JP2013019572A - 局所排気装置 - Google Patents

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【課題】安価な構成でありながら排気運転の異常を確実に検知する。
【解決手段】外部に開口する開口部2bと排気口2eとを有する処理室2aが内部に形成されたキャビネット2と、一端が処理室2a内に開口し他端がキャビネット2の外部に開放された外気ダクト3と、該外気ダクト3内に設けられ風速または風量を検出する風速風量検出部5と、使用者に対して警報を出力する警報部8と、風速風量検出部5によって検出された風速または風量が所定の閾値以下のときに、警報部8によって警報を出力させる制御部9とを備える局所排気装置1を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、局所排気装置に関するものである。
従来、実験室等で使用される局所排気装置において、処理室内のガスや温度、煙等を検出するセンサを備え、これらのセンサからの出力信号に基づいて排気ファンの回転数を制御して排出風量を調節するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−269763号公報
しかしながら、特許文献1の場合、腐食性のガスや高温等にセンサが暴露されることによりセンサの損傷や検出精度の低下が起こり、処理室内の異常を確実に検出できない可能性がある。ガスや高温に耐性を有するセンサも存在するが、このようなセンサは高価であり汎用性に欠けるという不都合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、安価な構成でありながら排気運転の異常を確実に検知することができる局所排気装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、外部に開口する開口部と排気口とを有する処理室が内部に形成されたキャビネットと、一端が前記処理室内に開口し他端が前記キャビネットの外部に開放された外気ダクトと、該外気ダクト内に設けられ風速または風量を検出する風速風量検出部と、使用者に対して警報を出力する警報部と、前記風速風量検出部によって検出された風速または風量が所定の閾値以下のときに、前記警報部によって警報を出力させる制御部とを備える局所排気装置を提供する。
本発明によれば、キャビネットの処理室の排気口を排気ダクトを介して排風機と接続し、排風機の作動によって排気ダクトを介して処理室内を排気することにより、開口部から処理室内を通過して排気口に外気が流れ込み、処理室内で発生したガスや熱等が処理室の外側に拡散することを防ぐことができる。
この場合に、開口部から処理室内へ流れ込む外気の排気風量に比例した風速および風量で外気ダクト内を他端から一端に向かって外気が流れるので、排気風量が低下したときに風速風量検出部によって検出される風速または風量も低下する。したがって、制御部が外気ダクト内の風速または風量が所定の閾値以下となったときに警報部によって警報を出力させることにより、排風機の運転の異常等による排気風量の低下を使用者に報知することができる。
このように、風速風量検出部は常に新鮮な外気が流れる外気ダクト内に設けられているので破損や不具合の発生が防止される。また、排気風量の低下が該排気風量と直接連動する外気ダクト内の風速または風量から検出される。これにより、排気運転の異常を確実に検知することができる。また、風速風量検出部を安価な構成とすることができる。
また、本発明は、外部に開口する開口部と排気口とを有する処理室が内部に形成された箱型のキャビネットと、一端が前記排気口に接続された排気ダクトと、一端が前記排気ダクト内に開口し他端が前記排気ダクトの外部に開放された外気ダクトと、該外気ダクト内に設けられ風速または風量を検出する風速風量検出部と、使用者に対して警報を出力する警報部と、前記風速風量検出部によって検出された風速または風量が所定の閾値以下のときに、前記警報部によって警報を出力させる制御部とを備える局所排気装置を提供する。
本発明によれば、排気ダクトの他端に排風機を接続し該排風機により処理室内を排気したときに、処理室の排気風量に比例して排気ダクトに接続された外気ダクト内を流れる外気の風速おより風量が変化するので、外気ダクト内に設けられた風速風量検出部によって排気風量の低下を検知することができる。このようにすることで、安価な構成でありながら排気運転の異常を確実に検知することができる。
また、本発明は、外部に開口する開口部と排気口とを有する処理室が内部に形成された箱型のキャビネットと、一端が前記排気口に接続された排気ダクトと、該排気ダクトの他端に接続され該排気ダクト内の空気を排出する排風機と、一端が前記排風機に接続され他端が外部に開放された外気ダクトと、該外気ダクト内に設けられ風速または風量を検出する風速風量検出部と、使用者に対して警報を出力する警報部と、前記風速風量検出部によって検出された風速または風量が所定の閾値以下のときに、前記警報部によって警報を出力させる制御部とを備える局所排気装置を提供する。
本発明によれば、処理室の排気風量に比例して排風機に接続された外気ダクト内を流れる外気の風速および風量が変化するので、外気ダクト内に設けられた風速風量検出部によって排気風量の低下を検知することができる。このようにすることで、安価な構成でありながら排気運転の異常を確実に検知することができる。
上記発明においては、前記警報部が、複数のパターンの警報を出力可能であり、前記制御部が、複数の前記所定の閾値によって区分される複数の階級を有し、前記風速または風量が該当する階級に応じて異なるパターンの前記警報を前記警報部によって出力させることとしてもよい。
このようにすることで、排気風量の低下の程度を多段階で使用者に対して警告することができる。
本発明によれば、安価な構成でありながら排気運転の異常を確実に検知することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る局所排気装置の全体構成を示す図である。 図1の局所排気装置の変形例の全体構成を示す図である。 図1の局所排気装置のもう1つの変形例の全体構成を示す図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る局所排気装置1について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る局所排気装置1は、図1に示されるように、処理室2aを有する箱型のキャビネット2と、処理室2aの内外を連通する外気ダクト3および排気ダクト4と、該外気ダクト3内に設置された風速センサ(風速風量検出部)5と、排気ダクト4を介して処理室2a内の空気を排出する排風機6と、風速センサ5によって検出された風速を記憶する記憶部7と、使用者に対して警報を出力する警報部8と、風速センサ5からの出力に基づいて警報部8から警報を出力させる制御部9とを備えている。
キャビネット2は、正面に略全面にわたって開口した開口部2bを有する箱型のキャビネット本体2cと、該キャビネット本体2cの正面に上下方向にスライド可能に設けられ開口部2bを開閉する扉2dとを備えている。使用者は、扉2dを上方にスライドさせることにより、キャビネット本体2cの内部空間である処理室2aを開放することができる。キャビネット本体2cは、処理室2a内に開口する排気口2eを正面以外の側面(図示する例では上面)に有している。排気口2eには排気ダクト4の一端が接続されている。
外気ダクト3は、一端がキャビネット本体2cの側面を貫通して処理室2a内に配置され、他端がキャビネット本体2cの外部に配置されて開放されている。外気ダクト3の内径は、後述する処理室2aの排気風量が低下することを抑えるために、開口部2bの面積および排気ダクト4の内径に対して十分に小さく設計されている。
風速センサ5は、外気ダクト3の内部における風速を検出する。風速センサ5は、いかなる検出方式のものでもよく、例えば、風の冷却作用に基づく熱式型や、プロペラの回転によって発生する電流に基づく風車式などが用いられる。風速センサ5は、検出した風速を記憶部7および制御部9に出力する。
排風機6は、排気ダクト4の他端に接続され、排気ダクト4内を介して処理室2a内の空気を排出する。このときに、扉2dによって開口部2bの少なくとも一部を開けた状態で排風機6が作動することにより、処理室2a内を開口部2bから排気口2eへ向かって外気が流れ込み、処理室2a内の空気を新鮮な外気に連続的に置換することができる。排風機6の風量は、開口部2bから処理室2a内に流入して排気口2eから排出される外気の風量である処理室2aの排気風量が、処理室2aで行われる処理によって発生するガスや熱等の量に対して十分大きな風量となるように設定されている。
ここで、排風機6の作動によって処理室2a内が排気されるときに、外気ダクト3の内部には開放された他端から処理室2a内に向かって外気が流れ込む。このときの外気ダクト3内を流れる外気の風速は排気風量に比例する。
記憶部7は、風速センサ5から入力された風速の値を時系列で記憶する。
警報部8は、後述する制御部9から入力された第1または第2の警報信号に応じて異なるパターンの警報を出力可能であり、使用者に対して2段階の警報を出力する。例えば、警報部8は、色や点灯のリズムなどが異なる2つのパターンの光を点灯可能なランプや、音色や高さなどが異なる2つのパターンの音を出力可能なスピーカである。
制御部9は、風速センサ5から入力される風速に対して所定の第1の閾値と、該所定の第1の閾値より小さい所定の第2の閾値とを有し、所定の第1の閾値以下かつ所定の第2の閾値より大きい第1の警報ベル(階級)と、所定の第2の閾値以下の第2の警報レベル(階級)とが設定されている。所定の第1および第2の閾値は、排風機6が設定された風量で正常に運転しているときに風速センサ5が検出する風速よりも小さい値に設定される。制御部9は、風速センサ5から入力された風速が、第1の警報レベルに該当する場合は第1の警報信号を、第2の警報レベルに該当する場合は第2の警報信号を、それぞれ警報部8に出力する。
なお、警報部8の警報のパターンの数および制御部9の所定の閾値および警報レベルの数は、適宜変更することができる。
制御部9は、図示しない表示装置に、風速センサ5によって検出された風速を表示させてもよく、記憶部7に記憶された風速の時間変化をグラフ化して表示させてもよい。
次に、このように構成された局所排気装置1の作用について説明する。
本実施形態に係る局所排気装置1は、処理室2a内に、例えば、自動分析装置100が配置され、自動分析装置100が稼働している間は排風機6の連続運転により常時処理室2a内を排気し続ける。排風機6が正常に運転している間は、自動分析装置100が処理によって発生させるガスや熱の量に対して十分な排気風量で処理室2a内が排気されるので、処理室2a内のガス濃度および温度は十分に低く維持される。このときに、風速センサ5が検出する外気ダクト3内の風速は十分に高い値となる。
一方、排風機6の運転に異常が発生して処理室2aの排気風量が低下した場合、風速センサ5が検出する外気ダクト3内に風速も低下する。局所排気装置1は、外気ダクト3内の風速が所定の第1の閾値以下となったときに警報部8によって第1の警報を出力する。さらに排気風量が低下し続けて外気ダクト3内の風速が所定の第2の閾値以下となったときに、局所排気装置1は警報部8から第2の警報を出力する。使用者は、第1および第2の警報によって処理室2aの排気風量の低下の程度および処理室2a内でガス濃度や温度が上昇している可能性があることを認識し、例えば、扉2dを下げて開口部2b全体を閉めたり室外に退避したりするなど適切に対処することができる。
このように、本実施形態によれば、処理室2aの排気風量と直接連動する外気ダクト3内の風速を検出することにより、処理室2aの排気風量の低下を確実に検出することができるという利点がある。また、外気ダクト3内は常に新鮮な外気が処理室2aの外部から内部に向かって流れているので、風速センサ5がガスや高温等に暴露されることがない。したがって、風速センサ5として、腐食性ガスや高温等に対応した特別な仕様のものは不要であり、汎用の安価なものを用いることができるという利点がある。
また、排風機6は、正常に運転している状態であっても、連続運転によって温度や、電気系統の抵抗、運転電流が上昇する。したがって、排風機6の運転の異常を、回転数等の電気的な信号や温度に基づいて検出する場合、運転が正常であると規定する電流・電圧または温度の範囲を比較的広く設定する必要がある。すなわち、運転の異常と正常との判定基準が比較的緩くなる。これに対し、本実施形態によれば、外気ダクト3内の風速は、処理室2aの排気風量のみに依存して変化するので、処理室2aの排気風量の低下を厳密に判定することができるという利点がある。
さらに、大型の研究施設等では一台の排風機に、複雑に張り巡らされた排気ダクトを介して多数の局所排気装置に接続されており、排風機の回転数等から個々の局所排気装置の排気風量の異常を検出して使用者に対して警報するためには、比較的大掛かりな構成や設置作業が必要となる。これに対し、本実施形態によれば、個々のキャビネット2に細径の外気ダクト3と風速センサ5とが備えられているだけの構成であるので、従来のキャビネットと同様に簡便に設置することができるという利点がある。
なお、本実施形態においては、外気ダクト3内に風速センサ5を設けることとしたが、これに代えて、外気ダクト3内の風量を検出する風量センサ(風速風量検出部)を設けることとしてもよい。
外気ダクト3内を流れる外気の風量も処理室2aの排気風量に比例するので、風速センサ5を用いた場合と同様に排気風量の低下を確実に検出することができる。
また、本実施形態においては、外気ダクト3がキャビネット2に内外を連通して設けられていることとしたが、これに代えて、図2に示されるように、排気ダクト4の途中位置に内外を連通して設けられていることとしてもよい。また、排風機6として2つの排気口を有するものを使用し、図3に示されるように、一方の排気口に排気ダクト4を接続し、他方の排気口に外気ダクト3を接続してもよい。
このように排気ダクト4または排風機6に外気ダクト3を接続しても、外気ダクト3の内部には外気に開放された側の端から処理室2aの排気風量に比例する風速で新鮮な外気が流れ込む。従って、汎用の安価な風速センサ5の使用が可能であり、また、処理室2aの排気風量の低下を確実に検出することができる。
1 局所排気装置
2 キャビネット
2a 処理室
2b 開口部
2c キャビネット本体
2d 扉
2e 排気口
3 外気ダクト
4 排気ダクト
5 風速センサ(風速風量検出部)
6 排風機
7 記憶部
8 警報部
9 制御部
100 自動分析装置

Claims (4)

  1. 外部に開口する開口部と排気口とを有する処理室が内部に形成されたキャビネットと、
    一端が前記処理室内に開口し他端が前記キャビネットの外部に開放された外気ダクトと、
    該外気ダクト内に設けられ風速または風量を検出する風速風量検出部と、
    使用者に対して警報を出力する警報部と、
    前記風速風量検出部によって検出された風速または風量が所定の閾値以下のときに、前記警報部によって警報を出力させる制御部とを備える局所排気装置。
  2. 外部に開口する開口部と排気口とを有する処理室が内部に形成された箱型のキャビネットと、
    一端が前記排気口に接続された排気ダクトと、
    一端が前記排気ダクト内に開口し他端が前記排気ダクトの外部に開放された外気ダクトと、
    該外気ダクト内に設けられ風速または風量を検出する風速風量検出部と、
    使用者に対して警報を出力する警報部と、
    前記風速風量検出部によって検出された風速または風量が所定の閾値以下のときに、前記警報部によって警報を出力させる制御部とを備える局所排気装置。
  3. 外部に開口する開口部と排気口とを有する処理室が内部に形成された箱型のキャビネットと、
    一端が前記排気口に接続された排気ダクトと、
    該排気ダクトの他端に接続され該排気ダクト内の空気を排出する排風機と、
    一端が前記排風機に接続され他端が外部に開放された外気ダクトと、
    該外気ダクト内に設けられ風速または風量を検出する風速風量検出部と、
    使用者に対して警報を出力する警報部と、
    前記風速風量検出部によって検出された風速または風量が所定の閾値以下のときに、前記警報部によって警報を出力させる制御部とを備える局所排気装置。
  4. 前記警報部が、複数のパターンの警報を出力可能であり、
    前記制御部が、複数の前記所定の閾値によって区分される複数の階級を有し、前記風速または風量が該当する階級に応じて異なるパターンの前記警報を前記警報部によって出力させる請求項1から請求項3のいずれかに記載の局所排気装置。
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