JP2013024323A - 車両用制振システム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成にもかかわらず車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制できる制御系の提供。
【解決手段】エンジンユニットで発生し車体を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を前記車体構成要素に付与する加振器4と、運転イベントに基づいて発生する特定イベント振動を相殺するための相殺振動を生成するための振動波形と、前記運転イベントの発生時点から前記特定イベント振動が前記加振器に伝播する時間である待機時間とを抽出可能に格納する制振情報格納部と、検知された運転イベントに基づいて抽出された待機時間と特定振動波形に基づいて加振器4を動作させる加振器制御部とが備えられている。
【選択図】図2
【解決手段】エンジンユニットで発生し車体を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を前記車体構成要素に付与する加振器4と、運転イベントに基づいて発生する特定イベント振動を相殺するための相殺振動を生成するための振動波形と、前記運転イベントの発生時点から前記特定イベント振動が前記加振器に伝播する時間である待機時間とを抽出可能に格納する制振情報格納部と、検知された運転イベントに基づいて抽出された待機時間と特定振動波形に基づいて加振器4を動作させる加振器制御部とが備えられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンユニットで発生し車体を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を前記車体構成要素に付与する加振器を備えた車両用制振システムに関する。
上記のような車両用制振システムはアクティブ制振制御を採用しており、このシステムの一形態である車両用制振装置が、特許文献1に記載されている。この車両用制振装置は、エンジンから座席に伝達される振動を検出する加速度センサと、座席とは異なる位置で振動を打ち消す制振力を発生させる加振器としてのリニアアクチュエータと、加速度センサからの振動信号とエンジンで発生する振動の周波数成分を有する基準波とからアクチュエータへの加振指令を出力する加振指令発生手段とを備えている。この加振指令は、アクチュエータから加速度センサまでの振動伝達特性の逆特性に基づいて生成された基準加振指令と前記振動信号との位相差とに基づいて補正される。この車両用制振装置では、アクチュエータを動作制御するための加振指令を生成するために、リアルタイムで制振すべき振動を検出し、さらにその検出信号から位相差に基づく補正を行わなければならず、高速で複雑な制御系が要求される。
エンジンを車体に支承する能動型防振支持装置の分野では、エンジンの回転変動を検出するセンサからの出力に基づいてエンジンの振動状態を推定する制御手段がアクチュエータを伸縮駆動することで振動の伝達を抑制する技術が、特許文献2に記載されている。この能動型防振支持装置の制御手段は、エンジンの始動の際に、エンジンが発動前のモータリング状態であることを検知するモータリング状態検出手段と、検出されたエンジンの回転速度に基づきロール固有振動の発生を検知するロール固有振動検出手段と、ロール固有振動検出手段によってロール固有振動が開始されていると判定されたとき、エンジンの出力軸に接続されている変速機の油温情報を参照してロール固有振動状態情報を取得するロール固有振動状態情報取得手段とを備えている。ロール固有振動の抑制制御は、取得されたロール固有振動状態情報に基づいて行われる。さらに、初爆振動の抑制に関しては、複数のマップ(テーブル)から導出される情報が利用される。つまり、エンジン回転速度から初爆オフセット時間を導出する初爆オフセット時間テーブル、及び初回のインジェクタ信号及び初爆気筒を示す信号を受信するまでの時間と油温とから初爆振動のゲイン及び期間を導出する初爆振動マップが用意されている。導出された、初爆オフセット時間、初爆振動のゲイン、期間を用いて初爆振動の抑制制御が実行される。このような制御を種々の振動の抑制のために適用するためには、高速で複雑な制御系の構築が要求される。
特許文献3に記載の能動型防振支持装置においても、前もって記憶しているロール共振周波数を読み出すとともに、エンジン回転数の変動からロール共振の振幅及びロール共振の継続時間をマップから導出し、ロール共振周波数、ロール共振の振幅およびロール共振の継続時間に基づいてアクチュエータの駆動を制御することで、エンジンの始動時の振動を抑制する。このような制御を種々の振動の抑制のために適用するためには、高速で複雑な制御系の構築が要求される。
上記実情に鑑み、本発明の目的は、簡単な構成にもかかわらず車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制できる制御システムの提供である。
上記課題を解決するための、本発明による車両用制振システムは、エンジンユニットで発生し車体を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を前記車体構成要素に付与する加振器と、予め設定された運転イベントに基づいて発生する振動を特定イベント振動として検出する振動検出部と、前記運転イベントの発生時点から前記特定イベント振動が前記加振器に伝播する時間を待機時間として算定する振動マッチング時期算定部と、前記特定イベント振動を相殺するための相殺振動を作り出すための振動波形を前記特定イベント振動から生成する制振情報生成部と、前記運転イベントに関連付けられた前記待機時間と特定振動波形とを制振情報として抽出可能に格納する制振情報格納部と、前記運転イベントの発生を検知する運転イベント検知部と、前記検知された運転イベントに基づいて前記制振情報格納部から前記待機時間と前記特定振動波形を抽出する制振情報処理部と、前記待機時間の経過後に前記特定振動波形に基づいて生成された制振信号を用いて前記加振器を動作させる加振器制御部と、を備えている。
この車両用制振システムでは、予め設定された運転イベントに絞って、その運転イベントによって引き起こされるエンジン振動が車体を通じて車体構成要素に伝播される際にその振動を相殺する振動を加振器によって付与することで制振効果を得ることである。このため、前もって特定運転イベントの発生時点と、その発生時点から特定運転イベントに起因する振動が加振器に到達するまでの時間(待機時間)やその振動を相殺する振動(相殺振動)を作り出すことができる振動波形を学習して、その学習結果を制振情報として読み出し可能に格納しておく。そして、実際の制振制御の実行時には、特定運転イベントの発生を検知し、その特定運転イベントの発生から待機時間後に加振器を通じて相殺振動を付与して、この加振器に到達した特定運転イベント起因の振動を制振する。このように、本発明による車両用制振システムを制振対象となる振動を特定運転イベントに起因するものに限定することにより、制御系の構成が簡単化されるにもかかわらず、良好な制振効果が得られる。
この車両用制振システムでは、予め設定された運転イベントに絞って、その運転イベントによって引き起こされるエンジン振動が車体を通じて車体構成要素に伝播される際にその振動を相殺する振動を加振器によって付与することで制振効果を得ることである。このため、前もって特定運転イベントの発生時点と、その発生時点から特定運転イベントに起因する振動が加振器に到達するまでの時間(待機時間)やその振動を相殺する振動(相殺振動)を作り出すことができる振動波形を学習して、その学習結果を制振情報として読み出し可能に格納しておく。そして、実際の制振制御の実行時には、特定運転イベントの発生を検知し、その特定運転イベントの発生から待機時間後に加振器を通じて相殺振動を付与して、この加振器に到達した特定運転イベント起因の振動を制振する。このように、本発明による車両用制振システムを制振対象となる振動を特定運転イベントに起因するものに限定することにより、制御系の構成が簡単化されるにもかかわらず、良好な制振効果が得られる。
上述した車両用制振システムでは、学習系と実行系が組み合わされていたが、学習系による学習結果である制振情報を格納する格納部が構築されている場合には、学習系は必ずしも必要ではない。つまり、格納部と実行系だけの車両用制振システムで特定運転イベントに起因する振動が特定の車体構成要素に伝播することを抑制することができる。
そのような車両用制振システムは、エンジンユニットで発生し車体を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を前記車体構成要素に付与する加振器と、予め設定された運転イベントに基づいて発生する特定イベント振動を相殺するための相殺振動を生成するための振動波形と、前記運転イベントの発生時点から前記特定イベント振動が前記加振器に伝播する時間である待機時間とを抽出可能に格納する制振情報格納部と、前記運転イベントの発生を検知する運転イベント検知部と、前記検知された運転イベントに基づいて前記制振情報格納部から前記待機時間と前記特定振動波形を抽出する制振情報処理部と、前記待機時間の経過後に前記特定振動波形に基づいて生成された制振信号を用いて前記加振器を動作させる加振器制御部と、を備えている。この車両用制振システムでも、制御系の構成が簡単化されるにもかかわらず、良好な制振効果が得られる。
そのような車両用制振システムは、エンジンユニットで発生し車体を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を前記車体構成要素に付与する加振器と、予め設定された運転イベントに基づいて発生する特定イベント振動を相殺するための相殺振動を生成するための振動波形と、前記運転イベントの発生時点から前記特定イベント振動が前記加振器に伝播する時間である待機時間とを抽出可能に格納する制振情報格納部と、前記運転イベントの発生を検知する運転イベント検知部と、前記検知された運転イベントに基づいて前記制振情報格納部から前記待機時間と前記特定振動波形を抽出する制振情報処理部と、前記待機時間の経過後に前記特定振動波形に基づいて生成された制振信号を用いて前記加振器を動作させる加振器制御部と、を備えている。この車両用制振システムでも、制御系の構成が簡単化されるにもかかわらず、良好な制振効果が得られる。
エンジン振動に対して最も敏感なのは車両の乗員である。このため制振対象の最も重要な場所は、エンジン振動を伝播する車体に固定された座席ユニットである。この座席ユニットに伝播するエンジン振動を制振するためには、加振器は前記座席ユニットに固定することが好適である。座席ユニットで検出された特定イベントに起因するエンジン振動を相殺する相殺振動を、エンジン振動が座席ユニットに到達したときに加振器から出力する。車体やエンジンマウントフレームを制振対象とすることに比べて、座席ユニットの重量も小さく、制振エネルギも少なくて済む。
近年、燃費向上等を目的として増加しているアイドリングストップ車では、そのアイドリングストップ時及びアイドリングスタート時に生じる振幅の大きな瞬間的なエンジン振動が乗員に不快感を与えるという問題が生じている。特にアイドリングストップとアイドリングスタートは、信号停止時など運転中に頻繁に生じる。また、同様な瞬間的なエンジン振動は、発生頻度は少ないが、イグニッションオン時やイグニッションオフ時にも生じる。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記運転イベントは、アイドリングストップ、アイドリングスタート、イグニッションオン、イグニッションオフの少なくとも1つであり、前記運転イベント検知部は、バッテリ電圧の変化に基づいて前記運転イベントの発生を検知する。このような運転イベントでは、その運転イベントの発生に伴ってバッテリ電圧の特徴的な低下の後に、比較的大きな振幅をもった瞬間的なエンジン振動が発生することが観察されているので、本発明を有効に適用することができる。
また、アイドリングストップ、アイドリングスタート、イグニッションオン、イグニッションオフにともなう蒸気の瞬間的なエンジン振動の主な周波数が低周波数帯域の所定Hz、エンジンによっては異なるが、数Hzから数十Hz、特には10Hz前後、例えば、11Hzであることも観察されている。このため、加振器によって作り出される相殺振動の元となる特定イベント振動の主周波数を所定Hzに限定することで、この車両用制振システムの制御系がさらに簡単化される。
また、アイドリングストップ、アイドリングスタート、イグニッションオン、イグニッションオフにともなう蒸気の瞬間的なエンジン振動の主な周波数が低周波数帯域の所定Hz、エンジンによっては異なるが、数Hzから数十Hz、特には10Hz前後、例えば、11Hzであることも観察されている。このため、加振器によって作り出される相殺振動の元となる特定イベント振動の主周波数を所定Hzに限定することで、この車両用制振システムの制御系がさらに簡単化される。
以下、本発明の具体的な実施の形態を説明する前に、本発明による車両制振システム、特にその制御系の基本原理を図1と図2とを用いて説明する。この制御系は学習過程と実行過程とに区分けすることができ、図1には学習過程が模式的に示され、図2には実行過程が模式的に示されている。
この車両制振システムは、エンジンユニット10で発生し車体1を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制するものであり、この相殺抑制のために車体構成要素に付与する相殺振動は加振器によって作り出される。ここでは、制御対象となる車体構成要素を座席ユニット12としている。この車両には、点火プラグやその他のエンジン駆動電気機器などの電源となるバッテリ11が装備されている。図1と図2で図解された本発明の基本原理では、エンジンユニットで特異な振動を発生させる運転イベントとして、アイドリングストップとアイドリングスタートとが取り上げられている。
この車両の制御系には、エンジンユニット10を駆動制御するエンジンECU21、運転状態を管理する運転ECU22などが含まれており、各ECUで生成されたデータや各種センサからの検出データが自由に利用できるように構成されている。ここでは、エンジンECU21からの運転イベント指令をチェックすることで、車両制振システムにとって必要な特定の運転イベント指令、例えばアイドリングストップやアイドリングスタートの運転イベント指令が出たことを検知することができる。
ここでは、アイドリングストップやアイドリングスタートの運転イベントの発生は、バッテリ11の電圧変動によって検出する。従って、アイドリングストップの運転イベント指令が検知されると(#01)、運転イベントの実際の発生が予測されるので、運転イベントの発生によって変動する運転特性としてのバッテリ電圧が経時的に検出される(#02)。図では、このバッテリ電圧の経時的な変動はD(t)またはDn(t)(nは運転イベント特定する指標)で示されている。同時に、このアイドリングストップに基づいて発生する振動(特定イベント振動)が、振動センサ3によって検出される(#03)。図では、この振動の経時的な変化(波形)はV(t)またはVn (t)(nは運転イベント特定する指標)で示されている。さらに、運転イベント指令から当該運転イベント指令の内容(アイドリングストップやアイドリングスタートなど)が学習対象イベントとして登録される(#04)。図では、運転イベント指令の内容はEまたはEn(nは運転イベント特定する指標)で示されている。
実際の学習過程においては、バッテリ電圧変動:D(t)と振動波形V(t)から、この学習対象イベントに基づいて発生する特徴的な振動(特定イベント振動)を切り出してV1(t)とする。また、この特定イベント振動に先立つバッテリ電圧の特徴的な値、ここでは、バッテリ電圧が急激に降下していくうちの1つの特定時点(運転イベント発生時点、詳しくはアイドリングストップイベント発生時点)の値をしきい値:Th1として算定する。さらには、この運転イベント発生時点から特定イベント振動が始まるまでの時間を待機時間として算定する。図では、この待機時間はΔTまたはΔTn(nは運転イベント特定する指標)で示されている。
なお、この発明の制振システムでは、特定イベント振動の振動波形:V1(t)を制振すべく、この振動波形を反転させた振動波形が相殺振動として加振器4から作り出す必要がある。この相殺振動の振動波形は、−V (t)または−Vn(t)(nは運転イベント特定する指標)で示されている。
学習過程によって求められた、運転イベント毎の学習データセットであるDn(t)、En、ΔTn、−V(t)が運転イベントの内容などを検索条件として抽出されるようにデータテーブル化され、制振情報テーブルに格納される(#05)。ここでは、相殺振動の振動波形:−V (t)が格納されるデータとして用いられている。しかしながら、振動波形:−V (t) は、この振動波形:V1(t)の反転形であるから、振動波形:V1(t)を格納されるデータとして用いて、制振制御実行時に振動波形:−V (t)を生成してもよい。あるいは、振動波形:V1(t)から直接相殺振動のための動作信号を生成するようにしてもよい。なお、バッテリ電圧変動:D1(t)には、運転イベント発生時点を決定するしきい値:Th1が含まれている。つまり、バッテリ電圧変動:Dn(t) しきい値:Thn(nは運転イベント特定する指標)が含まれる。
学習過程によって求められた、運転イベント毎の学習データセットであるDn(t)、En、ΔTn、−V(t)が運転イベントの内容などを検索条件として抽出されるようにデータテーブル化され、制振情報テーブルに格納される(#05)。ここでは、相殺振動の振動波形:−V (t)が格納されるデータとして用いられている。しかしながら、振動波形:−V (t) は、この振動波形:V1(t)の反転形であるから、振動波形:V1(t)を格納されるデータとして用いて、制振制御実行時に振動波形:−V (t)を生成してもよい。あるいは、振動波形:V1(t)から直接相殺振動のための動作信号を生成するようにしてもよい。なお、バッテリ電圧変動:D1(t)には、運転イベント発生時点を決定するしきい値:Th1が含まれている。つまり、バッテリ電圧変動:Dn(t) しきい値:Thn(nは運転イベント特定する指標)が含まれる。
上述したように、制振情報テーブルが構築されると、この制振情報テーブルを用いて実際の特定イベント振動に対する制振制御を実行することができる。図2を用いて、この制振制御の実行過程の基本原理を説明する。
運転イベント指令を通じて、運転イベント(ここではアイドリングストップとする)の発生が予測されると、制振情報が読み出される(#11)。読み出された制振情報に基づいて、バッテリ電圧変動である運転特性:D1(t)(しきい値:Th1を含む)が監視される(#12)。さらに、待機時間:ΔT1の設定(#13)、制振振動波形:−V1 (t)の設定が行われる(#14)。
バッテリ電圧変動におけるしきい値判定を通じて運転イベントの発生が確認されると(#15)、待機時間:ΔT1のチェックが行われる。待機時間に達すると(#16)、制振振動波形:−V1 (t)を用いた加振器4に対する動作命令が出力され、アイドリングストップに基づく座席ユニット12の振動が相殺振動によって抑制される(#17)。
運転イベント指令を通じて、運転イベント(ここではアイドリングストップとする)の発生が予測されると、制振情報が読み出される(#11)。読み出された制振情報に基づいて、バッテリ電圧変動である運転特性:D1(t)(しきい値:Th1を含む)が監視される(#12)。さらに、待機時間:ΔT1の設定(#13)、制振振動波形:−V1 (t)の設定が行われる(#14)。
バッテリ電圧変動におけるしきい値判定を通じて運転イベントの発生が確認されると(#15)、待機時間:ΔT1のチェックが行われる。待機時間に達すると(#16)、制振振動波形:−V1 (t)を用いた加振器4に対する動作命令が出力され、アイドリングストップに基づく座席ユニット12の振動が相殺振動によって抑制される(#17)。
上述したように、本発明の車両用制振システムの機能は、制振情報テーブルを構築する学習機能と、構築された制振情報テーブルを利用して特定イベント振動を制振する実行機構とに分けることができる。この車両用制振システムの車両への適用にあたっては、工場出荷時に制振情報テーブルが構築されている実施形態では、車両に搭載される車両用制振システムは実行機構だけを有することになる。また、定期的にあるいは必要な時期に制振情報テーブルの構築または更新を行うような実施形態では、車両に搭載される車両用制振システムは学習機能と実行機構の両方を有することになる。
以下に、本発明の好適な実施形態として、図1と図2とを用いて説明した基本原理に基づく学習機能と実行機能とを備え、制振情報テーブルの自己構築または自己更新が可能な車両用制振システムを搭載した自動車を説明する。
以下に、本発明の好適な実施形態として、図1と図2とを用いて説明した基本原理に基づく学習機能と実行機能とを備え、制振情報テーブルの自己構築または自己更新が可能な車両用制振システムを搭載した自動車を説明する。
図3には、そのような車両用制振システムの機能ブロック図が示されている。この自動車は、車体1にエンジンユニット10、バッテリ11、車体構成要素としての座席ユニット12などを備えている。操縦操作具としてハンドル13、イグニッションスイッチ14、アクセル操作やブレーキ操作のためのフットペダル15などが備えられている。座席ユニット12は、シート部12aと基台部12bとからなる。この実施形態では、エンジンユニットで発生し車体1を通じて座席ユニット12に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を座席ユニット12に付与する加振器4がシート部12aの下面に取り付けられている。また、エンジンユニットで発生して車体を伝播する振動を検出する振動センサ3もシート部12aの下面に取り付けられている。この振動センサ3は、この車両用制振システムにおける制振制御の対象となる周波数帯域が少なくとも良好に検出できる構成となっている。
この実施形態の車両用制振システムでは、アイドリングストップ時やアイドリングスタート時に発生する振動及びイグニッションストップ時やイグニッションスタート時に発生する振動を制振すべき振動とみなしており、その主な振動周波数帯域は11Hzである。また、制御対象物は座席ユニット12である。つまり、予め設定された運転イベントは、アイドリングストップ、アイドリングスタート、イグニッションストップ、イグニッションスタートである。
車両用制振システムの制御系の中核要素である制振コントローラ24は、上述した学習機能を行う学習モジュール5と、上述した実行機能を行う実行モジュール7と、制振情報テーブル6とを含んでいる。制振コントローラ24は、エンジンユニット10等の制御を行うエンジンECU21、自動車の走行運転を管理する運転ECU22、各種センサやスイッチの検出信号を処理するセンサECU23との間でデータ伝送可能に接続している。
学習モジュール5は、運転特性取得部51、振動検出部52、振動マッチング時期算定部53、制振情報生成部54を含んでいる。
運転特性取得部51は、バッテリ11のバッテリ電圧変動を、上記運転イベントの発生と関連して変動する運転特性として取得する。このバッテリ電圧変動の一例が、図4において太線曲線で示されている。この図示されたバッテリ電圧変動には、アイドリングストップ(運転イベントの一例)による一定レベルへの急激な電圧降下、アイドリングスタート(運転イベントの一例)によるさらなる電圧降下、その後の電圧上昇が含まれている。
運転特性取得部51は、バッテリ11のバッテリ電圧変動を、上記運転イベントの発生と関連して変動する運転特性として取得する。このバッテリ電圧変動の一例が、図4において太線曲線で示されている。この図示されたバッテリ電圧変動には、アイドリングストップ(運転イベントの一例)による一定レベルへの急激な電圧降下、アイドリングスタート(運転イベントの一例)によるさらなる電圧降下、その後の電圧上昇が含まれている。
振動検出部52は、振動センサ3からの検出信号を経時的に読み込んで、運転イベントに基づいて発生する振動を特定イベント振動として検出する。振動センサ3からの検出信号によって表される振動の一例が、図4に細線曲線で示されている。この図示された振動には、アイドリングストップに起因する特定イベント振動(図4ではV1(t)で示されている)と、アイドリングスタートに起因する特定イベント振動(図4ではV2(t)で示されている)が含まれている。この振動曲線と電圧変動曲線は共通時間で図示されている。
振動マッチング時期算定部53は、アイドリングストップイベントの発生時点(図4ではE1で示されている)からアイドリングストップイベント振動が加振器4に伝播する時間(図4ではΔT1で示されている)を待機時間として算定する。また、アイドリングスタートイベントの発生時点(図4ではE2で示されている)からアイドリングスタートイベント振動が加振器4に伝播する時間(図4ではΔT2で示されている)を待機時間として算定する。その他の運転イベントに関しても同様に算定することができる。
制振情報生成部54は、特定イベント振動を相殺するための相殺振動を作り出すための振動波形をこの特定イベント振動から生成する振動波形生成機能を有しており、この振動波形を制振情報として処理する。この振動波形は、特定イベント振動の振動波形を反転させたものでよいが、最終的にそのような相殺振動を作り出すための中間的なデータであってもよいし、特定イベント振動そのものでもよい。
また、制振情報生成部54は、運転特性取得部51で取得されたバッテリ電圧変動から、特定運転イベントの発生時点を正確に決定することができるしきい値(バッテリ電圧)を決定する機能も有する。一般的には、そのようなしきい値は電圧変動が大きい箇所(変動率が大きい)が好適である。図4では、アイドリングストップイベントの発生時点を決定するしきい値はTh1で示され、アイドリングスタートイベントの発生時点を決定するしきい値はTh2で示されている。
さらに、制振情報生成部54は、運転イベントに関連付けられた待機時間、しきい値を含む運転特性、特定振動波形を組み合わせ、特定運転イベントのための制振情報として制振情報テーブル6に登録する機能を有する。
さらに、制振情報生成部54は、運転イベントに関連付けられた待機時間、しきい値を含む運転特性、特定振動波形を組み合わせ、特定運転イベントのための制振情報として制振情報テーブル6に登録する機能を有する。
制振情報テーブル6は、運転イベントに関連付けられた前記待機時間と特定振動波形とを制振情報として抽出可能に格納する制振情報格納部として機能する。
実行モジュール7は、運転イベント検知部71、制振情報処理部72、加振器制御部73を含んでいる。
運転イベント検知部71は、運転イベントの発生の予測と、当該運転イベントの特徴的な時点を運転イベント発生時点とする運転イベントの発生とを検知する。つまり、運転イベント検知部71は、エンジンECU21や運転ECU22やセンサECU23などから出力される運転イベント指令に基づいて、特定運転イベントの発生を予測する。この特定運転イベントの発生が予測されたことをトリガーとして、運転イベント検知部71はバッテリ電圧変動を監視する。その際、図4に示すように、該当する運転イベントを抽出条件として抽出された制振情報に含まれているしきい値の成立をもって電圧運転イベントの発生を検知する。このため、制振情報処理部72は、運転イベントの発生が予測されたことをトリガーとして、前記制振情報テーブル6から、当該運転イベントを抽出条件として、しきい値を含むバッテリ電圧変動情報と、待機時間と、特定振動波形を抽出する。加振器制御部73は、記待機時間の経過後に特定振動波形に基づいて生成された、特定イベント振動を相殺するような制振信号を用いて加振器4を動作させる。
運転イベント検知部71は、運転イベントの発生の予測と、当該運転イベントの特徴的な時点を運転イベント発生時点とする運転イベントの発生とを検知する。つまり、運転イベント検知部71は、エンジンECU21や運転ECU22やセンサECU23などから出力される運転イベント指令に基づいて、特定運転イベントの発生を予測する。この特定運転イベントの発生が予測されたことをトリガーとして、運転イベント検知部71はバッテリ電圧変動を監視する。その際、図4に示すように、該当する運転イベントを抽出条件として抽出された制振情報に含まれているしきい値の成立をもって電圧運転イベントの発生を検知する。このため、制振情報処理部72は、運転イベントの発生が予測されたことをトリガーとして、前記制振情報テーブル6から、当該運転イベントを抽出条件として、しきい値を含むバッテリ電圧変動情報と、待機時間と、特定振動波形を抽出する。加振器制御部73は、記待機時間の経過後に特定振動波形に基づいて生成された、特定イベント振動を相殺するような制振信号を用いて加振器4を動作させる。
上記のように構成された制振コントローラ24の学習モジュール5の動作を、その学習過程を図解した図5を用いて説明する。
この学習過程では、まず学習すべき運転イベントを決めて、その運転イベントを試行する。ここでは、試行する運転イベントをアイドリングストップとする(#30)。エンジンECU21にアイドリングストップの指令出力を要請し、ないしは、アイドリングストップを発生させる運転状況を作り出し、運転特性取得部51がバッテリ電圧変動を取得する(#31)。同時に、振動検出部52が振動センサ3からの検出信号に基づく振動波形を取得する(#32)。取得されたバッテリ電圧変動から、経時的な流れの中でアイドリングストップの発生を特徴づけるイベント特徴点(例えば最大変動率発生点)を決定する(#33)。取得された振動波形から、アイドリングストップに起因する所定値以上の振幅を有するとともに主周波数成分が11Hzの振動をイベント特徴波形(図ではV1(t)で示されている)として決定する(#34)。振動マッチング時期算定部53は、イベント特徴点とイベント特徴波形の出発点との時間間隔をアイドリングストップイベントの待機時間:ΔT1として算定する(#35)。さらに、制振情報生成部54が、アイドリングストップイベント振動を座席ユニット12で相殺するための相殺振動を作り出すための制振波形として、イベント特徴波形:V1(t)を反転させた波形:−V1(t)を生成する(#36)。
この学習過程では、まず学習すべき運転イベントを決めて、その運転イベントを試行する。ここでは、試行する運転イベントをアイドリングストップとする(#30)。エンジンECU21にアイドリングストップの指令出力を要請し、ないしは、アイドリングストップを発生させる運転状況を作り出し、運転特性取得部51がバッテリ電圧変動を取得する(#31)。同時に、振動検出部52が振動センサ3からの検出信号に基づく振動波形を取得する(#32)。取得されたバッテリ電圧変動から、経時的な流れの中でアイドリングストップの発生を特徴づけるイベント特徴点(例えば最大変動率発生点)を決定する(#33)。取得された振動波形から、アイドリングストップに起因する所定値以上の振幅を有するとともに主周波数成分が11Hzの振動をイベント特徴波形(図ではV1(t)で示されている)として決定する(#34)。振動マッチング時期算定部53は、イベント特徴点とイベント特徴波形の出発点との時間間隔をアイドリングストップイベントの待機時間:ΔT1として算定する(#35)。さらに、制振情報生成部54が、アイドリングストップイベント振動を座席ユニット12で相殺するための相殺振動を作り出すための制振波形として、イベント特徴波形:V1(t)を反転させた波形:−V1(t)を生成する(#36)。
運転イベント毎に、ステップ#31からステップ#36までの処理を、必要な学習回数分行って、運転イベント種類:En、イベント特徴点(運転イベント発生点)を決定するしきい値:Thnないしは当該しきい値:Thnを含むバッテリ電圧の経時的な変動:Dn(t)、待機時間:ΔTn、制振波形:−Vn(t)からなる制振情報を作成して、テーブル化する(#37)。
次に、制振コントローラ24の実行モジュール7の動作を、その実行過程を図解した図6を用いて説明する。
図6では、エンジンECU21から処理すべき運転イベントとしてアイドリングストップ指令が出力されたことを前提としている。つまり、アイドリングストップイベントの発生が予測された段階で、アイドリングストップ関連の制振情報が読み出され(#50)、バッテリ電圧の監視が行われる(#51)。アイドリングストップイベントが検知されると(#52)、待機時間チェックが行われる(#53)。アイドリングストップイベント検知からの経過時間が待機時間に達すると、制振波形を用いて加振器4を駆動制御が実行され、座席に到達した振動をその反転信号によって相殺して、振動振幅を低減する(#54)。そのような相殺制振制御による振動振幅の低減を示す実験結果の一例が図7に示されている。図7の(a)は、相殺制振制御が行われなかった場合の振動波形を示しており、図7の(a)は、相殺制振制御が行われた場合の振動波形を示している。
図6では、エンジンECU21から処理すべき運転イベントとしてアイドリングストップ指令が出力されたことを前提としている。つまり、アイドリングストップイベントの発生が予測された段階で、アイドリングストップ関連の制振情報が読み出され(#50)、バッテリ電圧の監視が行われる(#51)。アイドリングストップイベントが検知されると(#52)、待機時間チェックが行われる(#53)。アイドリングストップイベント検知からの経過時間が待機時間に達すると、制振波形を用いて加振器4を駆動制御が実行され、座席に到達した振動をその反転信号によって相殺して、振動振幅を低減する(#54)。そのような相殺制振制御による振動振幅の低減を示す実験結果の一例が図7に示されている。図7の(a)は、相殺制振制御が行われなかった場合の振動波形を示しており、図7の(a)は、相殺制振制御が行われた場合の振動波形を示している。
次に、上述したように構成された車両用制振システムにおける座席制振制御の流れを図8と図9のフローチャート図を用いて説明する。
座席制振制御が開始されると、まず、この制御ルーチンの終了を指令する終了コマンドが出ているかどうかチェックされる(#61)。終了コマンドが出ているとこのルーチンは終了するが、終了コマンドが出ていなければ、まず運転イベント指令が存在しているかどうかチェックされる(#62)。運転イベント指令が存在しなければ(#62No分岐)、そのままステップ#61に戻る。運転イベント指令が存在すれば(#62Yes分岐)、その運転イベントの内容がチェックされる(#70)。運転イベントの内容が「イグニッションスタート」であればイグニッションスタート制振ルーチンが実行される(#70A)。運転イベントの内容が「イグニッションストップ」であればイグニッションストップ制振ルーチンが実行される(#70B)。運転イベントの内容が「アイドリングスタート」であればアイドリングスタート制振ルーチンが実行される(#70C)。運転イベントの内容が「アイドリングストップ」であればアイドリングストップ制振ルーチンが実行される(#70D)。運転イベントの内容に応じていずれかの制振ルーチンが実行されると、再びステップ#61に戻る。
座席制振制御が開始されると、まず、この制御ルーチンの終了を指令する終了コマンドが出ているかどうかチェックされる(#61)。終了コマンドが出ているとこのルーチンは終了するが、終了コマンドが出ていなければ、まず運転イベント指令が存在しているかどうかチェックされる(#62)。運転イベント指令が存在しなければ(#62No分岐)、そのままステップ#61に戻る。運転イベント指令が存在すれば(#62Yes分岐)、その運転イベントの内容がチェックされる(#70)。運転イベントの内容が「イグニッションスタート」であればイグニッションスタート制振ルーチンが実行される(#70A)。運転イベントの内容が「イグニッションストップ」であればイグニッションストップ制振ルーチンが実行される(#70B)。運転イベントの内容が「アイドリングスタート」であればアイドリングスタート制振ルーチンが実行される(#70C)。運転イベントの内容が「アイドリングストップ」であればアイドリングストップ制振ルーチンが実行される(#70D)。運転イベントの内容に応じていずれかの制振ルーチンが実行されると、再びステップ#61に戻る。
各制振ルーチンの流れは、実質的には同一なので、ここでは、図9を用いてアイドリングストップ制振ルーチンだけを説明する。
アイドリングストップ制振ルーチンに入ると(#70D)、特定された運転イベントをもって制振情報テーブル6にアクセスすることで、待機時間、しきい値、制振波形データが抽出される(#71)。バッテリ電圧が読み込まれ(#72)、しきい値判定が行われる(#73)。しきい値条件が成立するまでステップ#72と#73が繰り返され、しきい値条件が成立すると(#74Yes分岐)、タイマがスタートする(#75)。次いで、制振情報テーブル6から読み込まれた制振波形データに基づいて制振動作信号が生成される(#76)。タイマが待機時間分経過してタイムアップすると(#77Yes分岐)、制振動作信号の加振器4への送信が開始する(#78)。制振動作信号の加振器4への送信が終了すると(#79Yes分岐)、このルーチンを終える。
アイドリングストップ制振ルーチンに入ると(#70D)、特定された運転イベントをもって制振情報テーブル6にアクセスすることで、待機時間、しきい値、制振波形データが抽出される(#71)。バッテリ電圧が読み込まれ(#72)、しきい値判定が行われる(#73)。しきい値条件が成立するまでステップ#72と#73が繰り返され、しきい値条件が成立すると(#74Yes分岐)、タイマがスタートする(#75)。次いで、制振情報テーブル6から読み込まれた制振波形データに基づいて制振動作信号が生成される(#76)。タイマが待機時間分経過してタイムアップすると(#77Yes分岐)、制振動作信号の加振器4への送信が開始する(#78)。制振動作信号の加振器4への送信が終了すると(#79Yes分岐)、このルーチンを終える。
〔別実施の形態〕
上記実施形態とは異なるが、本発明に含まれる別な実施形態を以下に列挙する。
(1)上述した実施の形態では、図3で模式的に示すように、振動センサ3と加振器4とが座席ユニット12のシート部12aの下面に固定されていた。この構成に変えて、図10に示すように、振動センサ3と加振器4とを座席ユニット12の基台部12bに固定してもよい。
(2)上記実施の形態では、待機時間:ΔTnは、算定され、制振情報テーブル6に格納されたものをそのまま利用していたが、待機時間:ΔTnのずれは制振の大きな影響を及ぼすことから、この待機時間:ΔTnを調整できるようにすることも好都合である。さらに好ましくは、この待機時間:ΔTnを、フィードバック制御系を用いて、最も制振効果が高くなるように調整することも好適である。
(3)上記実施形態では、運転イベントの発生を監視する対象としての運転特性をバッテリ電圧の変動としていたが、その他の運転特性、例えば、エンジン回転数、車輪回転速度、油圧変動などを単独または組み合わせで用いてもよい。
(4)上記実施形態では、振動センサ3と加振器4が別部材で構成されていたが、振動センサ3に代えて、加振器4の逆起電力を用いて振動を検出する構成を採用することも可能である。
(5)上述した実施形態では、制振コントローラ24の機能を分かりやすく説明するため、その構成を機能別にブロック化しているが、この機能ブロックは説明目的であり、本発明がこのように区画された機能ブロックに限定されるわけではない。例えば、各機能部のいずれかを組み合わせて構築してもよいし、逆に、各機能部をさらに分割してもよい。
上記実施形態とは異なるが、本発明に含まれる別な実施形態を以下に列挙する。
(1)上述した実施の形態では、図3で模式的に示すように、振動センサ3と加振器4とが座席ユニット12のシート部12aの下面に固定されていた。この構成に変えて、図10に示すように、振動センサ3と加振器4とを座席ユニット12の基台部12bに固定してもよい。
(2)上記実施の形態では、待機時間:ΔTnは、算定され、制振情報テーブル6に格納されたものをそのまま利用していたが、待機時間:ΔTnのずれは制振の大きな影響を及ぼすことから、この待機時間:ΔTnを調整できるようにすることも好都合である。さらに好ましくは、この待機時間:ΔTnを、フィードバック制御系を用いて、最も制振効果が高くなるように調整することも好適である。
(3)上記実施形態では、運転イベントの発生を監視する対象としての運転特性をバッテリ電圧の変動としていたが、その他の運転特性、例えば、エンジン回転数、車輪回転速度、油圧変動などを単独または組み合わせで用いてもよい。
(4)上記実施形態では、振動センサ3と加振器4が別部材で構成されていたが、振動センサ3に代えて、加振器4の逆起電力を用いて振動を検出する構成を採用することも可能である。
(5)上述した実施形態では、制振コントローラ24の機能を分かりやすく説明するため、その構成を機能別にブロック化しているが、この機能ブロックは説明目的であり、本発明がこのように区画された機能ブロックに限定されるわけではない。例えば、各機能部のいずれかを組み合わせて構築してもよいし、逆に、各機能部をさらに分割してもよい。
本発明は、エンジンユニットで発生し車体を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を前記車体構成要素に付与する制振システムに利用することができる。
1:車体
3:振動センサ
4:加振器
10:エンジンユニット
11:バッテリ
12:乗員座席
12a:シート部
12b:基台部
24:制振コントローラ
5:学習モジュール
51:運転特性取得部
52:振動検出部
53:振動マッチング時期算定部
54:制振情報生成部
6:制振情報テーブル
7:実行モジュール
71:運転イベント検知部
72:制振情報処理部
73:加振器制御部
3:振動センサ
4:加振器
10:エンジンユニット
11:バッテリ
12:乗員座席
12a:シート部
12b:基台部
24:制振コントローラ
5:学習モジュール
51:運転特性取得部
52:振動検出部
53:振動マッチング時期算定部
54:制振情報生成部
6:制振情報テーブル
7:実行モジュール
71:運転イベント検知部
72:制振情報処理部
73:加振器制御部
Claims (5)
- エンジンユニットで発生し車体を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を前記車体構成要素に付与する加振器と、
予め設定された運転イベントに基づいて発生する振動を特定イベント振動として検出する振動検出部と、
前記運転イベントの発生時点から前記特定イベント振動が前記加振器に伝播する時間を待機時間として算定する振動マッチング時期算定部と、
前記特定イベント振動を相殺するための相殺振動を作り出すための振動波形を前記特定イベント振動から生成する制振情報生成部と、
前記運転イベントに関連付けられた前記待機時間と特定振動波形とを制振情報として抽出可能に格納する制振情報格納部と、
前記運転イベントの発生を検知する運転イベント検知部と、
前記検知された運転イベントに基づいて前記制振情報格納部から前記待機時間と前記特定振動波形を抽出する制振情報処理部と、
前記待機時間の経過後に前記特定振動波形に基づいて生成された制振信号を用いて前記加振器を動作させる加振器制御部と、
を備えた車両用制振システム。 - エンジンユニットで発生し車体を通じて車体構成要素に伝播される振動を相殺抑制する相殺振動を前記車体構成要素に付与する加振器と、
予め設定された運転イベントに基づいて発生する特定イベント振動を相殺するための相殺振動を生成するための振動波形と、前記運転イベントの発生時点から前記特定イベント振動が前記加振器に伝播する時間である待機時間とを抽出可能に格納する制振情報格納部と、
前記運転イベントの発生を検知する運転イベント検知部と、
前記検知された運転イベントに基づいて前記制振情報格納部から前記待機時間と前記特定振動波形を抽出する制振情報処理部と、
前記待機時間の経過後に前記特定振動波形に基づいて生成された制振信号を用いて前記加振器を動作させる加振器制御部と、
を備えた車両用制振システム。 - 前記車体構成要素が車体に固定された座席ユニットであり、前記特定イベント振動は座席ユニットで検出された振動であり、前記加振器は前記座席ユニットに固定されている請求項1または2に記載の車両用制振システム。
- 前記運転イベントは、アイドリングストップ、アイドリングスタート、イグニッションオン、イグニッションオフの少なくとも1つであり、前記運転イベント検知部は、バッテリ電圧の変化に基づいて前記運転イベントの発生を検知する請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用制振システム。
- 前記特定イベント振動の主周波数は所定Hzである請求項4に記載の車両用制振システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011159345A JP2013024323A (ja) | 2011-07-20 | 2011-07-20 | 車両用制振システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011159345A JP2013024323A (ja) | 2011-07-20 | 2011-07-20 | 車両用制振システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013024323A true JP2013024323A (ja) | 2013-02-04 |
Family
ID=47782922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011159345A Withdrawn JP2013024323A (ja) | 2011-07-20 | 2011-07-20 | 車両用制振システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013024323A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015175461A (ja) * | 2014-03-17 | 2015-10-05 | Necプラットフォームズ株式会社 | 車載振動抑制装置 |
-
2011
- 2011-07-20 JP JP2011159345A patent/JP2013024323A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015175461A (ja) * | 2014-03-17 | 2015-10-05 | Necプラットフォームズ株式会社 | 車載振動抑制装置 |
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