JP2013002928A - フローセルおよびフローセルの送液方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の貫通孔107による毛細管力の絶対値は、流路104の毛細管力の絶対値および接続領域106の毛細管力の絶対値よりも小さい。これにより、流路104および接続領域106が試料溶液によって満たされるまでは複数の貫通孔107による試料溶液の移送が行われないため、試料溶液が各貫通孔107の入口に達する度にその貫通孔107による移送が生じることを防ぐことができる。結果として、貫通孔107毎に流速変動が発生して試料溶液の流速が大きく変化するのを防ぐことができるので、測定精度を向上させることができる。
【選択図】 図1
Description
本実施の形態に係るフローセルは、図1に示すように、下部基板101と、下部基板101の上に配置される上部基板102とから構成される。この下部基板101および上部基板102には、上部基板102に形成された試料溶液が供給される供給部103と、下部基板101および上部基板102の対向する面の間に配置され、供給部103に一端が接続された流路104と、流路104の途中に設けられた検出部105と、下部基板101および上部基板102の対向する面の間に配置され、流路104の他端が接続された接続領域106と、上部基板102を貫通して接続領域106に到達する複数の貫通孔107を備える移送部108とが形成されている。また、貫通孔107が形成されている領域(接続領域106の領域)に対応する上部基板102の外部側表面には、凹部が形成されて排出部109を構成している。なお、排出部109は、形成されている必要はない。また、流路104の検出部105においては、SPR測定に適用する場合には、下部基板101の流路に露出する面に金(Au)などからなる金属薄膜が形成されている。なお、金属薄膜は、例えば、下部基板101の全域に形成されいてもよい。この場合、流路104の全域および接続領域106においても、一部に金属薄膜が露出していることになる。
流路104は、第1の流路として機能し、断面矩形の管であり、その断面寸法は液体に対して毛細管現象が発現する範囲とされている。
次に、本実施の形態に係るフローセルの動作原理について、毛細管力および流路抵抗の観点から図2A〜図2Fを参照して説明する。
なお、以下においては、図2Aに示すように、円管からなる供給部103の半径をri、矩形断面を有する流路104の幅をw、高さをh、長さをl、貫通孔107の半径をrcとして説明を行う。ここで、供給部103の半径riは貫通孔107の半径rcよりも大きいものとする。
曲率半径r1,r2の楕円体が有する圧力差Pは、ヤング・ラプラスの方程式より下式(2)で表される。この下式(2)において、γは表面張力である。
・・・(4)
フローセルの供給部103に液体を供給すると、円形断面を有する供給部103の半径riが、矩形断面を有する流路104の短辺hよりも充分長いものと仮定しているので、上式(3)、(5)の比較から、その液体を供給部103内部に留めておく力よりも流路104側に引き込む力の方が強くなるので、液体は供給部103から流路104に流れ込む。すなわち、下式(9)の関係が満たされていれば、流路104に液体が流れ込むこととなる。
また、抗体活性の復活のための前処理を必要としない測定においても、流路104および接続領域106の体積和以上で流路104、接続領域106および複数の貫通孔107の体積和未満の所定の量の検体液を流して、接続領域106および移送部108の貫通孔107下部などが満たされた段階から測定を開始すれば、流速低下が小さく、かつ、流速ノイズが小さい時間領域での測定ができるので、精度の高い測定結果を得ることができる。
次に、本実施の形態に係るフローセルの実施例と、比較例とついて説明する。これらは、具体的数値を用いたシミュレーション結果であり、フローセルに供給する液体を水(粘性係数η=1.002×10-3[Pa・s]、表面張力γを72.75×10-3[N/m]、接触角を60度として計算している。また、各実施例および比較例において、共通の幾何学的パラメータとしては、供給部103の半径ri=1.5[mm]、供給部103の高さhi=4[mm]、流路104の幅w=0.6[mm]、流路104の長さl=2.5[mm]、移送部108における貫通孔107の高さhc= 4[mm]、貫通孔107の数nc=15、貫通孔107の半径rc=0.1[mm]とし、移送部108における貫通孔107を3列×5列に配置した。
第1の実施例は、流路104の高さh=0.075[mm]としたものであり、このときのシミュレーション結果を図3A〜図3Fおよび図4A〜図4Cに示す。ここで、図3A〜図3Fは、各時刻における液体の動きを示す斜視図、図4A〜図4Cは、各時刻における接続領域106の液体の動きを示す平面図である。
本比較例は、流路104の高さh=0.1[mm]としたものであり、フローセルの他の構成は第1の実施例と同等である。この場合のシミュレーション結果を図6A〜図6Cに示す。この図6A〜図6Cにおいて、左図は各時刻における液体の動きを示す斜視図、右図は同時刻における接続領域106の液体の動きを示す平面図である。
本比較例においても、上述した第1の実施例と同様、供給部103に液体が充填された時点を時刻0.0秒として計算を開始した。
第2の実施例は、第1の実施例と同様、流路104の高さh=0.075[mm]としたフローセルに、参照液で抗体活性の復活を行った後、参照液と同じ物性と仮定した検体液を供給したときのシミュレーション結果である。これを図8A〜図8Hおよび図9に示す。ここで、図8Aは、フローセル全体の構成を示す斜視図、図8B〜図8Hは、各時刻における液体の動きを示す斜視図であり、液面のみを示している。また、図9は、流路104の中央で検出部105から0.0375[mm]上方(流路104断面における中央,0.5h)における流速(中心速度v00)の変化を示すグラフである。
なお、検体液の導入時刻は任意に設定できる。また、この間、参照液は、検出部105上に滞留するので、検体液の導入時間を任意に設定することにより、抗体活性復活の時間も任意に設定することができる。
例えば、第1の実施例において、貫通孔107の本数を660本とした場合、貫通孔107による吸引時間は22秒となる。このとき、流路104の長さを10[mm]にすると、流路抵抗が増加するので、吸引時間が88秒となり、より長時間の測定を行うことができる。このように、測定時間やタイミングに合わせて、流速ノイズが小さく流速低下も小さい期間を設定することができる。
Claims (3)
- 試料溶液が供給される供給部と、
この供給部に一端が接続され、前記供給部に供給された前記試料溶液を毛細管力により移送する第1の流路と、
この第1の流路の途中に設けられた検出部と、
前記第1の流路の他端が接続され、前記第1の流路から移送されてきた前記試料溶液を毛細管力により移送する第2の流路と、
この第2の流路に一端が接続され、前記第2の流路の前記試料溶液を毛細管力により移送する複数の管と
を備えたフローセルであって、
前記複数の管による毛細管力の絶対値は、前記第1の流路の毛細管力の絶対値および前記第2の流路の毛細管力の絶対値よりも小さい
ことを特徴とするフローセル。 - 基板をさらに備え、
前記供給部は、前記基板上面に形成された凹部からなり、
前記第1の流路は、前記基板内部に形成された管からなり、
前記第2の流路は、前記基板内部に形成された空洞からなり、
前記複数の管は、前記基板上面と前記空洞とを連通する孔からなる
ことを特徴とする請求項1記載のフローセル。 - 試料溶液が供給される供給部と、この供給部に一端が接続され、前記供給部に供給された前記試料溶液を毛細管力により移送する第1の流路と、この第1の流路の途中に設けられた検出部と、前記第1の流路の他端が接続され、前記第1の流路から移送されてきた前記試料溶液を毛細管力により移送する第2の流路と、この第2の流路に一端が接続され、前記第2の流路の前記試料溶液を毛細管力により移送する複数の管とを備え、複数の前記管による毛細管力の絶対値は、前記第1の流路の毛細管力の絶対値および前記第2の流路の毛細管力の絶対値よりも小さいフローセルの送液方法であって、
第1の液体と、第2の液体とを順に前記供給部に供給するステップ
を有し、
第1の溶液の体積は、前記第1の流路および前記第2の流路の体積和以上前記第1の流路、前記第2の流路および前記複数の管の体積和未満である
ことを特徴とするフローセルの送液方法。
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