JP2013001665A - 抗菌組成物 - Google Patents

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【課題】アミノ酸としてグリシンを使用しながらも、高い安定性を有するアミノ酸銀錯体を含有する抗菌組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る抗菌性組成物では、グリシンの水溶液にアルカリを添加して溶解させた混合溶液を30〜90℃の一定温度で撹拌しながら2〜3時間保持した後、同混合溶液に銀塩を添加して撹拌することにより生成したグリシン銀多核配位錯体を含有することとした。また、アルカリは、水酸化カリウムおよび/又は水酸化ナトリウムの水溶液であり、前記混合溶液のpHは、8.0〜12.0であることや、銀塩は、硝酸銀、炭酸銀、酸化銀、アンモニア性硝酸銀、硫酸銀より選択されるいずれか一種又は二種以上の混合物であることにも特徴を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、グリシンと銀の多核錯体を含有する抗菌組成物に関する。
従来、銀の微粒子や銀イオンは、細菌等の微生物に対して抗菌性を示すことが知られている。
そのため、所定の溶液中に銀の微粒子や銀イオンを含有させた抗菌剤が広く用いられている。
しかし、溶液中で銀が粒子やイオンの状態で単体で存在すると、他のイオン等と容易に反応し、沈殿を生じるなどして抗菌活性が低下してしまうという問題がある。
そこで、銀イオンとアミノ酸とで錯体を形成させることにより、溶液中での銀の抗菌活性の低下を防ぐようにした抗菌剤が提案されている。
特開平11−209209号公報
しかしながら、上記従来の銀イオンとアミノ酸とで形成した錯体(以下、アミノ酸銀錯体という。)は、未だ十分な安定性を有しているとは言い難いものであった。
また、量産され比較的安価なグリシンは、広い組成範囲で銀化合物と速やかに反応するため、アミノ酸銀錯体を形成するのに好適であると考えられるが、上記従来の方法により生成したアミノ酸銀錯体の安定性は極めて低いという欠点がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、アミノ酸としてグリシンを使用しながらも、高い安定性を有するアミノ酸銀錯体を含有する抗菌組成物を提供する。
上記従来の課題を解決するために、請求項1に係る本発明では、グリシンの水溶液にアルカリを添加して溶解させた混合溶液を30〜90℃の一定温度で撹拌しながら2〜3時間保持した後、同混合溶液に銀塩を添加して撹拌することにより生成したグリシン銀多核配位錯体を含有することとした。
また、請求項2に係る本発明では、請求項1に記載の抗菌性組成物において、前記アルカリは、水酸化カリウムおよび/又は水酸化ナトリウムの水溶液であり、前記混合溶液のpHは、8.0〜12.0であることに特徴を有する。
また、請求項3に係る本発明では、請求項1又は請求項2に記載の抗菌性組成物において、前記銀塩は、硝酸銀、炭酸銀、酸化銀、アンモニア性硝酸銀、硫酸銀より選択されるいずれか一種又は二種以上の混合物であることに特徴を有する。
請求項1に係る本発明によれば、グリシンの水溶液にアルカリを添加して溶解させた混合溶液を30〜90℃の一定温度で撹拌しながら2〜3時間保持した後、同混合溶液に銀塩を添加して撹拌することにより生成したグリシン銀多核配位錯体を含有することとしたため、アミノ酸としてグリシンを使用しながらも、高い安定性を有するアミノ酸銀錯体を含有する抗菌組成物を提供することができる。
また、請求項2に係る本発明によれば、前記アルカリは、水酸化カリウムおよび/又は水酸化ナトリウムの水溶液であり、前記混合溶液のpHは、8.0〜12.0であることとしたため、より効率よく安定な抗菌組成物を生成することができる。
また、請求項3に係る本発明によれば、前記銀塩は、硝酸銀、炭酸銀、酸化銀、アンモニア性硝酸銀、硫酸銀より選択されるいずれか一種又は二種以上の混合物であることとしたため、混合液中に効率よく銀塩を溶解させることができ、アミノ酸銀錯体を容易に製造することができる。
グリシンの示性式及び滴定曲線を示した説明図である。
本発明は、アミノ酸としてグリシンを使用しながらも、高い安定性を有するアミノ酸銀錯体を含有する抗菌組成物を提供するものである。
これまでも本発明者らは、アミノ酸銀錯体と総称される一群の組成物及び化合物について、アミノ酸の種類、銀の結合反応の種類について基礎的な実験を行い、アミノ酸に対する銀の結合反応機構、アミノ酸に対する銀の結合濃度等について、夫々の抗菌効果に及ぼす影響を定性的、定量的に解明するための研究を推進してきた。
アミノ酸銀錯体の細菌類に対する抗菌効力は、今日までの研究によれば、アミノ酸銀錯体の分子構造と使用条件の違いによる平衡安定性の変化で著しく変動するという知見が得られている。
特に、アミノ酸銀錯体の構造安定性は、他の一般的な化合物に共通の反応理論や化学結合論の範疇から逸脱した全く異なる律則に支配されるものと考えられる。
例えば、配位結合は一般的化学結合の一種として従来比較的簡単に説明され、取り扱われてきたきらいがあるが、物性的観点からすると非常に複雑且つ困難な機構内容を持っている。
そこでまず、アミノ酸銀錯体の化学系について、配位結合の平衡系(特に水溶液系)としての視点から、現時点で判明している現象について概説する。
アミノ酸銀錯体は金属キレート化合物の範疇に属する化学物質である。アミノ酸銀の金属原子の分子内結合形式は、遷移金属原子と有機又は無機化合物分子の特定原子との間に配位結合を機序とする共有結合(結合エネルギー状態は電子交換による一般的電子共有結合とは異なる)を形成し一つの安定系をつくる。
しかし一般に、配位化合物は、系内外からのエネルギー授受により分子が解離、分解、置換、転移、重合、酸化、還元等の変化を被り易い特徴がある。これらの変化は分子内部に止まらず、共存する周辺の物質に対しても影響を与える。
系外からの光、熱、圧力、或いは系内から放出される物理的、化学的エネルギーによる影響にも敏感に反応し、系の多成分平衡バランスが容易に崩れ、雪崩のような複雑な平衡移動が連鎖的に起る。
微生物の代謝系にも同様の影響をもたらすと考えられ、反応系の制御が非常に困難になる。
このような状態の反応系では、一つの平衡状態を維持することが困難となり、平衡が上記諸条件の影響を受けて一つのエネルギーレベルから次々と変遷し、それに付随して系全体の平衡状態が段階的に転移することで抗菌力に著しく影響することが実験を通じて明らかとなった。
殊に最も低分子量でα−アミノ酸のグリシンを用いた銀キレート(銀錯体)では、前記物性に関わる傾向は一層顕著に現れる。
従来、銀を機能成分とする抗菌剤としては、銀イオン、銀の無機化合物、銀の有機化合物、銀コロイド等を抗菌成分とする各種の組成物が開発されている。
しかし、銀を含有する化合物や組成物に共通する一般的な傾向として、銀の還元析出、分解析出等の不可逆変化に伴う機能の変化、低下或いは失活が起り易く、しばしば実用価値の低下が問題視される。
このように、銀を成分とする組成物に共通の傾向は、銀に固有の物性に基づくものであり、これを解決するためには、銀の物性が他の金属と著しく異なるものであることを十分理解認識して対処する必要がある。
銀は原子番号47番で周期律表のd軌道・Bグループ(遷移元素)に属する元素である。しかし、銀は、他の遷移金属にも類例の無い特異な物性を有している。
例えば、銀化合物は、独特の不安定性を有する。例えば、微弱な光のエネルギーで容易に還元されたり(写真の原理)、化学的に抗酸化性であるにも拘らず酸素と合金化したり、僅かな衝撃でも爆発的に分解して金属銀に還元されたり、その特異性は枚挙にいとまが無いほどである。
それゆえ、銀及びその化合物の反応機構の解析に必要な実験手段が著しく制限されるため作用機構の解析が困難な状況にあるといえる。
換言すれば、銀を機能成分に含む抗菌剤等の作用機構を論理的に解析し、その結果に基づいて材料を合成し実用化するといった一般的手法は適用が困難である。
実際、この種の抗菌剤の開発は、経験則或いはそれに近い知見を通じて発想されるいわゆるアイデアを根拠に、試行錯誤を繰り返しながら実用化される例が大半である。
作用効果の検証についても、現状では抗菌機能の実験的評価を繰り返し行い実用化を決定する方法が採られている。
本発明者らは、銀の抗菌作用機構に就いて先に行われた試験研究の結果から、銀の抗菌作用は銀原子外殻(4d亜殻)の電子遷移に起因する酸化還元高速交番パルスに拠る電気的作用効果であるとの証左を得ており、その作用機序を示唆する実験の写真を有している。
また、本発明者らは、銀の抗菌力の比較を、(1)銀イオン(陰イオンとしてゼオライト)、(2)EDTA銀キレート、(3)コロイド銀(3〜5μm),(4)導電性銀粉末(平均粒子径3μm、薄片状粉)、(5)本発明によるグリシン銀多核錯体水溶液及び(6)本発明者らが既に開発した超微細銀粒子(UFS,3〜5nm)の6試料について比較測定(寒天培池による菌培養試験による)をおこなった。
その結果、各試料の抗菌力はおおよそ次の順序であることが判明した。
即ち、 (6) > (5) > (3) ≧ (1) > (2) > (4)
このように、銀の抗菌力は金属の微細粒子が最も強力であり、コロイドは粒子凝集による粗大化で抗菌力が若干低下する。イオン乃至キレートは金属に還元されるまでの反応過程が損失となり抗菌作用が低下すると見られる。
全般的に、銀の微細化(ナノ化)により量子サイズ効果の影響が前記銀の特異性に更なる熱力学的物性変化を与え、抗菌機能に対しても更に著しい変化が考えられる。これらは粉体の物性、薄膜の物性等、ナノ粒子の物性に関連する今後の課題であるが、近年漸くこの分野の研究が緒についたばかりである。
一方、本発明者らは、α−アミノ酸の中で最も分子構造が簡単で食品添加物でもあり、且工業的に合成が容易なグリシン(化学構造名:アミノ酢酸)に銀を化学的に結合したグリシン銀錯体(キレート)が汎用抗菌剤として利用価値が高いと判断した。
しかしながら、本発明者らの実験結果においては、グリシンがアミノ酸銀錯体のアミノ酸として、除外すべき理由も示唆されていた。
本発明はここに端を発して研究に着手し、実験結果の解析から多くの示唆を得て、今までにない極めて斬新な方法に想到した。これが本発明の成果を得るに至った経緯である。
本発明者らは、銀とグリシンの化学反応で得られた数種類のグリシン銀について抗菌抗力を調べた。その結果を通じて、本発明の端緒となった極めて重要な事実が判明した。
すなわち、グリシンは銀化合物と広い組成範囲で速やかに反応し、グリシン銀キレート化合物を生成する。その反応速度は他のアミノ酸との反応速度と比較して著しく速い。
しかし、生成したキレート化合物の安定性は極めて低い欠点がある。即ち、その諸特性は合成時の反応比率、反応温度及び時間、光、保存条件(時間、温度、光線)、反応系のpH,等の影響で鋭敏に変化し、生成するキレート化合物の色調、透明度、抗菌効力に著しく影響することが判明したので改善の必要有りと判断した。
特に抗菌性については、グリシン分子内の銀含有量と抗菌効力との間に相関関係が見られず、抗菌機能剤として不適切であることが判明した。
そこで、前記グリシン銀錯体の不安定要因を除くための反応条件を探索する研究を行い、検討の結果到達した結論から導かれた要件を具体化し、本発明に至った。
本発明の主要物質であるグリシン銀配位体の物性は、グリシンの物性と配位結合の特異性との反応機構原理の観点から解明する必要がある。
グリシンは最も簡単なα−アミノ酸で、α−アミノ基に1個の水素原子が結合した構造を有する。一般に、グリシンの示性式はH2NCH2COOHと表示される。
この示性式ではアミンとカルボン酸の両方が同一分子内の、しかも隣り合う炭素に結合しており、そのうち一つは塩基性でもう一つは酸性である。グリシンのようにアミノ基とカルボキシル基とを1つずつ持ったアミノ酸、グリシンは、下記の両性イオン構造で表現するのが適切である。
Figure 2013001665
化1に示すように、アミノ基はプロトン化されてアンモニウムイオンに、カルボキシル基はプロトンを失ってカルボキシラートアニオンになっている。
この両性イオン構造をとるために、グリシンをはじめとするアミノ酸は一般に塩の性質を示し、その融点は比較的高く、最も単純なグリシンでさえ233℃である。また、有機溶剤への溶解度も比較的低い。
以上両性イオンの特殊性を持つグリシンと銀とが配位結合により錯体を生成する反応については、通常の化学反応とは著しく異なる複雑な周辺イオンの影響要因を配慮しなくてはならないことは容易に推測できる。
グリシンの各pH領域におけるイオンの構造と、グリシンの苛性アルカリによる滴定曲線を図1に示す。
図1にも示すように、グリシンは低pH領域(酸性溶液中)では置換アンモニウムイオンの形で、高pH領域(塩基性溶液中)では置換カルボキシラートイオンの形で、そして中間のpH領域(グリシンの場合はpH6.0)では両性イオンの形で存在する。
酸性を示す官能基の形態がpHによってどのように変化するかは、溶液のpHがその酸性部位のpKaよりも低い領域ではプロトンが付き、高いときはプロトンがついていないことを示している。
ここで本発明者は、アミノ酸の電荷がpHによって著しく変化することに注目した。すなわち、低pH領域では正電荷を帯び、高pH領域では負の電荷を、中性領域付近では両性イオンの形をとっている。
これらのことから、グリシンを対象とする化学反応を考察すると、単に銀との配位結合反応に止まらず、あらゆる化学反応をグリシンに対して行わんとする際は、グリシンの反応条件としてpHをはじめ、溶液濃度、反応温度、反応時間、作用物質の量、等が極めて重要な看過し得ない要件であると考えられる。
次に、グリシンと銀の化学結合により得られるグリシン多核錯体形成に就いて調査し、本発明の背景となった知識について説明する。
銀に限らず金属錯体は配位結合によって形成される。配位結合は孤立電子対を利用して陽性の粒子(陽子・金属イオン、或いは他の分子やイオン中の正電荷を帯びた原子)と結合する現象によって生ずる化学結合である。
即ち、配位結合は、本質的には共有結合と考えられるが、孤立電子対を持つ粒子(電子対の供与体或いはドナー)とそれに結合する陽性粒子(ここでは銀イオンもしくは電子対の受容体、アクセプター)の夫々の性格によって種々の程度の異なる極性(イオン性)を帯びる。ここに配位結合の安定性を左右する要因が潜在している。
そこで、グリシンの分子構造に含まれる官能基の中で、孤立電子対として機能する官能基或いはイオンは、水溶液イオンとしてアンモニア及びアミノ基、カルボキシラートアニオン、カルホキシル基、等グリシン分子全体の構成原子の大半が関与する分子構造を持っている。グリシンを配位体とする反応の解析が複雑かつ困難に遭遇する原因はここある。
そこで、配位結合の立て役者とも言える前記孤立電子対の一般性を理解する必要がある。
一般に、化学結合で物質を構成している原子やイオンの最外側の電子は、多くの場合、互いに逆方向で平行なスピンを持つものどうしが対をなして、種々の軌道を満たしている。
これらの電子対の内で、2個以上の核の周囲に非局在化した分子軌道、即ち、σ結合やπ結合等に関係する軌道ではなく、特定の原子核の周囲に局在し、多少とも原子軌道上の電子対に近い状態になっているものを孤立電子対と呼ぶ。
グリシンの分子を構成するアンモニア、カルボキシラートアニオン、およびグリシンを水溶液として反応する際の水、などのイオンや分子をそれぞれ化2のように書く時の:が孤立電子対を示す。
Figure 2013001665
孤立電子対は、結合電子対と反発しあうことによって分子や多原子イオンの立体構造を規制する。また、陽電気を帯びた粒子(陽子・金属イオン・他分子中の陽性原子や原子団など)と配位結合を造り、時には安定、時には不安定な種々の錯体を形成し、後者はしばしば反応性に富む中間体となって、多くの化学変化を推進する。
なお、アミノ基、水酸基等の孤立電子対は、それらの基がπ電子系と結合すると共役系の一部に取込まれ、分子全体の物理化学的性質(化学反応性、酸・塩基性、各種のスペクトル、双極子モーメント)に著しい影響を及ぼす。
以上グリシンの銀配位体を安定化するための対応策を策定するため、グリシン銀の配位結合に関する基礎的反応機構を学び、それを基礎として多数の実験研究を重ねた結果、抗菌作用が広範で安定性を具備したグリシン銀多核配位体の創製に成功した。
本発明は、グリシンと銀から成るクラスター錯体が極めて実用性に優れた抗菌作用を有することを発見し、これを安全且つ極めて強力な抗菌剤として日常生活に利用することを提案している。
グリシンは、アミノ酢酸の化学名で知られる最も簡単な分子構造のαアミノ酸の一種で、食品添加物として一般の食料品に広く使用されている。また、銀は貨幣、装飾品等の貴金属材料として、或いは高級洋食器の素材及び歯科用充填材等に古くから使用されてきた。
本発明は、グリシン及び銀を一般的な化学反応により両者とは全く性質の異なる新たな化学物質を合成しようとするものではなく、両者を溶媒分子との電子授受機構(配位機構)を巧みに利用してクラスター(多核)錯体と呼ばれる分子の巨大な集合体を形成させる点に特徴がある。現在この分野の研究は漸く緒に就いたばかりであり、ことに遷移金属のなかでも4d亜殻の電子遷移エネルギー機構が殆ど明らかにされていない現状では理論的解明は困難である。然し、抗菌性の実効効果に就いては既に公式の検証方法が確立されているので試料の実効抗菌効果は確実に保証されている。
本発明の特徴は、グリシンと銀が一般的な化学反応機構に準拠せず、水溶液を反応媒体として極めて特異で安定な多核錯体を形成させる方法を発見した点にある。即ち、本発明の特徴とする前記多核錯体は、遷移金属の中でも他に類例を見ない銀の特異な物性によって実現可能としたものである。
銀の特質的物性については先に述べた通りであるが、発明者らはその基本的機構は銀原子の外殻電子のエネルギー分布とその遷移に関わる物性に依存していると考えている。
すなわち本発明者らは、銀の抗菌作用機構が銀原子の外殻(4d亜殻)電子の特異なエネルギー遷移による電気現象に基づくものと判断した。実験結果から、銀はその特異な外殻電子遷移の結果、表面の酸化還元電位が尖頭値で千数百ミリボルト以上の高速度パルス状に交番しており、これが細菌類に印加されると細菌の細胞膜電位は瞬時に攪乱され、また破壊される。本発明による銀の電気パルスによる抗菌作用は極めて強力で、従来の薬物による抗菌作用や殺菌作用とは比較にならぬ高速度抗菌作用を実現し、且つ菌類に薬物耐性を与えない利点を持つ。
本実施形態に係る抗菌性組成物は、具体的には、グリシンの水溶液にアルカリを添加して溶解させた混合溶液を30〜90℃の一定温度で撹拌しながら2〜3時間保持した後、同混合溶液に銀塩を添加して撹拌することにより生成したグリシン銀多核配位錯体を含有することとしている。
したがって、アミノ酸としてグリシンを使用しながらも、高い安定性を有するアミノ酸銀錯体を含有する抗菌組成物を提供できることとなる。
本発明を実施する際の反応要件として、原料配合比率、温度、時間、撹拌方法、pH、の各反応条件とそれぞれの許容範囲を限定している。一般的に前記反応条件は、化学反応の機序に影響を与える要件として重要視されるが、本発明の実施反応に於いては、当該反応条件の抗菌機能に及ぼす影響が特に著しい特徴があり、反応諸条件の遵守は必須の要件である。抗菌機能に於ける影響とは、得られる製品の抗菌機能の強弱及びその安定性に著しい影響を与えることが多数の実験結果より明らかにされている。発明者らは、以上の膨大な実験結果を記録整理し、本発明の実施反応条件の範囲を特定した。
既に述べた様に、本発明の技術背景は、現在の科学技術知識の範疇を逸脱した領域に属する部分が大半を占め、俄かに解明することは不可能に近いが、本発明の実験過程で得られた知見を基に考察された機構に就いて技術思想を構築、これに基づいて実験を重ね本発明に至ったものである。本発明の最大の基礎的根拠とされたものは、既に本明細書の前半に述べたグリシンのアミノ酸としての特異性と、これに化学結合させる銀の遷移金属としての突出した特異な物性、更にこれら両者の化学結合の特異性(多核配位結合)等、どれ一つとして容易に解釈困難な課題を集積した技術発明であるとゆわざるを得ない。
発明者らは、上記基礎的論理の実験的展開操作として、本発明の具体的実施に際しての製造条件の具体的設定を行った。その結果、本発明の実施に関する具体的操作内容の項目を定性的、定量的に本明細書の請求項目として明らかにしている。
以下、該請求項に記載の具体的パラメーターに就いて、本発明との関連性を述べる。先に示した図1を参照しても分かるように、本発明の基本物質であるグリシンの苛性アルカリ水溶液は、両性イオン構造と称せられる特殊な構造を有するイオン性物質で、水溶液のpH領域の変化に応じて、構造の異なるイオンを与える。グリシンに見るこの現象は、一般的なイオン結晶には見られない特異な挙動で、陰陽イオンから成る一般的イオン結晶の水溶液に見られる電気伝導性は、グリシン単独の水溶液では全く観測されず非電解質水溶液のように振る舞う。因みに。グリシン単独の5%w水溶液の電気抵抗は450kΩ−cm(18℃)であった。
本発明の実施に必須の合成反応系は、最初にグリシンの水溶液に苛性アルカリを添加し水溶液のpH値を8.0乃至12.0の範囲内で任意の値に設定する。この操作により得られるグリシン水溶液には、両性イオン構造のグリシン分子と、塩基性イオン構造のグリシン分子とが、pH値に付随して定まる一定の割合の混合物として含まれる。以下これを調整グリシン水溶液と呼ぶことにする。
次の合成工程は、前記調整グリシン水溶液に銀イオンを配位結合させる操作であるが、操作そのものは極めて単純であって、銀イオン源として例えば酸化銀(粉末)等を調整グリシン水溶液に直接添加反応させる。この際、温度、撹拌、時間の3条件が本発明の重要必須条件であり、本発明の特異性でもあるので、以下それらに関係する事項に就いて概略を説明する。
本発明に於ける銀の配位結合の概略に関して既にのべたが、本発明の実験事実から、発明者らはカルボキシラートアニオン周辺への多座配位機構が最も高い可能性を持つと考えた。また、pH8付近からpH10付近までの領域では、両性イオン構造を採るグリシン分子の存在割合が0.1mol/l程度と考えられるのでNH3 +(アンモニアカチオン)周辺へのAgイオンの多座配位も十分可能性があると考えられる。
グリシンに限らず、Agの配位結合は、既に述べた銀原子の遷移物性の特異性により、配位交換、配位転移、連鎖的還元、等枚挙に暇がない程である。本発明に限らず、銀配位体の化学的安定性は理論的解析より実験的解析が有効であり且実用的である。
銀の酸素原子との親和性はよく知られているが、グリシンのカルボオキシル基は、水溶液のpH8乃至pH10では常にカルボキシラートアニオン(−COO- )として存在する。従って、塩基性調整グリシン水溶液のカルボキシラートアニオンに対して多核配位体を生成させるには銀に酸素原子を配位した配位子の構造が最も適切と考えられる。
本発明に於いて温度、撹拌、時間、等の一般的合成反応条件が、生成する銀錯体の抗菌機能に重要な影響を与える旨繰り返し述べてきた。これらの反応条件は一般的な化学合成に於いても勘案される通常的条件である。しかし本発明に於いては、以下述べるように特別な理由があり、従来それらが原因として解明されなかった種々な問題点の背景となっていた課題であった。
本発明の調整グリシン水溶液の基本成分グリシンは両性イオン物質と呼ばれる特殊な性質の化合物であることは既に述べた。ここでは、グリシンのイオン結晶としての格子エネルギー及び水和エネルギーの両側面から説明する。
原子、イオン、分子が集合して結晶格子を形成する際の凝集エネルギーを格子エネルギーと呼び、この格子をバラバラに引き離す時のエネルギーに略相当する。グリシンの格子エネルギーは結晶内の陰陽イオン間の静電的相互作用が格子エネルギーの大半を占めている。グリシンは分子量(75.07)に比べて融点が約233℃と常温に比べて高く、分子内に共存する陰陽両イオンの影響が鮮明に現れている。その為、水に対する溶解度も一般の電解質イオン結晶に比べて著しく低い。水溶液の電気伝導度も非常に低く非電解質並みである(前記)。一つの分子内に陰陽両性のイオンを持つ分子では、分子内のイオンが個別に解離し難く、分子全体が電解質として解離できなくなる。従って、溶解度も低くなり、イオン結晶としての見掛けの資質を喪失する。グリシンは見掛け上一種の有極性有機化合物と見做される。
上記グリシンの物性により、他の化学種との溶液反応は、分子の会合、反応分子間衝突の不均一化、会合分子による反応阻害、等の熱力学的原因を含む緒要因により著しい影響を被り易く、反応の結果から発生する問題の原因を解析することが事実上困難な場合が大半を占めている。撹拌、濃度、温度、時間のパラメーターが関与して上記の如き問題が発生する。
水溶液の状態でグリシンを取り扱う調整グリシン水溶液の反応では、銀塩とのキレート化反応に際して、しばしば問題となるのは水和のエネルギーである。本発明では電解質として硝酸銀水溶液を用いて調整グリシン水溶液に配位結合を作る場合、及び酸化銀或いは炭酸銀を水に懸濁して調整グリシン水溶液に反応させる場合、撹拌は非常に重要な条件である。撹拌は懸濁粒子が反応して透明になる迄継続して行う必要がある。
ここで、混合溶液を攪拌する温度が30℃を下回ると、調整グリシン水溶液の分子内イオンの解離度が低下して銀の配位反応速度も低下し、配位子の安定度が低下する等、の問題が発生することとなるため好ましくない。また、90℃を上回ると、調整グリシン水溶液と銀イオンとのキレート化反応が過大に進行し、配位の一部位置交換、転移が並進する等、過剰反応による銀の粒子化及び沈殿等が発生し易くなるので好ましくない。
混合液の攪拌温度を30℃以上90℃以下とすることにより、反応速度の低下及び過大化やグリシン銀キレート多核配位体の不安定化を防ぎながら、安定した抗菌効果を持続的に発揮できる銀キレート多核配位体を容易に得ることができるため好ましいのである。
また、攪拌時間は、2時間を下回ると合成反応が全ての反応段階に於いて、常に均等に進行していない状態となるため好ましくない。また、3時間を超えて攪拌を行っても、合成反応が全て完了した後であるため不要である。
すなわち、攪拌時間を2時間以上3時間以下とすることにより、銀キレート多核配位体の合理的且最も安定化された合成組成物の品質を維持し、且不良品の発生を防ぎながら効率的に生産することができるのである。
また、前記アルカリは、水酸化カリウムおよび/又は水酸化ナトリウムの水溶液とするのが良い。
水酸化カリウムや水酸化ナトリウムは比較的安価で入手可能な強アルカリであり、抗菌性組成物を製造する上で、製造コストを安価に抑えることができる。
また、前記混合溶液のpHは、8.0以上12.0以下とするのが望ましい。pHが8.0の値は、調整グリシン水溶液の両性イオン構造を有する成分の比率を、常にカルボキシラートアニオンが安定に存在するための苛性アルカリ濃度と、抗菌剤として安定且強力に維持し得るpH濃度との関係を実験的に定めた値である。よって、このpH8.0の値を下回ると、カルボキシラートアニオンの安定性や、抗菌剤としての効果に悪影響が出ることとなり好ましくない。また、pHが12.0を上回ると、銀キレート多核配位体の大気中の安定性が著しく低下し、抗菌剤としての実用的安定性に欠けるので好ましくない。本発明者が行った研究結果から本件に関して予測される原因は、銀キレート多核配位体のアミノ基からプロトンが完全に外れ、アミン基(NH2 )に変化した為、極限的にカルボキシラートアニオンの電気陰性度が強化された為と推定される。実験的にpH12.0が境界領域であり、これ以下では抗菌剤機能上問題がないことを確認している。因みにpH12に於ける残留アミノ基は約0.5mol/lである。
pHを8.0以上12.0以下の範囲内に調整することにより、グリシン銀錯体を効率的に生成することができ、抗菌効力の高い抗菌組成物を生成することができる。
また、前記銀塩は、硝酸銀、炭酸銀、酸化銀、アンモニア性硝酸銀、硫酸銀より選択されるいずれか一種又は二種以上の混合物とすることができる。
これらの銀塩は、前述の混合液に対して良好な溶解性を示すため、抗菌組成物を製造する上で作業を容易とすることができ、効率的に抗菌組成物を製造することができる。
以下、本実施形態に係る抗菌組成物について、調製過程を追いながら具体的に説明する。
〔実施例1〕
結晶グリシン76グラム及び苛性カリ33グラムを、温度50±5℃、電気比抵抗が1μS以上の純水600ミリリットルに溶解する。均一透明な溶液が得られた後、温度を80±3℃に上昇し、同温度を保持しながら2時間撹拌を行う。尚、撹拌中は反応容器内に外部から炭酸ガスが浸入しないようソーダ石灰等炭酸ガス吸収剤を充填したトラップを設ける。以上によりグリシン多核配位受容体水溶液を得る(以下A液と呼ぶ)。
次に上記と別の容器に、酸化銀3.008グラム及び前記と同等の純水100ミリリットルを加え、均一に撹拌分散させて酸化銀懸濁液を造る。
前記A液を温度70±5℃に保持し、撹拌しながら上記酸化銀懸濁液を滴下反応させる。反応液が無色透明に到達して反応は完了し、本発明によるグリシンの銀多核錯体よる抗菌剤の一種が得られる。尚、以上の実施例で製造される抗菌剤の総量を1.0キログラムに加水調整された溶液が実用抗菌剤として使用されるが、その実効銀含有量は2800μg/ml(ppm)で、pH=9.83(23℃)である。
〔実施例2〕
結晶グリシン76グラム及び苛性ソーダ21グラムを、温度70±5℃、電気比抵抗が1μS以上の純水600ミリリットルに溶解する。均一透明な溶液が得られた後、温度を80±2℃に上昇し、同温度を保持しながら3時間撹拌を行う。尚、撹拌中は反応容器内に外部から炭酸ガスが浸入しないようソーダ石灰等炭酸ガス吸収剤を充填したトラップを設ける。以上によりグリシン多核配位受容体水溶液を得る(以下これをB液と呼ぶ)。
次に上記と別の容器に、炭酸銀3.579グラム及び前記と同等の純水100ミリリットルを加え、均一に撹拌分散させて炭酸銀の懸濁液を造る。
前記B液を温度80±2℃に保持し、撹拌しながら上記炭酸銀の懸濁液を滴下反応させる。反応液が無色透明に到達して反応は完了し、本発明によるグリシンの銀多核錯体による抗菌剤の一種が得られる。尚、以上の実施例で製造される抗菌剤の総量を1.0キログラムに加水調整された溶液が実用抗菌剤として使用されるが、その実効銀含有量は2800μg/ml(ppm)で、pH=9.80(23℃)である。
〔抗菌性確認試験〕
次に、前述の実施例1にて調製した抗菌性組成物(以下、組成物1という。)及び実施例2にて調製した抗菌性組成物(以下、組成物2という。)について、抗菌性試験を行った。
本試験に用いた菌株は、Bacillus subtilis NBRC 3134(枯草菌)、Escherichia coli NBRC 3972(大腸菌)、Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275(緑膿菌)、Staphylococcus aureus subsp. aureus NBRC 12732(黄色ブドウ球菌)、Candida albicans NBRC 1594(カンジダ)、Aspergillus niger NBRC 105649(クロコウジカビ)である。試験は、日本化学療法学会法(1981)寒天平板希釈法を参考にして、各組成物の最小発育阻止濃度を測定した。すなわち、検体を任意濃度となるように添加した寒天平板培地に枯草菌、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、カンジダ又はクロコウジカビの菌液を塗抹し培養後、菌の発育が阻止された最低濃度をもって最小発育阻止濃度(以下、「MIC」ともいう。)とした。また、本実施形態に係る抗菌性組成物に替えて、酸化チタンの粒子に銀の微粒子を担持させた抗菌剤を比較対照として試験に供した。これらの試験結果を表1に示す。
Figure 2013001665
表1に示すように、組成物1又は組成物2のいずれの抗菌性組成物も、比較対照の銀担持酸化チタン(以下、対照抗菌剤という。)よりも良好な抗菌性を示すことが示唆された。
また、組成物1と組成物2との間においては、抗菌性において、顕著な差異は確認されなかった。
上述してきたように、本実施形態に係る抗菌性組成物によれば、グリシンの水溶液にアルカリを添加して溶解させた混合溶液を30〜90℃の一定温度で撹拌しながら2〜3時間保持した後、同混合溶液に銀塩を添加して撹拌することにより生成したグリシン銀多核配位錯体を含有することとしたため、アミノ酸としてグリシンを使用しながらも、高い安定性を有するアミノ酸銀錯体を含有する抗菌組成物を提供することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。

Claims (3)

  1. グリシンの水溶液にアルカリを添加して溶解させた混合溶液を30〜90℃の一定温度で撹拌しながら2〜3時間保持した後、同混合溶液に銀塩を添加して撹拌することにより生成したグリシン銀多核配位錯体を含有する抗菌性組成物。
  2. 前記アルカリは、水酸化カリウムおよび/又は水酸化ナトリウムの水溶液であり、前記混合溶液のpHは、8.0〜12.0であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性組成物。
  3. 前記銀塩は、硝酸銀、炭酸銀、酸化銀、アンモニア性硝酸銀、硫酸銀より選択されるいずれか一種又は二種以上の混合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の抗菌性組成物。
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