JP5369246B1 - 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法 - Google Patents

異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5369246B1
JP5369246B1 JP2013144840A JP2013144840A JP5369246B1 JP 5369246 B1 JP5369246 B1 JP 5369246B1 JP 2013144840 A JP2013144840 A JP 2013144840A JP 2013144840 A JP2013144840 A JP 2013144840A JP 5369246 B1 JP5369246 B1 JP 5369246B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diagnosis
learning
sensor data
unit
period
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013144840A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015018389A (ja
Inventor
昇三 宮部
利明 小針
忠志 鈴木
尚樹 宮越
統治郎 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Power Solutions Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Power Solutions Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Power Solutions Co Ltd filed Critical Hitachi Power Solutions Co Ltd
Priority to JP2013144840A priority Critical patent/JP5369246B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5369246B1 publication Critical patent/JP5369246B1/ja
Publication of JP2015018389A publication Critical patent/JP2015018389A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】機械設備の外部環境が大きく変動した場合でも、適切に異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法を提供する。
【解決手段】異常予兆診断装置1は、機械設備2に設置された複数のセンサによって測定された多次元センサデータを取得するセンサデータ取得手段11と、診断対象データについて、機械設備2が正常に稼動しているときのセンサデータを用いた学習により生成される正常モデルからの乖離の度合いを示す異常度に基づいて異常予兆の有無を診断するデータマイニング部16と、個別のセンサデータの値が、予め定められた所定の範囲内にあるか否かに基づいて、異常予兆の有無を診断するリモートモニタリング部17とを備え、データマイニング部16は、初期化指示手段15による指示に従って、外部環境の状態が大きく変動した際に、初期化モードによる学習を実行して正常モデルの再構築を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械設備からのセンサデータに基づいて、異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法に関する。
様々な機器から構成される機械設備やシステム機器は、安定して正常に稼動することが求められる。しかし、運転条件の変化などに基づく負荷の変動やその他の要因によって、機械設備やシステム機器にはさまざまなトラブルが発生する。
通常、これらの機器には、その稼動状態を把握するとともに異常を検知することを目的として様々なセンサが設置され、運転状態を監視している。更に、最近のIT機器の進歩は、膨大な運転記録データやセンサデータの保存を可能にし、多くの機器、システムにおいてこれらのデータが保存されている。
また、例えば、発電システムなどにおいては、停止することなく24時間稼動することが求められており、そのためには故障の発生を未然に防止するための定期点検やメンテナンスが欠かせない。更に、異常状態が発生する前の予兆を検知することができれば、当該予兆前後のセンサデータを分析することにより、早期の対応が可能となる。
従来、異常予兆を検知する方法として、大きく分けると2つの方法が提案されている。一つ目の方法は、しきい値設定によるリモートモニタリングの手法による異常予兆診断である。すなわち、各センサデータについてそれぞれ予めしきい値を設定し、センサデータの値が所定のしきい値を超えると異常予兆ありと判定する方法である。
異常予兆を検知する二つ目の方法は、統計的な分類手法を用いたデータマイニングの手法による異常予兆診断である。
前記したリモートモニタリングの手法では、異常予兆を検知する場合に、前記しきい値を超えるセンサの種類は少数(例えば、1種類)である。しかしながら、複雑な機械設備などにおいて発生する異常の原因は複合的なものが多く、例えば、故障項目が同じでも故障発生までのプロセスはさまざまであり、必ずしも最適なしきい値を設定できるとは限らないという問題がある。
また、前記したデータマイニングの手法では、例えば、機械設備などにメンテナンスを施すと、システム条件が大きく変化することがある。このような場合でも、蓄積された過去のデータをそのまま使ってデータマイニングに基づいた診断を行うと、機械設備自体は正常であるにもかかわらず、異常予兆として診断してしまうという問題がある。
特許文献1には、リモートモニタリングの手法による診断手段と、データマイニングの手法による診断手段とを備える異常予兆診断装置が開示されている。この異常予兆診断装置では、メンテナンスを実施した場合は、一定期間センサデータを蓄積し、メンテナンス実施後に新たに蓄積したセンサデータを用いてデータマイニングの手法による診断のための正常モデルの生成を行い、データマイニングの手法による診断を再開する。従って、当該一定期間経過後は、データマイニングの手法による診断を適切に行うことができる。
また、一定期間のセンサデータ蓄積中は、データマイニングの手法による診断は中断するが、データ蓄積を必要としないリモートモニタリングの手法による診断により、異常予兆診断を継続することができる。
特許第5081998号公報
特許文献1に記載の異常予兆診断装置では、リモートモニタリングの手法による診断とデータマイニングの手法による診断とを組み合わせることで、メンテナンスを実施した場合にも、適切に異常予兆診断を継続することができる。
しかしながら、異常予兆診断を行う対象の機械設備が、例えば、季節変化による気温や湿度などの大きな変動の影響を受けるような環境に設置されている場合は、データマイニングの手法による診断で使用している正常モデルを、生成時から再構築せずに長時間用い続けている内に外部環境が大きく変化すると、当該正常モデルを用いたのでは異常予兆の診断を適切に行えなくなる場合があることが分かった。
ここで、外部環境の変動を含めてモデルを生成する方法もあるが、この場合は、外部環境が変動した場合を含めて、予め膨大なデータを蓄積する必要があるため、異常予兆診断装置を稼動するまで長時間を要することとなる。例えば、新規な機械設備を導入した場合は、季節変化に対応するモデルを構築するための1年分のデータを蓄積するまで異常予兆診断を行うことができない。また、同じ形式の機械設備であっても、設置する場所の違い、例えば、北海道と沖縄の違いのように、外部環境が大きく異なる場合は、他の地域に設置された機械設備用に構築されたモデルを流用することが適切でないこともある。
また、日々に測定されるセンサデータを取得するごとに、正常モデルを再構築することも考えられる。しかしながら、外部環境の状態の変化の大きさに関わらず、頻繁に正常モデルを再構築することは、学習のための処理負荷を無用に増大させることとなる。
そこで、本発明は、外部環境が大きく変動した場合でも、適切に異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の異常予兆診断装置は、機械設備に設置された複数のセンサによって検出されるセンサデータを用いて、前記機械設備の異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置であって、前記複数のセンサからのセンサデータを取得するセンサデータ取得手段と、前記センサデータ取得手段によって取得された前記センサデータが記憶されるセンサデータ記憶手段と、前記センサデータ取得手段によって前記センサデータが取得された期間を指定し、前記センサデータ記憶手段から当該指定期間に対応するセンサデータを取得する学習対象データ取得処理と、前記指定期間に対応するセンサデータを用いて学習することで当該センサデータの正常範囲を示す正常モデルを生成する学習処理と、前記正常モデルに基づいて前記機械設備の異常予兆の有無を診断する診断処理と、を行う第1診断手段と、前記機械設備の周囲の環境である外部環境の変化に応じて、前記正常モデルの全体を再構築する初期化モードでの前記学習処理を前記第1診断手段に指示する初期化指示手段と、を備えるように構成した。
本発明により、外部環境が大きく変化した場合でも、適切に異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る異常予兆診断装置を含むシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態におけるデータマイニング部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における学習対象データ取得手段によって取得される学習対象データを含む学習期間と、診断日との関係を示す説明図である。 本発明の実施形態において、保守作業が行われた場合に、学習対象データ取得手段によって取得される学習対象データを含む学習期間と、診断日との関係を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるデータマイニング学習部による正常モデルの学習の説明図である。 本発明の実施形態におけるデータマイニング学習部による学習結果の例を示す図である。 本発明の実施形態におけるデータマイニング学習部により学習される正常モデルの変化と外部環境の変化の関係の概念を説明するための説明図である。 本発明の実施形態におけるデータマイニング診断部による診断結果の例を示す図である。 本発明の実施形態におけるリモートモニタリング部の構成を示すブロック図である。 リモートモニタリング部の個別判定手段による異常予兆の診断の説明図である。 本発明の実施形態におけるデータマイニング学習部による学習処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態において、保守作業を行った後の学習対象データ取得手段による学習対象データ取得処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態において、初期化指示を行ったときの学習対象データ取得手段による学習対象データの取得処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるデータマイニング診断部による診断処理を示すフローチャートである。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は適宜に省略する。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る異常予兆診断装置を含むシステム構成図である。
異常予兆診断装置1は、機械設備2に設置された複数のセンサから取得される計測値に基づいて、機械設備2に異常予兆があるか否かを診断する装置である。ここで、「異常予兆」とは、診断日を基準として近い将来(例えば、およそ2週間以内)に機械設備2に異常状態が発生する可能性が高いことを示す。また、「異常」とは、例えば、機械設備2において明らかに動作の不具合(故障)が発生しており、機械設備2が正常に動作していない状況を示す。
なお、「異常予兆」と「異常」とを区別する境界は必ずしも明確である必要はなく、例えば、異常の度合いを示す尺度(後記する異常度など。)を適宜設定し、当該尺度の値が所定のしきい値を超えるか否かによって、両者を区別することとしてもよい。
図1に示すように、本実施形態に係る異常予兆診断装置1は、通信ネットワークNを介して少なくとも1つの機械設備2と接続されている。通常、機械設備2は複数台(例えば、50台)存在するが、そのような場合でも、以下の記載では一括して「機械設備2」と記すこととする。なお、機械設備2は、例えば、発電所で用いられるガスエンジンやガスタービン、原子力発電所の原子炉、風力発電所の風車、化学プラントで用いられる各種機器などを指している。また、機械設備2は、設置場所が固定されるものに限定されず、自動車やフォークリフトのような移動体であってもよい。
また、機械設備2には、温度、圧力、電圧、電流、モータ回転速度などを計測するために、図示しない複数個の(例えば、30個)のセンサが設置されており、一定のサンプル周期(例えば、30秒ごと)で各計測値を取得している。なお、機械設備2の過渡状態においては、前記サンプル周期を更に短く設定することが好ましい。
そして、機械設備2は、前記した各種センサによって取得された各計測値を、通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信している。
また、各機械設備2に対しては、異常予兆診断装置1による異常予兆診断がなされる他に、各機械設備2自体に安全計装としてのインターロック(図示せず)が複数設置されている。そして、所定の状態となった場合(例えば、燃料が少なくなった時など)には、前記インターロックからの警報情報又は故障情報が、通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信されるようになっている。
また、機械設備2に対しては保守作業が行われることがある。保守作業は定期的なメンテナンスとして行われることもあるし、機械設備2自体に設置されたインターロック(図示せず)からの警報情報若しくは故障情報、又は異常予兆診断装置1による異常予兆ありの診断に対応したメンテナンスとして行われることもある。また、保守作業は、例えば、機械設備2がガスエンジンであった場合に外部から冷却水を補給する場合などの操作も含むものとする。
すなわち「保守作業」とは、機械設備2に対するメンテナンスを含む人為的操作を意味するものとする。以下では、保守作業の一例として、機械設備2に対するメンテナンスを行う場合について説明する。
また、図1に示すように、異常予兆診断装置1は、通信ネットワークNを介してコンピュータ3と接続されている。コンピュータ3は、図示しない入力手段、制御手段、記憶手段、表示手段、通信手段などを備えている。そして、各機械設備2に対するメンテナンスの内容(保守情報)を把握した作業員が、コンピュータ3の前記入力手段(キーボードなど)を介して、保守作業が行われる機械設備2の識別情報や保守作業期間などを含む保守情報を登録する。
機械設備2に対してメンテナンスを行う場合に、管理者によってコンピュータ3に入力される保守情報には、例えば、次のようなものが挙げられる。
まず、「登録基本情報」として、件名、対応種別、機械設備2を識別する識別番号、設置サイト名などが入力される。
また、「不具合情報」として、機械設備2に故障などの不具合が発生した日時、状態、エラー項目(故障発生箇所)などが入力される。
また、「保守作業期間」として、不具合が発生した機械設備2に対してメンテナンスを行う予定の期間が入力される。ここで、コンピュータ3に入力される保守作業期間は、(保守情報を入力した時点を現在とした)将来において、機械設備2に対しメンテナンスが行われる予定の期間を示す情報である。
なお、コンピュータ3に入力される保守作業期間は、(保守情報を入力した時点を現在とした)過去の所定期間において機械設備2に対しメンテナンスが行われたという情報であってもよい。後者の場合、異常予兆診断装置1は、過去の所定期間にメンテナンスが行われたという当該情報に基づいて、異常予兆の診断を再度実行することになる。
また、「交換部品」として、メンテナンスに際して交換した機械設備2の部品を特定する情報が入力される。また、保守作業完了の有無を示す情報として、保守作業が完了したか否かを示す情報が入力される。更に、「処置内容」として、メンテナンス内容の他、メンテナンス前後における機械設備2の状態が入力される。コンピュータ3に入力された保守情報は、制御手段(図示せず)によってコンピュータ3の記憶手段(図示せず)に記憶され、更に通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信される。
<異常予兆診断装置の構成>
図1に示すように、異常予兆診断装置1は、通信手段10と、センサデータ取得手段11と、センサデータ記憶手段12と、保守情報取得手段13と、保守情報記憶手段14と、初期化指示手段15と、データマイニング部16と、リモートモニタリング部17と、診断結果記憶手段18と、表示制御手段19と、表示手段20と、を備えている。
通信手段10は、通信ネットワークNを介して機械設備2やコンピュータ3からのデータを受信するものであり、例えば、ルータや各種インタフェースなどにより構成されている。通信手段10は、例えば、TCP/IPの通信プロトコルに従い、通信ネットワークNを介して前記データを受信する。
センサデータ取得手段11は、通信ネットワークNを介して通信手段10から入力された各データのうち、機械設備2に設置された各種センサ(図示せず)からのセンサデータを取得するものである。前記したように、機械設備2に設置された各種センサは、機械設備2における所定の特徴量(例えば、温度や圧力の値など)を計測している。そして、機械設備2は、当該各種センサによる計測値を所定時間(例えば、30秒)ごとに取得し、通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に対して逐次送信している。この場合、センサデータ取得手段11は、1日当たりで、機械設備2の各種センサからそれぞれ2880個の計測値を取得することとなる。
なお、通信ネットワークNを介して通信手段10から入力されるデータには、前記計測値の他に、当該センサによって検出された計測値のデータ種別(機械設備2の識別番号、及び、センサの識別番号を含む)、機械設備2において計測値が取得された日付及び時刻が含まれる。また、通信手段10から入力されるデータとして、機械設備2における所定の指令値(例えば、モータ回転速度の指令値など)を含めてもよい。
計測値及び当該計測値を特定するために付加される前記データを総称して、以下、「センサデータ」と記すこととする。センサデータ取得手段11は、通信手段10を介して取得したセンサデータを、センサデータ記憶手段12に記憶させる。
センサデータ記憶手段12は、センサデータ取得手段11によって取得されたセンサデータを記憶している。すなわち、センサデータ記憶手段12は、機械設備2又は少なくとも1つの機械設備2を管理するサイト(図示せず)ごとに、センサデータをデータベースとして記憶している。そして、センサデータ記憶手段12は、記憶しているセンサデータを、後記するデータマイニング部16と、リモートモニタリング部17と、表示制御手段19と、に対して出力可能に構成されている。
保守情報取得手段13は、通信ネットワークNを介して通信手段10から入力された各データのうち、コンピュータ3から出力された保守情報を取得するものである。保守情報取得手段13によって取得される保守情報には、少なくとも機械設備2を特定するための識別番号と、機械設備2に対して保守作業が行われた期間(保守作業期間)と、を含むものとする。保守情報取得手段13は、通信手段10を介して取得したデータが保守情報であるか否かを識別し、取得した保守情報を保守情報記憶手段14に記憶させる。
保守情報記憶手段14は、保守情報取得手段13によって取得された保守情報を記憶している。保守情報記憶手段14は少なくとも、どの機械設備2に対してどの期間に保守作業が行われたかを含む保守情報を、データベースとして記憶している。そして、保守情報記憶手段14は、記憶している保守情報を後記するデータマイニング部16と、表示制御手段19とに対して出力可能に構成されている。
初期化指示手段15は、外部環境の変化に応じて、データマイニング部16に対して、初期化を指示する初期化指示信号を出力するものである。本実施形態では、初期化指示信号による初期化指示の内容として、正常モデルの全体を再構築をする初期化モードでの学習処理を実行する「初期化学習」の指示と、正常モデルとして予め定められた初期値を設定する「初期値設定」の指示とがある。
ここで、予め定められた初期値とは、例えば、工場出荷時に正常モデルのデフォルト値として定められた設定値のことである。また、初期値は、1つの設定値に限らず、例えば、機械設備2が設置される種々の気候や季節に対応できるように、複数の設定値を予め準備しておき、初期値設定を指示する際に選択できるようにしてもよい。
なお、初期値設定を指示する初期化指示信号は、例えば、機械設備2を新規に設置したときや、外部環境の状態が大きく異なる場所に移設したときに、主として管理者による人為的な操作に基づいて出力されるものである。
また、初期化モードによる学習処理の実行を指示する初期化指示信号は、主として、外部環境の状態が大きく変化したときに出力される。このために、初期化指示手段15を、外部環境の状態の変化に応じて、手動的に又は自動的に初期化指示信号を出力するように構成することができる。
ここで、手動的に初期化指示信号を出力するとは、管理者による人為的な入力操作に基づくものである。すなわち、管理者が、例えば、コンピュータ3の入力手段(図示せず)を用いて初期化指示を意図する入力操作を行うことにより、通信手段10を介して、当該入力操作が行われたことを示す信号が初期化指示手段15に入力される。そして、初期化指示手段15が当該入力操作が行われたことを示す信号の入力を検出した場合に、初期化指示手段15は、データマイニング部16に対して初期化指示信号を出力する。
また、自動的に初期化指示信号を出力するとは、初期化指示手段15が、例えば、気温変化や経過時間が所定の条件に合致したときに、自動的に初期化指示信号を出力することである。具体的には、例えば、次のようにして初期化指示信号を出力するタイミングを定めることができる。
初期化指示手段15が、例えば、機械設備2が設置された周囲の外気温などの外部環境の状態を検出するセンサ(図示せず)の測定値を通信手段10を介して取得する。そして、1日の平均気温が、前回に正常モデルの初期化を行ったときに比べて、予め定めた所定値以上に変化したときを、初期指示信号の出力タイミングとすることができる。
また、他の例として、初期化指示手段15が、例えば、通信手段10を介してカレンダー情報を取得し、前回に正常モデルの初期化を行ってから、予め定めた期間(例えば、3ヶ月)が経過したときを、初期指示信号の出力タイミングとすることができる。
初期化指示手段15は、前記した手動的な初期化指示信号の出力と、自動的な初期化指示信号の出力との両方を行えるようにしてもよい。これにより、より適切なタイミングで、データマイニング部16に対して、初期化モードでの正常モデルの学習処理を実行させることができる。
データマイニング部(第1診断手段)16は、統計的データ分類手法を適用してデータマイニングを行い、機械設備2の正常データを用いて学習することで、機械設備2ごとに正常モデルを生成し、当該正常モデルに基づいて機械設備2の異常予兆の有無を診断する。また、データマイニング部16は、保守情報記憶手段14から取得した保守情報に基づいて、センサデータ記憶手段12からセンサデータを取得する。そして、データマイニング部16は、取得した当該センサデータに基づいて学習及び診断を行い、その診断結果を診断結果記憶手段18に記憶させるようになっている。
また、データマイニング部16は、初期化指示手段15から初期化指示信号が入力されると、初期化指示の内容に従って、正常モデルを初期化する。
なお、データマイニング部16の詳細については、後記する。
リモートモニタリング部(第2診断手段)17は、異常予兆診断装置1の各種設定を行う管理者の経験や知識をもとに、機械設備2から取得したセンサデータの値(又は変化量)について上下しきい値を設け、センサデータの値などが当該上下しきい値の範囲外となった場合に異常予兆ありと診断する。そして、リモートモニタリング部17は、前記の診断結果を診断結果記憶手段18に記憶させるようになっている。
なお、リモートモニタリング部17の詳細については、後記する。
異常予兆診断装置1は、データマイニング部16による診断と、リモートモニタリング部17による診断をそれぞれ独立に行っている。
診断結果記憶手段18は、データマイニング部16による診断結果と、リモートモニタリング部17による診断結果とを、それぞれ別の記憶領域(図示せず)に記憶している。また、診断結果記憶手段18は、診断日における各診断結果を機械設備2(又は機械設備2を管理するサイト)ごとに記憶しており、表示制御手段19に対して出力可能に構成されている。
表示制御手段19は、診断結果記憶手段18に記憶されているデータマイニング部16による診断結果、及び、リモートモニタリング部17による診断結果を、表示手段20に表示させるための制御を行う。すなわち、表示制御手段19は、表示手段20に対して異常予兆診断装置1による診断結果などを表示させる際に必要となる制御信号を出力する。
例えば、表示制御手段19は、各機械設備2を行とし、診断日の日付を列としてマトリックス形式でデータマイニング部16による診断結果(異常予兆の有無)を表示手段20に表示させる。その他、表示制御手段19は、メンテナンスが行われた日やその後の学習期間など(詳細については後記する)を表示手段20に識別可能に表示することができるようになっている。また、表示制御手段19は、機械設備2自体に設置されたインターロック(図示せず)からの警報情報又は故障情報の有無を表示手段20に識別可能に表示させる。
更に、表示制御手段19は、リモートモニタリング部17によって異常予兆ありと診断された場合には、例えば、表示手段20に当該診断結果をポップアップ表示させることもできる。
表示手段20は、例えば、モニタであり、表示制御手段19から入力された制御信号に従って、異常予兆診断装置1による診断結果などを表示する。
<データマイニング部の構成>
次に、図2を参照(適宜図1参照)して、データマイニング部16の構成について説明する。図2に示すように、データマイニング部16は、データマイニング学習部161と、データマイニング診断部162と、を備えている。
データマイニング学習部161は、統計的データ分類手法の一種であるクラスタリングを適用してデータマイニングを行い、機械設備2が正常に稼働しているときに取得したセンサデータである正常データを用いて学習することで、正常モデルを生成するものである。
そのために、データマイニング学習部161は、学習対象データ取得手段161aと、学習対象データ記憶手段161bと、正常モデル生成手段161cと、正常モデルデータ記憶手段161dと、を備えている。
なお、「正常モデル」が示す対象の詳細については後記する。
本実施形態では、メンテナンス作業中及びメンテナンス後の一定期間と、初期化指示手段15によって初期化を指示されたときとを除き、データマイニング学習部161による学習処理は、一日に一回、予め設定された時刻(例えば午前0時)に実行される。そして、後記するデータマイニング診断部162による診断処理は、一日に一回、前記学習処理が終了した後に当該学習処理により生成された正常モデルを基準として行われるものとする。
学習対象データ取得手段161aは、保守情報記憶手段14に記憶されている保守情報及び初期化指示手段15から入力される初期化指示信号に基づいて、センサデータ記憶手段12からセンサデータを取得して、取得したセンサデータを学習対象データ記憶手段161bに記憶させる。以下、学習対象データ取得手段161aがセンサデータ記憶手段12から取得するセンサデータを、「学習対象データ」と記す。
なお、学習対象データ取得手段161aが取得する学習対象データの詳細については後記する。
学習対象データ記憶手段161bは、学習対象データ取得手段161aが取得した学習対象データを記憶させるための装置である。学習対象データ記憶手段161bは、記憶している学習対象データを正常モデル生成手段161cに対して出力可能に構成されている。
なお、学習対象データ記憶手段161bを設けずに、学習対象データ取得手段161aが取得した学習対象データを、直接に正常モデル生成手段161cに出力するように構成してもよい。
また、学習対象データ取得手段161aが取得した学習対象データは、例えば、学習対象データ取得手段161aの後段に運転モード分割手段(図示せず)を設け、「運転モード」ごとに分割し、学習対象データ記憶手段161bに記憶させるようにしてもよい。
ここで、「運転モード」とは、機械設備2の運転モードを意味している。運転モードとしては、機械設備2が停止して定常状態となっているモード、機械設備2が起動して過渡状態となっているモード、機械設備2が稼動して定常状態となっているモード、機械設備2が停止して過渡状態となっているモードなどが挙げられる。
そして、正常モデル生成手段161cによって、運転モードごとに対応する学習対象データを用いて学習することで正常モデルを生成するようする。これにより、正常モデル生成手段161cによって、より適切に正常範囲を示す正常モデルを生成することができる。
また、運転モードごとに正常モデルを生成する場合は、後記するデータマイニング診断部162においても、後記する診断対象データを運転モードごとに分割し、対応する正常モデルを用いて診断することにより、より精度よく異常予兆の診断を行うことができる。
正常モデル生成手段161cは、学習対象データ取得手段161aによって取得され学習対象データ記憶手段161bに記憶されている学習対象データを用いて学習することにより、機械設備2の正常モデルを生成するものである。正常モデル生成手段161cによる当該学習は、統計的データ分類手法の一種であるクラスタリングを適用してデータマイニングを行うことによってなされる。
また、正常モデル生成手段161cが行う学習には、所定期間に蓄積されたセンサデータを用いて正常モデルの全体を新たに構築する初期化モードと、日々蓄積されるセンサデータを正常モデルに追加適用することで、当該正常モデルの一部のパラメータを日々チューニング(調整)する更新モードとの2つの学習モードがある。
更にまた、正常モデル生成手段161cは、正常モデルとして予め定められた初期値を設定することで当該正常モデルを生成する機能を有する。なお、初期値の設定は、例えば、新規に機械設備2を設置したときのように、有効な学習対象データを取得できないときに使用される機能である。
正常モデル生成手段161cは、生成した正常モデルを正常モデルデータ記憶手段161dに記憶させる。
図2に示すように、正常モデル生成手段161cは、初期値設定手段161c1と、初期化学習手段161c2と、更新学習手段161c3とを備えている。
初期値設定手段161c1は、初期化指示手段15から入力される初期化指示信号の指示内容が「初期値設定」の場合に、正常モデルに予め定められた初期値(例えば、工場出荷時のデフォルト値)を設定するものである。なお、設定に用いられる初期値のデータは、例えば、初期値設定手段161c1内にROM(Read Only Memory)やFlash−RAM(Radom Access Memory)、磁気ディスクなどの記憶手段(図示せず)を備え、当該記憶手段に予め記憶させておくものとする。
初期値設定手段161c1は、初期値を設定することで生成した正常モデルを、正常モデルデータ記憶手段161dに記憶させる。
初期化学習手段161c2は、初期化指示手段15から入力される初期化指示信号の指示内容が「初期化学習」の場合及びメンテナンス後の最初の学習を行う場合に、初期化モードによる学習を行い、正常モデルを生成するものである。より具体的には、初期化学習手段161c2は、学習対象データ記憶手段161bから所定期間に蓄積された学習対象データを取得し、当該学習対象データを用いて学習することで、正常モデルの全体を再構築するものである。
初期化学習手段161c2は、再構築した正常モデルを正常モデルデータ記憶手段161dに記憶させる。
更新学習手段161c3は、正常モデルが初期化された後の日ごとに、更新モードによる学習を行い、正常モデルを更新するものである。より具体的には、更新学習手段161c3は、日々蓄積されるセンサデータを正常モデルに追加適用することで、当該正常モデルの一部のパラメータを日々チューニング(調整)することで正常モデルを更新するものである。更新モードによる学習は、後記するクラスタの一部のパラメータを調整するだけであるから、処理負担が大きく増大することなく、外部環境の状態の変化に対して、一定の適応能力を発揮することができる。
正常モデルデータ記憶手段161dは、正常モデル生成手段161cが生成した正常モデルを記憶させるための装置である。正常モデルデータ記憶手段161dに記憶される正常モデルデータは、データマイニング診断部162の異常度算出手段162cに出力可能に構成されており、データマイニングの手法による異常予兆の診断に用いられる。
なお、正常モデルデータ記憶手段161dに記憶される正常モデルデータの構成については後記する。
ここで、図5を参照して、正常モデル生成手段161cによる学習処理について説明する。
(初期化モードによる学習処理)
まず、初期化モードによる学習処理について説明する。
なお、初期化モードによる学習処理は、初期化指示手段15によって初期化モードによる学習が指示された場合と、メンテナンスが実施された後で、所定期間のセンサデータが蓄積されて最初に学習する場合とに実行される。
正常モデル生成手段161cは、学習対象データを類似するデータごとにクラスタと呼ばれるいくつかの代表グループに分類する。なお、図5に示した例では、クラスタが1つの場合について示したが、特定の機械設備2の1つの運転モードについて複数のクラスタが存在することがあるものとする。
また、図5に示す特徴α、特徴β、特徴γとは、例えば、機械設備2に設置されたセンサ(図示せず)で計測された特徴量(温度、圧力、回転速度など)を正規化したものである。また、図5には、例として3次元の場合を示したが、次元数はセンサデータ取得手段11(図1参照)によって取得されるセンサの数だけあるものとする。
クラスタリングの手法としては、例えば、非階層的クラスタリングのk平均法を用いることができる。k平均法では、まず、各データに対してランダムにクラスタを割り振り、割り振ったデータをもとに各クラスタの中心(クラスタ中心)を計算する。クラスタ中心として、例えば、割り当てられたデータの各要素の平均を使用することができる。次に、所定のデータとクラスタ中心との距離を求め、当該データを最も近い中心のクラスタに割り当てる。このような処理で全てのデータについて、各データのクラスタ割り当てが変化しなかった場合は処理を終了する。それ以外の場合は、新しく割り振られたクラスタからクラスタ中心を再計算し、前記処理を繰り返す。以上の処理により、正常モデル生成手段161cは、学習対象データを複数のクラスタに分類することができる。
そして、図5に示すように、各クラスタについてクラスタ中心cとクラスタ半径rとが決定される。各クラスタについて求められた前記クラスタ中心c及びクラスタ半径rが、正常モデル生成手段161cによって学習された正常モデルである。正常モデル生成手段161cは、学習した正常モデルを正常モデルデータ記憶手段161d(図2参照)に記憶させる。
なお、正常モデル生成手段161cは、学習対象データ記憶手段161bに記憶されている学習対象データが、予め設定された所定数以上存在する場合に正常モデルを学習するように設定されている。つまり、正常モデル生成手段161cは、正常モデルを学習するために最低限必要な個数以上の学習対象データが、学習対象データ取得手段161aによって取得されていないと判断した場合には正常モデルを学習せず、未診断である旨の情報を診断結果記憶手段18に記憶させる(図2参照)。
(正常モデルデータの構成)
ここで、図6を参照して、データマイニング学習部による学習結果である正常モデルデータの構成例について説明する。
図6に示すように、正常モデルデータ記憶手段161dには、運転モードごとに正常モデルがデータベースとして記憶される。図6に示すクラスタ番号101は、各クラスタを識別するために付される識別番号である。センサ1〜センサM(102)は、機械設備2に設置されたセンサ(図示せず)を示している。
図6に示す所属データ数103は、各クラスタ1〜Nに属する学習対象データの個数を示す。誤差合計104は、それぞれのクラスタのクラスタ中心と、当該クラスタに属する各学習対象データとの誤差(距離)の合計を示す。最大誤差105は、特定のクラスタのクラスタ中心と当該クラスタに属する複数の学習対象データとの距離の最大値である。最小誤差は、特定のクラスタのクラスタ中心と当該クラスタに属する複数の学習対象データとの距離の最小値である。
また、最大値107は、特定のクラスタに含まれる複数の学習対象データにおいて各センサに対応する特徴成分(例えば、図5に示す特徴αの座標値)の最大値を示す。また、最小値108は、特定のクラスタに含まれる複数の学習対象データにおいて各センサに対応する特徴成分の最小値を示す。なお、正常モデル生成手段161cは、最大値107及び最小値108の値を用いて正規化処理を行う。また、クラスタ中心109は、各クラスタの中心を特定する各センサ1〜Mの値を示す。
(更新モードによる学習処理)
次に、図5及び図6を参照(適宜図2参照)して、更新モードによる学習処理について説明する。
なお、更新モードによる学習処理は、前記した初期化モードによる学習を行った日の翌日以降に、1日に1回実行される。
前記したように、更新モードによる学習処理は、日々蓄積されるセンサデータを正常モデルに追加適用することで、当該正常モデルの一部のパラメータを日々チューニング(調整)することで正常モデルを更新するものである。
具体的には、診断日ごとに、当該診断日を基準時として相対的に定められる所定の期間の学習対象データを用いて、図5に示したクラスタ中心c及びクラスタ半径rを調整するものである。
ここで、新規に学習対象データに追加されたセンサデータは、前日に調整された正常モデルに従って、所属クラスタが決定される。そして、追加されたすべてのセンサデータの所属クラスタが決定されると、クラスタごとに、所属するセンサデータの平均を算出し、新たなクラスタ中心cとする。言い換えれば、クラスタ中心cとして、一種の移動平均を用いるようにするものである。また、クラスタごとに、例えば、新たなクラスタ中心cから当該クラスタに所属する最も離れたセンサデータまでの距離(図6に示した最大誤差105)を、新たなクラスタ半径rとする。
このように、正常モデルデータ記憶手段161dに記憶される正常モデルは、学習対象データ取得手段161aが診断日に対応して取得する学習対象データに基づいて、診断日ごとに更新されていく。
ここで、図7を参照(適宜図2及び図5参照)して、更新モード及び初期化モードによって生成される正常モデルの変化と、外部環境の状態の変化との関係について説明する。また、図7において、上段及び下段のグラフにおいて横軸は両方のグラフに共通するスケールの時間を示し、上段のグラフの縦軸は多次元センサデータによって張られる多次元空間における状態量を示し、下段のグラフの縦軸は外部環境の状態量の例として気温を示している。なお、説明の便宜のため、図7では、多次元空間として1次元空間を例として示している。
この例では、上段のグラフは、正常モデルを示すある1つのクラスタについて、クラスタ中心(図7において、各クラスタC〜C13に黒丸で示す)の変化の様子を示している。なお、説明の便宜のため、クラスタ半径についての変化は、記載を省略している。また、クラスタC〜C13は、日々に更新モードにより学習されるクラスタについて、1ヵ月間隔で抽出して示したものである。また、下段のグラフは約半年間の気温の変化を示している。
なお、図7は両者の関係を概念的に説明するための図であって、具体的な関係を示すものではない。
まず、時刻t1において、初期化モードによる学習を実行したものとする。そのときに生成されたクラスタCは、そのときの外部環境の状態である気温に良好に適合するように学習されている。時刻t1から時間経過とともに気温が上昇するに連れて、クラスタC〜Cに示すように、クラスタ中心が徐々に変化している。これは、気温変化に対応して、正常範囲のセンサデータの出力が変化することを反映し、クラスタ中心が調整されていることを示している。このように、本発明において、更新モードによる学習を行うことによって、正常モデルであるクラスタは、外部環境の状態変化に対して一定範囲の調整が可能である。
次に、気温の急激な上昇に伴って、クラスタC〜Cに示すように、クラスタ中心が大きく変化している。このように外部環境の状態変化が大きいと、正常モデルと新たに取得されるセンサデータとの乖離が大きくなり過ぎ、更新モードによる学習の調整範囲を超えることとなる。また、図示は省略しているが、このとき正常範囲を示すクラスタ半径が大きくなるため、異常予兆を検出する感度が低下する。
そこで、外部環境の状態の大きな変化が検知される時刻t2において、例えば、時刻t2の直近の所定期間Cに取得したセンサデータを学習対象データとして用い、初期化学習手段161c2によって初期化モードによる学習を実行して正常モデルであるクラスタを再構築することにより、クラスタCからクラスタC11へ置き換えられる。すなわち、時刻t2における外部環境の状態では、クラスタC11が適切に正常範囲を示すものである。従って、初期化モードによる学習前のクラスタCを用いた場合は、適切に異常予兆を診断できなくなることがある。
また、クラスタC〜C10は、初期化モードによる学習を実行せずに、更新モードによる学習のみを継続した場合のクラスタの様子を示したものである。これに対して、クラスタC11〜C13は、時刻t2において初期化モードによる学習を実行し、その後更新モードによる学習を継続した場合のクラスタの様子を示したものである。
このように、外部環境の状態がある程度以上変化した場合に、初期化モードによる学習を実行することにより、その後、更新モードによる学習で適切に正常モデルを調整することができる。
(学習対象データ取得処理)
次に、初期化モード及び更新モードによる学習の際に用いられる学習対象データを取得する期間について説明する。
本実施形態では、学習対象データを取得する期間が、メンテナンス作業後と、メンテナンス作業から一定期間経過後である通常時と、初期化指示手段15(図2参照)によって初期化モードによる学習を行うときとで、それぞれ異なるものである。
各ケースについて、順次に説明する。
(A.通常の場合の学習対象データ取得処理)
まず、図3を参照(適宜図2参照)して、メンテナンス作業から一定期間経過後の通常時において、学習対象データ取得手段161aによって取得される学習対象データの取得対象期間について説明する。
図3に示すように、通常時における学習のための取得対象期間である学習期間Bの初日(1日)から診断日(22日)までの間では、機械設備2に対するメンテナンスがなされなかった場合について示している。また、図3に記載の日付は学習期間Bの1日目を基準(1日)として付けたものである。
図3に示すように、学習対象データ取得手段161aは、診断日(22日)から所定期間A(例えば、1週間)だけ過去にさかのぼり、所定の学習期間B(例えば、2週間分)の学習対象データをセンサデータ記憶手段12から取得する。ここで、所定期間A及び学習期間Bは、予め設定された期間である。
なお、所定期間Aは、長期間かけてゆっくりと設備状態が異常状態に変化するような事象の検知に対応可能であるとともに、機械設備2の稼働状況自体の変化にも対応可能であるように、適宜設定すればよい。また、前記の学習期間Bは、後記する正常モデル生成手段161cが正常モデルを学習するために必要とする学習対象データを十分に取得できる期間であればよく、適宜設定すればよい。
また、学習対象データ取得手段161aは、学習期間Bとして、機械設備2に設置されたインターロック(図示せず)によって警報又は故障が検知された日を除くよう設定されている。つまり、図3に示す2日に機械設備2で警報があったので、学習対象データ取得手段161aは、2日を除く2週間分のセンサデータを学習対象データとしてセンサデータ記憶手段12から取得する。
なお、データマイニング学習部161による学習処理は、一日に一回、予め設定された時刻(例えば午前0時)になされる。そして、後記するデータマイニング診断部162による診断処理は、一日に一回、前記学習処理が終了した後に当該学習処理によって学習された正常モデルを基準として診断される。
そして、図3に示す所定期間Aと学習期間Bとは、診断日の経過に伴い1日ずつシフトしていく。
なお、前記した学習処理及び診断処理は一日に一回に限らず、所定の期間ごとに行うこととしてもよい。
なお、前記では、機械設備2自体に設置されたインターロック(図示せず)によって警報又は故障が検知された日を学習対象日から除外することとしたが、更に、異常予兆診断装置1によって異常予兆があると診断された日も学習対象から除外することが好ましい。これは、データマイニング部16がクラスタリングを用いて精度の高い診断を行うために、正常なデータを学習する必要があるからである。このようにして、警報又は故障が検知された日、及び、異常予兆と診断された日を除外した日における機械設備2のセンサデータを以下、「正常データ」と記す。
つまり、学習対象データ取得手段161aは、過去における所定日数分の正常データをセンサデータ記憶手段12から取得し、学習対象データ記憶手段161bに記憶させる。
(B.メンテナンスがあった場合の学習対象データ取得処理)
次に、図4を参照(適宜図2参照)して、メンテナンス(保守作業)が行われた場合において、学習対象データ取得手段161aによって取得される学習対象データの取得対象期間について説明する。
図4に示すように、例えば、3日〜5日の期間に特定の機械設備2に対してメンテナンスがあった場合を仮定する。また、図4に示すメンテナンス期間(3日〜5日)はメンテナンスの作業が終了した後、機械設備2の動作が安定するまでの期間も含むものとする。
このようなメンテナンスがあった場合、メンテナンスの前後でセンサデータの値が大幅に変動する可能性が高い。仮に、診断日がメンテナンス直後であった場合に、学習対象データ取得手段161aが、通常の場合に適用される図3に示した方法で学習対象データを取得したとすると、次のような事態が発生する。すなわち、学習対象データ取得手段161aが、メンテナンス前のセンサデータやメンテナンス中のセンサデータをも学習対象データとして取得してしまうこととなる。従って、この場合には、メンテナンスを施された機械設備2自体は正常であるにもかかわらず、異常予兆診断装置1が異常予兆ありと診断し続ける可能性がある。
そこで、メンテナンスがあった場合、学習対象データ取得手段161aは図4に示す学習期間のセンサデータを学習対象データとして取得する。
図4に示すように、学習対象データ取得手段161aは、メンテナンス以前(2日以前)のセンサデータ、及び、メンテナンス期間中である3日〜5日のセンサデータを、取得すべき学習対象データから除外する。つまり、学習対象データ取得手段161aは、メンテナンス期間(3日〜5日)が経過した後の6日から所定の学習期間B1(例えば、1週間)のセンサデータを学習対象データとして取得する。
なお、図4に示す学習期間B1は、メンテナンス後における機械設備2から取得した学習対象データを用いて、正常モデル生成手段161cが新たな正常モデルを作成するために最低限必要な期間である。従って、図4に示すように、後記する診断手段162dは、メンテナンス期間(3日〜5日)及びメンテナンス後の学習期間B1(6日〜12日)までの間は異常予兆の診断を行わない。そして、診断手段162dは、学習期間B1が経過した後の13日から異常予兆の診断を再開する。
そして、図4(a)に示すように、学習期間として十分な期間である学習期間B2(例えば、2週間)が確保できるまでは、学習対象データ取得手段161aはメンテナンス後の6日から診断日の前日までのセンサデータを、学習対象データとしてセンサデータ記憶手段12から取得する。
また、図4(b)に示すように、学習期間B2の最終日(19日)から診断日までの日数が所定期間A2(例えば、一週間)となるまでは、学習対象データ取得手段161aは、学習期間B2におけるセンサデータを取得する。これは、前記したように、長期間かけてゆっくりと設備状態が異常状態に変化するような事象の検知に対応可能であるようにするためである。
そして、図4に示す27日以後は、学習対象データ取得手段161aは、前記した「通常の場合の学習データ取得処理」と同様の処理を行う(図3、図4(b)参照)。更に、図4(c)に示すように、学習期間B2の最終日(19日)からの日数が所定期間A2を超えた診断日(28日)からは、学習対象データ取得手段161aは、診断日の経過に伴って学習期間B3及び所定期間A3を順次シフトさせていく。
なお、機械設備2自体に設置されたインターロック(図示せず)によって警報又は故障が検知された日や、異常予兆診断装置1によって異常予兆があると診断された日を学習対象日から除外することは、前記した「通常の場合の学習対象データ取得処理」の場合と同様である。
また、前記した学習期間B1,B2及び所定期間A2は、適宜設定を変更することが可能である。
(C.初期化指示があった場合の学習対象データ取得処理)
次に、図7を参照(適宜図2参照)して、初期化モードによる学習処理の実行を指示する初期化指示信号が入力された場合において、学習対象データ取得手段161aによって取得される学習対象データの取得対象期間について説明する。
初期化指示信号に基づく初期化モードによる学習は、外部環境の状態が大きく変化した場合に実行され、正常モデルを再構築するためのものである。従って、正常モデルの再構築に必要な最低限の期間であって、かつ、外部環境の状態が大きく変化しない程度の期間において取得されたセンサデータを用いることが好ましい。
本実施形態では、センサデータを学習対象データとして取得する対象期間を、図7に示すように、学習処理を実行する日(時刻t2)の直近の所定期間Cとする。所定期間Cの長さは、四季の変化に対応するために、例えば、3ヶ月とすることができるが、機械設備2(図1参照)が設置された場所の気候や、外部環境の変化の影響を受ける度合いに応じて、数日〜数ヶ月程度の間で、適宜に定めることができる。
なお、前記した更新モードでの学習による正常モデルの適応能力を超えないようなタイミングで初期化モードによる学習を実行するようにすることが好ましい。
また、所定期間Cにおいて、異常の発生や異常予兆有りの診断がなされた日のセンサデータは、学習対象データから除去することが好ましい。
また、所定期間Cにおいて、メンテナンスが実行されている場合は、前記したようにメンテナンス前後でセンサ出力が大きく変化することがあるため、メンテナンス作業終了後に取得されたセンサデータを学習対象データとして用いることが好ましい。
また、メンテナンス後の一定期間(図3における「学習期間B+所定期間A」)が経過して「通常期間」となる前は、メンテナンス後に実行される初期化モードによる学習処理を優先し、当該初期化信号に基づく学習処理を実行しないようにする。これによって、初期化モードによる学習の、短期間内での重複実行を避けることができる。
なお、メンテナンス後に実行される初期化モードによる学習処理と、初期化指示信号に基づく学習処理との何れを優先するかを選択可能とするように構成してもよい。
また、メンテナンス後に、一定期間が経過せず、正常モデルの再構築に十分なセンサデータが蓄積されていない場合は、初期化信号に基づく学習処理の指示を取消すようにしてもよい。この一定期間としては、例えば、図4に示した「学習期間B1」、「学習期間B2」又は「学習期間B2+所定期間A2」とすることができる。
また、所定期間Cとして、直近の期間ではなく、前年又はそれ以前の年において、同じ時期(月日)に取得したセンサデータを用いるようにしてもよい。また、前年以前のセンサデータを用いる場合は、初期化モードによる学習処理を実行する日を挟む前後の期間に取得したセンサデータを用いるようにしてもよい。例えば、所定期間Cの長さを3ヶ月とし、7月15日に学習処理を実行する場合は、前年の6月1日から8月31日までに取得したセンサデータを用いるようにしてもよい。また、直近の期間に取得したセンサデータと、前年以前の同期間に取得したセンサデータの両方を用いるようにしてもよい。
更にまた、初期化指示信号を出力する際に、所定期間Cを任意の長さに設定できるように構成してもよく、前記した種々の期間を選択可能に構成してもよい。
なお、初期化指示信号の指示内容が、初期値設定の場合は、正常モデル生成手段161cは、初期値設定手段161c1によって、正常モデルデータとして予め定められた初期値を設定するものであるから、学習対象データを用いた学習は行わない。
図2に戻って、データマイニング部16の構成について説明を続ける。
データマイニング診断部162は、データマイニング学習部161で生成された正常モデルに基づいて、機械設備2のセンサデータから異常予兆の有無を診断するものである。
図2に示すように、データマイニング診断部162は、診断対象データ取得手段162aと、診断対象データ記憶手段162bと、異常度算出手段162cと、診断手段162dと、寄与度算出手段162eと、を備えている。
診断対象データ取得手段162aは、センサデータ記憶手段12から診断対象となるセンサデータ(以下、診断対象データと記す。)を取得する。本実施形態では、診断対象データ取得手段162aは、一日に一回、予め指定された時刻(例えば、午前0時)に前日の一日分のセンサデータを診断対象データとして、センサデータ記憶手段12から取得する。診断対象データ取得手段162aは、取得した診断対象データを診断対象データ記憶手段162bに記憶させる。
また、前記したように、データマイニング診断部162が診断処理を行う前に、データマイニング学習部161によって、予め診断日に対応する学習対象データが取得され(図3、図4参照)、当該学習対象データを用いた学習で生成した正常モデルデータが正常モデルデータ記憶手段161dに記憶されている。
診断対象データ記憶手段162bは、診断対象データ取得手段162aによって取得された診断対象データを記憶させるための装置である。診断対象データ記憶手段162bに記憶されている診断対象データは、異常度算出手段162c及び寄与度算出手段162eに出力可能に構成されている。
なお、前記したデータマイニング学習部161において、学習対象データが運転モードごとに分割され、運転モードごとに学習して正常モデルを生成している場合は、データマイニング診断部162においても、同様の手順で診断対象データを運転モードごとに分割するものとする。この場合、運転モードごとに分割した診断対象データは、運転モード別に診断対象データ記憶手段162bに記憶される。
異常度算出手段162cは、診断対象データ記憶手段162bから診断対象データを読み出し、当該診断対象データの異常度を算出するものである。
例えば、診断対象データが図5に示す位置に存在し、正常モデルである複数のクラスタのうち、前記の診断対象データに最も近いクラスタ中心が図5に示すクラスタ中心cであるとする。この場合、異常度uは、クラスタ半径rと、クラスタ中心cから診断対象データまでの距離dとを用いて、下記の式(1)で表される。
u=d/r・・・式(1)
異常度算出手段162cは、式(1)を用いて算出した異常度uを診断手段162dに出力する。また、異常度算出手段162cは、診断対象データとその異常度uとを対応付けて、診断結果記憶手段18に記憶させる。診断手段162dは、異常度算出手段162cから入力された異常度uに基づいて、診断対象データが取得された対象である機械設備2(図1参照)について異常予兆の有無を診断する。
異常度u≦1である場合には、診断対象データが図5に示すクラスタ内に存在するといえる。つまりこの場合、診断対象データは特定の正常モデルの範囲内に存在するため、診断手段162dは、対応する機械設備2が正常である(異常予兆なし)と判断する。
一方、異常度u>1である場合には、診断対象データが図5に示すクラスタより外に存在するといえる。つまりこの場合、診断対象データはいずれの正常モデルの範囲内にも属さないため、診断手段162dは、対応する機械設備2に異常予兆があると判断する。
そして、診断手段162dは、診断対象データを用いた異常予兆の有無を、当該診断対象データに対応付けて診断結果記憶手段18に記憶させる。
なお、前記の説明では、異常度uの値が1以上であるか否かによって、診断手段162dが異常予兆の有無を判断することとしたが、異常予兆の有無を判断する上でしきい値となる値は1である場合に限らない。すなわち、診断手段162dは、診断対象データに最も近いクラスタ中心を有するクラスタ内の学習対象データの分布(分散など)や、診断対象データの時間的な変化率などを考慮して、上記しきい値を適宜設定することが可能である。
寄与度算出手段162eは、診断対象データ記憶手段162bから診断対象データを読み出し、当該診断対象データに対する各センサ(図示せず)の寄与度を算出する。前記の各センサとは、図1に示す機械設備2に設置された複数のセンサを示している。
詳細な説明は省略するが、例えば図5に示す特徴βが機械設備2の所定箇所に設けられた特定のセンサP(図示せず)が検出した温度の値を正規化したものである場合、寄与度iは、図5に示す距離dのうち特徴β成分である距離fの割合として表される。すなわち、寄与度iは、下記の式(2)で表される。
i=f/d・・・式(2)
寄与度iとは、要するに、各センサによって検出されたセンサデータが、異常度uに対してどれだけ寄与しているかを表す値である。すなわち、寄与度iの値を各センサごとに比較することによって、特定の機械設備2に異常予兆があると検知された場合に、当該機械設備2に設置された複数のセンサのうち、どのセンサが異常予兆の検知に最も寄与しているかを特定することが可能となる。
寄与度算出手段162eは、診断対象データとその寄与度iとを対応付けて、診断結果記憶手段18に記憶させる。
(データマイニングによる診断結果の例)
次に、図8を参照してデータマイニング診断部による診断結果の例について説明する。図8に示すように、診断結果記憶手段18(図2参照)には、診断結果がデータベースとして記憶される。
図8に示す時刻201は、センサデータ取得手段11(図1参照)が機械設備2に設置されたセンサ(図示せず)により検出された計測値を取得した日時を示している。当該計測値は、予め設定された周期ごとに機械設備2のセンサで得られた値である。従って、時刻201は、予め指定された時刻(例えば、午前0時)に、前記周期(例えば、30秒)が順次加算された値となる。
学習対象データ取得日202は、この日のセンサデータを用いて、正常モデルであるクラスタを学習したことを示す。クラスタ番号203は、前記で説明した正常モデルとしての複数のクラスタのうち、クラスタ中心c(図5参照)から診断対象データまでの距離が最も小さいクラスタの識別番号である。異常フラグ204には、診断手段162d(図2参照)による診断結果に従って、異常予兆ありの場合には1の値が格納され、異常予兆なしの場合には0の値が格納される。運転状態番号205は、機械設備2の運転モードに対応して付される識別番号である。異常度206は、前記で説明したように、異常度算出手段162c(図2参照)によって算出された異常度である。図8に示す207の領域には、機械設備2に設置された各センサで検出された値である実測値と、前記したクラスタ中心cを表す座標のうちセンサ1に対応する成分の値を示す学習値とが記憶される。寄与度208は、前記で説明したセンサごとに算出された寄与度である。
<リモートモニタリング部の構成>
次に、図9を参照して、異常予兆診断装置1のリモートモニタリング部17の構成について説明する。
リモートモニタリング部17は、前記で説明したように、管理者の経験や知識をもとに、機械設備2から取得したセンサデータの値(又は変化量)について上下しきい値を設け、センサデータの値などが当該上下しきい値によって規定される所定範囲外となった場合に、異常予兆ありと診断する。
リモートモニタリング部17は、個別判定手段17111,17112,・・・,1711N,17121,17122,・・・,1712N,・・・(以下、単に個別判定手段171ということがあるものとする。)と、診断手段172a,172b,・・・(以下、単に診断手段172ということがあるものとする。)と、を備える。個別判定手段17111,17121,・・・は、センサデータ記憶手段12からセンサデータ1(例えば、温度)を取得し、それぞれが、その判定結果を診断手段172a,172b,・・・に出力する。同様に、個別判定手段1711N,1712N,・・・は、センサデータ記憶手段12からセンサデータNを取得し、それぞれが、その判定結果を診断手段172a,172b,・・・に出力する。
なお、それぞれの診断手段172は、その診断内容(例えば、機械設備2の冷却水圧力が低下しているか否かの診断など)に対応して所定の論理回路が組まれている。
ここで、図10を参照(適宜図9参照)して、リモートモニタリング部17の個別判定手段171による異常予兆の診断処理について説明する。
前記したように、それぞれの個別判定手段171は、機械設備2に設置された各センサに1対1に対応付けられている。個別判定手段171は、図10に示すように、センサデータのうちの計測値が予め設定されたしきい値Aより小さくなった場合(図10の一点鎖線参照)、又は、しきい値Bより大きくなった場合(図10の破線参照)に、所定のオン信号を、自身に接続されている診断手段172に出力する。
なお、同一種類のセンサデータを取得する個別判定手段(例えば、17111と17121)においては、しきい値(図10のA,B参照)をそれぞれ同一に設定してもよいし、診断内容に対応して異なるしきい値を設定してもよい。
個別判定手段171は、センサデータ記憶手段12に記憶されているセンサデータについて、予め設定されたサンプリング周期(例えば、30秒)ごとに前記判定を行い、その結果を診断手段172に出力する。そして、診断手段172には、前記したように所定の論理回路が組まれており、各個別判定手段171からの信号の有無に対応して、それぞれの診断内容に応じた異常予兆の有無を出力するようになっている。
そして、診断手段172は、それぞれの診断結果を診断結果記憶手段18(図2参照)に記憶させる。
なお、図9に示したリモートモニタリング部17の個別判定手段171におけるしきい値の設定や、診断手段172内の論理回路の設定は適宜変更することができる。従って、例えば、異常予兆診断装置1(図1参照)の管理者がメンテナンス期間及びメンテナンス内容を参照して、前記しきい値などの設定を適宜変更することもできる。
また、図1に示すように、表示制御手段19は、データマイニング部16による診断結果及びリモートモニタリング部17による診断結果の他、センサデータ記憶手段12に記憶されているセンサデータや、保守情報記憶手段14に記憶されている保守情報も、表示手段20に表示させることができる。
<データマイニング部による処理の流れ>
次に、適宜図面を参照してデータマイニング部による学習処理及び診断処理の流れについて説明する。
(データマイニング学習部による学習処理の流れ)
まず、図11を参照(適宜図2、図4及び図7参照)して、データマイニング学習部161による学習処理の流れについて説明する。
データマイニング学習部161は、正常モデル生成手段161cによって、初期化指示手段15から初期化指示信号の入力が有ったか確認し(ステップS11)、初期化指示信号の入力がない場合は(ステップS11でNo)、ステップS12に進む。ステップS12では、データマイニング学習部161は、学習対象データ取得手段161aによって、通常期間を含むメンテナンスがあった場合の学習対象データ取得処理1を実行して、所定期間(図3の学習期間B又は図4の学習期間B1〜B3の何れか)の学習対象データをセンサデータ記憶手段12から取得する。また、データマイニング学習部161は、学習対象データ取得手段161aによって、取得した学習対象データを学習対象データ記憶手段161bに記憶させる。
次に、データマイニング学習部161は、学習対象データ取得手段161aによって、
ステップS12で学習対象データを取得できたかを確認し(ステップS13)、取得できなかった場合は(ステップS13でNo)、学習を行うことができないため処理を終了する。
一方、学習対象データを取得できた場合は(ステップS13でYes)、データマイニング学習部161は、正常モデル生成手段161cによって、メンテナンス後の最初の学習か確認する(ステップS14)。メンテナンス後の最初の学習かどうかは、図4に示した正常モデルの再構築に必要な最低限の「学習期間B1」が経過した最初の日かどうかで確認することができる。
メンテナンス後の最初の学習である場合は(ステップS14でYes)、データマイニング学習部161は、正常モデル生成手段161cの初期化学習手段161c2によって、ステップS12で取得した学習対象データを用いて初期化モードによる学習を実行することにより正常モデルを再構築する(ステップS20)。また、データマイニング学習部161は、初期化学習手段161c2によって、ステップS20の学習結果である再構築した正常モデルを正常モデルデータ記憶手段161dに記憶させて(ステップS16)、処理を終了する。
一方、メンテナンス後の最初の学習でない場合は(ステップS14でNo)、データマイニング学習部161は、正常モデル生成手段161cの更新学習手段161c3によって、ステップS12で取得した学習対象データを用いて更新モードによる学習を実行することにより正常モデルを調整する(ステップS15)。また、データマイニング学習部161は、更新学習手段161c3によって、ステップS15の学習結果である調整後の正常モデルを正常モデルデータ記憶手段161dに記憶させて(ステップS16)、処理を終了する。
また、ステップS11において、初期化指示信号の入力があった場合は(ステップS11でYes)、データマイニング学習部161は、正常モデル生成手段161cによって、初期化指示の内容が「初期値設定」か確認する(ステップS17)。初期化指示の内容が初期値設定の場合は(ステップS17でYes)、データマイニング学習部161は、正常モデル生成手段161cの初期値設定手段161c1によって、予め定められた初期値を設定することにより、正常モデルを生成する(ステップS21)。また、データマイニング学習部161は、初期値設定手段161c1によって、ステップS20で生成した正常モデルを正常モデルデータ記憶手段161dに記憶させて、処理を終了する。
一方、初期化指示の内容が初期値設定でない場合は(ステップS17でNo)、データマイニング学習部161は、学習対象データ取得手段161aによって、初期化指示に基づく初期化モードでの学習処理を行う場合の学習対象データ取得処理2を実行して、所定期間(図7の所定期間C)の学習対象データをセンサデータ記憶手段12から取得する(ステップS18)。また、データマイニング学習部161は、学習対象データ取得手段161aによって、取得した学習対象データを学習対象データ記憶手段161bに記憶させる。
次に、データマイニング学習部161は、学習対象データ取得手段161aによって、
ステップS18で学習対象データを取得できたかを確認し(ステップS19)、取得できなかった場合は(ステップS19でNo)、学習を行うことができないため処理を終了する。
一方、学習対象データを取得できた場合は(ステップS19でYes)、データマイニング学習部161は、正常モデル生成手段161cの初期化学習手段161c2によって、ステップS18で取得した学習対象データを用いて初期化モードによる学習を実行することにより正常モデルを再構築する(ステップS20)。また、データマイニング学習部161は、初期化学習手段161c2によって、ステップS20の学習結果である再構築した正常モデルを正常モデルデータ記憶手段161dに記憶させて(ステップS16)、処理を終了する。
(メンテナンスがあった場合の学習対象データ取得処理1の流れ)
次に、図12を参照(適宜図2〜図4及び図11参照)して、メンテナンスがあった場合の、学習対象データ取得手段161aによる学習対象データ取得処理1について説明する。なお、図12に示す学習対象データ取得処理1は、図11におけるステップS12の学習対象データ取得処理1の詳細に相当するものである。
まず、学習対象データ取得手段161aは、診断日が通常期間内であるか否かを判断する(ステップS31)。ここで、「通常期間」とは、診断日に最も近い時期に行われたメンテナンスが終了した日を基準として、図3に示した学習期間B及び所定期間Aが確保されている場合の期間を示す。
診断日が通常期間内である場合は(ステップS31でYes)、学習対象データ取得手段161aは、通常モードで学習対象データをセンサデータ記憶手段12から取得する(ステップS32)。ここで「通常モード」とは、学習対象データ取得手段161aが、図3に示したように診断日から所定期間Aだけ過去に遡った学習期間Bにおけるセンサデータを学習対象データとして取得するモードを示す。
診断日が通常期間内でない場合は(ステップS31でNo)、学習対象データ取得手段161aの処理は、ステップS33に進む。ステップS33で、学習対象データ取得手段161aは、診断日がメンテナンス期間内であるか否かを判断する。診断日がメンテナンス期間内である場合は(ステップS33でYes)、学習対象データ取得手段161aの処理は、ステップS34に進む。ステップS34で学習対象データ取得手段161aは、診断日がメンテナンス期間内である旨の情報を診断結果記憶手段18に記憶させる。なお、この場合には、学習対象データとして利用できるセンサデータは存在しないため、学習対象データ取得手段161aはセンサデータ記憶手段12から学習対象データを取得しない。
一方、診断日がメンテナンス期間内でない場合は(ステップS33でNo)、学習対象データ取得手段161aの処理は、ステップS35に進む。ステップS35で、学習対象データ取得手段161aは、診断日が図4に示した学習期間B1に含まれているか否かを判断する。つまり、学習対象データ取得手段161aは、メンテナンス後の学習期間として最低限必要な学習期間B1が確保されているか否かを判断する。
診断日が学習期間B1に含まれている場合(ステップS35でYes)、学習対象データ取得手段161aの処理は、ステップS36に進む。ステップS36で、学習対象データ取得手段161aは、診断日がメンテナンス後の学習期間内である旨の情報を診断結果記憶手段18に記憶させる。この場合には、学習対象データとして利用できるセンサデータが不足しているため、学習対象データ取得手段161aはセンサデータ記憶手段12から学習対象データを取得しない。
一方、診断日が学習期間B1に含まれていない場合は(ステップS35でNo)、学習対象データ取得手段161aの処理は、ステップS37に進む。
ステップS37で、学習対象データ取得手段161aは、図4(b)に示した学習期間B2及び所定期間A2が確保されているか否かを判断する。学習期間B2及び所定期間A2が確保されている場合は(ステップS37でYes)、学習対象データ取得手段161aの処理はステップS32に進む。なお、この場合は図4の(b)又は(c)の場合に該当する。つまり、この場合には診断日が、前記した「通常期間」に該当しているといえる。
一方、学習期間B2が確保されていないか、又は、学習期間B2が確保されているものの所定期間A2が確保されていない場合は(ステップS37でNo)、学習対象データ取得手段161aは、メンテナンスモードで学習対象データを取得する(ステップS38)。ここで「メンテナンスモード」とは、図4(a)を用いて説明したように、前記した「通常モード」に戻るまでの過渡的な学習期間選択モードである。
(初期化指示に基づく初期化モードでの学習処理を行う場合の学習対象データ取得処理2の流れ)
次に、図13を参照(適宜図2〜図4、図7及び図11参照)して、初期化指示手段15からの初期化指示に基づく初期化モードでの学習処理を行う場合の、学習対象データ取得手段161aによる学習対象データ取得処理2について説明する。なお、図13に示す学習対象データ取得処理2は、図11におけるステップS18の学習対象データ取得処理2の詳細に相当するものである。
まず、学習対象データ取得手段161aは、最後に行われたメンテナンス後から、図7に示した所定期間Cが確保されているか確認する(ステップS41)。所定期間Cが確保されている場合は(ステップS41でYes)、学習対象データ取得手段161aは、センサデータ記憶手段12から所定期間Cの間に取得されたセンサデータを学習対象データとして取得して(ステップS42)、学習対象データ記憶手段161bに記憶させる。
一方、所定期間Cが確保されていない場合は(ステップS41でNo)、学習対象データ取得手段161aは、更に、最後に行われたメンテナンス後から、一定期間(例えば、図4に示した「学習期間B1」、「学習期間B2」又は「学習期間B2+所定期間A2」)が確保されているか確認する(ステップS43)。当該一定期間が確保されている場合は(ステップS43でYes)、所定期間Cの範囲内であって、メンテナンス後の直近の全期間のセンサデータをセンサデータ記憶手段12から取得して(ステップS44)、学習対象データ記憶手段161bに記憶させる。
(データマイニング診断部による診断処理の流れ)
次に、図14を参照(適宜図2参照)して、データマイニング診断部162による診断処理の流れについて説明する。
まず、データマイニング診断部162は、診断対象データ取得手段162aによって、センサデータ記憶手段12から診断対象データを取得して(ステップS51)、診断対象データ記憶手段162bに記憶させる。例えば、データマイニング診断部162は、診断対象データ取得手段162aによって、予め指定された時刻(例えば、午前0時)に前日の一日分のセンサデータを診断対象データとして、センサデータ記憶手段12から取得する。
次に、データマイニング診断部162は、異常度算出手段162cによって、診断対象データの異常度を算出する(ステップS52)。すなわち、データマイニング診断部162は、異常度算出手段162cによって、正常モデルデータ記憶手段161dから正常モデルを取得し、当該正常モデルを基準として異常度を算出する。
次に、データマイニング診断部162は、診断手段162dによって、診断を実行する(ステップS53)。すなわち、データマイニング診断部162は、診断手段162dによって、ステップS52で算出した異常度の値が所定値以上であるか否かによって、機械設備2(図1参照)における異常予兆の有無を診断する。
そして、データマイニング診断部162は、診断手段162dによって、ステップS53で実行した診断結果を診断結果記憶手段18に記憶させる。
なお、前記したように、図4に示したメンテナンス期間、及び、メンテナンス後に最低限必要な学習期間B1の間は、正常モデル生成手段161cが適切な正常モデルを生成することができないため、データマイニング部16は、診断結果を出力しない。
しかしながら、リモートモニタリング部17(図1参照)では、サンプリング周期(例えば、30秒)ごとに入力されるセンサデータを基にして診断を行い、診断結果記憶手段18(図1参照)に対して診断結果を出力している。すなわち、メンテナンス期間、及び、メンテナンス後に最低限必要な学習期間B1の間でも、異常予兆診断装置1はリモートモニタリング部17(図1参照)による診断結果を出力し、表示手段20(図1参照)に表示させることができる。
<本発明の効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る異常予兆診断装置1は、機械設備2に設置された複数のセンサによって検出されるセンサデータを取得するセンサデータ取得手段11と、センサデータ取得手段11によって取得されたセンサデータが記憶されるセンサデータ記憶手段12と、センサデータ取得手段11によってセンサデータが取得された期間を指定し、センサデータ記憶手段12から当該指定期間(学習期間B1、学習期間B2、学習期間B3又は所定期間C)に対応するセンサデータを取得する学習対象データ取得処理と、指定期間に対応するセンサデータを用いて学習することで当該センサデータの正常範囲を示す正常モデルを生成する学習処理と、正常モデルに基づいて機械設備2の異常予兆の有無を診断する診断処理と、を行う第1診断手段(データマイニング部16)と、機械設備2の周囲の環境である外部環境の変化に応じて、正常モデルの全体を再構築する初期化モードでの学習処理を前記第1診断手段に指示する初期化指示手段15と、を備えるようにした。
このため、異常予兆診断装置1は、外部環境の状態の変化に対応して、正常モデルを初期化して、適切に異常予兆を診断することができる。また、正常モデル全体を再構築する初期化モードでの学習処理を行なう際にも、外部環境の状態を示す外気温等のパラメータを直接用いないため、データマイニング部16の学習処理のための処理負荷を軽減することができる。
また、学習処理は、初期化モードと、学習処理を行うときを基準時として定められた第1期間(学習期間B)を指定期間として、正常モデルを部分的に調整する更新モードとを有し、第1診断手段(データマイニング部16)は、予め定められた周期(例えば、1日に1回)又は予め定められた時刻(例えば、午前0時)に、定期的に更新モードでの学習処理を行うようにすることが好ましい。これによって、通常は、更新モードでの学習により、処理負荷を増大させることなく、正常モデルを外部環境の状態の変化に一定の適応能力で対応させることができる。このため、機械設備2が、外部環境の状態が大きく変化する環境に設置された場合でも、初期化モードでの学習を実行する間隔を長くすることができる。
また、初期化指示手段15に、予め定められた初期値を正常モデルとする初期値設定を前記第1診断手段に指示する機能を有するように構成することが好ましい。これによって、機械設備2を設定するときに、試運転によりセンサデータを取得することなく、データマイニングの手法による異常予兆の診断を開始することができる。
また、初期化指示手段15は、外部環境の状態を検出するセンサの測定値を取得し、外部環境の状態の変化が所定のしきい値以上となった場合に、第1診断手段(データマイニング部16)に対して初期化モードでの学習処理を指示するように構成することが好ましい。これによって、人為的な操作を行うことなく、外部環境の状況の変化に伴い、自動的に正常モデルを初期化して再構築することができる。これによって、データマイニングの手法による異常予兆の診断の精度を、自動的に維持することができる。
また、初期化指示手段15は、初期化モードでの学習処理を指示する人為操作に基づく入力を検出した場合に、第1診断手段(データマイニング部16)に対して初期化モードでの学習処理を指示するようにすることが好ましい。これによって、任意のタイミングで正常モデルを初期化して再構築することができる。その結果として、より適切に、データマイニングの手法による異常予兆の診断精度を維持することができる。
また、第1診断手段(データマイニング部16)は、初期化指示手段15により初期化モードでの学習処理を指示された場合は、学習対象データ取得処理において、当該初期化モードでの学習処理を指示されたときである初期化指示時を基準時として定められた第2期間(所定期間C)のセンサデータを用いて、正常モデルについて初期化モードでの学習処理を行うようにすることが好ましい。これによって、学習処理すなわち診断処理の実行時の外部環境に適応した正常モデルを再構築することができる。
また、第2期間(所定期間C)は、初期化指示時において、最後に取得されたセンサデータの取得時を含む直近の期間とすることが好ましい。これによって、学習処理すなわち診断処理の実行時の外部環境に、より適応した正常モデルを構築することができる。
また、保守作業が行われる機械設備と保守作業期間とを特定する情報を少なくとも含む保守情報を取得する保守情報取得手段13と、保守情報取得手段13によって取得された保守情報が記憶される保守情報記憶手段14と、を更に備え、第1診断手段(データマイニング部16)は、機械設備2に対して保守作業が行われ、当該保守作業が終了してから診断時までの間に、少なくとも予め定められた長さの第3期間(学習期間B1)が確保されていると判断した場合には、保守作業終了後の所定期間分のセンサデータをセンサデータ記憶手段12から取得し、当該センサデータを用いて更新モードでの学習処理を行うようにすることが好ましい。これによって、保守作業後に、適切に正常モデルを生成することができる。
また、第1診断手段(データマイニング部16)は、初期化指示手段15により初期化モードでの学習処理を指示された場合であって、機械設備2に対して保守作業が行われ、当該保守作業が終了してから診断時までの間に、少なくとも第3期間(学習期間B1)が確保されていないと判断した場合には、初期化指示手段15の指示による初期化モードでの学習処理を行わないようにすることが好ましい。これによって、適切な正常モデルを生成できない学習処理の実行を防止することができる。
また、第1診断手段(データマイニング部16)は、機械設備2に対して保守作業が行われ、当該保守作業が終了してから前記診断時までの間に、少なくとも第3期間(学習期間B1)が確保されていると判断した場合であって、保守作業終了後に最初に行う学習処理を、初期化モードでの学習処理とすることが好ましい。これによって、保守作業後に、正常モデルを適切に構築することができる。
また、第1診断手段(データマイニング部16)は、センサデータの正常範囲を示す少なくとも1つのクラスタの中心と、当該クラスタ中心と正常範囲を示す境界までの距離であるクラスタ半径と、で表される正常モデルを学習することによって学習処理を行い、診断手段(データマイニング部16)は、クラスタ中心のうち診断対象データに最も近いクラスタ中心と当該診断対象データとの距離の、クラスタ半径に対する割合で示される異常度を算出し、当該異常度の値に基づいて機械設備2の異常予兆の有無を判定するようにすることが好ましい。これによって、高い感度で異常予兆を検出することができる。
また、第1診断手段(データマイニング部16)は、更新モードでの学習処理において、クラスタごとに、当該クラスタの中心と半径とを調整するようにすることが好ましい。これによって、処理負荷を増大させることなく、正常モデルを調整することができる。
また、異常予兆診断装置1は、センサデータ記憶手段12からセンサデータを取得し、各センサデータが、それぞれ予め設定された所定範囲のしきい値を超えた場合には、異常予兆ありと診断する第2診断手段(リモートモニタリング部17)を、更に備えることが好ましい。
これによって、第1手段(データマイニング部16)についての初期化モードでの学習を実行する前に、外部環境の状態が大きく変化して、初期化前の正常モデルを用いたデータマイニングの手法による異常予兆の検出感度が低下した場合であっても、第2診断手段(リモートモニタリング部17)のリモートモニタリングの手法による診断を組み合わせることにより、大きな感度低下をすることなく、少なくともリモートモニタリングの手法による感度で異常予兆を診断することができる。
<変形例>
前記した実施形態では、機械設備2のセンサデータや保守情報を、通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信することとしたが、これに限らない。例えば、異常予兆診断装置1は、センサデータ又は保守情報を格納した記憶媒体から、各データを取得することもできる。
また、図1には、機械設備2とコンピュータ3とが別々の位置に存在し、1台のコンピュータ3に各機械設備2の保守情報を一括して登録する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、コンピュータ3が複数存在し、各コンピュータ3が1つ又は複数(例えば、5台)の機械設備2の保守情報を管理し、当該保守情報を通信ネットワークNを介して異常予兆診断装置1に送信することとしてもよい。
また、前記した実施形態では、データマイニング診断部162(図2参照)が一日に一回、予め設定された時刻(例えば、午前0時)に、前日の1日分のセンサデータを、診断対象データとしてセンサデータ記憶手段12から取得することとしたが、これに限らない。例えば、データマイニング診断部162がリアルタイムで異常予兆の診断を行うこととしてもよい。
また、前記した実施形態では、データマイニング診断部162の寄与度算出手段162eによって算出された寄与度を、単に診断結果記憶手段18に記憶させ、更に表示手段20に表示させることとしたが、これに限らない。前記したように、機械設備2に設置されたセンサ(図示せず)ごとに算出された寄与度によって、センサによる計測値がどれくらい異常度に寄与しているかを把握することができる。
従って、寄与度算出手段162eによって算出された寄与度をリモートモニタリング部17(図9参照)の診断手段172の論理回路に反映させることとしてもよい。例えば、ある異常予兆の内容について、データマイニング部16においてセンサAの寄与度が最も大きいと判明した場合を考える。この場合にリモートモニタリング部17において当該センサAの値の変化が最も敏感に診断結果に反映されるように、診断手段172の論理回路を組み替えれば、リモートモニタリング部17は診断結果をより適切に出力することができるようになる。
また、図2に示したように、正常モデルデータ記憶手段161d、学習対象データ記憶手段161b及び診断対象データ記憶手段162bをデータマイニング部16に含める構成としたが、これに限らない。すなわち、これらの各記憶手段を異常予兆診断装置1の外部に設けることとしてもよい。
また、前記した実施形態では、正常モデル生成手段161cが非階層的クラスタリングとしてk平均法を用いてクラスタリングを行い、正常モデルを学習する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、例えば、正常モデル生成手段161cは、非階層的クラスタリングとしてファジィクラスタリングや混合密度分布法などを用いて学習処理を行ってもよい。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テープ、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 異常予兆診断装置
10 通信手段
11 センサデータ取得手段
12 センサデータ記憶手段
13 保守情報取得手段
14 保守情報記憶手段
15 初期化指示手段
16 データマイニング部(第1診断手段)
161 データマイニング学習部
161a 学習対象データ取得手段
161b 学習対象データ記憶手段
161c 正常モデル生成手段
161c1 初期値設定手段
161c2 初期化学習手段
161c3 更新学習手段
161c 正常モデルデータ記憶手段
162 データマイニング診断部
162a 診断対象データ取得手段
162b 診断対象データ記憶手段
162c 異常度算出手段
162d 診断手段
162e 寄与度算出手段
17 リモートモニタリング部(第2診断手段)
17111〜1711N,17121〜1712N 個別判定手段
172a,172b 診断手段
18 診断結果記憶手段
19 表示制御手段
20 表示手段
2 機械設備
3 コンピュータ
N 通信ネットワーク

Claims (16)

  1. 機械設備に設置された複数のセンサによって検出されるセンサデータを用いて、前記機械設備の異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置であって、
    前記複数のセンサからのセンサデータを取得するセンサデータ取得手段と、
    前記センサデータ取得手段によって取得された前記センサデータが記憶されるセンサデータ記憶手段と、
    前記センサデータ取得手段によって前記センサデータが取得された期間を指定し、前記センサデータ記憶手段から当該指定期間に対応するセンサデータを取得する学習対象データ取得処理と、前記指定期間に対応するセンサデータを用いて学習することで当該センサデータの正常範囲を示す正常モデルを生成する学習処理と、前記正常モデルに基づいて前記機械設備の異常予兆の有無を診断する診断処理と、を行う第1診断手段と、
    前記機械設備の周囲の環境である外部環境の変化に応じて、前記正常モデルの全体を再構築する初期化モードでの前記学習処理を前記第1診断手段に指示する初期化指示手段と、
    を備えることを特徴とする異常予兆診断装置。
  2. 前記学習処理は、前記初期化モードと、前記学習処理を行うときを基準時として定められた第1期間を前記指定期間として、前記正常モデルを部分的に調整する更新モードとを有し、
    前記第1診断手段は、予め定められた周期又は予め定められた時刻に、前記更新モードでの学習処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の異常予兆診断装置。
  3. 前記初期化指示手段は、予め定められた初期値を前記正常モデルとする初期値設定を前記第1診断手段に指示する機能を更に有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異常予兆診断装置。
  4. 前記初期化指示手段は、外部環境の状態を検出するセンサの測定値を取得し、前記外部環境の状態の変化が所定のしきい値以上となった場合に、前記第1診断手段に対して前記初期化モードでの学習処理を指示することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の異常予兆診断装置。
  5. 前記初期化指示手段は、前記初期化モードでの学習処理を指示する人為操作に基づく入力を検出した場合に、前記第1診断手段に対して前記初期化モードでの学習処理を指示することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の異常予兆診断装置。
  6. 前記第1診断手段は、
    前記初期化指示手段により前記初期化モードでの学習処理を指示された場合は、前記学習対象データ取得処理において、当該初期化モードでの学習処理を指示されたときである初期化指示時を基準時として定められた第2期間を前記指定期間とし、前記正常モデルについて前記初期化モードでの学習処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の異常予兆診断装置。
  7. 前記第2期間は、前記初期化指示時において、最後に取得されたセンサデータの取得時を含む直近の期間であることを特徴とする請求項6に記載の異常予兆診断装置。
  8. 保守作業が行われる機械設備と保守作業期間とを特定する情報を少なくとも含む保守情報を取得する保守情報取得手段と、
    前記保守情報取得手段によって取得された保守情報が記憶される保守情報記憶手段と、
    を更に備え、
    前記第1診断手段は、前記機械設備に対して保守作業が行われ、当該保守作業が終了してから前記診断時までの間に、少なくとも予め定められた長さの第3期間が確保されていると判断した場合には、前記保守作業終了後の所定期間分の前記センサデータを前記センサデータ記憶手段から取得し、当該センサデータを用いて前記更新モードでの学習処理を行うことを特徴とする請求項2又は請求項2を引用する請求項3乃至請求項7の何れか一項に記載の異常予兆診断装置。
  9. 前記第1診断手段は、
    前記初期化指示手段により前記初期化モードでの学習処理を指示された場合であって、
    前記機械設備に対して保守作業が行われ、当該保守作業が終了してから前記診断時までの間に、少なくとも前記第3期間が確保されていないと判断した場合には、前記初期化指示手段の指示による前記初期化モードでの学習処理を行わないことを特徴とする請求項8に記載の異常予兆診断装置。
  10. 前記第1診断手段は、
    前記機械設備に対して保守作業が行われ、当該保守作業が終了してから前記診断時までの間に、少なくとも前記第3期間が確保されていると判断した場合であって、前記保守作業終了後に最初に行う学習処理を、前記初期化モードでの学習処理とすることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の異常予兆診断装置。
  11. 前記第1診断手段は、前記センサデータの正常範囲を示す少なくとも1つのクラスタの中心と、当該クラスタ中心と正常範囲を示す境界までの距離であるクラスタ半径と、で表される前記正常モデルを学習することによって前記学習処理を行い、
    前記第1診断手段は、前記クラスタ中心のうち前記診断対象データに最も近いクラスタ中心と当該診断対象データとの距離の、前記クラスタ半径に対する割合で示される異常度を算出し、当該異常度の値に基づいて前記機械設備の異常予兆の有無を判定することによって前記診断処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の異常予兆診断装置。
  12. 前記第1診断手段は、前記更新モードでの学習処理において、前記クラスタごとに、当該クラスタの中心と半径とを調整することを特徴とする請求項2を引用する請求項11に記載の異常予兆診断装置。
  13. 前記センサデータ記憶手段から前記センサデータを取得し、各センサデータが、それぞれ予め設定された所定範囲のしきい値を超えた場合には、異常予兆ありと診断する第2診断手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の異常予兆診断装置。
  14. 機械設備に設置された複数のセンサによって検出されるセンサデータを用いて、前記機械設備の異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置で用いられる異常予兆診断方法であって、
    前記異常予兆診断装置は、
    前記複数のセンサによって測定された前記センサデータが記憶されるセンサデータ記憶手段を備え、
    前記センサデータが取得された期間を指定し、前記センサデータ記憶手段から当該指定期間に対応するセンサデータを取得する学習対象データ取得処理と、前記指定期間に対応するセンサデータを用いて学習することで当該センサデータの正常範囲を示す正常モデルを生成する学習処理と、前記正常モデルに基づいて前記機械設備の異常予兆の有無を診断する診断処理と、を行う第1診断工程と、
    前記機械設備の周囲の環境である外部環境の変化に応じて、前記正常モデルの全体を再構築する初期化モードでの前記学習処理を指示する初期化指示工程と、
    を含むことを特徴とする異常予兆診断方法。
  15. 前記学習処理は、前記初期化モードと、
    前記学習処理を行うときを基準時として定められた第1期間を前記指定期間として、前記正常モデルを部分的に調整する更新モードとを有し、
    前記第1診断工程において、予め定められた周期で又は予め定められた時刻に、定期的に前記更新モードでの学習処理を行うことを特徴とする請求項14に記載の異常予兆診断方法。
  16. 前記センサデータ記憶手段から前記センサデータを取得し、各センサデータが、それぞれ予め設定された所定範囲のしきい値を超えた場合には、異常予兆ありと診断する第2診断工程を、更に含むことを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の異常予兆診断方法。
JP2013144840A 2013-07-10 2013-07-10 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法 Active JP5369246B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013144840A JP5369246B1 (ja) 2013-07-10 2013-07-10 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013144840A JP5369246B1 (ja) 2013-07-10 2013-07-10 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5369246B1 true JP5369246B1 (ja) 2013-12-18
JP2015018389A JP2015018389A (ja) 2015-01-29

Family

ID=49954881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013144840A Active JP5369246B1 (ja) 2013-07-10 2013-07-10 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5369246B1 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015079766A1 (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 株式会社日立製作所 プラントの診断装置及び診断方法
WO2015129512A1 (ja) * 2014-02-27 2015-09-03 株式会社日立製作所 移動体の診断装置
JP2018151821A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 株式会社日立製作所 設備機器の異常診断システム
JP2018195929A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 富士通株式会社 トラフィック管理装置、トラフィック管理方法およびプログラム
JP2019040241A (ja) * 2017-08-22 2019-03-14 三菱重工業株式会社 サーボ機構の診断装置及び診断方法並びに診断プログラム
WO2019180778A1 (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 日本電気株式会社 情報処理装置、情報処理方法及び記録媒体
WO2020079842A1 (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 三菱電機株式会社 エレベーターのブレーキ装置異常診断システム
CN112558548A (zh) * 2019-09-26 2021-03-26 佳能株式会社 信息处理方法、信息处理装置、以及非暂态计算机可读记录介质
JP2022052545A (ja) * 2020-09-23 2022-04-04 ダイキン工業株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
CN114838756A (zh) * 2022-03-31 2022-08-02 浙江石开电力设备制造有限公司 一种智能环网柜监控系统

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6186203B2 (ja) * 2013-08-09 2017-08-23 株式会社日立製作所 診断システムおよびエレベータ
JPWO2017145318A1 (ja) * 2016-02-25 2018-09-27 東芝三菱電機産業システム株式会社 製造設備の異常診断装置
JP6847591B2 (ja) * 2016-05-18 2021-03-24 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 異常検知システム、モデル生成装置、異常検知装置、異常検知方法、モデル生成プログラム、および、異常検知プログラム
JP6805554B2 (ja) * 2016-06-02 2020-12-23 富士電機株式会社 監視装置及び監視方法
JP2018055323A (ja) * 2016-09-28 2018-04-05 株式会社日立製作所 保守管理システム、及び保守管理方法
JP2018077757A (ja) * 2016-11-11 2018-05-17 横河電機株式会社 情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体
JP6945297B2 (ja) * 2016-12-05 2021-10-06 株式会社日立製作所 機器診断装置、機器診断システム及び機器診断方法
WO2018154703A1 (ja) 2017-02-24 2018-08-30 株式会社日立製作所 異常診断システム
JP2018147443A (ja) * 2017-03-09 2018-09-20 安川情報システム株式会社 故障予知方法、故障予知装置および故障予知プログラム
JP6903976B2 (ja) * 2017-03-22 2021-07-14 オムロン株式会社 制御システム
JP7180985B2 (ja) 2018-03-01 2022-11-30 株式会社日立製作所 診断装置および診断方法
KR102153545B1 (ko) * 2018-09-13 2020-09-08 상명대학교산학협력단 제어 시스템의 해저드 분석 방법 및 그 장치
JP7151312B2 (ja) * 2018-09-20 2022-10-12 オムロン株式会社 制御システム
JP2020052459A (ja) * 2018-09-21 2020-04-02 株式会社Ye Digital 故障予知方法、故障予知装置および故障予知プログラム
JP7021053B2 (ja) 2018-11-07 2022-02-16 株式会社東芝 監視システム、プログラム、及び記憶媒体
JP7115346B2 (ja) 2019-02-07 2022-08-09 株式会社デンソー 異常検知装置
JP7236886B2 (ja) * 2019-03-13 2023-03-10 株式会社日立情報通信エンジニアリング 異常検知装置、異常検知方法、及び異常検知システム
JP7279445B2 (ja) 2019-03-20 2023-05-23 富士通株式会社 予測方法、予測プログラムおよび情報処理装置
JP2021196815A (ja) * 2020-06-12 2021-12-27 オムロン株式会社 コントローラ、システム、方法及びプログラム
JP2022188345A (ja) * 2021-06-09 2022-12-21 富士電機株式会社 診断装置、診断方法、診断プログラム
JP7166395B1 (ja) 2021-06-23 2022-11-07 セイコーソリューションズ株式会社 監視システム、監視方法、及び監視プログラム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008512791A (ja) * 2004-09-10 2008-04-24 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー オレフィン回収トレインへの異常事象検知技術の適用
JP5081998B1 (ja) * 2011-06-22 2012-11-28 株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法
JP2012252556A (ja) * 2011-06-03 2012-12-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラント監視装置、プラント監視プログラム及びプラント監視方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008512791A (ja) * 2004-09-10 2008-04-24 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー オレフィン回収トレインへの異常事象検知技術の適用
JP2012252556A (ja) * 2011-06-03 2012-12-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラント監視装置、プラント監視プログラム及びプラント監視方法
JP5081998B1 (ja) * 2011-06-22 2012-11-28 株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015079766A1 (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 株式会社日立製作所 プラントの診断装置及び診断方法
JP2015103218A (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 株式会社日立製作所 プラントの診断装置及び診断方法
WO2015129512A1 (ja) * 2014-02-27 2015-09-03 株式会社日立製作所 移動体の診断装置
JP2015162032A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 株式会社日立製作所 移動体の診断装置
JP2018151821A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 株式会社日立製作所 設備機器の異常診断システム
JP2018195929A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 富士通株式会社 トラフィック管理装置、トラフィック管理方法およびプログラム
JP6993559B2 (ja) 2017-05-16 2022-01-13 富士通株式会社 トラフィック管理装置、トラフィック管理方法およびプログラム
JP2019040241A (ja) * 2017-08-22 2019-03-14 三菱重工業株式会社 サーボ機構の診断装置及び診断方法並びに診断プログラム
JP7033262B6 (ja) 2018-03-19 2022-04-18 日本電気株式会社 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JPWO2019180778A1 (ja) * 2018-03-19 2021-02-04 日本電気株式会社 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
WO2019180778A1 (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 日本電気株式会社 情報処理装置、情報処理方法及び記録媒体
US20210117858A1 (en) * 2018-03-19 2021-04-22 Nec Corporation Information processing device, information processing method, and storage medium
JP7033262B2 (ja) 2018-03-19 2022-03-10 日本電気株式会社 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
WO2020079842A1 (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 三菱電機株式会社 エレベーターのブレーキ装置異常診断システム
JPWO2020079842A1 (ja) * 2018-10-19 2021-09-16 三菱電機株式会社 エレベーターのブレーキ装置異常診断システム
JP7056753B6 (ja) 2018-10-19 2022-06-10 三菱電機株式会社 エレベーターのブレーキ装置異常診断システム
JP7056753B2 (ja) 2018-10-19 2022-04-19 三菱電機株式会社 エレベーターのブレーキ装置異常診断システム
CN112558548A (zh) * 2019-09-26 2021-03-26 佳能株式会社 信息处理方法、信息处理装置、以及非暂态计算机可读记录介质
JP2022052545A (ja) * 2020-09-23 2022-04-04 ダイキン工業株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
JP7093031B2 (ja) 2020-09-23 2022-06-29 ダイキン工業株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
US11774955B1 (en) 2020-09-23 2023-10-03 Daikin Industries, Ltd. Information processing apparatus, information processing method, and program
CN114838756A (zh) * 2022-03-31 2022-08-02 浙江石开电力设备制造有限公司 一种智能环网柜监控系统
CN114838756B (zh) * 2022-03-31 2022-10-25 浙江石开电力设备制造有限公司 一种智能环网柜监控系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015018389A (ja) 2015-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5369246B1 (ja) 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法
JP5081998B1 (ja) 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法
CN109947088B (zh) 基于模型全生命周期管理的设备故障预警系统
US10754721B2 (en) Computer system and method for defining and using a predictive model configured to predict asset failures
JP5081999B1 (ja) 異常予兆診断結果の表示方法
US10527520B2 (en) Operating wind motors and determining their remaining useful life
KR101955305B1 (ko) 희소 코딩 방법론을 활용한 가스 터빈 센서 고장 검출
JP5684941B1 (ja) 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法
JP2013008111A (ja) 異常予兆診断装置および異常予兆診断方法
JP4995134B2 (ja) 風車の監視装置及び方法並びにプログラム
JP5480440B1 (ja) 異常予兆診断装置及び異常予兆診断方法
EP3413154B1 (en) Equipment diagnostic device, equipment diagnostic method, and equipment diagnostic program
US20130197854A1 (en) System and method for diagnosing machine tool component faults
EP3859455B1 (en) Learning apparatus, learning method, learning program, determination apparatus, determination method, determination program, and computer readable medium
CN109416023A (zh) 风力涡轮机监视装置、风力涡轮机监视方法、风力涡轮机监视程序以及存储介质
US11339763B2 (en) Method for windmill farm monitoring
JP6676508B2 (ja) セキュリティ診断装置およびセキュリティ診断方法
Polenghi et al. Experiential learning of Prognostics and Health Management and its implementation in MATLAB
JP2017076164A (ja) 機器監視装置およびアラート情報管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5369246

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150