JP5835845B2 - 非破壊検査用の工業用x線発生装置 - Google Patents

非破壊検査用の工業用x線発生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5835845B2
JP5835845B2 JP2012159614A JP2012159614A JP5835845B2 JP 5835845 B2 JP5835845 B2 JP 5835845B2 JP 2012159614 A JP2012159614 A JP 2012159614A JP 2012159614 A JP2012159614 A JP 2012159614A JP 5835845 B2 JP5835845 B2 JP 5835845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
conductive member
voltage
industrial
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012159614A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014022185A (ja
Inventor
祐一 小玉
祐一 小玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rigaku Corp filed Critical Rigaku Corp
Priority to JP2012159614A priority Critical patent/JP5835845B2/ja
Priority to PCT/JP2013/002421 priority patent/WO2014013645A1/ja
Priority to CN201380001697.8A priority patent/CN103688597B/zh
Priority to KR1020137031738A priority patent/KR101894219B1/ko
Publication of JP2014022185A publication Critical patent/JP2014022185A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5835845B2 publication Critical patent/JP5835845B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05GX-RAY TECHNIQUE
    • H05G1/00X-ray apparatus involving X-ray tubes; Circuits therefor
    • H05G1/02Constructional details
    • H05G1/04Mounting the X-ray tube within a closed housing
    • H05G1/06X-ray tube and at least part of the power supply apparatus being mounted within the same housing

Landscapes

  • X-Ray Techniques (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Rectifiers (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、対象物の内部構造を非破壊で検査する際に用いられる非破壊検査用の工業用X線発生装置であって、陰極から出た電子を対陰極に当ててX線を発生する工業用X線発生装置に関する。
非破壊検査とは、機械部品や構造物等といった対象物の有害な傷を、その対象物を破壊すること無く検出する技術である。この非破壊検査を行う装置として、従来から、種々の原理に基づいた種々の装置が知られている。例えば、目視検査、放射線透過装置、超音波探傷装置、渦電流探傷装置、磁粉探傷装置、ひずみ測定装置、アコースティック・エミッション装置、浸透探傷装置、サーモグラフィ装置、近赤外分光装置、等といった各種の非破壊検査装置が知られている。本発明に係る工業用X線発生装置は、放射線透過装置に属する装置であって、放射線としてX線を用いた装置である。この工業用X線発生装置は、例えば溶接の良否を検査するための装置として広く活用されている。
工業用X線発生装置は、発電所、化学プラント、造船場及び建設現場などで使用されることが多く、軽量化及び小型化の要請がある。例えば、工業用X線発生装置を携行して検査現場へ行くことがあり、このような場合には、軽量化の要請が強い。また、検査場所が狭い場合には、小型化の要請が強い。
一方、非破壊検査装置としての工業用X線発生装置は、X線を発生させるために高電圧を必要としており、この高電圧を発生させるための装置は重いというのが常識であった。何故ならば、高電圧を発生させるための回路部品であるトランスは重いし、電気的な絶縁を確保するための構成は重いし、X線を遮蔽するための構成は重いからである。
従来、電気的な絶縁を確保するために絶縁油を用いた絶縁技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この油絶縁は、以下に述べるガス絶縁方式に比べて工業用X線発生装置の重量を重くするという欠点を有するが、コロナ放電が発生しにくく絶縁の能力が高いという長所を有している。
また、従来、電気的な絶縁を確保するために絶縁用ガスを用いた絶縁技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。このガス絶縁は前述した油絶縁方式に比べて工業用X線発生装置の重量を軽くできるという長所を有するが、コロナ放電をしやすい欠点を有している。しかしながら、現状では、コロナ放電をしやすいという欠点を有しているが、その重量を軽くすることを主眼として、ガス絶縁が多用されている。
また、従来、電気的な絶縁を確保するためにモールド技術を用いた絶縁技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。この絶縁技術によれば、小型でも絶縁を確保できるという長所を有しているが、モールド処理を行うための設備が高価であり、工数も多くかかり、その結果、工業用X線発生装置の製品コストが高くなるという問題がある。
特開2007−141510号公報 特開昭58−083590号公報 特開2012−049123号公報
本発明者は、確実に絶縁を確保でき、小型に形成でき、しかも製品コストが安い工業用X線発生装置を求めて種々の試作及び実験を行った。例えば、尖った部品を起点として放電が起こり易いことに鑑み、鋭角部を有する部品を避けて緩やかな曲線で構成される部品を多用するといった技術を採り入れた。しかしながら、それでもなお、工業用X線発生装置の内部におけるコロナ放電の発生を十分に抑えることは難しかった。
次に、本発明者は、工業用X線発生装置の内部において電界が集中する場所を特定し、コロナ放電を生じる箇所を徹底的に探し出した。そして、その場所における電界を開放することに関して様々な実験を行った。そしてその結果、そのような電界の集中箇所に導電性部材を設置すると、コロナ放電の発生を抑制できることを知見した。具体的には、電界が集中すると考えられる箇所に導電性部材を接続することにより、コロナ放電を効果的に抑制できることを知見した。
本発明は、上記の知見に鑑みて成されたものであって、小型で安価でありながら、良好な絶縁を達成できる工業用X線発生装置を提供することを目的とする。
本発明に係る非破壊検査用の工業用X線発生装置は、陰極から出た電子を対陰極に当ててX線を発生する工業用X線発生装置であって、前記陰極と前記対陰極との間に管電圧を印加する管電圧印加回路と、当該管電圧印加回路を収容している高電圧タンクとを有した工業用X線発生装置において、前記管電圧印加回路は、所定の低電圧を前記管電圧まで昇圧する昇圧回路と、当該昇圧回路内の電圧を検出する電圧検出回路とを有しており、前記高電圧タンク内に集中電界が生じることを抑制するための導電性部材が前記昇圧回路及び/又は前記電圧検出回路内の適所に少なくとも1つ接続されており、前記少なくとも1つの導電性部材の少なくとも1つと前記高電圧タンクの内壁面との間隔は、前記昇圧回路及び前記電圧検出回路を構成する電子部品と前記高電圧タンクの内壁面との間隔より小さくなっており、前記高電圧タンク内に電気絶縁用ガスが充填されており、前記導電性部材は、輪状に形成されており、電気的にも輪状に導通していることを特徴とする。
この工業用X線発生装置によれば、昇圧回路及び/又は電圧検出回路内の適所に所定数の導電性部材を設けたことにより、油絶縁技術やモールド絶縁技術を用いなくても、過度の集中電界の発生を抑制することができた。そしてその結果、高電圧タンク内でコロナ放電が発生することを防止することができた。
本発明によれば、油絶縁を行うときのような面倒な組立作業が不要であり、組立工数を低減でき、製造コストを低減できる。また、樹脂モールドによって絶縁を行うときのような特別な製造用設備や製造用電源が不要であり、そのため製造コストを低減できる。
また、油絶縁やモールド絶縁を用いた場合に比べて工業用X線発生装置の重量を軽くでき、作業者の負担を軽減できるようになった。また、絶縁用ガスだけで絶縁を行う場合に比べて、部品間の距離を小さくできるので工業用X線発生装置を小型に形成でき、これにより、狭い場所での検査が可能になった。
また、モールド絶縁をしなくても、例えばガス絶縁方式によって効果的にコロナ放電を防止でき、この結果、材料費の節減ができ、X線漏洩防止用の鉛の使用量を低減できた。
本発明に係る非破壊検査用の工業用X線発生装置においては、前記高電圧タンク内に電気絶縁用ガス充填される。これにより、X線発生装置の重量を軽くできる。
本発明に係る非破壊検査用の工業用X線発生装置において、前記昇圧回路は複数のダイオードと複数のコンデンサとを接続して成る回路によって構成できる。また、前記導電性部材は前記ダイオードのアノード端子又はカソード端子に接続するか、又はそれらの端子から延びる配線に接続することができる。
本発明に係る非破壊検査用の工業用X線発生装置において、前記昇圧回路は複数の基板に分けて形成することができ、これらの基板は隣接して互いに平行に並べて配置することができ、前記導電性部材は前記複数の基板のうちの高電圧側の基板に設けることができる。
本発明に係る非破壊検査用の工業用X線発生装置において、前記電圧検出回路は複数の抵抗を接続して成る回路を有することができ、前記導電性部材は前記抵抗の端子又は当該端子から延びる配線に接続されることができる。
本発明によれば、昇圧回路及び/又は電圧検出回路内の適所に所定数の導電性部材を設けたことにより、油絶縁やモールド絶縁を用いなくても、過度の集中電界の発生を抑制することができる。そしてその結果、高電圧タンク内でコロナ放電が発生することを防止することができる。
本発明によれば、油絶縁を行うときのような面倒な作業が不要であり、製造コストを低減できる。また、樹脂モールドによって絶縁を行うときのような特別な電源や設備が不要であり、製造コストを低減できる。
また、油絶縁やモールド絶縁を用いた場合に比べて工業用X線発生装置の重量を軽くでき、作業者の負担を軽減できるようになった。また、絶縁用ガスだけで絶縁を行う場合に比べて、部品間の距離を小さくできるので工業用X線発生装置を小型に形成でき、これにより、狭い場所での検査が可能になった。
本発明に係る工業用X線発生装置の一実施形態の外観形状を示す斜視図である。 図1の工業用X線発生装置の内部構造を示す斜視図である。 図2の工業用X線発生装置の回路構成を示す回路図である。 図2の工業用X線発生装置の主要構成部品の1つである回路基板を示す斜視図である。 図4における1つの回路基板の裏側を示す斜視図である。 図4における他の1つの回路基板の裏側を示す斜視図である。 図5で用いられる主用部品である導電性部材用基板を示す斜視図である。 図2の工業用X線発生装置の他の主要構成部品の1つである検出回路用基板を示す斜視図である。 図8で用いられる主用部品である導電性部材としてのリング部材を示す斜視図である。 図2のE−E線に従った平面断面図である。 本発明に係る工業用X線発生装置の他の実施形態の内部構造を示す斜視図である。 図11の工業用X線発生装置の回路構成を示す回路図である。 図11の工業用X線発生装置の主要構成部品の1つである回路基板を示す斜視図である。 図13で用いられる主用部品である導電性部材としてのリング部材を示す斜視図である。 図11のF−F線に従った平面断面図である。 導電性部材のさらに他の実施形態を示す図である。 本発明に係る工業用X線発生装置のさらに他の実施形態の内部の平面断面構造を示す図である。 本発明に係る工業用X線発生装置のさらに他の実施形態の内部の平面断面構造を示す図である。
(工業用X線発生装置の第1の実施形態)
以下、本発明に係る非破壊検査用の工業用X線発生装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、本明細書に添付した図面では特徴的な部分を分かり易く示すために実際のものとは異なった比率で構成要素を示す場合がある。
図1は本発明に係る工業用X線発生装置の一実施形態の外観を示している。ここに示す工業用X線発生装置1は、筒形状で金属製の外装ケース2と、取っ手3a及び3bと、X線取出し窓4とを有している。外装ケース2は内部の高電圧部分を収容する高電圧タンクとして機能するので、以下では外装ケース2を高電圧タンク2と呼ぶことがある。高電圧タンク2は基台7に固定されている。外装ケース2の上部には上部カバー5aが設けられ、その下部には下部カバー5bが設けられている。
高電圧タンク2は、筒状(本実施形態では円筒状)に形成されている。基台7の材質は、例えばアルミニウム(Al)である。高電圧タンク2の材質は、例えばアルミニウム(Al)である。カバー5a及び5bは、共に、鉄(Fe)を主成分とする金属によって形成されている。基台7と高電圧タンク2とは気密に組み付けられており、その内部には電気絶縁用のガス、例えばSFガスが充填されている。本実施形態では外装ケース2を高電圧タンクとして用いているが、外装ケース2とは別に高電圧タンクを設けることもできる。
図2は工業用X線発生装置1の内部構造を示している。図2において、基台7の上に、1枚の検出回路用基板9と、複数(本実施形態では2枚)の昇圧回路用基板10a及び10bと、kVメインコイル11と、2個のフィラメントトランス12a及び12bと、が設けられている。また、基台7の上には、フィラメント回路部14を収容した逆お椀型の金具15と、X線管球16とが設けられている。X線管球16の適所にはX線窓18が設けられている。また、X線窓18に対向する部分のカバー5aにX線取出し窓4が設けられている。上述した各部材及び各機器は、基台7に固定された図示しない複数の支柱によって支持されている。
2枚の昇圧回路用基板10a及び10bの基板上には、図3に示すように、複数のコンデンサC1と複数のダイオードDとによって構成された周知の昇圧回路であるコッククロフト・ウォルトン回路22が設けられている。このコッククロフト・ウォルトン回路22は基板10a上の回路と基板10b上の回路とで1つのコッククロフト・ウォルトン回路を構成している。基板10a上の回路はコッククロフト・ウォルトン回路22の高電圧側を構成しており、基板10b上の回路はコッククロフト・ウォルトン回路22の低電圧側を構成している。
コッククロフト・ウォルトン回路22の入力端子にkVメインコイル11の2次側コイルが接続されている。kVメインコイル11の1次側コイルにはインバータ23aが接続されている。コッククロフト・ウォルトン回路22の出力端子は抵抗R1を介してX線管球16の陰極すなわちフィラメント24に接続されている。フィラメント24に対向する対陰極すなわちターゲット25は接地されている。ターゲット25の電子衝突面はタングステン(W)等によって形成されている。X線管球16の内部は真空である。
図2において低電圧側の昇圧回路用基板10bに隣接して設けられた検出回路用基板9の上には、図3に示すように、抵抗R2とコンデンサC2とを並列接続して成る回路を複数個、互いに直列接続して成る電圧検出回路26が設けられている。電圧検出回路26の一方の端子は接地されており、他方の端子はコッククロフト・ウォルトン回路22の入力側部分に接続されている。
図2に示した2個のフィラメントトランス12a及び12bは、図3において、X線管球16の構成要素であるフィラメント24に接続されている。入力側のフィラメントトランス12aにはインバータ23bが接続されている。昇圧回路側のインバータ23a及びフィラメント側のインバータ23bのそれぞれの入力端子は整流器29を介して商用交流電源30に接続されている。
電圧検出回路26の接地端子はkV検出用端子(すなわち、管電圧検出用端子)であり、この端子はアンプ30aを通してインバータ23aの制御用端子に接続されている。また、コッククロフト・ウォルトン回路22の接地端子27はmA検出用端子(すなわち、管電流検出用端子)であり、この端子はアンプ30bを通してインバータ23bの制御用端子に接続されている。高電圧タンク2は接地電位につながれている。
コッククロフト・ウォルトン回路22の配線上、本実施形態では高電圧側の基板10aの配線上、に複数(本実施形態では12個)の導電性部材31aが接続されている。また、電圧検出回路26の配線上に導電性部材としての複数(本実施形態では6個)のリング部材31bが接続されている。
図4は、高電圧側の昇圧回路用基板10a及び低電圧側の昇圧回路用基板10bを、図2の表側(矢印A側)から見た状態を示している。図5は、高電圧側の昇圧回路用基板10aを図4及び図2の裏側(矢印B側)から見た状態を示している。図6は、低電圧側の昇圧回路用基板10bを図4及び図2の裏側(矢印B側)から見た状態を示している。基板10a,10bは概ね枠状に形成されており、枠部分によって形成された中央部分は空間になっている。枠部分は単なる直線形状ではなく、蛇がくねっているような形状、すなわち幾度も繰り返して折れ曲がる形状となっている。
図4に示すように、A方向(表側方向)から眺めた表面の外観は高電圧側基板10aと低電圧側基板10bとで同じである。図2のB方向(裏側方向)から眺めた場合、高電圧側基板10aの裏面と低電圧側基板10bの裏面とで外観が異なっている。異なっているのは、高電圧側基板10a(図5)の高電位部分には複数個(本実施形態では4個)の導電性部材用基板8が設けられている一方、低電圧側基板10b(図6)にはそのような導電性部材用基板が設けられていないことである。複数のコンデンサD1及び複数のダイオードDから成るコッククロフト・ウォルトン回路が形成されていることは、高電圧側基板10aと低電圧側基板10bとで同じである。すなわち、図5において導電性部材用基板8を除去すれば、基板10a及びその上の回路構成は図6の低電圧側基板10bと同じである。
図4において、基板10a,10bは絶縁性を有した適宜の合成樹脂によって形成されている。図3の回路図における複数のコンデンサC1は、図5及び図6に示すように、基板10a,10bの左右の辺部に分けて設けられている。これらのコンデンサC1は上下方向に沿って並べて配置されている。また、図3の回路図における複数のダイオードDは、図4、図5及び図6において、基板10a,10bの中央部分にまとめて設けられている。これらのダイオードDは上下方向に沿って配置されている。
図5において、高電圧側回路基板10aに設けられた4つの導電性部材用基板8は、それぞれ、図7に示す形状を有している。導電性部材用基板8は、絶縁性を有した合成樹脂、例えばガラスエポキシ樹脂によって形成されている。導電性部材用基板8は、矢印C方向から平面的に見て、5つの迂回辺a〜eを曲がりくねって連続させた迂回形状に形成されている。3つの迂回辺a、c及びeには、直線状又は細長い長方形状の導電性部材31aが、例えばハンダによって形成されている。導電性部材31aは図3の回路図において同じ符号で示している導電性部材のことである。
導電性部材31aの1つの端部に対応した部分の基板8に貫通穴が形成されており、その貫通穴に導電性の支持棒35が差し込まれ、さらに導電性部材31aにハンダ接合されている。図10は図2のE−E線に従ってX線発生装置1の内部構造を平面図として示している。図10に示すように、導電性部材用基板8の支持棒35の先端は高電圧側回路基板10aに接合、例えばハンダ付けによって接合されている。これにより、導電性部材31aがコンデンサC1を覆う位置に配置されると共に、高電圧側基板10a上の回路に電気的に接続された状態となっている。導電性部材31aは電気的には、図3の回路図に示すように、一対のダイオードDをつないでいる配線に接続されている。
図7において、ハンダによって形成された導電性部材31aの長さL及び幅Wは、高電圧タンク2の内部に発生する電界を導電性部材31aによって緩和(すなわち抑制)する機能を発揮できるような寸法に設定される。例えば、長さLは20mm〜30mmである。また、幅Wは2mm〜5mmである。実験の結果、長さLを25mm幅Wを3.5mmとすると理想的であった。電界の発生を緩和するためには、導電性部材31aの両端部の形状は角張っていない形状、尖っていない形状、すなわち丸みを帯びた形状であることが望ましい。導電性部材31aをハンダによって形成することは、両端の形状を角張っていない形状、尖っていない形状、丸みを帯びた形状、等にすることに関して好適である。
次に、図8は、電圧検出回路用基板9を図2の表側(矢印A側)から見た状態を示している。基板9は枠状に形成されており、中央部分は大きな空間Kとなっている。基板9は適宜の合成樹脂によって形成されている。図3の回路図における複数のコンデンサC2は、図8において、基板9の表面(矢印A側から見える面)の中央部分に設けられている。これらのコンデンサC2は上下方向に沿って並べて設けられている。
図3の回路図における複数の抵抗R2は図8において、それぞれ一本の長い直線状の形となっている。これらの抵抗R2は、基板9の裏面(矢印B側から見える面)に設けられている。これらの抵抗R2の両端は、基板9の裏面(矢印B側から見える面)の左右の辺部分に半田付け等によって接合されている。
図8において、電圧検出回路用基板9の表面(矢印A側から見た面)に実装された導電性部材としての6個のリング部材31bは、基板9の表面(矢印A側から見た面)に半田付け等によって実装されている。これらの導電性部材としてのリング部材31bは、図9に示すように金属線材を、変形した楕円形状に折り曲げ、さらにその線材の両端を半田付け32等によって結んだ形状、すなわちループ状、すなわち輪状となっている。各導電性部材としてのリング部材31bは、基板9に半田付け32された状態で基板9の表面に沿って寝た状態になっている。
本実施形態では図3及び図5に示したように、昇圧回路側の導電性部材31aの数を12個とした。また、図8に示したように検出回路側の導電性部材としてのリング部材31bの数を6個とした。しかしながら、それらの数は導電性部材31a及び導電性部材としてのリング部材31bが電界集中を緩和する機能を達成するのに必要な数とされるのが望ましい。これらの導電性部材31a及び導電性部材としてのリング部材31bは、高電圧タンク2内でコロナ放電が発生することを抑制するために設けられている。
本実施形態では、図3の回路図に示すように、昇圧回路側の導電性部材31aは一方の基板である高圧側の基板10aだけに設けられている。しかしながら、導電性部材31aは他方の基板10bに設けることもできる。
昇圧回路側の導電性部材31aは、ダイオードDのアノード端子に接続されるか、又はアノード端子から延びる配線に接続されている。検出回路側の導電性部材としてのリング部材31bは、抵抗R2の端子に接続されるか、又は抵抗R2から延びる配線に接続されている。なお、導電性部材31a及び導電性部材としてのリング部材31bを接続する位置は、基板10a,10b及び基板9のそれぞれの配線上の任意の個所としても良い。
導電性部材としてのリング部材31bは導電性の金属、例えば銅、鉛、その他の金属を含んだ金属によって形成されている。これらの導電性部材としてのリング部材の線材の太さは、例えば直径1mm〜2mm、好ましくは1.5mm程度である。これらの導電性部材としてのリング部材の線材の長さは、例えば10mm〜100mm、好ましくは50mmであり、この線材がループ状に形成されている。
以下、上記構成より成るX線発生装置の動作について説明する。
図3において、商用交流電源30から電気が供給されると、その交流電圧が整流器29で直流に変換され、さらに2つのインバータ23a,23bのそれぞれで所定電圧の交流に変換される。
フィラメント側のインバータ23bの出力電圧は、フィラメントトランス12a,12bによって昇圧されてフィラメント24に印加される。この電圧印加により、フィラメント24に通電が成され、フィラメント34が発熱して当該フィラメント24から電子(すなわち熱電子)が発生する。
昇圧回路側のインバータ23aの出力電圧は、メインコイル11で適宜に昇圧(例えば30kVに昇圧)され、さらに、昇圧回路であるコッククロフト・ウォルトン回路22によって所定の高電圧(例えば、300kV)に昇圧され、管電圧としてターゲット25とフィラメント24との間に印加される。この管電圧の印加により、フィラメント24から発生した電子が加速されてターゲット25に衝突して、当該ターゲット25からターゲット25の材質に応じた波長のX線が発生する。このX線が、検査対象物(例えば、金属配管の管壁や、建築物の構造材料等)に照射されて、非破壊検査が行われる。
ターゲット25からX線が発生される間、ターゲット25とフィラメント24との間に電流(すなわち管電流)が流れる。管電流は、例えば3mAである。この管電流は、コッククロフト・ウォルトン回路22の接地端子27からアンプ30bへ取り込まれ、さらにインバータ23bへフィードバックされる。これにより、フィラメント24への電圧印加が制御されて管電流が一定になるように制御される。
コッククロフト・ウォルトン回路22の出力電圧は、検出回路26によって外部へ取り出され、取り出されたその電圧値がアンプ30aを介してインバータ23aへフィードバックされる。これにより、管電圧が一定になるように制御される。以上から理解されるように、本実施形態では、昇圧回路であるコッククロフト・ウォルトン回路22と電圧検出回路26とによって管電圧印加回路が構成されている。
コッククロフト・ウォルトン回路22の動作中、高電圧タンク2内に過度に強い集中電界が発生して、コロナ放電が発生することが考えられる。高電圧タンク2内には絶縁用のガス、例えばSFガスが充填されているので、過度の電界の発生はある程度は抑制されるが、その抑制の程度は不平等電界で構成された本電源の場合は十分ではない。しかしながら、本実施形態では、コッククロフト・ウォルトン回路22及び検出回路26内の適所に所定数の導電性部材31a及び所定数の導電性部材としてのリング部材31bを設けたことにより、過度の電界の発生を抑制することができた。そしてその結果、高電圧タンク2内でコロナ放電が発生することを防止することができた。
X線発生装置1の内部の平面的な断面構造を示している図10において、ハンダによって形成されていて電界の集中を緩和するための部材である導電性部材31aと高電圧タンク2の内壁面との間隔d1は、昇圧回路22と電圧検出回路26とによって形成される管電圧印加回路の構成要素である全ての電子部品(例えば、コンデンサC1、ダイオードD、コンデンサC2、抵抗R2)と高電圧タンク2の内壁面との間隔(以下、部品−タンク間間隔ということがある)よりも小さくなるように設定されている。
本実施形態においては、導電性部材31aは複数個用いられているが、それら全ての導電性部材31aについての間隔d1が、全ての電子部品についての部品−タンク間間隔よりも小さく設定されている。しかしながら、高電圧タンク2内でのコロナ放電の発生を有効に抑制できる限りにおいて、いくつかの導電性部材31aについての間隔d1が部品−タンク間間隔よりも大きくなっても良い。
さらに、図10において、導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2の内壁面との間隔d2も部品−タンク間間隔よりも小さくなっている。この導電性部材としてのリング部材31bの場合も導電性部材31aの場合と同様に、いくつかの導電性部材としてのリング部材31bについての間隔d2が部品−タンク間間隔よりも大きくなることがあり得る。なお、本実施形態では、導電性部材31aと高電圧タンク2との間隔d1が、導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2との間隔d2よりも大きくなっている。すなわちd1>d2である。しかしながら、d1≦d2であっても良い。
以上のように、本実施形態では、導電性部材31aと高電圧タンク2の内壁面との間隔d1を部品−タンク間間隔よりも小さく設定し、同時に、導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2の内壁面との間隔d2を部品−タンク間間隔よりも小さく設定したので、高電圧タンク2内において電界が集中することを有効に抑制でき、そのため、高電圧タンク2内でのコロナ放電の発生を有効に防止できるようになった。
本実施形態では、油絶縁を行うときのような面倒な組立作業が不要であり、そのため製造コストを低減できる。また、樹脂モールドによって絶縁を行うときのような特別な製造用設備や製造用電源が不要であり、そのため製造コストを低減できる。
また、本実施形態で用いたガス絶縁は、油絶縁やモールド絶縁に比べて軽量である。さらに、本実施形態では導電性部材31a及び導電性部材としてのリング部材31bを電界緩和部材として用いたので、ガス絶縁方式でありながら高電圧タンク2の形状を小さくすることができた。これらのため、本実施形態の工業用X線発生装置1によれば、X線発生装置を小型・軽量に形成することができた。
また、油絶縁やモールド絶縁を用いた場合に比べて工業用X線発生装置の重量を軽くでき、作業者の負担を軽減できるようになった。また、導電性部材31a,導電性部材としてのリング部材31bを用いること無く絶縁用ガスだけで絶縁を行う場合に比べて、部品間の距離を小さくできるので工業用X線発生装置を小型に形成でき、これにより、狭い場所での検査が可能になった。
(工業用X線発生装置の第2の実施形態)
図11は、本発明に係る工業用X線発生装置の他の実施形態を示している。本実施形態の工業用X線発生装置41の外観形状は図1に示した先の実施形態と同じである。本実施形態において、図2に示した実施形態と同じ部材は同じ符号を付して示すことにして、その説明は省略する。
図2に示した先の実施形態では、矢印Aで示す表側から見て基台7の上に、検出回路用基板9、低電圧側昇圧回路用基板10b、そして高電圧側昇圧回路用基板10aがその順で配置されていた。これに対し、図11に示す本実施形態では、矢印Aで示す表側から見て基台7の上に、検出回路用基板9、高電圧側昇圧回路用基板10a、そして低電圧側昇圧回路用基板10bがその順で配置されている。
図12は、本実施形態で用いる電気回路の回路図を示している。この電気回路は、基本的には、図3に示した先の実施形態で用いた電気回路と同じである。図3の回路では高電圧側昇圧回路用基板10aの高電圧側に12個の導電性部材31aを回路配線に接続した。これに対し、図12に示す本実施形態では、導電性部材31aに代えて、導電性部材としての6個のリング部材31cを高電圧側昇圧回路用基板10aの高電圧側の部分に設けている。
導電性部材としてのリング部材31cは、図13に示すように、基板10aの表面(矢印A側から見た面)に半田付け32等によって実装されている。これらの導電性部材としてのリング部材31cは、図14に示すように、金属線材を馬蹄形、U字形、又は四角形の一辺を切り取りそれに対向する辺に丸みを付けた形状、等といった各形状に折り曲げ、その線材の両端を半田付け32等によって結んだ形状、すなわちループ状、すなわち輪状となっている。各導電性部材としてのリング部材31cは、図13において、基板10aに半田付け32された状態で基板10aから立った状態になっている。
導電性部材としてのリング部材31cは導電性の金属、例えば銅、鉛、その他の金属を含んだ金属によって形成されている。これらの導電性部材としてのリング部材の線材の太さは、例えば直径1mm〜2mm、好ましくは1.5mm程度である。これらの導電性部材としてのリング部材の線材の長さは、例えば10mm〜100mm、好ましくは50mmであり、この線材がループ状に形成されている。
図15は、図11のF−F線に従ってX線発生装置41の内部構造を平面図として示している。図15において、昇圧回路22側の導電性部材としてのリング部材31cと高電圧タンク2の内壁面との間隔d3は、昇圧回路22と電圧検出回路26とによって形成される管電圧印加回路の構成要素である全ての電子部品(例えば、コンデンサC1、ダイオードD、コンデンサC2、抵抗R2)と高電圧タンク2の内壁面との間隔(すなわち、部品−タンク間間隔)よりも小さくなるように設定されている。
本実施形態においては、導電性部材としてのリング部材31cは6個用いられているが、それら全ての導電性部材としてのリング部材31cについてのタンク内壁までの間隔d3が、全ての電子部品についての部品−タンク間間隔よりも小さく設定されている。しかしながら、高電圧タンク2内でのコロナ放電の発生を有効に抑制できる限りにおいて、いくつかの導電性部材としてのリング部材31cについての間隔d3が部品−タンク間間隔よりも大きくなっても良い。
さらに、図15において、電圧検出回路26側の導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2の内壁面との間隔d2も、部品−タンク間間隔よりも小さくなっている。この導電性部材としてのリング部材31bの場合も導電性部材としてのリング部材31cの場合と同様に、いくつかの導電性部材としてのリング部材31bについての間隔d2が部品−タンク間間隔よりも大きくなることがあり得る。なお、本実施形態では、導電性部材としてのリング部材31cと高電圧タンク2との間隔d3が、導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2との間隔d2よりも大きくなっている。すなわちd3>d2である。しかしながら、d3≦d2であっても良い。
以上のように、本実施形態では、導電性部材としてのリング部材31cと高電圧タンク2の内壁面との間隔d3を部品−タンク間間隔よりも小さく設定し、同時に、導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2の内壁面との間隔d2を部品−タンク間間隔よりも小さく設定したので、高電圧タンク2内において電界が集中することを有効に抑制でき、そのため、高電圧タンク2内でのコロナ放電の発生を有効に防止できるようになった。
本実施形態では、昇圧回路22内に導電性部材としてのリング部材31cを設け、電圧検出回路26内に導電性部材としてのリング部材31bを設けたので、高電圧タンク2内での電界の集中を抑制でき、それ故、高電圧タンク2内でのコロナ放電の発生を有効に防止できる。
(変形例)
以上の実施形態では、高電圧タンク2内におけるコロナ放電の発生を防止するための導電性部材としてのリング部材として、図14に示すような馬蹄形状、逆U字形状、又は四角形の一辺を切り取りそれに対向する辺に丸みを付けた形状の導電性部材としてのリング部材31c、及び図9に示すような変形した楕円形状の導電性部材としてのリング部材31bを用いた。これに代えて、図16(b)に示すような電界緩和用の導電性部材としてのリング部材31dを用いることができる。この導電性部材としてのリング部材31dは、例えば次のような方法によって製造できる。
すなわち、直径0.6mm程度の導電性の線材によって、巻径D1=2.5mm程度で長さL=50mm程度のコイル線材33を形成し、このコイル線材33の中心部分に直径0.8mm程度で可撓性の線材(図示せず)を挿入し、その可撓性線材をループ状に曲げることによってコイル線材33をループ状に曲げ、そしてコイル線材33の両端を互いに半田付け32等の接合手法によって接合することにより、導電性部材としてのリング部材31dを形成することができる。
(工業用X線発生装置の第3の実施形態)
図17は、本発明に係る工業用X線発生装置のさらに他の実施形態を示している。図15に示した先の実施形態では矢印Aで示す表側から順に基台7の上に、検出回路用基板9、高電圧側昇圧回路用基板10a、そして低電圧側昇圧回路基板10bを設置した。これに対し本実施形態の工業用X線発生装置51では、矢印Aで示す表側から順に基台7の上に、検出回路用基板9、低電圧側昇圧回路用基板10b、そして高電圧側昇圧回路基板10aを設置した。そして、高電圧側昇圧回路基板10aに設けられる導電性部材としてのリング部材31cが裏側(矢印Bが描かれた側)方向を向くように配置した。
本実施形態において、昇圧回路22側の導電性部材としてのリング部材31cと高電圧タンク2の内壁面との間隔d3は、昇圧回路22と電圧検出回路26とによって形成される管電圧印加回路の構成要素である全ての電子部品(例えば、コンデンサC1、ダイオードD、コンデンサC2、抵抗R2)と高電圧タンク2の内壁面との間隔(すなわち、部品−タンク間間隔)よりも小さくなるように設定されている。なお、場合によっては、いくつかの導電性部材としてのリング部材31cについての間隔d3が部品−タンク間間隔よりも大きくなることはあり得る。
さらに、電圧検出回路26側の導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2の内壁面との間隔d2も、部品−タンク間間隔よりも小さくなっている。この導電性部材としてのリング部材31bの場合も導電性部材としてのリング部材31cの場合と同様に、いくつかの導電性部材としてのリング部材31bについての間隔d2が部品−タンク間間隔よりも大きくなることがあり得る。なお、本実施形態では、導電性部材としてのリング部材31cと高電圧タンク2との間隔d3が、導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2との間隔d2よりも大きくなっている。すなわちd3>d2である。しかしながら、d3≦d2であっても良い。
本実施形態においても、導電性部材としてのリング部材31cと高電圧タンク2の内壁面との間隔d3を部品−タンク間間隔よりも小さく設定し、同時に、導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2の内壁面との間隔d2を部品−タンク間間隔よりも小さく設定したので、高電圧タンク2内において電界が集中することを有効に抑制でき、そのため、高電圧タンク2内でのコロナ放電の発生を有効に防止できるようになった。
(工業用X線発生装置の第4の実施形態)
図18は、本発明に係る工業用X線発生装置のさらに他の実施形態を示している。本実施形態の工業用X線発生装置61は、図10に示した実施形態と図15に示した実施形態とを組み合せた構成を有している。具体的には、工業用X線発生装置61は、矢印A方向で示す表側から見て順に基台7上に、検出回路用基板9、低電圧側昇圧回路用基板10b、そして高電圧側昇圧回路用基板10aを有している。
検出回路用基板9上には導電性部材としてのリング部材31bが設けられ、低電圧側昇圧回路用基板10b上には導電性部材としてのリング部材31cが設けられ、そして高電圧側昇圧回路用基板10a上には導電性部材31aが設けられている。導電性部材31aはハンダによって形成された直線状又は細長い長方形状の部材である。
本実施形態においても、高電圧側の昇圧回路22上の導電性部材31aと高電圧タンク2の内壁面との間隔d1は、昇圧回路22と電圧検出回路26とによって形成される管電圧印加回路の構成要素である全ての電子部品(例えば、コンデンサC1、ダイオードD、コンデンサC2、抵抗R2)と高電圧タンク2の内壁面との間隔(すなわち、部品−タンク間間隔)よりも小さくなるように設定されている。
また、低電圧側の昇圧回路22側の導電性部材としてのリング部材31cと高電圧タンク2の内壁面との間隔d3は、昇圧回路22と電圧検出回路26とによって形成される管電圧印加回路の構成要素である全ての電子部品(例えば、コンデンサC1、ダイオードD、コンデンサC2、抵抗R2)と高電圧タンク2の内壁面との間隔(すなわち、部品−タンク間間隔)よりも小さくなるように設定されている。
さらに、検出回路用基板9上の導電性部材としてのリング部材31bと高電圧タンク2の内壁面との間隔d2も部品−タンク間間隔よりも小さくなっている。
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、図1から図10に示した実施形態において、導電性部材31a及び導電性部材としてのリング部材31bの取付け個所は、図示した個所以外の個所とすることができる。また、図11から図15に示した実施形態において、導電性部材としてのリング部材31b及び31cの取付け個所は、図示した個所以外の個所とすることができる。また、図9に示した導電性部材としてのリング部材31b及び図14に示した導電性部材としてのリング部材31cのそれぞれのループの形状及び大きさは、図示した形状及び大きさ以外の形状及び大きさとすることができる。
さらに、図1から図10に示した実施形態において導電性部材31a及び導電性部材としてのリング部材31bの数は、図示した数以外の数とすることができる。また、図11から図15に示した実施形態において、導電性部材としてのリング部材31b及び31cの数は、図示した数以外の数とすることができる。
上記実施形態では、昇圧回路としてコッククロフト・ウォルトン回路22を用いたが、その他の任意の昇圧回路を用いることもできる。検出回路26の具体的な構成も図3に示した回路構成に限定されない。また、検出回路26によって取り出すコッククロフト・ウォルトン回路22に対する電圧取出し個所も図示の電圧位置に限られない。また、工業用X線発生装置の外観形状は図1に示した外観形状に限られない。
図2に示した実施形態ではコッククロフト・ウォルトン回路によって形成した昇圧回路22を2つの基板10a及び10bに分けて設置した。この構成に代えて、昇圧回路22を1つの基板上に形成することも可能である。
1.工業用X線発生装置、 2.高電圧タンク(外装ケース)、 3a,3b.取っ手、 4.X線取出し窓、 5a,5b.カバー、 7.基台、 8.導電性部材用基板、 9.検出回路用基板、 10a,10b.昇圧回路用基板、 11.kVメインコイル、 12a,12b.フィラメントトランス、 14.フィラメント回路部、 15.逆お椀型の金具、 16.X線管球、 18.X線窓、 22.コッククロフト・ウォルトン回路(昇圧回路)、 23a,23b.インバータ、 24.フィラメント(陰極)、 25.ターゲット(対陰極)、 26.電圧検出回路、 27.接地端子、 29.整流器、 30.商用交流電源、 30a,30b.アンプ、 31a.導電性部材、 31b,31c,31d.リング部材(導電性部材)、 32.半田付け(接合手段)、 33.線材、 35.支持棒、 D.ダイオード、 C1,C2.コンデンサ、 R1.抵抗

Claims (4)

  1. 陰極から出た電子を対陰極に当ててX線を発生する工業用X線発生装置であって、
    前記陰極と前記対陰極との間に管電圧を印加する管電圧印加回路と、当該管電圧印加回路を収容している高電圧タンクとを有した工業用X線発生装置において、
    前記管電圧印加回路は、所定の低電圧を前記管電圧まで昇圧する昇圧回路と、当該昇圧回路内の電圧を検出する電圧検出回路とを有しており、
    前記高電圧タンク内に集中電界が生じることを抑制するための導電性部材が前記昇圧回路及び/又は前記電圧検出回路内の適所に少なくとも1つ接続されており、
    前記少なくとも1つの導電性部材の少なくとも1つと前記高電圧タンクの内壁面との間隔は、前記昇圧回路及び前記電圧検出回路を構成する電子部品と前記高電圧タンクの内壁面との間隔より小さくなっており、
    前記高電圧タンク内に電気絶縁用ガスが充填されており、
    前記導電性部材は、輪状に形成されており、電気的にも輪状に導通している
    ことを特徴とする非破壊検査用の工業用X線発生装置。
  2. 前記昇圧回路は複数のダイオードと複数のコンデンサとを接続して成る回路であり、
    前記導電性部材は前記ダイオードのアノード端子又はカソード端子に接続されるか、又はそれらの端子から延びる配線に接続されている
    ことを特徴とする請求項1記載の非破壊検査用の工業用X線発生装置。
  3. 前記昇圧回路は複数の基板に分けて形成されており、これらの基板は隣接して互いに平行に並べて配置されており、前記導電性部材は前記複数の基板のうちの高電圧側の基板に設けられることを特徴とする請求項記載の非破壊検査用の工業用X線発生装置。
  4. 前記電圧検出回路は複数の抵抗を接続して成る回路を有しており、前記導電性部材は前記抵抗の端子又は当該端子から延びる配線に接続されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1つに記載の非破壊検査用の工業用X線発生装置。
JP2012159614A 2012-07-18 2012-07-18 非破壊検査用の工業用x線発生装置 Expired - Fee Related JP5835845B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012159614A JP5835845B2 (ja) 2012-07-18 2012-07-18 非破壊検査用の工業用x線発生装置
PCT/JP2013/002421 WO2014013645A1 (ja) 2012-07-18 2013-04-09 非破壊検査用の工業用x線発生装置
CN201380001697.8A CN103688597B (zh) 2012-07-18 2013-04-09 非破坏检查用的工业用x线产生装置
KR1020137031738A KR101894219B1 (ko) 2012-07-18 2013-04-09 비파괴검사용의 공업용 x선 발생장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012159614A JP5835845B2 (ja) 2012-07-18 2012-07-18 非破壊検査用の工業用x線発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014022185A JP2014022185A (ja) 2014-02-03
JP5835845B2 true JP5835845B2 (ja) 2015-12-24

Family

ID=49948489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012159614A Expired - Fee Related JP5835845B2 (ja) 2012-07-18 2012-07-18 非破壊検査用の工業用x線発生装置

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5835845B2 (ja)
KR (1) KR101894219B1 (ja)
CN (1) CN103688597B (ja)
WO (1) WO2014013645A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3321951A4 (en) 2015-06-30 2019-02-27 Vatech Co., Ltd. PORTABLE X-RAY GENERATING DEVICE HAVING AN ELECTRIC FIELD EMISSION X-RAY SOURCE
KR101867318B1 (ko) 2016-11-23 2018-06-15 (주)이림전자 휴대용 엑스레이장치의 엑스레이 모듈 어셈블리
CN115669230B (zh) * 2020-05-27 2023-06-30 株式会社明电舍 高电压发生器和x射线发生器

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5883590A (ja) * 1981-11-07 1983-05-19 Nichicon Capacitor Ltd パルス高電圧発生装置
US5633477A (en) * 1994-05-16 1997-05-27 Westinghouse Electric Corporation Electrically conductive prepreg for suppressing corona discharge in high voltage devices
JPH11308866A (ja) * 1998-04-21 1999-11-05 Toshiba Corp 直流高電圧発生装置
JP2004022468A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Ebara Corp 直流高電圧電源装置
FR2858887B1 (fr) * 2003-08-14 2005-09-23 Ge Med Sys Global Tech Co Llc Dispositif de production d'une haute tension comportant une resistance interne de mesure
JP4260036B2 (ja) * 2004-02-10 2009-04-30 株式会社神戸製鋼所 高電圧発生装置
US7498696B2 (en) * 2004-11-20 2009-03-03 General Electric Company Voltage grading and shielding method for a high voltage component in a PCB and an X-ray apparatus
EP1833075B1 (en) * 2004-12-27 2011-02-16 Hamamatsu Photonics K.K. X-ray tube and x-ray source
JP4638808B2 (ja) 2005-11-15 2011-02-23 株式会社ジョブ X線発生装置
JP5122778B2 (ja) * 2006-08-25 2013-01-16 株式会社日立メディコ 高電圧回路及びx線発生装置
JP5063609B2 (ja) * 2006-10-25 2012-10-31 株式会社日立メディコ X線発生装置
JP5490994B2 (ja) * 2008-01-22 2014-05-14 株式会社日立メディコ X線発生装置
US8675817B2 (en) * 2010-07-30 2014-03-18 Rigaku Corporation Industrial X-ray generator

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014013645A1 (ja) 2014-01-23
CN103688597A (zh) 2014-03-26
KR101894219B1 (ko) 2018-09-03
CN103688597B (zh) 2016-10-05
KR20150031395A (ko) 2015-03-24
JP2014022185A (ja) 2014-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5780644B2 (ja) 工業用x線発生装置
EP2973641B1 (en) Volumetrically efficient x-ray system
US7620151B2 (en) High voltage tank assembly for radiation generator
JP5835845B2 (ja) 非破壊検査用の工業用x線発生装置
CA2781097C (en) High voltage supply for compact radiation generator
JP2008515183A (ja) 変圧器
US8553841B2 (en) Compact, low noise power supply for advanced electronics applications, and X-ray analyzer applications thereof
JP2012169288A (ja) 電線及びコイル
US10856398B2 (en) High voltage generator
JP6972435B2 (ja) ノイズフィルタ及び電源装置
CN110391073B (zh) 电路装置、x射线装置和计算机断层扫描仪
US10090097B2 (en) High voltage transformer comprising a coil bobbin for carrying a high voltage winding
US7005954B2 (en) High current long life inductor
EP2313899A1 (en) Multi-toroid transformer
TWI652868B (zh) 放電裝置
JP3318808B2 (ja) 高周波加熱装置
JP4778310B2 (ja) 電子管用高電圧発生装置
JP4233103B2 (ja) X線検査装置用のx線発生装置
US9691543B2 (en) High voltage transformer arrangement for high voltage tank assembly
JP2013004556A (ja) 巻線素子損失測定方法および該装置
JP2015125905A (ja) X線発生装置およびそれを用いたx線撮影システム
JP2017135370A (ja) 飽和抑制式電磁装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151028

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5835845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

SG99 Written request for registration of restore

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316G99

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

SG99 Written request for registration of restore

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316G99

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S803 Written request for registration of cancellation of provisional registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316805

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S803 Written request for registration of cancellation of provisional registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316805

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350