JP2013010808A - 炭化装置及び炭化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化処理で生じる廃熱を利用しながら、有機物の乾燥処理と炭化処理とを効率的に一連の処理で行うことができる炭化装置及び炭化方法を提供する。
【解決手段】炭化装置1は、2台の炭化炉2A、2Bを含む。炭化炉2A、2Bはバーナ43と火口45を備え、炭化ユニット7に積載された炭材の乾燥処理及び炭化処理を行うことができる。炭化炉2A、2Bは、廃熱移送パイプ32及び熱媒体移送路61で連結されている。炭化炉2Aで炭化処理が終了すると、廃熱移送パイプ32の両端にある廃熱移送ファン33が、炭化炉2B側の方が高速となるように回転され、炭化炉2Aの廃熱が炭化炉2Bに熱風として送られる。また、炭化処理中に炭化炉2Aで蓄熱された蓄熱板65が炭化炉2Bに移送される。炭化炉2Bでは、移送された廃熱を利用して乾燥処理が行われた後、炭化処理が行われ、次に乾燥処理を行う炭化炉2Aに廃熱が移送される。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機物を炭化するための炭化装置及び炭化方法に関する。
近年、バイオマス(有機性資源)を有効活用する技術が注目されている。その中で、バイオマスをエネルギー源として使用したり肥料等にリサイクルしたりするために、様々なバイオマス炭化技術が開発されている。水分を含んだバイオマスを炭化する場合には、炭化装置によって炭化処理を行う前に、バイオマスを乾燥させる乾燥処理が必要となる。そこで、乾燥装置と炭化装置とを備えた装置も提案されている。例えば、特許文献1には、炭化原料を炭化する装置と、乾燥原料を乾燥させる乾燥装置とを並列に連結した炭化乾燥連結装置が開示されている。この装置では、炭化装置において炭化の際生じた熱風が熱路を介して乾燥装置に送り込まれ、乾燥に利用されている。
特開2010−265418号公報
上記特許文献1に記載の炭化乾燥連結装置では、炭化装置から発生する廃熱を乾燥に利用できるという利点はあるものの、炭化装置では炭化処理のみが行われ、乾燥装置では乾燥処理のみが行われる。従って、乾燥処理により得られた乾燥製品を、その後、炭化原料として炭化処理するには、作業者が必ず乾燥装置から乾燥製品を取り出して移送し、炭化装置に投入する必要がある。つまり、乾燥処理と炭化処理を一連の処理で効率的に行うことはできない。
本発明は、炭化処理で生じる廃熱を利用しながら、有機物の乾燥処理と炭化処理とを効率的に一連の処理で行うことができる炭化装置及び炭化方法を提供することを目的とする。
本発明の第一態様に係る炭化装置は、有機物を炭化する炭化装置であって、各々が、炉内を加熱する加熱手段を有し、前記有機物を乾燥する乾燥処理と、前記乾燥処理で乾燥された前記有機物を炭化する炭化処理とを行う機能を有する複数の炭化炉と、前記複数の炭化炉を、炉内で発生した熱を他の炭化炉に移送可能に互いに連結する連結手段と、前記連結手段を介して、前記複数の炭化炉のうちいずれかの炭化炉で炭化処理が終了する度に、炭化処理で発生した熱を、乾燥処理が行われる他の炭化炉へ、前記連結手段を介して移送する熱移送手段とを備えている。
前記炭化装置によれば、各々が加熱手段を有する複数の炭化炉の各々で、乾燥処理と炭化処理の両方の処理を行うことができる。更に、連結手段と熱移送手段によって、複数の炭化炉のうち、炭化処理が終了した炭化炉で生じた熱(廃熱)を、乾燥処理が行われる炭化炉に移送することができるので、移送先の炭化炉では廃熱を利用して乾燥処理を行うことができると共に、移送元の炭化炉からは熱が奪われるため炭化物の冷却にも有効である。
前記炭化装置によれば、複数の炭化炉のうちいずれかで炭化処理を行う間、他の炭化炉を乾燥処理のために待機させておき、炭化処理が終了した後は、他の炭化炉では廃熱を利用した乾燥処理を行うことができる。乾燥処理が終了した炭化炉にはある程度の熱が残っているため、そのまま炭化処理に移行できる。その間、先に炭化処理が終了した炭化炉では、炭化物の冷却や次の乾燥処理の準備等を行うことができる。そして、次の炭化処理が終了すると、前に炭化物の冷却が終了した炭化炉または他の炭化炉で、新たな有機物の乾燥処理を行うことができる。つまり、複数の炭化炉の各々で、他の炭化炉とはサイクルをずらしながら、乾燥処理から炭化処理までの一連の処理を行うことで、炭化装置全体で、廃熱を利用して効率的な処理を行うことができる。
前記第一態様において、前記複数の炭化炉の各々は、断熱的な外装内に、乾燥処理及び炭化処理に供される前記有機物が配置される下層部と、前記下層部の上方に位置し、前記下層部との間で気体の流通が可能な上層部とを含み、前記熱移送手段は、前記複数の炭化炉のうち炭化処理が行われる炭化炉の前記上層部に配置される、蓄熱可能な熱媒体と、前記熱媒体を、前記複数の炭化炉のうち炭化処理が終了したいずれかの炭化炉から乾燥処理が行われる他の炭化炉へ、前記連結手段を介して移送する熱媒体移送手段とを含んでもよい。この場合、下層部で炭化処理が行われると、加熱された気体が上層部に上昇するので、炭化処理で生じた熱を上層部に配置された熱媒体に蓄積することができる。そして、炭化処理が終了した後、熱媒体を、乾燥処理が行われる炭化炉に連結手段を介して移送することで、炭化処理で生じた廃熱を効率的に移送することができる。
前記第一態様において、前記連結手段は、前記複数の炭化炉を結ぶ方向に回転可能に配置された複数の第一ローラを備えた案内路を含んでもよい。前記複数の炭化炉の各々は、前記上層部の前記案内路の一端が接続する位置に設けられた開閉可能な開口部と、前記上層部に、前記案内路に接続して設けられ、前記複数の第一ローラと同じ方向に回転可能に配置された複数の第二ローラを備えた炉内案内部とを備えていてもよい。そして、前記熱媒体は、固体熱媒体であり、前記熱媒体移送手段は、前記固体熱媒体を前記複数の第一ローラ及び前記複数の第二ローラ上を滑らせて、前記複数の炭化炉のうち炭化処理が終了したいずれかの炭化炉から乾燥処理が行われる他の炭化炉へ、前記炉内案内部と前記開口部と前記案内路を介して移動させてもよい。
この場合、炭化炉上層部の炉内案内部上に固体熱媒体を配置し、開口部を閉じて炭化処理を行うことで、炭化処理で生じた熱を固体熱媒体に蓄積することができる。そして、炭化処理が終了した後、開口部を開け、固体熱媒体を、熱媒体移送手段により乾燥処理が行われる炭化炉に移動させるという簡便な方法で、炭化処理で生じた廃熱を効率的に移送することができる。
前記第一態様において、前記連結手段は、前記複数の炭化炉間の気体の流通を可能とする、気密性を有する通路を含んでもよい。そして、前記熱移送手段は、前記通路に設けられ、前記通路を、前記気体が流通可能な開状態と、前記気体が流通不能な閉状態のいずれかに開閉可能な通路開閉手段と、前記通路の両側に設けられた一対のファンと、前記複数の炭化炉のうちいずれかで炭化処理が行われている間、炭化処理が行われている前記炭化炉に通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記閉状態とし、炭化処理の終了後に、炭化処理が行われた前記炭化炉から乾燥処理が行われる他の炭化炉へ通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記開状態とする開閉切替え手段と、前記一対のファンのうち、炭化処理が終了した前記炭化炉側にあるファンである第一ファンと、乾燥処理が行われる前記炭化炉側にあるファンである第二ファンとを、前記第二ファンの方が前記第一ファンよりも高速となる回転数差を設けて回転させるファン制御手段とを含んでもよい。
この場合、いずれかの炭化炉で炭化処理が終了した後、通路を気体が流通可能な開状態とし、炭化処理によって廃熱が生じた炭化炉側の第一ファンよりも、乾燥処理のために廃熱が必要な炭化炉側の第二ファンを高速回転させることで、通路内で差圧が生じる。すなわち、廃熱の移送元の炭化炉側の方が、廃熱の移送元の炭化炉側よりも圧力が低くなる。従って、移送元の炭化炉の廃熱を熱風として、通路を通って移送先の炭化炉へ効率よく移送することができる。また、炭化処理中には通路は閉状態とされるので、炭化処理中の炭化炉からの廃熱の漏れを防止することができる。
前記第一態様において、前記連結手段は、前記複数の炭化炉間の気体の流通を可能とする、気密性を有する通路を含んでもよい。そして、前記熱移送手段は、前記通路に設けられ、前記通路を、前記気体が流通可能な開状態と、前記気体が流通不能な閉状態のいずれかに開閉可能な通路開閉手段と、前記複数の炭化炉のうちいずれかで炭化処理が行われている間、炭化処理が行われている前記炭化炉に通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記閉状態とし、炭化処理の終了後に、炭化処理が行われた前記炭化炉から乾燥処理が行われる他の炭化炉へ通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記開状態とする開閉切替え手段と、前記複数の炭化炉のうちいずれかで炭化処理が終了した後、乾燥処理が行われる前記炭化炉の炉内の圧力を、炭化処理が終了した前記炭化炉の炉内の圧力よりも減圧する減圧手段とを含んでもよい。
この場合、いずれかの炭化炉で炭化処理が終了した後、通路を気体が流通可能な開状態とし、炭化処理によって廃熱が生じた炭化炉側の炉内の圧力よりも、乾燥処理のために廃熱が必要な炭化炉側の炉内の圧力を減圧することで、通路内で差圧が生じる。すなわち、廃熱の移送先の炭化炉側の方が、廃熱の移送元の炭化炉側よりも圧力が低くなる。従って、移送元の炭化炉の廃熱を熱風として、通路を通って移送先の炭化炉へ効率よく移送することができる。また、炭化処理中には通路は閉状態とされるので、炭化処理中の炭化炉からの廃熱の漏れを防止することができる。
前記第一態様では、前記複数の炭化炉の各々において、炉内側面部が耐火断熱材によって形成され、炉内底部に、前記加熱手段が複数配置され、炉内には、複数の温度検出手段が設けられていてもよい。そして、前記複数の炭化炉の各々は、前記複数の温度検出手段によって検出された炉内温度の分布に基づき、前記分布が炉内で均一となるように、前記複数の加熱手段を制御する加熱制御手段を更に備えていてもよい。この場合、各炭化炉をある程度大型化しても、炉内の温度分布を均一にできるため、効率的且つ高品質な炭化物を得ることが可能となる。
本発明の第二の態様に係る炭化方法は、連結手段によって、炉内で発生した熱を他の炭化炉に移送可能に互いに連結された複数の炭化炉において行われる、有機物を炭化する炭化方法であって、前記複数の炭化炉の各々において、前記有機物を乾燥する乾燥処理を行う乾燥工程と、前記複数の炭化炉の各々において、乾燥された前記有機物を炭化する炭化処理を行う炭化工程と、前記複数の炭化炉のうち前記炭化工程が終了したいずれかの炭化炉で炭化処理により発生した熱を、前記乾燥工程が行われる他の炭化炉へ、前記連結手段を介して移送する熱移送工程とを含む。そして、前記複数の炭化炉の各々において、他のいずれかの炭化炉から前記連結手段を介して炭化処理によって発生した前記熱を受け取る度に、前記熱を利用して前記乾燥工程を開始し、その後、前記炭化工程を行うことを特徴とする。
前記第二態様において、前記複数の炭化炉の各々は、断熱的な外装内に、乾燥処理及び炭化処理に供される前記有機物が配置される下層部と、前記下層部の上方に位置し、前記下層部との間で気体の流通が可能な上層部とを含んでもよい。そして、前記炭化工程は、前記上層部に蓄積可能な熱媒体が配置された状態で行われ、前記熱移送工程では、前記熱媒体を、前記複数の炭化炉のうち前記炭化工程が終了したいずれかの炭化炉から前記乾燥工程が行われる他の炭化炉へ、前記連結手段を介して移送してもよい。
前記第二態様において、前記連結手段は、前記複数の炭化炉を結ぶ方向に回転可能に配置された複数の第一ローラを備えた案内路を含んでもよい。前記複数の炭化炉の各々は、前記上層部の前記案内路の一端が接続する位置に設けられた開閉可能な開口部と、前記上層部に、前記案内路に接続して設けられ、前記複数の第一ローラと同じ方向に回転可能に配置された複数の第二ローラを備えた炉内案内部とを備えていてもよい。そして、前記炭化工程は、前記上層部に、前記熱媒体として固体熱媒体が配置され、前記開口部が閉じられた状態で行われてもよい。更に、前記熱移送工程では、前記開口部を開いた状態とし、前記固体熱媒体を、前記複数の第一ローラ及び前記複数の第二ローラ上を滑らせて、前記複数の炭化炉のうち前記炭化工程が終了したいずれかの炭化炉から前記乾燥工程が行われる他の炭化炉へ、前記炉内案内部と前記開口部と前記案内路を介して移動させてもよい。
前記第二態様において、前記連結手段は、前記複数の炭化炉間の気体の流通を可能とする、気密性を有する通路を含んでもよい。前記炭化工程では、前記通路に設けられ、前記炭化処理が行われている間、前記通路を、前記気体が流通可能な開状態と、前記気体が流通不能な閉状態のいずれかに開閉可能な通路開閉手段を前記閉状態とし、前記熱移送工程では、前記炭化工程が終了した前記炭化炉から前記乾燥工程が行われる前記炭化炉へ通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記開状態とし、前記通路の両側に設けられた一対のファンのうち、前記炭化工程が終了した前記炭化炉側にあるファンである第一ファンと、前記乾燥処理が行われる前記炭化炉側にあるファンである第二ファンとを、前記第二ファンの方が前記第一ファンよりも高速となる回転数差を設けて回転させてもよい。
前記第二態様において、前記連結手段は、前記複数の炭化炉間の気体の流通を可能とする、気密性を有する通路を含んでもよい。前記炭化工程では、前記炭化処理が行われている間、前記通路に設けられ、前記通路を、前記気体が流通可能な開状態と、前記気体が流通不能な閉状態のいずれかに開閉可能な通路開閉手段を前記閉状態とし、前記熱移送工程では、前記炭化工程が終了した前記炭化炉から前記乾燥工程が行われる前記炭化炉へ通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記開状態とし、前記乾燥工程が行われる前記炭化炉の炉内の圧力を、前記炭化工程が終了した前記炭化炉の炉内の圧力よりも減圧してもよい。
前記第二態様では、前記複数の炭化炉の各々において、炉内側面部が耐火断熱材によって形成され、炉内底部に、複数の加熱手段が配置され、炉内には、複数の温度検出手段が設けられていてもよい。そして、前記乾燥工程と前記炭化工程では、前記複数の温度検出手段によって検出された炉内温度の分布に基づき、前記分布が炉内で均一となるように前記複数の加熱手段を制御してもよい。
前記第二態様に係る炭化方法によれば、前記第一態様に係る炭化装置と同様の効果を得ることができる。
炭化装置1の構成を示す説明図である。 炭化炉2の構成を示す説明図である。 炭化装置1の制御構成を示す説明図である。 炭材ユニット7の説明図である。 台車70の説明図である。 スリット板74のスリット75の形状の説明図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、互いに連結された2台の炭化炉2を含む炭化装置1について説明する。なお、図1の上下方向、左右方向、紙面の表裏面方向を、夫々、炭化装置1及び各炭化炉2の上下方向、左右方向、及び前後方向とする。
まず、炭化装置1の概略について説明する。図1に示すように、炭化装置1は、実質的に同型で同一の機能を有する2台の炭化炉2A、2Bが左右方向に並べられ、廃熱移送路32及び熱媒体移送路61によって連結されたものである。炭化装置1は、2台の炭化炉2A、2Bを用いて有機物を炭化するための装置である。炭化装置1で炭化可能な有機物として、木材、竹材、籾殻、稲藁、食品廃棄物等、様々な種類の有機物があるが、本実施形態では、炭化装置1で木材を炭化して木炭を生産する場合を例示する。炭化炉2A、2Bは、各々、木炭の原料となる木材(以下、炭材という)の乾燥処理、及び、乾燥後の炭材の炭化処理を行う機能を少なくとも有する。炭化装置1では、炭化炉2A、2Bの各々で乾燥処理から炭化処理までの一連の処理を行うが、そのサイクルを互いにずらし、炭化炉2A、2Bのうち一方で行われた炭化処理で生じた熱(廃熱)を、他方で行われる乾燥処理に利用する点が特徴である。
以下、図1〜図3を参照して、炭化装置1の構成の詳細について説明する。まず、図1及び図2を参照して、炭化炉2A、2Bの構成について説明する。なお、以下では、炭化炉2A、2Bのいずれかを特定しない場合や、2台を総称する場合は、単に「炭化炉2」という。各炭化炉2は、矩形箱状の外装20を備えている。外装20のサイズは、例えば、左右方向の幅が2m強、前後方向の長さが6m弱、高さが3m弱程度である。外装20は、断熱構造を有する。具体的には、例えば、外装20自体が耐火煉瓦や耐火コンクリートで構成されていてもよいし、金属製の外壁の内面に断熱材が設けられた構成とされていてもよい。
図1に示すように、外装20の内部の炉内空間は、下方から順に、炭材を加熱するための火口45が配置される加熱室21と、乾燥処理及び炭化処理に供される炭材が配置される処理室22と、廃熱移送に使用される熱媒体が配置される蓄熱室23とを含む。図2に示すように、外装20の前面の処理室22に対応する部分には、炭材ユニット7が搬出入される開口26が設けられている。開口26は、上下に回動する前部扉29によって開閉が可能である。また、もう1台の炭化炉2と対向する側の側面(炭化炉2Aの場合は右側面、炭化炉2Bの場合は左側面)には、蓄熱室23に対応する部分に、開口27が設けられている。開口27は、上下にスライド移動する上部扉28によって開閉が可能である。
炭化炉2は、乾燥処理及び炭化処理に使用される加熱手段として、バーナ43及び火口45を備えている。図2に示すように、本実施形態では、炉内の温度分布を均一化するために、各炭化炉2に、8組のバーナ43及び火口45が設けられている。詳細は後述するが、これらの8組の加熱手段は、個別に燃焼状態が制御される。8つのバーナ43は、各炭化炉2の左右側面下部に夫々設けられた収容部4に、4つずつ収容されている。各バーナ43には、燃料パイプ42を介して、燃料タンク41から燃料(例えば、重油、軽油、ガス)が供給される。なお、燃料タンク41は、炭化炉2A、2Bに共通で設けられればよい。8つのバーナ43に夫々対応する8つの火口45は、加熱室21において、後述する炭材ユニット7の夫々の区画が配置される位置の下方に設けられている。
図1及び図2に示すように、加熱室21の上方には、気体の流通が可能な状態で加熱室21と処理室22とを区画するレール部25が設けられている。レール部25は、炭化炉2の前後方向に延びる一対のレール251と、炭化炉2の左右方向に延び、レール251を支持する複数の柱状の支持部材252(図2では後方の2本のみを図示)を含む。レール251には炭材ユニット7の台車70の車輪72(図5参照)が載置され、炭材ユニット7はレール251に沿って炉内を案内される。また、図1に示すように、処理室22の背面上部には、炉内の気体を攪拌するための攪拌ファン31が設けられている。なお、攪拌ファン31は、他の面も含めて複数が設けられてもよい。
図1に示すように、加熱室21と処理室22の内面には、炉内の温度制御のための温度センサ48が複数設けられている。具体的には、加熱室21には、8つの火口45に対応する位置に、8つの温度センサ48が設けられている。そして、処理室22には、炭材ユニット7の配置予定位置の周囲に温度センサ48が設けられている。詳細は後述するが、本実施形態では、各炭化炉2には2台の炭化ユニット7が配置されるので、各炭化ユニット7の上下左右に4箇所ずつ(図1参照)、合計8箇所に温度センサ48が設けられる。
図1及び図2に示すように、処理室22の上方には、気体の流通が可能な状態で処理室22と蓄熱室23とを区画する炉内案内部63が設けられている。炉内案内部63は、炭化炉2の前後方向を軸方向として回転可能に支持された複数のローラ631を含む。炉内案内部63は、ローラ631上に載置された熱媒体を炉内で左右方向に移送するローラコンベアである。炉内案内部63上には、熱媒体である蓄熱板65が載置される。蓄熱板65として、例えば、蓄熱性に優れたセラミック板を用いることができる。炉内案内部63の上方の蓄熱室23は、炉内で最も上層にある空間であるため、下方にある加熱室21及び処理室22で発生し、外装20内で上昇した熱が滞留する。よって、炭化処理が行われる炭化炉2の蓄熱室23に蓄熱板65を配置しておくことで、炭化処理で生じた熱を蓄熱板65に蓄積することができる。
蓄熱板65の左右側面の前端部近傍及び後端部近傍の2箇所には、夫々、ワイヤ67が接続されている。図1に示すように、蓄熱板65の左側面に一端が接続されたワイヤ67の他端は、炭化炉2A、2Bのうち左側に配置された炭化炉2Aの左側面に設けられた巻取り機68に固定されている。また、蓄熱板65の右側面に一端が接続されたワイヤ67の他端は、右側に配置された炭化炉2Bの右側面に設けられた巻取り機68に固定されている。なお、図1では巻取り機68は炭化炉2A、2Bに対して夫々1つだけ図示されているが、実際には、蓄熱板65の左右側面に夫々接続する2本のワイヤ67に対応して、巻取り機68も2つずつ設けられている。
図1に示すように、炭化炉2Aの外装20の右側面上部と、炭化炉2Bの外装20の左側面上部とに夫々設けられた開口27の間には、両者を繋ぐ熱媒体移送路61が設けられている(図2では図示略)。熱媒体移送路61内には、炭化炉2A、2Bの炉内案内部63に接続する炉間案内路62が設けられている。炉間案内部62は、炉内案内部63のローラ631と同一方向に回転可能な複数のローラ621を含むローラコンベアである。よって、一方の炭化炉2の炉内案内部63に載置された蓄熱板65は、他方の炭化炉2の巻取り機68によってワイヤ67を巻き取ることで、炉内案内部63及び炉間案内路62上を滑らせ、開口27を通って、他方の炭化炉2の炉内案内部63へと移送することができる。
図1及び図2に示すように、各炭化炉2は、もう1台の炭化炉2と対向する側の側面(炭化炉2Aの場合は右側面、炭化炉2Bの場合は左側面)の開口に設置された廃熱移送ファン33を備えている。2台の炭化炉2の廃熱移送ファン33の間には、両者を繋ぐ廃熱移送路32が設けられている。廃熱移送路32は、一方の炭化炉2の廃熱を他方の炭化炉2へ移送するための、気密性を有する通路である。廃熱移送路32の中間部には、廃熱移送路32を、気体が流通可能な開状態と、気体が流通不能な閉状態のいずれかに開閉可能な移送路開閉弁34が設けられている。
図1及び図2に示すように、炭化炉2Aと2Bとの間には、炭化装置1の動作を制御する制御部5が設けられている。以下、図3を参照して、制御部5の構成と制御部5によって制御される炭化装置1の構成要素との関係について説明する。制御部5は、操作部50と、システムコントローラ51と、燃焼コントローラ52と、ファンコントローラ53とを含む。システムコントローラ51、燃焼コントローラ52、及びファンコントローラ53は、夫々、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
操作部50は、作業者が各種指示を入力する際に使用される各種キーやディスプレイを含む。システムコントローラ51は、操作部50に接続されており、操作部50で入力された指示に基づき、炭化装置1全体の動作を制御する。具体的には、システムコントローラ51は、燃焼コントローラ52、窒素(N)ガス発生器80、真空ポンプ88、巻取りモータ60、及び燃料タンク41に対して各種制御信号を送ることで、これらの要素を以下のように制御する。
窒素ガス発生器80は、システムコントローラ51からの制御信号に基づいて動作し、空気から窒素と酸素を分離する。分離された窒素と酸素は、夫々、窒素(N)タンク81と酸素(O)タンク84に貯留され、窒素ガスパイプ82と酸素ガスパイプ85を通って、各炭化炉2に供給される。真空ポンプ88は、システムコントローラ51からの制御信号に基づき動作し、吸気路89を介して炭化炉2中の気体を排出し、炭化炉2の炉内を減圧する。巻取りモータ60は、システムコントローラ51からの制御信号に基づき動作し、巻取り機68を駆動してワイヤ67を巻き取ることで、炭化炉2の一方から他方へ、蓄熱板65を移送する。なお、外装20の上部扉28は、ワイヤ67の巻取りに連動する開閉機構(図示略)により、蓄熱板65の移送と連動して開閉するよう構成されている。燃料タンク41では、システムコントローラ51からの制御信号に基づいてバルブ(図示外)が開閉し、燃料パイプ42に燃料が供給される。なお、図3では、炭化炉2は1台しか図示されていないが、実際には、2台の炭化炉2に対応して2つの巻取りモータ60が設けられており、また、吸気路89や燃料パイプ42は各炭化炉2に設けられている。
燃焼コントローラ52には、ファンコントローラ53、廃熱移送ファン33、移送路開閉弁34、窒素ガスバルブ83、酸素ガスバルブ86、燃料バルブ46、及びバーナ43が接続されている。燃焼コントローラ52は、システムコントローラ51からの制御信号、及び燃焼コントローラ52に接続された温度センサ48からの検出信号に基づいて、これらの要素に各種制御信号を送ることで、その動作を制御する。なお、図3では、炭化炉2は1台しか図示されていないが、実際には、燃焼コントローラ52は、2台の炭化炉2に夫々設けられた廃熱移送ファン33、窒素ガスバルブ83、酸素ガスバルブ86、燃料バルブ46、及びバーナ43を制御する。また、温度センサ48は各炭化炉2に16個、燃料バルブ46、バーナ43及び火口45は各炭化炉2に8個ずつ設けられているが、いずれも1個のみが図示されている。
ファンコントローラ53は、燃焼コントローラ52からの制御信号に基づいて攪拌ファン31を動作させ、各炭化炉2内の気体を攪拌させる。一対の廃熱移送ファン33は、燃焼コントローラ52からの制御信号に基づき、両者が互いに異なる回転速度で回転することで、2台の炭化炉2のうち一方から他方へ熱風を流れ込ませる。移送路開閉弁34は、燃焼コントローラ52からの制御信号に基づいて開閉し、廃熱移送路32の状態を、開状態と閉状態のいずれかに切替える。窒素ガスバルブ83と酸素ガスバルブ86は、各炭化炉2内で行われる処理に応じて、炉内雰囲気が適切な状態となるように開閉状態が調整される。
温度センサ48は各炭化炉2内の夫々の設置箇所で温度を検出し、検出信号を燃焼コントローラ52にフィードバックする。バーナ43は燃焼コントローラ52からの制御信号に基づき点火され、燃料パイプ42を介して火口45まで供給された燃料が燃焼する。また、燃焼コントローラ52は、温度センサ48の検出信号に基づき、燃料バルブ46の開閉状態を調整して燃料の量を調節するとともに、窒素ガスバルブ83と酸素ガスバルブ86の開閉状態を調整して、窒素ガスパイプ82及び酸素ガスパイプ85から窒素ガス及び酸素ガスを適宜供給する。これにより、各炭化炉2内の温度分布が均一化されるように、火口45における燃焼状態が調整される。
図4〜図6を参照して、本実施形態で使用される炭化ユニット7について説明する。なお、図4の上下方向、左左右方向、右斜め下方向、左斜め上方向を、夫々、炭材ユニット7の上下方向、前後方向、右方向、左方向とする。図4に示すように、炭化ユニット7は、台車70に、小枝や端材等の燃焼材を詰めた燃焼材バケット77と、原木等の炭材を詰めた炭材バケット78が複数積載されたものである。図5に示すように、本実施形態では、台車70は、左右方向と前後方向の長さがいずれも略2mの底部71と、底部71の下部に取り付けられた4つの車輪72と、底部71の前後端と中間部に夫々50cm〜1m弱程度の高さで立設された3枚の隔壁73と、底部71から50cm程度上方に隔壁73間を繋ぐように設けられた2枚のスリット板74で形成されている。底部71として、例えばステンレス製の網目状の部材を用いることができる。隔壁73は断熱材で形成されていることが好ましい。スリット板74として、例えば、金属製または熱伝導性のよいセラミック製の板材を用いることができる。
スリット板74には、左右方向に長いスリット75が5本ずつ設けられている。図6に示すように、スリット75は、上面の開口と下面の開口の位置が上下方向で一致しないように、スリット板74の内部でその経路が屈曲している。また、スリット75の開口のサイズは、炭材が炭化処理された後の炭粉が漏れ落ちないようなサイズとするのが好ましい。なお、スリット板74には、スリット75に代えて、上面と下面で異なる位置に開口し、内部で屈曲した経路を有する円形や楕円形の孔が設けられていてもよい。
燃焼材バケット77と炭材バケット78は、夫々、左右方向と前後方向の長さが1m、高さが50cm程度の針金で形成された網状の容器である。つまり、台車70には、1段に4つの燃焼材バケット77又は炭材バケット78が積載可能である。つまり、炭材ユニット7は、平面視で4つの区画を有することになる。台車70にこれらを積載する場合、図5に示す底部71とスリット板74の間の空間に、4つの燃焼材バケット77が載置され、更に、図4に示すように、スリット板74の上に、1段に4つの炭材バケット78が複数段積載される。なお、図4では炭材バケットが2段積載されている例を図示しているが、炭材バケット78の段数は2段に限らず、炭化炉2のサイズに応じて適宜変更されればよい。
以下、図1及び図2を参照して、炭化装置1を用いて行われる炭化方法の一連の処理工程の詳細について説明する。なお、以下の説明では、炭化炉2Aで先に乾燥処理が開始され、続けて炭化処理が行われた後、炭化炉2Bで乾燥処理が開始される場合を例とする。まず、図2に示すように、炭化炉2Aの前部扉29が開けられ、前述のように燃焼材バケット77と炭材バケット78が積載された炭材ユニット7が、フォークリフト100等の搬送車を用いて開口26から搬入される。なお、この時点での炭材(原木)の水分含有率は35%程度である。炭材ユニット7は、台車70の車輪72がレール251上に載置された後、レール251に沿って炭化炉2A内を後方に移送される。そして、同様にして、もう1台の炭化ユニット7が、既に搬入された炭化ユニット7の手前に配置されると(図2の点線で示す炭化ユニット7の状態)、炭化炉2Aへの炭化ユニット7の設置が完了する。
その後、炭化炉2Aの前部扉29が閉じられて、炭化炉2Aは密閉される。作業者によって、操作部50から炭化炉2Aの乾燥処理開始の指示が入力されると、システムコントローラ51(図3参照)が、燃焼コントローラ52(図3参照)等に制御信号を送信し、乾燥処理(乾燥工程)が開始される。廃熱移送路32の移送路開閉弁34は閉じられており、廃熱移送ファン33や真空ポンプ88(図3参照)は作動しない。また、蓄熱板65は、炭化炉2Aの蓄熱室23に収容された状態とされる。炭化装置1で行われる最初の乾燥処理では、既に行われた炭化処理の廃熱が利用できないので、燃焼コントローラ52は、バーナ43に点火し、温度センサ48からの検出信号に基づき、燃料バルブ46、窒素ガスバルブ83及び酸素ガスバルブ86(図3参照)の開閉状態を調整して、炭化炉2A内部を乾燥処理に適した温度に保つ。なお、乾燥処理は、2台分の炭材の水分含有率を半日以内で20〜25%程度とする場合、炉内の雰囲気温度を100度前後とし、且つ、燃焼材や炭材が着火しないように、窒素タンク81から窒素を炉内に窒素を供給して行うことが好ましい。
炭化炉2Aで2台の炭化ユニット7の乾燥処理が終了すると、続けて炭化処理(炭化工程)が行われる。なお、炭化処理中も、炭化炉2Aで生じた熱が炭化炉2B側に漏れるのを防ぐため、廃熱移送路32の移送路開閉弁34は閉じられたままとされる。操作部50から炭化炉2Aの炭化処理開始の指示が入力されると、システムコントローラ51が燃焼コントローラ52等に制御信号を送信し、炭化処理が開始される。炭化処理では、炭化炉2Aの雰囲気温度は、温度センサ48からの検出信号に基づき、300度〜700度の間で、生産したい炭化物の種類に応じた温度に制御される。例えば、炭化炉2Aの雰囲気温度を300度と600度程度の2段階に制御し、時間をかけて炭化処理を行うことで、300度の低温炭化では蒸発ガスを回収して燃料化し、600度の高温炭化では通常の軟らかい炭を生産することができる。
なお、前述したように、各炭化ユニット7では、1段に4つの燃焼材バケット77又は炭材バケット78が積載されるので、2台の炭化ユニット7では、8つの区画が存在する。また、台車70に断熱材の隔壁73が設けられていることで、特に、前後方向では区画間は明確に分離されている。本実施形態では、これらの区画に対応するように、加熱室21に8個の火口45が設けられており、各火口45における燃焼状態を個別に制御できる。また、ファンコントローラ53により、攪拌ファン31が回転され、炉内の熱風が循環される。更に、炭材ユニット7の区画及び火口45の各々の近傍に温度センサ48(図1参照)が設けられているので、温度センサ48による検出結果に応じて、各火口45に対応するバーナ43や燃料バルブ46、窒素ガスバルブ83及び酸素ガスバルブ86の開閉状態を調整し、炭化炉2A内の温度分布を均一とする正確な制御が可能である。これにより、効率的な炭化処理を実現でき、炭化処理にかかる時間を、従来よりも短い6〜7時間程度とすることができる。また、炭化炉2A内で一度に炭化処理される炭材の品質を均質に保ち、高品質な炭化物を得ることができる。
また、炭化ユニット7では、最下段にある燃焼材バケット77の燃焼材は火口45からの炎にあたって燃焼する。しかし、燃焼材バケット77の上に配置されたスリット板74に設けられたスリット75(図6参照)は、内部で屈曲しているために、熱はスリット75を通って上方の炭材まで伝わるが、炎が直接炭材に当たることがない。従って、燃焼材を燃やして効率よく炭材を加熱しながら、炭材を効率的に炭化することができる。
なお、炭化炉2Aで炭化処理が行われている間に、次に乾燥処理が行われる炭化炉2Bでは、前述のように前部扉29を開けて2台の炭材ユニット7を炉内に設置する処理が行われる。そして、炭化炉2Bは、炭化炉2Aで炭化処理が終了するまで待機状態とされる。
炭化炉2Aで炭化処理(炭化工程)が終了すると、炭化炉2Aで炭化処理により発生した廃熱を、乾燥処理(乾燥工程)が行われる炭化炉2Bへ移送する処理(熱移送工程)が行われる。まず、作業者によって、操作部50から、炭化炉2Aから炭化炉2Bへの廃熱移送の開始指示が入力される。なお、この指示が入力された場合、廃熱の移送元である炭化炉2Aでは、熱移送工程に続けて炭化処理が終了した炭材(炭化物)の冷却工程が行われ、廃熱の移送先の炭化炉2Bでは、熱移送工程に続けて乾燥処理が行われる。
操作部50からの指示を受け付けたシステムコントローラ51は、まず、安全のため、炭化炉2Bの窒素ガスバルブ83を開放し、炭化炉2B内を窒素ガス雰囲気とする。その後、燃焼コントローラ52に制御信号を送り、移送路開閉弁34を開けて廃熱移送路32を開状態とし、更に、真空ポンプ88を動作させて、炭化炉2B内を減圧する。これにより、廃熱移送路32内で差圧が生じる。すなわち、廃熱の移送先の炭化炉2B側の方が、廃熱の移送元の炭化炉2A側よりも圧力が低くなる。従って、炭化炉2Aの廃熱を熱風として、廃熱移送路32を通って炭化炉2Bへ効率よく移送することができる。
更に、システムコントローラ51は、燃焼コントローラ52に制御信号を送り、炭化炉2Aの窒素ガスバルブ83を開放し、炭化炉2A内にも窒素ガスを導入するとともに、炭化炉2A、2Bの廃熱移送ファン33を回転させる。このとき、燃焼コントローラ52は、炭化処理が終了した炭化炉2Aの廃熱移送ファン33よりも、これから乾燥処理が行われる炭化炉2Bの廃熱移送ファン33の方が高速回転するように、両者に回転数差を設ける。これにより、真空ポンプ88での減圧に加え、炭化炉2A側の方が、炭化炉2B側よりも更に圧力が低くなる。従って、炭化炉2Aの廃熱を熱風として、廃熱移送路32を通って炭化炉2Bへ更に効率よく移送することができる。
続いて、システムコントローラ51からの制御信号により、炭化炉2Bの巻取りモータ60がワイヤ67を巻き取る。また、これに連動して、炭化炉2A、2Bの上部扉28が上方にスライドして開口27が開けられる。ワイヤ67に接続された蓄熱板65は、ワイヤ67の巻き取りに伴い、2つの開口27を通って、炭化炉2Aの炉内案内部63のローラ631上、熱媒体移送路61内の炉間案内路62のローラ621上、更に炭化炉2Bの炉内案内部63のローラ631上を滑りながら移動する。このように、簡便な方法で、蓄熱板65に蓄えられた熱を効率的に炭化炉2Bに移送できる。そして、炭化炉2Bの蓄熱室23に蓄熱板65が収容されると、システムコントローラ51は巻取りモータ60の駆動を停止する。併せて炭化炉2A、2Bの上部扉28が閉じられる。このようにして、蓄熱板65が、炭化処理が終了した炭化炉2Aから乾燥処理が行われる炭化炉2Bへ移送されると、炭化炉2Aから炭化炉2Bへの熱移送工程が終了する。
炭化炉2Bでは、熱移送工程により炭化炉2Aから廃熱を受け取ると、続けて、乾燥処理(乾燥工程)が開始される。乾燥処理では、受け取った廃熱を利用して、炉内の雰囲気温度を100度前後に保ちながら、炭材の乾燥が行われる。上記の熱移送工程において、炭化炉2Bには、廃熱移送路32を通って流入した熱風と、移送された蓄熱板65により熱が移送されている。前述のように、炭化処理中は、炉内の雰囲気温度は300〜700度程度となるので、移送される熱風や蓄熱板65の温度も、それにあわせて数百度となる。従って、これらの熱が移送されることで、炭化炉2Bの炉内の雰囲気温度を100度前後に上昇させることができる。つまり、乾燥処理には十分な高温となるため、乾燥処理の初期には、バーナ43を点火して燃料を燃やす必要はない。なお、前述のように、熱移送工程の開始時に、炭化炉2B内は窒素ガス雰囲気とされているので、燃焼材や炭材が着火することを防止できる。
その後、蓄熱板65は放熱により徐々に温度低下していくので、そのままでは炉内の温度も低下する。よって、燃焼コントローラ52は、温度センサ48からの検出信号を監視し、乾燥処理中に炉内の雰囲気温度が100度よりも低下した場合、バーナ43に点火する。また、ファンコントローラ53により、攪拌ファン31を動作させる。その後は、温度センサ48からの検出信号に基づき、燃料バルブ46、窒素ガスバルブ83及び酸素ガスバルブ86の開閉状態を調整して、炭化炉2A内部を乾燥処理に適した温度(好ましくは100度前後)に保つ。なお、炭化処理時と同様、乾燥処理でも、各区画の個別の燃焼制御や温度センサ48によるフィードバックが行われることで、炉内の雰囲気温度を均一に保ち、炭材を均一に乾燥することができる。炭化炉2Bにおける乾燥処理終了後の炭化処理は、前述した炭化炉2Aにおける処理と同様である。
一方、炭化処理が終了した炭化炉2Aでは、炭化炉2Bの乾燥処理(乾燥工程)と並行して、炭化された炭材(炭化物)の冷却処理(冷却工程)が行われる。前述のように、熱移送工程において、廃熱が炭化炉2Bに移送されて炭化炉2Aからが奪われ、更に、炭化炉2A内にも窒素ガスが導入されることで、本実施形態の冷却工程では、効率的に炭化物の冷却を行うことができる。その結果、炭化炉2Bにおける乾燥処理が終了し、炭化処理が開始される頃には、炭化炉2Aの炭化物の冷却も完了できる。なお、乾燥処理及び並行して行われる冷却処理にかかる時間は半日程度である。その後、炭化炉2Bで炭化処理が行われている間に、炭化炉2Aでは、炭化物を回収し、次に乾燥処理に供される炭材ユニット7を搬入する等、乾燥処理(乾燥工程)の準備を行うことができる。
炭化炉2Bで炭化処理が終了すると、炭化炉2Bにおける炭化処理で生じた廃熱を、次に乾燥処理が行われる炭化炉2Aに移送する熱移送工程が、炭化炉2Aから炭化炉2Bへの移送の場合と逆方向で行われる。その後は、炭化炉2Aでは廃熱を利用して乾燥処理(乾燥工程)が開始され、炭化炉2Bでは炭化物の冷却工程が行われる。その後も、同様にして、炭化炉2A、2Bのうち一方で炭化処理が終了した後、その廃熱が他方へ移送されて乾燥処理が開始されるようにサイクルをずらして、炭化炉2A、2Bの各々で乾燥工程及び炭化工程を含む一連の処理が繰り返される。
なお、前述したように、本実施形態の炭化炉2A、2Bのサイズと炭材ユニット7のサイズであれば、処理に要する時間は、乾燥処理が半日程度、炭化処理が6〜7時間である。従って、例えば、炭化炉2A、2Bの一方で朝から炭化処理を行い、その日の午後に他方で乾燥処理を開始するというサイクルとすれば、毎日午前中に、2台の炭化炉2A、2Bのいずれかから、生産された炭化物を回収することができる。
以上に説明したように、本実施形態の炭化装置1及び炭化装置1を用いた炭化方法によれば、炭化炉2A、2Bのうちいずれか一方で炭化処理を行う間、他方を乾燥処理のために待機させておき、一方の炭化処理が終了した後は、他方において廃熱を利用した乾燥処理を行うことができる。乾燥処理が終了した炭化炉にはある程度の熱が残っているため、そのまま炭化処理に移行できる。その間、先に炭化処理が終了した炭化炉では、炭化物の冷却や次の乾燥処理の準備等を行うことができる。そして、次の炭化処理が終了すると、前に炭化物の冷却が終了した炭化炉で、新たな炭材の乾燥処理を行うことができる。つまり、炭化炉2A、2Bの各々で、もう1台の炭化炉とはサイクルをずらしながら、乾燥処理から炭化処理までの一連の処理を行うことで、炭化装置1全体で、廃熱を利用して効率的な処理を行うことができる。
本実施形態では、バーナ43が「加熱手段」に相当する。廃熱移送路32及び熱媒体移送路61は、夫々「連結手段」に相当する。炉間案内路61とローラ62が、夫々、「案内路」と「第一ローラ」に相当し、各炭化炉2の開口27は、「開口部」に相当し、炉内案内部63とローラ631は、夫々、「炉内案内部」と「第二ローラ」に相当する。蓄熱板65は「固体熱媒体」に相当し、巻取りモータ60とワイヤ67と巻取り機68は、「熱媒体移送手段」に相当する。廃熱移送路32は「通路」に相当し、移送路開閉弁34は、「通路開閉手段」に相当する。炭化炉2A、2Bに夫々設けられた廃熱移送ファン33は、「一対のファン」に相当する。燃焼コントローラ52は、「開閉切替え手段」及び「ファン制御手段」に相当する。真空ポンプ88は、「減圧手段」に相当する。温度センサ48は、「温度検出手段」に相当する。燃焼コントローラ52が「加熱制御手段」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態に加えうる変更の例について説明する。例えば、上記実施形態では、2台の炭化炉2A、2Bを含む炭化装置1を例示した。しかし、炭化装置1は、各々が加熱手段を備え、乾燥処理及び炭化処理を行う機能を有する複数の炭化炉を含み、複数の炭化炉が、炉内で発生した熱を他の炭化炉に移送可能に連結され、いずれかの炭化炉で炭化処理が終了する度に、炭化処理で発生した熱が、乾燥処理が行われる他の炭化炉に移送されるように構成されていればよい。
炭化装置1は、3台以上の炭化炉を含んでもよい。この場合、3台以上の炭化炉は環状に配置され、炭化処理で生じた廃熱の移送が所定の方向で行われ、乾燥処理の開始タイミングが廃熱の移送に応じて決められるとよい。例えば、第1、第2、第3炭化炉の3台の炭化炉を含む場合、第1炭化炉で炭化処理が終了すると、第2炭化炉へ廃熱が移送されて乾燥処理が開始される。その後、第2炭化炉で乾燥処理と炭化処理が終了すると、第3炭化炉へ廃熱が移送されて乾燥処理が開始される。更に、第3炭化炉で乾燥処理と炭化処理が終了すると、第1炭化炉へ廃熱が移送されて乾燥処理が開始される。廃熱が移送される方向は、この逆方向でもよい。なお、3台以上の炭化炉を環状に配置すると、廃熱移送の点では効率がよく好ましいが、上記のタイミングで廃熱移送と乾燥処理が開始できる限り、必ずしも環状に配置する必要はない。また、炭化装置1が2台の炭化炉2を含む場合でも、上記実施形態のように左右方向に発明並べる必要はなく、前後方向に並べてもよい。
また、炭化装置1を用いて行われる炭化方法は、複数の炭化炉の各々で行われる乾燥工程及び炭化工程と、炭化工程が終了したいずれかの炭化炉から乾燥工程が行われる他の炭化炉へ熱移送工程とを少なくとも含み、熱移送工程で熱を受け取った炭化炉で乾燥工程が開始できる限り、他の工程を含んでもよい。
また、上記実施形態では、炭化炉2A、2Bの一方における炭化処理で生じた廃熱を他方に移送するために、廃熱移送ファン33、真空ポンプ88、及び蓄熱板65が使用されている。この場合、廃熱を、一方から他方へ非常に効率的に移送することができる。しかしながら、炭化装置1にはこれらの要素の全てが備わっている必要はない。例えば、廃熱移送ファン33によって、廃熱移送路32を通して熱風を送るだけでもよい。真空ポンプ88によって、廃熱移送路32を通して熱風を送るだけでもよい。また、熱媒体である蓄熱板65が移送されるだけでもよい。
廃熱は、熱風や蓄熱板65に蓄積された熱以外の態様で移送されてもよい。例えば、炭化炉2の断熱的な外装20内の上層部、つまり、炉内の熱が滞留する部位(上記実施形態の蓄熱室23)に、気密性を有するタンクを設置して、内部には、数百度の高温に耐える流動性の熱媒体(例えば、オイル、ゲル)を貯留する。そして、各炭化炉2のタンクを、連結パイプで繋ぐ。なお、各タンクには真空ポンプを接続し、連結パイプの両端には、気密性を有する開閉バルブを設ける。そして、炭化処理が行われる炭化炉2で廃熱を熱媒体に蓄えておき、炭化処理終了後の熱移送工程で、開閉バルブを開き、乾燥処理が行われる炭化炉2のタンク内を真空ポンプで減圧することで負圧化し、熱媒体をそのタンクに流動的に移送させる。このような簡便な方法でも、熱媒体を使用した廃熱の移送が可能である。
上記実施形態では、加熱手段として、燃料を燃焼させるバーナ43が用いられているが、このほか、例えば、数百度の過熱水蒸気を発生する水蒸気発生器を使用してもよい。水蒸気発生器は火を使用しないため、より安全な処理が可能となる。
また、上記実施形態で説明した炭化炉2や炭材ユニット7のサイズ、炭材ユニット7や台車70の構成、炭化炉2におけるバーナ43、火口45、温度センサ48等の配置はあくまでも例示であり、適宜変更が可能なことは勿論である。例えば、バーナ43、火口45、温度センサ48は、炭化炉のサイズに応じて、設けられる数やその配置位置が定められればよい。バーナ43、火口45は、各炭化炉に複数設けて個別制御可能とするのが好ましいが、炭化炉が小さい場合には1つのみが設けられてもよい。また、炭材を炭化炉内に配置するのに、必ずしも台車70を使用する必要はない。台車70には、必ずしも隔壁73やスリット板74を設ける必要はない。また、炭材バケット78の下に必ずしも燃焼材バケット77を配置する必要はない。炭材ユニット7のように、炭材バケット78を区画して台車70に載置すれば、実施形態の炭化炉2のように、加熱手段が複数の区画に分かれて個別制御できる場合には好ましいが、必ずしも区画して台車70に載置する必要はない。
1 炭化装置
2 炭化炉
27 開口
32 廃熱移送路
33 廃熱移送ファン
34 移送路開閉弁
43 バーナ
45 火口
48 温度センサ
5 制御部
51 システムコントローラ
52 燃焼コントローラ
60 巻取りモータ
68 巻取り機
61 炉間案内路
63 炉内案内路
65 蓄熱板
88 真空ポンプ

Claims (12)

  1. 有機物を炭化する炭化装置であって、
    各々が、炉内を加熱する加熱手段を有し、前記有機物を乾燥する乾燥処理と、前記乾燥処理で乾燥された前記有機物を炭化する炭化処理とを行う機能を有する複数の炭化炉と、
    前記複数の炭化炉を、炉内で発生した熱を他の炭化炉に移送可能に互いに連結する連結手段と、
    前記連結手段を介して、前記複数の炭化炉のうちいずれかの炭化炉で炭化処理が終了する度に、炭化処理で発生した熱を、乾燥処理が行われる他の炭化炉へ、前記連結手段を介して移送する熱移送手段とを備えたことを特徴とする炭化装置。
  2. 前記複数の炭化炉の各々は、断熱的な外装内に、乾燥処理及び炭化処理に供される前記有機物が配置される下層部と、前記下層部の上方に位置し、前記下層部との間で気体の流通が可能な上層部とを含み、
    前記熱移送手段は、
    前記複数の炭化炉のうち炭化処理が行われる炭化炉の前記上層部に配置される、蓄熱可能な熱媒体と、
    前記熱媒体を、前記複数の炭化炉のうち炭化処理が終了したいずれかの炭化炉から乾燥処理が行われる他の炭化炉へ、前記連結手段を介して移送する熱媒体移送手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化装置。
  3. 前記連結手段は、前記複数の炭化炉を結ぶ方向に回転可能に配置された複数の第一ローラを備えた案内路を含み、
    前記複数の炭化炉の各々は、
    前記上層部の前記案内路の一端が接続する位置に設けられた開閉可能な開口部と、
    前記上層部に、前記案内路に接続して設けられ、前記複数の第一ローラと同じ方向に回転可能に配置された複数の第二ローラを備えた炉内案内部とを備え、
    前記熱媒体は、固体熱媒体であり、
    前記熱媒体移送手段は、前記固体熱媒体を前記複数の第一ローラ及び前記複数の第二ローラ上を滑らせて、前記複数の炭化炉のうち炭化処理が終了したいずれかの炭化炉から乾燥処理が行われる他の炭化炉へ、前記炉内案内部と前記開口部と前記案内路を介して移動させることを特徴とする請求項2に記載の炭化装置。
  4. 前記連結手段は、前記複数の炭化炉間の気体の流通を可能とする、気密性を有する通路を含み、
    前記熱移送手段は、
    前記通路に設けられ、前記通路を、前記気体が流通可能な開状態と、前記気体が流通不能な閉状態のいずれかに開閉可能な通路開閉手段と、
    前記通路の両側に設けられた一対のファンと、
    前記複数の炭化炉のうちいずれかで炭化処理が行われている間、炭化処理が行われている前記炭化炉に通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記閉状態とし、炭化処理の終了後に、炭化処理が行われた前記炭化炉から乾燥処理が行われる他の炭化炉へ通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記開状態とする開閉切替え手段と、
    前記一対のファンのうち、炭化処理が終了した前記炭化炉側にあるファンである第一ファンと、乾燥処理が行われる前記炭化炉側にあるファンである第二ファンとを、前記第二ファンの方が前記第一ファンよりも高速となる回転数差を設けて回転させるファン制御手段とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭化装置。
  5. 前記連結手段は、前記複数の炭化炉間の気体の流通を可能とする、気密性を有する通路を含み、
    前記熱移送手段は、
    前記通路に設けられ、前記通路を、前記気体が流通可能な開状態と、前記気体が流通不能な閉状態のいずれかに開閉可能な通路開閉手段と、
    前記複数の炭化炉のうちいずれかで炭化処理が行われている間、炭化処理が行われている前記炭化炉に通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記閉状態とし、炭化処理の終了後に、炭化処理が行われた前記炭化炉から乾燥処理が行われる他の炭化炉へ通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記開状態とする開閉切替え手段と、
    前記複数の炭化炉のうちいずれかで炭化処理が終了した後、乾燥処理が行われる前記炭化炉の炉内の圧力を、炭化処理が終了した前記炭化炉の炉内の圧力よりも減圧する減圧手段とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭化装置。
  6. 前記複数の炭化炉の各々において、
    炉内側面部が耐火断熱材によって形成され、
    炉内底部に、前記加熱手段が複数配置され、
    炉内には、複数の温度検出手段が設けられ、
    前記複数の温度検出手段によって検出された炉内温度の分布に基づき、前記分布が炉内で均一となるように、前記複数の加熱手段を制御する加熱制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭化装置。
  7. 連結手段によって、炉内で発生した熱を他の炭化炉に移送可能に互いに連結された複数の炭化炉において行われる、有機物を炭化する炭化方法であって、
    前記複数の炭化炉の各々において、前記有機物を乾燥する乾燥処理を行う乾燥工程と、
    前記複数の炭化炉の各々において、乾燥された前記有機物を炭化する炭化処理を行う炭化工程と、
    前記複数の炭化炉のうち前記炭化工程が終了したいずれかの炭化炉で炭化処理により発生した熱を、前記乾燥工程が行われる他の炭化炉へ、前記連結手段を介して移送する熱移送工程とを含み、
    前記複数の炭化炉の各々において、他のいずれかの炭化炉から前記連結手段を介して炭化処理によって発生した前記熱を受け取る度に、前記熱を利用して前記乾燥工程を開始し、その後、前記炭化工程を行うことを特徴とする炭化方法。
  8. 前記複数の炭化炉の各々は、断熱的な外装内に、乾燥処理及び炭化処理に供される前記有機物が配置される下層部と、前記下層部の上方に位置し、前記下層部との間で気体の流通が可能な上層部とを含み、
    前記炭化工程は、前記上層部に蓄積可能な熱媒体が配置された状態で行われ、
    前記熱移送工程では、
    前記熱媒体を、前記複数の炭化炉のうち前記炭化工程が終了したいずれかの炭化炉から前記乾燥工程が行われる他の炭化炉へ、前記連結手段を介して移送することを特徴とする請求項7に記載の炭化方法。
  9. 前記連結手段は、前記複数の炭化炉を結ぶ方向に回転可能に配置された複数の第一ローラを備えた案内路を含み、
    前記複数の炭化炉の各々は、
    前記上層部の前記案内路の一端が接続する位置に設けられた開閉可能な開口部と、
    前記上層部に、前記案内路に接続して設けられ、前記複数の第一ローラと同じ方向に回転可能に配置された複数の第二ローラを備えた炉内案内部とを備え、
    前記熱媒体は、固体熱媒体であり、
    前記炭化工程は、前記上層部に前記熱媒体として固体熱媒体が配置され、前記開口部が閉じられた状態で行われ、
    前記熱移送工程では、
    前記開口部を開いた状態とし、前記固体熱媒体を、前記複数の第一ローラ及び前記複数の第二ローラ上を滑らせて、前記複数の炭化炉のうち前記炭化工程が終了したいずれかの炭化炉から前記乾燥工程が行われる他の炭化炉へ、前記炉内案内部と前記開口部と前記案内路を介して移動させることを特徴とする請求項8に記載の炭化方法。
  10. 前記連結手段は、前記複数の炭化炉間の気体の流通を可能とする、気密性を有する通路を含み、
    前記炭化工程では、前記通路に設けられ、前記炭化処理が行われている間、前記通路を、前記気体が流通可能な開状態と、前記気体が流通不能な閉状態のいずれかに開閉可能な通路開閉手段を前記閉状態とし、
    前記熱移送工程では、前記炭化工程が終了した前記炭化炉から前記乾燥工程が行われる前記炭化炉へ通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記開状態とし、前記通路の両側に設けられた一対のファンのうち、前記炭化工程が終了した前記炭化炉側にあるファンである第一ファンと、前記乾燥処理が行われる前記炭化炉側にあるファンである第二ファンとを、前記第二ファンの方が前記第一ファンよりも高速となる回転数差を設けて回転させることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の炭化方法。
  11. 前記連結手段は、前記複数の炭化炉間の気体の流通を可能とする、気密性を有する通路を含み、
    前記炭化工程では、前記炭化処理が行われている間、前記通路に設けられ、前記通路を、前記気体が流通可能な開状態と、前記気体が流通不能な閉状態のいずれかに開閉可能な通路開閉手段を前記閉状態とし、
    前記熱移送工程では、前記炭化工程が終了した前記炭化炉から前記乾燥工程が行われる前記炭化炉へ通じる前記通路の前記通路開閉手段を前記開状態とし、前記乾燥工程が行われる前記炭化炉の炉内の圧力を、前記炭化工程が終了した前記炭化炉の炉内の圧力よりも減圧することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の炭化方法。
  12. 前記複数の炭化炉の各々において、
    炉内側面部が耐火断熱材によって形成され、
    炉内底部に、複数の加熱手段が配置され、
    炉内には、複数の温度検出手段が設けられ、
    前記乾燥工程と前記炭化工程では、前記複数の温度検出手段によって検出された炉内温度の分布に基づき、前記分布が炉内で均一となるように前記複数の加熱手段を制御することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の炭化方法。
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