JP2013004664A - 電流電圧特性測定方法および電流電圧特性測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間で高精度に太陽電池の電流電圧特性を測定する。
【解決手段】電流電圧特性測定装置1は、負荷電源(バイアス電源)2と、負荷制御部3と、電流計4と、電圧計5と、フラッシュランプ6と、ランプ制御部7と、コンピュータ8と、記憶部9を備える。本実施形態では、被測定太陽電池10の過渡応答状態にて、被測定太陽電池10のI−V特性曲線を生成するため、I−V特性曲線を迅速に生成できる。その後、最大出力電力付近と開放電圧付近とに限って、時間をかけて精度よく計測し、その後、数式処理にて、I−V特性曲線の補正処理を行なうため、最終的なI−V特性曲線が得られるまでの時間を短縮できる。
【選択図】図1
【解決手段】電流電圧特性測定装置1は、負荷電源(バイアス電源)2と、負荷制御部3と、電流計4と、電圧計5と、フラッシュランプ6と、ランプ制御部7と、コンピュータ8と、記憶部9を備える。本実施形態では、被測定太陽電池10の過渡応答状態にて、被測定太陽電池10のI−V特性曲線を生成するため、I−V特性曲線を迅速に生成できる。その後、最大出力電力付近と開放電圧付近とに限って、時間をかけて精度よく計測し、その後、数式処理にて、I−V特性曲線の補正処理を行なうため、最終的なI−V特性曲線が得られるまでの時間を短縮できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池の電流電圧特性を測定する電流電圧特性測定方法および電流電圧特性測定装置に関する。
太陽電池の電流電圧特性は、太陽電池の性能を評価する重要な特性であり、太陽電池を製造した際に同特性を計測するのが一般的である。具体的な計測手法としては、太陽電池に基準となる擬似太陽光を照射した状態で負荷量を調整して、各負荷量での太陽電池の出力電流と出力電圧を測定ポイントとして計測する。そして、多数の測定ポイントでの出力電流と出力電圧が計測されると、これらのデータを、縦軸を出力電流、横軸を出力電圧とするグラフ上にプロットして、各プロット間を補間することで、太陽電池の電流電圧特性曲線が得られる。この曲線は、一般にI−V特性曲線と呼ばれる。
図10は太陽電池の一般的なI−V特性曲線cb1を示す図である。外部に流す電流が0アンペアの時の電圧は開放電圧Vocと呼ばれ、出力電圧が0Vの時の出力電流は短絡電流Iscと呼ばれる。仕事率(出力電力)はW=IVであることから、出力電力の曲線は図10の破線cb2のようになり、その最大値が最大出力Pmaxである。最大出力Pmax時のIとVはそれぞれ最適動作電流Ipm、最適動作電圧Vpmと呼ばれる。
被測定太陽電池のI−V特性曲線は、被測定太陽電池に予め定めた照度の擬似太陽光を照射した状態で計測される。このため、まずは、擬似太陽光の放射照度設定を行なう必要がある。照度設定は、JISに規定される装置と方法で校正された二次基準太陽電池セル(規定照度1000W/m2でのIsc又はPmax(Ipm×Vpm)と、Vocの校正データを有する)を用いて構成した太陽電池モジュールにおいて、中央部と周辺部の少なくとも4箇所の照度を測定平均した値を照度として設定する。
上述した規定照度に設定された光源の一回の照射時に、太陽電池を短絡条件から開放条件まで負荷の電源電圧を階段状に印加掃引することにより、太陽電池のI−V特性曲線を得る。
上述したように、太陽電池のI−V特性曲線は、太陽電池の製造後の検査や性能評価、新たな太陽電池の研究開発に利用される重要な測定項目である。しかしながら、太陽電池の製造後に、その検査のために、個々の太陽電池ごとにI−V特性曲線を計測するのは、かなりの時間を要するという問題があり、結果として、太陽電池の製造コストを下げられない要因の一つになっている。
ところで、太陽電池には材質や構造により種々の種類が存在し、各種類ごとに太陽電池の電気特性も異なっている。例えば、単結晶や多結晶シリコン型などの結晶系太陽電池に比べて、薄膜型や色素増感型に代表される非シリコン結晶系太陽電池は、その電気特性として、過渡応答状態が長い傾向にあり、光が当たってから安定するまでに長期間を要し、また、出力特性測定のため上記負荷電源からの印加電圧の変化に対して出力電流電圧が安定するまでの時間も長くかかり、結晶系太陽電池では出力特性測定に数ミリ秒かかるのに対して、非シリコン結晶系太陽電池では、その数十倍から数百、あるいは数千倍といった遙かに長い時間を要する。この応答速度の遅い太陽電池の性能を正しく測定するために種々の工夫や方式が検討されており、例えば、擬似太陽光を数百ミリ秒から数十秒程度連続発光させる手法や、擬似太陽光のパルス発光波形を平坦化したフラッシュ法を複数回行なってデータ取りを複数回に分ける手法(特許文献1)などがある。
太陽電池の性能評価のために擬似太陽光を長時間連続的に照射する手法は、光源に安定した電源電圧を長時間供給しなければならないことから、電源電圧を発生する電源装置の構成が複雑かつ大型になり、消費電力も増大する。また、照射時間が長くなると、光源ランプの温度が上昇して照度が不安定になり、また、温度上昇により光源ランプの光学部品の劣化を早めてしまい、光源ランプの寿命が短くなって、保守コストが高くなってしまう。さらに、照射時間が長くなると、太陽電池自体が温度上昇して出力電圧の低下を招き、測定精度が悪くなるおそれがある。
特許文献1の手法によれば、一回のフラッシュ発光照射で収集するデータ数を少なくすれば照射時間を短くできるが、照射の各回の間隔は数秒から数十秒の時間を要し、照射回数が増えるほど、トータルの測定時間が長くなってしまう。特に生産現場では、出力特性評価に時間がかかるということは、生産効率の低下を意味し、太陽電池のコストアップにつながる。
また、色素増感型のような非常に応答性の悪い太陽電池では、精度良く1個のデータを取るのに数十ミリ秒から数百ミリ秒の時間を要し、1回の測定で数百のデータを取得できたとしても、I−V特性を得るには数十分もの時間を要することになり、事実上測定が不可能になる。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、短時間で高精度に太陽電池の電流電圧特性を測定できる電流電圧特性測定方法および電流電圧特性測定装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様では、被測定太陽電池が過渡応答状態の間に、前記被測定太陽電池の出力電流および出力電圧を可変させて、前記被測定太陽電池の電流電圧特性を計測するステップと、
前記被測定太陽電池または電流電圧特性が既知の前記基準太陽電池が定常状態の間に、前記被測定太陽電池または前記基準太陽電池の電流電圧特性曲線上の複数の測定ポイントで出力電流および出力電圧を計測するステップと、
前記電流電圧特性曲線上の最大出力電力周辺の複数の測定ポイントでの出力電流および出力電圧に基づいて前記被測定太陽電池の電流電圧特性を補正して、前記被測定太陽電池の定常状態での電流電圧特性を推定するステップと、を備え、
前記複数のポイントの総数は、前記被測定太陽電池の電流電圧特性を計測する際に用いる測定ポイントの総数よりも少ないことを特徴とする太陽電池の電流電圧特性測定方法が提供される。
前記被測定太陽電池または電流電圧特性が既知の前記基準太陽電池が定常状態の間に、前記被測定太陽電池または前記基準太陽電池の電流電圧特性曲線上の複数の測定ポイントで出力電流および出力電圧を計測するステップと、
前記電流電圧特性曲線上の最大出力電力周辺の複数の測定ポイントでの出力電流および出力電圧に基づいて前記被測定太陽電池の電流電圧特性を補正して、前記被測定太陽電池の定常状態での電流電圧特性を推定するステップと、を備え、
前記複数のポイントの総数は、前記被測定太陽電池の電流電圧特性を計測する際に用いる測定ポイントの総数よりも少ないことを特徴とする太陽電池の電流電圧特性測定方法が提供される。
本発明によれば、短時間で高精度に太陽電池の電流電圧特性を測定することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は一実施形態に係る太陽電池の電流電圧特性測定装置の概略構成を示すブロック図である。図1の電流電圧特性測定装置1は、負荷電源(バイアス電源)2と、負荷制御部3と、電流計4と、電圧計5と、フラッシュランプ6と、ランプ制御部7と、コンピュータ8と、記憶部9を備えている。
負荷電源2は、被測定太陽電池10に接続されており、被測定太陽電池10に負荷を与える。負荷電源2の負荷量は、負荷制御部3により調整可能である。被測定太陽電池10は、負荷電源2の負荷量に応じた出力電流と出力電圧を生成する。
被測定太陽電池10から負荷電源2に流れる出力電流は、電流計4により計測される。被測定太陽電池10の出力電圧は、電圧計5により計測される。電流計4と電圧計5はコンピュータ8により制御される。コンピュータ8は、負荷電源2の負荷量を可変させながら、被測定太陽電池10の出力電流と出力電圧を電流計4と電圧計5で測定して、その測定結果に基づいて被測定太陽電池10のI−V特性曲線を生成する。
フラッシュランプ6は、被測定太陽電池10の受光面に向けて擬似太陽光を放射する。フラッシュランプ6の放射照度は、コンピュータ8の指令の下でランプ制御部7により制御される。例えば、フラッシュランプ6の放射照度は、1kW/m2の基準状態に設定される。この基準状態は、既知の基準太陽電池セルでI−V特性曲線を計測した場合の放射照度である。
電流電圧特性測定装置1は、以下に説明する処理手順で被測定太陽電池10のI−V特性曲線の計測を行なう。この計測にあたって、まずフラッシュランプ6のウォームアップを行い、フラッシュランプ6の照度が基準太陽電池セルのI−V特性曲線を計測する際に設定した基準光量(1kW/m2)になるように、フラッシュランプ6の照度を調整する。この状態で、電流電圧測定装置は、図2のフローチャートに従って処理を行なう。
図2は本実施形態による電流電圧特性測定装置1の処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、コンピュータ8が所定のプログラムを実行した場合の処理手順を示している。なお、後述するように、図2の処理手順をコンピュータ8以外のハードウェアで実行してもよい。
まず、負荷電源2の負荷量を変えながら、被測定太陽電池10の多数の測定ポイントについて、出力電流と出力電圧を計測する(ステップS1)。
太陽電池は、負荷量を切り替えても、すぐには出力電流と出力電圧が追随せず、出力電流と出力電圧が安定するまでにかなりの時間を要する場合がある。特に、上述したように、非シリコン結晶系太陽電池では、追随性が悪い。そこで、負荷量を切り替えた場合は、その時点から所定の遅延時間が経過した後に出力電流と出力電圧を計測するのが本来は望ましい。
図3は被測定太陽電池10の各測定ポイントでの測定時間を説明する図であり、横軸は測定時間、縦軸は出力電圧である。図3に示すように、各測定ポイントでは、遅延時間が経過した後に出力電流と出力電圧を計測する。JISには、太陽電池の時定数の4倍以上の時間を遅延時間として設定するのが望ましい旨が記載されている。
ところが、各測定ポイントごとに、太陽電池の時定数の4倍以上の遅延時間を設けたとすると、全測定ポイントで出力電流と出力電圧を計測するのに膨大な時間がかかってしまう。そこで、図2のステップS1では、図3の遅延時間を太陽電池の時定数の4倍未満の時間に設定して、各測定ポイントでの出力電流と出力電圧を、短時間で連続的に計測する。例えば、本実施形態では、一つの測定ポイントでの計測を数十〜数百マイクロ秒程度で行なう。
このように、本実施形態は、被測定太陽電池10が定常状態になるまで待機してから出力電流と出力電圧を測定するのではなく、被測定太陽電池10が過渡応答状態の間に出力電流と出力電圧を測定する点に特徴がある。
全測定ポイントでの出力電流と出力電圧の計測が終了すると、図4のようなプロット図が得られる。この図の横軸は出力電圧V、縦軸は出力電流Iであり、各プロットが各測定ポイントの出力電流および出力電圧を表している。
次に、各測定ポイントでのプロットを補間することにより、図5のようなI−V特性曲線を生成する(ステップS2)。図5のI−V特性曲線は、上述したように、各測定ポイントでの遅延時間を短くして計測されたものであり、精度が高い結果とは言えない。そこで、本実施形態では、以降に説明する処理手順により、図5のI−V特性曲線の補正処理を行なう。
まずは、図5のI−V特性曲線から最大出力電力Pmax0を検出し、最大出力電力Pmax0での出力電流Ipm0と出力電圧Vpm0を検出する。そして、ステップS1で計測した各測定ポイントでの出力電流Ioiおよび出力電圧Voi(i=0、…、n)と、最大出力電力Pmax0での出力電流Ipm0および出力電圧Vpm0とを記憶部9に保存する(ステップS3)。
次に、被測定太陽電池10と同種の電気特性を持つ基準太陽電池セルの校正データを記憶部9から読み込む(ステップS4)。ここで、校正データとは、基準太陽電池セルにJISで定める照度の光量を照射した状態で計測したI−V特性曲線における最大出力電力P"maxでの出力電流I"pmと出力電圧V"pmである。
次に、JISで定める遅延時間を満たした状態、すなわち定常状態で、最大出力電力Pmaxでの出力電流Ipmおよび出力電圧Vpmと開放電圧Vocとを計測するために、被測定太陽電池10または基準太陽電池セルのどちらを用いるかを決定する(ステップS5)。このステップS5は、I−V特性曲線上の最大出力電力Pmaxと、最大出力電力Pmaxでの出力電流Ipmおよび出力電圧Vpmと、開放電圧Vocとをより精度よく検出することを目的としている。
このステップS5では、計測時間を短縮したい場合は基準太陽電池セルを用い、精度をより向上させた場合は被測定太陽電池10を用いる旨の決定をする。
被測定太陽電池10を用いる場合には、最大出力電力と開放電圧が得られるI−V特性曲線上の測定ポイント周辺の所定範囲内の各測定ポイントで、定常状態にて出力電流と出力電圧を計測する(ステップS6)。すなわち、このステップS6では、各測定ポイントで、JISで定める遅延時間だけ待機して出力電流と出力電圧を計測する。
その後、計測された各測定ポイントでのプロット(出力電流と出力電圧)を補間することにより、図6に示すように、最大出力電力P'maxと開放電圧V'ocの周辺だけの詳細なI−V特性曲線を生成する(ステップS7)。このI−V特性曲線を用いることで、最大出力電力P'maxと、最大出力電力P'maxでの出力電流I'pmおよび出力電圧V'pmと、開放電圧V'ocとを検出することができる。検出された最大出力電力P'maxでの出力電流I'pmおよび出力電圧V'pmと、開放電圧V'ocとは、最終的な値Pmax(Imax,Vmax)とVocとして、記憶部9に保存される(ステップS8)。
このステップS8では、JISで定めた遅延時間を考慮に入れて出力電流と出力電圧を計測するが、計測すべき出力電流の範囲が最大出力電力付近と開放電圧付近とに限られており、フラッシュランプ6の1回の照射時間10〜20ミリ秒に計測することができ、被測定太陽電池10の定常状態で計測を行なうといっても、計測に時間は要しない。
一方、ステップS5で基準太陽電池セルを用いることが決定された場合は、すでに既知である最大出力電力P"maxでの出力電流I"pmおよび出力電圧V"pmと、開放電圧V"ocとが、最終的な値Pmax(Imax,Vmax)とVocとして、記憶部9に保存される(ステップS9)。
ステップS8またはS9の処理が終わると、次にステップS2で計測したI−V特性曲線の補正処理が行なわれる(ステップS10)。
図7は図2のステップS10の補正処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
(2)式の右辺第3項(Voc0−Voc)は、真の開放電圧Vocと計測した開放電圧Voc0との差分である。この差分を、新たな電圧V1iと計測した電圧V0iとの差分に置き換えるために、右辺第3項(Voc0−Voc)の差分に右辺第2項の値を掛け合わせる。これにより、新たな電圧V1iを計算することができる。
次に、以下の(3)式と(4)式に基づいて、I−V特性曲線の補正と、補正後のI−V特性曲線上の最大出力電力の検出とを行なって、補正後の各測定ポイントでの出力電流および出力電圧と、補正後の最大出力電力Pmaxと、補正後の最大出力電力Pmaxでの出力電流Ipmおよび出力電圧Vpmとを計算する。
これら(5)式は、上述した(2)式と同様に、最大出力電力における真の出力電流Ipmと計測した出力電流Ipm1との差分を比例配分して、補正された出力電流I2iと計測された出力電流I1iとの差分を計算するものである。
同様に、(6)式は、上述した(2)式と同様に、最大出力電力における真の出力電圧Vpmと計測した出力電圧Vpm1との差分を比例配分して、補正された出力電圧V2iと計測された出力電圧V1iとの差分を計算するものである。
上述した(5)式と(6)式に基づいてI−V特性曲線上の各測定ポイントを補正して、出力電流I2iと出力電圧V2iを算出する代わりに、以下の(7)式と(8)式に基づいて、出力電流I2iと出力電圧V2iを算出してもよい。
図8は上述した図2および図7の処理により得られる補正後のI−V特性曲線(実線cb3)と、図2のステップS2で計測された過渡応答状態でのI−V特性曲線(破線cb4)とを比較した図である。図8では、結晶シリコン基板上に薄膜アモルファスシリコン層を形成したハイブリッド型の太陽電池を被測定太陽電池10としている。破線cb4は、測定時間が約20ミリ秒で約2000個の測定ポイントでのプロットを補間したものである。
図8には図示していないが、定常状態でのI−V特性曲線は実線cb3とほぼ同じ曲線になる。図8からわかるように、被測定太陽電池10の過渡応答状態時に短時間で計測したI−V特性曲線を、本実施形態の補正処理を行なうことで、真のI−V特性曲線に近づけることができる。
このように、本実施形態では、被測定太陽電池10が過渡応答状態の間に、被測定太陽電池10に接続された負荷電源2の負荷量を連続的に変化させて、被測定太陽電池10の複数の測定ポイントにて、出力電流および出力電圧を計測する。そして、その計測結果に基づいてI−V特性曲線を生成する。
次に、被測定太陽電池10の最大出力電力付近の複数の測定ポイントでの出力電流および出力電圧を、被測定太陽電池10の定常状態にて計測し、その計測結果に基づいて被測定太陽電池10の最大出力電力を特定し、最大出力電力での出力電流および出力電圧を計測する。あるいは、基準太陽電池セルの校正済の最大出力電力と、最大出力電力での出力電流および出力電圧を検出する。
次に、上述した(1)式に基づいて開放電圧の補正を行なう。次に、上述した(3)式と(4)式に基づいて、被測定太陽電池10の各測定ポイントでの出力電流の補正値I2iと出力電圧の補正値V2iを算出する。算出された補正値I2i,V2iをプロットして補間することにより、最終的なI−V特性曲線と、このI−V特性曲線上の最大出力電力とを求めることができる。
上述したように、本実施形態では、被測定太陽電池10の過渡応答状態にて、被測定太陽電池10のI−V特性曲線を生成するため、I−V特性曲線を迅速に生成できる。その後、最大出力電力付近と開放電圧付近とに限って、時間をかけて精度よく計測し、その後、数式処理にて、I−V特性曲線の補正処理を行なうため、最終的なI−V特性曲線が得られるまでの時間を短縮できる。すなわち、本実施形態によれば、被測定太陽電池10の定常状態にて、I−V特性曲線を生成するよりも、はるかに短い時間で、同等の精度でI−V特性曲線を得ることができる。
上述した実施形態で説明した電流電圧特性測定装置1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、上述した図2および図7の処理手順のうち少なくとも一部を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータ8に読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
また、電流電圧特性測定装置1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
図9は、図1のコンピュータ8の代わりに、図2の処理を行なうハードウェアからなる電流電圧特性測定部8aを設けた電流電圧特性測定装置1aの概略構成を示すブロック図である。図9の電流電圧特性測定装置1aは、電流電圧特性測定部8aだけが図1と異なっている。
図9の電流電圧特性測定部8aは、第1の計測部11と、第2の計測部12と、電流電圧特性推定部13とを有する。
第1の計測部11は、被測定太陽電池が過渡応答状態の間に、被測定太陽電池の出力電流および出力電圧を可変させて、被測定太陽電池の電流電圧特性を計測する。より具体的には、第1の計測部11は、図2のステップS1〜S3の処理を行なう。
第2の計測部12は、被測定太陽電池または電流電圧特性が既知の基準太陽電池が定常状態の間に、被測定太陽電池または基準太陽電池の電流電圧特性曲線上の複数の測定ポイントで出力電流および出力電圧を計測する。より具体的には、第2の計測部12は、図2のステップS4〜S9の処理を行なう。
電流電圧特性推定部13は、電流電圧特性曲線上の最大出力電力周辺の複数の測定ポイントでの出力電流および出力電圧に基づいて被測定太陽電池の電流電圧特性を補正して、被測定太陽電池の定常状態での電流電圧特性を推定する。より具体的には、電流電圧特性推定部13は、図2のステップS10(図7)の処理を行なう。
このように、本実施形態による電流電圧特性測定は、ソフトウェアでもハードウェアでも実施可能であり、ソフトウェアとハードウェアを適宜組み合わせて実施することもできる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1、1a 電流電圧特性測定装置、2 負荷電源、3 負荷制御部、4 電流計、5 電圧計、6 フラッシュランプ、7 ランプ制御部、8 コンピュータ、9 記憶部、10 被測定太陽電池、11 第1の計測部、12 第2の計測部、13 電流電圧特性推定部
Claims (5)
- 被測定太陽電池が過渡応答状態の間に、前記被測定太陽電池の出力電流および出力電圧を可変させて、前記被測定太陽電池の電流電圧特性を計測するステップと、
前記被測定太陽電池または電流電圧特性が既知の前記基準太陽電池が定常状態の間に、前記被測定太陽電池または前記基準太陽電池の電流電圧特性曲線上の複数の測定ポイントで出力電流および出力電圧を計測するステップと、
前記電流電圧特性曲線上の最大出力電力周辺の複数の測定ポイントでの出力電流および出力電圧に基づいて前記被測定太陽電池の電流電圧特性を補正して、前記被測定太陽電池の定常状態での電流電圧特性を推定するステップと、を備え、
前記複数のポイントの総数は、前記被測定太陽電池の電流電圧特性を計測する際に用いる測定ポイントの総数よりも少ないことを特徴とする太陽電池の電流電圧特性測定方法。 - 前記複数の測定ポイントは、前記被測定太陽電池または前記基準太陽電池が最大出力電力を取る測定ポイント周辺の測定ポイントと、前記被測定太陽電池または前記基準太陽電池の開放電圧が得られる測定ポイントとを含むことを特徴とする請求項1に記載の電流電圧特性測定方法。
- 前記被測定太陽電池の電流電圧特性を補正するステップは、
前記被測定太陽電池または前記基準太陽電池の開放電圧に基づいて、前記被測定太陽電池の定常状態での開放電圧を推定するステップと、
前記推定された開放電圧と、前記被測定太陽電池または前記基準太陽電池が最大出力電力を取る測定ポイントでの出力電流および出力電圧と、に基づいて、前記被測定太陽電池の電流電圧特性を補正するステップと、を有することを特徴とする請求項2に記載の電流電圧特性測定方法。 - 前記被測定太陽電池が過渡応答状態の間に計測された前記被測定太陽電池の電流電圧特性曲線上の任意の測定ポイントでの電流および電圧をそれぞれI0iおよびV0i、前記被測定太陽電池が過渡応答状態の間に計測された前記被測定太陽電池の開放電圧をVoc0、前記被測定太陽電池または前記基準太陽電池の定常状態での開放電圧をVoc、前記被測定太陽電池が定常状態の間に計測された前記被測定太陽電池の電流電圧特性曲線上の任意の測定ポイントでの電流および電圧をそれぞれI1iおよびV1i、前記被測定太陽電池が定常状態の間に計測された前記被測定太陽電池が最大出力電力Pmax1を得る測定ポイントでの電流および電圧をそれぞれIpm1およびVpm1とすると、前記被測定太陽電池の定常状態での開放電圧V1iは以下の(1)式で表され、前記電流I1iおよび前記電圧V1iは以下の(2)式で表されることを特徴とする請求項3に記載の電流電圧特性測定方法。
- 被測定太陽電池が過渡応答状態の間に、前記被測定太陽電池の出力電流および出力電圧を可変させて、前記被測定太陽電池の電流電圧特性を計測する第1の計測部と、
前記被測定太陽電池または電流電圧特性が既知の前記基準太陽電池が定常状態の間に、前記被測定太陽電池または前記基準太陽電池の電流電圧特性曲線上の複数の測定ポイントで出力電流および出力電圧を計測する第2の計測部と、
前記電流電圧特性曲線上の最大出力電力周辺の複数の測定ポイントでの出力電流および出力電圧に基づいて前記被測定太陽電池の電流電圧特性を補正して、前記被測定太陽電池の定常状態での電流電圧特性を推定する電流電圧特性推定部と、を備え、
前記複数のポイントの総数は、前記被測定太陽電池の電流電圧特性を計測する際に用いる測定ポイントの総数よりも少ないことを特徴とする太陽電池の電流電圧特性測定装置。
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