図は、あくまで本発明の種々の実施形態を例示する為のものである。当業者は以下の詳解より、本明細書に例示された構造及び方法とは別の実施形態が、本明細書に記述された本発明の原理から逸脱することなく使用可能であると容易に理解できよう。
添付図及び以下の説明は、あくまで例示としての好適な実施形態に関する。尚、本明細書に開示される構成および方法とは別の実施形態が、特許請求の範囲の原理から逸脱することなく代替的に実行可能であることが、以下の詳解から容易に理解できよう。
幾つかの実施形態について詳細な記述を行うが、それらは添付図に例示される。尚、図に使用される同じ参照番号は、同様の機能を表すものとする。図は、開示されたシステム(又は方法)の実施形態を、あくまで例示するために描写するものである。当業者は以下の説明から、ここに例示される構成と方法とは別の実施形態が、ここに説明される原理から逸脱することなく使用できることを容易に理解するだろう。
図1は、一実施形態によるメーリングリストの自動メッセージモデレーションシステム100を例示するブロック図である。このシステム100は、メーリングリスト加入者のオンラインマネジメントを容易にするとともに、メーリングリスト加入者へのEメールメッセージの配送も容易にする。システム100は、1以上のクライアント装置110と、ネットワーク140と、メーリングリストマネジメントサーバ120を有する。図1に示すように、メーリングリストマネジメントサーバ120は、フロントエンドサーバ122と、メンバシップエンジン124と、Eメール配送エンジン125と、パーミッションライブラリ126と、Eメールアーカイブエンジン128と、メッセージモデレーションエンジン129を有する。本システムの特徴が分かりにくくならないように、ファイヤウォール、ロードバランサ、アプリケーションサーバ、フェイルオーバーサーバ、サイトマネジメントツール等の従来の機能の図示は省略する。特定のサーバ、エンジン或いはモジュールに属する機能は、協働する種々の、つまり複数のサーバ、エンジン或いはモジュールにより実施される。
各種サーバはそれぞれ、CPU、メモリ、ネットワークインタフェース、周辺インタフェース、その他周知のコンポーネントから成るサーバクラスのコンピュータで実行されるサーバプログラムとして構築される。コンピュータそのものは、LINUX(登録商標)等のオープンソース・オペレーティングシステムを実行するのが好適であり、一般的に高性能CPUと、1ギガ以上のメモリと、100ギガ以上のディスク容量を有する。勿論、他のタイプのコンピュータも使用可能であり、よりパワフルなコンピュータが将来開発されれば、そのコンピュータを本明細書の教示に従って設定することができる。これらの要素のいずれかにより構築される機能は、コンピュータのアクセスが可能な有形記録媒体(例えば、RAM、ハードディスク、光学/磁気媒体等)に保存されたコンピュータプログラム製品から得られる。
クライアント110は、ブラウザ112を実行し、ネットワーク140を介してフロントエンドサーバ122に接続する。このネットワークは通常インターネットであるが、LAN、MAN、WAN、モバイルか有線か無線のネットワーク、プライベートネットワーク、或いはバーチャルプライベートネットワーク等(これらに限定されない)の何れかの組み合わせによるネットワークでも可能である。単一のクライアント110とブラウザ112しか図示していないが、非常に多くのクライアント(例えば数百万)がサポートされ、システム100と随時通信できる状態にあるということがわかる。一実施形態において、ブラウザ112を使って、メーリングリストマネジメント・ウェブサイトにアクセスする。このシステム100の構築に適するウェブサイトはGOOGLE GROUPS(登録商標)で、アドレスはhttp://groups.google.com/である。この他にも、メーリングリストマネジメント・ウェブサイトがあり、本明細書に開示された教示に従って動作するよう構成することができる。
ネットワーク140は、クライアント110とメーリングリストマネジメントサーバ120間の通信を可能にする。一実施形態において、このネットワーク140は標準的な通信テクノロジー及び/又はプロトコルを使用する。つまりネットワーク140は、Ethernet(登録商標)802.11、総合デジタル通信網(ISDN)、デジタル加入者回線(DSL)、非同期転送モード(ATM)、InfiniBand、PCI Expressに基づいたAdvanced Switching等のテクノロジーを用いたリンクを含む。同様に、ネットワーク140に使用されるネットワークプロトコルも種々の実施形態において、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)等を含む。ネットワーク140を介してやりとりされるデータは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張マークアップ言語(EML)等の従来のテクノロジー及び/又はフォーマットを使って表示される。更に、幾つかの実施形態における全て又は一部のリンクは、セキュア・ソケット・レイヤー(SSL)、セキュアHTTP及び/又は仮想プライベート・ネットワーク(VPNs)かインターネット・プロトコル・セキュリティ(IPsec)等の従来の暗号化テクノロジーを使って暗号化されている。別の実施形態においては、上記のテクノロジーの代わりに、或いはそれに加えて、カスタム及び/又は専用のデータ通信テクノロジーを利用するエンティティもある。実施形態によっては、ネットワーク140がインターネット等の別のネットワークへのリンクも含むことがある。
フロントエンドサーバ122は、メーリングリストマネジメント・ユーザインタフェースを提供するし、更にメッセージの閲覧と作成も可能にする。フロントエンドサーバ122は、ネットワーク140を介してクライアント110と通信するだけでなく、メンバシップエンジン124、Eメール配送エンジン125、メッセージモデレーションエンジン129とも通信するように構成されている。フロントエンドサーバ122は、作成されたメッセージや他のメーリングリストのタスク要求をクライアント110から受け取り、メンバシップエンジン124や、Eメール配送エンジン125や、メッセージモデレーションエンジン129と通信して、作成されたメッセージに沿った適切な処置を行ったり、適切なタスクを行ったりする。フロントエンドサーバ122は、メーリングリストマネジメント・ユーザインタフェースを提供することにより、メーリングリストの便利なマネジメントと変更を容易にする。フロントエンドサーバ122は、ユーザインタフェースに表示する為のメンバシップ情報を検索する為に、メンバシップエンジン124と通通信するように構成されている。ユーザインタフェースは、クライアント110のウェブブラウザ112に表示されるので、ユーザはユーザインタフェースを介して、メンバシップ情報だけでなくメーリングリストに関する他の情報も簡単に入手することができる。ユーザインタフェースのスクリーンショットの一例を図7に示す。ユーザインタフェースのスクリーンショットについては、後で詳細に説明する。
メンバシップエンジン124は、各種メーリングリストのメンバシップ情報を保存している。メンバシップエンジン124は、パーミッションライブラリ126と通信できるように連結され、パーミッションライブラリ126からパーミッション情報を取り出す。図3に示すように、メンバシップエンジン124は、パーミッションライブラリ126からパーミッション情報を取り出す為のパーミッション検索モジュール302と、メンバシップ情報を保存するメンバシップデータベース304とを含む。各種メーリングリストのメンバシップ情報は、メーリングリストに属するユーザのEメールアドレスを含む。幾つかの実施形態において、メンバシップ情報は、各Eメールアドレスに関連する氏名及び/又はその他の身元情報を含む。また幾つかの実施形態において、メンバシップ情報は、パーミッションレベル、メーリングリスト・アソシエーション、肩書、Eメール配送優先順位、入会日、各ユーザに関する会員分類も含む。一実施形態において、メンバシップエンジン124は、メーリングリストへの加入を勧誘されたが未だ入会が確認されていないユーザに関する身元情報も保存する。幾つかの実施形態において、メンバシップエンジン124は、メーリングリストから追放されているユーザに関する身元情報も保存する。別の実施形態において、メンバシップエンジン124は、ユーザID(識別情報)、ユーザのログイン情報や認証情報、ユーザの住所、ユーザのEメールアドレス、ユーザネーム、ユーザの居住国、ユーザの誕生日、ユーザの性別、ユーザが登録している他のメーリングリストの身元情報等の各ユーザに関するその他の情報のほかにも、特定のユーザに関する追加情報も保存する。一実施形態におけるメンバシップエンジン124は、上記の全ての情報を保存する一方、他の実施形態におけるメンバシップエンジンは、上記の情報の一部しか保存しない。
図1に戻って、このシステム100のEメール配送エンジン125は、システム100のクライアント110間のEメールメッセージの送受信を容易にする。Eメール配送エンジン125は、フロントエンドサーバ122とEメールアーカイブエンジン128と通信するよう構成される。一実施形態において、Eメール配送エンジン125は、簡易メール転送プロトコル(SMTP)を利用して、一般的にユーザのインターネット接続サービス業者(ISP)が運用するローカルメール配送エージェント(MTA)にEメールメッセージを送信する。別の実施形態において、Eメール配送エンジン125は、別のEメール転送メカニズムを利用して、システム100のクライアント110間のEメール配送を行う。
メッセージモデレーションエンジン129は、メーリングリストに配送されてくるEメールメッセージの自動モデレーションを容易にする。メッセージモデレーションエンジン129は、フロントエンドサーバ122とEメール配送エンジン125と通信するように構成される。一実施形態において、メッセージモデレーションエンジン129は、作成されたEメールメッセージをフロントエンドサーバ122から受け取り、承認済みメッセージを配送すべくEメール配送エンジン125に転送するように構成される。メッセージモデレーションエンジン129は、Eメールメッセージの内容と特徴を調べて、そのEメールメッセージが配送される前に先ずメーリングリストオーナーによりモデレートされるべきかどうかを判定し、後でメーリングリストオーナーが承認又は拒絶する為のマークをそのEメールメッセージ付ける。メッセージモデレーションエンジン129のコンポーネントと機能について、以下図4乃至図6を参照しながら詳しく説明する。
パーミッションライブラリ126は、メッセージモデレーションシステム100にパーミッション情報を与える。パーミッションライブラリ126は、メンバシップエンジン124と通信して、メーリングリストの会員のパーミッション情報を与えるように構成される。パーミッションライブラリ126は、メーリングリストの会員のパーミッション情報を含む。パーミッションライブラリ126は、メーリングリスト会員のEメールアドレスを保存している。更にパーミッションライブラリ126は、それぞれのEメールアドレスに関して、関連メーリングリストとそれぞれのメーリングリストのEメールアドレスに関するアクセスレベルを保存している。一実施形態において、パーミッションライブラリ126は、一つのユーザグループをパーミッションの判定と管理の為の一つのエンティティと見なす。つまり、新しいユーザがあるグループに加わると、そのユーザは、そのグループのメンバーであることを根拠に自動的にパーミッションを得る。幾つかの実施形態におけるパーミッションライブラリ126は、そのパーミッションライブラリ126へのアクセスが可能な他のアプリケーションや、システムやウェブサイトのパーミッション情報も保存し、パーミッションライブラリ126に保存されたEメールアドレスとグループのパーミッション情報の中央保管所の機能を果たす。例えば、幾つかの実施形態において、パーミッションライブラリ126に保存されたEメールアドレスに関連するユーザは、フォトシェアリング、ドキュメント編集、ソーシャルネットワーキング等に使用されるような他のシステムやウェブサイトの会員にもなれる。このような実施形態におけるパーミッションライブラリ126はフォトシェアリングウェブサイトの会員達のパーミッション情報を保存するが、別の実施形態におけるパーミッションライブラリ126は、ドキュメント編集ウェブサイトへアクセスすることのできる会員達のパーミッション情報を保存する。この場合も同様に、一つのグループを一つのエンティティと見なすことにより、パーミッションライブラリ126は、グループ単位だけでなく個人単位でも、パーミッション情報を他のシステムに回すことができる。
Eメールアーカイブエンジン128は、メーリングリストの会員達に送られたEメールメッセージを保存する。Eメールアーカイブエンジン128は、Eメール配送エンジン125と通信するように構成され、メーリングリストの会員達に送られたEメールメッセージを受け取り、そのEメールメッセージをEメールアーカイブデータベース130に送って格納させる。一実施形態において、Eメールアーカイブエンジン128は、メーリングリストの会員達に送られた全てのEメールメッセージを保存する。別の実施形態においては、Eメール配送エンジン125が、例えば一日分の受信メッセージの”ダイジェスト版”提供する為に、Eメールアーカイブエンジン128から保存されたEメールメッセージを取り出す。幾つかの実施形態におけるEメールアーカイブエンジン128は、保存されたEメールを索引・検索する為に索引システムと検索システム(図示せず)を含む。このような実施形態におけるEメールアーカイブエンジン128は、クライアント110のユーザからの検索クエリを受け付けるフロントエンドサーバ(図示せず)も有し、その検索クエリをEメールアーカイブエンジン128の検索システムに与える。
図2は、一実施形態におけるクライアント110の主なコンポーネントを示すブロック図である。バス204に連結された少なくとも1つのプロセッサ202が例示されている。バス204には更に、メモリ206と、記憶装置208と、キーボード210と、グラフィックアダプタ212、ポインティングデバイス214、ネットワークアダプタ216が連結されている。一実施形態において、バス204の機能は、相互接続チップセットにより与えられる。ディスプレイ218はグラフィックアダプタ212に連結される。
記憶装置208は、ハードドライブ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、DVD、固体記憶装置等、データを保存できればどのような装置でもよい。メモリ206は、命令やプロセッサ202が使用するデータを保存する。ポインティングデバイス214は、マウスやトラックボールやその他のポインティングデバイスが可能であり、コンピュータシステム200にデータ入力する為にキーボード210と組み合わせて使用される。グラフィックアダプタ212は、画像や他の情報をディスプレイ218に表示する。ネットワークアダプタ216は、コンピュータシステム200をローカルエリアネットワークや広域ネットワークに連結する。
当技術分野で周知のように、クライアント110は、図2に示されるコンポーネントとは異なるコンポーネント及び/又はそれ以外のコンポーネントを有することが可能である。加えて、ある実施形態とアプリケーションにおいて、クライアント110は、キーボード210、ポインティングデバイス214、グラフィックアダプタ212及び/又はディスプレイ218等、図中のあるコンポーネントを省略することができる。更に記憶装置208は、ストレージエリアネットワーク(SAN)内に設けられるなど、ローカル及び/又はクライアント110から遠く離れた場所に設置することも可能である。
当技術分野で周知のように、クライアント110は、本明細書に記載される機能を与える為のコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される。本明細書に使用される”モジュール”という用語は、特定の機能を与える為に使用されるコンピュータプログラムロジックを意味する。つまり、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアに実装することができる。一実施形態において、プログラムモジュールは、記憶装置208に保存され、メモリ206にロードされ、プロセッサ202により実行される。
図4は、一実施形態によるメッセージモデレーションエンジン129を示すブロック図である。メッセージモデレーションエンジン129は、メッセージ分析モジュール402と、モデレーション対象メッセージモジュール404とを含み、フロントエンドサーバ122とEメール配送エンジン125と通信するように構成される。メッセージモデレーションエンジン129は、作成されたEメールメッセージをフロントエンドサーバ122から受け取り、メッセージモデレーションエンジン129のメッセージ分析モジュール402を用いて、そのEメールメッセージを分析する。分析の結果、要モデレーションの待ち行列(モデレーションキュー)に入れられたEメールメッセージは、モデレーション対象メッセージモジュール404に保存され、それから配送の為にEメール配送エンジン125に転送される。フロントエンドサーバ122は、モデレーションキューに入れられている保存Eメールメッセージを取り出して、メーリングリストマネージャが該モデレーションキュー内の該メッセージを承認又は拒絶することができるように、それらのメッセージをクライアント110のブラウザ112に表示する。
図5は、一実施形態によるメッセージモデレーション処理500を例示するフロー図である。この処理500は、Eメールメッセージが作成され、クライアント110のブラウザ112を介してメーリングリストに送られた時(502)に始まる。このEメールメッセージは、メーリングリストマネジメントサーバ120のフロントエンドサーバ122で受信される(504)。このメッセージは、メーリングリストマネジメントサーバ120のメッセージモデレーションエンジン129に渡り、対象受信者に配送するかモデレーションキューに入れるかを判定する為に分析される(506)。Eメールメッセージがモデレーションキューに入れられた場合、このEメールメッセージは先ず承認を受けなければ、対象受信者には配送されない。一実施形態において、このメッセージは、対象受信者に配送されるか或いは自動的に拒絶されるかの判定の為の分析を受ける(506)。幾つかの実施形態においては、拒絶されたメッセージは自動的に削除される。別の実施形態における拒絶メールは、モデレーション対象メッセージモジュール404に保存されるが、搬送の為のEメール配送エンジン125に転送されることはない。
図6は、一実施形態によるメッセージ分析処理506を例示するフロー図である。メッセージモデレーションエンジン129のメッセージ分析モジュール402は、メッセージをモデレーションキューに入れるか、或いは自動的に拒絶するかを判定する為に、Eメールメッセージの色々な特徴を検査する。一実施形態において、メッセージモデレーションエンジン129のメッセージ分析モジュール402は、このEメールメッセージの送信者と受信者のEメールアドレスを調べる(602)。一実施形態において、この検査で受信者が所定のテストにパスするかどうかの判定を行う(604)。一実施形態における所定のテストは、ある特定の期間中に当該送信者からメッセージが送られた、メーリングリストの受信者の総数を基にする。例えば、受信者総数が所定の閾値(例えば、当該送信者から一日当たり100人の受信者に送信される)を超えると、このテストにはパスしない(604でノー)。そして当該メッセージはモデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられるか(510)、或いは自動的に拒絶される。受信者総数が所定数以下であれば、テストはパスとなり(604でイエス)、分析処理506は継続する。別の実施形態において、同様のテストでリストの会員数を確認し、会員数が閾値を超えていると、メッセージをモデレーションキューに入れる。別の実施形態においては、所定のテストは当該メッセージの送信者のEメールアドレスを基にする。このような実施形態において、当該メッセージの送信者のEメールアドレスを、特定のメーリングリストへのメッセージ配送が禁止されているEメールアドレスリストと照らし合わせる。当該送信者のEメールアドレスがそのリストにあれば、このテストにはパスしない(604でノー)。そして当該メッセージはモデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられるか(510)、或いは自動的に拒絶される。当該送信者のEメールアドレスがそのリストになければ、テストはパスとなり(604でイエス)、分析処理506は継続する。
メッセージモデレーションエンジン129のメッセージ分析モジュール402は、当該メッセージの件名の内容も検査する(606)。この検査で、当該Eメールの件名が所定のテストにパスするかどうかの判定を行う(608)。一実施形態における所定のテストは、当該メッセージに件名が記載されているかどうか、ということに基づくものである。当該メッセージに件名が記載されていなければ、このテストにはパスしない(608でノー)。そして当該メッセージはモデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられる(510)。当該メッセージに件名が記載されていれば、テストはパスとなり(608でイエス)、分析処理506は継続する。別の実施形態における所定のテストは、当該メッセージの件名に或る指定された用語(指定用語)があるかどうか、ということに基づくものである。このような実施形態においては、当該メッセージの件名の用語を、指定用語のリストに照らし合わせる。当該Eメールメッセージの件名にリストの用語があれば、このテストにはパスしない(608でノー)。そして当該メッセージはモデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられる(510)。例えば、当該Eメールメッセージの件名に、スペルの間違った言葉があったり、神を冒涜するような言葉や攻撃的な言葉があったり、当該メッセージが極秘情報であることを示唆するような言葉があるような場合、メーリングリストのメッセージマネージャは、対象受信者へのメッセージの配送を拒否することができる。従って、当該メッセージはテストにはパスしないで(608でノー)、モデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられる(510)。当該メッセージにリストに記載された用語がなければ、テストはパスとなり(608でイエス)、分析処理506は継続する。
メッセージモデレーションエンジン129のメッセージ分析モジュール402はまた、Eメールメッセージの本文の内容及び、添付物があれば、その内容も検査する(610)。この検査で、Eメールメッセージの本文の内容が所定のテストをパスするかどうかの判定を行う(612)。一実施形態における所定のテストは、当該メッセージの本文に何らかの内容があるかどうかが基になる。当該メッセージの本文に何の内容もなければ、送信者が当該Eメールメッセージの送信を望んでいたとはいえない。当該メッセージの本文に何の内容もない場合、テストにはパスしないで(612でノー)、当該メッセージはモデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられる(510)。当該メッセージの本文に内容があれば、テストはパスとなり(612でイエス)、分析処理506は継続する。別の実施形態における所定のテストは、当該Eメールメッセージの本文に、ある特定の指定用語があるかどうかが基になる。このような実施形態においては、当該メッセージ本文の用語を指定用語のリストに照らし合わせる。当該メッセージの本文にリストの用語があれば、テストにはパスしないで(612でノー)、当該メッセージはモデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられる(510)。例えば、当該Eメールメッセージの本文に、スペルの間違った用語や、神を冒涜するような言葉や攻撃的な言葉や、当該メッセージが極秘情報であることを示唆するような言葉があるような場合、メーリングリストのメッセージマネージャは、対象受信者へのメッセージの配送を拒否することができる。従って、当該メッセージはテストにはパスしないで(612でノー)、モデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられる(510)。当該メッセージにリストの用語がなければ、テストはパスとなり(612でイエス)、分析処理506は継続する。更に別の実施形態における所定のテストは、当該メッセージ全体(例えば添付物込みで、5メガバイト)のサイズが基になる。また別の実施形態においては、当該Eメールメッセージの本文の単語数についてのテストが行われる。このような実施形態における分析で、当該メッセージのサイズが所定の閾値を超えているかどうかの判定が行われる。閾値を超えていると、当該メッセージはテストにパスしないで(612でノー)、モデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられる(510)。当該メッセージが閾値を超えていなければ、テストはパスとなり(612でイエス)、分析処理506は継続する。また別の実施形態における分析で、当該Eメールメッセージの本文において、言葉や特定のパターンの繰り返しが多いかどうかが判定される。このような特徴は、当該メッセージがスパムであるか、実体のない内容であることを示唆すると考えられる。当該Eメールメッセージの本文において、言葉やパターンの繰り返し回数が所定の閾値を超えている場合、当該メッセージはテストにパスしないで(612でノー)、モデレーション対象メッセージモジュール404に転送されて、モデレーションキューに入れられる(510)。当該Eメールメッセージの本文において、閾値を超える言葉の繰り返しがなければ、テストはパスとなり(612でイエス)、分析処理506は継続する。
一実施形態において、Eメールメッセージに上記のテストの1つを行って、当該メッセージをモデレーションキューに入れるか(510)、自動的に拒絶するか、或いは対象受信者に配送する為にEメール配送エンジン125に転送するかを判定する。他の実施形態において、上記のテストの幾つかを組み合わせて行い、更に別の実施形態においては、上記のテストを全て行って、当該メッセージをモデレーションキューに入れるか(510)、自動的に拒絶するか、或いは対象受信者に配送する為にEメール配送エンジン125に転送するかを判定する。幾つかの実施形態において、Eメールメッセージがモデレーションキューに入れられるか、自動的に拒絶された場合、モデレーション対象メッセージモジュール404は通知書を作成し、Eメール配送エンジン125を介して、その通知書を当該メッセージ送信者に送信する。いかなる場合においても、これらのテストは、特定のメッセージをモデレーションキューに入れる一方で、他のメッセージはそのまま転送させる為のかなり簡単な方法を提供している。これにより、全てのメッセージをモデレーションにかける場合の負担を考えると、リストのモデレーション担当者にかかる負担が軽減される。
図5に戻り、分析506の結果テストにパスした場合、当該メッセージは、対象受信者に配送する為にEメール配送エンジン125に転送される(508)。当該メッセージが、上記の1以上のテストにパスしていなければ、当該メッセージはメッセージモデレーションモジュール404に転送されてモデレーションキューに入れられる(510)。
メッセージがモデレーションキューに入れられたら、それらのモデレーション対象メッセージはクライアントB100で検査される。当該メッセージが認証されると(514)、当該メッセージは転送され(516)、Eメール配送エンジン125により配送される。一実施形態において、当該メッセージが拒絶された(514)場合、当該メッセージは自動的に削除される(図示せず)。別の実施形態において、当該メッセージが拒絶された(514)場合、当該メッセージは保存されるが、配送の為のEメール配送エンジン125に転送されることはない。
図7は、一実施形態によるメーリングリストマネジメント・ユーザインタフェース700のスクリーンショットの一例を示す。メーリングリストマネージャは、ユーザインタフェース700により、メーリングリストのアクセスコントロールを変更することができる。一実施形態においてメーリングリストにアクセスする際、ある特定のドメイン名を有するEメールアドレスにアクセスする。別の実施形態においてメーリングリストにアクセスする際、特定のサブグループに属していると認定されているEメールアドレスにアクセスする。図7に示すように、オプション702を選択して、ディスカッションを視聴する為のアクセスを、”company.com”の付いているEメールアドレスを有するユーザに限定する。また図7に示すように、オプション704を選択して、メーリングリスト会員を閲覧する為のアクセスを、”company.com”の付いているEメールアドレスを有するユーザに限定する。
別の実施形態において、会員はある特定のカテゴリに属していると認定される。幾つかの実施形態において、このカテゴリは、1つの企業内における雇用形態を基にする。別の実施形態において、このカテゴリは、1つの企業内における個人の肩書や職務を基にする。更に別の実施形態において、このカテゴリは、ある特定のグループの会員を他の会員と区別するのに使えるような何か他の特性を基にする。このような実施形態において、図7に示すようにオプション706を選択して、アクセスを”エンジニア”と認定されたユーザに限定したり、或いはオプション708を選択して、アクセスを”正社員”と認定されたユーザに限定したりする。
ある組織環境(例えば企業)内のメールリストユーザは、一般社会におけるメールリストユーザとは多くの点で異なる。企業は一般に、人々が私生活で作り出すグループよりも遥かに多い機能毎のグループ分けを行う。従って、企業のメールユーザ達は、一般人のメーリングリストユーザ達よりも多くのグループに所属する。その上大抵の組織団体においては、このようなグループ分けについて予想されるプライバシーは、他の環境におけるグループのプライバシーとは違ってくる。つまりエンジニアは、彼らの仲間が属するグループを覗きみることができると予想される。図8を参照し、組織環境のこれらの特性を使ってメーリングリストの有効性を高める一実施形態について説明する。具体的にいうと、ユーザインタフェース800は、被雇用者用ユーザプロフィール802を含む。ある雇用事情においては例えば、ある被雇用者の同僚が、その被雇用者が加入している様々のメーリングリスト804をその被雇用者のプロフィールインタフェース800で見ることができるようにするのは妥当である場合がある。図8から明らかなように、一部の企業環境においては、被雇用者達が、数百とまではいかなくても数十の高度に特化したグループに加入する可能性がある。他の被雇用者達が加入しているグループへの同僚達のアクセスを許すことにより、同僚達は、更に加入を希望するグループを迅速に決めることができる。
多数のグループが存在する環境においては、個人よりはむしろグループに注目することによりメーリングリスト管理の効率を上げることは、非常に有利である。
公共の環境に比して、企業環境の際立つもう一つの側面は、共通の企業ドメインが非常に簡単でありながら有効なアクセス制限を提供するということである。つまり、ユーザのリストへのアクセスが許可されるかどうかの第1のフィルタは、ユーザがその企業ドメインに属するアドレス(例えば、employee@company.com)を持っていることに他ならない。図7に関して上述したように、このような共通のドメインも職務(例えばエンジニア等)も、リストへ加入できる人を直接管理するのに便利である。
本明細書で説明するシステムと方法の実施形態は、ここに記載するモジュール以外の、及び/又は、異なるモジュールを含むことができる。更に、そのモジュールに属する機能は、他の実施形態において別の又は異なるモジュールにより実施してもよい。加えて、本明細書では、説明を分かりやすくする便宜上”モジュール”という用語を省略することもある。幾つかの実施形態において、モジュールは、各種タスクを実行し各種機能を有効にするプロセッサ、サブシステム、プロセッサ・サブシステムを含む。従って、モジュールが実行する動作は、これらのプロセッサ、サブシステム、プロセッサ・サブシステムにより有効にされ、実行される。
以上の説明の一部は、本実施形態の情報の操作のアルゴリズムや記号表示に関する説明である。これらのアルゴリズム的記述や表示は、データ処理技術における当業者達が共通して、彼らの仕事の内容を他の当業者達に効率的に伝える為に使用するものである。これらの操作は、機能的、計算的、或いは論理的記述から理解されて、コンピュータプログラムや同等の電子回路やマイクロコード等により実施される。更に、このような操作の構成を一般概念の欠如なしにモジュールと称することが便利な場合もある。上述の操作及びそれに関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア或いはそれらの任意の組み合わせに実装することができる。
本明細書に使用された「一実施形態」や「ある実施形態」という表現は、当該実施形態に関連して記載される特定の要素、特徴、構造、特性は、少なくとも1つの実施形態に含まれるという意味である。本明細書のいろいろな場所に「一実施形態において」というフレーズが使用されているが、それは必ずしも同じ実施形態を意味するとは限らない。
幾つかの実施形態の説明では、「連結する」という用語と「接続する」という用語が派生語と一緒に使われている。当然のことながら、これらの用語は、同義語として使用されてはいない。例えば幾つかの実施形態の説明では「接続する」という用語を使って、2つ以上の要素同士が物理的又は電気的に直接接触していることを表している。別の例として、幾つかの実施形態の説明では「連結する」という用語を使って、2つ以上の要素同士が物理的又は電気的に直接接触していることを表している。だが「連結する」という用語は、2つ以上の要素同士は直接接触してはいないけれど、互いに協働したり相互作用したりすることを意味する場合もある。本実施形態は、この関係にとらわれない。
ここで使用された「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」という用語乃至それらの他の表現は被排他的包括として規定する。例えば、要素のリストを備える処理、方法、物品、装置は、必ずしもそれらの要素だけを含むのではなく、リストに明示されなかった又は固有の処理、方法、物品、装置等の他の要素を含み得る。更に、それとは別段の明示的な記述がないかぎり、「又は」という用語は、包括的な「又は」であり、排他的な「又は」ではない。例えば条件A又はBは、以下のいずれによっても満たされる:Aが真(又は存在する)でありBは偽(存在しない)である;Aが偽(存在しない)でありBは真(又は存在する)である;AもBも真(又は存在する)である。
更に、「ある」という用語を使って、本明細書の実施形態の要素及びコンポーネントを記述している。これは単に便宜的に本発明の一般的な意味を与える為にすぎない。本明細書では、別段の意味であると自明でない限り、1は1以上と解釈すべきであり、単数形は複数形も含むと解釈すべきである。
本開示を読むと、本明細書に開示された原理から、当業者は、メーリングリストのメッセージモデレーションのシステムと処理の更に別の構成と機能設計が可能であると理解するだろう。特定の実施形態と用途を例示し、説明したが、開示された実施形態はここに開示された構成とコンポーネントに厳密に限定されるものではないと理解されよう。添付されたクレームに規定される精神と範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された方法と装置の構成、動作及び詳細に対し、当業者にとって明らかな種々の修正、変更等を加えることが可能である。