JP2013008098A - 異常予兆診断結果の表示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械設備の異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置によって、その診断結果を含む情報を適切に表示する異常予兆診断結果の表示方法を提供する。
【解決手段】センサデータの正常範囲を示す正常モデルを学習し、正常モデルに基づいて機械設備の異常予兆の有無を診断する第1の診断手順と、センサデータの値が予め設定された所定範囲のしきい値を超えた場合には異常予兆ありと診断する第2の診断手順と、診断結果を含む情報の表示制御を行う表示制御手順とを行い、表示制御手順は、少なくとも、保守作業が行われる期間と、当該保守作業後の所定学習期間と、当該所定学習期間後から次回の保守作業が行われるまでの診断期間と、当該診断期間における機械設備の異常予兆の有無と、を識別可能に表示手段に表示させる。
【選択図】図17

Description

本発明は、機械設備からのセンサデータに基づいて、異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置による異常予兆診断結果の表示方法に関する。
様々な機器から構成される機械設備やシステム機器は、安定して正常に稼動することが求められる。しかし、運転条件の変化などに基づく負荷の変動やその他の要因によって、機械設備やシステム機器にはさまざまなトラブルが発生する。
通常、これらの機器には、その稼動状態を把握するとともに異常を検知することを目的として様々なセンサが設置され、運転状態を監視している。さらに、最近のIT機器の進歩は、膨大な運転記録データやセンサデータの保存を可能にし、多くの機器、システムにおいてこれらのデータが保存されている。
また、例えば、発電システムなどにおいては、停止することなく24時間稼動することが求められており、そのためには故障の発生を未然に防止するための定期点検やメンテナンスが欠かせない。さらに、異常状態が発生する前の予兆を検知することができれば、当該予兆前後のセンサデータを分析することにより、早期の対応が可能となる。
従来、異常予兆を検知する方法として、大きく分けると2つの方法が提案されている。一つ目の方法は、しきい値設定によるリモートモニタリングによる異常予兆診断である。すなわち、各センサデータについてそれぞれ予めしきい値を設定し、センサデータの値が所定のしきい値を超えると異常予兆ありと判定する方法である。
特許文献1には、室内の温度、ガス濃度、放射線などを測定するための計測手段と、室内の機器の状態を判別する判別手段を備え、判別手段は各計測手段からの測定値のレベルの大きさ及びその組み合わせから室内正常、室内注意状態、室内異常の3つの状態を判別する技術について記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、前記測定値のしきい値を適宜設定することにより、機械設備などの異常予兆を検知することができる。
異常予兆を検知する二つ目の方法は、統計的な分類手法を用いたデータマイニングによる異常予兆診断である。特許文献2には、正常範囲をクラスタリングマップとして設定し、さらに競合型ニューラルネットワークを用いて異常予兆を検知する技術について記載されている。特許文献2に記載の技術によれば、正常状態にばらつきがある場合でも優れた検知精度を有し、異常時のデータを必要とせずに監視対象の異常状態を検知できる。
特開平11−125694号公報 特開2007−198918号公報
特許文献1に記載の技術では、異常予兆を検知する場合に、前記しきい値を超えるセンサの種類は少数(例えば、1種類)である。しかしながら、複雑な機械設備などにおいて発生する異常の原因は複合的なものが多く、例えば、故障項目が同じでも故障発生までのプロセスはさまざまであり、必ずしも最適なしきい値を設定できるとは限らないという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、例えば、機械設備などにメンテナンスを施すと、システム条件が大きく変化することがある。このような場合でも、蓄積された過去のデータをそのまま使ってデータマイニングに基づいた診断を行うと、機械設備自体は正常であるにもかかわらず、異常予兆として診断してしまうという問題がある。
また、例えば、外部から入力された保守情報に基づいてデータマイニングによる学習を行い、その学習に基づいた診断結果及びメンテナンスが行われた日程などを合わせて自動的に表示させる技術については、特許文献2には記載されていない。
そこで、本発明は、機械設備の異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置によって、その診断結果を含む情報を適切に表示する異常予兆診断結果の表示方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、所定のサンプリング周期ごとに取得される各種センサからのセンサデータが記憶されるセンサデータ記憶手段と、機械設備の保守情報が記憶される保守情報記憶手段と、制御手段と、を備え、制御手段は、保守作業が行われる機械設備と保守作業期間とを特定する情報を少なくとも含む保守情報を保守情報記憶手段から取得する保守情報取得手順と、保守情報取得手順によって取得される保守情報に対応して、センサデータが取得された期間を指定し、センサデータ記憶手段から当該期間に相当するセンサデータを読み出す学習対象データ取得手順と、当該センサデータの正常範囲を示す正常モデルを学習する学習手順と、前記正常モデルに基づいて機械設備の異常予兆の有無を診断する診断手順と、を有する第1の診断工程と、センサデータ記憶手段から前記センサデータを読み出し、各センサデータが、それぞれ予め設定された所定範囲のしきい値を超えた場合には、異常予兆ありと診断する第2の診断工程と、第1の診断工程による診断結果、及び、第2の診断工程による診断結果を含む情報の表示制御を行う表示制御工程と、を行い、表示制御工程では、少なくとも、保守作業が行われる期間と、当該保守作業後の所定学習期間と、当該所定学習期間後から次回の保守作業が行われるまでの診断期間と、当該診断期間における機械設備の異常予兆の有無と、を識別可能に表示手段に表示させることを特徴とする。
本発明により、機械設備の異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置によって、その診断結果を含む情報を適切に表示する異常予兆診断結果の表示方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る異常予兆診断装置を含むシステム構成図である。 コンピュータの表示手段に表示される保守情報の登録画面の例を示す図である。 異常予兆診断装置のデータマイニング部の構成図である。 学習対象データ取得手段によって取得される学習対象データを含む学習期間と、診断日との関係を示す説明図である。 保守作業が行われた場合に、学習対象データ取得手段によって取得される学習対象データを含む学習期間と、診断日との関係を示す説明図である。 各運転モードにおける各種センサデータの値の変化を示す図である。 データマイニング学習部による正常モデルの学習の説明図である。 データマイニング学習部による学習結果の例を示す図である。 データマイニング学習部における学習処理を示すフローチャートである。 学習対象データ取得手段による学習対象データの取得処理を示すフローチャートである。 データマイニング診断部における診断処理を示すフローチャートである。 データマイニング診断部による診断結果の例を示す図である。 異常予兆診断装置のリモートモニタリング部の構成図である。 リモートモニタリング部の個別判定手段による異常予兆の診断の説明図である。 異状予兆診断装置による実験データの例を示す図であり、(a)は計測値と学習値と寄与度の変化を示し、(b)は異常度の変化を示すグラフである。 (a)は保守作業を行う前後の期間における計測値の変化と、比較例での異常値の変化とを示すグラフであり、(b)は本実施形態に係る異常予兆診断装置を用いた場合の、保守作業を行う前後の期間における異常値の変化を示すグラフである。 異状予兆診断装置による診断結果を表示手段に表示させた場合の例を示す図である。 リモートモニタリング部による診断結果を表示手段に表示させた場合の例を示す図であり、(a)は異常予兆を検知した場合の異常予兆検知画面を示し、(b)は異常予兆の内容を表示する異常予兆詳細画面の例を示す図である。 機械設備に設置された複数のセンサによる計測値の変化を表示手段に表示させた場合の例を示す図である。 表示制御手段による表示処理を示すフローチャートである。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
≪第1実施形態≫
図1は、本発明の一実施形態に係る異常予兆診断装置を含むシステム構成図である。
異常予兆診断装置1は、機械設備2に設置された複数のセンサから取得される計測値に基づいて、機械設備2に異常予兆があるか否かを診断する装置である。ここで、「異常予兆」とは、診断日を基準として近い将来(例えば、およそ2週間以内)に機械設備2に異常事態が発生する可能性が高いことを示す。また、「異常」とは、例えば、機械設備2において明らかに動作の不具合(故障)が発生しており、機械設備2が正常に動作していない状況を示す。
なお、「異常予兆」と「異常」とを区別する境界は必ずしも明確である必要はなく、例えば、異常の度合いを示す尺度(後記する異常度など。)を適宜設定し、当該尺度の値が所定のしきい値を超えるか否かによって、両者を区別することとしてもよい。
図1に示すように、本実施形態に係る異常予兆診断装置1は、通信ネットワークNを介して少なくとも1つの機械設備2と接続されている。通常、機械設備2は複数台(例えば、50台)存在するが、そのような場合でも、以下の記載では一括して「機械設備2」と記すこととする。ちなみに、機械設備2は、例えば、発電所で用いられるガスエンジンやガスタービン、原子力発電所の原子炉、風力発電所の風車、化学プラントで用いられる各種機器などを指している。
また、機械設備2には、温度、圧力、電圧、電流、モータ回転速度などを計測するために、図示しない複数個の(例えば、30個)のセンサが設置されており、一定のサンプル周期(例えば、30秒ごと)で各計測値を取得している。ちなみに、機械設備2の過渡状態においては、前記サンプル周期をさらに短く設定することが好ましい。
そして、機械設備2は、前記した各種センサによって取得された各計測値を、通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信している。
また、各機械設備2に対しては、異常予兆診断装置1による異常予兆診断がなされる他に、各機械設備2自体に安全計装としてのインターロック(図示せず)が複数設置されている。そして、所定の場合(例えば、燃料が少なくなった時など)には、前記インターロックからの警報情報又は故障情報が、通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信されるようになっている。
また、機械設備2に対しては保守作業が行われることがある。保守作業は定期的なメンテナンスとして行われることもあるし、機械設備2自体に設置されたインターロック(図示せず)からの警報情報若しくは故障情報、又は異常予兆診断装置1による異常予兆ありの診断に対応したメンテナンスとして行われることもある。また、保守作業は、例えば、機械設備2がガスエンジンであった場合に外部から冷却水を追加する場合などの操作も含むものとする。
すなわち「保守作業」とは、機械設備2に対するメンテナンスを含む人為的操作を意味するものとする。以下では、保守作業の一例として、機械設備2に対するメンテナンスを行う場合について説明する。
また、図1に示すように、異常予兆診断装置1は、通信ネットワークNを介してコンピュータ3と接続されている。コンピュータ3は、図示しない入力手段、制御手段、記憶手段、表示手段、通信手段などを備えている。そして、各機械設備2に対するメンテナンスの内容(保守情報)を把握した作業員が、コンピュータ3の前記入力手段(キーボードなど)を介して、保守作業が行われる機械設備2の識別情報や保守作業期間などを含む保守情報を登録する(図2参照)。
図2は、コンピュータの表示手段(図示せず)に表示される保守情報の登録画面の例を示す図である。
機械設備2に対してメンテナンスを行う場合に、管理者によってコンピュータ3に入力される保守情報には、例えば、次のようなものが挙げられる。すなわち、図2に示すように、登録基本情報301として、件名、対応種別、機械設備2を管理するサイト名などを入力する。ちなみに、図2に示す登録基本情報301のうち「管理No」、「サイト名」、及び「号機」によって、機械設備2及び当該機械設備2を管理するサイトが特定される。
また、不具合情報302として、機械設備2に故障などの不具合が発生した日時、状態、エラー項目(故障発生箇所)などが入力される。
また、保守作業期間303として、不具合が発生した機械設備2に対してメンテナンスを行う予定の期間が入力される。つまり、コンピュータ3に入力される保守作業期間303は、(保守情報を入力した時点を現在とした)将来において、機械設備2に対しメンテナンスが行われる予定の期間を示す情報である。
ちなみに、コンピュータ3に入力される保守作業期間303は、(保守情報を入力した時点を現在とした)過去の所定期間において機械設備2に対しメンテナンスが行われたという情報であってもよい。後者の場合、異常予兆診断装置1は、過去の所定期間にメンテナンスが行われたという当該情報に基づいて、異常予兆の診断を再度実行することになる。
交換部品304として、メンテナンスに際して交換した機械設備2の部品を特定する情報が入力される。また、保守作業完了の有無を示す情報305として、保守作業が完了したか否かを示す情報が0又は1に対応して入力される。さらに、処置内容306として、メンテナンス内容の他、メンテナンス前後における機械設備2の状態が入力される。
コンピュータ3に入力された保守情報は、制御手段(図示せず)によってコンピュータ3の記憶手段(図示せず)に記憶され、さらに通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信される。
<異常予兆診断装置の構成>
図1に示すように、異常予兆診断装置1は、通信手段10と、センサデータ取得手段11と、センサデータ記憶手段12と、保守情報取得手段13と、保守情報記憶手段14と、データマイニング部15と、リモートモニタリング部16と、診断結果記憶手段17と、表示制御手段18と、表示手段19と、を備える。
通信手段10は、通信ネットワークNを介して機械設備2やコンピュータ3からのデータを受信するものであり、例えば、ルータや各種インタフェースなどにより構成されている。通信手段10は、例えば、TCP/IPの通信プロトコルに従い、通信ネットワークNを介して前記データを受信する。
センサデータ取得手段11は、通信ネットワークNを介して通信手段10から入力された各データのうち、機械設備2に設置された各種センサ(図示せず)からのセンサデータを取得するものである。前記で説明したように、機械設備2に設置された各種センサは、機械設備2における所定の出力値(例えば、温度や圧力の値など)を計測している。そして、機械設備2は、当該各種センサによる計測値を所定時間(例えば、30秒)ごとに取得し、通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に対して逐次送信している。この場合、センサデータ取得手段11は、1日当たりで、機械設備2の各種センサからそれぞれ2880個の計測値を取得することとなる。
なお、通信ネットワークNを介して通信手段10から入力されるデータには、前記計測値の他に、当該センサによって検出された計測値のデータ種別(機械設備2の識別番号、及び、センサの識別番号を含む)、機械設備2において計測値が取得された日付及び時刻が含まれる。また、通信手段10から入力されるデータとして、機械設備2における所定の指令値(例えば、モータ回転速度の指令値など)を含めてもよい。
計測値及び当該計測値を特定するために付加される前記データを総称して、以下、「センサデータ」と記すこととする。センサデータ取得手段11は、通信手段10を介して取得したセンサデータを、センサデータ記憶手段12に記憶させる。
センサデータ記憶手段12は、センサデータ取得手段11によって取得されたセンサデータを記憶している。すなわち、センサデータ記憶手段12は、機械設備2又は少なくとも1つの機械設備2を管理するサイト(図示せず)ごとに、センサデータをデータベースとして記憶している。そして、センサデータ記憶手段12は、記憶しているセンサデータを、後記するデータマイニング部15と、リモートモニタリング部16と、表示制御手段18と、に対して出力可能に構成されている。
保守情報取得手段13は、通信ネットワークNを介して通信手段10から入力された各データのうち、コンピュータ3から出力された保守情報を取得するものである。保守情報取得手段13によって取得される保守情報には、少なくとも機械設備2を特定するための識別番号(図2の登録基本情報301を参照)と、機械設備2に対して保守作業が行われた期間(図2の保守作業期間303を参照)と、を含むものとする。保守情報取得手段13は、通信手段10を介して取得したデータが保守情報であるか否かを識別し、取得した保守情報を保守情報記憶手段14に記憶させる。
保守情報記憶手段14は、保守情報取得手段13によって取得された保守情報を記憶している。保守情報記憶手段14は少なくとも、どの機械設備2に対してどの期間に保守作業が行われたかを含む保守情報を、データベースとして記憶している。そして、保守情報記憶手段14は、記憶している保守情報を後記するデータマイニング部15と、表示制御手段18とに対して出力可能に構成されている。
データマイニング部15は、統計的データ分類手法を適用してデータマイニングを行い、機械設備2の正常データを学習して機械設備2ごとに正常モデルを学習し、当該正常モデルに基づいて機械設備2の異常予兆の有無を診断する。また、データマイニング部15は、保守情報記憶手段14から取得した保守情報に基づいて、センサデータ記憶手段12からセンサデータを取得する。そして、データマイニング部15は、取得した当該センサデータに基づいて学習及び診断を行い、その診断結果を診断結果記憶手段17に記憶させるようになっている。
なお、データマイニング部15の詳細については、後記する。
リモートモニタリング部16は、異常予兆診断装置1の各種設定を行う管理者の経験や知識をもとに、機械設備2から取得したセンサデータの値(又は変化量)について上下しきい値を設け、センサデータの値などが当該上下しきい値を超えた場合に異常予兆ありと診断する。そして、リモートモニタリング部16は、前記の診断結果を診断結果記憶手段17に記憶させるようになっている。
なお、リモートモニタリング部16の詳細については、後記する。
異常予兆診断装置1は、データマイニング部15による診断と、リモートモニタリング部16による診断をそれぞれ独立に行っている。
診断結果記憶手段17は、データマイニング部15による診断結果と、リモートモニタリング部16による診断結果とを、それぞれ別の記憶領域(図示せず)に記憶している。また、診断結果記憶部17は、診断日における各診断結果を機械設備2(又は機械設備2を管理するサイト)ごとに記憶しており、表示制御手段18に対して出力可能に構成されている。
表示制御手段18は、診断結果記憶手段17に記憶されているデータマイニング部15による診断結果、及び、リモートモニタリング部16による診断結果を、表示手段19に表示させるための制御を行う。すなわち、表示制御手段18は、表示手段19に対して異常予兆診断装置1による診断結果などを表示させる際に必要となる制御信号を出力する(詳細については、後記する)。
表示手段19は、例えば、モニタであり、表示制御手段18から入力された制御信号に従って、異常予兆診断装置1による診断結果などを表示する。
図3は、異常予兆診断装置のデータマイニング部の構成図である。データマイニング部15は、データマイニング学習部151と、データマイニング診断部152と、を備える。
<データマイニング学習部の構成>
データマイニング学習部151は、統計的データ分類手法の一種であるクラスタリングを適用してデータマイニングを行い、機械設備2の正常モデルを学習する。なお、「正常モデル」が示す対象については、後記する。
データマイニング学習部151は、学習対象データ取得手段151aと、モード判定手段151bと、モード別学習対象データ記憶手段151cと、学習手段151dと、正常モデルデータ記憶手段151eと、を備える。
(1.学習対象データ取得手段)
図3に示すように、学習対象データ取得手段151aは、保守情報記憶手段14に記憶されている保守情報に基づいて、センサデータ記憶手段12からセンサデータを取得する。以下、学習対象データ取得手段151aがセンサデータ記憶手段12から取得するセンサデータを、「学習対象データ」と記す。
(A.通常の場合の学習対象データ取得処理)
図4は、学習対象データ取得手段によって取得される学習対象データを含む学習期間と、診断日との関係を示す説明図である。ちなみに、図4は、学習期間Bの初日(1日)から診断日(22日)までの間では、機械設備2に対するメンテナンスがなされなかった場合について示している。また、図4に記載の日付は学習期間Bの1日目を基準(1日)として付けたものである。
図4に示すように、学習対象データ取得手段151aは、診断日(22日)から所定期間A(例えば、1週間)だけ過去にさかのぼり、所定の学習期間B(例えば、2週間分)の学習対象データをセンサデータ記憶手段12から取得する。ここで、所定期間A及び学習期間Bは、予め設定された期間である。
なお、所定期間Aは、長期間かけてゆっくりと設備状態が異常に変化するような事象の検知に対応可能であるとともに、機械設備2の稼働状況自体の変化にも対応可能であるように、適宜設定すればよい。また、前記の学習期間Bは、後記する学習手段151dが正常モデルを学習するために必要とする学習対象データを十分に取得できる期間であればよく、適宜設定すればよい。
また、学習対象データ取得手段151aは、所定期間Bとして、機械設備2に設置されたインターロック(図示せず)によって警報又は故障が検知された日を除くよう設定されている。つまり、図4に示す2日に機械設備2で警報があったので、学習対象データ取得手段151aは、2日を除く2週間分のセンサデータを学習対象データとしてセンサデータ記憶手段12から取得する。
なお、データマイニング学習部151による学習処理は、一日に一回、予め設定された時刻(例えば午前0時)になされる。そして、後記するデータマイニング診断部152による診断処理は、一日に一回、前記学習処理が終了した後に当該学習処理によって学習された正常モデルを基準として診断される。
そして、図4に示す所定期間Aと学習期間Bとは、診断日の経過に伴い1日ずつシフトしていく。
なお、前記した学習処理及び診断処理は一日に一回に限らず、所定の期間ごとに行うこととしてもよい。また、異常予兆診断装置の管理者が、学習処理及び診断処理を行うタイミングを、図示しない入力手段を介して任意に設定することもできる。
ちなみに、前記では、機械設備2自体に設置されたインターロック(図示せず)によって警報又は故障が検知された日を学習対象日から除外することとしたが、さらに、異常予兆診断装置1によって異常予兆があると診断された日も学習対象から除外することが好ましい。これは、データマイニング部15がクラスタリングを用いて精度の高い診断を行うために、正常なデータを学習する必要があるからである。このようにして、警報又は故障が検知された日、及び、異常予兆と診断された日を除外した日における機械設備2のセンサデータを以下、「正常データ」と記す。
つまり、学習対象データ取得手段151aは、過去における所定日数分の正常データをセンサデータ記憶手段12から取得し、モード判定手段151bに出力する。
(B.メンテナンスがあった場合の学習対象データ取得処理)
図5は、保守作業が行われた場合に、学習対象データ取得手段によって取得される学習対象データを含む学習期間と、診断日との関係を示す説明図である。
図5に示すように、例えば、3日〜5日の期間に特定の機械設備2に対してメンテナンスがあった場合を仮定する。また、図5に示すメンテナンス期間(3日〜5日)はメンテナンスの作業が終了した後、機械設備2の動作が安定するまでの期間も含むものとする。
このようなメンテナンスがあった場合、メンテナンスの前後でセンサデータの値が大幅に変動する可能性が高い。仮に、診断日がメンテナンス直後であった場合に、学習対象データ取得手段151aが、通常の場合に適用される図4に示す方法で学習対象データを取得したとすると、次のような事態が発生する。すなわち、学習対象データ取得手段151aが、メンテナンス前のセンサデータやメンテナンス中のセンサデータをも学習対象データとして取得してしまうこととなる。したがって、この場合には、メンテナンスを施された機械設備2自体は正常であるにもかかわらず、異常予兆診断装置1が異常予兆ありと診断し続ける可能性がある(図16(a)参照)。
そこで、メンテナンスがあった場合、学習対象データ取得手段151aは図5に示す学習期間のセンサデータを学習対象データとして取得する。
図5に示すように、学習対象データ取得手段151aは、メンテナンス以前(2日以前)のセンサデータ、及び、メンテナンス期間中である3日〜5日のセンサデータを、取得すべき学習対象データから除外する。つまり、学習対象データ取得手段151aは、メンテナンス期間(3日〜5日)が経過した後の6日から所定の学習期間B1(例えば、1週間)のセンサデータを学習対象データとして取得する。
なお、図5に示す学習期間B1は、メンテナンス後における機械設備2から取得した学習対象データを用いて、学習手段151dが新たな正常モデルを作成するために最低限必要な期間である。したがって、図5に示すように、後記する診断手段152e(図3参照)は、メンテナンス期間(3日〜5日)及びメンテナンス後の学習期間B1(6日〜12日)までの間は異常予兆の診断を行わない。そして、診断手段152eは、学習期間B1が経過した後の13日から異常予兆の診断を再開する。
そして、図5(a)に示すように、学習期間として十分な期間である学習期間B2(例えば、2週間)が確保できるまでは、学習対象データ取得手段151aはメンテナンス後の6日から診断日の前日までのセンサデータを、学習対象データとしてセンサデータ記憶手段12から取得する。
また、図5(b)に示すように、学習期間B2の最終日(19日)から診断日までの日数が所定期間A2(例えば、一週間)となるまでは、学習対象データ取得手段151aは、学習期間B2におけるセンサデータを取得する。これは、前記で説明したように、長期間かけてゆっくりと設備状態が異常に変化するような事象の検知に対応可能であるようにするためである。
そして、図5に示す27日以後は、学習対象データ取得手段151aは、前記で説明した「通常の場合の学習データ取得処理」と同様の処理を行う(図4、図5(b)参照)。さらに、図5(c)に示すように、学習期間B2の最終日(19日)からの日数が所定期間A2を超えた診断日(28日)からは、学習対象データ取得手段151aは、診断日の経過に伴って学習期間B3及び所定期間A3を順次シフトさせていく。
ちなみに、機械設備2自体に設置されたインターロック(図示せず)によって警報又は故障が検知された日や、異常予兆診断装置1によって異常予兆があると診断された日を学習対象日から除外することは、前記した「通常の場合の学習対象データ取得処理」の場合と同様である。
また、前記した学習期間B1,B2及び所定期間A2は、適宜設定を変更することが可能である。
(2.モード判定手段及びモード別学習対象データ記憶手段)
モード判定手段151bは、学習対象データ取得手段151aから入力された学習対象データの運転モードを判定する。ここで、「運転モード」とは、機械設備2(図1参照)の運転モードを意味している。
図6は、各運転モードにおける各種センサデータの値の変化を示す図である。
運転モードとしては、図6に示すように、機械設備2が停止して定常状態となっているモード(定常(OFF))、機械設備2が起動して過渡状態となっているモード(過渡(START))、機械設備2が稼動して定常状態となっているモード(定常(ON))、機械設備2が停止して過渡状態となっているモード(過渡(STOP))などが挙げられる。モード判定手段151bは、機械設備の運転モードをセンサデータの変化に基づいて自動的に判定し、各運転モードに分割することができる。例えば、モード判定手段は151bは、特定のセンサデータに着目して、時間軸における当該センサデータの変化率に応じて機械設備2の運転モードを判定する。
モード判定手段151bは学習対象データ取得手段151aによって取得された学習対象データが、どの運転モードに属するかを判定する。そして、モード判定手段151bは、学習対象データ取得手段151aによって取得された学習対象データに前記の運転モードを対応させて、モード別学習対象データ記憶手段151c(図3参照)に記憶させる。
モード別学習対象データ記憶手段151cは、モード判定手段151bから入力された学習対象データを前記の運転モード別に記憶している。そして、モード別学習対象データ記憶手段151cは、運転モード別に記憶されている学習対象データを学習手段151dに対して出力可能に構成されている。
(3.学習手段)
学習手段151dは、モード別学習対象データ記憶手段151cから取得した学習対象データを用いて機械設備2の正常モデルを学習する。学習手段151dによる当該学習は、統計的データ分類手法の一種であるクラスタリングを適用してデータマイニングを行うことによってなされる。
図7は、データマイニング学習部による正常モデルの学習の説明図である。学習手段151dは、前記で説明した正常データとしての学習対象データのうち、学習対象として決めた特定の運転モードの学習対象データを、モード別学習対象データ記憶手段151cから取得する。そして、学習手段151dは学習対象データを、類似するデータごとにクラスタと呼ばれるいくつかの代表グループに分類する。なお、図7に示した例では、クラスタが1つの場合について示したが、特定の機械設備2の1つの運転モードについて複数のクラスタが存在することがあるものとする。
また、図7に示す特徴α、特徴β、特徴γとは、例えば、機械設備2に設置されたセンサ(図示せず)で計測された特徴量(温度、圧力、回転速度など)を正規化したものである。また、図7には、例として3次元の場合を示したが、次元数はセンサデータ取得手段11(図1参照)によって取得されるセンサの数だけあるものとする。
クラスタリングの手法としては、例えば、非階層的クラスタリングのk平均法を用いることができる。k平均法では、まず、各データに対してランダムにクラスタを割り振り、割り振ったデータをもとに各クラスタの中心(クラスタ中心)を計算する。クラスタ中心として、例えば、割り当てられたデータの各要素の平均を使用することができる。次に、所定のデータとクラスタ中心との距離を求め、当該データを最も近い中心のクラスタに割り当てる。このような処理で全てのデータについて、各データのクラスタ割り当てが変化しなかった場合は処理を終了する。それ以外の場合は、新しく割り振られたクラスタからクラスタ中心を再計算し、前記処理を繰り返す。以上の処理により、学習手段151dは、学習対象データを複数のクラスタに分類することができる。
そして、図7に示すように、各クラスタについてクラスタ中心cとクラスタ半径rとが決定される。各クラスタについて求められた前記クラスタ中心c及びクラスタ半径rが、学習手段151dによって学習された正常モデルである。学習手段151dは、学習した正常モデルを前記した運転モードごとに正常モデルデータ記憶手段151e(図3参照)に記憶させる。ちなみに、本実施形態に係る異常予兆診断装置1において、学習手段151dが1台の機械設備2当たりに要する学習時間は約3秒である。
なお、学習手段151dは、モード判定手段151bを介して運転モードごとに取得された学習対象データが、予め設定された所定数以上存在する場合に正常モデルを学習するように設定されている。つまり、学習手段151dは、正常モデルを学習するために最低限必要な個数以上の学習対象データが、モード別学習対象データ記憶手段151cに存在しないと判断した場合には正常モデルを学習せず、未診断である旨の情報を診断結果記憶手段17に記憶させる(図3参照)。
(4.正常モデルデータ記憶手段)
図8は、データマイニング学習部による学習結果の例を示す図である。図8に示すように、正常モデルデータ記憶手段151eには、運転モードごとに正常モデルがデータベースとして記憶される。図8に示すクラスタ番号101は、各クラスタを識別するために付される識別番号である。センサ1〜センサM(102)は、機械設備2に設置されたセンサ(図示せず)を示している。
図8に示す所属データ数103は、各クラスタ1〜Nに属する学習対象データの個数を示す。誤差合計104は、それぞれのクラスタのクラスタ中心と、当該クラスタに属する各学習対象データとの誤差(距離)の合計を示す。最大誤差105は、特定のクラスタのクラスタ中心と当該クラスタに属する複数の学習対象データとの距離の最大値である。最小誤差は、特定のクラスタのクラスタ中心と当該クラスタに属する複数の学習対象データとの距離の最小値である。
また、最大値107は、特定のクラスタに含まれる複数の学習対象データにおいて各センサに対応する特徴成分(例えば、図7に示す特徴αの座標値)の最大値を示す。また、最小値108は、特定のクラスタに含まれる複数の学習対象データにおいて各センサに対応する特徴成分の最小値を示す。ちなみに、学習手段151dは、最大値107及び最小値108の値を用いて正規化処理を行う。また、クラスタ中心109は、各クラスタの中心を特定する各センサ1〜Mの値を示す。
なお、正常モデルデータ記憶手段151eに記憶される正常モデルは、学習対象データ取得手段151aが診断日に対応して取得する学習対象データに基づいて、診断日ごとに更新されていく。
<データマイニング学習部による学習処理の流れ>
図9は、データマイニング学習部における学習処理を示すフローチャートである。ステップS11で、学習対象データ取得手段151a(図3参照)は、センサデータ記憶手段12から学習対象データを取得する。
図10は、学習対象データ取得手段による学習対象データの取得処理を示すフローチャートである。ステップS21で学習対象データ取得手段151aは、診断日が通常期間内であるか否かを判断する。ここで、「通常期間」とは、診断日に最も近い時期に行われたメンテナンスが終了した日を基準として、図4に示す学習期間B及び所定期間Aが確保されている場合の期間を示す。
診断日が通常期間内である場合(ステップS21→Yes)、学習対象データ取得手段151aは、通常モードで学習対象データをセンサデータ記憶手段12から取得する(ステップS22)。ここで「通常モード」とは、学習対象データ取得手段151aが、図4に示すように診断日から所定期間Aだけ過去にさかのぼった学習期間Bにおけるセンサデータを学習対象データとして取得するモードを示す。
診断日が通常期間内でない場合(ステップS21→No)、学習対象データ取得手段151aの処理は、ステップS23に進む。ステップS23で、学習対象データ取得手段151aは、診断日がメンテナンス期間内であるか否かを判断する。診断日がメンテナンス期間内である場合(ステップS23→Yes)、学習対象データ取得手段151aの処理は、ステップS24に進む。ステップS24で学習対象データ取得手段151aは、診断日がメンテナンス期間内である旨の情報を診断結果記憶手段17(図3参照)に記憶させる。ちなみに、この場合には、学習対象データとして利用できるセンサデータは存在しないため、学習対象データ取得手段151aはセンサデータ記憶手段12(図3参照)から学習対象データを取得しない。
一方、診断日がメンテナンス期間内でない場合(ステップS23→No)、学習対象データ取得手段151aの処理は、ステップS25に進む。ステップS25で、学習対象データ取得手段151aは、診断日が学習期間B1(図5参照)に含まれているか否かを判断する。つまり、学習対象データ取得手段151aは、メンテナンス後の学習期間として最低限必要な学習期間B1が確保されているか否かを判断する。
診断日が学習期間B1に含まれている場合(ステップS25→Yes)、学習対象データ取得手段151aの処理は、ステップS26に進む。ステップS26で、学習対象データ取得手段151aは、診断日がメンテナンス後の学習期間内である旨の情報を診断結果記憶手段17(図3参照)に記憶させる。この場合には、学習対象データとして利用できるセンサデータが不足しているため、学習対象データ取得手段151aはセンサデータ記憶手段12(図3参照)から学習対象データを取得しない。
一方、診断日が学習期間B1に含まれていない場合(ステップS25→No)、学習対象データ取得手段151aの処理は、ステップS27に進む。
ステップS27で、学習対象データ取得手段151aは、学習期間B2及び所定期間A2(図5(b)参照)が確保されているか否かを判断する。学習期間B2及び所定期間A2が確保されている場合(ステップS27→Yes)、学習対象データ取得手段151aの処理はステップS22に進む。ちなみに、この場合は図5の(b)又は(c)の場合に該当する。つまり、この場合には診断日が、前記で説明した「通常期間」に該当しているといえる。
一方、学習期間B2が確保されていないか、又は、学習期間B2が確保されているものの所定期間A2が確保されていない場合(ステップS27→No)、学習対象データ取得手段151aは、メンテナンスモードで学習対象データを取得する(ステップS28)。ここで「メンテナンスモード」とは、図5(a)を用いて説明したように、前記の「通常モード」に戻るまでの過渡的な学習期間選択モードである。
再び図9に戻って、ステップS12で、モード判定手段151bは、学習対象データの運転モードを判定する。前記で説明したように、モード判定手段151bは、特定の学習対象データの値又は変化率などに基づいて機械設備2の運転モードを判定する。
ステップS13で、モード判定手段151bは、運転モードを判定した学習対象データをモード別学習対象データ記憶手段151cに記憶させる。次にステップS14で、学習手段151dは、学習する運転モードを選択する。例えば、学習手段151dは、運転モードとして定常(ON)モード(図6参照)に属する学習対象データを選択し、モード別学習対象データ記憶手段151cから取得する。なお、学習手段151dによる運転モードの選択順序は、予め設定されている。
図9のステップS15で学習手段151dは、正常モデルを学習する。つまり、前記で説明したように、学習手段151dはクラスタリングの手法を用いて学習対象データを各クラスタに分類し、クラスタ中心及びクラスタ半径を求める。ステップS16で学習手段151dは、正常モデルデータ記憶手段151eに前記の正常モデルに対応する学習データを記憶させる。次に、ステップS17で学習手段151dは、学習すべき他の運転モードが存在するか否かを判断する。学習すべき他の運転モードが存在する場合(ステップS17→Yes)、学習手段151dの処理はステップS14に戻る。学習すべき他の運転モードが存在しない場合(ステップS17→No)、データマイニング学習部151の処理はリターンする。
<データマイニング診断部の構成>
図3に示すデータマイニング診断部152は、データマイング学習部151で生成された正常モデルに基づいて、機械設備2のセンサデータから異常予兆の有無を診断する。
データマイニング診断部152は、診断対象データ取得手段152aと、モード判定手段152bと、モード別診断対象データ記憶手段152cと、異常度算出手段152dと、診断手段152eと、寄与度算出手段152fと、を備える。
診断対象データ取得手段152aは、センサデータ記憶手段12から診断対象となるセンサデータ(以下、診断対象データと記す。)を取得する。本実施形態では、診断対象データ取得手段152aは、一日に一回、予め指定された時刻(例えば、午前0時)に前日の一日分のセンサデータを診断対象データとして、センサデータ記憶手段12から取得する。ちなみに、前記したように、データマイニング診断部152が診断処理を行う前に、データマイニング学習部151によって、予め診断日に対応する学習対象データが取得され(図4、図5参照)、学習データが正常モデルデータ記憶手段151eに記憶させている。
モード判定手段152bは、診断対象データ取得手段152aから入力された診断対象データの運転モードを判定する。なお、モード判定手段152bの処理は、前記で図6を用いて説明したモード判定手段151bの処理と同様であるから、その説明を省略する。モード判定手段152bは、診断対象データ取得手段152aによって取得された診断対象データに、その運転モードを対応させて、モード別診断対象データ記憶手段152cに記憶させる。
モード別診断対象データ記憶手段152cは、モード判定手段152bから入力された診断対象データを前記の運転モード別に記憶している。そして、モード別診断対象データ記憶手段152bは、運転モード別に記憶されている診断対象データを異常度算出手段152dと、寄与度算出手段152fとに対して出力可能に構成されている。
異常度算出手段152dは、モード別診断対象データ記憶手段152cからモードごとに診断対象データを読み出し、当該診断対象データの異常度を算出する。例えば、診断対象データが図7に示す位置に存在し、正常モデルである複数のクラスタのうち、前記の診断対象データに最も近いクラスタ中心が図7に示すクラスタ中心cであるとする。この場合、異常度uは、クラスタ半径rと、クラスタ中心cから診断対象データまでの距離dとを用いて、下記の式(1)で表される。
u=d/r・・・式(1)
異常度算出手段152dは、式(1)を用いて算出した異常度uを診断手段152eに出力する。また、異常度算出手段152dは、診断対象データとその異常度uとを対応付けて、診断結果記憶手段17(図3参照)に記憶させる。診断手段152eは、異常度算出手段152dから入力された異常度uに基づいて、診断対象データが取得された対象である機械設備2(図1参照)について異常予兆の有無を診断する。
異常度u≦1である場合には、診断対象データが図7に示すクラスタ内に存在するといえる。つまりこの場合、診断対象データは特定の正常モデルの範囲内に存在するため、診断手段152eは、対応する機械設備2が正常である(異常予兆なし)と判断する。
一方、異常度u>1である場合には、診断対象データが図7に示すクラスタより外に存在するといえる。つまりこの場合、診断対象データはいずれの正常モデルの範囲内にも属さないため、診断手段152eは、対応する機械設備2に異常予兆があると判断する。
そして、診断手段152eは、診断対象データを用いた異常予兆の有無を、当該診断対象データに対応付けて診断結果記憶手段17に記憶させる。
ちなみに、前記の説明では、異常度uの値が1以上であるか否かによって、診断手段152eが異常予兆の有無を判断することとしたが、異常予兆の有無を判断する上でしきい値となる値は1である場合に限らない。すなわち、診断手段152eは、診断対象データに最も近いクラスタ中心を有するクラスタ内の学習対象データの分布(分散など)や、診断対象データの時間的な変化率などを考慮して、上記しきい値を適宜設定することが可能である。
なお、本実施形態に係る異常予兆診断装置1において、異常度算出手段1152d及び診断手段152eが、1台の機械設備2当たりに要する診断時間は約10秒である。
寄与度算出手段152fは、モード別診断対象データ記憶手段152cからモードごとに診断対象データを読み出し、当該診断対象データに対する各センサ(図示せず)の寄与度を算出する。前記の各センサとは、図1に示す機械設備2に設置された複数のセンサを示している。
詳細な説明は省略するが、例えば図7に示す特徴βが機械設備2の所定箇所に設けられた特定のセンサP(図示せず)が検出した温度の値を正規化したものである場合、寄与度iは、図7に示す距離dのうち特徴β成分である距離fの割合として表される。すなわち、寄与度iは、下記の式(2)で表される。
i=f/d・・・式(2)
寄与度iとは、要するに、各センサによって検出されたセンサデータが、異常度uに対してどれだけ寄与しているかを表す値である。すなわち、寄与度iの値を各センサごとに比較することによって、特定の機械設備2に異常予兆があると検知された場合に、当該機械設備2に設置された複数のセンサのうち、どのセンサが異常予兆の検知に最も寄与しているかを特定することが可能となる。
寄与度算出手段152fは、診断対象データとその寄与度iとを対応付けて、診断結果記憶手段17(図3参照)に記憶させる。
<データマイニング診断部による診断処理の流れ>
図11は、データマイニング診断部における診断処理を示すフローチャートである。ステップS31で、診断対象データ取得手段152a(図3参照)は、センサデータ記憶手段12から診断対象データを取得する。例えば、診断対象データ取得手段152aは、予め指定された時刻(例えば、午前0時)に前日の一日分のセンサデータを診断対象データとして、センサデータ記憶手段12から取得する。
ステップS32で、モード判定手段152bは、診断対象データの運転モードを判定する。ステップS33で、モード判定手段152bは、運転モードを判定した診断対象データをモード別診断対象データ記憶手段152cに記憶させる。次にステップS34で、異常度算出手段152dは、診断する運転モードを選択し、診断対象データをモード別診断対象データ記憶手段152cから取得する。
ステップS35で異常度算出手段152dは、診断対象データの異常度を算出する。すなわち、異常度算出手段152dは、ステップS34で選択した運転モードに対応する正常モデルを正常モデルデータ記憶手段151e(図3参照)から取得し、当該正常モデルを基準として異常度を算出する。
ステップS36で診断手段152eは、診断を実行する。すなわち、診断手段152eは、前記で説明したように、ステップS35で算出した異常度の値が所定値以上であるか否かにによって、機械設備2における異常予兆の有無を診断する。ステップS37で診断手段152eは、診断結果記憶手段17に診断結果を記憶させる。次に、ステップS38で異常度算出手段152dは、異常度を算出すべき他の運転モードが存在するか否かを判断する。異常度を算出すべき他の運転モードが存在する場合(ステップS38→Yes)、異常度算出手段152dの処理はステップS34に戻る。異常度を算出すべき他の運転モードが存在しない場合(ステップS38→No)、データマイニング診断部152の処理はリターンする。
図12は、データマイニング診断部による診断結果の例を示す図である。図12に示すように、診断結果記憶手段17(図3参照)には、運転モードごとに診断結果がデータベースとして記憶される。
図12に示す時刻201は、センサデータ取得手段11(図1参照)が機械設備2に設置されたセンサ(図示せず)により検出された計測値を取得した日時を示している。当該計測値は、予め設定された周期ごとに機械設備2のセンサで得られた値である。したがって、時刻201は、予め指定された時刻(例えば、午前0時)に、前記周期(例えば、30秒)が順次加算された値となる。
学習対象データ取得日202は、この日のセンサデータを用いて、正常モデルであるクラスタを学習したことを示す。クラスタ番号203は、前記で説明した正常モデルとしての複数のクラスタのうち、クラスタ中心c(図7参照)から診断対象データまでの距離が最も小さいクラスタの識別番号である。異常フラグ204には、診断手段152e(図3参照)による診断結果に従って、異常予兆ありの場合には1の値が格納され、異常予兆なしの場合には0の値が格納される。運転状態番号205は、機械設備2の運転モードに対応して付される識別番号である。異常度206は、前記で説明したように、異常度算出手段152d(図3参照)によって算出された異常度である。図12に示す207の領域には、機械設備2に設置された各センサで検出された値である実測値と、前記したクラスタ中心cを表す座標のうちセンサ1に対応する成分の値を示す学習値とが記憶される。寄与度208は、前記で説明したセンサごとに算出された寄与度である。
<リモートモニタリング部の構成>
図13は、異常予兆診断装置のリモートモニタリング部の構成図である。リモートモニタリング部16は、前記で説明したように、管理者の経験や知識をもとに、機械設備2から取得したセンサデータの値(又は変化量)について上下しきい値を設け、センサデータの値などが当該上下しきい値によって規定される所定範囲を超えた場合に、異常予兆ありと診断する。
リモートモニタリング部16は、個別判定手段16111,16112,・・・,1611N,16121,16122,・・・,1612N,・・・(以下、単に個別判定手段161ということがあるものとする。)と、診断手段162a,162b,・・・(以下、単に診断手段162ということがあるものとする。)と、を備える。個別判定手段16111,16121,・・・は、センサデータ記憶手段12からセンサデータ1(例えば、温度)を取得し、それぞれが、その判定結果を診断手段162a,162b,・・・に出力する。同様に、個別判定手段1611N,1612N,・・・は、センサデータ記憶手段12からセンサデータNを取得し、それぞれが、その判定結果を診断手段162a,162b,・・・に出力する。
なお、それぞれの診断手段162は、その診断内容(例えば、機械設備2の冷却水圧力が低下しているか否かの診断など)に対応して所定の論理回路が組まれている。
図14は、リモートモニタリング部の個別判定手段による異常予兆の診断の説明図である。前記で説明したように、それぞれの個別判定手段161は、機械設備2に設置された各センサに1対1に対応付けられている。個別判定手段161は、図14に示すように、センサデータのうちの計測値が予め設定されたしきい値Aより小さくなった場合(図14の一点鎖線参照)、又は、しきい値Bより大きくなった場合(図14の破線参照)に、所定のオン信号を、自身に接続されている診断手段162に出力する。
ちなみに、同一種類のセンサデータを取得する個別判定手段(例えば、16111と16121)においては、しきい値(図14のA,B参照)をそれぞれ同一に設定してもよいし、診断内容に対応して異なるしきい値を設定してもよい。
個別判定手段161は、センサデータ記憶手段12に記憶されているセンサデータについて、予め設定されたサンプリング周期(例えば、30秒)ごとに前記判定を行い、その結果を診断手段162に出力する。そして、診断手段162には、前記したように所定の論理回路が組まれており、各個別判定手段161からの信号の有無に対応して、それぞれの診断内容に応じた異常予兆の有無を出力するようになっている。
そして、診断手段162は、それぞれの診断結果を診断結果記憶手段17(図3参照)に記憶させる。
≪実験データ≫
図15は、異状予兆診断装置による実験データの例を示す図であり、(a)は計測値と学習値と寄与度の変化を示し、(b)は異常度の変化を示すグラフである。なお、図15の実験データは、機械設備2としてガスエンジンを用いた場合を示し、データマイニング部15により学習及び診断を行った結果を示している。
図15(a)に示すように、時刻t1以前には、ガスエンジンの計測値の1つである冷却水圧力は、各運転モードに対応してほぼ安定した状態を保っている。また、図15(b)に示すように時刻t1以前は異常度も低い値を保っている。一方、時刻t1以後は冷却水圧力が徐々に低下し(図15(a)参照)、それに応じて異常度の値も大きくなっている(図15(b)参照)。
データマイニング診断部152(図3参照)は、異常度が予め設定された所定のしきい値を超えた時刻t1で異常予兆を検知している。つまり、異常事態が発生する前に、異常予兆診断装置1によって的確に異常予兆を検知していることがわかる。
図16の(a)は保守作業を行う前後の期間における計測値の変化と、比較例での異常値の変化とを示すグラフであり、(b)は本実施形態に係る異常予兆診断装置を用いた場合の、保守作業を行う前後の期間における異常値の変化を示すグラフである。なお、図16の実験データは、機械設備2としてガスエンジンを用いた場合を示し、データマイニング部15により学習及び診断を行った結果を示している。
図16(a)の上図に示すように、例えば、冷却水の量を増やすなどのメンテナンスが実施された場合には、当該メンテナンスにより機械設備2の状態は大幅に変化する。このようなメンテナンスが機械設備2に施された場合であっても、仮に、学習データ取得手段151a(図3参照)が、前記で説明した通常モード(図4参照)で学習対象データをセンサデータ記憶手段12から取得した場合には、次のような事態が発生する。すなわち、メンテナンスによって機械設備2が正常状態になっているにもかかわらず、図16(a)の下図に示すように診断手段152e(図3参照)がメンテナンス後において機械設備2に異常予兆があると判断し続けることとなる。
一方、本実施形態に係る異常予兆診断装置1では、学習対象データ取得手段151a(図3参照)が、コンピュータ3(図1参照)に入力された保守情報に従ってメンテナンスモード(図5参照)で学習期間を選択する。すなわち、図5に示すように、学習対象データ取得手段151aは、メンテナンス後に所定学習期間B1を確保し、当該学習期間B1が経過した後に診断を再開する。したがって、図16(b)に示すように、診断手段152e(図3参照)は、メンテナンス後の学習期間が経過した機械設備2を、正常(つまり、異常予兆なし)とし、適切な診断結果を出力していることが分かる。
ちなみに、図5を用いて説明したように、メンテナンス期間、及び、メンテナンス後に最低限必要な学習期間B1の間は、学習手段151dが適切な正常モデルを生成することができないため、データマイニング部15(図1参照)は、診断結果を出力しない。
しかしながら、リモートモニタリング部16(図1参照)では、サンプリング周期(例えば、30秒)ごとに入力されるセンサデータをもとに診断を行い、診断結果記憶手段17(図1参照)に対して診断結果を出力している。すなわち、前記のメンテナンス期間、及び、メンテナンス後に最低限必要な学習期間B1の間でも、異常予兆診断装置1はリモートモニタリング部16による診断結果を出力し、表示手段19に表示させている。
なお、前記したように、図13に示すリモートモニタリング部16の個別判定手段161におけるしきい値の設定や、診断手段162内の論理回路の設定は適宜変更することができる。したがって、例えば、異常予兆診断装置1の管理者がメンテナンス期間及びメンテナンス内容を参照して、前記しきい値などの設定を適宜変更することもできる。
ちなみに、図1に示すように、表示制御手段18は、データマイニング部15による診断結果及びリモートモニタリング部16による診断結果の他、センサデータ記憶手段12に記憶されているセンサデータや、保守情報記憶手段14に記憶されている保守情報も、表示手段19に表示させることができる。
≪表示制御手段による画面表示の例≫
図17は、異状予兆診断装置による診断結果を表示手段に表示させた場合の例を示す図である。まず、図17に示す凡例400について説明する。「運転中・警報あり」との凡例401は、機械設備2が診断日に運転中であり、かつ、前記で説明した機械設備2のインターロック(図示せず)による警報が発生したことを示す。「運転中・警報なし」との凡例402は、機械設備2が診断日に運転中であり、かつ、インターロックによる警報が発生しなかったことを示す。
「運転中・警報あり(重要度低)」との凡例403は、機械設備2が診断日に運転中であり、かつ、インターロック(図示せず)による警報が発生したものの、機械設備2の故障に至る可能性が低く、重要度が低い警報であることを示す。「運転中・警報なし 予兆あり」との凡例404は、機械設備2が診断日に運転中であり、かつ、インターロックによる警報が発生しなかったが、データマイニング部15(図1参照)によって異常予兆ありと診断されたことを示す。
「停止中・警報あり」との凡例405は、機械設備2が診断日に停止中であり、かつ、インターロック(図示せず)による警報が発生したことを指す。「停止中・警報なし」との凡例406は、機械設備2が診断日に停止中であり、かつ、インターロックによる警報が発生しなかったことを示す。
「メンテ中」との凡例407は、診断日において機械設備2に対しメンテナンスが行われたことを示す。これは、例えば、図5に示すメンテナンス期間(3日〜5日)に相当する。「データなし」との凡例408は、何らかの事情により学習対象データ取得手段151a(図3参照)が十分な学習対象データを取得することができなかったことを示す。
「メンテ後・警報あり(学習対象外)」との凡例409は、機械設備2にメンテナンスが行われた直後の学習期間中に、前記したインターロックによる警報が発生したことを示す。機械設備2の状態が正常でない可能性があることから、この期間のセンサデータは学習対象データから除外される(例えば、図4「警報あり(除外)参照」)。「メンテ後・警報なし(学習中)」との凡例410は、診断日が、機械設備2に対してメンテナンスが行われた直後の学習期間内に含まれることを示す。これは、例えば、図5に示す学習期間B1に相当する。
「予兆なし」との凡例411は、機械設備2が診断日に、データマイニング部15(図1参照)によって異常予兆なし(正常)と診断されたことを示す。「予兆あり」との凡例412は、機械設備2が診断日に、データマイニング部15(図1参照)によって異常予兆ありと診断されたことを示す。「データあり・未診断」との凡例413は、正常モデルを学習するのに十分な学習対象データを取得することができず、異常予兆の有無が診断されなかったことを示す。つまり、学習対象データ取得手段151a(図3参照)がセンサデータ記憶手段12から取得したセンサデータが、正常モデルを生成するのに不足している場合、データマイニング部15(図1参照)は当該状態を示す信号を表示制御手段18に出力する。
「日付」421は、各機械設備2に対して診断が行われた日の年月日を示しており、スクロールバー422をスクロールすることにより、所定期間の診断結果を表示させることが可能である。「登録サイト名」423は、少なくとも1つの機械設備2を管理する顧客サイト名である。「号機No」424は、各登録サイトによって管理されている機械設備2を特定するための識別番号であり、スクロールバー425をスクロールすることにより、登録されている全ての機械設備2の診断結果を表示させることが可能である。
例えば、登録サイト名423の上から2番目に表示された登録サイト「サイト2」の号機No.「01」の機械設備2を例にして説明する。当該機械設備2では、2010年2月20日、21日には警報はなかったものの、2010年2月22日にメンテナンスが実施されたことがわかる。前記で図5を用いて説明したように、メンテナンスがあった場合、それ以前(2010年2月21日以前)のセンサデータはデータマイニング部15(図1参照)の学習対象データとして使用されない。そして、データマイニング部15は、メンテナンス後の2010年2月23日〜3月1日までをメンテナンス後の学習期間B1(図5参照)としている。
ちなみに、前記の図5を用いて説明したように、メンテナンスが実施されてから学習期間B1が終了するまでの期間(図17の2010年2月22日〜3月1日)は、データマイニング部15は異常予兆の有無を診断しない。
また、図17に示すように、2010年3月11日〜13日、及び2010年3月15日〜19日までの期間では、データマイニング部15によって異常予兆ありと診断されている。これによって、前記した登録サイト「サイト2」の号機No.「01」の機械設備2は、近い将来に異常(故障など)が発生する可能性が高いことがわかる。したがって、図17に示す表示画面を見た管理者は、当該機械設備2の動向について注意するとともに、異常予兆の原因を分析して今後の対策を講じることができる。
前記した図17の表示画面例では、異常予兆診断装置1の表示制御手段18(図1参照)が、データマイニング部15による診断結果を表示手段19に表示させる例について説明した。一方、前記で説明したように、リモートモニタリング部16(図1参照)による診断も所定周期(例えば、30秒)ごとになされている。
図18は、リモートモニタリング部による診断結果を表示手段に表示させた場合の例を示す図であり、(a)は異常予兆を検知した場合の異常予兆検知画面を示し、(b)は異常予兆の内容を表示する異常予兆詳細画面の例を示す図である。
例えば、リモートモニタリング部16によって異常予兆ありと診断された機械設備2が存在する場合には、前記で説明した図17に示す画面上に図18(a)で示す異常予兆検知画面がポップアップ表示される。当該異常予兆検知画面には501で示すように、リモートモニタリング部16によって異常予兆を検知した旨が表示手段19にポップアップ表示される。また、「異常予兆検知サイト」502には、異常予兆が検知されたサイト(機械設備2を管理しているサイト名)が表示される。
さらに、前記異常予兆検知画面を見た管理者が、図18(a)に示す詳細表示503をクリックすると、表示制御手段18は、図18(b)に示す異常予兆詳細画面を表示手段19に表示させる。当該異常予兆詳細画面には、例えば、リモートモニタリング部16によって異常予兆ありと診断された「チェック日時」504、機械設備2を特定する「管理No」505、リモートモニタリング部16による異常予兆検知の内容を示す「異常予兆名称」506、異常予兆の程度を数値で示す「異常レベル」507、異常予兆が検知され始めた時刻である「発生時刻」508、それまで検知されていた異常予兆が検知されなくなった時刻である「終了時刻」509などが表示される。
ちなみに「異常レベル」507は、前記で説明したしきい値(図14参照)で規定される正常範囲からセンサデータがどの程度外れているかによって、所定の数値レベル(例えば、1,2,3など)で表すことができる。
以上、説明したように、表示制御手段18は、データマイニング部15(図1参照)による診断結果やメンテナンス情報を表示手段15に表示させるとともに(図17参照)、リモートモニタリング部16(図1参照)により異常予兆が検知された場合には、その診断結果を示す画面を表示手段19にポップアップ表示させる。
そして、前記の診断結果を把握した管理者は、所定の期間を指定して、例えば異常予兆ありと診断された機械設備2のセンサデータも表示させることができる。
図19は、機械設備に設置された複数のセンサによる計測値の変化を表示手段に表示させた場合の例を示す図である。
例えば、図17の表示画面を見た管理者が、登録サイト名423の最も上段に表示されたサイト名称「サイト1」の号機No「01」の機械設備2について、2010年2月23日〜25日におけるセンサデータを見たい場合を考える。この場合には、上記のサイト名称及び号機Noを特定して所定のグラフ表示ボタン(図示せず)をクリックすると、図19に示すグラフ画面が表示手段19(図1参照)に表示される。
図19に示すように、管理者が601で示す欄に所定の期間を入力すると、表示制御手段18は、当該期間2における機械設備2の各センサデータをセンサデータ記憶手段11(図1参照)から取得する。そして、表示制御手段18は前記期間における各センサデータの時間的な変化を、602に示すように表示手段19にグラフ表示させる。なお、表示制御手段18は、各グラフがどのセンサデータを表示しているかを凡例603として表示手段19に表示させる。また、表示制御手段18は、管理者がカーソルなどの図示しない入力手段を用いて、グラフ602のうち特定の時刻(例えば、時刻t0)を指定すると、当該時刻における各センサデータの値を604で示す表示欄に表示させることができる。
≪表示制御手段による表示処理≫
図20は、表示制御手段による表示処理を示すフローチャートである。ステップS41で表示制御手段18(図1参照)は、診断結果記憶手段17(図1参照)にデータマイニング部15(図1参照)による異常予兆の診断結果が得られているか否かを判断する。
データマイニング部15による異常予兆の診断結果が得られている場合(ステップS41→Yes)、表示制御手段18の処理はステップS42に進む。一方、データマイニング部15による異常予兆の診断結果が得られていない場合(ステップS41→No)、表示制御手段18の処理はステップS45に進む。
ステップS42で表示制御手段18は、データマイニング部15による診断結果が「異常予兆あり」であるか否かを判断する。データマイニング部15による診断結果が「異常予兆あり」である場合(ステップS42→Yes)、表示制御手段18は「異常予兆あり」に対応した表示を表示手段19にさせる(図17の凡例412参照)。一方、データマイニング部15による診断結果が「異常予兆なし」である場合(ステップS42→No)、表示制御手段18は「異常予兆なし」に対応した表示を表示手段19にさせる(図17の凡例411参照)。
ステップS45で表示制御手段18は、診断日がメンテナンス期間内であるか否かを判断する。ちなみに、当該情報は学習対象データ取得手段151a(図3参照)によって診断結果記憶手段17に格納されている(図10のステップS24参照)。診断日がメンテナンス期間内である場合(ステップS45→Yes)、表示制御手段18は「メンテナンス中」に対応した表示を表示手段19にさせる(図17の凡例407参照)。一方、診断日がメンテナンス期間内でない場合(ステップS45→No)、表示制御手段18の処理はステップS47に進む。
ステップS47で表示制御手段18は、診断日が学習期間B1(図5参照)に含まれるか否かを判断する。ちなみに、当該情報は学習対象データ取得手段151a(図3参照)によって診断結果記憶手段17に格納されている(図10のステップS26参照)。診断日が学習期間B1に含まれる場合(ステップS47→Yes)、表示制御手段18は「メンテナンス後の学習期間中」に対応した表示を表示手段19にさせる(図17の凡例410参照)。診断日が学習期間B1に含まれない場合(ステップS47→No)、表示制御手段18の処理は、ステップS42に進む。
一方、前記で説明したように、リモートモニタリング部16(図1参照)は、機械設備2の異常予兆の有無を所定周期ごとに診断して、その診断結果を診断結果記憶手段17(図1参照)に記憶させている。したがって、表示制御手段18は、データマイニング部15による診断結果とは独立して、リモートモニタリング部16による診断結果を表示手段19に表示させる(図20のステップS49)。例えば、リモートモニタリング部16によって異常予兆ありと診断された場合、表示制御手段18は、前記したように当該診断結果を表示手段19にポップアップ表示する(図18参照)。
≪本発明の効果≫
以上、説明したように、本実施形態に係る異常予兆診断装置1は、通信ネットワークNを介して外部のコンピュータ3から受信する保守情報に対応して、学習対象データ取得手段151aが学習対象データを取得する期間を指定することができる。
例えば、診断日が前記した通常期間内であれば、学習対象データ取得手段151aは、所定期間A(図4参照)だけ過去にさかのぼった学習期間Bのセンサデータを学習対象期間として選択する。前記の所定期間A及び学習期間Bは、適宜設定変更することが可能であり、学習期間として適切な期間を設定することが可能である。
また、診断日が前記したメンテナンス期間(図5参照)又はその後の学習期間B1に含まれる場合には、学習対象データ取得手段151aはセンサデータ記憶手段12から学習対象データを取得しない。したがって、異常予兆診断装置1は、学習手段151dが、不適切又はデータ数が不足した学習対象データを用いて、無駄な学習を行うことを防止することができる。
そして、学習対象データ取得手段151aは、診断日がメンテナンス期間又はその後の学習期間B1に含まれる旨の情報を診断結果記憶手段17に記憶させる。したがって、異常予兆診断装置1は、メンテナンス期間及びその後の学習期間B1を表示手段19に表示させることができる。
また、機械設備2にメンテナンスが施された場合、学習対象データ取得手段151aはメンテナンスが終了し機械設備2の状態が安定した後のセンサデータを学習対象データとして取得する。したがって、異常予兆診断装置1は、メンテナンス後においても異常予兆の有無を適切に判断することができる。
また、前記のメンテナンス期間及び学習期間B1(図5参照)の間においては、データマイニング部15(図1参照)は異常予兆の有無を診断しないが、リモートモニタリング部16(図1参照)では常に所定のサンプリング周期ごとに診断結果を出力している。したがって、異常予兆診断装置1は、メンテナンス期間及び学習期間B1においても異常予兆の有無を診断することができる。
なお、前記のリモートモニタリング部16(図13参照)の個別判定手段161におけるしきい値の設定や、診断手段162内の論理回路の設定は適宜変更することができる。したがって、例えば、異常予兆診断装置1の管理者がメンテナンス期間及びメンテナンス内容を参照して、前記しきい値などの設定を適宜変更することもできる。すなわち、異常予兆診断装置1は、メンテナンス期間及び学習期間B1においても異常予兆の有無を適切に出力することが可能である。
さらに、異常予兆診断装置1は、データマイニング部15と、リモートモニタリング部16とで、それぞれ独立に異常予兆の有無を診断し、各診断結果をそれぞれ表示手段19に表示させることができる。したがって、当該表示結果を見た管理者は、データマイニング部15による診断結果とリモートモニタリング部16による診断結果との両方を考慮して、異常予兆の原因を分析し、早期に対応することが可能となる。
また、一般に、データマイニング部15は高感度であるために、リモートモニタリング部16よりも異常予兆の有無を早期に検知することが可能である。一方、リモートモニタリング部16の方は、センサデータと診断結果との対応関係が比較的単純(例えば、1対1の対応関係)であるために、異常予兆の原因を特定することが比較的容易である。
したがって、異常予兆診断装置1は前記のデータマイニング部15の利点とリモートモニタリング部16の利点との両方が生かされるため、異常予兆を早期に検知し、さらにその原因を的確に分析することが可能となる。
また、本実施形態に係る異常予兆診断装置1によれば、図17に示すように、登録されている各機械設備2のメンテナンス期間と、メンテナンス後に必要となる学習期間と、当該学習期間終了から次のメンテナンスがなされるまでの診断期間とを、各日付ごとに識別可能に表示させることができる。また、前記診断期間における各機械設備の異常予兆の有無も識別可能に表示させることができる。したがって、異常予兆診断装置1の管理者は、異常予兆ありと診断された機械設備2を注意して監視するとともに、当該機械設備2に対する対応を早期に検討することが可能となる。
また、本実施形態に係る異常予兆診断装置1によれば、各機械設備2の日付ごとの状態を表示手段19に表示させ、管理者に当該状態を一目瞭然に把握させることができる。一般に、異常予兆診断装置1に登録されている機械設備2の台数が多くなるほど、その関係を把握することは困難になる。異常予兆診断装置1によれば、登録されている機械設備2が数多く存在する場合でも、管理者は機械設備2の各日付ごとの状態を簡単に把握することができ、より適切に各機械設備2の管理を行うことができる。
また、異常予兆診断装置1は、データマイニング部15による診断結果の他に、リモートモニタリング部16による診断結果も表示手段19に表示させることができる(図18参照)。前記したように、リモートモニタリング部16では、センサデータと診断結果との対応関係が比較的単純であるために、異常予兆の原因を特定することが比較的容易となる。さらに、異常予兆診断装置1は、図19に示すように、管理者によって特定された機械設備2における所定期間内の各センサデータをグラフとして表示することができる。
例えば、異常予兆診断装置1の管理者は、データマイニング部15による診断により異常予兆があった機械設備2を早期に発見して当該機械設備2を注意監視することができる(図17参照)。そして、リモートモニタリング部による診断結果や(図18参照)、当該機械設備2のセンサデータ(図19参照)を用いることで、機械設備2における異常予兆の原因を適切に分析することができる。
≪変形例≫
前記の説明では、機械設備2のセンサデータや保守情報を、通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信することとしたが、これに限らない。例えば、異常予兆診断装置1は、前記センサデータ又は保守情報を格納した記憶媒体から、各データを取得することもできる。
また、前記の説明では、モード判定手段151b(図3参照)が学習対象データの値(又は変化率)に基づいて運転モードを判定することとしたが、これに限らない。すなわち、機械設備2が自身の運転モードを検知して、当該センサデータに当該運転モードの情報を付加し、通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信することとしてもよい。この場合、モード判定手段151bは、前記センサデータに付加された運転モードを参照して、運転モードごとにモード別学習対象データ記憶手段151cに学習対象データを記憶させる。
また、図1には、機械設備2とコンピュータ3とが別々の位置に存在し、1台のコンピュータ3に各機械設備2の保守情報を一括して登録する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、コンピュータ3が複数存在し、各コンピュータ3が1つ又は複数(例えば、5台)の機械設備2の保守情報を管理し、当該保守情報を通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信することとしてもよい。
また、前記では、データマイニング診断部152(図3参照)が一日に一回、予め設定された時刻(例えば、午前0時)に、前日の1日分のセンサデータを、診断対象データとしてセンサデータ記憶手段12から取得することとしたが、これに限らない。例えば、データマイニング診断部152がリアルタイムで異常予兆の診断を行うこととしてもよい。
また、前記では、データマイニング診断部152の寄与度算出手段152fによって算出された寄与度を、単に診断結果記憶手段17に記憶させ、さらに表示手段19に表示させることとしたが、これに限らない。前記したように、機械設備2に設置されたセンサ(図示せず)ごとに算出された寄与度によって、センサによる計測値がどれくらい異常度に寄与しているかを把握することができる。
したがって、寄与度算出手段152fによって算出された寄与度をリモートモニタリング部16(図13参照)の診断手段162の論理回路に反映させることとしてもよい。例えば、ある異常予兆の内容について、データマイニング部15においてセンサAの寄与度が最も大きいと判明した場合を考える。この場合にリモートモニタリング部16において当該センサAの値の変化が最も敏感に診断結果に反映されるように、診断手段162の論理回路を組みかえれば、リモートモニタリング部16は診断結果をより適切に出力することができるようになる。
また、前記では、モード判定手段151b,152bが機械設備2の運転モードを判定する構成としていたが、これに限らない。すなわち、データマイニング部15における学習処理や診断処理において、機械設備2の運転モードを判定する必要がない場合には、モード判定手段151b,152bによる運転モード判定処理を省略することができる。
また、図3に示すように、モード別学習対象データ記憶手段151c,正常モデルデータ記憶手段151e,モード別診断対象データ記憶手段152cをデータマイニング部15に含める構成としたが、これに限らない。すなわち、上記の各記憶手段を異常予兆診断装置1の外部に設けることとしてもよい。
また、前記では、学習手段151dが非階層的クラスタリングとしてk平均法を用いてクラスタリングを行い、正常モデルを学習する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、例えば、学習手段151dは、非階層的クラスタリングとしてファジィクラスタリングや混合密度分布法などを用いて学習処理を行ってもよい。
また、図17に示した表示画面の例では、予兆の有無(凡例411,412参照)として、表示制御手段18がデータマイニング部15(図1参照)の診断結果を表示させていたが、これに限らない。すなわち、データマイニング部15とリモートモニタリング部16のうちいずれか一方、又は、両方が機械設備2に異常予兆ありと診断した場合に、表示制御手段18が表示手段19に凡例412(図17参照)に示す「予兆あり」の表示をさせることとしてもよい。また、この場合、表示制御手段18は、機械設備2のメンテナンス中やその直後の所定学習期間においても、リモートモニタリング部16から出力された診断結果を表示手段19に表示させることとしてもよい。
また、前記の場合において表示制御手段18は、データマイニング部15のみが異常予兆ありと診断した場合と、リモートモニタリング部16のみが異常予兆ありと診断した場合と、データマイニング部15とリモートモニタリング部16の両方が異常予兆ありと診断した場合と、を識別可能に表示手段19に表示させることとしてもよい。
また、図18に示した表示画面の例では、表示制御手段18がリモートモニタリング部16による診断結果を表示させていたが、これに限らない。例えば、表示制御手段18は、図18に示す表示画面と同様の形式で、機械設備2に設置されたインターロック(図示せず)による警報の有無などを表示手段19に表示させてもよい。
また、前記では、データマイニング部15による診断結果(図17参照)、リモートモニタリング部16による診断結果(図18参照)、特定の機械設備2におけるセンサデータ(図19参照)を、表示制御手段18が1つの表示手段19に表示させることとしたが、これに限らない。
すなわち、表示手段19が複数存在し、表示制御手段18が前記各診断結果などを各々の表示手段19に表示させることとしてもよい。
1 異常予兆診断装置
10 通信手段
11 センサデータ取得手段
12 センサデータ記憶手段
13 保守情報取得手段(制御手段)
14 保守情報記憶手段
15 データマイニング部(制御手段)
151 データマイニング学習部
151a 学習対象データ取得手段(制御手段)
151b モード判定手段
151c モード別学習対象データ記憶手段
151d 学習手段(制御手段)
151e 正常モデルデータ記憶手段
152 データマイニング診断部
152a 診断対象データ取得手段(制御手段)
152b モード判定手段
152c モード別診断対象データ記憶手段
152d 異常度算出手段(制御手段)
152e 診断手段(制御手段)
152f 寄与度算出手段
16 リモートモニタリング部(制御手段)
161,161a,161b,・・・,161n 個別判定手段(制御手段)
162 診断手段(制御手段)
17 診断結果記憶手段
18 表示制御手段(制御手段)
19 表示手段
2 機械設備
3 コンピュータ
N 通信ネットワーク

Claims (7)

  1. 少なくとも1つの機械設備に設置された各種センサによって検出されるセンサデータを用いて、前記機械設備の異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置による異常予兆診断結果の表示方法において、
    前記異常予兆診断装置は、
    所定のサンプリング周期ごとに取得される前記各種センサからのセンサデータが記憶されるセンサデータ記憶手段と、
    前記機械設備の保守情報が記憶される保守情報記憶手段と、
    制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    保守作業が行われる機械設備と保守作業期間とを特定する情報を少なくとも含む保守情報を前記保守情報記憶手段から取得する保守情報取得手順と、前記保守情報取得手順によって取得される保守情報に対応して、前記センサデータが取得された期間を指定し、前記センサデータ記憶手段から当該期間に相当するセンサデータを読み出す学習対象データ取得手順と、当該センサデータの正常範囲を示す正常モデルを学習する学習手順と、前記正常モデルに基づいて前記機械設備の異常予兆の有無を診断する診断手順と、を有する第1の診断工程と、
    前記センサデータ記憶手段から前記センサデータを読み出し、各センサデータが、それぞれ予め設定された所定範囲のしきい値を超えた場合には、異常予兆ありと診断する第2の診断工程と、
    前記第1の診断工程による診断結果、及び、前記第2の診断工程による診断結果を含む情報の表示制御を行う表示制御工程と、を行い、
    前記表示制御工程では、少なくとも、前記保守作業が行われる期間と、当該保守作業後の所定学習期間と、当該所定学習期間後から次回の保守作業が行われるまでの診断期間と、当該診断期間における前記機械設備の異常予兆の有無と、を識別可能に表示手段に表示させること
    を特徴とする異常予兆診断結果の表示方法。
  2. 前記表示制御工程は、各診断日における各々の前記機械設備の異常予兆の有無を前記表示手段に表示させること
    を特徴とする請求項1に記載の異常予兆診断結果の表示方法。
  3. 前記表示制御工程は、前記診断期間における前記各機械設備の異常予兆の有無を前記第1の診断工程の診断結果として前記表示手段に表示させ、かつ、診断日が前記診断期間であるか否かに関わらず、前記第2の診断工程による前記各機械設備の診断結果を前記表示手段に表示させること
    を特徴とする請求項2に記載の異常予兆診断結果の表示方法。
  4. 前記表示制御工程は、前記第2の診断工程によって異常予兆ありと診断された場合には、前記表示手段に当該診断結果をポップアップ表示させること
    を特徴とする請求項3に記載の異常予兆診断結果の表示方法。
  5. 前記表示制御工程は、さらに、各診断日における各々の前記機械設備の運転状態を識別可能に前記表示手段に表示させること
    を特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の異常予兆診断結果の表示方法。
  6. 前記表示制御工程は、さらに、各診断日において、各々の前記機械設備自体に設置された警報器による警報があったか否かを識別可能に前記表示手段に表示させること
    を特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の異常予兆診断結果の表示方法。
  7. 前記表示制御工程は、さらに、各診断日における各々の前記機械設備の診断に際して、前記センサデータ記憶手段から取得可能なセンサデータが、前記正常モデルを学習するのに不足している旨の判断が前記第1の診断工程でなされた場合には、前記機械設備の異常予兆の有無が未診断である旨を前記表示手段に表示させること
    を特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の異常予兆診断結果の表示方法。
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