JP2013017973A - 固定部材解体システム、固定部材解体方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】解体対象を撮像した撮像画像に基づき、前記解体対象を固定している固定部材を検出し、前記検出された前記固定部材の前記解体対象における位置を示す位置情報を取得する固定部材検出ユニットと、前記位置情報に基づき前記解体対象における前記固定部材の位置に前記固定部材による固定を解除させるための固定解除ツールを移動させ、前記固定解除ツールにより前記固定部材による固定を解除させる固定部材解体ユニットとを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、解体する電化製品は、製品ごとに、その大きさや、部品の固定方法も異なるため、解体作業のオートメーション化が難しく、手作業により、各製品を解体していた。
例えば、作業内容ごとに割り当てられた解体作業員が、搬送ベルトで搬送される解体対象であるテレビを順次解体していく方法が採られていた(例えば、特許文献1参照)。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、解体作業員の手作業を介さずに、解体対象の解体作業を実行することができため、解体作業に要する労力を軽減することができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、固定部材検出ユニットによる固定部材検出処理と固定部材解体ユニットによる固定部材解体処理とを一連の流れで実行することができため、解体作業員の手作業を介さずに、解体対象の解体作業の一連の処理を実行することができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、少なくとも固定部材の水平面方の位置を検出することができるため、水平面方向において固定部材と固定解除ツールの位置を合わせることができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、解体対象の大きさやカメラの性能に応じて固定部材を検出するために適当な画質の画像を撮像することができるため、位置情報の検出精度を向上させることができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、固定部材が例えばネジのように、固定解除ツールとの位置あわせを行う位置に凹凸形状を有する場合、固定部材の位置情報の検出精度を向上させ、固定解除ツールとの位置合わせの精度を向上させることができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、解体対象として、例えば、ディスプレイの色に応じてシャッタースピードを調整することができるため、撮像される画像の明るさにばらつきがある場合であっても、固定部材を検出しやすい画像を撮像することができる。よって、固定部材の位置情報の検出精度を向上させることができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、少なくとも固定部材の垂直方向の位置を検出することができるため、垂直方向において固定部材と固定解除ツールとを位置合わせさせることができる。よって、例えば、ネジをドライバービットによって緩ませる方向に回転させてネジだけを取り除くような解体をすることができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、検出光を利用して、固定部材の垂直方向の位置を検出することができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、オートフォーカス機能を利用して、固定部材の垂直方向の位置を検出することができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、二次元位置検出部によって大まかな固定部材の位置を検出したのち、この大まかな固定部材の位置を示す情報に基づき各固定部材の画像を撮像して、この撮像画像に基づき、より詳細な固定部材の位置を検出することができる。よって、固定部材の位置の検出精度を向上させることができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、二次元位置検出部によって検出された固定部材の水平方向の位置と、三次元位置検出部によって検出された固定部材の垂直方向の位置とに基づき、固定部材の三次元空間における位置情報を取得することができる。よって、例えば、二次元位置検出部によって精度よく水平方向の位置が検出されている場合、三次元位置検出部が水平方向の位置を検出する手間を省くことができ、作業時間を短縮することができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、処理時間がよりかかる装置(三次元位置検出部)の数を処理時間がよりかからない装置(二次元位置検出部)の数よりも増やすことにより、固定部材解体システム全体における処理効率を向上させることができる。
このように、本発明の一実施形態に係る固定部材解体システムによれば、固定部材でない画像の誤検出を低減させることができ、固定部材の検出精度を向上させることができる。
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る固定部材解体システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、本実施形態に係る固定部材解体システム1は、固定部材検出ユニット2と、固定部材解体ユニット3と、搬送ユニット4と、統括制御ユニット5とを含む。この固定部材検出ユニット2は、第1固定部材検出部10と、第2固定部材検出部20とを備える。統括制御ユニット5は、固定部材検出ユニット2、固定部材解体ユニット3、および搬送ユニット4を、統括的に制御する。
本実施形態に係る固定部材解体システム1は、固定部材検出ユニット2により解体対象に固定されている固定部材を検出し、検出された固定部材を固定部材解体ユニット3により解体するシステムである。本実施形態において、この固定部材解体システム1の解体対象として、例えば、ネジ留めされているディスプレイDPのキャビネットを例に、以下説明する。また、本実施形態において、固定部材は、ネジであり、以下、固定部材をネジNJと呼称する。また、ネジNJの固定解除方法としては、固定解除ツール、例えばドライバービットを用いて、ネジ留めされているネジNJを緩ませる方向に回転させてディスプレイDPのキャビネットから取り外す方法の一例を用いて、以下説明する。
図示の通り、搬送ユニット4は、搬送ベルト401と搬送ローラ402とを備え、搬送ローラ402の回転を制御することにより、予め決められた搬送方向に搬送ベルト401を搬送する。なお、この搬送ユニット4は、統括制御ユニット5によって、搬送速度や搬送タイミング等が制御されるものであってもよい。
搬送ユニット4の付近には、搬送ユニット4による搬送方向の上流側から下流側に沿って、固定部材検出ユニット2における第1固定部材検出部10および第2固定部材検出部20、ならびに固定部材解体ユニット3がこの順番で設置されている。この搬送ベルト401上には解体対象であるディスプレイDPが載置されており、搬送ユニット4が、第1固定部材検出部10、第2固定部材検出部20、固定部材解体ユニット3の順番で、解体対象をこれらに搬送する。このディスプレイDPは、搬送ベルト401上に背面を上にして載置されており、搬送ベルト401上のディスプレイDPには、その上面にネジNJが見えている。なお、搬送方向は図示の通り直線でなくてもよく、固定部材解体システム1が設置される環境に応じて変更可能である。
固定部材検出ユニット2は、解体対象であるディスプレイDPを撮像した画像に基づき、このディスプレイDPのキャビネットを固定しているネジNJを検出し、検出されたネジNJのディスプレイDP内における位置を示す位置情報を取得する。本実施形態において、ネジNJの位置は、ディスプレイDPにおいて決められた基準位置Pを原点(0,0,0)としてXYZ座標値で示される。なお、本発明はこれに限られず、ネジNJの位置は、ディスプレイDPにおいて決められた基準位置Pを原点としてXY座標値で示されるものであってもよい。
この基準位置Pを原点(0,0,0)とする三次元空間をステージ座標空間という。このステージ座標空間は、XY平面が水平面と一致し、Z軸方向が垂直方向と一致している。なお、X軸+方向が搬送方向(上流から下流に向かう方向)と一致し、Z軸+方向が上方向(つまり、Z軸−方向が下方向)と一致している。
具体的に説明すると、第1固定部材検出部10は、解体対象であるディスプレイDPについての水平面方向の全領域を撮像した画像データに基づき、固定部材であるネジNJを検出し、検出されたネジNJのXY座標値を算出する。ここで算出されるネジNJの位置は、ディスプレイDPのステージ座標空間において予め決められた基準位置P(0,0,0)に対するXY座標値で示される。なお、この基準位置P(0,0,0)は、位置決めされたディスプレイDPの一角であり、詳細については後述する。
また、固定部材検出ユニット2の第2固定部材検出部20は、解体対象であるディスプレイDPの一部を撮像した画像データに基づき、基準位置Pに対する少なくとも垂直方向の固定部材であるネジNJの位置を示す位置情報(つまり、ステージ座標空間におけるZ座標値)を取得する。
図3は、第1固定部材検出部10の概略を説明するための図である。図3に示す通り、第1固定部材検出部10は、第1カメラ101を保持した状態で、この第1カメラ101をXYZ空間内で移動させるXYZ移動機構102を備える。このXYZ移動機構102は、第1カメラ101を支持する支持部102aと、この支持部102aをZ軸方向に移動可能に支持するZ移動機構102zと、このZ移動機構102zをX軸方向に移動可能に支持するX移動機構102xと、このX移動機構102xをY軸方向に移動可能に支持するY移動機構102yとを備える。
このXYZ移動機構102が動作することにより第1カメラ101を所定の位置に移動させ、第1カメラ101が解体対象であるディスプレイDPの水平面方向の全域を撮像する。なお、本実施形態において、XYZ移動機構102は、搬送ベルト401に載置されたディスプレイDPの背面の全域を撮像するように、第1カメラ101を移動させる。
また、第1カメラ101には、例えば、第1カメラ101によって撮像される領域を照らすための高周波蛍光灯103が搭載されている。
なお、XYZ移動機構102は、第1カメラ101の被写界深度の範囲にディスプレイDPが入っており、XY座標値(X1,Y1)を取得することができる程度のネジNJの画像を撮像できる場合は、Z移動機構102zはなくてもよい。
図4に示す通り、XYZ移動機構102は、駆動制御部104と接続されている。この駆動制御部104は、XYZ移動機構102に動力を提供し、XYZ移動機構102の動作を制御する。
駆動制御部104は、X移動機構102x、Y移動機構102y、およびZ移動機構102zをそれぞれ動作させるためのモータ制御部141x、モータ制御部141y、およびモータ制御部141zと、駆動部142x、駆動部142y、および駆動部142zと、モータ143x、モータ143y、およびモータ143zとを備える。
モータ制御部141x、モータ制御部141y、およびモータ制御部141zは、X移動機構102x、Y移動機構102y、およびZ移動機構102zのそれぞれの動作量(移動距離)に応じた駆動コマンドを駆動部142x、駆動部142y、および駆動部142zにそれぞれ出力する。この駆動部142x、駆動部142y、および駆動部142zは、入力する駆動コマンドに応じて、それぞれモータ143x、モータ143y、モータ143zを駆動させる。このモータ143x、モータ143y、モータ143zは、それぞれ、X移動機構102x、Y移動機構102y、Z移動機構102zと接続されており、駆動部142x、駆動部142y、駆動部142zにより駆動され、X移動機構102x、Y移動機構102y、Z移動機構102zを、それぞれをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させる。
ここで、図5を参照して、第1カメラ101によって撮像されるディスプレイDPの背面の画像の一例について説明する。図5は、第1カメラ101によって撮像される複数の分割画像の一例を示す図である。なお、図5に示す通り、XY平面上の位置に限って説明する場合、つまり、基準位置Pを基準とした座標情報としてX、Y座標値のみで、Z座標値を用いない場合、基準位置Pの座標値(0,0)と示す場合もある。
図5に示す通り、ディスプレイDPの背面の全体は、例えば、撮像される領域として仮想的に9つの分割領域に分割され、これら分割領域のそれぞれを撮像した分割画像D1〜D9によって表わされる。なお、分割画像D1〜D9は、基準位置Pを原点(0,0)として、ステージ座標空間におけるXY座標値によりディスプレイDPの背面全体における位置が予め決められている。例えば、分割画像D1は、基準位置P(0,0)と、他の3点(xa,0)、(0,ya)、(xa,ya)とによって示される領域である。
図6に示す通り、第1固定部材検出部10は、位置決めガイド105と、位置決め移動機構106と、駆動制御部107と、情報処理部110とを備える。
なお、第1固定部材検出部10は、上述したとおり、第1カメラ101と、XYZ移動機構102と、駆動制御部104とを備える。この第1カメラ101は、レンズ101aと、CCD101bと、A/D変換部101cとを備える。第1カメラ101は、入射する光学像をレンズ101aを介してCCD101bの光電変換面(撮像面)に結像させる。このCCD101bによって光電変換された光学像は、A/D変換部101cによってデジタル信号に変換される。
位置決め移動機構106は、位置決めガイド105を予め決められた方向に移動可能に保持する。
なお、位置決めガイド105および位置決め移動機構106は、例えば、図7に示すような構造である。図7には、基準位置PにディスプレイDPの一角が当接して固定されるように支持ガイド108が設けられている。
駆動制御部107は、ディスプレイDPの一角を基準位置Pにあわせて位置決めするように位置決め移動機構106を制御する。この駆動制御部107は、Xガイド105xをX軸方向に沿って基準位置Pに向かって移動させるとともに、Yガイド105yをY軸方向に沿って基準位置Pに向かってに移動させる。この駆動制御部107は、例えば、第1カメラ101によって撮像された画像のデータに基づき、ディスプレイDPの一角が基準位置Pに位置合わせさせるまで、Xガイド105xおよびYガイド105yと移動させる。Xガイド105xおよびYガイド105yによって押し運ばれたディスプレイDPは、支持ガイド108に当接して停止する。これにより、ディスプレイDPの一角が基準位置Pに位置決めされる。
情報処理部110は、第1制御部111と、記録部112と、色判定部113と、撮像制御部114と、第1固定部材画像解析部115と、二次元位置検出部116と、送信部117とを備える。
第1制御部111は、記録部112に記録されているプログラムに従って、第1固定部材検出部10を統括的に制御する。
記録部112は、第1固定部材検出部10の動作に利用される種々の情報を記録する。
撮像制御部114は、色判定部113による判定結果に基づき、判定された色カテゴリに適した光量で第1カメラ101が撮像するように撮像条件を制御する。例えば、撮像制御部114は、シャッタースピードを制御して、撮像する光量を調整する。
第1固定部材画像解析部115は、第1カメラ101によって撮像された画像に基づき、ディスプレイDPの表面に露出したネジNJの頭部の形状として予め決められている形状を検出する。この第1固定部材画像解析部115は、例えば、幾何学形状パターンマッチングにより円形状の固定部材エリアLiを検出する。なお、iは、各ネジNJを識別するために割り当てられた数字である。
図8(a)は、この第1固定部材画像解析部115により検出された固定部材エリアL1〜L3を含む分割画像D1の一例を示す。この固定部材エリアL1の画像の一例を図8(b)に示す。
第1固定部材画像解析部115は、この固定部材エリアL1〜L3ごとに、各画素の輝度値の平均を算出する。第1固定部材画像解析部115は、算出した輝度値の平均を閾値として、固定部材エリアの画像に対して二値化処理を行う。例えば、固定部材エリアL1の輝度値と、この固定部材エリアL1の二値化処理後の画像の一例を図8(c)に示す。図8(c)に示す通り、固定部材エリアL1の輝度値は、円形形状の全体に比べて中心の十字形状の輝度値が低くなっている。これは、十字形状のネジ穴部分が凹状に窪んでいるためである。よって、第1固定部材画像解析部115は、二値化処理を実行することより、十字形状のネジ穴エリアの画像領域を検出することができる。つまり、第1固定部材画像解析部115により二値化処理された画像は、ネジNJの頭部に形成されている凹凸形状を明確に表わすことができる。
送信部117は、第2固定部材検出部20と通信可能に接続されており、入力する位置情報(X1i,Y1i)を第2固定部材検出部20に送信する。
図9は、第2固定部材検出部20の概略を説明するための図である。図9に示す通り、第2固定部材検出部20は、第2カメラ201を保持した状態で、この第2カメラ201をXYZ空間に移動させるXYZ移動機構202を備える。このXYZ移動機構202は、第2カメラ201を支持する支持部202aと、この支持部202aをZ軸方向に移動可能に支持するZ移動機構202zと、このZ移動機構202zをX軸方向に移動可能に支持するX移動機構202xと、このX移動機構202xをY軸方向に移動可能に支持するY移動機構202yとを備える。なお、このXYZ移動機構202は、上述のXYZ移動機構102と同様の構成と機能を有するため、各構成部に同一の名称を付して詳細な説明は省略する。
また、第2カメラ201には、例えば、第2カメラ201によって撮像される領域を照らすための青色発光ダイオード203が搭載されている。
図10に示す通り、第2固定部材検出部20は、駆動制御部204と、位置決めガイド205と、位置決め移動機構206と、駆動制御部207と、情報処理部210とを備える。
また、第2固定部材検出部20は、上述したとおり、第2カメラ201を備える。この第2カメラ201は、レンズ201aと、CCD201bと、A/D変換部201cと、レンズ駆動部201dと、AFエンコーダ201eとを備える。第2カメラ201は、入射する光学像をレンズ201aを介してCCD201bの光電変換面(撮像面)に結像させる。このCCD201bによって光電変換された光学像は、A/D変換部201cによってデジタル信号に変換される。このA/D変換部201cは、このデジタル信号を、第2カメラ201によって撮像された画像データとして出力する。
なお、レンズ駆動部201dは、フォーカス制御部213から入力するコマンド信号に基づき、入射する光の光軸方向にレンズ201aを移動させる。AFエンコーダ201eは、レンズ201aの移動を検出し、レンズ201aの移動量に応じた信号を、フォーカス制御部213に出力する。
なお、駆動制御部204は、XYZ移動機構202の動作を制御する制御部であって、上述の駆動制御部104と同様の機能および構成を有するため、詳細な説明は省略する。
位置決めガイド205、位置決め移動機構206、および駆動制御部207は、上述の位置決めガイド105、位置決め移動機構106、および駆動制御部107と同様の機能と構成を有するため、詳細な説明については省略する。
第2制御部211は、記録部212に記録されているプログラムに従って、第2固定部材検出部20を統括的に制御する。
記録部212は、第2固定部材検出部20の動作に利用される種々の情報を記録する。
図11に示す通り、レンズ201aは、被写体から入射する光を集光して、CCD201bの光電変換面(撮像面)に被写体像を結像させる。図示の通り、被写体面からレンズ201aまでの距離を被写体距離という。レンズ201aからCCD201bの撮像面までの距離をレンズ距離という。この被写体面に被写体が存在している状態で撮像された場合に、被写体にピントがあう。このときのレンズ201aの位置を合焦位置という。なお、レンズ距離と被写体距離との関係は、レンズ201aの特性等に応じて予め決められている。
また、フォーカス制御部213は、検出した固定部材エリアCiに外接する四角形形状のAF処理エリアDiの画像データを第2カメラ201が撮像した撮像画像データから切り出す。図12(b)に、このフォーカス制御部213により切り出されるAF処理エリアDiの一例を示す。なお、切り出す画像領域は、四角形形状に限られず、その他の形状であってもよい。
このフォーカス制御部213は、AF処理エリアDiの画像データに対して、ノイズ除去処理とエッジ検出処理を実行する。フォーカス制御部213は、エッジ検出処理後のデータに基づき、AF処理エリアDiの輝度値の平均を算出する。なお、ノイズ除去処理において、例えば、メディアンフィルタや平滑フィルタを利用することができる。エッジ検出処理においては、1次微分フィルタ(Prewittフィルタ)を利用することができる。
このフォーカス制御部213は、フォーカスポジションjごとのAF処理エリアDi,jの画像データに対して、ノイズ除去処理とエッジ検出処理を実行し、ノイズ除去処理およびエッジ検出処理後の画像データEi,jに基づき、AF処理エリアDi,jの輝度値の平均を算出する。フォーカス制御部213は、算出したAF処理エリアDi,jの輝度値の平均が上昇した後に下降するフォーカスポジションjを検出し、この下降する直前の輝度値の平均が最も高いときのフォーカスポジションjを被写体にピントがあっている位置(合焦位置)と決定する。なお、このAF処理は、山登り式AF処理と呼ばれるものであり、本実施形態に記載の方法以外の一般的なAF処理の方法であってもよい。
一方、被写体にピントがあっているフォーカスポジションjで撮像された画像は、図12(d)に示す通り、被写体のエッジが強い。つまり、輝度の差が大きく、コントラスト比が大きい。
三次元位置検出部214は、合焦時(被写体にピントが合っている時)における被写体距離に基づき、ステージ座標空間における固定部材であるネジNJの垂直方向の位置を算出する。この垂直方向の位置は、基準位置P(0,0,0)に対するZ座標値(Z2i)で示される。
第2固定部材画像解析部215は、第2カメラ201によって撮像された画像データに基づき、固定部材であるネジNJの形状として予め決められている形状(例えば、円形形状)を検出する。なお、第2固定部材画像解析部215は、フォーカス制御部213によって被写体にピントが合っていると判定された際に撮像された画像データに基づき、以下の処理を実行することが好ましい。
この第2固定部材画像解析部215は、画像データに基づき、例えば、幾何学形状パターンマッチングにより円形状の固定部材エリアFiを検出する。図13(a)に、この第2固定部材画像解析部215により検出される固定部材エリアFiの一例を示す。
つまり、第2固定部材画像解析部215は、固定部材エリアFiに対応するネジ穴の位置関係とこのネジNJに対応するネジ穴の形状に基づき、ネジ穴エリアGiを検出する。なお、ネジ穴の形状として、複数の異なるパターン画像が用意されている場合、第2固定部材画像解析部215は、ネジ穴エリアGiを検出した場合、前記ネジ穴エリアGiと一致したネジ穴の形状を示す情報を合わせて取得する。
この三次元位置検出部214は、ネジ穴エリアGiの中央点を示すXY座標値(X2i,Y2i)と、ネジNJの垂直方向のZ座標値(Z2i)とに基づき、ステージ空間内におけるネジNJの位置情報(X2i,Y2i,Z2i)を算出し、送受信部216に出力する。
図14は、固定部材解体ユニット3の概略を説明するための図である。図14に示す通り、固定部材解体ユニット3は、固定解除ツール301を保持した状態でXYZ空間に移動させるXYZ移動機構302と、Z軸と平行な回転軸を中心に固定解除ツール301を回転させる回転移動機構303とを備える。このXYZ移動機構302は、固定解除ツール301と回転移動機構303とを支持する支持部302aと、この支持部302aをZ軸方向に移動可能に支持するZ移動機構302zと、このZ移動機構302zをX軸方向に移動可能に支持するX移動機構302xと、このX移動機構302xをY軸方向に移動可能に支持するY移動機構302yとを備える。なお、このXYZ移動機構302は、上述のXYZ移動機構102と同様の構成と機能を有するため、各構成部に同一の名称を付して詳細な説明は省略する。
固定解除ツール301は、例えば、固定部材であるネジNJのネジ穴と噛み合うドライバービットである。このドライバービットは、先端が永久磁石で構成されており、鉄等の磁性体で構成されるネジNJを磁力により保持可能である。
この固定解除ツール301の付近には、回収ボックス309が備え付けられている。この回収ボックス309は、Z移動機構302zに移動可能に固定されているものであってもよい。
図15に示す通り、固定部材解体ユニット3は、駆動制御部304と、位置決めガイド305と、位置決め移動機構306と、駆動制御部307と、情報処理部310とを備える。
駆動制御部304は、XYZ移動機構302の動作を制御するとともに、回転移動機構303の動作を制御する制御部である。この駆動制御部304は、例えば、図16に示すような構成を有する。図16は、駆動制御部304の一例を示す図である。
また、駆動制御部304は、回転移動機構303を動作させるためのモータ制御部341cと、駆動部342cと、モータ343cと、エンコーダ344cとを備える。モータ制御部341cは、回転移動機構303の回転量に応じた駆動コマンドを駆動部342cに出力する。この駆動部342cは、入力する駆動コマンドに従って、モータ343cを駆動させる。モータ343cの回転軸には、固定解除ツール301のドライバービットが回転した回転量を検出するエンコーダ344cが取り付けられている。エンコーダ344cは、モータ343cの回転量を示す回転数(回転角度)と回転速度を検出し、この回転量を示す情報をモータ制御部341cに出力する。回転移動機構303は、モータ343cからの動力を固定解除ツール301に伝達し、固定解除ツール301を回転させる。
図17(a)は、回収ボックス309に壁部材309aを設ける一例について説明するための図である。図17(a)に示す通り、回収ボックス309の一部には、垂直方向に当接面を有する壁部材309aが取り付けられている。この壁部材309aの内側からドライバービットに保持されたネジNJを当接面に当接させるように、XYZ移動機構302がドライバービットを移動させる。あるいは、回収ボックス309を移動させるようにしてもよい。これにより、ネジNJがドライバービットから離脱され、回収ボックス309に回収される。
はじめに、解体対象であるディスプレイDPが第1固定部材検出部10の上流側の搬送ベルト401上に載置されると、統括制御ユニット5が搬送ユニット4を制御して、第1固定部材検出部10の位置にディスプレイDPを搬送する。そして、第1固定部材検出部10の第1制御部111は、駆動制御部107に、ディスプレイDPの位置決め処理を指示する。この駆動制御部107は、位置決め移動機構106を動作させて、位置決めガイド105によりディスプレイDPの一角が基準位置Pに位置決めされるように制御する。これにより、位置決めガイド105のXガイド105xおよびYガイド105yがディスプレイDPを基準位置Pに向かって押し運ぶ。駆動制御部107は、例えば、第1カメラ101によって撮影された画像に基づき、ディスプレイDPの一角が基準位置Pにおいて位置決めされたと判定した場合、位置決め移動機構106に対する動作を終了させる。
次いで、第1固定部材検出部10の第1カメラ101は、ディスプレイDPの概ね中央部分を撮影して、画像データを色判定部113に出力する。この色判定部113は、第1カメラ101によって撮像された画像データに基づき、ディスプレイDPの色カテゴリを判定する。
そして、撮像制御部114は、色判定部113による判定結果に基づき、判定された色カテゴリに適したシャッタースピードを取得する。なお、この撮像制御部114は、ディスプレイDPの異なる位置(例えば、左上部分、中央部分、右下部分)を第1カメラ101が撮影した画像データに基づき、ディスプレイDPの位置に応じてシャッタースピードを取得するものであってもよい。このように、ディスプレイDPの色や位置に応じてシャッタースピードを調整することで、撮像される画像の明るさにばらつきがある場合であっても、以下の処理で利用する際に、ネジNJを検出しやすい画像を撮像することができる。
次いで、第1カメラ101は、撮像制御部114によって取得されたシャッタースピードに従って、ディスプレイDPの背面の撮像を開始する。本実施形態において、第1カメラ101は、ディスプレイDPの背面を複数個に分割した複数の分割領域を撮像し、分割画像D1〜D9を得る。なお、この分割領域の分割数は、ディスプレイDPの大きさや第1カメラ101の性能よって予め決められている。本実施の形態において、第1カメラ101の分解能は、60〜80μmである。
はじめに、XYZ移動機構102は、分割画像D1を撮像するための位置に第1カメラ101を移動させる。そして、第1制御部111は、第1カメラ101が当該撮像位置に位置された後、撮像を指示する。これにより、第1カメラ101は、分割画像D1を撮像し、撮像した画像データを第1固定部材画像解析部115に出力する。なお、第1制御部111は、分割画像D1を撮像した場合、撮像した分割画像の識別番号あるいは枚数等を示す情報を記録部112に記録する。
第1固定部材画像解析部115は、この分割画像D1に対して、予め決められた円形状のパターンマッチングを行い、分割画像D1に含まれる全ての円形状の固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}を検出する。なお、第1固定部材画像解析部115は、検出された固定部材エリアLiを識別するための固有の識別番号i{i=1,2,3・・・}を、各固定部材エリアLiに割り当てる。
そして、第1固定部材画像解析部115は、この固定部材エリアLi内の画素の輝度値の平均を算出する。この第1固定部材画像解析部115は、算出した輝度値の平均を閾値として、固定部材エリアLiを含む画像に対して二値化処理を行う。
次いで、第1固定部材画像解析部115は、二値化処理後の画像データに対して、例えば、予め決められた十字形状のパターンマッチングを行い、十字形状のネジ穴エリアNiの検出を行う。そして、第1固定部材画像解析部115は、十字形状のネジ穴エリアNiの画像領域が検出されたか否かを判定する。
十字形状のネジ穴エリアNiの画像領域が検出された場合、第1固定部材画像解析部115は、検出したネジ穴エリアNiの十字形状の中心点Miを示す位置情報(X1i,Y1i)を取得する。そして、第1固定部材画像解析部115は、この位置情報(X1i,Y1i)を記録部112に記録する。
次いで、第1制御部111は、記録部112を参照して、撮像回数を確認する。
(ステップST10)
そして、第1制御部111は、予め決められている分割数に応じた分割画像D1〜D9を全て撮像したか否かを判定する。全ての分割画像D1〜D9の撮像を終了していない場合、ステップST4に戻る。
(ステップST11)
一方、全ての分割画像D1〜D9の撮像を終了した場合、第1制御部111は、記録部112から位置情報(X1i,Y1i){i=2,3・・・}を読み出し、送信部117を介して、第2固定部材検出部20に送信する。
第1固定部材検出部10による位置情報の取得処理が終了すると、統括制御ユニット5が搬送ユニット4を制御して、第2固定部材検出部20の位置にディスプレイDPを搬送する。そして、第2固定部材検出部20の第2制御部211は、駆動制御部207に、ディスプレイDPの位置決め処理を指示する。なお、駆動制御部207による位置決め処理は、上述の駆動制御部107による処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第2制御部211は、第1固定部材検出部10から受信した位置情報(X1i,Y1i){i=2,3・・・}を記録部212に記録する。この第2制御部211は、記録部212から位置情報(X1i,Y1i){i=2,3・・・}を順次読み出して、この位置情報(X1i,Y1i)が示す領域を撮像する位置に第2カメラ201を移動させるように駆動制御部204に指示する。
はじめに、駆動制御部204は、位置情報(X1i,Y1i)が示す領域を撮像する位置に第2カメラ201を移動させるようにXYZ移動機構202を動作させる。XYZ移動機構202は、位置情報(X1i,Y1i)が示す領域を撮像する位置に第2カメラ201を移動させる。
そして、第2制御部211は、第2カメラ201を撮像位置に移動させた後、撮像を指示する。これにより、第2カメラ201は、予め決められた初期のフォーカスポジションjにおいて、位置情報(X1i,Y1i)が示す領域の画像を撮像し、撮像した画像データをフォーカス制御部213に出力する。
このフォーカス制御部213は、上述の通り、AF処理を実行し、被写体にピントが合う合焦位置を決定する。例えば、フォーカス制御部213は、フォーカスポジションjにおいて撮像された画像に対して、予め決められた円形状のパターンマッチングを行い、円形状の固定部材エリアCi,jを検出する。次いで、フォーカス制御部213は、検出した固定部材エリアCi,jに外接する四角形形状のAF処理エリアDi,jの画像データを、第2カメラ201が撮像した画像データから切り出す。そして、フォーカス制御部213は、AF処理エリアDi,jの画像データに対して、ノイズ除去処理とエッジ検出処理を実行し、エッジ検出処理後の画像データEi,jに基づき、AF処理エリアDi,jの輝度値の平均を算出する。本実施形態において、この輝度値の平均は、フォーカス制御部213による合焦位置を決定するための指標(フォーカス値)である。フォーカス制御部213は、算出した輝度値の平均(フォーカス値)を、フォーカスポジションjと対応付けて自身が内蔵するメモリに一時的に記録する。
フォーカス制御部213は、内蔵するメモリに記録されている過去のフォーカス値を読み出し、ステップST23において算出した最新の輝度値の平均値と過去のフォーカス値とを比較する。
つまり、フォーカス制御部213は、内蔵するメモリに記録されている過去のフォーカス値を読み出し、最大値となるフォーカス値を算出したか否かを判定する。例えば、フォーカス制御部213は、時系列のフォーカス値の変化において、フォーカス値が上昇した後に下降するピークが存在するか否かを判定する。そして、フォーカス制御部213は、時系列に上昇するフォーカス値が下降したことを判定した場合、つまり、フォーカス値のピークを検出した場合、この下降する直前のフォーカス値が最も高いと判定する。そして、フォーカス制御部213は、最大のフォーカス値と対応付けられているフォーカスポジションjを、被写体にピントがあっている位置(合焦位置)と決定する。なお、本発明はこれに限られず、例えば、全てのフォーカスポジションjにおいて撮影された画像に基づき全てのフォーカスポジションjに対応するフォーカス値を算出し、この中からフォーカス値が最大となるときのフォーカスポジションjを合焦位置と決定するものであってもよい。
一方、フォーカス制御部213がフォーカス値の最大値を算出していないと判定した場合、例えば、フォーカス値のピークを検出していないと判定した場合、第2制御部211は、駆動制御部204に対して、第2カメラ201の移動を指示する。例えば、第2制御部211は、レンズ201aと被写体面との距離(被写体距離)を予め決められた長さだけ縮めるように、第2カメラ201をディスプレイDPに近づける方向に移動させる。
本実施形態において、第2制御部211は、ディスプレイDPを上方から撮像する位置に設定される第2カメラ201を5mm下げる(つまり、第2カメラ201をディスプレイDPに近づける)ように駆動制御部204に指示する。これにより、駆動制御部204は、第2カメラ201を5mm下げるようにXYZ移動機構202を動作させる。
そして、三次元位置検出部214は、フォーカス制御部213が最大のフォーカス値を算出した際の被写体距離に基づき、ステージ座標空間におけるネジNJの垂直方向の位置(Z2i)を算出する。
次いで、第2固定部材画像解析部215は、フォーカス制御部213が最大のフォーカス値を算出した際の画像データに対して、円形状のパターンマッチングを行うことにより、円形状の固定部材エリアFiを検出する。そして、第2固定部材画像解析部215は、この固定部材エリアFiを基準として、この固定部材エリアFi内に含まれるネジ穴エリアGiを検出し、このネジ穴エリアGiを示す情報を三次元位置検出部214に出力する。この第2固定部材画像解析部215は、ネジ穴エリアGiを検出する際、ネジ穴として予め決められている複数の異なるパターンを用いて、ネジ穴の形状を判定する。つまり、第2固定部材画像解析部215は、ネジ穴として予め決められているパターンを用いてパターンマッチングを行うことにより、ネジ穴エリアGiを検出するとともに、検出されたネジ穴エリアGiの形状を判定する。
そして、三次元位置検出部214は、第2固定部材画像解析部215から入力するネジ穴エリアGiを示す情報に基づき、ステージ座標空間におけるネジNJの水平方向の位置を示す位置情報(X2i,Y2i)を算出する。この三次元位置検出部214は、例えば、ネジ穴エリアGiの中央点を示すXY座標値(X2i,Y2i)を算出する。
次いで、三次元位置検出部214は、ステップST27において算出したネジNJの垂直方向の位置(Z2i)と、ステップST28において算出したネジNJの水平方向の位置(X2i,Y2i)とに基づき、このネジNJの位置情報(X2i,Y2i,Z2i)を取得する。この三次元位置検出部214は、取得したネジNJの位置情報(X2i,Y2i,Z2i)を記録部212に記録する。また、三次元位置検出部214は、第2固定部材画像解析部215によって検出されたネジ穴エリアGiの形状を示す情報を、当該位置情報(X2i,Y2i,Z2i)に対応付けて記録部212に記録する。
そして、第2制御部211は、第2カメラ201の高さを初期状態に戻すように駆動制御部204に指示する。この駆動制御部204は、第2カメラ201のZ方向の位置を初期状態に戻すようにXYZ移動機構202を制御する。
第2制御部211は、記録部212に記録されている位置情報(X2i,Y2i,Z2i)とネジ穴の形状を示す情報に基づき、位置情報とネジ穴の形状を検出したネジNJの本数を確認する。
(ステップST32)
そして、第2制御部211は、全てのネジNJ(i)について位置情報の取得とネジ穴の形状の検出が完了したか否かを判定する。全てのネジNJ(i)について位置情報の取得が完了したことを判定した場合、第2制御部211は、記録部212から位置情報(X2i,Y2i,Z2i){i=2,3・・・}とネジ穴の形状を示す情報を読み出し、送受信部216を介して、固定部材解体ユニット3に送信する。
第2固定部材検出部20による位置情報の取得が終了すると、統括制御ユニット5が搬送ユニット4を制御して、固定部材解体ユニット3の位置にディスプレイDPを搬送する。そして、固定部材解体ユニット3の第3制御部311は、駆動制御部307に、ディスプレイDPの位置決め処理を指示する。なお、駆動制御部307による位置決め処理は、上述の駆動制御部107による処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
はじめに、駆動制御部304は、位置情報(X2i,Y2i)が示す位置と固定解除ツール301のビットの回転軸とが直交する位置に固定解除ツール301を移動させるようにXYZ移動機構302のX移動機構302xとY移動機構302yとを動作させる。これにより、図21(a)に示す位置P1に固定解除ツール301のビットの先端が位置される。なお、このときのZ座標値は、ディスプレイDPから十分離れた位置として予め決められている。
次いで、駆動制御部304は、位置情報(Z2i)が示す位置よりも手前(例えば、Z座標値=Z2iよりも5mm上)まで固定解除ツール301を下降させるようにXYZ移動機構302を動作させる。つまり、駆動制御部304は、固定解除ツール301の先端がZ座標値=Z2i+5mmの位置となるように、XYZ移動機構302のZ移動機構302zを駆動して、固定解除ツール301のドライバービットを下降させる。なお、駆動制御部304は、この固定解除ツール301のドライバービットが、位置P1から位置P2までは、第1のスピードでZ軸方向に移動するように制御する。
これにより、固定解除ツール301のドライバービットは、その回転軸がXY座標値(X2i,Y2i)と直交する位置に位置されるとともに、その先端がZ座標値(Z2i+5mm)の位置に位置される。つまり、図21(a)に示す位置P2に固定解除ツール301のドライバービットの先端が位置される。この駆動制御部304は、位置P2にドライバービットが到達した場合、固定解除ツール301の動きを一時的に停止するようにしてもよい。
そして、駆動制御部304は、ネジNJを緩める方向(例えば左回転)に固定解除ツール301のドライバービットを低速回転させるように回転移動機構303を動作させる。これにより、固定解除ツール301のドライバービットは、Z軸と平行な回転軸を中心にして低速で回転する。
次いで、駆動制御部304は、最長でも位置情報(Z2i)が示す位置まで固定解除ツール301の先端を低速で下降させるようにXYZ移動機構302を動作させる。つまり、駆動制御部304は、回転移動機構303が固定解除ツール301のドライバービットを回転させるためのトルクが回転閾値以上まで上昇したか否かを判定しながら、固定解除ツール301の移動量を調整する。この回転トルクが閾値以上となった場合、モータ制御部341cは、固定解除ツール301のドライバービットの先端がネジ穴と嵌合している状態であると判定し、固定解除ツール301のZ軸方向の移動を停止することを指示するコマンドをモータ制御部341zに出力する。
また、モータ制御部341cは、固定解除ツール301のドライバービットの先端がネジNJのネジ穴と嵌合している状態であると判定した場合、固定解除ツール301のドライバービットの回転速度を上げるような駆動コマンドを駆動部342cに出力する。これにより、固定解除ツール301のドライバービットの回転速度が上がり、ドライバービットがネジNJを緩める。
(ステップST47)
そして、モータ制御部341zは、固定解除ツール301を上方に上げるように、つまり、ディスプレイDPから離れる方向に固定解除ツール301を移動させるように、駆動部342zを駆動する。これにより、固定解除ツール301のドライバービットは、回転しながら上方に持ち上げられる。
ドライバービットが上方に持ち上げられた場合、モータ制御部341cは、ドライバービットの回転を停止させるような駆動コマンドを駆動部342cに出力する。これにより、ドライバービットの回転が停止する。
(ステップST49)
モータ制御部341zは、固定解除ツール301のドライバービットを回収位置まで持ち上げる。このモータ制御部341zは、例えば、図21(b)に示す位置P4に固定解除ツール301のドライバービットの先端が位置される回収位置までドライバービットを持ち上げる。
(ステップST50)。
そして、モータ制御部341xとモータ制御部341yは、固定解除ツール301のドライバービットを回収ボックス309まで搬送してネジNJを回収ボックス309に収容する。
第3制御部311は、回収ボックス309に回収したネジNJの本数と、第2固定部材検出部20により位置情報が検出されたネジNJの本数(i)とを比較する。
(ステップST52)
次いで、第3制御部311は、回収したネジNJの本数と、位置情報を検出したネジNJの本数(i)とが一致したか否かを判定する。一致しない場合、ステップST41に戻って、全てのネジNJの本数(i)だけ、ステップST41〜51の処理を繰り返す。
(ステップST53)
そして、固定解除ツール301のドライバービットを元の位置に戻して処理を終了させる。
この固定解除ツール301の他の例について、図22を参照して説明する。図22は、ネジ穴の断面図を示す。
つまり、固定解除ツール301は、図22(a)に示す通り、ネジNJの頭部を削るような切断部を備えるものであってもよい。また、固定解除ツール301は、図22(b)に示す通り、ディスプレイDPのキャビネットのネジ穴の底部を削るような切断部を備えるものであってもよい。さらに、固定解除ツール301は、図22(c)に示す通り、ディスプレイDPのキャビネットのネジ穴の上部を削るような切断部を備えるものであってもよい。また、固定解除ツール301は、図22(d)に示す通り、ディスプレイDPのキャビネットのネジNJ部分を全て削るような切断部を備えるものであってもよい。
このように、図22(a)〜(d)に示す通り、ネジNJの水平面方向の位置(XY座標値)を用いる固定解除ツール301を用いる場合、ネジNJの垂直方向の位置(Z座標値)はなくてもよい。つまり、固定部材解体システム1は、固定部材検出ユニット2において第1固定部材検出部10により取得された位置情報(X1i,Y1i)のみで、固定部材解体ユニット3におけるネジNJの固定解除処理を実行することができる。よって、図22(a)〜(d)に示すようなネジNJの水平面方向の位置(XY座標値)のみを利用してネジNJを取り外すことができる固定解除ツール301を用いる場合、固定部材検出ユニット2は、第2固定部材検出部20を備えない構成であってもよい。この場合、第1固定部材検出部10が取得した位置情報(X1i,Y1i)を固定部材解体ユニット3に送信し、固定部材解体ユニット3が、この位置情報(X1i,Y1i)に基づき、固定解除ツール301を用いてネジNJを取り外す。
この類似画像としては、例えば、ディスプレイDPの背面に設けられている端子穴、操作ボタン、メッシュ加工された通気孔、あるいは、「0(数字のゼロ)」や「O、Q(アルファベットのオー、キュー)」等が予め決められている。
第1固定部材画像解析部115は、例えば、類似画像の特徴を有する画像領域を分割画像D1〜D9のそれぞれからパターンマッチングにより検出し、固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}の検出対象から誤検出しやすい画像を切り取っておくものであってもよい。これにより、ネジNJ以外の画像を誤って検出してしまう可能性を低減させるとともに、ネジNJの画像の検出精度を高めることができる。
この第1固定部材画像解析部115は、上述の通り事前に固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}の検出対象領域から除外するものであってもよく、固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}が検出された後から類似画像と判定された固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}をネジNJの画像でないと判定するもであってもよい。
後者について具体的に説明すると、第1固定部材画像解析部115は、固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}を検出した後に、この固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}の中から、ネジNJと似ている類似画像とマッチングする固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}があるか否かを判定する。第1固定部材画像解析部115は、この類似画像の特徴と対応する特徴を有する固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}を、類似画像とマッチングしていると判定し、この固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}をネジNJの画像でないと判定する。そして、第1固定部材画像解析部115は、ネジNJの画像でないと判定した固定部材エリアLi{i=1,2,3・・・}を位置情報の検出対象から除外する。
そして、第2固定部材検出部20は、ネジNJに対応するネジ穴の傾き位置を示す情報を固定部材解体ユニット3に出力する。
固定部材解体ユニット3は、このネジNJに対応するネジ穴の傾き位置を示す情報に基づき、ネジNJに近づけるドライバービットの噛み合せ位置を調整する。つまり、ドライバービットの十字形状とネジNJの十字形状とが一致するように、ネジ穴の傾き位置にあわせてドライバービットを回転させる。これにより、ドライバービットがネジ穴に当接する際に、ドライバービットの十字形状とネジNJの十字形状とが一致して勘合するため、ネジ穴を潰すことなく、しっかりと噛み合った状態でドライバービットがネジNJを回転させることができる。これにより、より正確にネジNJの頭部の凹部にドライバービットの先端を位置あわせさせることができる。
例えば、第2固定部材検出部20は、図23に示すような計測機器を備える。図23は、第2固定部材検出部20の垂直方向の位置情報を取得するための計測機器の一例を示す図である。本実施形態では、この計測機器として、レーザー変位計217について説明する。
照射部217aは、例えば、ネジNJの水平方向の位置を示す位置情報(X1i,Y1i)に基づき、この位置に検出光を照射する。照射部217aは、検出光として、例えば、予め決められた周波数のレーザー光を照射する。
受光部217bは、照射部217aからのレーザー光が計測対象で反射して入射する位置に位置されている。この受光部217bは、図23に示す通り、ネジNJの頭部から反射したレーザー光を受光する。
レーザー変位制御部217dは、照射部217aに対してレーザー光の照射を制御する。また、レーザー変位制御部217dは、受光部217bが受光したレーザー光の出力に基づき、照射部217aからネジNJで反射して受光部217bに入射するまでのレーザー光の光路長を算出し、インターフェース217cに出力する。
インターフェース217cは、ネジNJの水平方向の位置を示す位置情報(X1i,Y1i)を送受信部216から入力して、レーザー変位制御部217dに出力する。また、インターフェース217cは、照射部217aからネジNJで反射して受光部217bに入射するまでのレーザー光の光路長を示す情報をレーザー変位制御部217dから入力して三次元位置検出部214に出力する。
照射部217aから出射したレーザー光は、位置情報(X1i,Y1i)が示すネジNJの位置で反射して受光部217bに入射する。受光部217bは、ネジNJの頭部から反射したレーザー光を受光して、レーザー光の出力をレーザー変位制御部217dに出力する。レーザー変位制御部217dは、受光部217bが受光したレーザー光の出力に基づき、照射部217aからネジNJで反射して受光部217bに入射するまでのレーザー光の光路長を算出し、インターフェース217cに出力する。インターフェース217cは、照射部217aからネジNJで反射して受光部217bに入射するまでのレーザー光の光路長を示す情報を三次元位置検出部214に出力する。
三次元位置検出部214は、照射部217aからネジNJで反射して受光部217bに入射するまでのレーザー光の光路長を示す情報に基づき、三次元空間内において前記固定部材の垂直方向の位置を示す座標値(Z2i)を取得する。
また、上記プログラムは、このプログラムを記録装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
Claims (16)
- 解体対象の少なくとも一部を撮像した撮像画像に基づき、前記解体対象を固定している固定部材を検出し、この検出された前記固定部材の前記解体対象における位置を示す位置情報を取得する固定部材検出ユニットと、
前記位置情報に基づき前記解体対象における前記固定部材の位置に前記固定部材による固定を解除させるための固定解除ツールを移動させ、前記固定解除ツールにより前記固定部材による固定を解除させる固定部材解体ユニットと
を備えることを特徴とする固定部材解体システム。 - 前記解体対象を搬送する搬送ユニットをさらに備え、
前記固定部材検出ユニットは、
前記搬送ユニットの搬送方向に沿って、前記固定部材解体ユニットよりも上流側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の固定部材解体システム。 - 前記固定部材検出ユニットは、
前記解体対象の少なくとも一部を撮像した撮像画像に基づき、前記解体対象において決められた基準位置に対する前記固定部材の水平面方向の位置を示す座標値を取得する二次元位置検出部を含む第1固定部材検出部を有し、
前記固定部材の水平面方向の位置を示す座標値に基づき前記位置情報を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の固定部材解体システム。 - 前記第1固定部材検出部は、
前記解体対象についての水平面方向の全領域を複数個に分けた分割領域ごとに、前記解体対象の一部を撮像して、前記分割領域に対応する前記解体対象の一部を撮像した撮像画像に基づき、前記固定部材を検出し、前記固定部材の水平面方向の位置を示す座標値を取得することを特徴とする請求項3に記載の固定部材解体システム。 - 前記第1固定部材検出部は、
前記解体対象の少なくとも一部を撮像した撮像画像に対して、各画素の輝度値についての二値化処理をする第1固定部材画像解析部をさらに備え、
前記二次元位置検出部は、
前記第1固定部材画像解析部により二値化処理された画像に基づき、前記固定部材に形成されている凹凸形状を検出し、前記凹凸形状が示す前記固定部材の特徴点を、前記固定部材の水平面方向の位置を示す座標値として取得することを特徴とする請求項3または4に記載の固定部材解体システム。 - 前記第1固定部材検出部は、
前記解体対象を撮像する第1カメラと、
前記第1カメラが撮像した前記解体対象の画像に基づき、前記解体対象の色が属する色カテゴリが予め決められた色カテゴリのいずれかであるかを判定する色判定部と、
前記色判定部の判定結果に基づき、判定された色カテゴリに応じて予め決められた撮像条件に従って前記第1カメラの撮像を制御する撮像制御部とをさらに備え、
前記二次元位置検出部は、
前記撮像制御部の制御に従って前記第1カメラが撮像した画像に基づき、前記固定部材の水平面方向の位置を示す座標値を取得することを特徴とする請求項3から5のうちいずれか一項に記載の固定部材解体システム。 - 前記固定部材検出ユニットは、
前記二次元位置検出部が取得した前記固定部材の水平面方向の位置を示す座標値に基づき、三次元空間における前記固定部材の位置を示す座標値を前記位置情報として取得する三次元位置検出部を含む第2固定部材検出部を有することを特徴とする請求項3から6のうちいずれか一項に記載の固定部材解体システム。 - 前記第2固定部材検出部は、
前記二次元位置検出部が取得した前記固定部材の水平面方向の位置を示す座標値に基づき前記固定部材に対して検出光を照射する照射部と、前記固定部材から反射した前記検出光を受光する受光部とを含む計測機器をさらに備え、
前記三次元位置検出部は、
前記検出光の光路長に基づき、前記固定部材の垂直方向の位置を示す座標値を取得し、前記固定部材の垂直方向の位置を示す座標値を含む前記位置情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の固定部材解体システム。 - 前記第2固定部材検出部は、
前記二次元位置検出部が取得した前記固定部材の水平方向の位置を示す座標値に基づき、前記解体対象における前記固定部材を撮像する第2カメラと、
前記第2カメラが撮像した画像に基づき、前記固定部材にピントがあうように前記カメラと前記固定部材の距離を調整するフォーカス制御部とをさらに備え、
前記三次元位置検出部は、
前記フォーカス制御部により前記固定部材にピントがあったときの前記カメラと前記固定部材の距離に基づき、前記固定部材の垂直方向の位置を示す座標値を取得し、前記固定部材の垂直方向の位置を示す座標値を含む前記位置情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の固定部材解体システム。 - 前記第2固定部材検出部は、
前記二次元位置検出部が取得した前記固定部材の水平方向の位置を示す座標値を含む領域を固定部材ごとに撮像した撮像画像を取得し、前記撮像画像に基づき、前記基準位置に対する前記固定部材の水平面方向の位置を示す座標値を取得し、前記固定部材の水平方向の位置を示す座標値と前記固定部材の垂直方向の位置を示す座標値を含む前記位置情報を取得することを特徴とする請求項8または9に記載の固定部材解体システム。 - 前記第2固定部材検出部は、
前記二次元位置検出部が取得した前記固定部材の水平方向の位置を示す座標値と、前記固定部材の垂直方向の位置を示す座標値とを含む前記位置情報取得することを特徴とする請求項8または9に記載の固定部材解体システム。 - 前記固定部材検出ユニットは、
前記固定部材検出ユニットに備えられる前記第2固定部材検出部の数は、前記第1固定部材検出部の数よりも多いことを特徴とする請求項7から11のうちいずれか一項に記載の固定部材解体システム。 - 前記固定部材検出ユニットは、
前記解体対象の少なくとも一部を撮像した撮像画像に基づき前記固定部材を検出する際、前記固定部材に類似し前記固定部材ではない画像として予め決められている類似画像が前記撮像画像に含まれているか否かを判定し、前記類似画像が検出された場合、前記類似画像は前記固定部材でないと判定する第1固定部材画像解析部をさらに備えることを特徴とする請求項1から12のうちいずれか一項に記載の固定部材解体システム。 - 前記解体対象の少なくとも一部を撮像した撮像画像に基づき、前記解体対象を固定している前記固定部材を検出するステップと、
検出された前記固定部材の前記解体対象における位置を示す位置情報を取得するステップと、
前記位置情報に基づき前記解体対象における前記固定部材の位置に前記固定部材による固定を解除させるための固定解除ツールを移動させ、前記固定解除ツールにより前記固定部材による固定を解除させるステップと
を備えることを特徴とする固定部材解体方法。 - コンピュータを、
前記解体対象の少なくとも一部を撮像した撮像画像に基づき、前記解体対象を固定している固定部材を検出し、検出された前記固定部材の前記解体対象における位置を示す位置情報を取得する固定部材検出手段、
前記位置情報に基づき前記解体対象における前記固定部材の位置に前記固定部材による固定を解除させるための固定解除ツールを移動させ、前記固定解除ツールにより前記固定部材による固定を解除させる固定部材解体手段、
として機能させるためのプログラム。 - 前記コンピュータを、
前記解体対象の少なくとも一部を撮像した撮像画像に基づき前記固定部材を検出する際、前記固定部材に類似し前記固定部材ではない画像として予め決められている類似画像が前記撮像画像に含まれているか否かを判定し、前記類似画像が検出された場合、前記類似画像は前記固定部材でないと判定する固定部材画像解析手段としてさらに機能させるための請求項15に記載のプログラム。
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