である。例えば、人間の五感を用いて、電線路付近の樹木、建造物、他の工作物との交差や近接の状況など、配電線の電線路に支障を及ぼす恐れのある状況を発見する。或いは、電気測定具や光学器具や工具を用いて、例えば、基礎部に関して、コンクリートの地盤の状態、部材の変形湾曲、部材やボルトの発錆程度、ボルトの緩み、接地抵抗を調査したり、電線に関して、腐食、損傷、放電痕その他の異常を調査したり、碍子に関して、亀裂、取り付け緩み、架線金具の変形ほかの異常を調査する。
第2の障害対応は、稼働中のシステムに障害が発生した際に、故障部位を見つけ出し、故障部位を交換、修理することなどによって、システムを健全な状態に復旧するための活動であり、障害復旧がこれに該当する。これ以外に、障害原因調査、障害対策などの活動を含む場合がある。
第3の保守管理は、第1の予防保全と第2の障害対応を適切かつ効率的に実施するための要員、資機材等の資源を確保し、実施した業務の記録を管理することである。
本実施形態では、保守管理の一貫として、予防保全、障害対応を実施するための資源の確保のため、様々なモニタリング手段を通して設備状態、要員状態を把握し、適切かつ効率的な活動の計画と管理を行っている。
<<巡回保全管理システムSの計画執行管理装置1による処理>>
次に、図3〜図8を用いて、巡回保全管理システムSの処理を説明する。なお、図3は、計画執行管理装置1による巡回保全管理システムSの処理を示すフローチャートである。
図4は、図3に示す計画執行管理装置1の処理に関わる主要なデータの授受関係を示している。
図3、図4に示すように、計画執行管理装置1による巡回保全管理システムSの処理は、系統の線区B21、B22、…(図1参照)が満たすべき目標健全度を、系統の線区B21、B22、…毎の目標信頼度{r(i)}と系統連携構造のデータNおよび開閉器21〜23、…の開閉状態を示すデータZから求める連関信頼度算出(ステップ31)を有している。なお、健全度とは、ある設備が故障していない確率を表す度数であり、目標健全度とは、健全度の目標値である。また、信頼度とは、設備が果たすべきサービスであるところの通電が果たせているかの確率を表す度数であり、目標信頼度とは、信頼度の目標値である。
さらに、計画執行管理装置1による巡回保全管理システムSの処理は、設備の線区B21、…の損耗状態の遷移構造(図10参照)を与える損耗状態遷移管理(ステップ32)、保全作業に関わる期限を算出する保全期限算定(ステップ33)、主として現場要員に関わる制約を記録する制約管理(ステップ34)、保全に関わる巡回スケジュールを算出する巡回保全決定(ステップ35)を備えている。
ここで、連関信頼度算出(ステップ31)、損耗状態遷移管理(ステップ32)、保全期限算定(ステップ33)、制約管理(ステップ34)、巡回保全決定(ステップ35)の各処理は、前記したように、それぞれ図2に示す記憶装置12に格納される連関信頼度算出部14、損耗状態遷移管理部15、保全期限算定部16、制約管理部17、巡回保全決定部18の対応するプログラムを実行することにより、行われるものである。
以下、計画執行管理装置1の処理の詳細を説明する。
<<連関信頼度算出(ステップ31)(図3、図4参照)>>
次に、図3、図4に示す連関信頼度算出(ステップ31)について、図5に従って説明する。なお、図5は、図3に示す連関信頼度算出(ステップ31)の処理の詳細を示すフローチャートである。
この連関信頼度算出(ステップ31)の処理は、図1に示す計画執行管理装置1により、該当する連関信頼度算出部14のプログラムを実行することにより行われる処理である。
処理が開始されると、まず、図1に示す配電遠隔監視装置2から、系統の電線の線区B21、B22、…の接続分岐の構造と開閉器21〜23、…の設置箇所を表わすグラフである系統連携構造データN(図1参照)と、系統情報の開閉器21〜23、…の開閉状態を示すデータZ(線区B21、B22、…を挟む区分の開閉器21〜23のオン/オフ状態から線区の障害の有無が分かる)を取得する(図5のステップ401)。また、Nの系統の線区B21、B22、…毎の目標とする信頼度{r(i)}が保全要員により入力され、信頼度{r(i)}を取得する(図5のステップ402)。なお、iは、各線区B21、B22、…を識別する通し番号である。
信頼度{r(i)}は、このように、図2に示す入出力インタフェース13を介して入力してもよいし、事前に予め入力したデータを記憶装置12(図2参照)に保存しておき、処理時点で記憶装置12から読み出し使用してもよい。
続いて、目標健全度a´を算出する(図5のステップ403)。なお、健全度aとは、ある線区の設備が故障していない確率を表す度数であり、ある線区の設備自体は故障していなくとも、接続する電源側の設備の故障により通電が果たすことができないことがある。例えば、図1において、線区B53は、故障していなくとも、接続する電源側の線区B52の故障により通電が果たすことができない場合である。目標健全度a´とは、文字通り健全度aの目標値である。図5のステップ403は、下記のように行われる。
ある線区、例えば、図9に示す線区B53に対して、変電所50を起点にして開閉器51、…(図9中、三角印で示す)で仕切られた線区B51、B52、…を繋いで到達可能なパスを、前述の系統連携構造データNと開閉器状態データZを参照して列挙する。例えば、線区B53に対しては「B51→B52→B53」(パス1)と「B61→B62→B63→B64→B54→B53」(パス2)と列挙する。そして、線区B51、…の健全度を表わす変数a(i)を用いて、列挙したパスによる線区B53の信頼度の表現式を得る。なお、図9は、連関信頼度算出(ステップ31)を説明するための図である。
例えば、図9に示すように、
パス1の信頼度r(B51→B52→B53)=a(B51)×a(B52)×a(B53)
であり、
パス2の信頼度r(B61→B62→B63→B64→B54→B53)=a(B61)×a(B62)×a(B63)×a(B64)×a(B54)×a(B53))
である。
線区信頼度目標値r(B53)^に対して、列挙したパスによる信頼度が同等以上になるように、列挙したパス上の線区iの目標健全度a´(i)を更新する。
前述の例では、パス1もしくはパス2によりB53への供給が行われるので、線区B53の信頼度r(B53)は、両方のパスが同時に障害を起こさない確率であるところの
r(B53)={1−(1−r(B51→B52))×(1−r(B61→B62→B63→B64→B54)}×a(B53)
である。すなわち、パス1(B53は除く)の信頼度の逆の故障度とパス2(B53は除く)の信頼度の逆の故障度との乗算値を1より減算しパス1、パス2(B53は除く)の信頼度が求められ、このパス1、パス2の信頼度の値に線区B53の健全度a(B53)を乗算することにより、B53の信頼度r(B53)が求められる。
各線区の健全度a(B51)〜a(B64)がある値aを取るものとした場合、図9に示すように、線区B53までのパス1は、線区B51、52の2つが有るので、パス1の健全度は、aであり、一方、線区B53までのパス2は、線区B61、B62、B63、B64、B54の5つが有るので、パス2の健全度は、aである。
従って、パス1の健全度aを1より減算するとともに、パス2の健全度aを1より減算し、これらの減算値を乗算した値(パス1またはパス2の少なくとも何れかが故障している確率)を1より減算することで、線区B53に至るパス1およびパス2の信頼度が求まる。この値に線区B53自身の健全度aを乗算することにより、線区B53の信頼度r(B53)が求まる。すなわち、線区B53の信頼度r(B53)は、次式となる。
r(B53)={1−(1−a)(1−a)}×a … (1)
そして、r(B53)が線区B53の目標信頼度r(B53)^を満たすaの下限を、(1)式より求め、これをパス上の線区i(B51、B52、B61、B62、B63、B64、B54、B53)に対して目標健全度a´(i)の値として更新する。但し、既定の健全度aが目標健全度a´より大きな値が与えられているときは書き換えない。
上記の処理を全ての線区に対して、繰り返し行うことにより、線区の目標健全度a´(i)を得る。なお、iは、各線区を表す変数である。
ここで、特定の線区jに対して特に目標健全度a´(j)が与えられている、或いは実際の健全度が観測されている場合には、それらの値を目標健全度a´(i)の初期値として与えてもよい。(図5のステップ403)
続いて、全ての線区に対して、繰り返し計算により得た線区の目標健全度a´(i)を出力する。(図5のステップ404)
以上が、連関信頼度算出(ステップ31)(図3、図4参照)の処理である。
<<損耗状態遷移管理(ステップ32)(図3、図4参照)>>
次に、図3、図4に示す損耗状態遷移管理(ステップ32)の処理について、図6に従って説明する。なお、図6は、損耗状態遷移管理(ステップ32)の処理の詳細を示すフローチャートである。
損耗状態遷移管理(ステップ32)の処理においては、各線区iに関して、図10に示す劣化遷移モデルを管理している。なお、図10は、劣化遷移モデルの1例を示す図である。
図10に示すように、線区B21、B22、…内の設備が、初期D1の状態から、微劣化D2の状態、重劣化D3の状態を経て、実際に故障Fするまでの遷移状態を多段の状態としている。例えば、海沿いで塩害が生じる設備からなる線区であれば、洗浄済みの状態(初期D1)、碍子に塩が付着し始めた状態(微劣化D2)、碍子に塩が結晶化しだした状態(重劣化D3)を経て、短絡事故(故障F)が生じる。別の例では、山中において、周辺伐採が済んだ状態(初期D1)、周辺に枝が迫った状態(微劣化D2)、一部の枝が配電線にかかった状態(重劣化D3)、配電線を跨いだ枝による短絡事故(故障F)との状態を遷移する。
以下、図3、図4に示す損耗状態遷移管理(ステップ32)について、図10を参照しつつ、図6に従って説明する。
まず、図6のステップ501において、前の計画執行期間において行った点検および修繕の結果を元に、線区の状態、すなわち、初期D1状態、微劣化D2の状態、重劣化D3の状態、故障Fを設定する。点検が行われていない線区については、前の計画執行期間で得た状態分布、すなわち図10に示す何れの劣化状態をとるかの分布を複写する。
続いて、図6のステップ502において、経年変化処理が行われる。統計的に得ている状態遷移確率、すなわち図10中に示すq1〜q3等の値で表わされる劣化状態が進行する確率を乗じることで、前期間における状態分布pre_m(i)から、今期間末における劣化の状態分布m(i)を得る。
続いて、図6のステップ503において、図10に示す劣化遷移モデルである損耗状態遷移構造を線区毎に出力する。
以上が、損耗状態遷移管理(ステップ32)(図3、図4参照)の処理である。
なお、この例では、設備の損耗状態を初期D1、微劣化D2、重劣化D3、故障Fの複数の段階に分類する場合を例示したが、設備の損耗状態を連続値によって分類してもよい。
<<保全期限算定(ステップ33)(図3、図4参照)>>
次に、図3、図4に示す保全期限算定(ステップ33)の処理について、図7を用いて説明する。なお、図7は、保全期限算定(ステップ33)の処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、前記の連関信頼度算出(ステップ31)(図5参照)で得た線区毎の目標健全度{
a´(i)}を取得し(図7のステップ601)、前記の損耗状態遷移管理(ステップ32))(図6参照)で得た線区毎の図10に示す損耗状態遷移構造と今期間末における劣化の状態分布m(i)と状態遷移確率を表すデータW(i,m,q)を取得する。なお、データW(i,m,q)におけるiは、各線区を示す番号であり、mは、該線区iの劣化の状態を示している。データW(i,m,q)におけるqは、該線区iの遷移確率の列であり、例えば、図10において、線区の状態が微劣化の状態D2にある場合、重劣化の状態D3になる確率qが8割、現状維持である確率が1割、点検・修繕の結果、初期状態D1になる確率1割などの8割、1割、1割の遷移確率の列が相当する。(図7のステップ602)
続いて、全ての線区iについて、線区iが故障F(図10参照)の状態に至る確率、すなわち健全でなくなる確率をWから求め、これと目標とする故障率である(1−a´(i))を比較する(図7のステップ603)。
図7のステップ603において、目標とする故障率(1−a´(i))よりも故障に至る確率が高い線区jであると判断された場合(図7のステップ603でYes)には、保全期限t(j)^を次の通り算出する。(ア)劣化状態の分散が所定値よりも小さいものについて、故障確率が高い順に線区を並べ保全期限を割当てる。(イ)劣化状態が広い分布をとる線区(つまり所定期間点検を行っていない線区)を列挙し、線区の番号順に保全期限を割当てる。(ステップ604)。
一方、図7のステップ603において、目標とする故障率以下の故障に至る確率の線区jであると判断された場合(図7のステップ603でNo)には、そのまま処理を終了する。
以上が、保全期限算定(ステップ33)(図3、図4参照)の処理である。
<損耗状態遷移管理(ステップ32)と保全期限算定(ステップ33)の変形形態>
前記の損耗状態遷移管理(ステップ32)(図6参照)と保全期限算定(ステップ33)(図7参照)に代替して、次のようにしてもよい。
損耗状態遷移管理(ステップ32)は、前期間における状態分布pre_m(i)から、今期末における劣化状態分布m(i)_0を求め、さらに状態遷移確率を用いて1期先、2期先とk期先、例えば、10年に相当の期間までの劣化状態分布m(i)_kを求め、劣化状態分布の列{m(i)_k}として出力する。
保全期限算定(ステップ33)の処理では、劣化状態分布時系列{m(i)_k}から、それぞれの期で故障確率、すなわち分布のうちで、図10に示す「故障F」の状態をとる割合を求めることで、各線区iに対して故障確率の時系列{F(i)_k}を求める。これと故障率(1−a´(i))を比較し、これを超えない故障確率時系列{F(i)_k}上の時点k0を求め、このk0を、線区iの保全期限とする。なお、a´(i)は、前記したように、区間iの目標健全度である。
<<制約管理(ステップ34)および巡回保全決定(ステップ35)(図3、図4参照)>>
次に、図3、図4に示す制約管理(ステップ34)および巡回保全決定(ステップ35)について、図8に従って説明する。
なお、図8は、制約管理(ステップ34)の処理と巡回保全決定(ステップ35)の処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、制約管理(ステップ34)では、ある線区jの長さ、地形、設備の種別と量から統計的に得られている保全作業にかかる標準時間s(j)と、一つ前の線区iから線区jへの移動にかかる標準的な移動時間d(i,j)をテーブルデータとして保持し、この移動時間d(i,j)に悪天候による保全時間増しや、災害による道路分断による移動時間増しの補正処理を施した上で、呼び出しに応じて出力する。なお、保全の出発点である営業所は特別な線区0としてデータ化する。なお、好ましくは、制約管理(ステップ34)は、保全期限と、保全にあたる要員の移動ならびに受入可能な作業量を、図2に示す記憶装置12に格納される制約データベース(図示せず)に記録し更新し続ける。(図8のステップ701)。
続く巡回保全決定(ステップ35)の処理においては、保全領域を次の方法で分割する計画執行にあたる期間の営業日数、例えば20日間の数により地域を分割する。好ましくは、図11に示すように、変電所50を中心に分割線を引き、一つの領域における作業量の総和Σs(j)(jはある領域に含まれる線区)が均等になるように分割線を引く。
なお、図11は、変電所50を中心にした分割の例を示す図であり、線区は、ノードとして塗り円で示している。
図11においては、他の変電所に関わる作業との均等化もされ、該変電所50の配電地域は4分割(4営業業日分)が行われている。(図8のステップ702)
続いて、分割した領域を代表する保全期限を求め、これにより各々の領域の順位付けを次の方法で行う。まず、領域に含まれる線区B21、B22、…の保全期限のうち、最も保全期限の差し迫ったものをその領域全体の代表保全期限とする。次に、代表保全期限が差し迫っている順に、領域に対する保全順位を割当てる。例えば、図11においては、保全期限が2008.6.20である領域が最優先となり、この領域全体の代表保全期限となる。(図8のステップ703)。
最後に、期間中の保全を、領域の優先順に、日毎に一つの領域として割当てる。日内の保全の巡回路は、移動距離の総時間が最短になるように割当てる。(図8のステップ704)
なお、図8のステップ702〜704に代わり、保全期限の差し迫った順に保全巡回路を設定するようにしてもよい。この方法は、特に保全期限が差し迫っている線区が複数の領域を跨って複数存在するような場合に有効である。
このようにして、図4に示す作業計画{U (k)}が立案される。
なお、制約管理(ステップ34)によって制約データベースに記録した保全期限と、保全にあたる要員の移動ならびに受入可能な作業量を、図8のステップ702〜704の処理に適宜、用いることにより、より実状に適合したきめ細かな作業計画{U (k)}を立案することができる。
以上が、制約管理(ステップ34)および巡回保全決定(ステップ35)(図3、図4参照)の処理である。
<<作用効果>>
次に、本実施形態の作用効果を、図12、図13を参照して、説明する。
図12は、保全成績を事後保全として壊れた設備を修繕した回数をもって評価した結果を示す図である。
図12に示すように、従来の比較例の4半期の間の修繕回数が約150回であったのに対し、実施形態によれば約140回に減少している。
これは、次の現象として説明される。従来の比較例の定期保全では、一律的な定期交換が行われ、これが修繕工事の回数を嵩上げしている原因である。何故なら、一律的な定期交換のため、必要性の薄い線区に対しても保全を行っていることに起因する。
これに対して、本実施形態によれば、信頼度が規定値よりも高い、すなわち保全の必要性の薄い線区に対しては、保全が実施されるまでの間隔が、従来の定期保全によりも延伸される効果が得られるため、全体の保全回数が減少している。これにより修繕にかかる費用が削減され得る。
図13(a)は、本実施形態の巡回保全を行った場合の週毎の修繕工事の回数を示した図であり、図13(b)は、従来の比較例の定期保全による週毎の修繕工事の回数を示す図である。図13(a)と図13(b)を比較すると、本実施形態を示す図13(a)によれば、週毎の工事回数がほぼ同回数に近く平準化されていることが分かる。
これは、図3、図4に示す保全期限算定(ステップ33)において、目標とする健全度から保全期限を設定し、図3、図4に示す巡回保全決定(ステップ35)において、日毎の保全順路を設定したことで、不意の障害の発生による事後的な修繕工事が、目標とする健全度から保全期限を設定し保全を行ったことにより減少し、計画的な保全の点検・交換が行われたことによるものである。
<<本発明の第二の実施形態>>
次に本発明の保全管理システムの第2の実施形態に関わる巡回保全管理システムを説明する。本実施形態は第一の実施形態で説明した図2、図3の制約管理(ステップ34)と巡回保全決定(ステップ35)に違いがある。なお、本実施形態での巡回保全管理システムの構成、機能、処理手順等は、特に変更例を示さない箇所に関しては前述の第一の実施形態と同じである。
<<第二の実施形態における、制約管理(ステップ34)及び巡回保全決定(ステップ35)(図3、図4参照)>>
次に、本実施形態の制約管理(ステップ34)の処理と巡回保全決定(ステップ35)の処理の詳細を巡回保全決定の処理を、図14に従って説明する。なお、図14は制約管理(ステップ34)の処理と巡回保全決定(ステップ35)の処理の詳細、及び保全指示出力を示すフローチャートである。
ステップ1401では、地域の管理区のなかから代表区を所定の数だけ選択する。代表区の選択は乱数にしたがい、地理的な位置が偏らないように選択する。より好適な選択方法としては、管理区の位置と保全期限の組み合せであるベクトル[地理的な位置,保全期限]が偏らないように選択する。なお、本実施形態では管理区内の設備の最も差し迫った保全期限を管理区の保全期限としている。
ステップ1402では、各管理区と各代表区の類似度を算出している。類似度は各管理区と各代表区の位置平面上の距離、あるいは、各代表区を表すベクトル[地理的な位置,保全期限]と各管理区のベクトル[地理的な位置,保全期限]との距離としてもよい。あるいは、ある代表区Aの中心点の位置の座標が(x1, y1)かつ保全の期限をt1であり、ある管理区Pの中心点の座標が(u1, v1)かつ保全の期限がr1であるとき、この代表区Aと管理区Pの類似度d(A,P)を式1としてもよい。ここで定数kは、AとPの位置的な隔たりと、時間的な隔たりとのどちらを重視して類似度を算出するかの調整用定数である。
Figure 0005352440
あるいは類似度は、「各代表区と各管理区の移動時間」と、「各代表区と各管理区の保全期限の差」の重み付き二乗和としてもよい。これは代表区と管理区の位置的な隔たりを移動時間として表現することで、直線距離的には近いが道がないなどの地形が様々な場合に特に好適である。
なお、ステップ1401、1402で用いるところの管理区位置や保全期限などのデータは管理区ベーダベース1400Aに記録されている。
ステップ1403は、管理区データベースの保全期限を補正する処理である。管理区が、荒天、雷、台風、設備への樹木接触、設備への塩害のいずれかの被災地であるかを、図1の配電遠隔監視装置2もしくは携帯端末4a、4b、・・・からの入力データから検知し、被災地の管理区の保全期限を早める処理を行う。加えて、同等環境の他の管理区での設備障害の進行の点検結果から、保全期限を早めるもしくは延長する処理を行う。
ステップ1404では、保全管理区への分割の処理を行っている。管理区を最も類似度がある代表区(例えば、類似度を距離としたときには、距離が最も近い代表区)が関わる保全管理区に登録する。保全管理区は複数の管理区を集めたものである。全ての管理区をいずれかの代表区に関わる保全管理区に登録することで、地域は保全管理区に分割できる。図15と図16を用いて管理区と、保全管理区を説明する。
図15は、地域の管理区を図示したものである。各々の管理区の中には、高圧配電線を開閉器で区切った線区や、低圧への変圧器、低圧配電線、電柱、鉄柱、高圧配電線の幹線部分と支線部分などさまざまな設備が設置されている。本実施の形態では管理区の一辺の長さは400メートルとしている。なお管理区の一辺の長さは、例えば警視庁交通部長通達(通達甲(交.2.3)第170号 昭和35年12月17日)が「電気等の架空線作業は、500メートル以内に分割して行う」と定めるところの、500メートル以内の適切な値としてもよい。本実施の形態では、地域が1600キロ平米(地域の一辺が40キロメートル)であり、地域の中に1万個の管理区がある。図中の管理区で色塗りされた管理区は代表区である。図に示した代表区に書かれた数字は保全期限である。保全期限は、例えば図2の保全期限算定部16により設定される。
図16は、保全管理区への分割(ステップ1404)の処理により得られた保全管理区を図示している。
ステップ1405では、各保全管理区の範囲の調整の処理を行っている。保全管理区内での保全作業の標準時間(標準時間は、管理区内にある線区の長さ、地形、設備の種別と量から統計的に得る)と作業員の移動時間(道路情報を元にある管理区からある管理区への移動時間を統計的に得る)の和であるところの総保全時間が均一になるように、保全管理区の分割や、他の保全管理区との結合の処理をおこなっている。本実施形態に変わり、一つの保全管理区に含まれる管理区の個数が均一になるように、大きな保全管理区を分割する処理や、小さな保全管理区を他の保全管理区と結合する処理を行うようにしてもよい。この処理は、入出力インタフェース13に対して、各保全管理区の管理区個数と保全管理区に対する総保全時間を表示するステップ、保全管理区を分割するような指示入力を受けるステップ、指示に基づいて保全管理区を分割しそれぞれの管理区個数、保全総時間を再表示するステップ、指定された保全管理区の結合を行うステップにより実現される。なお、保全管理区の分割や再結合の指示入力を自動化してもよい。この場合は、保全管理区の管理区個数あるいは総保全時間が平均値より大きいものを抽出し、該当する保全管理区を所定の位置(例えば、隣の保全管理区との保全期限が近しい管理区がある周辺部分の位置)から保全管理区を分割する。一方保全管理区のないの管理区個数があるいは総保全時間が平均値より小さいものを抽出し、隣接する保全管理区のうち最も小さいもの、あるいは、保全期限が最も近いのもと結合する。
なお、ステップ1404とステップ1405で用いるところの保全管理区のデータは、保全管理区データベース1400Bに記憶されている。また保全作業の標準時間や作業員の移動時間については作業制約データベース1400Cに記憶されている。
図17は、保全管理区調整(ステップ1405)の処理により、調整を行った得られた保全管理区を図示している。
なお、ステップ1401からステップ1405の処理は、所定の期間ごと(例えば、1年に一度)実行するようにしてもよい。これにより複数の期間をまたがる長期の計画を一度立てた後にも、現状に合わせながら保全管理区を見直すことができる。
このようにして得られた保全管理区を、本実施形態では所定の期間(例えば、年、もしくは半年、月、週、日)での作業を行うものであり、保全指示として出力される(ステップ1406)。これは図4に示す作業計画{U (k)}である。
なお、ステップ1401で選ぶ代表区の数は、所定期間に保全を行うべき平均的な管理区の個数で、全ての管理区の個数を割った数を基準に設定する。これにより保全管理区に含まれる平均的な管理区の個数は、所定期間で保全を行うべき管理区の個数と一致する。また、別の実施形態では、ステップ1405での保全管理区の結合による保全管理区の範囲調整を行いやすくすることを考慮して、ステップ1401で選ぶ代表区の数は、所定期間に保全を行うべき平均的な管理区の個数で、全ての管理区の個数を割った数より多い個数(例えば2倍の個数)を基準にしてもよい。
<<まとめ>>
広域に配置された設備の保全を指示する計画執行管理装置の巡回保全管理システムは、単一若しくは相互に係わりを持つ複数の設備の目標とする信頼度を算出する連関信頼度算出手段と、設備の損耗状態の遷移構造を与える損耗状態遷移管理手段と、各々の要所や区間の信頼度を目標とする水準に満足するための保全作業に関わる期限を算出する保全期限算定手段と、保全要員の移送に関する制約や、移動工量・作業量の受入可能量を捕捉して記録する制約管理手段と、保全対象への出向を指示する巡回スケジュールを算出する巡回保全決定手段とを備えている。
(1)好ましくは、上記連関信頼度算出手段は、設備の目標とする信頼度あるいは健全度を、少なくとも、他の設備との接続関係に関わるデータあるいは、他の設備の信頼度若しくは健全度のデータのいずれか1つ以上から決定されるようにしたものである。
ここで、健全度とはある設備が故障していない確率にかかわる度数であり、信頼度とは設備が果たすべきサービス(例えば通電)が果たせているかの確率に関わる度数である。
なお、ある設備自体は故障していなくとも、連関する設備の故障によりサービスを果たすことができない場合がある。
かかる手段により、高い信頼度もしくは、健全度を求められる設備に連接する設備に適切な信頼度あるいは健全度を設定することができる。
(2)好ましくは、上記損耗状態遷移管理手段は、損耗状態を複数の段階あるいは連続値によって分類し、各段階から別の段階に関する確からしさの度数をデータとして備え、好ましくは保全の間隔の値と前述の確からしさの度数の間に関係を持つようにしたものである。
特に、好ましくは、損耗のある段階から別の段階に移る確からしさの度数は、同型設備若しくは、当該設備と同等の天候条件や地形条件の元に設置された他の設備のデータ、あるいは経験を持つ人が入力したデータをもとに算定する。
かかる手段により、常時監視を行えない設備を含めて、設備の健全度を適切に見極めることが可能となる。何故なら、設備の状態に関するデータは、点検を行った時点でのデータでしかない。常時監視が行えない設備に対しては、点検から点検の間の状態は、確率的な確からしさの値を取るものと扱うことではじめて適切に扱うことが可能となる。
(3)好ましくは、上記保全期限算定手段は、連関信頼度管理手段と損耗状態管理手段と接続し、設備の目標とする信頼度あるいは健全度を充足する、各設備の保全期限を決定するようにする。
(4)好ましくは、上記制約管理手段は、保全期限と、保全にあたる要員の移動ならびに受入可能な作業量を、制約データベースに記録し更新し続ける。
(5)好ましくは、上記巡回保全決定手段は、設備を定められた個数の集合に少なくとも位置に関わる情報を元に分割し、各々の集合内の保全期限の代表値を元に集合を順位付けし、順位の高い集合から保全が行われるように保全巡回路を決定するようにする。
この構成により、移動費用を削減した効率的な保全を行うことが可能となる。
このような計画執行管理装置の巡回保全管理システムを備えることにより、広域に配置された設備に対する保全に関して、相互に関わりを持つ設備からなる系統システムの機能維持に関わる制約と、保全要員の移動や作業の受入に関する制約とを満足する保全を実現する保全管理が行える。
従って、広域に配置された設備に対しても設備の損耗状態や連接の状態や、要員の移動時間や作業量を考慮して、きめ細かく効率的に保全を行わせる指示を得ることが可能である。
また本発明の実施形態で保全管理区を作業計画であるところ保全指示とすることで、管理区を対象とする保全活動を効率的に行うことが可能である。
なお、本実施形態では、電力設備に適用した場合を例示して説明したが、電力設備以外の巡回保全管理が必要な設備、例えば、水道、下水道、ガス、通信線、鉄道設備等の電力設備以外についても、本発明は、幅広く有効に適用可能である。
1 計画執行管理装置
2 配電遠隔監視装置
3 通信ネットワーク
14 連関信頼度算出部(連関信頼度算出手段)
15 損耗状態遷移管理部(損耗状態遷移管理手段)
16 保全期限算定部(保全期限算定手段)
17 制約管理部(制約管理手段)
18 巡回保全決定部(巡回保全決定手段)
21〜23、31〜33、41〜43、51〜53、61〜63 開閉器(設備)
34、54 連絡用開閉器(設備)
ステップ31 連関信頼度算出(連関信頼度算出工程、連関信頼度算出手順)
ステップ32 損耗状態遷移管理(損耗状態遷移管理工程、損耗状態遷移管理手順)
ステップ33 保全期限算定(保全期限算定工程、保全期限算定手順)
ステップ34 制約管理(制約管理工程、制約管理手順)
ステップ35 巡回保全決定(巡回保全決定工程、巡回保全決定手順)
a(i) 健全度
a´(i) 目標健全度
B21〜B23 線区(設備)
B31〜B34 線区(設備)
B41〜B43 線区(設備)
B51〜B54 線区(設備)
B61〜B64 線区(設備)
D1 初期(損耗状態の複数の段階)
D2 微劣化(損耗状態の複数の段階)
D3 重劣化(損耗状態の複数の段階)
F 故障(損耗状態の複数の段階)
L2〜L6 配電線路(設備)
〜q 確率
qi〜qi 確率
qs〜qs 確率
{r(i)} 目標信頼度

Claims (5)

  1. 地域に配置された設備の保全を指示する保全管理システムにおいて、
    地域を分割した複数の管理区に関して、前記複数の管理区の位置座標データと管理区の保全に関する時間データを含むデータを記録する管理区データ記録手段と、
    地理的な位置が偏らないように選択された管理区である所定数の代表区を決定する保全管理区算出手段と、
    前記管理区毎に、前記所定数の代表区との間の類似度を、位置座標の近さ及び保全期限の近さに基づいて算出する類似度算出手段と、
    類似度がある管理区を抽出した管理区のグループである保全管理区を単位として保全指示を出力する保全指示出力手段と、を備え、
    前記保全管理区算出手段は、各管理区を前記類似度の最も大きい代表区と結合させ、当該結合により前記保全管理区を算出することを特徴とする保全管理システム。
  2. 記保全管理区算出手段は、
    保全管理区内の管理区個数の値または管理区に対する作業量の値のいずれか1つ以上を用いて、保全管理区の分割もしくは集合和算出を行う保全管理区調整手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の保全管理システム。
  3. 記保全管理システムは、保全期限補正手段として、
    管理区が荒天、雷、台風、設備への樹木接触、設備への塩害、のいずれかの被災地であるところのシビア環境にある管理区に関して、管理区データ記録手段が保有するところの保全に関する時間データを減じる処理を行うシビア環境補正手段、あるいは前記シビア環境と同等環境の管理区での設備障害の進行速度から保全に関する時間データを増減する補正手段、
    備えることを特徴とする請求項1または2に記載の保全管理システム。
  4. 地域に配置された設備の保全を指示する保全管理方法において、
    保全管理区算出手段が、複数の管理区の中から地理的な位置が偏らないように選択された所定数の管理区を代表区として選択する選択ステップと、
    類似度算出手段が、前記管理区毎に、前記所定数の代表区との間の類似度を、位置座標の近さ及び保全期限の近さに基づいて算出する類似度算出ステップと、
    前記保全管理区算出手段が、各管理区を前記類似度の最も大きい代表区と結合させ、当該結合により、類似度がある管理区を抽出した管理区のグループである保全管理区を算出する保全管理区算出ステップと、
    保全指示出力手段が、前記保全管理区を単位として保全指示を行う保全指示ステップと、を備えることを特徴とする保全管理方法。
  5. 請求項に記載の保全管理方法を、コンピュータに実行させるための保全管理プログラム。
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