JP2013007613A - 形状測定装置、及び形状測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】試料を詳細かつ適切に評価することができる形状測定装置、及び形状測定方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様にかかる形状測定装置は、観察窓51と、基板54とを有する試料保持ユニット11と、観察窓51又は基板54を介して、試料53を加圧するシリンダ56、57と、試料51の形状を測定するため試料51を照明するとともに、照明光の焦点位置を光軸方向に走査可能な共焦点光学系30と、共焦点光学系30を介して、試料保持ユニット11に保持された試料からの反射光を検出するラインセンサ15〜17と、焦点位置を光軸方向に走査した時での検出結果によって、形状を測定する処理部18と、を備え、観察窓51の表面51aに焦点位置を合わせて、観察窓51の表面形状を測定するものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の一態様にかかる形状測定装置は、観察窓51と、基板54とを有する試料保持ユニット11と、観察窓51又は基板54を介して、試料53を加圧するシリンダ56、57と、試料51の形状を測定するため試料51を照明するとともに、照明光の焦点位置を光軸方向に走査可能な共焦点光学系30と、共焦点光学系30を介して、試料保持ユニット11に保持された試料からの反射光を検出するラインセンサ15〜17と、焦点位置を光軸方向に走査した時での検出結果によって、形状を測定する処理部18と、を備え、観察窓51の表面51aに焦点位置を合わせて、観察窓51の表面形状を測定するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、形状測定装置、及び形状測定方法に関し、特に詳しくは共焦点光学系を用いて試料の形状を測定する形状測定装置、及び形状測定方法に関する。
紙、繊維、高分子フィルム、Liイオン電池などの電極材、皮膚等の試料について、比較的マクロな表面形状、表面粗さを測定することは、製品の品質改良や研究開発の上で重要である。シート状試料の固有の表面形状や粗さを測定する場合は、シート自身のタワミやしわなどを排除するために平坦化する必要がある。さらに、試料が加工や使用される環境下で測定することも重要であり、場合によっては試料に圧力をかけた状態や液体中で測定したいという要求や、圧力により表面形状や圧媒との接触面積がどのように変化するのか測定したいという要求も生じている。
このような試料の表面形状を測定する方法として、触診式表面形状測定装置がある、しかしながら、試料を平坦化する圧媒があるため試料表面に接触することができない。また、シートを平坦化する方法として、エアによる吸着や静電気による吸着固定が考えられるが、十分な平坦性が得られない。従って、試料表面に圧媒がある場合、非接触での測定が必要となる。非接触で測定する方法として、共焦点顕微鏡や干渉計がある。
特許文献1には、共焦点光学系により、シート状繊維材を評価する評価装置が開示されている。対物レンズからの光が透明板を介してシート状繊維材に入射している。シート状繊維材の貫通箇所を通過して、反射部材で反射した光を検出することで、貫通箇所を観察している。さらに、反射部材と透明板でシート状繊維材を挟んだ状態とすることで、加圧状態にしている(図3、段落0037)。
また、特許文献2には、化学的機械的研磨パッドサンプルを共焦点顕微鏡検査するためのサンプルホルダが開示されている。このサンプルホルダは、上側透明窓と下側パッド保持手段と、上側透明窓保持手段とを備えている。そして、下側パッド保持手段は、パッドを透明窓に対して押し当てるために設けられている。
しかしながら、試料を加圧した状態で、形状を測定する場合、以下に示す問題点がある。例えば、試料の両側から加圧すると、圧力が一定とならないことがある。この場合、加わる圧力分布によって、試料自体が変形してしまう。従って、表面形状を光学的に測定しても、試料に加わる圧力の分布や変化が分からずに、試料を適切かつ詳細に評価することができないという問題点がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、試料を適切かつ詳細に評価することができる形状測定装置、及び形状測定方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る形状測定装置は、試料の表面側に配置された観察窓と、試料の裏面側に配置された裏面側保持部材とを有する試料保持ユニットと、前記観察窓及び前記裏面側保持部材の少なくとも一方を介して、前記試料を加圧する加圧機構と、前記試料の形状を測定するため前記試料を照明するとともに、照明光の焦点位置を光軸方向に走査可能な共焦点光学系と、前記共焦点光学系を介して、前記試料保持ユニットに保持された試料からの反射光を検出する検出部と、前記焦点位置を光軸方向に走査した時の前記検出部での検出結果によって、形状を測定する処理部と、を備え、前記観察窓の表面に前記焦点位置を合わせて、前記観察窓の表面形状を測定するものである。これにより、加圧した状態での測定を行うことができ、試料を適切かつ詳細に評価することができる。
本発明の第2の態様に係る形状測定装置は、上記の形状測定装置であって、前記加圧機構による圧力を変化させた前後で、前記観察窓の表面形状を測定するものである。これにより、加圧による変形量を求めることができるため、試料を適切かつ詳細に評価することができる。
本発明の第3の態様に係る形状測定装置は、上記の形状測定装置であって、前記観察窓の裏面に前記焦点位置を合わせた時の反射光の検出結果に基づいて、前記観察窓と前記試料とが接触している接触位置を検出するものである。これにより、試料を適切かつ詳細に評価することができる。
本発明の第4の態様に係る形状測定装置は、上記の形状測定装置であって、前記光軸方向における反射光強度のプロファイルからピークを検出し、前記ピークの検出結果に基づいて、前記接触位置を特定するものである。これにより、正確に接触位置を検出することができるため、試料を適切かつ詳細に評価することができる。
本発明の第5の態様に係る形状測定装置は、上記の形状測定装置であって、前記接触位置の検出結果から、前記試料と前記観察窓が接触している接触面積、及び前記観察窓と前記試料との隙間の体積の少なくとも一方を求めることを特徴とするものである。これにより、試料を適切かつ詳細に評価することができる。
本発明の第6の態様に係る形状測定装置は、上記の形状測定装置であって、前記観察窓の裏面側に、所定波長の光の反射を防止する反射防止膜が形成され、前記検出部が前記所定波長の光を検出する第1のチャネルと、前記所定波長を除く光を検出する第2のチャネルとを、備えており、前記第2のチャネルでの測定結果に基づいて、前記接触位置を検出し、前記接触位置以外での前記第1のチャネルの測定結果によって、前記接触位置における前記試料表面の測定位置を補間するものである。これにより、高いS/N比での測定が可能となる。
本発明の第7の態様に係る形状測定装置は、試料の表面側に配置された観察窓と、前記試料の裏面側に配置された裏面側保持部材とで前記試料を保持するステップと、前記観察窓及び前記裏面側保持部材の少なくとも一方を介して、前記試料を加圧するステップと、前記試料を加圧した状態で、共焦点光学系を用いて、前記観察窓側から前記試料に照明光を照射するとともに、前記試料からの反射光を検出するステップと、前記照明光の焦点位置を光軸方向に走査した時の前記反射光の検出結果から、前記試料の形状を測定するステップと、前記観察窓の表面に前記焦点位置を合わせて、前記観察窓の表面形状を測定するステップと、を備えるものである。
本発明の第8の態様に係る形状測定装置は、上記の測定装置であって、前記加圧機構による圧力を変化させた前後で、前記観察窓の表面形状を測定するものである。これにより、加圧による変形量を求めることができるため、試料を適切かつ詳細に評価することができる。
本発明の第9の態様に係る形状測定装置は、上記の測定装置であって、前記圧力を変化させた前後の前記観察窓の変形量に基づいて、前記試料に対する圧力分布を測定するものである。これにより、圧力分布が分かった状態で試料の形状を測定することができるため、試料を適切かつ詳細に評価することができる
本発明の第10の態様に係る形状測定装置は、上記の測定装置であって、前記観察窓の裏面に前記焦点位置を合わせて、前記観察窓と前記試料とが接触している接触位置を検出するものである。
本発明の第11の態様に係る形状測定装置は、上記の測定装置であって、前記光軸方向における前記反射光強度のプロファイルからピークを検出し、前記ピークの検出結果に基づいて、前記接触位置を特定するものである。これにより、試料を適切かつ詳細に評価することができる。
本発明の第12の態様に係る形状測定装置は、上記の測定装置であって、前記観察窓の裏面側に、所定波長の光の反射を防止する反射防止膜が形成され、前記反射光を検出する検出部が前記所定波長の光を検出する第1のチャネルと、前記所定波長を除く光を検出する第2のチャネルとを、備えており、前記第2のチャネルでの測定結果に基づいて、前記接触位置を検出し、前記接触位置以外での前記第1のチャネルの測定結果によって、前記接触位置における前記試料表面の測定位置を補間するものである。これにより、高いS/N比での測定が可能となる。
本発明によれば、試料を適切かつ詳細に評価することができる形状測定装置、及び形状測定方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
(全体構成)
本実施形態に係る形状測定装置について、図1を用いて説明する。図1は本発明による形状測定装置の一例の構成を示す線図である。本実施形態の係る形状測定装置は、共焦点顕微鏡を用いたものである。形状測定装置には、光源1と、光ファイババンドル2と、スリット4と、ハーフミラー5と、レンズ6と、振動ミラー7と、リレーレンズ8と、リレーレンズ9と、対物レンズ10等を有する共焦点光学系30が設けられている。なお、以下の説明では、共焦点光学系30が、スリットを用いてライン状の光で照明するスリットコンフォーカル光学系(ラインコンフォーカル光学系)として説明するが、共焦点光学系30はピンホール等を用いてスポット状の光で照明する通常の共焦点光学系であってもよい。
本実施形態に係る形状測定装置について、図1を用いて説明する。図1は本発明による形状測定装置の一例の構成を示す線図である。本実施形態の係る形状測定装置は、共焦点顕微鏡を用いたものである。形状測定装置には、光源1と、光ファイババンドル2と、スリット4と、ハーフミラー5と、レンズ6と、振動ミラー7と、リレーレンズ8と、リレーレンズ9と、対物レンズ10等を有する共焦点光学系30が設けられている。なお、以下の説明では、共焦点光学系30が、スリットを用いてライン状の光で照明するスリットコンフォーカル光学系(ラインコンフォーカル光学系)として説明するが、共焦点光学系30はピンホール等を用いてスポット状の光で照明する通常の共焦点光学系であってもよい。
光源1として、水銀ランプやキセノンランプ等の白色光を放出する白色光源を用いる。光源1から出射した白色光は、複数の光ファイバが円形に積層された光ファイババンドル2に入射し、光ファイバを伝搬して、断面がほぼ円形の発散性ビームとして出射する。当該照明ビームは、光源から出射した照明ビームをライン状の照明ビームに変換するビーム整形光学系を構成する。ビーム整形光学系は、集束性レンズ3とスリット4を含み、光ファイババンドル2から出射した照明ビームは、集束性レンズ3により平行な照明ビームに変換されてスリット4に入射する。スリット4は、集束性レンズ3の瞳位置に配置され、第1の方向(紙面と直交する方向)に延在する開口部を通過する。スリットの開口部の幅は、例えば10〜20μmに設定する。従って、スリット4から第1の方向に延在するライン状の照明ビームが出射する。スリット4から出射したライン状の照明ビームは、ビームスプリッタとして機能するハーフミラー5で反射し、レンズ6を経て振動ミラー7に入射する。
振動ミラー7は、後述する処理部18からの供給される駆動信号に基づき、入射するライン状の照明ビームを第1の方向と直交する第2の方向に周期的に偏向する。振動ミラーから出射したビームはリレーレンズ8及び9を経て対物レンズ10に入射する。対物レンズ10は、入射したライン状照明ビームを集束して観察すべき試料保持ユニット11上に投射する。従って、試料保持ユニット11は、集束したライン状の照明ビームにより2次元的に走査される。尚、対物レンズ10は、倍率の異なる複数の対物レンズがレボルバーに搭載され、レボルバーを回動することにより、所望の倍率の対物レンズを用いて観察することが可能である。また、レボルバーは、光軸方向に移動可能に装着され、アクチュエータ(図示せず)により光軸方向に移動することができる。
試料保持ユニット11は、測定対象である試料を保持して、測定に必要な環境を作り出す環境セルとなる。これにより、所望の環境下での測定、評価を行うことができる。なお、試料保持ユニット11の構成については、後述する。試料保持ユニット11は、XYステージ12上に載置されている。XYステージ12をXY方向に駆動することにより、試料保持ユニット11に保持された試料の所望の部位を観察することが可能である。
試料表面等から出射したライン状の反射ビームは、対物レンズ10により集光され、元の光路を反対方向に伝搬する。そして、リレーレンズ9及び8を経て振動ミラー7に入射し、振動ミラー7によりデスキャンされる。振動ミラー7から出射した反射ビームは、レンズ6を通過し、ハーフミラー5により照明ビームから分離される。尚、レンズ6は、光源から試料に向かう照明ビームに対してはリレーレンズとして作用し、試料から光検出器に向かう反射ビームに対しては結像レンズとして作用する。
ハーフミラー5を透過した反射ビームは、ポジショナ13に入射する。このポジショナ13は平行平面板で構成され、光軸に対する角度を調整することにより、反射ビームの光軸からの変位量が調整され、後述するラインセンサ15〜17に入射する位置を調整することができる。ポジショナから出射したライン状の反射ビームは、色分解光学系として機能する分光プリズム14に入射し、RGBの3つのカラー光に色分解される。尚、分光プリズム14ではなく、ダイクロイックミラー等でRGBの3色の光に分離しても良い。
色分解されたRGBの各カラー光は、ラインセンサ15〜17にそれぞれ入射する。各ラインセンサ15〜17は複数の受光素子を有し、これら受光素子は、ライン状照明ビームの延在方向である第1の方向と対応する方向に配列される。従って、入射するライン状反射ビームの延在方向と各ラインセンサの受光素子の配列方向とが一致し、試料からの反射ビームは、各ラインセンサに対して静止した状態で入射する。例えば、ラインセンサ15は、赤色(R)の波長帯の光を受光し、ラインセンサ16は、緑色(G)の波長帯の光を受光し、ラインセンサ17は、青色(B)の波長帯の光を受光する。このように、Rのラインセンサ15と、Gのラインセンサ16と、Bのラインセンサ17をそれぞれ別のチャネルとして用いている。ラインセンサ15〜17のそれぞれは、受光した光の強度に応じた電荷を蓄積する。
ラインセンサ15〜17に蓄積された電荷は、処理部18から供給される読出駆動信号により順次読み出され、増幅器19〜21によりそれぞれ増幅されて処理部18に出力される。処理部18は、RGBの各信号について信号処理を行う。処理部18は、データを記憶するための記憶部や、演算処理を行うための演算処理回路を備えている。具体的には、処理部18は、RGBそれぞれの反射光強度をそのXYZ座標と対応付けてメモリ等に記憶するとともに、プロセッサで所定の演算処理を行う。こうすることで、試料等の表面形状を測定することができる。なお、処理部18の処理に付いては後述する。
前述のアクチュエータによって対物レンズ10を光軸方向に移動することで、試料保持ユニット11における焦点位置を変化させることができる。そして、焦点位置を光軸方向に変化させて、試料表面等からの反射光の強度を求めることで、合焦点位置を検出することができる。例えば、焦点位置が試料の表面と合っている場合は、反射光強度が高くなり、焦点位置が試料表面から外れている場合は、反射光強度が弱くなる。従って、反射光強度のピーク位置を求めることで、高さ方向(Z方向)における試料表面の位置を得ることができる。XY平面における各位置での合焦点位置を検出していくことで、試料等の形状を測定することができる
なお、対物レンズ10を光軸方向に移動せずに、XYステージ12を光軸方向に移動することで、焦点位置を移動してもよい。この場合、XYステージ12をXYZステージとして、焦点位置を光軸方向に変化させてもよい。
また、ポジショナ13とハーフミラー5の間には、偏光板(ポラライザ)22が挿脱可能に設けられている。スリット4とハーフミラー5の間には偏光板(アナライザ)23が挿脱可能に設けられている。ポジショナ13とハーフミラー5の間に偏光板22を挿入し、スリット4とハーフミラー5の間に偏光板23を挿入することで、偏光観察を行うことができるようになる。さらに、偏光板22の前に1波長板(λ板、検板)24を追加して、鋭敏偏光観察を行うこともできる。さらに、後述する反射防止膜の特性に合わせて照明光を狭い波長帯にしたい場合、光ファイババンドル2と集束性レンズ3の間に適当なバンドパスフィルタ25(例えば、436nm、546nm、633nmを透過するフィルタ)を挿入することもできる。
(保持ユニットの構成)
次に、試料53を保持する試料保持ユニット11の構成について、図2を用いて説明する。図2は、試料保持ユニット11の構成を模式的に示す側面断面図である。試料保持ユニット11は観察窓51と、基板54と、ホルダ55と、シリンダ56、57と、を備えている。図2において、上側が対物レンズ10側となっており、以下、図1の上側を表面側とし、下側を裏面側として説明する。以下、表面に半球状の凸部が形成された試料53を例として説明する。
次に、試料53を保持する試料保持ユニット11の構成について、図2を用いて説明する。図2は、試料保持ユニット11の構成を模式的に示す側面断面図である。試料保持ユニット11は観察窓51と、基板54と、ホルダ55と、シリンダ56、57と、を備えている。図2において、上側が対物レンズ10側となっており、以下、図1の上側を表面側とし、下側を裏面側として説明する。以下、表面に半球状の凸部が形成された試料53を例として説明する。
試料53の表面側には、観察窓51が配置され、裏面側には基板54が配置されている。すなわち、観察窓51が表面側の保持部材となり、基板54が裏面側の保持部材となっており、試料53は観察窓51と基板54とに挟まれている。試料53を介して、観察窓51と基板54が対向して配置されている。そして、ホルダ55が観察窓51と基板54とを保持している。具体的は、ホルダ55は、観察窓51の表面51aよりも上側と、基板54の裏面側よりも下側とに、観察窓51と基板54をそれぞれ係止するための凸部を有している。これにより、観察窓51と基板54とが試料53を挟んだ状態で、保持する。観察窓51の裏面51bと基板54の表面は、平坦になっているため、試料53を平坦にした状態とすることができる。よって、シート状の試料53であっても、しわや歪みのない状態で保持することができる。
観察窓51は、光源1からの照明光を透過する透光性材料によって形成されている。観察窓51は、例えば、厚さ0.5mm〜数ミリ程度の透明基板等から構成される。観察窓51として、石英ガラスやサファイアなどが用いられる。さらに、観察窓51は、反射防止膜52a、52bを有している。反射防止膜52aは、観察窓51の表面51aに形成され、反射防止膜52bは裏面51bに形成されている。なお、反射防止膜52aと反射防止膜52bは、異なる反射特性を有している。なお、反射防止膜52a、52bの反射特性に付いては、後述する。基板54としては、例えば、金属等の導電性材料を用いることが好ましい。これにより、試料53に対して電流や電圧を加えることができる。すなわち、試料53に電流を流した状態での測定や電圧を印加した状態での測定が可能になる。さらに、試料面の観察や偏光状態の観察を行いながら、試料53から発生する電圧を測定することもできる。
ホルダ55の表面側には、試料53に照明光を導くための開口55aが設けられている。すなわち、開口55aを介して、対物レンズ10からの照明光が観察窓51に入射し、試料53で反射した反射光が開口55aを介して、対物レンズ10に入射する。さらに、観察窓51の表面51aや裏面51bで反射した反射光も、開口55aを介して、対物レンズ10に入射する。
ホルダ55の裏面側には、シリンダ56、57が配置されている。シリンダ56、57は油圧シリンダなどを構成しており、シリンダ57に対してシリンダ56が矢印方向(Z方向)に直動する。シリンダ56が上昇して、裏面側から基板54を押圧する。すなわち、シリンダ56の上面と基板54の裏面が当接して、基板54が押圧されることで、観察窓51と基板54とに挟まれた試料53が加圧される。シリンダ56の油圧に応じて、観察窓51と基板54との間隔が変化して、試料53に加わる圧力が変化する。シリンダ56、57が試料53の裏面側の基板54を押圧しているため、観察窓51の位置をほぼ一定としたまま、試料53を加圧することができる。
もちろん、試料53を加圧する加圧機構は油圧シリンダに限られるものでもない。例えばモータ機構等の駆動機構によって、基板54を押圧しても良い。さらには、基板54ではなくて、観察窓51を押圧してもよく、観察窓51と基板54の両方を押圧しても良い。シリンダ56、57は、基板54及び観察窓51の少なくとも一方を介して、試料53を加圧する。シリンダ56、57の圧力計をモニタすることで、試料53を必要な圧力まで加圧することができる。これにより、所望の圧力下での測定が可能となる。
また、本実施の形態では、光源1として白色光源を用いている。レーザ光源を用いた場合、観察窓51内における多重干渉が測定の妨げとなるが、白色光源を用いることで多重干渉を防ぐことができる。これにより、コントラストの低下を防ぐことができ、より正確な測定を行うことができる。
(3次元形状測定)
シリンダ56、57が基板54と観察窓51に挟まれた試料53を加圧した状態で、光源1からの照明光が試料53に照射される。ここで、光源1から観察窓51に入射する入射光I0と、入射光I0によって生じる反射光I1〜I3について図3、図4を用いて説明する。図3(a)は、試料保持ユニット11における観察窓51と試料53とを拡大して示す断面図である。図3(b)は、ラインセンサ15〜17で検出された反射光強度のZ方向プロファイルを示す図であり、縦軸がZ方向における位置、横軸が反射光強度Iを示している。図4は、反射防止膜52a、52bの反射特性を示す図である。
シリンダ56、57が基板54と観察窓51に挟まれた試料53を加圧した状態で、光源1からの照明光が試料53に照射される。ここで、光源1から観察窓51に入射する入射光I0と、入射光I0によって生じる反射光I1〜I3について図3、図4を用いて説明する。図3(a)は、試料保持ユニット11における観察窓51と試料53とを拡大して示す断面図である。図3(b)は、ラインセンサ15〜17で検出された反射光強度のZ方向プロファイルを示す図であり、縦軸がZ方向における位置、横軸が反射光強度Iを示している。図4は、反射防止膜52a、52bの反射特性を示す図である。
図3(a)に示すように、表面側から入射光I0が入射すると、観察窓51の表面51aと、観察窓51の裏面51bと、試料53の表面において、光が反射する。図3(a)に示すように、観察窓51の表面51aで反射した反射光をI1とし、観察窓51の裏面51bで反射した反射光をI2とし、試料53の表面で反射した反射光をI3とする。反射光I1〜I3は、図1で示した通り、対物レンズ10等を介して、ラインセンサ15〜17で検出される。また、反射光I2、I3が、観察窓51を通って、ラインセンサ15〜17で検出される。
観察窓51に設けられた反射防止膜52a、52bの反射特性は、図4のようになっている。図4において、横軸が波長(λ)、縦軸が反射防止膜52a、52bの反射率である。反射防止膜52aは、波長がλaよりも長い光の反射を防止し、反射防止膜52bは、波長がλb(>λa)よりも長い光の反射を防止する。具体的には、反射防止膜52aは、400nm〜約500nmの波長の光に対して、高い反射率を有し、約500nm以上の波長の光に対して低い反射率を有している。すなわち、反射防止膜52aの反射特性のしきい値となる波長λaは、約500nmとなっている。一方、反射防止膜52bは、400〜約600nmの波長の光に対して、高い反射率を有し、約600nm以上の波長の光に対して、低い反射率を有している。すなわち、反射防止膜52bの反射特性のしきい値となる波長λbは、約600nmとなっている。反射防止膜52aの反射特性のしきい値となる波長λaが、反射防止膜52bの反射特定のしきい値となる波長λbよりも短くなっている。もちろん。波長λa、λbは、上記の値に限定されるものではなく、分光プリズム14の特性等に応じて設定すればよい。
反射防止膜52aは、Bの波長帯の光を反射して、GとRの波長帯の光を透過する。一方、反射防止膜52bは、GとBの波長帯の光を反射して、Rの波長帯の光を透過する。従って、入射光I0のうち、Bの光だけが反射防止膜52aで反射して、ラインセンサ17で検出される。一方、入射光I0のうち、GとRの光は、反射防止膜52aを透過して、反射防止膜52bに入射する。反射防止膜52bに入射したGとRの光のうち、Gの光は反射防止膜52bで反射する。反射防止膜52bで反射したGの光は、反射防止膜52aを透過して、ラインセンサ16で検出される。一方、反射防止膜52bを透過したRの光は、試料53の表面で反射される。試料53で反射したRの光は、反射防止膜52a、52bを通過して、ラインセンサ15で検出される。
従って、観察窓51の表面51aにおける反射光は、Bの波長帯の光を含んでおり、GとRの波長帯の光を含んでいない。一方、観察窓51の裏面51bにおける反射光は、Gの波長帯の光を含んでおり、BとRの波長帯の光を含んでいない。さらに、試料53の表面における反射光は、Rの波長帯の光を含んでおり、GとBの波長帯の光を含んでいない。換言すると、Rのラインセンサ15は、試料53の表面での反射光を検出し、Gのラインセンサ16は、観察窓51の裏面51bでの反射光を検出し、Bのラインセンサ17は観察窓51の表面51aでの反射光を検出する。
従って、観察窓51の表面51aにおける反射光は、Bの波長帯の光を含んでおり、GとRの波長帯の光を含んでいない。一方、観察窓51の裏面51bにおける反射光は、Gの波長帯の光を含んでおり、BとRの波長帯の光を含んでいない。さらに、試料53の表面における反射光は、Rの波長帯の光を含んでおり、GとBの波長帯の光を含んでいない。換言すると、Rのラインセンサ15は、試料53の表面での反射光を検出し、Gのラインセンサ16は、観察窓51の裏面51bでの反射光を検出し、Bのラインセンサ17は観察窓51の表面51aでの反射光を検出する。
Z方向の走査範囲を観察窓51の表面51aよりも手前側まで広げると、ラインセンサ15〜17で測定した理想的なZ方向プロファイルは、図3(b)に示すようになる。Rのラインセンサ15で測定したZ方向プロファイルには、理想的には、1つのピークが現れる。このピークは、試料53の表面の高さ(Z位置)に対応する。Gのラインセンサ16で測定したZ方向プロファイルには、理想的には、1つのピークが現れる。このピークが観察窓51の裏面51bの高さに対応する。Bのラインセンサ17で測定したZ方向プロファイルには、理想的には、1つのピークが現れる。このピークが観察窓51の表面51aの高さに対応する。換言すると、それぞれのピーク位置は、観察窓51の表面51a、観察窓51の裏面51b、及び試料53の表面のいずれかが焦点が合った時の高さに対応している。
なお、上記の説明では、反射防止膜52a、52bの特性が理想的、すなわち、反射防止膜52a、52bが所定波長の光を完全に透過するものとして説明したが、反射防止膜52a、52bは理想的な特性を示すものに限られるものではない。例えば、反射防止膜52a、52bの特性が理想的でなく、ラインセンサ15〜17の感度以下まで反射光を低減できない場合、RGB全てのラインセンサ15〜17に観察窓51の表面51aと、裏面51bと試料53との3つの信号が入る。しかしながら、図3(b)に示したピークと比較して、ピーク強度が小さいので、容易に分離できる。
なお、上記の説明では、反射防止膜52a、52bの特性が理想的、すなわち、反射防止膜52a、52bが所定波長の光を完全に透過するものとして説明したが、反射防止膜52a、52bは理想的な特性を示すものに限られるものではない。例えば、反射防止膜52a、52bの特性が理想的でなく、ラインセンサ15〜17の感度以下まで反射光を低減できない場合、RGB全てのラインセンサ15〜17に観察窓51の表面51aと、裏面51bと試料53との3つの信号が入る。しかしながら、図3(b)に示したピークと比較して、ピーク強度が小さいので、容易に分離できる。
ここで、Rのラインセンサ15で検出したピーク位置によって、試料53の表面形状を測定する。観察窓51の裏面51bや表面51aで反射した反射光には、Rの光が含まれていないため、観察窓51の裏面51bや表面51aで反射した不要な反射光が、Rのラインセンサ15で検出されるのを防止することができる。また、Gのラインセンサ16によって、観察窓51の裏面51bの形状を測定する。試料53の表面や観察窓51の表面51aで反射した反射光には、Gに光が含まれていないため、試料53の表面や観察窓51の表面51aで反射した不要な反射光が、Gのラインセンサ16で検出されるのを防止することができる。Bのラインセンサ17によって、観察窓51の表面51aの形状を測定する。試料53の表面や観察窓51の裏面51bで反射した反射光には、Bに光が含まれていないため、試料53の表面や観察窓51の裏面51bで反射した不要な反射光が、Bのラインセンサ17で検出されるのを防止することができる。反射防止膜52a、52bを設けることで、S/N比を向上することができ、より正確に測定することができる。
観察窓51の表面51a、裏面51b、及び試料表面の全ての焦点位置を含むように、Z方向に走査範囲を設定する。すると、理想的には、R,G,Bのそれぞれに1つのピークが現れる。Rのラインセンサ15の検出結果からは、試料53の表面の位置に対応するピークのみが抽出される。Rのラインセンサ15での検出結果におけるピーク位置から、試料53の表面の高さ(Z位置)を求めることができる。理想的には、Gのラインセンサ16の検出結果からは、観察窓51の裏面51bに対応するピークのみが抽出される。このため、Gのラインセンサ16での検出結果から、観察窓51の裏面51bの高さを算出することができる。さらに、Bのラインセンサ17の検出結果からは、観察窓51の表面51aに対応するピークのみが抽出される。Bのラインセンサ17での検出結果から、観察窓51の表面51aの高さを算出することができる。
このように、Z方向の走査範囲を観察窓51の表面51aよりも手前側まで広げることで、Z方向における観察窓51の表面51aの位置を測定することができる。XY平面における所定領域において、ラインセンサ15〜17での反射光強度のZ方向プロファイルから、ピーク位置を検出する。X方向に沿ったライン状の光で試料53を照明し、かつ、振動ミラー7がライン状の光をY方向に走査しているため、XY平面における所定領域の任意の箇所で、合焦点位置を検出することができる。これにより、観察窓51の表面51aと、観察窓51の裏面51bと、試料53の表面との3次元形状を測定することができる。なお、上記の説明では、試料53がRGB全ての光を反射するものとして説明したが、試料53については、特に限定されるものではない。また、試料53の反射特性に応じて、異なる反射特性を有する観察窓51を切り替えて使用すればよい。すなわち、試料53において反射率の高い波長の光に対して反射率が低い反射防止膜52a、52bを用いればよい。
(観察窓の変形量の測定)
観察窓51の表面51aの3次元形状を測定することで、加圧による観察窓51の変形量を求めることができる。例えば、シリンダ56、57によって加圧する前と加圧した後で、観察窓51の表面51aの形状を測定する。これにより、観察窓51の変形量を求めることができ、加圧による反りや撓みを測定することができる。そして、観察窓51の変形量に基づいて、シリンダ56、57から試料53に加わる圧力の分布を求めることも可能になる。換言すると、XY平面内における圧力分布を算出することができる。
観察窓51の表面51aの3次元形状を測定することで、加圧による観察窓51の変形量を求めることができる。例えば、シリンダ56、57によって加圧する前と加圧した後で、観察窓51の表面51aの形状を測定する。これにより、観察窓51の変形量を求めることができ、加圧による反りや撓みを測定することができる。そして、観察窓51の変形量に基づいて、シリンダ56、57から試料53に加わる圧力の分布を求めることも可能になる。換言すると、XY平面内における圧力分布を算出することができる。
例えば、図5(a)に示す試料53において、図6に示すような、観察窓51の表面51aの高さ像が取得されたとする。なお、高さ像とは、Z方向の位置を階調として示す像である。例えば、あるZ位置を基準階調として、観察窓51の表面51aが高いほど(対物レンズ10に近いほど)、白に近い階調になるように表示する。
観察窓51の表面形状プロファイルは図5(b)のようになっている。なお、図5(b)において、横軸はX方向の位置であり、縦軸は観察窓51の表面51aのZ方向(高さ方向)の位置である。図5(b)において、実線は加圧後のZ方向プロファイルを示し、点線は加圧前のZ方向プロファイルを示している。
図5(b)に示すように、加圧前後で、観察窓51の表面形状プロファイルが変化する。より具体的には、シリンダ56、57によって下側から観察窓51を加圧しているため、圧力が増すほど観察窓51の表面51aの高さが高くなる。ここで、加圧前後でのZ方向の変位ΔZを求め、加圧前後でのZ方向の変位ΔZが圧力Pに比例すると仮定すると、局所的な圧力P(x,y)を求めることができる。加圧前と加圧後での表面51aの形状の違いから、XY平面における圧力分布を測定することができる。さらに、時間とともに圧力Pが変化する様子を測定することもできる。
試料53に加わる圧力を試料53の形状と、略同時に測定することができる。このため、圧力が静定するまで待つ必要がなく、シリンダ56、57の圧力変動中の測定も可能である。例えば、シリンダ56、57の油圧が変動している場合でも、試料53の表面形状を測定した時点での、シリンダ56、57による変形量を測定することができる。このような同時測定が可能となるため、試料53の評価を適切かつ詳細に行うことができる。もちろん、シリンダ56、57による圧力を段階的に変化させて、変形量を測定しても良い。さらには、圧力に応じて試料53の表面や試料53の内部形状が変化する様子を測定することもできる。また、観察窓51の変形が許容されるため、観察窓51の厚さを厚くする必要や、強度を高くする必要がない。よって、安価なガラス基板等を用いることができる。
(観察窓と試料との接触位置の検出)
さらに、観察窓51の裏面51bからの反射光を検出することで、観察窓51の裏面51bと試料53の接触位置を求めることできる。ここで、試料53と観察窓51が接触している接触位置を求める方法について、図7〜図9を用いて説明する。図7(a)は試料53の断面形状を示す図であり、図7(b)は観察窓51の裏面51bの全焦点反射像である。なお、全焦点反射像とは、図5(b)や図9で示したような反射光強度のZ方向プロファイルにおけるピーク位置での反射光強度を階調として示す画像であり、反射光強度が高い箇所ほど、白に近い階調になるように表示している。図8は、観察窓51の裏面51bの高さ像を示す図である。図9は、接触位置における反射光強度のZ方向プロファイルを示す図である。
さらに、観察窓51の裏面51bからの反射光を検出することで、観察窓51の裏面51bと試料53の接触位置を求めることできる。ここで、試料53と観察窓51が接触している接触位置を求める方法について、図7〜図9を用いて説明する。図7(a)は試料53の断面形状を示す図であり、図7(b)は観察窓51の裏面51bの全焦点反射像である。なお、全焦点反射像とは、図5(b)や図9で示したような反射光強度のZ方向プロファイルにおけるピーク位置での反射光強度を階調として示す画像であり、反射光強度が高い箇所ほど、白に近い階調になるように表示している。図8は、観察窓51の裏面51bの高さ像を示す図である。図9は、接触位置における反射光強度のZ方向プロファイルを示す図である。
図7(a)に示す試料53においては、図5と同様に、観察窓51の表面51aの高さ像は、図6に示すようになる。ここで、Gのラインセンサ16での検出結果から、観察窓51の裏面51bに対応するピーク位置を求める。このピーク位置における反射光強度のデータを抽出する。そして、観察窓51の裏面51bに対応するピーク位置における反射光強度のデータから、全焦点反射像を求めると図7(b)に示すようになる。試料53と観察窓51が接触していない箇所では、図5(b)に示すように急峻なピークが現れるが、試料53と観察窓51が接触している箇所では、図9に示すように、観察窓51の裏面51bに対応するピークが低くなり、ブロードになってしまう。
例えば、観察窓51の裏面51bと試料53の表面とで屈折率が近い場合、接触位置60では、反射光強度が極端に低くなる。観察窓51の裏面51bや試料53の表面に対応するピークのピーク高さが極端に低くなってしまう。この場合、ピークが抽出できなくなってしまったり、ピークの検出精度が低下してしまう。
従って、試料53と観察窓51が接触する接触位置60では、ピークにおける反射光強度が異常な値となる。具体的には、接触位置60では、反射光強度がその周辺に比べて低くなる。このような箇所では、試料53と観察窓51が接触していると判断する。例えば、Z方向プロファイルに現れるピークの高さに応じて、接触位置60を検出することができる。具体的には、処理部18は、Gのラインセンサ16のZ方向プロファイルにピークが現れない箇所、及び観察窓51の裏面に対応するピークの高さがしきい値よりも低い箇所を、接触位置60であると判定する。このように、反射光強度のZ方向プロファイルによってピークを検出し、そのピークの検出結果に応じて接触位置60を特定する。これにより、全焦点反射像の特異点が接触位置60と特定される。
試料53の表面形状を測定する際、接触位置60では、その周辺におけるデータを用いて処理部18が補間処理を行う。これにより、図8に示すような高さ像を得ることができる。接触位置60では、X方向、又はY方向に隣接する箇所での高さで、接触位置60での高さを補間する。接触位置60周辺の試料53の表面形状から補間することで、接触位置60における試料53の表面形状を求める。こうすることで、より正確に試料53の形状を測定することができ、適切かつ詳細に試料53を評価することができる。特に、上記の通り、接触位置60では、試料53の表面で反射される反射光の強度が低くなるため、ピーク位置の検出精度が低下してしまう。しかしながら、本実施形態に示すように、接触位置60での試料表面形状を補間により求めることで、より正確に表面形状を測定することができる。よって、より適切かつ詳細に試料53を評価することができる。
なお、観察窓51の厚さを十分厚くすれば、観察窓51の表面51aと、観察窓51の裏面51bとの距離が遠くなる。従って、観察窓51の表面51aに対応するピークと裏面51bに対応するピークとの分離を容易に行うことができる。例えば、Bのラインセンサ17の検出結果からZ方向プロファイルのピーク位置を求め、最も対物レンズ10側のピーク位置を観察窓51の表面51aの高さとする。そして、観察窓51の表面51aとその周辺を除いて、Gのラインセンサ16でのZ方向プロファイルからピークを検出する。そして、Gのラインセンサ16でのZ方向プロファイルに基づくピークの検出結果に基づいて接触位置60を検出する。接触位置60以外ではRのラインセンサ15でのピーク位置を試料53の表面高さとする。接触位置60ではその周辺の表面高さから補間を行う。これにより、試料53の表面高さ、すなわち、表面形状を正確に測定することができる。このようにして求めた試料53の高さ像は図8のようになる。
試料53と観察窓51の接触面積を求めても良い。そして、シリンダ56、57によって圧力を変えることで、接触面積の変化を評価するようにしても良い。さらに、試料53と観察窓51との隙間(試料53表面と観察窓51裏面で囲まれた空間)の体積を求めてもよい。そして、シリンダ56、57によって圧力を変えることで、試料53表面と観察窓51裏面で囲まれた空間の変化を評価するようにしても良い。例えば、隙間の体積は、接触位置以外の試料53の表面と観察窓51の裏面51bとの距離に基づいて算出することができる。このように、試料53と観察窓51の接触面積及び試料53と観察窓51との隙間の体積の少なくとも一方を求めることができる。
(測定手順)
以下、測定手順に付いて説明する。
(1)試料面への加圧・平坦化
試料を試料保持ユニット11に設置して、シリンダ56、57の油圧に必要とされる圧力まで加圧する。なお、試料を平坦化するだけで、必要以上に加圧しない場合は、試料表面を共焦点光学系30によって観察しながら、試料面の変形を確認しながら加圧する。
(2)共焦点光学系による試料計測
観察窓51の表面51a、裏面51b、試料53の表面窓の高さ範囲を全てZスキャンする。これにより、XYZの3次元空間における反射光強度のデータが3チャネル分得られる。
(3)データ解析
測定データを合成して、観察窓51の表面形状、試料53の表面形状、あるいは、観察窓51の裏面形状を算出する。すなわち、反射光強度のZ方向プロファイルからピーク位置を抽出して、観察窓51の表面形状、試料53の表面形状、あるいは、観察窓51の裏面形状を求める。このとき、接触位置を求めて、接触位置における試料の表面高さを補間することができる。
以下、測定手順に付いて説明する。
(1)試料面への加圧・平坦化
試料を試料保持ユニット11に設置して、シリンダ56、57の油圧に必要とされる圧力まで加圧する。なお、試料を平坦化するだけで、必要以上に加圧しない場合は、試料表面を共焦点光学系30によって観察しながら、試料面の変形を確認しながら加圧する。
(2)共焦点光学系による試料計測
観察窓51の表面51a、裏面51b、試料53の表面窓の高さ範囲を全てZスキャンする。これにより、XYZの3次元空間における反射光強度のデータが3チャネル分得られる。
(3)データ解析
測定データを合成して、観察窓51の表面形状、試料53の表面形状、あるいは、観察窓51の裏面形状を算出する。すなわち、反射光強度のZ方向プロファイルからピーク位置を抽出して、観察窓51の表面形状、試料53の表面形状、あるいは、観察窓51の裏面形状を求める。このとき、接触位置を求めて、接触位置における試料の表面高さを補間することができる。
(実施例)
次に、実際の試料53に観察窓51を押し付けた状態で測定した測定画像を図10、図11に示す。図10、図11は試料53としては樹脂を用い、観察窓51として、ガラス基板を用いた測定画像を示している。図10はZスキャンによって測定した観察窓51の裏面51bの全焦点反射像である。図11は、図110の全焦点反射像を2値化した2値化した画像である。ガラス基板の裏面は、樹脂の表面と近接しているため、樹脂の表面も見えている。さらに、図10から分かるように、樹脂とガラス基板が接触している接触位置では、反射光強度が弱くなるため、黒に近い階調となっている。そして、予め設定されたしきい値と、全焦点反射像のデータを比較すると、例えば、反射光強度が弱い箇所は第1の値となり、反射光強度が高い箇所は第1の値と異なる第2の値となる。これにより、裏面51bの全焦点反射像から接触位置60を特定することができる。そして、特定した接触位置を合計することで、接触面積を求めることができる。
次に、実際の試料53に観察窓51を押し付けた状態で測定した測定画像を図10、図11に示す。図10、図11は試料53としては樹脂を用い、観察窓51として、ガラス基板を用いた測定画像を示している。図10はZスキャンによって測定した観察窓51の裏面51bの全焦点反射像である。図11は、図110の全焦点反射像を2値化した2値化した画像である。ガラス基板の裏面は、樹脂の表面と近接しているため、樹脂の表面も見えている。さらに、図10から分かるように、樹脂とガラス基板が接触している接触位置では、反射光強度が弱くなるため、黒に近い階調となっている。そして、予め設定されたしきい値と、全焦点反射像のデータを比較すると、例えば、反射光強度が弱い箇所は第1の値となり、反射光強度が高い箇所は第1の値と異なる第2の値となる。これにより、裏面51bの全焦点反射像から接触位置60を特定することができる。そして、特定した接触位置を合計することで、接触面積を求めることができる。
(その他の実施の形態)
試料53の周りを溶液等の液体やゲル等で満たした状態としても良い。この場合、観察窓51と基板54とホルダ55によって形成される試料53の周辺空間に、液体やゲルなどを充填する。これにより、液体中やゲル中での測定も可能となる。また、ホルダ55に、ペルチェ素子やヒータ等を取り付けることで、冷却、又は加熱してもよい。これにより、試料53を所定の温度にした状態での測定も可能となる。これにより、所望の環境下での形状測定が可能となる。
試料53の周りを溶液等の液体やゲル等で満たした状態としても良い。この場合、観察窓51と基板54とホルダ55によって形成される試料53の周辺空間に、液体やゲルなどを充填する。これにより、液体中やゲル中での測定も可能となる。また、ホルダ55に、ペルチェ素子やヒータ等を取り付けることで、冷却、又は加熱してもよい。これにより、試料53を所定の温度にした状態での測定も可能となる。これにより、所望の環境下での形状測定が可能となる。
なお、上記の説明では、検出部としてRGBの3CCDラインセンサを用いたが、1チャネルのみのセンサで反射光を検出してもよい。この場合、1チャネルのZ方向プロファイルには、観察窓51の表面51aと、裏面51と、試料53の表面に対応する3つのピークが現れる。Z方向におけるピークの順番によって、どの面に対応するものか特定することができる。
上記の形状測定装置は、フェルト等の繊維質の試料の形状測定に好適である。さらに、圧力をかけた状態で使用される試料の観察に好適である。加圧した状態で使用される試料では、加圧状態での表面形状が重要になる。従って、加圧状態で試料53の表面形状を測定するのと、ほぼ同時に圧力分布等を測定することで、適切かつ詳細に評価することができる。また、非接触式での測定であるため、圧媒を介しての測定が可能となる。
1 光源
2 光ファイババンドル
3 集束性レンズ
4 スリット
5 ハーフミラー
6 レンズ
7 振動ミラー
8 リレーレンズ
9 リレーレンズ
10 対物レンズ
11 保持ユニット
12 XYステージ
13 ポジショナ
14 分光プリズム
15 ラインセンサ
16 ラインセンサ
17 ラインセンサ
18 処理部
19 アンプ
20 アンプ
21 アンプ
22 偏光板(アナライザ)
23 偏光板(ポラライザ
24 1波長板(λ板、検板)
25 バンドパスフィルタ
30 共焦点光学系
51 観察窓
52a 反射防止膜
52b 反射防止膜
53 試料
54 基板
55 ホルダ
56 シリンダ
57 シリンダ
60 接触位置
2 光ファイババンドル
3 集束性レンズ
4 スリット
5 ハーフミラー
6 レンズ
7 振動ミラー
8 リレーレンズ
9 リレーレンズ
10 対物レンズ
11 保持ユニット
12 XYステージ
13 ポジショナ
14 分光プリズム
15 ラインセンサ
16 ラインセンサ
17 ラインセンサ
18 処理部
19 アンプ
20 アンプ
21 アンプ
22 偏光板(アナライザ)
23 偏光板(ポラライザ
24 1波長板(λ板、検板)
25 バンドパスフィルタ
30 共焦点光学系
51 観察窓
52a 反射防止膜
52b 反射防止膜
53 試料
54 基板
55 ホルダ
56 シリンダ
57 シリンダ
60 接触位置
Claims (12)
- 試料の表面側に配置された観察窓と、試料の裏面側に配置された裏面側保持部材とを有する試料保持ユニットと、
前記観察窓及び前記裏面側保持部材の少なくとも一方を介して、前記試料を加圧する加圧機構と、
前記試料の形状を測定するため前記試料を照明するとともに、照明光の焦点位置を光軸方向に走査可能な共焦点光学系と、
前記共焦点光学系を介して、前記試料保持ユニットに保持された試料からの反射光を検出する検出部と、
前記焦点位置を光軸方向に走査した時の前記検出部での検出結果によって、形状を測定する処理部と、を備え、
前記観察窓の表面に前記焦点位置を合わせて、前記観察窓の表面形状を測定する形状測定装置。 - 前記加圧機構による圧力を変化させた前後で、前記観察窓の表面形状を測定する請求項1に記載の形状測定装置。
- 前記観察窓の裏面に前記焦点位置を合わせた時の反射光の検出結果に基づいて、前記観察窓と前記試料とが接触している接触位置を検出する請求項1、又は2に記載の形状測定装置。
- 前記光軸方向における反射光強度のプロファイルからピークを検出し、前記ピークの検出結果に基づいて、前記接触位置を特定する請求項3に記載の形状測定装置。
- 前記接触位置の検出結果から、前記試料と前記観察窓が接触している接触面積、及び前記観察窓と前記試料との隙間の体積の少なくとも一方を求めることを特徴とする請求項3、又は4に記載の形状測定装置。
- 前記観察窓の裏面側に、所定波長の光の反射を防止する反射防止膜が形成され、
前記検出部が前記所定波長の光を検出する第1のチャネルと、前記所定波長を除く光を検出する第2のチャネルとを、備えており、
前記第2のチャネルでの測定結果に基づいて、前記接触位置を検出し、
前記接触位置以外での前記第1のチャネルの測定結果によって、前記接触位置における前記試料表面の測定位置を補間する請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の形状測定装置。 - 試料の表面側に配置された観察窓と、前記試料の裏面側に配置された裏面側保持部材とで前記試料を保持するステップと、
前記観察窓及び前記裏面側保持部材の少なくとも一方を介して、前記試料を加圧するステップと、
前記試料を加圧した状態で、共焦点光学系を用いて、前記観察窓側から前記試料に照明光を照射するとともに、前記試料からの反射光を検出するステップと、
前記照明光の焦点位置を光軸方向に走査した時の前記反射光の検出結果から、前記試料の形状を測定するステップと、
前記観察窓の表面に前記焦点位置を合わせて、前記観察窓の表面形状を測定するステップと、を備える形状測定方法。 - 前記加圧機構による圧力を変化させた前後で、前記観察窓の表面形状を測定する請求項7に記載の形状測定方法。
- 前記圧力を変化させた前後の前記観察窓の変形量に基づいて、前記試料に対する圧力分布を測定する請求項8に記載の形状測定方法。
- 前記観察窓の裏面に前記焦点位置を合わせて、前記観察窓と前記試料とが接触している接触位置を検出する請求項7〜9のいずれか1項に記載の形状測定方法。
- 前記光軸方向における反射光強度のプロファイルからピークを検出し、前記ピークの検出結果に基づいて、前記接触位置を特定する請求項10に記載の形状測定方法。
- 前記観察窓の裏面側に、所定波長の光の反射を防止する反射防止膜が形成され、
前記反射光を検出する検出部が前記所定波長の光を検出する第1のチャネルと、前記所定波長を除く光を検出する第2のチャネルとを、備えており、
前記第2のチャネルでの測定結果に基づいて、前記接触位置を検出し、
前記接触位置以外での前記第1のチャネルの測定結果によって、前記接触位置における前記試料表面の測定位置を補間する請求項10、又は11に記載の形状測定方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2011
- 2011-06-23 JP JP2011139510A patent/JP2013007613A/ja not_active Withdrawn
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