JP2013004173A - 薄膜リチウム二次電池の製造方法、基板処理装置、及び薄膜リチウム二次電池 - Google Patents

薄膜リチウム二次電池の製造方法、基板処理装置、及び薄膜リチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】容量の低下を抑えつつ、歩留まりを高めることのできる薄膜リチウム二次電池の製造方法、基板処理装置、及び薄膜リチウム二次電池を提供する。
【解決手段】薄膜リチウム二次電池の製造方法は、コバルト酸リチウムからなる正極層を集電体層の形成された基板S上に成膜する成膜工程と、正極層を加熱してコバルト酸リチウムの結晶化を進める結晶化工程とを備えている。結晶化工程では、正極層の温度を第1温度で維持することにより、正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化を進める第1加熱工程と、第1加熱工程の後に第1温度よりも高い第2温度で正極層の温度を維持することにより、高温相コバルト酸リチウムの結晶化を正極層で進める第2加熱工程とを備えている。
【選択図】図2

Description

この発明は、コバルト酸リチウム(LiCoO:LCO)からなる正極層を有する薄膜リチウム二次電池の製造方法、該製造方法にて実施される基板処理を行う基板処理装置、及び該製造方法にて製造される薄膜リチウム二次電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の携帯電子機器の小型化、高性能化が進むにつれて、これら機器そのものだけでなく、電源として用いられる二次電池の小型化、高性能化も求められている。そこで、他の様式の電池と比較して、エネルギー密度が高い、理論容量が大きい、サイクル特性がよい等の多数の利点を有するリチウム二次電池が注目されている。中でも、例えば特許文献1に記載のように、窒化リン酸リチウム(LiPO:LiPON)の固体を電解質として用いた薄膜リチウム二次電池は、可燃性の有機溶媒を電解質として用いたリチウム二次電池と比較して高い安全性を有している。そのため、薄膜リチウム二次電池の小型化、高性能化や、薄膜リチウム二次電池の量産化に関する技術の開発が盛んに行われている。こうした薄膜リチウム二次電池について、図7を参照して以下に説明する。
図7に示されるように、薄膜リチウム二次電池40の基体である例えばガラスからなる基板41の上面には、正極集電体層42と負極集電体層43とが、互いに離れた位置に積層されている。正極集電体層42上の一部には、正極層44が積層され、また正極層44の表面のうち正極集電体層42上にて露出された部分には、該部分の全体を覆う固体電解質層45が、負極集電体層43上まで延びるように積層されている。また、固体電解質層45の上面には、該上面を覆う負極層46が、負極集電体層43上まで延びるように積層されている。そして、負極層46、固体電解質層45、及び正極層44のうち基板41上に露出された全体には、例えば樹脂からなる保護層47が、正極集電体層42の端部及び負極集電体層43の端部が露出するように積層されている。
なお、正極集電体層42、正極層44、固体電解質層45、負極層46、負極集電体層43は、例えばこの順にPtTi、LCO、LiPON、Li、NiCrとして具体化される。
こうした薄膜リチウム二次電池40のうち、その容量を左右する上記正極層44は、例えば特許文献2に記載の以下の方法にて形成されている。つまり、公知の成膜方法、例えばコバルト酸リチウムのターゲットを不活性ガスにてスパッタするスパッタ法等によって、まずアモルファス状のLCO層が成膜される。そして、成膜されたLCO層が高速アニール(Rapid Thermal Anneal :RTA)によって結晶化されることによって、正極層44が形成される。こうした結晶化を行うことにより、薄膜リチウム二次電池40の容量を高めることのできる正極層44を形成することができる。
米国特許5597660号明細書 特表2008−523567号公報
上述のように、正極層44であるLCO層をRTAで結晶化することによって、薄膜リチウム二次電池40の高容量化と、正極層44の形成にかかる時間を短くすることができる。しかしながら、上述のような高容量化と時間短縮とを兼ねる条件にてLCO層に対してRTAを行うと、RTA中にLCO層が割れて基板41から剥がれたり、RTAの終了時にはLCO層が割れていなくとも、薄膜リチウム二次電池40の使用中にLCO層が割れて基板41から剥がれたりすることが少なくない。
正極層44であるLCO層が基板41から剥がれてしまうと、薄膜リチウム二次電池40の放充電機能が損なわれてしまうことから、上述したLCO層の剥がれは、薄膜リチウム二次電池40の歩留まりや耐久性を低下させる要因となっている。ちなみに、本発明者らの実験によれば、RTA時のアニール温度を低くすることでLCO層の剥がれを抑えることが認められたものの、薄膜リチウム二次電池の容量が低下するため、上述のような高容量の薄膜リチウム二次電池40とすることが困難になる。
なお、こうした問題は、上記RTAを用いてLCO層を加熱した場合に限らず、例えば電磁波による誘導加熱、電気炉による加熱、及びレーザ照射による加熱等、他の方法によってLCO層を加熱した場合でも概ね共通するものである。また、こうした問題は、正極層44の積層される固体電解質層45の形成材料がLiPONである場合に限らず、LiPON以外の材料で形成される場合にも概ね共通するものである。さらに、こうした正極層44の膜応力に起因した剥がれは、正極層44と正極集電体層42との間でも概ね共通するものであり、たとえ上述した構造と異なる積層構造であっても、正極層44が含まれる以上、いずれかの層間にて概ね認められるものである。
この発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容量の低下を抑えつつ、歩留まりを高めることのできる薄膜リチウム二次電池の製造方法、基板処理装置、及び薄膜リチウム二次電池を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、コバルト酸リチウムからなる正極層を基板上に成膜する成膜工程と、前記正極層を加熱してコバルト酸リチウムの結晶化を進める結晶化工程とを備える薄膜リチウム二次電池の製造方法であって、前記結晶化工程は、前記正極層の温度を第1温度で維持することにより、前記正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化を進める第1加熱工程と、前記第1加熱工程の後に前記第1温度よりも高い第2温度で前記正極層の温度を維持することにより、高温相コバルト酸リチウムの結晶化を前記正極層で進める第2加熱工程とを備えることを要旨とする。
コバルト酸リチウムは、相対的に低い温度で加熱することにより、低温相コバルト酸リチウムとして結晶化するとともに、相対的に高い温度で加熱することにより、高温相コバルト酸リチウムとして結晶化することが知られている。
請求項1に記載の発明では、正極層を加熱する際に、まず、加熱温度を第1温度で維持することによって、正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化を進めた後に、加熱温度を第1温度よりも高い第2温度で維持することにより、正極層で高温相コバルト酸リチウムの結晶化を進めるようにしている。そのため、正極層の全てを一度に高温相コバルト酸リチウムに結晶化するような加熱と比較して、正極層に生じる膜応力を低下させることができる。それゆえに、正極層が基板から剥がれることを抑えられる。また、第1温度のみで加熱した場合と比較して、正極層を有する薄膜リチウム二次電池の容量を高めることができる。したがって、上記請求項1に記載の発明によれば、薄膜リチウム二次電池の容量の低下を抑えつつ、該薄膜リチウム二次電池の製造の歩留まりを高めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄膜リチウム二次電池の製造方法において、前記結晶化工程は、前記低温相コバルト酸リチウムが前記正極層に占める割合よりも、前記高温相コバルト酸リチウムが前記正極層に占める割合を大きくすることを要旨とする。
コバルト酸リチウムからなる正極層では、該正極層に占める低温相コバルト酸リチウムの割合が上昇するにしたがって、薄膜リチウム二次電池の容量が小さくなる。また、コバルト酸リチウムは、一旦、低温相コバルト酸リチウムとして結晶化されてしまうと、アモルファスの状態から高温相コバルト酸リチウムとして結晶化されるよりも、高温相コバルト酸リチウムの結晶になりにくい。
そこで、請求項2に記載の発明では、正極層に対して第1温度での加熱及び第2温度での加熱を行うに当たり、低温相コバルト酸リチウムよりも高温相コバルト酸リチウムの正極層に占める割合を大きくする。そのため、低温相コバルト酸リチウムを形成することで、正極層に生じる膜応力を低下させつつ、高温相コバルト酸リチウムによって薄膜リチウム二次電池の容量の低下を抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の薄膜リチウム二次電池の製造方法において、前記第1温度は、400℃以上500℃以下であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明では、第1温度を400℃以上500℃以下としていることから、第1加熱工程では、高温相コバルト酸リチウムの結晶化が進行し難くなる一方、正極層の一部が、より低温相コバルト酸リチウムとして結晶化されやすくなる。そのため、正極層が基板から剥がれることをより抑えられる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜リチウム二次電池の製造方法において、前記基板は、ガラス基板であり、前記第1温度は、400℃以上500℃以下であり、前記第2温度は、660℃以下であり、前記第2加熱工程の期間は、前記第1加熱工程の期間よりも大きいことを要旨とする。
請求項4に記載の発明では、薄膜リチウム二次電池の有する基板がガラス基板であるときに、第2温度を該ガラス基板の歪点未満の温度である660℃以下としていることから、基板の変形を抑えることができる。また、第1加熱工程を、400℃以上500℃以下で第2加熱工程よりも短時間で行うようにしているため、正極層中に低温相コバルト酸リチウムを形成しつつも、該低温相コバルト酸リチウムが正極層を形成する結晶中で支配的になることを抑えられる。そのため、正極層が基板から剥がれること、及び薄膜リチウム二次電池の容量が低下することを抑えられる。
請求項5に記載の発明は、コバルト酸リチウムからなる正極層の形成された基板を収容する真空槽と、前記真空槽内の前記基板を加熱する加熱部とを備える基板処理装置であって、前記加熱部は、前記正極層の温度を第1温度で維持することにより、前記正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化を進めた後に、前記第1温度よりも高い第2温度で前記正極層の温度を維持することにより、高温相コバルト酸リチウムの結晶化を前記正極層で進めることを要旨とする。
請求項5に記載の発明では、加熱部が、正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化を進めた後に、正極層で高温相コバルト酸リチウムの結晶化を進めるようにしている。そのため、正極層の全てを一度に高温相コバルト酸リチウムに結晶化するような加熱と比較して、正極層に生じる膜応力を低下させることができる。それゆえに、正極層が基板から剥がれることを抑えられる。また、加熱部が、正極層を第1温度のみで加熱した場合と比較して、正極層を有する薄膜リチウム二次電池の容量を高めることができる。したがって、上記請求項5に記載の発明によれば、薄膜リチウム二次電池の容量の低下を抑えつつ、該薄膜リチウム二次電池の製造の歩留まりを高めることができる。
請求項6に記載の発明は、コバルト酸リチウムからなる正極層を基板上に成膜する成膜工程と、前記正極層を加熱してコバルト酸リチウムの結晶化を進める結晶化工程とにより形成された正極層を有する薄膜リチウム二次電池であって、前記結晶化工程では、前記正極層の温度を第1温度で維持することにより、前記正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化が進められる第1加熱工程と、前記第1加熱工程の後に前記第1温度よりも高い第2温度で前記正極層の温度を維持することにより、高温相コバルト酸リチウムの結晶化を前記正極層で進める第2加熱工程とが行われることを要旨とする。
請求項6に記載の発明では、薄膜リチウム二次電池の有する正極層が、加熱温度を第1温度で維持することによって、該正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムが結晶化された後に、加熱温度を第1温度よりも高い第2温度で維持することにより、正極層で高温相コバルト酸リチウムの結晶化されるようにしている。そのため、正極層では、その全てを一度に高温相コバルト酸リチウムに結晶化するように加熱される場合と比較して、膜応力が低下する。それゆえに、正極層が基板から剥がれることを抑えられる。また、第1温度のみで加熱した場合と比較して、正極層を有する薄膜リチウム二次電池の容量を高めることができる。したがって、上記請求項6に記載の発明によれば、薄膜リチウム二次電池の容量の低下を抑えつつ、該薄膜リチウム二次電池の製造の歩留まりが高められる。
本発明の薄膜リチウム二次電池の製造方法における一実施形態にて用いられるスパッタ装置の全体構成を示す概略図。 本発明の基板処理装置における一実施形態としての加熱装置の全体構成を示す概略図。 LCO層を加熱するときの窒素ガスの供給態様、ランプヒータのオン及びオフの態様、基板温度の変化の態様を示すタイミングチャート。 (a)(b)(c)LCO層の断面構造を撮影したSEM写真。 (a)(b)(c)LCO層の表面を撮影した写真。 (a)(b)(c)薄膜リチウム二次電池の充放電特性を示すグラフ。 薄膜リチウム二次電池の断面構造を示す断面図。
以下、本発明の薄膜リチウム二次電池の製造方法の一実施形態、本発明の基板処理装置の一実施形態としての高速アニール(RTA)装置、及び薄膜リチウム二次電池の一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
[スパッタ装置]
まず、薄膜リチウム二次電池の製造に用いられる成膜装置であって、薄膜リチウム二次電池の正極層であるコバルト酸リチウム(LCO)層を成膜するスパッタ装置について図1を参照して説明する。図1に示されるように、スパッタ装置10の有する有底円筒状の真空槽11内には、処理対象物である基板Sを載置できる円筒状の基板ステージ12が配置されている。真空槽11は接地電位に接続される一方、基板ステージ12は浮遊電位とされており、そのため、該基板ステージ12に載置された基板Sも浮遊電位となる。基板ステージ12に載置される基板Sとは、角板状のガラス基板に対して正極集電体層及び負極集電体層であるチタン層と白金層とが順に積層されたものである。
基板ステージ12の上方には、真空槽11を封止するバッキングプレート13を介してLCOからなるターゲット14が、基板Sと対向するように設置されている。ターゲット14の直径は例えば300mmであり、また、ターゲット14と基板との距離であるTS距離は例えば60mmである。
バッキングプレート13には、ターゲット14に対して高周波電力を供給する高周波電源RFが、該高周波電源RFの出力インピーダンスとその負荷の入力インピーダンスとを整合させるマッチングボックスMを介して接続されている。また、同バッキングプレート13には、ターゲット14に対して直流電力を供給する直流電源DCが、LCフィルタFを介して接続されている。これら高周波電源RFと直流電源DCとは、バッキングプレート13に対して並列に接続されている。高周波電源RFは例えば13.56MHzの周波数の高周波電力をバッキングプレート13に対して出力し、他方、直流電源DCは負の電圧を同バッキングプレート13に印加する。また、バッキングプレート13におけるターゲット14とは反対側には、ターゲット14の表面に垂直磁場を形成するマグネット15が搭載されている。
上記真空槽11に貫通形成された排気口11aには、真空槽11内の流体を真空槽11外に排気する排気部16が接続されている。排気部16は、例えば真空槽11内の圧力を調節するバルブや、ターボ分子ポンプ及びドライポンプ等の真空ポンプによって構成されている。
同じく真空槽11に貫通形成されたガス供給口11bには、真空槽11内にスパッタガスである例えばアルゴンガスを供給するスパッタガス供給部17が接続されている。スパッタガス供給部17は、アルゴンガスの貯蔵されたボンベに接続されるマスフローコントローラであって、真空槽11に供給するアルゴンガスの流量を調節する。
[スパッタ装置の作用]
スパッタ装置10にて成膜工程としての基板Sに対するLCO層の積層が行われるときには、まず、上記排気部16が真空槽11内の流体を排気することによって、真空槽11内の圧力が所定圧力にまで減圧される。そして、基板Sが図示しない搬出入口から真空槽11内に搬入されると、基板Sが基板ステージ12に載置される。
基板Sが基板ステージ12に載置されると、スパッタガス供給部17が、例えば49sccmの流量で真空槽11内にアルゴンガスを供給する。これにより、真空槽11内の圧力は、スパッタガス供給部17のガス供給量と排気部16の排気流量とによって、例えば0.8Paとされる。
真空槽11内にアルゴンガスが供給されると、高周波電源RFがバッキングプレート13に対して例えば400Wの高周波電力を供給するとともに、直流電源DCが同バッキングプレート13に対して例えば2300Wの直流電力を供給する。これにより、ターゲット14周辺のアルゴンガスからプラズマが生成され、そして、プラズマ中に含まれるアルゴンイオンが、ターゲット14の表面に衝突することによって、LCO粒子がターゲット14から弾き出される。このLCO粒子が、上記基板Sの表面に到達することによって、該基板S上に例えば3μmの厚さを有したLCO層が積層される。
このとき、ターゲット14には、高周波電圧に直流電圧が重畳した電圧が印加されるため、ターゲット14の電位が接地電位である真空槽11に対して負になりやすくなる。これにより、上記アルゴンイオンが、ターゲット14ではなく真空槽11に衝突することを抑えられる。また、基板ステージ12及び基板Sが浮遊電位であるため、上記アルゴンイオンが基板S側に引き込まれにくくなることから、基板S上に形成されたLCO層がスパッタされることを抑えられる。
また、ターゲット14に電力が供給されてLCO層が形成されるときには、該基板Sの温調は行われていない。そのため、基板Sの温度は室温であることから、基板S上に積層されたLCO層は、その大部分がアモルファス状である。なお、上記室温とは、JIS z 8703によって規定された試験場所の標準状態における、試験場所の標準状態の温度のことである。また、スパッタによるLCO層の形成中には、基板Sへのスパッタ粒子の衝突により、該基板Sの温度がスパッタ装置10の設置された環境よりも高い温度となる場合もある。本実施形態では、基板Sの温度を室温として成膜するとは、スパッタ装置10の設置された環境の温度が、LCO層の形成を行っている間中、上記温度範囲に維持されている状態を言う。また、こうして形成されたLCO層の大部分は、上述のようにアモルファス状ではあるものの、結晶化したLCO層が含まれていてもよい。
[RTA装置]
次に、薄膜リチウム二次電池の製造に用いられる基板処理装置であって、基板上に積層されたLCO層を加熱するRTA装置について図2を参照して説明する。図2に示されるように、RTA装置20の有する有底円筒状の真空槽21には、該真空槽21の内壁面に沿って反射板22が配置されている。反射板22上であって、該反射板22によって囲まれた空間内には、上記スパッタ装置10にてLCO層の積層された基板Sを保持する載置部23が設置されている。
真空槽21の上方には、上面及び下面の封止された円筒状をなして真空槽21の開口を封止するヒータ槽24が搭載されている。ヒータ槽24の下面には、上記反射板22の断面と同心、且つ同大の円板状であるガラス窓25が嵌め込まれている。ヒータ槽24におけるガラス窓25の上方には、反射カバー26aに覆われた複数の赤外線ランプ26bを有した加熱部としてのランプヒータ26が搭載されている。赤外線ランプ26bから射出された赤外線の一部は、ガラス窓25を介して真空槽11内に到達した後、載置部23上に載置された基板Sに吸収される。あるいは、該赤外線の一部は、真空槽11内の反射板22にて反射された後に基板Sに吸収される。これにより、基板Sが所定の温度にまで加熱される。
上記真空槽21に貫通形成された排気口21aには、該真空槽21内の流体を排気する排気部27が接続されている。排気部27は、上記スパッタ装置10の備える排気部16と同様、真空槽21内の圧力を所定圧力に調節する圧力調整バルブや、ターボ分子ポンプ及びドライポンプ等の真空ポンプから構成されている。
同真空槽21に貫通形成されたガス供給口21bには、真空槽21において基板Sの加熱を行っているときに供給されるガスである加熱ガスを供給する加熱ガス供給部28が接続されている。加熱ガス供給部28は、加熱ガスである窒素ガスを貯蔵するボンベに接続されるマスフローコントローラであって、窒素ガスを真空槽21に対して所定流量で供給する。基板Sの加熱を窒素ガス環境にて行うことにより、基板Sに形成されたLCOと、該LCO上に積層される上記LIPONとの密着性を高めることができる。
[RTA装置の作用]
上記RTA装置20の行う動作のうち、上記基板Sを加熱する加熱動作及びその作用について図3及び図4を参照して以下に説明する。RTA装置20にてLCO層を有する基板Sを加熱する際には、まず、排気部27による真空槽21内の排気が行われることで、真空槽21内の圧力が例えば1×10−6Pa以上1×10−5Pa以下に減圧される。
真空槽21内が減圧されると、図3に示されるように、タイミングt0にて、基板Sが図示しない搬出入口から真空槽21内に搬入され、そして、基板Sが上記載置部23上に載置される。基板Sが真空槽21内に搬入されると、タイミングt1にて、加熱ガス供給部28が温度状態とされることで、窒素ガスが、加熱ガス供給部28から真空槽21に対して供給されることにより、真空槽21内の圧力が、例えば大気圧である1atmにまで上昇する。
真空槽21内の圧力が上昇すると、窒素ガスを500sccmの流量で供給しながら、タイミングt2にて、ランプヒータ26の電源がオンの状態とされる。そして、ランプヒータ26の出力が、タイミングt3までに増大される。これにより、基板Sの温度が、タイミングt2からタイミングt3までの第1上昇期間である例えば2分間で、第1温度である400℃以上500℃以下の所定の温度、例えば400℃にまで上昇する。なお、上記第1温度とは、LCO層においてアモルファスLCOから低温相LCOへの結晶化が進行する温度であり、且つ、アモルファスLCOから高温相LCOへの結晶化が進行しない温度である。また、同温度は、LCO層の全体をアモルファスLCOから低温相LCOに結晶化させるだけの期間にわたってLCO層を加熱したとしても、該LCO層の剥がれが生じない温度でもある。
基板Sの温度が400℃になると、第1加熱工程としてのタイミングt3からタイミングt4までの期間、例えば1分間にわたって、ランプヒータ26の出力が一定の状態に維持されることで、同基板Sの温度が400℃に維持される。
ここで、上述したように、基板Sの有するLCO層は、その大部分がアモルファスの状態で集電体層上に積層されている。アモルファス状のLCOは、所定の温度にまで加熱されることにより結晶化すること、及び加熱時の温度によって結晶化されたときの結晶構造が、低温相LCO及び高温相LCOのいずれかとなることが知られている。低温相LCOは、アモルファス状のLCO層を相対的に低い温度で加熱することにより得られる結晶相であって、スピネル型あるいは立方晶に類似した結晶である。他方、高温相LCOは、アモルファス状のLCO層を相対的に高い温度で加熱することにより得られる結晶相であって、具体的には、層状岩塩型(α−NaFeO型)あるいは菱面体晶と呼ばれる結晶である。なお、LCO層では、一旦低温相LCOとして結晶化した部分を高温相LCOとすることが可能ではあるものの、低温相LCOから高温相LCOへの転移は、アモルファスLCOから低温相LCOへの転移及びアモルファスLCOから高温相LCOへの転移よりも大きな熱エネルギーを要する。
また、低温相LCO及び高温相LCOの電気化学的な特性が現在までに多数報告されている。例えば、J.Electrochem. Soc., Vol. 140, No.3, March 1993によれば低温相LCOは高温相LCOに比べ放電電位が低く、放電容量が低いとの報告がある。低温相LCOは、上記薄膜リチウム二次電池の正極層として用いた場合に、充放電の安定性、サイクル特性、あるいは放電容量等の電気化学的な特性が、高温相LCOを正極層として用いた薄膜リチウム二次電池に劣るとされている。
アモルファス状のLCO層は、上記第1温度で加熱されると、低温相LCOの結晶化が進行する一方、高温相LCOの結晶化は進行しない。また、こうした第1加熱工程の実施される期間とは、薄膜リチウム二次電池に求められる容量に応じて適宜選択されるものであって、低温相LCOの結晶化が進行する期間であり、且つアモルファスLCOが残存する期間である。
なお、LCO層の加熱を開始してから第1加熱工程を開始する直前までの期間である上記タイミングt2からタイミングt3までの期間及び昇温速度は、RTA装置によって適宜選択されるものであって、加熱途中の基板Sの温度がオーバーシュートしたとしても第1温度を超えない期間及び昇温速度であることが好ましい。
基板Sの温度が400℃で維持された後、タイミングt4にてランプヒータ26の出力を大きくすることで、基板Sの温度が再び上昇する。これにより、基板Sの温度が、タイミングt4からタイミングt5までの第2上昇期間である例えば1分間で、第2温度であって、上記第1温度よりも高く且つ660℃以下の所定の温度、例えば580℃にまで上昇する。なお、上記第2温度とは、LCO層においてアモルファスLCOから高温相LCOへの結晶化が進行する温度であって、且つ低温相LCOから高温相LCOへの結晶化が進行しない温度である。また、同温度は、LCO層に残存するアモルファスLCOが高温相LCOに結晶化するだけの期間にわたってLCO層が加熱されたとしても、該LCO層の剥がれが生じない温度でもある。
基板Sの温度が580℃になると、第2加熱工程としてのタイミングt5からタイミングt6までの期間、例えば3分間にわたって、ランプヒータ26の出力が一定に維持されることで、同基板Sの温度が580℃に維持される。なお、上記第2加熱期間は、薄膜リチウム二次電池に求められる容量に応じて適宜選択されるものであって、高温相LCOの結晶化の進行が飽和する期間であることが好ましい。
LCO層が上記第2温度で加熱されると、高温相LCOの結晶化が進行する。そして、高温相LCOの結晶化が進行する温度下にLCO層が置かれるため、該温度下で相対的に安定である高温相LCOへの結晶化が低温相LCOへの結晶化よりも優先的に進行する。なお、第2温度が第1温度よりも高い温度であっても、第2温度が500℃以下の範囲では、高温相LCOへの転移が生じるとはいえ、低温相LCOへの転移も同時に進行することになる。上述のように、低温相LCOと比較して高温相LCOが電気化学的に優れていることから、電気化学的な特性の観点から言えば、LCO層の全体に占める低温相LCOの割合は少ない方が好ましい。そのため、上記第2温度は、第1温度よりも高い温度であって、且つ、高温相LCOの転移が低温相LCOの転移度に対して優位となる500℃よりも高い温度であることが好ましい。
また、アモルファスLCOを高温相LCOに転移させる観点から言えば、第2加熱工程における加熱温度は高い方が好ましい。しかしながら、基板Sにて上記集電体層及びLCO層が形成される基板とは、歪点が660℃程度のガラス基板である。それゆえに、上記第2温度を580℃とすることで、基板Sの加熱温度と該基板Sの歪点との間にマージンを持たせることにより、LCO層ではアモルファスLCOから高温相LCOの転移を進行させつつ、ガラス基板の変形をより確実に抑えることができる。
なお、第1温度から第2温度にまで昇温する期間である上記タイミングt4からタイミングt5までの期間及び昇温速度は、上記タイミングt2からタイミングt3までの期間及び昇温速度と同様、RTA装置によって適宜選択されるものであって、加熱途中の基板Sの温度がオーバーシュートしたとしても第2温度を超えない期間及び昇温速度であることが好ましい。
基板Sの温度が580℃で維持されると、タイミングt6にて、ランプヒータ26がオフの状態とされる。このとき、加熱ガス供給部28から真空槽21への窒素ガスの供給は維持されていることから、基板Sは、窒素ガスにより大気圧に維持された真空槽21内にて放熱する。大気圧に維持された真空槽21内にて基板Sの冷却が行われることで、基板Sとこれに接触した窒素ガスとの間で熱交換が起こるため、上述のような減圧下よりも高い速度で基板Sを冷却することができる。
基板Sの放熱により、該基板Sの温度が所定の温度、例えば20℃以上30℃以下の所定温度にまで低下すると、加熱ガス供給部28がオフの状態とされることで、真空槽21に対する窒素ガスの供給が停止され、これにより、真空槽21内がタイミングt1以前の圧力にまで減圧される。その後、基板Sは、RTA装置20から搬出され、そして、例えば固体電解質層を成膜する装置まで搬送される。
上述のように、低温相LCOの結晶化を進める第1加熱工程と、高温相LCOの結晶化を進める第2工程とをこの順に行うことで結晶化させたLCO層について、図4を参照して説明する。ガラス基板31上の集電体層32に積層されたLCO層33Aでは、その断面が、図4(a)に示されるような構造であることが認められた。つまり、LCO層33Aは、LCO層33Aの積層方向とは略垂直な方向に延びる柱状の粒子によって形成されていることが認められた。これに対し、スパッタによる成膜後の加熱がなされていないLLCO層では、図4(b)に示されるようなLCO層33Bの断面構造が認められた。これらLCO層33AとLCO層33Bとの断面構造とを比較した場合、LCO層33Bにおいては、柱状粒子が規則的に並んでいるのに対し、上述した第1加熱工程及び第2加熱工程の施されたLCO層33Aにおいては、柱状粒子の崩れが見られながらも該柱状粒子が残っていることが分かる。
一方、高温相LCOの結晶化が進行する温度、例えば580℃での加熱のみが施されたLCO層では、図4(c)に示されるようなLCO層33Cの断面構造認められた。該LCO層33Cと上記LCO層33Aとの断面構造を比較した場合、LCO層33Cにおいては柱状粒子の崩れが著しいことが分かる。
このように、上記LCO層33A,33B,33Cにおける柱状粒子の形状が示すように、アモルファスの状態から低温相LCOへの結晶化では、柱状粒子の崩れが殆ど認められない。これに対して、アモルファスの状態から高温相LCOへの結晶化では、柱状粒子の崩れが著しいことが認められる。それゆえに、LCO層において低温相LCOの結晶化を進めた後に高温相LCOの結晶化を進めることによって柱状粒子の崩れが緩和されることが分かる。
このように、LCO層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化を進めた後に、LCO層で高温相コバルト酸リチウムの結晶化を進める結晶化工程によれば、LCO層の全てを一度に高温相LCOに結晶化するような加熱と比較して、低温相LCOが含まれる分、LCO層に生じる膜応力を低下させることができる。それゆえに、第2温度としては、単一の加熱工程にてアモルファスLCOの結晶化をさせた場合にはLCO層の割れによる該LCO層の剥がれを引き起こすような温度であっても、これを採用することができるようになる。したがって、LCO層における剥がれを抑えつつ、上記第1温度のようなLCO層の剥がれを抑えられる温度のみで加熱した場合と比較して、LCO層を有する薄膜リチウム二次電池の放電容量を高めることができる。
しかも、第1温度を400℃とし、他方、第2温度を580℃とするとともに、第1加熱工程を実施する期間よりも第2加熱工程を実施する期間を大きくするようにしている。そのため、LCO層中に低温相コバルト酸リチウムを形成しつつも、該低温相コバルト酸リチウムがLCO層を形成する結晶中で支配的になることを抑えられる。なお、本実施形態では、上記第1温度、第1加熱期間、第2温度、及び第2加熱期間は、これらを経て形成されたLCO層を有する薄膜リチウム二次電池の容量が、LCOの理論容量である137mAh/gの70%以上を満たすように設定される。
[クラスタ装置]
なお、上記スパッタ装置10とRTA装置20とは、これら装置と同程度の真空にまで減圧された搬送室を介して接続されたいわゆるクラスタ装置を構成している。そのため、水との反応性の高いアモルファス状のLCOが、スパッタ装置10にて基板S上に積層された後、大気に触れることなくRTA装置20にまで搬送される。なお、クラスタ装置は、これらスパッタ装置10及びRTA装置20以外にも、薄膜リチウム二次電池の各集電体層を形成する成膜装置、負極を形成する成膜装置、及び固体電解質層を形成する成膜装置等、上記装置10,20と同程度の真空にまで減圧可能な装置が上記搬送室に接続されていてもよい。
[実施例]
一辺が140mmの正方形であって、厚さが0.5mmであるガラス基板に対して、厚さが20nmであるチタン層と、厚さが200mmである白金層とがこの順に積層された基板上に、上記スパッタ装置により以下の条件にてLCO層を成膜した。
○成膜条件
・LCoOターゲットの直径 300mm
・ターゲット−基板間距離 60mm
・ターゲットへの供給電力 直流2300W 交流400W
・アルゴンガスの流量 49sccm
・真空槽内の圧力 0.8Pa
・基板温度 室温
そして、上記RTA装置により以下の条件にてLCO層の形成された基板を加熱した。
○加熱条件
・第1温度 400℃
・第2温度 580℃
・第1上昇期間 2分
・第2上昇期間 1分
・第1加熱工程 1分
・第2加熱工程 3分
・窒素ガスの流量 500sccm
・真空槽内の圧力 1atm
上記条件にて加熱した場合、図5(a)に示されるように、直径が30μm程度の緻密な割れが、LCO層33Aの略全体にわたって形成された。こうした緻密な割れの形成されたLCO層33Aでは、集電体層からのLCO層の剥離が生じなかった。
上記LCO層33Aを有する薄膜リチウム二次電池の充放電特性を図6(a)に示す。なお、充放電特性を測定したときの環境温度を室温とするとともに、充電レート及び放電レートを1Cとした。また、LCO層33Aは、1セルあたりに5.5mg含まれるものとして理論容量に対する放電容量の百分率を算出した。図6(a)に示されるように、1回目及び2回目の放電時における容量は、0.594mAhであった。LCOの理論容量が137mAh/gであることから、該LCO層を有する薄膜リチウム二次電池は、理論容量に対して79%の放電容量を示すことが認められた。なお、1回目及び2回目の放電特性プロファイルが同一であることから、図6(a)では、実線で示される1回目の放電特性プロファイルと、一点鎖線で示される2回目の放電特性とが重なるように示されている。
[比較例1]
上記実施例と同様の基板に対して、該実施例と同一のスパッタ装置及び成膜条件によりLCO層を成膜した。そして、LCO層の形成された基板を実施例と同一のRTA装置を用いて以下の条件で加熱した。
○加熱条件
・加熱温度 540℃
・上昇期間 3.5分
・加熱工程 10分
・窒素ガスの流量 500sccm
・真空槽内の圧力 1atm
上記条件にて加熱した場合、図5(b)に示されるように、上記実施例と同様、直径が30μm程度の緻密な割れが、LCO層33Bの略全体にわたって形成された。そのため、比較例1の条件にて加熱されたLCO層33Bでも、集電体層からのLCO層33Bの剥離が生じなかった。
また、該LCO層33Bを有する薄膜リチウム二次電池の充放電特性を上記実施例と同様の条件で測定した。図6(b)に示されるように、1回目及び2回目の放電時における容量は0.423mAhであって、LCOの理論容量に対して56%の放電容量を示すことが認められた。なお、上記実施例と同様、1回目及び2回目の放電特性プロファイルが同一であることから、図6(b)においても、1回目の放電特性プロファイルと2回目の放電特性プロファイルとが重なるように示されている。
[比較例2]
上記実施例と同様の基板に対して、該実施例と同一のスパッタ装置及び成膜条件によりLCO層を成膜した。そして、LCO層を形成された基板を実施例と同一のRTA装置を用いて以下の条件で加熱した。
○加熱条件
・加熱温度 580℃
・上昇期間 3.5分
・加熱工程 10分
・窒素ガスの流量 500sccm
・真空槽内の圧力 1atm
上記条件にて加熱した場合、図5(c)に示されるように、上記実施例及び比較例1のLCO層33A,33Bに比べて、直径が2倍から10倍程度の割れが、LCO層33Cの一部で形成されるとともに、その他の部分では、実施例及び比較例1と同等の割れが形成された。そして、実施例及び比較例1では形成されなかった程度に大きな割れが生じた領域にて、集電体層からのLCO層33Cの剥離が生じた。なお、比較例2の条件で加熱されたLCO層33Cのうち、80%以上のLCO層33Cにてこうした剥離が生じた。
また、剥離が生じなかったLCO層33Cを有する薄膜リチウム二次電池の充放電特性を上記実施例と同様の条件で測定した。図6(c)に示されるように、1回目及び2回目の放電値における容量は0.622mAhであって、LCOの理論容量に対して83%の放電容量を示すことが認められた。なお、上記実施例と同様、1回目及び2回目の放電特性プロファイルが同一であることから、図6(c)においても、1回目の放電特性プロファイルと2回目の放電特性プロファイルとが重なるように示されている。
このように、上記実施例によれば、LCO層が集電体層から剥がれることの抑制と、薄膜リチウム二次電池の放電容量が理論容量の70%以上であることとの両立が可能であった。
以上説明したように、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)LCO層を加熱する際に、まず、加熱温度を第1温度で維持することによって、薄膜リチウム二次電池の正極層であるLCO層の一部で低温相LCOの結晶化を進めた後に、加熱温度を第1温度よりも高い第2温度で維持することにより、LCO層で高温相LCOの結晶化を進めるようにしている。そのため、LCO層の全てを一度に高温相LCOに結晶化するような加熱と比較して、LCO層に生じる膜応力を低下させることができる。それゆえに、正極層が基板から剥がれることを抑えられる。また、第1温度のみで加熱した場合と比較して、LCO層を有する薄膜リチウム二次電池の容量を高めることができる。したがって、薄膜リチウム二次電池の容量の低下を抑えつつ、該薄膜リチウム二次電池の製造の歩留まりを高めることができる。
(2)LCO層に対して第1温度での加熱及び第2温度での加熱を行うに当たり、低温相LCOよりも高温相LCOの正極層に占める割合を大きくしている。そのため、低温相LCOを形成することで、LCO層に生じる膜応力を低下させつつ、高温相LCOによって薄膜リチウム二次電池の容量の低下を抑えることができる。
(3)第1温度を400℃以上500℃以下としていることから、第1加熱工程では、高温相LCOの結晶化が進行し難くなる一方、LCO層の一部が、より低温相LCOとして結晶化されやすくなる。そのため、LCO層が基板から剥がれることをより抑えられる。
(4)薄膜リチウム二次電池の有する基板がガラス基板であるときに、第2温度を該ガラス基板の歪点未満の温度である660℃以下としていることから、該ガラス基板の変形を抑えることができる。また、第1加熱工程を、400℃以上500℃以下の温度で第2加熱工程よりも短時間で行うようにしているため、LCO層中に低温相LCOを形成しつつも、該低温相LCOがLCO層を形成する結晶中で支配的になることを抑えられる。そのため、LCO層が基板から剥がれること、及び薄膜リチウム二次電池の容量が低下することを抑えられる。
(5)LCO層が第1温度で維持されることによって、LCO層の全体にわたり低温相LCOの結晶化が進められる。また、LCO層が第2温度で維持することによって、これもまたLCO層の全体にわたり高温相LCOの結晶化が進められる。その結果、結晶化工程の終了したLCO層においては、低温相LCOと高温相LCOとが基板の全面にわたり均一に分布することになる。それゆえに、正極層が基板から剥がれることを基板の全面にわたり抑えられる。また、薄膜リチウム二次電池の容量を基板の全面にわたり高めることができる。
なお、上記実施形態は以下のように適宜変更して実施することができる。
・LCO層の成膜は、スパッタ装置10で行うようにしたが、アモルファス状のLCO層を形成できるのであれば、スパッタ装置に限らず、他の公知の成膜装置を用いるようにしてもよい。
・ターゲット14の大きさを300mmとしたが、基板SへのLCO層の成膜が可能な範囲で適宜変更することができる。
・ターゲット14と基板Sとの距離であるTS距離を60mmとしたが、基板SへのLCO層の成膜が可能な範囲で適宜変更することができる。
・ターゲット14には、高周波電源RFと直流電源DCとを接続するとともに、これらの電源からターゲット14に対して同時に電力を供給するようにした。これに限らず、ターゲット14のスパッタが可能であれば、高周波電力と直流電力とのいずれかを連続して供給する一方、他方を間欠的に供給したり、これら電力を交互に供給したりするようにしてもよい。
・ターゲット14には、高周波電源RFと直流電源DCのいずれか一方が接続されているようにしてもよい。
・スパッタ装置10は、ターゲット14の内表面に垂直磁場を形成するマグネット15を有するようにしたが、該マグネット15を割愛してもよい。
・スパッタガス供給部17は、スパッタガスとしてアルゴンガスを供給するようにした。これに限らず、スパッタガス供給部17からは例えばヘリウムガス、ネオンガス、クリプトンガス、キセノンガス等のアルゴンガス以外の希ガスをスパッタガスとして供給するようにしてもよいし、また、ターゲット14とは反応しない不活性ガスをスパッタガスとして供給するようにしてもよい。
・基板ステージ12に冷却水の通路を内設するとともに、該通路を流れる冷却水の温度を調節する温調部を設けることで、基板ステージ12を水冷ステージとしてもよい。これにより、LCO層の成膜時に基板Sを冷却することができるため、成膜処理中におけるLCO層の温度を調節することができる。そのため、LCO層が、アモルファスの状態で成膜されやすくなる。
・加熱ガス供給部28が窒素ガスを供給するようにしたが、窒素ガスに加えて酸素ガスを供給するようにしてもよい。
・第2加熱工程の期間を第1加熱工程の期間よりも大きくするようにしたが、第2加熱工程の期間と第1加熱工程の期間とが同一であってもよいし、あるいは、第2加熱工程の期間よりも第1加熱工程の期間が大きくてもよい。要は、第1加熱工程と第2加熱工程とによって、LCO層に占める高温相LCOの割合が、低温相LCO層の割合よりも大きくなるようにすればよい。
・第2加熱工程の期間は、上述の好ましい期間よりも長くともよい。
・上記第1加熱工程及び第2加熱工程により結晶化されたLCO層は、該LCO層を有する薄膜リチウム二次電池の放電容量が、理論容量の70%未満であって、スパッタ装置10によって成膜されたのみのLCO層、つまり、アモルファスLCOが支配的なLCO層よりも大きい放電容量であればよい。例えば、スパッタ装置10により成膜されたアモルファス状のLCO層を有する薄膜リチウム二次電池の放電容量は、上記実施例と同一の条件において0.004mAhであって、理論容量の0.53%であることから、LCO層の加熱を行うことによって、アモルファス状のLCO層よりは大きな放電容量が得られるようになる。また、本実施形態では、放電容量の相対的に大きい高温相LCOがLCO層中に含まれるため、低温相LCOのみからなるLCO層よりも放電容量が高くなる。
・上記スパッタ装置10とRTA装置20とは、同一の搬送室を介して接続されたクラスタ装置としたが、これらスパッタ装置10及びRTA装置は上述のようなクラスタ装置の一部でなく、単独の装置として具現化されていてもよい。
・加熱装置をランプヒータ26によって基板Sを加熱するRTA装置20とした。これに限らず、例えば、基板ステージ12にヒータを内設するとともに、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気にてヒータを用いて基板Sを加熱するようにしてもよい。また、電磁波による誘導加熱により基板Sを加熱する装置、電気炉によって基板Sを加熱する装置、レーザ照射により基板Sを加熱する装置、あるいは基板S自体に通電することで該基板Sを加熱する装置としてもよい。
・LCO層及び集電体層の形成される基板がガラス基板でない場合には、第2温度は該基板が変形しない範囲にまで加熱するようにしてもよいため、上記第2温度の上限温度である660℃よりも高い温度であって、基板、集電体層、及びLCO層の全てが溶解しない最大の温度とすることもできる。
・上記第1温度は、400℃以上500℃以下としたが、低温相LCOの結晶化が高温相LCOの結晶化よりも優位であれば他の温度範囲としてもよい。
・加熱後のLCO層では、該LCO層を有する薄膜リチウム二次電池にて所望の容量が得られるのであれば、高温相LCOと低温相LCOとが含まれる構成であればよく、例えば高温相LCOの割合が低温相LCOの割合よりも大きくなくてもよい。
10…スパッタ装置、11…真空槽、11a,21a…排気口、11b,21b…ガス供給口、12…基板ステージ、13…バッキングプレート、14…ターゲット、15…マグネット、16…排気部、17…スパッタガス供給部、20…加熱装置、21…真空槽、22…反射板、23…載置部、24…ヒータ槽、25…ガラス窓、26…ランプヒータ、26a…反射カバー、26b…赤外線ランプ、27…排気部、28…加熱ガス供給部、31…ガラス基板、32…集電体層、33A,33B,33C… LCO層、40…薄膜リチウム二次電池、41…基板、42…正極集電体層、43…負極集電体層、44…正極層、45…固体電解質層、46…負極層、47…保護層、DC…直流電源、F…LCフィルタ、M…マッチングボックス、RF…高周波電源、S…基板。

Claims (6)

  1. コバルト酸リチウムからなる正極層を基板上に成膜する成膜工程と、
    前記正極層を加熱してコバルト酸リチウムの結晶化を進める結晶化工程と
    を備える薄膜リチウム二次電池の製造方法であって、
    前記結晶化工程は、
    前記正極層の温度を第1温度で維持することにより、前記正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化を進める第1加熱工程と、
    前記第1加熱工程の後に前記第1温度よりも高い第2温度で前記正極層の温度を維持することにより、高温相コバルト酸リチウムの結晶化を前記正極層で進める第2加熱工程と
    を備える
    薄膜リチウム二次電池の製造方法。
  2. 前記結晶化工程は、
    前記低温相コバルト酸リチウムが前記正極層に占める割合よりも、前記高温相コバルト酸リチウムが前記正極層に占める割合を大きくする
    請求項1に記載の薄膜リチウム二次電池の製造方法。
  3. 前記第1温度は、400℃以上500℃以下である
    請求項1又は2に記載の薄膜リチウム二次電池の製造方法。
  4. 前記基板は、ガラス基板であり、
    前記第1温度は、400℃以上500℃以下であり、
    前記第2温度は、660℃以下であり、
    前記第2加熱工程の期間は、前記第1加熱工程の期間よりも大きい
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜リチウム二次電池の製造方法。
  5. コバルト酸リチウムからなる正極層の形成された基板を収容する真空槽と、
    前記真空槽内の前記基板を加熱する加熱部とを備える基板処理装置であって、
    前記加熱部は、
    前記正極層の温度を第1温度で維持することにより、前記正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化を進めた後に、前記第1温度よりも高い第2温度で前記正極層の温度を維持することにより、高温相コバルト酸リチウムの結晶化を前記正極層で進める
    ことを特徴とする基板処理装置。
  6. コバルト酸リチウムからなる正極層を基板上に成膜する成膜工程と、
    前記正極層を加熱してコバルト酸リチウムの結晶化を進める結晶化工程と
    により形成された正極層を有する薄膜リチウム二次電池であって、
    前記結晶化工程では、
    前記正極層の温度を第1温度で維持することにより、前記正極層の一部で低温相コバルト酸リチウムの結晶化を進める第1加熱工程と、
    前記第1加熱工程の後に前記第1温度よりも高い第2温度で前記正極層の温度を維持することにより、高温相コバルト酸リチウムの結晶化を前記正極層で進める第2加熱工程とが行われる
    ことを特徴とする薄膜リチウム二次電池。
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