JP2013178405A - 電子写真用トナー、画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温で定着処理を行っても、梨地ムラなどの画像表面の荒れやグロス低下を抑制する。
【解決手段】ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、ガラス転移温度が50℃〜70℃であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μmであり、体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μmであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布を測定した場合、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15〜20%になるトナーを用いて画像形成を行う。
【選択図】なし
【解決手段】ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、ガラス転移温度が50℃〜70℃であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μmであり、体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μmであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布を測定した場合、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15〜20%になるトナーを用いて画像形成を行う。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成装置において静電潜像を現像するために使用するトナーに関する。
近年、電子写真法による画像形成技術においては、カラー化、高画質化、高速化が要望されている。それに伴いトナーのカラー化、小粒径化および低温定着性・耐高温オフセット性の確立などの技術開発が進められている。トナーの低温定着性の改善を図るためポリエステル樹脂と低融点離型剤とを併用する技術や結晶性ポリエステル樹脂を使用するトナーや分子量を規定するトナーなどが検討されている。
耐高温オフセット性の実現のためには、トナーの分子量を規定することは有用である。しかしながら、トナーの分子量を規定するだけでは、低温定着性に問題が生じやすく、低温定着性と耐高温オフセット性との両立が困難であった。これに対し、特許文献1には、数平均分子量が2500ないし5000であり、重量平均分子量が8000ないし35000であり、軟化点が110ないし130℃であり、ガラス転移温度が60ないし75℃であり、特定のジオール成分を多価アルコール成分として含有するポリエステル樹脂を結着樹脂として含有するトナーが示されている。特許文献1には、このトナーにより、画像強度、光沢性、低温定着性のバランスに優れた定着トナー像をコスト面等観点から有効に形成できると記載されている。
また、特許文献2には、定着部材(定着ローラ)をトナーの極性と同極の電荷で帯電させることにより、高温時における用紙剥離性能(オフセット性)を改善する事が提案されている。
特許文献2のように、定着部材(定着ローラ)をトナーの極性と同極の電荷で帯電させる場合、高温時における用紙剥離性能を改善できるものの、高温時においては、トナーの粘弾性が低下することによってトナーの凝集力が低下するため、梨地ムラなど画像表面の荒れやグロス低下が起こりやすくなるという問題が生じる。しかし、特許文献2には前記問題について何ら記載されておらず、特許文献2の構成では前記問題の抑制力も不明である。また、特許文献1においても前記問題について何ら記載されておらず、特許文献1に示されるトナーの前記問題の抑制力も不明である。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、高温で定着処理を行っても梨地ムラなどの画像表面の荒れやグロス低下を抑制可能な電子写真用トナーを提供することである。
前記の課題を解決するために、本発明は、少なくともポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、および離型剤を含む電子写真用トナーであって、前記ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、前記トナーのガラス転移温度が50℃〜70℃であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μmであり、前記トナーの体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μmであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて計測される分子量分布において、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15%〜20%であることを特徴とする。
本発明のような特性を持つトナーによれば、高温でも粘度の低下を抑制できるため、トナーの凝集力の低下を抑制できる。したがって、本願発明のトナーを、定着部材をトナーの極性と同極の電荷で帯電させる方式の画像形成装置(例えば特許文献2の画像形成装置)に用いれば、高温で定着処理を行っても、用紙剥離性能を維持すると共に、梨地ムラなどの画像表面の荒れやグロス低下を抑制できるという効果を奏する。
また、前記離型剤の添加量が前記ポリエステル樹脂100重量部に対して3.0重量部未満では十分な用紙剥離性が得られず、10.0重量部以上では高温状態での撹拌で現像剤の流動性が極端に低下するという不具合が発生する。前記離型剤の平均分散径についても、0.1μm未満では十分な用紙剥離性が得られず、1.0μm超では高温状態での撹拌で現像剤の流動性が悪化し現像性の低下につながる。これに対し、本発明のトナーによれば、前記ポリエステル樹脂100重量部に対して3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤を添加していることから、離型剤を均一に分散させることができ、離型剤の平均分散径を好適に制御できる(0.1μm〜1.0μm)。その結果、用紙剥離性の劣化抑制、現像剤の流動性低下抑制、高温オフセットの抑制をバランスよく実現できる。
また、前記トナーの体積平均粒子径が6.2μm未満では、高温状態での撹拌で現像剤の流動性が悪化し、用紙の剥離性も悪化し、前記トナーの体積平均粒子径が7.0μm超では梨地ムラなど表面のあれやグロス低下、細線の再現性といった画質の低下が発生する。これに対し、本発明のトナーによれば、前記体積平均粒子径を6.2μm以上としていることから現像剤の流動性の低下を抑制でき、体積平均粒子径を7.0μm以下としていることから細線の再現性をより良好にできる。
また、本発明は、感光体上の静電潜像を電子写真用トナーで顕像化し、得られたトナー像をシートに転写した後、定着装置を用いて前記トナー像を前記シートに定着する画像形成方法であって、前記定着装置は、回転する定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材と、前記定着部材の表面に当接して前記定着部材を加熱するために回転可能に支持されている外部加熱部材と、前記外部加熱部材の表面に当接して前記外部加熱部材の表面に付着した異物を除去するクリーニング部材とを備えており、前記定着部材と前記加圧部材との間に、前記トナー像の形成された前記シートに搬送し、シート上のトナー像を前記定着部材の熱によって前記シートに定着させるようになっており、さらに、前記定着部材の表面は前記トナー像を形成するトナーと同極性に帯電されるようになっており、前記電子写真用トナーは、少なくともポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、および離型剤を含み、前記ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、前記トナーのガラス転移温度が50℃〜70℃であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μmであり、前記トナーの体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μmであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて計測される分子量分布において、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15%〜20%であることを特徴とする。
これにより、高温で定着処理を行っても、用紙剥離性能を維持すると共に、梨地ムラなどの画像表面の荒れやグロス低下を抑制できるという効果を奏する。
さらに、本発明は、感光体と、該感光体上に形成された静電潜像を電子写真用トナーで顕像化してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像をシートに転写する転写装置と、前記シート上のトナー像を定着する定着装置とを備える画像形成装置であって、前記定着装置は、回転する定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材と、前記定着部材の表面に当接して前記定着部材を加熱するために回転可能に支持されている外部加熱部材と、前記外部加熱部材の表面に当接して前記外部加熱部材の表面に付着した異物を除去するクリーニング部材とを備えており、前記定着部材と前記加圧部材との間に、前記トナー像の形成された前記シートに搬送し、シート上のトナー像を前記定着部材の熱によって前記シートに定着させるようになっており、さらに、前記定着部材の表面は前記トナー像を形成するトナーと同極性に帯電されるようになっており、前記電子写真用トナーは、少なくともポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、および離型剤を含み、前記ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、前記トナーのガラス転移温度が50℃〜70℃であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μmであり、前記トナーの体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μmであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて計測される分子量分布において、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15%〜20%であることを特徴とする。
これにより、高温で定着処理を行っても、用紙剥離性能を維持すると共に、梨地ムラなどの画像表面の荒れやグロス低下を抑制できるという効果を奏する。
本発明によれば、高温で定着処理を行っても、用紙剥離性能を維持すると共に、梨地ムラなどの画像表面の荒れやグロス低下を抑制できるという効果を奏する。
〔画像形成装置〕
図1は、本発明の一実施形態の電子写真用トナー(以下、単にトナーと略記する)を用いる画像形成装置の一構成例を示す説明図である。
図1は、本発明の一実施形態の電子写真用トナー(以下、単にトナーと略記する)を用いる画像形成装置の一構成例を示す説明図である。
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置100の概略構成を示す図である。この図に示すように、画像形成装置100は、露光ユニットE、4組の可視画像形成ユニットpa〜pd、中間転写ベルトユニット110、転写装置114、定着装置30、内部給紙ユニット116、および手差し給紙ユニット117を備えている。なお、画像形成装置100に備えられる各部材の動作は、図示しないCPU等からなる主制御部によって制御される。
画像形成装置100は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に対応した4組の可視画像形成ユニットpa〜pdを有している。
可視画像形成ユニットpa〜pdは、基本的に同一の構成を有しており、感光体ドラム(感光体)101と、その周囲に配設された、帯電ユニット103と、現像装置102と、中間転写ローラ106と、クリーナユニット104とを備えている。
なお、可視画像形成ユニットpa〜pdは、各々、現像処理に用いるトナーの色が異なる以外は実質的に同じ構成である。すなわち、各可視画像形成ユニットpa,pb,pc,pdの現像装置には、それぞれブラック,シアン,マゼンタ,イエローのトナーが収容されている。
可視画像形成ユニットpa〜pdの下方に、露光ユニットEが配置され、可視画像形成ユニットpa〜pdの上方に、中間転写ベルトユニット110が配設されている。露光ユニットEが、帯電ユニット103にて帯電された感光体ドラム101の表面を画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム101の表面に静電潜像が形成され、該静電潜像に現像装置102がトナーを供給することでトナー像とする。感光体ドラム101の表面に形成されたトナー像は、可視画像形成ユニットpa〜pdそれぞれの中間転写ローラ106によって、中間転写ベルトユニット110の中間転写ベルト111上に重畳して転写される。
中間転写ベルトユニット110は、中間転写ベルト111と、中間転写ベルト111を張架している駆動ローラ111aおよび従動ローラ111bとを備えている。
中間転写ベルト111を挟んで駆動ローラ111aと対向する位置に、転写装置114が配設されている。中間転写ベルト111上のトナー像は、転写装置114により、給紙カセット16や手差し給紙カセット17より給紙された用紙(シート材)に転写される。さらに、転写装置114よりも用紙の搬送方向の下流側には、定着装置30が配設されており、該定着装置30を通過することで、トナー像が用紙上に固化され定着され、その後、排紙トレイ118上に排出される。
〔定着装置〕
つぎに、図1の画像形成装置に搭載される定着装置を説明する。図2は、図1の画像形成装置に搭載される定着装置の一構成例を示す説明図である。なお、図2の定着装置30の構造は、特許文献2の実施の形態に示されるものと同一である。
つぎに、図1の画像形成装置に搭載される定着装置を説明する。図2は、図1の画像形成装置に搭載される定着装置の一構成例を示す説明図である。なお、図2の定着装置30の構造は、特許文献2の実施の形態に示されるものと同一である。
定着装置30は、図2に示すように、定着ローラ(定着部材)1、加圧ローラ(加圧部材)2、外部加熱ユニット13を備えている。
定着ローラ1は、定着ローラ1内部のヒータランプおよび外部加熱ユニット13によって加熱されるとともに、図2に示したF方向に回転駆動するローラである。加圧ローラ2は、図示しないばね等の加圧補助手段によって定着ローラ1に所定の荷重で圧接されて定着ローラ1との間で定着ニップ部8を形成するとともに、定着ローラ1に従動回転するローラである。また、本実施形態では、加圧ローラ2の内部にもヒータランプが取り付けられており、加圧ローラ2は当該ヒータランプによって加熱されるようになっている。
外部加熱ユニット13は、定着ローラ1の外周面を加熱するためのものであり、加熱ローラ4aおよび4b、外部加熱ベルト(外部加熱部材)3、スクレーパ7、クリーニングパッド12、およびこれら各部材を収容する外部加熱ユニットホルダ11を備えている。
加熱ローラ4aおよび4bは、中空円筒状の芯材であり、内部にヒータランプを備えている。このヒータランプによって加熱ローラ4aおよび4bが加熱され、加熱ローラ4aおよび4bから外部加熱ベルト3に熱が伝達されて外部加熱ベルト3が加熱されるようになっている。
外部加熱ベルト3は、加熱ローラ4aおよび4bに懸架された無端状のベルト部材であり、定着ローラ1の回転方向と逆方向に回転するようになっている。外部加熱ベルト3は、定着ローラ1に所定の荷重で圧接するように設けられている。これにより、定着ローラ1との間に加熱ニップ部(定着ローラ1と外部加熱ベルト3とが互いに当接する部分)10が形成され、加熱ニップ部を介して外部加熱ベルト3から定着ローラ1に伝熱され、定着ローラ1が加熱されるようになっている。
また、スクレーパ(クリーニング部材)7は、定着ローラ1から外部加熱ベルト3に移行したトナーや紙粉等の汚れを除去して外部加熱ベルト3の外周面をクリーニングするためのものであり、クリーニングパッド(クリーニング部材)12はスクレーパ7をすり抜けた外部加熱ベルト3上のトナーや紙紛等を回収するためのものである。
つまり、図2に示すように、定着ローラ1が用紙9における未定着トナーが形成された面に当接するため、用紙9上のトナーや紙粉等の汚れが定着ローラ1に付着し、定着ローラ1に付着したトナーや紙粉等の汚れは、定着ローラ1と外部加熱ベルト3との当接部において外部加熱ベルト3に付着する。スクレーパ7およびクリーニングパッド12は、このようにして外部加熱ベルト3に付着したトナーや紙粉等の汚れを掻き取って取り除くものである。
また、本実施形態では、定着ローラ1の表面をトナーと同極性(本実施形態ではマイナス)に帯電するようになっている。この理由を以下に説明する。前述したように、本実施形態では、スクレーパ7およびクリーニングパッド12を取り付けることで外部加熱ベルト3上のトナーや紙紛等を除去しているが、スクレーパ7およびクリーニングパッド12は図2に示すように外部加熱ベルト3に当接しているため、スクレーパ7およびクリーニングパッド12によって外部加熱ベルト3が削り取られることによって発生した異物(物質)が定着ローラ1に付着し、これが原因で定着ローラ1の離型性が低下し、用紙の剥離性が低下するおそれがある。そこで、スクレーパ7およびクリーニングパッド12を取り付けるようになっていても、定着ローラ1の表面をトナーと同極性に帯電することで、定着ローラ1の表面とトナーとの間で静電的な反発力を生じさせ、用紙の剥離性の低下を抑制しているのである。
定着ローラ1の表面をトナーと同極性に帯電する手法を以下に説明する。例えば、外部加熱ベルト3の表面が、クリーニングパッド12との摺擦により、トナーと同極性に帯電する材料で構成されていれば、外部加熱ベルト3はトナーと同極性に帯電し、外部加熱ベルト3に圧接した定着ローラ1の表面もトナーと同極性に帯電する。これは、例えば、クリーニングパッド12がガラス繊維で形成されており、外部加熱ベルト3の表層がPFAチューブであると、両者の摩擦で外部加熱ベルト3の表面がマイナスに帯電する。もちろん、これら材料は単なる例示である。
また、例えば、定着装置30が、外部加熱ベルト3にトナーと同極性の電圧を印加する電圧印加手段を備えていると、この電圧印加手段の印加により外部加熱ベルト3がトナーと同極性に帯電し、外部加熱ベルト3と圧接した定着ローラの表面もトナーと同極性に帯電する。この電圧印加手段として、例えば、図2に示すように、スクレーパ7に接続される高圧電源HVが挙げられる。この高圧電源HVから金属製(例えばステンレス)のスクレーパに電圧(後述の実施例では1000V)が印加される。
〔トナー〕
以下に、本発明の電子写真用トナーについて説明する。本発明のトナーは、少なくともポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、および離型剤を含み、前記ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、前記トナーのガラス転移温度が50℃〜70℃(50℃以上70℃以下)であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μm(0.1μm以上1.0μm以下)であり、前記トナーの体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μm(6.2μm以上7.0μm以下)であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて計測される分子量分布において、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15%〜20%(15%以上20%以下)である。
以下に、本発明の電子写真用トナーについて説明する。本発明のトナーは、少なくともポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、および離型剤を含み、前記ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、前記トナーのガラス転移温度が50℃〜70℃(50℃以上70℃以下)であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μm(0.1μm以上1.0μm以下)であり、前記トナーの体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μm(6.2μm以上7.0μm以下)であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて計測される分子量分布において、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15%〜20%(15%以上20%以下)である。
このような特性を持つトナーによれば、高温でも粘度の低下を抑制できるため、トナーの凝集力の低下を抑制できる。したがって、本願発明のトナーを、定着部材(定着ローラ)をトナーの極性と同極の電荷で帯電させる方式の定着装置(図2)に用いれば、高温で定着処理を行っても、用紙剥離性能を維持すると共に、梨地ムラなどの画像表面の荒れやグロス低下を抑制できるという効果を奏する。
以下に、本発明のトナーの構成およびその製造方法を例示する。本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤を含むものである。さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、導電性調整剤、体質顔料、酸化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
(結着樹脂)
本発明のトナーにおける結着樹脂としては、ポリエステル樹脂を好適に用いることができる。ポリエステル樹脂は、通常、2価のアルコール成分および3価以上の多価アルコール成分から選ばれる1種以上と、2価のカルボン酸および3価以上の多価カルボン酸から選ばれる1種以上とを、公知の方法により縮重合反応もしくはエステル化、エステル交換反応により得られる。
本発明のトナーにおける結着樹脂としては、ポリエステル樹脂を好適に用いることができる。ポリエステル樹脂は、通常、2価のアルコール成分および3価以上の多価アルコール成分から選ばれる1種以上と、2価のカルボン酸および3価以上の多価カルボン酸から選ばれる1種以上とを、公知の方法により縮重合反応もしくはエステル化、エステル交換反応により得られる。
縮重合反応における条件は、モノマー成分の反応性により適宜設定すればよく、また重合体が好適な物性になった時点で反応を終了させればよい。例えば、反応温度は170〜250℃程度、反応圧力は5mmHg〜常圧程度である。
2価のアルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオール類;ビスフェノールA;ビスフェノールAのプロピレン付加物;ビスフェノールAのエチレン付加物;水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
3価以上の多価アルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、スクロース(蔗糖)、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。
本発明のトナーにおいては、上記の2価のアルコール成分および3価以上の多価アルコール成分の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
2価のカルボン酸として、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸およびこれらの酸無水物もしくは低級アルキルエステルなどが挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸およびこれらの酸無水物もしくは低級アルキルエステルなどが挙げられる。
本発明のトナーにおいては、上記の2価のカルボン酸および3価以上の多価カルボン酸の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(離型剤)
本発明に係るトナーにおいて、離型剤としては、オフセット性を向上させるものであれば特に制限されるものではなく、電子写真分野で常用される離型剤を使用することができる。
本発明に係るトナーにおいて、離型剤としては、オフセット性を向上させるものであれば特に制限されるものではなく、電子写真分野で常用される離型剤を使用することができる。
このような、離型剤としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン−ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系ワックス、アルコール変性炭化水素ワックス、エステルワックス、カルナウバワックス、アミド系ワックス等を挙げることができる。離型剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
また、トナーにおける離型剤の平均分散径は、0.1μm〜1.0μmであることが好ましく、0.3μm〜0.9μmであることがより好ましく、0.3μm〜0.5μmであることが最も好ましい。離型剤の平均分散径を以上のように設定することにより、現像剤の流動性低下の抑制と、キャリア汚染の抑制と、良好な定着性(剥離性)の確保とをバランスよく実現できるためである。
具体的には、トナーの離型剤の平均分散径が大きすぎると、トナーから離脱した離型剤がキャリアに付着することにより、現像剤の流動性が低下して、デベモコ現象が生じるおそれがある。また、キャリア汚染が生じるおそれがある。そして、トナーにおける離型剤の平均分散径が小さい方が現像剤の流動性の低下(つまりデベモコ現象の発生)やキャリア汚染を抑制できる。
これに対し、トナーにおける離型剤の平均分散径がある程度の大きさを有していない場合、定着の際にトナーを溶解したときに、離型剤が表面に染み出さず、剥離効果が発揮されないおそれがあるため、トレードオフとなる。この点、離型剤の平均分散径が0.1μm〜1.0μmであれば、高温低湿下での現像剤の流動性維持およびキャリア汚染の抑制と良好な定着性(剥離性)とをバランスよく実現できるのである。なお、より好ましくは0.3μm〜0.9μmであり、最も好ましいのは0.3μm〜0.5μmである。
また、離型剤の含有量がポリエステル樹脂100重量部に対して3.0重量部未満であると、離型性を充分に発揮することができず、高温オフセット(高温時の用紙剥離性低下)が発生するおそれがある。また、離型剤が10.0重量部以上になると、デベモコ現象が生じるおそれがある。さらに、離型剤がトナーから離脱して、キャリアを汚染するおそれがある。
これに対し、離型剤の含有量を、ポリエステル樹脂100重量部に対して3.0重量部以上且つ10重量部未満にすることによって、ポリエステル樹脂中に離型剤を均一に分散させることができ、トナー中の離型剤の平均分散径を好適に制御することができるため、デベモコ現象の発生、高温オフセットの発生、および離型剤によるキャリアの汚染を効率よく防止することができる。
(着色剤)
本発明に係るトナーにおいて、着色剤としては、特に限定されるものではなく、電子写真分野で常用されるトナー用の顔料および染料を用いることができる。このような顔料としては、例えば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料等の有機系顔料、カーボンブラック、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルー等の無機系顔料等を挙げることができる。また、染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キレート染料、スクアリリウム染料等を挙げることができる。
本発明に係るトナーにおいて、着色剤としては、特に限定されるものではなく、電子写真分野で常用されるトナー用の顔料および染料を用いることができる。このような顔料としては、例えば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料等の有機系顔料、カーボンブラック、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルー等の無機系顔料等を挙げることができる。また、染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キレート染料、スクアリリウム染料等を挙げることができる。
これらの着色剤は、1種を単独で用いてもよく、同色系の複数の着色剤を2種以上併用することもできる。着色剤の含有量は、特に制限されるものではないが、通常、ポリエステル樹脂100重量部に対して3.0重量部〜9.0重量部である。
(帯電制御剤)
本発明に係るトナーにおいて、帯電制御剤としては、トナーを帯電させるまたはその帯電をコントロールできるものであれば特に制限されるものではなく、電子写真分野で常用される帯電制御剤を使用することができる。一般的には、例えば、ホウ素化合物、ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン誘導体、サリチル酸亜鉛錯体、ナフトール酸亜鉛錯体、ベンジル酸誘導体の金属酸化物等が挙げられる。これらの帯電制御剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。電荷制御剤の含有量は、特に制限されるものではないが、通常、ポリエステル樹脂100重量部に対して0.5重量部〜2.0重量部である。
本発明に係るトナーにおいて、帯電制御剤としては、トナーを帯電させるまたはその帯電をコントロールできるものであれば特に制限されるものではなく、電子写真分野で常用される帯電制御剤を使用することができる。一般的には、例えば、ホウ素化合物、ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン誘導体、サリチル酸亜鉛錯体、ナフトール酸亜鉛錯体、ベンジル酸誘導体の金属酸化物等が挙げられる。これらの帯電制御剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。電荷制御剤の含有量は、特に制限されるものではないが、通常、ポリエステル樹脂100重量部に対して0.5重量部〜2.0重量部である。
(トナーの製造方法)
以下、トナー製造方法を説明する。本発明のトナーは、従来公知のトナーの方法に従って製造できる。例えば、粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法等を挙げることができる。
以下、トナー製造方法を説明する。本発明のトナーは、従来公知のトナーの方法に従って製造できる。例えば、粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法等を挙げることができる。
粉砕法は、着色剤、離型剤等を、ポリエステル樹脂と溶融混練して粉砕することによってトナーを製造する方法である。懸濁重合法は、ポリエステル樹脂のモノマー、着色剤、離型剤等を均一に分散させた後、ポリエステル樹脂のモノマーを重合させることによってトナーを製造する方法である。乳化凝集法は、ポリエステル樹脂粒子、着色剤、離型剤等を凝集剤によって凝集させ、得られる凝集物の微粒子を加熱することによってトナーを製造する方法である。
以上のようにして製造されたトナー粒子は、そのままトナーとして用いてもよいし、外添剤を外添したものをトナーとして用いてもよい。外添剤を外添することによって、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善、感光体表面磨耗特性制御の効果を得ることができる。
外添剤としては、たとえば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末およびアルミナ微粉末等を挙げることができる。外添剤は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
外添剤の添加量としては、トナーに必要な帯電量、外添剤を添加することによる感光体の摩耗に対する影響およびトナーの環境特性等を考慮して、トナー粒子100重量部に対し0.1重量部〜2.0重量部が好適である。
また、本発明のトナーは、二成分現像剤として使用することができる。二成分現像剤として使用する場合は、本発明のトナーをキャリアとともに用いる。
(キャリア)
本発明のトナーを含む二成分現像剤に含有するキャリアとしては、公知のものを使用できる。例えば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム等からなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、または、樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリア等を挙げることができる。
本発明のトナーを含む二成分現像剤に含有するキャリアとしては、公知のものを使用できる。例えば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム等からなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、または、樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリア等を挙げることができる。
上記の被覆物質としては、公知のものを使用できる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末等を挙げることができる。また、樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としては特に制限されないが、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂等を挙げることができる。いずれも、トナー成分に応じて選択することが好ましく、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。また、キャリアの体積平均粒子径は特に制限されないが、高画質化を考慮すると、好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは20μm〜50μmである。さらに、キャリアの体積抵抗率は、108Ω・cm以上が好ましく、1012Ω・cm以上がより好ましい。
キャリアの体積抵抗率は、キャリア粒子を断面積0.50cm2の容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cm2の荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値から得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアが帯電し、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。キャリアの飽和磁化は、40emu/g以上80emu/g以下が好ましい。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できる。例えば、樹脂被覆キャリア(密度5g/cm2〜8g/cm2)と混合する場合、トナーが全現像剤量100重量部に対して2〜30重量部、好ましくは2〜20重量部含まれるようにすればよい。また、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。
以下に実施例および比較例に基づいて本発明を説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。まず、実施例1、実施例2、および比較例1〜6のトナーを以下のようにして作成した。
〔実施例1〕
以下に記載するトナー材料をヘンシェルミキサにて10分間混合した後、得られた混合物を、混練分散処理装置(三井鉱山株式会社製:ニーディックスMOS140−800)を用いて溶融混練分散処理した。
以下に記載するトナー材料をヘンシェルミキサにて10分間混合した後、得られた混合物を、混練分散処理装置(三井鉱山株式会社製:ニーディックスMOS140−800)を用いて溶融混練分散処理した。
<トナー材料>
ポリエステル樹脂(花王社製H710、花王社製ST25、花王社製L4−S1の混合物):100重量部
着色剤(山陽色素社製:Colortex BLUE1220):7.3重量部
帯電制御剤(Hubei Dinglong Chemical社製、DL−N31):1.15重量部
離型剤(日本精蝋社製、HPN−10PD):4.5重量部
つぎに、その混練物をカッティングミルで粗粉砕した後、ジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製:IDS−2型)によって微粉砕し、微粉砕後、風力分級機(日本ニューマチック工業株式会社製:MP−250型)を用いて分級を行うことによって着色樹脂粒子を得た。
ポリエステル樹脂(花王社製H710、花王社製ST25、花王社製L4−S1の混合物):100重量部
着色剤(山陽色素社製:Colortex BLUE1220):7.3重量部
帯電制御剤(Hubei Dinglong Chemical社製、DL−N31):1.15重量部
離型剤(日本精蝋社製、HPN−10PD):4.5重量部
つぎに、その混練物をカッティングミルで粗粉砕した後、ジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製:IDS−2型)によって微粉砕し、微粉砕後、風力分級機(日本ニューマチック工業株式会社製:MP−250型)を用いて分級を行うことによって着色樹脂粒子を得た。
つぎに、得られた着色樹脂粒子100重量部に、外添剤としてシリカを1.9重量部添加し、攪拌羽根の先端速度を15m/秒に設定した気流混合機(三井鉱山社製:ヘンシェルミキサ)で2分間攪拌することによって実施例1のトナーを作製した。
〔実施例2〕
花王社製ST25の代わりに花王社製ST20を使用した以外は実施例1のトナーと同じ方法で実施例2のトナーを作製した。
花王社製ST25の代わりに花王社製ST20を使用した以外は実施例1のトナーと同じ方法で実施例2のトナーを作製した。
〔比較例1〕
実施例1のトナーと同じ材料を用いてヘンシェルミキサにて10分間混合して混合物を得た。その後、後述する分子量分布において分子量が100000〜5000000の範囲の面積(積分値)が分布全体の面積(積分値)の15%未満になるように、前記の混合物を混練分散処理装置(三井鉱山株式会社製:ニーディックスMOS140−800)を用いて溶融混練分散処理することで、比較例1のトナーを作製した。
実施例1のトナーと同じ材料を用いてヘンシェルミキサにて10分間混合して混合物を得た。その後、後述する分子量分布において分子量が100000〜5000000の範囲の面積(積分値)が分布全体の面積(積分値)の15%未満になるように、前記の混合物を混練分散処理装置(三井鉱山株式会社製:ニーディックスMOS140−800)を用いて溶融混練分散処理することで、比較例1のトナーを作製した。
〔比較例2〕
実施例1のトナーと同じ材料を用いてヘンシェルミキサにて10分間混合して混合物を得た。その後、後述する分子量分布において分子量が100000〜5000000の範囲の面積が分布全体の面積の25%以上になるように、前記の混合物を混練分散処理装置(三井鉱山株式会社製:ニーディックスMOS140−800)を用いて溶融混練分散処理することで、比較例2のトナーを作製した。
実施例1のトナーと同じ材料を用いてヘンシェルミキサにて10分間混合して混合物を得た。その後、後述する分子量分布において分子量が100000〜5000000の範囲の面積が分布全体の面積の25%以上になるように、前記の混合物を混練分散処理装置(三井鉱山株式会社製:ニーディックスMOS140−800)を用いて溶融混練分散処理することで、比較例2のトナーを作製した。
〔比較例3〕
離型剤(剥離剤)の混合量を10重量部にした以外は実施例1のトナーと同じ方法で比較例3のトナーを作製した。
離型剤(剥離剤)の混合量を10重量部にした以外は実施例1のトナーと同じ方法で比較例3のトナーを作製した。
〔比較例4〕
離型剤(剥離剤)の混合量を0.1重量部にした以外は実施例1のトナーと同じ方法で、比較例4のトナーを作製した。
離型剤(剥離剤)の混合量を0.1重量部にした以外は実施例1のトナーと同じ方法で、比較例4のトナーを作製した。
〔比較例5〕
体積平均粒子径を6.0μmとした以外は実施例1のトナーと同じ手法で比較例5のトナーを作成した。なお、粉砕条件を異ならせることで体積平均粒子径を変えることができる。
体積平均粒子径を6.0μmとした以外は実施例1のトナーと同じ手法で比較例5のトナーを作成した。なお、粉砕条件を異ならせることで体積平均粒子径を変えることができる。
〔比較例6〕
体積平均粒子径を7.3μmとした以外は実施例1のトナーと同じ手法で比較例6のトナーを作成した。
体積平均粒子径を7.3μmとした以外は実施例1のトナーと同じ手法で比較例6のトナーを作成した。
以上にて示した実施例1、実施例2、および比較例1〜6の各々について、ガラス転移温度、体積平均粒子径、離型剤の平均分散径を求めた。
また、実施例1、実施例2、および比較例1〜6の各々について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布を求め、前記分子量分布においてトップピークを示す分子量と、前記分子量分布において分布範囲全体の面積(全分布面積)に占める分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積の割合とを求めた。
以下、ガラス転移温度、分子量分布、体積平均粒子径、離型剤の平均分散径の測定方法を説明する。
<トナーのガラス転移温度(Tg)>
示差走査熱量計(株式会社リガク製、DSC8230)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度10℃/分で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
示差走査熱量計(株式会社リガク製、DSC8230)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度10℃/分で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
<分子量分布>
以下に示すようにゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって分子量分布を示すチャートを得た。
以下に示すようにゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって分子量分布を示すチャートを得た。
(1)試料溶液の調製
濃度が30mg/10mlになるようにトナーをテトラヒドロフラン中に溶解した。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業株式会社製、FP−200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
濃度が30mg/10mlになるようにトナーをテトラヒドロフラン中に溶解した。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業株式会社製、FP−200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2)分子量分布測定
下記の測定装置(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)と分析カラムとを用い、溶解液としてテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定化させた。そこに試料溶液100μlを注入して分子量分布のチャートを得た。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いた。
測定装置 :GPC−104(昭和電工株式会社製)
ここで得られる分子量分布は、図4に示すように、横軸が分子量であり、縦軸が分布の面積百分率になっている。そして、当該分子量分布において、トップピークを示す分子量と、分布範囲全体の面積に占める、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積の割合とを求めた。
下記の測定装置(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)と分析カラムとを用い、溶解液としてテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定化させた。そこに試料溶液100μlを注入して分子量分布のチャートを得た。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いた。
測定装置 :GPC−104(昭和電工株式会社製)
ここで得られる分子量分布は、図4に示すように、横軸が分子量であり、縦軸が分布の面積百分率になっている。そして、当該分子量分布において、トップピークを示す分子量と、分布範囲全体の面積に占める、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積の割合とを求めた。
つまり、図4に示す分子量分布において、トップピークを示す分子量とは、面積百分率が最高値になる分子量を指す。また、図4に示す分子量分布において、分布範囲全体の面積とは、全ての分布範囲の積算値(積分値)を指す。また、図4に示す分子量分布において、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積とは、分子量が100000〜5000000の分布範囲の積算値(積分値)を指す。
<トナーの体積平均粒子径>
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用いて、超音波周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料を調製した。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用いて、超音波周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料を調製した。
この測定用試料について、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製、Multisizer3)を用い、アパーチャ径20μm、測定粒子数50,000カウントの条件下に測定を行ない、試料粒子の体積粒度分布からトナーの一次粒子の体積平均粒子径を求めた。
<離型剤の平均分散径>
混練工程後に粗砕したフレーク粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂に包埋して得られた固化物を、ダイヤモンド歯を備えるミクロトームを用い、約100μm厚みに超薄切片化し、四酸化ルテニウムによって染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM、商品名:H−8100、株式会社日立製作所社製)によって20000倍でトナーの断面観察を行った。この断面観察において、ワックスドメインの分散状態および最長径を確認した。1つのフレーク粒子につき100個のワックスドメインの最長径を測定し、さらにフレーク粒子10個について測定したワックスドメインの最長径の個数平均値を、離型剤の平均分散径とした。
混練工程後に粗砕したフレーク粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂に包埋して得られた固化物を、ダイヤモンド歯を備えるミクロトームを用い、約100μm厚みに超薄切片化し、四酸化ルテニウムによって染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM、商品名:H−8100、株式会社日立製作所社製)によって20000倍でトナーの断面観察を行った。この断面観察において、ワックスドメインの分散状態および最長径を確認した。1つのフレーク粒子につき100個のワックスドメインの最長径を測定し、さらにフレーク粒子10個について測定したワックスドメインの最長径の個数平均値を、離型剤の平均分散径とした。
以上のようにして測定した結果を表1と図4とに示す。表1は、ガラス転移温度と、体積平均粒子径と、離型剤の平均分散径と、分子量分布においてトップピークを示す分子量と、分布範囲全体の面積に占める、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積の割合とを示したものである。図4は、分子量分布を示したチャートである。なお、図4において、実施例1、比較例5、比較例6は、粉砕条件が異なるのみであり、同じ混練物を使用しているため、分子量分布が同じになる。
そして、以上のような物性を示す実施例1、実施例2、および比較例1〜6の各々について、グロス、高温オフセット性(耐高温オフセット性)、現像剤流動性、画質の評価を行った。以下では、まず、これら評価項目の評価手法を説明する。
<グロスおよび高温オフセット性>
以下の方法にてトナーのグロスおよび高温オフセット性を評価した。定着スピード:325mm/s、トナー付着量:0.45mg/cm2の定着条件で、定着ローラの表面温度(定着温度)を170℃〜260℃の範囲にて5℃刻みで変更して定着を行った。そして、各定着温度においてグロスと高温オフセットとを判定した。
以下の方法にてトナーのグロスおよび高温オフセット性を評価した。定着スピード:325mm/s、トナー付着量:0.45mg/cm2の定着条件で、定着ローラの表面温度(定着温度)を170℃〜260℃の範囲にて5℃刻みで変更して定着を行った。そして、各定着温度においてグロスと高温オフセットとを判定した。
グロスは、光沢度計(日光電色工業株式会社製、Gloss Meter VG2000)を使用し、単色のベタ画像を測定し、光沢度が20以上を可と判定した。グロスが20未満となる定着温度(すなわち、光沢度が不可と判定される温度)が215℃以上である場合を良(○)と判定し、210℃以上である場合を可(△)と判定し、210℃未満である場合を不可(×)とした。
また、高温オフセット性は目視で判断し、オフセットが発生しない定着温度が215℃以上である場合を良(○)と判定し、210℃以上である場合を可(△)と判定し、210℃未満である場合を不可(×)とした。
<現像剤流動性>
以下の方法にて現像剤流動性を評価した。
以下の方法にて現像剤流動性を評価した。
(二成分現像剤の作成)
トナーとキャリアとを混合することで二成分現像剤を作成した。キャリアはフェライト系のコアを使用し、表面に熱硬化ストレートシリコン樹脂の被覆層を設けた40μmの体積平均粒子径のものを使用した。各実施例または各比較例毎に、トナー12重量部に対して、キャリアを100重量部加えて、V型混合機(トクジュ社製、WELL MIX BLENDER)に投入し、40分間撹拌混合することにより二成分現像剤を作製した。
トナーとキャリアとを混合することで二成分現像剤を作成した。キャリアはフェライト系のコアを使用し、表面に熱硬化ストレートシリコン樹脂の被覆層を設けた40μmの体積平均粒子径のものを使用した。各実施例または各比較例毎に、トナー12重量部に対して、キャリアを100重量部加えて、V型混合機(トクジュ社製、WELL MIX BLENDER)に投入し、40分間撹拌混合することにより二成分現像剤を作製した。
(現像剤流動性試験)
図3に示す現像装置200に備えられている現像槽300を試験用現像槽として現像剤流動性試験(デベモコ試験)に利用する。前記の試験用現像槽に二成分現像剤を投入し、試験用現像槽を高温槽に入れ、高温槽内にて試験用現像槽の空転を行った(空転条件:2時間、T/D=11%、回転数370rpm、温度52.5℃、湿度10%)。そして、試験用現像槽の底部に予め蓋付きの穴を形成しておき、空転前後に現像槽の前記の穴から二成分現像剤を落下させ、(空転後落下量)/(空転前落下量)を測定した。判定は、(空転後落下量)/(空転前落下量)が50%以上を可(○)とし、これより少ない場合を不可(×)とした。
図3に示す現像装置200に備えられている現像槽300を試験用現像槽として現像剤流動性試験(デベモコ試験)に利用する。前記の試験用現像槽に二成分現像剤を投入し、試験用現像槽を高温槽に入れ、高温槽内にて試験用現像槽の空転を行った(空転条件:2時間、T/D=11%、回転数370rpm、温度52.5℃、湿度10%)。そして、試験用現像槽の底部に予め蓋付きの穴を形成しておき、空転前後に現像槽の前記の穴から二成分現像剤を落下させ、(空転後落下量)/(空転前落下量)を測定した。判定は、(空転後落下量)/(空転前落下量)が50%以上を可(○)とし、これより少ない場合を不可(×)とした。
なお、図3の現像装置200は、あくまで現像剤流動性試験に用いられるものであり、図1の画像形成装置100に搭載されている現像装置とは異なるものである。
<画質評価>
作製した二成分現像剤について、画像形成装置(デジタルフルカラー複合機:MX4500FN、シャープ株式会社製)を用いて画質評価を行った。画像形成装置の現像条件として、感光体の周速を400mm/s、現像ローラの周速を560mm/s、感光体と現像ローラとのギャップを0.5mmに設定し、ベタ画像(100%濃度)における紙上のトナー付着量が0.5mg/cm2、非画像部におけるトナー付着量が最も少なくなる条件に、感光体の表面電位および現像バイアスをそれぞれ調整した。試験は、25℃、湿度50%の環境下で行った。試験紙として、A4サイズ電子写真用紙(マルチレシーバー:シャープドキュメントシステム株式会社製)を使用した。
作製した二成分現像剤について、画像形成装置(デジタルフルカラー複合機:MX4500FN、シャープ株式会社製)を用いて画質評価を行った。画像形成装置の現像条件として、感光体の周速を400mm/s、現像ローラの周速を560mm/s、感光体と現像ローラとのギャップを0.5mmに設定し、ベタ画像(100%濃度)における紙上のトナー付着量が0.5mg/cm2、非画像部におけるトナー付着量が最も少なくなる条件に、感光体の表面電位および現像バイアスをそれぞれ調整した。試験は、25℃、湿度50%の環境下で行った。試験紙として、A4サイズ電子写真用紙(マルチレシーバー:シャープドキュメントシステム株式会社製)を使用した。
そして、紙の上に5%印字となる画像を50K(5万枚)印刷し、50K印刷時のトナー帯電量、カブリ、および細線再現性から、画質評価(可(○)または不可(×))を行った。具体的には以下のように行った。
まず、次の手順によりトナー帯電量の評価を行った。電磁シールドした金属筐体中の金属メッシュ上に所定量の現像剤を乗せ、メッシュの裏側からトナーを吸引する吸引法によってQ=CVをもとめた。Q=CVより、既知のC(測定機中の静電容量C)の両端の起電圧Vを測定することによってQ/M(μc/g)を算出した。そして50K印刷時のQ/Mが20μC/g以上を維持できた場合、トナー帯電量について合格と判定し、それより低い場合、トナー帯電量について不合格と判定した。
また、次の手順によりカブリの評価を行った。日光電色工業株式会社製のカラーメーターを用いて、印刷前の紙の白色度W1および印刷後の紙の非画像部(濃度0%)における白色度W2を測定し、両者の白色度の差(W1−W2)をカブリとして求めた。そして、カブリがモノクロ印刷モードで1.0未満、またはカラー印刷モードで1.5未満であって場合、カブリについて合格とし、それ以外を不合格とした。
細線再現性は、この分野で一般的な日本画像学界標準原稿を用いて評価した。細線再現性は下記の基準により評価した。
優:6本/mm以上
利用可:5.6〜4.5本/mm
不良:4.0本/mm以下
なお、細線再現性が6本/mmとは、1mm幅中に6本(1本幅は約83μm)、5.6本/mmとは、1mm幅中に5.6本(1本幅は約89μm)、4.0本/mmとは、1mm幅中に4本(1本幅は125μm)であることを示している。
利用可:5.6〜4.5本/mm
不良:4.0本/mm以下
なお、細線再現性が6本/mmとは、1mm幅中に6本(1本幅は約83μm)、5.6本/mmとは、1mm幅中に5.6本(1本幅は約89μm)、4.0本/mmとは、1mm幅中に4本(1本幅は125μm)であることを示している。
そして、トナー帯電量およびカブリがいずれも合格であり、且つ、細線再現性が利用可または優である場合、画質評価を可(○)とし、それ以外の場合の画質評価を不可(×))とした。
以上のようにしてグロス、高温オフセット性、現像剤流動性、画質の評価を行った結果を表2に示す。
なお、表2の「総合評価」は下記の基準により評価した。
○(良好):グロス、高温オフセット、現像剤流動性、画質の全ての項目が○の評価である。
×(不良):グロス、高温オフセット、現像剤流動性、画質の項目のうち、少なくとも1つの項目で×がある。
表1および表2に示すように、比較例1のトナーは分子量が100000〜5000000の範囲の面積の割合が少ないため、高温での梨地ムラが発生し、グロスの低下につながり画質が悪化した。
比較例2のトナーは分子量が100000〜5000000の範囲の面積の割合が多いため、トナーが溶けきらずにグロスが低くなり画質が悪化した。
比較例3のトナーは離型剤が多いため、トナー中に十分に分散しておらず、またトナー表面に離型剤が露出し、現像剤の流動性が確保できなかった。
比較例4のトナーは離型剤が少ないため、定着時にトナー表面に剥離剤が十分に溶けださず、高温オフセットが発生した。
比較例5のトナー一次粒子径(体積平均粒子径)が小さいため、トナー表面に剥離剤が露出し、現像剤の流動性が十分に確保できなかった。
比較例6のトナーは一次粒子径が大きいため、定着時にトナー表面に剥離剤が十分に溶けださず、高温オフセットが発生した。
これに対し、実施例1および実施例2のトナーは、梨地ムラ、グロスの低下、高温オフセットが生じず、且つ、良好な現像剤流動性と画質とを確保できた。なお、実施例1および実施例2のトナーは、いずれも、ポリエステル樹脂100重量部に対して3重量部以上且つ10重量部未満の割合で離型剤が添加されており、トナーのガラス転移温度が50℃〜70℃であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μmであり、体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μmであり、前記分子量分布において、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の範囲の分布面積が全分布面積の15〜20%になっている。
また、現像剤流動性に問題のある比較例3は離型剤の平均分散径が1.0μmを超えており、同じく現像剤流動性に問題のある比較例5は体積平均粒子径が6.2μm未満であった。このことから、体積平均粒子径や平均分散径により、現像剤の流動性がある程度決まると考えられる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明のトナーは、電子写真方式の画像形成装置に利用できる。
1 定着ローラ(定着部材)
2 加圧ローラ(加圧部材)
3 外部加熱ベルト(外部加熱部材)
7 スクレーパ(クリーニング部材)
12 クリーニングパッド(クリーニング部材)
30 定着装置
100 画像形成装置
101 感光体ドラム(感光体)
102 現像装置
114 転写装置
2 加圧ローラ(加圧部材)
3 外部加熱ベルト(外部加熱部材)
7 スクレーパ(クリーニング部材)
12 クリーニングパッド(クリーニング部材)
30 定着装置
100 画像形成装置
101 感光体ドラム(感光体)
102 現像装置
114 転写装置
Claims (3)
- 少なくともポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、および離型剤を含む電子写真用トナーであって、
前記ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、
前記トナーのガラス転移温度が50℃〜70℃であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μmであり、前記トナーの体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μmであり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて計測される分子量分布において、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15%〜20%であることを特徴とする電子写真用トナー。 - 感光体上の静電潜像を電子写真用トナーで顕像化し、得られたトナー像をシートに転写した後、定着装置を用いて前記トナー像を前記シートに定着する画像形成方法であって、
前記定着装置は、回転する定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材と、前記定着部材の表面に当接して前記定着部材を加熱するために回転可能に支持されている外部加熱部材と、前記外部加熱部材の表面に当接して前記外部加熱部材の表面に付着した異物を除去するクリーニング部材とを備えており、前記定着部材と前記加圧部材との間に、前記トナー像の形成された前記シートに搬送し、シート上のトナー像を前記定着部材の熱によって前記シートに定着させるようになっており、さらに、前記定着部材の表面は前記トナー像を形成するトナーと同極性に帯電されるようになっており、
前記電子写真用トナーは、
少なくともポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、および離型剤を含み、
前記ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、
前記トナーのガラス転移温度が50℃〜70℃であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μmであり、前記トナーの体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μmであり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて計測される分子量分布において、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15%〜20%であることを特徴とする画像形成方法。 - 感光体と、該感光体上に形成された静電潜像を電子写真用トナーで顕像化してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像をシートに転写する転写装置と、前記シート上のトナー像を定着する定着装置とを備える画像形成装置であって、
前記定着装置は、回転する定着部材と、前記定着部材に圧接する加圧部材と、前記定着部材の表面に当接して前記定着部材を加熱するために回転可能に支持されている外部加熱部材と、前記外部加熱部材の表面に当接して前記外部加熱部材の表面に付着した異物を除去するクリーニング部材とを備えており、前記定着部材と前記加圧部材との間に、前記トナー像の形成された前記シートに搬送し、シート上のトナー像を前記定着部材の熱によって前記シートに定着させるようになっており、さらに、前記定着部材の表面は前記トナー像を形成するトナーと同極性に帯電されるようになっており、
前記電子写真用トナーは、
少なくともポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、および離型剤を含み、
前記ポリエステル樹脂100重量部に対して、3重量部以上且つ10重量部未満の割合で前記離型剤が添加されており、
前記トナーのガラス転移温度が50℃〜70℃であり、前記離型剤の平均分散径は0.1μm〜1.0μmであり、前記トナーの体積平均粒子径が6.2μm〜7.0μmであり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて計測される分子量分布において、分子量が5000〜50000の範囲にトップピークを有し、分子量が100000〜5000000の分布範囲の面積が分布範囲全体の面積の15%〜20%であることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012042503A JP2013178405A (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 電子写真用トナー、画像形成方法、画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2013178405A true JP2013178405A (ja) | 2013-09-09 |
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ID=49270095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012042503A Pending JP2013178405A (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 電子写真用トナー、画像形成方法、画像形成装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013178405A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016090847A (ja) * | 2014-11-06 | 2016-05-23 | 株式会社リコー | トナー、二成分現像剤、及び画像形成装置 |
CN110865526A (zh) * | 2018-08-27 | 2020-03-06 | 富士施乐株式会社 | 图像形成装置 |
-
2012
- 2012-02-28 JP JP2012042503A patent/JP2013178405A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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