特許文献1に記載された圧接型大電力用サイリスタモジュールでは、サイリスタチップが発生した熱が、導電性アノードサブスペーサ、コモンバー、絶縁板などを介して放熱板に伝熱され、その結果、放熱板内を循環せしめられている冷却水によってサイリスタチップが冷却される。すなわち、特許文献1に記載された圧接型大電力用サイリスタモジュールでは、サイリスタチップが水冷によって冷却される。
詳細には、特許文献1に記載された圧接型大電力用サイリスタモジュールは例えば溶接機に用いられる。ところで、溶接機の需要は、冷却水の循環設備などを含む水冷設備を準備できる使用環境のみならず、水冷設備を準備できない使用環境においても存在する。ところが、特許文献1に記載された圧接型大電力用サイリスタモジュールは、水冷設備を準備できない使用環境において用いられる溶接機などに対して適用することができない。
前記問題点に鑑み、本発明は、冷却水の循環設備などを含む水冷設備を準備できない使用環境においてもサイリスタチップを冷却することができる圧接型大電力用サイリスタモジュールおよびその製造方法ならびにその使用方法を提供することを目的とする。
詳細には、本発明は、水冷式の圧接型大電力用サイリスタモジュールよりも、モジュール全体を小型化し、モジュール全体のコストを削減することができる圧接型大電力用サイリスタモジュールおよびその製造方法ならびにその使用方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数の放熱フィン(1b)を有するヒートシンク(1)のベース部分(1a)上に絶縁板(11)を配置し、
コモンバー(12)を絶縁板(11)上に配置し、
概略四角形の導電性アノードサブスペーサ(181)と、導電性アノードサブスペーサ(181)を包囲する絶縁性アノードサブスペーサホルダ(182)とを、コモンバー(12)上に配置し、
下面にアノード電極(113a)を有し、上面の中心部分にゲート電極(113b)を有し、ゲート電極(113b)の周りにカソード電極(113c)を有し、導電性アノードサブスペーサ(181)よりも大きい概略四角形のサイリスタチップ(113)を設け、
サイリスタチップ(113)のアノード電極(113a)と導電性アノードサブスペーサ(181)とが対向するように、サイリスタチップ(113)を導電性アノードサブスペーサ(181)および絶縁性アノードサブスペーサホルダ(182)の上に配置し、
サイリスタチップ(113)のゲート電極(113b)に対向する位置に円形の穴(183a)を有し、サイリスタチップ(113)よりも小さい概略四角形の導電性カソードサブスペーサ(183)を設け、
導電性カソードサブスペーサ(183)とサイリスタチップ(113)のカソード電極(113c)とが対向するように、導電性カソードサブスペーサ(183)と、導電性カソードサブスペーサ(183)を包囲する絶縁性カソードサブスペーサホルダ(184)とを、サイリスタチップ(113)のカソード電極(113c)および絶縁性アノードサブスペーサホルダ(182)の上に配置し、
サイリスタチップ(113)のゲート電極(113b)に対向する位置に円形の穴(14a)を有する環状の導電性カソードスペーサ(14)を導電性カソードサブスペーサ(183)および絶縁性カソードサブスペーサホルダ(184)の上に配置し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)をサイリスタチップ(113)のゲート電極(113b)上に配置し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)と概略相補形状の円形の穴(316d)と、環状の導電性カソードスペーサ(14)の穴(14a)と嵌合する外周面(316c)とを有する環状の絶縁性ゲートスペーサ(316)を設け、
環状の絶縁性ゲートスペーサ(316)を環状の導電性カソードスペーサ(14)とコイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)との間に配置し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)の上端を水平方向に延ばすと共に、その水平方向に延ばされた部分(15b)を絶縁被覆し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(15)の水平方向に延ばされた部分(15b)の先端側部分(15b1)を、導電性カソードスペーサ(14)の上面に形成された収容溝(14b)内に収容し、
環状の導電性カソードスペーサ(14)の穴(14a)と嵌合する外周面(317c)を有する円形の絶縁性ゲートスペーサ(317)を、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)および環状の絶縁性ゲートスペーサ(316)の上に配置し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)の上端および水平方向に延ばされた部分(15b)の根元側部分(15b2)を、円形の絶縁性ゲートスペーサ(317)の下面(317b)に形成された収容溝(317d)内に収容し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(15)の水平方向に延ばされた部分(15b)の根元側部分(15b2)を、環状の絶縁性ゲートスペーサ(316)の上面(316a)と円形の絶縁性ゲートスペーサ(317)の収容溝(317d)の天井面(317d1)とによって挟持し、
カソード端子バー(18)と環状の導電性カソードスペーサ(14)とが対向するように、カソード端子バー(18)を環状の導電性カソードスペーサ(14)および円形の絶縁性ゲートスペーサ(317)の上に配置し、
それらを圧接手段(19)によって上下方向に圧接し、
ヒートシンク(1)のベース部分(1a)とコモンバー(12)との間に絶縁板(21)を配置し、
円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)をコモンバー(12)上に配置し、
コイル部分(115a)を有するコイルバネ型ゲート電極信号線(115)を設け、
コイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)の下端を水平方向に延ばすと共に、その水平方向に延ばされた部分(115b)を絶縁被覆し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)の下端および水平方向に延ばされた部分(115b)の根元側部分(115b2)を、円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)の上面(327b)に形成された収容溝(327d)内に収容し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)と概略相補形状の円形の穴(326d)を有する環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)を設け、
環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)を、円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)の上であって、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)の周りに配置し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(115)の水平方向に延ばされた部分(115b)の根元側部分(115b2)を、環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)の下面(326a)と円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)の収容溝(327d)の底面(327d1)とによって挟持し、
円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)の外周面(327c)および環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)の外周面(326c)と嵌合する穴(24a)を有する環状の導電性カソードスペーサ(24)を設け、
コイルバネ型ゲート電極信号線(115)の水平方向に延ばされた部分(115b)の先端側部分(115b1)が、導電性カソードスペーサ(24)の下面に形成された収容溝(24b)内に収容されるように、環状の導電性カソードスペーサ(24)を、コモンバー(12)およびコイルバネ型ゲート電極信号線(115)の水平方向に延ばされた部分(115b)の先端側部分(115b1)の上であって、円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)および環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)の周りに配置し、
コイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)を包囲する円形の穴(193a)を有する概略四角形の導電性カソードサブスペーサ(193)と、導電性カソードサブスペーサ(193)を包囲する絶縁性カソードサブスペーサホルダ(194)とを設け、
概略四角形の導電性カソードサブスペーサ(193)と環状の導電性カソードスペーサ(24)とが対向するように、概略四角形の導電性カソードサブスペーサ(193)と絶縁性カソードサブスペーサホルダ(194)とを環状の導電性カソードスペーサ(24)上に配置し、
上面にアノード電極(123a)を有し、下面の中心部分にゲート電極(123b)を有し、ゲート電極(123b)の周りにカソード電極(123c)を有し、導電性カソードサブスペーサ(193)よりも大きい概略四角形のサイリスタチップ(123)を設け、
サイリスタチップ(123)のゲート電極(123b)とコイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)とが対向し、かつ、サイリスタチップ(123)のカソード電極(123c)と導電性カソードサブスペーサ(193)とが対向するように、サイリスタチップ(123)をコイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)、導電性カソードサブスペーサ(193)および絶縁性カソードサブスペーサホルダ(194)の上に配置し、
サイリスタチップ(123)よりも小さい概略四角形の導電性アノードサブスペーサ(191)と、導電性アノードサブスペーサ(191)を包囲する絶縁性アノードサブスペーサホルダ(192)とを設け、
導電性アノードサブスペーサ(191)とサイリスタチップ(123)のアノード電極(123a)とが対向するように、導電性アノードサブスペーサ(191)と絶縁性アノードサブスペーサホルダ(192)とを、サイリスタチップ(123)のアノード電極(123a)および絶縁性カソードサブスペーサホルダ(194)の上に配置し、
アノード端子バー(22)と導電性アノードサブスペーサ(191)とが対向するように、アノード端子バー(22)を導電性アノードサブスペーサ(191)および絶縁性アノードサブスペーサホルダ(192)の上に配置し、
それらを圧接手段(29)によって上下方向に圧接したことを特徴とする圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、ヒートシンク(1)のうち、サイリスタチップ(113)に対向する部分を冷却するためのファン(FN1)と、ヒートシンク(1)のうち、サイリスタチップ(123)に対向する部分を冷却するためのファン(FN2)とを別個に設けたことを特徴とする請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、ファン(FN1)の風量よりもファン(FN2)の風量を多くしたことを特徴とする請求項2に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、ヒートシンク(1)の四角形のベース部分(1a)の4つの側面(1a3,1a4,1a5,1a6)のうち、放熱フィン(1b)の稜線方向に平行な2つの側面(1a3,1a4)に対して2つの概略L字状の接続部材(2R,2L)の鉛直部分(2R1,2L1)を接続し、
2つの接続部材(2R,2L)の水平部分(2R2,2L2)の下面(2R2a,2L2a)を、複数の放熱フィン(1b)の先端部を含む平面と同一平面上に配置するか、あるいは、複数の放熱フィン(1b)の先端部を含む平面よりも下側に突出させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、ナット(80a)を収容するための凹部(51g)を有する外囲ケース(51)をヒートシンク(1)のベース部分(1a)上に固定し、次いで、
ナット(80a)が収容された外囲ケース(51)によって水平方向に位置決めされた絶縁板(11)、コモンバー(12)、導電性アノードサブスペーサ(181)、サイリスタチップ(113)、導電性カソードサブスペーサ(183)、導電性カソードスペーサ(14)およびカソード端子バー(18)を、圧接手段(19)によって上下方向に圧接すると共に、外囲ケース(51)によって水平方向に位置決めされた絶縁板(21)、コモンバー(12)、導電性カソードスペーサ(24)、導電性カソードサブスペーサ(193)、サイリスタチップ(123)、導電性アノードサブスペーサ(191)およびアノード端子バー(22)を、圧接手段(29)によって上下方向に圧接し、次いで、
蓋体(52)を外囲ケース(51)上に固定し、次いで、
カソード端子バー(18)の上端部を第1の向きに折り曲げると同時に、アノード端子バー(22)の上端部を第1の向きとは逆向きの第2の向きに折り曲げ、蓋体(52)の凹部(52a)に収容されたナット(80b)をカソード端子バー(18)の上端部によって覆うと共に、蓋体(52)の凹部(52b)に収容されたナット(80c)をアノード端子バー(22)の上端部によって覆うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の製造方法が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、圧接手段(19)による圧接および圧接手段(29)による圧接を行う前に、2つの接続部材(2R,2L)の鉛直部分(2R1,2L1)をヒートシンク(1)のベース部分(1a)に接続し、次いで、
2つの接続部材(2R,2L)の水平部分(2R2,2L2)を冶具に対して接続した状態で、圧接手段(19)による圧接および圧接手段(29)による圧接、並びに、カソード端子バー(18)の上端部およびアノード端子バー(22)の上端部の折り曲げを行うことを特徴とする請求項4に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の製造方法が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、冶具から取り外された2つの接続部材(2R,2L)の水平部分(2R2,2L2)が圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の取り付け対象に対して接続されることを特徴とする請求項6に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の使用方法が提供される。
請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、複数の放熱フィン(1b)を有するヒートシンク(1)のベース部分(1a)上に絶縁板(11)が配置されている。また、コモンバー(12)が絶縁板(11)上に配置されている。更に、概略四角形の導電性アノードサブスペーサ(181)と、導電性アノードサブスペーサ(181)を包囲する絶縁性アノードサブスペーサホルダ(182)とが、コモンバー(12)上に配置されている。
また、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、下面にアノード電極(113a)を有し、上面の中心部分にゲート電極(113b)を有し、ゲート電極(113b)の周りにカソード電極(113c)を有し、導電性アノードサブスペーサ(181)よりも大きい概略四角形のサイリスタチップ(113)が設けられている。更に、サイリスタチップ(113)のアノード電極(113a)と導電性アノードサブスペーサ(181)とが対向するように、サイリスタチップ(113)が導電性アノードサブスペーサ(181)および絶縁性アノードサブスペーサホルダ(182)の上に配置されている。また、サイリスタチップ(113)のゲート電極(113b)に対向する位置に円形の穴(183a)を有し、サイリスタチップ(113)よりも小さい概略四角形の導電性カソードサブスペーサ(183)が設けられている。
更に、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、導電性カソードサブスペーサ(183)とサイリスタチップ(113)のカソード電極(113c)とが対向するように、導電性カソードサブスペーサ(183)と、導電性カソードサブスペーサ(183)を包囲する絶縁性カソードサブスペーサホルダ(184)とが、サイリスタチップ(113)のカソード電極(113c)および絶縁性アノードサブスペーサホルダ(182)の上に配置されている。また、サイリスタチップ(113)のゲート電極(113b)に対向する位置に円形の穴(14a)を有する環状の導電性カソードスペーサ(14)が導電性カソードサブスペーサ(183)および絶縁性カソードサブスペーサホルダ(184)の上に配置されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)がサイリスタチップ(113)のゲート電極(113b)上に配置されている。
また、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)と概略相補形状の円形の穴(316d)と、環状の導電性カソードスペーサ(14)の穴(14a)と嵌合する外周面(316c)とを有する環状の絶縁性ゲートスペーサ(316)が設けられている。更に、環状の絶縁性ゲートスペーサ(316)が環状の導電性カソードスペーサ(14)とコイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)との間に配置されている。また、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)の上端が水平方向に延ばされると共に、その水平方向に延ばされた部分(15b)が絶縁被覆されている。
更に、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)の水平方向に延ばされた部分(15b)の先端側部分(15b1)が、導電性カソードスペーサ(14)の上面に形成された収容溝(14b)内に収容されている。また、環状の導電性カソードスペーサ(14)の穴(14a)と嵌合する外周面(317c)を有する円形の絶縁性ゲートスペーサ(317)が、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)および環状の絶縁性ゲートスペーサ(316)の上に配置されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)の上端および水平方向に延ばされた部分(15b)の根元側部分(15b2)が、円形の絶縁性ゲートスペーサ(317)の下面(317b)に形成された収容溝(317d)内に収容されている。
また、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)の水平方向に延ばされた部分(15b)の根元側部分(15b2)が、環状の絶縁性ゲートスペーサ(316)の上面(316a)と円形の絶縁性ゲートスペーサ(317)の収容溝(317d)の天井面(317d1)とによって挟持されている。更に、カソード端子バー(18)と環状の導電性カソードスペーサ(14)とが対向するように、カソード端子バー(18)が環状の導電性カソードスペーサ(14)および円形の絶縁性ゲートスペーサ(317)の上に配置されている。また、それらが圧接手段(19)によって上下方向に圧接されている。
つまり、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、サイリスタチップ(113)が発生した熱が、導電性アノードサブスペーサ(181)、コモンバー(12)、絶縁板(11)などを介してヒートシンク(1)のベース部分(1a)に伝熱され、ヒートシンク(1)の放熱フィン(1b)から放熱される。
すなわち、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、サイリスタチップ(113)がヒートシンク(1)によって空冷される。
更に、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、ヒートシンク(1)のベース部分(1a)とコモンバー(12)との間に絶縁板(21)が配置されている。また、円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)がコモンバー(12)上に配置されている。更に、コイル部分(115a)を有するコイルバネ型ゲート電極信号線(115)が設けられている。
また、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、コイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)の下端が水平方向に延ばされると共に、その水平方向に延ばされた部分(115b)が絶縁被覆されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)の下端および水平方向に延ばされた部分(115b)の根元側部分(115b2)が、円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)の上面(327b)に形成された収容溝(327d)内に収容されている。また、コイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)と概略相補形状の円形の穴(326d)を有する環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)が設けられている。
更に、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)が、円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)の上であって、コイルバネ型ゲート電極信号線(15)のコイル部分(15a)の周りに配置されている。また、コイルバネ型ゲート電極信号線(115)の水平方向に延ばされた部分(115b)の根元側部分(115b2)が、環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)の下面(326a)と円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)の収容溝(327d)の底面(327d1)とによって挟持されている。更に、円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)の外周面(327c)および環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)の外周面(326c)と嵌合する穴(24a)を有する環状の導電性カソードスペーサ(24)が設けられている。
また、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、コイルバネ型ゲート電極信号線(115)の水平方向に延ばされた部分(115b)の先端側部分(115b1)が、導電性カソードスペーサ(24)の下面に形成された収容溝(24b)内に収容されるように、環状の導電性カソードスペーサ(24)が、コモンバー(12)およびコイルバネ型ゲート電極信号線(115)の水平方向に延ばされた部分(115b)の先端側部分(115b1)の上であって、円形の絶縁性ゲートスペーサ(327)および環状の絶縁性ゲートスペーサ(326)の周りに配置されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)を包囲する円形の穴(193a)を有する概略四角形の導電性カソードサブスペーサ(193)と、導電性カソードサブスペーサ(193)を包囲する絶縁性カソードサブスペーサホルダ(194)とが設けられている。また、概略四角形の導電性カソードサブスペーサ(193)と環状の導電性カソードスペーサ(24)とが対向するように、概略四角形の導電性カソードサブスペーサ(193)と絶縁性カソードサブスペーサホルダ(194)とが環状の導電性カソードスペーサ(24)上に配置されている。
更に、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、上面にアノード電極(123a)を有し、下面の中心部分にゲート電極(123b)を有し、ゲート電極(123b)の周りにカソード電極(123c)を有し、導電性カソードサブスペーサ(193)よりも大きい概略四角形のサイリスタチップ(123)が設けられている。また、サイリスタチップ(123)のゲート電極(123b)とコイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)とが対向し、かつ、サイリスタチップ(123)のカソード電極(123c)と導電性カソードサブスペーサ(193)とが対向するように、サイリスタチップ(123)がコイルバネ型ゲート電極信号線(115)のコイル部分(115a)、導電性カソードサブスペーサ(193)および絶縁性カソードサブスペーサホルダ(194)の上に配置されている。更に、サイリスタチップ(123)よりも小さい概略四角形の導電性アノードサブスペーサ(191)と、導電性アノードサブスペーサ(191)を包囲する絶縁性アノードサブスペーサホルダ(192)とが設けられている。
また、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、導電性アノードサブスペーサ(191)とサイリスタチップ(123)のアノード電極(123a)とが対向するように、導電性アノードサブスペーサ(191)と絶縁性アノードサブスペーサホルダ(192)とが、サイリスタチップ(123)のアノード電極(123a)および絶縁性カソードサブスペーサホルダ(194)の上に配置されている。更に、アノード端子バー(22)と導電性アノードサブスペーサ(191)とが対向するように、アノード端子バー(22)が導電性アノードサブスペーサ(191)および絶縁性アノードサブスペーサホルダ(192)の上に配置されている。また、それらが圧接手段(29)によって上下方向に圧接されている。
つまり、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、サイリスタチップ(123)が発生した熱が、導電性カソードサブスペーサ(193)、導電性カソードスペーサ(24)、コモンバー(12)、絶縁板(21)などを介してヒートシンク(1)のベース部分(1a)に伝熱され、ヒートシンク(1)の放熱フィン(1b)から放熱される。
すなわち、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、サイリスタチップ(123)がヒートシンク(1)によって空冷される。
そのため、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)によれば、冷却水の循環設備などを含む水冷設備を準備できない使用環境においてもサイリスタチップ(113,123)を冷却することができる。
更に、請求項1に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)によれば、冷却水が用いられる特許文献1に記載された圧接型大電力用サイリスタモジュールよりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)全体を小型化し、圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)全体のコストを削減することができる。
請求項2に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、ヒートシンク(1)のうち、サイリスタチップ(113)に対向する部分を冷却するためのファン(FN1)と、ヒートシンク(1)のうち、サイリスタチップ(123)に対向する部分を冷却するためのファン(FN2)とが別個に設けられている。そのため、請求項2に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)によれば、ファン(FN1,FN2)が設けられていない場合よりも、サイリスタチップ(113,123)の空冷性能を向上させることができる。
請求項3に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、ファン(FN1)の風量よりもファン(FN2)の風量が多くされている。詳細には、サイリスタチップ(123)からヒートシンク(1)までの伝熱経路が、サイリスタチップ(113)からヒートシンク(1)までの伝熱経路よりも導電性カソードスペーサ(24)の分だけ長く、かつ、サイリスタチップ(123)からヒートシンク(1)までの伝熱経路の断面積の最小部分(詳細には、導電性カソードサブスペーサ(193)の水平断面積)が、サイリスタチップ(113)からヒートシンク(1)までの伝熱経路の断面積の最小部分(詳細には、導電性アノードサブスペーサ(181)の水平断面積)よりも小さい点に鑑み、請求項3に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、サイリスタチップ(113)を冷却するファン(FN1)の風量よりも、サイリスタチップ(123)を冷却するファン(FN2)の風量が多くされている。そのため、請求項3に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)によれば、サイリスタチップ(113)とサイリスタチップ(123)とを均一に冷却することができる。
請求項4に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)では、ヒートシンク(1)の四角形のベース部分(1a)の4つの側面(1a3,1a4,1a5,1a6)のうち、放熱フィン(1b)の稜線方向に平行な2つの側面(1a3,1a4)に対して2つの概略L字状の接続部材(2R,2L)の鉛直部分(2R1,2L1)が接続されている。更に、2つの接続部材(2R,2L)の水平部分(2R2,2L2)の下面(2R2a,2L2a)が、複数の放熱フィン(1b)の先端部を含む平面と同一平面上に配置されるか、あるいは、複数の放熱フィン(1b)の先端部を含む平面よりも下側に突出せしめられている。
そのため、請求項4に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)によれば、例えば溶接機などのような圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の取り付け対象に対して圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)を取り付けるために、2つの接続部材(2R,2L)の水平部分(2R2,2L2)を用いることができる。
その結果、請求項4に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)によれば、例えば溶接機などのような圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の取り付け対象に対して圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)を取り付けるためにコモンバー(12)、カソード端子バー(18)およびアノード端子バー(22)のみが用いられる場合よりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の取り付け強度および安定性を向上させることができる。
請求項5に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の製造方法では、ナット(80a)を収容するための凹部(51g)を有する外囲ケース(51)がヒートシンク(1)のベース部分(1a)上に固定される。次いで、ナット(80a)が収容された外囲ケース(51)によって水平方向に位置決めされた絶縁板(11)、コモンバー(12)、導電性アノードサブスペーサ(181)、サイリスタチップ(113)、導電性カソードサブスペーサ(183)、導電性カソードスペーサ(14)およびカソード端子バー(18)が、圧接手段(19)によって上下方向に圧接されると共に、外囲ケース(51)によって水平方向に位置決めされた絶縁板(21)、コモンバー(12)、導電性カソードスペーサ(24)、導電性カソードサブスペーサ(193)、サイリスタチップ(123)、導電性アノードサブスペーサ(191)およびアノード端子バー(22)が、圧接手段(29)によって上下方向に圧接される。次いで、蓋体(52)が外囲ケース(51)上に固定される。次いで、カソード端子バー(18)の上端部が第1の向きに折り曲げられると同時に、アノード端子バー(22)の上端部が第1の向きとは逆向きの第2の向きに折り曲げられ、蓋体(52)の凹部(52a)に収容されたナット(80b)がカソード端子バー(18)の上端部によって覆われると共に、蓋体(52)の凹部(52b)に収容されたナット(80c)がアノード端子バー(22)の上端部によって覆われる。
詳細には、カソード端子バー(18)の上端部が折り曲げられる時、圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)が転倒する向きの第1の回転モーメントが圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)に対してかかる。同様に、アノード端子バー(22)の上端部が折り曲げられる時、圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)が転倒する向きの第2の回転モーメントが圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)に対してかかる。この点に鑑み、請求項5に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の製造方法では、第1の回転モーメントと第2の回転モーメントとを相殺するように、カソード端子バー(18)の上端部が第1の向きに折り曲げられると同時に、アノード端子バー(22)の上端部が第1の向きとは逆向きの第2の向きに折り曲げられる。
そのため、請求項5に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の製造方法によれば、カソード端子バー(18)の上端部が折り曲げられる時およびアノード端子バー(22)の上端部が折り曲げられる時に圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)が転倒してしまうのを防止する転倒防止手段にかかる費用を削減することができる。
請求項6に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の製造方法では、圧接手段(19)による圧接および圧接手段(29)による圧接が行われる前に、2つの接続部材(2R,2L)の鉛直部分(2R1,2L1)がヒートシンク(1)のベース部分(1a)に接続される。次いで、2つの接続部材(2R,2L)の水平部分(2R2,2L2)が冶具に対して接続された状態で、圧接手段(19)による圧接および圧接手段(29)による圧接、並びに、カソード端子バー(18)の上端部およびアノード端子バー(22)の上端部の折り曲げが行われる。
つまり、請求項6に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の製造方法では、2つの接続部材(2R,2L)が、圧接手段(19,29)による圧接時のヒートシンク(1)の固定手段として用いられると共に、カソード端子バー(18)の上端部およびアノード端子バー(22)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の転倒防止手段として用いられる。
そのため、請求項6に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の製造方法によれば、圧接手段(19,29)による圧接時のヒートシンク(1)の固定手段とカソード端子バー(18)の上端部およびアノード端子バー(22)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の転倒防止手段とが別個に設けられる場合よりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)全体のコストを削減することができる。
請求項7に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の使用方法では、冶具から取り外された2つの接続部材(2R,2L)の水平部分(2R2,2L2)が圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の取り付け対象に対して接続される。
つまり、請求項7に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の使用方法では、2つの接続部材(2R,2L)が、圧接手段(19,29)による圧接時のヒートシンク(1)の固定手段として用いられると共に、カソード端子バー(18)の上端部およびアノード端子バー(22)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の転倒防止手段として用いられ、更に、圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の製造後における例えば溶接機などのような圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の取り付け対象に対する圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の取り付け手段として用いられる。
そのため、請求項7に記載の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の使用方法によれば、圧接手段(19,29)による圧接時のヒートシンク(1)の固定手段とカソード端子バー(18)の上端部およびアノード端子バー(22)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の転倒防止手段と圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の取り付け対象に対する圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)の取り付け手段とが別個に設けられる場合よりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール(100)全体のコストを削減することができる。
以下、本発明の圧接型大電力用サイリスタモジュールの第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100を示した図である。詳細には、図1(A)は第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の平面図、図1(B)は第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の正面図、図1(C)は第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の右側面図、図1(D)は右前側かつ上側から見た第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の斜視図である。図2は右前側かつ上側から見た第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の分解斜視図である。
図1および図2において、1は複数の放熱フィン1bを有する四角形のヒートシンクを示しており、1aはヒートシンク1のベース部分を示しており、1a1はベース部分1aの上面を示しており、1a2はベース部分1aの下面を示しており、1a3はベース部分1aの右側面を示しており、1a4はベース部分1aの左側面を示しており、1a5はベース部分1aの前側面を示しており、1a6はベース部分1aの後側面を示している。11,21はヒートシンク1のベース部分1a上に配置された絶縁板を示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2に示すように、絶縁板11,21として同一の部品が用いられている。
また、図1および図2において、12はアノード端子バーとしての機能とカソード端子バーとしての機能とを兼ね備えたコモンバーを示しており、22はアノード端子バーを示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2に示すように、コモンバー12が絶縁板11,21上に配置されている。更に、図2において、113,123は概略四角形のサイリスタチップを示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、サイリスタチップ113,123として同一の部品が用いられている。
図3はサイリスタチップ113,123の詳細図である。詳細には、図3(A)はサイリスタチップ113,123の表面図、図3(B)はサイリスタチップ113,123の断面図、図3(C)はサイリスタチップ113,123の裏面図である。図3において、113a,123aはサイリスタチップ113,123の一方の面に形成されたアノード電極を示している。113b,123bはサイリスタチップ113,123の他方の面の中心部分に形成されたゲート電極を示している。113c,123cはゲート電極113b,123bの周りに形成されたカソード電極を示している。
また、図2において、181,191はサイリスタチップ113,123よりも小さい概略四角形の導電性アノードサブスペーサを示しており、182,192は導電性アノードサブスペーサ181,191を包囲する絶縁性アノードサブスペーサホルダを示している。183,193はサイリスタチップ113,123よりも小さい概略四角形の導電性カソードサブスペーサを示している。184,194は導電性カソードサブスペーサ183,193を包囲する絶縁性カソードサブスペーサホルダを示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、導電性アノードサブスペーサ181,191として同一の部品が用いられており、絶縁性アノードサブスペーサホルダ182,192として同一の部品が用いられており、導電性カソードサブスペーサ183,193として同一の部品が用いられており、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184,194として同一の部品が用いられている。
図4は導電性アノードサブスペーサ181,191の部品図である。詳細には、図4(A)は導電性アノードサブスペーサ181,191の平面図、図4(B)は導電性アノードサブスペーサ181,191の断面図である。また、図5は導電性カソードサブスペーサ183,193の部品図である。詳細には、図5(A)は導電性カソードサブスペーサ183,193の平面図、図5(B)は導電性カソードサブスペーサ183,193の断面図である。図5において、183a,193aはサイリスタチップ113,123のゲート電極113b,123b(図3参照)に対向する位置に形成された円形の穴を示している。
図6はサイリスタチップ113,123と導電性アノードサブスペーサ181,191と導電性カソードサブスペーサ183,193との関係を示した図である。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図6に示すように、導電性アノードサブスペーサ181,191の側(図6の下側)に突出しているサイリスタチップ113,123の外縁部のガラス部分(図6中のベタ黒部分)と導電性アノードサブスペーサ181,191とが干渉しないように、導電性アノードサブスペーサ181,191の幅寸法および奥行き寸法がサイリスタチップ113,123の幅寸法および奥行き寸法よりも小さくされている。また、導電性カソードサブスペーサ183,193の側(図6の上側)に突出しているサイリスタチップ113,123の外縁部のガラス部分(図6中のベタ黒部分)と導電性カソードサブスペーサ183,193とが干渉しないように、導電性カソードサブスペーサ183,193の幅寸法および奥行き寸法がサイリスタチップ113,123の幅寸法および奥行き寸法よりも小さくされている。
図7は絶縁性アノードサブスペーサホルダ182(192)の部品図である。詳細には、図7(A)は絶縁性アノードサブスペーサホルダ182(192)の平面図、図7(B)は絶縁性アノードサブスペーサホルダ182(192)の正面図、図7(C)は絶縁性アノードサブスペーサホルダ182(192)の底面図である。図7において、182aは導電性アノードサブスペーサ181の外周面と嵌合するために導電性アノードサブスペーサ181と相補形状に形成された穴を示している。182bは絶縁性カソードサブスペーサホルダ184に対して絶縁性アノードサブスペーサホルダ182を位置決めするための係合突起を示している。182cは絶縁性アノードサブスペーサホルダ182のコーナー部を示しており、182c1は絶縁性アノードサブスペーサホルダ182のコーナー部182cに形成された壁部を示している。182dは絶縁性アノードサブスペーサホルダ182の円弧状部を示している。
図8は絶縁性カソードサブスペーサホルダ184(194)の部品図である。詳細には、図8(A)は絶縁性カソードサブスペーサホルダ184(194)の平面図、図8(B)は絶縁性カソードサブスペーサホルダ184(194)の正面図、図8(C)は絶縁性カソードサブスペーサホルダ184(194)の底面図である。図8において、184aは導電性カソードサブスペーサ183の外周面と嵌合するために導電性カソードサブスペーサ183と相補形状に形成された穴を示している。184bは概略四角形のサイリスタチップ113の外周面と嵌合するための位置決め用突起を示している。184cは絶縁性アノードサブスペーサホルダ182の係合突起182bと係合するための係合穴を示している。184dは絶縁性アノードサブスペーサホルダ182のコーナー部182cの壁部182c1と嵌合せしめられる絶縁性カソードサブスペーサホルダ184のコーナー部を示している。184eは絶縁性カソードサブスペーサホルダ184の円弧状部を示している。
第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図4および図7に示すように、絶縁性アノードサブスペーサホルダ182の穴182aに対して導電性アノードサブスペーサ181の外周面を嵌合させることにより、導電性アノードサブスペーサ181が絶縁性アノードサブスペーサホルダ182に対して水平方向に位置決めされる。また、図2、図5および図8に示すように、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184の穴184aに対して導電性カソードサブスペーサ183の外周面を嵌合させることにより、導電性カソードサブスペーサ183が絶縁性カソードサブスペーサホルダ184に対して水平方向に位置決めされる。
更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図3および図8に示すように、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184の突起184bに対してサイリスタチップ113の外周面を嵌合させることにより、サイリスタチップ113が絶縁性カソードサブスペーサホルダ184に対して水平方向に位置決めされる。また、図2、図7および図8に示すように、絶縁性アノードサブスペーサホルダ182の係合突起182bと絶縁性カソードサブスペーサホルダ184の係合穴184cとを嵌合させることにより、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184が絶縁性アノードサブスペーサホルダ182に対して水平方向に位置決めされる。
つまり、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2に示すように、導電性アノードサブスペーサ181と、絶縁性アノードサブスペーサホルダ182と、サイリスタチップ113と、導電性カソードサブスペーサ183と、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184とが、水平方向に相互に位置決めされ、組み立てられた状態でコモンバー12上に載置される。その結果、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図3および図6に示すように、導電性アノードサブスペーサ181と絶縁性アノードサブスペーサホルダ182とがコモンバー12上に配置され、サイリスタチップ113が導電性アノードサブスペーサ181および絶縁性アノードサブスペーサホルダ182の上に配置されている。また、導電性カソードサブスペーサ183と絶縁性カソードサブスペーサホルダ184とがサイリスタチップ113のカソード電極113cおよび絶縁性アノードサブスペーサホルダ182の上に配置されている。その結果、サイリスタチップ113のアノード電極113aが、導電性アノードサブスペーサ181を介してコモンバー12に電気的に接続されている。
また、図1および図2において、14,24は環状の導電性カソードスペーサを示しており、18はカソード端子バーを示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュールでは、導電性カソードスペーサ14,24として同一の部品が用いられている。
図9は導電性カソードスペーサ14(24)の部品図である。詳細には、図9(A)は導電性カソードスペーサ14(24)の平面図、図9(B)は図9(A)のA−A線に沿った断面図である。14aはサイリスタチップ113のゲート電極113b(図3参照)および導電性カソードサブスペーサ183の穴183a(図5参照)に対向する位置に形成された円形の穴を示している。14bは導電性カソードスペーサ14の穴14aから外周面まで延びるように、導電性カソードスペーサ14の上面(図9(B)の上側の面)に形成された収容溝を示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2および図9に示すように、導電性カソードスペーサ14の表面のうち、収容溝14aが形成されていない面(図2および図9(B)の下側の面)が導電性カソードサブスペーサ183と対向するように、導電性カソードスペーサ14が導電性カソードサブスペーサ183および絶縁性カソードサブスペーサホルダ184の上に載置される。
更に、図2において、316,317,326,327は絶縁性ゲートスペーサを示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、絶縁性ゲートスペーサ316,326として同一の部品が用いられており、絶縁性ゲートスペーサ317,327として同一の部品が用いられている。
図10は絶縁性ゲートスペーサ316,317等の詳細図である。詳細には、図10(A)は絶縁性ゲートスペーサ316,317の斜視図、図10(B)は絶縁性ゲートスペーサ316,317の断面図、図10(C)はコイルバネ型ゲート電極信号線15を示した図である。図10において、316aは絶縁性ゲートスペーサ316の上面を示しており、316bは絶縁性ゲートスペーサ316の下面を示しており、316cは絶縁性ゲートスペーサ316の外周面を示している。316dはコイルバネ型ゲート電極信号線15のコイル部分15aと概略相補形状の円形の穴を示しており、316eは絶縁性ゲートスペーサ316の上面316aに形成された係合突起を示している。317aは絶縁性ゲートスペーサ317の上面を示しており、317bは絶縁性ゲートスペーサ317の下面を示しており、317cは絶縁性ゲートスペーサ317の外周面を示している。317dは絶縁性ゲートスペーサ317の下面317bに形成された収容溝を示しており、317d1は収容溝317dの天井面を示している。317eは絶縁性ゲートスペーサ316の係合突起316eと係合するために絶縁性ゲートスペーサ317の下面317bに形成された係合穴を示している。15bはコイルバネ型ゲート電極信号線15のコイル部分15aの上端から水平方向に延ばされた部分を示しており、15b1は水平方向に延ばされた部分15bの先端側部分を示しており、15b2は水平方向に延ばされた部分15bの根元側部分を示している。
図11は絶縁性ゲートスペーサ316,317とコイルバネ型ゲート電極信号線15との組立体を示した図である。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図10および図11に示すように、コイルバネ型ゲート電極信号線15の水平方向に延ばされた部分15bが絶縁チューブによって被覆されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線15のコイル部分15aが絶縁性ゲートスペーサ316の穴316dに挿入され、次いで、コイルバネ型ゲート電極信号線15のコイル部分15aの上端および水平方向に延ばされた部分15bの根元側部分15b2が絶縁性ゲートスペーサ317の収容溝317d内に収容されるように、絶縁性ゲートスペーサ316の係合突起316eが絶縁性ゲートスペーサ317の係合穴317eに圧入される。
詳細には、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図10および図11に示すように、絶縁性ゲートスペーサ316の係合突起316eが絶縁性ゲートスペーサ317の係合穴317eに圧入されると、コイルバネ型ゲート電極信号線15の水平方向に延ばされた部分15bの根元側部分15b2が、絶縁性ゲートスペーサ316の上面316aと絶縁性ゲートスペーサ317の収容溝317dの天井面317d1とによって狭持され、押し潰される。
また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図9〜図11に示すように、絶縁性ゲートスペーサ316の外周面316cおよび絶縁性ゲートスペーサ317の外周面317cが環状の導電性カソードスペーサ14の穴14aと嵌合せしめられ、コイルバネ型ゲート電極信号線15の水平方向に延ばされた部分15bの先端側部分15b1が導電性カソードスペーサ14の収容溝14b内に収容されるように、絶縁性ゲートスペーサ316,317とコイルバネ型ゲート電極信号線15との組立体が導電性カソードスペーサ14上に載置される。更に、カソード端子バー18が導電性カソードスペーサ14および絶縁性ゲートスペーサ317の上に載置される。
図12はカソード端子バー18が導電性カソードスペーサ14および絶縁性ゲートスペーサ317の上に載置された状態を示した図である。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図3および図12に示すように、コイルバネ型ゲート電極信号線15のコイル部分15aがサイリスタチップ113のゲート電極113b上に配置されている。その結果、コイルバネ型ゲート電極信号線15とサイリスタチップ113のゲート電極113bとが電気的に接続されている。また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図3および図12に示すように、カソード端子バー18とサイリスタチップ113のカソード電極113cとが、導電性カソードサブスペーサ183および導電性カソードスペーサ14を介して電気的に接続されている。
更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図3および図12に示すように、コイルバネ型ゲート電極信号線15のコイル部分15aと導電性カソードスペーサ14との間に絶縁性ゲートスペーサ316,317が配置されている。また、コイルバネ型ゲート電極信号線15のコイル部分15aとカソード端子バー18との間に絶縁性ゲートスペーサ317が配置されている。更に、導電性カソードスペーサ14の収容溝14b内に収容されているコイルバネ型ゲート電極信号線15の水平方向に延ばされた部分15bが絶縁チューブによって被覆されている。その結果、コイルバネ型ゲート電極信号線15と導電性カソードスペーサ14およびカソード端子バー18とが絶縁されている。
図16は導電性カソードサブスペーサ183、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184等を芯出しする方法を示した図である。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図16に示すように、導電性カソードサブスペーサ183、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184等を芯出しするための嵌合部51a,51b,51c,51dが外囲ケース51に設けられている。更に、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184等の周方向の位置決めを行うための切り欠き部51e,51fが嵌合部51aと嵌合部51bとの間および嵌合部51cと嵌合部51dとの間に設けられている。
詳細には、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図7、図8および図16に示すように、コモンバー12が絶縁板11上に載置されると、コモンバー12の円弧状部の外周面が嵌合部51a,51b,51c,51dと嵌合せしめられる。また、導電性アノードサブスペーサ181と絶縁性アノードサブスペーサホルダ182とサイリスタチップ113と導電性カソードサブスペーサ183と絶縁性カソードサブスペーサホルダ184との組立体がコモンバー12上に載置されると、絶縁性アノードサブスペーサホルダ182の円弧状部182dの外周面と、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184の円弧状部184eの外周面とが、嵌合部51a,51b,51c,51dと嵌合せしめられ、その組立体の芯出しが行われる。また、絶縁性アノードサブスペーサホルダ182のコーナー部182cと、絶縁性カソードサブスペーサホルダ184のコーナー部184dとが、切り欠き部51e,51fと嵌合せしめられ、その組立体の周方向の位置決めが行われる。
更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2および図16に示すように、導電性カソードスペーサ14が導電性カソードサブスペーサ183上に載置されると、導電性カソードスペーサ14の外周面が嵌合部51a,51b,51c,51dと嵌合せしめられ、導電性カソードスペーサ14の芯出しが行われる。また、カソード端子バー18が導電性カソードスペーサ14上に載置されると、カソード端子バー18の円弧状部の外周面が嵌合部51a,51b,51c,51dと嵌合せしめられ、カソード端子バー18の芯出しが行われる。
また、図1および図2において、52は蓋体を示しており、31は例えば潰し加工、ビーム溶接等によってカソード端子バー18に接合された電極片を示しており、62は外囲ケース51に担持せしめられている電極片を示している。
図17は電極片31と電極片62とを電気接続する手段を示した図である。詳細には、図17(A)は電極片31と電極片62とを電気接続する手段を概略的に示した図、図17(B)は図17(A)の一部の拡大図である。図17において、32は絶縁チューブによって被覆された可撓性のカソード電極信号線を示している。33はカソード電極信号線32と電極片31(図2参照)とを電気接続するためのファストンタブを示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図17に示すように、例えば半田によってカソード電極信号線32と電極片62とが接合されている。また、例えばかしめによってカソード電極信号線32とファストンタブ33とが接合され、かしめられた部分が、例えば熱収縮タイプの絶縁チューブによって被覆されている。更に、ファストンタブ33を電極片31(図2参照)と嵌合させることにより、ファストンタブ33と電極片31とが電気接続されている。
また、図2において、19はヒートシンク1のベース部分1aと絶縁板11とコモンバー12と導電性アノードサブスペーサ181とサイリスタチップ113と導電性カソードサブスペーサ183と導電性カソードスペーサ14とカソード端子バー18とを上下方向に圧接するための圧接手段を示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2に示すように、加圧板19aと、2本のネジ19bと、2個の皿バネ19cと、皿バネ19cを芯出しするために皿バネ19cの内縁と嵌合する絶縁性芯出し部材19dとによって、圧接手段19が構成されている。
詳細には、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2および図16に示すように、絶縁性芯出し部材19dがカソード端子バー18上に載置されると、絶縁性芯出し部材19dの外周面が嵌合部51a,51b,51c,51dと嵌合せしめられ、絶縁性芯出し部材19dの芯出しが行われる。また、加圧板19aが皿バネ19c上に載置されると、加圧板19aの円弧状部の外周面が嵌合部51b,51dと嵌合せしめられ、加圧板19aの芯出しが行われる。
第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図10に示すように、絶縁性ゲートスペーサ316に係合突起316eが形成され、絶縁性ゲートスペーサ317に係合穴317eが形成されているが、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の変形例では、代わりに、絶縁性ゲートスペーサ316に係合穴を形成し、絶縁性ゲートスペーサ317に係合突起を形成することも可能である。
また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図11および図12に示すように、導電性カソードサブスペーサ183上に載置されている導電性カソードスペーサ14の上に、コイルバネ型ゲート電極信号線15と絶縁性ゲートスペーサ316,317との組立体(図11参照)が載置されるが、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の変形例では、代わりに、コイルバネ型ゲート電極信号線15と絶縁性ゲートスペーサ316,317との組立体(図11参照)を導電性カソードスペーサ14上に予め載置し、それらを導電性カソードサブスペーサ183上に載置することも可能である。
換言すれば、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、複数の放熱フィン1b(図1および図2参照)を有するヒートシンク1(図1および図2参照)のベース部分1a(図1および図2参照)上に絶縁板11(図2参照)が配置されている。また、コモンバー12(図1、図2および図12参照)が絶縁板11(図2参照)上に配置されている。更に、概略四角形の導電性アノードサブスペーサ181(図2、図4、図6および図12参照)と、導電性アノードサブスペーサ181(図2、図4、図6および図12参照)を包囲する絶縁性アノードサブスペーサホルダ182(図2、図7および図12参照)とが、コモンバー12(図1、図2および図12参照)上に配置されている。
また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、下面にアノード電極113a(図3参照)を有し、上面の中心部分にゲート電極113b(図3参照)を有し、ゲート電極113b(図3参照)の周りにカソード電極113c(図3参照)を有し、導電性アノードサブスペーサ181(図2、図4、図6および図12参照)よりも大きい概略四角形のサイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)が設けられている。更に、サイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)のアノード電極113a(図3参照)と導電性アノードサブスペーサ181(図2、図4、図6および図12参照)とが対向するように、サイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)が導電性アノードサブスペーサ181(図2、図4、図6および図12参照)および絶縁性アノードサブスペーサホルダ182(図2、図7および図12参照)の上に配置されている。また、サイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)のゲート電極113b(図3参照)に対向する位置に円形の穴183a(図5および図6参照)を有し、サイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)よりも小さい概略四角形の導電性カソードサブスペーサ183(図2、図5、図6、図12および図16参照)が設けられている。
更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、導電性カソードサブスペーサ183(図2、図5、図6、図12および図16参照)とサイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)のカソード電極113c(図3参照)とが対向するように、導電性カソードサブスペーサ183(図2、図5、図6、図12および図16参照)と、導電性カソードサブスペーサ183(図2、図5、図6、図12および図16参照)を包囲する絶縁性カソードサブスペーサホルダ184(図2、図8、図12および図16参照)とが、サイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)のカソード電極113c(図3参照)および絶縁性アノードサブスペーサホルダ182(図2、図7および図12参照)の上に配置されている。また、サイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)のゲート電極113b(図3参照)に対向する位置に円形の穴14a(図9および図12参照)を有する環状の導電性カソードスペーサ14(図2、図9および図12参照)が導電性カソードサブスペーサ183(図2、図5、図6、図12および図16参照)および絶縁性カソードサブスペーサホルダ184(図2、図8、図12および図16参照)の上に配置されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線15(図10、図11および図12参照)のコイル部分15a(図10、図11および図12参照)がサイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)のゲート電極113b(図3参照)上に配置されている。
また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、コイルバネ型ゲート電極信号線15(図10、図11および図12参照)のコイル部分15a(図10、図11および図12参照)と概略相補形状の円形の穴316d(図10参照)と、環状の導電性カソードスペーサ14(図2、図9および図12参照)の穴14a(図9および図12参照)と嵌合する外周面316c(図10参照)とを有する環状の絶縁性ゲートスペーサ316(図2、図10および図12参照)が設けられている。更に、環状の絶縁性ゲートスペーサ316(図2、図10および図12参照)が環状の導電性カソードスペーサ14(図2、図9および図12参照)とコイルバネ型ゲート電極信号線15(図10、図11および図12参照)のコイル部分15a(図10、図11および図12参照)との間に配置されている。また、コイルバネ型ゲート電極信号線15(図10、図11および図12参照)のコイル部分15a(図10、図11および図12参照)の上端が水平方向に延ばされると共に、その水平方向に延ばされた部分15b(図10、図11および図12参照)が絶縁被覆されている。
更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、コイルバネ型ゲート電極信号線15(図10、図11および図12参照)の水平方向に延ばされた部分15b(図10、図11および図12参照)の先端側部分15b1(図10および図11参照)が、導電性カソードスペーサ14(図2、図9および図12参照)の上面に形成された収容溝14b(図9および図12参照)内に収容されている。また、環状の導電性カソードスペーサ14(図2、図9および図12参照)の穴14a(図9および図12参照)と嵌合する外周面317c(図10参照)を有する円形の絶縁性ゲートスペーサ317(図2、図10、図11および図12参照)が、コイルバネ型ゲート電極信号線15(図10、図11および図12参照)および環状の絶縁性ゲートスペーサ316(図2、図10、図11および図12参照)の上に配置されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線15(図10、図11および図12参照)のコイル部分15a(図10、図11および図12参照)の上端および水平方向に延ばされた部分15b(図10、図11および図12参照)の根元側部分15b2(図10および図11参照)が、円形の絶縁性ゲートスペーサ317(図2、図10、図11および図12参照)の下面317b(図10参照)に形成された収容溝317d(図10参照)内に収容されている。
また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、コイルバネ型ゲート電極信号線15(図10、図11および図12参照)の水平方向に延ばされた部分15b(図10、図11および図12参照)の根元側部分15b2(図10および図11参照)が、環状の絶縁性ゲートスペーサ316(図2、図10、図11および図12参照)の上面316a(図10参照)と円形の絶縁性ゲートスペーサ317(図2、図10、図11および図12参照)の収容溝317d(図10参照)の天井面317d1(図10参照)とによって挟持されている。更に、カソード端子バー18(図1、図2および図12参照)と環状の導電性カソードスペーサ14(図2、図9および図12参照)とが対向するように、カソード端子バー18(図1、図2および図12参照)が環状の導電性カソードスペーサ14(図2、図9および図12参照)および円形の絶縁性ゲートスペーサ317(図2、図10、図11および図12参照)の上に配置されている。また、それらが圧接手段19(図2参照)によって上下方向に圧接されている。
つまり、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、サイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)が発生した熱が、導電性アノードサブスペーサ181(図2、図4、図6および図12参照)、コモンバー12(図1、図2および図12参照)、絶縁板11(図2参照)などを介してヒートシンク1(図1および図2参照)のベース部分1a(図1および図2参照)に伝熱され、ヒートシンク1(図1および図2参照)の放熱フィン1b(図1および図2参照)から放熱される。すなわち、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、サイリスタチップ113(図2、図3、図6および図12参照)がヒートシンク1(図1および図2参照)によって空冷される。
図13は絶縁性ゲートスペーサ326,327等の詳細図である。詳細には、図13(A)は絶縁性ゲートスペーサ326,327の斜視図、図13(B)は絶縁性ゲートスペーサ326,327の断面図、図13(C)はコイルバネ型ゲート電極信号線15と同様に構成されたコイルバネ型ゲート電極信号線115を示した図である。図13において、326aは絶縁性ゲートスペーサ326の下面を示しており、326bは絶縁性ゲートスペーサ326の上面を示しており、326cは絶縁性ゲートスペーサ326の外周面を示している。326dはコイルバネ型ゲート電極信号線115のコイル部分115aと概略相補形状の円形の穴を示しており、326eは絶縁性ゲートスペーサ326の下面326aに形成された係合突起を示している。327aは絶縁性ゲートスペーサ327の下面を示しており、327bは絶縁性ゲートスペーサ327の上面を示しており、327cは絶縁性ゲートスペーサ327の外周面を示している。327dは絶縁性ゲートスペーサ327の上面327bに形成された収容溝を示しており、327d1は収容溝327dの底面を示している。327eは絶縁性ゲートスペーサ326の係合突起326eと係合するために絶縁性ゲートスペーサ327の上面327bに形成された係合穴を示している。115bはコイルバネ型ゲート電極信号線115のコイル部分115aの下端から水平方向に延ばされた部分を示しており、115b1は水平方向に延ばされた部分115bの先端側部分を示しており、115b2は水平方向に延ばされた部分115bの根元側部分を示している。
図14は絶縁性ゲートスペーサ326,327とコイルバネ型ゲート電極信号線115との組立体を示した図である。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図13および図14に示すように、コイルバネ型ゲート電極信号線115の水平方向に延ばされた部分115bが絶縁チューブによって被覆されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線115のコイル部分115aの下端および水平方向に延ばされた部分115bの根元側部分115b2が絶縁性ゲートスペーサ327の収容溝327d内に収容され、コイルバネ型ゲート電極信号線115のコイル部分115aが絶縁性ゲートスペーサ326の穴326dに挿入され、絶縁性ゲートスペーサ326の係合突起326eが絶縁性ゲートスペーサ327の係合穴327eに圧入される。
詳細には、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図13および図14に示すように、絶縁性ゲートスペーサ326の係合突起326eが絶縁性ゲートスペーサ327の係合穴327eに圧入されると、コイルバネ型ゲート電極信号線115の水平方向に延ばされた部分115bの根元側部分115b2が、絶縁性ゲートスペーサ326の下面326aと絶縁性ゲートスペーサ327の収容溝327dの底面327d1とによって狭持され、押し潰される。
図15は導電性カソードスペーサ24、絶縁性ゲートスペーサ327などがコモンバー12上に載置された状態を示した図である。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図13〜図15に示すように、絶縁性ゲートスペーサ326の外周面326cおよび絶縁性ゲートスペーサ327の外周面327cが環状の導電性カソードスペーサ24の穴24aと嵌合せしめられ、コイルバネ型ゲート電極信号線115の水平方向に延ばされた部分115bの先端側部分115b1が導電性カソードスペーサ24の収容溝24b内に収容されるように、絶縁性ゲートスペーサ326,327とコイルバネ型ゲート電極信号線115との組立体がコモンバー12上に載置されると共に、導電性カソードスペーサ24がコモンバー12およびコイルバネ型ゲート電極信号線115の水平方向に延ばされた部分115bの上に載置される。
また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図3および図15に示すように、サイリスタチップ123のゲート電極123bがコイルバネ型ゲート電極信号線115のコイル部分115a上に配置されている。その結果、コイルバネ型ゲート電極信号線115とサイリスタチップ123のゲート電極123bとが電気的に接続されている。更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図3および図15に示すように、コモンバー12とサイリスタチップ123のカソード電極123cとが、導電性カソードサブスペーサ193および導電性カソードスペーサ24を介して電気的に接続されている。
更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2、図3および図15に示すように、コイルバネ型ゲート電極信号線115のコイル部分115aと導電性カソードスペーサ24との間に絶縁性ゲートスペーサ326,327が配置されている。また、コイルバネ型ゲート電極信号線115のコイル部分115aとコモンバー12との間に絶縁性ゲートスペーサ327が配置されている。更に、導電性カソードスペーサ24の収容溝24b内に収容されているコイルバネ型ゲート電極信号線115の水平方向に延ばされた部分115bが絶縁チューブによって被覆されている。その結果、コイルバネ型ゲート電極信号線115と導電性カソードスペーサ24およびコモンバー12とが絶縁されている。
図2において、29はヒートシンク1のベース部分1aと絶縁板21とコモンバー12と導電性カソードスペーサ24と導電性カソードサブスペーサ193とサイリスタチップ123と導電性アノードサブスペーサ191とアノード端子バー22とを上下方向に圧接するための圧接手段を示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図2に示すように、加圧板29aと、2本のネジ29bと、2個の皿バネ29cと、皿バネ29cを芯出しするために皿バネ29cの内縁と嵌合する絶縁性芯出し部材29dとによって、圧接手段29が構成されている。更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、加圧板19a,29aとして同一の部品が用いられ、ネジ19b,29bとして同一の部品が用いられ、皿バネ19c,29cとして同一の部品が用いられ、絶縁性芯出し部材19d,29dとして同一の部品が用いられている。
また、図1および図2において、34は外囲ケース51に担持せしめられている電極片を示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、サイリスタチップ113のゲート電極113b(図3参照)に電気接続されているコイルバネ型ゲート電極信号線15の上端の水平方向に延ばされた部分15bの端部(図10(C)の左端)が、可撓性のゲート電極信号線(図示せず)を介して電極片34に電気接続されている。更に、図1および図2において、41は例えば潰し加工、ビーム溶接等によってコモンバー12に接合された電極片を示しており、44は外囲ケース51に担持せしめられている電極片を示している。
図18は電極片41と電極片44とを電気接続する手段を示した図である。詳細には、図18(A)は電極片41と電極片44とを電気接続する手段を概略的に示した図、図18(B)は図18(A)の一部の拡大図である。図18において、42は絶縁チューブによって被覆された可撓性のカソード電極信号線を示している。43はカソード電極信号線42と電極片41(図2参照)とを電気接続するためのファストンタブを示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図18に示すように、例えば半田によってカソード電極信号線42と電極片44とが接合されている。また、例えばかしめによってカソード電極信号線42とファストンタブ43とが接合され、かしめられた部分が、例えば熱収縮タイプの絶縁チューブによって被覆されている。更に、ファストンタブ43を電極片41(図2参照)と嵌合させることにより、ファストンタブ43と電極片41とが電気接続されている。
また、図1および図2において、72は外囲ケース51に担持せしめられている電極片を示している。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、サイリスタチップ123のゲート電極123b(図3参照)に電気接続されているコイルバネ型ゲート電極信号線115の水平方向に延ばされた部分115bの端部(図13(C)の左端)が、可撓性のゲート電極信号線(図示せず)を介して電極片72に電気接続されている。
図19は第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の等価回路図である。図19中の「K1/A2」が図1および図2中のコモンバー12に相当し、図19中の「K2」が図1および図2中のカソード端子バー18に相当し、図19中の「G2」が図1および図2中の電極片34に相当し、図19中の「K2’」が図1および図2中の電極片62に相当している。また、図19中の「A1」が図1および図2中のアノード端子バー22に相当し、図19中の「G1」が図1および図2中の電極片72に相当し、図19中の「K1’」が図1および図2中の電極片44に相当している。
換言すれば、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、ヒートシンク1(図1および図2参照)のベース部分1a(図1および図2参照)とコモンバー12(図1、図2および図15参照)との間に絶縁板21(図2参照)が配置されている。また、円形の絶縁性ゲートスペーサ327(図2、図13、図14および図15参照)がコモンバー12(図1、図2および図15参照)上に配置されている。更に、コイル部分115a(図13、図14および図15参照)を有するコイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)が設けられている。
また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、コイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)のコイル部分115a(図13、図14および図15参照)の下端が水平方向に延ばされると共に、その水平方向に延ばされた部分115b(図13、図14および図15参照)が絶縁被覆されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)のコイル部分115a(図13、図14および図15参照)の下端および水平方向に延ばされた部分115b(図13、図14および図15参照)の根元側部分115b2(図13および図14参照)が、円形の絶縁性ゲートスペーサ327(図13、図14および図15参照)の上面327b(図13参照)に形成された収容溝327d(図13参照)内に収容されている。また、コイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)のコイル部分115a(図13、図14および図15参照)と概略相補形状の円形の穴326d(図13参照)を有する環状の絶縁性ゲートスペーサ326(図2、図13、図14および図15参照)が設けられている。
更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、環状の絶縁性ゲートスペーサ326(図2、図13、図14および図15参照)が、円形の絶縁性ゲートスペーサ327(図2、図13、図14および図15参照)の上であって、コイルバネ型ゲート電極信号線15(図13、図14および図15参照)のコイル部分15a(図13、図14および図15参照)の周りに配置されている。また、コイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)の水平方向に延ばされた部分115b(図13、図14および図15参照)の根元側部分115b2(図13および図14参照)が、環状の絶縁性ゲートスペーサ326(図2、図13、図14および図15参照)の下面326a(図13参照)と円形の絶縁性ゲートスペーサ327(図2、図13、図14および図15参照)の収容溝327d(図13参照)の底面327d1(図13参照)とによって挟持されている。更に、円形の絶縁性ゲートスペーサ327(図2、図13、図14および図15参照)の外周面327c(図13参照)および環状の絶縁性ゲートスペーサ326(図2、図13、図14および図15参照)の外周面326c(図13参照)と嵌合する穴24a(図15参照)を有する環状の導電性カソードスペーサ24(図2および図15参照)が設けられている。
また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、コイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)の水平方向に延ばされた部分115b(図13、図14および図15参照)の先端側部分115b1(図13および図14参照)が、導電性カソードスペーサ24(図2および図15参照)の下面に形成された収容溝24b(図15参照)内に収容されるように、環状の導電性カソードスペーサ24(図2および図15参照)が、コモンバー12(図1、図2および図15参照)およびコイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)の水平方向に延ばされた部分115b(図13、図14および図15参照)の先端側部分115b1(図13および図14参照)の上であって、円形の絶縁性ゲートスペーサ327(図2、図13、図14および図15参照)および環状の絶縁性ゲートスペーサ326(図2、図13、図14および図15参照)の周りに配置されている。更に、コイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)のコイル部分115a(図13、図14および図15参照)を包囲する円形の穴193a(図5参照)を有する概略四角形の導電性カソードサブスペーサ193(図2、図5および図15参照)と、導電性カソードサブスペーサ193(図2、図5および図15参照)を包囲する絶縁性カソードサブスペーサホルダ194(図2および図15参照)とが設けられている。また、概略四角形の導電性カソードサブスペーサ193(図2、図5および図15参照)と環状の導電性カソードスペーサ24(図2および図15参照)とが対向するように、概略四角形の導電性カソードサブスペーサ193(図2、図5および図15参照)と絶縁性カソードサブスペーサホルダ194(図2および図15参照)とが環状の導電性カソードスペーサ24(図2および図15参照)上に配置されている。
更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、上面にアノード電極123a(図3参照)を有し、下面の中心部分にゲート電極123b(図3参照)を有し、ゲート電極123b(図3参照)の周りにカソード電極123c(図3参照)を有し、導電性カソードサブスペーサ193(図2、図5、図6および図15参照)よりも大きい概略四角形のサイリスタチップ123(図2、図3、図6および図15参照)が設けられている。また、サイリスタチップ123(図2、図3、図6および図15参照)のゲート電極123b(図3参照)とコイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)のコイル部分115a(図13、図14および図15参照)とが対向し、かつ、サイリスタチップ123(図2、図3、図6および図15参照)のカソード電極123c(図3参照)と導電性カソードサブスペーサ193(図2、図5、図6および図15参照)とが対向するように、サイリスタチップ123(図2、図3、図6および図15参照)がコイルバネ型ゲート電極信号線115(図13、図14および図15参照)のコイル部分115a(図13、図14および図15参照)、導電性カソードサブスペーサ193(図2、図5、図6および図15参照)および絶縁性カソードサブスペーサホルダ194(図2および図15参照)の上に配置されている。更に、サイリスタチップ123(図2、図3、図6および図15参照)よりも小さい概略四角形の導電性アノードサブスペーサ191(図2、図4、図6および図15参照)と、導電性アノードサブスペーサ191(図2、図4、図6および図15参照)を包囲する絶縁性アノードサブスペーサホルダ192(図2および図15参照)とが設けられている。
また、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、導電性アノードサブスペーサ191(図2、図4、図6および図15参照)とサイリスタチップ123(図2、図3、図6および図15参照)のアノード電極123a(図3参照)とが対向するように、導電性アノードサブスペーサ191(図2、図4、図6および図15参照)と絶縁性アノードサブスペーサホルダ192(図2および図15参照)とが、サイリスタチップ123(図2、図3、図6および図15参照)のアノード電極123a(図3参照)および絶縁性カソードサブスペーサホルダ194(図2および図15参照)の上に配置されている。更に、アノード端子バー22(図1、図2および図15参照)と導電性アノードサブスペーサ191(図2、図4、図6および図15参照)とが対向するように、アノード端子バー22(図1、図2および図15参照)が導電性アノードサブスペーサ191(図2、図4、図6および図15参照)および絶縁性アノードサブスペーサホルダ192(図2および図15参照)の上に配置されている。また、それらが圧接手段29(図2参照)によって上下方向に圧接されている。
つまり、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、サイリスタチップ123(図2、図3、図6および図15参照)が発生した熱が、導電性カソードサブスペーサ193(図2、図5、図6および図15参照)、導電性カソードスペーサ24(図2および図15参照)、コモンバー12(図1、図2および図15参照)、絶縁板21(図2参照)などを介してヒートシンク1(図1および図2参照)のベース部分1a(図1および図2参照)に伝熱され、ヒートシンク1(図1および図2参照)の放熱フィン1b(図1および図2参照)から放熱される。すなわち、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、サイリスタチップ123(図2、図3、図6および図15参照)がヒートシンク1(図1および図2参照)によって空冷される。
そのため、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、冷却水の循環設備などを含む水冷設備を準備できない使用環境においてもサイリスタチップ113,123(図2、図3、図6、図12および図15参照)を冷却することができる。更に、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、冷却水が用いられる特許文献1に記載された圧接型大電力用サイリスタモジュールよりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール100全体を小型化し、圧接型大電力用サイリスタモジュール100全体のコストを削減することができる。
具体的には、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、ナット80a(図2参照)を収容するための凹部51g(図2参照)を有する外囲ケース51(図1および図2参照)が例えば接着などによってヒートシンク1(図1および図2参照)のベース部分1a(図1および図2参照)上に固定される。次いで、ナット80a(図2参照)が収容された外囲ケース51(図1および図2参照)によって水平方向に位置決めされた絶縁板11(図2参照)、コモンバー12(図1および図2参照)、導電性アノードサブスペーサ181(図2参照)、サイリスタチップ113(図2参照)、導電性カソードサブスペーサ183(図2参照)、導電性カソードスペーサ14(図2参照)およびカソード端子バー18(図1および図2参照)が、圧接手段19(図2参照)によって上下方向に圧接されると共に、外囲ケース51(図1および図2参照)によって水平方向に位置決めされた絶縁板21(図2参照)、コモンバー12(図1および図2参照)、導電性カソードスペーサ24(図2参照)、導電性カソードサブスペーサ193(図2参照)、サイリスタチップ123(図2参照)、導電性アノードサブスペーサ191(図2参照)およびアノード端子バー22(図1および図2参照)が、圧接手段29(図2参照)によって上下方向に圧接される。次いで、蓋体52(図1および図2参照)が例えば接着などによって外囲ケース51(図1および図2参照)上に固定される。次いで、カソード端子バー18(図1および図2参照)の上端部が図2に示す状態から図1に示す状態に後側(図1(C)の右側)に折り曲げられると同時に、アノード端子バー22(図1および図2参照)の上端部が図2に示す状態から図1に示す状態に前側(図1(C)の左側)に折り曲げられ、蓋体52(図1および図2参照)の凹部52a(図2参照)に収容されたナット80b(図2参照)がカソード端子バー18(図1および図2参照)の上端部によって覆われると共に、蓋体52(図1および図2参照)の凹部52b(図2参照)に収容されたナット80c(図2参照)がアノード端子バー22(図1および図2参照)の上端部によって覆われる。
詳細には、カソード端子バー18(図1および図2参照)の上端部が折り曲げられる時、図1(C)の右向きの第1の回転モーメントが圧接型大電力用サイリスタモジュール100に対してかかる。同様に、アノード端子バー22(図1および図2参照)の上端部が折り曲げられる時、図1(C)の左向きの第2の回転モーメントが圧接型大電力用サイリスタモジュール100に対してかかる。この点に鑑み、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、第1の回転モーメントと第2の回転モーメントとを相殺するように、カソード端子バー18(図1および図2参照)の上端部が後側(図1(C)の右側)に折り曲げられると同時に、アノード端子バー22(図1および図2参照)の上端部が前側(図1(C)の左側)に折り曲げられる。
そのため、第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、カソード端子バー18(図1および図2参照)の上端部が折り曲げられる時およびアノード端子バー22(図1および図2参照)の上端部が折り曲げられる時に圧接型大電力用サイリスタモジュール100が転倒してしまうのを防止する転倒防止手段にかかる費用を削減することができる。
図20は第2の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100を示した図である。詳細には、図20(A)は第2の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の平面図、図20(B)は第2の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の正面図、図20(C)は第2の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の右側面図である。第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図1および図2に示すように、ヒートシンク1のフィン1bを冷却するためのファンが設けられていないが、第2の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図20に示すように、ヒートシンク1のフィン1bを冷却するためのファンFN1,FN2が設けられている。
詳細には、第2の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図20に示すように、ヒートシンク1のうち、サイリスタチップ113(図2参照)に対向する部分を冷却するためのファンFN1と、ヒートシンク1のうち、サイリスタチップ123(図2参照)に対向する部分を冷却するためのファンFN2とが別個に設けられている。そのため、第2の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、ファンFN1,FN2が設けられていない場合よりも、サイリスタチップ113,123の空冷性能を向上させることができる。
第2の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、ファンFN1(図20参照)の風量とファンFN2(図20参照)の風量とが等しくされているが、第3の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、代わりに、ファンFN1(図20参照)の風量よりもファンFN2(図20参照)の風量を多くすることも可能である。詳細には、サイリスタチップ123(図2参照)からヒートシンク1(図2参照)までの伝熱経路が、サイリスタチップ113(図2参照)からヒートシンク1(図2参照)までの伝熱経路よりも導電性カソードスペーサ24(図2参照)の分だけ長く、かつ、サイリスタチップ123(図2参照)からヒートシンク1(図2参照)までの伝熱経路の断面積の最小部分(詳細には、導電性カソードサブスペーサ193(図2および図5参照)の水平断面積)が、サイリスタチップ113(図2参照)からヒートシンク1(図2参照)までの伝熱経路の断面積の最小部分(詳細には、導電性アノードサブスペーサ181(図2および図4参照参照)の水平断面積)よりも小さい点に鑑み、第3の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、サイリスタチップ113(図2参照)を冷却するファンFN1(図20参照)の風量よりも、サイリスタチップ123(図2参照)を冷却するファンFN2(図20参照)の風量が多くされている。そのため、第3の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、サイリスタチップ113(図2参照)とサイリスタチップ123(図2参照)とを均一に冷却することができる。
図21は第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100を示した図である。詳細には、図21(A)は第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の平面図、図21(B)は第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の正面図、図21(C)は第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の右側面図である。図22は右前側かつ上側から見た第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の斜視図である。
第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図21および図22に示すように、ヒートシンク1の四角形のベース部分1a(図1参照)の右側面1a3(図1参照)、左側面1a4(図1参照)、前側面1a5(図1参照)および後側面1a6(図1参照)のうち、放熱フィン1bの稜線方向(図21(C)の左右方向)に平行な右側面1a3(図1参照)および左側面1a4(図1参照)に対して2つの概略L字状の接続部材2R,2Lの鉛直部分2R1,2L1が接続されている。更に、2つの接続部材2R,2Lの水平部分2R2,2L2の下面2R2a,2L2aが、複数の放熱フィン1bの先端部を含む平面と同一平面上に配置されるか、あるいは、複数の放熱フィン1bの先端部を含む平面よりも下側(図21(B)の下側)に突出せしめられている。
そのため、第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、例えば溶接機などのような圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対して圧接型大電力用サイリスタモジュール100を取り付けるために、2つの接続部材2R,2Lの水平部分2R2,2L2を用いることができる。
その結果、第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、例えば溶接機などのような圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対して圧接型大電力用サイリスタモジュール100を取り付けるためにコモンバー12、カソード端子バー18およびアノード端子バー22のみが用いられる第2および第3の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100よりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け強度および安定性を向上させることができる。
図23は右前側かつ上側から見た第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の変形例の斜視図である。第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図21および図22に示すように、ファンFN1,FN2にフィンガーガードが取り付けられていないが、第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の変形例では、代わりに、図23に示すように、ファンFN1,FN2にフィンガーガードFGを取り付けることも可能である。
第4の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、圧接手段19(図2参照)による圧接および圧接手段29(図2参照)による圧接ならびにカソード端子バー18(図21および図22参照)の上端部およびアノード端子バー22(図21および図22参照)の上端部の折り曲げが行われた後に、2つの接続部材2R,2L(図21および図22参照)の鉛直部分2R1,2L1(図21参照)がヒートシンク1(図21および図22参照)のベース部分1a(図21参照)に接続されるが、第5の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、代わりに、圧接手段19(図2参照)による圧接および圧接手段29(図2参照)による圧接が行われる前に、2つの接続部材2R,2L(図21および図22参照)の鉛直部分2R1,2L1(図21参照)がヒートシンク1(図21および図22参照)のベース部分1a(図21参照)に接続される。次いで、第5の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、2つの接続部材2R,2L(図21および図22参照)の水平部分2R2,2L2(図21参照)が冶具(図示せず)に対して接続された状態で、圧接手段19(図2参照)による圧接および圧接手段29(図2参照)による圧接、並びに、カソード端子バー18(図21および図22参照)の上端部およびアノード端子バー22(図21および図22参照)の上端部の折り曲げが行われる。
つまり、第5の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、2つの接続部材2R,2L(図21および図22参照)が、圧接手段19,29(図2参照)による圧接時のヒートシンク1(図21および図22参照)の固定手段として用いられると共に、カソード端子バー18(図21および図22参照)の上端部およびアノード端子バー22(図21および図22参照)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の転倒防止手段として用いられる。
そのため、第5の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、圧接手段19,29(図2参照)による圧接時のヒートシンク1(図21および図22参照)の固定手段とカソード端子バー18(図21および図22参照)の上端部およびアノード端子バー22(図21および図22参照)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の転倒防止手段とが別個に設けられる場合よりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール100全体のコストを削減することができる。
詳細には、第5の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、冶具(図示せず)から取り外された2つの接続部材2R,2L(図21および図22参照)の水平部分2R2,2L2(図21参照)が圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対して接続される。つまり、第5の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、2つの接続部材2R,2L(図21および図22参照)が、圧接手段19,29(図2参照)による圧接時のヒートシンク1(図21および図22参照)の固定手段として用いられると共に、カソード端子バー18(図21および図22参照)の上端部およびアノード端子バー22(図21および図22参照)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の転倒防止手段として用いられ、更に、圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造後における例えば溶接機などのような圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対する圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け手段として用いられる。
そのため、第5の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、圧接手段19,29(図2参照)による圧接時のヒートシンク1(図21および図22参照)の固定手段とカソード端子バー18(図21および図22参照)の上端部およびアノード端子バー22(図21および図22参照)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の転倒防止手段と圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対する圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け手段とが別個に設けられる場合よりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール100全体のコストを削減することができる。
図24は第6の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100を示した図である。詳細には、図24(A)は第6の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の平面図、図24(B)は第6の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の正面図、図24(C)は第6の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の右側面図である。
第6の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、図24に示すように、ヒートシンク1の四角形のベース部分1a(図1参照)の右側面1a3(図1参照)、左側面1a4(図1参照)、前側面1a5(図1参照)および後側面1a6(図1参照)のうち、放熱フィン1bの稜線方向(図24(C)の左右方向)に平行な右側面1a3(図1参照)および左側面1a4(図1参照)に対して2つの概略L字状の接続部材2R,2Lの鉛直部分2R1,2L1が接続されている。更に、2つの接続部材2R,2Lの水平部分2R2,2L2の下面2R2a,2L2aが、複数の放熱フィン1bの先端部を含む平面と同一平面上に配置されるか、あるいは、複数の放熱フィン1bの先端部を含む平面よりも下側(図24(B)の下側)に突出せしめられている。
そのため、第6の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、例えば溶接機などのような圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対して圧接型大電力用サイリスタモジュール100を取り付けるために、2つの接続部材2R,2Lの水平部分2R2,2L2を用いることができる。
その結果、第6の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、例えば溶接機などのような圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対して圧接型大電力用サイリスタモジュール100を取り付けるためにコモンバー12、カソード端子バー18およびアノード端子バー22のみが用いられる第1の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100よりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け強度および安定性を向上させることができる。
第6の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、圧接手段19(図2参照)による圧接および圧接手段29(図2参照)による圧接ならびにカソード端子バー18(図24参照)の上端部およびアノード端子バー22(図24参照)の上端部の折り曲げが行われた後に、2つの接続部材2R,2L(図24参照)の鉛直部分2R1,2L1(図24参照)がヒートシンク1(図24参照)のベース部分1a(図1および図2参照)に接続されるが、第7の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、代わりに、圧接手段19(図2参照)による圧接および圧接手段29(図2参照)による圧接が行われる前に、2つの接続部材2R,2L(図24参照)の鉛直部分2R1,2L1(図24参照)がヒートシンク1(図24参照)のベース部分1a(図1および図2参照)に接続される。次いで、第7の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、2つの接続部材2R,2L(図24参照)の水平部分2R2,2L2(図24参照)が冶具(図示せず)に対して接続された状態で、圧接手段19(図2参照)による圧接および圧接手段29(図2参照)による圧接、並びに、カソード端子バー18(図24参照)の上端部およびアノード端子バー22(図24参照)の上端部の折り曲げが行われる。
つまり、第7の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造時には、2つの接続部材2R,2L(図24参照)が、圧接手段19,29(図2参照)による圧接時のヒートシンク1(図24参照)の固定手段として用いられると共に、カソード端子バー18(図24参照)の上端部およびアノード端子バー22(図24参照)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の転倒防止手段として用いられる。
そのため、第7の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、圧接手段19,29(図2参照)による圧接時のヒートシンク1(図24参照)の固定手段とカソード端子バー18(図24参照)の上端部およびアノード端子バー22(図24参照)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の転倒防止手段とが別個に設けられる場合よりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール100全体のコストを削減することができる。
詳細には、第7の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、冶具(図示せず)から取り外された2つの接続部材2R,2L(図24参照)の水平部分2R2,2L2(図24参照)が圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対して接続される。つまり、第7の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100では、2つの接続部材2R,2L(図24参照)が、圧接手段19,29(図2参照)による圧接時のヒートシンク1(図24参照)の固定手段として用いられると共に、カソード端子バー18(図24参照)の上端部およびアノード端子バー22(図24参照)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の転倒防止手段として用いられ、更に、圧接型大電力用サイリスタモジュール100の製造後における例えば溶接機などのような圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対する圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け手段として用いられる。
そのため、第7の実施形態の圧接型大電力用サイリスタモジュール100によれば、圧接手段19,29(図2参照)による圧接時のヒートシンク1(図24参照)の固定手段とカソード端子バー18(図24参照)の上端部およびアノード端子バー22(図24参照)の上端部の折り曲げ時の圧接型大電力用サイリスタモジュール100の転倒防止手段と圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け対象に対する圧接型大電力用サイリスタモジュール100の取り付け手段とが別個に設けられる場合よりも、圧接型大電力用サイリスタモジュール100全体のコストを削減することができる。
第8の実施形態では、上述した第1から第8の実施形態および変形例を適宜組み合わせることも可能である。