JP2013007816A - 赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 - Google Patents

赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、上記問題、状況に鑑みてなされたものであり、その課題は、製造コストが安く、大面積化が可能であり、温度変化に対してひび割れにくい、近赤外線遮蔽フィルムを提供することにある。
【解決手段】基材上に、低屈折率層、高屈折率層を交互に(塗布)積層してなる赤外線遮蔽層が基材上に形成された赤外線遮蔽フィルムにおいて、前記低屈折率層及び高屈折率層の少なくとも一方の層中に、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類、または、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類構造を有する化合物を含有することを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は低コストで大面積化が可能で、光学特性、膜物性に優れた近赤外反射フィルムに関する。
近年、省エネへの関心の高まりから、冷房設備にかかる負荷を減らすために、建物や車両の窓ガラスから太陽光の赤外線の透過を遮断する近赤外反射フィルムの要望が高まってきている。
従来、近赤外反射フィルムとして、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた積層膜を蒸着法、スパッタなどのドライ製膜法で作成する提案がされている。しかし、ドライ製膜法は製造コスト高く、大面積化が困難であり、耐熱性素材に限定される等の課題がある。そこで塗布法で作成する方法として、UV硬化樹脂を用いる方法(特許文献1、2)やTiOゾル/SiOゾルを用いて交互積層する方法(特許文献3)が開示されている。
しかし、UV硬化樹脂を使用する方法では、膜が硬すぎるために柔軟性が悪く、ゾルを用いる方法では、粒子同士の凝集のみで決着しているために膜がもろく、また夏場の車等、過酷な条件で使用された場合には、熱サイクル(昼間の温度と夜の温度の繰り返し)に晒されたり、冬場の結露と乾燥を繰り返すことにより、膜面にひびが生じてしまう。
さらに、高屈折層用の材料や低屈折層用の材料に有機バインダーと金属酸化物を用いると、層間の屈折率差がつくため、より薄い層で赤外線を遮蔽することができるが、有機バインダー(アクリル、PVA、ゼラチン)と金属酸化物とが、線膨張係数が異なるために、有機バインダーと金属酸化物微粒子の間が起点となり、塗膜の割れてしまう問題が生じる。
特開2009−86659号公報 特開2004−125822号公報 特開2003−266577号公報
本発明は、上記問題、状況に鑑みてなされたものであり、その課題は、製造コストが安く、大面積化が可能であり、温度変化に対してひび割れにくい、近赤外線遮蔽フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討し、下記の手段により達成されることを見出した。
1.基材上に、低屈折率層、高屈折率層を交互に(塗布)積層してなる赤外線遮蔽層が基材上に形成された赤外線遮蔽フィルムにおいて、
前記低屈折率層及び高屈折率層の少なくとも一方の層中に、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類、または、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類構造を有する化合物を含有することを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。
2.前記低屈折率層、または前記高屈折率層に金属酸化物を含有することを特徴とする前記1に記載の赤外線遮蔽フィルム。
3.前記糖類が環状構造を有することを特徴とする前記1または2に記載の赤外線遮蔽フィルム。
4.前記金属酸化物の粒子を、前記1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類、または、前記1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類構造を有する化合物の存在下で製造したことを特徴とする前記2に記載の赤外線遮蔽フィルム。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルムを設けたことを特徴とする赤外線遮蔽体。
本発明により、熱サイクル(昼間の温度と夜の温度の繰り返し)に晒されたり、冬場の結露と乾燥を繰り返されても塗膜にわれの生じにくい近赤外線遮蔽フィルムを提供することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、基材上に、低屈折率層、高屈折率層を交互に(塗布)積層してなる赤外線遮蔽層が基材上に形成された赤外線遮蔽フィルムにおいて、前記低屈折率層及び高屈折率層の少なくとも一方の層中に、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類、または、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類構造を有する化合物を含有することを特徴とする。
〈1,4結合による主鎖糖鎖と1,6結合である分岐構造を有する糖類〉
本発明の1,4結合による主鎖糖鎖と1,6結合である分岐構造を有する糖類とは、糖の1,4位のOH同士が脱水し主鎖を形成し、6位のOHに糖鎖が結合したものを指し、また、タマリンドシードガムのように主鎖のグルコースに対して、6位のOH基に他のキシロースが縮合したキシログルカン類、グアガム、タラガム、ローカストビーンガムのように主鎖のマンノースに対して、6位のOH基にガラクトースが縮合したガラクトマンナン類、またデンプンのようにアミロースの連鎖が枝分かれをしているものを、主鎖を選択的に消化する酵素で処理したものを指し、例えばキシログルカンやデンプンのように主鎖がβ−1,4−グルカンである場合には、グリコシド結合を選択的に加水分解する酵素、1,4−α−D−グルカングルコヒドラーゼ、エキソ1,4−α−グルコシダーゼ、γ−アミラーゼ、リソソーマルα−グルコシダーゼあるいはアミログルコシダーゼ等で消化したもの、ガラクトマンナンでは、マンノースを選択的に加水分解するマンノシダーゼにより消化することにより、側鎖を維持した状態で、主鎖の糖の連鎖を100以下に短くさせたものをさす。主鎖の糖の連鎖は好ましくは5以上である。
また、デンプンは、α−1,4−結合とα−1,6構造を有し房状構造が多連つながった非常に長い分子であるために溶解性が低く、溶解状態で放置すると不溶化(老化)したり、溶解状態では高粘度で工業的に取り扱いにくい。そこで、特開平8−134104号記載の方法で、1,4−α−グルカン分枝酵素および4−α−グルカノトランスフェラーゼを澱粉に作用させ環状グルカンを合成、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下、5以上であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である分岐構造を有する糖類および類構造を有する化合物を得る。
(酵素)
本願発明に使用し得る酵素としては、α−1,4−グルコシド結合および少なくとも1個のα−1,6−グルコシド結合を有する糖類に作用して、重合度が50以上であって、環状構造を有するグルカンを形成し得る酵素であれば、いずれをも使用し得る。使用し得る酵素としては、1,4−α−グルカン分枝酵素(枝作り酵素、Q酵素)、4−α−グルカノトランスフェラーゼ(D酵素、アミロマルターゼ、不均化酵素)、サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)等が挙げられるが、これらに限定されない。
(枝作り酵素)
枝づくり酵素は、種々の植物、動物、細菌等の微生物に存在しており、その起源は問わない。反応最適温度が高い点から、好熱性細菌由来の枝作り酵素遺伝子をクローン化した大腸菌から精製された枝作り酵素が、あるいは、大量の酵素が得易い点から、馬鈴薯由来の枝作り酵素が好ましい。
(D酵素)
D酵素としては、種々の植物、あるいは微生物に由来するものが使用され得、市販の酵素も使用され得る。D酵素は最初、馬鈴薯から発見されたが、馬鈴薯以外にも、種々の植物および大腸菌などの微生物に存在することが知られている。この酵素は、植物に由来する場合にはD酵素、微生物に由来する場合にはアミロマルターゼと呼ばれている。従って、D酵素はその起源は問わず、植物由来の酵素をコードする遺伝子を大腸菌などの宿主を用いて発現させたものであっても使用し得る。
(デンプン)
本願発明に使用する原料としては、α−1,4−グルコシド結合および少なくとも1個のα−1,6−グルコシド結合を有する糖類が用いられ得る。このような糖類としては、澱粉、澱粉の部分分解物、アミロペクチン、グリコーゲン、ワキシー澱粉、ハイアミロース澱粉、可溶性澱粉、デキストリン、澱粉加水分解物、ホスホリラーゼによる酵素合成アミロペクチンなどが挙げられる。
具体的には、通常市販されている澱粉であればどのような澱粉でも用いられ得る。例えば、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、くず澱粉、タピオカ澱粉などの地下澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉などの地上澱粉が用いられ得る。
(環状構造を有することの確認)
本願発明の製造方法により得られるグルカンが、内分岐環状構造を有することの確認は、エキソ型のグルコアミラーゼを用いて行い得る。
エキソ型グルコアミラーゼは、澱粉などのグルカンの非還元末端から順次α−1,4−グルコシド結合を加水分解する酵素である。速度は遅いが、非還元末端からα−1,6−グルコシド結合を加水分解し得ることが知られている。環状構造を有しないアミロースおよびアミロペクチンは、エキソ型グルコアミラーゼにより、完全にグルコースにまで分解される。しかし、分子内に環状構造を有するグルカン(少なくとも一つのα−1,6−グルコシド結合を有する環状グルカン、または、α−1,4−グルコシド結合のみを有する環状グルカン)は、その非環状構造部分のみがグルコアミラーゼにより分解され、環状構造部分は、グルコアミラーゼでは分解を受けない物質(以下、グルコアミラーゼ耐性成分という)として残る。
このグルコアミラーゼ耐性成分(環状構造部分)が、内分岐構造(α−1,6−グルコシド結合)を有するか否かは、α−1,6−結合を切断する枝切り酵素に対する感受性によって決定することができる。
内分岐環状構造(α−1,6−グルコシド結合)を有する環状グルカンは、枝きり酵素とグルコアミラーゼの併用で、グルコースにまで完全に分解される。
他方、内分岐環状構造を有しない(α−1,4−グルコシド結合のみを有する)環状構造のグルカンは、枝切り酵素およびエキソ型グルコアミラーゼの併用によって分解されない。この環状グルカンは、エンド型α−アミラーゼとグルコアミラーゼを併用することにより完全にグルコースまで分解され得る。
これらの性質を利用することにより、グルカンの環状構造部分、分岐構造部分、およびα−1,4−グルコシド結合のみを有する環状構造部分を定量することが可能となる。
本願発明のグルカンが、環状構造を有していることは、以下の(1)から(6)の性質で確認され得る。
(1)還元性末端数は、原料(澱粉など)と比較して増加しない。すなわち、還元末端を検出することができない。上記還元末端数の定量は、Hizukuriら、Carbohydr.Res.94:205−213(1981)の改変パークジョンソン法により行い得る。
(2)エキソ型アミラーゼであるグルコアミラーゼを作用させると、グルコアミラーゼ耐性成分が残る。その成分は脱リン酸化酵素(シグマ社)を作用させた後にさらにグルコアミラーゼを作用させても分解されない。
(3)上記グルコアミラーゼ耐性成分は、澱粉中のα−1,6−グルコシド結合を加水分解するイソアミラーゼ(株式会社林原生化学研究所製)により分解され、グルコアミラーゼの作用を受けるようになる。
(4)上記グルコアミラーゼ耐性成分は、澱粉中のα−1,4−グルコシド結合を加水分解するエンド型α−アミラーゼ(ナガセ生化学工業株式会社製)により分解され、グルコアミラーゼの作用を受けるようになる。
(5)(4)のエンド型α−アミラーゼによる加水分解により、イソマルトシルマルトース(IMM)を生じる。α−1,6−グルコシド結合を有するグルカンにエンド型α−アミラーゼを作用させた場合の最小のリミットデキストリンは、IMMである(Yamamoto,T.、Handbook of amylase and related emzymes、Pergamon Press、p40−45(1988))との記載と一致する。
(6)上記グルコアミラーゼ耐性成分の分子量をレーザーイオン化TOF−MS装置(島津社製)で分析すると、得られた分子量の値は、環状グルカンの理論値に一致し、非環状のグルカンの理論値に一致しない。
環状構造部分の確認のために用いる、前記グルコアミラーゼ耐性成分の検出は、次のように行い得る。例えば、上記反応で生成したグルカンにグルコアミラーゼを添加し、例えば、約40℃で一夜反応させる。この反応物を100℃で10分間加熱し、不溶物を遠心分離により除去した後、10倍量のエタノールを添加し、残存する多糖を遠心分離による沈澱として回収する。この操作をもう一度繰り返して、グルコアミラーゼ耐性成分を得る。ただし、2回目のグルコアミラーゼの処理時間は、短時間(例えば、1から2時間)で十分である。
また本願発明で使用する原料が一部リン酸基により修飾されている澱粉を出発する場合に、グルコアミラーゼ耐性成分の検出には前処理が必要である。例えば、反応生成物を10mM炭酸緩衝液(pH9.4、10mMのMgClおよび0.3mMのZnC1を含む)に溶解し、脱リン酸化酵素を添加して反応させた後、10倍量エタノールを添加し、沈澱を回収する。この沈殿に上記の方法を適用して、グルコアミラーゼ耐性成分を得ることができる。
グルコアミラーゼ耐性成分の重合度および構成成分は、上記(1)から(5)に記載のように、グルコアミラーゼ耐性成分と糖の加水分解酵素とを反応させて生じた糖を分析することによって、決定し得る。加水分解は、グルコアミラーゼ単独、グルコアミラーゼとイソアミラーゼとの組み合わせ、あるいはグルコアミラーゼとα−アミラーゼとの組み合わせが挙げられる。反応は、例えば、グルコアミラーゼ耐性成分を0.2%(w/v)となるように蒸留水に溶解後、上記分解酵素をそれぞれ適当量加えて、30−45℃で適当な時間(例えば1時間)反応させる。このグルコアミラーゼ耐性成分分解物を、Dionex社製の糖分析システム(送液システム:DX300、検出器:PAD−2、カラム:Carbo Pac PA100)にかけ、分析する。溶出は、例えば、流速:1ml/分、NaOH濃度:150mM、酢酸ナトリウム濃度:0分−50mM、2分−50mM、37分−350mM、45分−850mM、47分−850mMの条件で行う。この分析により、グルコアミラーゼ耐性成分の重合度、および分解により生じる糖が決定され得る。
(重合度の調整)
本願発明の方法で得られる内分岐環状構造部分と分岐構造部分とを有するグルカンの重合度も調整し得る。例えば、得られたグルカンにエキソ型のアミラーゼ、例えばグルコアミラーゼを作用させて、分岐構造部分の糖鎖を切断し、重合度がより低いグルカンにし得る。この方法も、本願発明に含まれる。
(金属酸化物微粒子との複合体)
1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下(5以上)であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類構造を有する化合物は、公知の金属酸化物微粒子を製造する工程の中に添加することで金属酸化物微粒子と強固に結合することができるので好ましい。
例えば、ルチル型のチタニア粒子の場合は、以下のように合成することができる。1Lのガラスビーカーにタマリンドシードガムを、主鎖の連鎖が10となるように1,4−α−D−グルカングルコヒドラーゼで分解したのち80℃に加熱することで酵素を失活させ得られたXG−1(実施例1記載)の濃度1質量%の水溶液600gに、TiO濃度25%のオキシ塩化チタン水溶液240g(TiOとして60g)と、ZrO濃度35%のオキシ塩化ジルコニウム粉末5g(ZnOとして1.8g)を入れ、水で全量を1Lとし、溶解を確認した(1)。
攪拌手段および還流冷却器を備えた2Lフラスコに、水1kgと、SnO濃度30%の塩化第二スズ水溶液20g(SnOとして6g)と、36%塩酸16gを仕込み、攪拌しながら60℃へ加熱した。この温度を維持しながら上の(1)の水溶液1Lを15分間要して滴下し、滴下終了後沸騰温度まで加熱し、3時間沸騰状態で加熱還流した。加熱停止後40℃まで冷却し、アンモニア水でpH5.0に調節しデカンテーションを3回繰り返し、100℃で1時間煮沸させた後に、室温に戻しTiO濃度20%となるように純水で希釈し、酸化チタンゾル(A液)300gを得た。
得られたチタニアゾルを、乾燥させ、X線回折法で結晶系を確認したところルチル型であり、チタニアゾルの表面分析から、原材料の多糖類が存在することが確認できた。
〈金属酸化物〉
本発明の赤外線反射層に使用できる金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズを挙げることができ、低屈折率層、高屈折率層いずれも屈折率を調整するために適宜併用しても構わない。
上記の中で高屈折率層に適しているのは酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等であるが、特に好ましいのは酸化チタンである。酸化チタンとして具体的には、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン等を挙げることができ、さらにはチタン系酸化物に、錫、バリウム、バナジウム、マンガン、コバルト、ニッケル、ガリウム、アルミニウム、ゲルマニウム、アンチモン、インジウム、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニオブ、ジルコニウム、マグネシウム、イットリウム、ランタン、ユーロピウム、亜鉛、鉛、クロム、鉄、銅、銀、金、白金、タングステン、セリウム等の異種金属原子をドーピングした化合物が挙げられる。
本発明の効果として好ましい酸化チタンは、屈折率が高く、かつ光触媒能力が低いルチル型酸化チタンである。
また本発明で好ましい酸化チタンの態様としては、微粒子の酸化チタンが水または有機溶媒に分散された、酸化チタンゾルであることが好ましい。
本発明で用いることのできる酸化チタンの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
また、その他の酸化チタンの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
酸化チタン微粒子の体積平均粒径として好ましい一次粒子径は、4nm〜50nmであり、より好ましくは4nm〜30nmである。
酸化チタン粒子の体積平均粒径とは、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd1、d2・・・di・・・dkの粒径を持つ粒子がそれぞれn1、n2・・・ni・・・nk個存在するチタン系酸化物粒子の集団において、粒子1個当りの体積をviとした場合に、体積平均粒径mv={Σ(vi・di)}/{Σ(vi)}で表される体積で重み付けされた平均粒径である。
金属酸化物微粒子の分散性を向上させる目的でαアミノ酸を添加することも好ましい。
具体的に好ましいアミノ酸として、グリシン、セリン、トレオニン、ヒドロキシプロリン、フェニルアラニン等を挙げることができる。
本発明の高屈折率層においては、酸化チタンと前述の金属酸化物が混合されていても構わなく、または複数種の酸化チタンを混合しても構わない。いずれかの層に含有する金属酸化物の内、好ましい酸化チタンの含有量としては30質量%〜90質量%であり、好ましくは70〜85質量%である。酸化チタンが高い含有量になるほど、層の屈折率を高められる観点で好ましいが、酸化チタン粒子の隙間を有機バインダー等で埋められなくなるとその部分が空隙となるために、10質量%以上はその他の成分がある方が好ましい。
本発明に係る低屈折率層においては、金属酸化物粒子としては、二酸化ケイ素粒子を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
本発明に係る二酸化ケイ素粒子は、その平均粒径が100nm以下であることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、20nm以下のものが好ましく、より好ましくは10nm以下である。また二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
低屈折率層の金属酸化物の含有量は、30質量%以上、95質量%以下が好ましく、60質量%以上95質量%以下がより好ましい。金属酸化物の含有量を30質量%以上になると、低屈折率にすることが出来、さらに60質量%以上とすることで、空隙構造となるためさらに好ましい。ただし金属酸化物の含有量を95質量%以上とすると、金属酸化物同士を結着することができず塗膜として成り立たなくなる。
本発明の赤外線反射層においては、基材に隣接する最下層が、低屈折率層で、最表層も低屈折率層である層構成が好ましい。
〈有機バインダー〉
本発明の赤外性赤外線遮蔽フィルムを構成する赤外線反射層の高屈折率層や低屈折層率層に用いる有機バインダーとしては水溶性樹脂を含有することが好ましい。
これらの水溶性樹脂としてはゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド等の合成樹脂、無機ポリマー、増粘多糖類等が挙げられ、本発明においてはポリビニルアルコール、ゼラチンが特に好ましい。これら水溶性樹脂は1種類または複数種類を混合してもよい。
本発明に係る水溶性樹脂とは、水または温水媒体に対し1質量%以上溶解する高分子化合物であり、好ましくは3質量%以上である。
本発明に係る高屈折層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液における水溶性高分子の濃度としては、0.5〜60質量%であることが好ましく、5〜40質量%の範囲であることがより好ましい。
ポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
本発明においては、これらのポリマーを使用する場合には、硬化剤を使用してもよい。例えばポリビニルアルコールの場合には、後述するホウ酸及びその塩やエポキシ系硬化剤が好ましい。
(天然高分子)
本発明に係る水溶性樹脂として、天然高分子であるゼラチンを使用することができる。ゼラチンとしては、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわちゼラチンは分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持っており、それと反応し得る基を持った試薬で処理し改質してもよい。
さらに、ジェランガム、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類や、キサンタンガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、アラビアガム、タマリンドガム、アルギン酸ソーダ、カラヤガム、トラガントガム、ファーセルラン、プルラン等の多糖類を併用することもできる。
〈近赤外線遮蔽フィルム〉
本発明の近赤外線遮蔽フィルムは、高分子フィルムに互いに屈折率が異なる膜(高屈折率層と低屈折率層)を積層させた多層膜を有し、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上で、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有する。
ちなみに本発明において、高屈折率層、低屈折率層の屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
基材上に屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗設したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
本発明における高屈折率層の好ましい屈折率としては1.70〜2.50であり、より好ましくは1.80〜2.20である。また、低屈折率層の好ましい屈折率としては1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.50である。
〈赤外線遮蔽フィルムの製造方法〉
本発明の赤外線フィルムは、基材上に高屈折率層と低屈折率層から構成されたユニットを積層して構成され、赤外線反射層を形成する。具体的には水系の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを交互に湿式塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。
低屈折率層、高屈折率層塗布液は、好ましくは、それぞれ前記金属酸化物、また、前記低屈折率層及び高屈折率層塗布液の少なくとも一方の層中に、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類、または、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類構造を有する化合物、さらに、有機バインダー、また後述の添加剤を適宜加え、水系の溶媒中に混合分散することで形成される。なお、水系の溶媒とは、水を70%以上含有する溶媒をいい、これと混合するいかなる溶媒が混合していても良い。好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、水系の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
粘着剤の塗工方法としては、任意の公知の方法が使用でき、例えばダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、転写法等が好ましく挙げられ、単独または組合せて用いることができる。これらは適宜、粘着剤を溶解できる溶媒にて溶液にする、または分散させた塗布液を用いて塗工することが出来、溶媒としては公知の物を使用することが出来る。
粘着層の形成は、先の塗工方式にて、直接赤外線遮蔽フィルムに塗工しても良く、また、一度剥離フィルムに塗工して乾燥させた後、赤外線遮蔽フィルムを貼り合せて粘着剤を転写させても良い。この時の乾燥温度は、残留溶剤ができるだけ少なくなることが好ましく、そのためには乾燥温度や時間は特定されないが、好ましくは50〜150℃の温度で、10秒〜5分の乾燥時間を設けることが好ましい。また、乾燥後50℃3日程度養生することが好ましい。
(屈折率層のその他の添加剤)
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されているアニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
赤外線反射層以外に形成されてもよい、赤外線吸収層、ハードコート層等の形成方法についても特に制限はないが、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、エアーナイフコート法、ディップコート法、転写法等のウエットコーティング法、あるいは、蒸着法等のドライコーティング法により形成することが好ましい。
紫外線照射により硬化する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどから発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、又は走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。
〈赤外線遮蔽体〉
本発明の赤外線遮蔽体とは、本発明の赤外線遮蔽フィルムを基体の少なくとも一方の面に設けられた態様を表す。
基体として好ましいのは、プラスチック基体、金属基体、セラミック基体、布状基体等が好ましく、フィルム状、板状、球状、立方体状、直方体状等様々な形態の基体に本発明の赤外線遮蔽フィルムを設けた状態を言う。その中でも好ましいのは板状のセラミック基体で、ガラス板に本発明の赤外線遮蔽フィルムを設けた、赤外線遮蔽体が好ましい。ガラス板の例としては、例えばJIS R 3202に記されたフロート板ガラス、および磨き板ガラスが好ましく、ガラス厚みとしては0.01mm〜20mmが好ましい。
基体に、本発明の赤外線遮蔽フィルムを設ける方法としては、上述のように赤外線遮蔽フィルムに粘着層を塗設し、粘着層を介して基体に貼り付ける方法が好適に用いられる。
貼合方法としては、そのまま基体にフィルムを貼る乾式貼合、上述のように水貼り貼合する方法が適応できるが、基体と赤外線遮蔽フィルムの間に空気が入らないようにするため、また基体上での赤外線遮蔽フィルムの位置決め等、施工のしやすさの観点で水貼り法により貼合することがより好ましい。
本発明の赤外線遮蔽体とは、本発明の赤外線反射フィルムを基体の少なくとも一方の面に設けられた態様を言うが、基体の複数面に設けた状態、本発明の赤外線遮蔽フィルムに複数の基体を設けた状態でも構わない。例えば上述の板ガラスの両面に本発明の赤外線遮蔽フィルムを設けた態様、本発明の赤外線遮蔽フィルムの両面に粘着層を塗設し、赤外線遮蔽フィルムの両面に上述の板ガラスを貼り合わせた、合わせガラス状の態様でも構わない。
〈赤外線遮蔽フィルムの応用〉
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等太陽光に晒らされる窓ガラスに貼り合せ、室内温度の過上昇を抑える赤外線反射効果を付与する窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主としてハウス内温度の過上昇を抑える赤外線遮蔽効果を付与した農業用フィルムの目的で用いられる。
また自動車用の合わせガラスのように、本発明の赤外線遮蔽フィルムをガラスとガラスの間に挟み、自動車用赤外線遮蔽フィルムとして用いられ、この場合外気ガスから赤外線反射フィルムを封止できるため、耐久性の観点から好ましい。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
評価項目と評価基準
《塗布乾燥後の塗膜の割れ》
塗布乾燥後、23℃、相対湿度20%の部屋で、24時間調湿後の塗膜の状態を以下の基準で評価した。
塗膜の割れの評価基準
1 目視で塗膜に大きな割れが多数観察される
2 目視で塗膜に大きなひび割れが数個観察される
3 目視で塗膜にかすかに割れが数個観察される
4 目視で塗膜の割れが観察されないが、100倍ルーペで見ると複数のひび割れがされる
5 目視で塗膜の割れが観察されないが、100倍のルーペで数個のひび割れが観察される
6 目視、100倍のルーペともに、ひび割れが観察されない
《ヒートサイクル試験での割れ》
塗布されたフィルムを23℃、相対湿度55%で1日調湿したのち、85℃の恒温槽で2時間、さらに23℃、相対湿度55%で2時間、のサイクルを3回繰り返したのち2.5cm×2.5cmの範囲内の塗膜の割れを、目視と100倍のルーペで確認、塗布乾燥後と同じ評価基準で塗膜のわれを評価した。
《吸脱湿の影響》
塗膜の吸脱湿による割れを評価するために、得られたフィルムを、25℃、相対湿度80%の雰囲気化で24時間調湿後、25℃、相対湿度20%雰囲気下で24時間調湿を3回繰り返した後の割れを同じ評価基準で評価した。
実施例1
100mlのビーカーに、エタノール20mlと主鎖がグルコース(以下Glu)の1,4−結合からなり、グルコースの6位に側鎖としてキシロースおよびキシロース(Xyl)とガラクトース(Ga)を有し、以下のような構造であり、
Figure 2013007816
極限粘度から求められる平均分子量60万のタマリンドシードガム(商品名TG500 MRCポリサッカライド社製、グルコース主鎖の平均連鎖約1570(600000÷1530×4))を入れよく撹拌分散しながら、純水を900ml入れた1Lのビーカー内を撹拌棒で撹拌している中に添加して、さらに100mlのビーカー内を20mlのエタノールでよくすすぎ、すすいだものも全て1Lのビーカーに入れた、この混合物を、1晩撹拌したのち、内温を90℃2時間加熱して、タマリンド−シードガムを完溶させた。これを室温まで戻し、1,4−α−D−グルカングルカノヒドラーゼ、を作用させて、極限粘度から得られる平均分子量が、約1.5万(主鎖の平均鎖長が10)とした。この液を再度80℃1時間加熱して、酵素を失活させ、室温に戻したのち全容量を1Lに仕上げ、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が2.7の化合物の2%溶液(以下XG−1)を得た。
同様にして、主鎖の連鎖が50であるXG−2、主鎖の連鎖が90であるXG−3を得た。
100mlのビーカーに、エタノール20mlと主鎖が、マンノース(Man)の1,4−結合からなり、Manの6位に側鎖としてガラクトース(以下Ga)をもつ以下のような構造であり、
Figure 2013007816
極限粘度から求められる平均分子量が40万のローカストビーンガム(商品名A200 MRCポリサッカライド社製、マンノース主鎖の平均連鎖約1770)を、先ほどと同様にして主鎖の平均鎖長が5、側鎖の平均鎖長が1であるRB−1を得た。
また、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類であって、前記主鎖連鎖が環状構造を有する化合物CD−1、CD−2を作成した。
即ち、特開平8−134104号の実施例に従って、実施例1の化合物(CD−1:主鎖が環状、主鎖平均鎖長が40、側鎖平均鎖長が20)、実施例5のピーク1化合物(CD−2:主鎖が環状、主鎖平均鎖長が20、側鎖平均鎖長が7)をそれぞれ得た。
(低屈折率層用塗布液L1の調製)
純水17.6質量部に、1.0質量%タマリンドシードガム(商品名TG500 MRCポリサッカライド社製)水溶液の26.2質量部と、5.0質量%ポリビニルアルコール(PVA235、クラレ社製)水溶液の3.4質量3部と、を添加、混合した中に、20質量%含フッ素ポリマー(アサヒガードE82:旭硝子社製)溶液の64.5質量部と、5.5質量%ほう酸水溶液の10.0質量部と、2.1質量%水酸化リチウム水溶液の0.5質量部とを純水21.6質量部に溶解した液を添加、混合し、最後に純水で150質量部に仕上げて、低屈折率層用塗布液L1を調製した。
低屈折率層用塗布液L1を、青板ガラス上に、0.5μm厚となるようにスピンコーターで塗布後80℃のホットプレート上で5分間乾燥させたのち、非接触式薄膜測定装置(F20フィルメトリックス社製干渉反射膜厚測定装置)にて塗膜の屈折率を測定し、1.38となることを確認した。
(高屈折率層用塗布液H1の調製)
2質量%のXG−1を5g、5.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液50g、を撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)を0.043g添加し、純水で100mlに仕上げることで(高屈折率層用)塗布液H1を調製した。
低屈折率層用塗布液L1と同様に、屈折率を測定したところ、1.56であることがわかった。
以下同様にXG−1をXG−2に変えて、高屈折層塗布液H2を、同じくXG−1をRB−1に変えて高屈折層用塗布液H3を作製するとともに、表1に記載のものにかえることで高屈折率層塗布液H4〜H10を作製した。
L1と同様にして屈折率を測定したところH2〜H10については、屈折率はいずれも1.56であった。
《近赤外線遮蔽フィルム試料1〜10の作成》
易接着処理したPETフィルムを8cm×8cmの大きさに断裁し、8cm×8cmの大きさに切断したガラス基板上に、両面テープで貼りこのフィルム上に、低屈折率層用塗布液L1を垂らして、スピンコーターの回転数を調整して、乾燥層厚が200nmとなるようにコーティングしたのち、ガラスごと80℃のホットプレート上で乾燥させた。乾燥後、再びスピンコーターに乗せ、高屈折率層用塗布液H1を垂らして乾燥層厚が170nmとなるようにコーティングし、再びガラス面からはがして80℃のホットプレート上で乾燥させたこれを14回繰り返し、日立分光光度計 U−4000にてスペクトルを測定したところ近赤外領域である1100nmに反射率が60%程度ある近赤外線遮蔽フィルムであることが確認できた。
高屈折率層用塗布液をH1に代えてH2〜H10をそれぞれ用いて同様の構成でPETフィルム上に積層して近赤外線遮蔽フィルム試料2〜10を作成した。
試料2〜10について試料1と同等の反射率特性が確認できた。
作成した試料について、塗布乾燥後の塗膜の割れ、ヒートサイクル試験での割れ、また、吸脱湿の影響について、前記の評価を行った。
結果を表1に示す。
Figure 2013007816
表1の結果から、本発明の試料は割れに強いことが分かる。それに対し、側鎖をもっていてもグアガムのような主鎖の連鎖が大きい糖類、側鎖がないアミロースの様な糖類、また、マルトース、グルコースのような単糖類においては塗膜の割れが顕著で特に吸脱湿を繰り返したときのひび割れの程度が大きい。
グアガム;直鎖状に結合したマンノース2分子に1分子のガラクトースの側鎖をもつ多糖類である。分子量は20万〜30万。
アミロース;Mw2800 主鎖重合度約15 東京化成製
実施例2
(低屈折層用塗布液L2の調製)
15.0質量%酸化シリカゾル(体積平均粒径15nm、二酸化ケイ素粒子(扶桑化学工業社製:商品名PL−1))22gに、5.0質量%の酸処理ゼラチン(ニッピ社製 AP−270)水溶液50gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)を0.043g添加し、純水で100mlに仕上げることで低屈折塗布液L2を調製した。
低屈折率層用塗布液L2を、青板ガラス上に、0.5μm厚となるようにスピンコーターで塗布後80℃のホットプレート上で5分間乾燥させたのち、非接触式薄膜測定装置(F20フィルメトリックス社製干渉反射膜厚測定装置)にて塗膜の屈折率を測定し、1.368となることを確認した。
(高低屈折層用塗布液H11の調製)
15.0質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径5nm、ルチル型酸化チタン粒子(堺化学社製:商品名SRD−W))45gに、2質量%のXG−1を5g、5.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液50gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)を0.043g添加し、純水で100mlに仕上げることで高低屈折塗布液H11を調製した。
低屈折率層用塗布液L1と同様に、屈折率を測定したところ、1.96であることがわかった。
XG−1を表2記載のものに変え高屈折率層用塗布液H12〜H15、H16を作成するとともに、比較の高屈折塗布液H20〜H23を作製した。L1と同様にして屈折率を測定したところ屈折率はいずれも1.96であった。
(高屈折率層用塗布液H17の製造)
以下のように酸化チタンゾルを糖類の存在下で調製した。
1Lのガラスビーカーに、濃度1質量%のXG−1水溶液600gに、TiO濃度25%のオキシ塩化チタン水溶液240g(TiOとして60g)と、ZrO濃度35%のオキシ塩化ジルコニウム粉末5g(ZnOとして1.8g)を入れ、水で全量を1Lとし、溶解を確認した。
攪拌手段および還流冷却器を備えた2Lフラスコに、水1kgと、SnO濃度30%の塩化第二スズ水溶液20g(SnOとして6g)と、36%塩酸16gを仕込み、攪拌しながら60℃へ加熱した。この温度を維持しながら上の(1)の水溶液1Lを15分間要して滴下し、滴下終了後沸騰温度まで加熱し、3時間沸騰状態で加熱還流した。加熱停止後40℃まで冷却し、アンモニア水でpH5.0に調節しデカンテーションを3回繰り返し、100℃で1時間煮沸させた後に、室温に戻しTiO濃度15%となるように純水で希釈し、酸化チタンゾル(A液)300gを得た。
得られたチタニアゾルを、乾燥させ、X線回折法で結晶系を確認したところルチル型であり、チタニアゾルの表面分析から、原材料の多糖類が確認できた。
これに5質量%酸処理ゼラチン水溶液50gを攪拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)を0.043g添加し、純水で100mlに仕上げることで高低屈折塗布液H17を調製した。
低屈折率層用塗布液L1と同様に、屈折率を測定したところ、1.96であることがわかった。
高低屈折塗布液H17において、XG−1を表記載のものにそれぞれ変えて高屈折率層用塗布液H18、H19を作成した。これについても、L1と同様にして屈折率を測定したところいずれも1.96であった。
《近赤外線遮蔽フィルム試料11〜23の作製》
易接着処理したPETフィルムを8cm×8cmの大きさに断裁し、8cm×8cmの大きさに切断したガラス基板上に、両面テープで貼りこのフィルム上に、低屈折率層用塗布液L2を垂らして、スピンコーターの回転数を調整して、乾燥層厚が200nmとなるようにコーティングしたのち、ガラスごと80℃のホットプレート上で乾燥させた。乾燥後再びスピンコーターに乗せ、高屈折率層用塗布液H11を垂らして乾燥層厚が170nmとなるようにコーティングし、再びガラス面からはがして80℃のホットプレート上で乾燥させた。これを14回繰り返し、近赤外反射フィルム試料11を作成した。日立分光光度計U−4000にてスペクトルを測定したところ近赤外領域である980nm〜1240nmにかけ、ほぼ反射率が100%の近赤外線遮蔽フィルムであることを確認した。
高屈折率層用塗布液H11に代えて表2に記載の高屈折率層塗布液をそれぞれ用いて同様の構成でPETフィルム上に低屈折率層、高屈折率層を積層して近赤外線遮蔽フィルム試料12〜23を作成した。
作成したいずれについても近赤外反射フィルム試料11と同等の反射率が近赤外領域に観察され、近赤外線遮蔽フィルムであることが確認された。
作成した近赤外線遮蔽フィルム試料について、塗布乾燥後の塗膜の割れ、ヒートサイクル試験での割れ、また、吸脱湿の影響について、前記同様の評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 2013007816
表の結果から、本発明に係る試料は塗膜の割れが少なく、特に、酸化チタン粒子を本願発明の糖類の存在下で作成したものについては、良好であった。

Claims (5)

  1. 基材上に、低屈折率層、高屈折率層を交互に(塗布)積層してなる赤外線遮蔽層が基材上に形成された赤外線遮蔽フィルムにおいて、
    前記低屈折率層及び高屈折率層の少なくとも一方の層中に、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類、または、1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類構造を有する化合物を含有することを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。
  2. 前記低屈折率層、または前記高屈折率層に金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  3. 前記糖類が環状構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  4. 前記金属酸化物の粒子を、前記1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類、または、前記1,4結合による主鎖糖鎖の平均連鎖が100以下であり、かつ1,6結合である分岐構造を有し、分岐糖鎖の平均連鎖が1以上20以下である糖類構造を有する化合物の存在下で製造したことを特徴とする請求項2に記載の赤外線遮蔽フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルムを設けたことを特徴とする赤外線遮蔽体。
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