JP2013007062A - 電気・電子機器用銅合金及び電気・電子機器用銅合金の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Zrを0.005質量%以上0.5質量%以下の範囲で含み、かつ、Crを0.07質量%以上0.4質量%以下の範囲で含み、残部が実質的にCu及び不可避不純物とされており、板表面における{200}面からのX線回折強度をI{200}、{220}面からのX線回折強度をI{220}、{331}面からのX線回折強度をI{331}としたとき、{200}面からのX線回折強度の割合をR{200}=I{200}/(I{220}+I{331})とした場合に、R{200}が2以上である。
【選択図】なし
Description
このCu−Cr−Zr合金は、CrおよびZrを主成分とする析出物を分散させることにより、導電率を低下させることなく強度を向上させる、いわゆる析出強化型合金である。また、Cu−Cr−Zr合金は、きわめて優れた耐応力緩和特性を有する。
しかしながら、高い加工率の冷間圧延等を加えることによって、圧延方向と板幅方向の機械的特性に差を生じ、端子・コネクタ材料として重要な要求特性である曲げ加工性に対する異方性の問題があった。すなわち、圧延方向に対して平行な方向と直交する方向とで曲げ加工性が大きく異なるため、複雑な形状の端子やコネクタ等を成形することができないといった問題があった。
さらに、{200}面からのX線回折強度の割合R{200}=I{200}/(I{220}+I{331})を2以上としていることから、材料表面において{200}面が多く存在していることになる。このように、材料表面方向に{200}面が向く状態で曲げ加工が行われた場合には、クラックの原因となる局所的な変形帯やせん断帯の発達を抑制する効果がある。すなわち、曲げ加工の応力方向に対して、より多くの原子の滑り系が活動できる方位関係になることによって変形を分散させる効果があり、局所的な変形の発達を抑制することによって、クラックの発生を抑制できるものと考えられる。したがって、異方性が改善され、曲げ加工性が向上することになる。
なお、本発明において前記R{200}の上限値に特に制限はない。また、本発明において、R{200}を規定する材料表面(例えば、板表面)とは一連の製造工程の全てを完了した最終の状態の板等の表面をいう。
Si,Mgといった元素を、前述の電気・電子機器用銅合金に添加することにより、銅合金の特性を向上させることが可能となる。よって、用途にあわせて選択的に含有させることによって、その用途に特に適した電気・電子機器用銅合金を提供することが可能となる。
Al,Fe,Ti,Ni,P,Sn,Zn,Ca,Coといった元素を、前述の電気・電子機器用銅合金に添加することにより、銅合金の特性を向上させることが可能となる。よって、用途にあわせて選択的に含有させることによって、その用途に特に適した電気・電子機器用銅合金を提供することが可能となる。
この場合、強度が確保されていることから、端子やコネクタの薄肉化、小型化を図ることが可能となる。
本実施形態である電気・電子機器用銅合金は、Zrを0.005質量%以上0.5質量%以下の範囲で含み、かつ、Crを0.07質量%以上0.4質量%以下の範囲で含み、残部が実質的にCu及び不可避不純物からなる組成を有している。さらに、本実施形態では、Si,Mgのいずれか1種又は2種以上を0.001質量%以上0.5質量%以下の範囲で含み、かつ、Al,Fe,Ti,Ni,P,Sn,Zn,Ca,Coのいずれか1種又は2種以上を0.001質量%以上3.0質量%以下の範囲で含む。
以下に、これらの元素の含有量及び結晶方位を前述の範囲に設定した理由について説明する。
Crは、Cuの母相中に固溶してばね性を向上させるとともに、母相中に析出し、強度を向上させる作用効果を有する元素である。また、結晶粒を微細化する作用効果を有する。
ここで、Crの含有量が0.07質量%未満では、その作用効果を十分に奏功せしめることができない。一方、Crの含有量が0.4質量%を超えると、溶体化処理後に粗大粒が存在するようになり、結果として最終製品に存在し、めっき性を低下させるおそれがある。
このような理由から、Crの含有量を0.07質量%以上0.4質量%以下に設定している。なお、上述の作用効果をさらに確実に奏功せしめるためには、Crの含有量を0.08質量%以上0.28質量%以下の範囲とすることが好ましい。
Zrは、Cuと結合して金属間化合物を形成し、上記の微細Cr粒子とともに母相中に析出し、強度をさらに向上させる作用効果を有する。また、結晶粒を微細化する作用効果を有する。
ここで、Zrの含有量が0.005質量%未満では、その作用効果を十分に奏功せしめることができない。一方、Zrの含有量が0.5質量%を超えると、冷間圧延時に冷延材に耳割れが発生するおそれがある。
このような理由から、Zrの含有量を0.005質量%以上0.5質量%以下に設定している。なお、上述の作用効果をさらに確実に奏功せしめるためには、Zrの含有量を0.01質量%以上0.15質量%以下、さらには0.02質量%以上0.1質量%以下の範囲とすることが好ましい。
SiおよびMgといった元素は、酸素との親和力が強く、脱酸作用を発揮し、また強度および靭性を向上させる作用効果を有している。よって、用途にあわせて選択的に含有させることによって特性を向上させることが可能となる。
ここで、SiおよびMgといった元素の含有量が0.001質量%未満では、その作用効果を十分に奏功せしめることはできない。一方、SiおよびMgといった元素の含有量が0.5質量%を超えると、導電率が大きく低下することになる。
このような理由から、SiおよびMgといった元素を添加する場合、その含有量を0.001質量%以上0.5質量%以下の範囲内とすることが好ましい。
Al,Fe,Ti,Ni,P,Sn,Zn,Ca,Coといった元素は、銅合金の種々の特性を向上させる作用効果を有している。例えば、Alは、冷間圧延時の耳割れの防止及び曲げ加工性の向上といった作用効果を有する。また、Fe,Co,Tiといった元素は、相互に結合してTi−Co/Fe金属間化合物を形成し、母相中に析出して強度を向上させる作用効果を有する。さらに、Ni,P,Sn,Zn,Caといった元素は、プレス打ち抜き加工時における破断起点として有効に作用し、プレス打ち抜き性を大幅に向上させる作用効果を有する。よって、上記の元素を用途にあわせて選択的に含有させることにより、銅合金の特性を向上させることが可能となる。
このような理由から、Al,Fe,Ti,Ni,P,Sn,Zn,Ca,Coといった元素の含有量を添加する場合、その含有量を0.001質量%以上3.0質量%以下の範囲内とすることが好ましい。
本実施形態である電気・電子機器用銅合金においては、板表面における{200}面からのX線回折強度の割合R{200}=I{200}/(I{220}+I{331})を2以上としている。
板表面における{200}面からのX線回折強度の割合R{200}が2以上とされていることから、板表面に{200}面が多く存在していることになる。このように、板表面に{200}面が多く存在した状態で曲げ加工を行った場合、曲げ加工の応力方向に対して、より多くの原子の滑り系が活動できる方位関係になることによって変形を分散させる効果があり、局所的な変形の発達を抑制することによって、クラックの発生を抑制できるものと考えられる。
(溶解・鋳造工程S01)
まず、銅原料を溶解して得られた銅溶湯に、前述の元素を添加して成分調整を行い、銅合金溶湯を製出する。なお、Cr,Zr等の元素の添加には、Cr,Zr等の元素単体や母合金等を用いることができる。また、これらの元素を含む原料を銅原料とともに溶解してもよい。また、本合金のリサイクル材及びスクラップ材を用いてもよい。
ここで、銅溶湯は、純度が99.99質量%以上とされたいわゆる4NCuとすることが好ましい。また、溶解工程では、Cr,Zr等の元素の酸化を抑制するために、真空炉、あるいは、不活性ガス雰囲気又は還元性雰囲気とされた雰囲気炉を用いることが好ましい。
そして、成分調整された銅合金溶湯を鋳型に注入して鋳塊を製出する。なお、量産を考慮した場合には、連続鋳造法又は半連続鋳造法を用いることが好ましい。
次に、得られた鋳塊の均質化及び溶体化のために加熱処理を行う。鋳塊の内部には、凝固の過程において添加元素が偏析で濃縮することにより発生した金属間化合物等が存在することになる。そこで、これらの偏析及び金属間化合物等を消失又は低減させるために、鋳塊を700℃以上1050℃以下にまで加熱し、1分〜48時間保持する加熱処理を行うことで、鋳塊内において、添加元素を均質に拡散させたり、添加元素を母相中に固溶させたりするのである。なお、この加熱工程S02は、非酸化性又は還元性雰囲気中で実施することが好ましい。均質化及び溶体化は、高温であるほど短時間で目的を達成できるが、高温過ぎると偏析部の融解も生じるため、好ましくは800℃〜1030℃である。
そして、加熱工程S02において700℃以上1050℃以下にまで加熱された鋳塊を、500℃以下の温度にまで、200℃/min以上の冷却速度で冷却する。
次に、加熱工程S02及び急冷工程S03を経た鋳塊に対して、300℃から600℃で1分〜48時間の条件で、析出のための熱処理を実施する。
その後、酸化膜等を除去するために必要に応じて表面研削を行い、圧延率80%以上の冷間圧延を実施する。
次に、冷間圧延工程S05によって得られた圧延材に対して、導電率の向上のために、または低温焼鈍硬化を行うために、又は、残留ひずみの除去のために、熱処理を実施する。80%以上の冷間圧延を行うと、それによる転位や欠陥の増加、微細析出物の再固溶などが生じ、そのため、導電率も低下する。また、圧延により不均一な歪みも導入される。これらの対策、すなわち、導電率向上または残留歪み除去のために、この熱処理を行う。条件としては、300℃〜600℃で1分〜48時間の条件が好ましい。
この熱処理条件については、製出される製品に求められる特性に応じて適宜設定することになる。
例えば、上述の実施形態では、電気・電子機器用銅合金の製造方法の一例について説明したが、製造方法は本実施形態に限定されることはなく、既存の製造方法を適宜選択して製造してもよい。
純度99.99質量%以上の無酸素銅(ASTM B152 C10100)からなる銅原料にCr、Zr、Siの各種元素を配合し、Arガス雰囲気で高周波溶解し、鋳型に注湯して鋳塊を製出した。なお、鋳塊の組成は、Cu−0.25質量%Cr−0.1質量%Zr−0.02質量%Siとした。また、鋳塊の大きさは、厚さ約30mm×幅約40mm×長さ約100〜120mmとした。
この鋳塊を980℃で4時間保持した後、熱間圧延を行い、水焼入れを実施し、厚さ15mm×幅約40mmの熱間圧延材を製出し、さらに切断した。
そして、この熱間圧延材に対して450℃で4時間の析出熱処理を行った。その後、切断するとともに表面の酸化スケールを除去し、圧延率を変更して冷間圧延を行った。次に、450℃で4時間の熱処理を行った。この熱処理の後、切断するとともに酸化スケールを除去し、サンプルを作成した。
純度99.99質量%以上の無酸素銅(ASTM B152 C10100)からなる銅原料にCr、Zr、Siの各種元素を配合し、Arガス雰囲気で高周波溶解し、鋳型に注湯して鋳塊を製出した。なお、鋳塊の組成は、Cu−0.25質量%Cr−0.1質量%Zr−0.02質量%Siとした。また、鋳塊の大きさは、厚さ約30mm×幅約40mm×長さ約100〜120mmとした。
この鋳塊を980℃で4時間保持した後、熱間圧延を行い、水焼入れを実施し、厚さ15mm×幅約40mmの熱間圧延材を製出した。
そして、この熱間圧延材を切断するとともに表面の酸化スケールを除去した後、圧延率を変更して冷間圧延を行った。その後、450℃で4時間の析出熱処理を行った。この後、切断するとともに酸化スケールを除去し、サンプルを作成した。
反射法で、測定試料に対して1つの回転軸の回りのX線回折強度を測定した。ターゲットにはCuを使用し、KαのX線を使用した。管電流40mA、管電圧40kV、測定角度40〜150°、測定ステップ0.02°の条件で測定し、回折角とX線回折強度のプロファイルにおいて、X線回折強度のバックグラウンドを除去後、各回折面からのピークのKα1とKα2を合わせた積分X線回折強度Iを求め、式 R{200}=I{200}/(I{220}+I{331}) よりR{200}の値を求めた。
そして、試料1,2の冷間圧延率とR{200}の関係を求めた。結果を図2に示す。
一方、析出熱処理を実施した後に冷間圧延を実施した試料1においては、冷間圧延における圧延率が80%以上となると、板表面における{200}面からのX線回折強度の割合R{200}が2以上となった。特に圧延率を90%以上としたものでは、R{200}が2よりも大きくなることが確認された。
次に、純度99.99質量%以上の無酸素銅(ASTM B152 C10100)からなる銅原料とCr、Zr等の各種元素とを用いて表1に示す組成になるように配合し、Arガス雰囲気で高周波溶解し、鋳型に注湯して鋳塊を製出した。ここで、鋳塊の大きさは、厚さ約30mm×幅約40mm×長さ約100〜120mmとした。
この鋳塊を980℃で4時間保持した後、熱間圧延を行い、水焼入れを実施し、厚さ15mm×幅約40mmの熱間圧延材を製出した。そして、この熱間圧延材を切断するとともに表面の酸化スケールを除去した。
その後、表2に示す温度条件で4時間保持し、析出熱処理(熱間圧延後の熱処理)を行った。その後、切断するとともに表面スケールを除去し、表2に示す条件で冷間圧延を行った。その後、表2に示す温度条件で4時間保持し、歪み取り熱処理(冷間圧延後の熱処理)を行った。この後、酸化スケールを除去し、厚さ0.5mmの特性評価用条材を作成した。
次に、純度99.99質量%以上の無酸素銅(ASTM B152 C10100)からなる銅原料とCr、Zr等の各種元素とを用いて表3に示す組成になるように配合し、Arガス雰囲気で高周波溶解し、鋳型に注湯して鋳塊を製出した。ここで、鋳塊の大きさは、厚さ約30mm×幅約40mm×長さ約100〜120mmとした。
この鋳塊を980℃で4時間保持した後、熱間圧延を行い、水焼入れを実施し、厚さ15mm×幅約40mmの熱間圧延材を製出した。そして、この熱間圧延材を切断するとともに表面の酸化スケールを除去した。
その後、表4に示す条件で冷間圧延を行った。その後、表4に示す温度条件で4時間保持し、析出熱処理(冷間圧延後の熱処理)を行った。その後、酸化スケールを除去し、厚さ0.5mmの特性評価用条材を作成した。
比較例17は、比較例1−16と同様の手順で熱間圧延材を作成し、この熱間圧延材に対して450℃、4時間の条件で析出熱処理(熱間圧延後の熱処理)を実施した。その後、切断するとともに酸化スケールを除去し、断面減少率73.0%で冷間圧延を行った。その後、450℃、4時間の条件で、熱処理(冷間圧延後の熱処理)を行った。この後、酸化スケールを除去し、厚さ0.5mmの特性評価用条材を作成した。
板表面における{200}面からのX線回折強度I{200}、{220}面からのX線回折強度I{220}、{331}面からのX線回折強度I{331}は、次のような手順で測定する。特性評価用条材から測定試料を採取し、反射法で、測定試料に対して1つの回転軸の回りのX線回折強度を測定した。ターゲットにはCuを使用し、KαのX線を使用した。管電流40mA、管電圧40kV、測定角度40〜150°、測定ステップ0.02°の条件で測定し、回折角とX線回折強度のプロファイルにおいて、X線回折強度のバックグラウンドを除去後、各回折面からのピークのKα1とKα2を合わせた積分X線回折強度Iを求め、式 R{200}=I{200}/(I{220}+I{331}) より、R{200}の値を求めた。評価結果を表5,6に示す。
熱間圧延材と特性評価用条材について、導電率を測定した。幅10mm×長さ60mmの試験片を採取し、4端子法によって電気抵抗を求めた。また、マイクロメータを用いて試験片の寸法測定を行い、試験片の体積を算出した。そして、測定した電気抵抗値と体積とから、導電率を算出した。なお、試験片は、その長手方向が特性評価用条材の圧延方向に対して平行になるように採取した。評価結果を表5,6に示す。
特性評価用条材からJIS Z 2201に規定される13B号試験片を採取し、引張試験を実施し、引張強度を測定した。
なお、試験片は、引張試験の引張方向が特性評価用条材の圧延方向に対して平行になるように採取した。評価結果を表5,6に示す。
JCBA(日本伸銅協会技術標準)T307−2007の4試験方法に準拠して曲げ加工を行った。曲げの軸が圧延方向に垂直になるようにW曲げしたものをG.W.とし、圧延方向に平行になるようにW曲げしたものをB.W.とした。特性評価用条材から幅10mm×長さ30mm×厚さ0.5mmの試験片を複数採取し、曲げ角度が90度、曲げ半径が0.1mmのW型の治具を用い、W曲げ試験を行った。それぞれ3つのサンプルで割れ試験を実施し、各サンプルの4つの視野においてクラックが観察されなかったものを○で、1つの視野以上でクラックが観察されたものを×で示した。評価結果を表5,6に示す。
加工組織が残存していることを測定するため、EBSD(Electron Backscatter Diffraction Patterns)測定装置によって、結晶粒界および結晶方位差分布を測定した。本発明例6について、耐水研磨紙、ダイヤモンド砥粒を用いて機械研磨を行った後、コロイダルシリカ溶液を用いて仕上げ研磨を行った。
そして、EBSD測定装置(HITACHI社製 S4300−SE,EDAX/TSL社製 OIM Data Collection)と、解析ソフト(EDAX/TSL社製 OIM Data Analysis ver.5.2)によって、結晶粒界特定し、各結晶粒の方位差の解析を行った。
EBSD測定装置による結晶粒界マップを図3に示す。また、EBSD測定装置による結晶粒界の方位差分布を図4に示す。
また、本発明例1−16においては、曲げ加工性が良好であったが、比較例1−17では、曲げ加工性が悪いことが確認される。
S02 加熱工程
S03 急冷工程
S04 析出熱処理工程
S05 冷間圧延工程
S06 熱処理工程
Claims (7)
- Zrを0.005質量%以上0.5質量%以下の範囲で含み、かつ、Crを0.07質量%以上0.4質量%以下の範囲で含み、残部が実質的にCu及び不可避不純物とされており、
板表面における{200}面からのX線回折強度をI{200}、{220}面からのX線回折強度をI{220}、{331}面からのX線回折強度をI{331}としたとき、{200}面からのX線回折強度の割合をR{200}=I{200}/(I{220}+I{331})とした場合に、R{200}が2以上であることを特徴とする電気・電子機器用銅合金。 - 請求項1に記載の電気・電子機器用銅合金において、
Si,Mgのいずれか1種又は2種以上を0.001質量%以上0.5質量%以下の範囲で含むことを特徴とする電気・電子機器用銅合金。 - 請求項1または請求項2に記載の電気・電子機器用銅合金において、
Al,Fe,Ti,Ni,P,Sn,Zn,Ca,Coのいずれか1種又は2種以上を0.001質量%以上3.0質量%以下の範囲で含むことを特徴とする電気・電子機器用銅合金。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気・電子機器用銅合金において、
引張強度が500MPa以上とされていることを特徴とする電気・電子機器用銅合金。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気・電子機器用銅合金を製出する電気・電子機器用銅合金の製造方法であって、
析出熱処理工程と、この析出熱処理工程の後に断面減少率80%以上の冷間圧延を行う工程と、を備えていることを特徴とする電気・電子機器用銅合金の製造方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気・電子機器用銅合金を製出する電気・電子機器用銅合金の製造方法であって、
析出熱処理工程と、この析出熱処理工程の後に断面減少率80%以上の冷間圧延を実施する冷間圧延工程と、この冷間圧延工程の後に導電率向上のための熱処理または歪み取り熱処理を施す工程と、
を備えていることを特徴とする電気・電子機器用銅合金の製造方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気・電子機器用銅合金を製出する電気・電子機器用銅合金の製造方法であって、
700℃以上1050℃以下の温度範囲で溶体化処理または熱間圧延処理を行った後に500℃以下まで200℃/min以上の冷却速度で急冷する第一工程と、前記第一工程を経た母材に対して、析出熱処理を実施した後、断面減少率80%以上の冷間圧延を施す第二工程と、導電率向上のための熱処理または歪み取り熱処理を施す第三工程を備えたことを特徴とする電気・電子機器用銅合金の製造方法。
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