JP2013023545A - 硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の他の目的は、上記硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化してなる、高い透明性、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性を兼ね備え、さらに耐リフロー性にも優れた硬化物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、リフロー工程の加熱処理による劣化や経時での光度低下が抑制された光半導体装置を製造することができる、上記硬化性エポキシ樹脂組成物からなる光半導体封止用樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記光半導体封止用樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止することにより得られる、リフロー工程の加熱処理による劣化や経時での光度低下が抑制された光半導体装置を提供することにある。
で表されるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、ポリカーボネートポリオールを除くポリオール(C)と、硬化剤(D)又は硬化触媒(E)とを含むことを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、脂環式エポキシ化合物(A)と、下記式(1)
で表されるモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)と、ポリカーボネートポリオールを除くポリオール(C)と、硬化剤(D)又は硬化触媒(E)とを含む樹脂組成物である。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を構成する脂環式エポキシ化合物(A)は、分子内(1分子内)に脂環(脂肪族環)構造とエポキシ基とを少なくとも有する化合物である。より具体的には、脂環式エポキシ化合物(A)には、例えば、(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(「脂環エポキシ基」と称する場合がある)を有する化合物、及び(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物等が含まれる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を構成するモノアリルジグリシジルイソシアヌレート化合物(B)は、下記の一般式(1)で表される。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を構成するポリカーボネートポリオールを除くポリオール(C)(以下、単に「ポリオール(C)」と称する場合がある)は、分子内(一分子中)に2個以上の水酸基を有する、数平均分子量が200以上の重合体(オリゴマー又はポリマー)である。なお、ポリオール(C)には、ポリカーボネートポリオール(分子内に2個以上の水酸基を有するポリカーボネート)は含まれない(即ち、ポリオール(C)は、カーボネート骨格を有しない)。ポリオール(C)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を構成する硬化剤(D)は、エポキシ基を有する化合物を硬化させる働きを有する。硬化剤(D)としては、エポキシ樹脂用硬化剤として公知乃至慣用の硬化剤を使用することができる。中でも、硬化剤(D)としては、25℃で液状の酸無水物が好ましく、より具体的には、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。また、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などの常温(約25℃)で固体状の酸無水物についても、常温(約25℃)で液状の酸無水物に溶解させて液状の混合物とすることで、硬化剤(D)として使用することができる。硬化剤(D)としては、耐熱性、耐光性、耐クラック性の観点で、特に、飽和単環炭化水素ジカルボン酸の無水物(環にアルキル基等の置換基が結合したものも含む)が好ましい。なお、硬化剤(D)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、上述の硬化剤(D)の代わりに、硬化触媒(E)を含んでいてもよい。硬化触媒(E)を用いることにより、硬化剤(D)を用いた場合と同様にエポキシ基を有する化合物の硬化反応を進行させ、硬化物を得ることができる。上記硬化触媒(E)としては、特に限定されないが、例えば、紫外線照射又は加熱処理を施すことによりカチオン種を発生して、重合を開始させることが可能なカチオン触媒(カチオン重合開始剤)を用いることができる。なお、硬化触媒(E)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、さらに、硬化促進剤(F)を含んでいてもよい。硬化促進剤(F)は、エポキシ基を有する化合物が硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物である。特に、硬化剤(D)と併用することが多い。硬化促進剤(F)としては、公知乃至慣用の硬化促進剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、及びその塩(例えば、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、4級アンモニウム塩、ヨードニウム塩);ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどの3級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;リン酸エステル、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレートなどのホスホニウム化合物;オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛などの有機金属塩;金属キレートなどが挙げられる。なお、硬化促進剤(F)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、光半導体装置の経時での光度低下を抑制する観点から、さらに、アクリルブロック共重合体を含むことが好ましい。より詳しくは、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物がアクリルブロック共重合体を含む場合、当該硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて製造された光半導体装置は、特に高輝度・高出力の場合であっても光度が低下しにくい傾向がある。即ち、アクリルブロック共重合体を用いることにより、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、より高いレベルの耐熱性、耐光性、及び耐クラック性を発揮できる傾向がある。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、ゴム粒子を含んでいてもよい。上記ゴム粒子としては、例えば、粒子状NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、反応性末端カルボキシル基NBR(CTBN)、メタルフリーNBR、粒子状SBR(スチレン−ブタジエンゴム)等が挙げられる。また、上記ゴム粒子は、ゴム弾性を有するコア部分と、該コア部分を被覆する少なくとも1層のシェル層とから成る多層構造(コアシェル構造)を有し、表面に脂環式エポキシ樹脂と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有し、平均粒子径が10nm〜500nm、最大粒子径が50nm〜1000nmであるゴム粒子であって、該ゴム粒子の屈折率と当該硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の屈折率との差が±0.02以内であるゴム粒子であってもよい。上記ゴム粒子の配合量は、必要に応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物中に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量(100重量部)に対して、1〜50重量部が好ましく、より好ましくは3〜40重量部である。ゴム粒子の使用量が1重量部を下回ると、耐クラック性が低下する傾向がある。一方、ゴム粒子の使用量が50重量部を上回ると、耐熱性及び透明性が低下する傾向がある。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で各種添加剤を使用することができる。添加剤として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの水酸基を有する化合物(ポリオール(C)を除く)を使用すると、反応(硬化反応)を緩やかに進行させることができる。その他にも、粘度や透明性を損なわない範囲内で、シリコーン系やフッ素系消泡剤、レベリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、界面活性剤、シリカ、アルミナなどの無機充填剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料、蛍光体、離型剤などの慣用の添加剤を使用することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させることにより、透明性、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性などの諸物性に優れ、さらに、耐リフロー性にも優れた硬化物を得ることができる。硬化の際の加熱温度(硬化温度)としては、特に限定されないが、45〜200℃が好ましく、より好ましくは100〜190℃、さらに好ましくは100〜180℃である。また、硬化の際に加熱する時間(硬化時間)としては、特に限定されないが、30〜600分が好ましく、より好ましくは45〜540分、さらに好ましくは60〜480分である。硬化温度が低すぎる場合、及び/又は、硬化時間が短すぎる場合は、硬化が不十分となる場合がある。一方、硬化温度が高すぎる場合、及び/又は、硬化時間が長すぎる場合は、樹脂成分の分解が起こる場合がある。硬化条件は種々の条件に依存するが、硬化温度を高くした場合は硬化時間を短く、硬化温度を低くした場合は硬化時間を長くする等により、適宜調整することができる。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物からなる。本発明の光半導体封止用樹脂組成物を用いることにより、透明性、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性などの諸物性に優れ、さらに、耐リフロー性にも優れた硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置を製造することができる。
本発明の光半導体装置は、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物(光半導体封止用樹脂組成物)で光半導体素子を封止することにより得られる。光半導体素子の封止は、上述の方法で調製された硬化性エポキシ樹脂組成物を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化して行う。これにより、硬化性エポキシ樹脂組成物によって光半導体素子が封止されてなる光半導体装置が得られる。封止の際の硬化温度と硬化時間としては、例えば、上記硬化物を形成する際と同様の条件を採用することができる。本発明の光半導体装置は、リフロー工程での加熱処理により劣化しにくく、光度が経時で低下しにくい。特に、本発明の光半導体装置は、高出力、高輝度の光半導体素子を備える場合であっても、光度が経時で低下しにくいという利点を有する。
(硬化剤組成物の製造)
酸無水物[新日本理化(株)製、商品名「リカシッド MH−700」]100重量部、硬化促進剤[サンアプロ(株)製、商品名「U−CAT 18X」]0.5重量部、及び添加剤[和光純薬工業(株)製、商品名「エチレングリコール」]1重量部を、自公転式攪拌装置[(株)シンキー製、商品名「あわとり練太郎AR−250」]を使用して均一に混合し、脱泡して硬化剤組成物を得た。
(エポキシ樹脂の製造)
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート[四国化成工業(株)、商品名「MA−DGIC」]、脂環式エポキシ化合物[ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」]、ポリカーボネートポリオールを除くポリオール[ポリテトラメチレンエーテルグリコール(商品名「PTMG2000」、三菱化学(株)製)、ポリカプロラクトンポリオール(商品名「PCL308」、ダイセル化学工業(株)製)、フェノキシ樹脂(商品名「YP−70」、新日鐵化学(株)製)、水酸基含有長鎖エポキシ樹脂(商品名「YD−6020」、新日鐵化学(株)製)]を、表1に示す配合処方(配合割合)(単位:重量部)に従って混合し、80℃で1時間攪拌することでモノアリルジグリシジルイソシアヌレートを溶解させ、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂組成物)を得た。
上記で調製したエポキシ樹脂と製造例1で得られた硬化剤組成物とを、表1に示す配合処方(単位:重量部)となるように、自公転式攪拌装置[(株)シンキー製、商品名「あわとり練太郎AR−250」]を使用して均一に混合し、脱泡して硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。この硬化性エポキシ樹脂組成物を光半導体のリードフレーム(AlInGaP素子、3.5mm×2.8mm)に注型した後、樹脂硬化オーブンを用いて表1に示す硬化条件(条件−1:120℃で5時間)にて加熱することによって、硬化した樹脂(硬化物)で光半導体素子を封止した光半導体装置を得た。
(エポキシ樹脂の製造)
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート[四国化成工業(株)、商品名「MA−DGIC」]、脂環式エポキシ化合物[ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」]、ポリテトラメチレンポリオール[三菱化学(株)製、商品名「PTMG2000」]、アクリルブロック共重合体[アルケマ製、商品名「ナノストレングス M52N」]を、表1に示す配合処方(配合割合)(単位:重量部)に従って混合し、80℃で4時間攪拌することでモノアリルジグリシジルイソシアヌレート及びアクリルブロック共重合体を溶解させ、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂組成物)を得た。
上記で調製したエポキシ樹脂と製造例1で得られた硬化剤組成物とを、表1に示す配合処方(単位:重量部)となるように、自公転式攪拌装置[(株)シンキー製、商品名「あわとり練太郎AR−250」]を使用して均一に混合し、脱泡して硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。この硬化性エポキシ樹脂組成物を光半導体のリードフレーム(AlInGaP素子、3.5mm×2.8mm)に注型した後、樹脂硬化オーブンを用いて表1に示す硬化条件(条件−1)にて加熱することによって、硬化した樹脂(硬化物)で光半導体素子を封止した光半導体装置を得た。
(硬化性エポキシ樹脂組成物の製造)
モノアリルジグリシジルイソシアヌレート[四国化成工業(株)、商品名「MA−DGIC」]、脂環式エポキシ化合物[ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」]、及びポリテトラメチレンエーテルグリコール[三菱化学(株)製、商品名「PTMG2000」]を、表1に示す配合処方(配合割合)(単位:重量部)に従って混合し、80℃で1時間攪拌することでモノアリルジグリシジルイソシアヌレートを溶解させ、さらに、硬化触媒[三新化学工業(株)製、商品名「サンエイドSI−100L」]を表1に示す配合処方(配合割合)(単位:重量部)に従って加え、自公転式攪拌装置[(株)シンキー製、商品名「あわとり練太郎AR−250」]を使用して均一に混合し、脱泡して硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
(光半導体装置の製造)
上記で得た硬化性エポキシ樹脂組成物を光半導体のリードフレーム(AlInGaP素子、3.5mm×2.8mm)に注型した後、樹脂硬化オーブンを用いて表1に示す硬化条件(条件−2:110℃で3時間、続いて140℃で4時間)にて加熱することによって、硬化した樹脂(硬化物)で光半導体素子を封止した光半導体装置を得た。
(硬化性エポキシ樹脂組成物の製造及び光半導体装置の製造)
脂環式エポキシ化合物[ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」]と製造例1で得られた硬化剤組成物とを、表1に示す配合処方(単位:重量部)となるように、自公転式攪拌装置[(株)シンキー製、商品名「あわとり練太郎AR−250」]を使用して均一に混合し、脱泡して硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。この硬化性エポキシ樹脂組成物を光半導体のリードフレーム(AlInGaP素子、3.5mm×2.8mm)に注型した後、樹脂硬化オーブンを用いて表1に示す硬化条件(条件−1)にて加熱することによって、硬化した樹脂(硬化物)で光半導体素子を封止した光半導体装置を得た。
実施例及び比較例で得られた光半導体装置について、以下の方法で評価試験を行った。
実施例及び比較例で得られた光半導体装置(各硬化性エポキシ樹脂組成物につき2個用いた)を、30℃、70%RHの条件下で168時間静置して吸湿させた。次いで、上記光半導体装置をリフロー炉に入れ、下記加熱条件にて加熱した。その後、上記光半導体装置を室温環境下に取り出して放冷した後、再度リフロー炉に入れて同条件で加熱した。即ち、当該はんだ耐熱性試験においては、光半導体装置に対して下記加熱条件による熱履歴を二度与えた。
〔加熱条件(光半導体装置の表面温度基準)〕
(1)予備加熱:150〜190℃で60〜120秒
(2)予備加熱後の本加熱:217℃以上で60〜150秒、最高温度260℃
但し、予備加熱から本加熱に移行する際の昇温速度は最大で3℃/秒に制御した。
図2には、リフロー炉による加熱の際の光半導体装置の表面温度プロファイル(二度の加熱のうち一方の加熱における温度プロファイル)の一例を示す。
その後、デジタルマイクロスコープ(VHX−900、(株)キーエンス製)を使用して光半導体装置を観察した。その結果、光半導体装置2個のうち、いずれか一方又は両方において電極表面上に樹脂の剥離が観察された場合をはんだ耐熱性不良(剥離あり)と判定し、いずれにも前述の樹脂の剥離が観察されなかった場合をはんだ耐熱性良好(剥離なし)と判定して、結果を表1の「はんだ耐熱性試験/剥離」の欄に記載した。また、光半導体装置2個のうち、いずれか一方又は両方において光半導体素子の周りにクラックが観察された場合をはんだ耐熱性不良(クラックあり)と判定し、いずれにも前記のクラックが観察されなかった場合をはんだ耐熱性良好(クラックなし)と判定して、結果を表1の「はんだ耐熱性試験/クラック」の欄に記載した。
実施例及び比較例で得られた光半導体装置の全光束を、全光束測定機を用いて測定した(「0時間の全光束」とする)。
さらに、60℃、90%RHの恒温槽内で1000時間、光半導体装置に50mAの電流を継続的に流した後の全光束を測定した(「1000時間後の全光束」とする)。そして、次式より光度保持率を算出した。結果を表1の「光度保持率」の欄に示す。
{光度保持率(%)}
=({1000時間後の全光束(lm)}/{0時間の全光束(lm)})×100
実施例及び比較例で得られた光半導体装置(各硬化性エポキシ樹脂組成物につき2個用いた)に対し、−40℃の雰囲気下に15分曝露し、続いて、120℃の雰囲気下に15分曝露することを1サイクルとした熱衝撃を、熱衝撃試験機を用いて1000サイクル分与えた。その後、光半導体装置に20mAの電流を通電して点灯確認を行い、点灯しなかった光半導体装置の個数(不点灯発生数)を計測した。結果を表1の「熱衝撃試験」の欄に示す。
はんだ耐熱性試験で剥離とクラックのどちらも発生せず、光度保持率が85%以上であり、熱衝撃試験での不点灯発生数が0個であった場合を、総合判定○(優れている)とした。それ以外の場合(はんだ耐熱性試験で剥離及び/又はクラックが発生した場合、光度保持率が85%未満であった場合、熱衝撃試験での不点灯発生数が1個以上であった場合)を、総合判定×(劣っている)とした。結果を表1の「総合判定」の欄に示す。
[エポキシ樹脂]
CEL2021P(セロキサイド 2021P):3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、ダイセル化学工業(株)製
MA−DGIC:モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、四国化成工業(株)製
[ポリオール]
PTMG2000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール、三菱化学(株)製
PCL308:ポリカプロラクトンポリオール、ダイセル化学工業(株)製
YP−70:フェノキシ樹脂、新日鐵化学(株)製
YD−6020:水酸基含有長鎖エポキシ樹脂、新日鐵化学(株)製
[アクリルブロック共重合体]
M52N(ナノストレングス M52N):アクリルブロック共重合体、アルケマ製
[硬化剤組成物]
リカシッド MH−700:4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30、新日本理化(株)製
U−CAT 18X:硬化促進剤、サンアプロ(株)製
エチレングリコール:和光純薬工業(株)製
[硬化触媒]
SI−100L(サンエイド SI−100L):アリールスルホニウム塩、三新化学工業(株)製
・樹脂硬化オーブン
エスペック(株)製、「GPHH−201」
・リフロー炉
日本アントム(株)製、「UNI−5016F」
・恒温槽
エスペック(株)製、「小型高温チャンバー ST−120B1」
・全光束測定機
米国オプトロニックラボラトリーズ製、「マルチ分光放射測定システム OL771」
・熱衝撃試験機
エスペック(株)製、「小型冷熱衝撃装置 TSE−11−A」
101:金属配線
102:光半導体素子(LED素子)
103:ボンディングワイヤ
104:透明封止樹脂
105:ダイボンド材
Claims (8)
- 前記脂環式エポキシ化合物(A)が、シクロヘキセンオキシド基を有する脂環式エポキシ化合物である請求項1に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- さらに、硬化促進剤(F)を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- さらに、アクリルブロック共重合体を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物からなる光半導体封止用樹脂組成物。
- 請求項7に記載の光半導体封止用樹脂組成物で光半導体素子を封止した光半導体装置。
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