JP2013004556A - 巻線素子損失測定方法および該装置 - Google Patents

巻線素子損失測定方法および該装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ヒステリシス損および渦電流損を個別に実測し得る巻線素子損失測定方法および該装置を提供する。
【解決手段】本発明の巻線素子損失測定装置Dは、測定対象の巻線素子SMにおける銅損を測定する銅損測定部21と、巻線素子SMによって生じる磁界と相互作用するように配置されるプローブ導体1の抵抗値を変化させながら巻線素子SMとプローブ導体1との総合損失を複数測定する総合損失測定部22と、総合損失測定部22で測定された複数の総合損失のそれぞれから銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果に基づいて巻線素子SMにおける渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求める導出部3とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、リアクトル等の巻線素子における損失を測定する巻線素子損失測定方法に関し、特に、渦電流損失とヒステリシス損失とを個別に実測することができる巻線素子損失測定方法およびこの巻線素子損失方法を実装した巻線素子損失測定装置に関する。
長尺な導体を巻き回して、回路でインダクタンスの利用を図る巻線素子(コイル)には、回路にリアクタンスを導入することを目的としたリアクトルや、電磁誘導を利用することによって複数の巻線間でエネルギの伝達を行うトランス(変圧器、変成器)等が知られている。このトランスは、電圧変換やインピーダンス整合や電流検出等を行うために、様々な電気回路や電子回路等に用いられている。
このような巻線素子は、通電されることで利用されるが、この通電には、通常、損失が伴う。このため、巻線素子の性能を向上するためには、この損失を巻線素子の用途に応じた程度の値に設計することが重要となる。例えば、この損失を低減することによってエネルギ効率の向上が可能となる。この巻線素子の損失は、銅損および鉄損に大別され、この鉄損は、さらにヒステリシス損および渦電流損に大別される。銅損は、巻き線の導体における電気抵抗によって失われる電気エネルギであり、鉄損は、磁性材料の鉄心(鉄芯、コア)に巻き線を巻き、交流で磁化した場合に失われる電気エネルギである。ヒステリシス損は、鉄心の磁区が交番磁界によってその磁界の向きを変える場合に失われる損失であり、いわゆるヒステリシスループによって囲まれた面積によって表される。そして、渦電流損は、鉄心で生じる渦電流によって失われる損失である。このように巻線素子の損失は、その発生要因に応じて大別されるが、所望の特性を持つ巻線素子を得るために、これら各損失を求めることが重要となる。このような巻線素子の損失の求め方は、例えば、モータ損失の解析方法として、例えば、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示のモータ損失の解析方法は、モータの鉄損をモータにかかる磁場解析結果から解析する方法であって、モータにかかる磁場解析結果を基に磁束密度解析結果からヒステリシス損と渦電流損とを推定し、磁場解析によって渦電流損を直接解析し、直接求めた渦電流損と磁束密度から推定した渦電流損とを比較して、前者が後者よりも大きい場合には、直接求めた渦電流損と磁束密度から推定した渦電流損から補正係数を求め、しかる後、その補正係数を用いて磁束密度から推定したヒステリシス損を補正して、直接求めた渦電流損と補正したヒステリシス損との和を鉄損とする方法である。あるいは、この特許文献1に開示のモータ損失の解析方法は、前記前者が前記後者よりも小さい場合には、直接求めた渦電流損と磁束密度から推定した渦電流損から補正係数を求め、しかる後、その補正係数を用いて磁束密度から推定した渦電流損とヒステリシス損の両方を補正して、補正した渦電流損とヒステリシス損との和を鉄損とする方法である。
特開2002−6009号公報
ところで、前記特許文献1に開示の方法は、解析することによってヒステリシス損および渦電流損を推定するものであり、実測するものではない。また、前記特許文献1に開示の方法は、電磁鋼板で形成された鉄心を前提とした解析方法であり、一般的ではない。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、ヒステリシス損および渦電流損を個別に実測することができる巻線素子損失測定方法およびこの巻線素子損失方法を実装した巻線素子損失測定装置を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる巻線素子損失測定方法は、測定対象の巻線素子における銅損を測定する銅損測定ステップと、前記測定対象の巻線素子によって生じる磁界と相互作用するように配置されるプローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子と前記プローブ導体との総合損失を複数測定する総合損失測定ステップと、前記総合損失測定ステップで測定された複数の総合損失のそれぞれから前記銅損測定ステップで測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果に基づいて前記測定対象の巻線素子における渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求める個別損失導出ステップとを備えることを特徴とする。
そして、本発明の一態様にかかる巻線素子損失測定装置は、測定対象の巻線素子によって生じる磁界と相互作用するように配置されるプローブ導体と、前記測定対象の巻線素子における銅損を測定する銅損測定部と、前記プローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子と前記プローブ導体との総合損失を複数測定する総合損失測定部と、前記総合損失測定部で測定された複数の総合損失のそれぞれから前記銅損測定部で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果に基づいて前記測定対象の巻線素子における渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求める個別損失導出部とを備えることを特徴とする。
このような構成の巻線素子損失測定方法および巻線素子損失測定装置では、測定対象の巻線素子によって生じる磁界と相互作用するようにプローブ導体が配置され、このプローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子と前記プローブ導体との総合損失が複数測定される。このため、これら複数の総合損失のそれぞれから銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)に基づいて渦電流損およびヒステリシス損を分離して個別に求めることができる。したがって、このような構成の巻線素子損失測定方法および巻線素子損失測定装置は、ヒステリシス損および渦電流損を個別に実測することができる。
また、他の一態様では、上述の巻線素子損失測定方法において、前記個別損失導出ステップは、x軸を前記プローブ導体の抵抗とし、y軸を前記総合損失とする場合に、前記プローブ導体の抵抗変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおけるy切片の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めることを特徴とする。
また、他の一態様では、上述の巻線素子損失測定装置において、前記個別損失導出部は、x軸を前記プローブ導体の抵抗とし、y軸を前記総合損失とする場合に、前記プローブ導体の抵抗値変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおけるy切片の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めることを特徴とする。
前記プローブ導体の抵抗変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおけるy切片は、銅損とヒステリシス損との和と考えられる。このため、このような構成の巻線素子損失測定方法および巻線素子損失測定装置は、前記y切片の値から銅損を減算することで、ヒステリシス損失を渦電流損失から分離して求めることができる。
また、他の一態様では、上述の巻線素子損失測定方法において、前記個別損失導出ステップは、x軸を前記プローブ導体の抵抗の逆数とし、y軸を前記総合損失とする場合に、前記プローブ導体の抵抗の逆数の変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおける直線部分をy軸方向に延長した場合に、その延長線とy軸との交点の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めることを特徴とする。
また、他の一態様では、上述の巻線素子損失測定装置において、前記個別損失導出部は、x軸を前記プローブ導体の抵抗の逆数とし、y軸を前記総合損失とする場合に、前記プローブ導体の抵抗の逆数の変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおける直線部分をy軸方向に延長した場合に、その延長線とy軸との交点の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めることを特徴とする。
前記プローブ導体の抵抗の逆数の変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおける直線部分をy軸方向に延長した場合に、その延長線とy軸との交点の値は、銅損とヒステリシス損との和と考えられる。このため、このような構成の巻線素子損失測定方法および巻線素子損失測定装置は、前記延長線とy軸との交点の値から銅損を減算することで、ヒステリシス損失を渦電流損失から分離して求めることができる。
また、他の一態様では、上述の巻線素子損失測定方法において、前記総合損失測定ステップは、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて、前記測定対象の巻線素子によって生じる磁界と相互作用するように配置されるプローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子と前記プローブ導体との総合損失を複数測定し、前記個別損失導出ステップは、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて前記総合損失測定ステップで測定された複数の総合損失のそれぞれから前記銅損測定ステップで測定した銅損をそれぞれ減算し、これら複数の減算結果に基づいて前記測定対象の巻線素子における渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求めることを特徴とする。そして、この場合において、好ましくは、前記個別損失導出ステップは、前記総合損失から前記銅損を減算して得られた減算結果をさらに周波数で除算した除算結果を各座標軸とする、前記複数の周波数の個数nと同じ数nのn次元空間において、前記プローブ導体の抵抗値を変化させる際の各抵抗値において、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて得られた複数の前記除算結果を表すグラフと、傾きが1である直線との交点の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めるものである。
また、他の一態様では、上述の巻線素子損失測定装置において、前記総合損失測定部は、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて、前記プローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子と前記プローブ導体との総合損失を複数測定し、前記個別損失導出部は、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて前記総合損失測定部で測定された複数の総合損失のそれぞれから前記銅損測定部で測定した銅損をそれぞれ減算し、これら複数の減算結果に基づいて前記測定対象の巻線素子における渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求めることを特徴とする。そして、この場合において、好ましくは、前記個別損失導出部は、前記総合損失から前記銅損を減算して得られた減算結果をさらに周波数で除算した除算結果を各座標軸とする、前記複数の周波数の個数nと同じ数nのn次元空間において、前記プローブ導体の抵抗値を変化させる際の各抵抗値において、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて得られた複数の前記除算結果を表すグラフと、傾きが1である直線との交点の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めるものである。
前記プローブ導体の抵抗値を変化させる際の各抵抗値において、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて得られた複数の前記除算結果を表すグラフと、傾きが1である直線との交点の値は、ヒステリシス損を表すと考えられる。このため、このような構成の巻線素子損失測定方法および巻線素子損失測定装置は、周波数を変えて複数の周波数で測定することによって巻線素子の渦電流損失やプローブ導体の抵抗損失を用いることなく、したがってこれら損失を知らなくても、前記傾きが1である直線との交点の値からヒステリシス損失を求めることができる。
また、他の一態様では、これら上述の巻線素子損失測定装置において、前記プローブ導体の抵抗値を変化させる抵抗変更部をさらに備え、前記総合損失測定部は、前記抵抗変更部によって前記プローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子および前記プローブ導体における総合損失を複数測定することを特徴とする。
このような構成の巻線素子損失測定装置は、抵抗変更部をさらに備えるので、容易に前記プローブ導体の抵抗値を変更することができる。
また、他の一態様では、これら上述の巻線素子損失測定装置において、前記プローブ導体は、前記測定対象の巻線素子と同心で配置されるループ状導体を含むことを特徴とする。
このような構成の巻線素子損失測定装置では、前記プローブ導体は、前記測定対象の巻線素子と同心で配置されるループ状導体(環状導体)であるので、前記測定対象の巻線素子で生じる磁束をより確実に捉えることができ、この結果、プローブ導体は、前記測定対象の巻線素子によって生じる磁界とより確実に相互作用することができる。したがって、このような構成の巻線素子損失測定装置は、より精度よく測定することができる。
また、他の一態様では、これら上述の巻線素子損失測定装置において、前記測定対象の巻線素子は、複数の長尺な導体を巻き回した複数のコイルを備え、前記プローブ導体は、前記複数のコイルのうちのいずれか1つのコイルであることを特徴とする。
このような構成の巻線素子損失測定装置では、複数のコイルのうちのいずれか1つのコイルがプローブ導体として用いられる。このため、このような構成の巻線素子損失測定装置は、測定対象の巻線素子の他に別途プローブ導体を用意する必要が無くなる。
本発明にかかる巻線素子損失測定方法および巻線素子損失測定装置は、ヒステリシス損および渦電流損を個別に実測することができる。
実施形態における巻線素子損失測定装置の構成を示すブロック図である。 巻線素子およびプローブ導体の構造を示す図である。 巻線素子に対するプローブ導体の配置状態を説明するための図である。 リアクトルおよびプローブ導体の等価回路を示す回路図である。 プローブ導体の抵抗値(巻線素子の渦電流損失を含む)Rの変化に対する総合損失の変化を表すグラフを示す図(その1)である。 プローブ導体の抵抗値(巻線素子の渦電流損失を含む)Rの変化に対する総合損失の変化を表すグラフを示す図(その2)である。 プローブ導体の抵抗値rの逆数(1/r)の変化に対する総合損失の変化を表すグラフの一例を示す図である。 プローブ導体の抵抗値を変化させ、互いに異なる周波数のRe(Z(ω))−R/ωを各軸とした座標系にプロットしたグラフの一例を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
図1は、実施形態における巻線素子損失測定装置の構成を示すブロック図である。図2は、巻線素子およびプローブ導体の構造を示す図である。図3は、巻線素子に対するプローブ導体の配置状態を説明するための図である。図4は、リアクトルおよびプローブ導体の等価回路を示す回路図である。図5は、プローブ導体の抵抗値(巻線素子の渦電流損失を含む)Rの変化に対する総合損失の変化を表すグラフを示す図(その1)である。図6は、プローブ導体の抵抗値(巻線素子の渦電流損失を含む)Rの変化に対する総合損失の変化を表すグラフを示す図(その2)である。図5および図6の横軸は、プローブ導体の抵抗値(巻線素子の渦電流損失を含む)Rの変化を表し、その縦軸は、総合損失を表す。
本実施形態の巻線素子損失測定装置Dは、測定対象の巻線素子SMにおける損失を測定する装置であって、巻線素子SMにおける銅損を測定する銅損測定ステップと、巻線素子SMによって生じる磁界と相互作用するように配置されるプローブ導体1の抵抗値を変化させながら巻線素子SMとプローブ導体1との総合損失を複数測定する総合損失測定ステップと、総合損失測定ステップで測定された複数の総合損失のそれぞれから銅損測定ステップで測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)に基づいて巻線素子SMにおける渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求める個別損失導出ステップとを実行することによって、渦電流損失とヒステリシス損失とを個別に実測する装置である。
このような巻線素子損失測定装置Dは、例えば、図1に示すように、プローブ導体1と、測定部2と、導出部3とを備え、さらに、本実施形態では、入力部5と、出力部6とを備えている。
測定対象の巻線素子SMは、長尺な導体部材を巻き回した素子であり、例えば、リアクトルやトランス等に用いられるコイルである。測定の際に、巻線素子SMには、交流電源ACより周波数fの正弦波交流電力が給電される。測定対象の巻線素子SMは、任意であってよく、一例を挙げれば、本実施形態では、巻線素子SMは、例えば、有芯のリアクトルであり、より具体的には、図2および図3に示すように、巻線素子SMは、長尺な帯状の導体部材を絶縁部材を挟んで複数巻き回したコイルSM1と、コイルSM1を外側で覆う外側コア部SM2(SM21、SM22)およびコイルSM1の芯部内に配置される芯部コア部SM3(SM31、SM32)とを持つコア(鉄心)SMC(SMC1、SMC2)とを備えて構成されている。コアSMCは、略同型の上下2つのコア部SMC1、SMC2から構成されている。図2には、その紙面左側に、一方のコア部SMC1における芯部コア部SM31がコイルSM1の芯部内に嵌め込まれて前記一方のコア部SMC1にコイルSM1が配置された状態で、前記一方のコア部SMC1およびコイルSM1が示されており、その紙面右側に、他方のコア部SMC2における芯部コア部SM32が後述のループ状のプローブ導体本体11の前記ループ内に嵌め込まれて前記他方のコア部SMC2にプローブ導体本体11が配置された状態で、前記他方のコア部SMC2およびプローブ導体本体11が示されている。この他方のコア部SMC2は、プローブ導体本体11の両端を引き出すために、切り欠き部SM4が形成されている。一方、図3には、他方のコア部SMC2における芯部コア部SM32がコイルSM1の芯部内に嵌め込まれるとともにループ状のプローブ導体本体11の前記ループ内に嵌め込まれて前記他方のコア部SMC2にコイルSM1およびプローブ導体本体11が配置された状態で、前記他方のコア部SMC2、コイルSM1およびプローブ導体本体11が示されている。このように巻線素子SMは、本実施形態では、有芯であって、いわゆるコアがコイルを内包する内包型のリアクトルである。
プローブ導体1は、測定対象の巻線素子SMによって生じる磁界と相互作用するように配置され、所定の抵抗値を有する導体部材である。本実施形態では、プローブ導体1は、プローブ導体本体11とこのプローブ導体本体11と接続する可変抵抗器12とを備えており、プローブ導体本体11は、図2および図3に示すように、例えば断面丸形または角形等の導体線をループ状(環状)に形成したループ状導体(環状導体)であり、このループ内に芯部コア部SM3が嵌め込まれることで、測定対象の巻線素子SMのコイルSM1と同心で測定対象の巻線素子SMのコイルSM1と径方向で積層されるように配置されている。なお、プローブ導体本体11は、測定対象の巻線素子SMのコイルSM1と同心で測定対象の巻線素子SMのコイルSM1と軸方向で積層されるように配置されてもよい。このように巻線素子SMのコイルSM1における中心位置とループ状のプローブ導体本体11における中心位置とは、略一致している。このように互いに同心で配置されることによって測定対象の巻線素子SMで生じる磁束をより確実に捉えることができる。このようにプローブ導体本体11は、測定対象の巻線素子SMで生じる総ての磁束がそのループ内を通るように(そのループと交差するように)配置されることが好ましい。
なお、図1は、概念図であり、プローブ導体本体11を正確に表しているものではない。
測定部2は、測定対象の巻線素子SMにおける所定の損失を測定する回路であり、例えば、本実施形態では、測定対象の巻線素子SMにおける銅損を測定する銅損測定部21と、測定対象の巻線素子SMとプローブ導体1との総合損失を測定する総合損失測定部22とを備えている。このような銅損測定部21および総合損失測定部22を含む測定部2は、例えば、いわゆるLCRメータを備えて構成される。このように測定部2は、LCRメータで構成可能であるので、比較的低コストで簡易に構成することができる。
総合損失測定部22では、プローブ導体1の抵抗値を変化させながら各抵抗値にそれぞれ対応する複数の総合損失が測定される。互いに抵抗値の異なる複数のプローブ導体1が用意され、プローブ導体1を取り替えることでプローブ導体の抵抗値が変化されてもよいが、本実施形態では、図1に示すように、プローブ導体1の抵抗値を変化させるために、抵抗値を変更することができる可変抵抗器12がプローブ導体本体11と直列に接続されて設けられている。
ここで、可変抵抗器12は、誘導成分による測定誤差を低減するために、無誘導仕様(純抵抗体)であることが好ましい。同様の理由により、可変抵抗器12とプローブ導体本体11とを接続するケーブル(接続導体線)は、無誘導仕様(純抵抗体)であることが好ましい。さらに、同様の理由により、前記ケーブルは、短いほど好ましく(可変抵抗器12とプローブ導体本体11とを最短距離で接続することが好ましく)、また、前記ケーブル(接続導体線)を構成する2導体線は、近接配置されることが好ましい。
導出部3は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失のそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)に基づいて測定対象の巻線素子SMにおける渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求めるものである。導出部3は、個別損失導出部の一例に対応する。導出部3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、CPUによって実行される種々のプログラムやその実行に必要なデータ等を予め記憶するROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、CPUのいわゆるワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)およびその周辺回路等を備えたマイクロコンピュータによって構成される。そして、導出部3には、プログラムを実行することによって、機能的に、ヒステリシス損導出部31と、渦電流損導出部32とが構成される。
ヒステリシス損導出部31は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失のそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)に基づいて測定対象の巻線素子SMにおけるヒステリシス損を求めるものである。渦電流損導出部32は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失のそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)から、ヒステリシス損導出部31で求められたヒステリシス損を減算することによって、渦電流損を求めるものである。
ここで、ヒステリシス損と渦電流損とを分離して個別に実測する方法について、より具体的に説明する。巻線素子SMの一例であるリアクトルSMとプローブ導体1との系の等価回路は、図4に示すように、抵抗値Rの抵抗素子と、この抵抗素子に直列に接続されるインダクタンスLのインダクタとの第1回路と、抵抗値Rの抵抗素子と、この抵抗素子に直列に接続されるインダクタンスLのインダクタとの第2回路とで構成される。そして、本実施形態では、このプローブ導体1は、リアクトルSMと磁気的に相互作用するから、前記第1回路の前記インダクタと前記第2回路の前記インダクタとは、相互インダクタンスMで結合される。そして、前記抵抗値Rは、巻線素子SMの渦電流損に関わる抵抗値をrとし、プローブ導体の抵抗損失に関わる抵抗値をrとする場合に、1/R=1/r+1/rである。ここで、本実施形態では、プローブ導体1は、プローブ導体本体11と可変抵抗器12とを備えて構成されるので、プローブ導体本体11の抵抗損失に関わる抵抗値をr21とし、可変抵抗器12の抵抗損失に関わる抵抗値をr22とする場合に、r=r21+r22である。このような等価回路で表されるリアクトルSMとプローブ導体1との系の総合インピーダンスZは、下記式1によって表される。
Figure 2013004556
ここで、kは、k=L/Lであり、ωは、リアクトルSMに給電される交流電力の角周波数であり(ω=2πf、fは、周波数である)、そして、iは、虚数単位(i=−1)である。なお、相互インダクタンスMは、M=(L×L1/2=k×Lである。
したがって、リアクトルSMとプローブ導体1との系の総合損失Plossは、下記式2によって表される。
Figure 2013004556
ここで、Vは、リアクトルSMに印加される電圧であり、Iは、リアクトルSMに流れる電流であり、φは、電圧Vと電流Iとの位相差である。*は、共役であることを表し、Re(x)は、複素数xの実部を表す。
また、r21がr22充分に小さい場合(r21≪r22)には、rとr22とは、ほぼ等しいと近似でき(r≒r22)、rがrより充分に小さい場合(r≪r)には、Rとrとは、ほぼ等しいと近似できる(R≒r)。よって、これら場合(r21≪r22、r≪r)には、Rとr22とは、ほぼ等しいと近似できる(R≒r22)。
前記式2の第1項は、銅損を表しており、この銅損は、この式2の第1項を見ると分かるように、プローブ導体1(本実施形態ではプローブ導体本体11および可変抵抗器12)に依存することなく、プローブ導体1の抵抗値rを変化させたとしても一定値である。
前記式2の第2項は、渦電流損を表しており、この渦電流損は、この式2の第2項を見ると分かるように、主に、給電電力の角周波数ωが一定の場合にプローブ導体1の抵抗が関与する関数であり、そして、抵抗値Rが比較的小さい値の範囲では、(1/k)×Rであり、主にプローブ導体1の抵抗に比例し、抵抗値Rが比較的大きい値の範囲では、主にプローブ導体1の抵抗に反比例している。ここで、巻線素子SMを構成するコイル導体が太くて磁束線が貫くような場合では、コイル導体による渦電流損が生じる。本実施形態では、この渦電流損を充分に小さいものとし、これを無視できるものとしている。
そして、前記式2の第3項は、ヒステリシス損を表しており、このヒステリシス損は、給電電力の角周波数ωが一定の場合に給電電力の電流値に依存している。給電電力の電流値を0に近づけることで、ヒステリシス損が求められる。
したがって、総合損失Plossは、プローブ導体1の抵抗に対し、図5および図6に実線で示すプロファイルとなる。すなわち、前記抵抗値Rが増加するに従って、総合損失Plossは、前記抵抗値Rが充分に小さい条件(R→0)では前記抵抗値Rに比例し、前記抵抗値Rが或る所定値Rでピークとなり、その後、前記抵抗値Rが充分に大きい条件(R→∞)では前記抵抗値Rに反比例する。すなわち、これは、上記式2の第2項に対し、総合損失Plossは、前記抵抗値Rが充分に小さい条件(R→0)では前記抵抗値Rに比例すると近似でき、前記抵抗値Rが充分に大きい条件(R→∞)では前記抵抗値Rに反比例すると近似できることを意味する。前記抵抗値Rには、プローブ導体1の抵抗が関与しており、コイル導体による渦電流損に関わる抵抗値rが無視できるものとする場合に、前記プロファイルをプローブ導体の抵抗値rで見ると、プローブ導体1の抵抗の値rが増加するに従って、総合損失Plossは、プローブ導体1の抵抗に比例し、抵抗値rが或る所定値RC2でピークとなり、その後、プローブ導体1の抵抗に反比例することになる。
この図5から分かるように、巻線素子SMの損失を測定する際に、プローブ導体1の抵抗を比較的小さな値の範囲で変化させることができる場合には、すなわち、プローブ導体1の抵抗を、総合損失Plossがピークとなる前記或る所定値R(RC2)より小さな値の範囲で変化させる場合には、総合損失Plossは、プローブ導体1の抵抗に略比例する領域で測定することになる。したがって、プローブ導体1の抵抗値rを変化させながら測定対象の巻線素子SMとプローブ導体1との総合損失を複数測定した複数の測定結果を、x軸をプローブ導体1の抵抗(厳密には前記抵抗値R)とし、y軸を総合損失Plossとするxy座標系にプロットすることによって得られたグラフ(前記プローブ導体の抵抗変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフ)において、そのy切片は、銅損とヒステリシス損との和である。このため、このy切片の値から銅損を減算することによって、ヒステリシス損が実測される。すなわち、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)を、x軸をプローブ導体1の抵抗(厳密には前記抵抗値R)とし、y軸を総合損失Plossとするxy座標系にプロットすることによって得られたグラフにおいて、そのy切片は、ヒステリシス損であり、前記グラフのy切片を求めることで、測定対象の巻線素子SMにおけるヒステリシス損が実測される。そして、ヒステリシス損は、プローブ導体1の抵抗に依存することなく、一定であるから、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)から、この求めたヒステリシス損をそれぞれ減算することで、測定対象の巻線素子SMにおける渦電流損が実測される。
以上より、巻線素子SMの損失を測定する際に、プローブ導体1の抵抗を、総合損失Plossがピークとなる前記或る所定値R(RC2)より小さな値の範囲で変化させる場合には、導出部3のヒステリシス損導出部31は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)を、x軸をプローブ導体1の抵抗とし、y軸を総合損失Plossとするxy座標系にプロットすることによって得られたグラフにおいて、そのy切片の値を求めることで、測定対象の巻線素子SMにおけるヒステリシス損を求めるものである。そして、導出部3の渦電流導出部32は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)から、このヒステリシス損導出部31で求めたヒステリシス損をそれぞれ減算することで、測定対象の巻線素子SMにおける渦電流損を求めるものである。
一方、図6に示すように、巻線素子SMの損失を測定する際に、プローブ導体1の抵抗を比較的大きな値の範囲で変化させることができる場合には、すなわち、プローブ導体1の抵抗を、総合損失Plossがピークとなる前記或る所定値R(RC2)より大きな値の範囲で変化させる場合には、総合損失Plossは、プローブ導体1の抵抗に略反比例する領域で測定することになる。したがって、プローブ導体1の抵抗値を変化させながら測定対象の巻線素子SMとプローブ導体1との総合損失を複数測定した複数の測定結果を、x軸をプローブ導体1の抵抗の逆数(厳密には前記抵抗値Rの逆数1/R)とし、y軸を総合損失Plossとするxy座標系にプロットすることによって得られたグラフ(前記プローブ導体の抵抗の逆数の変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフ)において、前記グラフの直線部分をy軸方向に延長した場合に、その延長線とy軸との交点は、銅損とヒステリシス損との和である(後述の図7参照)。このため、この交点の値から銅損を減算することによって、ヒステリシス損が実測される。すなわち、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)を、x軸をプローブ導体1の抵抗の逆数とし、y軸を総合損失Plossとするxy座標系にプロットすることによって得られたグラフにおいて、プローブ導体1の抵抗の逆数が大きい部分での前記グラフの直線部分をy軸方向に延長した場合に、その延長線とy軸との交点は、ヒステリシス損であり、前記交点を求めることで、測定対象の巻線素子SMにおけるヒステリシス損が実測される。そして、ヒステリシス損は、プローブ導体1の抵抗に依存することなく、一定であるから、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)から、この求めたヒステリシス損をそれぞれ減算することで、測定対象の巻線素子SMにおける渦電流損が実測される。
以上より、巻線素子SMの損失を測定する際に、プローブ導体1の抵抗を、総合損失Plossがピークとなる前記或る所定値R(RC2)より大きな値の範囲で変化させる場合には、導出部3のヒステリシス損導出部31は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)を、x軸をプローブ導体1の抵抗の逆数とし、y軸を総合損失Plossとするxy座標系にプロットすることによって得られたグラフにおいて、プローブ導体1の抵抗の逆数が大きい部分での前記グラフの直線部分をy軸方向に延長した場合に、その延長線とy軸との交点の値を求めることで、測定対象の巻線素子SMにおけるヒステリシス損を求めるものである。そして、導出部3の渦電流導出部32は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)から、このヒステリシス損導出部31で求めたヒステリシス損をそれぞれ減算することで、測定対象の巻線素子SMにおける渦電流損を求めるものである。
以上説明したように、本実施形態の巻線素子損失測定装置Dは、ヒステリシス損と渦電流損とを分離して個別に実測することができる。
なお、図7において、逆数の値が比較的小さい範囲では、全損失の実測値(実線)と前記グラフの直線部分(破線)とが乖離している。これは、本解析では、無視することができるものとした巻線素子SMの渦電流損が影響しているためである(r≪rが成り立たなくなっている)。rが大きくなると、rをいくら大きくしてもRは、r以上にはならないので、このようなズレが生じる。このため、本実施形態では、上述したように、プローブ導体1の抵抗の逆数が大きい部分での前記グラフの直線部分が利用されており、巻線素子SMの渦電流損の影響が低減され、回避されている。
入力部5は、例えば、測定開始を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば測定対象の巻線素子SMの識別子等の損失を測定する上で必要な各種データを巻線素子損失測定装置Dに入力する機器であり、例えば、キーボードやマウス等である。出力部6は、入力部5から入力されたコマンドやデータ、および、巻線素子損失測定装置Dによって予測された損失値を出力する機器であり、例えばCRTディスプレイ、LCD、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の印刷装置等である。
次に、本実施形態の動作について説明する。測定が開始されると、巻線素子SMには、所定の周波数fの正弦波交流電力が給電され、可変抵抗器12が所定の第1抵抗値r22(1)に設定され、測定部2の銅損測定部21によって巻線素子SMの銅損が測定される。
続いて、可変抵抗器12がこの第1抵抗値r22(1)である場合(1/R=1/r+1/r(1)、r(1)=r21+r22(1))において、第1総合損失Ploss1が測定部2の総合損失測定部22によって測定される。次に、可変抵抗器12が次の所定の第2抵抗値r22(2)に設定され、可変抵抗器12がこの第2抵抗値r22(2)である場合(1/R=1/r+1/r(2)、r(2)=r21+r22(2))において、第2総合損失Ploss2が測定部2の総合損失測定部22によって測定される。次に、可変抵抗器12が次の所定の第3抵抗値r22(3)に設定され、可変抵抗器12がこの第3抵抗値r22(3)である場合(1/R=1/r+1/r(3)、r(3)=r21+r22(3))において、第3総合損失Ploss3が測定部2の総合損失測定部22によって測定される。このように可変抵抗器12の抵抗値r22(n)を変えながら、すなわち、プローブ導体1の抵抗値r(n)(1/R=1/r+1/r(n)、r(n)=r21+r22(n))を変えながら順次に、複数の総合損失Plossnが、測定部2の総合損失測定部22によって測定される。
続いて、複数の総合損失Plossnの測定が終了すると、導出部3のヒステリシス損導出部31は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果を、x軸をプローブ導体1の抵抗とし、y軸を総合損失Plossとするxy座標系にプロットすることによって得られたグラフにおいて、そのy切片の値を求めることで、測定対象の巻線素子SMにおけるヒステリシス損を求める。あるいは、複数の総合損失Plossnの測定が終了すると、導出部3のヒステリシス損導出部31は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)を、x軸をプローブ導体1の抵抗の逆数とし、y軸を総合損失Plossとするxy座標系にプロットすることによって得られたグラフにおいて、プローブ導体1の抵抗の逆数が大きい部分での前記グラフの直線部分をy軸方向に延長した場合に、その延長線とy軸との交点の値を求めることで、測定対象の巻線素子SMにおけるヒステリシス損を求める。
続いて、導出部3の渦電流導出部32は、測定部2の総合損失測定部22で測定された複数の総合損失Plossのそれぞれから測定部2の銅損測定部21で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果(鉄損)から、このヒステリシス損導出部31で求めたヒステリシス損をそれぞれさらに減算することで、測定対象の巻線素子SMにおける渦電流損を求める。
そして、これら実測された測定対象の巻線素子SMにおけるヒステリシス損と渦電流損とが導出部3によって出力部6に出力される。
実施形態における巻線素子損失測定装置Dおよびこれに実装された巻線素子損失測定方法によって実測した結果の一例が図7および図8に示されている。図7は、プローブ導体の抵抗値rの逆数(1/r)の変化に対する総合損失の変化を表すグラフの一例を示す図である。図7の横軸は、プローブ導体の抵抗値(巻線素子の渦電流損失を含む)の逆数(1/r)を表し、その縦軸は、総合損失Plossを表す。図7において、総合損失(全損失)Plossの測定値は、◆で示されており、銅損の測定値は、■で示されている。なお、横軸が1/Rであれば、理論通りに直線となるが、横軸が1/rであるので、rが大きい、つまり、1/rが小さい領域では、図7に示すように、直線からズレる。
このように動作することによって、本実施形態における巻線素子損失測定装置Dおよびこれに実装された巻線素子損失測定方法は、ヒステリシス損および渦電流損を分離して個別に実測することができる。
なお、上述の実施形態では、所定の1個の周波数ωについて各測定項目が測定されたが、互いに異なる複数の周波数ωnについて各測定項目が測定され、それら測定結果からヒステリシス損が求められてもよい。より具体的に説明すると、まず、上記式1によって表される総合インピーダンスZは、下記式3のように変形することができる。
loss=Re(Z(ω))=R+αω+β(1/R)ω ・・・(3)
この式3の第1項Rは、銅損を表し、式3の第2項αωは、ヒステリシス損を表している。
ここで、この上記式3は、下記式4のように変形できる。
(Re(Z(ω))−R)/ω=α+βω(1/R) ・・・(4)
この式4を見ると分かるように、総合損失Re(Z(ω))から銅損Rを減算して得られた減算結果(Re(Z(ω))−R)をさらに周波数ωで除算した除算結果((Re(Z(ω))−R)/ω)を各座標軸とする、前記複数の周波数ωの個数nと同じ数nのn次元空間において、プローブ導体1の抵抗値r(厳密には前記抵抗値R)を変化させる際の各抵抗値において、互いに異なる複数の周波数ωのそれぞれについて得られた複数の前記除算結果((Re(Z(ω))−R)/ω)を表すグラフと、傾きが1である直線との交点の値は、αである。これは、式4において、前記抵抗値Rを無限大(∞)としていることに相当する。したがって、このαに周波数ωを乗算することによってヒステリシス損が求められる。上述したように、鉄損は、求めることができるので、この鉄損から、このように求めたヒステリシス損αωを減算することによって、渦電流損も求めることができる。
このように、互いに異なる複数の周波数ωのそれぞれについて、プローブ導体1の抵抗値rを変化させながら測定対象の巻線素子SMとプローブ導体1との総合損失Re(Z(ω))が複数測定され(k=1〜n)、互いに異なる複数の周波数ωのそれぞれについてこれら複数の総合損失Re(Z(ω))のそれぞれから銅損Rがそれぞれ減算され、これら複数の減算結果に基づいて測定対象の巻線素子SMにおける渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方が求められる。
この一例として、前記複数の周波数ωが2個(n=2;k=1、2)である場合を図8に示す。図8は、プローブ導体の抵抗値を変化させ、互いに異なる周波数のRe(Z(ω))−R/ωを各軸とした座標系にプロットしたグラフの一例を示す図である。図8は、測定の周波数が2個の周波数ω、ωである場合を示し、その横軸は、((Re(Z(ω))−R)/ω)であり、その縦軸は、((Re(Z(2ω))−R)/ω)である。
図8に示すように、グラフの直線部分もしくはその延長部分(破線)が、傾きが1である直線(y=x、実線)と交差する交点を求めることによって前記αが求められる。
したがって、巻線素子SMの損失を測定する際に、導出部3のヒステリシス損導出部31は、図5を用いて説明した上述の手法および図6を用いて説明した上述の手法に代え、式4に基づく上述の手法を採用することで、巻線素子SMのヒステリシス損αωを求めることができる。このため、このような手法によっても巻線素子損失測定装置Dおよびこれに実装された巻線素子損失測定方法は、ヒステリシス損および渦電流損を分離して個別に実測することができる。そして、この手法では、周波数ωを変えて複数の周波数ωで測定することによって、巻線素子SMの渦電流損失r、プローブ導体1の抵抗損失rおよび前記抵抗値Rを用いることなく、したがってこれら損失r、r、Rを知らなくても、前記傾きが1である直線との交点αを求めることで、巻線素子SMのヒステリシス損αωを求めることができる。特に、巻線素子SMの渦電流損失rは、不明な場合が多く、前者の手法では、近似の有効な範囲に注意する必要があるが、この後者の手法では、この近似の有効な範囲に注意する必要が無くなるという長所がある。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
D 巻線素子損失測定装置
SM 巻線素子
1 プローブ導体
2 測定部
3 導出部
11 プローブ導体本体
12 可変抵抗器
21 銅損測定部
22 総合損失測定部
31 ヒステリシス損導出部
32 渦電流損導出部

Claims (13)

  1. 測定対象の巻線素子における銅損を測定する銅損測定ステップと、
    前記測定対象の巻線素子によって生じる磁界と相互作用するように配置されるプローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子と前記プローブ導体との総合損失を複数測定する総合損失測定ステップと、
    前記総合損失測定ステップで測定された複数の総合損失のそれぞれから前記銅損測定ステップで測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果に基づいて前記測定対象の巻線素子における渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求める個別損失導出ステップとを備えること
    を特徴とする巻線素子損失測定方法。
  2. 前記個別損失導出ステップは、x軸を前記プローブ導体の抵抗とし、y軸を前記総合損失とする場合に、前記プローブ導体の抵抗変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおけるy切片に基づいて少なくともヒステリシス損を求めること
    を特徴とする請求項1に記載の巻線素子損失測定方法。
  3. 前記個別損失導出ステップは、x軸を前記プローブ導体の抵抗の逆数とし、y軸を前記総合損失とする場合に、前記プローブ導体の抵抗の逆数の変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおける直線部分をy軸方向に延長した場合に、その延長線とy軸との交点の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めること
    を特徴とする請求項1に記載の巻線素子損失測定方法。
  4. 前記総合損失測定ステップは、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて、前記測定対象の巻線素子によって生じる磁界と相互作用するように配置されるプローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子と前記プローブ導体との総合損失を複数測定し、
    前記個別損失導出ステップは、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて前記総合損失測定ステップで測定された複数の総合損失のそれぞれから前記銅損測定ステップで測定した銅損をそれぞれ減算し、これら複数の減算結果に基づいて前記測定対象の巻線素子における渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求めること
    を特徴とする請求項1に記載の巻線素子損失測定方法。
  5. 前記個別損失導出ステップは、前記総合損失から前記銅損を減算して得られた減算結果をさらに周波数で除算した除算結果を各座標軸とする、前記複数の周波数の個数nと同じ数nのn次元空間において、前記プローブ導体の抵抗値を変化させる際の各抵抗値において、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて得られた複数の前記除算結果を表すグラフと、傾きが1である直線との交点の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めること
    を特徴とする請求項4に記載の巻線素子損失測定方法。
  6. 測定対象の巻線素子によって生じる磁界と相互作用するように配置されるプローブ導体と、
    前記測定対象の巻線素子における銅損を測定する銅損測定部と、
    前記プローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子と前記プローブ導体との総合損失を複数測定する総合損失測定部と、
    前記総合損失測定部で測定された複数の総合損失のそれぞれから前記銅損測定部で測定した銅損をそれぞれ減算して得られた複数の減算結果に基づいて前記測定対象の巻線素子における渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求める個別損失導出部とを備えること
    を特徴とする巻線素子損失測定装置。
  7. 前記個別損失導出部は、x軸を前記プローブ導体の抵抗とし、y軸を前記総合損失とする場合に、前記プローブ導体の抵抗値変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおけるy切片に基づいて少なくともヒステリシス損を求めること
    を特徴とする請求項6に記載の巻線素子損失測定装置。
  8. 前記個別損失導出部は、x軸を前記プローブ導体の抵抗の逆数とし、y軸を前記総合損失とする場合に、前記プローブ導体の抵抗の逆数の変化に対する前記総合損失の変化を表すグラフにおける直線部分をy軸方向に延長した場合に、その延長線とy軸との交点の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めること
    を特徴とする請求項6に記載の巻線素子損失測定装置。
  9. 前記総合損失測定部は、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて、前記プローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子と前記プローブ導体との総合損失を複数測定し、
    前記個別損失導出部は、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて前記総合損失測定部で測定された複数の総合損失のそれぞれから前記銅損測定部で測定した銅損をそれぞれ減算し、これら複数の減算結果に基づいて前記測定対象の巻線素子における渦電流損およびヒステリシス損のうち少なくとも一方を求めること
    を特徴とする請求項6に記載の巻線素子損失測定装置。
  10. 前記個別損失導出部は、前記総合損失から前記銅損を減算して得られた減算結果をさらに周波数で除算した除算結果を各座標軸とする、前記複数の周波数の個数nと同じ数nのn次元空間において、前記プローブ導体の抵抗値を変化させる際の各抵抗値において、互いに異なる複数の周波数のそれぞれについて得られた複数の前記除算結果を表すグラフと、傾きが1である直線との交点の値に基づいて少なくともヒステリシス損を求めること
    を特徴とする請求項9に記載の巻線素子損失測定装置。
  11. 前記プローブ導体の抵抗値を変化させる抵抗変更部をさらに備え、
    前記総合損失測定部は、前記抵抗変更部によって前記プローブ導体の抵抗値を変化させながら前記測定対象の巻線素子および前記プローブ導体における総合損失を複数測定すること
    を特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の巻線素子損失測定装置。
  12. 前記プローブ導体は、前記測定対象の巻線素子と同心で配置されるループ状導体を含むこと
    を特徴とする請求項6ないし請求項11のいずれか1項に記載の巻線素子損失測定装置。
  13. 前記測定対象の巻線素子は、複数の長尺な導体を巻き回した複数のコイルを備え、
    前記プローブ導体は、前記複数のコイルのうちのいずれか1つのコイルであること
    を特徴とする請求項6ないし請求項11のいずれか1項に記載の巻線素子損失測定装置。
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