JP2013002389A - 燃料供給制御装置及び内燃機関への燃料供給方法 - Google Patents

燃料供給制御装置及び内燃機関への燃料供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関にガス燃料を噴射する噴射弁の動作不良を解消させる可能性を高くすることができる燃料供給制御装置及び内燃機関への燃料供給方法を提供する。
【解決手段】ECUは、内燃機関にCNGを噴射するCNG用インジェクタに対する電流値Ibを、燃料噴射期間PTのうち第1の期間PT1では第1の電流値Ib1に設定し、第1の期間PT1後の第2の期間では第2の電流値Ib2に設定する。ECUは、CNG用インジェクタによるCNGの前回の噴射時に該CNG用インジェクタが正常に開弁動作したか否かを、CNG用インジェクタによる今回の噴射前に判定する。そして、ECUは、正常に開弁動作しなかったと判定された場合に、第1の期間PT1が前回の噴射時よりも長くなるように電流比率αを設定し、CNG用インジェクタによる今回の噴射時に新たに設定された電流比率αに基づきCNG用インジェクタを制御する。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両に搭載される内燃機関にガス燃料を噴射する噴射弁を制御する燃料供給制御装置及び内燃機関への燃料供給方法に関する。
一般に、車載の内燃機関にCNG(圧縮天然ガス)などのガス燃料を供給可能な燃料供給機構の開発が進められている。こうした燃料供給機構には、ガス燃料を貯留する貯留容器と、該貯留容器から供給経路を介して供給されたガス燃料を内燃機関に噴射する噴射弁とが設けられている。
ところで、貯留容器に外部の設備からガス燃料を充填させる場合には、高圧のガス燃料を充填用の管路から貯留容器に圧送させる必要がある。この際、貯留容器内には、ガス燃料と共にミスト状のオイルが混入することがある。こうしたオイルは、ガス燃料と共に噴射弁まで供給され、噴射弁を構成する弁体や弁座などに付着するおそれがある。そして、外気温度が「−30℃」以下となるような極低温時には、噴射弁に付着したオイルが固化し、噴射弁が正常に開弁動作しにくくなる。この場合、内燃機関に適量のガス燃料を噴射できず、内燃機関の良好な駆動に支障をきたすおそれがある。なお、ここでいう「噴射弁が正常に開弁動作しない」とは、電力供給を行っても噴射弁が開弁状態にならないこと、噴射弁の開弁動作に遅れが生じることを示している。
こうした問題を解決する方法として、例えば特許文献1に記載の噴射弁の制御方法が従来から提案されている。この制御方法では、内燃機関の始動時に外気温度を取得し、内燃機関の設置環境が極低温であるか否かが判定される。そして、内燃機関の設置環境が極低温であると判定された場合には、噴射弁に付着したオイルの粘度の上昇に起因して噴射弁が正常に開弁動作しない可能性があるため、噴射弁のソレノイドに電流を流す通電時間(燃料噴射期間に相当する時間)が、通常時の時間よりも長めに設定される。また、この場合には、噴射弁に供給されるガス燃料の圧力が通常時の圧力よりも低めに設定されることにより、通電時間の変動に伴う内燃機関へのガス燃料の噴射量のばらつきが抑制される。
その後、通電時間が長めに設定された状態で噴射弁が正常に開弁動作するようになったと判定された場合には、通電時間が通常時の時間に戻されると共に、噴射弁に供給されるガス燃料の圧力も通常時の圧力に戻される。
特開2000−282955号公報
ところで、上記制御方法では、噴射弁が正常に開弁動作しない可能性があると判定された場合には、噴射弁が正常に開弁動作するようになったと判定されるまで上記通電時間が長めに設定される。しかしながら、通電時間を長めに設定しても噴射弁を正常に開弁動作させることができない場合には、正常に開弁動作する残りの噴射弁を用いて駆動する内燃機関の温度上昇によって、噴射弁に付着したオイルの粘度低下を待つしかなかった。
なお、ガス燃料を内燃機関に供給するための燃料供給機構としては、貯留容器に貯留されたLPG(液化石油ガス)などの液化ガス燃料を気体化させた状態で噴射弁に供給し、気体化した燃料を噴射弁から内燃機関に噴射させる機構も知られている。こうした燃料供給機構においても、貯留容器から燃料と共に噴射弁に供給されたオイルの粘度上昇に伴う噴射弁の開弁動作の不良が発生し得る。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関にガス燃料を噴射する噴射弁の動作不良を解消させる可能性を高くすることができる燃料供給制御装置及び内燃機関への燃料供給方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の燃料供給制御装置は、車載の内燃機関にガス燃料を噴射する噴射弁を駆動させるための駆動力を、該噴射弁からガス燃料を供給させる燃料噴射期間のうち第1の期間では前記噴射弁を開弁させるための開弁力に設定し、前記燃料噴射期間のうち前記第1の期間後の第2の期間では前記噴射弁の開弁状態を保持させるための力であって且つ前記開弁力よりも小さい保持力に設定する弁制御手段と、前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時に当該噴射弁が正常に開弁動作したか否かを、前記噴射弁によるガス燃料の今回の噴射前に判定する判定手段と、前記判定手段によって前記噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定された場合に、前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時よりも前記第1の期間が長くなるように、前記第2の期間に対する前記第1の期間の比率を設定する設定手段と、を備え、前記弁制御手段は、前記噴射弁によるガス燃料の今回の噴射時には、前記設定手段による設定内容に基づき当該噴射弁を制御することを要旨とする。
上記構成によれば、ガス燃料を内燃機関に噴射させる場合、噴射弁には、燃料噴射期間のうち第1の期間では噴射弁を開弁させるための開弁力が付与され、燃料噴射期間のうち第1の期間後の第2の期間では噴射弁の開弁状態を保持させるための保持力が付与される。このように噴射弁が制御される場合において、当該噴射弁によるガス燃料の次回の噴射前には、ガス燃料の前回の噴射時に噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定される。噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定された場合には、燃料噴射期間を超えない範囲内で第1の期間が長くなるように、燃料噴射期間内における第2の期間に対する第1の期間の比率が設定される。そして、噴射弁によるガス燃料の今回の噴射時には、新たに設定された設定内容に基づき当該噴射弁が制御される。
その後、ガス燃料の今回の噴射時に噴射弁が未だ正常に開弁動作しなかったと判定された場合、ガス燃料の次回の噴射前に、第1の期間がさらに長くなるように上記比率が設定される。そして、ガス燃料の次回の噴射時には、新たに設定された上記比率に基づき噴射弁が制御される。つまり、本発明では、第1の期間を長くするという第1の対策で噴射弁の動作不良を解消できない場合には、第1の期間をさらに長くするという第2の対策で噴射弁の動作不良を積極的に解消させようとすることができる。したがって、内燃機関にガス燃料を噴射する噴射弁の動作不良を解消させる可能性を高くすることができる。
本発明の燃料供給制御装置において、前記設定手段は、前記判定手段によって前記噴射弁が正常に開弁動作しないと連続して判定された場合には、前記第1の期間が徐々に長くなるように前記第2の期間に対する前記第1の期間の比率を設定することが好ましい。
上記構成によれば、ガス燃料による内燃機関の駆動時において噴射弁が正常に開弁動作しないという判定結果が繰り返される場合には、第1の期間が徐々に長くなる。そのため、上記判定結果によって燃料噴射期間の長さを調整する場合とは異なり、一回の燃料噴射時における噴射弁の開弁時間の最大値を変更することなく、当該噴射弁に対して大きな力、即ち開弁力を付与することができる。
本発明の燃料供給制御装置は、前記内燃機関を構成するクランクシャフトの回転速度を取得する回転速度取得手段をさらに備え、前記判定手段は、前記回転速度取得手段によって取得された前記クランクシャフトの回転速度の変動度合に基づき、前記噴射弁が正常に開弁動作したか否かを判定することが好ましい。
噴射弁が正常に開弁動作しない場合とは、当該噴射弁から内燃機関に適量のガス燃料を噴射できていないことを意味している。この場合、内燃機関を構成するクランクシャフトの回転速度には、噴射弁から適量のガス燃料が内燃機関に噴射される場合とは異なる変動が含まれる。そこで、本発明では、ガス燃料による内燃機関の駆動中に取得されたクランクシャフトの回転速度の変動度合に基づき、噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定される。そのため、取得した外気温度に基づき噴射弁が正常に開弁動作しない可能性があるか否かを判定する従来の場合と比較して、本来は正常に開弁動作したにも拘わらず、正常に開弁動作しないと誤判定される可能性を低減させることができる。その結果、噴射弁に対して不必要に大きな力が付与されることを抑制することができる。
本発明の燃料供給制御装置は、前記回転速度取得手段によって取得された回転速度に基づき、前記クランクシャフトが「360°」以下に予め設定された基準角度だけ回転するのに要する回転時間を取得する回転時間取得手段をさらに備え、前記判定手段は、前記回転時間取得手段によって取得された回転時間が、前記噴射弁が正常に開弁動作するか否かの判断基準として設定された基準回転時間以上である場合に、前記噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定することが好ましい。
上記構成によれば、クランクシャフトが基準角度だけ回転するのに要する回転時間に基づき、噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定される。そのため、噴射弁によるガス燃料の前回の噴射後から今回の噴射前までに、噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定される。その結果、上記比率が最新の状態に基づいた値に設定され、ガス燃料の今回の噴射時には、最新状態に基づいた値に設定された上記比率に基づき噴射弁が制御される。したがって、噴射弁の動作不良の解消に貢献することができる。
本発明の燃料供給制御装置において、車両は、ガス燃料をエネルギとして走行する第1のモードと、ガス燃料以外の他のエネルギを利用して車両を走行させる第2のモードとを有しており、前記設定手段は、車両の走行モードが前記第2のモードから前記第1のモードに切り替る場合に、前記第2の期間に対する前記第1の期間の比率を、該第1の期間の長さが通常の長さとなる通常状態用の比率に設定し、前記判定手段は、前記設定手段によって設定された内容に基づいた前記弁制御手段による前記噴射弁の制御開始後に、前記噴射弁が正常に開弁動作したか否かを判定することが好ましい。
上記構成によれば、走行モードが第2のモードから第1のモードに切り替る場合には、ガス燃料を噴射する噴射弁を制御しつつ、当該噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定される。そして、ガス燃料の前回の噴射時に噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定された場合には第1の期間が長くなるように上記比率が設定され、ガス燃料の次の噴射時には新たに設定された比率に基づき噴射弁が制御される。
本発明の燃料供給制御装置は、車両の走行モードが前記第2のモードである場合に、前記内燃機関にガス燃料の代替燃料である液体燃料を噴射する他の噴射弁を制御する他の弁制御手段をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、内燃機関内に噴射される燃料が代替燃料である液体燃料からガス燃料に切り替る場合に、ガス燃料を噴射する噴射弁を制御しつつ、当該噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定される。そして、ガス燃料の前回の噴射時に噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定された場合には第1の期間が長くなるように上記比率が設定され、ガス燃料の次の噴射時には新たに設定された比率に基づき噴射弁が制御される。
本発明の燃料供給制御装置において、前記内燃機関にガス燃料を供給するための燃料供給機構には、前記内燃機関を構成する複数の気筒に個別対応する複数の前記噴射弁が設けられ、前記弁制御手段は、車両の走行モードが前記第2のモードから前記第1のモードに切り替る場合に、前記各気筒のうち一部の気筒に対してガス燃料が噴射されるように、該一部の気筒に対応する噴射弁を制御し、その後、前記判定手段によって前記一部の気筒に対応する噴射弁が正常に開弁動作したと判定されたときには、前記各気筒のうち前記一部の気筒以外の他の気筒にもガス燃料が噴射されるように、該他の気筒に対応する噴射弁を制御することが好ましい。
上記構成によれば、内燃機関内に噴射される燃料が液体燃料からガス燃料に切り替る場合、各気筒のうち一部の気筒に対してガス燃料を噴射させるべく、該一部の気筒に対応する噴射弁が駆動される。このとき、一部の気筒以外の残りの気筒には、液体燃料が噴射される。この状態で、一部の気筒に対応する噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定され、正常に開弁動作しなかったと判定された場合、一部の気筒に対応する噴射弁に対する上記比率は、第1の期間が長くなるように設定される。そして、一部の気筒へのガス燃料の次回の噴射時には、新たに設定された上記比率に基づき一部の気筒に対応する噴射弁が制御される。このように一部の気筒に対応する噴射弁が正常に開弁動作したと判定される間では、一部の気筒以外の他の気筒には液体燃料が噴射され続ける。
一方、一部の気筒に対応する噴射弁が正常に開弁動作したと判定された場合には、他の気筒に対してガス燃料が噴射されるように、該他の気筒に対応する噴射弁が駆動される。そして、他の気筒に対応する噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定され、正常に開弁動作しなかったと判定された場合、他の気筒に対応する噴射弁に対する上記比率は、第1の期間が長くなるように設定される。その後の他の気筒へのガス燃料の次回の噴射時には、新たに設定された上記比率に基づき他の気筒に対応する噴射弁が制御される。したがって、各噴射弁の中に正常に開弁動作しない噴射弁がある場合には、走行モードの変更時に各気筒に噴射される燃料を液体燃料からガス燃料にいっぺんに切り替える場合と比較して、動作不良の噴射弁を特定しやすくすることができる。
また、本発明は、車載の内燃機関への噴射弁によるガス燃料の噴射時には、当該噴射弁を駆動させる燃料噴射期間のうち第1の期間では前記噴射弁を開弁させるための開弁力を前記噴射弁に付与させ、前記燃料噴射期間のうち前記第1の期間後の第2の期間では前記噴射弁の開弁状態を保持させるための力であって且つ前記開弁力よりも小さい保持力を前記噴射弁に付与させる内燃機関への燃料供給方法であって、前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時に当該噴射弁が正常に開弁動作したか否かを、前記噴射弁によるガス燃料の今回の噴射前に判定させる判定ステップと、前記判定ステップで前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時に当該噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定した場合に、前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時よりも前記第1の期間が長くなるように、前記第2の期間に対する前記第1の期間の比率を設定させる設定ステップと、を有し、前記噴射弁によるガス燃料の今回の噴射時には、前記設定ステップでの設定内容に基づき前記噴射弁を駆動させることを要旨とする。
上記構成によれば、上記燃料供給制御装置と同等の作用・効果を得ることができる。
本発明の燃料供給制御装置を備える燃料供給装置の第1の実施形態を示すブロック図。 CNG用インジェクタの概略構成を示す側断面図。 CNG用インジェクタのソレノイドに供給される電流の波形を示すグラフ。 内燃機関を構成するクランクシャフトの回転速度が変動する様子を模式的に示すグラフ。 第1の実施形態のCNG供給処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の正常判定処理ルーチンを説明するフローチャート。 (a)(b)は正常に開弁動作しないCNG用インジェクタ用の電流比率が変更された様子を示すグラフ。 第2の実施形態のCNG供給処理ルーチンの要部を説明するフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について、図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、車両に搭載される内燃機関10は、ガス燃料の一例としてのCNG(圧縮天然ガス)及びCNGの代替燃料であるガソリン(液体燃料)を燃料として利用可能なバイフューエル内燃機関である。そして、図示しない吸気口から吸入された空気を内燃機関10内に導くための経路には、空気の流動方向における上流側から下流側に向けて順に、エアクリーナ(図示略)、スロットルバルブ11、サージタンク12などが設けられている。また、サージタンク12に流入した空気は、内燃機関10に設けられた複数(本実施形態では4つ)の気筒13に個別対応する吸気マニホールド14に分流される。そして、吸気マニホールド14内では燃料供給装置20によって供給された燃料(CNG又はガソリン)と空気とを混合した混合燃料が生成され、該混合燃料が気筒13内に供給される。
なお、1つの気筒13では、4つの工程が順番に行われる。具体的には、ピストン15が上死点から図1における下方に移動するタイミングで、気筒13内には吸気バルブ16を介して混合燃料が供給される(吸気工程)。そして、混合燃料が供給された気筒13内では、ピストン15の図1における上方への移動によって混合燃料が圧縮される(圧縮工程)。その後、上死点に到達したピストン15が再び図1における下方に移動し始めるタイミングで、図示しないプラグの点火によって気筒13内で混合燃料が燃焼し、当該燃焼による推進力がピストン15を介してクランクシャフト17に伝達される(燃焼工程)。すると、クランクシャフト17は、伝達された推進力によって規定の方向に回転する。続いて、下死点に到達したピストン15が図1における上方に移動し始めると、燃焼した混合燃料、即ち排気ガスが排気バルブ18を介して気筒13外に排気される(排気工程)。
次に、燃料供給装置20について説明する。
燃料供給装置20は、ガソリンタンク31に貯留されるガソリンを内燃機関10の各気筒13に供給するためのガソリン供給系30と、CNGタンク41に高圧で貯留されるCNGを内燃機関10の各気筒13に供給するためのCNG供給系(燃料供給機構)40とを備えている。
ガソリン供給系30には、ガソリンタンク31内からガソリンを吸引する燃料ポンプ32と、該燃料ポンプ32から吐出された燃料が圧送されるガソリン用デリバリパイプ33とが設けられている。このガソリン用デリバリパイプ33には、内燃機関10の各気筒13に個別対応する各吸気マニホールド14内にガソリンを噴射するための複数(本実施形態では4つ)のガソリン用インジェクタ(他の噴射弁)34が連結されている。これら各ガソリン用インジェクタ34は、燃料供給制御装置としてのECU50によって、対応する各吸気マニホールド14内へのガソリンの噴射タイミングなどが個別に調整される。したがって、本実施形態では、ECU50が、他の弁制御手段としても機能する。
CNG供給系40には、CNGタンク41に接続される高圧燃料配管42と、該高圧燃料配管42の下流端(図1では右端)に接続されるCNG用デリバリパイプ43とが設けられている。CNGタンク41と高圧燃料配管42との間には、ECU50によって開閉動作される常閉型の電磁弁を備えた元弁44が設けられている。この元弁44が閉弁状態である場合、CNGタンク41内は密閉状態となる。
また、高圧燃料配管42において元弁44よりも下流側(図1では右側)には、高圧燃料配管42内の圧力を検出するための第1圧力センサSE1と、ECU50によって開閉動作される遮断弁45とが設けられている。元弁44及び遮断弁45が開弁状態である場合には、CNGタンク41内のCNGが高圧燃料配管42を介してCNG用デリバリパイプ43に供給される。一方、遮断弁45が閉弁状態になった場合には、CNG用デリバリパイプ43にCNGが供給されなくなる。
また、高圧燃料配管42において遮断弁45よりも下流側には、CNGタンク41(即ち、上流側)から供給されるCNGの圧力、即ち燃圧を減圧させるためのレギュレータ46が設けられている。このレギュレータ46は、規定の燃圧のCNGがCNG用デリバリパイプ43に供給されるように作動する。
CNG用デリバリパイプ43には、内燃機関10の各気筒13に個別対応する各吸気マニホールド14内にCNGを噴射するための複数(本実施形態では4つ)のCNG用インジェクタ(噴射弁)47が連結されている。また、CNG用デリバリパイプ43には、該CNG用デリバリパイプ43内の圧力を検出するための第2圧力センサSE2と、CNG用デリバリパイプ43内に供給されたCNGの温度を検出するための温度センサSE3とが設けられている。そして、各CNG用インジェクタ47は、第2圧力センサSE2及び温度センサSE3からの検出信号が入力されるECU50によって、対応する各吸気マニホールド14内へのCNGの噴射タイミングなどが個別に制御される。
なお、本実施形態において、4つのCNG用インジェクタ47を、第1のCNG用インジェクタ、第2のCNG用インジェクタ、第3のCNG用インジェクタ、第4のCNG用インジェクタとそれぞれいうものとする。また、各気筒13のうち、第1のCNG用インジェクタからCNGが噴射される気筒を「第1の気筒」というと共に、第2のCNG用インジェクタからCNGが噴射される気筒を「第2の気筒」という。さらに、第3のCNG用インジェクタからCNGが噴射される気筒を「第3の気筒」というと共に、第4のCNG用インジェクタからCNGが噴射される気筒を「第4の気筒」というものとする。
次に、本実施形態の燃料供給装置20を制御するECU50について説明する。
図1に示すように、ECU50には、各圧力センサSE1,SE2及び温度センサSE3に加え、クランクシャフト17の回転速度Vcを検出するための回転速度センサSE4が電気的に接続されている。こうしたECU50は、CPU51、ROM52、RAM53及び不揮発性メモリ54で構成されるデジタルコンピュータを備えている。ROM52には、CPU51が実行する各種制御プログラムなどが記憶されている。また、RAM53には、車両の図示しないイグニッションスイッチがオンである間、適宜書き換えられる情報が一時記憶される。さらに、不揮発性メモリ54には、上記イグニッションスイッチがオフになっても消去されるべきではない各種の情報などが記憶される。
次に、CNG用インジェクタ47について説明する。
図2に示すように、本実施形態のCNG用インジェクタ47は、所謂常閉型の電磁弁であって、略円筒状をなす本体ハウジング60を備えている。この本体ハウジング60の長手方向(図2では上下方向であって、一点鎖線で示す軸線61が延びる方向)における一端側(図2では上側)には、本体ハウジング60に設けられた貫通孔62の一端を閉塞する閉塞部材63が設けられている。ここでは軸線61の延びる方向(図2では上下方向)を、「軸線方向」ともいう。また、貫通孔62内において軸線方向における中途位置には、ボビン64と該ボビン64の外周側に巻かれたソレノイドコイル66とが設けられている。また、ボビン64の内周側には、閉塞部材63に支持されるスプリング67が軸線方向に伸縮自在に設けられている。
また、本体ハウジング60の軸線方向における他端側(図2では下側)には、本体ハウジング60の貫通孔62と中心軸の延びる方向が一致する収容孔68を有するバルブボディ69が設けられている。このバルブボディ69の一端は、本体ハウジング60の貫通孔62内に位置すると共に、バルブボディ69の他端は、本体ハウジング60外(即ち、本体ハウジング60の図2における下方)に位置している。
こうしたバルブボディ69は、収容孔68内において軸線方向に摺動する可動鉄心70を支持している。この可動鉄心70には、スプリング67によって常に軸線方向における他方側(図2では下側)への付勢力が付与されている。こうした可動鉄心70は、ソレノイドコイル66に電力が供給された場合、該ソレノイドコイル66で発生する電磁力によって、スプリング67からの付勢力に抗して軸線方向における一方側(図2では上側)に摺動(移動)する。
また、収容孔68内には、可動鉄心70と一体摺動可能に設けられた弁体71と、収容孔68の軸線方向における他方側(図2では下側)の開口を閉塞するように配置された弁座72とが設けられている。この弁座72に設けられた噴射口73は、ソレノイドコイル66に電力が供給されない場合には弁体71によって閉塞される。その結果、CNG用インジェクタ47からは、CNGが内燃機関10に噴射されない。一方、ソレノイドコイル66に電力が供給された場合、該ソレノイドコイル66から発生した電磁力によって可動鉄心70及び弁体71が弁座72から離間する方向に移動することにより、噴射口73が開放状態になる。その結果、図示しない吸入口からCNG用インジェクタ47内に供給されたCNGが、噴射口73から内燃機関10に噴射される。
このように構成されたCNG用インジェクタ47のソレノイドコイル66には、駆動時には図3の波形で示されるような電流値Ibが供給される。すなわち、図3に示すように、CNG用インジェクタ47からガス燃料を噴射させる燃料噴射期間PTは、最初の第1の期間PT1と、第1の期間PT1の後の第2の期間PT2とに区別される。第1の期間PT1は、閉弁状態にあるCNG用インジェクタ47に対して開弁状態にさせるために必要な開弁力を付与する期間である。この場合、CNG用インジェクタ47のソレノイドコイル66に対する電流値Ibは、第1の電流値Ib1に設定される。つまり、本実施形態において「開弁力」とは、ソレノイドコイル66に対する電流値Ibが第1の電流値Ib1である場合に弁体71に作用する力である。
第2の期間PT2は、第1の期間PT1を得て開弁状態になったCNG用インジェクタ47に対して開弁状態で維持させるために必要な保持力を付与する期間である。この保持力は、閉弁状態にある電磁弁を開弁させるために必要な開弁力よりも小さい。そのため、第2の期間PT2では、ソレノイドコイル66に対する電流値Ibは、第1の電流値Ib1よりも小さい第2の電流値Ib2に設定される。つまり、本実施形態において「保持力」とは、ソレノイドコイル66に対する電流値Ibが第2の電流値Ib2である場合に弁体71に作用する力である。
なお、本実施形態のECU50は、CNG用インジェクタ47のソレノイドコイル66に対する駆動信号のデューティ比(Duty比)を調整することにより、電流値Ibを制御している。そのため、第1の期間PT1でのデューティ比は、第2の期間PT2でのデューティ比よりも大きい。
ところで、CNGの供給によって内燃機関10が駆動する場合、図4に示すように、クランクシャフト17の回転速度Vcの変動は、各CNG用インジェクタ47の駆動態様に大きく影響される。例えば、内燃機関10のアイドリング中において全てのCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作する場合には、図4の破線で示すように、クランクシャフト17の回転速度Vcは、ほぼ一定速となる。そのため、対応する気筒13内でCNGの燃焼が開始されるタイミングt1,t2,t3,t4,t5・・・は、ほぼ一定間隔となる。
例えば、第1のタイミングt1は、各気筒13のうち第1の気筒内でCNGの燃焼が開始されるタイミングであり、第2のタイミングt2は、第1のタイミングt1後に第2の気筒内でCNGの燃焼が開始されるタイミングである。また、第3のタイミングt3は、第2のタイミングt2後に第3の気筒内でCNGの燃焼が開始されるタイミングであり、第4のタイミングt4は、第3のタイミングt3後に第4の気筒内でCNGの燃焼が開始されるタイミングである。さらに、第5のタイミングt5は、第4のタイミングt4後に第1の気筒内でCNGの燃焼が開始されるタイミングである。なお、「CNGの燃焼が開始されるタイミング」は、「上記プラグが点火されるタイミング」と言い換えてもよい。
一方、内燃機関10のアイドリング中において各CNG用インジェクタ47のうち第1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作しない場合、第1の気筒内へのCNGの供給量不足に起因し、CNGの燃焼によって得られる推進力は、適量のCNGが第1の気筒内に供給される場合よりも小さくなる。そのため、図4の実線で示すように、第1の気筒内でのCNGの燃焼開始タイミング後では、推進力不足によって、クランクシャフト17の回転速度Vcが遅くなる。この場合、第1の気筒内でCNGの燃焼が開始される第1のタイミングt1と、第2の気筒内でCNGの燃焼が開始される第2のタイミングt2−1との間隔INT1は、該第2のタイミングt2−1と、第3の気筒内でCNGの燃焼が開始される第3のタイミングt3−1との間隔INT2よりも長くなる。
また、クランクシャフト17の回転を加速させる場合に、第1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作しないこともある。この場合、第1の気筒内でCNGの燃焼が開始されるタイミング後で、クランクシャフト17の回転速度Vcの上昇率である加速度が、第1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作する場合よりも小さな値となる。
このようにCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作しないことは、内燃機関10の制御だけではなく、他の車両制御においても余り好ましくない。そのため、正常に開弁動作しないCNG用インジェクタ47がある場合には、当該CNG用インジェクタ47を正常に開弁動作させることができるように制御内容を変更する必要がある。
そこで次に、本実施形態のECU50が実行する各種制御処理ルーチンのうち、内燃機関10にCNGを供給させる際に実行されるCNG供給処理ルーチンについて、図5及び図6に示すフローチャートと、図7に示すグラフとを参照して説明する。
さて、ECU50は、上記イグニッションスイッチがオンになったことを契機に、CNG供給処理ルーチンを実行する。そして、CNG供給処理ルーチンにおいて、ECU50は、内燃機関10へのCNGの供給が許可されているか否かを判定する(ステップS10)。CNGの供給が禁止される場合(ステップS10:NO)、車両の走行モードが内燃機関10にガソリンを供給する第2のモードであるため、ECU50は、IGフラグFLG1をオンに設定する(ステップS11)。このIGフラグFLG1は、イグニッションスイッチがオンになったか否かの判断に用いられるフラグであり、初期設定ではオフにセットされる。そのため、イグニッションスイッチがオンになった直後では、IGフラグFLG1はオフになっている。その後、ECU50は、その処理を前述したステップS10に移行する。
一方、CNGの供給が許可される場合(ステップS10:YES)、車両の走行モードが内燃機関10にCNGを供給する第1のモードであるため、ECU50は、IGフラグFLG1がオフであるか否かを判定する(ステップS12)。IGフラグFLG1がオフである場合(ステップS12:YES)、始動開始時から内燃機関10にCNGが供給されるため、ECU50は、安定判断時間T1thを「0(零)」以外の設定値に設定し(ステップS13)、その処理を後述するステップS15に移行する。設定値は、エンジン回転数、即ちクランクシャフト17の回転速度Vcが安定してから後述するステップS18以降の処理を行わせるための値である。なお、設定値は、車両の特性毎に予め設定された所定値(例えば、1秒に相当する値)であってもよいし、車両状況(例えば、外気温度)に応じて変更される値であってもよい。
一方、IGフラグFLG1がオンである場合(ステップS12:NO)、走行モードが第2のモードから第1のモードに切り替るタイミングであるため、ECU50は、安定判断時間T1thを「0(零)」に設定する(ステップS14)。その後、ECU50は、その処理を次のステップS15に移行する。
ステップS15において、ECU50は、全てのCNG用インジェクタ47に対する電流比率αを、予め設定された通常比率(通常状態用の比率)αbに設定する。ここでいう「電流比率α」とは、CNG用インジェクタ47を開弁動作させる場合の燃料噴射期間PTにおいて、第2の期間PT2に対する第1の期間PT1の比率のことであり、「PT1/(PT1+PT2)」である。また、「通常比率αb」とは、CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作する場合における第2の期間PT2に対する第1の期間PT1の比率(≠0(零))のことであって、インジェクタの特性に応じた値である。さらにいうと、通常比率αbは、ECU50に要求される一サイクル当りのCNGの要求噴射量に応じて変更される値である。例えば、通常比率αbは、要求噴射量が多いほど小さな値となる。しかし、電流比率αが通常比率αbに設定された場合の第1の期間PT1の長さは、通常比率αbの大きさに関係なく一定値である。
続いて、ECU50は、設定された電流比率αに基づきCNG用インジェクタ47を開弁動作させるためのCNG噴射処理を行う(ステップS16)。例えば、ECU50は、第1のCNG用インジェクタを駆動させる場合、第1のCNG用インジェクタ用の電流比率αと、その時点の燃料噴射期間PTとを読み出す。そして、ECU50は、読み出した電流比率αと燃料噴射期間PTとに基づいた第1の期間PT1の間、第1のCNG用インジェクタに対する電流値Ibを第1の電流値Ib1とし、第1の期間PT1後の第2の期間PT2の間、電流値Ibを第2の電流値Ib2(<Ib1)とする(図3参照)。したがって、本実施形態では、ECU50が、噴射弁制御手段としても機能する。
そして、各CNG用インジェクタ47の開弁動作が順次行わせるようになると、ECU50は、その処理を次のステップS17に移行する。このステップS17において、ECU50は、CNGによる内燃機関10の駆動が開始されてからの経過時間である第1経過時間T1が上記ステップS13又はステップS14で設定された安定判断時間T1th以上であるか否かを判定する。第1経過時間T1が安定判断時間T1th未満である場合(ステップS17:NO)、ECU50は、その処理を前述したステップS16に移行する。
一方、第1経過時間T1が安定判断時間T1th以上である場合(ステップS17:YES)、ECU50は、CNGを噴射すべく制御されたCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作したか否かを判定する正常判定処理(図6で詳述する。)を行う(ステップS18)。したがって、本実施形態では、ECU50が、内燃機関10にCNGを噴射するCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作するか否かを判定する開弁動作判定装置としても機能する。なお、本実施形態において「CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作しない」とは、電力供給を行ってもCNG用インジェクタ47が開弁状態にならないこと、CNG用インジェクタ47の開弁動作に遅れが生じることを含んでいる。
続いて、ECU50は、内燃機関10へのCNGの供給が禁止されたか否かを判定する(ステップS19)。「CNGの供給が禁止される場合」とは、上記イグニッションスイッチがオフになったこと、及び、車両の走行モードが第1のモードから第2のモードに切り替ったことなどが挙げられる。そして、内燃機関10へのCNGの供給が許可されている場合(ステップS19:NO)、内燃機関10にCNGを供給してもよいため、ECU50は、その処理を前述したステップS16に移行する。
一方、内燃機関10へのCNGの供給が禁止された場合(ステップS19:YES)、ECU50は、CNGの供給が禁止になった理由が、上記イグニッションスイッチがオフになったことであるのか否かを判定する(ステップS20)。イグニッションスイッチがオンである場合(ステップS20:NO)、走行モードが第1のモードから第2のモードに切り替ったため、ECU50は、その処理を前述したステップS10に移行する。一方、イグニッションスイッチがオフになった場合(ステップS20:YES)、ECU50は、内燃機関10に燃料(CNG及びガソリン)を供給する必要がないため、CNG供給処理ルーチンを終了する。
次に、上記ステップS18の正常判定処理(正常判定処理ルーチン)について、図6に示すフローチャート及び図7に示すグラフを参照して説明する。
さて、正常判定処理ルーチンにおいて、ECU50は、第Nの気筒の吸気工程時に燃焼工程となる第M(Mは、1,2,3,4のうちN以外の整数)の気筒でCNGの燃焼工程が開始したか否かを判定する(ステップS40)。第Mの気筒内でCNGの燃焼工程が未だ開始されていない場合(ステップS40:NO)、ECU50は、第Mの気筒でCNGの燃焼工程が開始されるまでステップS40の判定処理を繰り返し実行する。
一方、第Mの気筒内でCNGの燃焼工程が開始された場合(ステップS40:YES)、ECU50は、クランクシャフト17の回転速度Vcを、回転速度センサSE4からの検出信号に基づき取得(検出)する(ステップS41)。したがって、本実施形態では、ECU50が、回転速度取得手段としても機能する。
続いて、ECU50は、ステップS41で取得した回転速度Vcに基づき、ステップS40の判定結果が「YES」になってからのクランクシャフト17の回転角度θ(「回転量」といってもよい。)を取得(算出)し、該回転角度θが「180°」以下に予め設定された基準角度θth以上であるか否かを判定する(ステップS42)。この基準角度θthは、クランクシャフト17の回転速度Vcが第Mの気筒内でのCNGの燃焼による推進力に最も影響される角度領域に応じた値(例えば、30°)であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。そして、回転角度θが基準角度θth未満である場合(ステップS42:NO)、ECU50は、その処理を前述したステップS41に移行する。
一方、回転角度θが基準角度θth以上である場合(ステップS42:YES)、ECU50は、クランクシャフト17が基準角度θth分だけ回転するのに要した時間を、回転時間Tcとして算出する(ステップS43)。この回転時間Tcは、ステップS40の判定結果が「YES」になってからステップS42の判定結果が「YES」になるまでに要する時間でもある。したがって、本実施形態では、ECU50が、回転時間取得手段としても機能する。
そして、ECU50は、ステップS43で算出した回転時間Tcが、第MのCNG用インジェクタが正常に開弁動作するか否かの判断基準として設定された基準回転時間Tcth以上であるか否かを判定する(ステップS44)。この基準回転時間Tcthは、ECU50によって要求されるクランクシャフト17の要求回転速度が速い場合には、要求回転速度が遅い場合よりも小さな値に設定される。
回転時間Tcが基準回転時間Tcth以上である場合(ステップS44:YES)、ECU50は、第Mの気筒へのCNGの前回の噴射時に、第MのCNG用インジェクタが正常に開弁動作しなかったと判定される。したがって、本実施形態では、ECU50が、CNGの前回の噴射時に第MのCNG用インジェクタが正常に開弁動作したか否かを、CNGの次の噴射開始前に判定する判定手段としても機能する。また、ステップS44が、判定ステップに相当する。
そして、ECU50は、第MのCNG用インジェクタに対する電流比率αを、CNGの前回の噴射時よりも第1の期間PT1が長くなるように設定し(ステップS45)、その処理を後述するステップS47に移行する。この点で、本実施形態では、ECU50が、第MのCNG用インジェクタが正常に開弁動作しなかったと判定された場合に、第MのCNG用インジェクタによるCNGの前回の噴射時よりも第1の期間PT1が長くなるように、電流比率αを設定する設定手段としても機能する。また、ステップS45が、設定ステップに相当する。
すなわち、図7(a)に示すように、第MのCNG用インジェクタ用の電流比率αが通常比率αb(図7(a)では破線で示す。)であった場合、第Mの気筒内でのCNGの今回の燃焼後において、第MのCNG用インジェクタ用の電流比率αは、通常比率αbよりも大きな値に設定される。本実施形態では、燃料噴射期間PTの長さが一定であるとすると、第1の期間PT1は、電流比率αの変更前の期間PT11よりも長い期間PT12に設定される。このとき、必然として、第2の期間PT2の長さは、第1の期間PT1の長さの変更に伴い短くなる。
一例として、電流比率αが通常比率αbである場合、第1の期間PT1は、燃料噴射期間PTの半分未満の長さに設定されている。そして、電流比率αを通常比率αbから変更する場合、第1の期間PT1は、期間PT11の「2倍」の長さを有する期間PT12に変更される。そのため、電流比率αを通常比率αbから変更する第1段階では、第1の期間PT1は、燃料噴射期間PT以上にはならない。
また、電流比率αの第1段階の設定変更が行われた状態でも第MのCNG用インジェクタが正常に開弁動作しなかったと判定された場合、図7(b)に示すように、第1の期間PT1がさらに長くなるように、電流比率αが設定される。この場合、第1の期間PT1は、電流比率αの変更前の期間PT12よりも長い期間PT13に設定される。すなわち、本実施形態では、電流比率αを、少なくとも2段階で設定変更可能となっている。ただし、期間PT13は、燃料噴射期間PT以下の値である。
なお、第1の期間PT1が長くなるように電流比率αを変更する場合であっても、電流比率αは、変更前と比較して必ずしも大きな値になるとは限らない。例えば、車両の加速時などでは、第1の期間PT1が長くなるように電流比率αを変更しても、該電流比率αが変更前の値よりも小さくなることがあり得る。
図6のフローチャートに戻り、回転時間Tcが基準回転時間Tcth未満である場合(ステップS44:NO)、ECU50は、第MのCNG用インジェクタが正常に開弁動作したと判断し、第MのCNG用インジェクタ用の電流比率αを通常比率αbに設定し(ステップS46)、その処理を次のステップS47に移行する。つまり、本実施形態では、第MのCNG用インジェクタが正常に開弁動作する場合、第MのCNG用インジェクタ用の電流比率αは通常比率αbで維持されると共に、第MのCNG用インジェクタに対する第1の期間PT1が通常の長さで維持される。なお、電流比率αが通常比率αbで維持されるといっても、内燃機関10の駆動状況によっては、電流比率αは、第MのCNG用インジェクタによる前回のCNGの噴射時とは異なる値になることもあり得る。
また、第MのCNG用インジェクタが正常に開弁動作しない状態から正常に開弁動作するようになったと判定結果が変わった場合、第MのCNG用インジェクタに対する第1の期間PT1が、判定結果が変わる前の値よりも短くなるように、第MのCNG用インジェクタ用の電流比率αが設定される。
ステップS47において、ECU50は、第M+1の気筒でCNGの燃焼工程が開始された後に、第M+1のCNG用インジェクタによるCNGの前回の噴射時に該第M+1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作したか否かを判定するために、気筒数Mを「1」だけインクリメントする。ただし、インクリメント後の気筒数Mが「5」になった場合、ECU50は、気筒数Mを「1」に変更する。その後、ECU50は、正常判定処理ルーチンを一旦終了する。
次に、走行モードが第2のモードから第1のモードに切り替る際の作用について説明する。なお、前提として、内燃機関10のアイドリング中に走行モードが第2のモードから第1のモードに切り替ると共に、各CNG用インジェクタ47のうち第1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作しなく、さらに、他のCNG用インジェクタは正常に開弁動作するものとする。ただし、第1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作しない理由は、該第1のCNG用インジェクタに付着したオイルの固化(即ち、粘度の上昇)であるものとする。
さて、内燃機関10のアイドリング時に内燃機関10に供給される燃料がガソリンからCNGに切り替ると、内燃機関10を構成する各気筒13内には、個別対応する各CNG用インジェクタ47からCNGが噴射されるようになる。このとき、第2〜第4の各CNG用インジェクタ47は正常に開弁動作するため、第2〜第4の各気筒13内には、適量のCNGが供給される。そのため、第2〜第4の各CNG用インジェクタ47用の電流比率αは、通常比率αbにそれぞれ維持される。
一方、第1のCNG用インジェクタは、電流比率αが通常比率αbに設定される場合、正常に開弁動作しない。そのため、第1の気筒内には適量のCNGが供給されないため、第1の気筒の燃焼工程時には十分な推進力が発生しない。その結果、第1の気筒での燃焼工程の開始後においては、クランクシャフト17は十分な推進力を得られず、その回転速度Vcが減速する(図4参照)。
本実施形態では、CNGによる内燃機関10の駆動時には、クランクシャフト17の回転速度Vcの変動度合が観察され、該観察結果に基づき正常に開弁動作しないCNG用インジェクタ47があるか否かが判定される。この場合には、第1の気筒での燃焼工程の開始後に回転速度Vcの減速が発生する。そのため、第1のCNG用インジェクタによるCNGの前回の噴射時には、該第1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作しなかったと判定される。
すると、第1のCNG用インジェクタによるCNGの次の噴射開始前に、第1のCNG用インジェクタ用の電流比率αは、通常比率αbから大きな値に変更される(図7(a)参照)。その結果、第1のCNG用インジェクタによるCNGの次の噴射時には、電流比率αが通常比率αbである場合と比較して、第1のCNG用インジェクタのソレノイドコイル66に対する電流値Ibを第1の電流値Ib1とする期間が長くなる。つまり、第1のCNG用インジェクタに対して開弁させようとする開弁力が付与される期間が長くなる。そのため、電流比率αが通常比率αbで保持される場合と比較して、第1のCNG用インジェクタの動作不良が解消される可能性が高くなる。
そして、電流比率αの変更後における第1の気筒での次の燃焼工程の開始後においてクランクシャフト17の回転速度Vcの減速が観察されなくなった場合には、電流比率αの変更によって、第1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作するようになったと判定される。この場合には、第1のCNG用インジェクタ用の電流比率αは、通常比率αbに戻される。
その一方で、電流比率αの変更後における第1の気筒での次の燃焼工程の開始後に、クランクシャフト17の回転速度Vcの減速がまだ観察されることがある。この場合、第1のCNG用インジェクタが未だ正常に開弁動作していないため、電流比率αは、第1の期間PT1がさらに長くなるように設定される(図7(b)参照)。すると、第1のCNG用インジェクタによるCNGの次回の噴射時には、第1のCNG用インジェクタのソレノイドコイル66に対する電流値Ibを第1の電流値Ib1とする期間がさらに長くなる。その結果、電流比率αが図7(a)にて破線で示す比率である場合と比較して、第1のCNG用インジェクタの動作不良が解消される可能性が高くなる。
こうした電流比率αの変更によって、第1のCNG用インジェクタの動作不良が解消されると、第1のCNG用インジェクタ用の電流比率αは通常比率αbに戻される。その一方で、動作不良が未だ解消されていない場合、第1のCNG用インジェクタ用の電流比率αは、第1の期間PT1がさらに長くなるように設定される。
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)CNGの噴射時においてCNG用インジェクタ47に対する電流値Ibは、第1の期間PT1では第1の電流値Ib1に設定され、第2の期間PT2では第1の電流値Ib1よりも小さい第2の電流値Ib2に設定される。このようにCNG用インジェクタ47が制御される場合において、当該CNG用インジェクタ47によるCNGの次回の噴射前には、前回の噴射時にCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作したか否かが判定される。CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作しなかったと判定された場合には、CNG用インジェクタ47によるCNGの前回の噴射時よりも燃料噴射期間PTを超えない範囲内で第1の期間PT1が長くなるように、電流比率αが設定される。そして、CNG用インジェクタ47によるCNGの今回の噴射時には、新たに設定された設定内容に基づき当該CNG用インジェクタ47が制御される。
その後、CNG用インジェクタ47が未だ正常に開弁動作しないと判定された場合には、第1の期間PT1がさらに長くなるように電流比率αが設定され、新たに設定された電流比率αに基づきCNG用インジェクタ47が制御される。つまり、本実施形態では、第1の期間PT1を長くするという第1の対策でCNG用インジェクタ47の動作不良を解消できない場合には、第1の期間PT1をさらに長くするという第2の対策でCNG用インジェクタ47の動作不良を積極的に解消させようとすることができる。したがって、内燃機関10にCNGを噴射するCNG用インジェクタ47の動作不良を解消させる可能性を高くすることができる。
(2)CNG用インジェクタ47によるCNGの前回の噴射時にCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作しなかったと判定された場合に、次の噴射時には電流値Ibを第1の電流値Ib1にし続けるという方法も考えられる。つまり、電流比率αを通常比率αbから一気に「1」にする方法が考えられる。しかしながら、この場合には、CNG用インジェクタ47のソレノイドコイル66に対して、不必要に大きな電流を供給し続け、CNG用インジェクタ47の不用意な温度上昇を招くおそれがある。この点、本実施形態では、電流比率αを通常比率αbの状態から変更する場合には、電流比率αが一気に「1」に設定されることはない。そのため、CNG用インジェクタ47に対する電流値Ibを第1の電流値Ib1に設定し続ける場合と比較して、CNG用インジェクタ47の不用意な温度上昇を抑制することができ、ひいてはCNG用インジェクタ47の寿命時間の短縮を抑制することができる。
(3)また、本実施形態では、CNG用インジェクタ47によるCNGの前回の噴射時にCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作しなかったと判定された場合には、この判定結果に基づき燃料噴射期間PTが変更されることはない。そのため、CNG用インジェクタ47を正常に開弁動作させるべく制御態様を変更する際に、CNG用インジェクタ47に供給されるCNGの燃圧を変更しなくてもよい。つまり、制御内容の複雑化を抑制することができる。
(4)CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作しない場合とは、当該CNG用インジェクタ47から気筒13内に適量のCNGを供給できないことを意味している。この場合、クランクシャフト17の回転速度Vcには、CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作する場合とは異なる変動が含まれる。そこで、本実施形態では、内燃機関10へのCNGの供給後におけるクランクシャフト17の回転速度Vcの変動度合に基づき、CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作したか否かが判定される。そのため、取得した外気温度に基づきCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作しない可能性があるか否かを判定する従来の場合と比較して、本来は正常に開弁動作するにも拘わらず、正常に開弁動作しないと誤判定される可能性を低減させることができる。その結果、正常に開弁動作するCNG用インジェクタ47に対して不必要に大きな電流が流れることを抑制することができる。
(5)具体的には、クランクシャフト17が基準角度θthだけ回転するのに要する回転時間Tcに基づき、CNG用インジェクタ47によるCNGの前回の噴射時にCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作したか否かが判定される。そのため、CNG用インジェクタ47による前回のCNGの噴射時から当該CNG用インジェクタ47によるCNGの今回の噴射開始前までに、CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作したか否かを判定することができる。その結果、電流比率αを最新の状態に基づいた値に設定することができ、CNG用インジェクタ47の開弁動作不良を速やかに解消させることができる。
(6)本実施形態の内燃機関10には4つの気筒13が設けられている。こうした内燃機関10では、CNGの燃焼工程は、第1の気筒→第2の気筒→第3の気筒→第4の気筒→第1の気筒→・・・と順番に行われる。そこで、第M(例えば、第1)のCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作するか否かの判定は、第Mの気筒(第1の気筒)でのCNGの燃焼工程の開始後から第M+1の気筒(例えば、第2の気筒)でのCNGの燃焼工程の開始前までに取得されたクランクシャフト17の回転速度Vcに基づき行われる。そのため、基準角度θthを「180°」以下の値に設定することにより、各CNG用インジェクタ47の中に正常に開弁動作しないインジェクタがある場合、正常に開弁動作しないインジェクタを特定することができる。
(7)本実施形態では、車両の走行モードが第2のモードから第1のモードに切り替った場合には、CNG用インジェクタ47を制御しつつ、当該CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作したか否かが判定される。そして、CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作しなかったと判定された場合には、第1の期間PT1が長くなるように、電流比率αが設定され、次回のCNGの噴射時には新たに設定された電流比率αに基づきCNG用インジェクタ47が制御される。つまり、内燃機関10へのCNGの供給開始から速やかに、動作不良のCNG用インジェクタ47を正常に開弁動作させることが可能となる。
(8)一方、バイフューエル内燃機関においては、内燃機関10の始動開始時からCNGが供給されることがある。この場合、CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作するか否かの判定処理は、クランクシャフト17の回転速度Vcが安定するのを待ってから行われる。そのため、回転速度Vcが安定する前から上記判定処理を行う場合と比較して、誤判定が発生する可能性を低くすることができる。
(9)第1の期間PT1を長く設定したことによりCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作するようになった場合、電流比率αは通常比率αbに戻される。そのため、CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作するようになっても電流比率αが通常比率αbに戻されない場合とは異なり、第1の期間PT1が不必要に長めに設定されることを抑制することができる。したがって、電流の供給の過多によるCNG用インジェクタ47の温度上昇を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図8に従って説明する。なお、第2の実施形態は、車両の走行モードを第2のモードから第1のモードに切り替える際の制御内容が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のCNG供給処理ルーチンについて、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
さて、CNG供給処理ルーチンにおいて、ECU50は、IGフラグFLG1がオフであった場合(ステップS12:NO)、上記ステップS15と同等の処理(ステップS60)を行う。続いて、ECU50は、気筒数Nに「1」をセットし(ステップS61)、その処理を次のステップS62に移行する。
ステップS62において、ECU50は、第1〜第Nの気筒に対してCNGを噴射させる第1CNG噴射処理を行う。つまり、気筒数Nが「1」である場合、ECU50は、第1の気筒には第1のCNG用インジェクタからCNGを噴射させる一方で、第2、第3及び第4の各気筒にはガソリン用インジェクタ34からガソリンを噴射させる。また、気筒数Nが「2」である場合、ECU50は、第1及び第2の各気筒には第1及び第2の各CNG用インジェクタからCNGを噴射させる一方で、第3及び第4の各気筒にはガソリン用インジェクタ34からガソリンを噴射させる。
続いて、ECU50は、第Nの気筒でCNGの燃焼工程が開始したか否かを判定する(ステップS63)。燃焼工程が開始していない場合(ステップS63:NO)、ECU50は、第Nの気筒でCNGの燃焼工程が開始されるまでステップS63の判定処理を繰り返し実行する。一方、燃焼工程が開始した場合(ステップS63:YES)、ECU50は、上記ステップS41,S42,S43,S44の各処理に相当するステップS64,S65,S66,S67の各処理を実行する。したがって、本実施形態では、ステップS67が、判定ステップに相当する。
そして、回転時間Tcが基準回転時間Tcth以上である場合(ステップS67:YES)、ECU50は、第NのCNG用インジェクタによるCNGの前回の噴射時に該第NのCNG用インジェクタが正常に開弁動作しなかったと判定する。そして、ECU50は、第NのCNG用インジェクタに対する電流比率αを、第1の期間PT1が以前よりも長くなるように設定し(ステップS68)、その処理を前述したステップS62に移行する。この点で、本実施形態では、ステップS68が、設定ステップに相当する。
一方、回転時間Tcが基準回転時間Tcth未満である場合(ステップS67:NO)、ECU50は、第NのCNG用インジェクタによるCNGの前回の噴射時に該第NのCNG用インジェクタが正常に開弁動作したと判定する。そして、ECU50は、第NのCNG用インジェクタ用の電流比率αを通常比率αbに設定し(ステップS69)、気筒数Nを「1」だけインクリメントする(ステップS70)。続いて、ECU50は、気筒数Nが気筒総数(本実施形態では4)を超えたか否かを判定する(ステップS71)。気筒数Nが気筒総数以下である場合(ステップS71:NO)、ガソリンが噴射される気筒13が未だあるため、ECU50は、その処理を前述したステップS62に移行する。
一方、気筒数Nが気筒総数を超えた場合(ステップS71:YES)、全ての気筒13にCNGが供給され、且つ全てのCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作するため、ECU50は、第2CNG噴射処理を行う(ステップS72)。この第2CNG噴射処理では、全ての気筒13内にCNGを噴射させるべく全てのCNG用インジェクタ47が制御される。
続いて、ECU50は、内燃機関10へのCNGの供給が禁止されたか否かを判定する(ステップS73)。内燃機関10へのCNGの供給が許可されている場合(ステップS73:NO)、ECU50は、その処理を前述したステップS72に移行する。一方、内燃機関10へのCNGの供給が禁止された場合(ステップS73:YES)、ECU50は、CNGの供給が禁止になった理由が、上記イグニッションスイッチがオフになったことであるのか否かを判定する(ステップS74)。イグニッションスイッチがオンである場合(ステップS74:NO)、走行モードが第1のモードから第2のモードに切り替ったため、ECU50は、その処理を前述したステップS10に移行する。一方、イグニッションスイッチがオフになった場合(ステップS74:YES)、ECU50は、内燃機関10に燃料(CNG及びガソリン)を供給する必要がないため、CNG供給処理ルーチンを終了する。
次に、本実施形態において走行モードが第2のモードから第1のモードに切り替る際の作用について説明する。
さて、内燃機関10のアイドリング時に走行モードが第2のモードから第1のモードに切り替る際には、内燃機関10を構成する各気筒13のうち第1の気筒(一部の気筒)に対してCNGを噴射させるべく第1のCNG用インジェクタが制御される。なお、第1のCNG用インジェクタ用の電流比率αは、通常比率αbに設定されている。また、この時点では、第1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作するか否かが判定されていないため、第1の気筒以外の他の気筒(第2、第3及び第4の各気筒)には、CNGではなくガソリンが噴射される。
こうした状態において第1の気筒でCNGの燃焼工程が開始すると、クランクシャフト17の回転速度Vcの変動度合が観察され、該観察結果に基づき第1のCNG用インジェクタが正常に開弁動作するか否かが判定される。そして、第1の気筒が正常に開弁動作していると判定されると、第2の気筒(第1の気筒以外の他の気筒)にもCNGが噴射されるように、第1及び第2の各CNG用インジェクタが制御される。このときの第2のCNG用インジェクタ用の電流比率αは、通常比率αbに設定されている。また、第2のCNG用インジェクタが正常に開弁動作することが確認できていない時点では、第3及び第4の各気筒には、依然としてガソリンが噴射される。
そして、第2の気筒でCNGの燃焼工程が開始すると、クランクシャフト17の回転速度Vcの変動度合が観察され、該観察結果に基づき第2のCNG用インジェクタが正常に開弁動作するか否かが判定される。もし仮に第2のCNG用インジェクタが正常に開弁動作しない場合、第2の気筒でのCNGの燃焼工程後に、クランクシャフト17の回転速度Vcに意図しない減速が見られる。そして、第2の気筒が正常に開弁動作しないと判定された場合、第2のCNG用インジェクタ用の電流比率αは、第1の期間PT1が長くなるように設定される。その後の第2の気筒へのCNGの噴射時には、新たに設定された電流比率αに基づき第2のCNG用インジェクタが駆動される。
その後の第2の気筒でCNGの燃焼工程が開始すると、クランクシャフト17の回転速度Vcに基づき第2のCNG用インジェクタが正常に開弁動作したか否かが判定される。そして、正常に開弁動作したと判定されると、第2のCNG用インジェクタ用の電流比率αは通常比率αbに戻される。
すると、第3の気筒にもCNGが供給されるようになる。そして、第3の気筒でのCNGの燃焼工程後のクランクシャフト17の回転速度Vcに基づき、第3のCNG用インジェクタが正常に開弁動作したと判定されると、第4の気筒にもCNGが供給されるようになる。その後に第4のCNG用インジェクタが正常に開弁動作したと判定されると、車両の走行モードの第2のモードから第1のモードへの切り替えが完了される。この時点では、各CNG用インジェクタ47用の電流比率αが通常比率αbにそれぞれ設定されている。
以上説明したように、本実施形態では、上記第1の実施形態における効果(1)〜(5)(7)〜(9)と同等の効果に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(10)内燃機関10に噴射される燃料がガソリンからCNGに切り替えられる場合、各気筒13のうち一部の気筒に対してCNGを噴射させるべく、該一部の気筒に対応するCNG用インジェクタ47が駆動される。この状態で、一部の気筒に対応するCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作するか否かが判定され、正常に開弁動作しなかったと判定された場合には、一部の気筒に対応するCNG用インジェクタ47用の電流比率αは、第1の期間PT1が長くなるように設定される。
そして、一部の気筒に対応するCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作したと判定された場合には、他の気筒に対してCNGが噴射されるように、該他の気筒に対応するCNG用インジェクタ47が駆動される。そのため、各CNG用インジェクタ47の中に正常に開弁動作しないインジェクタがある場合には、走行モードの変更時に全ての気筒13にCNGが噴射されるようになる場合と比較して、動作不良のCNG用インジェクタ47を特定しやすくすることができる。
なお、上記各実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第2の実施形態において、走行モードが第2のモードから第1のモードに切り替る場合には、4つの気筒13のうち2つの気筒(例えば、第1及び第2の各気筒)に対してCNGを噴射させ、他の気筒(第3及び第4の各気筒)に対してガソリンを噴射させるようにしてもよい。この状態で第1及び第2の各気筒が正常に開弁動作したと判定された場合には、第3及び第4の各気筒のうち少なくとも一方に対してCNGを噴射させるようにしてもよい。
・各実施形態において、電流比率αを大きく設定したことによりCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作するようになった場合、第1の期間PT1が短くなるのであれば、電流比率αを通常比率αbよりも大きな値にしてもよい。例えば、電流比率αを図7(b)における実線に対応する比率にしたことによりCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作するようになった場合、電流比率αを、図7(b)における破線に対応する比率にしてもよい。
そして、電流比率αを図7(b)における破線に対応する比率にしてもCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作する場合に、電流比率αを通常比率αbに戻してもよい。ただし、電流比率αを図7(b)における破線に対応する比率にしてCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作しなかった場合には、電流比率αを図7(b)における実線に対応する比率に戻すことが好ましい。
・各実施形態において、基準角度θthを、「180°」以下の値であれば、「30°」以外の他の任意の角度(例えば、60°)に設定してもよい。このように基準角度θthを設定しても、動作不良のCNG用インジェクタ47を特定することができる。
・第2の実施形態において、基準角度θthを、「360°」以下の値であれば、「30°」以外の他の任意の角度(例えば、300°)に設定してもよい。このように基準角度θthを設定しても、動作不良のCNG用インジェクタ47を特定することができる。
・各実施形態において、連続して規定回数(例えば、5回)以上、一のCNG用インジェクタが正常に開弁動作しなかったと判定された場合、一のCNG用インジェクタが故障したと判定してもよい。規定回数は、「3」以上の任意数であることが好ましい。そして、故障のCNG用インジェクタ47がある場合には、車両の走行モードを第1のモードから第2のモードに切り替えさせてもよい。
・各実施形態において、CNG用インジェクタ47が正常に開弁動作したか否かを、以下に示す方法で行ってもよい。すなわち、第Nの気筒でのCNGの燃焼工程の開始後からの経過時間が所定時間を経過するまでのクランクシャフト17の回転量(回転角度θ)を取得する。そして、回転角度θが基準角度未満である場合に、第NのCNG用インジェクタによるCNGの前回の噴射時に第NのCNG用インジェクタが正常に開弁動作しなかったと判定するようにしてもよい。なお、所定時間は、第Nの気筒での燃焼工程の開始から第N+1の気筒での燃焼工程の開始前までの時間未満に設定される時間であって、ECU50が要求するクランクシャフト17の回転速度Vcに応じた値に設定される。
・第1の実施形態において、クランクシャフト17が2回転するのに要する回転時間Tcを取得し、該回転時間Tcが設定された規定時間以上である場合に、動作不良のCNG用インジェクタ47があると判定するようにしてもよい。なお、規定時間は、全てのCNG用インジェクタ47が正常に開弁動作すると仮定した場合における回転時間Tcの推定値に応じた値に設定することが好ましい。
このような判定方法において動作不良のCNG用インジェクタ47があると判定された場合には、全てのCNG用インジェクタ47に対する電流比率αを、判定前よりも第1の期間PT1が長くなるように設定することが好ましい。
・各実施形態において、CNG用インジェクタ47の動作不良によって電流比率αを通常比率αbとは異なる値に設定したことにより、当該インジェクタが正常に開弁動作するようになった場合に、第1の期間PT1の長さが保持されるように電流比率αを設定させてもよい。
・各実施形態では、電流比率αを大きくする場合、第1の期間PT1が長くなるのであればその変更量を任意の値に設定してもよい。例えば、期間PT12は、期間PT11の「1.5倍」であってもよい。
・車両に搭載される内燃機関は、4つ以外の任意数の気筒(例えば、3つや6つ)を有する内燃機関であってもよい。この場合、CNG供給系40には、気筒の数と同数のCNG用インジェクタ47が設けられる。
・各実施形態において、CNG供給系40は、複数のCNGタンク41を備えた構成であってもよい。
・各実施形態において、ガス燃料は、CNG以外の他のガス燃料(水素ガスなど)であってもよい。そして、代替燃料としては、ガス燃料が供給される内燃機関で燃焼可能な燃料であることが好ましい。例えば、ガス燃料が水素ガスである場合、代替燃料としてはガソリンが挙げられる。また、ガス燃料がジメチルエーテル(DME)である場合、代替燃料としては軽油が挙げられる。
・各実施形態において、LPG(液化石油ガス)などの液化ガス燃料を貯留するタンクを備える燃料噴射機構を、CNG供給系40の代わりに設けてもよい。この場合、タンクから噴射弁までの燃料供給経路には、液化ガス燃料を気体化させる機構を設けてもよい。その結果、噴射弁からは、気体化された燃料が噴射されることになる。
・本発明の燃料供給制御装置を搭載した車両を、駆動源として内燃機関10とモータとを備えたハイブリッド車両に具体化してもよい。この場合、ガス燃料の他のエネルギは、ガソリンに代表される代替燃料の代わりに、車両に搭載されるバッテリに蓄電される電力となる。そして、内燃機関10へのガス燃料の供給が禁止される間は、バッテリの電力を車載のモータに供給し、該モータの駆動によって車両を走行させるようにしてもよい。
・第1の実施形態において、内燃機関10は、バイフューエル内燃機関ではなくてもよい。この場合、燃料供給装置20は、ガソリン供給系30を省略した構成であってもよい。
次に、上記各実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記内燃機関にガス燃料を供給するための燃料供給機構には、前記内燃機関を構成する複数の気筒に個別対応する複数の前記噴射弁が設けられ、
前記基準角度は、「180°」以下の値に予め設定されており、
前記回転時間取得手段は、前記各噴射弁のうち一の噴射弁からガス燃料が噴射された気筒でのガス燃料の燃焼工程の開始後から、前記一の噴射弁の次にガス燃料を噴射する次の噴射弁からガス燃料が噴射された気筒でのガス燃料の燃焼工程の開始までの間で、前記クランクシャフトが前記基準角度だけ回転するのに要する回転時間を取得し、
前記判定手段は、前記回転時間取得手段によって取得された回転時間に基づき、前記一の噴射弁が正常に開弁動作したか否かを判定することを特徴とする燃料供給制御装置。
一の噴射弁に対応する気筒内に一の噴射弁からガス燃料が噴射された後では、次の噴射弁に対応する気筒内に次の噴射弁からガス燃料が噴射される。つまり、一の噴射弁に対応する気筒内でガス燃料が燃焼した後に、次の噴射弁に対応する気筒内でガス燃料が燃焼する。そのため、一の噴射弁に対応する気筒でのガス燃料の燃焼工程の開始後から、次の噴射弁に対応する気筒でのガス燃料の燃焼工程の開始までの間では、クランクシャフトの回転速度は、一の噴射弁に対応する気筒でのガス燃料の燃焼に基づく推進力に最も影響される。
そこで、本発明では、一の噴射弁からガス燃料が噴射された気筒でのガス燃料の燃焼工程の開始後から、次の噴射弁からガス燃料が噴射された気筒でのガス燃料の燃焼工程の開始までの間で、クランクシャフトが基準角度だけ回転するのに要する回転時間が取得される。そして、取得された回転時間に基づき、一の噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時に該一の噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定される。そのため、一の噴射弁によるガス燃料の前回の噴射後から一の噴射弁によるガス燃料の今回の噴射前までの間で、一の噴射弁が正常に開弁動作したか否かを判定することができる。すなわち、一の噴射弁が正常に開弁動作したか否かの最新の情報に基づき、一の噴射弁に対する上記比率を設定することができる。
(ロ)前記設定手段は、
前記判定手段による判定結果が、前記噴射弁が正常に開弁動作しなかったという判定結果から正常に開弁動作したという判定結果に変わった場合に、
前記第2の期間に対する前記第1の期間の比率を、判定結果が変わる前よりも前記第1の期間が短くなるように設定することを特徴とする燃料供給制御装置。
上記構成によれば、噴射弁が正常に開弁動作するようになったと判定された場合、上記比率は、判定前よりも第1の期間が短くなるように設定される。そのため、正常に開弁動作する噴射弁に対して、不必要に大きな力が付与されることを抑制できる。
(ハ)車載の内燃機関にガス燃料を噴射する噴射弁が正常に開弁動作するか否かを判定する開弁動作判定装置であって、
前記内燃機関を構成するクランクシャフトが「360°」以下に予め設定された基準角度だけ回転するのに要する回転時間を取得する回転時間取得手段と、
前記回転時間取得手段によって取得された回転時間が、前記噴射弁が正常に開弁動作するか否かの判断基準として設定された基準回転時間以下である場合に、前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時に当該噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定する判定手段と、を備えることを特徴とする開弁動作判定装置。
噴射弁が正常に開弁動作しない場合とは、当該噴射弁から内燃機関に適量のガス燃料を噴射できていないことを意味している。この場合、内燃機関を構成するクランクシャフトの回転速度には、噴射弁から適量のガス燃料が内燃機関に噴射される場合とは異なる変動が含まれる。そこで、本発明では、ガス燃料による内燃機関の駆動中に取得されたクランクシャフトの回転速度の変動度合に基づき、噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時に当該噴射弁が正常に開弁動作したか否かが判定される。そのため、取得した外気温度に基づき噴射弁が正常に開弁動作しない可能性があるか否かを判定する従来の場合と比較して、噴射弁が正常に開弁動作したか否かの判定精度を向上させることができる。
10…内燃機関、13…気筒、17…クランクシャフト、34…他の噴射弁の一例としてのガソリン用インジェクタ、40…燃料供給機構の一例としてのCNG供給系、47…噴射弁の一例としてのCNG用インジェクタ、50…燃料供給制御装置、開弁動作判定装置の一例としてのECU(弁制御手段、判定手段、設定手段、回転速度取得手段、回転時間取得手段、他の弁制御手段)、PT…燃料噴射期間、PT1…第1の期間、PT2…第2の期間、Tc…回転時間、Tcth…基準回転時間、Vc…回転速度、α…比率の一例としての電流比率、θth…基準角度。

Claims (8)

  1. 車載の内燃機関にガス燃料を噴射する噴射弁を駆動させるための駆動力を、該噴射弁からガス燃料を供給させる燃料噴射期間のうち第1の期間では前記噴射弁を開弁させるための開弁力に設定し、前記燃料噴射期間のうち前記第1の期間後の第2の期間では前記噴射弁の開弁状態を保持させるための力であって且つ前記開弁力よりも小さい保持力に設定する弁制御手段と、
    前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時に当該噴射弁が正常に開弁動作したか否かを、前記噴射弁によるガス燃料の今回の噴射前に判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定された場合に、前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時よりも前記第1の期間が長くなるように、前記第2の期間に対する前記第1の期間の比率を設定する設定手段と、を備え、
    前記弁制御手段は、前記噴射弁によるガス燃料の今回の噴射時には、前記設定手段による設定内容に基づき当該噴射弁を制御することを特徴とする燃料供給制御装置。
  2. 前記設定手段は、前記判定手段によって前記噴射弁が正常に開弁動作しないと連続して判定された場合には、前記第1の期間が徐々に長くなるように前記第2の期間に対する前記第1の期間の比率を設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給制御装置。
  3. 前記内燃機関を構成するクランクシャフトの回転速度を取得する回転速度取得手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記回転速度取得手段によって取得された前記クランクシャフトの回転速度の変動度合に基づき、前記噴射弁が正常に開弁動作したか否かを判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料供給制御装置。
  4. 前記回転速度取得手段によって取得された回転速度に基づき、前記クランクシャフトが「360°」以下に予め設定された基準角度だけ回転するのに要する回転時間を取得する回転時間取得手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記回転時間取得手段によって取得された回転時間が、前記噴射弁が正常に開弁動作するか否かの判断基準として設定された基準回転時間以上である場合に、前記噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定することを特徴とする請求項3に記載の燃料供給制御装置。
  5. 車両は、ガス燃料をエネルギとして走行する第1のモードと、ガス燃料以外の他のエネルギを利用して車両を走行させる第2のモードとを有しており、
    前記設定手段は、車両の走行モードが前記第2のモードから前記第1のモードに切り替る場合に、前記第2の期間に対する前記第1の期間の比率を、該第1の期間の長さが通常の長さとなる通常状態用の比率に設定し、
    前記判定手段は、前記設定手段によって設定された内容に基づいた前記弁制御手段による前記噴射弁の制御開始後に、前記噴射弁が正常に開弁動作したか否かを判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の燃料供給制御装置。
  6. 車両の走行モードが前記第2のモードである場合に、前記内燃機関にガス燃料の代替燃料である液体燃料を噴射する他の噴射弁を制御する他の弁制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の燃料供給制御装置。
  7. 前記内燃機関にガス燃料を供給するための燃料供給機構には、前記内燃機関を構成する複数の気筒に個別対応する複数の前記噴射弁が設けられ、
    前記弁制御手段は、
    車両の走行モードが前記第2のモードから前記第1のモードに切り替る場合に、
    前記各気筒のうち一部の気筒に対してガス燃料が噴射されるように、該一部の気筒に対応する噴射弁を制御し、
    その後、前記判定手段によって前記一部の気筒に対応する噴射弁が正常に開弁動作したと判定されたときには、前記各気筒のうち前記一部の気筒以外の他の気筒にもガス燃料が噴射されるように、該他の気筒に対応する噴射弁を制御することを特徴とする請求項6に記載の燃料供給制御装置。
  8. 車載の内燃機関への噴射弁によるガス燃料の噴射時には、当該噴射弁を駆動させる燃料噴射期間のうち第1の期間では前記噴射弁を開弁させるための開弁力を前記噴射弁に付与させ、前記燃料噴射期間のうち前記第1の期間後の第2の期間では前記噴射弁の開弁状態を保持させるための力であって且つ前記開弁力よりも小さい保持力を前記噴射弁に付与させる内燃機関への燃料供給方法であって、
    前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時に当該噴射弁が正常に開弁動作したか否かを、前記噴射弁によるガス燃料の今回の噴射前に判定させる判定ステップと、
    前記判定ステップで前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時に当該噴射弁が正常に開弁動作しなかったと判定した場合に、前記噴射弁によるガス燃料の前回の噴射時よりも前記第1の期間が長くなるように、前記第2の期間に対する前記第1の期間の比率を設定させる設定ステップと、を有し、
    前記噴射弁によるガス燃料の今回の噴射時には、前記設定ステップでの設定内容に基づき前記噴射弁を駆動させることを特徴とする内燃機関への燃料供給方法。
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