JP2013011482A - 検査用器具および検査用デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、底面に外部電極用開口部および参照電極用開口部を有し、電解液を収容し得る、少なくとも1個の電解液用収容部と、底面に参照電極用開口部および信号取出用開口部を有し、被検査液を収容し得る、少なくとも1個の検査用収容部とを有することを特徴とする検査用器具を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献2においては、複数個のウェルに共通する参照電極を形成することが開示されている。
本発明の検査用器具は、底面に外部電極用開口部および参照電極用開口部を有し、電解液を収容し得る、少なくとも1個の電解液用収容部と、底面に参照電極用開口部および信号取出用開口部を有し、被検査液を収容し得る、少なくとも1個の検査用収容部とを有することを特徴とするものである。
図1(a)、(b)は本発明の検査用器具の一例を示す概略平面図および断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。
図1(a)、(b)に例示するように、検査用器具1は、底面11に外部電極用開口部h1および参照電極用開口部h2を有し、電解液を収容し得る電解液用収容部3と、底面12に参照電極用開口部h3および信号取出用開口部h4を有し、被検査液を収容し得る検査用収容部4とを有している。
図2(a)、(b)に例示するように、検査用デバイス10は、トランジスタ基板30と、トランジスタ基板30上に配置された検査用器具1とを備えている。
トランジスタ基板30は、基板21と、基板21上に形成されたトランジスタ20と、トランジスタ20を覆うように形成された層間絶縁層27と、層間絶縁層27上に形成された検知用電極28と、層間絶縁層27上に形成されたイオン感応層29と、イオン感応層29上に形成された参照電極31および外部電極32とを有している。トランジスタ20は、基板21上に形成されたゲート電極22と、ゲート電極22を覆うように形成されたゲート絶縁層23と、ゲート絶縁層23上に形成された半導体層24と、半導体層24上に形成されたソース電極25およびドレイン電極26とを有している。トランジスタ20のゲート電極22と検知用電極28とは電気的に接続されている。
検査用器具1は、底面に外部電極用開口部h1および参照電極用開口部h2を有し、電解液を収容し得る電解液用収容部3と、底面に参照電極用開口部h3および信号取出用開口部h4を有し、被検査液を収容し得る検査用収容部4と、電解液用収容部3および検査用収容部4の底面に配置された接着層5とを有している。
検査用器具1は、接着層5を介して、トランジスタ基板30のイオン感応層29、参照電極31および外部電極32上に配置されており、イオン感応層29が検査用器具1の検査用収容部4の信号取出用開口部h4に配置され、参照電極31が検査用器具1の電解液用収容部3の参照電極用開口部h2および検査用収容部4の参照電極用開口部h4に配置され、外部電極32が検査用器具1の電解液用収容部3の外部電極用開口部h1に配置されている。
図3に例示するように、検査用器具において、電解液用収容部3にはKCl溶液等の電解液51が収容され、検査用収容部4には細胞、DNA、糖鎖、タンパク質等の生体関連物質等の試料を含む被検査液52が収容されている。
検査用収容部4では、信号取出用開口部h4にイオン感応層29が配置されているので、イオン感応層29上に被検査液52を付与することができるようになっている。
また、電解液用収容部3では、外部電極用開口部h1に外部電極32が配置され、参照電極用開口部h2に参照電極31が配置され、また検査用収容部4では、参照電極用開口部h3に参照電極31が配置されているので、外部電極32に電圧を印加すると、外部電極32と電解液51と参照電極31とを介して、被検査液52に電圧が印加されることとなる。
したがって、ソース電極25およびドレイン電極26間に所定の電圧VDSを印加しつつ、外部電極32と電解液51と参照電極31とを介して可変電圧VGを被検査液52に印加すると、イオン感応層29に生ずる電位の変化に応じて、半導体層24に形成されるチャネル領域が変化し、ドレイン電流IDの変化を検出することができる。その結果、例えば、可変電圧VGに基づくドレイン電流IDの変化、すなわち電流−電圧特性を、予め測定した試料における電流−電圧特性と比較することによって、被検査液52に含まれる試料の種別を特定することができるようになっている。
また、本発明の検査用器具においては、電解液用収容部の底面に外部電極用開口部および参照電極用開口部が設けられ、検査用収容部の底面に参照電極用開口部および信号取出用開口部が設けられているので、本発明の検査用器具と所定のトランジスタ基板とを用いて検査用デバイスを組み立てる際には、所定の位置で本発明の検査用器具と所定のトランジスタ基板とを配置するだけでよく、参照電極との接続に関して効率良く取り付けることが可能である。
図4に例示するような検査用器具を備える検査用デバイスにおいては、1個の電解液用収容部3の参照電極用開口部h2に配置される参照電極と、3個の検査用収容部4の各参照電極用開口部h3に配置される参照電極とが電気的に接続されていることで、1個の電解液用収容部3で3個の検査用収容部4に収容される被検査液を検査することが可能である。
従来のように参照電極構造体を被検査液に挿入する場合には、被検査液毎に参照電極構造体が必要であったが、本発明においては検査用収容部毎に電解液用収容部を設ける必要はなく、効率的な測定が可能である。
本発明における電解液用収容部は、底面に外部電極用開口部および参照電極用開口部を有するものである。本発明の検査用器具は、少なくとも1個の電解液用収容部を有している。
なお、底面とは、電解液の注入口とは反対側の面をいい、本発明の検査用器具を用いて検査用デバイスを作製する際にトランジスタ基板が配置される面である。
また、電解液用収容部の大きさ、形状は、後述の検査用収容部の大きさ、形状と同じであってもよく異なっていてもよい。
ここで、図5(a)、(b)は本発明の検査用器具の他の例を示す概略平面図および断面図であり、図5(b)は図5(a)のC−C線断面図である。
また、外部電極用開口部および参照電極用開口部の厚みとしては、本発明の検査用器具を備える検査用デバイスにおいて、電解液用収容部内に電解液を収容可能であれば特に限定されるものではなく、任意の厚みとすることができる。
樹脂は、耐化学薬品性、透明性、成型性、剛性等を有するものであることが好ましく、要求特性に応じて適宜選択される。具体的には、ポリスチレン、白色ポリスチレン、三井化学株式会社製のバレックス等のポリアクリロニトリル、ナチュラルポリプロピレン、ガラス入ポリプロピレン、GEヘルスケアジャパン株式会社製のマルチケム等のフッ素樹脂、シリコンゴム等が挙げられる。ポリスチレンは、硬質で成型が容易なためマイクロプレートの材質として汎用されているとともに、ガラスに準ずる透明度があり電解液用収容部や後述の検査用収容部の収容部の中身が確認しやすく、サンプル調製や吸光度測定に適している。白色ポリスチレンは、収容部間のシグナルクロストークが起きにくくなるため、化学発光測定などのアプリケーションに適している。三井化学株式会社製のバレックスは、白色不透明で耐化学薬品性があるため、液体シンチレーション測定等に適している。ナチュラルポリプロピレンは、耐化学薬品性に優れタンパク質等の分子の吸着が少なく、またポリスチレンに比べ割れにくく、有機溶媒性サンプルの調製やリキッドハンドリングシステムのリザーバに用いられる。ガラス入ポリプロピレンは、ポリプロピレンにガラス繊維を加えて剛性を高めている。GEヘルスケアジャパン株式会社製のマルチケムは、フッ素ポリマー製で耐化学薬品性が極めて高く、また分子が吸着しにくいためサンプルの保存に適している。
電解液用収容部の形状としては特に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。
電解液用収容部の数としては、1個以上であればよく、本発明の検査用器具の用途等に応じて適宜選択される。
例えば、図1(a)、(b)に示すように、1個の電解液用収容部3に対して1個の検査用収容部4が形成されていてもよく、図4および図6〜図9に示すように1個の電解液用収容部3に対して複数個の検査用収容部4が形成されていてもよい。
図6においては、検査用器具1が、規則的に配列された複数個の電解液用収容部3および複数個の検査用収容部4を有しており、検査用収容部4の1列毎に電解液用収容部3が1個形成されている。図6に示す例においては、端一列に電解液用収容部3が設けられているが、図示しないが真ん中一列に電解液用収容部が設けられていてもよい。図6に例示するように、検査用収容部の1列毎に電解液用収容部が1個形成されている場合には、アクティブマトリクス駆動の測定が可能となり、より効率的な測定が可能である。また、本発明の検査用器具を用いた検査用デバイスにおいて、トランジスタへのバイアスストレスを低減することができる。
図7においては、検査用器具1が、規則的に配列された1個の電解液用収容部3および複数個の検査用収容部4を有しており、複数個の検査用収容部4に対して電解液用収容部3が1個のみ形成されている。図7に示す例においては、端に電解液用収容部3が設けられているが、図示しないが真ん中に電解液用収容部が設けられていてもよい。
図8および図9においては、検査用器具1が、電解液の注入口の平面視形状が矩形である1個の電解液用収容部3と、規則的に配列され、被検査液の注入口の平面視形状が円形である複数個の検査用収容部4とを有しており、複数個の検査用収容部4に対して電解液用収容部3が1個のみ形成されている。図8においては、端に電解液用収容部3が設けられており、図9においては、真ん中に電解液用収容部3が設けられている。
このように電解液用収容部の配置としては、任意の配置とすることができる。
本発明における検査用収容部は、底面に参照電極用開口部および信号取出用開口部を有し、被検査液を収容し得るものである。本発明の検査用器具は、少なくとも1個の検査用収容部を有している。
なお、底面とは、被検査液の注入口とは反対側の面をいい、本発明の検査用器具を用いて検査用デバイスを作製する際にトランジスタ基板が配置される面である。
また、参照電極用開口部および信号取出用開口部の厚みとしては、本発明の検査用器具を備える検査用デバイスにおいて、検査用収容部内に被検査液を収容可能であれば特に限定されるものではなく、任意の厚みとすることができる。
なお、樹脂については、上記電解液用収容部に用いられる樹脂と同様である。
検査用収容部の形状としては特に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。
検査用収容部の数としては、1個以上であればよく、本発明の検査用器具の用途等に応じて適宜選択される。
なお、検査用収容部の配置の例については、上記電解液用収容部の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
検査用収容部の配置としては、任意の配置とすることができる。
本発明においては、図10に例示するように、検査用器具1の底面13にトランジスタ基板を配置し得るトランジスタ基板配置用凹部15が形成されていることが好ましい。これにより、本発明の検査用器具を備える検査用デバイスにおいては、例えば図11(b)に示すように、検査用器具1の底面に形成されたトランジスタ基板配置用凹部15に、トランジスタ基板30を埋め込むことが可能となる。
中でも、トランジスタ基板配置用凹部の深さは、トランジスタ基板の厚さよりも大きいことが好ましい。
なお、樹脂については、上記電解液用収容部に用いられる樹脂と同様である。
通常、電解液用収容部と検査用収容部とトランジスタ基板配置用凹部とは一体として形成されている。なお、「一体として」とは、電解液用収容部と検査用収容部とトランジスタ基板配置用凹部とが単一の部材として形成されていることを意味する。
本発明においては、図5に例示するように、電解液用収容部3および検査用収容部4の底面11、12に接着層が配置されていてもよい。本発明の検査用器具を用いて検査用デバイスを作製する際に、接着層によって検査用器具およびトランジスタ基板を貼り合わせることができる。
ここで、「再剥離可能」とは、検査用器具とトランジスタ基板とを接着した後、剥離した場合に、検査用器具およびトランジスタ基板が破損することなく剥離することができることをいう。
このような再剥離可能な接着層に用いられる材料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム系樹脂等を挙げることができる。
本発明の検査用器具には、アライメントマークが形成されていることが好ましい。本発明の検査用器具を用いて検査用デバイスを作製する場合、電解液用収容部の外部電極用開口部に外部電極を配置し、電解液用収容部の参照電極用開口部および検査用収容部の参照電極用開口部に参照電極を配置し、検査用収容部の信号取出用開口部にイオン感応層を配置する際に、検査用器具がアライメントマークを有することにより、確実に位置合せを行うことができるからである。
なお、アライメントマークについては、後述の「B.検査用デバイス」の項に詳しく記載するので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、電解液用収容部の参照電極用開口部および検査用収容部の参照電極用開口部に参照電極が配置されるように、電解液用収容部および検査用収容部の底面に参照電極が形成されていてもよい。
参照電極の厚みは、通常、50nm〜10μmの範囲内とされる。
本発明においては、電解液用収容部の外部電極用開口部に外部電極が配置されるように、電解液用収容部の底面に外部電極が形成されていてもよい。電解液用収容部の底面に上記参照電極が形成されている場合には、外部電極および参照電極は導通しないように配置される。
外部電極の厚みは、通常、50nm〜10μmの範囲内とされる。
本発明の検査用デバイスは、基板と、上記基板上に形成された少なくとも1個のトランジスタと、上記トランジスタを覆うように形成された層間絶縁層と、上記層間絶縁層上に形成された参照電極および外部電極と、上記層間絶縁層上に形成されたイオン感応層とを有するトランジスタ基板、および、上記トランジスタ基板の上記イオン感応層、上記参照電極および上記外部電極上に配置された上述の検査用器具を備え、上記イオン感応層が少なくとも上記検査用器具の検査用収容部の信号取出用開口部に配置され、上記参照電極が上記検査用器具の電解液用収容部の参照電極用開口部および検査用収容部の参照電極用開口部に配置され、上記外部電極が上記検査用器具の電解液用収容部の外部電極用開口部に配置されていることを特徴とするものである。
図11(a)、(b)に例示するように、検査用デバイス10は、トランジスタ基板30と、トランジスタ基板30上に配置された検査用器具1とを備えている。
トランジスタ基板30は、基板21と、基板21上に形成されたトランジスタ20と、トランジスタ20を覆うように形成された層間絶縁層27と、層間絶縁層27上に形成された検知用電極28と、層間絶縁層27上に形成されたイオン感応層29と、イオン感応層29上に形成された参照電極31および外部電極32とを有している。トランジスタ20は、基板21上に形成されたゲート電極22と、ゲート電極22を覆うように形成されたゲート絶縁層23と、ゲート絶縁層23上に形成された半導体層24と、半導体層24上に形成されたソース電極25およびドレイン電極26とを有している。トランジスタ20のゲート電極22と検知用電極28とは電気的に接続されている。
検査用器具1は、底面に外部電極用開口部h1および参照電極用開口部h2を有し、電解液を収容し得る電解液用収容部3と、底面に参照電極用開口部h3および信号取出用開口部h4を有し、被検査液を収容し得る検査用収容部4と、電解液用収容部3および検査用収容部4の底面に配置された接着層5とを有している。
検査用器具1は、接着層5を介して、トランジスタ基板30のイオン感応層29、参照電極31および外部電極32上に配置されており、イオン感応層29が検査用器具1の検査用収容部4の信号取出用開口部h4に配置され、参照電極31が検査用器具1の電解液用収容部3の参照電極用開口部h2および検査用収容部4の参照電極用開口部h4に配置され、外部電極32が検査用器具1の電解液用収容部3の外部電極用開口部h1に配置されている。
なお、図11(a)において参照電極31および外部電極32は一点鎖線で示されている。
また、本発明においては、検査用器具では、電解液用収容部の底面に外部電極用開口部および参照電極用開口部が設けられ、検査用収容部の底面に参照電極用開口部および信号取出用開口部が設けられているので、検査用器具とトランジスタ基板とを組み合わせる際には、所定の位置で検査用器具とトランジスタ基板とを配置するだけでよく、参照電極との接続に関して効率良く取り付けることが可能である。それにより、検査用器具の検査用収容部に収容される被検査液のイオンの変化を効率的に電気信号に変換することが可能となる。
なお、図12において参照電極31および外部電極32は一点鎖線で示されている。
本発明に用いられる検査用器具は、上記「A.検査用器具」の項に記載したものと同様である。
本発明に用いられるトランジスタ基板は、基板と、上記基板上に形成された少なくとも1個のトランジスタと、上記トランジスタを覆うように形成された層間絶縁層と、上記層間絶縁層上に形成された参照電極および外部電極と、上記層間絶縁層上に形成されたイオン感応層とを有するものである。
以下、トランジスタ基板における各構成について説明する。
本発明に用いられるトランジスタは、基板上に形成されるものである。本発明におけるトランジスタ基板は、少なくとも1個のトランジスタを有している。
なお、図13(a)、(b)は本発明の検査用デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図であり、薄膜トランジスタを用いた検査用デバイスの例であり、図13(b)は図13(a)のE−E線断面図である。
また、図14(a)、(b)は本発明の検査用デバイスの他の例を示す概略平面図および断面図であり、SOIを用いた検査用デバイスの例であり、図14(b)は図14(a)のF−F線断面図である。図14(a)、(b)において、トランジスタ20は、シリコン基板35と、シリコン基板35表面に形成されたp−well領域36と、p−well領域36表面に形成されたn+領域37、38とを有している。
一方、トランジスタが検査用収容部の信号取出用開口部に配置されている場合には、検査用デバイスの集積度を高めることが可能である。
本発明に用いられる薄膜トランジスタの構造としては、トランジスタとして機能するものであれば特に限定されるものではなく、ボトムゲート型構造であってもよく、またはトップゲート構造であってもよい。また、コプレーナ型構造であってもよい。
本発明に用いられる半導体層としては、半導体としての機能を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではない。
一方、透明性を有さない半導体層に用いられる材料の例としては、アモルファスシリコン、ポリシリコン、有機半導体等を挙げることができる。
本発明に用いられるゲート電極としては、電極としての機能を有するものであれば特に限定されるものではない。このようなゲート電極としては、例えば、Al等の一般的な金属電極に加え、ITO等の透明電極も使用することができる。
ゲート電極の厚みは、通常、50nm〜500nmの範囲内とされる。
本発明に用いられるゲート絶縁層としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではない。このようなゲート絶縁層としては、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiNx)、窒化酸化ケイ素(SiOxNy)等のシリコン酸化物もしくはシリコン窒化物からなるもの等を挙げることができる。
透明性を有するゲート絶縁層としては、上記のものを挙げることができる。
本発明に用いられるソース電極およびドレイン電極は、上記半導体層と接し、かつ互いに対向するように形成されたものである。
また、透明性を有さないソース電極およびドレイン電極としては、例えば、Ti、Mo、Cr、Wからなるもの等を挙げることができる。
ソース電極およびドレイン電極の厚みは特に限定されるものではないが、通常、20nm〜200nmの範囲内とされる。
本発明に用いられる参照電極は、層間絶縁層上に形成されるものであり、検査用器具の電解液用収容部の参照電極用開口部および検査用収容部の参照電極用開口部に配置されるものである。
本発明に用いられる外部電極は、層間絶縁層上に形成されるものであり、検査用器具の電解液用収容部の外部電極用開口部に配置されるものである。
本発明のトランジスタ基板は、層間絶縁層上に形成され、検査用器具の検査用収容部の信号取出用開口部に配置され、トランジスタのゲート電極に電気的に接続された検知用電極をさらに有していてもよい。
上述したように、トランジスタが検査用収容部の信号取出用開口部に配置されていない場合には、検知用電極が検査用収容部の信号取出用開口部に配置される。
ここで、本発明の検査用デバイスを用いて測定を行う場合は、検査用収容部内のイオン感応層上に測定対象となる試料を付与し、これに伴う電圧変化を後述するトランジスタで検知することになる。本発明の検査用デバイスの用途によっては、単に電圧変化を評価するのみではなく、イオン感応層上に付与された測定対象試料の形態変化も同時に行えることが望ましい場合がある。特に、本発明の検査用デバイスをバイオセンサとして用いる場合には、生体関連物質をイオン感応層上に付与することになるが、生体関連物質の評価に際しては、単に電圧変化を評価することにより、pH等の変化を測定することのみならず、生体関連物質の経時的な形態変化の評価を同時に行えることが望ましい場合がある。また、このような場合において、イオン感応層上の生体関連物質の形態を観察する方法としては、生体関連物質は、例えば細胞等のサイズが微小なものである場合が多いことから、顕微鏡観察が行えることがより好ましいといえる。
このような観点から、検知用電極は、透明性を有する透明電極であることが好ましい。これにより、イオン感応層上の生体関連物質を、例えば、倒立型の透過型顕微鏡を用いて観察することが可能になるからである。なお、この場合、後述のイオン感応層、層間絶縁層、基板等も透明性を有することが好ましい。
本発明に用いられるイオン感応層は、少なくとも検査用器具の検査用収容部の信号取出用開口部に配置されるものである。上記検知用電極が形成されている場合には、イオン感応層は少なくとも検知用電極上に形成される。
なお、本発明の検査用デバイスがバイオセンサとして用いられる場合は、必要に応じて、イオン感応層の表面にDNA、タンパク質、糖鎖を固定化する為の表面修飾がなされていてもよい。このような表面修飾の例としては、金チオール反応やシランカップリング材を使った結合、LB膜等の自己組織化単分子膜の形成方法や、静電吸着、物理吸着等を挙げることができる。
本発明に用いられる層間絶縁層は、トランジスタを覆うように形成されるものである。
本発明に用いられる基板としては、上述のトランジスタ、外部電極、参照電極、検知用電極、層間絶縁層、イオン感応層等を支持できるものであれば特に限定されるものではない。このような基板としては、具体的には、ガラス等の無機材料、PEN、PET、透明ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂等の有機材料を挙げることができる。
本発明においては、トランジスタ基板にアライメントマークが形成されていることが好ましい。本発明の検査用デバイスを作製する過程において、電解液用収容部の外部電極用開口部に外部電極を配置し、電解液用収容部の参照電極用開口部および検査用収容部の参照電極用開口部に参照電極を配置し、検査用収容部の信号取出用開口部にイオン感応層を配置する際に、検査用器具およびトランジスタ基板がアライメントマークを有することにより、確実に位置合わせを行うことができるからである。
さらに、トランジスタ基板の形状が、正方形等の、対角線に対して対称な形状である場合には、アライメントマークの形状は、トランジスタ基板の対角線に平行な軸に対して非対称であることが好ましい。例えば、トランジスタ基板の形状が正方形である場合、アライメントマークの形状がトランジスタ基板の対角線に平行な軸に対して対称であると、トランジスタ基板の表側から見たアライメントマークと、90度回転させてトランジスタ基板の裏側から見たアライメントマークとで形状が同じになってしまうことがあるからである。
図15(b)に例示するように、トランジスタ基板30に形成されたアライメントマーク45の形状は、トランジスタ基板30の辺に平行な軸46a、47aに対してそれぞれ非対称である。すなわち、アライメントマーク45の形状は、上下左右非対称となっている。また、アライメントマーク45の形状は、トランジスタ基板30の対角線に平行な軸48aに対しても非対称である。
トランジスタ基板のアライメントマークの形状と同様に、図15(a)に例示するように、検査用器具1のアライメントマーク40の形状も、検査用器具1の辺に平行な軸41a、42aに対してそれぞれ非対称である。すなわち、アライメントマーク40の形状は、上下左右非対称となっている。また、アライメントマーク40の形状は、検査用器具1の対角線に平行な軸43aに対しても非対称である。
図16(b)に例示するように、トランジスタ基板30に形成されたアライメントマーク45の形状は、トランジスタ基板30の辺に平行な軸46a、47aに対してそれぞれ非対称である。すなわち、アライメントマーク45の形状は、上下左右非対称となっている。また、アライメントマーク45の形状は、トランジスタ基板30の対角線に平行な軸48aに対しても非対称である。
トランジスタ基板のアライメントマークの形状と同様に、図16(a)に例示するように、検査用器具1のアライメントマーク40の形状も、検査用器具1の辺に平行な軸41a、42aに対してそれぞれ非対称である。すなわち、アライメントマーク40の形状は、上下左右非対称となっている。また、アライメントマーク40の形状は、検査用器具1の対角線に平行な軸43aに対しても非対称である。
例えば、図15(b)において、トランジスタ基板30に形成されたアライメントマーク45は、二つの三角形45a、45bによって上下左右の方向を認識できるようになっている。
さらに、トランジスタ基板の形状が、正方形等の、対角線に対して対称な形状である場合には、複数のアライメントマークは、トランジスタ基板の対角線に平行な軸に対して非対称となるように配置されていることが好ましい。例えば、トランジスタ基板の形状が正方形である場合、アライメントマークの形状がトランジスタ基板の対角線に平行な軸に対して対称であると、トランジスタ基板の表側から見たアライメントマークと、90度回転させてトランジスタ基板の裏側から見たアライメントマークとで形状が同じになってしまうことがあるからである。
トランジスタ基板のアライメントマークと同様に、図15(a)に例示するように、検査用器具1においても、アライメントマーク40が検査用器具1の四つの角に形成されており、検査用器具1の四つの角に形成されたアライメントマーク40は、検査用器具1の辺に平行な軸41a、42aに対してそれぞれ非対称となるように配置されている。すなわち、複数のアライメントマーク40は、上下左右非対称となるように配置されている。また、複数のアライメントマーク40は、検査用器具1の対角線に平行な軸43a、44aに対しても非対称となるように配置されている。
本発明においては、トランジスタ基板に信号処理回路が内蔵されていてもよい。これにより、ノイズの影響を減らした評価が可能となるからである。
信号処理回路としては、一般的なものを用いることができる。
本発明の検査用デバイスは、トランジスタのソース電極−ドレイン電極間に一定の電圧を印加しつつ、イオン感応層上に被検査液を付与し、被検査液に参照電極を介して可変電圧を印加すると、イオン感応層に生ずる電位の変化に応じて、半導体層に形成されるチャネル領域が変化し、ドレイン電流の変化を検出することができるものである。この結果、可変電圧に基づくドレイン電流の変化、すなわち、トランジスタとしての電流−電圧特性を、予め測定した標準試料における電流−電圧特性と比較することによって被検査液に含まれる試料の種別を特定することができるようになっている。
なお、図17および図18において、61はゲートドライバ、62は信号処理回路である。
1.検査用デバイスの作製
まず、図13(a)に示すような所定の開口部を有する、2種類のガラス筒を準備し、電解液用収容部および検査用収容部とした。
また、図13(b)に示すようなトランジスタ基板を作製した。イオン感応層には、SiO2、Si3N4、Ta2O5の3種類の材料を用いた。
次に、電解液用収容部および検査用収容部に接着剤を塗布し、トランジスタ基板上の所定の位置に電解液用収容部および検査用収容部を配置し、検査用デバイスを作製した。
電解液用収容部にKCl溶液を入れ、検査用収容部に種々のpHの溶液を入れて、pH溶液試験を行った。図19〜図21に、トランジスタのトランスファー特性をそれぞれ示す。
イオン感応層がSiO2の場合、一定のドレイン電流IDに対する可変電圧VGの差は、pH4.01とpH7.41とで約0.18V、pH7.41とpH9.18とで約0.05Vとなり、約50mV/pHのpH感度が得られた。
シリコンデバイスを用いた検査用デバイスのpH感度は50mV/pHといわれており、各pHに対して同様の応答をすることが確認できた。
イオン感応層がSi3N4の場合、約140〜190mV/pHのpH感度が得られた。
イオン感応層がTa2O5の場合、約22〜35mV/pHのpH感度が得られた。
以上より、Si3N4をイオン感応層に用いた場合に最も感度が高くなった。
Si3N4をイオン感応層に用いた検査用デバイスを使用し、電解液用収容部にKCl溶液を入れ、検査用収容部に細胞培養液を入れて、細胞搭載試験を行った。
まず、−80度で冷凍保存してあるHeLa細胞を培養液の入ったシャーレに入れ解凍し培養した。1日ほど培養したものをシャーレからはがしとって使用した。
次に、検査用収容部内の70%をエタノールで満たし、30分間置いた後、乾燥させ、UVによる滅菌処理を15分間実施した。
次いで、検査用収容部内に培養液と2×104個の細胞を入れて1日培養した。図22(a)、(b)に倒立型顕微鏡写真および正立型顕微鏡写真をそれぞれ示す。なお、図22(a)、(b)のスケールは同じである。培養液を通して細胞を見なければならない正立型顕微鏡での観察は像が不鮮明で判断しにくかった。一方、倒立型顕微鏡では、トランジスタ基板が透明性を有することで鮮明な像を見ながらの判断が可能であった。
図23に1日培養したHeLa細胞の顕微鏡写真を示す。図23において、信号取出用開口部h4は破線で示されている。
図24にアポトーシス試験結果を示す。カリウムイオンによると思われる電位の上昇が確認された。
3 … 電解液用収容部
4 … 検査用収容部
5 … 接着層
11 … 電解液用収容部の底面
12 … 検査用収容部の底面
13 … 検査用器具の底面
15 … トランジスタ基板配置用凹部
20 … トランジスタ
21 … 基板
22 … ゲート電極
23 … ゲート絶縁層
24 … 半導体層
25 … ソース電極
26 … ドレイン電極
27 … 層間絶縁層
28 … 検知用電極
29 … イオン感応層
30 … トランジスタ基板
31 … 参照電極
32 … 外部電極
h1 … 外部電極用開口部
h2 … 参照電極用開口部
h3 … 参照電極用開口部
h4 … 信号取出用開口部
Claims (9)
- 底面に外部電極用開口部および参照電極用開口部を有し、電解液を収容し得る、少なくとも1個の電解液用収容部と、
底面に参照電極用開口部および信号取出用開口部を有し、被検査液を収容し得る、少なくとも1個の検査用収容部と
を有することを特徴とする検査用器具。 - 底面にトランジスタ基板を配置し得るトランジスタ基板配置用凹部が形成され、前記トランジスタ基板配置用凹部の深さが配置される前記トランジスタ基板の厚さ以上であることを特徴とする請求項1に記載の検査用器具。
- 複数個の前記検査用収容部を有し、前記検査用収容部の1列毎に前記電解液用収容部が1個形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検査用器具。
- 基板と、前記基板上に形成された少なくとも1個のトランジスタと、前記トランジスタを覆うように形成された層間絶縁層と、前記層間絶縁層上に形成された参照電極および外部電極と、前記層間絶縁層上に形成されたイオン感応層とを有するトランジスタ基板、および、
前記トランジスタ基板の前記イオン感応層、前記参照電極および前記外部電極上に配置された請求項1から請求項3までのいずれかに記載の検査用器具
を備え、前記イオン感応層が少なくとも前記検査用器具の検査用収容部の信号取出用開口部に配置され、前記参照電極が前記検査用器具の電解液用収容部の参照電極用開口部および検査用収容部の参照電極用開口部に配置され、前記外部電極が前記検査用器具の電解液用収容部の外部電極用開口部に配置されていることを特徴とする検査用デバイス。 - 前記基板が透明基板であることを特徴とする請求項4に記載の検査用デバイス。
- 前記トランジスタが、前記検査用器具の検査用収容部の信号取出用開口部に配置されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の検査用デバイス。
- 前記トランジスタが酸化物半導体層を有することを特徴とする請求項6に記載の検査用デバイス。
- 前記トランジスタが、前記検査用器具の検査用収容部の信号取出用開口部には配置されておらず、前記層間絶縁層上に検知用電極が形成されており、前記検知用電極が前記検査用器具の検査用収容部の信号取出用開口部に配置されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の検査用デバイス。
- 前記検知用電極が透明電極であることを特徴とする請求項8に記載の検査用デバイス。
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