JP2013024266A - 車載制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの消費をより一層低減することができる車載制御システムを提供すること。
【解決手段】SBWECU6は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジを判定し、レンジ位置切替機構8に対して、目標レンジとなるようにレンジの切り替えを要求するとともに、レンジ位置切替機構8が目標レンジとなったか否かを判定するものであり、レンジ位置切替機構8がPレンジになったと判定すると(S12でYES判定)、車速が5km/h以下であり(S14でYES判定)、且つPレンジ継続時間が10秒以上である(S15でYES判定)場合、バッテリ1から不要装置11及びATECU12に対する電力供給を遮断するようにカット用リレー4をオフする(S17)。
【選択図】図2

Description

本発明は、車載制御システムに関するものである。
従来、車両に搭載された車載バッテリの負荷軽減を図る(すなわち、車両に搭載された車載バッテリの電力消費を軽減する)車載制御システムの一例として、特許文献1に開示された車両用走行制御装置があった。
この車両用走行制御装置は、自車両停止検出手段によって自車両が停止状態であると検出された場合、且つアクセルペダル全閉検出手段によって運転者がアクセルペダルを踏み込んでいないことが検出された場合、自動変速機をニュートラル(N)もしくはパーキング(P)状態に該当するレンジに制御するものである。
特開平10−159966号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている車両用走行制御装置は、自車両が停止状態であると検出され、且つ運転者がアクセルペダルを踏み込んでいないことが検出された場合に、自動変速機をNもしくはP状態に該当するレンジに制御するものに過ぎない。よって、このように自動変速機を制御したとしても、車両が停止しているときには動作する必要がない装置(例えば車両の動力源(モータ、内燃機関(エンジン))を制御する制御装置など)に対して、車載バッテリからの電力供給がなされる可能性がある。つまり、自車両が停止状態であるにも係わらず、車両が停車しているときには動作する必要がない装置に対して電力供給がなされるので、車載バッテリの消費を低減することができないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、車載バッテリの負荷をより一層低減することができる車載制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の車載制御システムは、
搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジを判定し、少なくともパーキングレンジ又は非パーキングレンジにレンジを切り替える切替機構に対して、目標レンジとなるようにレンジの切り替えを要求するとともに、切替機構が目標レンジとなったか否かを判定するシフト制御部と、
車載バッテリから電力供給を受けて動作するとともに車両が停車しているときには動作する必要がない車載装置に対して、車載バッテリからの電力供給状態を供給状態又は供給の遮断状態とに切り替える切替部と、を備え、
シフト制御部は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジになったと判定すると、切替機構に対してパーキングレンジへの切り替えを要求し、切替機構がパーキングレンジに切り替わったと判定した場合、車載装置に対する車載バッテリからの電力供給状態が遮断状態となるように切替部を動作させることを特徴とする。
このように、シフト制御部は、切替機構がパーキングレンジに切り替わったと判定した場合、車載装置に対する車載バッテリからの電力供給状態が遮断状態となるように切替部を動作させので、車両が停車しているときの車載バッテリの負荷(すなわち、車載バッテリの電力消費)を低減することができる。
また、請求項2に示すように、シフト制御部は、車載装置に対する車載バッテリからの電力供給が遮断状態となるように切替部を動作させている場合、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジ以外になったと判定すると、車載装置に対して車載バッテリからの電力供給がなされるように切替部を動作させるようにしてもよい。
このようにすることによって、車両が停車しているときに車載装置への電力供給を遮断したとしても、搭乗者が車両の運転を再開しようとしたときに、車載装置への電力供給を行うことができる。
ところで、電力供給が開始されてから車載装置が動作可能となるまでに要する時間は、車載装置毎に異なる。よって、電力供給の開始から動作可能となるまでに要する時間が比較的長い車載装置への電力供給を遮断した場合、車載装置が動作可能となる前に、切替機構がパーキングレンジ以外に切り替わってしまうことも起こりうる。このような状況はあまり好ましくない。
そこで、請求項3に示すように、シフト制御部は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジ以外になったと判定して、車載装置に対する車載バッテリからの電力供給状態が供給状態となるように切替部を動作させた場合、車載装置が動作可能となったことを条件として、切替機構に対して目標レンジへの切り替えを要求するようにしてもよい。
このようにすることによって、電力供給の開始から動作可能となるまでに要する時間が比較的長い車載装置であっても、車載装置が動作可能となる前に、切替機構がパーキングレンジ以外に切り替わってしまうことを抑制することができる。
車両が停車しているときには動作する必要がない車載装置としては、電子制御ユニットも考えられる。電子制御ユニットは、電力供給が開始されると、イニシャル処理を行った後に制御を実行する(動作可能となる)ものが多い。そこで、請求項4に示すように、シフト制御部は、電子制御ユニットからイニシャル処理の完了を示す信号を取得すると、電子制御ユニットが動作可能となったとみなして、切替機構に対して目標レンジへの切り替えを要求するようにしてもよい。
このようにすることによって、上述の車載装置としての電子制御ユニットに対する電力供給を遮断した場合であっても、この電子制御ユニットが制御を実行する(動作可能となる)前に、切替機構がパーキングレンジ以外に切り替わってしまうことを抑制することができる。
また、請求項5に示すように、シフト制御部は、車載装置に対する車載バッテリからの電力供給状態が供給状態となるように切替部を動作させてからの経過時間が所定時間に達した場合に車載装置が動作可能となったとみなして、切替機構に対して目標レンジへの切り替えを要求するようにしてもよい。このようにしても、車載装置が動作可能となる前に、切替機構がパーキングレンジ以外に切り替わってしまうことを抑制することができる。
また、請求項6に示すように、車両は、所定のアイドリングストップ条件にて内燃機関を自動的に停止させ、アイドリングストップ後の所定のアイドリングストップ解除条件にてスタータモータを用いて内燃機関を自動的に始動させるアイドリングストップシステムを備えるものである、
車載装置は、車両の内燃機関に対する制御を行う内燃機関制御装置を含み、
シフト制御部は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジ以外になったと判定して、車載装置である内燃機関制御装置に対する車載バッテリからの電力供給状態が供給状態となるように切替部を動作させた場合、アイドリングストップシステムに対して内燃機関を始動するように要求し、
アイドリングストップシステムは、シフト制御部からの要求に応じて、前記スタータモータを用いて前記内燃機関を始動させるようにしてもよい。
近年、燃費を向上させるために、所定のアイドリングストップ条件(例えば車両が信号待ちをしている間)にて内燃機関をストップし、アイドリングストップ後の所定のアイドリングストップ解除条件にてスタータモータを用いて内燃機関を自動的に始動させるアイドリングストップシステムが知られている。つまり、アイドリングストップシステムは、車両が信号待ちである状態を検出すれば、内燃機関をアイドリングストップさせる。そして、その他要因により内燃機関を始動させる必要があると判断すると、スタータへの電力を供給し、エンジンを始動させる。
そこで、請求項6に示すように、このアイドリングストップシステムと本発明の車載制御システムとを組み合わせることで、アイドリングストップシステムでは行なっていなかった、車両の信号待ち以外でも内燃機関をストップ(内燃機関のアイドリングをストップ)させることが可能となる。よって、車両が停車しているときの車載バッテリの負荷を低減することができると共に、燃費を向上させることができる。
また、請求項7に示すように、アイドリングストップシステムは、シフト制御部からの要求に応じて内燃機関を始動させると、内燃機関を始動させたことを示す始動通知をシフト制御部に対して送信するものであり、
シフト制御部は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジ以外になったと判定して、車載装置である内燃機関制御装置に対する車載バッテリからの電力供給状態が供給状態となるように切替部を動作させた場合、アイドリングストップシステムから始動通知を受け取ったことを条件として、切替機構に対して目標レンジへの切り替えを要求するようにしてもよい。
このようにすることによって、内燃機関が始動した状態で切替機構をパーキングレンジ以外に切り替わるようにすることができる。
また、請求項8に示すように、シフト制御部は、切替機構がパーキングレンジに切り替わった判定したことに加えて、切替機構がパーキングレンジに切り替わってからの経過時間が所定時間に達した場合、車載装置に対する車載バッテリからの電力供給状態が遮断状態となるように切替部を動作させるようにしてもよい。
このようにすることによって、確実に車両が停車(パーキングレンジで停車)している場合に、車載バッテリから車載装置に対する電力供給を遮断することができる。
また、請求項9に示すように、シフト制御部は、切替機構がパーキングレンジに切り替わったと判定したことに加えて、自車両の車速が所定値以下である場合、車載装置に対する車載バッテリからの電力供給状態が遮断状態となるように切替部を動作させるようにしてもよい。
つまり、切替機構がパーキングレンジに切り替わって、且つ自車両の車速が所定値以下である場合(請求項1乃至7のいずれかを引用する場合)に、車載バッテリから車載装置に対する電力供給を遮断するように切替部を動作させるようにしてもよい。また、切替機構がパーキングレンジに切り替わってからの経過時間が所定時間に達し、且つ自車両の車速が所定値以下である場合(請求項8を引用する場合)に、車載バッテリから車載装置に対する電力供給を遮断するように切替部を動作させるようにしてもよい。このようにすることによって、確実に車両が停車(パーキングレンジで停車)している場合に、車載バッテリから車載装置に対する電力供給を遮断することができる。
また、請求項10に示すように、車載装置は、イグニッションスイッチによってオン又はオフされるイグニッションリレーを介して、車載バッテリから電力供給を受けるものであり、切替部は、イグニッションリレーと車載装置との間に設けられるものであり、イグニッションリレーを介した車載バッテリからの電力供給状態を切り替えるようにしてもよい。
なお、切替部としては、請求項11に示すように、車載バッテリと車載装置とを電気的に接続又は遮断するリレー機構を採用することができる。このようにすることによって、簡単な構成で車載装置への電力供給と、電力供給の遮断を切り替えることができる。
本発明の実施の形態における車載制御システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における車載制御システムの電力供給カット処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における車載制御システムの復帰処理を示すフローチャートである。 変形例1における車載制御システムの概略構成要を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の車載制御システムは、主に、イグニッションリレー3を介してバッテリ1(車載バッテリ)と電気的に接続可能なシフトバイワイヤECU(SBWECU)6と、イグニッションリレー3と不要車載装置(以下、単に不要装置とも記載する)11及びATECU12との間に配置されるカット用リレー4とを含むものである。なお、図1における点線は通信線を示すものであり、実線は直線(ジカ線)を示すものである。また、後ほど説明する図4においても同様に、点線は通信線を示すものであり、実線は直線(ジカ線)を示すものである。
バッテリ1は、例えば、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池などを採用することができる。このバッテリ1は、後ほど説明するSBWECU6、ブレーキECU9、不要装置11、ATECU12などと同じ車両に搭載され、これらの各装置(符号6,9,11,12)などに対して電力(すなわち動作電力)を供給するものである。
イグニッションスイッチ(以下、IGスイッチとも記載する)2は、ユーザ(ドライバー)によってオン及びオフ操作されるものである。なお、IGスイッチ2がオン状態であることを単にIGオンとも記載し、IGスイッチ2がオフ状態であることを単にIGオフとも記載する。
イグニッションリレー(以下、IGリレーとも称する)3は、IGスイッチ2のオン及びオフによって、バッテリ1から上述の各装置への電力供給及び電力供給の遮断を行うものである。IGリレー3は、ユーザによってIGスイッチ2が操作されてIGオンになるとオンする。逆に、IGリレー3は、ユーザによってIGスイッチ2が操作されてIGオフになるとオフする。このように、SBWECU6、ブレーキECU9、不要装置11、ATECU12などは、IGリレー3を介してメインリレー制御されている。
なお、SBWECU6やブレーキECU9は、IGリレー3を介してバッテリ1と接続される。よって、SBWECU6やブレーキECU9は、IGリレー3がオン状態の場合にバッテリ1から電力供給がなされる。逆に、SBWECU6やブレーキECU9は、IGリレー3がオフ状態の場合にバッテリ1からの電力供給が遮断される。
これに対して、不要装置11やATECU12は、IGリレー3及びカット用リレー4を介してバッテリ1と接続される。よって、不要装置11やATECU12は、IGリレー3がオン、且つカット用リレー4(IGリレー3及びカット用リレー4の両方)がオンの場合にバッテリ1から電力供給がなされる。逆に、IGリレー3又はカット用リレー4(IGリレー3及びカット用リレー4の少なくとも一方)がオフの場合にバッテリ1からの電力供給が遮断される。つまり、不要装置11やATECU12は、IGリレー3がオン状態であっても、カット用リレー4がオフ状態である場合はバッテリ1からの電力供給がなされない。
カット用リレー4は、不要装置11やATECU12に対するバッテリ1からの電力供給状態を供給状態又は供給の遮断状態に切り替えるものであり、本発明の切替部に相当するものである。よって、このカット用リレー4は、不要装置カット用リレーとも言い換えることができる。また、カット用リレー4は、IGリレー3と車載装置(不要装置11及びATECU12)とを繋ぐ電源経路中に設けられるものである。換言すると、カット用リレー4は、IGリレー3と車載装置(不要装置11及びATECU12)との間の電源経路を繋いだり、切断したりするものである。
このカット用リレー4は、SBWECU6によって制御される(すなわちオン及びオフが切り替えられる)。具体的には、カット用リレー4は、SBWECU6によって電源5からの電力供給がなされるとオフし、電源5からの電力供給が遮断されるとオンする。
SBWECU(シフトバイワイヤ用電子制御ユニット)6は、本発明のシフト制御部に相当するものである。このSBWECU6は、電源回路、I/O、CPU、RAM、ROMなどを含むマイコンを主体に構成され、シフタ7、レンジ位置切替機構8、車速センサ14などのセンサ類(車速センサ以外は図示省略)、エンジンECU(内燃機関制御装置、図示省略)、及びHV用モータ・発電機(図示省略)などと電気的に接続されている。なお、車速センサ14は、SBWECU6に直接接続されていても、車速ECU(図示省略)を介してSBWECU6に接続されていてもよい。つまり、車速情報(自車両の車速を示す信号)は、車速センサ14からSBWECU6に直接入力されるものであっても、車速ECU(図示省略)を介してSBWECU6に入力されるものであってもよい。
このように構成されたSBWECU6は、CPUが予めROMなどに格納されたプログラムをRAMに読出して実行することによって、I/Oを介してシフタ7やレンジ位置切替機構8などと通信するとともに、所定の処理動作を実行する。
SBWECU6は、例えば、搭乗者(ドライバー)のレンジ切替操作に応じて目標レンジを判定し(目標レンジ判定手段)、レンジ位置切替機構8に対して、目標レンジとなるようにレンジの切り替えを要求する(レンジ切替要求手段)。すなわち、SBWECU6は、目標レンジとなるようにレンジの切り替えを要求する要求処理を行う。さらに、SBWECU6は、目標レンジとなるようにレンジの切り替えを要求する要求機能を備えているとも言い換えることができる。
なお、ここでは、搭乗者のレンジ切替操作に対応した信号に基づいてレンジ位置切替機構8を駆動制御することで、レンジ位置切替機構8におけるレンジを搭乗者の要求するP(パーキング)レンジ又は非Pレンジに切り替える例を採用する。つまり、目標レンジとして、Pレンジ及び非Pレンジを採用する。
具体的には、SBWECU6は、ブレーキECU9からのブレーキ情報、車速センサ14からの車速情報(又は、車速ECUからの車速情報)、シフタ7からのシフトポジション情報に基づいて、搭乗者のレンジ切替操作を判定して目標レンジ(Pレンジか非Pレンジ)を決定(判定)する。そして、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8に対して、Pレンジへの切替要求又はPレンジ解除要求(非Pレンジへの切替要求)を行う。
つまり、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8に対して、レンジ切替要求としてPレンジへの切替要求を行うか、又はレンジ切替要求として非Pレンジへの切替要求を行う。換言すると、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8に対して、目標レンジ(要求レンジとも称する)を示す信号を出力する。また、SBWECU6は、切換要求(駆動信号)を出力することでレンジ位置切替機構8を駆動制御して、レンジ位置切替機構8におけるレンジを目標レンジに切り替えるものであるとも言い換えることができる。
なお、SBWECU6は、目標レンジを決定した際には、この目標レンジを示すレンジ情報をATECU12に対して出力する。これは、ATECU12に対して、自動変速機13における変速段をN(ニュートラル)、R(リバース)、D(ドライブ)のそれぞれへの切り換え要求を行うためである。
このように、本実施形態においては、Pレンジ又は非Pレンジが、本発明(特許請求の範囲)における目標レンジに相当するものである。よって、本実施形態においては、SBWECU6がレンジ位置切替機構8に対して出力する切替要求(Pレンジへの切替要求及び非Pレンジへの切替要求)が、本発明(特許請求の範囲)におけるレンジの切り替えを要求することに相当するものである。ただし、本発明におけるレンジ切替要求は、Pレンジへの切替要求及び非Pレンジへの切替要求に限定されるものではない。つまり、目標レンジは、Pレンジ及び非Pレンジに限定されるものではない。
また、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8からの信号に基づいて、レンジ位置切替機構8が目標レンジとなったか否かを判定する(レンジ切替判定手段)。すなわち、SBWECU6は、このようにレンジ位置切替機構8が目標レンジとなったか否かを判定する判定処理を行う。さらに、SBWECU6は、このようにレンジ位置切替機構8が目標レンジとなったか否かを判定する判定機能を備えるとも言い換えることができる。
例えば、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8に設けられたモータ(エンコーダ)から出力されるエンコーダ信号に基づいてレンジ位置を判断(検出)する。つまり、SBWECU6は、エンコーダ信号を取得して、このエンコーダ信号のパルス数をカウントすることでレンジ位置を取得(判断、検出)する。そして、SBWECU6は、決定した目標レンジと、検出したレンジ位置とを比較して、レンジ位置切替機構8が目標レンジとなったか否かを判定する。なお、このレンジ位置の検出に関しては、周知技術であるため詳しい説明は省略する。
さらに、SBWECU6は、所定の条件を満たした場合に、不要装置11やATECU12に対するバッテリ1からの電力供給状態が遮断状態となるようにカット用リレー4を動作させる(切替部制御手段)。すなわち、SBWECU6は、このように遮断状態となるようにカット用リレー4を動作させカット処理を行う。さらに、SBWECU6は、このように遮断状態となるようにカット用リレー4を動作させるカット処理機能を備えているとも言い換えることができる。なお、この所定の条件に関しては、後ほど説明する。
また、SBWECU6は、所定の条件を満たした場合に、不要装置11やATECU12に対するバッテリ1からの電力供給状態が供給状態となるようにカット用リレー4を動作させる(切替部制御手段)。すなわち、SBWECU6は、このように供給状態となるようにカット用リレー4を動作させカット処理を行う。さらに、SBWECU6は、所このように供給状態となるようにカット用リレー4を動作させるカット処理機能を備えているとも言い換えることができる。なお、この所定の条件に関しては、後ほど説明する。
シフタ7は、自車両の車室に設けられたシフト操作部(シフトレバー、又はシフトレバーとパーキングスイッチ)などを含むものである。このシフタ7は、搭乗者による操作部の操作状態を検出して、検出したシフトポジション情報(シフトポジション信号)を出力する。つまり、シフタ7は、搭乗者がシフト操作部を操作することにより指令したレンジ(指令レンジ)を検出して、検出した指令レンジ(シフトポジション情報)を出力すると言い替えることができる。よって、シフトポジション情報(指令レンジ)としては、Pレンジを示す情報、Dレンジを示す情報などが含まれる。
レンジ位置切替機構8は、少なくともパーキングレンジ又は非パーキングレンジにレンジを切り替えるものである(切替機構)。このレンジ位置切替機構8は、エンコーダを備えたモータ(例えばSRモータ)、モータの出力軸に固定されたディテントレバーなどを含むものである。ここでは、レンジ位置切替機構8は、SBWECU6からのレンジ切替要求に応じて、モータ(ロータ)が回転して、Pレンジから非Pレンジ、及び非PレンジからPレンジに切り替えるパーキング機構を採用する。つまり、レンジ位置切替機構8は、モータを回転させることによって、パーキングギアをパーキングレンジ(ロック)又は非パーキングレンジ(ロック解除)に切り替えるものである。よって、本発明のシフト制御部は、目標レンジ(Pレンジ又は非Pレンジ)となるように切替機構のモータを駆動制御すると言い替えることもできる。また、エンコーダは、モータにおけるロータの回転に伴ってパルス信号を出力する。なお、このレンジ位置切替機構8に関しては、本出願人による特開2004−129451号公報などに開示されているもの(図1に示すレンジ切替機構)を採用することができるため、その詳しい説明を省略する。
また、本実施形態においては、特許請求の範囲における目標レンジとしてPレンジ及び非Pレンジを採用するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明における目標レンジは、Pレンジ、Nレンジ、Rレンジ、Dレンジを採用することができる。この場合、レンジ位置切替機構8は、本出願人による特開2007−32819号公報などに開示されているもの(図2に示すアクチュエータ及び伝達機構部)を採用することもできる。つまり、レンジ位置切替機構8は、アクチュエータを駆動(モータを回転)させることによって、自動変速機をPレンジ、Nレンジ、Rレンジ、Dレンジのいずれかに切り替えるものを採用することができる。この場合、SBWECU6は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジ(Pレンジ、Nレンジ、Rレンジ、Dレンジのいずれか)を判定し、レンジ位置切替機構8に対して、目標レンジとなるようにレンジの切り替えを要求する例を採用することもできる。よって、本発明のシフト制御部は、目標レンジ(Pレンジ、Nレンジ、Rレンジ、Dレンジのいずれか)となるように切替機構のアクチュエータ(モータ)を駆動制御すると言い替えることもできる。
ブレーキECU(ブレーキ用電子制御ユニット)9は、電源回路、I/O、CPU、RAM、ROMなどを含むマイコンを主体に構成され、ブレーキペダル(ブレーキペダル機構)10、SBWECU6などと電気的に接続されている。このように構成されたブレーキECU9は、CPUが予めROMなどに格納されたプログラムをRAMに読出して実行することによって、I/Oを介してブレーキペダル10やSBWECU6などと通信するとともに、所定の処理動作を実行する。例えば、ブレーキECU9は、搭乗者によるブレーキペダル10の操作に従って、車両のブレーキを作動させる。また、ブレーキECU9は、搭乗者によるブレーキペダル10の踏み込み量などのブレーキ操作状態を検出して、検出したブレーキ操作状態を示すブレーキ情報(ブレーキペダルポジション信号)を出力する。
不要装置11は、本発明(特許請求の範囲)における車載装置に相当するものであり、車両が停止しているときに動作する必要がない装置である。よって、以下の説明において登場する車載装置は、車両が停止しているときに動作する必要がない装置を示すものである。
不要装置11は、バッテリ1から電力供給されて動作するものであるが、IGスイッチ2がオン状態であっても所定の条件を満たす場合にはバッテリ1からの電力供給が遮断されるものである。なお、不要装置11に対する電力供給の遮断に関しては、後ほど詳しく説明する。この不要装置11は、例えば、エンジンECU(エンジン用電子制御ユニット)、ABSECU(ABS用電子制御ユニット)、エアバッグECU(エアバッグ用電子制御ユニット)などの電子制御ユニットを採用することができる。
これらの電子制御ユニットの多くは、電力供給が開始されて制御を実行する(動作可能となる)前に、イニシャル処理(初期処理、例えば、ROMチェック、フラグの初期化など)を行う。つまり、電力供給が開始されると、イニシャル処理を行った後に制御を実行する(動作可能となる)。そこで、電子制御ユニットは、イニシャル処理が完了すると、制御が可能(すなわち動作可能)であることを示す復帰完了信号をSBWECU6に対して出力する。
また、不要装置11としては、アクセルセンサ、車速ECU(車速センサ14)、クランク角センサなどのセンサ(デバイス)を採用することもできる。このようなセンサの多くは、上述のようなイニシャル処理は必要ない。なお、本発明は、これらの電子制御ユニット及びセンサの少なくとも一つを採用することで目的は達成できるものである。
ATECU(オートマチックトランスミッション用電子制御ユニット)12は、電源回路、I/O、CPU、RAM、ROMなどを含むマイコンを主体に構成され、SBWECU6、自動変速機13、車速ECU(車速センサ14)などと電気的に接続されている。このように構成されたブレーキECU9は、CPUが予めROMなどに格納されたプログラムをRAMに読出して実行することによって、I/Oを介してSBWECU6や自動変速機13などと通信するとともに、所定の処理動作を実行する。例えば、ATECU12は、SBWECU6からのレンジ情報や車速ECU(車速センサ14)からの車速情報などに基づいて、ソレノイドバルブを駆動制御して自動変速機13の変速段(レンジ)を切り替える。
なお、このATECU12は、不要装置としても採用することができるものである。図1に示すように、不要装置11とは別にATECU12を備える構成を用いているが、本実施形態ではATECU12を不要装置の一つとして採用する。つまり、本実施形態においては、不要装置として、電子制御ユニットの一例であるATECU12を採用する。一方、図1における符号11で示す不要装置としては、電力供給が開始されると、イニシャル処理を行うことなく動作可能となるセンサ(デバイス)を採用する。
また、ATECU12は、電力供給が開始されるとイニシャル処理を行い、このイニシャル処理が完了すると、制御が可能(すなわち動作可能)であることを示す復帰完了信号をSBWECU6に対して出力する。なお、不要装置の中には、電力供給が開始されて、イニシャル処理を行うことなく動作可能となるものもある(例えばセンサなど)。このような不要装置は、SBWECU6に復帰完了信号を出力する必要がない。
ここで、図2,3に基づいて、本実施形態における車載制御システムの処理動作に関して説明する。図2に示すフローチャートは、不要装置のカット処理動作を示すものである。一方、図3に示すフローチャートは、カットした不要装置の復帰処理動作を示すものである。SBWECU6は、IGスイッチ2がオン状態になると図2,3に示すフローチャートの処理動作の実行を開始するとともに、IGスイッチ2がオン状態である間、この処理動作を繰り返し実行するものである。
まず、図2に示すフローチャートの処理動作に関して説明する。図2のステップS10では、搭乗者からのPレンジ要求が有るか否かを判定する。このとき、SBWECU6は、ブレーキECU9からのブレーキ情報、車速ECU(車速センサ14)からの車速情報、シフタ7からのシフトポジション情報に基づいて、搭乗者のレンジ切替操作を判定して目標レンジ(Pレンジか非Pレンジ)を決定する。そして、SBWECU6は、決定した目標レンジがPレンジである場合、Pレンジ要求有りと判定してステップS11へ進み、決定した目標レンジがPレンジでない(例えば非Pレンジである)場合、Pレンジ要求無しと判定してステップS12へ進む。
図2のステップS11では、レンジ位置切替機構8に対してPレンジへの駆動制御を実行する。このとき、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8に対して、レンジ切替要求としてPレンジへの切替要求を行う。つまり、SBWECU6は、Pレンジへ切り替えるようにレンジ位置切替機構8におけるモータを駆動制御する。
なお、SBWECU6は、Pレンジ要求無しと判定した場合は(S10でNO判定)、レンジ位置切替機構8に対して、レンジ切替要求として非Pレンジへの切替要求を行うか、レンジ切替要求を行わない(図示省略)。つまり、SBWECU6は、非Pレンジ要求有りと判定した場合はレンジ位置切替機構8に対して非Pレンジへの駆動制御を実行する。また、SBWECU6は、Pレンジ要求有りとも、非Pレンジ要求有りとも判定してない場合はレンジ位置切替機構8に対する駆動制御は実行しない。
図2のステップS12では、レンジ位置切替機構8がPレンジになったか否かを判定する。例えば、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8に設けられたモータ(エンコーダ)から出力されるエンコーダ信号(パルス信号)をカウントして、レンジ位置切替機構8におけるレンジ位置を判断(検出)する。そして、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8がPレンジであるか否かを判定し、Pレンジであると判定した場合はステップS14へ進み、Pレンジでない(すなわち非Pレンジである)と判定した場合はステップS13へ進む。
なお、SBWECU6がレンジ切替要求を行ってから、レンジ位置切替機構8が目標レンジに切り替わるまでには時間を要するものである。よって、ステップS12では、SBWECU6は、レンジ切替要求を行ってから所定時間内にレンジ位置切替機構8がPレンジになった場合はPレンジであると判定し、レンジ切替要求を行ってから所定時間内にレンジ位置切替機構8がPレンジにならなかった場合はPレンジでないと判定するようにしてもよい。
図2のステップS13では、Pレンジ継続時間をクリアする。後ほど説明するが、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8がPレンジになると、このPレンジの継続時間を計時するものである。よって、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8がPレンジでないと判定した場合(S12でNO判定)、この計時したPレンジ継続時間をクリアする。より具体的には、Pレンジの継続時間を計時するためのカウント値をクリアする。
図2のステップS14では、車速が所定値(ここでは5km/h)以下であるか否かを判定する。このステップS14での判定は、車両が確実に停車しているか否かを判定するために行うものである。そして、SBWECU6は、車速ECU(車速センサ14)からの車速情報に基づいて、車速が5km/h以下であると判定した場合はステップS15へ進み、車速が5km/h以下でないと判定した場合は図2に示すフローチャートの処理動作を終了する。
図2のステップS15では、Pレンジ継続時間が所定時間(ここでは10秒)以上であるか否かを判定する。つまり、SBWECU6は、Pレンジへの切替要求に応じてレンジ位置切替機構8がPレンジとなってから、レンジ位置切替機構8のPレンジが継続している時間(単にPレンジ継続時間とも称する)が10秒以上であるか否かを判定する。具体的には、SBWECU6は、後ほど説明するステップS16でカウントアップされたカウント値を確認して、このカウント値に基づいてPレンジ継続時間が10秒以上であるか否かを判定する。つまり、SBWECU6は、カウント値が所定値に達していた場合はPレンジ継続時間が10秒以上であると判定し、カウント値が所定値に達していない場合はPレンジ継続時間が10秒以上でないと判定する。
このステップS15での判定は、搭乗者(ドライバ)がしばらく車両を発進させる意思がないことを判定するために行うものである。そして、SBWECU6は、Pレンジ継続時間が10秒以上であると判定した場合はステップS17へ進み、Pレンジ継続時間が10秒以上でないと判定した場合はステップS16へ進む。
図2のステップS16では、カウントアップする。SBWECU6は、Pレンジ継続時間を計時するためのカウント値をカウントアップ(カウント値+1)する。
図2のステップS17では、不要装置(不要装置11及びATECU12)に対するカット動作を実行する。このとき、SBWECU6は、バッテリ1から不要装置11及びATECU12に対する電力供給を遮断するようにカット用リレー4を動作させる。SBWECU6は、カット用リレー4に対して電源5からの電力供給を行うことで、カット用リレー4をオフする。これによって、バッテリ1からIGリレー3を介して不要装置11及びATECU12に達する電力供給経路を遮断(切断)することができる。つまり、SBWECU6は、Pレンジ継続時間が所定値に達し、且つ車速が所定値以下である場合、所定の条件が満たされたとみなして、不要装置11やATECU12に対するバッテリ1からの電力供給状態が遮断状態となるようにカット用リレー4を動作させる(切替部制御手段)。
本実施形態によれば、不要装置11及びATECU12に対するバッテリ1からの電力供給を遮断することによって、車両が停車しているときのバッテリ1の負荷(バッテリ1の消費電力)を低減することができる。特に、本実施形態では、Pレンジ継続時間が所定時間に達し、且つ自車両の車速が所定値以下である場合に、不要装置11及びATECU12に対するバッテリ1からの電力供給を遮断する構成を採用している。従って、確実に車両が停車(パーキングレンジで停車)しており、且つ搭乗者がしばらく車両を発進させる意思がない場合に、不要装置11及びATECU12に対するバッテリ1からの電力供給を遮断することができる。
また、上述のように、本発明(特許請求の範囲)における切替部として、バッテリ1と車載装置(不要装置)とを電気的に接続又は遮断するカット用リレー(リレー機構)4を採用することによって、簡単な構成で車載装置(不要装置)への電力供給と、電力供給の遮断を切り替えることができる。
また、本実施形態は、上述のようにIGリレー3と車載装置(不要装置11及びATECU12)との間にカット用リレー4を設け、このカット用リレー4をオフして車載装置への電力供給を遮断するものである。つまり、本実施形態は、メインリレー制御を実施している車載装置(不要装置11及びATECU12)に対して、定格電源ではなくIGスイッチ接続ライン(IGリレー接続ライン)を断線させるものである。このようにすることによって、車載装置(不要装置11及びATECU12)は、カット用リレー4がオフされると、IGスイッチ2がオフした時と同様の制御(処理、例えばDataFlashへのデータ記憶など)を実施するため、メインリレー制御を完了させることが出来る。
次に、図3に示すフローチャートの処理動作に関して説明する。図3のステップS20では、ブレーキペダルがオンであるか否かを判定する。このとき、SBWECU6は、ブレーキECU9からのブレーキ情報に基づいて、搭乗者によるブレーキペダル10の踏み込み量が所定値に達しているかによって、ブレーキペダルがオンであるか否かを判定する。そして、SBWECU6は、搭乗者によるブレーキペダル10の踏み込み量が所定値に達している場合にブレーキペダルオンであると判定しステップS21へ進み、所定値に達してない場合にブレーキペダルオンでないと判定し図3に示すフローチャートの処理動作を終了する。
図3のステップS21では、搭乗者からのPレンジ以外の要求が有るか否かを判定する。このとき、SBWECU6は、ブレーキECU9からのブレーキ情報、シフタ7からのシフトポジション情報に基づいて、搭乗者のレンジ切替操作を判定して目標レンジ(Pレンジか非Pレンジ)を決定する。そして、SBWECU6は、決定した目標レンジがPレンジでない(非Pレンジである)場合、Pレンジ以外の要求有りと判定してステップS22へ進み、決定した目標レンジがPレンジである場合、Pレンジ以外の要求はないと判定して図3に示すフローチャートの処理動作を終了する。なお、ここでは、ブレーキペダル10がオン、且つ、シフタ7からPレンジ以外を示すシフトポジション情報が出力されると、Pレンジ以外の要求有りと判定する。
図3のステップS22では、不要装置(不要装置11及びATECU12)の復帰動作を実行する。つまり、図2のステップS17でバッテリ1からの電力供給を遮断した不要装置11及びATECU12を復帰させる処理を実行する。このとき、SBWECU6は、不要装置11及びATECU12に対してバッテリ1から電力供給がなされるようにカット用リレー4を動作させる。SBWECU6は、カット用リレー4に対して電源5からの電力供給を遮断することで、カット用リレー4をオンする。これによって、バッテリ1からIGリレー3を介して不要装置11及びATECU12に達する電力供給経路が繋がり、不要装置11及びATECU12に対してバッテリ1からの電力供給がなされる。このように、SBWECU6は、搭乗者からPレンジ以外の要求があった場合、所定の条件が満たされたとみなして、不要装置11及びATECU12に対するバッテリ1からの電力供給状態が供給状態となるようにカット用リレー4を動作させる(切替部制御手段)。
ところで、電力供給が開始されてから車載装置(ここでは不要装置11及びATECU12)が動作可能となるまでに要する時間は、車載装置毎に異なる。例えば、ATECU12などの電子制御ユニットは、電力供給が開始されると、イニシャル処理を行った後に制御を実行する(動作可能となる)ことが多い。よって、電力供給の開始から動作可能となるまでに要する時間が比較的長い車載装置への電力供給を遮断した場合、車載装置が動作可能となる前に、レンジ位置切替機構8がパーキングレンジ以外に切り替わってしまうことも起こりうる。このような状況はあまり好ましくない。
そこで、図3のステップS23では、不要装置(ここでは電子制御ユニットであるATECU12のみを採用して説明する)復帰が完了したか否かを判定する。このとき、SBWECU6は、ATECU12から復帰完了信号を取得したか否かによって、復帰が完了したか否かを判定する。すなわち、SBWECU6は、ATECU12から復帰完了信号を取得したか否かによって、ATECU12が動作可能になったか否かを判定する。そして、SBWECU6は、ATECU12から復帰完了信号を取得すると復帰が完了したと判定してステップS24へ進み、ATECU12から復帰完了信号を取得してない場合は復帰が完了してないと判定して図3に示すフローチャートの処理動作を終了する。なお、上述のように、ATECU12は、電力供給が開始されるとイニシャル処理を行い、このイニシャル処理が完了すると、制御が可能(すなわち動作可能)であることを示す復帰完了信号をSBWECU6に対して出力するものである。
図3のステップS24では、レンジ位置切替機構8におけるパーキング解除を実行する。つまり、SBWECU6は、レンジ位置切替機構8に対して非Pレンジへの切替要求を行う。このように、SBWECU6は、ATECU12に対するバッテリ1からの電力供給状態が供給状態となるようにカット用リレー4を動作させたとしても、ATECU12が動作可能となるまでは、レンジ位置切替機構8に対する非Pレンジへの切替要求を行わない。すなわち、ATECU12が動作可能となるまでは、レンジ位置切替機構8に対する非Pレンジへの切替要求を保留する。
このようにすることで、車両が停車しているときに車載装置(ここでは不要装置11及びATECU12)への電力供給を遮断したとしても、搭乗者が車両の運転を再開しようとしたときに、車載装置への電力供給を行うことができる。
特に、本実施形態によれば、SBWECU6は、ATECU12からの復帰完了信号を取得すると、レンジ位置切替機構8に対して非Pレンジへの切替要求を行う構成を採用している。すなわち、車載装置が復帰した場合にパーキング解除を実行する。従って、ATECU12などの電子制御ユニットに対する電力供給を遮断した場合であっても、電子制御ユニットが制御を実行可能となる(動作可能となる)前に、レンジ位置切替機構8がPレンジ以外に切り替わることを抑制できる。つまり、電力供給の開始から動作可能となるまでに要する時間が比較的長い車載装置(ここではATECU12)であっても電力供給を遮断することができる。
なお、本実施形態においては、Pレンジ継続時間が所定時間(ここでは10秒)に達し、且つ車速が所定値(ここでは5km/h)以下となった場合に、車載装置(不要装置11及びATECU12)に対するバッテリ1からの電力供給を遮断する例を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、レンジ位置切替機構8がPレンジに切り替わって、且つ車速が所定値(ここでは5km/h)以下となれば、Pレンジ継続時間が所定時間に達していなくても、バッテリ1から車載装置(不要装置11及びATECU12)に対する電力供給を遮断するようにしてもよい。このようにすることによっても、確実に車両が停車(パーキングレンジで停車)している場合に、車載装置に対するバッテリ1からの電力供給を遮断することができる。
また、レンジ位置切替機構8がPレンジに切り替わって、且つPレンジ継続時間が所定時間に達していれば、車速を確認することなく、車載装置(不要装置11及びATECU12)に対するバッテリ1からの電力供給を遮断するようにしてもよい。このようにすることによっても、搭乗者がしばらく車両を発進させる意思がない場合に、バッテリ1から車載装置に対する電力供給を遮断することができる。
しかしながら、本発明は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがPレンジになったと判定すると、レンジ位置切替機構8に対してPレンジへの切り替えを要求する。そして、レンジ位置切替機構8がPレンジに切り替わったと判定した場合に、バッテリ1から車載装置に対する電力供給を遮断するものであれば目的を達成できる。つまり、Pレンジ継続時間や車速などに関係なく、レンジ位置切替機構8がPレンジに切り替わったと判定した場合に、車載装置に対するバッテリ1からの電力供給を遮断するものであれば目的を達成できる。
なお、本実施形態においては、ATECU12(車載装置としての電子制御ユニット)から復帰完了信号を取得すると復帰が完了したと判定して、レンジ位置切替機構8に対して非Pレンジへの切替要求を行う例を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、バッテリ1から車載装置(不要装置11及びATECU12)に対して電力供給がなされるようにカット用リレー4を動作させてからの経過時間を計時する。そして、この経過時間が所定時間に達した場合に、車載装置が動作可能となったとみなして、レンジ位置切替機構8に対して非Pレンジへの切替要求を行うようにしてもよい。このようにしても、車載装置が動作可能となる前に、レンジ位置切替機構8がPレンジ以外に切り替わってしまうことを抑制することができる。
しかしながら、本発明は、目標レンジがPレンジ以外になったと判定して、バッテリ1から車載装置(不要装置11及びATECU12)に対して電力供給がなされるようにカット用リレー4を動作させる。そして、このようにカット用リレー4を動作させた場合、車載装置が動作可能となったことを条件として、レンジ位置切替機構8に対して目標レンジへの切り替えを要求するものであれば目的を達成できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述の実施形態においては、カット用リレー4のオン及びオフをSBWECU6が直接行う例を採用したが本発明はこれに限定されるものではない。図4に示すように、電源ECU(電源用電子制御ユニット)15を介して、カット用リレー4のオン及びオフを行うようにしてもよい。なお、図4における不要装置11は、復帰完了信号をSBWECU6に対して出力する電子制御ユニットを採用している。しかしながら、センサ(デバイス)であっても採用することができる。
この場合、SBWECU6は、電源ECU15に対して電源カット要求を行うことで(すなわち電源カット要求を示す信号を出力することで)、バッテリ1から車載装置(上述の実施形態では不要装置11)に対する電力供給を遮断する。電源ECU15は、SBWECU6から電源カット要求がなされると、カット用リレー4に対して電源5からの電力供給を行うことで、カット用リレー4をオフする。
また、SBWECU6は、電源ECU15に対して電源復帰要求を行うことで(すなわち電源復帰要求を示す信号を出力することで)、車載装置(上述の実施形態では不要装置11)に対してバッテリ1から電力供給がなされるようにする。電源ECU15は、SBWECU6から電源復帰要求がなされると、カット用リレー4に対する電源5からの電力供給を遮断することで、カット用リレー4をオンする。
このように電源ECU15を用いることによっても本発明の目的は達成できるものである。
(変形例2)
ここで、本発明における車載制御システムを、ISS(Idling stop system、アイドリングストップシステム)を備えた車両に適用した際の制御について説明する。
ISSとはエンジン(内燃機関)を始動させるために、スタータを回転させる機構である。通常、スタータが回転するのは、ドライバーによりイグニッションキーをスタータオンの位置へ動かされた時である。この時、バッテリ(スタータやモータを駆動するための電源)からスタータへ電力供給がなされ、スタータが回転しエンジンを始動させることが出来る。つまり、エンジンを始動することが可能なのは、通常、ドライバーによりイグニッションキーを操作された場合である。
しかし、ISSはドライバーからの操作以外の要因(以下、その他要因)でスタータへ電力供給を行いエンジンを始動させる機構である。例えば、周知である、車両が信号待ちの間に燃費を向上させるためにアイドリングストップを行う制御がある。これは、ISSが信号待ちである状態を検出すれば、エンジンをアイドリングストップさせ、ISSがその他要因によりエンジンを始動させる必要があると判断すると、スタータへの電力を供給し、エンジンを始動させるものである。先ほど述べた、ISSを備えた車両に車載制御システム(SBWECU6)を組み合わせることで、ISSでは行なっていなかった、信号待ち以外でもエンジンのアイドリングをストップさせることが可能であり、加えてエンジンECUへの電力供給を遮断させることで、燃費を向上することが可能となる。
SBWECU6は、先述の電力を遮断する条件が成立すると、エンジンECUへの電力供給を遮断し、エンジンをアイドリングストップさせる。SBWECU6は、先述の電力を供給する条件が成立すると、エンジンECUへの電力を供給する。また、ISSがエンジンを始動させるその他要因の一つとして、通信手段を用い、SBWECU6からISSへ通知を行なう。そして、ISSがスタータへ電力を供給しエンジンを始動させると、通信手段を用い、ISSからSBWECU6へ通知を行なう。SBWECU6はISSから通知を受け取るとレンジ切替要求を受け付け、目標のレンジへの切替を実施する。
1 バッテリ、2 イグニッションスイッチ、3 イグニッションリレー、4 不要装置カット用リレー、5 電源、6 SBWECU(シフトバイワイヤ用電子制御ユニット)、7 シフタ、8 レンジ位置切替機構、9 ブレーキECU(ブレーキ用電子制御ユニット)、10 ブレーキペダル、11 不要装置、12 ATECU(オートマチックトランスミッション用電子制御ユニット)、13 自動変速機、14 車速センサ、15 電源ECU(電源用電子制御ユニット)

Claims (11)

  1. 搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジを判定し、少なくともパーキングレンジ又は非パーキングレンジにレンジを切り替える切替機構に対して、目標レンジとなるようにレンジの切り替えを要求するとともに、前記切替機構が目標レンジとなったか否かを判定するシフト制御部と、
    車載バッテリから電力供給を受けて動作するとともに車両が停車しているときには動作する必要がない車載装置に対して、前記車載バッテリからの電力供給状態を供給状態又は供給の遮断状態に切り替える切替部と、を備え、
    前記シフト制御部は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジになったと判定すると、前記切替機構に対してパーキングレンジへの切り替えを要求し、前記切替機構がパーキングレンジになったと判定した場合、前記車載装置に対する前記車載バッテリからの電力供給状態が遮断状態となるように前記切替部を動作させることを特徴とする車載制御システム。
  2. 前記シフト制御部は、前記車載装置に対する前記車載バッテリからの電力供給が遮断状態となるように前記切替部を動作させている場合、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジ以外になったと判定すると、前記車載装置に対する前記車載バッテリからの電力供給状態が供給状態となるように前記切替部を動作させることを特徴とする請求項1に記載の車載制御システム。
  3. 前記シフト制御部は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジ以外になったと判定して、前記車載装置に対する前記車載バッテリからの電力供給状態が供給状態となるように前記切替部を動作させた場合、前記車載装置が動作可能となったことを条件として、前記切替機構に対して目標レンジへの切り替えを要求することを特徴とする請求項2に記載の車載制御システム。
  4. 前記車載装置は、所定の制御を実行する電子制御ユニットであって、
    前記シフト制御部は、前記電子制御ユニットからイニシャル処理の完了を示す信号を取得すると、当該電子制御ユニットが動作可能となったとみなして、前記切替機構に対して目標レンジへの切り替えを要求することを特徴とする請求項3に記載の車載制御システム。
  5. 前記シフト制御部は、前記車載装置に対する前記車載バッテリからの電力供給状態が供給状態となるように前記切替部を動作させてからの経過時間が所定時間に達した場合に当該車載装置が動作可能となったとみなして、前記切替機構に対して目標レンジへの切り替えを要求することを特徴とする請求項3に記載の車載制御システム。
  6. 前記車両は、所定のアイドリングストップ条件にて内燃機関を自動的に停止させ、アイドリングストップ後の所定のアイドリングストップ解除条件にてスタータモータを用いて内燃機関を自動的に始動させるアイドリングストップシステムを備えるものである、
    前記車載装置は、車両の内燃機関に対する制御を行う内燃機関制御装置を含み、
    前記シフト制御部は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジ以外になったと判定して、前記車載装置である前記内燃機関制御装置に対する前記車載バッテリからの電力供給状態が供給状態となるように前記切替部を動作させた場合、前記アイドリングストップシステムに対して前記内燃機関を始動させるように要求し、
    前記アイドリングストップシステムは、前記シフト制御部からの要求に応じて、前記スタータモータを用いて前記内燃機関を始動させることを特徴とする請求項2に記載の車載制御システム。
  7. 前記アイドリングストップシステムは、前記シフト制御部からの要求に応じて前記内燃機関を始動させると、前記内燃機関を始動させたことを示す始動通知を前記シフト制御部に対して送信するものであり、
    前記シフト制御部は、搭乗者のレンジ切替操作に応じて目標レンジがパーキングレンジ以外になったと判定して、前記車載装置である前記内燃機関制御装置に対する前記車載バッテリからの電力供給状態が供給状態となるように前記切替部を動作させた場合、前記アイドリングストップシステムから始動通知を受け取ったことを条件として、前記切替機構に対して目標レンジへの切り替えを要求することを特徴とする請求項6に記載の車載制御システム。
  8. 前記シフト制御部は、前記切替機構がパーキングレンジに切り替わった判定したことに加えて、当該切替機構がパーキングレンジに切り替わってからの経過時間が所定時間に達した場合、前記車載装置に対する前記車載バッテリからの電力供給状態が遮断状態となるように前記切替部を動作させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の車載制御システム。
  9. 前記シフト制御部は、前記切替機構がパーキングレンジに切り替わったと判定したことに加えて、自車両の車速が所定値以下である場合、前記車載装置に対する前記車載バッテリからの電力供給状態が遮断状態となるように前記切替部を動作させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の車載制御システム。
  10. 前記車載装置は、イグニッションスイッチによってオン又はオフされるイグニッションリレーを介して、車載バッテリから電力供給を受けるものであり、
    前記切替部は、前記イグニッションリレーと前記車載装置との間に設けられるものであり、当該イグニッションリレーを介した前記車載バッテリからの電力供給状態を切り替えることを特徴する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の車載制御システム。
  11. 前記切替部は、前記車載バッテリと前記車載装置とを電気的に接続又は遮断するリレー機構を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の車載制御システム。
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