JP2013007925A - 静電荷像現像用トナー、画像形成装置、および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温低湿環境下においてもデベモコ現象を発生することなく、良好な定着性を実現し得、長期使用においても良好な画質の画像が得られる静電潜像現像用トナー、画像形成装置および画像形成方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤および離型剤分散助剤を含有している静電荷像現像用トナーであって、ガラス転移温度Tgが50〜70℃、且つ重量平均分子量Mwが27,000〜100,000であり、上記離型剤分散助剤は、ポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、画像形成装置、および画像形成方法に関する。
電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置では、回転駆動される感光体の表面が、帯電装置によって均一に帯電され、帯電した感光体表面にレーザ光が照射されて画像情報に対応する静電潜像が形成される。次いで、感光体表面に形成された静電潜像に、現像剤中のトナーが供給されてトナー像が形成され、当該トナー像は、転写装置によって記録材上に転写される。転写されたトナー像は、定着装置によって加熱されて記録材上に定着される。
このような画像形成装置においては、オフセットを防止し、低温定着性を向上させるために、ワックス等の離型剤を添加したトナーが使用されている。しかし、一般的に、トナー中に含有されている離型剤は、トナーの結着樹脂に対する相溶性を有していない。このため、離型剤は、結着樹脂中に粒状または球形の形態で相分離した状態で存在している。そして、離型剤自体の有する溶融粘度、融点、および結着樹脂と混合して溶融混練する際の混練条件等により、相分離した離型剤の分散状態が変化し、トナーの表面性や荷電性に大きな影響を及ぼす。
そこで、特許文献1には、離型剤を結着樹脂中に分散させるために、スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマーおよびメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とポリオレフィンとを少なくとも有するワックス分散剤をさらに含有させたトナーが開示されている。かかるトナーは、OHPでの透明性が良好で、低温定着性および耐高温オフセット性に優れ、高温環境放置時における耐ブロッキング性に優れたトナーとなり得る。
また、特許文献2には、ワックス分散剤として、ワックス成分にスチレン系ポリマー鎖もしくはスチレン(メタ)アクリル系ポリマー鎖がグラフトした構造を有するグラフト重合体等をさらに含有させたトナーが開示されている。かかるトナーは、感光体上へのワックスの固着や、フィルミングに伴う画像流れ等が発生せず、荷電不良に伴う画像不良も生じない、離型剤が高分散されたトナーとなり得る。
ところで、画像形成装置において用いられる現像剤としては、トナーのみからなる一成分現像剤、またはトナーとキャリアとを含む二成分現像剤が一般的である。二成分現像剤は、帯電量の安定性や高速機への適合性に優れることから、高画質画像形成装置(特にカラー画像形成装置)や高速画像形成装置によく使用されている。
しかし、トナーとキャリアとを均一に混合する必要があるため、二成分現像剤を用いる場合は、現像装置に撹拌機構を必要とする。そして、この場合、二成分現像剤が、現像槽中の撹拌機構によってスムーズに撹拌・搬送されず、モコモコとした凝集状態で搬送され、流動性が低下する現象(以下、「デベモコ現象」と称する)が生じる場合がある、その結果、現像性の低下、トナーの帯電性の低下等の不具合が生じる場合がある。
特開2001−249485号公報(2001年 9月14日公開) 特開2001−134009号公報(2001年 5月18日公開)
しかし、特許文献1および2に記載のトナーは、高温低湿環境下(例えば、温度50〜55℃、湿度10〜20%)において現像装置で撹拌混合された際に、デベモコ現象の抑制と良好な定着性の実現とを両立させることが困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温低湿環境下においてもデベモコ現象を発生することなく、良好な定着性を実現し得、長期使用においても良好な画質の画像が得られる静電潜像現像用トナー、および当該トナーを用いた画像形成装置および画像形成方法を提供することにある。
本発明において、離型剤を結着樹脂中に分散させるための離型剤分散助剤として、離型剤および結着樹脂の両方に対して相溶性を有しているポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体をトナーに添加することによって、トナー中の離型剤の分散度合い(すなわち、離型剤の平均分散径)を好適に制御し得ることを見出した。そして、トナー中の離型剤の分散度合いを好適に制御することに加えて、トナーのガラス転移温度および重量平均分子量の両方を特定の範囲に制御することによって、デベモコ現象の抑制と良好な定着性の実現とを両立させることができ、高温低湿環境下においてもデベモコ現象を発生することなく、良好な定着性を実現し得、長期使用においても良好な画質の画像が得られる静電潜像現像用トナーとなり得ることを初めて見出し、かかる新規知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤および離型剤分散助剤を含有している静電荷像現像用トナーであって、
当該トナーは、ガラス転移温度Tgが50〜70℃、且つ重量平均分子量Mwが27,000〜100,000であり、
上記離型剤分散助剤は、ポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体であることを特徴としている。
本発明に係るトナーは、ガラス転移温度および重量平均分子量が上記範囲であり、上記離型剤分散助剤としてポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体を含有している。上記共重合体は、離型剤に対する相溶性に優れるポリオレフィン部と、結着樹脂に対する相溶性に優れるビニルポリマー部とを有しているので、結着樹脂および離型剤の両方に対して相溶性を有している。このような離型剤分散助剤をトナーに添加することによって、トナー中に離型剤を所定に分散させることができる。
ここで、トナー中の離型剤の分散度合いが低い(トナーにおける離型剤の平均分散径が大きい)場合は、トナーから離脱した離型剤がキャリアに付着することにより、流動性が低下する。このため、トナー中の離型剤の分散度合いが高い(トナーにおける離型剤の平均分散径が小さい)方が、デベモコ現象の発生をより改善することができる。一方、トナーにおける離型剤の平均分散径がある程度の大きさを有していない場合は、定着の際にトナーを溶解したときに、離型剤が表面に染み出さず、剥離効果が発揮されないおそれがあるため、トレードオフとなる。
本発明のトナーが上記構成であれば、トナー中の離型剤の分散度合いが好適に制御されているので、高温低湿下でのデベモコ現象の抑制と良好な定着性の実現とを両立することができる。すなわち、本発明のトナーが上記構成であれば、トナー中の離型剤の分散度合いが好適に制御され得るので、高温低湿下でのデベモコ現象を抑制することができ、現像性の低下による画質の低下を防ぐことができる。また、離型剤がトナー表面に好適に染み出して、良好な剥離効果が発揮されることにより、高温オフセットの発生を抑制することができる。
本発明に係るトナーでは、上記離型剤は、上記結着樹脂100重量部に対して、3.5〜6.0重量部含有され、
上記離型剤分散助剤は、上記離型剤10重量部に対して、3.0〜7.0重量部含有され、
上記離型剤の平均分散径は、0.1μm〜1.0μmであることが好ましい。
デベモコ現象は、結着樹脂に対してある程度の量の離型剤を加えたときに発生するので、離型剤の含有量が上記範囲であれば、デベモコ現象の発生を抑制することができるトナーとなり得る。また、トナーにおける離型剤の平均分散径が上記範囲であれば、高温低湿下でのデベモコ現象やトナーから離脱した離型剤によるキャリア汚染の発生を防ぐことができ、その結果、画質が低下することを防ぐことができる。
本発明に係るトナーでは、上記離型剤分散助剤は、ガラス転移温度Tgが50〜75℃、且つ重量平均分子量Mwが1,000〜7,000であることが好ましい。
トナーに含まれている離型剤分散助剤のガラス転移温度および重量平均分子量が上記範囲であれば、高温低湿下でのデベモコ現象の発生を防ぐことができ、その結果、現像性の低下による画質の低下を防ぐことができる。また、トナーから離型剤が離脱することを軽減することができるので、トナーから離脱した離型剤によるキャリア汚染の発生を防ぐことができ、その結果、トナーの帯電性の低下、カブリおよびトナー飛散を防ぐことができる。
本発明に係るトナーは、一次粒子の体積平均粒子径が、6.2μm〜7.0μmであることが好ましい。
トナーの一次粒子の体積平均粒子径が上記範囲であれば、高温低湿下でのデベモコ現象の発生を防ぎ、画質(印字された文字のシャープネス性や細線の再現性)の低下を防ぐことができる。
本発明に係るトナーは、周速220mm/sec〜400mm/secで回転する撹拌部材によってトナーを含む現像剤を攪拌し、周速235.5mm/sec〜392.5mm/secで回転する現像ローラによって像担持体の表面に形成された静電潜像に上記トナーを供給してトナー像を形成する現像装置を備えている画像形成装置において用いられることが好ましい。
現像装置の撹拌部材の周速および現像ローラの周速が上記範囲よりも遅い場合(一般的に低速機)は、離型剤分散助剤を添加しないトナーであっても、デベモコ現象が発生しない。このため、この場合は、離型剤分散助剤を含有している本発明のトナーは、離型剤分散助剤を含有していないトナーよりも高価なトナーとなってしまう。一方、現像装置の撹拌部材の周速および現像ローラの周速が上記範囲を超える場合は、高温低湿下での撹拌時のトナーの流動性が極端に低下する現象が発生し、画質の低下を招くおそれがある。
従って、本発明のトナーは、上記のような画像形成装置において用いられることが好ましい。
本発明に係るトナーは、トナー像が形成された記録材に、加熱した無端状の定着ベルトの外周面を圧接させることによって上記トナー像を上記記録材上に定着させるベルト定着方式の定着装置を備えている画像形成装置において用いることが好ましい。
ベルト定着方式の定着装置は、ローラ定着方式の定着装置と比較して熱容量を低下させることができるので、画像形成装置の省電力化を測ることができる。また、本発明のトナーをベルト定着方式の定着装置を備えている画像形成装置において用いることによって、光沢度を向上させることができる。
本発明に係る画像形成装置は、上述した本発明に係るトナーを用いて画像を形成することを特徴としている。
上記構成であれば、本発明に係る画像形成装置は、高温低湿環境下においてもデベモコ現象を発生することなく、良好な定着性を実現し得、長期使用においても良好な画質の画像が得られる画像形成装置となり得る。
本発明に係る画像形成装置は、周速220mm/sec〜400mm/secで回転する撹拌部材によって上記トナーを含む現像剤を攪拌し、周速235.5mm/sec〜392.5mm/secで回転する現像ローラによって像担持体表面に形成された静電潜像に上記トナーを供給してトナー像を形成する現像装置を備えていることが好ましい。
現像装置の撹拌部材の周速および現像ローラの周速が上記範囲よりも遅い場合は、離型剤分散助剤を添加しないトナーであっても、デベモコ現象が発生しない。このため、この場合は、離型剤分散助剤を含有している本発明のトナーは、離型剤分散助剤を含有していないトナーよりも高価なトナーとなってしまう。一方、現像装置の撹拌部材の周速および現像ローラの周速が上記範囲を超える場合は、高温低湿下での撹拌時のトナーの流動性が極端に低下する現象が発生し、画質の低下を招くおそれがある。
従って、本発明の画像形成装置は、上記のような現像装置を備えていることが好ましい。
本発明に係る画像形成装置では、トナー像が形成された記録材に、加熱した無端状の定着ベルトの外周面を圧接させることによって上記トナー像を上記記録材上に定着させるベルト定着方式の定着装置を備えていることが好ましい。
ベルト定着方式の定着装置は、ローラ定着方式の定着装置と比較して熱容量を低下させることができるので、画像形成装置の省電力化を測ることができる。また、本発明のトナーをベルト定着方式の定着装置を備えている画像形成装置において用いることによって、光沢度を向上させることができる。従って、本発明の画像形成装置は、上記のような定着装置を備えていることが好ましい。
本発明に係る画像形成方法は、上述した本発明に係る画像形成装置を用いて画像を形成することを特徴としている。
本発明に係る画像形成装置は、上述した本発明に係る画像形成装置を用いて画像を形成するので、高温低湿環境下においてもデベモコ現象を発生することなく、良好な定着性を実現し得、長期使用においても良好な画質の画像を形成することができる。
本発明に係るトナーは、ガラス転移温度Tgが50〜70℃、且つ重量平均分子量Mwが27,000〜100,000であり、離型剤分散助剤としてポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体を含む構成である。
本発明に係る画像形成装置は、上述した本発明に係るトナーを用いて画像を形成する構成である。
本発明に係る画像形成方法は、上述した本発明に係る画像形成装置を用いて画像を形成する構成である。
本発明に係るトナーは、ガラス転移温度および重量平均分子量が所定の範囲であり、結着樹脂および離型剤の両方に対して相溶性を有しているポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体を離型剤分散助剤として含むので、トナー中に離型剤を所定に分散させることができる。
本発明に係るトナーは、ガラス転移温度および重量平均分子量が上記範囲であり、上記離型剤分散助剤としてポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体を含有している。上記共重合体は、離型剤に対する相溶性に優れるポリオレフィン部と、結着樹脂に対する相溶性に優れるビニルポリマー部とを有しているので、結着樹脂および離型剤の両方に対して相溶性を有している。このような離型剤分散助剤をトナーに添加することによって、トナー中に離型剤を所定に分散させることができる。
その結果、高温低湿下でのデベモコ現象の抑制と良好な定着性の実現とを両立することができるトナーとなり得る。すなわち、本発明に係るトナーは、トナー中の離型剤の分散度合いが好適に制御されているので、高温低湿下でのデベモコ現象を抑制することができ、現像性の低下による画質の低下を防ぐことができる。また、離型剤がトナー表面に好適に染み出して、良好な剥離効果が発揮されることにより、高温オフセットの発生を抑制することができるトナーとなり得る。従って、本発明によれば、高温低湿環境下においてもデベモコ現象を発生することなく、良好な定着性を実現し得、長期使用においても良好な画質の画像を形成することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る画像形成装置が備える現像装置の構成の一例を模式的に示す断面図である。 図1に示す現像装置のA−A線矢視図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置が備える定着ユニットの構成の一例を模式的に表す断面図である。 本発明の実施形態である画像形成装置の構成の一例を模式的に表す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できるものである。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。
〔1.静電荷像現像用トナー〕
本発明に係る静電荷像現像用トナー(以下、「本発明のトナー」と記載する場合がある)は、少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤および離型剤分散助剤を含有しているトナーであって、ガラス転移温度Tgが50〜70℃、且つ重量平均分子量Mwが27,000〜100,000であり、上記離型剤分散助剤は、ポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体である構成である。
本発明のトナーは、一次粒子の体積平均粒子径が、6.2μm〜7.0μmであることが好ましく、6.3μm〜6.8μmであることがより好ましい。
トナーの一次粒子の体積平均粒子径が6.2μm未満である場合、トナーの流動性が低下し、これによってデベモコ現象が悪化するおそれがある。また、トナーの体積平均粒子径が7.0μmを超える場合、画質(印字された文字のシャープネス性や細線の再現性)やトナー消費量が悪化する等の問題が発生するおそれがある。本発明のトナーの体積平均粒子径が上記範囲であれば、高温低湿下でのデベモコ現象の発生を防ぎ、画質が低下することを防ぐことができる。
本発明のトナーに含有されている各成分について、以下に説明する。
(結着樹脂)
本発明に係るトナーにおいて、結着樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、エチレンアクリル等を挙げることができる。これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(離型剤)
本発明に係るトナーにおいて、離型剤としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン−ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系ワックス、アルコール変性炭化水素ワックス、エステルワックス、カルナウバワックス、アミド系ワックス等のいずれでもよいが、低温定着性の確保の観点から融点が50〜100℃、好ましくは60〜90℃のものがよく、結着樹脂との相溶性および離型性の観点から、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックス、カルナウバワックスが好ましい。離型剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
トナーにおける離型剤の平均分散径は、0.1μm〜1.0μmであることが好ましく、0.3μm〜0.9μmであることがより好ましく、0.3μm〜0.5μmであることが最も好ましい。トナーにおける離型剤の平均分散径が上記範囲であれば、デベモコ現象や離型剤のキャリア汚染の発生を防ぎ、画質が低下することを防ぐことができる。トナーにおける離型剤の平均分散径が大きいと、トナーから離脱した離型剤がキャリアに付着することにより、流動性が低下するため、トナーにおける離型剤の平均分散径が小さい方が、デベモコ現象の発生をより改善することができる。一方、トナーにおける離型剤の平均分散径がある程度の大きさを有していない場合は、定着の際にトナーを溶解したときに、離型剤が表面に染み出さず、剥離効果が発揮されないおそれがあるため、トレードオフとなる。このため、本発明のトナーにおける離型剤の平均分散径が上記範囲であれば、高温低湿下でのデベモコ現象の抑制と良好な定着性の実現とを両立することができる。
(離型剤分散助剤)
本発明に係るトナーは、離型剤分散助剤として、ポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体を含有している。かかる共重合体は、離型剤に対する相溶性に優れるポリオレフィン部と、結着樹脂に対する相溶性に優れるビニルポリマー部とを有しているので、結着樹脂および離型剤の両方に対して相溶性を有している。
このようなポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体としては、分子内にポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有していれば、その重合形態は特に限定されない。例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体であり得る。
例えば、上記重合体がグラフト共重合体である場合、上記「ポリオレフィン部」が、エチレン、プロピレン、ブチレン等の直鎖であり、上記「ビニルポリマー部」が、スチレン、メタクリル酸メチル(MMA)、トルエン等のモノマー単位である共重合体を挙げることができる。
このような共重合体としては、例えば、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−メチルメタクリレートブロック共重合体、エチレン−スチレングラフト共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ブチレン−スチレングラフト共重合体等を挙げることができる。
また、市販されている共重合体を使用することもできる。例えば、東洋ペトロライト株式会社製のセラマー1608、セラマー1251(いずれも商品名)等を挙げることができる。なお、セラマー1608およびセラマー1251は、いずれもα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体と無水マレイン酸モノエステルとの共重合体である。
離型剤分散助剤は、ガラス転移温度Tgが50〜75℃、且つ重量平均分子量Mwが1,000〜7,000であることが好ましく、ガラス転移温度Tgが55〜65℃、且つ重量平均分子量Mwが1,500〜6,500であることがより好ましい。
離型剤分散助剤のガラス転移温度Tgが50℃未満または75℃を超える場合は、共に、デベモコ現象が発生し、離型剤がトナーから離脱してキャリアを汚染するおそれがある。また、重量平均分子量Mwが1,000未満または7,000を超える場合は、共に、離型剤の分散性が極端に悪くなるもしくは極端に良くなるため、その結果、デベモコ現象が発生し、離型剤がトナーから離脱してキャリアを汚染するおそれがある。離型剤分散助剤のガラス転移温度および重量平均分子量が上記範囲であれば、高温低湿下でのデベモコ現象や離型剤のキャリア汚染の発生を防ぎ、画質が低下することを防ぐことができる。また、離型剤がトナーから離脱することを軽減することができるので、トナーの帯電性の低下、カブリ、トナー飛散を防ぐことができる。
離型剤分散助剤のガラス転移温度Tgが50℃よりも低く、且つ重量平均分子量Mwが1,000よりも小さい場合は、離型剤分散助剤が軟化し流動性が維持できなくなるため、デベモコ現象が発生するおそれがある。一方、離型剤分散助剤のガラス転移温度Tgが75℃よりも高く、且つ重量平均分子量Mwが7,000よりも大きい場合は、離型剤と結着樹脂とを取りもつ離型剤分散助剤の働きが低下し、離型剤と結着樹脂との混ざりこみが悪化するため、離型剤を結着樹脂注に所定に分散させることが難しくなる。また、離型剤分散助剤が離型剤と結着樹脂との間に入り込むためには、ある程度、離型剤分散助剤の重量平均分子量が小さい必要がある。
なお、離型剤分散助剤として用いる共重合体の重合度を従来公知の方法によって制御することによって、離型剤分散助剤のガラス転移温度および重量平均分子量を上記範囲に制御することができる。
これらの離型剤分散助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(トナーにおける離型剤および離型剤分散助剤の含有量)
本発明に係るトナーにおいて、離型剤が、結着樹脂100重量部に対して、3.5〜6.0重量部含有され、且つ離型剤分散助剤が、離型剤10重量部に対して、3.0〜7.0重量部含有されていることが好ましい。また、離型剤が、結着樹脂100重量部に対して、3.7〜5.8重量部含有され、且つ離型剤分散助剤が、離型剤10重量部に対して、4.0〜6.5重量部含有されていることがより好ましい。
離型剤の含有量が結着樹脂100重量部に対して3.5重量部未満であると、離型性を充分に発揮することができず、高温オフセットが発生するおそれがある。また、離型剤が6.0重量部を超えると、デベモコ現象が生じるおそれがある。さらに、離型剤がトナーから離脱して、キャリアを汚染するおそれがある。
また、離型剤分散助剤の含有量が離型剤10重量部に対して3.0重量部未満であると、離型剤の含有量に比べて離型剤分散助剤の含有量が少ないため、高温状態の現像装置における撹拌によってトナーの流動性が極端に低下し、これによって離型剤のデベモコ現象が発生するおそれがある。また、離型剤分散助剤の割合が離型剤10重量部に対して7.0重量部を超えると、離型剤が結着樹脂中で分散し過ぎるおそれがある。離型剤が結着樹脂中で分散し過ぎると、離型剤の平均分散径が小さくなり過ぎ、充分な耐高温オフセット性を発揮できないおそれがある。
従って、離型剤および離型剤分散助剤の含有量を、上記範囲とすることによって、離型剤分散助剤が結着樹脂と離型剤とのいずれに対しても相溶性を発揮して結着樹脂中に離型剤を均一に分散させることができる。さらには、トナー中の離型剤の平均分散径を好適に制御することができる。その結果、デベモコ現象の発生、高温オフセットの発生、および離型剤によるキャリアの汚染を効率よく防止することができる。
(着色剤)
本発明に係るトナーにおいて、着色剤としては、特に限定されるものではなく、電子写真分野で常用されるトナー用の顔料および染料を用いることができる。このような顔料としては、例えば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料等の有機系顔料、カーボンブラック、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルー等の無機系顔料等を挙げることができる。また、染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キレート染料、スクアリリウム染料等を挙げることができる。
これらの着色剤は、1種を単独で用いてもよく、同色系の複数の着色剤を2種以上併用することもできる。着色剤の含有量は、特に制限されるものではないが、通常、結着樹脂100重量部に対して、3.0〜9.0重量部である。
(帯電制御剤)
本発明に係るトナーにおいて、帯電制御剤としては、トナーを帯電させるまたはその帯電をコントロールできるものであれば特に制限されるものではなく、電子写真分野で常用される帯電制御剤を使用することができる。一般的には、例えば、ホウ素化合物、ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン誘導体、サリチル酸亜鉛錯体、ナフトール酸亜鉛錯体、ベンジル酸誘導体の金属酸化物等が挙げられる。これらの帯電制御剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
電荷制御剤の含有量は、特に制限されるものではないが、通常、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜2.0重量部である。
なお、本発明のトナーには、結着樹脂、着色剤、離型剤、離型剤分散助剤および荷電制御剤の他に、導電性調整剤、体質顔料、酸化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、必要に応じて適宜含有されていてもよい。
ここで、トナーの製造方法を説明する。トナーは、従来公知のトナーの方法に従って製造することができる。例えば、粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法等を挙げることができる。
上記「粉砕法」は、着色剤、離型剤等を、結着樹脂と溶融混練して粉砕することによってトナーを製造する方法である。上記「懸濁重合法」は、結着樹脂のモノマー、着色剤、離型剤等を均一に分散させた後、結着樹脂のモノマーを重合させることによってトナーを製造する方法である。上記「乳化凝集法」は、結着樹脂粒子、着色剤、離型剤等を凝集剤によって凝集させ、得られる凝集物の微粒子を加熱することによってトナーを製造する方法である。
以上のようにして製造されたトナー粒子は、そのままトナーとして用いてもよいし、外添剤を外添したものをトナーとして用いてもよい。外添剤を外添することによって、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善、感光体表面磨耗特性制御の効果を得ることができる。
外添剤としては、たとえば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末およびアルミナ微粉末等を挙げることができる。外添剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
外添剤の添加量としては、トナーに必要な帯電量、外添剤を添加することによる感光体の摩耗に対する影響およびトナーの環境特性等を考慮して、トナー粒子100重量部に対し0.1〜2.0重量部が好適である。
また、本発明のトナーは、二成分現像剤として使用することができる。二成分現像剤として使用する場合は、本発明のトナーをキャリアとともに用いる。
上記「キャリア」としては、公知のものを使用できる。例えば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム等からなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリア等を挙げることができる。
上記「被覆物質」としては、公知のものを使用できる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末等を挙げることができる。また、樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としては特に制限されないが、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂等を挙げることができる。いずれも、トナー成分に応じて選択することが好ましく、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。また、キャリアの体積平均粒子径は特に制限されないが、高画質化を考慮すると、好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは20μm〜50μmである。さらに、キャリアの体積抵抗率は、10Ω・cm以上が好ましく、1012Ω・cm以上がより好ましい。
キャリアの体積抵抗率は、キャリア粒子を断面積0.50cmの容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値から得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアが帯電し、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。キャリアの飽和磁化は、40emu/g以上80emu/g以下が好ましい。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できる。例えば、樹脂被覆キャリア(密度5g/cm〜8g/cm)と混合する場合、トナーが全現像剤量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるようにすればよい。また、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。
また、本発明のトナーは、周速220mm/sec〜400mm/secで回転する撹拌部材によってトナーを含む現像剤を攪拌し、周速235.5mm/sec〜392.5mm/secで回転する現像ローラによって像担持体の表面に形成された静電潜像に上記トナーを供給してトナー像を形成する現像装置を備えている画像形成装置において用いられることが好ましい。
現像装置の撹拌部材の周速および現像ローラの周速が上記範囲よりも遅い(一般的に低速機)である場合は、離型剤分散助剤を添加しないトナーであっても、デベモコ現象が発生しない。このため、この場合は、離型剤分散助剤を含有している本発明のトナーは、離型剤分散助剤を含有していないトナーよりも高価なトナーとなってしまう。一方、現像装置の撹拌部材の周速および現像ローラの周速が上記範囲を超える場合は、高温低湿下での撹拌時のトナーの流動性が極端に低下する現象が発生し、画質の低下を招くおそれがある。なお、上記「トナーを含む現像剤」は、例えば、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤である。
従って、本発明のトナーは、上記のような画像形成装置において用いられることが好ましい。
また、本発明に係るトナーは、トナー像が形成された記録材に、加熱した無端状の定着ベルトの外周面を圧接させることによって上記トナー像を上記記録材上に定着させるベルト定着方式の定着装置を備えている画像形成装置において用いられることが好ましい。
ベルト定着方式の定着装置は、ローラ定着方式の定着装置と比較して熱容量を低下させることができるので、画像形成装置の省電力化を測ることができる。また、本発明のトナーを、ベルト定着方式の定着装置を備えている画像形成装置において用いることによって、光沢度を向上させることができるという効果を奏する。
かかる現像装置および定着装置を備えた画像形成装置については後述する。
〔2.画像形成装置〕
本発明に係る画像形成装置は、画像情報に応じて、記録材上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する画像形成装置である。本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る静電荷像現像用トナーを用いて画像を形成することを特徴としている。
本発明に係る画像形成装置は、現像装置として、周速220mm/sec〜400mm/secで回転する撹拌部材によって上記トナーを含む現像剤を攪拌し、周速235.5mm/sec〜392.5mm/secで回転する現像ローラによって像担持体表面に形成された静電潜像に上記トナーを供給してトナー像を形成する現像装置を備えていることが好ましい。また、本発明に係る画像形成装置は、定着装置として、トナー像が形成された記録材に、加熱した無端状の定着ベルトの外周面を圧接させることによって上記トナー像を上記記録材上に定着させるベルト定着方式の定着装置を備えていることが好ましい。
本発明に係る静電荷像現像用トナーについては、上記「1.静電荷像現像用トナー」の項で説明したとおりであるので、説明を省略する。
まず、本発明の実施形態である画像形成装置の全体構成について説明する。図4は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成の一例を模式的に表す断面図である。画像形成装置100は、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成するものである。
以下の実施形態では、本発明に係る画像形成装置を、外部から伝達された画像データに応じて記録用紙または記録用フィルム等の記録材に対して、多色または単色の画像を形成するカラータンデム方式の画像形成装置100に適用する場合について説明する。但し、本発明の適用対象はこれに限るものではない。
画像形成装置100は、図4に示すように、露光ユニット(露光装置)1、4つの画像形成ステーション(画像形成部)21A〜21D、中間転写ベルトユニット(転写装置)8、転写部、定着ユニット(定着装置)30、内部給紙トレイ10、手差し給紙トレイ20、シート搬送路S、および排紙トレイ15を備えている。また、画像形成装置100の上方にスキャナ等を備えてもよい。なお、画像形成装置100に備えられる各部材の動作は、図示しないCPU等からなる主制御部によって制御される。
画像形成装置100は、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の色成分毎の画像データを取り扱い、黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像を形成し、各々の色成分の画像を重畳することでカラー画像を形成する。
従って、画像形成装置100は、図4に示すように、各色成分の画像を形成するように、現像装置2(2A,2B,2C,2D)、感光体(像担持体)3(3A,3B,3C,3D)、帯電器(帯電装置)5(5A,5B,5C,5D)、クリーナユニット4(4A,4B,4C,4D)がそれぞれ4つずつ設けられている。言い換えると、現像装置2と感光体3と帯電器5とクリーナユニット4とを1つずつ含む画像形成ステーション21(21A〜21D)が、CMYKの色成分毎に設けられている。これら4つの画像形成ステーション21A〜21Dによって形成された4色のトナー画像が中間転写ベルト7上で重ね合わされる。
なお、上記A〜Dの符号は、Aが黒画像形成用の部材、Bがシアン画像形成用の部材、Cがマゼンタ画像形成用の部材、Dがイエロー画像形成用の部材であることを示したものである。本実施形態では、黒画像形成用の部材、シアン画像形成用の部材、マゼンタ画像形成用の部材、イエロー画像形成用の部材において、同じ機能を有する部材には、簡略して部材番号にA〜Dを沿えずに説明する。
画像形成ステーション21では、トナー画像担持体である回転可能に備えられた感光体3の周囲に、帯電器5、現像装置2、およびクリーナユニット4が感光体3の回転方向に沿ってこの順で配置されている。
帯電器5は、感光体3の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。帯電器5としては、図4に示す接触ローラ型の帯電器の他、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器等を使用してもよい。
現像装置2(2A,2B,2C,2D)は、感光体3表面に形成された静電潜像をトナーによって顕像化する現像処理を行う。現像装置2(2A,2B,2C,2D)は、トナー移送機構102(102A,102B,102C,102D)、トナー補給装置22(22A,22B,22C,22D)、現像槽(現像剤収容部)111(111A,111B,111C,111D)を備えている。トナー補給装置22は、現像槽111よりも上方に配され、未使用トナー(粉体状のトナー)を貯蔵している。トナー補給装置22から現像槽111へトナー移送機構102を介してトナーが供給されるようになっている。現像装置2の詳細については後述する。
クリーナユニット4は、トナー画像を中間転写ベルト7に転写した後の感光体3表面に残留しているトナーを除去し、回収するものである。
露光ユニット1は、帯電器5によって帯電された感光体3を画像データに応じて露光することにより、感光体3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。露光ユニット1は、図4に示すように、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。但し、レーザスキャニングユニット以外に、発光素子をアレイ状に並べたEL(エレクトロルミネッセンス)やLED書込みヘッドを露光ユニット1とすることもできる。露光ユニット1は、帯電された感光体3を、入力された画像データに応じて露光することにより、感光体3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
中間転写ベルトユニット8は、感光体3の上方に配置されている。中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6(6A,6B,6C,6D)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
中間転写ローラ6、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73は、中間転写ベルト7を張架し、図4の矢印K方向に中間転写ベルト7を回転駆動させるものである。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73における中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6には感光体3のトナー像を中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト7は、感光体3に接触するように設けられている。中間転写ベルト7上には、感光体3に形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト7は、厚さが、例えば100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために転写バイアスが印加される。この転写バイアスは、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
中間転写ローラ6は、直径が例えば8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では、転写電極としてローラ形状の中間転写ローラ6を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように各感光体3A〜3D上の静電潜像は各色成分に応じたトナーにより顕像化されてそれぞれトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト7上に重ねて合わされ積層される。このように、積層されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって、搬送されてきた用紙と中間転写ベルト7との接触位置(転写部20)に移動し、この位置に配置されている転写ローラ11によって用紙上に転写される。この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ11にはトナー像を用紙に転写させるための電圧が印加される。この電圧は、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方は金属等の硬質材料から形成され、他方は弾性ローラ等の軟質材料、例えば、弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等から形成される。
中間転写ベルト7と感光体3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、および中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。そのため、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。
中間転写ベルトクリーニングユニット9には、例えば、中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられている。中間転写ベルト7におけるクリーニングブレードに接触している部分は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72にて支持される。
内部給紙トレイ10は、画像形成に使用する記録用紙等のシート(記録材)を蓄積しておくためのものである。内部給紙トレイ10は、本実施形態では、各画像形成ステーション21A〜21Dおよび露光ユニット1の下方に設けられている。また、手差し給紙トレイ20は、画像形成装置100の側壁に折り畳み自在に設けられ、手差しによる給紙を行うためのものである。一方、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、画像形成済みのシートを載置するためのものである。
また、画像形成装置100には、内部給紙トレイ10のシートおよび手差し給紙トレイ20のシートを転写部や定着ユニット30を経由させて排紙トレイ15に案内するためのシート搬送路Sが設けられている。
さらに、シート搬送路Sには、ピックアップローラ16(16a,16b)、レジストローラ14、転写部、定着ユニット30、搬送ローラ25(25a〜25h)等が配置されている。なお、転写部は中間転写ベルト駆動ローラ71と転写ローラ11との間に位置する。
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16aは、内部給紙トレイ10の端部に備えられ、内部給紙トレイ10からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。ピックアップローラ16bは、手差し給紙トレイ20の近傍に備えられ、手差し給紙トレイ20からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持し、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを転写部に搬送するものである。
定着ユニット30は、定着ローラ31と、加熱ローラ33と、定着ローラ31と加熱ローラ33とに懸架された定着ベルト34と、定着ベルト34を介して定着ローラ31に対して所定の荷重で圧接される加圧ローラ(加圧部材)32とを備えており、転写部よりもシートの搬送方向下流側に配置されている。そして、定着ユニット30は、転写部によってトナー画像を転写されたシートを定着ベルト34と加圧ローラ32との圧接部(定着ニップ部)に給紙し、この圧接部を通過させることによって熱と圧力とによりトナー画像をシートに定着させる。シートにおける未定着トナー画像が形成された面は定着ベルト34に当接し、シートにおける未定着トナー画像が形成された面とは反対側の面は加圧ローラ32に当接する。定着ユニット30の詳細については後述する。なお、本実施形態では、ベルト定着方式の定着装置を採用しているが、トナーの色の吸収波長域に波長をもつレーザ光をトナー像に照射し、トナーを溶融させてシートに定着させるレーザ定着方式の定着装置であってもよく、ヒートローラと加圧ローラとを用いてシートを熱圧着することにより、シートに転写されているトナーを溶融、混合、圧接させてシートに熱定着させる熱ローラ定着方式の定着装置であってもよい。
次に、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。
片面印字の場合は、内部給紙トレイ10から搬送されるシートは、ピックアップローラ16aにてピックアップされ、シート搬送路S中の搬送ローラ25aによってレジストローラ14まで搬送され、レジストローラ14によりシートの先端と中間転写ベルト7上の積層されたトナー像の先端とが整合するタイミングで転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト7との接触位置)に搬送される。転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット30にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25bを経て排紙ローラ25cから排紙トレイ15上に排出される。
また、手差し給紙トレイ20から搬送されるシートは、ピックアップローラ16aにて複数の搬送ローラ25(25f,25e,25d)によってレジストローラ14まで搬送される。それ以降のシート搬送動作は、上述した内部給紙トレイ10から供給されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される。
また、手差し給紙トレイ20から搬送されるシートは、ピックアップローラ16bにてピックアップされ、複数の搬送ローラ25(25f,25e,25d)によってレジストローラ14まで搬送される。それ以降のシート搬送動作は、上述した内部給紙トレイ10から供給されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される。
一方、両面印字の場合は、上記のようにして片面印字が終了し定着ユニット30を通過したシートは、後端が排紙ローラ25cにてチャックされる。次に、シートは、排紙ローラ25cが逆回転することによって搬送ローラ25g,25hに導かれ、再びレジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ15に排出される。
<現像装置>
本発明の実施形態に係る画像形成装置が備える現像装置2について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100が備える現像装置2の構成の一例を模式的に示す断面図であり、図2は、図1に示す現像装置2のA−A線矢視図である。
現像装置2は、図1に示すように、現像槽111内に、感光体3と対向するように配置された現像ローラ114を有し、現像ローラ114によって感光体3の表面にトナーを供給して、感光体3の表面に形成された静電潜像を顕像化する(現像する)装置である。
現像装置2は、現像ローラ114、現像槽111の他に、現像槽カバー115、トナー補給口115a、第1攪拌部材112、第2攪拌部材113、仕切り壁(第1側壁)117、および透磁率センサ118を備えている。
現像槽111は、現像剤を収容する槽である。本実施形態では、上記現像剤としてトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いている。また、現像槽111には、現像ローラ114、第1攪拌部材112、第2攪拌部材113等が配設されている。
また、現像槽111の上側には、図1に示すように、取り外し可能な現像槽カバー115が設けられている。さらに、現像槽カバー115には、現像槽111内に未使用のトナーを補給するためのトナー補給口115aが形成されている。トナー補給口115aは、トナー補給装置22(図示せず)のトナー移送機構102に接続している。よって、トナー補給装置22(図示せず)に収容されているトナーは、トナー移送機構102およびトナー補給口115aを介して現像槽111内に移送される。これにより現像槽111にトナーが補給される。
現像槽111には、図1および図2に示すように、第1攪拌部材112と第2攪拌部材113との間に仕切り壁117が配設されている。仕切り壁117は、第1攪拌部材112および第2攪拌部材113の各軸方向(各回転軸方向)に平行に延設されている。現像槽111の内部は、仕切り壁117によって、第1攪拌部材112が配されている第1搬送路Pと、第2攪拌部材113が配されている第2搬送路Qとに区画される。
仕切り壁117は、図2に示すように、第1攪拌部材112および第2攪拌部材113の各軸方向の両端部において、現像槽111の内側の壁面から離間して配置されている。これにより、現像槽111には、第1攪拌部材112および第2攪拌部材113の各軸方向の両端部付近において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する連通路が形成されている。以下では、第1搬送路Pの下流(矢印X方向下流)側に形成されている連通路を第1連通路117a、第2搬送路Qの下流(矢印Y方向下流)側に形成されている連通路を第2連通路117bと称する。
第1攪拌部材112および第2攪拌部材113は、互いの周面同士が仕切り壁117を介して対向するように且つ互いの軸同士が平行になるように並列配置され、互いに逆方向に回転するように設定されている。
第1攪拌部材112は、図2に示すように、螺旋状の第1搬送羽根112aと第1回転軸112bからなるスクリューオーガにより構成されている。第2攪拌部材113は、図2に示すように、螺旋状の第2搬送羽根113aと第2回転軸113bからなるスクリューオーガにより構成されている。第1攪拌部材112および第2攪拌部材113は、モータ等の駆動手段(図示せず)によって回転駆動することにより現像剤を撹拌すると共に搬送するようになっている。
現像ローラ114は、図1に示すように、感光体3に対向して配置され、感光体3に対して間隙を有して離隔するように設けられる。現像ローラ114で搬送される現像剤は最近接部分で感光体3と接触する。この接触領域が現像領域(現像ニップ部)であり、現像領域では、現像ローラ114に接続される図示しない電源から現像ローラ114に対して現像バイアス電圧が印加され、現像ローラ114表面の現像剤から感光体3表面の静電潜像へトナーが供給される。
透磁率センサ118は、図1に示すように、第2攪拌部材113下方の現像槽111底面に装着され、センサ面が現像槽111の内部に露出するように設けられる。透磁率センサ118は図示しないトナー濃度制御手段に電気的に接続される。トナー濃度制御手段は、透磁率センサ118が検知するトナー濃度測定値に応じて、現像槽111内部にトナーを供給するように制御する。透磁率センサ118には一般的な透磁率センサを使用でき、例えば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサなどが挙げられる。これらの中でも、透磁率検知センサが好ましい。
次に、現像装置2の現像槽111における現像剤の搬送について説明する。
図2に示すように、トナー補給装置22に収容されているトナーは、トナー移送機構102およびトナー補給口115aを介して現像槽111内に移送され、これにより現像槽111にトナーが補給される。トナー補給口115aは、図2に示すように、第1搬送路Pにおいて、かつ、第2連通路117bよりも現像剤搬送方向の下流側に形成されている。このトナー補給口115aから、第1搬送路Pにトナーが補給される。
現像槽111では、第1攪拌部材112および第2攪拌部材113は、モータ等の駆動手段(図示せず)によって回転駆動し、現像剤を搬送する。具体的には、第1搬送路Pにおいて、現像剤は、第1攪拌部材112によって撹拌されながら矢印X方向へ搬送され、第1連通路117aに到達する。第1連通路117aに到達した現像剤は、第1連通路117aを通過して第2搬送路Qへ搬送される。第2搬送路Qへ搬送された現像剤は、第2攪拌部材113によって、撹拌されながら矢印Y方向へ搬送され、第2連通路117bに到達する。そして、第2連通路117bに到達した現像剤は、第2連通路117bを通過して第1搬送路Pへ戻される。
つまり、第1攪拌部材112と第2攪拌部材113とは、互いに逆方向に現像剤を撹拌しながら搬送する。第1攪拌部材112は、図2に示すように、矢印X方向に現像剤を搬送し、第2攪拌部材113は、矢印X方向とは逆の矢印Y方向に現像剤を搬送するように設定されている。
このように、現像剤は、現像槽111において、第1搬送路Pと第1連通路117aと第2搬送路Qと第2連通路117bとを、この順序にて循環移動する。つまり、現像装置2は、現像剤を第1搬送路Pおよび第2搬送路Q間を循環して搬送する循環式の現像装置である。そして、現像剤は、第2搬送路Qを搬送されている間に、現像ローラ114の回転にてその表面に担持されて汲み上げられる。そして、汲み上げられた現像剤中のトナーが現像スリーブ119から感光体3へと移動して、順次消費されていく。
以上のように消費されるトナーを補うべく、未使用のトナーがトナー補給口115aから第1搬送路Pへ補給される。補給されたトナーは第1搬送路Pにおいて従前より存在する現像剤と混合撹拌される。
本発明に係る画像形成装置では、上記現像装置は、周速220mm/sec〜400mm/secで回転する撹拌部材によってトナーを含む現像剤を攪拌し、周速235.5mm/sec〜392.5mm/secで回転する現像ローラによって像担持体表面に形成された静電潜像に上記トナーを供給してトナー像を形成する現像装置であることが好ましい。すなわち、図1に示す第1攪拌部材112および第2攪拌部材113を、好ましくは周速220mm/sec〜400mm/sec、より好ましくは周速300mm/sec〜380mm/secで回転させながらトナーを含む現像剤を攪拌することが好ましい。さらに、現像ローラ114を、好ましくは周速235.5mm/sec〜392.5mm/sec、より好ましくは周速300mm/sec〜380mm/secで回転させながら、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給することが好ましい。第1攪拌部材112、第2攪拌部材113および現像ローラ114の周速は、モータ等の駆動手段(図示せず)によって制御することができる。
<定着装置>
本発明の実施形態に係る画像形成装置が備える定着ユニット30について図面を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100が備える定着ユニット30の構成の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、定着ユニット30は、定着ローラ31と、加圧ローラ32と、加熱ローラ33と、定着ベルト34と、自動圧力解除機構40とを備えている。
定着ローラ31は、内側から順に芯金31aと、弾性層31bとが形成された2層構造からなるローラ状部材であり、モータ、ギア等からなる定着ローラ駆動手段(第1駆動手段)(図示せず)によって回転駆動される。また、この定着ローラ31には定着ベルト34を介して加圧ローラ32が圧接され、それによって定着ベルト34と加圧ローラ32との間に定着ニップ部Nが形成される。また、弾性層31bとしては、適度な耐熱性と弾性とを有する材質であれば特に限定されるものではないが、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴム等の耐熱性を有するゴム材料を用いることができる。なお、定着ベルト34に作用する寄り力(ベルト面内方向かつベルト回転方向に垂直な方向にベルトを移動させるように作用する力)を低減するために、弾性層31b上にPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、あるいはフッ素ゴム等からなる表面層(図示せず)を設けてもよい。なお、本実施形態では、直径20mmのステンレス鋼からなる芯金31aに厚さ5mmのシリコンスポンジゴムからなる弾性層31bを被覆した、直径30mmの定着ローラ31を用いているが、本発明はこれに限定されない。また、定着ローラ31の周面に対向する位置には、定着ローラ31の周面の温度を検出するためのサーミスタ31eが配置されている。
加熱ローラ33は、アルミニウム、鉄等の熱伝導率の高い金属からなる中空円筒状の金属製芯材からなり、定着ベルト34に従動回転するように回転可能に支持されている。なお、定着ベルト34の寄り力を低減するために、金属製芯材の表面にフッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。本実施形態では、加熱ローラ33として、直径28mm、厚さ0.7mmのアルミニウム製芯材上に厚さ20μmのPTFEコートを施したものを用いているが、本発明はこれに限定されない。
また、加熱ローラ33の内部には、加熱ローラ33を加熱するためのヒータランプ33dが配置されている。
定着ベルト34は、加熱ローラ33と定着ローラ31とに所定の引張荷重(本実施形態では50N)で懸架されており、定着ローラ31に従動回転するようになっている。また、定着ベルト34は、加熱ローラ33から供給される熱によって所定の温度に加熱され、加圧ローラ32との圧接部(定着ニップ部N)を通過する未定着トナー画像が形成された記録材を加熱する。本実施形態では、定着ベルト34として、厚さ50μmのポリイミドからなる基材上に厚さ150μmのシリコンゴムからなる弾性層を設け、さらに弾性層上に厚さ30μmのPFAチューブからなる離型層を設けた3層構造からなる、側面を円形にした場合の直径(内径)Dが50mmの無端状のベルトを用いているが、本発明はこれに限定されない。
また、定着ベルト34の外周面に対向する位置には、定着ベルト34の温度を検出するためのサーミスタ33eが配置されている。なお、サーミスタ33eに加えて、定着ベルト34の異常昇温を検出するサーモスタット(図示せず)を設けてもよい。
加圧ローラ32は、定着ベルト34を介して定着ローラ31に圧接可能に設けられたローラ状部材であり、その内側から順に芯金32aと、弾性層32bと、離型層32cとが形成された3層構造からなる。弾性層32bには、シリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料等を用いることができる。離型層32cには、PFAやPTFE等のフッ素樹脂を用いることができる。本実施形態では、直径(外径)28mm、肉厚1mmの鉄(STKM)製の芯金32a上に厚さ1mmのシリコンソリッドゴムからなる弾性層32bを設け、その上に厚さ30μmの導電性PFAチューブからなる離型層32cを設けた、直径約30mmの加圧ローラ32を用いているが、本発明はこれに限定されない。
また、加圧ローラ32の内部には、加圧ローラ32を加熱するためのヒータランプ(第2加熱手段)32dが配置されている。
また、加圧ローラ32は、定着ローラ31を回転駆動させるための定着ローラ駆動手段とギア等を介して連結されており(いずれも図示せず)、定着ローラ駆動手段から上記ギアを介して伝達される駆動力によって定着ローラ31とは反対方向(定着ニップ部Nにおける表面の移動方向が記録材Pの搬送方向と一致する方向)に回転駆動されるようになっている。なお、後述する自動圧力解除機構40によって加圧ローラ32が定着ベルト34および定着ローラ31から離間する位置に配置されている状態では、加圧ローラ32は上記ギアを介した定着ローラ駆動手段との連結を解除され、定着ローラ31が回転駆動されても加圧ローラ32は回転しないように構成されている。また、加圧ローラ32は定着ローラ31とは異なり、ヒータランプ32dを有していることから、回転駆動されていない状態であってもこのヒータランプ32dによって周方向に沿って略均一に加熱することができる。
また、加圧ローラ32は、後述する自動圧力解除機構40によって加圧ローラ32が定着ベルト34を介して定着ローラ31に圧接する位置に配置されている状態において、加圧ばね42により、定着ベルト34を介して定着ローラ31に対して所定の荷重(本実施形態では400N)で圧接され、定着ベルト34と加圧ローラ32とが当接する部分である定着ニップ部Nを形成する。本実施形態では、定着ニップ部Nの記録材搬送方向の幅(ニップ幅)は7.5mmであるが、本発明はこれに限定されない。この定着ニップ部Nに未定着トナー画像が転写された記録材を給紙して通過させることにより、未定着トナー画像が熱と圧力とによって記録材上に定着される。
自動圧力解除機構40は、加圧ローラ32の位置を、加圧ローラ32と定着ローラ31とを定着ベルト34を介して所定の荷重で圧接させる第1位置と、加圧ローラ32を定着ローラ31および定着ベルト34から離間させた第2位置とに切り替えるためのものである。自動圧力解除機構40は、図3に示したように、加圧レバー41と、加圧ばね(付勢手段)42と、偏心カム43と、回転軸Cとから構成されている。加圧レバー41および加圧ばね42は、加圧ローラ32の両端側に各1組づつ備えられており、回転軸Cは加圧ローラ32の両端側に設けられた各加圧レバー41を貫通するように配置されている。また、偏心カム43は、加圧ローラ32の両端側に設けられた各加圧レバー41に当接するように設けられている。なお、加圧ローラ32の一端側に設けられた加圧レバー41に当接する偏心カム43と他端側に設けられた加圧レバー41に当接する偏心カム43とをそれぞれ設けてもよい。
加圧レバー41には加圧ローラ32の回転軸が回転可能に取り付けられている。また、加圧レバー41の一端側は回転軸Cによって回転可能に支持されており、他端側は加圧ばね42によって定着ローラ31側に付勢されている。また、偏心カム43は、加圧レバー41における定着ローラ31側の面に当接するように設けられている。これにより、制御部(図示せず)が、偏心カム43を回転駆動するためのモータ等からなる駆動手段(図示せず)の動作を制御して偏心カム43を回転させ、偏心カム43における加圧レバー41との当接位置を変化させることで、加圧レバー41の位置を図3に示した矢印Aの方向に移動させ、加圧ローラ32の位置を第1位置と第2位置とに切り替えるようになっている。
〔3.画像形成方法〕
本発明に係る画像形成方法は、上述した本発明に係る画像形成装置を用いて画像を形成することを特徴としている。本発明に係る画像形成装置については、上記「2.画像形成装置」の項で説明したとおりであるので、説明を省略する。
本発明に係る画像形成装置は、上述した本発明に係る画像形成装置を用いて画像を形成するので、高温低湿環境下においてもデベモコ現象を発生することなく、良好な定着性を実現し得、長期使用においても良好な画質の画像を形成することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
〔1.定着試験〕
以下の方法にて、トナーの定着性を評価した。
定着装置(2軸、ニップ幅:10mm、ISTベルト)を用い、定着スピード:325mm/s、トナー付着量:0.45mg/cmの条件にて定着を行った。
定着ベルトの表面温度を140℃〜220℃の範囲で5℃刻みで変えて測定を行ない、オフセットおよびグロスから総合評価で定着可能領域(定着可能な温度範囲)を判定した。
グロスは、光沢度計(日光電色工業株式会社製、Gloss Meter VG2000)を使用し、単色のベタ画像を測定し、光沢度が20以上を可と判定した。グロスが20以上となる温度範囲(すなわち、光沢度が可と判定される温度範囲)が40℃以上である場合を可(○)と判定し、これより定着可能領域が狭い場合を不可(×)とした。
また、オフセットは目視で判断し、オフセットが発生しない温度範囲が40℃以上である場合を可(○)と判定し、これより温度範囲が狭い場合を不可(×)とした。
〔2.デベモコ評価〕
以下の方法にて、デベモコを評価した。
(二成分現像剤の作成)
トナーとキャリアとを混合することで二成分現像剤を作成した。キャリアはフェライト系のコアを使用し、表面に熱硬化ストレートシリコン樹脂の被覆層を設けた40μmの体積平均粒子径のものを使用した。トナー12重量部に対して、キャリアを100重量部加えて、V型混合機(トクジュ社製、WELL MIX BLENDER)に投入し、40分間撹拌混合することにより二成分現像剤を作製した。
(デベモコ試験(現像剤流動性試験))
図1に示したような現像槽に二成分現像剤を投入し、高温槽中で現像槽の空転を行った(空転条件:2時間、T/D=11%、回転数370rpm、温度52.5℃、湿度10%)。
空転前後に現像槽の下から二成分現像剤を落下させ、空転後の落下量/空転前の落下量を測定した。判定は、空転後の落下量/空転前の落下量が50%以上を可(○)とし、これより少ない場合を不可(×)とした。
〔3.画像評価〕
作製した二成分現像剤について、画像形成装置(デジタルフルカラー複合機:MX4500FN、シャープ株式会社製)を用いて耐久試験を行った。画像形成装置の現像条件として、感光体の周速を400mm/s、現像ローラの周速を560mm/s、感光体と現像ローラとのギャップを0.5mmに設定し、ベタ画像(100%濃度)における紙上のトナー付着量が0.5mg/cm、非画像部におけるトナー付着量が最も少なくなる条件に、感光体の表面電位および現像バイアスをそれぞれ調整した。試験は、25℃、湿度50%の環境下で行った。試験紙として、A4サイズ電子写真用紙(マルチレシーバー:シャープドキュメントシステム株式会社製)を使用した。
紙の上に5%印字となる画像を50K(5万枚)印刷し、そのときのトナー帯電量およびカブリから判断して可(○)または不可(×)を判定した。
トナー帯電量は、次の手順により算出した。電磁シールドした金属筐体中の金属メッシュ上に所定量の現像剤を乗せ、メッシュの裏側からトナーを吸引する吸引法によってQ=CVをもとめた。Q=CVより、既知のC(測定機中の静電容量C)の両端の起電圧Vを測定することによって、Q/M(μc/g)を算出した。トナー帯電量は、50K印刷後のQ/Mが20μC/g以上を維持できるものを可(○)とし、それより低い場合を不可(×)とした。
カブリについては、非画像部(0%濃度)の濃度を次の手順により算出した。日光電色工業株式会社製のカラーメーターを用いて、印刷前の紙の白色度W1および印刷後の紙の非画像部における白色度W2を測定し、両者の白色度の差(W1−W2)をカブリとして求めた。カブリは、Bkモードで1.0未満、カラーモードで1.5未満を可(○)とし、それ以外を不可(×)とした。
細線再現性は、この分野で一般的な日本画像学界標準原稿を用いて評価した。細線再現性は下記の基準により評価した。
○:良好。6本/mm以上。
△:利用可。5.6〜4.5本/mm。
×:不良。4.0本/mm以下。
なお、細線再現性が6本/mmとは、1mm幅中に6本(1本幅は約83μm)、5.6本/mmとは、1mm幅中に5.6本(1本幅は約89μm)、4.0本/mmとは、1mm幅中に4本(1本幅は125μm)であることを示している。
<トナーのガラス転移温度(Tg)>
示差走査熱量計(株式会社リガク製、DSC8230)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
<トナーの重量平均分子量(Mw)>
以下の方法により得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布を示すチャートから、重量平均分子量を求めた。
(1)試料溶液の調製
濃度が30mg/10mlになるようにトナーをテトラヒドロフラン中に溶解した。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業株式会社製、FP−200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2)分子量分布測定
下記の測定装置と分析カラムとを用い、溶解液としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定化させた。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行った。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いた。
測定装置 :GPC−104(昭和電工株式会社製)
<トナーの体積平均粒子径>
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用いて、超音波周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料を調製した。
この測定用試料について、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製、Multisizer3)を用い、アパーチャ径20μm、測定粒子数50,000カウントの条件下に測定を行ない、試料粒子の体積粒度分布から一次粒子の体積平均粒子径を求めた。
<離型剤の平均分散径>
走査型電子顕微鏡(株式会社キーエンス製、SEM VE−7800)を用いて測定を行ない、離型剤の平均分散径を測定した。
<離型剤分散助剤のガラス転移温度(Tg)>
トナーのガラス転移温度(Tg)と同じ方法で測定した。
<離型剤分散助剤の重量平均分子量(Mw)>
トナーの重量平均分子量(Mw)と同じ方法で測定した。
〔実施例1〕
実施例1のトナーを、以下の方法によって作製した。
まずは、以下に記載するトナー材料をヘンシェルミキサにて10分間混合した後、得られた混合物を、混練分散処理装置(三井鉱山株式会社製:ニーディックスMOS140−800)を用いて溶融混練分散処理した。
−トナー材料−
・結着樹脂(ポリエステル樹脂)(ガラス転移温度:66℃、重量平均分子量:80,000):100重量部
・着色剤(C.I.ピグメント・ブルー15:3):5重量部
・帯電制御剤(ホウ素化合物:日本カーリット社製、LR−147):2重量部
・離型剤(日油社製、WEP−9):5重量部
・離型剤分散助剤(エチレン−スチレングラフト共重合体:日油社製、試作品)(ガラス転移温度:65℃、重量平均分子量:3,500):2重量部(離型剤10重量部に対して4重量部)
次に、その混練物をカッティングミルで粗粉砕した後、ジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製:IDS−2型)によって微粉砕し、微粉砕後、風力分級機(日本ニューマチック工業株式会社製:MP−250型)を用いて分級を行うことによって着色樹脂粒子を得た。
次に、得られた着色樹脂粒子100重量部に、外添剤としてシリカを1.9重量部添加し、攪拌羽根の先端速度を15m/秒に設定した気流混合機(三井鉱山社製:ヘンシェルミキサ)で2分間攪拌することによって実施例1のトナーを作製した。
得られたトナーのガラス転移温度(Tg)および重量平均分子量(Mw)を測定した。なお、実施例1のトナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.5μmであった。
〔実施例2〕
結着樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度:55℃、重量平均分子量:78,000)を用いた以外は、実施例1のトナーと同じ方法で実施例2のトナーを作製した。なお、実施例2のトナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.8μmであった。
〔実施例3〕
結着樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度:68℃、重量平均分子量:42,000)を用いた以外は、実施例1のトナーと同じ方法で実施例3のトナーを作製した。なお、実施例3のトナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.7μmであった。
〔比較例1〕
結着樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度:50℃、重量平均分子量:55,000)を用いた以外は、実施例1のトナーと同じ方法で比較例1のトナーを作製した。なお、比較例1のトナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.6μmであった。
〔比較例2〕
結着樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度:73℃、重量平均分子量:49,000)を用いた以外は、実施例1のトナーと同じ方法で比較例2のトナーを作製した。なお、比較例2のトナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.8μmであった。
〔比較例3〕
結着樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度:68℃、重量平均分子量:200,000)を用いた以外は、実施例1のトナーと同じ方法で比較例3のトナーを作製した。なお、比較例3のトナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.8μmであった。
〔比較例4〕
結着樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度:59℃、重量平均分子量:27,000)を用いた以外は、実施例1のトナーと同じ方法で比較例4のトナーを作製した。なお、比較例4のトナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.8μmであった。
実施例1〜3、比較例1〜4のトナーの定着性およびデベモコを、それぞれ評価した。
実施例1〜3、比較例1〜4のトナーの物性、並びに各評価結果を表1に示した。
Figure 2013007925
なお、表1中の「総合評価」は、は下記の基準により評価した。
○:良好。グロス、非オフセット、デベモコの全ての項目が○の評価。
×:不良。上記以外の評価
実施例1〜3、比較例1〜4のトナーについて、離型剤の平均分散径を測定した。その結果、比較例2のトナーのみ離型剤の平均分散径が1.0μm以上であったが、これ以外のトナーにおける離型剤の平均分散径は範囲内(0.1μm〜1.0μm)であった。このことから、トナーの樹脂の物性(ガラス転移温度、重量平均分子量)により、デベモコ現象が起きるか否かがある程度決まると考えた。
〔実施例4〜6〕
離型剤および離型剤分散剤の含有量を表2のとおり変更した以外は、実施例1のトナーと同じ方法で実施例4〜6のトナーを作製した。なお、実施例4〜6のトナーのガラス転移温度Tgは62℃であり、重量平均分子量Mwは59,000であった。また、トナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.9μmであった。得られたトナーにおける離型剤の平均分散径を測定した。
〔比較例5〜7〕
離型剤および離型剤分散剤の含有量を表2のとおり変更した以外は、実施例1のトナーと同じ方法で比較例5〜7のトナーを作製した。なお、実施例5〜7のトナーのガラス転移温度Tgは62℃であり、重量平均分子量Mwは59,000であった。また、トナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.9μmであった。得られたトナーにおける離型剤の平均分散径を測定した。
実施例4〜6、比較例5〜7のトナーの定着性、デベモコ、帯電性およびカブリを、それぞれ評価した。
実施例4〜6、比較例5〜7のトナーにおける離型剤、離型剤分散助剤の含有量および離型剤の平均分散径物性、並びに各評価結果を表2に示した。なお、表2に示した離型剤および離型剤分散助剤の量は、結着樹脂100重量部に対する量を表している。離型剤分散助剤の量については、離型剤10重量部に対する量を括弧書きで併記している。
Figure 2013007925
実施例4〜6のトナーは、離型剤の量および離型剤の平均分散径が適度であり、いずれの評価結果でも不具合が認められなかった。
一方、比較例5のトナーに関しては、定着試験で高温オフセットが発生した。また、比較例6のトナーに関しては、デベモコ現象が発生し、画像評価においても帯電性が低下し、カブリが悪化した。さらに、比較例6のトナーに関しては、離型剤がキャリアに付着している現象もフーリエ変換赤外分光(FT−IR)にて、キャリア付着物の中に離型剤由来のピークが存在することから確認した。
また、比較例7のトナーは、離型剤分散助剤を含有していないので、離型剤が分散しないことによるデベモコ現象が認められた。また、帯電性の低下、およびこれにともなうカブリが発生した。
〔実施例7〕
離型剤分散助剤として、スチレン−メチルメタクリレートブロック共重合体(日油社製、試作品)(ガラス転移温度:57℃、重量平均分子量:3,000)を用いた以外は、実施例1のトナーと同じ方法で実施例7のトナーを作製した。離型剤分散助剤も同じで、入れ目を変えている。なお、実施例7のトナーのガラス転移温度Tgは65℃であり、重量平均分子量Mwは59,000であった。また、トナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.8μmであった。得られたトナーにおける離型剤の平均分散径を測定した。
〔比較例8〕
離型剤分散助剤として、スチレンアクリル(三井化学社製、SA800)(ガラス転移温度:60℃、重量平均分子量:49,000)を用いた以外は、実施例1のトナーと同じ方法で比較例8のトナーを作製した。なお、比較例8のトナーのガラス転移温度Tgは66℃であり、重量平均分子量Mwは58,000であった。また、トナーの一次粒子の体積平均粒子径は6.8μmであった。得られたトナーにおける離型剤の平均分散径を測定した。
実施例7、比較例8のトナーの定着性、デベモコ、帯電性およびカブリを、それぞれ評価した。この結果、離型剤分散助剤のガラス転移温度Tgが50〜75℃、且つ重量平均分子量Mwが1,000〜7,000である場合に、各結果に不具合が生じないことを確認した。
これに対して、離型剤分散助剤のTgが50℃よりも低い場合、または75℃よりも高い場合は、共に、デベモコ現象およびキャリアに離型剤が付着する現象が認められた。
また、離型剤分散助剤のMwが1000未満である場合、または7000を超える場合は、共に、離型剤の分散が悪化し、デベモコ現象およびキャリアに離型剤が付着する現象が認められた。
〔実施例8〕
トナーの一次粒子の体積平均粒子径を6.5μmとした以外は、実施例1のトナーと同じ方法で実施例8のトナーを作製した。
〔実施例9〕
トナーの一次粒子の体積平均粒子径を6.8μmとした以外は、実施例1のトナーと同じ方法で実施例9のトナーを作製した。
〔比較例9〕
トナーの一次粒子の体積平均粒子径を6.0μmとした以外は、実施例1のトナーと同じ方法で比較例9のトナーを作製した。
〔比較例10〕
トナーの一次粒子の体積平均粒子径を7.3μmとした以外は、実施例1のトナーと同じ方法で比較例10のトナーを作製した。
実施例8および9、比較例9および10のトナーのデベモコおよび細線再現性を、それぞれ評価した。この結果、一次粒子の体積平均粒子径が6.5μmである実施例8のトナー、および一次粒子の体積平均粒子径が6.8μmである実施例9のトナーに関しては、デベモコおよび細線再に関して不具合が認められなかった。一方、一次粒子の体積平均粒子径が6.0μmである比較例9のトナーではデベモコ現象が発生し、一次粒子の体積平均粒子径が7.3μmである比較例10のトナーでは細線再現性など画像評価に不具合が認められた。
〔実施例10〕
実施例1のトナーを使用し、現像装置のプロセススピード(現像装置の現像ローラの周速)を200mm/sec、250mm/sec、350mm/sec、または550mm/secに変えて、デベモコ評価、画像評価(耐久試験)、定着試験を行った。
その結果、プロセススピードが250mm/secおよび350mm/secの場合は、デベモコ評価、画像評価(耐久試験)、定着試験において不具合は認められなかった。一方、プロセススピードが200mm/secの場合は、デベモコ現象は認められなかった。また、プロセススピードが550mm/secの場合は、デベモコ現象が発生し、定着の高温オフセットが認められた。
なお、プロセススピードが200mm/secの場合は、トナーが離型剤分散助剤を含まない場合であっても、デベモコ現象は認められなかった。また、プロセススピードが550mm/secの場合は、トナーにおける離型剤分散助剤の含有量を増減させて離型剤の平均分散径をさらに制御したとしても、デベモコ現象が発生し、定着のホットオフセットが認められた。
本発明に係るトナーは、高温低湿環境下においてもデベモコ現象を発生することなく、良好な定着性を実現し得るので、当該トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像を行う現像装置を備えた各種画像形成装置に適用可能である。
2 現像装置
3 感光体(像担持体)
30 定着ユニット(定着装置)
34 定着ベルト(無端状の定着ベルト)
112 第1攪拌部材(攪拌部材)
113 第2攪拌部材(攪拌部材)
114 現像ローラ
100 画像形成装置

Claims (10)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤および離型剤分散助剤を含有している静電荷像現像用トナーであって、
    当該トナーは、ガラス転移温度Tgが50〜70℃、且つ重量平均分子量Mwが27,000〜100,000であり、
    上記離型剤分散助剤は、ポリオレフィン部とビニルポリマー部とを有している共重合体であることを特徴とするトナー。
  2. 上記離型剤は、上記結着樹脂100重量部に対して、3.5〜6.0重量部含有され、
    上記離型剤分散助剤は、上記離型剤10重量部に対して、3.0〜7.0重量部含有され、
    上記離型剤の平均分散径は、0.1μm〜1.0μmであることを特徴とする、請求項1に記載のトナー。
  3. 上記離型剤分散助剤は、ガラス転移温度Tgが50〜75℃、且つ重量平均分子量Mwが1,000〜7,000であることを特徴とする、請求項1または2に記載のトナー。
  4. 一次粒子の体積平均粒子径が、6.2μm〜7.0μmであることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載のトナー。
  5. 周速220mm/sec〜400mm/secで回転する撹拌部材によってトナーを含む現像剤を攪拌し、周速235.5mm/sec〜392.5mm/secで回転する現像ローラによって像担持体の表面に形成された静電潜像に上記トナーを供給してトナー像を形成する現像装置を備えている画像形成装置において用いられること特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載のトナー。
  6. トナー像が形成された記録材に、加熱した無端状の定着ベルトの外周面を圧接させることによって未定着の上記トナー像を上記記録材上に定着させるベルト定着方式の定着装置を備えている画像形成装置において用いられることを特徴とする、請求項5に記載のトナー。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載のトナーを用いて画像を形成することを特徴とする、画像形成装置。
  8. 周速220mm/sec〜400mm/secで回転する撹拌部材によって上記トナーを含む現像剤を攪拌し、周速235.5mm/sec〜392.5mm/secで回転する現像ローラによって像担持体表面に形成された静電潜像に上記トナーを供給してトナー像を形成する現像装置を備えていることを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置。
  9. トナー像が形成された記録材に、加熱した無端状の定着ベルトの外周面を圧接させることによって上記トナー像を上記記録材上に定着させるベルト定着方式の定着装置を備えていることを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 請求項7から9の何れか1項に記載の画像形成装置を用いて画像を形成することを特徴とする、画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015025888A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 シャープ株式会社 電子写真用トナー、二成分現像剤及びそれを用いた画像形成装置

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