JP2012082252A - 炭化装置 - Google Patents

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孝治 板津
Yukiji Taguchi
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Abstract

【課題】加熱室を加熱するために用いられる加熱手段や有機物が収用される炭化室の素材を変更することなく有機物に作用させる炭化温度を上昇させ、ひいては高品質の炭化物を得ることができる新規な炭化装置を提供する。
【解決手段】加熱手段7,108により内部が加熱される加熱室3a,103aと、この加熱室の内側に配置されてなるとともに、内部には有機物が収容される炭化室(炭化炉15,104)又は有機物が収納され多数の透孔が形成された収納ボックス150が配置される炭化室と、を備えてなるとともに、上記加熱室内には、過熱水蒸気製造装置85,131が配置されてなるとともに、上記炭化室内には、上記過熱水蒸気製造装置により製造された過熱水蒸気を該炭化室内に収容された有機物又は上記収納ボックスに収納された有機物に直接噴射する過熱蒸気噴射ノズル92・・・94,140a,140b,141aが配置されてなる。

【選択図】 図1

Description

本発明は、有機物を加熱して炭化し炭化物を得る際に使用する炭化装置に関し、特に、高温にて炭化し高品質な炭化物を得ることができる炭化装置に関するものである。
炭化装置は、炭化物を得ることを目的に使用されるものであるが、近年は廃棄物としての有機物を原料として炭化物を得る炭化装置は、これまで多用されてきた焼却装置に比べて二酸化炭素の排出やダイオキシンの発生を大きく抑制することができ、また、該炭化装置により得られた炭化物を燃料,土壌改良剤或いは調湿材等としてリサイクルが可能となる等のメリットから、各種の炭化装置(炭化炉)が提案され実施されている。
ところで、従来の炭化装置には、有機物を炭化物収納ボックスに収納して炭化処理を行う所謂バッチ式タイプの炭化装置と、有機物を炭化室に供給するとともに該炭化室で炭化処理された炭化物を自重により下方に排出するタイプ(間欠式)の炭化装置に分類することができる。なお、この間欠式の炭化装置は、上記バッチ式タイプの炭化装置よりも炭化処理の効率性を上げるために開発されたものである。上記バッチ式タイプの炭化装置としては、例えば、バーナー等の加熱手段により内部が加熱される燃焼室と、この燃焼室に連続し有機物が収納される炭化用収納ボックスが内部に収容される加熱室と、この加熱室の開口全面を封止して外気と遮断する開閉扉と、上記炭化用収納ボックスに形成された乾留ガス排出孔と、を備え、上記乾留ガス排出孔からの乾留ガスを加熱室の高温雰囲気に触れさせて燃焼させるものである(特許文献1参照)。こうしたバッチ式タイプの炭化装置では、上記炭化用収納ボックス内に収納された有機物は、上記加熱手段により加熱されることにより炭化処理されるとともに、こうした炭化処理に伴って乾留ガス排出孔から加熱室内に排出された残留ガスを燃焼させることにより、消費エネルギーを削減しようとするものである。
一方、上記間欠式の炭化装置は、上記バッチ式タイプの炭化装置が有する課題、すなわち該バッチ式タイプの炭化装置では炭化用収納ボックスをその都度上記加熱室に収容し取り出す作業が伴うことを解決するために提案されたのもであって、鉛直方向に長さを有しバーナー等の加熱手段により加熱される加熱室と、上部に有機物が投入される投入口が形成され下部には炭化処理された炭化物が排出される排出口が形成された炭化室と、上記投入口を閉塞する閉塞機構と、上記排出口を閉塞する閉塞機構と、上記炭化室内を撹拌する撹拌機構と、上記炭化室内で発生した乾留ガスを上記加熱室内に導入する乾留ガス導入路と、を備えてなるものである(特許文献2参照)。こうした間欠式の炭化装置による場合においても、上記炭化室内に収容された有機物は、加熱手段による加熱室内の加熱により炭化処理され、また、該加熱室内の加熱は残留ガスを利用するものであることから、消費エネルギーを削減することが可能となる。特に、こうした間欠式の炭化装置によれば、炭化用収納ボックスをその都度上記加熱室に収容し取り出す作業が不要となるので、作業効率を高めることが可能となる
特開2003−286489号公報 特開2006−219597号公報
ところで、炭化装置により製造される炭化物は、炭化温度が高いほど高品質なものとなることが知られている。例えば、電気抵抗は、炭化温度が高いほど低くなるとともに、表面積も増大して吸着作用や調湿作用も炭化温度が高いほど効果的となることが知られている。したがって、炭化装置により得られる炭化物の品質を向上させ、有価物としての価値を高めるためには、炭化温度を上げることが重要な要素の一つとなる。
しかしながら、上述した特許文献1に開示されるようなバッチ式タイプの炭化装置や、特許文献2に開示されるような間欠式の炭化装置では、何れも炭化物となる有機物が収納又は収用される炭化用収納ボックス又は炭化室は、その周囲に形成された加熱室内の温度を上昇させることにより、間接的に有機物の温度(炭化温度)を上昇させる構造であるために、炭化物となる有機物に作用させる炭化温度を上昇させるためには限界が生ずる。このことをより詳細に説明すれば以下のとおりである。炭化温度を上げることを目的に、加熱室内の温度をより一層上昇させるためには、例えば、加熱手段の数を増加させ、或いは、加熱手段として採用されているバーナーを他の加熱手段に変更する等の対策が考えられる。しかし、こうした方法はコスト高となるばかりか、他方では、炭化室を形成する素材は加熱室内の温度を該炭化室内に作用させるためにその加工性は勿論、熱伝導率の高い物質が選択される必要性があり、こうした条件を満たす素材としては、各種の鋼鉄等を使用することが考えられる。ところが、上記目的のために加熱室内の温度を上げると、炭化室を形成する鋼鉄等の素材が変形したり劣化したりする場合が多く、事実上使用することができない。すなわち、高品質の炭化物を得るため炭化温度を上げることを目的に、従来以上に加熱室内の温度を上昇させるために採用される各種の方法は、炭化室等に用いる素材の変形や劣化等に起因して限界があり、さらに炭化装置の製造コストやランニングコストの低減をも考慮すれば、より大きな限界がある。
そこで、本発明は、上述した従来の炭化装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、加熱室を加熱するために用いられる加熱手段や有機物が収用される炭化室の素材を変更することなく有機物に作用させる炭化温度を上昇させ、ひいては高品質の炭化物を得ることができる新規な炭化装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、加熱手段により内部が加熱される加熱室と、この加熱室の内側に配置されてなるとともに、内部には有機物が収容される炭化室又は有機物が収納され多数の透孔が形成された収納ボックスが配置される炭化室と、を備えてなるとともに、
上記加熱室内には、過熱水蒸気製造装置が配置されてなるとともに、上記炭化室内には、上記過熱水蒸気製造装置により製造された過熱水蒸気を該炭化室内に収容された有機物又は上記収納ボックスに収納された有機物に直接噴射する過熱蒸気噴射ノズルが配置されてなることを特徴とするものである。
この第1の発明に係る炭化装置では、加熱手段により加熱室が加熱されることにより、該加熱室の内側に配置された炭化室が加熱されるとともに、炭化室内に配置された過熱蒸気噴射ノズルから過熱水蒸気が、該炭化室内に収容された有機物や、多数の透孔が形成された収納ボックス内に収納された有機物に直接噴射される。すなわち、この発明に係る炭化装置では、炭化室内に収容され上記収納ボックス内に収納された有機物は、上記加熱手段により間接加熱がなされるとともに上記過熱蒸気噴射ノズルから噴射される過熱水蒸気により直接加熱がなされる。したがって、こうした炭化装置によれば、加熱室を加熱するために用いられる加熱手段や有機物が収用される炭化室等の素材を変更することなく有機物に作用させる炭化温度を上げることができ、ひいては高品質の炭化物を得ることができる。換言すれば、この第1の発明に係る炭化装置は、過熱水蒸気を有機物に直接噴射することにより炭化処理するものであって、炭化室の外側から炭化室内の温度をこれまで以上に上昇させるものではないことから、炭化室を形成する鋼鉄等の素材を変更する必要はなく、これまで使用されてきた素材、或いはこれまで使用されてきた素材よりも安価な素材を使用することができるようになる(炭化室を形成する素材の選択肢を増加させることができる)。
さらに、この第1の発明に係る炭化装置では、上記加熱室内には、過熱水蒸気製造装置が配置され、上記炭化室内には、上記過熱水蒸気製造装置により製造された過熱水蒸気を該炭化室内に収容された有機物又は上記収納ボックスに収納された有機物に直接噴射するものであり、有機物に直接噴射される過熱水蒸気は、上記加熱室を加熱する加熱手段とは別個の熱エネルギーを用いて過熱水蒸気を製造するものではなく、上記加熱室内の加熱温度を利用して製造されるものであることから、ランニングコストを大幅に低減することが可能となる。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記加熱室は、該加熱室内のガスを大気に放出する排気通路に接続され、この排気通路の中途部には、水から飽和蒸気を製造する飽和蒸気製造装置が配置されてなるとともに、上記加熱室内に配置された過熱水蒸気製造装置は、この飽和蒸気製造装置と管路を介して接続されてなることを特徴とするものである。
この第2の発明に係る炭化装置では、前記過熱水蒸気製造装置は、管路を介して、水から飽和蒸気を製造する飽和蒸気製造装置に接続されてなり、該飽和水蒸気発生装置は、加熱室内のガスを大気に放出する排気通路に接続されている。したがって、水から飽和水蒸気を製造する工程と、飽和水蒸気から過熱水蒸気を製造する工程は、全て別個のエネルギーを用いて製造するものではなく、加熱室内の加熱温度を利用して製造されるものであることから、ランニングコストを更に大幅に低減することが可能となる。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記炭化室には、有機物が収納され多数の透孔が形成された収納ボックスが配置されてなるとともに、前記過熱蒸気噴射ノズルは、該炭化室の天井側の左右両側から床側に向かって噴射され、該過熱水蒸気は、収納ボックスの下面側から上方に向かって対流するように構成されてなることを特徴とするものである。
この第3の発明に係る炭化装置は、上記第1又は第2の発明を、いわゆるバッチ式タイプのものに限定したものであり、上述したように、過熱蒸気噴射ノズルは、該炭化室の天井側の左右両側から床側に向かって噴射され、該過熱蒸気噴射ノズルから噴射された過熱水蒸気は、収納ボックスの下面側から上方に向かって対流するように構成されてなる。したがって、第3の発明に係る炭化装置によれば、該収納ボックスに収納された有機物を、該収納ボックスの上方に収納された有機物のみが偏って炭化されるものではなく、上下方向において均一に炭化温度を上昇させることができ、ひいては高品質な炭化物を均一に製造することができる。
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記炭化室は鉛直方向に長さを有してなるとともに、前記過熱蒸気噴射ノズルは、炭化装置の長さ方向に亘ってそれぞれ複数の位置に配置されてなることを特徴とするものである。
この第4の発明に係る炭化装置では、上記第1又は第2の発明を、いわゆる間欠式タイプのものに限定したのもであって、前記炭化室は、鉛直方向に長さを有しており、過熱蒸気噴射ノズルの配置位置は、該炭化室の長さ方向に亘ってそれぞれ複数の位置に配置されている。したがって、各過熱蒸気噴射ノズルからはそれぞれ過熱水蒸気が有機物に直接噴射される。そして、この第4の発明では、上記過熱蒸気噴射ノズルは、例えば、炭化室の中間位置と、この中間位置よりもやや下側の位置と、この下側の位置よりも更に下側の位置とに配置されている。炭化室内部の温度は、通常上方が最も高く、下方となるに従って徐々に温度が低下するところ、この第4の発明のように、過熱蒸気噴射ノズルを炭化室の長さ方向に亘って複数個所に配置し、それぞれの過熱蒸気噴射ノズルから過熱水蒸気を噴射することにより、万遍なく均一に炭化室内の炭化温度を上昇させることができ、高品質な炭化物を均質に製造することができる。
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、上記第4の発明において、前記複数の過熱水蒸気噴射用ノズルの少なくとも何れか1つは、前記炭化室の中心方向に対して傾斜した方向に過熱水蒸気が噴射するように傾斜してなることを特徴とするものである。
この第5の発明に係る炭化装置では、前記複数の過熱水蒸気噴射用ノズルの少なくとも何れか1つは、前記炭化室の中心方向に対して傾斜した方向に過熱水蒸気が噴射するように傾斜してなるものである。したがって、過熱水蒸気噴射用ノズルの全てが傾斜してなるものであっても良いし、その一部が傾斜してなるものであっても良い。そして、この傾斜方向は、前記炭化室の中心方向に対して傾斜していれば良く、鉛直方向に長さを有する炭化室の鉛直方向ないし上下方向に傾斜している場合であっても、水平方向に傾斜してなるものであっても良いし、更には、炭化室の鉛直方向ないし上下方向に傾斜している過熱水蒸気噴射用ノズルと、水平方向に傾斜している過熱水蒸気噴射用ノズルとをそれぞれ配置したものであっても良い。
こうした構成に係る炭化装置によれば、より一層炭化室内における炭化温度を均一に上昇させることができ、ひいては高品質な炭化物を均一に製造することができる。
また、第6の発明(請求項6記載の発明)は、上記第1,第2又は第3の発明の何れかにおいて、前記加熱室の隣には、複数の貫通穴が形成された隔壁を間に介して該加熱室と連通してなる燃焼室が形成され、この燃焼室を形成する側壁には前記加熱手段としての燃焼バーナーが配置されてなるとともに、前記炭化室と上記燃焼室とは、該炭化室内が加熱されることにより有機物から発生する乾留ガスを該炭化室内から燃焼室内に導入する乾留ガス導入路が形成されてなることを特徴とするものである。
この第6の発明に係る炭化装置では、燃焼室内が燃焼バーナーにより加熱されると、隔壁に形成された複数の貫通穴を介して加熱室の温度が上昇し、この加熱室の温度上昇により炭化室の温度が上昇し、該炭化室内に収容された有機物が炭化される。そして、このように炭化室内において有機物が炭化される過程において、該有機物から発生した乾留ガスは上記乾留ガス導入路を介して上記燃焼室内に供給され、該燃焼室内で燃焼される。したがって、こうした第6の発明によれば、乾留ガスを燃焼室内で燃焼させることから、消費エネルギー(ランニングコスト)を抑制することができるばかりではなく、燃焼バーナーから生ずる燃焼ガスを直接炭化室に照射するものではないことから、第1の発明で説明した過熱水蒸気を利用することと相俟って、炭化室を形成する素材の選択肢をより増加させることが可能となる。
また、第7の発明(請求項7記載の発明)は、上記第1ないし第6の発明の何れかにおいて、前記炭化室の上方には有機物を内部に投入する投入用開口が形成され、該炭化室の下方には炭化処理された炭化物を排出する排出用開口が形成され、上記投入用開口は、上記炭化室内に有機物を投入する投入装置を構成する押出部材により開閉自在とされてなるとともに、前記炭化室内には、駆動装置の駆動により回動することにより有機物又は炭化物を撹拌するとともに鉛直方向に配置された回動パイプを備えた撹拌部材が配置され、上記回動パイプ内には、上記排出用開口を閉塞する閉塞部材が下端に固定され、昇降駆動装置の駆動により昇降自在となされた昇降駆動軸が挿通されてなり、前記過熱水蒸気噴射ノズルは、上記回動パイプの下端よりも下方に配置された下側噴射ノズルと、上記回動パイプの下端よりも上方に配置された上側噴射ノズルを備えてなることを特徴とするものである。
この第7の発明に係る炭化装置では、上記投入装置を構成する押出部材が(該投入装置を構成するスライド駆動装置の駆動により)スライドすると、炭化室内に有機物が投入されるとともに投入用開口が閉塞される。また、昇降駆動軸の下降により、炭化室の下方に形成された排出用開口は、該昇降駆動軸の下端に固定された閉塞部材により閉塞される。そして、こうした状態において、前記請求項1記載の炭化装置を構成する加熱手段又は請求項4記載の炭化装置を構成する燃焼バーナーにより加熱室が加熱されるとともに、過熱水蒸気噴射ノズルから過熱水蒸気が直接有機物に噴射され加熱されることにより、高い炭化温度で炭化物が製造される。このとき、この第7の発明では、上記過熱水蒸気噴射ノズルは、上記回動パイプの下端よりも下方に配置された下側噴射ノズルと、上記回動パイプの下端よりも上方に配置された上側噴射ノズルを備えてなることから、有機物全体に対して万遍なく炭化温度を上昇させることができる。特に、この第7の発明では、回動パイプの下端よりも下方に配置された下側噴射ノズルが配置されていることから、該回動パイプの回動により撹拌されず炭化室の下側に位置する(滞留する)有機物(ないし炭化物)の炭化温度を上げることができ、ひいては均質な炭化物を得ることができる。
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係る炭化装置よれば、加熱室を加熱するために用いられる加熱手段や有機物が収用される炭化室等の素材を変更することなく有機物に作用させる炭化温度を上げ、ひいては高品質の炭化物を得ることができる。換言すれば、この第1の発明に係る炭化装置は、過熱水蒸気を有機物に直接噴射することにより炭化処理するものであって、炭化室の外側から炭化室内の温度をこれまで以上に上昇させるものではないことから、炭化室を形成する鋼鉄等の素材を変更する必要はなく、これまで使用されてきた素材、或いはこれまで使用されてきた素材よりも安価な素材を使用することができるようになる(炭化室を形成する素材の選択肢を増加させることができる)。
また、この第1の発明に係る炭化装置では、加熱室内には、過熱水蒸気製造装置が配置され、上記炭化室内には、上記過熱水蒸気製造装置により製造された過熱水蒸気を該炭化室内に収容された有機物又は上記収納ボックスに収納された有機物に直接噴射するものであり、有機物に直接噴射される過熱水蒸気は、上記加熱室を加熱する加熱手段とは別個の熱エネルギーを用いて過熱水蒸気を製造するものではなく、上記加熱室内の加熱温度を利用して製造されるものであることから、ランニングコストを大幅に低減することが可能となる。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)では、前記過熱水蒸気製造装置は、管路を介して、水から飽和蒸気を製造する飽和蒸気製造装置に接続されてなり、該飽和水蒸気発生装置は、加熱室内のガスを大気に放出する排気通路に接続されている。したがって、水から飽和水蒸気を製造する工程と、飽和水蒸気から過熱水蒸気を製造する工程は、全て別個のエネルギーを用いて製造するものではなく、加熱室内の加熱温度を利用して製造されるものであることから、ランニングコストを更に大幅に低減することが可能となる。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)に係る炭化装置では、前記過熱蒸気噴射ノズルは、該炭化室の天井側の左右両側から床側に向かって噴射され、該過熱蒸気噴射ノズルから噴射された過熱水蒸気は、収納ボックスの下面側から上方に向かって対流するように構成されてなることから、該炭化装置によれば、該収納ボックスに収納された有機物を、該収納ボックスの上方に収納された有機物のみが偏って炭化されるものではなく、上下方向において均一に炭化温度を上昇させることができ、ひいては高品質な炭化物を均一に製造することができる。
また、第4の発明(請求項4記載の発明)では、前記炭化室は、鉛直方向に長さを有しており、過熱蒸気噴射ノズルの配置位置は、該炭化室の長さ方向に亘ってそれぞれ複数の位置に配置され、したがって、各過熱蒸気噴射ノズルからはそれぞれ過熱水蒸気が有機物に直接噴射されることから、この炭化装置による場合であっても、万遍なく均一に炭化室内の炭化温度を上昇させることができ、高品質な炭化物を均質に製造することができる。
また、第5の発明(請求項5記載の発明)に係る炭化装置では、前記複数の過熱水蒸気噴射用ノズルの少なくとも何れか1つは、前記炭化室の中心方向に対して傾斜した方向に過熱水蒸気が噴射するように傾斜してなることから、より一層炭化室内における炭化温度を均一に上昇させることができ、ひいては高品質な炭化物を均一に製造することができる。
また、第6の発明(請求項6記載の発明)に係る炭化装置では、加熱室の隣には、複数の貫通穴が形成された隔壁を間に介して該加熱室と連通してなる燃焼室が形成され、この燃焼室を形成する側壁には前記加熱手段としての燃焼バーナーが配置されてなるとともに、前記炭化室と上記燃焼室とは、該炭化室内が加熱されることにより有機物から発生する乾留ガスを該炭化室内から燃焼室内に導入する乾留ガス導入路が形成されてなることから、乾留ガスを燃焼室内で燃焼させることから、消費エネルギー(ランニングコスト)を抑制することができるばかりではなく、燃焼バーナーから生ずる燃焼ガスを直接炭化室に照射するものではないことから、第1の発明で説明した過熱水蒸気を利用することと相俟って、炭化室を形成する素材の選択肢をより増加させることが可能となる。
また、第7の発明(請求項7記載の発明)に係る炭化装置では、上記過熱水蒸気噴射ノズルは、上記回動パイプの下端よりも下方に配置された下側噴射ノズルと、上記回動パイプの下端よりも上方に配置された上側噴射ノズルを備えてなることから、有機物全体に対して万遍なく炭化温度を上昇させることができる。特に、この発明に係る炭化装置では、回動パイプの下端よりも下方に配置された下側噴射ノズルが配置されていることから、該回動パイプの回動により撹拌されず炭化室の下側に位置する(滞留する)有機物(ないし炭化物)の炭化温度を上げることができ、ひいては均質な炭化物を得ることができる。
第1の実施の形態に係る炭化装置の要部を模式的に示す断面図である。 図1に示す炭化装置の左側断面図である。 図1に示す炭化装置の左側面図である。 図1に示す炭化装置の背面図である。 図1に示す炭化炉の上方に設けられた構成を拡大して示す断面図である。 図1に示す炭化炉に形成された排出用開口が閉塞栓により閉塞された状態と、該排出用開口が開放された状態を示す断面図である。 図1に示す炭化装置の平面図である。 投入装置を構成する押出部材がスライドする前の状態と、スライドした後の状態を示す拡大断面図である。 第1の排気筒と第2の排気筒に配置されたダンパーの動作状態を示す背面図である。 飽和蒸気製造装置と過熱蒸気製造装置並びに噴射ノズルの構成及びそれぞれの接続状態を模式的に示す断面図である。 飽和蒸気製造装置と過熱蒸気製造装置並びに噴射ノズルの構成及びそれぞれの接続状態を模式的に示す斜視図である。 第2の実施の形態に係る炭化装置を正面側から示す断面図である。 第2の実施の形態に係る炭化装置を右側面側から示す断面図である。 図1に示す炭化装置の正面図である。 図1に示す炭化装置の背面図である。 図1に示す炭化装置の右側面図である。 第2の実施の形態に係る炭化装置を平面側から示す断面図である。 収納ボックスを示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態に係る炭化装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本発明を、間欠式の炭化装置に適用した実施の形態(第1の実施の形態)に係る炭化装置について、図1ないし図11を用いて詳細に説明する。
この第1の実施の形態に係る炭化装置1は、図1に示すように、架台2に支持されてなる炭化装置本体3と、この炭化装置本体3内に図示しない有機物を投入する投入装置4と、上記炭化装置本体3内において炭化処理され排出(落下)された図示しない炭化物を他所に移送する移送装置5とを備えてなるものである。
上記炭化装置本体3は、鉄等の金属により箱状に成形されてなるとともに外部には複数の補強リブ(符号は省略する。)が設けられた筺体6と、この筺体6の最も内側に配置された耐火煉瓦(符号は省略する。)と、この耐火煉瓦と筺体6との間に配置された図示しないセラミックファイバーとを備えてなるとともに、内部には、加熱室3aが形成されている。また、この加熱室3aは、上記耐火煉瓦により仕切られた仕切り部(本発明を構成する隔壁)3bを間に介して、燃焼室3cが形成されている。上記仕切り部3bには、多数の貫通穴3dが形成され、これらの貫通穴3dにより、上記燃焼室3cと加熱室3aとは連通されている。そして、上記筺体6の外側(正面側)には、図2及び図3又は図1にそれぞれ示すように、本発明を構成する加熱手段としての加熱バーナー7が取り付けられており、この加熱バーナー7には、石油又は重油等の燃料が供給される図示しない管路の一端が固定されている。また、この加熱バーナー7の先端は、上記燃焼室3c内に臨んでおり、上記燃料による燃焼ガスは、図2に示すように、上記仕切り部3bに沿って炭化装置1の背面側に向けて放出するように構成されている。また、図2に示すように、上記燃焼室3cは、上記加熱バーナー7が配置された位置とは反対側に、第1の排気通路3eが形成されている。そして、上記筺体6の背面側には、図2に示すように、上記第1の排気通路3eに内部が連通した第1の排気筒支持部材10が固定され、この第1の排気筒支持部材10の上部には、第1の排気筒11の下端が固定されている。なお、上記第1の排気筒支持部材10と第1の排気筒11とは内部が連通している。
また、図1に示すように、上記燃焼室3cの上方は、一方の開口(符号は省略する。)が形成された一方の閉塞部材12により閉塞され、上記加熱室3aの上方は、他方の開口(符号は省略する。)が形成された閉塞部材13によりそれぞれ閉塞されている。そして、この加熱室3aの中央には、後述する工程によって内部に図示しない有機物が収容される炭化炉15が配置されている。この炭化炉15は、内部に本発明を構成する炭化室が形成されてなるものであって、鋼鉄により略漏斗状に成形されてなるものであって、上方には有機物が投入される投入用開口15a(図5参照)が形成され、下端には、該炭化炉15内で炭化処理された炭化物が自重により排出される排出用開口15b(図6中、(b)参照)が形成されている。上記投入用開口15aが形成されたこの炭化炉15の上端側は、上記他方の開口内に位置してなるものであり、図5に拡大して示すように、この炭化炉15の上方には、ウォータシール収容部材16が固定されている。このウォータシール収容部材16は、鉄板による成形されてなるものであって、底板部,左右及び前後の側板部とからなり、上方に開口が形成された容器であり、上記左右及び前後の側板部の上端には水平方向に延在されたフランジ部16aが形成されている。そして、上記フランジ部16aを含めたウォータシール収容部材16の下側はセラミックファイバー16bにより覆われている。また、上記炭化炉15の上方には、上記ウォータシール収容部材16を外側から囲むように大径円筒部材17が固定されている。この大径円筒部材17の下端は、上記炭化炉15の上端に固定され、上端は上記ウォータシール収容部材16を構成するフランジ部16aの下面に固定されている。なお、この大径円筒部材17の内側にも上記セラミックファイバー17aが配置されている。そして、上記ウォータシール収容部材16の外側に配置されたセラミックファイバー16bと、上記大径円筒部材17の内側に配置されたセラミックファイバー17aとの間の空間18は、上記炭化炉15内と連通している。また、上記ウォータシール収容部材16は、中央に図示しない軸挿通穴が形成された蓋部材19(図1)により閉塞されている。
そして、上記炭化炉15の内側には、図1に示すように、回転駆動パイプ20が上方から挿入されており、この回転駆動パイプ20の外周には、この炭化炉15内に(後述する投入装置4により投入されることにより)収容された有機物を撹拌する撹拌羽根21が固定されている。この撹拌羽根21は、螺旋状に成形されてなるものであって、後述する駆動モータの駆動により、上記炭化炉15内の下方側に収容された有機物を上方に移動させるものである。そして、上記回転駆動パイプ20は、図5に拡大して示すように、上端側中途部は、上記底板部16aの中心に形成された挿通用開口に挿通されてなるものであり、該回転駆動パイプ20の上端側中途部には、円形状に成形された回転盤22が固定され、この回転盤22の外周端には、円筒状回転部材23の上端が固定されている。そして、この円筒状回転部材23の下端側は、上記ウォータシール収容部材16を構成する底板部16aの上面に支持され、内部には図示しない水が充填されたリング状の水槽24が固定されている。したがって、上記ウォータシール収容部材16を構成する底板部16aに形成された挿通用開口と回転駆動パイプ20の外周面との間の僅かな隙間により、上記炭化炉15内で発生した乾留ガスがウォータシール収容部材16内に侵入した場合であっても、上記水によりこの炭化装置1の外部に放出され引火する危険性を阻止している。
また、上記回転駆動パイプ20の上端側には、図5に示すように、一方のプーリ27が固定されている。また、上記蓋部材19の上面には、駆動モータ28が設置されており、この駆動モータ28の回転駆動軸28aには、他方のプーリ29が固定され、上記一方のプーリ27と他方のプーリ29とはチェーンベルト30が掛け渡されている。したがって、この駆動モータ28が回転駆動すると、その回転駆動力は、上記他方のプーリ29,チェーンベルト30及び一方のプーリ27を介して上記回転駆動パイプ20に伝達され、該回転駆動パイプ20は上述したように、炭化炉15内で回転駆動する。
また、上記蓋部材19の中心の上方には、図1に示すように、エアーシリンダ30が下向きに取り付けられており、このエアーシリンダ30のシリンダロッド30aの下端には、昇降軸33の上端が固定されている、そして、この昇降軸33は、上記回転駆動パイプ20内に挿通されてなるものであり、下端には、前述した炭化炉15に形成された排出用開口15bを閉塞する閉塞栓34が固定されている。なお、この閉塞栓34は、本発明を構成する閉塞部材である。したがって、図6中、(a)として示すように、炭化炉15内で炭化処理をしている場合には、上記エアーシリンダ30を駆動させ、閉塞栓34により排出用開口15bを閉塞し、炭化処理が終了した場合には、上記エアーシリンダ30を駆動させて昇降軸33を、図6中、(b)として示すように、上昇させ排出用開口15bを開放することにより、炭化炉15内で炭化処理された炭化物は、この排出用開口15bから自重により下方に落下する。
なお、上記炭化炉15の下端側は、図1に示すように、上記筺体この炭化装置1では、上記筺体6を構成する底板部(符号は省略する。)よりも下方に露出しているとともに、該筺体6の下側には、この露出した炭化炉15の下端を囲むように、下側ホッパー36の上端が固定され、この下側ホッパー36の下端側には、前記移送装置5が設けられている。上記下側ホッパー36は、上端に大きな開口(符号は省略する。)が形成されてなるものであって、全体形状は略漏斗状に成形されたものである。また、上記移送装置5は、円筒状に成形されたパイプ部39と、このパイプ部39内に挿通され、外周には螺旋状に成形された移送羽根40aが固定され図示しない駆動モータによって回転駆動する駆動軸40とを備えてなるものであり、上記パイプ部39の先端側上部には、このパイプ部39内と上記下側ホッパー36内とを連通する開口39aが形成されている。また、上記下側ホッパー36内であって、上記炭化炉15の下方には、該炭化炉15に形成された排出用開口15bを下側から閉塞する下側閉塞部材42が支持杆43を介して配置され、この下側閉塞部材42は、間にリンク部材44を介して第2のエアーシリンダ45に接続されている。上記第2のエアーシリンダ45は、図示しない支持部材により上記下側ホッパー36内に支持されてなるものであり、このシリンダロッド45aの先端には、上記リンク部材44の一端に回転自在に連結されており、該リンク部材44の他端は、上記支持杆43の基端に回転自在に連結されている。したがって、図1及び図6中(a)として示すように、上記下側閉塞部材42により排出用開口15bが下側から閉塞されている状態において、上記第2のエアーシリンダ45が駆動すると、上記リンク部材44を介して、上記支持杆43は該支持杆44とリンク部材44とを連結する支軸(符号は省略する。)を中心に、該支持杆43(及び下側閉塞部材42)は、図6中(b)として示すように、(この例では、約90度)回転し、上記排出用開口15bの閉塞状態が解除される。そして、前述したように、閉塞栓34が上方に移動すると、炭化炉15内で炭化処理された炭化物は、上記排出用開口15bから自重により落下し、上記下側ホッパー36内を通過するとともに、上記開口39a(図1参照)を通過して、上記移送装置5を構成するパイプ部39内に充填される。そして、このパイプ部39内に充填された炭化物は、上記移送羽根40aの回転により、図示しない移送装置5の基端側に移送される。
また、上記筺体6の右側面の上端側には、図1に示すように、載置台50が固定され、この載置台50又は該載置台50の上方には、冒頭で説明したように、上記炭化装置本体3内に図示しない有機物を投入する投入装置4が取り付けられている。この投入装置4は、図8に拡大して示すように、有機物が投入される上側ホッパー51と、この上側ホッパー51の下側に固定され該上側ホッパー51内に投入された有機物を所定量下側に移動させるロータリーバルブ52と、このロータリーバルブ52により移動させられた有機物を収容するとともに、水平方向に長さを有する管状体53とを備えている。上記ロータリーバルブ52は、上部に上記上側ホッパー51と連通してなる上部開口(符号は省略する。)が形成され、下側には下部開口(符号は省略する。)が形成されてなるとともに、上記上部開口と下部開口との間には、有機物が収容される図示しない複数の収容部が形成された回転体52aが配置され、この回転体52aの中心には、回転軸52bが固定されている。そして、この回転軸52bの先端側には、一方のプーリ52cが固定されている。なお、上記載置台50上には、図7に示すように、第2の駆動モータ54が固定され、この第2の駆動モータ54の図示しない駆動軸には、他方のプーリ(符号は省略する。)が固定されており、上記一方のプーリ52cとこの他方のプーリとは、図示しないチェーンベルトによって連結されている。
また、上記管状体53の一端(右端)は、閉塞板53aにより閉塞され、他端(左端)は、先に説明した(大径円筒部材17に形成された)第1の開口内に嵌入され、上記筒状部16bの外周面と大径円筒部材17との間の空間18と連通した状態で支持されている。なお、上記閉塞板53aの中心には、後述する移動軸57が挿通される開口(符号は省略する。)が形成されている。また、この管状体53の下方であって、前記載置台50上には直動装置55が載置・固定されている。この直動装置55は、上記管状体53の長さ方向と同じ方向に長さを有する直動装置本体55aと、この直動装置本体55aの長さ方向に亘って往復動するスライダー55bとを備えてなるものであり、上記スライダー55bには、L字状に折曲された連結部材56の一端に固定されている。また、この連結部材56の他端には、移動軸57の基端が固定されている。この移動軸57は、中途部が上記閉塞板53aの中心に形成された開口に挿通されてなるものであり、先端には、上記管状体53の内径とほぼ同じ外径に成形された押出部材58が固定されている。
したがって、この炭化装置1を構成する投入装置4によれば、図8中に(a)として拡大して示すように、上記押出部材58がロータリーバルブ52の配置位置よりも上記閉塞板53aに接近した状態において、該ロータリーバルブ52が回転駆動して所定量の有機物が上記上側ホッパー51内から上記管状体53内に落下し供給された後に、上記直動装置55が駆動することにより、上記スライダー55b,連結部材56,移動軸57及び押出部材58が一体的に上記ウォータシール収容部材16側(炭化装置1の中央側)に移動すると、上記有機物は、押出部材58に押圧されながら、上記筒状部16bの外周面と大径円筒部材17との間の空間18内に押し出されるとともに、そのまま自重により上記炭化炉15内に落下される。なお、上記投入装置4の駆動により、所定の有機物が炭化炉15内に投入された場合には、図8中の(b)に示すように、上記押出部材58を管状体53の先端側に位置させこれを保持させる。これにより、炭化炉15内が加熱されることにより発生する乾留ガスが上記管状体53を通過して外部に漏出することが防止される。また、この炭化装置1では、上記炭化炉15を加熱しながら、上記直動装置55の往復動を繰り返し、有機物を炭化炉15内に投入する場合であっても、この実施の形態に係る炭化装置1では、上記炭化炉15内に有機物を投入するための構造として、上述した通り、上側ホッパー51と管状体53との間にロータリーバルブ52を介在させたことから、炭化炉15内の乾留ガスが管状体53内に侵入したとしても、ロータリーバルブ52により外部に漏出することがない。
また、この実施の形態に係る炭化装置1では、上記炭化炉15と、先に説明した燃焼室3cとは、図1に示すように、第1及び第2の管路61,62を介して互いに連通している。なお、これら第1及び第2の管路61,62は、本発明を構成する乾留ガス導入路である。上記第1の管路61は、前記大径円筒部材17に形成された第2の開口内に基端が嵌入されてなるものであり、この第1の管路61の先端側は、第2の管路62の上端側が溶接されている。言うまでもなく、上記第1の管路61と第2の管路62とは互いに連通している。そして、上記第2の管路62の先端は、上記一方の閉塞部材12に形成された開口(符号は省略する。)に挿通されている。そして、上記第2の管路61には、乾留バーナー(符号は省略する。)が配置され、また、該第2の管路61の中途部には、ファン63の先端と連通されており、このファン63の駆動により、上記燃焼室3c内に熱風が送風されるように構成されている。
また、上記筺体6の背面側には、図4に示すように、第2の排気筒65が配置され、この第2の排気筒65の一端(下端)は、第2の排気筒支持部材66上に支持されている。そして、上記第2の排気筒支持部材66内は、上記筺体6内に形成された加熱室3aと連通しており、該加熱室3a内のガスは上記第2の排気筒支持部材66内を通過し、上記第2の排気筒65内に流入する。そして、この第2の排気筒65の先端側中途部は、円弧上に折曲され先端は、前述した第1の排気筒11の中途部に接続されている。そして、図9に示すように、上記第1の排気筒11の下端側中途部であって、上記第2の排気筒65が接続された部位よりも下方には、内部に第1のダンパー(開閉部材)68が配置され、第2の排気筒65の先端側中途部には、第2のダンパー(開閉部材)69が、それぞれ支軸(符号は省略する。)を中心に回動可能に配置されており、上記第1のダンパー68が固定されている支軸には、該第1のダンパー68の直径方向と直交する方向に長さを有する支持片68aが固定させ、同様に、第2のダンパー69が固定されている支軸には、該第2のダンパー69の直径方向と直交する方向に長さを有する支持片69aが固定されている。なお、上記各支持片68a,69aは、上記第1又は第2の排気筒11,65の外側に位置している。そして、上記支持片68aは、連結ロッド70の一端に回動軸(符号は省略する。)を介して回動可能に連結され、上記支持片69aは、該連結ロッド70の他端に回動軸(符号は省略する。)を介して回動可能に連結されている。また、上記第2の排気筒65と第1の排気筒11とが接続されている部位の近傍には、約90度の範囲に亘って回動を繰り返す回動装置71が配置され、この回動装置71の回動軸71aには、回動ロッド72の基端が固定されている。また、この回動ロッド72の先端と、上記連結ロッド70の中途部とは、ユニバーサルジョイント73により回動可能に連結されている。
したがって、図9中(a)として示すように、回動ロッド72が水平状態(第2の排気筒65の先端側と平行な状態)である場合には、上記支持片69aと支持片68aとは何れも平行な状態とされてなるとともに、上記第1のダンパー68は垂直状態(該第1の排気筒11内が開放された状態)となる一方、上記第2のダンパー69も垂直状態(該第2の排気筒65内が閉塞された状態)となる。そして、この状態から、上記回動装置71により、例えば、上記回動ロッド72が垂直状態となるように駆動した場合には、上記支持片69aと支持片68aとは何れも垂直な状態とされてなるとともに、上記第1のダンパー68は水平状態(該第1の排気筒11内が閉塞された状態)となる一方、上記第2のダンパー69も水平状態(該第2の排気筒65内が開放された状態)となる。すなわち、この実施の形態に係る炭化装置1では、上記回動装置71の駆動により、上記燃焼室3cに接続された第1の排気筒11と、加熱室3aに接続された第2の排気筒65とを、上記第1及び第2のダンパー68,69の開閉動作により、加熱室3a内の温度が調節できるように構成されている。なお、こうした温度調整は、例えば、図1に示す加熱室3a内や燃焼室3c内に、図示しない制御装置に接続された温度センサをそれぞれ配置するとともに、該制御装置を上記回動装置71に接続させ、上記温度センサにより燃焼室3c(又は加熱室3a)内の温度が所定の温度に達した場合(閾値を超えて高温となった場合)には、図9中(a)に示すように、第1の排気筒11内に配置された第1のダンパー68により該第1の排気筒11内を開放させるとともに、第2のダンパー69により第2の排気筒65内を閉塞することにより、燃焼室3c内の空気は上記加熱室3a内に移動することなく、上記第1の排気筒11を通って大気に放出され、この結果、燃焼室3c(又は加熱室3a)内の温度は徐々に下降する。一方、上記温度センサにより該燃焼室3c(又は加熱室3a)内が所定の温度となった場合(閾値を超えて低温となった場合)には、図9中(b)に示すように、第1の排気筒11内に配置された第1のダンパー68により該第1の排気筒11内を閉塞させるとともに、第2のダンパー69により第2の排気筒65内を開放することにより、燃焼室3c内の空気は上記加熱室3a内に移動することとなり、この結果、加熱室3a内の温度は徐々に上昇する。
そして、この実施の形態に係る炭化装置1では、上記燃焼室3cから第2の排気筒65を通って該燃焼室3c内のガスを大気に放出するものであるが、図10に示すように、この第2の排気筒65の下端を支持する上記第2の排気筒支持部材66内には、水から飽和蒸気を製造する飽和蒸気製造装置80が配置されている。この飽和蒸気製造装置80は、図11に示すように、リング状に成形された下部リング状管部81と、この下部リング状管部81の上方に配置されリング状に成形された上部リング状管部82と、上記下部リング状管部81と上部リング状管部82とを接続してなり該下部リング状管部81と上部リング状管部82と連通してなる複数の垂直管部83とから構成されてなり、上記下部リング状管部81は、間にバルブVが配置された水道管Sに接続されている。そして、このように構成された飽和蒸気製造装置80は、第1の接続管(本発明を構成する管路)84を介して、過熱蒸気製造装置85に接続されている。この過熱蒸気製造装置85は、上記加熱室3a内に配置されてなるものであって、その構成は、上記飽和蒸気製造装置80と同じように、下部リング状管部86,上部リング状管部87及び複数の垂直管部88とから構成されている。なお、上記第1の接続管84の一端は、上記飽和水蒸気製造装置80を構成する上部リング状管部82に接続され、その他端は、上記下部リング状管部86に接続されている。
また、上記過熱蒸気製造装置85は、第2の接続管90を介して、環状管部91に接続されている。この環状管部91は、上記炭化炉15の中途部を囲むように配置されてなるものであり、この環状管部91からは、第1の噴射管群(符号は省略する。)と、第2の噴射管群(符号は省略する。)と、第3の噴射管群(符号は省略する。)の基端がそれぞれ固定されている。上記第1の噴射管群は、それぞれ先端が噴射ノズルとされた4つの噴射管92から構成されており、第2の噴射管群は、それぞれ先端が噴射ノズルとされた4つの噴射管93から構成され、さらに第3の噴射管群は、それぞれ先端が噴射ノズルとされた4つの噴射管94から構成されている。上記各噴射管92,93,94の中途部は、炭化炉15に形成された開口(符号は省略する。)に挿通された状態で溶接・固定されてなるものであり、上記第1の噴射管群を構成する各噴射管92の先端は、図1又は図11に示すように、上記回転駆動パイプ20の下端よりもやや上方であり、該回転駆動パイプ20に接近した位置に配置されている。また、上記第2の噴射管群を構成する各噴射管93の先端(ノズル)は、上記回転駆動パイプ20の下端近傍に、また、上記第3の噴射管群を構成する各噴射管94の先端は、回転駆動パイプ20の下端よりも更に下方に位置しているとともに、炭化炉15の内周面と面一とされている。また、上記各噴射管92,93,94の位置は、上下方向にそれぞれずれてなるとともに平面視においては、図10に示すように、時計周り方向に30度ずつずれた位置とされている。
したがって、この第1の実施の形態に係る炭化装置1では、先に説明した工程を経て、上記図示しない有機物が上記炭化炉15内に収容されると、上記加熱バーナー7により燃焼室3c内が加熱されるとともに、加熱室3a内の温度も徐々に上昇する。なお、この炭化装置1の運転を開始する場合には、有機物を炭化炉15内に収容する前に、予め上記加熱バーナー7により、筺体6内の温度を上昇させておくことが望ましい。また、こうした初期の運転では、図9中(b)として示すように、前述した第1の排気筒11内は、第1のダンパー68により閉塞し、第2の排気筒65内は第2のダンパー69により開放しておく。そして、上記加熱バーナー7により燃焼室3c,加熱室3aが所定の温度に上昇した場合には、上記飽和蒸気製造装置80により飽和蒸気が製造され、この飽和蒸気は更に上記過熱水蒸気製造装置85により過熱水蒸気となって、上記第1ないし第3の噴射管群から噴射される。したがって、炭化室15内に収容された有機物は、上記加熱バーナー7により間接的に加熱されるとともに、上記第1ないし第3の噴射管群から噴射される過熱水蒸気により直接加熱されることにより、高温度で炭化処理され、高品質な炭化物を得ることが可能となる。このとき、上記有機物は、撹拌羽根21が形成された回転駆動パイプ20の回転駆動により、撹拌羽根内部の有機物が下方から上方に撹拌されるとともに、各第1ないし第3の噴射管群から噴射される過熱水蒸気は上昇することから、炭化室15内に収容された有機物は均一に炭化処理される。
特に、この実施の形態に係る炭化装置1では、上記第3の噴射管群(噴射管94)は、撹拌羽根21が形成された回転駆動パイプ20の下端よりも下方に位置してなることから、撹拌羽根21により撹拌されない(言わば底方向に位置する)有機物も確実に炭化処理することが可能となる。
なお、上記実施の形態に係る炭化装置1で示した上記第1ないし第3の噴射管群を構成する各噴射管92,93,94は、何れも回転駆動管20の中心方向に過熱水蒸気を噴射するものであるが、これらの噴射管92,93,94は、必ずしも回転駆動パイプ20の中心方向に過熱水蒸気を噴射するものばかりではなく、これらの全部又は少なくとも何れか1つが、上下方向又は水平方向(左右方向)に傾斜してなるものであっても良い。また、各噴射管(ノズル)92,93,94が、同じ水平方向に傾斜し、該噴射管(ノズル)92,93,94から噴射される過熱水蒸気が上記炭化炉15内で渦巻きが形成されるように配置したものであっても良い。こうした構成を採用することにより、より一層炭化温度を高温とすることができ、高品質な炭化物を均一に製造することができる。
また、前述したように、過熱バーナー7は、加熱室3aと多数の貫通穴3dが形成され仕切り部3bにより仕切られた燃焼室3c内に配置したことから、該加熱バーナー7の燃焼ガスが直接炭化炉15の外周面に当たることがなく、また、こうした構造を採用しなくても上記過熱水蒸気による直接加熱の方式を採用していることから、該炭化炉15を形成する鋼鉄も高価な素材を使用する必要性がなく、安価な素材を使用することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る炭化装置101について、図面を参照しながら詳細に説明する。この第2の実施の形態に係る炭化装置101は、本発明を、いわゆるバッチ式の炭化装置に適用したものである。
この炭化装置101は、図12に示すように、鉄により略箱状に成形された筺体102を外側に備えた炭化装置本体103と、この炭化装置本体103内に形成された加熱室103a(図13)と、この加熱室103aと仕切り部103bを介して上記炭化装置本体103内の背面側に形成された燃焼室103c(図13参照)と、上記加熱室103a内に配置されたボックス状の炭化炉104と、を備えている。
上記炭化装置本体103は、外側に配置された上記筺体102の内側に、図示しないセラミックファイバーを介して耐火煉瓦(符号は省略する。)が配置されており、この炭化装置本体103の内部には、上記加熱室103aが形成されている。また、この炭化装置本体103の正面は、長方形状の大型開口(符号は省略する。)が形成され、この大型開口は、図14に示すように、正面形状が長方形状に成形された開閉扉105により閉塞されている。この開閉扉105は、上記大型開口の周囲に配置され回動操作される多数のハンドル106を備えた締結部材107により、該大型開口の周囲に該開閉蓋105が強固に圧接されてなるものであり、外側面には、この開閉扉105を後述する操作により開閉するための取手105aが固定されている。そして、上記開閉扉105は、扉支持部材110により支持されている。この扉支持部材110は、水平方向に長さを有してなる上部支持杆110aと、この上部支持杆110aと同じ長さに成形されてなるとともに該上部支持杆110aと平行に配置された下部支持杆110bと、上記上部支持杆110aと下部支持杆110bとを両端で固定してなる垂直杆110cとから構成されており、上記上部支持杆110aと下部支持杆110bの基端とは、炭化装置本体103の左端側において回動可能に支持されている。したがって、上記多数の締結部材107による締結状態を解除し、上記取手105aを把持しながら上記開閉扉105の右端が手前に移動するように回動操作すると、この開閉扉105が開蓋される。
また、上記開閉扉105の背面側には、炭化炉104が配置されている。この炭化炉104は、図12に示すように、天井板部104aと、背面板部104bと、左右の側面板部104c,104dと、底板部104eとから構成されており、開放された正面側は、上記開閉扉105の背面により閉塞されるように構成されている。なお、上記炭化炉104は、図13に示すように、上記炭化装置本体103を構成する底板103fの上面から起立してなる複数の起立板部103gの上面により支持されている。なお、この炭化炉104内には、後述するように、有機物が内部に収納された(後述する)収納ボックス150が収容される。
そして、上記炭化装置本体103内の背面側には、すなわち上記加熱室103a内には、図13に示すように、冒頭に記載した本発明を構成する燃焼室103cが形成されている。この燃焼室103cは、上記仕切り部103bにより仕切られてなるものであり、この仕切り部103は、炭化装置本体103の底方向から上方に起立した部位(符号は省略する。)と、この起立した部位の上端から該炭化装置本体103の背面側に幅を有し多数のスリット(符号は省略する。)が形成された部位と、炭化装置本体103の背面に沿って起立した部位とを備えている。また、この仕切り部103bによって仕切られた燃焼室103c内は、多数の開口107aが形成された隔壁107によって上下に仕切られており、下部に設けられた空間103dは、後述する加熱バーナーにより所定の燃料が燃焼する部位であり、上部に設けられた空間103eは、後述する乾留ガスが燃焼する空間である。
また、図15は、第2の実施の形態に係る炭化装置1の背面図であり、炭化装置本体103の左側面の背面側には、加熱バーナー108が固定され、この加熱バーナー108の先端は、上記燃焼室103cを構成する下側の空間103dに臨んでいる。なお、上記炭化装置本体103の背面には、図示しない点検用開口が形成され、この点検用開口は、背面側開閉扉109により閉塞されている。一方、上記炭化装置本体103内には、図12及び図13に示すように、加熱室103a内のガスを外部に放出する第1の排気通路103hが形成されている。この第1の排気通路103hは、炭化装置本体103の正面側に形成されてなるものであり、図12に示すように、左側は、該炭化装置本体103の側方に形成された垂直排気通路103jに連通しており、この垂直排気通路103jの上方には、内部に飽和水蒸気製造装置111が内部に配置された中継排気管112が固定され、この中継排気管112の上端には、第1の排気筒113の下端が固定されている。なお、上記垂直排気通路103jは、第1の垂直ガイド管部119の内部に形成されたものである(図12,図14及び図16参照)。したがって、上記加熱バーナー108の駆動(及び/又は後述する乾留ガスバーナーの駆動)により、炭化装置本体103の背面側に配置された上記燃焼室103c内で加熱されたガスは、上記加熱室103aを通過し、炭化装置本体103の正面側に形成された上記第1の排気通路103h及び垂直排気通路103j及び上記中継排気管112内を通過して上記第1の排気筒113内に流入する。
また、上記加熱室103a内に配置された炭化炉104の上端側には、図12に示すように、第1の管路114の一端が固定され、この第1の管路114の他端は、炭化装置本体103の外側(左側)において、第2の管路115に接続され、この第2の管路115には、乾留ガスバーナー116に接続されてなるとともに、この乾留ガスバーナー116の先端は、図13に示すように、上記燃焼室103c内に設けられた空間103e内に臨んでいる。したがって、後述するように、上記加熱バーナー108の駆動により加熱室103a内が加熱されると共に炭化炉104内が加熱され(更に後述する過熱水蒸気により)図示しない有機物が加熱され炭化処理される過程で該炭化炉104内において発生した乾留ガスは、上記第1及び第2の管路114,115を通過するとともに上記乾留ガスバーナー116により燃焼される。なお、上記乾留ガスバーナー116には、図15に示すように、炭化装置本体103の背面側に取り付けられたファン117に接続されている。
また、図13に示す上記燃焼室103cは、上記炭化装置本体103の左側に形成され該燃焼室103cと連通してなる図示しない第2の垂直排気通路が形成されている。この第2の垂直排気通路は、図16に示すように、前記第1の垂直ガイド管部119の配置位置よりも炭化装置本体103の背面側に形成された第2の垂直ガイド管部120内に形成されている。そして、この第2の垂直ガイド管部120上には、第2の排気筒123の下端が固定され、上記第2の垂直排気通路はこの第2の排気筒123に連通している。そして、この第2の排気筒123の上端側中途部には、上記第1の排気筒113の先端が接続されている。上記第1の排気筒113と第2の排気筒123内には、それぞれダンパーが配置されている。なお、これらのダンパーの構成及びそれぞれの動作は、先に説明した第1の実施の形態に係る炭化装置1のそれと同様であることから説明を省略する。
また、上記飽和水蒸気製造装置111は、図12に示すように、下部リング状管部125,上部リング状管部126及び複数の垂直管部127とから構成されており、上記下部リング状管部125は、間に管路124を介して、水道管S(図15参照)に接続されている。また、上記上部リング状管部126は、管路130(図12及び図13参照)を介して、本発明を構成する過熱水蒸気製造装置131に接続されている。この過熱水蒸気製図装置131も、下部リング状管部132,上部リング状管部133及び複数の垂直管部134とから構成されている。なお、上記飽和水蒸気発生装置111及び過熱水蒸気発生装置131は、何れも先に説明した第1の炭化装置1を構成するものと同じ構成である。そして、上記一端が飽和水蒸気製造装置111を構成する上部リング状管部126に接続された管路130の他端は、上記過熱水蒸気製造装置131を構成する下部リング状管部132に接続されている。
そして、上記過熱水蒸気製造装置131を構成する上部リング状管部133は、管路136を介して、上記炭化炉104内に挿入されており、この管路136には、該炭化炉104内の上方に水平に固定された水平管140(図12参照)に接続されている。この水平管140には、分岐管141の基端が接続され、上記水平管140及び分岐管141のそれぞれ先端には、過熱水蒸気を下方に噴射する複数の噴射ノズル140a,140b,141aが配置されている。したがって、上記各噴射ノズル140a,141aから噴射される過熱水蒸気により、収納ボックス150内に収納された有機物が直接加熱される。なお、この例では、上記各噴射ノズル140a,141aの配置位置は、図12又は図17に示すように、収納ボックス150の上面に噴射される位置ではなく、該収納ボックス150の側方や正面側に向いた位置とされている。そこで以下、この第2の実施の形態に係る炭化装置101に使用される収納ボックス150について説明する。
この収納ボックス150は、図18に示すように、下端側がそれぞれ脚部151aとされた第1ないし第4の支柱151・・・154(第3の支柱は図示しない)と、それぞれの支柱151・・154同士を該支柱151・・・154の下端側中途部において両端が溶接された第1ないし第4の下側水平杆155・・・158(第2及び第3の各下側水平杆は図示しない)と、上記各支柱151・・・154の上端において両端が溶接された第1ないし第4の上側水平杆159・・・162と、上記第1の支柱151の中途部と第2の支柱152との中途部に両端が溶接された第1の中間杆163と、第2の支柱152の中途部と図示しない第3の支柱との中途部に両端が溶接された図示しない第2の中間杆と、第3の支柱の中途部と第4の支柱154との中途部に両端が溶接された図示しない第3の中間杆と、を備えている。そして、この収納ボックス150の左右の側面及び下面並びに背面は全て金網又はパンチングメタル等のように多数の透孔が形成された部材が内側から固定されている。
また、この収納ボックス150内には、それぞれ所定の厚み(高さ)を有する水平棚部165・・・169が(全部で5つ)形成されている。これらの水平棚部165・・・169は、内部に空間を有してなるものであり、全て金網又はパンチングメタル等のように多数の透孔が形成された部材により成形されている。また、この収納ボックス150の正面には、上下二つの開閉ドア170,171が取り付けられ、これらの開閉ドア170,171は、長方形状のフレーム(符号は省略する。)とこれらのフレームに固定された閉塞部材(符号は省略する。)からなり、この閉塞部材も金網又はパンチングメタル等のように多数の透孔が形成された部材からなる。また、上記各開閉ドア170,171の基端は二つの蝶番173,174,175,176により回動自在に支持されており、先端には、該開閉ドア170,171の閉塞状態を保持するロック機構(符号は省略する。)が設けられている。
そこで、上記こうした構成からなる収納ボックス150内に有機物を収納する場合には、該収納ボックス150の背面が接地されるように倒した上で、上記開閉ドア170,171を開放し、各水平棚部165・・・169の両側に有機物を投入する。その後、上記開閉ドア170,171をそれぞれ閉塞すると共にロック機構を介してロックする。次いで、図示しない重機等を利用して、図18に示すように、該収納ボックス150を起立させる。
以下、上述した有機物が収納された収納ボックス150を用いると共に、本実施の形態に係る炭化装置101を使用して該有機物を炭化処理する工程、並びに該炭化装置101の作用効果について説明する。
先ず、上記炭化装置本体103を構成する開閉扉105を開放し、上記図18に示す収納ボックス150を、フォークリフト等を使用して、上記炭化炉104内に収容する。そして、上記開閉扉105を閉塞する。次いで、上記加熱バーナー108を駆動させる。こうした加熱バーナー108の駆動により、燃焼室103c内の温度が上昇するとともに、上記加熱室103a内の温度も上昇する。なお、こうした加熱バーナー108の駆動の初期状態においては、上記第2の排気筒123内に配置されたダンパー(符号は省略する。)は閉塞しておき、逆に第1の排気筒113内に配置したダンパー(符号は省略する。)は開放しておく。各ダンパーをこうした状態とすることにより、燃焼室103cから放出されたガスは上記加熱室103a内を通過するとともに、先に説明した第1の排気通路103h内に流入し、上記飽和蒸気製造装置111が配置された中継排気管112を通過して第1の排気筒113を介して第2の排気筒123から大気に放出される。すなわち、この炭化装置101においても、加熱室103aは、該加熱室103a内のガスを大気に放出する排気通路である上記中継排気管112,第1の排気筒113及び第2の排気筒123に接続され、この排気通路の中途部である上記中継排気管112には、水から飽和蒸気を製造する飽和蒸気製造装置111が配置されている。そして、上記飽和蒸気製造装置111で製造された飽和蒸気は、管路130を通過して、前記加熱室103a内に配置された過熱水蒸気製造装置131内に流入し、この過熱水蒸気製造装置131内で製造された過熱水蒸気は、上記噴射ノズル140a,140b,141aから収納ボックス150が配置された方向、すなわち、下方に噴射される。そして、上述したように、上記各噴射ノズル140a,141aの配置位置は、図12又は図17に示すように、収納ボックス150の上面に噴射される位置ではなく、該収納ボックス150の側方や正面側に向いた位置とされていることから、図12に矢印を用いて示すように、噴射された過熱水蒸気は、収納ボックス150の左右両側や正面側を通過して炭化炉104内の底方向に移動してから上昇し、該過熱水蒸気が噴射ノズル140a,140b,141aから継続的に噴射されることにより、該炭化室内において対流する。したがって、この炭化装置101によれば、収納ボックス150の下方に収納された有機物のみが炭化され下方に収納された有機物は十分な炭化温度で炭化されないという事態(不均一に炭化される事態)を有効に防止することができる。
また、こうした炭化炉104内における炭化処理が進むと、収納ボックス150内においては有機物からは乾留ガスが発生する。この乾留ガスは、上記第1及び第2の管路114,115を通過するとともに上記乾留ガスバーナー116により燃焼される。なお、上記乾留ガスバーナー116には、図15に示すように、炭化装置本体103の背面側に取り付けられたファン117に接続されていることから、煤や未燃物の発生を少なくし、燃焼効率を向上できる。したがって、この炭化装置101による場合であっても、上記乾留ガスを使用することから、加熱バーナー108の運転による灯油等の燃料を削減することができ、運転コストを削減することが可能となる。
1 炭化装置
3a 加熱室
3c 燃焼室
3b 仕切り部
3d 貫通穴
3e 第1の排気通路
4 投入装置
7 加熱バーナー
11 第1の排気筒
15 炭化炉
15a 投入用開口
15b 排出用開口
20 回転駆動パイプ
28 駆動モータ
34 閉塞栓
61,62 第1及び第2の管路
65 第2の排気筒
80 飽和蒸気製造装置
85 過熱水蒸気製造装置
101 炭化装置
103a 加熱室
103c 燃焼室
103h 第1の排気通路
104 炭化炉
111 飽和水蒸気製造装置
114,115 第1及び第2の管路
130 管路
131 加熱水蒸気製造装置
136 管路
140a,140b,141a 噴射ノズル
150 収納ボックス

Claims (7)

  1. 加熱手段により内部が加熱される加熱室と、この加熱室の内側に配置されてなるとともに、内部には有機物が収容される炭化室又は有機物が収納され多数の透孔が形成された収納ボックスが配置される炭化室と、を備えてなるとともに、
    上記加熱室内には、過熱水蒸気製造装置が配置されてなるとともに、上記炭化室内には、上記過熱水蒸気製造装置により製造された過熱水蒸気を該炭化室内に収容された有機物又は上記収納ボックスに収納された有機物に直接噴射する過熱蒸気噴射ノズルが配置されてなることを特徴とする炭化装置。
  2. 前記加熱室は、該加熱室内のガスを大気に放出する排気通路に接続され、この排気通路の中途部には、水から飽和蒸気を製造する飽和蒸気製造装置が配置されてなるとともに、上記加熱室内に配置された過熱水蒸気製造装置は、この飽和蒸気製造装置と管路を介して接続されてなることを特徴とする請求項1記載の炭化装置。
  3. 前記炭化室には、有機物が収納され多数の透孔が形成された収納ボックスが配置されてなるとともに、前記過熱蒸気噴射ノズルは、該炭化室の天井側の左右両側から床側に向かって噴射され、該過熱水蒸気は、収納ボックスの下面側から上方に向かって対流するように構成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの炭化装置。
  4. 前記炭化室は鉛直方向に長さを有してなるとともに、前記過熱蒸気噴射ノズルは、炭化装置の長さ方向に亘ってそれぞれ複数の位置に配置されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの炭化装置。
  5. 前記複数の過熱水蒸気噴射用ノズルの少なくとも何れか1つは、前記炭化室の中心方向に対して傾斜した方向に過熱水蒸気が噴射するように傾斜してなることを特徴とする請求項4記載の炭化装置。
  6. 前記加熱室の隣には、複数の貫通穴が形成された隔壁を間に介して該加熱室と連通してなる燃焼室が形成され、この燃焼室を形成する側壁には前記加熱手段としての燃焼バーナーが配置されてなるとともに、前記炭化室と上記燃焼室とは、該炭化室内が加熱されることにより有機物から発生する乾留ガスを該炭化室内から燃焼室内に導入する乾留ガス導入路が形成されてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載の何れかの炭化装置。
  7. 前記炭化室の上方には有機物を内部に投入する投入用開口が形成され、該炭化室の下方には炭化処理された炭化物を排出する排出用開口が形成され、上記投入用開口は、上記炭化室内に有機物を投入する投入装置を構成する押出部材により開閉自在とされてなるとともに、前記炭化室内には、駆動装置の駆動により回動することにより有機物又は炭化物を撹拌するとともに鉛直方向に配置された回動パイプを備えた撹拌部材が配置され、上記回動パイプ内には、上記排出用開口を閉塞する閉塞部材が下端に固定され、昇降駆動装置の駆動により昇降自在となされた昇降駆動軸が挿通されてなり、前記過熱水蒸気噴射ノズルは、上記回動パイプの下端よりも下方に配置された下側噴射ノズルと、上記回動パイプの下端よりも上方に配置された上側噴射ノズルを備えてなることを特徴とする請求項1ないし6記載の炭化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107586549A (zh) * 2017-10-09 2018-01-16 神雾环保技术股份有限公司 一种蓄热式隔绝烟气热解炉
CN107588423A (zh) * 2017-10-09 2018-01-16 神雾环保技术股份有限公司 一种蓄热式热解炉

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