JP2013004547A - 波面収差計測装置およびその校正方法、露光装置、露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

波面収差計測装置およびその校正方法、露光装置、露光方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 回折格子に起因する計測誤差の影響を抑えて被検光学系の波面収差を高精度に計測することのできる波面収差計測装置。
【解決手段】 被検光学系の波面収差を計測する波面収差計測装置は、互いに厚さまたは向きの異なる複数の回折格子パターン部を有し、被検光学系の像面またはその近傍に配置可能な校正用回折部材と、被検光学系および各回折格子パターン部を経て形成された各干渉光に基づいて、被検光学系の波面収差の計測結果を校正する校正部とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、波面収差計測装置およびその校正方法、露光装置、露光方法、並びにデバイス製造方法に関する。
半導体素子等を製造するためのフォトリソグラフィ工程において、マスク(またはレチクル)のパターンを、投影光学系を介して感光性基板(フォトレジストが塗布されたウェハ、ガラスプレート等)上に投影露光する露光装置が使用される。露光装置では、半導体素子等の集積度が向上するにつれて、投影光学系に要求される解像力(解像度)が益々高まっている。すなわち、パターンの微細化に伴って、投影光学系の収差を高精度に計測し、残存収差ができるだけ小さくなるように投影光学系を調整することが求められる。
従来、投影光学系の波面収差を計測する波面収差計測装置を、感光性基板を保持して移動するウェハステージに装着する構成が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に開示された波面収差計測装置では、投影光学系を経た光を回折格子により干渉させ、回折格子により形成された干渉縞に基づいて波面収差を計測している。
特開2007−053319号公報
露光装置に搭載される投影光学系に対して、特許文献1に開示された波面収差計測装置を適用する場合、開口数の大きい収束光(あるいは発散光)の光路中に回折格子が配置される。このため、回折格子に起因する波面収差の計測誤差が発生し、ひいては被検光学系としての投影光学系の波面収差を高精度に計測することが困難である。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、回折格子に起因する計測誤差の影響を抑えて被検光学系の波面収差を高精度に計測することのできる波面収差計測装置を提供することを目的とする。また、本発明は、被検光学系の波面収差を高精度に計測する波面収差計測装置を用いて波面収差の調整された投影光学系を介して、パターンを感光性基板に正確に転写することのできる露光装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、第1形態では、被検光学系の波面収差を計測する波面収差計測装置において、
互いに厚さまたは向きの異なる複数の回折格子パターン部を有し、前記被検光学系の像面またはその近傍に配置可能な校正用回折部材と、
前記被検光学系および各回折格子パターン部を経て形成された各干渉光に基づいて、前記被検光学系の波面収差の計測結果を校正する校正部とを備えていることを特徴とする波面収差計測装置を提供する。
第2形態では、被検光学系の波面収差を計測する波面収差計測装置の校正方法において、
互いに厚さまたは向きの異なる複数の回折格子パターン部を、前記被検光学系の像面またはその近傍に配置し、
前記被検光学系および各回折格子パターン部を経て形成された各干渉光に基づいて、前記被検光学系の波面収差の計測結果を校正することを特徴とする波面収差計測装置の校正方法を提供する。
第3形態では、第1形態の波面収差計測装置を備え、
前記被検光学系の物体面に設置された所定のパターンを、前記被検光学系の像面に設置された感光性基板に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
第4形態では、第2形態の波面収差計測装置の校正方法により校正された波面収差情報を用いて前記被検光学系を調整し、
前記被検光学系の物体面に設置された所定のパターンを、前記被検光学系の像面に設置された感光性基板に露光することを特徴とする露光方法を提供する。
第5形態では、第3形態の露光装置または第4形態の露光方法を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
実施形態にかかる波面収差計測装置では、回折格子に起因する計測誤差の影響を抑えて、被検光学系の波面収差を高精度に計測することができる。実施形態にかかる露光装置では、被検光学系の波面収差を高精度に計測する波面収差計測装置を用いて波面収差の調整された投影光学系を介して、パターンを感光性基板に正確に転写することができる。
実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 境界レンズとウェハとの間の構成を模式的に示す図である。 実施形態の波面収差計測装置の構成を概略的に示す図である。 テストマスクおよび収差計測用の回折部材の回折格子パターン部を部分的に示す図である。 回折格子パターン部に起因して球面収差成分の計測誤差および4θ成分の計測誤差が発生する様子を示す図である。 回折格子パターン部の厚さに起因して発生する関数Z4の球面収差成分の計測誤差を示す図である。 回折格子パターン部の厚さに起因して発生する関数Z9の球面収差成分の計測誤差を示す図である。 校正用の回折部材の構成を概略的に示す図である。 図8の線A−Aに沿った断面図である。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
以下、実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1では、X軸およびY軸が感光性基板としてのウェハWの転写面(露光面)に対して平行な方向に設定され、Z軸がウェハWに対して直交する方向に設定されている。さらに具体的には、XY平面が水平面に平行に設定され、+Z軸が鉛直方向に沿って上向きに設定されている。
図1を参照すると、本実施形態の露光装置には、光源LSから露光光(照明光)ELが供給される。光源LSとして、例えば193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源を用いることができる。本実施形態の露光装置は、オプティカル・インテグレータ(ホモジナイザー)、視野絞り、コンデンサレンズ等から構成される照明光学系ILを備えている。光源LSから射出された紫外パルス光からなる露光光ELは、照明光学系ILを通過し、マスク(レチクル)Mを照明する。
マスクMには転写すべきパターンが形成されており、X方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形形状のパターン領域が照明される。マスクMを通過した光は、投影光学系PLを介して、フォトレジストが塗布されたウェハ(感光性基板)W上の露光領域(ショット領域)に所定の投影倍率でマスクパターンを形成する。すなわち、マスクM上での矩形形状の照明領域に光学的に対応するように、ウェハW上ではX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形形状の露光領域(または静止露光領域)にパターン像が形成される。
マスクMは、マスクステージMS上においてXY平面に平行に保持されている。マスクステージMSには、マスクMをX方向、Y方向および回転方向(Z軸周りの回転)に移動させる機構が組み込まれている。マスクステージMSは、マスクレーザ干渉計(不図示)によってX方向、Y方向および回転方向の位置がリアルタイムに計測され、且つ制御される。ウェハWは、ウェハホルダ(不図示)を介してウェハステージWS上においてXY平面に平行に固定されている。
具体的に、ウェハステージWSは、ウェハWをZ方向に移動させるZステージ(不図示)と、Zステージを保持してXY平面に沿って移動するXYステージ(不図示)とを有する。Zステージは、ウェハWのフォーカス位置(Z方向の位置)および傾斜角を制御する。Zステージは、ウェハレーザ干渉計(不図示)によってX方向、Y方向および回転方向の位置がリアルタイムに計測され、且つ制御される。XYステージは、ウェハWのX方向、Y方向および回転方向を制御する。
本実施形態の露光装置に設けられた主制御系CRは、マスクレーザ干渉計により計測された計測値に基づいてマスクMのX方向、Y方向および回転方向の位置の調整を行う。即ち、主制御系CRは、マスクステージMSに組み込まれている機構に制御信号を送信し、マスクステージMSを移動させることによりマスクMの位置調整を行う。また、主制御系CRは、オートフォーカス方式およびオートレベリング方式によりウェハW上の表面を投影光学系PLの像面に合わせ込むため、ウェハWのフォーカス位置(Z方向の位置)および傾斜角の調整を行う。
即ち、主制御系CRは、駆動系DRに制御信号を送信し、駆動系DRによりZステージを駆動することによりウェハWのフォーカス位置および傾斜角の調整を行う。更に、主制御系CRは、ウェハレーザ干渉計により計測された計測値に基づいてウェハWのX方向、Y方向および回転方向の位置の調整を行う。即ち、主制御系CRは、駆動系DRに制御信号を送信し、駆動系DRによりXYステージを駆動することによりウェハWのX方向、Y方向および回転方向の位置調整を行う。
露光時には、マスクMのパターン像が、ウェハW上の所定のショット領域内に一括的に投影露光される。その後、主制御系CRは、駆動系DRに制御信号を送信し、駆動系DRによりウェハステージWSのXYステージをXY平面に沿って駆動することによりウェハW上の別のショット領域を露光位置にステップ移動させる。このように、ステップ・アンド・リピート方式により、マスクMのパターン像をウェハW上に一括露光する動作を繰り返す。
あるいは、主制御系CRは、マスクステージMSに組み込まれている機構に制御信号を送信すると共に、駆動系DRに制御信号を送信し、投影光学系PLの投影倍率に応じた速度比でマスクステージMSおよびウェハステージWSのXYステージを駆動しつつ、マスクMのパターン像をウェハW上の所定のショット領域内に走査露光する。その後、主制御系CRは、駆動系DRに制御信号を送信し、駆動系DRによりウェハステージWSのXYステージをXY平面に沿って駆動することによりウェハW上の別のショット領域を露光位置にステップ移動させる。
このように、ステップ・アンド・スキャン方式によりマスクMのパターン像をウェハW上に走査露光する動作を繰り返す。すなわち、駆動系DRおよびウェハレーザ干渉計などを用いてマスクMおよびウェハWの位置制御を行いながら、矩形状の静止露光領域および照明領域の短辺方向すなわちY方向に沿ってマスクステージMSとウェハステージWSとを、ひいてはマスクMとウェハWとを同期的に移動(走査)させることにより、ウェハW上には静止露光領域の長辺に等しい幅を有し且つウェハWの走査量(移動量)に応じた長さを有する領域に対してマスクパターンが走査露光される。
本実施形態では、図2に示すように、投影光学系PLにおいて最も像面側に配置された境界レンズLbとウェハWとの間の光路が液体Lmで満たされている。境界レンズLbは、マスクM側に凸面を向け且つウェハW側に平面を向けた正レンズである。本実施形態では、図1に示すように、給排水機構21を用いて、境界レンズLbとウェハWとの間の光路中において液体Lmを循環させている。液体Lmとして、例えば半導体製造工場等で容易に大量に入手できる純水(脱イオン水)を用いることができる。
投影光学系PLの境界レンズLbとウェハWとの間の光路中に液体Lmを満たし続けるには、たとえば国際公開番号WO99/49504号公報に開示された技術や、特開平10−303114号公報に開示された技術などを用いることができる。国際公開番号WO99/49504号公報に開示された技術では、液体供給装置から供給管および排出ノズルを介して所定の温度に調整された液体を境界レンズLbとウェハWとの間の光路を満たすように供給し、液体供給装置により回収管および流入ノズルを介してウェハW上から液体を回収する。
一方、特開平10−303114号公報に開示された技術では、液体を収容することができるようにウェハホルダテーブルを容器状に構成し、その内底部の中央において(液体中において)ウェハWを真空吸着により位置決め保持する。また、投影光学系PLの鏡筒先端部が液体中に達し、ひいては境界レンズLbのウェハ側の光学面が液体中に達するように構成する。このように、浸液としての液体を微小流量で循環させることにより、防腐、防カビ等の効果により液体の変質を防ぐことができる。また、露光光の熱吸収による収差変動を防ぐことができる。
ウェハステージWSには、投影光学系PLの波面収差を計測するための波面収差計測装置1が装着されている。波面収差計測装置1では、図3に示すように、被検光学系である投影光学系PLの波面収差の計測に際して、マスクステージMS上にテストマスクTMが設置される。テストマスクTMには、回折格子パターン部41が設けられている。回折格子パターン部41は、例えば図4に部分的に示すように、縦横に間隔を隔てて配置された複数の矩形状の光透過部41aを有する。
別の表現をすれば、回折格子パターン部41は、互いに直交する二方向(例えばテストマスクTMの設置状態においてX方向およびY方向)に沿って間隔を隔てて配置された複数の帯状の遮光部41bを有する。テストマスクTMは、例えば石英または蛍石により形成された光透過性の基板に、クロムのような遮光性材料からなる帯状の遮光部41bを設けることにより形成されている。収差計測用のテストマスクTMは、露光用のマスクMと同様に、投影光学系PLの物体面(またはその近傍)に配置される。
波面収差計測装置1は、投影光学系PLの波面収差の計測に際して投影光学系PLの像面またはその近傍に設置される収差計測用の回折部材MDを備えている。回折部材MDには、例えば回折格子パターン部41(41a,41b)と相似なパターン形態を有する回折格子パターン部42(42a,42b)と、回折格子パターン部42を包囲する遮光領域40とが設けられている。回折部材MDは、テストマスクTMと同様に、例えば石英または蛍石により形成された光透過性の基板に、クロムのような遮光性材料からなる帯状の遮光部42bおよび遮光領域40を設けることにより形成されている。回折格子パターン部41,42のパターン形態については様々な変形例が可能である。
また、波面収差計測装置1は、回折部材MDを経た光を検出する光検出器11と、光検出器11の出力信号が供給される計測部12とを備えている。光検出器11は、例えばCCD型またはCMOS型の二次元撮像素子を有し、回折部材MDを経て形成された干渉縞を検出する。計測部12は、光検出部11が検出した干渉光(干渉縞)に基づいて、投影光学系PLの波面収差を計測する。計測部12の出力、すなわち波面収差計測装置1の計測結果は、主制御系CRへ供給される。
主制御系CRは、投影光学系PLの波面収差の計測に際して、ウェハステージWSを駆動し、波面収差計測装置1を投影光学系PLに対して位置決めする。具体的には、主制御系CRは、投影光学系PLの直下の所要位置に回折部材MDの回折格子パターン部42が位置するように、波面収差計測装置1を位置決めする。また、主制御系CRは、マスクステージMS上の露光用のマスクMを収差計測用のテストマスクTMと交換し、照明光学系ILが投影光学系PLの物体面上に形成する照明領域に対してテストマスクTMに設けられた回折格子パターン部41を位置決めする。
図3は、一例として、回折部材MDの回折格子パターン部42が、投影光学系PLの光軸AX上に位置決めされた状態を示している。この状態において、照明光学系ILからの照明光ELが、テストマスクTMの回折格子パターン部41を経て回折され、投影光学系PLを介して、回折部材MDの回折格子パターン部42に入射する。回折格子パターン部42を経て発生した回折光は、光検出部11の受光面11aにシアリング干渉の干渉縞を形成する。
光検出部11の受光面11aに形成された干渉縞の強度分布の情報は、計測部12に供給される。計測部12は、複数画像の強度情報から計算されたシアリング波面の位相分布を求め、その位相分布から投影光学系PLの波面収差を求める。また、必要に応じて、ウェハステージWSの作用により回折部材MDをXY平面に沿って二次元的にステップ移動させつつ、投影光学系PLの有効結像領域内の複数の点に関する波面収差を順次計測する。
投影光学系PLの波面収差は、例えば投影光学系PLの射出瞳面でのツェルニケ多項式(Zernike)で表される。ツェルニケ多項式は、射出瞳面で規格化された円形エリア内での正規直交関数系列である。ツェルニケ多項式の各項の係数は、ツェルニケ係数(収差係数)と呼ばれ、投影光学系の結像性能を評価する指標として用いられる。以下、波面収差の瞳面内の分布を表すツェルニケ多項式について基本的な事項を説明する。
ツェルニケ多項式の表現では、瞳面での座標系として瞳極座標(ρ,θ)を用い、直交関数系としてツェルニケの円筒関数を用いる。すなわち、波面収差W(ρ,θ)は、ツェルニケの円筒関数Zi(ρ,θ)を用いて、次の式(a)に示すように展開される。
W(ρ,θ)=ΣCi・Zi(ρ,θ)
=C1・Z1(ρ,θ)+・・・+Cn・Zn(ρ,θ) (a)
ここで、Ciは、ツェルニケ多項式の各項の係数、すなわちツェルニケ係数(以下、「収差係数」ともいう)である。以下、ツェルニケ多項式の各項の関数系Zi(ρ,θ)のうち、第1項〜第36項にかかる関数Z1〜Z36を、次の表(1)に示す。
表(1)
Z1:1
Z2:ρcosθ
Z3:ρsinθ
Z4:2ρ2−1
Z5:ρ2cos2θ
Z6:ρ2sin2θ
Z7:(3ρ2−2)ρcosθ
Z8:(3ρ2−2)ρsinθ
Z9:6ρ4−6ρ2+1
Z10:ρ3cos3θ
Z11:ρ3sin3θ
Z12:(4ρ2−3)ρ2cos2θ
Z13:(4ρ2−3)ρ2sin2θ
Z14:(10ρ4−12ρ2+3)ρcosθ
Z15:(10ρ4−12ρ2+3)ρsinθ
Z16:20ρ6−30ρ4+12ρ2−1
Z17:ρ4cos4θ
Z18:ρ4sin4θ
Z19:(5ρ2−4)ρ3cos3θ
Z20:(5ρ2−4)ρ3sin3θ
Z21:(15ρ4−20ρ2+6)ρ2cos2θ
Z22:(15ρ4−20ρ2+6)ρ2sin2θ
Z23:(35ρ6−60ρ4+30ρ2−4)ρcosθ
Z24:(35ρ6−60ρ4+30ρ2−4)ρsinθ
Z25:70ρ8−140ρ6+90ρ4−20ρ2+1
Z26:ρ5cos5θ
Z27:ρ5sin5θ
Z28:(6ρ2−5)ρ4cos4θ
Z29:(6ρ2−5)ρ4sin4θ
Z30:(21ρ4−30ρ2+10)ρ3cos3θ
Z31:(21ρ4−30ρ2+10)ρ3sin3θ
Z32:(56ρ6−104ρ4+60ρ2−10)ρ2cos2θ
Z33:(56ρ6−104ρ4+60ρ2−10)ρ2sin2θ
Z34:(126ρ8−280ρ6+210ρ4−60ρ2+5)ρcosθ
Z35:(126ρ8−280ρ6+210ρ4−60ρ2+5)ρsinθ
Z36:252ρ10−630ρ8+560ρ6−210ρ4+30ρ2−1
本出願人は、回折部材MDの回折格子パターン部42が開口数(NA)の大きい収束光(あるいは発散光)の光路中に配置されるため、復元波面において回折格子パターン部42に起因する波面収差の計測誤差が発生することを、典型的な設計にしたがう無収差の投影光学系に対する電磁場計算(電磁場シミュレーション)によって確認した。具体的には、図5に示すように、波面収差の各成分のうち、関数Z4、Z9、Z16およびZ25に対応する球面収差成分の計測誤差、並びに関数Z17およびZ28に対応する4θ成分の計測誤差の発生が顕著である。
図5において、縦軸は収差係数Ciを光の波長λを用いて表しており、横軸はツェルニケ多項式の各項の関数Ziを示している。ちなみに、球面収差成分に対応する関数Z4、Z9、Z16およびZ25は、角度θを含むことなくρだけを含む関数である。4θ成分に対応する関数Z17およびZ28は、cos4θを含む関数である。
従来、回折格子に起因する計測誤差の影響は無視され、これらの計測誤差を考慮した波面収差の計測結果の校正は行われてこなかった。しかしながら、半導体素子のようなデバイスの微細化に伴って投影光学系の高NA化が進み、回折格子に起因する計測誤差が大きくなる傾向がある。また、デバイスの微細化の要求に応えるには、投影光学系の収差を高精度に計測して残存収差ができるだけ小さくなるように光学調整する必要があるため、回折格子に起因する計測誤差は無視できないレベルになりつつある。
回折格子に起因する計測誤差を電磁場計算によって補正するには、回折格子などの屈折率を正確に知る必要がある。しかしながら、回折格子の屈折率分布は空間的に均一ではなく、一般的に回折格子の屈折率分布を精度良く計測することは困難である。従って、電磁場計算ではなく、光学的な手法を用いて、回折格子に起因する計測誤差を正確に把握して波面収差の計測結果を校正することが求められる。
本出願人は、典型的な設計にしたがう無収差の投影光学系に対する電磁場シミュレーションを行うことにより、図6および図7に示すように、投影光学系の像面またはその近傍に配置される回折部材の回折格子パターン部の厚さに比例して球面収差成分の計測誤差が発生することを確認した。図6は、回折格子パターン部の厚さに起因して発生する関数Z4の球面収差成分の計測誤差を示す図である。図7は、回折格子パターン部の厚さに起因して発生する関数Z9の球面収差成分の計測誤差を示す図である。
図6および図7において、縦軸は収差係数C4およびC9を光の波長λを用いて表しており、横軸は回折格子パターン部の厚さ(μm)を示している。また、図示を省略したが、本出願人は、投影光学系の像面またはその近傍に配置される回折部材の回折格子パターン部の矩形構造に起因して(すなわち回折格子パターン部の向きに起因して)4θ成分の計測誤差が発生することを確認した。
そこで、本実施形態の波面収差計測装置1は、投影光学系PLの波面収差の計測結果の校正のために、投影光学系PLの像面またはその近傍に配置可能な校正用の回折部材CDを備えている。回折部材CDには、図8に示すように、例えば回折格子パターン部42と同様のパターン形態を有する5つの回折格子パターン部43,44,45,46,47と、これらの回折格子パターン部43〜47を包囲する遮光領域40とが設けられている。
校正用の回折部材CDは、収差計測用の回折部材MDと同様に、例えば石英または蛍石により形成された光透過性の基板に、クロムのような遮光性材料からなる帯状の遮光部および遮光領域40を設けることにより形成されている。以下、説明を簡単にするために、回折格子パターン部43〜47は、互いに同じパターン構成、例えば回折格子パターン部42と同じパターン構成を有するものとする。
ただし、図9に示すように、回折格子パターン部43,44,45は、互いに異なる厚さt1,t2,t3を有する。また、図示を省略したが、回折格子パターン部43(あるいは44または45)と46と47とは互いに同じ厚さを有し、回折格子パターン部46は回折格子パターン部43を図8中時計廻りに45度回転させて得られる形態を有し、回折格子パターン部47は回折格子パターン部43を図8中時計廻りに22.5度回転させて得られる形態を有する。すなわち、回折格子パターン部46、47は、回折格子パターン部43に対して格子の配列方向(向き)が異なっている。なお、回折格子パターン部43〜47の厚さは、干渉顕微鏡、接触式の厚み計測器などを用いて計測することができる。
以下、投影光学系PLの波面収差のうち、球面収差成分の計測結果の校正について説明する。本実施形態では、球面収差成分の計測結果の校正に際して、校正用の回折部材CDの回折格子パターン部43を投影光学系PLの直下の所要位置に設置する。この状態において、照明光学系ILからの照明光ELが、テストマスクTMの回折格子パターン部41を経て回折され、投影光学系PLを介して、回折部材CDの回折格子パターン部43に入射する。回折格子パターン部43を経て発生した回折光は、光検出部11の受光面11aに干渉縞を形成する。
光検出部11の受光面11aに形成された干渉縞の強度分布の情報は、計測部12に供給される。計測部12は、光検出部11から供給された強度分布の情報に基づいて、投影光学系PLの波面収差を求める。回折部材CDの回折格子パターン部43を用いて得られた波面収差の計測結果は、回折格子パターン部43の厚さt1に起因した球面収差成分の計測誤差を含んでいる。
同様に、回折格子パターン部44および45が投影光学系PLの直下の所要位置に順次設置されるように、回折部材CDをXY平面に沿ってステップ移動させつつ、回折格子パターン部44および45を経て形成された干渉光に基づいて、投影光学系PLの波面収差を順次求める。回折部材CDの回折格子パターン部44および45を用いて得られた波面収差の計測結果は、回折格子パターン部44の厚さt2および回折格子パターン部45の厚さt3に起因した球面収差成分の計測誤差を含んでいる。
計測部12では、例えば図6および図7に示すようなグラフにおいて、球面収差成分の収差係数を縦軸に取り、回折格子パターン部の厚さを横軸に取って、回折格子パターン部43〜45を用いて得られた球面収差成分(例えば関数Z4,Z9,Z16,Z25に対応する各球面収差成分)の計測値をプロットする。そして、複数のプロット点(この実施形態の場合、関数Z4,Z9,Z16,Z25について3点づつ)をほぼ結ぶように近似された直線を引き、この直線が縦軸と交わる収差係数値(例えば収差係数C4,C9,C16,C25の値)、すなわち回折格子パターン部の厚さが0のときに得られるであろう球面収差成分の計測値を求める。3つ以上のプロット点に対する近似直線は、例えば最小二乗フィッティングの手法を用いて得られる。
回折格子パターン部の厚さが0のときに得られるであろう球面収差成分の計測値は、回折格子パターン部の厚さに起因して(厚さに比例して)発生する計測誤差を取り除いた球面収差成分、すなわち計測誤差を含まない本来の球面収差成分に他ならない。計測部(校正部)12は、校正用の回折部材CDにおいて互いに厚さの異なる3つの回折格子パターン部43〜45を用いて得られた各計測値および本来の球面収差成分に基づいて、収差計測用の回折部材MDの回折格子パターン部42により得られた波面収差の計測結果のうち、例えば関数Z4,Z9,Z16,Z25に対応する球面収差成分の計測結果を校正する。
次いで、投影光学系PLの波面収差のうち、4θ成分の計測結果の校正について説明する。本実施形態では、4θ成分の計測結果の校正に際して、校正用の回折部材CDにおいて互いに向きの異なる2つの回折格子パターン部43および46を用いる。すなわち、回折格子パターン部43および46が投影光学系PLの直下の所要位置に順次設置されるように、回折部材CDをXY平面に沿ってステップ移動させつつ、回折格子パターン部43および46を経て形成された干渉光に基づいて、投影光学系PLの波面収差を順次求める。
回折格子パターン部43の矩形構造に起因して発生する計測誤差を含んだ4θ成分の収差係数(例えば収差係数C17,C28)のcos成分Acおよびsin成分Asは、以下の式(1)および(2)で表される。式(1)および(2)において、Gcは回折格子パターン部43,46に起因して発生する4θ成分の計測誤差量であり、PcおよびPsは投影光学系PLの計測誤差を含まない本来のcos4θ成分およびsin4θ成分である。収差係数のcos成分Acおよびsin成分Asは、回折格子パターン部43を用いて得られる計測値である。
Ac=Pc+Gc (1)
As=Ps (2)
一方、回折格子パターン部43と同じ厚さを有し且つ回折格子パターン部43を45度回転させた形態を有する回折格子パターン部46の矩形構造に起因して発生する計測誤差を含んだ4θ成分の収差係数のcos成分Bcおよびsin成分Bsは、以下の式(3)および(4)で表される。収差係数のcos成分Bcおよびsin成分Bsは、回折格子パターン部46を用いて得られる計測値である。
Bc=Pc−Gc (3)
Bs=Ps (4)
計測部12は、上述の式(1)と(2)と(3)と(4)とを連立させて、回折格子パターン部43,46に起因して発生する4θ成分の計測誤差量Gcを消去し、回折格子パターン部の向きに起因して発生する計測誤差を取り除いたcos4θ成分Pcおよびsin4θ成分Ps、すなわち計測誤差を含まない本来の4θ成分を求める。すなわち、計測部(校正部)12は、校正用の回折部材CDにおいて互いに向きの異なる2つの回折格子パターン部43,46を用いて得られた各計測値および本来の4θ成分に基づいて、収差計測用の回折部材MDの回折格子パターン部42により得られた波面収差の計測結果のうち、例えば関数Z17,Z28に対応する4θ成分の計測結果を校正する。
なお、上述の説明では、45度だけ異なる向きに設けられた回折格子パターン部43と46とを用いている。しかしながら、一般的には、(2n+1)×45度(n=0,±1,±2,・・・)だけ異なる向きに設けられた一対の回折格子パターン部を用いて、回折格子パターン部43と46とを用いる例と同様の効果を得ることができる。また、22.5度だけ異なる向きに設けられた回折格子パターン部43と47とを用いて、4θ成分の計測結果の校正を行うことができる。
回折格子パターン部43と同じ厚さを有し且つ回折格子パターン部43を22.5度回転させた形態を有する回折格子パターン部47の矩形構造に起因して発生する計測誤差を含んだ4θ成分の収差係数のcos成分Bcおよびsin成分Bsは、以下の式(5)および(6)で表される。収差係数のcos成分Bcおよびsin成分Bsは、回折格子パターン部47を用いて得られる計測値である。
Bc=Pc (5)
Bs=Ps+(−1)n+1×Gc (6)
計測部12は、上述の式(1)と(2)と(5)と(6)とを連立させて、回折格子パターン部の向きに起因して発生する計測誤差を取り除いたcos4θ成分Pcおよびsin4θ成分Ps、すなわち計測誤差を含まない本来の4θ成分を求める。すなわち、計測部12は、校正用の回折部材CDにおいて互いに向きの異なる2つの回折格子パターン部43,47を用いて得られた各計測値および本来の4θ成分に基づいて、収差計測用の回折部材MDの回折格子パターン部42により得られた波面収差の計測結果のうち、例えば関数Z17,Z28に対応する4θ成分の計測結果を校正する。
なお、上述の説明では、22.5度だけ異なる向きに設けられた回折格子パターン部43と46とを用いている。しかしながら、一般的には、(2n+1)×22.5度(n=0,±1,±2,・・・)だけ異なる向きに設けられた一対の回折格子パターン部を用いて、回折格子パターン部43と47とを用いる例と同様の効果を得ることができる。
本実施形態の波面収差計測装置1では、回折格子に起因する計測誤差の影響を抑えて、投影光学系PLの波面収差を高精度に計測することができる。本実施形態の露光装置では、波面収差計測装置1を用いて投影光学系PLの波面収差を随時高精度に計測し、必要に応じて投影光学系PLを光学調整して波面収差を許容範囲内に抑えることができる。その結果、波面収差の調整された投影光学系PLを介して、マスクMのパターンをウェハWに正確に転写することができる。
上述の実施形態では、波面収差計測装置1が収差計測用の回折部材MDと校正用の回折部材CDとを別々に備えている。しかしながら、これに限定されることなく、1つの回折部材を収差計測用と校正用とに併用することもできる。すなわち、単一の回折部材に設けられた複数の校正用の回折格子パターン部のうちの1つを、収差計測用の回折格子パターン部として用いる形態も可能である。収差計測用の回折部材と校正用の回折部材とを別々に備える構成では、2つの回折部材におけるパターンの成膜工程をほぼ同時に行うことにより、製造時の変動要因を受けにくくすることができる。
また、上述の実施形態では、投影光学系PLの波面収差の計測および校正に際して、回折格子パターン部41が設けられたテストマスクTMを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、1つまたは複数の微小開口(ピンホール)が設けられたテストマスクを用いても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上述の実施形態では、投影光学系PLの像面またはその近傍に校正用の回折部材CDを設置している。しかしながら、これに限定されることなく、投影光学系PLの像面にミラーを配置し、このミラーで反射され且つ投影光学系PLを再度通過した光を校正用の回折部材により回折させても良い。
また、上述の実施形態では、波面収差計測装置1がウェハステージWSに装着されている。しかしながら、これに限定されることなく、ウェハステージWSの外部に波面収差計測装置1の全体を設けても良い。また、波面収差計測装置1をウェハステージWSとは異なる別のステージに設けても良い。
また、上述の実施形態では、193nmの波長のArFエキシマレーザ光を用いる液浸タイプの露光装置に搭載された投影光学系の波面収差の計測に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、様々な波長の露光光を用いる乾燥タイプまたは液浸タイプの露光装置に搭載された投影光学系の波面収差の計測に対しても同様に本発明を適用することができる。また、露光装置に搭載された投影光学系に限定されることなく、例えば露光装置に搭載される前の単体の投影光学系、露光装置から取り外された単体の投影光学系、さらに露光装置に用途が限定されない一般の被検光学系(屈折光学系、反射屈折光学系、反射光学系)に対しても同様に本発明を適用することができる。
上述の実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含む空間光変調素子を用いることができる。空間光変調素子を用いた露光装置は、たとえば米国特許公開第2007/0296936号公報に開示されている。また、上述のような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行っても良い。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図10は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図10に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の投影露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。
その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の投影露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の投影露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを感光性基板としてパターンの転写を行う。
図11は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図11に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の投影露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
1 波面収差計測装置
11 光検出部
12 計測部
LS 光源
IL 照明光学系
MD 収差計測用の回折部材
CD 校正用の回折部材
M マスク
TM テストマスク
MS マスクステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
CR 主制御系

Claims (13)

  1. 被検光学系の波面収差を計測する波面収差計測装置において、
    互いに厚さまたは向きの異なる複数の回折格子パターン部を有し、前記被検光学系の像面またはその近傍に配置可能な校正用回折部材と、
    前記被検光学系および各回折格子パターン部を経て形成された各干渉光に基づいて、前記被検光学系の波面収差の計測結果を校正する校正部とを備えていることを特徴とする波面収差計測装置。
  2. 前記校正用回折部材は、第1の厚さを有する第1回折格子パターン部と、前記第1の厚さとは異なる第2の厚さを有する第2回折格子パターン部とを有し、
    前記校正部は、前記第1回折格子パターン部を経て形成された第1干渉光に対応する波面収差の第1計測値と、前記第2回折格子パターン部を経て形成された第2干渉光に対応する波面収差の第2計測値とに基づいて、前記被検光学系の波面収差のうち球面収差成分の計測結果を校正することを特徴とする請求項1に記載の波面収差計測装置。
  3. 前記校正用回折部材は、第1の向きに設けられた第3回折格子パターン部と、前記第1の向きとは所定の角度だけ異なる第2の向きに設けられた第4回折格子パターン部とを有し、
    前記校正部は、前記第3回折格子パターン部を経て形成された第3干渉光に対応する波面収差の第3計測値と、前記第4回折格子パターン部を経て形成された第4干渉光に対応する波面収差の第4計測値とに基づいて、前記被検光学系の波面収差のうち4θ成分の計測結果を校正することを特徴とする請求項1または2に記載の波面収差計測装置。
  4. 前記第3回折格子パターン部と前記第4回折格子パターン部とは互いに同じ厚さを有することを特徴とする請求項3に記載の波面収差計測装置。
  5. 前記所定の角度は、nを整数とするとき、(2n+1)×45度または(2n+1)×22.5度で表される角度であることを特徴とする請求項3または4に記載の波面収差計測装置。
  6. 被検光学系の波面収差を計測する波面収差計測装置の校正方法において、
    互いに厚さまたは向きの異なる複数の回折格子パターン部を、前記被検光学系の像面またはその近傍に配置し、
    前記被検光学系および各回折格子パターン部を経て形成された各干渉光に基づいて、前記被検光学系の波面収差の計測結果を校正することを特徴とする波面収差計測装置の校正方法。
  7. 前記複数の回折格子パターン部として、第1の厚さを有する第1回折格子パターン部、および前記第1の厚さとは異なる第2の厚さを有する第2回折格子パターン部を用い、
    前記第1回折格子パターン部を経て形成された第1干渉光に対応する波面収差の第1計測値と、前記第2回折格子パターン部を経て形成された第2干渉光に対応する波面収差の第2計測値とに基づいて、前記被検光学系の波面収差のうち球面収差成分の計測結果を校正することを特徴とする請求項6に記載の波面収差計測装置の校正方法。
  8. 前記複数の回折格子パターン部として、第1の向きに設けられた第3回折格子パターン部、および前記第1の向きとは所定の角度だけ異なる第2の向きに設けられた第4回折格子パターン部を用い、
    前記第3回折格子パターン部を経て形成された第3干渉光に対応する波面収差の第3計測値と、前記第4回折格子パターン部を経て形成された第4干渉光に対応する波面収差の第4計測値とに基づいて、前記被検光学系の波面収差のうち4θ成分の計測結果を校正することを特徴とする請求項6または7に記載の波面収差計測装置の校正方法。
  9. 前記第3回折格子パターン部と前記第4回折格子パターン部とは互いに同じ厚さを有することを特徴とする請求項8に記載の波面収差計測装置の校正方法。
  10. 前記所定の角度は、nを整数とするとき、(2n+1)×45度または(2n+1)×22.5度で表される角度であることを特徴とする請求項8または9に記載の波面収差計測装置の校正方法。
  11. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の波面収差計測装置を備え、
    前記被検光学系の物体面に設置された所定のパターンを、前記被検光学系の像面に設置された感光性基板に露光することを特徴とする露光装置。
  12. 請求項6乃至10のいずれか1項に記載の波面収差計測装置の校正方法により校正された波面収差情報を用いて前記被検光学系を調整し、
    前記被検光学系の物体面に設置された所定のパターンを、前記被検光学系の像面に設置された感光性基板に露光することを特徴とする露光方法。
  13. 請求項11に記載の露光装置または請求項12に記載の露光方法を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光することと、
    前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
    前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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