JP2013001486A - 搬送装置、印刷装置、及び搬送方法 - Google Patents

搬送装置、印刷装置、及び搬送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シート状物を2組のローラーで処理位置へ搬送する装置であって、シート状物の種類に応じた適確な搬送により、シート状物を処理位置へ正確に供給することのできる搬送装置等を提供する。
【解決手段】シート状の被処理媒体を搬送路に送り出す上流側ローラーと、当該送り出された媒体を処理位置に供給する下流側ローラーと、前記両ローラーの駆動を制御して前記被処理媒体を一定速度で搬送する制御部と、を有する搬送装置において、更に、前記上流側ローラーと前記下流側ローラーの間の前記被処理媒体に、当該被処理媒体の弛み量に応
じた張力を付加するテンション付加部が備えられ、前記制御部が、各搬送動作において、前記弛み量が前記被処理媒体の種類に応じて予め定められている量に維持されるように、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シート状物を2組のローラーで処理位置へ搬送する装置等に関し、特に、シート状物の種類に応じた適確な搬送により、シート状物を処理位置へ正確に供給することのできる搬送装置等に関する。
従来、プリンター等の装置においては用紙などのシート状の媒体に対して処理を行うため、当該シート状物の搬送を行う装置が必要となる。かかる搬送装置として、一般によく用いられるものは、例えば、シート状媒体を格納する部分から当該媒体を搬送路に供給する上流側のローラーと、当該供給された媒体を搬送路にそって印刷等の処理を実行する位置へ搬送する下流側のローラーとを備える。
このような搬送装置では、搬送する媒体への印刷等の処理を精度良く高品質で実行するために、上記下流側ローラーからの媒体の供給を正確に制御することが求められる。そして、この正確な搬送に、下流側ローラーに作用するバックテンション、すなわち、上流側からの張力の存在が大きく影響を及ぼすことが知られている。
かかるバックテンションによる弊害を克服するための技術として、従来、下記特許文献1のような提案がなされている。当該文献では、バックテンションをゼロにすべく、上流側ローラーの駆動タイミングを早める、また、その搬送量を多くする、ことにより両ローラー間に弛みをつける、という点が示されている。
特開2008−56367号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、上述した早める駆動タイミングや搬送量の増やし方が状況に関わらず固定的に決定されるので、変化する搬送状態に応じて常に適切な制御を行うという点で課題がある。例えば、各ローラーの摩耗状況や媒体の格納状況(媒体がロール紙である場合にはそのロール径)などにより、各ローラーにかかる力や搬送力は変化するので、常に固定値による制御では、上流側ローラーと下流側ローラーの間で媒体が弛みなしの状況になったり、逆に弛みすぎの状態になり搬送経路内の部材にこすれてしまう状況になり得、下流側ローラーに予期せぬバックテンションが発生する虞がある。また、上記弛みがなくならないように常に多めの弛みを保持し、かつ、弛みが搬送経路内の部材に接触しないようにするためには、装置規模を大きくしなくてはならないという問題がある。
また、搬送が長い時間行われる場合には、定速搬送中であっても、搬送される媒体の格納状況(ロール紙の弛み、ファンフォールド紙)等により、上記両ローラーの搬送量が更に変動することがあり得、上述した問題が大きなものとなる。
また、下流側ローラーへのバックテンションをゼロにすることは、バックテンションの変動を回避できるという点では好ましいが、ローラーによる押力だけで媒体を搬送させることになるので、ローラーと媒体間のすべりが発生した場合には供給角度がずれてしまうなどの課題がある。
また、媒体(シート状物)の材質、厚さなどの種類が異なると、その剛性や摩擦係数も変わるので、搬送における適切な環境もそれぞれ異なり、このことを考慮した搬送が行なわれることが望まれる。
そこで、本発明の目的は、シート状物を2組のローラーで処理位置へ搬送する装置であって、シート状物の種類に応じた適確な搬送により、シート状物を処理位置へ正確に供給することのできる搬送装置、等を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、シート状の被処理媒体を搬送路に送り出す上流側ローラーと、当該送り出された媒体を処理位置に供給する下流側ローラーと、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動を制御して前記被処理媒体を一定速度で搬送する制御部と、を有する搬送装置において、更に、前記上流側ローラーと前記下流側ローラーの間の前記被処理媒体に、当該被処理媒体の弛み量に応じた張力を付加するテンション付加部が備えられ、前記制御部が、各搬送動作において、前記弛み量が前記被処理媒体の種類に応じて予め定められている量に維持されるように、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動を制御する、ことである。
更に、上記発明において、その好ましい態様は、前記テンション付加部は、前記被処理媒体に当接し、搬送路と直交する方向に移動可能な先端部と、前記先端部の移動量に応じた、前記直交する方向の力を前記先端部に与える張力供給部を有する、ことを特徴とする。
更にまた、上記発明において、その好ましい態様は、前記制御部は、前記各搬送動作における前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動制御において、当該各ローラーによる搬送速度が、それぞれ、目標速度になるように制御を行い、前記下流側ローラーの当該目標速度を、前記被処理媒体を搬送する一定速度とし、前記上流側ローラーの当該目標速度を、当該搬送動作の開始時点からの前記上流側ローラーによる搬送量と前記下流側ローラーによる搬送量との差に基づく可変の速度とする、ことを特徴とする。
更に、上記発明において、好ましい態様は、前記制御部は、前記被処理媒体の種類毎に、前記搬送量差と前記上流側ローラーの目標速度の変更量との関係情報を予め保持し、当該関係情報に従って前記目標速度の変更を実行する、ことを特徴とする。
更に、上記発明において、好ましい態様は、前記被処理媒体がロール状に保持された状態から前記上流側ローラーに供給される、ことを特徴とする。
更にまた、上記発明において、好ましい態様は、更に、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーのそれぞれに、前記被処理媒体を挟んで当該各ローラーに対向するように設置された従動ローラーと、当該各従動ローラーにそれぞれ設置されたエンコーダーとを有し、前記制御部は、前記各エンコーダーによって検知された情報に基づいて前記搬送量差を求める、ことを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、上記いずれかの搬送装置を備え、前記処理位置で前記被処理媒体に印刷を実行する印刷装置とすることである。
上記の目的を達成するために、本発明の更に別の側面は、シート状の被処理媒体を搬送路に送り出す上流側ローラーと、当該送り出された媒体を処理位置に供給する下流側ローラーと、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動を制御して前記被処理媒体を一定速度で搬送する制御部と、を有する搬送装置における搬送方法において、前記搬送装置に、前記上流側ローラーと前記下流側ローラーの間の前記被処理媒体に、当該被処理媒体の弛み量に応じた張力を付加するテンション付加部が備えられ、前記制御部が、各搬送動作において、前記弛み量が前記被処理媒体の種類に応じて予め定められている量に維持されるように、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動を制御する、ことである。
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
本発明を適用した搬送装置を備える印刷装置の実施の形態例に係る概略構成図である。 テンション付加装置34の実施形態を例示した図である。 各搬送動作における制御手順を例示したフローチャートである。 定速搬送時の制御を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
図1は、本発明を適用した搬送装置を備える印刷装置の実施の形態例に係る概略構成図である。図1に示すプリンター2が本実施の形態例に係る印刷装置であり、当該印刷装置は、印刷媒体の用紙26を給紙ローラー29(上流側ローラー)及び搬送ローラー30(下流側ローラー)で印刷位置に搬送して印刷処理を実行する。また、当該両ローラー間の印刷媒体にその弛み量に応じた張力を加えるテンション付加装置34が設けられる。そして、搬送制御時においては、印刷媒体の種類に応じて予め定められた適切な上記弛み量が保持されるように上記両ローラーの駆動を制御し、各印刷媒体に適した一定の張力が作用している状態で印刷媒体の正確な供給を実行する。
本プリンター2は、図1に示すように、コンピューターなどのホスト装置1からの指示を受けて印刷処理を実行する装置であり、ここでは、一例として、ロール紙25を用紙26として使用し、用紙26を搬送しながら連続的に印刷を実行する印刷装置である。
図1ではプリンター2の概略構成を模式的に示しているが、プリンター2は、印刷内容を制御し用紙26に印刷処理を実行する印刷系と用紙26の搬送を担う搬送系が備えられる。
印刷系には、印刷制御部21が設けられ、当該印刷制御部21は、ホスト装置1からの印刷指示を受信し、当該指示に従ってヘッド部23に印刷命令を出すと共に搬送系の搬送制御部22に対して用紙26の搬送要求を出す。ヘッド部23では、当該印刷命令に従ってヘッド部23とプラテン24との間を所定速度で移動する用紙26に対して印刷処理を実行する。
搬送系では、図1に示されるように、印刷媒体の格納場所にロール紙25として保持される用紙26を、搬送路33に沿ってヘッド部23に搬送し、その後、排紙ローラー32を介してプリンター2から排出する搬送動作が実行される。
そのヘッド部23への用紙搬送のために、それぞれ対応するモーター(27A及び27B)で駆動される給紙ローラー29(上流側ローラー)及び搬送ローラー30(下流側ローラー)が備えられる。当該両ローラーには、それぞれ、用紙26を挟んで対向する位置に従動ローラー(28A及び28B)が用紙26側に圧力を加えられた状態で配置される。
給紙ローラー29は、ロール紙25として保持される用紙26を搬送路33に供給する機能を有し、減速機を介して伝えられるモーター27Aのトルクによって回転し、従動ローラー28Aと共に押圧する用紙26との間の摩擦力によって用紙26を移動させる。
搬送ローラー30は、給紙ローラー29によって供給された用紙26を印刷位置へ、すなわち、ヘッド部23の位置へ搬送する機能を有し、減速機を介して伝えられるモーター27Bのトルクによって回転し、従動ローラー28Bと共に押圧する用紙26との間の摩擦力によって用紙26を移動させる。
給紙ローラー29及び搬送ローラー30には、それぞれ、エンコーダー31A及び31Bが設けられ、それらによって検知される両ローラーの回転速度が搬送制御部22へ通知される。なお、これらエンコーダーは、それぞれ、給紙ローラー29及び搬送ローラー30の従動ローラー28A及び28Bに設置されるようにしてもよい。一般的に、駆動側ローラーの場合には、用紙26との間のすべりが発生したり、磨耗によるローラー径の経年変化も激しいため、エンコーダーを従動ローラー28A及び28Bに設置した場合の方がより正確な計測を行うことが可能である。
また、搬送系にはテンション付加装置34が設けられ、当該装置が給紙ローラー29−搬送ローラー30間の用紙26に対して張力を加える構造となっている。図1においては、当該テンション付加装置34の構成が概略的に示されているが、当該装置は、給紙ローラー29−搬送ローラー30間の用紙26の弛み量、換言すれば、用紙26の上下位置に応じた力で、用紙26を押し上げる機能を有している。
図2は、テンション付加装置34の実施形態を例示した図である。図2は、テンション付加装置34の主要構造を鳥瞰図で示しており、(A)の例では、テンション付加装置34は、先端部341、張力伝達部342、支持部343、及び張力供給部344を備えている。
先端部341は、給紙ローラー29−搬送ローラー30間の用紙26に接触し用紙26に対して直接、力を付加する部分である。先端部341の用紙26への接触位置は、給紙ローラー29−搬送ローラー30間の概ね中央、用紙26の弛みによる山型の頂部である。当該先端部341は、棒状の部材で構成され、張力伝達部342の動きによりほぼ上下方向(図2の矢印方向)に平行移動可能である。また、先端部341は、棒状の軸を中心に回転可能な構造とすることができる。また、先端部341は、図2の(A)に示されるように、その両端において、張力伝達部342と互いに変位不能に接続される。なお、上記回転可能な構造の場合には、当該回転方向への変位のみは可能に接続される。
張力伝達部342は、図2の(A)に示されるように、2本の棒状の部材であって、それぞれの一端が上記先端部341の両端にそれぞれ接続され、それぞれの他端が張力供給部344の上端にそれぞれ接続されるサイド部材と、それらサイド部材を補強する棒状部材であって、サイド部材と直交する方向に配され2本のサイド部材を支持部343の下端と張力供給部344の上端でつなぐ2本の補強部材、で構成される。
サイド部材は、それぞれ、支持部343の下端位置において、支持部343によって用紙26の幅方向を軸とする回転のみを許容されるように固定され、先端部341が用紙26の上下移動(弛み量の変動)により移動すると、上記下端位置を支点として回動し、それに伴って、張力供給部344側の端部がほぼ上下移動する。
支持部343は、2本の剛体の部材で構成され、図2の(A)に示されるように、各部材の下端は、張力伝達部342の各サイド部材と、上記回転のみを許容させるように接続している。また、各部材の上端は、プリンター2内の固定された構成部材に変位不能に接続される。
張力供給部344は、張力伝達部342の各サイド部材に対してほぼ上下方向(図2の矢印方向)に力を加える部分であり、ここでは、一例として、各サイド部材の下にそれぞれ弾性体(バネ)を備える構成としている。当該各弾性体の上端は、各サイド部材の端部と接続され、当該各弾性体の下端は、プリンター2内の固定された構成部材に変位不能に接続される。また、これら弾性体は、ここでは、引張力をサイド部材に与えるものとし、サイド部材の張力供給部344側の端部が上昇するほど大きな引張力を与えるように構成されている。なお、2つの弾性体は同等の特性を有し、先端部341の上下位置がその両端で同じであれば、同じ引張力がサイド部材に与えられる。
当該テンション付加装置34は、以上説明したような構成により、先端部341が張力供給部344の引張力によって用紙26の弛み部分に一定の力で押し当てられた状態を形成し、用紙26の弛み量が変化するとその量に応じて、すなわち、用紙26(先端部341)の上下移動量に応じて、上記引張力、すなわち、上記先端部341が押し当てられる力が変化する。そして、その押し当てられる力に応じた張力が用紙26に与えられる。従って、給紙ローラー29−搬送ローラー30間の用紙26の弛み量毎にそれぞれ異なる張力が用紙26に付加されることになり、当該弛み量によって搬送ローラー30に作用するバックテンションを調整することが可能である。
また、図2の(B)は、他の実施形態を例示しており、このテンション付加装置34aの構成では、上記先端部341と同様の先端部341aが上記張力供給部344と同様の張力供給部344aに直接接続される構造となっている。当該構成では、張力供給部344aが上述の例と上下反対方向に配置され、その上端でプリンター2内の固定された構成部材に変位不能に接続される。その下端で引張力を与える機能は上述の例と同様であり、テンション付加装置34a全体としても、上記装置と同様の機能を有する。
なお、図2に示したテンション付加装置34の具体的な構成要素は一例に過ぎず、同等の機能を備えるものであれば、他の構成要素で構成してもよい。
次に、図1に示す搬送制御部22は、搬送系を制御する部分であり、印刷制御部21からの指示に基づいて用紙26の上記搬送動作を制御する。特に、給紙ローラー29及び搬送ローラー30の駆動・停止を制御して印刷位置への用紙26の良好な搬送を実行させる。この給紙ローラー29及び搬送ローラー30の駆動・停止制御に本プリンター2の特徴があり、その具体的内容については後述する。
搬送制御部22は、図示していないが、CPU、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性メモリ)等で構成されており、搬送制御部22が実行する上記処理は、主にROMに格納されるプログラムに従ってCPUが動作することによって実行される。
上記RAMには、処理に必要な各データが一時的に保持され、給紙ローラー29及び搬送ローラー30の駆動・停止制御に必要な上記搬送動作時の各駆動データはここに記憶される。記憶される各駆動データには、給紙ローラー29及び搬送ローラー30の、駆動開始時刻、搬送速度、搬送量、及び対応するモーター27のDuty値(ここではモーター27に供給される電流量)等が含まれる。
また、上記NVRAMには、用紙種類毎の弛み量情報、給紙ローラー29の目標速度を決定するための関係情報等が予め記憶されている。用紙種類毎の弛み量情報とは、印刷に使用する用紙26の材質や厚さなどによって決まる用紙種類毎に、その用紙種類に適した、給紙ローラー29−搬送ローラー30間の用紙26の弛み量を関係づけた情報であり、ロール紙25をプリンター2に取り付けた後の初期動作では、この情報に示される弛み量になるように用紙26がセットされる。そして、上述したテンション付加装置34の機能によりその弛み量に応じた一定のバックテンションが搬送ローラー30に与えられることになる。なお、この弛み量は、予め実験等によりその種類の用紙を搬送する際に適切な値が決定されたものである。すなわち、その用紙の正確な搬送に適したバックテンションが与えられるような弛み量が、予め決定されて上記弛み量情報として記憶される。また、給紙ローラー29の目標速度を決定するための関係情報については後述する。
なお、給紙ローラー29、搬送ローラー30、テンション付加装置34、及び搬送制御部22を含む当該搬送系が本発明の搬送装置に相当する。
以上説明したような構成を有する本プリンター2では、用紙26の搬送制御に特徴があり、以下、その具体的な内容について説明する。
まず、ユーザーがプリンター2にロール紙25をセットすると、搬送制御部22は、用紙26を印刷可能な初期状態とする制御を行う。具体的には、各モーター27A、27Bを駆動し、用紙26を、用紙26の先端が搬送ローラー30と印刷位置との間の所定位置に来るまで移動させて停止させる。この際、搬送制御部22は、セットされたロール紙25の用紙種類を表す情報を、ユーザーによる入力情報等から取得し、上述したNVRAMに記憶される弛み量情報にアクセスして、当該取得した情報の用紙種類に関係付けられている弛み量を取得する。そして、上記初期状態において、当該弛み量となるように、給紙ローラー29による搬送量を搬送ローラー30による搬送量よりも多くし、給紙ローラー29−搬送ローラー30間に当該弛み量の弛みが形成されるように制御する。
なお、用紙26の弛み量は、ここでは、給紙ローラー29−搬送ローラー30間に存在する用紙26の長さから給紙ローラー29−搬送ローラー30間の距離を差し引いた長さで表わすが、弛んだ用紙26の搬送路33からの上下方向の最大変位で表わすようにしてもよい。
また、搬送制御部22による給紙ローラー29及び搬送ローラー30の搬送制御は、エンコーダー31A及び31Bによって取得される値に基づいて行われる。
また、上述したテンション付加装置34は、図2には示していないが、先端部341を押し下げて搬送路33の下側に退避させる機構を有し、上記初期状態とする搬送において、用紙26の先端が搬送ローラー30を通過するまでの間は、当該機構により先端部341が搬送路33の下側に退避している。そして、初期状態が形成された後、退避が解除され、上述したように用紙26にテンションを付加する状態となる。
この初期状態が形成されると、搬送制御部22は、印刷制御部21の指示に従って、ロール紙25が交換されるまで繰り返し用紙26の搬送動作を実行する。各搬送動作においては、給紙ローラー29及び搬送ローラー30の加速、定速、停止制御が行われ、その際、搬送制御部22は、エンコーダー31A及び31Bで取得される値に基づいて、各ローラーによる搬送速度が目標速度になるようにPID制御を行う。
図3は、各搬送動作における制御手順を例示したフローチャートである。以下、各搬送動作における搬送制御部22による制御内容について説明する。当該制御における特徴は、両ローラーの加速中及び定速搬送時に発生する搬送量差を解消して動作開始時の上記弛み量を一定に保つべく、その時点で検知される、その搬送動作開始からの両ローラーの搬送量差に従って、定速搬送時における給紙ローラー29の目標速度を変更する、というものである。
まず、搬送制御部22は、印刷制御部21から用紙の搬送開始指示を受信すると(ステップS1)、給紙ローラー29及び搬送ローラー30の駆動を開始させる(ステップS2)。すなわち、モーター27A及び27Bを起動させる。その後、搬送制御部22は、給紙ローラー29及び搬送ローラー30における搬送速度が目標とする所定速度Vtになるように加速制御を実行する(ステップS3)。当該所定速度Vtは、印刷処理時に用紙26を印刷位置へ供給する速度である。
その後、給紙ローラー29及び搬送ローラー30が上記所定速度Vtに達すると、両ローラーについて定速駆動の制御を実行する(ステップS4)。当該制御において、搬送ローラー30については、常に一定の速度で用紙26を印刷位置へ供給することが求められるので、上記所定速度Vtを目標速度としたPID制御を実行する。
一方、給紙ローラー29については、基本的には搬送ローラー30と同様に上記所定速度Vtを目標速度としたPID制御を実行するが、当該搬送動作の開始からの両ローラーの搬送量に差(ΔL)がある場合には、その搬送量差がゼロになるように、PID制御において目標速度を上記所定速度Vtから所定量ずらした制御を行う。すなわち、給紙ローラー29による上記搬送量の方が多い場合には、目標速度を上記所定速度Vtよりも小さい値とし、その逆の場合には、目標速度を上記所定速度Vtよりも大きい値としたPID制御を行う。
具体的には、上述したNVRAMに予め記憶された、当該目標速度を決定するための関係情報Gを用いて、上記所定速度Vtからの変化量ΔVを、ΔV=G×ΔLなる式で求め、その変化量ΔVを用いて、その時点のPID制御の目標である、目標速度(=Vt+ΔV)を決定する。
図4は、当該定速搬送時の制御を説明するための図である。図4には、定速搬送時の給紙ローラー29(図中の線A)及び搬送ローラー30(図中のB)による搬送速度V(図4の(A))、及び、両ローラーの上記搬送量差ΔL(図4の(B)、線AA)を経時的に例示している。ここでは、時刻T01から時刻T03の期間付近で給紙ローラー29にかかる負荷が急に脈動し、それによってPID制御による給紙ローラー29の速度が変動した場合を想定している。なお、搬送ローラー30については、上記所定速度Vtで概ね一定に制御されている。
この場合、時刻T02以降、給紙ローラー29による搬送量が搬送ローラー30の搬送量よりも多くなってしまうので、上述した給紙ローラー29の目標速度設定により、給紙ローラー29については、適宜、上記所定速度Vtよりも遅い目標速度が設定されてPID制御がなされる。そして、上記脈動により時刻T03において最高に達した速度から徐々に速度が降下し、時刻T04以降は、実際の速度が上記所定速度Vtよりも遅くなるので、線AAに示されるように、搬送量差ΔLが減少し始め、その差がゼロになると(時刻T05)給紙ローラー29の目標速度が上記所定速度Vtに戻るように制御される。
なお、単に目標速度を上記所定速度Vtにする制御では、負荷の変動が無ければ、給紙ローラー29の速度は、時刻T03以降、徐々に降下してVtに近づいていくことになり、搬送量差ΔLがゼロになることなく制御が継続されることになる。
このような定速搬送時の制御により、上記加速中に発生する搬送量差、及び、定速搬送時に発生する搬送量差をリアルタイムの制御で解消することができる。なお、上記搬送量差は、各エンコーダー31A及び31Bによって検知された値から求められる。
なお、上述した関係情報G(ここでは、定数)は、予め実験により適切な値を決定して記憶しておく。また、この関係情報Gは、用紙26の材質や厚さなど用紙種類によって異なるので、用紙種類毎に適切な値を決定して識別可能にNVRAMに記憶しておくことが好ましい。この場合には、印刷制御部21から搬送開始の指示を受ける際(S1)などに、用紙種類の情報を受信し、その情報に基づいて相応した上記関係情報を用いて制御を行う。
また、関係情報Gは、給紙ローラー29に作用するバックテンションの大きさによって変えることが好ましく、そのバックテンションに影響を及ぼすロール紙25の径によって関係情報Gを補正するようにしても良い。すなわち、関係情報Gをロール紙径を変数とする関数で表現しても良い。この場合、制御時のロール紙径は、プリンター2に設けられたタッチセンサーや反射式センサーで直接計測する方法、ロール紙25の取付け後の回転数やロール紙25の取付け後のエンコーダー(31A、31B)の検知情報(累計搬送量)に基づいて推定する方法などにより取得することができる。
なお、目標速度を決定するための情報(搬送量差ΔL)と目標速度からの変化量(ΔV)の関係を線形としたが、それらの関係を ΔV=f(ΔL)なる線形でない関数fとしてもよい。また、弛み量をより精度よく制御する場合には、変化量ΔVを、上述した比例制御(偏差×ゲインG)だけではなく、積分制御(偏差の積分×ゲインGi)や微分制御(偏差の微分×ゲインGd)を考慮して求めればよい。これらの場合にも、関数fやPID制御方法(G,Gi,Gd,ΔVの計算式)を事前に定め、関係情報として記録しておく。
以上説明した定速搬送の後、印刷制御部21から搬送の停止指示を受信すると(ステップS5)、搬送制御部22は、給紙ローラー29及び搬送ローラー30の駆動を停止させる制御を行う(ステップS6)。当該制御では、両ローラーについて、それぞれ、単に素早く速度をゼロにする制御を行ってもよいが、好ましくは、今回の搬送動作における両ローラーの搬送量が同じになるように各ローラーを停止させる制御を実行する。これにより、当該搬送動作の開始時における給紙ローラー29−搬送ローラー30間の用紙26の弛みが更に確実に保持される。
以上で当該搬送動作についての一連の制御処理が終了し、以降、同様の処理を繰り返し実行する。
以上説明したように、本実施の形態例に係るプリンター2では、搬送動作時にその時点で検知される両ローラー(給紙ローラー29と搬送ローラー30)による搬送量の差に基づいて、その搬送量差をなくす方向にリアルタイムで制御が行われるので、搬送動作の開始時における両ローラー間の弛みが常に概ね一定に保たれる。従って、使用している用紙26の種類に適した弛み量が常に維持された状態となり、これによりテンション付加装置34から受ける張力も常に一定に保たれる。よって、搬送ローラー30にその用紙26に適したバックテンションが作用している状態で搬送がなされ、印刷位置への正確な用紙供給が実行できる。これにより、印刷処理の品質を向上させることができる。
また、上記一定のバックテンションを付加するためのテンション付加装置34は、比較的に簡単な構造で構築することが可能である。
また、搬送動作中に用紙26の弛みがほぼ変化しないので、搬送路33の空間が小さくても用紙26をその部材に触れさせることなく良好に搬送することができる。従って、装置規模を大きくする必要もない。
また、上記制御に用いられる両ローラーの回転速度を検知する各エンコーダー31A及び31Bを、それぞれ、従動ローラー各28A及び28Bに設けることでより正確な制御を実現することができる。
また、上述した関係情報Gを用紙種類やロール紙径に応じて変更(補正)することで、より適確な制御を実行することが可能である。
また、当該搬送方法は、給紙ローラー29へのバックテンションが変化し易いロール紙25を用いた装置においてより有効に作用する。
なお、本実施の形態例では、印刷媒体が紙であったがシート状の媒体であればこれに限定されることはない。
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
1 ホスト装置、 2 プリンター、 21 印刷制御部、 22 搬送制御部、 23 ヘッド部、 24 プラテン、 25 ロール紙、 26 用紙、 27A、B モーター、 28A、B 従動ローラー、 29 給紙ローラー、 30 搬送ローラー、 31A、B エンコーダー、 32 排紙ローラー、 33 搬送路、 34 テンション付加装置、 341 先端部、 342 張力伝達部、 343 支持部、 344 張力供給部

Claims (8)

  1. シート状の被処理媒体を搬送路に送り出す上流側ローラーと、当該送り出された媒体を処理位置に供給する下流側ローラーと、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動を制御して前記被処理媒体を一定速度で搬送する制御部と、を有する搬送装置であって、
    更に、前記上流側ローラーと前記下流側ローラーの間の前記被処理媒体に、当該被処理媒体の弛み量に応じた張力を付加するテンション付加部を有し、
    前記制御部は、各搬送動作において、前記弛み量が前記被処理媒体の種類に応じて予め定められている量に維持されるように、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動を制御する
    ことを特徴とする搬送装置。
  2. 請求項1において、
    前記テンション付加部は、
    前記被処理媒体に当接し、搬送路と直交する方向に移動可能な先端部と、
    前記先端部の移動量に応じた、前記直交する方向の力を前記先端部に与える張力供給部を有する
    ことを特徴とする搬送装置。
  3. 請求項1あるいは2において、
    前記制御部は、前記各搬送動作における前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動制御において、当該各ローラーによる搬送速度が、それぞれ、目標速度になるように制御を行い、前記下流側ローラーの当該目標速度を、前記被処理媒体を搬送する一定速度とし、前記上流側ローラーの当該目標速度を、当該搬送動作の開始時点からの前記上流側ローラーによる搬送量と前記下流側ローラーによる搬送量との差に基づく可変の速度とする
    ことを特徴とする搬送装置。
  4. 請求項3において、
    前記制御部は、前記被処理媒体の種類毎に、前記搬送量差と前記上流側ローラーの目標速度の変更量との関係情報を予め保持し、当該関係情報に従って前記目標速度の変更を実行する
    ことを特徴とする搬送装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記被処理媒体がロール状に保持された状態から前記上流側ローラーに供給される
    ことを特徴とする搬送装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、
    更に、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーのそれぞれに、前記被処理媒体を挟んで当該各ローラーに対向するように設置された従動ローラーと、当該各従動ローラーにそれぞれ設置されたエンコーダーとを有し、
    前記制御部は、前記各エンコーダーによって検知された情報に基づいて前記搬送量差を求める
    ことを特徴とする搬送装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の搬送装置を備え、前記処理位置で前記被処理媒体に印刷を実行する印刷装置。
  8. シート状の被処理媒体を搬送路に送り出す上流側ローラーと、当該送り出された媒体を処理位置に供給する下流側ローラーと、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動を制御して前記被処理媒体を一定速度で搬送する制御部と、を有する搬送装置における搬送方法であって、
    前記搬送装置に、前記上流側ローラーと前記下流側ローラーの間の前記被処理媒体に、当該被処理媒体の弛み量に応じた張力を付加するテンション付加部が備えられ、
    前記制御部が、各搬送動作において、前記弛み量が前記被処理媒体の種類に応じて予め定められている量に維持されるように、前記上流側ローラー及び前記下流側ローラーの駆動を制御する
    ことを特徴とする搬送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019124335A (ja) * 2018-01-19 2019-07-25 鹿島建設株式会社 吊り設備用制振装置

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