JP2009197212A - 白炭製造方法及びその装置 - Google Patents

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茂之 田沼
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Abstract

【課題】作業環境の改善や作業効率の改善などを図ることのできる白炭製造方法及びその装置を提供する。
【解決手段】この装置は、窯内に、木材400を台車300に搭載して搬入し、搬入された木材400を台車300に搭載したままの状態で所定温度で焼いて炭化し、炭化された木材400を前記所定温度よりも高い温度でさらに焼いて白炭とし、白炭401を台車300ごと窯外に取り出し、窯外に取り出された白炭401を台車300ごと冷却するように構成され、台車300は、炭化室の空気孔などから流入する空気を、自然対流を利用して該台車300に搭載した木材400間に均一に流れるように導く空気案内部材としての複数のパイプ354,354,・・・を設けるとともに、その上に、木材400を載せるための多孔板355を敷設したものである。
【選択図】図6

Description

本発明は、一般的な炭に比べて種々の優れた性質を有する白炭を製造する方法及びその装置に関するものであって、特に窯内での空気の自然対流を利用して白炭を製造する方法及びその装置に関するものである。
一般的な炭製造方法として、施行温度600〜700℃で炭化させたいわゆる黒炭とよばれる中温炭化炭の製造方法と、施行温度1000℃前後で炭化(精錬)させたいわゆる白炭とよばれる高温炭化炭の製造方法とが知られている。白炭と黒炭とは必ずしもそれらの色合いの差で決定されるものではなく、白炭の炭素密度が黒炭のそれよりも極めて大きいことから、例えばテスターを使用して両者の電気伝導度を計測することで両者を容易に区別することができる。
例えば特許文献1における備長炭とよばれる炭は、白炭の一種であり、水や空気の浄化作用や人体に良い影響があるとされているが、その具体的な製造方法は、図9に示す通りであり、窯内での空気の自然対流を利用して精錬を行うことにより、簡単な構成で、かつ省エネルギーで、環境にやさしい白炭を製造するものである。なお、例えば特許文献2のように、窯内に加熱空気を供給して、それを強制対流することにより精錬を行う方法も知られているが、そこではバーナーやファン等を備えた複雑な構成が必要となっており、故障を生じやすく、省エネルギーの要請に応えるものでもなく、そもそも環境にやさしい白炭を製造する趣旨に反するものであるといえる。
前記特許文献1の白炭の製造方法では、まず原材料となる原木を切り出す。切り出された原木は、図9に示すように、適当な長さに切断されて横断面が卵型の窯の中に並べられて入れられる。この作業は、「窯詰め(木くべ)と呼ばれ、窯の中に奥の方から順々に原木を縦向きにして詰めて入れてゆく。
この詰め込み作業が終了した後、次に「口焚き」と呼ばれる作業に移行する。この作業では、原木から水分を抜く作業であり、窯の中に火を入れ、窯口から窯の内部の温度を徐々に上げていく。
原木から水分を十分に抜いた後、「焼火」と呼ばれる作業に移行する。この作業では、水分が抜かれた原木を炭化させる作業が行われる。ここでは、窯口を粘土などで閉鎖し、200〜300℃くらいの温度で2〜3日間かけて焼くことで原木を炭化させる。
原木を炭化させた後、次に「精錬」と呼ばれる作業に移行する。この作業は、「ねらし」とも呼ばれ、窯口を孔などにより少しずつ開けて窯の内部に空気を送り込み、窯内部の温度を1000度以上の高温にして、出来上がった炭材の樹皮を燃やして赤熱させる。作業は24〜30時間ほどかけて行われる。これにより備長炭が出来上がる。
出来上がった備長炭は、窯から出される。このとき、備長炭はかなりの高温であるため、エブリと呼ばれる柄の長い道具を使って少量ずつ出される。窯から出された備長炭は、ただちに炭床に移され、そこで「消粉」と呼ばれる灰がかけられる。この作業は「消火」と呼ばれ、これにより備長炭は急激に冷却されて消火される。かけられた灰はそのまま備長炭の表面に付着する。このため、備長炭の多くは表面が白いことから「白炭」と呼ばれている。
特開2003―29037号公報 特開2001―240864号公報
しかしながら、前記特許文献1の製造方法では、窯詰め作業において、横断面が卵形の窯の中に奥の方から順々に原木を縦向きにして人手で詰めて入れてゆくので、その作業性は極めて悪いといった問題があった。
また窯出し作業において、備長炭はかなりの高温となっているため、エブリと呼ばれる柄の長い道具を使って少量ずつ出され、消火作業においても、窯から出された備長炭は、炭床に移されて「消粉」と呼ばれる灰がかけられるので、それらの作業性は極めて悪く、作業者は高温に長時間晒されるといった問題があった。したがって、作業環境の改善と作業効率の改善とが要望されていた。
また精錬作業において、窯口を孔などにより少しずつ開けて窯の内部に空気を送り込み、窯内部の温度を1000度以上の高温にして、出来上がった炭材の樹皮を燃やして赤熱させるが、前記窯の内部での空気の流れは自然対流を利用して行われるから、窯口側から奥側へと順次に精錬が行われることとなる。これでは、原木の詰めた位置により、良好な備長炭が得られず、作業効率が低いものとなる。
また消火作業の終了後も、窯は高温であるので、直ちに次の窯詰め作業が行えず、窯が自然冷却されるのを待つ必要がある。このため、全体の作業を実施するのに時間がかかり、生産性が悪いといった問題があった。さらに窯出し作業と窯入れ作業とを繰り返すと、その作業間において、窯自身に大きな温度差が繰り返し加わるので、耐火煉瓦がひび割れるなどの悪影響がでて、窯の寿命を短くしてしまうおそれもあった。
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、作業環境の改善や作業効率の改善などを図ることのできる白炭製造方法及びその装置を提供することを目的としている。
第一の発明は、蒲鉾状の炭化室の前方に空気孔を有するドア部が開閉可能に設けられるとともに、前記炭化室の後方に煙突部が該炭化室と連通状態で設けられている窯内に、木材を台車に搭載して搬入する窯入工程と、前記搬入された木材を台車に搭載したままの状態で所定温度で焼いて炭化する炭化工程と、前記炭化された木材を前記所定温度よりも高い温度でさらに焼いて白炭とする精錬工程と、前記白炭を台車ごと窯外に取り出す窯出工程と、前記窯外に取り出された白炭を台車ごと冷却する冷却工程とを備えた白炭製造方法であって、少なくとも前記精錬工程においては、前記台車に備えた空気案内部材により、前記炭化室の空気孔から流入する空気を、自然対流を利用して該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導くことを特徴とするものである。
第一の発明によれば、前記窯は、蒲鉾状の炭化室の前方に空気孔を有するドア部が開閉可能に設けられるとともに、前記炭化室の後方に煙突部が該炭化室と連通状態で設けられているので、炭化室の前方の空気孔から外気を取り込み、木材の燃焼ガスを炭化室の後方の空気孔を介して煙突部から効率よく排出することができ、例えば炭化室の前方の空気孔や煙突部の開口を部分的に閉塞又は全開することで、その炭化室内の温度調節が容易となる。また前記ドア部を開いて台車を容易に搬出入できる。
この第一の本発明によれば、木材が台車に搭載されて窯内に搬入され、前記搬入された木材が台車に搭載されたままの状態で所定温度で焼かれて炭化され、前記炭化された木材が前記所定温度よりも高い温度でさらに焼かれて白炭とされ、前記白炭が台車ごと窯外に取り出され、前記窯外に取り出された白炭が台車ごと冷却されるので、その窯入工程において、木材を作業性のよい窯外で台車に容易に搭載することができる。
また、窯出工程において、かなりの高温となっている白炭を台車に搭載された状態のまま短時間に窯外に取り出すことができるので、その作業性が改善され、作業者は高温に長時間晒されることがなくなる。
また、少なくとも精錬工程において、前記台車に備えた空気案内部材により、前記炭化室の空気孔から流入する空気を、自然対流を利用して該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導くようにしたので、台車に搭載した木材の位置にかかわらず、常に良好な白炭を製造することができる。このようにして、第一の発明によれば、作業環境の改善と作業効率の改善とを同時に図ることができる。
そして、最終的に得られた白炭は、燃焼しても二酸化炭素が発生しにくく、化学物質を浄化するなど、環境保全に役立つ種々の優れた性質を有するものである。
第二の発明は、蒲鉾状の炭化室の前方に空気孔を有するドア部が開閉可能に設けられるとともに、前記炭化室の後方に煙突部が該炭化室と連通状態で設けられている窯内に、木材を台車に搭載して搬入し、前記搬入された木材を台車に搭載したままの状態で所定温度で焼いて炭化し、前記炭化された木材を前記所定温度よりも高い温度でさらに焼いて白炭とし、前記白炭を台車ごと窯外に取り出し、前記窯外に取り出された白炭を台車ごと冷却するように構成された白炭製造装置であって、前記台車は、前記炭化室の空気孔から流入する空気を、自然対流を利用して該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導く空気案内部材を備えたことを特徴とするものである。
第二発明によれば、前記第一の発明と同様の作用効果を奏することができる。
請求項3記載の発明のように、前記空気案内部材は、前記台車の上面において、前方からの空気が流入可能な複数のパイプを、該パイプの長手方向を前後に向けて並設或いは列設するとともに、該パイプ上に、前記木材を載せるための多孔板を敷設したものであることが好ましい。
請求項3記載の発明によれば、前記空気案内部材は、前記台車の上面において、前方からの空気が流入可能な複数のパイプを、該パイプの長手方向を前後に向けて並設或いは列設するとともに、該パイプ上に、前記木材を載せるための多孔板を敷設したものであるので、前記炭化室の空気孔から流入する空気を、各パイプと多孔板とを通して、該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導くことができる。
或いは、請求項4記載の発明のように、前記空気案内部材は、前記台車の上面において、前方からの空気が流入可能な空間を形成するように複数の耐火煉瓦を分散配置するとともに、該耐火煉瓦上に、前記木材を載せるための多孔板を敷設したものであることが好ましい。
請求項4記載の発明によれば、前記空気案内部材は、前記台車の上面において、前方からの空気が流入可能な空間を形成するように複数の耐火煉瓦を分散配置するとともに、該耐火煉瓦上に、前記木材を載せるための多孔板を敷設したものであるので、前記炭化室の空気孔から流入する空気を、各耐火煉瓦間に形成される空間と多孔板とを通して、該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導くことができる。
請求項5記載の発明のように、前記空気案内部材は、該台車の上面の後側及び左右両側に立設された壁であって、該壁が前記窯の壁に嵌め込み可能であることが好ましい。
請求項5記載の発明によれば、前記空気案内部材は、該台車の上面の後側及び左右両側に立設された壁であって、該壁が前記窯の壁に嵌め込み可能であるので、前記炭化室の空気孔から流入する空気を、台車の壁で案内して、該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導くことができる。
請求項6記載の発明のように、前記台車の壁及び/又は床面には、空気が通過可能な孔を多数設けていることが好ましい。
請求項6記載の発明によれば、前記台車の壁及び/又は床面には、空気が通過可能な孔を多数設けているので、特に精錬時に必要な空気を、台車の壁及び/又は床面の孔から取り込んで、該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導くことができる。
請求項7記載の発明のように、前記窯の壁には、空気が通過可能な孔を多数設けるとともに、該孔を開閉自在とすることが好ましい。
請求項7記載の発明によれば、前記窯の壁には、空気が通過可能な孔を多数設けるとともに、該孔を開閉自在としたので、特に精錬時に必要な空気を、外部から窯の壁の孔から取り込んで、該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導くことができる。この際、精錬時に必要な空気量を、窯の孔を開閉して調整することができる。
請求項8記載の発明のように、前記台車に搭載したままの状態で窯外に取り出された白炭を閉じ込めることにより、該白炭を窒息消火する密閉室を前記窯とは別個に備えることが好ましい。
請求項8記載の発明によれば、前記台車に搭載したままの状態で窯外に取り出された白炭を閉じ込めることにより、該白炭を窒息消火する密閉室を前記窯とは別個に備えたので、その作業性が改善されるとともに、赤熱した白炭の消火作業を短時間に行うことができて、作業者は高温に長時間晒されることがなくなる。このようにして、作業環境の改善と作業効率の改善とを同時に図ることができる。
また消火中において、窯は高温であっても、引き続いて次の窯入工程を実施することができ、窯が自然冷却されるのを待つ必要がない。このため、全体の作業を実施する時間が大幅に短縮され、生産性が高くなる。さらに窯出工程と窯入工程とを繰り返したとしても、その工程間において、窯自身に加わる温度差が小さいので、耐火煉瓦がひび割れるなどの悪影響がでにくくなり、窯の長寿命化を図ることができる。
請求項9記載の発明のように、前記密閉室は、下部が開放されかつベース上に昇降可能に載置された蓋状体であって、該密閉室の開放端がベース上に接触する部位で水封されるように構成されたものであることが好ましい。
請求項9記載の発明によれば、前記密閉室は、下部が開放されかつベース上に昇降可能に載置された蓋状体であって、該密閉室の開放端がベース上に接触する部位で水封されるように構成されたものであるので、ほぼ完全に密閉された空間内で、赤熱した白炭の窒息消火をさらに短時間に行うことができ、これにより一層効率よく白炭を製造することができる。
請求項10記載の発明のように、前記窯から前記蓋状体にいたるまで白炭を搭載した台車を案内するレールを備えることが好ましい。
請求項10記載の発明によれば、前記窯から前記蓋状体にいたるまで白炭を搭載した台車を案内するレールを備えたので、台車を容易に窯から搬出して、例えば予め吊り上げておいた蓋状体の下方に該台車を搬入することができ、その際の作業効率が大幅に向上する。
第一の発明によれば、前記窯は、蒲鉾状の炭化室の前方に空気孔を有するドア部が開閉可能に設けられるとともに、前記炭化室の後方に煙突部が該炭化室と連通状態で設けられているので、炭化室の前方の空気孔から外気を取り込み、木材の燃焼ガスを炭化室の後方の空気孔を介して煙突部から効率よく排出することができ、例えば炭化室の前方の空気孔や煙突部の開口を部分的に閉塞又は全開することで、その炭化室内の温度調節が容易となる。また前記ドア部を開いて台車を容易に搬出入できる。
この第一の本発明によれば、木材が台車に搭載されて窯内に搬入され、前記搬入された木材が台車に搭載されたままの状態で所定温度で焼かれて炭化され、前記炭化された木材が前記所定温度よりも高い温度でさらに焼かれて白炭とされ、前記白炭が台車ごと窯外に取り出され、前記窯外に取り出された白炭が台車ごと冷却されるので、その窯入工程において、木材を作業性のよい窯外で台車に容易に搭載することができる。
また、窯出工程において、かなりの高温となっている白炭を台車に搭載された状態のまま短時間に窯外に取り出すことができるので、その作業性が改善され、作業者は高温に長時間晒されることがなくなる。
また、少なくとも前記精錬工程においては、前記台車に備えた空気案内部材により、前記炭化室の空気孔から流入する空気を、自然対流を利用して該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導くようにしたので、台車に搭載した木材の位置にかかわらず、常に良好な白炭を製造することができる。このようにして、第一の発明によれば、作業環境の改善と作業効率の改善とを同時に図ることができる。
そして、最終的に得られた白炭は、燃焼しても二酸化炭素が発生しにくく、化学物質を浄化するなど、環境保全に役立つ種々の優れた性質を有するものである。
第二発明によれば、前記第一の発明と同様の作用効果を奏することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る白炭製造装置1の全体構造を示す図であって(a)は窯100と消火箱200とを対向配置した場合の側断面図、(b)はその場合の窯100の正面図である。なお、窯100の消火箱200に対向する側を前、その反対側を後という(以下の図面においても同様である)。
この実施形態に係る白炭製造装置1は、図1に示すように、その主要部として、ベース(地面)2上に設置された窯100と、この窯100の前方に所定距離だけ離間した位置に載置される消火箱(密閉室、蓋状体に相当する。)200と、窯100と消火箱200との間においてベース2上に敷設されたレール500上を移動可能な台車300とを備えてなっている。
図2は窯100の構造図であって(a)は側断面図、(b)は正面断面図、(c)は正面図である。また図3は窯100の全体構成を示す斜視図である。
窯100は、図2(a)〜(c)及び図3に示すように、蒲鉾型の炭化室101の一方に窯室口110を設けるとともに、他方に煙突(煙突部に相当する。)130を設けている。すなわち、炭化室101は、縦断面が半円状の天井壁102と、左右側壁103,104と、前後壁105,106とからなり、横断面が四角形状をなしている。
かかる形状とすることで、できるだけ多くの木材400が搭載可能となるように設計された台車300が炭化室101内に自由に搬出入できるようになっている。また各壁102〜106は主として耐火煉瓦で構成されることで、1000℃程度の高温にも耐える構造となっており、さらに天井壁102と、左右側壁103,104の適宜位置に空気を通すための孔133,133,・・・が開閉可能に設けられている。
窯室口110は、前記炭化室101の前壁105を構成し、炭化室101に対して開閉可能な鉄板製のドア部111からなっている。ドア部111は、その裏面には断熱材が貼り付けられており、炭化室101内の覗き孔を兼ねる空気孔112と、ドア部111の熱変形を防止するための補強材113とが適所に設けられている。炭化室101の前側に向かって右側がヒンジ留めされており、左側がロック又はロック解除がなされるようになっている。
ここで、図2(c)はドア部111が閉鎖されてロックされた状態を示しており、前記図1(b)及び図3はドア部111のロックが解除されて開放された状態を示している。そして、このドア部111が開放された状態で、台車300を炭化室101内に容易に搬出入できるようになっている。
なお、ヒンジとロックとは左右逆配置となっていてもよいし、ドア部111が炭化室101に対して上下又は左右方向にスライド可能となっていてもよい。さらにドア部111を両開きにして、重量を軽減することとしてもよい。
煙突130は、前記炭化室101の後壁106に沿って立設され、その後壁106の下方と空気孔131を介して連通されている。これにより、図2(a)において、ドア部111の空気孔112、左右側壁103,104の孔133,133,・・・から外気が取り込まれ、この外気で、炭化室101内で木材400を燃焼することにより発生した燃焼ガスの一部が後壁106の空気孔131から煙突130へと案内され、その開口132から窯100外に放出される。また、残部が天井壁102の孔133,133,・・・から窯100外に直接放出される。したがって、例えばドア部111の空気孔112や、前記天井壁102及び左右側壁103,104の孔133,133,・・・、或いは煙突130の開口132を開閉することで、その炭化室101内の温度調節が容易となる。
図4は消火箱200の構造図であって、(a)は側面図、(b)は側断面図、(c)は正面図、(d)は正面断面図である。
消火箱200は、図1(a)及び図3(a)〜(d)に示すように、その底部が開口された略直方体からなっている。すなわち、消火箱200は、平面状の天井壁202と、左右側壁203,204と、前後壁205,206とからなり、各壁202〜206は主として裏面が断熱材で被覆された鉄板で構成され、熱変形を防止するための補強材を適所に設けることで、1000℃程度の高温にも耐える構造となっている。なお、天井壁202の上部四隅には図示しないアイピースがそれぞれ設けられており、やはり図示しないロープとホイストとを用いて消火箱200の吊り下げ作業を行うことができるようになっている。
その吊り下げられた消火箱200が降下されて、ベース2上に載置される位置には、耐火コンクリート製の受け皿部207が設けられており、この受け皿部207と消火箱200の前後左右側壁203〜206との間は、水封されるようになっている。
具体的には、図4(b)(d)に示すように、ベース2上に形成され、消火箱200の前後左右側壁202〜206の各下部を挿入可能な溝部207aが設けられており、この溝部207aに消火箱200の前後左右側壁202〜206の各下部を挿入した状態で水を注入することにより、消火箱200の前後左右側壁202〜206の各下部が水封される。
なお、消火箱200の後壁206の溝部207aの一部は台車300を2条の平行レール500で案内するために切り欠かれており、その切り欠き部分は例えば図示しない砂をかけることで封止してそこからの空気の消火箱200内への流入を防止するようになっている。これにより、消火箱200はほぼ完全に密閉することができる。また、受け皿部207をベース2下に設けて、その溝207aをベース2表面に開口するように配置することで、前記切り欠き部分をなくして、消火箱200を完全に密閉することもできる。この場合には、レール500の溝207aを跨ぐ部分を切り欠く必要があるが、その切り欠く範囲は僅かであるので、台車300の移動を妨げることはない。
図5は台車300の構造図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。また、図6は台車300の全体構成を示す斜視図、さらに、図7はその部分拡大図であって、使用時における空気の流れを示すものである。
台車300は、図5(a)(b)及び図6に示すように、平面視で略四角形状の鉄板製(耐火煉瓦を敷き詰めている。また、必要に応じてその表面にセラミック等の耐熱材をコーティングしている。)の台301の上面の後側と、左右両側には、それぞれ所定間隔でもってセラミック製の複数本のポール302,302,・・・が立設されており、各ポール302,302,・・・を取り巻くようにして、例えば土壁である後壁351と、左壁352と、右壁353とがそれぞれ形成されている。各壁351,352,353の適宜位置には空気を通すための孔356,356,・・・が複数設けられている。各壁351,352,353が空気案内部材に相当する。
台車300が窯100の炭化室101内に搬入されたときに、台車300の各壁351,352,353が、炭化室101の左右側壁103,104と、後壁106とに嵌り込んで二重壁を構成するようになっている。また、台車300の台301の左右両端は、前記炭化室101の左右側壁103,104の内側に形成された窪み部などに嵌り込むようになっている。これらの構成により、特に精錬時における炭化室101内での1000℃程度の高温を容易に維持しつつ、その精錬時に必要な空気を台車300の台301上に搭載される木材400間に効率よく導くことができるようにしている。
また、台車300の台301の上面における前記各壁351,352,353に囲まれた部分には、図7に示すように、前方からの空気が流入可能な複数のパイプ354,354,・・・が、該パイプ354,354,・・・の長手方向を前後に向けて並設或いは列設されるとともに、該パイプ354,354,・・・上に、その適宜位置に複数の孔355a,355a,・・・を設けた多孔板355が敷設されている。各パイプ354,354,・・・と多孔板355とは例えばステンレス鋼等の耐熱性金属製であり、木材400はこの多孔板355上に縦向きに積載可能となっている。すなわち、各パイプ354,354,・・・と多孔板355とが空気案内部材に相当する。
台301の下方には、左右両側に延びる複数本の回転シャフト303,303,・・・が前後方向に所定間隔をあけて複数のベアリング304,304で軸支されている。それらの回転シャフト303,303,・・・とベアリング304,304,・・・とが、左右両端に設けられた鉄板製の保護板305,305で保護されることにより、その焼き付きが防止されるようになっている。そして、回転シャフト303の左右両端には、レール500上に沿って転動可能な車輪を設けられている。
そして、窯100内から消火箱200の下方との間に延設された2条の平行レール500上を前記車輪が転動するようになっている。また図1(a)に示すように、台車300の前側に設けた図示しない係合部に鋼製のロープ501を引っ掛けて、このロープ501をやはり図示しない駆動源で駆動される巻き取り機で巻き取ることで、台車300を窯100から容易に前方に取り出すことができるようになっている。
以下、本装置1を使用して白炭を製造する手順を示す。その手順は図8に示すとおりである。
まず原材料となる木材400を切り出す。切り出された木材400は、図8に示すように、適当な長さに切断されて台車300の台301上に縦向きに並べられる。木材400を並べる作業は、作業性のよい窯100外で行われるので、極めて簡単になる。
すなわち、台車300の台301上に敷設された多孔板355上に順々に木材400を縦向きにして搭載してゆく。この搭載方法は、図5(a)(b)、図6及び図7などに示したように、台車300の後方から前方に向かって、木材400を順次に立て掛けていく。この作業が終了した後、ドア部111がロック解除されて開放された窯100内に木材400を搭載した状態の台車300が搬入され、そのドア部111が閉鎖されロックされる(窯入工程)。
ついで、木材400を炭化させる作業が行われる。ここでは、木材400を所定の温度で所定日数かけて木材400を焼くことで、該木材400を炭化させる(炭化工程)。なお、所定の温度は、例えば黒炭を製造するときの施行温度600〜700℃程度であり、ドア部111の空気孔112などから図示しない温度計を挿入して計測され、その計測値に基づいて前記ドア部111の空気孔112、前記天井壁102及び左右側壁103,104の孔133,133,・・・、或いは煙突130の開口132が部分的に閉塞されて温度調節がなされる。
このときには、外部からの空気が前記ドア部111の空気孔112や前記天井壁102及び左右側壁103,104の孔133,133,・・・から流入し、台車300の上面各壁351,352,353で区画される範囲内で、パイプ354、多孔板355を通って木材400の間に均一に流れるが、木材400を炭化するための酸素は不足気味にしている。
そして、その空気の一部は前記台車300の後壁351の孔357から炭化室101の孔131を介して煙突130の開口部132から外部に排出され、残部は窯100の炭化室101の天井壁102に開けられた孔133,133,・・・を通って外部に排出される。また、このときには、炭化室101の内部は真っ暗であるから、作業者が内部を除いても木材400の炭化状態を知ることができない。このため。所定日数となったか否かは、煙と臭いと施行温度とから決定される。
木材400を炭化させた後、引き続き、この炭化された木材400を精錬する作業に移行する。ここでは、窯室口110のドア部111の空気孔112、前記天井壁102及び左右側壁103,104の孔133,133,・・・の一部或いは全部、或いは煙突130の開口132を少しずつ開けて窯100の炭化室101内部に空気を送り込み、窯100内部の温度を、例えば白炭を製造するときの施行温度である1000℃程度の高温にして、前記炭化された木材400をさらに焼いて赤熱させる。作業は所定時間かけて行われる。これにより白炭401が出来上がる(精錬工程)。
このときには、外部からの空気が前記ドア部111の空気孔112や前記炭化室101の左右側壁103,104の孔133,133,・・・から流入し、台車300の上面各壁351,352,353で区画される範囲内で、パイプ354、多孔板355を通って木材400の間に均一に流れるが、木材400を炭化するための酸素は前記炭化工程とは異なり十分に供給される。
そして、その空気の一部は前記台車300の後壁351の孔357から炭化室101の空気孔131を介して煙突130の開口部132から外部に排出され、残部は窯100の炭化室101の天井壁102に開けられた孔133,133,・・・を通って外部に排出される。また、このときには、炭化室101の内部は木材400が赤熱されているから、作業者が内部を覗くと木材400の炭化状態を知ることができる。このため、所定時間となったか否かについては、煙と臭いと施行温度とに加えて、前記空気孔112から当該木材400の炭化状態を作業者が直接覗いて決定される。
出来上がった白炭401は、窯100のドア部111をロック解除して開放した上で、台車300ごと窯100内から搬出される。赤熱した白炭401は、炭素密度が高くなっているため、木材400の1/3程度の直径となりその分硬度が高くなっている。このため、白炭401は、実際には図示のものとは異なり、台車300上に積載されたまま若干嵩が低くなり崩れた状態となっている。
ここで、消火箱200を図示しないホイストとロープとを用いて、その下部の開放端が台車300の最大高さよりも若干高くなる高さになるように吊り下げておく。そして、台車300の前側の図示しない係合部にロープ501の一端を係合し、他端を図示しない巻き取り機に係合する。そして、この巻き取り機の駆動源を駆動することで、ロープ501を介して台車300を前方へ牽引する。台車300はレール500上を滑るようにして消火箱200の下方にまで移動する(窯出工程)。
この消火箱200の下方に台車300が移動した時点で、駆動源を停止するとともに、台車300の係合部からロープ501を外す。しかる後に、図示しないホイストを操作して消火箱200を降下させることにより、台車300を消火箱200内に閉じ込める。すると、台車300上に搭載された白炭401は窒息消火される。場合によっては、窒素ガスで消火してもよい。この消火された白炭401は自然冷却される(冷却工程)。
この冷却工程の実行中に、別の台車300を用いて次の窯入工程を再度実施する。ついて次の炭化工程を実施し、次の精錬工程を実施し、次の窯出工程を実行し、さらに次の冷却工程を実施することで、各工程をほぼ連続的に繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、窯100は、蒲鉾状の炭化室101の前方に空気孔112を有するドア部111が開閉可能に設けられるとともに、前記炭化室101の後方に煙突部130が該炭化室101と連通状態で設けられているので、炭化室101の前方の空気孔112や天井壁102及び左右側壁103,104の孔133,133,・・・から外気を取り込み、木材400の燃焼ガスを炭化室101の後方の空気孔131を介して煙突部130の開口132から効率よく排出することができ、例えば炭化室101の前方の空気孔112や天井壁102及び左右側壁103,104の孔133,133,・・・、或いは煙突部130の開口132を部分的に閉塞又は全開することで、その炭化室101内の温度調節が容易となる。また前記ドア部111を開いて台車300を容易に搬出入できる。
また、本実施形態によれば、木材400を台車300に搭載して窯100内に搬入する窯入工程と、前記搬入された木材400を台車300に搭載したままの状態で所定温度で焼いて炭化する炭化工程と、前記炭化された木材400を前記所定温度よりも高い温度でさらに焼いて白炭401とする精錬工程と、前記白炭401を台車300ごと窯100外に取り出す窯出工程と、前記窯100外に取り出された白炭401を台車300ごと冷却する冷却工程とを備えたので、その窯入工程において、木材400を作業性のよい窯100外で台車300に容易に搭載することができる。
また窯出工程において、かなりの高温となっている白炭401を台車300に搭載された状態のまま短時間に窯外に取り出すことができるので、その作業性が改善され、作業者は高温に長時間晒されることがなくなる。
ところで、実際に、蒲鉾状の炭化室101の前方に空気孔112を有するドア部111が開閉可能に設けられるとともに、前記炭化室101の後方に煙突部130が該炭化室101と連通状態で設けられている窯100内に、木材400を台車300に搭載して搬入し、その台車300に搭載された木材400を炭化した上で、精錬したところ、前方の木材400から後方の木材400にかけて、順次に精錬が行われることがわかった。これでは、台車300に搭載した木材400の位置により、良好な白炭が得られず、作業効率が低いものとなる。
この点、本実施形態によれば、少なくとも前記精錬工程においては、前記台車300に備えたパイプ354,354,・・・や多孔板355等により、前記炭化室101の空気孔112等から流入する空気を、自然対流を利用して該台車300に搭載した木材400間に均一に流れるように導くようにしたので、台車300に搭載した木材400の位置にかかわらず、常に良好な白炭を製造することができる。このようにして、本実施形態によれば、作業環境の改善と作業効率の改善とを同時に図ることができる。
そして、最終的に得られた白炭は、燃焼しても二酸化炭素が発生しにくく、化学物質を浄化するなど、環境保全に役立つ種々の優れた性質を有するものである。
また、本実施形態の冷却工程において、台車300に搭載された状態のままで窯100外に取り出された白炭401を、前記窯100とは別個に設けられた消火箱200内に閉じ込めることにより、該白炭401を窒息消火するので、その作業性が改善されるとともに、赤熱した白炭401の消火作業を短時間に行うことができて、作業者は高温に長時間晒されることがなくなる。このようにして、作業環境の改善と作業効率の改善とを同時に図ることができる。
また消火中において、窯100は高温であっても、引き続いて次の窯入工程を実施することができ、窯100が自然冷却されるのを待つ必要がない。このため、全体の作業を実施する時間が大幅に短縮され、生産性が高くなる。さらに窯出工程と窯入工程とを繰り返したとしても、その工程間において、窯100自身に加わる温度差が小さいので、耐火煉瓦がひび割れるなどの悪影響がでにくくなり、窯100の長寿命化を図ることができる。そして、最終的に得られた白炭401は、燃焼しても二酸化炭素が発生しにくく、化学物質を浄化するなど、環境保全に役立つ種々の優れた性質を有するものである。
なお、この実施形態では、台車300の台301の上面に、空気案内部材としてのパイプ354,354,・・・を並設するとともに列設し、その上に、木材400を載せるための多孔板355を敷設しているが、長尺パイプに孔をあけて使用してもよい。また、パイプ354,354,・・・上に多孔板355を敷設しているが、この多孔板355に代えて網板を使用してもよい。
或いは、図10に示す変形例のように、前記空気案内部材は、台車300の台301の上面に、前方からの空気が流入可能な空間を形成するように複数の耐火煉瓦354a,354a,・・・を分散配置するとともに、各耐火煉瓦354a,354a,・・・上に、木材400を載せるための多孔板355を敷設したものであってもよい。この場合においても、炭化室101の空気孔102から流入する空気を、各耐火煉瓦354a,354a,・・・間に形成される空間と多孔板355とを通して、台車300に搭載した木材400間に均一に流れるように導くことができる。また、この多孔板355に代えて網板を使用してもよい。さらに、台車300の台301の上面に、パイプ354,354,・・・と、耐火煉瓦354a,354a,・・・とを適宜組み合わせて配置し、その上に多孔板355や網板を敷設するようにしてもよいのはもちろんである。
また、上記実施形態では、台車300の台301の各壁351,352,353の適宜箇所には空気を通すための孔356,356,・・・が複数設けられているが、これに代えて、或いは、これに加えて台車300の台301の底面にも同様の孔を設けることとしてもよい。その場合には、窯100の炭化室101の底面をなすベース2と台車300の台301の底面との間で形成される空間からも空気を取り込んで、該台車300の台301上面に搭載した木材400間に均一に流れるように導くことができる。
また、上記実施形態では、レール500に沿って白炭401を搭載した台車300をロープ501を介して牽引する巻き取り機とその動力源とを備えているが、レール500に沿って木材400を搭載した台車300を押し込む押しこみ機とその動力源とを備えてもよい。これにより、前記窯出工程と同様に、前記窯入工程の作業効率をさらに向上させることができる。また、窯100と消火箱200とは、必ずしも対向配置する必要性はなく、例えば両者を横に並べてUの字状のレール500で連結することとしてもよい。さらに、レール500を直角方向に曲げるターンテーブルを使用することとしてもよい。
上記実施形態では、木材400は、台車300上に縦向きに並べられるが、この木材400は、横向きに積み重ねて台車300に搭載されるようにしてもよい。これにより、複数本の木材300が安定した姿勢を維持したまま窯100内に同時に搬入され、従来のように木材400を窯内に縦向きにして順次に詰め込む場合に比べて、作業者の負担が軽減される。これにより木材400を窯に搬入する際の作業効率が向上する。同様に、白炭401を窯100から取り出す際の作業効率が向上する。
また、この実施形態では、消火箱200を吊り下げておき、窯100からこの消火箱200の下方にまで白炭401を搭載した台車300が案内されてきた時点で、この消火箱200を降下させるようにしているが、消火箱200を例えばベース2上に立設された支柱に沿って昇降自在にすることとしてもよい。昇降手段はジャッキなどであってもよい。さらに、消火箱200を例えばベース2上に固定しておいて、その消火箱200の窯100との対向面に開閉ドアを設けてもよい。これらにより、消火箱200の吊り作業がなくなり、冷却工程の作業効率をさらに向上させることができるとともに、作業環境の向上をも図ることができる。
また、この実施形態では、消火箱200の裏面に断熱材で被覆された鉄板で構成されているため、自然冷却するための時間が長くなることがある。そこで、消火箱200を強制的に空冷又は水冷することで、かかる冷却時間の短縮化を図ることとしてもよい。さらに、窯100の各壁102〜106内に導水管を設けておき、この導水管に供給した水を窯100からの伝熱で加熱して温水又は蒸気として他所に供給することとしてもよい。その場合、窯100を複数化することで、安定した温水の供給量を確保できる。
本発明の一実施形態に係る白炭製造装置の全体構造を示す図であって(a)は窯と消火箱とを対向配置した場合の側断面図、(b)はその場合の窯の正面図である。 窯の構造図であって(a)は側断面図、(b)は正面断面図、(c)は正面図である。 窯の全体構成を示す斜視図である。 消火箱の構造図であって、(a)は側面図、(b)は側断面図、(c)は正面図、(d)は正面断面図である。 台車の構造図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。 台車の全体構成を示す斜視図である。 台車の部分拡大図であって、使用時の空気の流れを示すものである。 本装置を用いた白炭製造方法を示す図である。 従来の白炭製造方法を示す図である。 変形例に係る台車の部分拡大図であって、使用時の空気の流れを示すものである。
符号の説明
1 本装置
2 ベース
100 窯
101 炭化室
102〜106 各壁
110 窯室口
111 ドア部
112 空気孔
130 煙突
131 空気孔
132 開口
133 孔
200 消火箱(密閉室、蓋状体に相当する。)
202〜206 各壁
207 受け皿部
207a 溝部
300 台車
301 台
302 ポール
303 回転シャフト
304 ベアリング
305 保護板
351〜353 各壁(空気案内部材に相当する。)
354 パイプ(空気案内部材に相当する。)
354a 耐火煉瓦(空気案内部材に相当する。)
355 多孔板(空気案内部材に相当する。)
366 孔
400 木材
401 白炭
500 レール
501 ロープ

Claims (10)

  1. 蒲鉾状の炭化室の前方に空気孔を有するドア部が開閉可能に設けられるとともに、前記炭化室の後方に煙突部が該炭化室と連通状態で設けられている窯内に、木材を台車に搭載して搬入する窯入工程と、前記搬入された木材を台車に搭載したままの状態で所定温度で焼いて炭化する炭化工程と、前記炭化された木材を前記所定温度よりも高い温度でさらに焼いて白炭とする精錬工程と、前記白炭を台車ごと窯外に取り出す窯出工程と、前記窯外に取り出された白炭を台車ごと冷却する冷却工程とを備えた白炭製造方法であって、
    少なくとも前記精錬工程においては、前記台車に備えた空気案内部材により、前記炭化室の空気孔から流入する空気を、自然対流を利用して該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導くことを特徴とする白炭製造方法。
  2. 蒲鉾状の炭化室の前方に空気孔を有するドア部が開閉可能に設けられるとともに、前記炭化室の後方に煙突部が該炭化室と連通状態で設けられている窯内に、木材を台車に搭載して搬入し、前記搬入された木材を台車に搭載したままの状態で所定温度で焼いて炭化し、前記炭化された木材を前記所定温度よりも高い温度でさらに焼いて白炭とし、前記白炭を台車ごと窯外に取り出し、前記窯外に取り出された白炭を台車ごと冷却するように構成された白炭製造装置であって、
    前記台車は、前記炭化室の空気孔から流入する空気を、自然対流を利用して該台車に搭載した木材間に均一に流れるように導く空気案内部材を備えたことを特徴とする白炭製造装置。
  3. 前記空気案内部材は、前記台車の上面において、前方からの空気が流入可能な複数のパイプを、該パイプの長手方向を前後に向けて並設或いは列設するとともに、該パイプ上に、前記木材を載せるための多孔板を敷設したものであることを特徴とする請求項2記載の白炭製造装置。
  4. 前記空気案内部材は、前記台車の上面において、前方からの空気が流入可能な空間を形成するように複数の耐火煉瓦を分散配置するとともに、該耐火煉瓦上に、前記木材を載せるための多孔板を敷設したものであることを特徴とする請求項2記載の白炭製造装置。
  5. 前記空気案内部材は、該台車の上面の後側及び左右両側に立設された壁であって、該壁が前記窯の壁に嵌め込み可能であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の白炭製造装置。
  6. 前記台車の壁及び/又は床面には、空気が通過可能な孔を多数設けていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の白炭製造装置。
  7. 前記窯の壁には、空気が通過可能な孔を多数設けるとともに、該孔を開閉自在としたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の白炭製造装置。
  8. 前記台車に搭載したままの状態で窯外に取り出された白炭を閉じ込めることにより、該白炭を窒息消火する密閉室を前記窯とは別個に備えたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の白炭製造装置。
  9. 前記密閉室は、下部が開放されかつベース上に昇降可能に載置された蓋状体であって、該密閉室の開放端がベース上に接触する部位で水封されるように構成されたものであることを特徴とする請求項8記載の白炭製造装置。
  10. 前記窯から前記蓋状体にいたるまで白炭を搭載した台車を案内するレールを備えたことを特徴とする請求項8又は9記載の白炭製造装置。
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