JP2013018827A - 硬化性組成物およびその硬化物 - Google Patents

硬化性組成物およびその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、耐熱性、耐水性に優れた硬化物を与えることができ、ハンドリング性に優れた硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】(a)シリカ微粒子と、(b)2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート化合物と、(c)エチレン性不飽和基を有しかつ脂環式構造を有する(メタ)アクリレートと、(d)重合開始剤とを含み、前記シリカ微粒子(a)が、特定のシラン化合物(e)およびシラン化合物(f)で表面処理されていることを特徴とする硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、低粘度でハンドリング性に優れた硬化性組成物、及び該硬化性組成物を硬化させて得られる、透明性、耐熱性および耐水性に優れた硬化物に関するものである。
近年、光学機器や光通信、ディスプレイなどの光産業の技術の進展と共に、光学性能の優れた材料が要望されている。前記材料として例えば、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池用基板、タッチパネル、光学素子、光導波路およびLED封止材等の光学材料、電子材料が挙げられる。
一般に、液晶表示素子用基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用基板、太陽電池用基板およびタッチパネル等の形成材料としては、無機ガラスが多く用いられている。しかし、ガラス板は割れやすい、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きである等の問題から、近年、ガラス板の代わりにプラスチック材料を用いる試みが数多く行われるようになってきた。また上記の光学材料、例えば液晶表示素子用基板は、光を通すことから高い透明性が求められる。
また、光学レンズ、光学素子、光導波路およびLED封止材の形成材料としては、近年、リフロー耐性を有する等の耐熱性に優れたプラスチック材料が要望されてきている。
さらに、ガラス板の代わりにプラスチック材料を光学レンズ、光導波路等の光学部品、電子部品へ適用するには、そのプラスチック材料の吸水率が小さいことが望まれる。
従来使用されている光学材料の形成材料として、例えば、特開平10−77321号公報(特許文献1)には、非晶質熱可塑性樹脂と活性エネルギー線により硬化可能なビス(メタ)アクリレートよりなる樹脂組成物を、活性エネルギー線により硬化させてなる部材が開示されている。そして特許文献1には、当該部材が、ガラス基板に代えて光学レンズ、光ディスク基板およびプラスチック液晶基板などに好適に利用できることが記載されている。しかし、前記非晶質熱可塑性樹脂の屈折率と、前記ビス(メタ)アクリレートを活性エネルギー線により硬化して得られた樹脂の屈折率との差により、前記部材の透明性が低下する懸念がある。
特開平10−298252号公報(特許文献2)には、特定のシラン化合物をコロイダルシリカ分散系中で加水分解、縮重合させて得られたシリカ系縮重合体を、メチルメタクリレート等のラジカル重合性ビニル化合物やビスフェノールA型のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート中に均一分散した硬化性組成物が開示されている。さらに特許文献2は、当該組成物は、透明性と剛性に優れた硬化物を与えることができ、当該硬化物は光学材料用途等の用途に有用である旨記載されている。しかし、前記文献では前記硬化物の耐熱性については検討がなされていない。
耐熱性を向上させたり、収縮を低減させたりする方法としては、一般に、樹脂組成物中に無機フィラーを添加する方法や基板に無機膜を積層する等の方法がある。しかし、樹脂組成物中に無機フィラーを添加した場合、樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物(基板)の透明性が著しく損なわれる、表面平滑性が失われる、無機フィラーの分散性が悪いために基板内に不均一性が生じ、基板が割れやすくなる等の問題があった。また、無機膜を積層した場合には、以下の問題などがあった。
(1)無機膜と基板の密着性が悪い。
(2)基板から無機膜が剥離したり、基板に割れが発生したりする。
上記(2)の問題は、無機膜および硬化して基板となる樹脂組成物の硬化時の収縮の差が大きい等の理由から生じる。
特開平5−209027号(特許文献3)、特開平10−231339号(特許文献4)にも、特定のシラン化合物をコロイダルシリカ分散系中で加水分解、縮重合させて得られたシリカ系縮重合体を、メチルメタクリレート等のラジカル重合性ビニル化合物やビスフェノールA型のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート中に均一分散した、透明性と剛性に優れた硬化物を与える硬化性組成物が記載されている。しかしながら、これらの硬化性組成物から得られる硬化物も耐熱性は不十分である。
また、特許第4008246号公報(特許文献5)には、特定の脂環式構造を有し、2官能の(メタ)アクリレートと有機溶媒に分散されたコロイダルシリカとを含む組成物の有機溶媒を除去して得られる複合体組成物を架橋してなる硬化物が開示されている。しかしながら、この特許文献に記載の発明では、前記複合体組成物中のシリカの分散性や硬化収縮抑制、硬化物の成形加工性が不十分である。また、シリカの分散性を補うことおよび複合体組成物の粘度低減のために、脂環構造を有するシラン化合物を前記組成物に添加することも記載されているが、そのシラン化合物の加水分解速度が極めて遅い。そのために、製造時間の点で経済的でない上、その効果が発現しにくいという問題がある。
上記の特開平5−209027号および特開平10−298252号各公報には、耐水性に関する記載がなく、特開平10−77321号および特許第4008246号各公報には、耐溶剤性に関する記載はあるが、耐水性に関する記載はない。特開平10−231339号公報には、耐水性に関する記載はあるが、透明性が不十分である。
特開平10−77321号公報 特開平10−298252号公報 特開平5−209027号公報 特開平10−231339号公報 特許第4008246号公報
本発明は、上記の従来技術に伴う問題点を解決することができる、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池用基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等の用途に好適に用いることができる硬化物を与えることができる硬化性組成物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、透明性、耐熱性および耐水性に優れた硬化物を与えることができ、ハンドリング性に優れた硬化性組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定のシラン化合物で表面処理した(a)シリカ微粒子と、(b)2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート化合物と、(c)エチレン性不飽和基を有しかつ脂環式構造を有する(メタ)アクリレート化合物と、(d)重合開始剤とを含む硬化性組成物が、上記課題を解決できることを見出した。ここで、(メタ)アクリレート化合物とは、アクリレート及び/またはメタクリレートを意味する。以降、その他の(メタ)アクリレート化合物においても同様の意味である。
本発明は具体的には、以下の事項に関する。
[1](a)シリカ微粒子と、
(b)2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート化合物と、
(c)エチレン性不飽和基を有しかつ脂環式構造を有する(メタ)アクリレート化合物と、
(d)重合開始剤と
を含み、前記シリカ微粒子(a)が、下記一般式(1)で表されるシラン化合物(e)及び下記一般式(2)で表されるシラン化合物(f)で表面処理されていることを特徴とする硬化性組成物:
Figure 2013018827
(式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜3のアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R3は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、aは1〜6の整数であり、bは0〜2の整数である。)。
Figure 2013018827
(式(2)中、Xは炭素数6〜12の芳香族基を表し、R4は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R5は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、cは0〜6の整数であり、dは2または3であり、eは0または1であり、dとeの和は2または3である。)。
[2]前記一般式(1)中、R1が水素原子またはメチル基を表し、R2がメチル基を表し、R3がメチル基またはエチル基を表し、aは2または3であり、bが0または1であることを特徴とする[1]に記載の硬化性組成物。
[3]前記一般式(2)中、Xがフェニル基またはナフチル基を表し、R4がメチル基を表し、R5がメチル基またはエチル基を表し、cは0または1であり、dは2または3であり、eは0または1であり、dとeの和は2または3であることを特徴とする[1]に記載の硬化性組成物。
[4]前記シリカ微粒子(a)が、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して、5〜99質量部の前記シラン化合物(e)と、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して、1〜95質量部の前記シラン化合物(f)とで表面処理されていることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5]前記シリカ微粒子(a)が、さらに下記一般式(3)で表されるシラン化合物(g)で表面処理されていることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
Figure 2013018827
(式(3)中、Yは炭素数6〜12の芳香族基を表し、R6は炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を表し、R7は水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、fは0〜6の整数であり、gは0〜2の整数であり、gが0または1の場合には、複数存在するR7は互いに同一でも異なっていてもよく、gが2の場合には、2つ存在するR6は互いに同一でも異なっていてもよい。)。
[6]前記一般式(3)中、Yがフェニル基を表し、R6がメチル基を表し、R7がメチル基またはエチル基を表し、fが0または1であり、gが0または1であることを特徴とする[5]に記載の硬化性組成物。
[7]前記シリカ微粒子(a)が、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して、1〜50質量部の前記シラン化合物(g)で表面処理されていることを特徴とする[5]または[6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[8]前記2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート(b)が、2〜6個のエチレン性不飽和基を有することを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[9]前記2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート化合物(b)が、3つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[10]前記2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート(b)が、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートおよびトリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[11]前記エチレン性不飽和基を有しかつ脂環式構造を有する(メタ)アクリレート(c)が、シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート及びアダマンチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[12]前記[1]〜[11]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
[13]前記[12]に記載の硬化物からなる光学材料。
[14]前記[12]に記載の硬化物からなる電子材料。
本発明によれば、透明性、耐熱性および耐水性に優れた硬化物を与えることができ、ハンドリング性に優れた硬化性組成物が提供され、さらに該硬化性組成物の硬化物も提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、これら説明された具体的な実施の態様に限定されるものではない。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、(a)特定のシラン化合物(e)および(f)で表面処理されているシリカ微粒子と、(b)2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート化合物(以下、単に「反応性(メタ)アクリレート(b)」とも言う)と、(c)エチレン性不飽和基を有しかつ脂環式構造を有する(メタ)アクリレート化合物(以下、単に「反応性(メタ)アクリレート(c)」とも言う)と、(d)重合開始剤とを含むことを特徴している。以下これら各構成要素について説明する。
<シリカ微粒子(a)>
シリカ微粒子(a)は、本発明の熱硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物(以下、単に「硬化物」とも言う)の耐熱性を向上させるために用いられる。
本発明で用いられるシリカ微粒子(a)としては、平均粒子径が1〜100nmのものを好適に用いることができる。平均粒子径が1nm未満であると、本発明の硬化性組成物の粘度が増大し、シリカ微粒子(a)の硬化性組成物中での含有量が制限されるとともに硬化性組成物中での分散性が悪化し、前記硬化物において十分な透明性および耐熱性を得ることができない傾向がある。また、平均粒子径が100nmを越えると硬化物の透明性が悪化する場合がある。
シリカ微粒子(a)の平均粒子径は、硬化性組成物の粘度と硬化物の透明性とのバランスの点から、より好ましくは1〜50nm、さらに好ましくは5〜50nm、最も好ましくは5〜40nmである。なお、シリカ微粒子(a)の平均粒子径は、高分解能透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製H−9000型)でシリカ微粒子を観察し、観察される微粒子像より任意に100個のシリカ粒子像を選び、公知の画像データ統計処理手法により数平均粒子径として求められた値である。
本発明においては、シリカ微粒子(a)の本発明の硬化物への充填量を上げるために、平均粒子径が異なるシリカ微粒子を混合して用いてもよい。また、シリカ微粒子(a)として、多孔質シリカゾルや、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛等とケイ素との複合金属酸化物を用いてもよい。
本発明の硬化性組成物中のシリカ微粒子(a)の含有量は、表面処理する前のシリカ微粒子として5〜80質量%であることが好ましく、硬化物の耐熱性と硬化性組成物の粘度のバランスの点から、より好ましくは5〜60質量%である。この範囲であれば、硬化性組成物の流動性および硬化性組成物中のシリカ微粒子(a)の分散性が良好であるため、そのような硬化性組成物を用いれば、十分な強度および耐熱性を持つ硬化物を製造することができる。なお、以下で説明するが、シリカ微粒子(a)として、有機溶媒に分散したシリカ微粒子を使用する場合がある。この場合、前記のシリカ微粒子(a)の含有量とは、有機溶媒中に分散したシリカ微粒子のみの含有量を指す。
また、シリカ微粒子(a)としては、その硬化性組成物中での分散性の点から、有機溶媒に分散したシリカ微粒子を用いることが好ましい。前記有機溶媒としては、硬化性組成物中に含有される有機成分(後述する反応性(メタ)アクリレート(b)または反応性(メタ)アクリレート(c))が溶解するものを用いることが好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類およびグリコールエーテル類が挙げられる。後述する本発明の硬化性組成物の製造方法における、シリカ微粒子(a)、反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)の混合液から有機溶媒を除去する脱溶媒工程における脱溶媒のしやすさから、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールおよびn−プロピルアルコール等のアルコール系、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系の有機溶媒が好ましい。
これらの中でも、イソプロピルアルコールが特に好ましい。イソプロピルアルコールに分散したシリカ微粒子(a)を用いた場合には、脱溶媒後の硬化性組成物の粘度が他の溶媒を使用した場合に比べて低く、粘度が低くハンドリング性に優れた硬化性組成物を安定して作製することができる。
このような有機溶媒に分散したシリカ微粒子(a)は従来公知の方法で製造することができ、また例えば商品名スノーテックIPA−ST(日産化学工業(株)製)などとして市販されている。その他の上記で説明したシリカ微粒子も、従来公知の方法で製造することができ、また市販もされている。
また、本発明に使用されるシリカ微粒子(a)は、シラン化合物(e)、シラン化合物(f)および必要に応じてシラン化合物(g)で表面処理されている。つまり、シリカ微粒子(a)は、表面処理されていないシリカ微粒子をシラン化合物(e)、シラン化合物(f)および必要に応じてシラン化合物(g)で表面処理することにより得られたシリカ微粒子である。以下これら各シラン化合物について説明する。
<シラン化合物(e)>
シラン化合物(e)で表面処理されているシリカ微粒子(a)を用いることにより、硬化性組成物の粘度を低下させることができる。さらに、前記表面処理によりシリカ微粒子に結合したシラン化合物(e)(化学構造は変化している)が、後述する反応性(メタ)アクリレート(b)または反応性(メタ)アクリレート(c)と反応することにより、硬化性組成物中におけるシリカ微粒子(a)の分散安定性が向上する。
したがって、シラン化合物(e)は硬化性組成物を硬化させる際の硬化収縮を低減し、かつ成形加工性を付与するために用いられる。つまり、シラン化合物(e)で表面処理されていないシリカ微粒子を用いた場合には、硬化性組成物の粘度が高くなるとともに、硬化時の硬化収縮が大きくなり、硬化物が脆くなり、硬化物にクラックが発生したりするので好ましくない。
前記シラン化合物(e)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2013018827
式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜3のアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R3は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、aは1〜6の整数であり、bは0〜2の整数である。なお、bが2である場合には、2つのR2は互いに同一でも異なっていてもよく、bが0または1である場合には、複数存在するR3は互いに同一でも異なっていてもよい。
前記炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチルおよびイソプロピルなどが挙げられる。
また、前記フェニル基が有していてもよい置換基としては、例えば、メチル基、メトキシ基、クロロ基などが挙げられる。
このうち、本発明の硬化性組成物の粘度の低減、および保存安定性の観点から、シラン化合物(e)としては、一般式(1)において、R1が水素原子またはメチル基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基またはエチル基であり、aが2または3であり、bが0または1であるものが好ましく、R1がメチル基であり、R3がメチル基であり、aが3であり、bが0であるものがより好ましい。
シラン化合物(e)の具体例としては、γ−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルジエチルメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルジエチルエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエチルエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエチルジエトキシシランおよびγ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
シリカ微粒子(a)の硬化性組成物中における凝集防止、硬化性組成物の粘度の低減および保存安定性向上の観点からは、シラン化合物(e)としては、γ−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましく、より好ましくは、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランである。
本発明の硬化性組成物中にアクリレート(後述する反応性アクリレート(b)または反応性アクリレート(c))が多く含まれる場合には、前記シラン化合物(e)としては、アクリル基を有する、つまりR1が水素原子である一般式(1)で表されるシラン化合物、硬化性組成物中にメタクリレート(後述する反応性メタクリレート(b)または反応性メタクリレート(c))が多く含まれる場合は、前記シラン化合物(e)としては、メタクリル基を有する、つまりR1がメチル基である一般式(1)で表されるシラン化合物を用いることが好ましい。そのような場合には、本発明の硬化性組成物を硬化させる際に硬化反応が起こりやすい。
以上説明したシラン化合物(e)は、単独でも2種以上を併用して用いてもよい。
また、このようなシラン化合物(e)は公知の方法で製造することができ、また、市販もされている。
<シラン化合物(f)>
シリカ微粒子をシラン化合物(f)によって表面処理することで、シリカ微粒子とシラン化合物(f)が反応し、シリカ微粒子(a)の表面に疎水性が付与される。さらに、前記硬化性組成物中でのシリカ微粒子(a)の分散性が向上するとともに、シリカ微粒子(a)と後述する反応性(メタ)アクリレート(b)または反応性(メタ)アクリレート(c)との相溶性が良好となり、それにより本発明の硬化性組成物の粘度が低減し、さらに硬化物の耐熱性、耐水性を向上させることができる。
本発明で用いられるシラン化合物(f)は、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2013018827
式(2)中、Xは炭素数6〜12の芳香族基を表し、R4は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R5は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、cは0〜6の整数であり、dは2または3であり、eは0または1であり、dとeの和は2または3である。なお、eが2の場合には、2つ存在するR4は互いに同一でも異なっていてもよく、eが0または1の場合には、複数存在するR5は互いに同一でも異なっていてもよい。
前記炭素原子数6〜12の芳香族基としては、フェニル基またはナフチル基などが挙げられる。これらには、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばメチル基、メトキシ基およびクロロ基などの置換基が結合していてもよい。
前記炭素原子数1〜10の炭化水素基には、アルキル基等の鎖状炭化水素基だけでなく、環状炭化水素基および芳香族炭化水素基も含まれる。このような炭化水素基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基などが挙げられる。このフェニル基には、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばメチル基、メトキシ基およびクロロ基などの置換基が結合していてもよい。
本発明の硬化性組成物の粘度の低減、および保存安定性の観点から、シラン化合物(f)としては、一般式(2)において、Xがフェニル基またはナフチル基であり、R4がメチル基であり、R5がメチル基またはエチル基であり、cが0または1であり、dが2または3であり、eが0または1であり、dとeの和が2または3であるものが好ましく、Xがフェニル基であり、R5がメチル基であり、cが0であり、dが2であり、eが0であるものが特に好ましい。
シラン化合物(f)としては、例えば、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリベンジルメトキシシラン、トリベンジルエトキシシラン、ジナフチルジメトキシシラン等が挙げられる。
一般式(2)において、本願発明の範囲外であるd=1の場合に相当するフェニルトリメトキシシラン等を使用した場合は、後述の比較例5で示されるように、吸水率が高くなり耐水性に問題を生じる可能性が残るが、本願発明の範囲であるd=2または3に該当するものに限定することによって吸水率の低減という効果を発揮させることができる。
本発明の硬化性組成物の粘度の低減、耐熱性、耐水性の観点からは、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランがより好ましい。
また、以上説明したシラン化合物(f)は、単独でも2種以上を併用して用いてもよい。このようなシラン化合物(f)は公知の方法で製造することができ、また、市販もされている。
<シラン化合物(g)>
シラン化合物(e)とシラン化合物(f)以外のシラン化合物として、さらに第3のシラン化合物(g)を使用することも出来る。
シリカ微粒子をシラン化合物(g)によって表面処理することで、シリカ微粒子とシラン化合物(g)とが反応すると、シリカ微粒子(a)の表面に疎水性が付与される。さらに、前記硬化性組成物中でのシリカ微粒子(a)の分散性が向上するとともに、シリカ微粒子(a)と後述する反応性(メタ)アクリレート(b)または反応性(メタ)アクリレート(c)との相溶性が良好となり、それにより本発明の硬化性組成物の粘度が低減し、さらに硬化性組成物の保存安定性を向上させることができる。
本発明で用いられるシラン化合物(g)は、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 2013018827
式(3)中、Yは炭素数6〜12の芳香族基を表し、R6は炭素数1〜3のアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R7は水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、fは0〜6の整数であり、gは0〜2の整数である。なお、gが2の場合には、2つ存在するR6は互いに同一でも異なっていてもよく、gが0または1の場合には、複数存在するR7は互いに同一でも異なっていてもよい。また、前記フェニル基が有していてもよい置換基としては、例えばメチル基、メトキシ基およびクロロ基などが挙げられる。
前記炭素原子数6〜12の芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらには、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばメチル基、メトキシ基およびクロロ基などの置換基が結合していてもよい。
前記炭素原子数1〜12の炭化水素基には、アルキル基等の鎖状炭化水素基だけでなく、環状炭化水素基および芳香族炭化水素基も含まれる。このような炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基およびフェニル基などが挙げられる。このフェニル基には、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばメチル基、メトキシ基およびクロロ基などの置換基が結合していてもよい。
本発明の硬化性組成物の粘度の低減、および保存安定性の観点から、シラン化合物(g)としては、一般式(3)において、Yがフェニル基であり、R6がメチル基であり、R7がメチル基またはエチル基であり、fが0または1であり、gが0または1であるものが好ましく、Yがフェニル基であり、R7がメチル基であり、fが0または1であり、gが0であるものがより好ましく、Yがフェニル基であり、R7がメチル基であり、fが0であり、gが0であるものが特に好ましい。
シラン化合物(g)としては、例えば、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジエチルメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルジエチルエトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルメチルジメトキシシラン、ベンジルジエチルメトキシシラン、ベンジルエチルジメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ベンジルメチルジエトキシシラン、ベンジルジエチルエトキシシラン、ベンジルエチルジエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物の粘度の低減および保存安定性向上の観点からは、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジエチルメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランおよびジフェニルジメトキシシランが好ましく、フェニルトリメトキシシランおよびジフェニルジメトキシシランがより好ましい。
また、以上説明したシラン化合物(g)は、単独でも2種以上を併用して用いてもよい。
このようなシラン化合物(g)は公知の方法で製造することができ、また、市販もされている。
<シラン化合物(e)およびシラン化合物(f)の表面処理における使用量>
シリカ微粒子(a)は、以上説明したシラン化合物(e)および(f)で表面処理されているが、その際のシラン化合物の使用量は、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して、シラン化合物(e)が通常5〜99質量部、好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは5〜30質量部、シラン化合物(f)が通常1〜95質量部、好ましくは3〜50質量部、さらに好ましくは3〜30質量部である。なお、有機溶媒に分散させたシリカ微粒子(a)を用いる場合のシリカ微粒子(a)の質量は、有機溶媒に分散したシリカ微粒子(a)そのもののみの質量を指す。
シラン化合物(e)の使用量が5質量部未満であったり、シラン化合物(f)の使用量が1質量部未満であったりすると、本発明の硬化性組成物の粘度が高くなり、硬化性組成物中でのシリカ微粒子(a)の分散性が悪化してゲル化したり、前記硬化性組成物から得られる硬化物の耐熱性が低下したりする場合がある。一方、シラン化合物(e)の使用量が99質量部を超えたり、シラン化合物(f)の使用量が95質量部を超えたりすると、シリカ微粒子(a)の硬化性組成物中での凝集を引き起こす場合がある。
シラン化合物(g)の使用量は、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して、通常1〜50質量部、好ましくは1〜30質量部、さらに好ましくは3〜30質量部である。
シラン化合物(g)の使用量が1質量部未満であると、本発明の硬化性組成物の粘度が高くなり、硬化性組成物中でのシリカ微粒子(a)の分散性が悪化してゲル化したり、前記硬化性組成物から得られる硬化物の耐熱性が低下したりする場合がある。一方、シラン化合物(g)の使用量が50質量部を超えるとシリカ微粒子(a)の硬化性組成物中での凝集を引き起こす場合がある。
また、シラン化合物(e)、(f)および必要に応じてシラン化合物(g)の使用量の合計が、シリカ微粒子100質量部に対して240質量部を超えると、これら処理剤の量が多いため、シリカ微粒子の表面処理時にシリカ微粒子間での反応が起こることにより、硬化性組成物が凝集またはゲル化を起こす場合がある。
<2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート(b)>
本発明の硬化性組成物は、2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート(b)(以下、反応性(メタ)アクリレート(b)ということがある。)を含有する。当該成分は、前記硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物の優れた耐熱性に寄与する。
本発明で用いられる反応性(メタ)アクリレート(b)は、エチレン性不飽和基を2つ以上有し、かつ環構造を有しない(メタ)アクリレート構造を有する限り特に限定されない。なお、エチレン性不飽和基が(メタ)アクリレート構造と重複してもよい。すなわち、例えば(メタ)アクリレート構造を分子内に2つ有し、(メタ)アクリレート構造以外の部分で不飽和結合を有さない化合物は、エチレン性不飽和基を2つ有し、かつ(メタ)アクリレート構造を有するものとみなされる。
このような反応性(メタ)アクリレート(b)は、好ましくは2〜6個のエチレン性不飽和基を有する。(メタ)アクリレート(b)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートおよびトリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明で用いられる反応性(メタ)アクリレート(b)において、エチレン性不飽和基は通常6個以下であり、3個であることが好ましい。
前記反応性(メタ)アクリレート(b)の単独重合体のガラス転移温度は、前記硬化性組成物から得られる硬化物の耐熱性を向上させる観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上であり、3つのエチレン性不飽和基を有するものが好ましい。なお、前記単独重合体のガラス転移温度は通常300℃以下である。反応性(メタ)アクリレート(b)の単独重合体は、(メタ)アクリレート化合物(b)構造単位の繰り返しよりなる重合体であり、例えば、(メタ)アクリレート化合物(b)に含まれるエチレン性不飽和基が3つ以上の場合には、重合体が分岐を有する場合がある。
上述した反応性(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが、本発明の硬化性組成物の硬化収縮が比較的少なく、かつ単独重合体のガラス転移温度が高く前記硬化性組成物から得られる硬化物の耐熱性が優れるため好ましい。
なお、単独重合体のガラス転移温度は、以下の方法で測定する。
反応性(メタ)アクリレート(b)100質量部に光重合開始剤としてジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド(BASFジャパン(株)製、商品名Lucirin TPO−L)1質量部を溶解させ、得られた混合液をガラス基板(50mm×50mm)上に、硬化膜の厚みが200μmになるように塗布し、超高圧水銀ランプを組み込んだ露光装置で4J/cm2の強度で塗膜に露光し、硬化膜を作製する。その硬化膜を用いて、DMS6100(セイコーインスツル(株)製)にて、引張モード、温度範囲30℃〜300℃、昇温速度2℃/分、周波数1Hzで測定したtanδ値のピーク温度よりガラス転移温度を求める。
前記反応性(メタ)アクリレート(b)の本発明の硬化性組成物における配合量は、表面処理前のシリカ微粒子100質量部に対して、20〜500質量部であることが好ましく、硬化性組成物の粘度、硬化性組成物中のシリカ微粒子(a)の分散安定性および硬化物の耐熱性の点から、より好ましくは30〜300質量部であり、さらに好ましくは50〜200質量部である。配合量が20質量部未満では、硬化性組成物の粘度が高くなり、ゲル化を生じることがある。一方配合量が500質量部を超えると、硬化性組成物の硬化時の収縮が大きくなり、硬化物の反りやクラックを生じることがある。なお、有機溶媒に分散させたシリカ微粒子を用いる場合のシリカ微粒子の質量は、有機溶媒に分散したシリカ微粒子そのもののみの質量を指す。
<エチレン性不飽和基を有しかつ脂環式構造を有する(メタ)アクリレート(c)>
本発明で用いられるエチレン性不飽和基を有しかつ脂環式構造を有する(メタ)アクリレート(c)(以下、反応性(メタ)アクリレート(c)ということがある。)は、硬化物に耐熱性を付与することと、硬化時の収縮を低減するために用いられる。
このような反応性(メタ)アクリレート(c)としては、シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
硬化物の耐熱性の観点からは、反応性(メタ)アクリレート(c)の単独重合体のガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは150℃以上であるものが好ましい。反応性(メタ)アクリレート(c)の単独重合体は、反応性(メタ)アクリレート(c)構造単位の繰り返しよりなる重合体である。単独重合体のガラス転移温度の測定方法は、前述と同様である。なお、単独重合体のガラス転移温度は通常300℃以下である。
上記の例示した反応性(メタ)アクリレート(c)の中でも、硬化物の透明性及び耐熱性の観点から、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートの単官能(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、脂環式構造とは、炭素原子が環状に結合した構造のうち、芳香環構造を除くものである。
以上説明した反応性(メタ)アクリレート(c)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記反応性(メタ)アクリレート(b)の本発明の硬化性組成物における配合量は、表面処理前のシリカ微粒子100質量部に対して、20〜500質量部であることが好ましく、硬化性組成物の粘度、硬化性組成物中のシリカ微粒子(a)の分散安定性および硬化物の耐熱性の点から、より好ましくは30〜300質量部であり、さらに好ましくは50〜200質量部である。配合量が20質量部未満では、硬化性組成物の粘度が高くなり、ゲル化を生じることがある。一方配合量が500質量部を超えると、硬化性組成物の硬化時の収縮が大きくなり、硬化物の反りやクラックを生じることがある。なお、有機溶媒に分散させたシリカ微粒子を用いる場合のシリカ微粒子の質量は、有機溶媒に分散したシリカ微粒子そのもののみの質量を指す。
<重合開始剤(d)>
本発明で用いられる重合開始剤(d)としては、ラジカルを発生する光重合開始剤及び熱重合開始剤が挙げられる。
前記光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−フェニルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドおよびジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシドが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の本発明の硬化性組成物中における含有量は、硬化性組成物を適度に硬化させる量であればよく、硬化性組成物100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.02〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜2質量%である。光重合開始剤の含有量が多すぎると、硬化性組成物の保存安定性が低下したり、着色したり、架橋して硬化物を得る際の架橋が急激に進行して硬化時の割れ等の問題が発生する場合がある。また、光重合開始剤の含有量が少なすぎると、硬化性組成物を十分に硬化させることができないことがある。
前記熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、ジラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネートおよび2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
熱重合開始剤の本発明の硬化性組成物中における含有量は、硬化性組成物を適度に硬化させる量であればよく、硬化性組成物100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.02〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜2質量%である。
以上説明した(a)〜(d)成分を含む本発明の硬化性組成物は、特定のシラン化合物で表面処理されたシリカ微粒子(a)を含有しているために粘度が低く、組成物の状態でのハンドリング性に優れ、硬化成分(b)および(c)が重合開始剤とともに使用されることで、重合反応により強固に硬化し、耐熱性、耐水性に優れた硬化物が得られ、かつ該硬化物は従来品と同等以上の透明性を有しており、この硬化の際には、表面処理されたシリカ微粒子(a)の存在により、組成物の硬化収縮が抑制され、結果として硬化物(基板上に膜として形成されることが多い)の反りも抑制され、硬化物がもろくなったり、クラックが発生したりすることを防止することもできる。
以上説明した本発明の硬化性組成物は、上記必須成分(a)〜(d)の他に、例えば下記のその他の成分を含有してもよい。
<その他の成分>
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、組成物の粘度及び硬化物の透明性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、重合禁止剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、他の無機フィラー等の充填剤、反応性希釈剤、その他改質剤等を含んでいてもよい。
前記重合禁止剤は、保存中に硬化性組成物の含有成分が重合反応を起こすのを防止するために用いられる。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコールおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、組成物の透明性、硬化物の耐熱性の観点から、硬化性組成物100質量%に対して0.1質量%以下であることが好ましい。重合禁止剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物、アラルキル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物およびポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物等が挙げられる。レベリング剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記酸化防止剤とは、フリーラジカルなど酸化促進因子を捕捉する機能を有する化合物である。 酸化防止剤としては、工業的に一般に使用される酸化防止剤であれば特に限定はなく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤などを用いることができる。これら酸化防止剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、イルガノックス1010(IRGANOX1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1076(IRGANOX1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1330(IRGANOX1330:3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス3114(IRGANOX3114:1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス3790(IRGANOX3790:1,3,5−トリス((4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1035(IRGANOX1035:チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ− t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1135(IRGANOX1135:ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス1520L(IRGANOX1520L:4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス3125(IRGANOX 3125、BASFジャパン(株)製)、イルガノックス565(IRGANOX565:2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン(株)製)、アデカスタブAO−80(アデカスタブAO−80:3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、(株)ADEKA製)、スミライザーBHT(Sumilizer BHT、住友化学(株)製)、スミライザーGA−80(Sumilizer GA−80、住友化学(株)製)、スミライザーGS(Sumilizer GS、住友化学(株)製)、シアノックス1790(Cyanox 1790、(株)サイテック製)およびビタミンE(エーザイ(株)製)などが挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、イルガフォス168(IRGAFOS 168:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、BASFジャパン(株)製)、イルガフォス12(IRGAFOS 12:トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、BASFジャパン(株)製)、イルガフォス38(IRGAFOS 38:ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜りん酸、BASFジャパン(株)製)、アデカスタブ329K((株)ADEKA製)、アデカスタブPEP36((株)ADEKA製)、アデカスタブPEP−8((株)ADEKA製)、Sandstab P−EPQ(クラリアント社製)、ウェストン618(Weston 618、GE社製)、ウェストン619G(Weston 619G、GE社製)、ウルトラノックス626(Ultranox 626、GE社製)およびスミライザーGP(Sumilizer GP:6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン)、住友化学(株)製)などが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチルまたはジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート化合物およびテトラキス[メチレン(3−ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ-アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物などが挙げられる。
上記紫外線吸収剤とは、一般的に波長約200〜380nmの紫外線を吸収して熱や赤外線などのエネルギーに変化させて放出させることができる化合物である。
紫外線吸収剤としては、工業的に一般に使用されるものであれば特に限定はなく、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ジフェニルメタン系、2−シアノプロペン酸エステル系、サリチル酸エステル系、アントラニレート系、ケイヒ酸誘導体系、カンファー誘導体系、レゾルシノール系、オキザリニド系およびクマリン誘導体系の紫外線吸収剤等が本発明に使用できる。これら紫外線吸収剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールおよび2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノール等を挙げることができる。
前記トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4,6−トリス−(ジイソブチル4’−アミノ−ベンザルマロネート)−s−トリアジン、4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
前記ジフェニルメタン系紫外線吸収剤としては、例えば、ジフェニルメタノン、メチルジフェニルメタノン、4−ヒドロキシジフェニルメタノン、4−メトキシジフェニルメタノン、4−オクトキシジフェニルメタノン、4−デシルオキシジフェニルメタノン、4−ドデシルオキシジフェニルメタノン、4−ベンジルオキシジフェニルメタノン、4,2’,4’−トリヒドロキシジフェニルメタノン、2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシジフェニルメタノン、4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ−ジフェニルメタノン、o−ベンゾイル安息香酸メチルおよびベンゾインエチルエーテルなどが挙げられる。
前記2−シアノプロペン酸エステル系紫外線吸収剤としては、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルプロペン酸エステルおよびイソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルプロペン酸エステル等が挙げられる。
前記サリチル酸エステル系紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸イソセチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸グリコールおよびサリチル酸フェニルなどが挙げられる。
前記アントラニレート系紫外線吸収剤としては、例えば、メンチルアントラニレート等が挙げられる。
前記ケイヒ酸誘導体系紫外線吸収剤としては、例えば、エチルヘキシルメトキシシンナメート、イソプロピルメトキシシンナメート、イソアミルメトキシシンナメート、ジイソプロピルメチルシンナメート、グリセリル−エチルヘキサノエートジメトキシシンナメート、メチル−α−カルボメトキシシンナメートおよびメチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート等が挙げられる。
前記カンファー誘導体系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファースルホン酸、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、テレフタリリデンジカンファースルホン酸およびポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー等が挙げられる。
前記レゾルシノール系紫外線吸収剤としては、例えば、ジベンゾイルレゾルシノールおよびビス(4−t−ブチルベンゾイルレゾルシノール)等が挙げられる。
前記オキザリニド系紫外線吸収剤としては、例えば、4,4’−ジ−オクチルオキシオキザニリド、2,2’−ジエトキシオキシオキザニリド、2,2’−ジ−オクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキザニリド、2,2’−ジ−ドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキザニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキザニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキザニリドおよび2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エトキシオキザニリド等が挙げられる。
前記クマリン誘導体系紫外線吸収剤としては、例えば、7−ヒドロキシクマリン等が挙げられる。
上記光安定剤とは、光エネルギーによって発生したラジカルによる自動酸化分解を低減させ、硬化物の劣化を抑制する効能を有する化合物である。
光安定剤としては、工業的に一般に使用されるものであれば特に限定はなく、ヒンダードアミン系化合物(「HALS」と略記する。)、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物等が使用できる。これら光安定剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記HALSとしては、例えば、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ[{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、1,6−ヘキサンジアミン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、およびポリ[(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]などの、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した高分子量HALS;
コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物などの、ピペリジン環がエステル結合を介して結合した高分子量HALS;ならびにペンタメチルピペリジニルメタクリレートなどが挙げられる。
上記充填剤または顔料としては、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、アエロジル(登録商標)等、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、亜鉛華、ベンガラおよびアゾ顔料等が挙げられる。
<硬化性組成物の粘度>
このような各種成分を含有する本発明の硬化性組成物の、B型粘度計DV−III ULTRA(BROOKFIELD社製)で測定した25℃における粘度は、通常30〜10,000mPa・sであり、好ましくは100〜8,000mPa・sであり、本発明の硬化性組成物は溶剤を含有していなくとも適度な粘度を有しており、良好なハンドリング性を有する。このことは、上述のシリカ微粒子(a)の表面処理による、シリカ微粒子(a)の反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)との高い反応性および相溶性、反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)中におけるシリカ微粒子(a)の高い分散安定性に起因する。
<硬化性組成物の製造方法>
本発明の硬化性組成物は、例えば、有機溶媒に分散したコロイダルシリカ(シリカ微粒子)をシラン化合物(e)および(f)、またはシラン化合物(e)、(f)および(g)で表面処理する工程(工程1)、表面処理により得られたシリカ微粒子(a)に反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)を添加し、均一混合する工程(工程2)、工程2で得られたシリカ微粒子(a)と反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)との均一混合液から有機溶媒及び水を留去(以下、これらをまとめて脱溶媒という)する工程(工程3)、工程3で脱溶媒された組成物に重合開始剤(d)を添加、均一混合して硬化性組成物とする工程(工程4)を順次行うことにより製造することができる。以下各工程について説明する。
(工程1)
工程1では、シリカ微粒子をシラン化合物(e)および(f)、またはシラン化合物(e)、(f)および(g)で表面処理する。表面処理は、シリカ微粒子を反応器に入れ、攪拌しながら、シラン化合物(e)および(f)、またはシラン化合物(e)、(f)および(g)を添加して、攪拌混合し、さらに該シラン化合物の加水分解を行うのに必要な水と触媒を添加して、攪拌しながら、該シラン化合物を加水分解し、シリカ微粒子表面にて縮重合させることにより行う。なお、前記シリカ微粒子(a)としては、有機溶媒に分散したシリカ微粒子(a)を用いることが好ましいことは、前述のとおりである。
前記加水分解の過程において、前記シラン化合物の加水分解による消失を、ガスクロマトグラフィーにより確認することができる。たとえば、ガスクロマトグラフィー(アジレント(株)製、型式6850)にて、無極性カラムDB−1(J&W社製)を使用し、温度50〜300℃、昇温速度10℃/分、キャリアガスとしてHeを使用し、流量1.2cc/分、水素炎イオン化検出器にて内部標準法でシラン化合物の残存量を測定することにより、シラン化合物の加水分解による消失を確認することができる。
なお、前述のようにシリカ微粒子(a)を表面処理する際のシラン化合物(e)の使用量は、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して通常5〜99質量部、好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは5〜30質量部である。また、シラン化合物(f)の使用量は、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して通常1〜95質量部、好ましくは3〜50質量部、さらに好ましくは3〜30質量部である。シラン化合物(g)の使用量は、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して、通常1〜50質量部、好ましくは1〜30質量部、さらに好ましくは3〜30質量部である。
加水分解反応を行うのに必要な水の量は、表面処理を行うシリカ微粒子100質量部に対して通常1〜100質量部、好ましくは1〜50質量部、さらに好ましくは1〜30質量部である。水の量が過度に少ないと、加水分解速度が極端に遅くなり経済性に欠けたり、表面処理が充分進行しなかったりする恐れがある。逆に水の量が過度に多いと、シリカ微粒子(a)がゲルを形成する恐れがある。なお、シリカ微粒子として有機溶媒に分散したシリカ微粒子を使用する場合は、前記シリカ微粒子の質量は、有機溶媒に分散したシリカ微粒子そのもののみの質量を指す。
加水分解反応を行う際には、通常、加水分解反応用の触媒が使用される。このような触媒の具体例としては、例えば、塩酸、酢酸、硫酸およびリン酸等の無機酸;
蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸およびマレイン酸等の有機酸;
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよびアンモニア等のアルカリ触媒;
有機金属;
金属アルコキシド;
ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチレートおよびジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物;
アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)およびジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等の金属キレート化合物;
ホウ素ブトキシドおよびホウ酸等のホウ素化合物等が挙げられる。
これらの中でも、水への溶解性と、充分な加水分解速度が得られることから、塩酸、酢酸、マレイン酸およびホウ素化合物が好ましい。これらの触媒は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
工程1においてシラン化合物(e)および(f)の加水分解反応を行う際には、非水溶性触媒を用いてもよいが、水溶性触媒を使用することが好ましい。加水分解反応用の水溶性触媒を使用する場合は、水溶性触媒を適当量の水に溶解し、反応系に添加すると、触媒を均一に分散させることができるので好ましい。
加水分解反応に使用する触媒の添加量は、特に限定されないが、表面処理を行うシリカ微粒子100質量部に対して通常0.01〜1質量部、好ましくは0.01〜0.5質量部である。なお、前述のようにシリカ微粒子として有機溶媒に分散したシリカ微粒子を使用する場合は、前記シリカ微粒子の質量は、有機溶媒に分散したシリカ微粒子そのもののみの質量を指す。また本発明において、前記触媒は水に溶解した水溶液として加水分解反応に使用されることがあるが、その場合には、前記触媒の添加量は、触媒そのもののみの添加量を表す。
加水分解反応の反応温度は特に限定されないが、通常、10〜80℃の範囲であり、好ましくは20〜50℃の範囲である。反応温度が過度に低いと、加水分解速度が極端に遅くなり経済性に欠けたり、表面処理が充分進行しなかったりする恐れがある。反対に反応温度が過度に高いと、ゲル化反応が起こりやすくなる傾向がある。
また、加水分解反応を行うための反応時間は特に限定されないが、通常10分間〜48時間、好ましくは30分間〜24時間の範囲である。なお、工程1におけるシラン化合物(e)およびシラン化合物(f)による表面処理は、両者を逐次に行ってもよいが、同時に一段で行う方が反応プロセスの単純化や効率化の点で好ましい。
(工程2)
工程2において、表面処理により得られたシリカ微粒子(a)と反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)を混合する方法には、特に制限は無いが、例えば、室温または加熱条件下でミキサー、ボールミルまたは3本ロールなどの混合機により混合する方法や、工程1を行った反応器の中で連続的に攪拌しながら反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)を添加、混合する方法が挙げられる。
(工程3)
工程3において、シリカ微粒子(a)と反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)との均一混合液から脱溶媒するには、減圧状態で加熱することが好ましい。
温度は、20〜100℃に保つことが好ましく、凝集ゲル化防止と脱溶媒スピードとのバランスで、より好ましくは30〜70℃、さらに好ましくは30〜50℃である。温度を上げすぎると、硬化性組成物の流動性が極端に低下したり、ゲル状になってしまったりすることがある。
減圧する際の真空度は、通常10〜4,000kPaであり、脱溶媒スピードと凝集ゲル化防止とのバランスを図る上で、さらに好ましくは10〜1,000kPa、最も好ましくは、10〜500kPaである。真空度の値が大きすぎると、脱溶媒スピードが極端に遅くなり経済性に欠ける。
脱溶媒後の組成物は、実質的に溶媒を含まないことが好ましい。ここでいう実質的とは、本発明の硬化性組成物を用いて実際に硬化物を得る際に、再度、脱溶媒する工程を経る必要がないことを意味しており、具体的には、硬化性組成物中の有機溶媒及び水の残存量として、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下であることを意味する。
工程3においては、脱溶媒する前に、脱溶媒後の組成物100質量部に対して0.1質量部以下の重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤は脱溶媒過程中や脱溶媒後の硬化性組成物及びその組成物の保存中に組成物の含有成分が重合反応を起こすのを防止するために用いることができる。
工程3は、工程2を経たシリカ微粒子(a)と反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)との均一混合液を専用の装置に移して行うこともできるし、工程2を工程1で実施した反応器を用いて行ったのであれば、工程2に引き続いて該反応器中で行うこともできる。
(工程4)
工程4において、工程3で脱溶媒された組成物に重合開始剤(d)を添加、均一混合する方法には、特に制限は無いが、たとえば、室温でミキサー、ボールミルまたは3本ロールなどの混合機により混合する方法や、工程1〜3を行った反応器の中で連続的に攪拌しながら重合開始剤(d)を添加、混合する方法が挙げられる。
さらに、このような重合開始剤(d)の添加、混合を行って得られた硬化性組成物に対して、必要に応じて濾過を行ってもよい。この濾過は、硬化性組成物中のゴミ等の外来の異物除去を目的として行う。濾過方法には、特に制限は無いが、加圧濾過孔径1.0μmのメンブレンタイプ、カートリッジタイプ等のフィルターを使用し、加圧濾過する方法が好ましい。
例えば上記のようにして製造される本発明の硬化性組成物は、硬化することにより、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池用基板、タッチパネル、光学素子、光導波路およびLED封止材等の光学材料、電子材料として好適に用いることができる硬化物となる。
[硬化物]
<硬化物の製造方法>
本発明の硬化性組成物を硬化させることにより、硬化物が得られる。硬化の方法としては、活性エネルギー線の照射によりエチレン性不飽和基を架橋させる方法、熱をかけてエチレン性不飽和基を熱重合させる方法等があり、これらを併用することもできる。
硬化性組成物を紫外線等の活性エネルギー線により硬化させる場合は、上記の工程4において、硬化性組成物中に光重合開始剤を含有させる。
硬化性組成物に熱をかけて硬化させる場合は、上記の工程4において、硬化性組成物中に熱重合開始剤を含有させる。
本発明の硬化物は、例えば、本発明の硬化性組成物をガラス板、プラスチック板、金属板またはシリコンウエハ等の基板上に塗布して塗膜を形成した後、その硬化性組成物に活性エネルギー線を照射することによって、あるいは加熱することによって、得ることができる。硬化のために、活性エネルギー線の照射と加熱との両方を行ってもよい。
前記硬化性組成物の塗布方法としては、例えば、バーコーター、アプリケーター、ダイコーター、スピンコーター、スプレーコーター、カーテンコーターまたはロールコーターなどによる塗布、スクリーン印刷などによる塗布、ならびにディッピングなどによる塗布が挙げられる。
本発明の硬化性組成物の基板上への塗布量は特に限定されず、目的に応じて適宜調整することができ、活性エネルギー線照射および/または加熱での硬化処理後に得られる塗膜の膜厚が、1〜1,000μmとなる量が好ましく、10〜800μmとなる量がより好ましい。
硬化のために使用される活性エネルギー線としては、電子線、または紫外から赤外の波長範囲の光が好ましい。光源としては、例えば、紫外線であれば超高圧水銀光源またはメタルハライド光源、可視光線であればメタルハライド光源またはハロゲン光源、赤外線であればハロゲン光源が使用できるが、この他にもレーザー、LEDなどの光源が使用できる。
活性エネルギー線の照射量は、光源の種類、塗膜の膜厚などに応じて適宜設定されるが、好ましくは反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)のエチレン性不飽和基の反応率が80%以上、より好ましくは90%以上になるように適宜設定できる。反応率は、赤外吸収スペクトルにより、反応前後のエチレン性不飽和基の吸収ピーク強度の変化から算出される。
また、活性エネルギー線を照射して硬化させた後、必要に応じて、加熱処理(アニール処理)をして硬化をさらに進行させてもよい。その際の加熱温度は、80〜220℃の範囲にあることが好ましい。加熱時間は、10分〜60分の範囲にあることが好ましい。
本発明の硬化性組成物の硬化のために加熱処理により熱重合させる場合は、加熱温度は、80〜200℃の範囲にあることが好ましく、より好ましくは100〜150℃の範囲である。加熱温度が80℃より低いと、加熱時間を長くする必要があり経済性に欠ける傾向にあり、加熱温度が200℃より高いと、エネルギーコストがかかるうえに、加熱昇温時間及び降温時間がかかるため、経済性に欠ける傾向にある。
加熱時間は、加熱温度、塗膜の膜厚などに応じて適宜設定されるが、好ましくは反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)のエチレン性不飽和基の反応率が80%以上、より好ましくは90%以上になるように適宜設定できる。反応率は前述のように、赤外吸収スペクトルにより、反応前後のエチレン性不飽和基の吸収ピーク強度の変化から算出される。
<硬化物>
本発明の硬化物は、反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)が強固に硬化したことにより耐熱性および耐水性に優れており、しかも従来品と同等以上の透明性を有している。従って前記硬化物は、光学レンズ、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池用基板、タッチパネル、光学素子、光導波路およびLED封止材等の光学材料、電子材料として好適に用いることができる。
本発明の硬化物は耐熱性に優れており、特に、好ましくはその単独重合体のガラス転移温度が高い反応性(メタ)アクリレート(b)および反応性(メタ)アクリレート(c)を含有する硬化性組成物を硬化させて得られるものなので、耐熱性に非常に優れている。そのため、前記硬化物の窒素雰囲気で加熱した際の5%重量減少温度は通常300℃以上であり、好ましくは320℃以上、より好ましくは340℃以上である。加熱した際の5%重量減少温度が300℃を下回ると、例えば、この硬化物をアクティブマトリックス表示素子基板に用いた場合、その製造工程において反りやたわみ、場合によってはクラック発生などの問題が生じる恐れがある。
本発明の硬化物は、180℃、168時間後の波長400nmでの光線透過率が80%以上、好ましくは82%、より好ましくは84%である。
さらに、本発明の硬化物は、180℃、168時間後の透明性に優れるため、長期の耐熱性が必要とされる用途において好適に用いることができる。
本発明の硬化物は、水に24時間浸漬した際の吸水率が、硬化物100質量%に対して1.3質量%以下であり、好ましくは1.2%質量%以下、より好ましくは1.1質量%以下である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
[硬化性組成物の調製]
(実施例1)硬化性組成物(A−1)
セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカ(シリカ含量30質量%、平均粒子径10〜20nm、商品名スノーテックIPA−ST;日産化学工業(株)製)100質量部を入れ、該セパラブルフラスコにγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン4.8質量部とジフェニルジメトキシシラン3.6質量部を加え、攪拌混合し、さらに濃度0.1825質量%のHCl溶液2.7質量部を加え、25℃で24時間撹拌することにより、シリカ微粒子の表面処理を行った。
なお、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランおよびジフェニルジメトキシシランの加水分解による消失を、ガスクロマトグラフィー(アジレント(株)製 型式6850)により確認した。無極性カラムDB−1(J&W社製)を使用し、温度50〜300℃、昇温速度10℃/分、キャリアガスとしてHeを使用し、流量1.2cc/分、水素炎イオン化検出器にて内部標準法で測定した。γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランおよびジフェニルジメトキシシランは、上記HCl溶液を添加後8時間で消失した。
次に、表面処理により得られたシリカ微粒子(a)を含む分散液に、使用したイソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの質量を100質量部として、トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ビスコート#295、略号V#295;大阪有機化学工業(株)製、単独重合体のTg>250℃)22.5質量部とアダマンチルメタクリレート(商品名:ADMA;大阪有機化学工業(株)製)22.5質量部、酸化防止剤としてスミライザーGA−80(住友化学(株)製)0.10質量部、HALSとしてテトラメチルピペリジニルメタクリレート(FA−712HM;日立化成工業(株)製)0.10質量部を加えて均一に混合した。その後、攪拌しながら40℃、100kPaにて減圧加熱して、揮発分を除去した。
得られた母液100質量部に、熱重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名パーブチルO;日油(株)製)1.0質量部を溶解させ硬化性組成物(A−1)を得た。
(実施例2)硬化性組成物(A−2)
実施例1において、トリメチロールプロパントリアクリレートの使用量を28質量部、アダマンチルメタクリレートの使用量を32質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物(A−2)を得た。
(実施例3)硬化性組成物(A−3)
実施例1において、テトラメチルピペリジニルメタクリレートをペンタメチルピペリジニルメタクリレート(商品名FA−711MM;日立化成(株)製)0.15質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物(A−3)を得た。
(実施例4)硬化性組成物(A−4)
実施例3において、アダマンチルメタクリレートの使用量を30質量部、トリメチロールプロパントリアクリレートの使用量を30質量部に変更し、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート(商品名ビスコート#802、略号V#802;大阪有機化学工業(株)製)を10質量部使用したこと以外は、実施例3と同様にして硬化性組成物(A−4)を得た。
(実施例5)硬化性組成物(A−5)
実施例4において、トリメチロールプロパントリアクリレートの使用量を28質量部、トリペンタエリスリトールオクタアクリレートの使用量を2質量部に変更したこと以外は、実施例4と同様にして硬化性組成物(A−5)を得た。
(実施例6)硬化性組成物(A−6)
セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカ(シリカ含量30質量%、平均粒子径10〜20nm、商品名スノーテックIPA−ST;日産化学工業(株)製)100質量部を入れ、該セパラブルフラスコにγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン5.4質量部、ジフェニルジメトキシシラン1.8質量部、フェニルトリメトキシシラン1.8質量部を加え、攪拌混合し、さらに濃度0.1825質量%のHCl溶液2.7質量部を加え、25℃で24時間撹拌することにより、シリカ微粒子の表面処理を行った。
なお、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランおよびフェニルトリメトキシシランの加水分解による消失を、ガスクロマトグラフィー(アジレント(株)製 型式6850)により確認した。無極性カラムDB−1(J&W社製)を使用し、温度50〜300℃、昇温速度10℃/分、キャリアガスとしてHeを使用し、流量1.2cc/分、水素炎イオン化検出器にて内部標準法で測定した。γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシランは、上記HCl溶液を添加後24時間で消失した。
次に、表面処理により得られたシリカ微粒子(a)を含む分散液に、使用したイソプロピルアルコール分散型コロイダルシリカの質量を100質量部として、トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ビスコート#295、略号V#295;大阪有機化学工業(株)製、単独重合体のTg>250℃)18.3質量部とアダマンチルメタクリレート(商品名:ADMA;大阪有機化学工業(株)製)18.3質量部、酸化防止剤としてスミライザーGA−80(住友化学(株)製)0.10質量部、HALSとしてテトラメチルピペリジニルメタクリレート(FA−712HM;日立化成工業(株)製)0.10質量部を加えて均一に混合した。その後、攪拌しながら40℃、100kPaにて減圧加熱して、揮発分を除去した。
得られた母液100質量部に、熱重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名パーブチルO;日油(株)製)1.0質量部を溶解させ硬化性組成物(A−6)を得た。
(比較例1)硬化性組成物(B−1)
実施例1において、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランおよびHCl溶液を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物(B−1)を得た。得られた硬化性組成物(B−1)はゲル化した。
(比較例2)硬化性組成物(B−2)
実施例1において、ジフェニルジメトキシシランを使用せず、0.1825質量%HCl溶液の使用量を1.5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物(B−2)を得た。
(比較例3)硬化性組成物(B−3)
実施例1において、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを使用せず、0.1825質量%HCl溶液の使用量を1.2質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物(B−3)を得た。得られた硬化性組成物(B−3)はゲル化した。
(比較例4)硬化性組成物(B−4)
実施例1において、ジフェニルジメトキシシランに代えてフェニルトリメトキシシラン3.6質量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物(B−4)を得た。
(比較例5)硬化性組成物(B−5)
実施例1において、ジフェニルジメトキシシランに代えてシクロヘキシルトリメトキシシラン3.6質量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物(B−5)を得た。
(比較例6)硬化性組成物(B−6)
シリカ微粒子(a)を使用せず、反応性(メタ)アクリレート(b)としてトリメチロールプロパントリアクリレートを50質量部、反応性(メタ)アクリレート(c)としてアダマンチルメタクリレートを50質量部、酸化防止剤としてスミライザーGA−80を0.10質量部、HALSとしてペンタメチルピペリジニルメタクリレートを0.10質量部、熱重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを1.0質量部混合して溶解させ、硬化性組成物(B−6)を得た。
(比較例7)
光学材料として一般に用いられ市販されているポリメタクリル酸メチル樹脂((株)パルテック製)を使用した。
<硬化膜の製造>
上記の実施例1〜6および比較例2、4、5、6で調製した硬化性組成物(A−1)〜(A−6)、(B−2)、(B−4)、(B−5)、(B−6)およびポリメタクリル酸メチル樹脂((株)パルテック製)を、それぞれ別々のガラス基板上に硬化膜の厚みが300μmになるように塗布し、130℃で30分間加熱処理して塗膜を硬化させた。
<性能評価方法>
(1)粘度
硬化性組成物(A−1)〜(A−6)、(B−2)、(B−4)、(B−5)、(B−6)の粘度は、B型粘度計DV−III ULTRA(BROOKFIELD社製)を用いて、25℃で測定した。結果を表1および2に示した。硬化性組成物は、粘度が適度に低いほどハンドリング性が良好であると言える。
(2)屈折率
上記<硬化膜の製造>で得られた硬化膜の波長594nmの光の屈折率を、MODEL 2010M PRISM COUPLER(Metricon社製)を用いて30℃において測定した。結果を表1および表2に示した。
(3)アッベ数
上記<硬化膜の製造>で得られた硬化膜のアッベ数を、MODEL 2010M PRISM COUPLER(Metricon社製)を用いて30℃で測定した、波長486nm、589nm、656nmの光についての前記硬化膜の屈折率より算出した。結果を表1および表2に示した。
(4)5%重量減少温度
上記<硬化膜の製造>で得られた硬化膜について、TG−DTA(セイコーインスツル(株)製)を用いて、窒素雰囲気下、温度範囲20〜500℃、昇温速度10℃/分で処理した際の、5%重量減少温度を求めた。結果を表1および表2に示した。その5%重量減少温度の値が高いほど、耐熱性が良好な硬化膜である。
(5)可視紫外光線透過率
上記<硬化膜の製造>で得られた硬化膜について、180℃において168時間加熱処理した前後の波長400nmの光線透過率(T%)を、JIS−K7105に準拠し分光光度計(日本分光(株)製、UV3600)を用いて測定した。結果を表1および表2に示した。その透過率の値が大きいほど、また、加熱処理前後の透過率変化が小さいほど耐熱性に優れ良好な硬化膜である。
(6)全光線透過率
上記<硬化膜の製造>で得られた硬化膜について、180℃において168時間加熱処理した前後の全光線透過率を、ヘイズメーターCOH400(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。結果を表1および表2に示した。その透過率の値が大きいほど、また、加熱処理前後の透過率変化が小さいほど耐熱性に優れ良好な硬化膜である。
(7)b値
上記<硬化膜の製造>で得られた硬化膜について、180℃において168時間加熱処理した前後のb値を、ヘイズメーターCOH400(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。さらに、結果を表1および表2に示した。そのb値が小さいほど、また、加熱処理前後のb値の変化が小さいほど耐熱性に優れ良好な硬化膜である。
(8)吸水率
上記<硬化膜の製造>で得られた硬化膜を、純水に24時間浸漬させて、その浸漬の前後における重量を測定し、下式により吸水率を求めた。結果を表1に示す。吸水率が小さいほど耐水性に優れ良好な硬化膜である。
Figure 2013018827
Figure 2013018827
Figure 2013018827
実施例1〜6に示す硬化性組成物は適度な粘度を有しており、ハンドリング性に優れる。一方、比較例2に示す硬化性組成物は粘度がやや高くハンドリング性に劣る。比較例6に示す硬化性組成物は粘度が低くハンドリング性に劣る。
また、実施例1〜6に示す硬化性組成物の硬化物の5%重量減少温度はいずれも340℃以上であり耐熱性に優れる。一方、比較例7に示すポリメタクリル酸メチル樹脂は316℃であり耐熱性に劣る。
さらに、実施例1〜6に示す硬化性組成物の硬化物は、180℃で168時間加熱した後の波長400nmの光の光線透過率はいずれも80%以上であり透明性が良好であり、長期の耐熱性にも優れる。一方、比較例2、5に示す硬化性組成物の硬化物は、80%以下であり耐熱性に劣る。比較例7のポリメタクリル酸メチル樹脂は、180℃の加熱により硬化膜が溶解し耐熱性が非常に悪い。
比較例2、4、5、7に示す硬化性組成物の硬化膜は、吸水率が1.3%以上であり、実施例1〜6に示す硬化性組成物の硬化物よりも耐水性に劣る。
特定の2種類のシラン化合物で表面処理したシリカ微粒子と、特定の2種類の(メタ)アクリレートと、重合開始剤とを含有する本発明の硬化性組成物は、低粘度でハンドリング性が良好である。
また、該硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物は、透明性、耐熱性、耐水性に優れる。該硬化物は、透明板、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池用基板、タッチパネル、光学素子、光導波路、LED封止材等の光学材料、電子材料に好適に用いることができる。

Claims (14)

  1. (a)シリカ微粒子と、
    (b)2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレートと、
    (c)エチレン性不飽和基を有しかつ脂環式構造を有する(メタ)アクリレートと、
    (d)重合開始剤と
    を含み、
    前記シリカ微粒子(a)が、下記一般式(1)で表されるシラン化合物(e)及び下記一般式(2)で表されるシラン化合物(f)で表面処理されていることを特徴とする硬化性組成物:
    Figure 2013018827
    (式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜3のアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R3は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、aは1〜6の整数であり、bは0〜2の整数である。)。
    Figure 2013018827
    (式(2)中、Xは炭素数6〜12の芳香族基を表し、R4は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R5は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、cは0〜6の整数であり、dは2または3であり、eは0または1であり、dとeの和は2または3である。)。
  2. 前記一般式(1)中、R1が水素原子またはメチル基を表し、R2がメチル基を表し、R3がメチル基またはエチル基を表し、aは2または3であり、bが0または1であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記一般式(2)中、Xがフェニル基またはナフチル基を表し、R4がメチル基を表し、R5がメチル基またはエチル基を表し、cは0または1であり、dは2または3であり、eは0または1であり、dとeの和は2または3であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 前記シリカ微粒子(a)が、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して、5〜99質量部の前記シラン化合物(e)と、1〜95質量部の前記シラン化合物(f)とで表面処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 前記シリカ微粒子(a)が、さらに下記一般式(3)で表されるシラン化合物(g)で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
    Figure 2013018827
    (式(3)中、Yは炭素数6〜12の芳香族基を表し、R6は炭素数1〜3のアルキル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表し、R7は水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、fは0〜6の整数であり、gは0〜2の整数であり、gが0または1の場合には、複数存在するR7は互いに同一でも異なっていてもよく、gが2の場合には、2つ存在するR6は互いに同一でも異なっていてもよい。)。
  6. 前記一般式(3)中、Yがフェニル基を表し、R6がメチル基を表し、R7がメチル基またはエチル基を表し、fが0または1であり、gが0または1であることを特徴とする請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. 前記シリカ微粒子(a)が、表面処理する前のシリカ微粒子100質量部に対して、1〜50質量部の前記シラン化合物(g)で表面処理されていることを特徴とする請求項5または6に記載の硬化性組成物。
  8. 前記2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート(b)が、2〜6個のエチレン性不飽和基を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
  9. 前記2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート化合物(b)が、3つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
  10. 前記2つ以上のエチレン性不飽和基を有しかつ環構造を有しない(メタ)アクリレート(b)が、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートおよびトリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物。
  11. 前記エチレン性不飽和基を有しかつ脂環式構造を有する(メタ)アクリレート(c)が、シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート及びアダマンチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の硬化性組成物。
  12. 前記請求項1〜11のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
  13. 前記請求項12に記載の硬化物からなる光学材料。
  14. 前記請求項12に記載の硬化物からなる電子材料。
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