JP2012533852A - 多色oledのための発光層の作製 - Google Patents

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Abstract

基板、少なくとも1つの青色発光層、及び青色光よりも波長の長い光を発する発光材料を含有する少なくとも1つの非発光層を有し、これら2つの層が非発光緩衝層によって直接隔てられ且つ非発光緩衝層と直接接触しているエレクトロルミネッセントデバイスを作製する方法であって、長波長の発光材料が青色発光層と接触し、発光層における再結合エネルギーが拡散された発光材料に青色発光材料と比べて優先的に移動し、発光の波長が青色光よりも長くなるように、製造後にエレクトロルミネッセントデバイスを加熱して、長波長の発光材料を非発光層から少なくとも緩衝層に拡散させるエレクトロルミネッセントデバイスの作製方法。

Description

本発明は、多色有機発光デバイス(OLED)を作製する方法、より具体的にはRGB画素化OLEDデバイスにおいて、発光層と接触する非発光層から第2の発光材料を拡散させることによって発光特性を変えることのできる発光層を設ける方法に関する。
有機発光デバイス(有機エレクトロルミネッセント(EL)デバイス又は有機内部結合発光デバイスとも称される)は、電極間の電位差の適用に応じて光を発する有機発光構造(有機EL媒体とも称される)によって隔てられている、間隔を空けた(spaced)電極を含有する。電極の少なくとも一方は光透過性であり、有機発光構造は、アノードからの正孔の注入及び輸送、並びにカソードからの電子の注入及び輸送をそれぞれもたらす有機薄膜の多層を有してもよく、発光は正孔輸送薄膜と電子輸送薄膜との間の界面に形成される内部結合部での電子−正孔再結合から生じる。本明細書中で用いられる場合、「薄膜」という用語は、1マイクロメートル未満の層厚を指し、約0.5マイクロメートル未満の層厚が典型的である。薄膜堆積技法によって形成された有機発光構造及びカソード構成を含有する有機発光デバイスの例は、本発明の譲受人に譲渡された特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4によって与えられる。
有機発光デバイスの動作中には、発光のスペクトル分布(スペクトル放射輝度によって測定される)が、デバイスの構成において使用される有機薄膜のエレクトロルミネッセント特性に関連する。例えば、有機発光構造が正孔−電子再結合を維持することが可能な単一の発光材料を含有する層を含む場合、発光はその材料からの特徴的な発光によって生じる。一方で、正孔−電子再結合によって放出されたエネルギーに応じて光を発することが可能な蛍光物質を少量添加することで、発光の色が変更され、有機発光デバイスの動作安定性を改善することができる。半導体産業において使用される専門用語と同様に、発光有機ホスト材料中に比較的低濃度で均一に分散させた蛍光発光材料は、「ドーパント」又は「エミッタ」と呼ばれる。
発光デバイスの有機薄膜は、一般に行われているように、堆積速度制御を利用する真空系内での連続的な堆積工程において蒸着(蒸発又は昇華)によって形成される。蛍光ドーパントを有機発光層中に均一に組み入れる場合、発光ホスト材料及び蛍光ドーパント材料を2つの独立して制御される堆積供給源から同時堆積させる。有機発光層のホスト材料中の所望のドーパント濃度が10−3モルパーセント〜約10モルパーセントというドーパント濃度範囲の下限にあるか、又はそれに近い場合、蛍光ドーパント材料及びホスト材料の個々の堆積速度を制御することが必要とされる。有機発光ホスト材料及び蛍光ドーパント材料の蒸着方法において堆積速度を確実に制御することの難しさは、蛍光ドーパント(単数または複数)を含有する有機エレクトロルミネッセントデバイスを再現良く製造するプロセスにおいて障害となっていた。しかしながら、発光層にドーピングを行う代替的な方法が知られている。
特許文献5は、加熱を用いてドーパントをドーパント含有層から別個のドーパント受容層に拡散させ、それにより発光層を形成することによって、ELデバイスにおいて発光層を作製する方法を開示している。ドーパント含有層及びドーパント受容層は、正孔輸送層又は電子輸送層によって隔てられていてもよい。この方法では、ドーパント受容層は加熱処理後まで発光性ではない。
特許文献6は、基板上に配置された複数の有機エレクトロルミネッセンスデバイスを有し、各々のデバイスが、下部電極、少なくとも発光層を含有する有機層及び上部電極をこの順序で含み、少なくとも有機エレクトロルミネッセンスデバイスの一部の発光層が、蒸着によって形成された第1の発光層及び熱転写によって形成された第2の発光層を有し、第1の発光層が青色光と等しいか、又は青色光よりも短い波長の光を発するディスプレイ装置を記載している。熱転写は製造中に行われる。例えば、緑色蛍光染料又は赤色蛍光染料を青色発光層に熱転写して、緑色発光デバイス又は赤色発光デバイスを得ることができる。
特許文献7は、正孔輸送層を連続的に形成する工程を含む有機エレクトロルミネッセントデバイスを製造する製造プロセスを記載しており、輸送層の電子及び正孔の再結合領域層を形成し、蛍光顔料(R、G又はB)を再結合領域層の上部表面に塗布している。続いて、蛍光顔料を加熱して再結合層内に拡散させることにより、蛍光顔料及び再結合層から発光層を構成する。電子輸送層は再結合層上に設けられる。
特許文献8は、ドーパントを拡散によって発光層に導入することができる、画素をパターン化することを含む方法を記載している。蛍光ドーパントは溶液として、又は染色(dyed)層から導入される。
特許文献9は、画素セットとして青色(B)発光層、緑色(G)発光層及び赤色(R)発光層から構成されるOLED素子を記載している。この有機エレクトロルミネッセンス素子は、B発光層がB発光材料を含有し、G発光層がB発光材料及びG発光材料を含有し、R発光層がB発光材料及びG発光材料及びR発光材料を含有することを更に特徴とする。複数のセパレータによって分離され、基板上にマトリクス状に配置される第1の電極を形成する工程、B発光材料を拡散させることによって第1の電極上に青色(B)発光層を形成する工程、B発光層の一部にG発光材料を拡散させた後、B発光層に隣接する緑色(G)発光層を得る工程、G発光層の一部にR発光材料を拡散させた後、G発光層に隣接する赤色(R)発光層を得る工程、並びにR発光層及びG発光層及びB発光層の上に第2の電極を形成する工程を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法が開示される。このプロセスはデバイスの製造後ではなく製造中に行われる。
非特許文献1は、ブロック層によって隔てられた3つの別個の発光区域を含む、熱処理の後に色が変化するRGB OLEDデバイスを開示している。しかしながら、ブロック層の存在によって3つの色のうち2つのサブピクセルの動作電圧が大幅に増大することは避けられない。ブロック層の存在は動作安定性に悪影響を与える可能性もある。
米国特許第4,345,429号 米国特許第4,539,507号 米国特許第4,720,432号 米国特許第4,769,292号 米国特許第6,641,859号 米国特許出願公開第20060231830号 米国特許第5,895,692号 国際公開第99/53529号 米国特許出願公開第20030030370号
Wu et al, Appl. Phys. Let., 83(4), 611 (2003)
本発明の目的は、製造後の熱処理に応じて発光の色を変更することができる多色OLEDデバイスにおける発光層を形成する改良された方法を提供することである。
この目的は、基板上のアノード及びカソード、並びに該アノードと該カソードとの間に配置され青色光を発する第1の発光材料を含有する少なくとも1つの発光層を備え、少なくとも2色の光を発する有機エレクトロルミネッセントデバイスを作製する方法において、その改良点が、
(a)青色光よりも波長の長い光を発することが可能である第2の発光材料を含有し且つ青色発光層の上又は下に配置される少なくとも1つの非発光層を設けること、
(b)非発光層と発光層との間に、その両方と直接接触させて緩衝層を設けること、及び
(c)第2の発光材料が光を発するように、エレクトロルミネッセントデバイスを加熱して、第2の発光材料を非発光層から少なくとも緩衝層に拡散させること
を含む、有機エレクトロルミネッセントデバイスを作製する方法によって達成される。
1つの重要な実施の形態では、非発光層(複数も可)を青色発光層に拡散させる前にパターン化することによって、パターン化された多色発光デバイスを作製することができる。別の重要な実施の形態では、パターン化された多色発光デバイスは、所望の部位のみを選択的に加熱して、これらの部位によって生じる光の色を変更することで作製することができる。
本方法は、一部又は全ての層に層堆積中の精密マスキングを使用することが避けられ、且つ一部の層において低い相対濃度で発光材料を同時堆積させる必要性が避けられることを含めて、大幅に簡略化された製造プロセスをもたらす。
青色発光層、緩衝層、非発光層の構造を有する単純な(加熱によって)処理されていないデバイスを示す図である。 非発光層中の緑色エミッタが緩衝層を通って前出の青色発光層に拡散し、青色発光層が緑色発光層となった、加熱後の図1Aのデバイスを示す図である。 青色発光層と2つのパターン化された非発光供給源層(一方が緑色エミッタを含み、他方が赤色エミッタを含む)とを有し、両方の非発光層が青色発光層からみて同じ側にある、(加熱によって)処理されていない本発明の実施形態を示す図である。 緑色発光ドーパント及び赤色発光ドーパントの両方がそれぞれの非発光層から拡散し、青色発光層のその領域が緑色発光領域及び赤色発光領域に変換された(それによりRGB画素化デバイスが作られる)、加熱後の図2Aのデバイスを示す図である。 青色発光層と非発光供給源層(一方が緑色エミッタを含み、他方が赤色エミッタを含む)とを有し、両方の非発光層が青色発光層からみて向かい合っている、別の(加熱によって)処理されていない本発明の実施形態を示す図である。 加熱した領域においてのみ緑色発光ドーパント及び赤色発光ドーパントの両方がそれぞれの非発光層から拡散し、青色発光層のこれらの領域が緑色発光領域及び赤色発光領域に変換された(それによりRGB画素化デバイスが作られる)、選択した区域のみで加熱した後の図3Aのデバイスを示す図である。 実施例1の実験用デバイスを様々な時点及び温度で加熱した結果を示す図である。 実施例2のデバイスの初期発光スペクトルを示す図である。 110℃で15分間加熱した後の実施例2のデバイスの発光スペクトルを示す図である。 更に115℃で15分間加熱した後の実施例2のデバイスの発光スペクトルを示す図である。 更に115℃で16時間加熱した後の実施例2のデバイスの発光スペクトルを示す図である。
図1〜図3は、個々の層があまりに薄く、各種層の厚さの差が縮尺通りに描写するには大き過ぎるため、正確な縮尺ではないことが理解されよう。
以下の考察では、概して、青色光は約400nm〜500nmの範囲内の波長を有する光であり、緑色光は約500nm〜600nmの範囲内の波長を有する光であり、赤色光は約600nm〜700nmの範囲内の波長を有する光であると理解されるものとする。色は多くの場合、当該技術分野で既知であるCIE(国際照明委員会)色度座標(1931年)によっても定義することができる。概して、青色発光は約(0.08〜0.20),(0.00〜0.20)の範囲内、緑色発光は約(0.24〜0.36),(0.60〜0.70)の範囲内、赤色発光は約(0.60〜0.70),(0.30〜0.40)の範囲内のCIEx,y色度座標を有すると理解される。白色光については、望ましいCIEx,y色度座標は約(0.30〜0.35),(0.30〜0.35)である。個々にR(赤色)、G(緑色)及びB(青色)の光を発する個々の画素(分離領域)を混合して設けることによって、RGB OLEDデバイスは全体として白色光の効果をもたらす。非発光層とは、その層がデバイスによって生じる光の総量の25%未満、望ましくは10%未満、最も望ましくは5%未満しかもたらさないことを意味する。既知の成分を含有する特定の層からの発光は通常、光出力スペクトルの検査によって容易に確定される。
本発明では、製造後に熱処理によって発光の色を変更することのできる多色OLEDデバイス、好ましくは赤色、緑色及び青色(RGB)発光OLEDデバイスの発光層を形成することができる。特に、このOLEDの発光層は、青色光を発する発光材料(ドーパントとも知られる)を含有し且つ非発光緩衝層と直接接触しており、この非発光緩衝層は、青色光よりも波長の長い光を発する第2の発光材料を含有する非発光層と更に直接接触している。製造後の熱処理がなければ、このデバイスは、正孔−電子再結合によって発生する青色発光材料へのエネルギー移動のために青色光のみを発する。緩衝層のために、より長波長の発光材料は、効果的なエネルギー移動のための正孔−電子再結合から非常に遠く離れており、この層においてこの材料からの発光はない。しかしながら、第2の(より長波長の)発光材料を緩衝層に拡散させるか、又は更には既に青色発光材料を含有している発光層に直接拡散させることができるように、このデバイスを加熱すると、より高エネルギーの(より短波長の)青色発光材料を代償にして、より低エネルギーの(より長波長の)発光材料へのエネルギー移動が起こる。これによって、この層からの(又はこの層と緩衝層との境界での)発光の色が青色から異なる色へとシフトする。第2の(より長波長の)発光材料を、少なくとも第1の(青色)発光層と直接接触する緩衝層に拡散させるのはこのためである。
正孔−電子再結合エネルギーが、励起一重項状態エネルギーの最も低い発光種を優先的に移動させることを理解されたい。励起一重項状態エネルギーは、発光一重項状態と基底状態との間のエネルギーの差であると定義される。概して、青色発光材料は緑色発光材料よりも高い励起一重項状態エネルギーを有し、更に緑色発光材料の励起一重項状態エネルギーは赤色発光材料よりも高い。
発光層が、青色発光材料又は第2の発光材料よりも励起一重項状態エネルギーの高い非発光ホスト材料を含有するのも望ましい。好適には、ホスト材料は電子輸送材料であり、2つ以上のホスト材料が存在していてもよい。ホスト材料の例としては、Alq等の金属オキシノイド及びアントラセン類が挙げられる。発光層の厚さは重要ではないが、概して2nm厚〜60nm厚の範囲内である。発光層は、有機高分子発光材料の従来の蒸着(蒸発、昇華)、代替的には他のコーティングによって形成することができる。
2つ以上の青色発光材料が発光層中に存在していてもよく、その総量は概して0.5体積%〜20体積%の範囲内である。青色発光材料は蛍光性であっても、又はリン光性であってもよい。好適な青色発光材料の種類としては、ペリレン類、フルオランテン類、ビス(アジニル)イミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メテン化合物及びアミノスチリル化合物が挙げられる。有用な青色発光化合物の幾つかの具体例は以下の通りである。
Figure 2012533852
Figure 2012533852
青色発光材料を含む発光層と拡散性の長波長の発光材料を含有する非発光層とを隔てる緩衝層が存在する。この緩衝層は製造中及び熱処理前にいかなる発光材料も含有しないものとする。熱処理の後、長波長の発光材料が、隣接する非発光層からこの緩衝層中へ又はこの緩衝層を通って拡散し、緩衝層はこれらの領域において発光性となることができる。長波長の発光材料が熱処理後に存在しない場合、緩衝層はこれらの領域において非発光性であるとする。熱処理中に、緩衝層がこれら2つの層の接触面近くで幾らかの青色光を発することができるように、青色発光材料の一部を直接隣接する青色発光層から拡散させることが可能であることを理解されたい。
緩衝層は青色発光層の上又は下に位置することができる。すなわち、緩衝層はアノード側又はカソード側のいずれに位置することもできる。緩衝層の厚さは0.5nm〜100nmの範囲内、好ましくは5nm〜10nmの範囲内であるものとする。
上記方法は長波長のエミッタの緩衝層中への又は緩衝層を通る熱拡散を必要とするため、緩衝層中に使用される材料の物性(T、密度及び極性等)が重要である。この緩衝層が正孔輸送材料、好ましくは単一の材料からなるのが望ましい。ポリマー中での化合物の拡散は十分に理解されているため、ポリマーを緩衝層中に使用してもよい。
緩衝層の正孔輸送材料は、好適には芳香族第三級アミンである。芳香族第三級アミンはモノアリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン又は高分子アリールアミン等のアリールアミンであり得る。好ましい種類の芳香族第三級アミン類としては、下記構造式(A)によって表されるものが挙げられる。
Figure 2012533852
式中、Q及びQは独立して選択される芳香族第三級アミン部分であり、Gは炭素−炭素結合の連結基(アリーレン基、シクロアルキレン基又はアルキレン基等)である。一実施形態では、Q又はQの少なくとも一方は多環式縮合環構造、例えばナフタレン又はカルバゾールを含有する。Gがアリール基である場合には、これはフェニレン部分、ビフェニレン部分又はナフタレン部分であることが好都合である。
構造式(A)を満たし、2つのトリアリールアミン部分を含有する別の有用な種類のトリアリールアミン類は、下記構造式(B)によって表される。
Figure 2012533852
式中、R及びRは各々独立して、水素原子、アリール基若しくはアルキル基を表すか、又はR及びRは共に、シクロアルキル基を完成させる原子を表し、R及びRは各々独立してアリール基を表すが、このアリール基は、下記構造式(C)によって示されるように、ジアリール置換アミノ基によって置換されている。
Figure 2012533852
式中、R及びRは独立して選択されるアリール基である。一実施形態では、R又はRの少なくとも一方は、多環式縮合環構造、例えばナフタレンを含有するか、又は共にカルバゾール基を形成する。
別の種類の芳香族第三級アミン類はテトラアリールジアミン類である。望ましいテトラアリールジアミン類は、式(C)に示されるもののようなアリーレン基を介して連結した2つのジアリールアミノ基を含む。有用なテトラアリールジアミン類としては、下記式(D)によって表されるものが挙げられる。
Figure 2012533852
式中、各々のAreは独立して選択されるアリーレン基(フェニレン部分又はアントラセン部分等)であり、nは1〜4の整数であり、Ar、R、R及びRは独立して選択されるアリール基である。典型的な実施形態では、Ar、R、R及びRのうち少なくとも1つは多環式縮合環構造、例えばナフタレンである。
有用な正孔輸送芳香族第三級アミン類の例は以下の通りである:1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン(TAPC)、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−3−フェニルプロパン(TAPPP)、1,4−ビス[2−[4−[N,N−ジ(p−トリル(toly))アミノ]フェニル]ビニル]ベンゼン(BDTAPVB)、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル(TTB)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−(2−ナフチル)アミノ]ビフェニル(TNB)、4,4',4’’−トリス[(3−メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA)及び4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(TPD)。また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン類、ポリピロール、ポリアニリン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSSとも呼ばれる)のような共重合体等の高分子正孔輸送材料を使用することができる。
緩衝層のすぐ隣に直接接触して、青色光よりも波長の長い光を発することが可能な発光材料を含有する非発光層が存在する。この非発光層が、熱処理の前後で相当量の光を発しないことが非常に好ましい(デバイスによって生じる光の総量の5%未満)。この層の目的は、熱処理の際にデバイスの或る領域へと拡散して、そこで光を発することのできる長波長の発光材料の供給源を提供することである。この層において発光することが可能な2つ以上の材料が存在していてもよく、任意の更なるエミッタの発光は同じ光の領域にあっても、又は異なる光の領域にあってもよい。この非発光層の厚さは5nm〜100nmの範囲内、好ましくは20nm〜40nmの範囲内であるものとする。
青色光よりも波長の長い光は、500nmを超え、緑色光及び赤色光、並びに橙色又は黄色等の他の色の光を含む。緑色光又は赤色光を発することが可能な材料が好ましい。「発することが可能な」とは、その材料が非発光層中に位置する場合(デバイスが熱処理されているか否かは問わない)、電流/電圧源をデバイスに適用しても相当量の光を発しないことを意味する。しかしながら、熱処理後には、青色発光層の付近に移行又は拡散した材料のその部分が青色光よりも波長の長い光を発する。
青色光よりも波長の長い光を発することが可能な材料は蛍光性であっても、又はリン光性であってもよいが、蛍光性が好ましい。「蛍光性」という用語は、任意の発光材料を表すために一般に使用されるが、この場合は一重項励起状態から光を発する材料を指し、「リン光性」とは、より高い多重度の励起状態から光を発する材料を指す。
より長波長の蛍光発光材料の幾つかとしては、アントラセン、アミノアントラセン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン及びキナクリドンの誘導体、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム化合物及びチアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体並びにビス(アジニル)アミンホウ素化合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な蛍光ドーパントは、Chen, Shi, and Tang, "Recent Developments in Molecular Organic Electroluminescent Materials," Macromol. Symp. 125, 1 (1997)及びそれに引用される参照文献、Hung and Chen, "Recent Progress of Molecular Organic Electroluminescent Materials and Devices," Mat. Sci. and Eng. R39, 143 (2002)及びそれに引用される参照文献にも見ることができる。
有用な材料の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
Figure 2012533852
Figure 2012533852
Figure 2012533852
クマリンは、Tang et al.の米国特許第4,769,292号及び米国特許第6,020,078号に記載されているように、有用な種類の緑色発光ドーパントである。キナクリドンは別の有用な種類の緑色発光ドーパントである。有用なキナクリドンは、米国特許第5,593,788号、同第6,664,396号、同第7,026,481号、米国特許出願公開第2004/0001969号及び特開平09−13026号公報に記載されている。
非発光層は、光を発することが可能な材料に加えて、非発光ホスト分子等の他の材料を含有していてもよい。好ましくは、これは正孔輸送材料、更により好ましくは緩衝層中に使用されるものと同じ正孔輸送材料である。
幾つかの実施形態では、デバイス内に長波長の光を発することが可能な材料を含む2つ以上の非発光層が存在する。好ましくは、1つの非発光層が緑色光を発することが可能な材料を含有し、別の非発光層が赤色光を発することが可能な材料を含有する。ただし、いずれの非発光層も青色発光層に隣接するか又はそれと直接接触することはなく、どちらも少なくとも1つの非発光緩衝層によって青色発光層から隔てられていなくてはならない。2つ以上の非発光エミッタ供給源層を有する実施形態では、これらの層は青色発光層からみて同じ側であっても、又は異なる側であってもよい。必ずしも必要とされるわけではないが、これらの非発光供給源層が同じ側に位置する場合、2つの非発光供給源層を更なる緩衝層によって隔てることが望ましい。この更なる緩衝層は、非発光供給源層の1つと青色発光層との間に位置する緩衝層と同じ要件を有する。この実施形態では、第2の非発光層/緩衝層/第1の非発光層/緩衝層/青色発光層という順序であり、間に他の中間層が存在しないことが望ましい。
非発光層は、従来の蒸着、代替的にはドナー支持体上に形成されたドーパントドナー層からの熱誘導移動、又はインクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷若しくは電子写真式(xerographic)印刷等の他の印刷方法によって形成することができる。
完成したデバイスの加熱処理プロセスによって、長波長の光を発することが可能な材料(単数又は複数)を、材料が青色発光層と接触するように非発光層(複数も可)から緩衝層中へ又は緩衝層を通って拡散させるには、比較的単純な装置が必要とされ、それによって均一な拡散を達成するための加工の精密制御がもたらされる。加熱はホットプレート、オーブン、赤外線ランプ、閃光ランプ及びレーザーでの加熱を含むが、これらに限定されない様々な方法によって行うことができる。温度範囲は50℃〜250℃であり、最適温度はその材料のガラス転移点(T)付近である。
望ましい一実施形態では、非発光層(複数も可)はパターン化されている、すなわち非発光層はデバイスの発光部全体にわたって連続的ではないが、青色発光層はパターン化されておらず、デバイスの発光部全体にわたって連続的である。このようにして、拡散を引き起こすデバイスの熱処理によってパターン化デバイスが得られる。例えば、均一な青色発光層に加えて、緑色発光が可能な材料を含有するパターン化された非発光層を有するデバイスにおいては、青色光は青色発光層のみが存在する部位のみから発せられ、非発光層も存在する部位においては発せられない。熱処理によって緑色発光分子が非発光層から緩衝層中へ又は緩衝層を通って拡散され、青色発光層と接触し、その地点で青色エミッタではなく緑色光エミッタへのエネルギー移動が優先的に起こり、緑色光のみがその領域から発せられる。このようにして、非発光供給源層のパターンに対応する青色画素及び緑色画素のパターンが熱的に生成される。この方法は、連続的な青色発光層と、緑色エミッタ及び赤色エミッタを含むパターン化された非発光供給源層とを有するデバイスにまで拡張することができる(図2A及び図2Bを参照されたい)。緑色供給源層及び赤色供給源層に異なるパターンを使用することによって、画素化RGBデバイスを熱処理を用いて作製することができる。
代替的な実施形態においては、パターン化デバイスは、青色発光層及び非発光供給源層(複数も可)が両方ともパターン化されておらず、デバイスの発光部位全体にわたって連続的であるデバイスから作製することができる。これは、発光の色を青色からより長波長の色へと変化させることが所望される部位のみを選択的に加熱することによって達成される。この場合、或る特定の部位のみでの層のマスキング又は選択的レイダウン(laydown)は必要とされず、簡略化された製造プロセスがもたらされる。
例えば、青色発光層と、緑色発光が可能な材料を含有する非発光層とを有する(どちらも均一に沈着されている(laid down))デバイスにおいては、熱処理した部位ではなく、熱処理を行っていない部位から青色光のみが発せられる。緑色発光材料は非発光層から緩衝層中へ又は緩衝層を通って拡散され、青色発光層と接触し、その地点で青色エミッタではなく緑色光エミッタへのエネルギー移動が優先的に起こり、緑色光のみがその領域から発せられる。このようにして、熱曝露のパターンに対応する青色画素及び緑色画素のパターンが作られる。この方法は、連続的な青色発光層と、緑色エミッタ及び赤色エミッタを含む2つの非発光供給源層とを有するデバイスにまで拡張することができる(図3A及び図3Bを参照されたい)。選択した部位のみを加熱することによって、画素化RGBデバイスを作製することができる。この場合、種々のエミッタが異なる拡散特性を有し得るため、種々の部位を別個の条件又は方法を用いて選択的に加熱することが必要とされる場合がある。
全ての実施形態が或る層から別の層へのエミッタの熱拡散を必要とするため、拡散中の飛び散り(spreading)又はスミアリング(smearing)を低減することが重要である。薄い緩衝層の使用、緩衝材料及びT等のその特性の選択、非発光供給源層中のホスト材料(存在する場合)の選択、並びに拡散に影響を与える、より長波長のエミッタの特性(分子量及び極性等)の選択を含む、拡散を制御するのに有用な多くの方法が存在する。
ここで図1A及び図1Bに目を向けると、本発明に従う有機発光デバイスを作製する加工工程を説明するデバイスが示されている。
図1Aでは、製造後であるが任意の熱処理前の有機発光デバイス100に、基板101、アノード102、緑色発光が可能な材料を含有する非発光層103a、緩衝層104、青色発光層105a及びカソード106が順に示される。アノード102及びカソード106は、動力/電圧源(図示せず)に電気的に接続されている。加熱時の層103aからの緑色エミッタ材料の拡散方向は矢印によって示される。
図1Bは、有機発光デバイス100の加熱後に形成された有機発光構造150を概略的に説明するものである。ここで、緑色発光材料は非発光層103bから緩衝層104及び青色発光層105bへと拡散されている。層105bは加熱前には青色光を発していたが、緑色光エミッタの存在のために今度は緑色光を発する。層103bは幾らかの残留緑色発光材料を含有していてもよいが、再結合が起こる層105bから非常に遠く離れて位置しているために依然として非発光性であることに留意されたい。
ここで図2A及び図2Bに目を向けると、加工工程を説明するデバイスが示されており、これらはまとめて更なる層を有する有機発光デバイスを作製する本発明の別の態様を説明する。
図2Aは、非発光層が3つの領域(光を発することが可能な材料を含有しない205a、緑色光を発することが可能な材料を含有する205b、及び赤色光を発することが可能な材料を含有する205c)にパターン化されていること以外はデバイス100と同様である、未処理の有機発光デバイス200を示す。基板201、アノード202、青色発光層203及び緩衝層204も存在する。カソード206は前述と同様に設けられる。製造したデバイス200を均一に加熱すると、赤色発光材料及び緑色発光材料が矢印によって示されるように拡散する。
図2Bは得られる熱処理済みの有機発光デバイス250を示すが、ここで、青色発光層203は非発光層205aの付近で変化せず、青色発光領域203aを作り出す。一方で、非発光層205bの領域(緑色発光材料を含有する)においては、緑色発光材料が拡散して青色発光層203と接触するため、青色発光層203は緑色発光領域203bに変換される。同様に、非発光層205cの領域(赤色発光材料を含有する)においては、赤色発光材料が拡散して青色発光層203と接触するため、青色発光層203は赤色発光領域203cへと変換される。このようにして、パターン化RGB OLEDデバイスが形成される。前述と同様に、領域205b及び領域205cは幾らかの残留発光材料を含有していてもよいが、これらの層は再結合が起こる領域203、領域203b及び領域203cから非常に遠く離れて位置しているために依然として非発光性であることに留意されたい。
ここで図3A及び図3Bに目を向けると、加工工程を説明するデバイスが示されており、これらはまとめて、更なる層を有する有機発光デバイスを作製する本発明の更に別の態様を説明する。
図3Aは、順に基板301、アノード302、緑色発光が可能な材料を含有する非発光層303a、緩衝層304、青色発光層305、緩衝層306、赤色発光が可能な材料を含有する非発光層307a、及びカソード308からなる、製造後であるが任意の熱処理前の未処理の有機発光デバイス300を示す。この実施形態では、非発光層303a及び非発光層307aは連続的であり、パターン化されていない。加熱区域310及び加熱区域320によって示される選択した領域の熱処理は、デバイス全体にわたって均一ではない。加熱区域310は、矢印によって示される層307aから青色発光層305への赤色発光材料の拡散を引き起こすのに十分である。加熱区域320は、矢印によって示される層303aから青色発光層305への緑色発光材料の拡散を引き起こすのに十分である。加熱区域310及び加熱区域320は異なる条件及び方法を示していてもよい。
図3Bは得られる熱処理済みの有機発光デバイス350を示すが、ここで、青色発光層305は加熱を行わなかった領域(305b)において変化していない。一方で、加熱区域310の領域においては、赤色発光材料が拡散して青色発光層305と接触するため、青色発光層305は赤色発光領域305aに変換される。加熱した領域においては、層307bは赤色発光が可能な材料を全く、又は層307aよりも少量でしか含有しないが、これは材料がこの層から離れて拡散されているためである。同様に、加熱区域320の領域においては、緑色発光材料が拡散して青色発光層305と接触するため、青色発光層305は緑色発光領域305cへと変換される。加熱した領域においては、層303bは緑色発光が可能な材料を全く、又は層303aよりも少量でしか含有しないが、これは材料がこの層から離れて拡散されているためである。このようにして、パターン化RGB OLEDデバイスが形成される。層303b及び層307bが加熱されないか、又はエミッタの拡散を引き起こすのには加熱が不十分なこれらの領域においては、これらの領域は再結合が起こる領域305a、領域305b及び領域305cから非常に遠く離れて位置しているために依然として非発光性であることに留意されたい。
以下の実施例は本発明の更なる理解のために提示される。明確化のために、材料及びそれから形成される層は下記に示す通りである。
Figure 2012533852
Figure 2012533852
<実施例1>
デバイスを従来の真空蒸着を用いて以下の順序で以下の通りに組み立てた。
1)アノードとしての85nmのインジウム−スズ酸化物(ITO)の層でコーティングしたガラス基板を、順に、市販の洗剤中で超音波処理し、脱イオン水でリンスし、約1分間酸素プラズマに曝露し、米国特許第6,208,075号に記載されるようなCHFのプラズマ支援堆積によって1nmのフルオロカーボン(CF)正孔注入層(HIL)でコーティングした;
2)60nm厚のNPB層である正孔輸送層(HTL)をITOアノード上に堆積させた;
3)NPB 93%及びGD−1 7%の30nm厚の非発光層(NEL)をHTL上に形成した;
4)15nm厚のNPBの緩衝層をNEL上に形成した;
5)Host−1 99.2%及びBD−4 0.8%の20nm厚の青色発光層(BLEL)をHTL2上に形成した;
6)次いで、32.5nm厚のHost−1の第1の電子輸送層(ETL1)をBLEL上に形成した;
7)次いで、2.5nmのAlqの第2の電子輸送層(ETL2)をETL1上に形成した;
8)次いで、150nm厚のAlのカソードをETL2上に形成した。
上記の手順によってELデバイスの堆積が完了した。次いで、デバイスを周囲環境から保護するため、乾燥グローブボックス内で密封包装した。
図4は、加熱処理の前にはデバイスが主に青色光を発し、駆動電圧は6.0Vであり、EQE(外部量子効率(EQE)は、OLEDデバイスに注入された電子1つ当たりに発せられる光子の割合であり、OLEDがランバートエミッタであると仮定して、OLED表面に垂直に測定した光子束から算出された百分率として表わされる)が6.7%であったことを示している。また、図4は、緑色ドーパントを含有する層が非発光性であったことを説明している。次いで、このデバイスを強制気流のもとで110℃で4時間、続いて115℃で2時間、120℃で1時間、精密温度制御オーブン内で加熱した。加熱処理の後、デバイスは主に緑色光を発し、駆動電圧は6.1V、EQEは6.7%であった。加熱処理によって緑色ドーパントが隣接する層内に十分に拡散され、LELにおいて発生した正孔−電子再結合エネルギーは、ここでLEL中に依然として存在する青色ドーパントと比較してバンドギャップエネルギーの低い緑色ドーパントに好ましくは移動した。
<実施例2>
実施例1と同様に、別のデバイスを以下の通りに組み立てた。
1)アノードとしての85nmのインジウム−スズ酸化物(ITO)の層でコーティングしたガラス基板を、順に、市販の洗剤中で超音波処理し、脱イオン水でリンスし、約1分間酸素プラズマに曝露し、米国特許第6,208,075号に記載されるようなCHFのプラズマ支援堆積によって1nmのフルオロカーボン(CF)正孔注入層(HIL)でコーティングした;
2)NPB 98.3%及びRD−1 1.7%の35nm厚の第1の非発光層(NEL1)をHIL上に形成した;
3)15nm厚のNPBの緩衝層(BL1)をNEL1上に形成した;
4)TAPC 93%及びGD−1 7%の30nm厚の第2の非発光層(NEL2)を緩衝層上に形成した;
5)5nm厚のTAPCの緩衝層(BL2)をNEL2上に形成した
6)Host−1 99.2%及びBD−4 0.8%の20nm厚の青色発光層(BLEL)をBL2上に形成した;
8)次いで、32.5nm厚のHost−1の第1の電子輸送層(ETL1)をBLEL上に形成した;
9)次いで、2.5nmのAlqの第2の電子輸送層(ETL2)をETL1上に形成した;
10)次いで、150nm厚のAlのカソードをETL2上に形成した。
図5に示されるように、加熱処理前にはデバイスは主に青色光を発し、駆動電圧は6.1V、EQEは5.8%であった。デバイスを110℃で15分間加熱すると、デバイスは主に緑色光を発し、駆動電圧は6.1V、EQEは5.6%となり、幾らか青色発光し、ほとんど赤色発光しなかった(図6)。115℃で15分間更に加熱すると、赤色発光の量は大幅に増大し(図7)、駆動電圧は6.3V、EQEは3.9%となった。115℃で16時間加熱を続けると、デバイスは主に赤色光を発し、駆動電圧は8.3V、EQEは0.31%となった(図8)。これらの実験結果は、製造後の加熱処理前には緑色ドーパント又は赤色ドーパントを含有する層が非発光性であったことを示している。加熱処理に応じて、いずれかのドーパントがそのNEL層から青色発光層に隣接する緩衝層又は青色発光層へと十分に拡散され、LELにおいて発生した正孔−電子再結合エネルギーは、ここでLEL中に依然として存在する青色ドーパントと比較してバンドギャップエネルギーの低い緑色ドーパント又は赤色ドーパントに好ましくは移動した。このようにして、単一のLELからの発光の色は、熱処理に応じて青色から緑色、赤色、更にはその3つの中間混合色(intermediate mixtures)へと変更することができた。
本発明を特に或る特定の好ましいその実施形態を参照して詳細に記載したが、本発明の意図及び範囲内において変更及び修正を行うことができることが理解されよう。
部品表
100 製造後であるが加熱処理前のOLED
101 基板
102 アノード
103a 緑色エミッタを含有する非発光層(加熱前)
103b 緑色エミッタを含有する非発光層(加熱後)
104 緩衝層
105a 青色発光層
105b 緑色発光層
106 カソード
150 加熱処理後のOLED100
200 製造後であるが加熱処理前のOLED
201 基板
202 アノード
203 青色発光層
203a 青色発光領域
203b 緑色発光領域
203c 赤色発光領域
204 緩衝層
205a 非発光層(エミッタ材料を含有しない)
205b 非発光層(緑色エミッタ材料を含有する)
205c 非発光層(赤色エミッタ材料を含有する)
206 カソード
250 加熱処理後のOLED200
300 製造後であるが加熱処理前のOLED
301 基板
302 アノード
303a 非発光層(緑色エミッタを含有する)
303b 部分加熱処理後の非発光層(緑色エミッタを含有しても又は含有しなくてもよい)
304 緩衝層
305 青色発光層
305a 赤色発光領域
305b 青色発光領域
306 緩衝層
306c 緑色発光領域
307a 非発光層(赤色エミッタを含有する)
307b 部分熱処理後の非発光層(赤色エミッタを含有しても又は含有しなくてもよい)
308 カソード
310 第1の加熱区域
320 第2の加熱区域
350 加熱処理後のOLED300

Claims (14)

  1. 基板上のアノード及びカソード、並びに該アノードと該カソードとの間に配置され青色光を発する第1の発光材料を含有する少なくとも1つの発光層を備え、少なくとも2色の光を発する有機エレクトロルミネッセントデバイスを作製する方法において、その改良点が、
    (a)青色光よりも波長の長い光を発することが可能である第2の発光材料を含有し且つ前記青色発光層の上又は下に配置される少なくとも1つの非発光層を設けること、
    (b)前記非発光層と前記発光層との間に、その両方と直接接触させて緩衝層を設けること、及び
    (c)前記第2の発光材料が光を発するように、前記エレクトロルミネッセントデバイスを加熱して、前記第2の発光材料を前記非発光層から少なくとも前記緩衝層に拡散させること
    を含む、有機エレクトロルミネッセントデバイスの作製方法。
  2. 工程(a)の前記第2の発光材料が緑色光を発することが可能である請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)の前記第2の発光材料が赤色光を発することが可能である請求項1に記載の方法。
  4. 工程(b)の前記緩衝層が正孔輸送材料を含む請求項1に記載の方法。
  5. 異なる着色発光画素に対応する異なるパターン化部分が工程(c)による加熱後に形成されるようなパターンで、工程(a)の前記非発光層を堆積させる請求項1に記載の方法。
  6. 工程(a)の前記非発光層中の前記第2の発光材料よりも波長の長い光を発することが可能である第3の発光材料を含有する第2の非発光層が存在する請求項1に記載の方法。
  7. 前記第2の発光材料が緑色光を発することが可能であり、且つ前記第3の発光材料が赤色光を発することが可能である請求項6に記載の方法。
  8. 第1の青色発光材料を含有する発光層、工程(b)による第1の緩衝層、工程(a)による緑色光を発することが可能である第2の発光材料を有する第1の非発光層、第2の非発光緩衝層、及び赤色光を発することが可能である第3の発光材料を有する第2の非発光層という一連の層を形成する請求項7に記載の方法。
  9. 異なる着色発光画素に対応する異なるパターン化部分が工程(c)による加熱後に形成されるようなパターンで、緑色光又は赤色光を発することが可能な前記材料を含有する前記非発光層の少なくとも1つを堆積させる請求項8に記載の方法。
  10. 緑色及び赤色の着色発光画素に対応する異なるパターン化部分が工程(c)による加熱後に形成されるようなパターンで、緑色光又は赤色光を発することが可能な前記材料を含有する前記非発光層の両方を堆積させる請求項9に記載の方法。
  11. 加熱した部分では赤色又は緑色の着色発光画素に対応する異なるパターン化部分が形成され且つ加熱されていない位置では前記発光層から青色光のみが発せられるように選択位置でのみ工程(c)の加熱を行う請求項6に記載の方法。
  12. 赤色光を発することが可能な第3の発光材料を有する第2の非発光層、非発光緩衝層、第1の青色発光材料を含有する発光層、工程(b)による緩衝層、及び工程(a)による第1の非発光層という一連の層を形成する請求項2に記載の方法。
  13. 異なる着色発光画素に対応する異なるパターン化部分が工程(c)による加熱後に形成されるようなパターンで、緑色光又は赤色光を発することが可能な前記材料を含有する前記非発光層の少なくとも1つを堆積させる請求項12に記載の方法。
  14. 緑色及び赤色の着色発光画素に対応する異なるパターン化部分が工程(c)による加熱後に形成されるようなパターンで、緑色光又は赤色光を発することが可能な前記材料を含有する前記非発光層の両方を堆積させる請求項13に記載の方法。
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JP2020167392A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 住友化学株式会社 発光素子及びその製造方法並びに発光素子用組成物及びその製造方法

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