発明の要約
本発明は、ここに記載する化合物、それらの使用方法およびそれらの使用に関する。本発明の化合物の例は、式I−IIIの化合物および実施例の化合物を含む。
本発明は、それ故に、式I:
〔式中:
R
1はC
1−7アルキル、C
6−10アリール−C
1−7アルキル、ヒドロキシ−C
1−7アルキル、C
3−8シクロアルキルまたは−CH
2C(O)NR
8R
9であり;
R
2およびR
4は各々独立して水素またはハロゲンであり;
R
3は水素またはC
1−7アルコキシであり;
R
5は水素、ハロゲン、C
1−7アルコキシ、C
1−7アルキル、C
3−8シクロアルキル、シアノ、−CH
2NR
8R
9、−CH
2NR
8(SO
2)−C
1−7アルキル、−CH
2NR
8(SO
2)−C
3−8シクロアルキル、−NR
8(SO
2)−C
1−7アルキル、−NR
8(SO
2)−C
3−8シクロアルキルまたは−NHC(O)NR
8R
9であり;ここで、各アルキルおよびシクロアルキルは、場合によりC
1−7アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、−NH(C
1−7アルキル)および−N(C
1−7アルキル)
2からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
R
6は水素、C
1−7アルキル、C
3−8シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(O)−C
1−7アルキル、−C(O)NR
8R
9、−C
1−7アルキル−NR
8C(O)−C
1−7アルキル、−CH
2NR
8(SO
2)−C
1−7アルキル、−C
1−7アルキル−NR
8−S(O)
n−C
1−7アルキル、−CH
2NR
8−S(O)
n−C
3−8シクロアルキルまたは−CH
2NR
8(SO
2)−C
1−7アルキルであり;ここで、各アルキルおよびシクロアルキルは、場合によりC
6−10アリール、C
1−7アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシおよび−NH
2、−NH(C
1−7アルキル)および−N(C
1−7アルキル)
2からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
R
8およびR
9は各々独立して水素、C
1−7アルキルまたはC
6−10アリール−C
1−7アルキルであり;
nは1または2であり;
ここで、各ヘテロアリールは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される5〜10環原子を含む単環または二環芳香族基であり、
各ヘテロシクリルは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される4〜10環原子を含む単環または2環の飽和または一部飽和であるが、非芳香族である基であり;各ヘテロ原子はO、NまたはSである。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
他の態様において、本発明は、少なくとも一部、対象におけるアルドステロンシンターゼおよび/または11−ベータヒドロキシラーゼ(CYP11B1)が仲介する障害または疾患を処置する方法であって、対象における該アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する障害または疾患が処置されるように、対象に治療有効量の式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することによる、方法に関する。
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一部、低カリウム血症、高血圧、コン疾患、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、高血圧および内皮機能障害後の線維症およびリモデリング、心血管疾患、腎臓機能障害、肝臓疾患、脳血管疾患、血管疾患、網膜症、ニューロパシー、異常インスリン症、浮腫、内皮機能障害、圧受容器機能障害、片頭痛性頭痛、心不全、例えば鬱血性心不全、不整脈、拡張期機能障害、左心室拡張期機能障害、拡張期心不全、拡張期充満障害、収縮期機能障害、虚血、肥大型心筋症、心臓性突然死、心筋および血管線維症、動脈伸展性障害、心筋壊死性病変、血管損傷、心筋梗塞、左心室肥大、駆出率低下、心臓病変、血管壁肥大、内皮肥厚または冠動脈の類線維素壊死、クッシング症候群、CYP11B1レベル過剰、異所性ACTH症候群、副腎皮質質量変化、原発性色素結節性副腎皮質疾患(PPNAD)カーニー複合体(CNC)、神経性食欲不振症、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン禁断症候群、外傷後ストレス症候群、卒中後認知障害、コルチゾール誘発ミネラルコルチコイド過剰について対象を処置する方法であって、対象が処置されるように、対象に治療有効量の式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法に関する。
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一部、有効量の式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物に関し、ここで、該有効量はアルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する障害または疾患の処置のための有効量である。
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一部、1種以上の治療有効成分の組合せ剤を含む、組合せに関する。
他の態様において、本発明は、少なくとも一部、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が阻害されるように治療有効量の式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することによる、対象のアルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1を阻害する方法に関する。
本発明により提供される、アルドステロンの有害効果を軽減するための別の方法は、アルドステロンシンターゼ阻害剤によるアルドステロン産生の抑制である。アルドステロンシンターゼは、デオキシコルチコステロンからの、コルチコステロンから18−OH−コルチコステロンが形成される変換と、続くアルドステロンへの変換を介する、アルドステロン生合成の最終段階に係わる酵素である。
従って、本発明は、少なくとも一部、化合物、該化合物を含む医薬組成物およびその使用方法に関する。本発明はまた、例えば、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1のモジュレーターおよび/または阻害剤として使用し得る新規化合物にも関する。
本発明の化合物は、例えば種々の疾患または障害、低カリウム血症、高血圧、コン疾患、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、高血圧および内皮機能障害後の線維症およびリモデリング、心血管疾患、腎臓機能障害、肝臓疾患、脳血管疾患、血管疾患、網膜症、ニューロパシー、異常インスリン症、浮腫、内皮機能障害、圧受容器機能障害、片頭痛性頭痛、心不全、例えば鬱血性心不全、不整脈、拡張期機能障害、左心室拡張期機能障害、拡張期心不全、拡張期充満障害、収縮期機能障害、虚血、肥大型心筋症、心臓性突然死、心筋および血管線維症、動脈伸展性障害、心筋壊死性病変、血管損傷、心筋梗塞、左心室肥大、駆出率低下、心臓病変、血管壁肥大、内皮肥厚、冠動脈の類線維素壊死、クッシング症候群、CYP11B1レベル過剰、異所性ACTH症候群、副腎皮質質量変化、原発性色素結節性副腎皮質疾患(PPNAD)カーニー複合体(CNC)、神経性食欲不振症、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン禁断症候群、外傷後ストレス症候群、卒中後認知障害およびコルチゾール誘発ミネラルコルチコイド過剰の処置に使用し得る。
発明の詳細な記載
本発明の化合物
以下の式Iに関する引用は、式IIおよびIIIの化合物に等しく適用される。
以下の本発明の態様に関する引用は、該態様が存在する限り、式Iの化合物および式IIおよびIIIの化合物に等しく適用される。
本発明の種々の態様を記載する。各態様において特定される性質を他の特定される性質と組み合わせて、さらなる態様を提供し得ることは当然である。
一つの態様において、本発明は、式I
〔式中、
R
1はC
1−7アルキル、C
6−10アリール−C
1−7アルキル、ヒドロキシ−C
1−7アルキル、C
3−8シクロアルキルまたは−CH
2C(O)NR
8R
9であり;
R
2およびR
4は独立して水素またはハロゲンであり;
R
3は水素またはC
1−7アルコキシであり;
R
5は水素、ハロゲン、C
1−7アルコキシ、C
1−7アルキル、C
3−8シクロアルキル、シアノ、−CH
2NR
8R
9、−CH
2NR
8(SO
2)−C
1−7アルキル、−CH
2NR
8(SO
2)−C
3−8シクロアルキル、−NR
8(SO
2)−C
1−7アルキル、−NR
8(SO
2)−C
3−8シクロアルキルまたは−NHC(O)NR
8R
9であり;ここで、各アルキルおよびシクロアルキルは、場合によりC
1−7アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH
2、−NH(C
1−7アルキル)および−N(C
1−7アルキル)
2からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
R
6は水素、C
1−7アルキル、C
3−8シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(O)−C
1−7アルキル、−C(O)NR
8R
9、−C
1−7アルキル−NR
8C(O)−C
1−7アルキル、−CH
2NR
8(SO
2)−C
1−7アルキル、−C
1−7アルキル−NR
8−S(O)
n−C
1−7アルキル、−CH
2NR
8−S(O)
n−C
3−8シクロアルキルまたは−CH
2NR
8(SO
2)−C
1−7アルキルであり;ここで、各アルキルおよびシクロアルキルは、場合によりC
6−10アリール、C
1−7アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシおよび−NH
2、−NH(C
1−7アルキル)および−N(C
1−7アルキル)
2からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
R
8およびR
9は独立して水素、C
1−7アルキルまたはC
6−10アリール−C
1−7アルキルであり;
nは1または2であり;
ここで、各ヘテロアリールは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される5〜10環原子を含む単環または二環芳香族基であり、
各ヘテロシクリルは、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子から選択される4〜10環原子を含む単環または2環の飽和または一部飽和であるが、非芳香族である基であり;各ヘテロ原子はO、NまたはSである。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
ある式Iの化合物は、式II:
〔式中、R
4およびR
5は、上の式Iの定義を有する。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
この態様の一つの特定の面において、R4はHまたはハロ(例えばクロロ、フルオロ、ブロモ)である。
この態様のさらに別の面において、R5は、水素、ハロゲン、C1−7アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり、そのアルキルおよびシクロアルキルは場合によりヒドロキシ、ハロゲンまたはアミノ(例えば、−NH2、−NH−C1−7アルキルまたは−N(C1−7アルキル)2)で置換されていてよい、式IIの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
ある式Iの化合物は、式III:
〔式中、R
4およびR
6は、上の式Iの定義を有する。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
この態様の一つの面において、R4はHまたはハロ(例えばクロロ、フルオロ、ブロモ)である。
この態様のさらに別の面において、R6が水素、ハロゲン、C1−7アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり、そのアルキルおよびシクロアルキルは場合によりヒドロキシ、ハロゲン、C1−7アルコキシ、C6−10アリールまたはアミノ(例えば、−NH2、−NH−C1−7アルキルまたは−N(C1−7アルキル)2)で置換されていてよい、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
この態様の他の面において、R6がハロゲンまたはヒドロキシで置換されているC1−7アルキルである。
この態様のさらに別の面において、R4がHであり、R6がヒドロキシ−C1−7アルキルである、式IIIの化合物である。
他の態様において、本発明は、R
1がC
1−7アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)または:
である、式Iの化合物である。
一つの態様において、本発明は、R2が水素である、ここに記載する式Iの化合物または他の群および下位群に関する。他の態様において、R2はハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)である。
一つの態様において、R2およびR4の一方が水素であり、他方が水素またはハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)である。
他の態様において、R3が水素である。さらに別の態様において、R3がC1−7アルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)である。
さらに別の態様において、本発明は、R4がHまたはハロゲンである、ここに記載する式I、IIおよびIIIの化合物または他の群および下位群またはその薬学的に許容される塩に関する。この態様の一つの面において、R4がHである。この態様のさらなる面において、R4がHであり、R6がヒドロキシで置換されたC1−7アルキルである。
他の態様において、本発明は、R5が水素、シアノ、ハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)またはC1−7アルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)であるここに記載する式IまたはIIの化合物または他の群および下位群または薬学的に許容される塩に関する。この態様の一つの面において、R5が水素、ハロゲン、C1−7アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり、このアルキルおよびシクロアルキルは場合によりC1−7アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、−NH2、−NH(C1−7アルキル)および−N(C1−7アルキル)2から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてよい。
他の態様において、R
5がC
1−7アルキルまたはC
3−8シクロアルキルであり、その各々は、独立してヒドロキシ、アミノ(例えば、−NH
2、−NH−C
1−7アルキルまたは−N(C
1−7アルキル)
2)および/またはハロゲンで置換されている。この態様の代表例は、R
5が:
である、ここに記載した式IおよびIIまたは他の式、群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
さらに別の態様において、本発明は、R
5が−CH
2NR
8R
9である、ここに記載する式IおよびIIまたは他の群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。この態様の代表例は、R
5が:
である、ここに記載する式Iまたは他の式、群および下位群の化合物に関する。
さらに別の態様において、R
5が−CH
2NR
8(SO
2)−C
1−7アルキルまたは−CH
2NR
8(SO
2)−C
3−8シクロアルキルであり、ここで、アルキルは、場合により式Iで定義した通りに置換されていてよい。この態様の代表例は、R
5が:
である、ここに記載する式Iまたは他の式、群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
さらに別の態様において、R
5が−NHC(O)NR
8R
9、例えば:
である。
さらに別の態様において、R
5が−NR
8(SO
2)−C
1−7アルキルまたはNR
8(SO
2)−C
3−8シクロアルキルであり、ここで、アルキルは、場合により式Iで定義した通りに置換されていてよい。この態様の代表例は、R
5が:
である、ここに記載する式Iまたは他の式、群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
一つの態様において、R6が水素、C1−7アルキル(例えば、メチル、エチル)、ヒドロキシで置換されたC1−7アルキルである(例えばヒドロキシアルキル)、C6−10アリールで置換されたC1−7アルキル(例えばアリールアルキル)、ハロゲンで置換されたC1−6アルキル(例えばハロアルキル)またはC1−7アルコキシで置換されたC1−7アルキル(例えばアルコキシアルキル)である。この態様の特定の一つの面において、R6がHまたはヒドロキシ−C1−7アルキルである。
他の態様において、R
6がC
1−7アルキルまたはC
3−8シクロアルキルであり、その各々は、独立してヒドロキシ、ハロゲンまたはC
6−10アリールで置換されている。この態様の代表例は、R
6が以下のタイプ:
のヒドロキシ−C
1−7アルキルまたはC
6−10アリール−C
1−7アルキルである、ここに記載する式Iまたは他の式、群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
他の態様において、R
6がアミノ(例えば、−NH
2、−NH−C
1−7アルキルまたは−N(C
1−7アルキル)
2)および/またはハロゲンで置換されたC
1−6−7アルキルである。この態様の代表例は、R
6が:
である、ここに記載する式Iまたは他の式、群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
他の態様において、R
6がヘテロシクリル、例えば:
である。
他の態様において、R
6がC
1−7アルコキシで置換されたC
1−7アルキル(アルコキシアルキル)である。この態様の代表例は、R
6が:
である、ここに記載する式Iまたは他の式、群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
さらに別の態様において、R
6が−CH
2−NR
8(SO
2)−C
1−7アルキルであり、ここで、アルキルは、場合により式Iで定義した通りに置換されていてよい。この態様の代表例は、R
6が:
である、ここに記載する式Iまたは他の式、群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
さらに別の態様において、R
6が−C(O)C
1−7アルキルまたは−C(O)NR
8R
9である。この態様の代表例は、R
6が:
である、ここに記載する式Iまたは他の式、群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
さらに別の態様において、R
6が−C
1−7アルキル−NR
8C(O)−C
1−7アルキルまたは−C
1−7アルキル−NR
8S(O)
n−C
1−7アルキルであり、ここで、アルキルは、場合により式Iで定義した通りに置換されていてよい。例えば、R
6が−CH(ハロ−C
1−7アルキル)NR
8C(O)−C
1−7アルキルまたは−CH(ハロ−C
1−7アルキル)NR
8S(O)
nC
1−7アルキルである。この態様の代表例は、R
6が:
である、ここに記載する式Iまたは他の式、群および下位群の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
さらに別の態様において、R8およびR9の例は、C1−7アルキル(例えばメチル、エチル、イソプロピル)または水素を含む。
他の態様において、R1−R9およびn可変基は、以下の実施例部分の実施例1〜40におけるR1−R9のそれぞれにより規定される。
他の態様において、本発明の個々の化合物は、以下の実施例の章の実施例1〜40に記載されているものまたはその薬学的に許容される塩である。
定義
本明細書を解釈する目的で、以下の定義を、特にことわらない限り、そして、適当である限り、適用すべきであり、単数で使用している用語は複数も含み、その逆もそうである。
ここで使用する用語“アルキル”は、1〜20個の炭素原子を含む、完全に飽和した分枝または非分枝(もしくは直鎖または直鎖状)炭化水素基を意味する。好ましくはアルキルは1〜7個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含む。アルキルの代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチルを含む。用語“C1−7アルキル”は、1〜7個の炭素原子を有する炭化水素を意味する。さらに、用語アルケニルは、“置換されていないアルキル”および“置換されたアルキル”の両方を含む。
ここで使用する用語“ハロアルキル”は、1個以上のここで定義するハロ基で置換された、ここで定義するアルキルを意味する。好ましくはハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキルまたはペルハロアルキルを含むポリハロアルキルであり得る。モノハロアルキルは、アルキル基中に1個のヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロを有し得る。ジハロアルキル(alky)基およびポリハロアルキル基は、アルキル基中に2個以上の同じハロ原子または異なるハロ基の組合せを有し得る。好ましくは、ポリハロアルキルは、最大12個または10個または8個または6個または4個または3個または2個のハロ基を含む。ハロアルキルの代表例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルである。ペルハロアルキルは、全水素原子がハロ原子で置換されているアルキルを意味する。用語“ハロ−C1−7アルキル”は、1〜7個の炭素原子を有する炭化水素であって、1個以上のハロ基で置換されているものを意味する。
ここで使用する用語“アルコキシ”は、アルキル−O−(ここで、アルキルは上で定義した通りである)を意味する。アルコキシの代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ−、シクロヘキシルオキシ−などを含み、これらに限定されない。好ましくは、アルコキシ基は約1〜7個、より好ましくは約1〜4個の炭素を有する。用語アルコキシは置換アルコキシを含む。置換アルコキシ基の例は、ハロゲン化アルコキシ基を含む。ハロゲン置換アルコキシ基の例は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシおよびトリクロロメトキシである。用語“C1−7アルコキシ”は、C1−7アルキル−O−(ここで、C1−7アルキルは上で定義した通りである)を意味する。さらに、用語アルコキシは、“置換されていないアルコキシ”および“置換されたアルコキシ”の両方を含む。
用語アルコキシアルキルは、アルキル基がアルコキシで置換されている、上に定義したアルキル基を意味する。本用語はまた置換アルコキシアルキル基を含む。
用語“アルケニル”は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する分枝鎖または直鎖炭化水素を意味する。用語“C2−7アルケニル”は、2〜7個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む炭化水素を意味する。アルケニルの代表例は、ビニル、プロプ−1−エニル、アリル、ブテニル、イソプロペニルまたはイソブテニルである。さらに、用語アルケニルは、“置換されていないアルケニル”および“置換されたアルケニル”の両方を含む。
用語“アルケニル(alkeny)オキシ”は、アルケニル−O−(ここで、アルケニルは上の定義を有する)を意味する
用語“アルキニル”は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する、分枝鎖または直鎖炭化水素を意味する。用語“C2−7−アルキニル”は、2〜7個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む炭化水素を意味する。アルキニルの代表例は、エチニル、プロプ−1−イニル(プロパルギル)、ブチニル、イソプロピニルまたはイソブチニルである。さらに、用語アルキニルは、“置換されていないアルキニル”および“置換されたアルキニル”の両方を含む。
ここで使用する用語“シクロアルキル”は、3−12個の炭素原子、好ましくは3−8個のまたは3−7個の炭素原子の、飽和されたまたは部分的に不飽和の、しかし非芳香族である、単環、二環または三環炭化水素基を意味する。二環および三環シクロアルキル系について、全環が非芳香族である。例示的単環炭化水素基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルを含む。例示的二環炭化水素基は、ボロニル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ビシクロ[2.2.2]オクチルを含む。例示的三環炭化水素基はアダマンチルを含む。用語“C3−8シクロアルキル(akyl)”は、3〜8個の炭素原子を有する環状炭化水素基を意味する。
用語“シクロアルキルアルキル”は、シクロアルキルで置換されたアルキルを意味する。
用語“シクロアルキルアルキル”は、上で定義したシクロアルキル(akyl)で置換された、上で定義したアルキルを意味する。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基およびシクロアルキル基は、場合により1個以上の置換基で置換されていてよい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基およびシクロアルキル基の置換基の代表例は、オキソ、=S、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル(akynyl)、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロゲン、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノ(aminoa)カルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、アミノスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルファート類、アルキルスルフィニル、スルファモイル、スルホンアミド、ヘテロシクリルまたは芳香族基もしくはヘテロ芳香族基であり、ここで、上記の炭化水素(hyrdorcarbon)基の各々1個以上のハロゲン、ヒドロキシまたはC1−7アルコキシ基で置換されていてよい。
用語“アリール”は、環部分に6−20炭素原子を有する単環または二環芳香族炭化水素基を意味する。好ましくは、アリールは(C6−10アリール)である。用語アリールはまた、芳香環が1個以上のシクロアルキル環と縮合しており、結合点が芳香環上またはシクロアルキル環上である、基も意味する。アリールの代表例は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリルまたはテトラヒドロナフチルである。用語“C6−10アリール”は、環部分に6〜10炭素原子を有する芳香族炭化水素基を意味する。さらに、用語アリールは、“置換されていないアリール”および“置換されたアリール”の両方を含む。
用語“アリールアルキル”は、アリールで置換されたアルキルである。アリールアルキルの代表例は、ベンジルまたはフェニル−CH2CH2−である。本用語はまた置換されたアリールアルキル基も含む。
用語“ヘテロアリール”は、炭素原子および1〜5個のヘテロ原子を含む5−10環員を含む単環または二環ヘテロアリールを含み、各ヘテロ原子はO、NまたはSから選択される。二環ヘテロアリール系について、本系は完全に芳香族性(すなわち、全環が芳香族)である。
典型的単環ヘテロアリール基は、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1、2、3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソキサゾール−3−イル、イソキサゾール−4−イル、イソキサゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,2、3−トリアゾール−4−イル、1,2、3−トリアゾール−5−イル、テトラゾリル、ピリド−2−イル、ピリド−3−イルまたはピリジル−4−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピラジン−3−イル、2−ピラジン−2−イル、ピラジン−4−イル、ピラジン−5−イル、2−、4−または5−ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イルを含む。用語“ヘテロアリール”はまた、ヘテロ芳香環が1個以上のアリール、シクロ脂肪族またはヘテロシクリル環と縮合している基も意味し、ここで、結合基または結合点は、ヘテロ芳香環上または縮合アリール、シクロ脂肪族またはヘテロシクリル環上にある。二環ヘテロアリールの代表例は、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドーリジニル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、キナキサリニル、フェナントリジニル、フェナトロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ベンズイソキノリニル、チエノ[2,3−b]フラニル、フロ[3,2−b]−ピラニル、5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル、1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル、4H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル、ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニル、7−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサピニル、ベンゾオキサジニル、1H−ピロロ[1,2−b][2]ベンズアザピニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ピロロ[2,3−b]ピリジニル、ピロロ[3,2−c]ピリジニル、ピロロ[3,2−c]ピリジニル、ピロロ[3,2−b]ピリジニル、イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、イミダゾ[4,5−c]ピリジニル、ピラゾロ[4,3−d]ピリジニル、ピラゾロ[4,3−c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4−c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4−d]ピリジニル、ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−c]ピリミジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[4,3−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−b]ピラジニル、ピリド[3,4−b]ピラジニル、ピリミド[5,4−d]ピリミジニル、ピラジノ[2,3−b]ピラジニルまたはピリミド[4,5−d]ピリミジニルである。
用語“ヘテロアリールアルキル(akyl)”は、ヘテロアリールで置換されているアルキル基を意味する。本用語はまた、置換されたヘテロアリールアルキル基も含む。
“アリール”基または“ヘテロアリール”基の芳香環は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル(akynyl)、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロゲン、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノ(aminoa)カルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、アミノスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルファート類、アルキルスルフィニル、スルファモイル、スルホンアミド、ヘテロシクリルまたは芳香族基もしくはヘテロ芳香族基のような、上に記載した置換基で環の1個所以上を置換されてよく、ここで、上記の炭化水素(hyrdorcarbon)基の各々は、1個以上のハロゲン、ヒドロキシまたはC1−7アルコキシ基で置換されていてよい。
ここで使用する用語“ヘテロシクリル”または“ヘテロシクロ”は、4員、5員、6員または7員単環、7員、8員、9員、10員、11員または12員二環または10員、11員、12員、13員、14員または15員三環環系であり、O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和非芳香環(部分的不飽和)もしくは環系を意味し、ここで、NおよびSはまた場合により種々の酸化状態に酸化されていてもよい。二環および三環ヘテロシクリル環系について、非芳香環系は、完全ではないかまたは部分的不飽和の環系として定義される。それ故に二環および三環ヘテロシクリル環系は、縮合環の1個が芳香族であるが、残りが非芳香族であるヘテロシクリル環系を含む。一つの態様において、ヘテロシクリル基は、5−7環原子を含み、場合によりさらにO、SまたはNから選択されるヘテロ原子を含んでよい飽和単環を意味する。ヘテロ環基はヘテロ原子または炭素原子で結合してよい。ヘテロシクリルは縮合または架橋環ならびにスピロ環状環も含み得る。ヘテロ環の例は、ジヒドロフラニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、ジチアニル、ピペラジニル、ピロリジン、ジヒドロピラニル、オキサチオラニル、ジチオラン、オキサチアニル、チオモルホリノ、オキシラニル、アジリジニル、オキセタニル、オキセパニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリノ、ピペラジニル、アゼピニル、オキサピニル、オキサアゼパニル、オキサチアニル、チエパニル、アゼパニル、ジオキセパニルおよびジアゼパニルを含む。
用語“ヘテロシクリル”は、1個、2個または3個の置換基、例えばアルキル、ヒドロキシ(または保護されたヒドロキシ)、ハロ、オキソ(例えば、=O)、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ、アルコキシ、シクロアルキル、カルボキシル、ヘテロシクロオキシで置換されている上で定義したヘテロ環基を含み、ここで、ヘテロシクロオキシは、酸素架橋、アルキル−O−C(O)−、メルカプト、ニトロ、シアノ、スルファモイルまたはスルホンアミド、アリール、アルキル−C(O)−O−、アリール−C(O)−O−、アリール−S−、アリールオキシ、アルキル−S−、ホルミル(例えば、HC(O)−)、カルバモイル、アリール−アルキル−およびアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル−C(O)−NH−、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロゲンで置換されたアリールを介して結合したヘテロ環基を意味する。
用語“ヘテロシクリルアルキル”は、ヘテロシクリルで置換されたアルキルである。本用語は、置換されたヘテロシクリルアルキル基も含む。
用語“アシル”は、アシル基(CH3CO−)またはカルボニル基を含む化合物および基を含む。それは置換されたアシル基を含む。用語“置換されたアシル”は、1個以上の水素原子が、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン類、ヒドロキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルファート類、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルホニル、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族基もしくはヘテロ芳香族基で置換されているアシル基を含む。
用語“アシルアミノ”は、アシル基がアミノ基に結合している基を含む。例えば、本用語は、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルバモイル基およびウレイド基を含む。
用語“アロイル”は、カルボニル基に結合したアリール基またはヘテロ芳香族基を有する化合物および基を含む。アロイル基の例は、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシを含む。本用語はまた置換されたアロイル基も含む。用語“置換されたアロイル”は、1個以上の水素原子が、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル(akynyl)、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロゲン、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノ(aminoa)カルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、アミノスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルファート類、アルキルスルフィニル、スルファモイル、スルホンアミド、ヘテロシクリルまたは芳香族基もしくはヘテロ芳香族基で置換されているアロイル基を含み、ここで、上記の炭化水素(hyrdorcarbon)基の各々は、1個以上のハロゲン、ヒドロキシまたはC1−7アルコキシ基で置換されていてよい。
用語“アルコキシアルキル”は、アルキル基が上に定義したアルコキシで置換されている、上に記載したアルキル基を含む。本用語は、置換されたアルコキシアルキルを含む。
用語“ヒドロキシアルキル”は、アルキル基がヒドロキシで置換されている、上に記載したアルキル基を意味する。本用語は、置換されたヒドロキシアルキルを含む。
用語“ヒドロキシシクロアルキル”は、シクロアルキルがヒドロキシで置換されている、上に記載したシクロアルキルを意味する。本用語は、置換されたヒドロキシシクロアルキル基を含む。
用語“ヒドロキシシクロアルキルアルキル”は、シクロアルキルアルキル(akyl)がヒドロキシで置換されている、上で定義したシクロアルキルアルキルを意味する。本用語は、置換されたヒドロキシシクロアルキルアルキル基を含む。
用語“カルバモイル”は、H2NC(O)−、アルキル−NHC(O)−、(アルキル)2NC(O)−、アリール−NHC(O)−、アルキル(アリール)−NC(O)−、ヘテロアリール−NHC(O)−、アルキル(ヘテロアリール)−NC(O)−、アリール−アルキル−NHC(O)−、アルキル(アリール−アルキル)−NC(O)−を含む。本用語は、置換されたカルバモイル基を含む。
用語“スルホニル”は、R−SO2−(式中、Rは水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである)を含む。
用語“スルホンアミド”は、アルキル−S(O)2−NH−、アリール−S(O)2−NH−、アリール−アルキル−S(O)2−NH−、ヘテロアリール−S(O)2−NH−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)2−NH−、アルキル−S(O)2−N(アルキル)−、アリール−S(O)2−N(アルキル)−、アリール−アルキル−S(O)2−N(アルキル)−、ヘテロアリール−S(O)2−N(アルキル)−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)2−N(アルキル)−を含む。本用語は、置換されたカルバモイル基を含む。
用語“スルファモイル”は、H2NS(O)2−、アルキル−NHS(O)2−、(アルキル)2NS(O)2−、アリール−NHS(O)2−、アルキル(アリール)−NS(O)2−、(アリール)2NS(O)2−、ヘテロアリール−NHS(O)2−、(アリール−アルキル)−NHS(O)2−、(ヘテロアリール−アルキル)−NHS(O)2−を含む。本用語は、置換されたスルファモイル基を含む。
用語“アリールオキシ”は、−O−アリール(式中、アリールはここで定義した通りである)を含む。本用語は、置換されたアリールオキシ基を含む。
用語“ヘテロアリールオキシ”は、−O−ヘテロアリール基(式中、ヘテロアリールはここで定義した通りである)を含む。本用語は、置換されたヘテロアリールオキシ基を含む。
用語ヘテロシクリルオキシは、−O−ヘテロシクリル(式中、ヘテロシクリルはここに定義した通りである)を含む。本用語は、置換されたヘテロシクリルオキシ基を含む。
用語“アミン”または“アミノ”は、窒素原子が少なくとも1個の炭素またはヘテロ原子と共有結合している化合物を含む。用語“アミン”または“アミノ”はまた−NH2を含み、そしてまた置換された基を含む。本用語は、窒素が少なくとも1個のさらなるアルキル基に結合している基および化合物を含む“アルキルアミノ”を含む本用語は、窒素原子が少なくともさらに2個の独立して選択されたアルキル基に結合している“ジアルキルアミノ”基を含む。本用語は、窒素がそれぞれ少なくとも1個または2個の独立して選択されるアリールに結合している、“アリールアミノ”基および“ジアリールアミノ”基を含む。
用語“アミド(amide)”、“アミド(amido)”または“アミノカルボニル”は、カルボニル基またはチオカルボニル基の炭素に結合した窒素原子を含む、化合物または基を含む。本用語は、カルボニル基に結合したアミノ基に結合したアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキニル基を含む“アルカミノカルボニル”基または“アルキルアミノカルボニル”基を含む。それは、カルボニル基またはチオカルボニル基の炭素に結合したアミノ基に結合したアリール基またはヘテロアリール基を含む、アリールアミノカルボニル基およびアリールカルボニルアミノ基を含む。用語“アルキルアミノカルボニル”、“アルケニルアミノカルボニル”、“アルキニルアミノカルボニル”、“アリールアミノカルボニル”、“アルキルカルボニルアミノ”、“アルケニルカルボニルアミノ”、“アルキニルカルボニルアミノ”および“アリールカルボニルアミノ”は、用語“アミド”に含まれる。用語“アミド”、“アミド”または“アミノカルボニル”もまた置換された基を含む。
用語“カルボニル”は、二重結合で酸素原子に結合した炭素を含む化合物および基を含む。カルボニルはまた本発明の化合物がその意図する機能を発揮することを可能にする任意の基でさらに置換されていてよい。例えば、カルボニル基は、アルキル類、アルケニル類、アルキニル類、アリール類、アルコキシ、アミノ類などで置換されていてよい。カルボニルを含む基の例は、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、アミド類、エステル類、無水物などを含む。
用語“チオカルボニル”または“チオカルボキシ”は、二重結合で硫黄原子に結合した炭素を含む化合物および基を含む。本用語はまた置換された基を含む。
用語“エーテル”は、2個の異なる炭素原子またはヘテロ原子を連結する酸素を含む化合物または基を含む。例えば、本用語は、他のアルキル基に共有結合した酸素原子に共有結合したアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を意味する“アルコキシアルキル”を含む。本用語はまた置換された基を含む。
用語“エステル”は、カルボニル基の炭素に結合した酸素原子に結合した炭素原子またはヘテロ原子を含む化合物および基を含む。用語“エステル”は、アルコキシカルボキシ基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどを含む。アルキル、アルケニルまたはアルキニル基は上に定義した通りである。本用語はまた置換された基を含む。
用語“チオエーテル”は、2個の異なる炭素原子またはヘテロ原子に結合した硫黄原子を含む化合物および基を含む。チオエーテル類の例は、アルコチオアルキル類、アルコチオアルケニル類およびアルコチオアルキニル類を含むが、これらに限定されない。用語“アルコチオアルキル類”は、アルキル基に結合した硫黄原子に結合したアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を有する化合物を含む。同様に、用語“アルコチオアルケニル類”およびアルコチオアルキニル類”は、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基がアルキニル基に共有結合した硫黄原子に結合している化合物または基を意味する。本用語はまた置換された基を含む。
用語“ヒドロキシ”または“ヒドロキシル”は、−OHを有する基を含む。
用語“ハロゲン”フッ素、臭素、塩素、ヨウ素などを含む。用語“過ハロゲン化”は、一般に、全水素がハロゲン原子で置換されている基を意味する。
用語“多環状”または“多環基”は、2個以上の炭素が2個の隣接する環と共通している、2個以上の環(例えば、シクロアルキル類、シクロアルケニル類、シクロアルキニル類、アリール類および/またはヘテロシクリル類)を含み、例えば、該環は“縮合環”である。非隣接原子を介して結合している複数環は、“架橋環”と呼ぶ。多環の各々の環は、上に記載したような置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノ(aminoa)カルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミド、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルファート類、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリールまたは芳香族基もしくはヘテロ芳香族基で置換されていてよい。
用語“ヘテロ原子”は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を含む。好ましいヘテロ原子は窒素、酸素および硫黄である。
本発明の化合物のいくつかの構造は、不斉炭素原子を含むことは注意すべきである。特にことわらない限り、従って、かかる不斉に由来する異性体(例えば、全鏡像体およびジアステレオマー)が本発明の範囲内に包含されると解釈すべきである。かかる異性体は、古典的分離技術によりおよび立体化学制御合成により、実質的に純粋な形態で得ることができる。さらに、本明細書に記載する他の構造、ならびに他の構造および基は、またその全ての互変異性体を含む。
ここで使用する用語“異性体”は、同じ分子式を有するが、原子の配置および立体配置が異なる、異なる化合物を意味する。またここで使用する用語“光学異性体”または“立体異性体”は、ある本発明の化合物について存在し得て、幾何異性体を含む、種々の立体異性配置のいずれかを意味する。置換基は、炭素原子のキラル中心で結合し得ると解釈される。それ故に、本発明は、化合物の鏡像体、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。“鏡像体”は、互いに重ね合わさらない鏡像である立体異性体の対である。鏡像体の1:1混合物は“ラセミ”混合物である。本用語は、適当であるとき、ラセミ混合物を指定するために使用する。“ジアステレオ異性体”は、少なくとも2個の不斉原子を含むが、互いに鏡像ではない、立体異性体である。絶対立体化学は、カーン・インゴルド・プレローグR−Sシステムに従い特定される。化合物が純粋鏡像体であるとき、各キラル炭素での立体化学はRまたはSのいずれかにより特定され得る。絶対立体配置が未知である分解した化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)により(+)または(−)に指定できる。ここに記載するある種の化合物は1個以上の不斉中心を有し、それ故に、鏡像体、ジアステレオマーおよび絶対立体化学の点で、(R)−または(S)−として定義され得る他の立体異性形態を生じ得る。本発明は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間的混合物を含む、全てのかかる可能な異性体を含むことを意図する。光学活性(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して製造できまたは慣用の技術を使用して分解し得る。化合物が二重結合を含むならば、置換基はEまたはZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含むならば、該シクロアルキル置換基はcis−またはtrans−配置を有し得る。全ての互変異性体形態もまた包含することを意図する。
本発明の化合物の不斉原子(例えば、炭素など)は、ラセミまたは鏡像体的に富化された、例えば、(R)−、(S)−または(R,S)−配置で存在し得る。ある態様において、各不斉原子は、(R)−または(S)−配置で少なくとも50%鏡像体過剰、少なくとも60%鏡像体過剰、少なくとも70%鏡像体過剰、少なくとも80%鏡像体過剰、少なくとも90%鏡像体過剰、少なくとも95%鏡像体過剰または少なくとも99%鏡像体過剰を有する。不飽和結合を有する原子の置換基は、可能であれば、cis−(Z)−またはtrans−(E)−形態で存在し得る。
従って、ここで使用する、本発明の化合物は、可能な異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体またはそれらの混合物、例えば、実質的に純粋な幾何(cisまたはtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはそれらの混合物の形態であり得る。
異性体の得られる混合物のいずれも、成分の物理化学的差異に基づき、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により、純粋なまたは実質的に純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分割できる。
最終生成物または中間体の得られるラセミ体のいずれも、既知方法により、例えば、光学活性酸または塩基と得たジアステレオマー塩を分離し、該光学活性酸性または塩基性化合物を遊離させることによる、既知方法によって光学アンチポードに分割できる。特に、塩基性部分は、例えば、光学活性酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸と形成された塩の分別結晶による、光学アンチポードへの分割に、このように用い得る。ラセミ生成物もまた、キラル吸着剤を使用するキラルクロマトグラフィー、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分割できる。
ここで使用する用語“薬学的に許容される塩”は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、かつ、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない、塩を意味する。多くの場合、本発明の化合物は、アミノおよび/またはカルボキシル基またはそれらに類する基の存在により、酸および/または塩基塩を形成できる。薬学的に許容される酸付加塩類は、無機酸類および有機酸類と形成でき、例えば酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、エディシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、ヒドロクロライド/クロライド、ヒドロブロマイド/ブロマイド、ヒドロアイオダイド/アイオダイド、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ塩酸、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ホスフェート/ハイドロジェン・ホスフェート/ジハイドロジェン・ホスフェート、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩である。塩が由来し得る無機酸類は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩が由来し得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基類から形成できる。塩が由来し得る無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含む;特に好ましいのは、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩である。塩が由来し得る有機塩基は、例えば、1級、2級および3級アミン類、天然に存在する置換されたアミン類を含む置換されたアミン類、環状アミン類、塩基性イオン交換樹脂など、特に、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミンを含む。本発明の薬学的に許容される塩は、親化合物から、塩基性または酸性基から、慣用の化学法により合成できる。一般に、かかる塩は、遊離酸形態のこれらの化合物と化学量論量の適当な塩基(例えばNa、Ca、MgまたはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)を反応させることによりまたは遊離塩基形態のこれらの化合物と化学量論量の適当な酸を反応させることにより製造できる。かかる反応は、適当には水または有機溶媒中またはこれら2種の混合物中で行う。一般に、可能であれば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリのような非水性媒体が好ましい。さらなる適当な塩の一覧は、例えば、“Remington's Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985);および“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見ることができる。
ここに記載する式のいずれも、標識されていない形態ならびに同位体標識された形態を含むことを意図する。例えば、ここに示す式のいずれかで“H”により示される任意の水素は、水素の全ての異性形態(例えば1H、2HまたはD、3H)を示すことを意図する;ここに示す式のいずれかで“C”により示される任意の炭素は、炭素の全ての異性形態(例えば11C、13C、14C)を示すことを意図する;ここに示す式のいずれかで“N”により示される任意の窒素は、窒素の全ての異性形態(例えば14N、15N)を示すことを意図する。本発明の包含される同位体の他の例は、酸素、硫黄、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の異性体、例えば18F、31P、32P、35S、36Cl、125Iを含む。本発明は、ここに記載した化合物の種々の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体、例えば3H、13Cおよび14Cが存在するものを含む。一つの態様において、ここに記載する式の原子は、その天然の豊富さで存在する。他の態様において、1個以上の水素原子は2Hで富化されていてよく;および/または1個以上の炭素原子は11C、13Cまたは14Cで富化されていてよく;および/または1個以上の窒素は14Nで富化されていてよい。かかる同位体標識された化合物は、患者の代謝試験(14Cを用いる)、反応動態試験(2Hまたは3Hを用いる)、薬物または基質組織分布アッセイを含む陽電子放出断層撮影(PET)または単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)のような検出または造影技術または放射活性処置に有用である。特に、18Fまたは標識化合物は、特に、PETまたはSPECT試験に望ましい。本発明の同位体標識された化合物およびそのプロドラッグは、一般に、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に置き換えることにより、以下のスキームにおよび実施例に記載の方法および以下に記載する製造方法を行うことにより、製造できる。
さらに、重い同位体、特に重水素(すなわち、2HまたはD)の富化は、大きな代謝安定性に起因するある種の治療利益、例えば、インビボ半減期延長、必要投与量減少または治療指数改善を提供し得る。この状況での重水素は、式I〜IIIのいずれかの化合物の置換基と見なすと解釈すべきである。かかる重い同位体、特に重水素の濃度は、同位体富化係数により定義され得る。用語“同位体富化係数”は、ここで使用するとき、特定の同位体の同位体存在量および天然存在量の比を意味する。本発明の化合物の置換基が重水素と記載されているならば、かかる化合物は、各指定される重水素原子について、少なくとも3500(各指定された重水素原子で52.5%重水素取り込み)、少なくとも4000(60%重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%重水素取り込み)、少なくとも5000(75%重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%重水素取り込み)、少なくとも6000(90%重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%重水素取り込み)、少なくとも6600(99%重水素取り込み)または少なくとも6633.3(99.5%重水素取り込み)の同位体富化係数を有する。
同位体富化された式I〜IIIのいずれかの化合物は、一般に、当業者に既知の慣用法でまたは添付する実施例および製造に記載する方法に準じて、先に用いた非富化試薬の代わりに適当な同位体富化試薬を使用して、製造できる。
本発明の薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化溶媒が同位体置換されている、例えばD2O、d6−アセトン、d6−DMSOであるものを含む。
水素結合のドナーおよび/またはアクセプターとして作用し得る基を含む本発明の化合物、すなわち式Iの化合物は、適当な共結晶形成材と共結晶を形成できる。これらの共結晶は、式Iの化合物から、既知とも結晶形成法により製造し得る。かかる方法は、粉砕、加熱、共昇華、共融解または式Iの化合物と共結晶形成剤を結晶化条件下で溶媒中で接触させ、それにより形成した共結晶を単離することを含む。適当な共結晶形成剤は、WO2004/078163に記載のものを含む。それ故に、本発明は、さらに、式Iの化合物を含む共結晶を提供する。
ここで使用する用語“薬学的に許容される担体”は、任意のかつ全ての溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩類、防腐剤、薬物、薬物安定化剤、結合剤、添加剤、崩壊剤、滑剤、甘味剤、風味剤、色素、そのような物質およびそれらの組合せを、当業者に既知の通り含む(例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329参照)。何らかの慣用の担体が有効成分と不適合性である場合以外、その治療または医薬組成物への使用が意図される。
本発明の化合物の“治療有効量”なる用語は、対象の生物学的または医学的応答、例えば、酵素またはタンパク質の減少または阻害または症状の軽減、状態の軽減、疾患進行の遅延または疾患の予防などを誘発するであろう本発明の化合物の量を意味する。一つの非限定的態様において、用語“治療有効量”は、対象に投与したとき、(1)(i)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介するまたは(ii)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1活性が関与するまたは(iii)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の異常な活性により特徴付けられる状態、障害または疾患を少なくとも一部軽減、阻止または予防および/または改善する;または(2)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の活性を減少または阻害する;または(3)アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の発現を減少または阻害する本発明の化合物の量を意味する。他の非限定的態様において、用語“治療有効量”は、細胞または組織または非細胞性生物学的物質または媒体に適用したとき、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の活性を少なくとも部分的に減少または阻害する;または少なくともアルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の発現を少なくとも部分的に減少または阻害する本発明の化合物の量を意味する。
ここで使用する用語“対象”は動物を意味する。好ましくは、動物は哺乳動物である。対象はまた、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚、鳥類も意味する。好ましい態様において、対象はヒトである。
ここで使用する用語“阻害”または“阻害する”は、ある状態、症状または障害または疾患の低減または抑制または生物学的活性もしくは過程のベースライン活性の顕著な減少を意味する。
ここで使用する用語任意の疾患または障害の“処置”または“処置する”は、一つの態様において、疾患または障害の改善を意味する(すなわち、疾患または少なくともその臨床症状の1個の遅延または阻止または発症の低減)。他の態様において、“処置”または“処置する”は、患者が認識し得ないものを含む少なくとも1個の身体パラメータの低減または改善を意味する。さらに別の態様において、“処置”または“処置する”は、物理的(例えば、認識される症状の安定化)、生理学的(例えば物理的パラメータの安定化)または両方での疾患または障害の調節を意味する。さらに別の態様において、“処置”または“処置する”は、疾患または障害の予防または発症もしくは亢進もしくは進行の遅延を意味する。
単数表現および本発明の文脈(特に特許請求の範囲の文脈)で使用する類似用語は、ここで、特にことわらない限りまたは文脈から明らかに異ならない限り、単数および複数の両方を包含する。
ここに記載する方法は、特にことわらない限りまたは文脈から明らかに異ならない限り、任意の適当な順番で実施できる。ここで使用する任意のおよび全ての例または例示的用語(例えば“のような”)は、単に本発明を説明することを意図し、他に請求しない限り、本発明の範囲の限定を意図しない。
本発明の化合物は、遊離形、その塩またはそのプロドラッグ誘導体として得られる。
塩基性基および酸性基の両方が同じ分子に存在するとき、本発明の化合物は分子内塩、例えば、双性イオン分子も形成し得る。
本発明は、インビボで本発明の化合物に変換する本発明の化合物のプロドラッグも提供する。プロドラッグは、該プロドラッグの対象への投与後に、インビボでの生理学的作用、例えば、加水分解または代謝などにより、本発明の化合物に化学的に修飾される、活性または不活性の化合物である。プロドラッグの製造および使用に関する適性および技術は、当分野で周知である。プロドラッグは、概念的に、2個の非排他的カテゴリー、生物学的前駆体プロドラッグおよび担体プロドラッグに分けることができる。Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32 (Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001)参照。一般に、生物学的前駆体プロドラッグは、1個以上の保護された基を含み、代謝または加溶媒分解により活性形に変換する、不活性であるか、対応する活性医薬化合物と比較して弱い活性を有する、化合物である。活性医薬形態および全ての放出される代謝産物は許容される低い毒性でなければならない。
担体プロドラッグは、例えば、作用部位への取り込みおよび/または局所送達を改善する輸送基を含む医薬化合物である。かかる担体プロドラッグに望まれるのは、医薬部分と輸送部分の間の結合が共有結合であり、該プロドラッグが不活性であるか医薬化合物より低い活性であり、全ての遊離される輸送部分が許容可能な低毒性である。輸送部分が取り込みを促進することが意図されるプロドラッグについて、典型的に輸送部分の放出は急速でなければならない。他の場合、遅延放出を提供する部分、例えばある種のポリマーまたはシクロデキストリン類のような他の分子の利用が望まれる。担体プロドラッグは、例えば、以下の1種以上の特性を改善するために使用し得る:親油性増加、薬理学的有効期間延長、部位特性増加、毒性および有害反応減少および/または医薬の製剤における改善(例えば、安定性、水溶解性、望ましくない感覚受容性または物理化学的特性の抑制)。例えば、親油性は、(a)ヒドロキシル基の親油性カルボン酸(例えば、少なくとも1個の親油性基を有するカルボン酸)を用いたまたは(b)カルボン酸の親油性アルコール類(例えば、少なくとも1個の親油性基を有するアルコール、例えば脂肪族アルコール類)でのエステル化により増加できる。
例示的プロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸類のエステル類およびチオール類のS−アシル誘導体およびアルコール類またはフェノール類のO−アシル誘導体(ここで、アシルはここに定義した意味を有する)である。好ましいのは、当分野で慣用的に使用されている生理学的条件下での加溶媒分解により親カルボン酸に変換可能な薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、低級アルキルエステル類、シクロアルキルエステル類、低級アルケニルエステル類、ベンジルエステル類、モノ−またはジ−置換低級アルキルエステル類、例えばω−(アミノ、モノ−またはジ−低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)−低級アルキルエステル類、α−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)−低級アルキルエステル類、例えばピバロイルオキシメチルエステルなどである。加えて、アミン類はアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体としてマスクされており、それはインビボでエステラーゼ類により開裂され、遊離薬剤およびホルムアルデヒドを遊離する(Bundgaard, J. Med. Chem. 2503 (1989))。さらに、イミダゾール、イミド、インドールなどの酸性NH基を含む薬物は、N−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard, Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。ヒドロキシ基はエステル類およびエーテル類としてマスクされている。EP039,051(Sloan and Little)はマンニッヒベースのヒドロキサム酸プロドラッグ、その製造および使用を開示する。
さらに、本発明の化合物は、その塩を含みまたはその水和物の形態でも得ることができまたはその結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。
一般的合成法
本明細書の範囲内で、文脈から他の解釈が必要ではない限り、本発明の化合物の特定の所望の最終生成物の構成要素ではない容易に除去可能な基のみを、“保護基”と呼ぶ。官能基のかかる保護基による保護、保護基自体、お9よびそれらの開裂反応は、例えば、標準参考書、例えばJ. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, in T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999に記載されている。
少なくとも1個の塩形成基を有する本発明の化合物の塩は、それ自体既知の方法で製造できる。例えば、酸基を有する本発明の化合物の塩は、例えば、本化合物を金属化合物、例えば、適当な有機カルボン酸類のアルカリ金属塩、例えば2−エチルヘキサン酸のナトリウム塩、有機アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物、例えば対応する水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、例えばナトリウムまたはカリウムの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、対応するカルシウム化合物またはアンモニアまたは適当な有機アミンで処理することにより製造でき、化学量論量または僅かに過剰量の塩形成剤を好ましくは使用する。本発明の化合物の酸付加塩は慣用法で、例えば、本化合物の酸または適当なアニオン交換試薬での処理により得る。酸性および塩基性塩形成基、例えば遊離カルボキシ基と遊離アミノ基を含む本発明の化合物の分子内塩は、例えば、塩、例えば酸付加塩を等電点まで、例えば、弱塩基で中和することによりまたはイオン交換体での処理により形成し得る。
塩を、慣用法で遊離化合物に変換できる;金属塩およびアンモニウム塩は、例えば、適当な酸で処理することにより、そして酸付加塩は、適当な塩基性試薬で処理することによる。
本発明に従い得られる異性体混合物は、それ自体既知の方法で個々の異性体に分割できる;ジアステレオ異性体は、例えば、多相溶媒混合物間の分配、再結晶および/または例えばシリカゲルでのクロマトグラフィー、例えば、逆相カラムでの中圧液体クロマトグラフィーにより分離でき、そしてラセミ体は、例えば、光学的に純粋な塩形成試薬と塩を形成させ、得られたジアステレオ異性体の混合物を、例えば、分別結晶または光学活性カラム材でのクロマトグラフィーにより分離して、分離できる。
中間体および最終生成物は、既知方法に従い、例えば、クロマトグラフィー法、分配方、(再)結晶化などを使用して、後処理および/または精製できる。
以下は、上におよび下に記載する全ての方法に一般に適用される。
上に記載する全ての方法工程は、特に記載のものを含むそれ自体既知の反応条件下、例えば、使用する反応材に対しして不活性であり、それらを溶解する溶媒または希釈剤を含む、溶媒または希釈剤の非存在下または慣用的に存在下、触媒、縮合材または中和剤、例えば、イオン交換体、例えば、H+形態の、例えばカチオン交換体の非存在下または存在下、反応および/または反応体の性質によって、低温、常温または高温で、例えば、約−100〜190℃の範囲で、例えば、約−80〜約150℃、例えば、−80〜−60℃の範囲を含み、室温で、−20〜40℃でまたは還流温度で、大気圧下または密閉容器中、適当であれば加圧下および/または不活性雰囲気、例えばアルゴンまたは窒素雰囲気下、行い得る。
反応の全ての段階で、形成された異性体混合物を、個々の異性体、例えばジアステレオ異性体または鏡像体にまたは任意の所望の異性体混合物、例えばラセミ体またはジアステレオ異性体に、例えば、“付加的製造工程”の下に記載した方法に準じて、分割できる。
任意の特定の反応に適する溶媒を選択し得る、溶媒は、特に記載したものまたは例えば、水、エステル類、例えば低級アルキル−低級アルカノエート類、例えば酢酸エチル、エーテル類、例えば脂肪族エーテル類、例えばジエチルエーテルまたは環状エーテル類、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、液体芳香族炭化水素類、例えばベンゼンまたはトルエン、アルコール類、例えばメタノール、エタノールまたは1−または2−プロパノール、ニトリル類、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素類、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、酸アミド類、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド、塩基、例えばヘテロ環窒素塩基、例えばピリジンまたはN−メチルピロリジン−2−オン、カルボン酸無水物、例えば低級アルカノイック酸無水物、例えば酢酸無水物、環状、直鎖または分枝鎖炭化水素類、例えばシクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン、メチル(methy)シクロヘキサンまたはこれらの溶媒の混合物、例えば水性溶液を、方法の記載において特にことわらない限り含む。かかる溶媒混合物はまた例えば、クロマトグラフィーまたは分配による後処理にも使用し得る。
本化合物は、その塩を含み、水和物の形でも得られる可能性がありまたはその結晶は、例えば、その結晶化に使用した溶媒を含み得る。異なる結晶形態が存在し得る。
本発明は、また、方法の任意の段階で得られる中間体を出発物質として使用して残りの工程を行うかまたは出発物質を反応条件下で形成させるかまたは誘導体の形で、例えば、保護された形でまたは塩の形態で使用するかまたは本発明の方法により得られる化合物を該方法条件下で製造し、さらにインサイチュで処理する製造法の形態にも関する。
本発明の化合物の合成に使用する全ての出発物質、構成要素、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒および触媒は市販されているかまたは当業者に既知の有機合成法により製造できる(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)。
本発明の化合物を、以下のスキーム、実施例を使用して、そして当分野で認識されている技術を使用して合成できる。ここに記載する全ての化合物は、化合物として本発明に包含される。本発明の化合物は、スキーム1〜4に記載の方法の少なくとも1個に従い合成し得る。
スキーム1は、可変基R1〜R6が上の式Iに定義した通りである式Iの化合物の合成を説明する:Aタイプの置換2−ヒドロキシ−ベンズアミド(その親カルボン酸から容易に入手可能)を、ベンズオキサゾロンBにホフマン転位を使用して変換できる。Bのアルキルハライド(例えばメチルアイオダイド)を用いる、適当な塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下、適当な溶媒中でのアルキル化により、中間体Cを得る。次いで、中間体Cを場合により置換されていてよいピリジルボリン酸またはエステル(例えばR’がアルキルまたはHである)、例えばDで鈴木タイプパラジウム触媒カップリングして、式Iの化合物を得る。ピリジルボロン酸類またはエステル類は市販されているかまたは4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)およびPdCl2(dppf)を使用して対応するブロマイドからまたは他の当分野で既知の何らかの方法で製造する。
スキーム2は、可変基R1〜R6が上の式Iに定義した通りである式Iの化合物の別の合成法を記載する。Cタイプの化合物(ベンズオキサゾロン)を、対応するボロン酸エステルに、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)およびPdCl2(dppf)を使用して変換して、中間体Eを得る。中間体Eを、ピリジンFと鈴木カップリング反応させる。
スキーム3は、可変基R1〜R4が上の式Iに定義した通りである中間体Hの合成法を説明する。中間体Hは、ベンズオキサゾロンCとボロン酸エステルGの鈴木カップリング後に得る。中間体Hをさらなる誘導体化に使用できる。アルデヒド官能基を、スキーム4に示す通り、1級、2級アルコールまたはアミノまたはスルホンアミドに変換できる。
スキーム4は中間体J、K、LまたはMの合成またはR5が−CH2NHS(O)2Ra(Raは、式Iで定義したアルキル、ハロアルキルまたはシクロアルキルである)であるかまたはR5が−CH2−NHRd(Rdは、式Iで定義したR8またはR9である)であるかまたはR5が−CH(Rb)OH(式中、Rbはアルキルまたはアリールまたはアリールアルキルである)であるかまたはR5が−CH(Rb)NHS(O)2Ra(RaおよびRbは先に定義した通りである)であり、Rが式Iに従うハロ(例えばブロモ)であるかまたはベンズオキサゾロンである、式Iの化合物を記載する。
ピリジンの誘導体化を、Rがハロであるとき鈴木カップリングに先だち行うかまたはRがベンズオキサゾロンであるとき鈴木カップリング後に行う。R6がH以外である式Iの化合物をこれに従い得ることができる。
中間体I(Rがハロ)またはH(Rがベンズオキサゾロン)を、求核試薬(例えば、RbMはハイドライド、グリニヤール、有機リチウム、有機亜鉛または他の有機金属製試薬であり、ここで、Rbはアルキルまたはアリールまたはアリールアルキルである)と反応させて、中間体J(Rがハロ)または生成物J(Rがベンズオキサゾロン)を得る。
あるいは、中間体IまたはHをアミノスルホニル(例えばRaSO2NH2であって、Raはアルキル、ハロアルキル、シクロアルキルである)と、チタン(IV)アルコキシドおよび求核試薬(例えばRbM)の存在下で反応させて、中間体K(Rがハロ)または生成物K(Rがベンズオキサゾロン)を得る。
中間体IまたはHをまたアミノスルホニル(例えばRaSO2NH2であって、Raがアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールアルキルである)と、還元剤の存在下反応させて、中間体L(Rがハロ)または生成物L(Rがベンズオキサゾロン)を得る。
また、中間体IまたはHをアミン(RdNH2であって、ここで、Rdがであり、Rdが式Iで定義したR8またはR9である)と、還元剤(還元的アミノ化)の存在下、反応させて、中間体M(Rがハロ)または生成物M(Rがベンズオキサゾロン)を得る。
本発明は、さらに、任意の段階で得られる中間体生成物を出発物質として使用して残りの工程を行うかまたは出発物質を反応条件下でインサイチュで形成させるかまたは反応要素をその塩または光学的に純粋なアンチポードの形で使用する、本方法の任意の変法を含む。
本発明の化合物および中間体はまた互いに一般的にそれ自体既知の方法により変換できる。
他の面において、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、特定の投与経路、例えば経口投与、非経腸投与および直腸投与などのために製剤できる。加えて、本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤または坐薬を含む固体形態または溶液、懸濁液またはエマルジョンを含む液体形態に整形できる。医薬組成物は、慣用の医薬操作をしてよく、例えば、滅菌してよくおよび/または慣用の不活性希釈剤、滑剤または緩衝剤、ならびにアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝液などを含んでよい。
典型的に、医薬組成物は、有効成分を
a) 希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b) 滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまた
c) 結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望により
d) 崩壊剤、例えば、デンプン類、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩または起沸性混合物;および/または
e) 吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と共に含む錠剤およびゼラチンカプセルである。
錠剤は、当分野で既知の方法に従い、フィルムコーティングまたは腸溶性コーティングしてよい。
経口投与用の適当な組成物は、錠剤、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬または軟カプセルまたはシロップまたはエリキシルの形態で有効量の本発明の化合物を含む。経口使用を意図する製剤は医薬組成物の製造について当分野で既知の方法のいずれかに従い製造し、かかる組成物は、薬学的に洗練され、口に合う製剤を提供するために、甘味剤、風味剤、着色剤および防腐剤からなる群から選択される1個以上の薬剤を含んでよい。錠剤は、有効成分を、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される添加剤との混合物で含む。これらの添加剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒および崩壊剤、例えば、コーンデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は素錠であるかまたは胃腸管でのその分解および吸収を遅延させ、それにより長期間にわたり持続した活性を提供するための既知の方法でコーティングされる。例えば、時間遅延物質、例えばグリセリルモノラウレートまたはグリセリルジステアレートを用いることができる。経口使用のための製剤は、有効成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されてる硬ゼラチンカプセルとしてまたは有効成分が水または油媒体、例えばピーナツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとして提供できる。
ある注射可能組成物は水性等張性溶液または懸濁液であり、坐薬は有利に脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造する。該組成物は、滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値のある物質も含んでよい。該組成物は慣用の混合、造粒またはコーティング法により各々製造し、約0.1−75%または約1−50%の有効成分を含む。
経皮適用に適する組成物は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。担体は、宿主の皮膚を超える浸透を助けるための吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、場合により化合物を宿主皮膚へ制御されかつ予定された速度で送達するための速度制御バリアおよび該デバイスを皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形態である。
例えば皮膚および眼への局所適用に適する組成物は、水性溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは噴霧可能製剤、例えば、エアロゾルにより送達するものなどを含む。かかる局所送達系は、例えば、皮膚癌の処置のための、例えば、日焼け止めクリーム、ローション、スプレーなどへの予防使用のための、皮膚適用に特に適する。それらは、それ故に、化粧用を含む、当分野で周知の局所製剤に使用するために特に適する。それらは、可溶化剤、安定化剤、張性増加剤、緩衝剤および防腐剤を含み得る。
ここで使用する局所適用は、また、吸入または経鼻適用にも関する。それらは、乾燥粉末(単独でまたは例えば、ラクトースとの乾燥混合物でまたは例えば、リン脂質類との成分粒子混合物で)の形で、乾燥粉末吸入器またはエアロゾルスプレー形態で、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーから、適当な噴射剤を使用してまたは使用せずに送達される。
本発明は、さらに、水がある種の化合物の分解を促進し得るため、本発明の化合物を有効成分として含む無水医薬組成物および投与形態を提供する。本発明の無水医薬組成物および投与形態は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して製造できる。無水医薬組成物は、その無水特性が維持されるように製造および貯蔵し得る。従って、無水組成物は、好ましくは、適当な製剤キットに含まれ得るように水からの暴露を予防することが既知の材料を使用して包装される。適当な包装材の例は、密閉ホイル、プラスチック、単位投与量コンテナ(例えば、バイアル類)、ブリスターパックおよびストリップパックを含むが、これらに限定されない。
本発明は、さらに、有効成分としての本発明の化合物が分解する速度を低下させる1種以上の薬剤を含む医薬組成物および投与形態を提供する。かかる薬剤は、ここでは、“安定化剤”と呼び、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝剤または塩緩衝剤などを含むが、これらに限定されない。
遊離形または薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物は、価値ある薬理学的特性、例えば、以下の章に提供するインビトロおよびインビボ試験で示される、例えばアルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1調節特性を示し、それ故に治療に適応される。
本発明の化合物は、低カリウム血症、高血圧、コン疾患、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、高血圧および内皮機能障害後の線維症およびリモデリング、心血管疾患、腎臓機能障害、肝臓疾患、脳血管疾患、血管疾患、網膜症、ニューロパシー、異常インスリン症、浮腫、内皮機能障害、圧受容器機能障害、片頭痛性頭痛、心不全、例えば鬱血性心不全、不整脈、拡張期機能障害、左心室拡張期機能障害、拡張期心不全、拡張期充満障害、収縮期機能障害、虚血、肥大型心筋症、心臓性突然死、心筋および血管線維症、動脈伸展性障害、心筋壊死性病変、血管損傷、心筋梗塞、左心室肥大、駆出率低下、心臓病変、血管壁肥大、内皮肥厚または冠動脈の類線維素壊死、クッシング症候群、CYP11B1レベル過剰、異所性ACTH症候群、副腎皮質質量変化、原発性色素結節性副腎皮質疾患(PPNAD)カーニー複合体(CNC)、神経性食欲不振症、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン禁断症候群、外傷後ストレス症候群、卒中後認知障害、コルチゾール誘発ミネラルコルチコイド過剰から選択される適応症の処置に有用であり得る。
それ故に、さらなる態様として、本発明は、治療における、式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。さらなる態様において、治療は、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の阻害により改善される疾患から選択される。他の態様において、疾患は上の一覧から選択され、好適には低カリウム血症、高血圧、鬱血性心不全、心房細動、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、線維症、例えば高血圧および内皮機能障害後の心臓または心筋の線維症およびリモデリング、より好適には鬱血性心不全、心臓または心筋線維症、腎不全、高血圧または心室性不整脈である。
他の態様において、本発明は、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1の阻害により改善される疾患の処置方法であって、治療的許容される量の式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。さらなる態様において、疾患は上の一覧から選択され、好適には低カリウム血症、高血圧、鬱血性心不全、心房細動、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、線維症、例えば高血圧および内皮機能障害後の心臓または心筋の線維症およびリモデリング、より好適には鬱血性心不全、心臓または心筋線維症、腎不全、高血圧または心室性不整脈である。
本発明の医薬組成物または組合せは、約50−70kgの対象に対して約0.01−500mgの有効成分または約0.01−250mgまたは約0.01−150mgまたは約0.01−100mgまたは約0.01−50mgの有効成分の単位投与量であり得る。化合物、医薬組成物またはその組合せの治療有効投与量は、対象の種、体重、年齢および個々の状態、処置する障害または疾患または重度による。通常の技術の医師、臨床医または獣医は、障害または疾患を予防する、処置するまたは進行を阻止するのに必要な各有効成分の有効量を容易に決定できる。
上記投与特性は、インビトロ試験で証明可能である。本発明の化合物は、インビトロで、溶液、例えば、好ましくは水性溶液の形態で適用できる。インビトロでの投与量範囲は、約10−3モル濃度から10−9モル濃度の範囲であり得る。インビボでの治療有効量は、投与経路により、約0.0001−500mg/kgまたは約0.0001−100mg/kgまたは約0.0003−10mg/kgの範囲であり得る。
本発明の化合物の活性を、以下に記載するインビトロ方法で評価できる。
特に、インビトロでのアルドステロンシンターゼ阻害活性を以下のアッセイで決定できる。
ヒト副腎皮質癌腫NCI−H295R細胞株をAmerican Type Culture Collection(Manassas, VA)から得た。インスリン/トランスフェリン/セレン(ITS)−Aサプリメント(100×)、DMEM/F−12、抗生物質/抗真菌剤(100×)およびウシ胎児血清(FBS)をInvitrogen(Carlsbad, CA)から購入した。抗マウスPVTシンチレーションプロキシミティアッセイ(SPA)ビーズおよびNBS 96ウェルプレートを、各々GE Health Sciences(Piscataway, NJ)およびCorning(Acton, MA)から得た。黒一色の96ウェル平底プレートをCostar(Corning, NY)から購入した。アルドステロンおよびアンギオテンシン(Ang II)をSigma(St. Louis, MO)から購入した。D−[1,2,6,7−3H(N)]アルドステロンをPerkinElmer(Boston, MA)から得た。Nu−血清は、BD Biosciences(Franklin Lakes, NJ)の製品であった。NADPH再生系、ジベンジルフルオレッセイン(DBF)およびヒトアロマターゼsupersomes(登録商標)はGentest(Woburn, MA)から得た。
アルドステロン活性のインビトロ測定のために、ヒト副腎皮質癌腫NCI−H295R細胞を、NBS 96ウェルプレートで25,000細胞/ウェルの密度で、100μlの、10%FCS、2.5%Nu−血清、1μg ITS/mlおよび1×抗生物質/抗菌剤を添加したDMEM/F12を含む増殖培地に播種する。培地を、3日間、37℃で、5%CO2/95%空気の雰囲気下の培養後に変える。翌日、細胞を100μlのリン酸緩衝化食塩水(PBS)で濯ぎ、1μM Ang IIおよび種々の濃度の化合物を含む100μlの処置培地で、4ウェルで、37℃で24時間インキュベートする。インキュベーションの最後に、50μlの培地を各ウェルから取り、マウス抗アルドステロンモノクローナル抗体を使用するSPAによりアルドステロン産生を測定する。
アルドステロン活性の測定はまた96ウェルプレート形式でもできる。各試験サンプルを、0.02μCiのD−[1,2,6,7−3H(N)]アルドステロンおよび0.3μgの抗アルドステロン抗体と、0.1%Triton X-100、0.1%ウシ血清アルブミンおよび12%グリセロールを含むPBS中、総量200μlで室温で1時間インキュベートする。抗マウスPVT SPAビーズ(50μl)を各ウェルに添加し、一夜、室温でインキュベートして、Microbetaプレートカウンターで計測する。各サンプル中のアルドステロンの量を、該ホルモンの既知量を使用して作成した標準曲線と比較することにより計算する。
CYP11B1のインビトロ阻害活性を以下のアッセイで測定する。
細胞株NCI−H295Rは元々副腎皮質癌腫から単離され、ステロイドホルモン類の刺激可能な分泌およびステロイド産生に必須の酵素の存在により文献で特徴付けされている。それ故に、NCI−H295R細胞はCyp11 B1(ステロイド11β−ヒドロキシラーゼ)を有する。細胞は、帯状未分化ヒト胎児副腎皮質細胞の生理学的特性を示すが、それは、成体副腎皮質で表現型的に区別できる3つの帯で形成されるステロイドホルモン類を産生する能力を有する。
NCI−H295R細胞(American Type Culture Collection, ATCC, Rockville, MD, USA)Ulroser SF血清(Soprachem, Cergy-Saint-Christophe, France)、インスリン、トランスフェリン、セレナイト(selenite)(I−T−S、Becton Dickinson Biosiences, Franklin lakes, NJ, USA)および抗生物質を添加したダルベッコ修飾イーグル・ハムF−12培地(DME/F12)で、75cm2細胞培養容器中、37℃で95%空気−5%二酸化炭素雰囲気下に増殖させる。その後細胞を24ウェルインキュベーション容器に、コロニー形成のために移す。Ultroser SFの代わりに0.1%ウシ血清を添加したDME/F12培地で、24時間培養する。0.1%ウシ血清アルブミンおよび試験化合物を添加したDME/F12培地中で、細胞刺激剤の存在下または非存在下、72時間培養することにより実験を開始する。試験物質を、0.2ナノモルから20ミリモル濃度の範囲で添加する。使用できる細胞刺激剤はアンギオテンシンII(1Dまたは100ナノモル)、カリウムイオン類(16ミリモル)、フォルスコリン(10マイクロモル)または2刺激剤の組合せである。
アルドステロン、コルチゾール、コルチコステロンおよびエストラジオール/エストロンの培養培地への排出を、放射免疫アッセイにおける市販の、特異的モノクローナル抗体により、製造者の指示に従い検出および定量できる。
アロマターゼ活性のインビトロ測定のために、ヒトアロマターゼアッセイを96ウェル平底プレートで発表されたプロトコール(Stresser et al, 2000)に従い、僅かに改変して行う。簡単に言うと、50mM リン酸カリウム、pH7.4中に2.6mM NADP+、6.6mM グルコース6−ホスフェート、6.6mM MgCl2および0.8U/mL グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼを含む10μLのNADPH再生系を、試験化合物と、所望の濃度で、30℃で10分間、総量100μLでプレインキュベートする。その後、100μLの50mM リン酸カリウム、pH7.4中の4pmolのヒトアロマターゼ、20μgのコントロールミクロソームタンパク質および4μM DBFを各ウェルに添加し、30℃で90分間インキュベートする。反応を75μLの2N NaOHの各ウェルへの添加により停止させる。2時間後、生成物、フルオレセイン(fluorescin)を、それぞれ485nmおよび538nmの励起および放出波長を使用する蛍光計により測定する。
ある種のステロイドの遊離の阻害を、添加した試験化合物による各酵素阻害の指標として使用できる。酵素活性の化合物による濃度依存的阻害を、IC50により特徴付けられる阻害プロットの手段により計算する。
活性試験化合物のIC50値は、データ重み付けなしに阻害プロットを構築するための単純な直線回帰分析により確認する。阻害プロットは、最小二乗法を使用する生データ点に対する4パラメータロジスティック関数の当て嵌めにより計算する。4パラメータロジスティック関数の式は次の通り計算する:Y=(d−a)/((1+(x/c)b))+a、式中:a=最小データ値、b=勾配、I c=ICED、d=最大データレベル、x=阻害剤濃度。
アルドステロン産生の阻害活性を、ある濃度の阻害パーセント(阻害%)(例えば1μMでの阻害%)としても表すことができ、これは、本発明の化合物が無いときの細胞のアルドステロン排泄に対する細胞を一定濃度の本発明の化合物(例えば1μM濃度)で処理したときのアルドステロンレベルである:
アルドステロン産生阻害%=[(Y−X)/Y]×100
式中、Xは細胞を式Iの化合物で処理したときのアルドステロンレベルであり;Yは細胞に式Iの化合物がないときのアルドステロンのレベルである。
コルチゾール産生(CYP11B1活性)の阻害活性も、ある濃度の阻害パーセント(阻害%)(例えば1μMでの阻害%)としても表すことができ、これは、本発明の化合物が無いときの細胞のコルチゾール排泄に対する細胞を一定濃度の本発明の化合物(例えば1μM濃度)で処理したときのコルチゾールレベルである。
コルチゾール産生阻害%=[(Y’−X’)/Y’]×100
式中、X’は細胞を式Iの化合物で処理したときの細胞のコルチゾールのレベルであり;
Y’細胞に式Iの化合物がないときのコルチゾールのレベルである。
(上に記載する)試験アッセイを使用して、本発明の化合物は以下に記載する表1に示す阻害効果を示す。
本発明の化合物を、少なくとも1種の他の治療剤と同時にまたはその前にまたは後に投与してよい。本発明の化合物を、別々に、同一または異なる投与経路でまたは一緒に同じ医薬組成物で投与してよい。
一つの態様において、本発明は、式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩および少なくとも1種の他の治療剤を、治療において同時に、別々にまたは連続して使用するための組合せ製剤として含む、製品を提供する。一つの態様において、治療は、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置である。組合せ製剤として提供される製品は、式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩および他の治療剤(複数も可)を一緒に同じ医薬組成物で含む組成物または式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩および他の治療剤(複数も可)を別々の形態で含む、例えば、キットの形態を含む。
一つの態様において、本発明は、式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩および他の治療剤(複数も可)を含む医薬組成物を提供する。場合により、医薬組成物は上に記載した薬学的に許容される添加剤を含んでよい。
一つの態様において、本発明は、その少なくとも1個が、式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む2個以上の別々の医薬組成物を含むキットを提供する。一つの態様において、キットは、該組成物を別々に保持する手段、例えば、容器、分割されたビンまたは分割されたホイルパケットを含む。かかるキットの例は、錠剤、カプセルなどの包装に典型的に使用されている、ブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる投与形態、例えば、経口および非経腸投与で投与するために、異なる投与間隔で別の組成物を投与するためにまたは別々の組成物を互いにタイトレーションするために使用し得る。コンプライアンスを助けるために、本発明のキットは、典型的に投与指示書を含む。
本発明の組合せ治療において、本発明の化合物および他の治療剤を、同じまたは異なる製造者が製造および/または製剤してよい。さらに、本発明の化合物および他の治療剤を:(i)組合せ製品が医者に開放される前に(例えば、本発明の化合物および他の治療剤を含むキットの場合);(ii)医者自身が(または医者の指導の下に)投与直前に;(iii)患者自身が、例えば、本発明の化合物および他の治療剤の連続的投与の間に組合せ治療にしてよい。
従って、本発明は、式I−IIIのいずれかの化合物の、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置用医薬の製造における使用であって、該医薬が他の治療剤との投与のために製造される、使用を提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置用医薬の製造における他の治療剤の使用であって、ここで、該医薬が式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩との投与のために製造される、使用を提供する。
本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、式I−IIIのいずれかの化合物を、他の治療剤と投与するために製造するものを提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための他の治療剤であって、ここで、他の治療剤を式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩と投与するために製造する、方法を提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで、式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を他の治療剤と投与するものである、化合物を提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための他の治療剤であって、ここで、他の治療剤を式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩と投与するものである、治療剤を提供する。
本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置用医薬の製造における式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用であって、ここで、患者が予め(例えば24時間以内に)他の治療剤で処置されている、使用を提供する。本発明はまた、アルドステロンシンターゼおよび/またはCYP11B1が仲介する疾患または状態の処置用医薬の製造における他の治療剤の使用であって、ここで、該患者が予め(例えば24時間以内に)式I−IIIのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩で処置されている、使用を提供する。
一つの態様において、他の治療剤は:HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウムチャネルブロッカー(CCB)、デュアルアンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、利尿剤、ApoA−I摸倣剤、抗糖尿病剤、肥満軽減剤、アルドステロン受容体ブロッカー、エンドセリン受容体ブロッカーまたはCETP阻害剤から選択される。
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも一部、本発明の化合物(例えば、化合物(例えば、式I−IIIのいずれかの化合物または他にここで記載されている化合物)を、第二剤と組合せて投与する、方法に関する
第二の薬剤または処置“と組み合わせる”なる用語は、本発明の化合物(例えば、式I−IIIのいずれかの化合物または他にここで記載されている化合物またはその薬学的に許容される塩)と第二剤または処置の共投与、最初に本発明の化合物を投与して第二剤または処置が続く、そして最初に第2剤または処置を適用して、本発明の化合物が続くものを含む。
用語“第二剤”は、ここに記載する疾患または障害、例えばアルドステロンシンターゼ関連障害、例えば、低カリウム血症、高血圧、コン疾患、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、症候群X、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲン形成増加、高血圧および内皮機能障害後の線維症およびリモデリング、心血管疾患、腎臓機能障害、肝臓疾患、脳血管疾患、血管疾患、網膜症、ニューロパシー、異常インスリン症、浮腫、内皮機能障害、圧受容器機能障害、片頭痛性頭痛、心不全、例えば鬱血性心不全、不整脈、拡張期機能障害、左心室拡張期機能障害、拡張期心不全、拡張期充満障害、収縮期機能障害、虚血、肥大型心筋症、心臓性突然死、心筋および血管線維症、動脈伸展性障害、心筋壊死性病変、血管損傷、心筋梗塞、左心室肥大、駆出率低下、心臓病変、血管壁肥大、内皮肥厚および冠動脈の類線維素壊死の処置、予防または症状の軽減のために当分野で既知の任意の薬剤を含む。さらに、第二剤は、本発明の化合物の投与と組み合わせたとき、患者にとって何らかの利益がある薬剤であり得る。
第二剤の例は、HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウムチャネルブロッカー(CCB)、デュアルアンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、利尿剤、ApoA−I摸倣剤、抗糖尿病剤、肥満軽減剤、アルドステロン受容体ブロッカー、エンドセリン受容体ブロッカーおよびCETP阻害剤を含む。
アンギオテンシンII受容体アンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩は、アンギオテンシンII受容体のAT1受容体サブタイプに結合するが、該受容体の活性化をもたらさない有効成分と解釈される。AT1受容体阻害の結果、これらのアンタゴニストは、例えば、降圧剤としてまたは鬱血性心不全の処置に用い得る。
AT
1受容体アンタゴニスト群は、種々の構造特性を有する化合物を含み、本質的に好ましいのは非ペプチド性のものである。例えば、バルサルタン、ロサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、以下の式
を有する、E−1477なる名称の化合物、以下の式
を有する、SC−52458なる名称の化合物、以下の式
を有する、ZD−8731なる名称の化合物またはいずれの場合も、その薬学的に許容される塩から選択される化合物を特記し得る。
好ましいAT1受容体アンタゴニストは市販されているこのような薬剤であり、最も好ましいのはバルサルタンまたはその薬学的に許容される塩である。
用語“HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤”(別名ベータ−ヒドロキシ−ベータ−メチルグルタリル−コエンザイムAレダクターゼ阻害剤)は、血中のコレステロールを含む脂質レベルを低下するために使用し得る有効成分を含む。例は、アトルバスタチン、セリバスタチン、コンパクチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、ジヒドロコンパクチン、フルインドスタチン(fluindostatin)、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、メバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン(rivastatin)、シンバスタチンおよびベロスタチン(velostatin)またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
用語“ACE阻害剤”(別名アンギオテンシン変換酵素阻害剤)は、アンギオテンシンIからアンギオテンシンIIへの酵素分解を妨害する分子を含む。かかる化合物は血圧制御のために、そして鬱血性心不全の処置のために使用し得る。例は、アラセプリル、ベナゼプリル、ベナゼプリラート、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルトプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリルおよびトランドラプリルまたはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
用語“カルシウムチャネルブロッカー(CCB)”は、ジヒドロピリジン類(DHP)および非DHP類(例えば、ジルチアゼム型およびベラパミル型CCB)を含む。例は、アムロジピン、フェロジピン、リョシジン(ryosidine)、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンおよびニバルジピンを含み、好ましくは、フルナリジン、プレニラミン、ジルチアゼム、フェンジリン、ガロパミル、ミベフラジル、アニパミル、チアパミルおよびベラパミルまたはそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される非DHP剤である。CCBは抗高血圧剤、抗狭心症剤または抗不整脈剤として使用し得る。
用語“デュアルアンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤”は、オマパトリラート(EP629627参照)、ファシドトリルまたはファシドトリラートまたはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
用語“エンドセリンアンタゴニスト”は、ボセンタン(EP526708A参照)、テゾセンタン(WO96/19459参照)またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
用語“レニン阻害剤”は、ジテキレン(ditekiren)(化学名:[1S−[1R
*,2R
*,4R
*(1R
*,2R
*)]]−1−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−L−プロリル−L−フェニルアラニル−N−[2−ヒドロキシ−5−メチル−1−(2−メチルプロピル)−4−[[[2−メチル−1−[[(2−ピリジニルメチル(mrthyl))アミノ]カルボニル]ブチル]アミノ]カルボニル]ヘキシル]−N−アルファ−メチル−L−ヒスチジンアミド);テルラキレン(terlakiren)(化学名:[R−(R
*,S
*)]−N−(4−モルホリニルカルボニル)−L−フェニルアラニル−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(1−メチルエトキシ)−3−オキソプロピル]−S−メチル−L−システインアミド);アリスキレン(化学名:(2S,4S,5S,7S)−5−アミノ−N−(2−カルバモイル−2,2−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−7−{[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル}−8−メチル−2−(プロパン−2−イル)ノナンアミド)およびザンキレン(ザンキレン)(化学名:[1S−[1R
*[R
*(R
*)],2S
*,3R
*]]−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2,3−ジヒドロキシ−5−メチルヘキシル]−アルファ−[[2−[[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]メチル]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]−アミノ]−4−チアゾールプロパンアミド)またはそれらの塩酸塩またはSpeedelが開発したSPP630、SPP635およびSPP800または式(A)および(B):
のRO66−1132およびRO66−1168またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
用語“アリスキレン”は、特に定義しない限り、その遊離塩基およびその塩、特にその薬学的に許容される塩、最も好ましくはそのヘミフマル酸塩の両方として解釈されるべきである。
用語“利尿剤”は、チアジド誘導体(例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、メチルクロロ(clo)チアジドおよびクロロサリトン)を含む。
用語“ApoA−I摸倣剤”は、D4Fペプチド類(例えば、式D−W−F−K−A−F−Y−D−K−V−A−E−K−F−K−E−A−F)を含む。
用語“抗糖尿病剤”は、膵臓β細胞からのインスリン分泌を促進するインスリン分割促進剤を含む。例は、ビグアナイド誘導体(例えば、メトホルミン)、スルホニルウレア類(SU)(例えば、トルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、4−クロロ−N−[(1−ピロリジニルアミノ)カルボニル]−ベンゼンスルホンアミド(グリコピラミド)、グリベンクラミド(グリブリド)、グリクラジド、1−ブチル−3−メタニリルウレア、カルブタミド、グリボヌリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブチアゾール、グリブゾール、グリヘキサミド、グリミジン、グリピナミド、フェンブタミドおよびトリルシクラミド)またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。さらなる例は、フェニルアラニン誘導体(例えば、式
のナテグリニド[N−(trans−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン](EP196222およびEP526171参照));レパグリニド[(S)−2−エトキシ−4−{2−[[3−メチル−1−[2−(1−ピペリジニル)フェニル]ブチル]アミノ]−2−オキソエチル}安息香酸]EP589874、EP147850A2、特に61ページの実施例11およびEP207331A1参照);カルシウム(2S)−2−ベンジル−3−(cis−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)−プロピオネート二水和物(例えば、ミチグリニド(EP507534参照));およびグリメピリド(EP31058参照)を含む。さらなる例は、DPP−IV阻害剤、GLP−1およびGLP−1アゴニストを含む。
DPP−IVは、GLP−1の不活化に係わる。より具体的に、DPP−IVはGLP−1受容体アンタゴニストを産生し、それによりGLP−1に対する生理学的応答を短縮する。GLP−1は膵臓インスリン分泌の主刺激因子であり、グルコース処理に対する直接的な有利な効果を有する。
DPP−IV阻害剤はペプチド性でも、好ましくは、非ペプチド性でもよい。DPP−IV阻害剤は、いずれの場合も、例えば、WO98/19998、DE19616486A1、WO00/34241およびWO95/15309に一般的におよび具体的に、いずれの場合も特に化合物請求項および作業実施例の最終生成物に記載されており、最終生成物の対象、医薬製剤および特許請求の範囲を、これらの刊行物を引用することにより、本明細書に包含させる。好ましいのは、WO98/19998の実施例3およびWO00/34241の実施例1にそれぞれ具体的に記載されている化合物である。
GLP−1は、例えばW.E. Schmidt et al. in Diabetologia, 28, 1985, 704-707およびUS5,705,483に記載されたインスリン分泌性タンパク質である。
用語“GLP−1アゴニスト”は、GLP−1(7−36)NH2の変異体および類似体を含み、それらは、特にUS5,120,712、US5,118666、US5,512,549、WO91/11457およびC. Orskov et al in J. Biol. Chem. 264 (1989) 12826に記載されている。さらなる例は、Arg36のカルボキシ末端アミド官能基がGLP−1(7−36)NH2分子の37位でGlyに置換されているGLP−1(7−37)およびGLN9−GLP−1(7−37)、D−GLN9−GLP−1(7−37)、アセチルLYS9−GLP−1(7−37)、LYS18−GLP−1(7−37)および特に、GLP−1(7−37)OH、VAL8−GLP−1(7−37)、GLY8−GLP−1(7−37)、THR8−GLP−1(7−37)、MET8−GLP−1(7−37)および4−イミダゾプロピオニル−GLP−1を含むその変異体およびアナログを含む。特に好ましいのはまた、Greig et al. in Diabetologia 1999, 42, 45-50に記載されているGLPアゴニストアナログエキセンジン−4である。
定義“抗糖尿病剤”に包含されるのはまたインスリン増感剤であり、それは、障害されたインスリン受容体機能を、インスリン抵抗性を低下させ、その結果、インスリン感受性を高めることにより回復させる。例は、血糖低下性チアゾリジンジオン誘導体(例えば、グリタゾン、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン(エングリタゾン)、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソプロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ダルグリタゾン)、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(シグリタゾン)、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(DRF2189)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(BM−13.1246)、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン(AY−31637)、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]フェニル}メタン(YM268)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(AD−5075)、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(DN−108)、5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドール−1−イル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン)、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン)、5−{[4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(トログリタゾン)、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(MCC555)、5−{[2−(2−ナフチル)−ベンズオキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(T−174)および5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミド(KRP297))を含む。
さらなる抗糖尿病剤は、インスリンシグナル経路モジュレーター、例えばタンパク質チロシンホスファターゼ類(PTPase)の阻害剤、抗糖尿病性非小分子摸倣化合物およびグルタミン−フルクトース−6−ホスフェートアミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤;脱制御された肝臓グルコース産生に影響する化合物、例えばグルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)の阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(F−1,6−Bpase)の阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)の阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニストおよびスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤;ピルベートデヒドロゲナーゼキナーゼ(PDHK)阻害剤;胃排泄阻害剤;インスリン;GSK−3の阻害剤レチノイドX受容体(RXR)アゴニスト;ベータ−3ARアゴニスト;非共役タンパク質(UCP)のアゴニスト;非グリタゾン型PPARγアゴニスト;デュアルPPARα/PPARγアゴニスト;抗糖尿病性バナジウム含有化合物;インクレチンホルモン類、例えばグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)およびGLP−1アゴニスト;ベータ細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト;ミグリトール;α2−アドレナリンアンタゴニスト;およびそれらの薬学的に許容される塩を含む。
用語“肥満軽減剤”は、リパーゼ阻害剤(例えば、オーリスタット)および食欲抑制剤(例えば、シブトラミンおよびフェンテルミン)を含む。
用語“アルドステロン受容体ブロッカー”はスピロノラクトンおよびエプレレノンを含む。
用語“エンドセリン受容体ブロッカー”はボセンタンを含む。
用語“CETP阻害剤”は、種々のコレステイルエステル類およびトリグリセリド類のHDLからLDLおよびVLDLへのコレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)仲介輸送を阻害する化合物を意味する。かかるCETP阻害活性は、標準アッセイ(例えば米国特許6,140,343)に従い、当業者により容易に決定できる。例は、米国特許6,140,343および米国特許6,197,786(例えば、[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)に開示されている化合物;米国特許6,723,752(例えば、(2R)−3−{[3−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−フェニル]−[[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メチル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール)に開示されている化合物;米国特許出願10/807,838に開示されている化合物;米国特許5,512,548に開示されているポリペプチド誘導体;それぞれJ. Antibiot., 49(8): 815-816 (1996)およびBioorg. Med. Chem. Lett.; 6: 1951-1954 (1996)に開示されているロセノノラクトン誘導体およびコレステリルエステル類のホスフェート含有アナログを含む。さらに、CETP阻害剤はまたWO2000/017165、WO2005/095409およびWO2005/097806に開示されているものも含む。
発明の例示
以下の実施例は本発明を説明することを意図し、それに限定されると解釈してはならない。温度は摂氏度で記載する。特に断らない限り、蒸発は減圧下、好ましくは約15mmHg〜100mmHg(=20−133mbar)で行う。最終生成物、中間体および出発物質の構造は、標準的分析法、例えば、微量分析および分光特性、例えば、MS、IR、NMRで確認する。使用する略語は当分野で一般的なものである。
本発明の合成に使用する全ての出発物質、構成要素、反応材、酸類、塩基類、脱水剤、溶媒および触媒は市販のものであるか、当業者に既知の有機合成法により製造できる(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)。さらに、本発明の化合物を以下の実施例に示す当業者に既知の有機合成法により製造できる。
実施例1:3−メチル−5−ピリジン−3−イル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン
工程1:5−ブロモ−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
5−ブロモ−3−ヒドロ−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(500mg、2.3mmol)、ヨードメタン(291μL、663mg、4.67mmol)、K
2CO
3(807mg、5.84mmol)のDMSO(10mL)中の混合物を、室温で一夜撹拌した。減圧下濃縮後、残留物をフラッシュカラムで精製し、無色固体を得た(440mg)。
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz): δ 3.38 (s, 3H), 7.07 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.24 (dd, J = 8, 1.9 Hz, 1H)。
工程2:3−メチル−5−ピリジン−3−イル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
ピリジン−3−イルボロン酸(61.5mg、0.5mmol)、5−ブロモ−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(114mg、0.5mmol)、ポリマー支持Pd(PPh
3)
4(0.11mmol/g、114mg、0.0125mmol)、Na
2CO
3(水中2M、0.5mL、1mmol)のDME(3mL)中の混合物を6時間加熱還流した。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、1−3%)で精製して、表題化合物を薄黄色固体として得た(45mg)。
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz): δ 3.47 (s, 3H), 7.13 (s, 1H), 7.30 (m, 2H), 7.38 (dd, J = 4.8, 7.9 Hz, 1H), 7.85 (m , 1H), 8.62 (dd, J = 1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.82 (d, J = 2.4 Hz, 1H)。
実施例2:3−メチル−5−(4−メチル−ピリジン−3−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン
表題化合物を、実施例1に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz): δ 2.22 (s, 3H), 3.37 (s, 3H), 6.83 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.98 (dd, J = 8.2 , 1.68 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 5 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.40 (d, J = 5.04 Hz, 1H)。
実施例3:5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
表題化合物を、実施例1に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz): δ 3.41 (s, 3H), 7.06 (s, 1H), 7.24 (m, 2H), 7.51 (m, 1H), 8.41 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 8.58 (s, 1H)。
実施例4:5−(5−メトキシピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
表題化合物を、実施例1に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz): δ 3.45 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 7.11 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.28 (s, 1H), 2.29 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.31 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 8.30 (d, J = 2.76 Hz, 1H), 8.41 (d, J = 1.84 Hz, 1H)。
実施例5:5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ニコチノニトリル
表題化合物を、実施例1に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz): δ 3.48 (s, 3H), 7.12 (d, J = 1.68 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 1.76 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 8.11 (t, J = 2.16 Hz, 1H), 8.88 (d, J = 1.92 Hz, 1H), 9.01 (d, J = 2.3 Hz, 1H)。
実施例6:5−(4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンおよび1,1,1−トリフルオロ−N−((3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)メチル)メタンスルホンアミド
工程1:3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−4−カルバルデヒドの合成
3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(330mg、1.2mmol)、3−ブロモ−ピリジン−4−カルバルデヒド(186mg、1mmol)、ポリマー結合Pd(PPh
3)
4(642mg、0.07mmol)、Na
2CO
3(水中2M、1mL、2mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(9mL)および水(1mL)中の混合物を、100℃で、マイクロ波により1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した。懸濁液をCH
2Cl
2(15mL)で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を真空で濃縮して、赤みがかった褐色固体を得た。この粗物質をフラッシュカラム(0−10%CH
3OHのCH
2Cl
2溶液、v/v)で精製して、152mgの所望の生成物を得た。ESI-MS m/z: 255.0 [M+1]
+、保持時間1.03分;
1H NMR (DMSO, 400.342 MHz): δ 3.39 (s, 3H), 7.27 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.85 (m, 2H), 10.0 (s, 1H)。
工程2:5−(4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンおよび1,1,1−トリフルオロ−N−((3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)メチル)メタンスルホンアミドの合成
3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)イソニコチンアルデヒド(128mg、0.5mmol)、トリフルオロメタンスルホンアミド(94mg、0.63mmol)、酢酸(60.5mg、1mmol)および4Åモレキュラー・シーブの1,2−ジクロロペンタン(entane)(2mL)中の混合物を、窒素下、70℃で6時間加熱した。懸濁液を室温に冷却し、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(過剰量)を添加した。反応混合物をさらに室温でさらに15時間撹拌した。この混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。フィルターケーキをさらに30mLのジクロロメタンで徹底的に洗浄した。合わせた濾液をNaHCO
3(飽和溶液)で洗浄した。水性相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。有機相を合わせ、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(0−100%酢酸エチルのヘプタン溶液、v/v)で精製して、43mgの1,1,1−トリフルオロ−N−((3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)メチル)メタン−スルホンアミドを無色固体、ESI-MS m/z: 388.0 [M+1]
+, 保持時間1.19分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz): δ 3.43 (s, 3H), 4.41 (s, 2H), 7.12 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.21 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.60 (d, J = 8.2 Hz, 1H);および5−(4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン37mgを帯ピンク色固体、ESI-MS m/z: 257.0 [M+1]
+, 保持時間0.84分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz): δ 3.3 (s, 3H), 4.41 (s, 2H), 7.12 (dd, J = 1.76, 8.2 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 1.56 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.60 (d, J = 5.2 Hz, 1H)として得た。
実施例7:5−(4−(1−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:1−(3−ブロモ−ピリジン−4−イル)−エタノールの合成
メチルマグネシウムブロマイド(10.00ml、30.0mmol)の溶液を、3−ブロモ−ピリジン−4−カルバルデヒド(1.860g、10.00mmol)のTHF(30mL)溶液に、−78℃で滴下した。得られた混合物を3時間かけて0℃までゆっくり温めた。反応を飽和NH
4Cl溶液の添加によりクエンチした。酢酸エチル(50mL×4)で抽出後、合わせた抽出物をNa
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、油状残留物を得て、それは静置後固体に変わった(2.1g)。
1H NMR (400.3 MHz, CDCl
3): δ 0.23 (d, J = 8 Hz, 3H), 3.91 (m, 1H), 6.29 (d, J = 4 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 4 Hz, 1H), 7.37 (s, 1H)。
工程2:3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
5−ブロモ−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(6.25g、27.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(7.66g、30.1mmol)、酢酸カリウム(5.38g、54.8mmol)およびPdCl
2(dppf).CH
2Cl
2(1.12g、1.37mmol)の無水1,4−ジオキサン(80mL)中の懸濁液を、窒素下、80℃で5時間加熱した。濃縮後、残留物をCH
2Cl
2(80mL)で処理し、濾過した。溶媒を真空で除去した。残留物をフラッシュカラム(酢酸エチルのヘプタン溶液、v/v、0−100%)で精製して、無色固体を得た(5.2g)。
1H NMR (400.3 MHz, CDCl
3): δ 1.37 (s, 12H), 3.43 (s, 3H), 7.21 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.63 (dd, J = 8, 1 Hz, 1H)。
工程3:5−(4−(1−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
1−(3−ブロモ−ピリジン−4−イル)−エタノール(240mg、1.188mmol)、3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(327mg、1.188mmol)、パラジウムテトラキス(270mg、0.030mmol)、炭酸ナトリウム(水中2M、0.594ml、1.188mmol)の1,4−ジオキサン(2ml)中の混合物を、マイクロ波で、1時間100℃で加熱した。濾過後、Na
2SO
4で乾燥させ、再び濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュカラム(CH
2Cl
2−MeOH、v/v、1%−4.5%)で精製して、油状物を得て、それを続いてキラルHPLC(エタノール−ヘプタン、v/v、20%、ChiralPak OD-Hカラム)で、ピーク1(鏡像体1、保持時間9.21分)および第二ピーク(鏡像体2、保持時間11.31分)に精製した。ESI-MS m/z: 271.2 [M+1]
+, 保持時間0.93分;
1H NMR (400.3 MHz, MeOD): δ 1.32 (d, J = 6.4Hz, 3H), 3.47 (s, 3H), 4.97 (q, J = 6.4 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 2.0Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.59 (d, J = 5.6 Hz, 1H)。
実施例8:5−(4−((4−フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:(3−ブロモ−ピリジン−4−イル)−(4−フルオロ−フェニル)−メタノールの合成
4−フルオロマグネシウムブロマイド(エーテル中2M、6.3mL、12.6mmol)の溶液を、3−ブロモ−ピリジン−4−カルバルデヒド(931mg、5mmol)のTHF(15mL)溶液に−45℃で滴下した。得られた混合物をこの温度でさらに2時間撹拌した。反応を飽和NH
4Cl溶液の添加によりクエンチした。酢酸エチル(75mL×3)で抽出後、合わせた抽出物をNa
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、黄色固体を得た。(893mg)。ESI-MS m/z: 284.0 [M+1]
+, 保持時間1.17分;
工程2:5−(4−((4−フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
実施例7に類似する方法をここで使用した。ESI-MS m/z: 251.0 [M+1]
+, 保持時間1.17分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 3.35 (s, 3H), 5.48 (d, J = 1.68 HZ, 1H), 5.83 (brs, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.90-7.01 (m, 5H), 7.27 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.59 (d, J = 5.2 Hz, 1H)。鏡像体をキラルHPLC(エタノール−ヘプタン、v/v、20%、ChiralPak OD-Hカラム)で分割した:ピーク1(鏡像体1、保持時間8.91分)および第二ピーク(鏡像体2、保持時間11.77分)。
実施例9:5−[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−3−イル]−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン
工程1:1−(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−エタノールの合成
上記化合物を、実施例7、工程1に記載する方法を使用して合成した。
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 1.45 (d, J = 6.48 Hz, 3H), 4.88 (q, J = 6.48 Hz, 1H), 7.86 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.41 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.47 (d, J = 2 Hz, 1H)。
工程2:5−[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−3−イル]−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
上記化合物を、実施例7に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。ESI−MS m/z:271.2 [M+1]
+、保持時間0.94分;
1H NMR (DMSO-d6, 400.342 MHz) δ 1.43 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 3.42 (s, 3H), 4.87 (q, J = 4.5 Hz, 1H), 5.39 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.43-7.50 (m, 2H), 7.67 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.03 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.55 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.79 (d, J = 2 Hz, 1H)。鏡像体をキラルHPLC(10%エタノールの超臨界二酸化炭素溶液、v/v、ChiralPak AD-Hカラム)で分割した:ピーク1(鏡像体1、保持時間11.61分)および第二ピーク(鏡像体2、保持時間13.26分)。
実施例10:5−{5−[(ベンジル−エチル−アミノ)−メチル]−ピリジン−3−イル}−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン
工程1:5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒドの合成
5−ブロモ−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(684mg、3mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒド(699.2mg、3mmol)、ポリマー支持パラジウムテトラキス(0.11mmol/g、682mg、0.075mmol)、Na
2CO
3(eater中2M、3mL、6mmol)のDME(6mL)中の混合物を一夜加熱還流した。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラムで精製して、黄色固体を得た。ESI-MS m/z: 255.0 [M+1]
+, 保持時間1.03分間。
工程2:5−[5−(ベンジルアミノ−メチル)−ピリジン−3−イル]−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒド(100mg、0.39mmol)、ベンジルアミン(46.4mg、0.43mmol)、酢酸(50μL)およびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(250mg、1.18mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中の混合物を、室温で2時間撹拌した。この混合物をNaHCO
3(飽和溶液)でクエンチし、CH
2Cl
2(20mL×3)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物を黄色固体として得た。ESI-MS m/z: 346.1 [M+1]
+, 保持時間1.11分間。
工程3:5−{5−[(ベンジル−エチル−アミノ)−メチル]−ピリジン−3−イル}−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
5−[5−(ベンジルアミノ−メチル)−ピリジン−3−イル]−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(工程2からの粗製物、〜0.39mmol)およびPd(OH)
2(20mg、10%)のエタノール(10mL)および酢酸(0.5mL)中の混合物を、1気圧のH
2下、室温で48時間撹拌した。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、0−5%)で精製して、黄色固体を得た(3mg)。ESI-MS m/z: 387.9 [M+1]
+, 保持時間1.45分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 1.48 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 3.05 (s, 2H), 3.48 (s, 3H), 4.23 (s, 2H), 4.05-4.27 (m, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.40-7.43 (m, 3H), 7.62-7.64 (m, 2H), 7.83 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.85 (d, J = 1.84 Hz, 1H), 9.21 (s, 1H)。
実施例11:6−フルオロ−5−(5−ヒドロキシメチル−ピリジン−3−イル)−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン
工程1:6−フルオロ−3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
上記化合物を、実施例7、工程2に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。ESI-MS m/z: 294.0 [M+1]
+, 保持時間1.38分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 1.37 (s, 12H), 3.40 (s, 3H), 6.95 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H)。
工程2:6−フルオロ−5−(5−ヒドロキシメチル−ピリジン−3−イル)−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
6−フルオロ−3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(352mg、1.2mmol)、(5−ブロモピリジン−3−イル)メタノール(188mg、1mmol)、Na
2CO
3(水中2M、1mL、2mmol)、ポリマー(polyme)結合Pd(PPh
3)
4(642mg、0.07mmol)のDME(4mL)中の混合物を、マイクロ波で、1.25時間100℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、混合物をCH
3OH/CH
2Cl
2(1:1、50mL)で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。セライトパットをさらにCH
2Cl
2/CH
3OH(50mL)で洗浄した。濃縮後、残留物をフラッシュカラム(0−10%、v/v、CH
3OHのCH
2Cl
2溶液)で精製し、121.9mgの所望の生成物を白色固体として得た。ESI-MS m/z: 274.9 [M+1]
+, 保持時間0.93分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 3.44 (s, 3H), 4.74 (s, 2H), 7.30 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.64 (s, 1H)。
実施例12:6−フルオロ−5−[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−3−イル]−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン
表題化合物を、実施例11に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。ESI-MS m/z: 289.3 [M+1]
+, 保持時間0.68分;
1H NMR (d6-DMSO, 400.342 MHz) δ 2.50 (d, J = 3.36 Hz, 3H), 3.35 (s, 3H), 4.62 (m, 1H), 7.32 (d, J = 6.37 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 5 Hz, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.62 (d, J = 5 Hz, 1H)。鏡像体をキラルHPLC(エタノール−ヘプタン、v/v、20%、ChiralPak OD-Hカラム)で分割した:ピーク1(鏡像体1、保持時間10.39分)および第二ピーク(鏡像体2、保持時間14.63分)。
実施例13:5−(5−(シクロプロピル(ヒドロキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
表題化合物を、実施例11に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。ESI-MS m/z: 297.0 [M+1]
+, 保持時間1.05分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 0.49-0.72 (m, 4H), 1.18-1.26 (m, 1H), 3.47 (s, 3H), 4.13 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 8.3, 2 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.15 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.58 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.72 (d, J = 2 Hz, 1H)。鏡像体をキラルHPLC(エタノール−ヘプタン、v/v、40%、ChiralPak IA-Hカラム)で分割した:ピーク1(鏡像体1、保持時間16.37分)および第二ピーク(鏡像体2、保持時間18.22分)。
実施例14:5−(5−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:2−(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−プロパン−2−オールの合成
メチルマグネシウムクロライド(3M、5mL、15mmol)の溶液を、5−ブロモニコチノイルクロライド(661mg、3mmol)の乾燥THF(15mL)溶液に−60℃で滴下した。得られた混合物を−60乃至−50℃で4時間撹拌した。反応混合物をNH
4Cl飽和溶液でクエンチし、酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機相を塩水(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、薄黄色固体を得た。ESI-MS m/z: 218.2 [M+1]
+, 保持時間0.97分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 1.56 (s, 6H), 8.04 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.51 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.64 (d, J = 2 Hz, 1H)。
工程2:5−(5−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
上記化合物を、実施例11に記載の鈴木カップリング条件を使用して合成した。ESI-MS m/z: 285.2 [M+1]
+, 保持時間1.01分;
1H NMR (DMSO-d6, 400.342 MHz) δ 1.53 (s, 6H), 3.42 (s, 3H), 7.7.44 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.69 (d, J = 2Hz, 1H), 8.76 (d, J = 2 Hz, 1H)。
実施例15:5−(5−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
表題化合物を、実施例11に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。ESI-MS m/z: 257.1 [M+1]
+, 保持時間0.90分;
1H NMR (DMSO-d6, 400.342 MHz) δ 3.42 (s, 3H), 4.63 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 5.40 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 8.53 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.81 (d, J = 2Hz, 1H)。
実施例16:6−クロロ−5−(5−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:5−ブロモ−4−クロロ−2−ヒドロキシベンズアミドの合成
アンモニア(50.0ml、100mmol)中のメチル5−ブロモ−4−クロロ−2−ヒドロキシベンゾエート(2.655g、10.00mmol)のMeOH中の混合物を65℃で72時間加熱した。濃縮後、表題生成物を固体として得た(2.53g)。ESI-MS m/z: 252.1 [M+1]
+, 保持時間1.19分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 7.15 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 12.2 (brs, 1H)。
工程2:5−ブロモ−6−クロロベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
ヨードベンゼンジアセテート(1.610g、5.00mmol)を、3回に分けて、5−ブロモ−4−クロロ−2−ヒドロキシベンズアミド(1.252g、5mmol)および水酸化カリウム(0.561g、10.00mmol)のMeOH(20mL)溶液に0℃で添加した。得られた混合物をこの温度で1.5時間撹拌した。HCl(水中1M)を添加して、pHを〜7に調節した。溶液を濃縮し、ヘプタン(10mL)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、濾過した。固体を水(5mL)で洗浄し、回収し、真空で乾燥させて、表題化合物(1.15g)を固体として得た。ESI-MS m/z: 249.9 [M+1]
+, 保持時間1.23分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 7.31 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 8.20 (brs, 1H)。
工程3:5−ブロモ−6−クロロ−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
ヨードメタン(0.579mL、9.26mmol)を、5−ブロモ−6−クロロベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン(1.15g、4.63mmol)、炭酸カリウム(1.599g、11.57mmol)のDMSO(5mL)中の混合物に室温で添加した。得られた混合物をその温度で18時間撹拌した。酢酸エチル(40mL)を添加し、混合物を30分間撹拌し、濾過した。溶液を水(10mL)、塩水(15mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、薄白色固体を得た(1.1g)。
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 3.38 (s, 3H), 7.11 (s, 1H), 7.33 (s, 1H)。
工程4:6−クロロ−3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
5−ブロモ−6−クロロ−3−メチル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(1g、3.81mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](0.967g、3.81mmol)、酢酸カリウム(0.748g、7.62mmol)およびPdCl
2(dppf).CH
2Cl
2付加物(0.156g、0.190mmol)の1,4−ジオキサン(10mL、乾燥)中の混合物を80℃で4時間加熱した。この混合物を濃縮し、残留物をフラッシュカラム(酢酸エチル−ヘプタン、v/v、10%−20%)で精製して、無色固体を得た(460mg)。ESI-MS m/z: 310.3 [M+1]
+, 保持時間1.47分;
1H NMR (400.3 MHz, CDCl
3): δ 1.55 (s, 12H), 3.57 (s, 3H), 7.40 (s, 1H), 7.43 (s, 1H)。
工程5:6−クロロ−5−(5−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
6−クロロ−3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(60mg、0.194mmol)、(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−メタノール(36.4mg、0.194mmol)、ポリマー結合Pd(PPh
3)
4(44.1mg、4.85μmol)のDME(5mL)中の混合物を100℃で4時間加熱した。Na
2SO
4のパッドを通す濾過後、溶液を濃縮し、残留物をカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、1%−2.5%−4.0%)で精製して、無色固体を得た(25mg)。
1H NMR (400.3 MHz, CDCl
3): δ 3.35 (s, 3H), 4.77 (s, 2H), 6.85 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.57 (s, 1H). HRMS (ESI): C
14H
11ClN
2O
3の計算値: 290.04582. 実測値: 290.04666。
実施例17:5−(4−アセチルピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
1−(3−ブロモピリジン−4−イル)エタノン(50mg、0.250mmol)、3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン(68.8mg、0.250mmol)、ポリマー結合パラジウムテトラキス(56.8mg、6.25μmol)および炭酸ナトリウム(250μl、0.500mmol)のトルエン(1mL)およびエタノール(1mL)中の混合物を、マイクロ波で90℃で45分間加熱した。Na
2SO
4のパッドを通す濾過後、溶媒を真空で除去した。残留物をフラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、1%−1.5%)で精製して、無色固体を得た(37mg)。ESI-MS m/z: 269.0 [M+1]
+, 保持時間1.03分;
1H NMR (400.3 MHz, CDCl
3): δ 2.13 (s, 3H), 3.44 (s, 3H), 6.95 (d, J = 1.48 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 8.2, 1.68 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 5 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.73 (d, J = 5 Hz, 1H)。
実施例18:5−(5−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:2−(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−エタノールの合成
ジボラン−THF複合体(THF中1.0M、7.5mL、7.5mmol)の溶液を、5−ブロモ−3−ピリジニル酢酸(1080mg、5mmol)の乾燥THF溶液に0℃で滴下した。得られた混合物を室温に温めた。15時間後、反応混合物を0℃に冷却し、水(10mL)を滴下した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラムで精製して、表題化合物を無色固体として得た。(241mg)。
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 2.89 (t, J = 6 Hz, 2H), 3.92 (t, J = 6 Hz, 3H), 7.99 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.60 (s, 1H)。
工程2:5−(5−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
上記化合物を、実施例11に記載の鈴木カップリング条件を使用して合成した。ESI-MS m/z: 271.2 [M+1]
+, 保持時間0.92分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 2.85 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.47 (s, 3H), 3.86 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 8.42 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.67 (d, J = 2 Hz, 1H)。
実施例19:3−メチル−5−(5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:1−(5−ブロモピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノールの合成
テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(THF中1.0M、0.225mL、0.225mmol)を、5−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(558mg、3mmol)およびトリフルオロメチル)トリメチルシラン(THF中2.0M、1.8mL、3.6mmol)のTHF(6mL)溶液に5℃で滴下した。得られた薄褐色反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物をHCl(6M)でクエンチした。この混合物をNaHCO
3で中和し、酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。有機相を塩水で洗浄し(30mL)、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、表題生成物を固体として得た(498mg)。ESI-MS m/z: 257.9 [M+1]
+, 保持時間1.13分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 4.87-4.92 (m, 1H), 7.87 (s, 1H), 8.44 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 2 Hz, 1H)。
工程2:3−メチル−5−(5−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
表題化合物を、実施例7に記載する鈴木カップリングを使用して合成した。ESI-MS m/z: 224.9 [M+1]
+, 保持時間1.14分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 3.47 (s, 3H), 5.27-5.30 (m, 1H), 7.38 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 8.2, 1.56 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.85 (s, 1H)。
実施例20:N−(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンスルホンアミド
工程1:シクロプロパンスルホン酸(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−アミドの合成
シクロプロパンスルホニルクロライドを、5−ブロモ−ピリジン−3−イルアミン(346mg、2mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(25mg、0.205mmol)およびトリエチルアミン(0.558mL、4mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液に、室温で窒素下滴下した。反応物をその温度で15時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、得られた溶液を飽和NaHCO
3溶液(25mL)で洗浄した。水性相を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(0−10%CH
3OHのCH
2Cl
2溶液、v/v)で精製して、248mgの所望の生成物を白色固体として得た。ESI-MS m/z: 278.9 [M+1]
+, 保持時間1.02分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 1.00-1.10 (m, 4H), 2.63-2.69 (m, 1H), 3.31 (s, 1H), 7.94 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.40 (d, J = 2 Hz, 1H)。
工程2:N−(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンスルホンアミドの合成
上記化合物を実施例7に記載する鈴木カップリング条件を使用して合成した。ESI-MS m/z: 346.0 [M+1]
+, 保持時間1.06分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 0.99-1.11 (m, 4H), 2.65-2.71 (m, 1H), 3.47 (s, 3H), 7.37 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.99 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.44 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 2 Hz, 1H)。
実施例21:N−メチル−N−(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンスルホンアミド
ヨードメタン(55.4mg、0.39mmol)を、N−(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)シクロプロパンスルホンアミド(104mg、0.3mmol)、炭酸カリウム(207mg、1.5mmol)のDMF(1.5mL)懸濁液に室温で滴下した。得られた混合物をこの温度で4時間撹拌した。この混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。水性層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた抽出物をNaHCO
3溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をエーテルで処理し、濾過して、薄青色固体を得た(30mg). ESI-MS m/z: 360.1 [M+1]
+, 保持時間1.15分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 0.96-1.03 (m, 4H), 2.65-2.72 (m, 1H), 3.47 (s, 3H), 7.38 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.52 (s, 1H), 8.18 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.64 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.76 (s, 1H)。
実施例22:N−(5−(6−フルオロ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)エタンスルホンアミド
工程1:4−ブロモ−5−フルオロ−2−ニトロ−フェノールの合成
硝酸鉄(III)九水和物(4.19g、10.26mmol)を、4−ブロモ−2−フルオロフェノール(10.0g、51.3mmol)のTHF(150mL)溶液に添加した。溶液を0℃に冷却し、硝酸(12.93g、205mmol)を添加した。添加終了時、冷却浴を除いた。TLC分析は一夜撹拌後一部の変換を示したため、温度を45℃に上げた。さらに7時間完全な変換観察された。この混合物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、水(4回200mL)および塩水(200mL)で洗浄した。有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、4−ブロモ−5−フルオロ−2−ニトロ−フェノールを得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 6.96 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 8.40 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 10.69 (d, J = 1.5 Hz, 1 H)。
工程2:2−アミノ−4−ブロモ−5−フルオロフェノールの合成
塩化スズ(II)二水和物(16.83g、74.6mmol)を、4−ブロモ−5−フルオロ−2−ニトロフェノール(4.4g、18.64mmol)のエタノール(180mL)溶液に添加した。この混合物を窒素でフラッシュし、85℃(油浴温度)で1日間加熱した。この混合物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、飽和水性重炭酸ナトリウム(200mL)を激しく撹拌しながら添加した。この混合物をセライトを通して濾過し、セライトパッドを酢酸エチルで繰り返し洗浄した。2相を分離し、有機相を塩水で洗浄した。合わせた水性相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2−アミノ−4−ブロモ−5−フルオロフェノールを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 4.61 (br. s., 2 H) 6.60 (d, J = 10.11 Hz, 1 H) 6.76 (d, J = 7.33 Hz, 1 H) 9.69 (br. s., 1 H)。
工程3:5−ブロモ−6−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
フラスコに2−アミノ−4−ブロモ−5−フルオロフェノール(3.3g、18.84mmol)およびTHF(200mL)およびCDI(3.05g、18.84mmol)を添加した。この混合物を60℃で2時間加熱した。この混合物をEtOAcで希釈し、1N HClの水溶液で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、5−ブロモ−6−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.38 (d, J = 6.06 Hz, 1 H) 7.56 (d, J = 8.34 Hz, 1 H) 11.88 (br. s., 1 H)。
工程4:5−ブロモ−6−フルオロ−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
フラスコに5−ブロモ−6−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン(3.6g、14.74mmol)およびDMSO(150mL)およびMeI(4.18g、29.5mmol)および炭酸カリウム(5.09g、36.9mmol)を添加した。この混合物を室温で一夜撹拌した。この混合物を水(1.2L)に注ぎ、沈殿を濾過し、水で洗浄し、高真空下60℃で1時間乾燥させて、5−ブロモ−6−フルオロ−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 3.32 (s, 3 H) 7.62 (d, J = 8.34 Hz, 1 H) 7.70 (d, J = 6.06 Hz, 1 H)。
工程5:6−フルオロ−3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
フラスコに5−ブロモ−6−フルオロ−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン(246mg、1.0mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(381mg、1.5mmol)および酢酸カリウム(294mg、3.0mmol)および1,4−ジオキサン(10mL)を添加した。この混合物をN
2で5分間フラッシュした。PdCl
2(dppf).CH
2Cl
2(37mg、0.050mmol)を添加した。この混合物を90℃で一夜撹拌した。混合物を室温に冷却し、シリカゲル(5g)を添加した。懸濁液を濃縮し、残留物を0〜40%EtOAc−ヘプタン勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーで精製して、6−フルオロ−3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンを得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.38 (s, 12 H) 3.42 (s, 3 H) 6.97 (d, J = 8.08 Hz, 1 H) 7.26 (d, J = 8.08 Hz , 1 H)。
工程6:N−(5−ブロモピリジン−3−イル)エタンスルホンアミドの合成
5−ブロモピリジン−3−アミン(1.73g、10mmol)およびトリエチルアミン(4.05g、40mmol)のDCM(100mL)溶液に、エタンスルホニルクロライド(3.86g、30mmol)のDCM(20mL)溶液を0℃で添加した。この混合物を0℃で1時間撹拌した。1N NaOH水溶液(10mL)およびメタノール(20mL)を添加し、混合物を真空で濃縮した。シリカゲル(20g)およびDCM(100mL)を添加し、混合物を真空で濃縮した。残留物を0〜5%MeOH−DCM勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーで精製して、N−(5−ブロモピリジン−3−イル)エタンスルホンアミドを得た。ESI-MS: m/z 265.2, 267.2 (M+H)
+。
工程7:N−(5−(6−フルオロ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)エタンスルホンアミドの合成
フラスコに6−フルオロ−3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン(220mg、0.751mmol)、N−(5−ブロモピリジン−3−イル)エタンスルホンアミド(133mg、0.5mmol)、K
3PO
4(212mg、1.0mmol)およびPd(PPh
3)
4(28.9mg、0.025mmol)を入れた。フラスコをN
2でフラッシュし、DMF(5mL)を添加した。この混合物をN
2下、100℃で1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。セライトパッドをEtOAc(100mL)で洗浄し、合わせた有機相を水(50mL×2)および塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮した。残留物を0〜80%EtOAc−ヘプタン勾配で溶出するシリカクロマトグラフィーで精製して、N−(5−(6−フルオロ−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)エタンスルホンアミドを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d ppm 1.23 (t, J = 7.33 Hz, 3 H) 3.21 (q, J = 7.33 Hz, 2 H) 3.38 (s, 3 H) 7.53 (d, J = 6.57 Hz, 1 H) 7.58 (d, J = 10.11 Hz, 1 H) 7.79 (q, J = 1.85 Hz, 1 H) 8.47 (d, J = 2.27 Hz, 1 H) 8.49 (t, J = 1.52 Hz, 1 H) 10.20 (s, 1 H). HRMS: (ESI)m/z 352.0769 [(M+H)
+ C
15H
15FN
3O
4S計算値352.07618]。
実施例23:N−((5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド
5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−3−カルバルデヒド(51mg、0.2mmol)、エタンスルホンアミド(33mg、0.3mmol)、Ti(OiPr)
4(118μL、114mg、0.4mmol)のトルエン(5mL)中の混合物を一夜加熱還流した。濃縮後、残留物をCH
2Cl
2(5mL)に溶解した。NaBH(OAc)
3(127mg、0.6mmol)を室温で添加した。得られた混合物を4時間、この温度で撹拌した。飽和NaHCO
3溶液を添加し、混合物をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、1−3.5%)で精製して、表題生成物を得た(50mg)。ESI-MS m/z: 348.0 [M+1]
+, 保持時間1.01分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 1.40 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 3.07 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 3.48 (s, 3H), 4.42 (d, J = 6 Hz, 2H), 4.60 (t, J = 6 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.31 (s, 2H), 7.92 (s, 1H), 8.57 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 8.77 (d, J = 1.4 Hz, 1H)。
実施例24:1,1,1−トリフルオロ−N−((5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)メタンスルホンアミド
表題化合物を、実施例23に記載する還元的アミノ化法を使用して合成した。ESI-MS m/z: 387.9 [M+1]
+, 保持時間1.12分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342 MHz) δ 3.41 (s, 3H), 4.51 (s, 2H), 7.06 (s, 1H), 7.24 (s, 2H), 7.81 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.74 (s, 1H)。
実施例25:2,2,2−トリフルオロ−N−((5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド
表題化合物を実施例20に記載する方法を使用して合成した。ESI-MS m/z: 388.0 [M+1]
+, 保持時間1.10分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 3.47 (s, 3H), 4.34 (q, J = 9.4 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.98 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.43 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.64 (d, J = 2 Hz, 1H)。
実施例26:N−(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)エタンスルホンアミド
表題化合物を実施例20に記載する方法を使用して合成した。ESI-MS m/z: 388.0 [M+1]
+, 保持時間1.10分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 3.47 (s, 3H), 4.34 (q, J = 9.4 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.98 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.43 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.64 (d, J = 2 Hz, 1H)。
実施例27:N−(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)プロパン−2−スルホンアミド
表題化合物を実施例20に記載する方法を使用して合成した。ESI-MS m/z: 334.0 [M+1]
+, 保持時間1.03分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 1.56 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 3.21 (q, J = 7.3 Hz, 1H), 3.47 (s, 3H), 7.37 (s, 1H), 7.41 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.95 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.57 (s, 1H)。
実施例28:N−(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)プロパン−1−スルホンアミド
表題化合物を実施例20に記載する方法を使用して合成した。ESI-MS m/z: 348.1[M+1]
+, 保持時間1.11分;
1H NMR (CD2Cl
2, 400.342 MHz) δ 0.96 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.73-1.83 (m, 2H), 2.98-3.07 (m, 2H), 3.36 (s, 3H), 7.10 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.55 (s, 1H)。
実施例29:5−(5−(1−アミノ−2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:N−(1−(5−ブロモピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドの合成
3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−4−カルバルデヒド(730mg、3.92mmol)および2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸アミド(523mg、4.32mmol)およびチタンイソプロポキシド(4.7mL、15.7mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を、室温で一夜撹拌した。塩水(8mL)を添加し、沈殿を除去し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物およびTBAT(2.32g、4.3mmol)をTHF(75mL)に溶解し、−50℃に冷却した。TMSCF
3(THF中2M、2.344mL、4.69mmol)を滴下し、得られた混合物を−50℃で1.5時間撹拌した。反応を飽和NH
4Cl溶液でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、0−10%)で精製して、無色固体を得た(340mg)。
1H NMR (DMSO-d6, 400.342 MHz) δ 1.16 (s, 9H), 5.51 (m, 1H), 6.57 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 8.39 (t, J = 2 Hz, 1H), 8.77 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.80 (d, J = 2 Hz, 1H)。
工程2:1−(5−ブロモピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエタナミンの合成
HCI(ジオキサン中4M、0.557m、2.23mmol)溶液を、N−(1−(5−ブロモピリジン−3−イル)−2,2,2−トリフルオロエチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(400mg、1.114mmol)のMeOH(2.5mL)溶液に室温で添加した。得られた混合物をその温度で一夜撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を飽和NaHCO
3溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、表題化合物を得た(230mg)。ESI-MS m/z: 256.9 [M+1]
+; 保持時間1.02分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 4.61 (q, J = 7.7 Hz, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.62 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.67 (d, J = 2Hz, 1H)。
工程3:5−(5−(1−アミノ−2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
表題化合物を実施例7に記載する鈴木法を使用して合成した。ESI-MS m/z: 324.0 [M+1]
+; 保持時間1.08分;
1H NMR (MeOD, 400.342 MHz) δ 3.48 (s, 3H), 4.68 (q, J = 7.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8 z, 1H), 7.48 (dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.64 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.86 (d, J = 2 Hz, 1H)。
実施例30:N−(シクロプロピル(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミド
工程1:N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタン−スルホンアミドの合成
5−ブロモニコチンアルデヒド(1.860g、10mmol)、エタンスルホンアミド(1.091g、10.00mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(5.86ml、20.00mmol)のトルエン(20mL)中の混合物を2時間加熱還流した。濃縮後、残留物をTHF(25mL)に溶解し、−40℃に冷却した。シクロプロピルマグネシウムブロマイド(50.0ml、25.00mmol)溶液を滴下し、得られた混合物を−20℃までゆっくり温め、その温度で4時間撹拌した。NH
4Cl溶液でクエンチ、濾過、CH
2Cl
2での抽出後、溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、残留物をフラッシュカラム(酢酸エチル/ヘプタン、v/v、10%−35%)で精製して、表題化合物を得た(1.5g)。
1H NMR (400.3 MHz, CDCl
3): δ 0.2-0.3 (m, 1H), 0.4-0.5 (m, 1H), 0.5-0.6 (m, 1H), 0.6-0.7 (m, 1H), 1.0-1.1 (m, 1H), 1.1-1.2 (m, 3H), 2.55-2.75 (m, 2H), 3.6-3.7 (m, 1H), 4.51 (brd, J = 4.8 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.51 (s, 1H)。
工程2:N−(シクロプロピル(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミドの合成
3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(115mg、0.42mmol)、N−((5−ブロモピリジン−3−イル)(シクロプロピル)メチル)エタン−スルホンアミド(133mg、0.42mmol)、PdCl
2(dppf).CH
2Cl
2(34mg、0.04mmol)およびNa
2CO
3(水中2M、0.42mL、0.83mmol)のDMF(6mL)中の混合物を100℃で3時間加熱した。濃縮後、残留物をDCMで希釈し、濾過して、不溶性固体を除去した。濾液を濃縮し、フラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、0−4%)で精製して、N−(シクロプロピル(5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)メチル)エタンスルホンアミドを得た(87mg、54%);ESI-MS m/z: 388 [M+1]
+, 保持時間 = 1.35分;
1H-NMR (MeOD, 400 MHz) δ 8.80 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.62 (1H, d, J = 2.0Hz), 8.20 (1H, t, J = 2.0Hz), 7.54 (1H, d, J = 2.4Hz), 7.50 (1H, dd, J = 8.4, 2.4Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.4Hz), 3.95 (1H, d, J = 8.8Hz), 3.52 (3H, s), 3.05-2.92 (2H, m), 1.36-1.30 (1H, m), 1.30 (1H, t, J = 7.2Hz), 0.81-0.77 (1H, m), 0.66-0.62 (2H, m), 0.55-0.47 (1H, m)
実施例31:3−メチル−5−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
TBAFのTHF溶液(1M、0.02mL、0.02mmol)を、3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−4−カルバルデヒド(54mg、0.21mmol)および(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(0.2mL、0.42mmol)のTHF(0.8mL)中の混合物に、5℃で窒素下滴下した。5分間後、この温度で、TBAF(THF中1M、1mL、1mmol)を添加した。得られた溶液を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、残留物をPTLC(10%MeOHのDCM溶液、v/v)で精製して、3−メチル−5−[4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−3−イル]−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンを得た。(13mg、19%);ESI-MS m/z: 325 [M+1]
+, 保持時間1.53分;
1H-NMR (MeOD, 400 MHz) δ 8.65 (1H, d, J = 5.6Hz), 8.50 (1H, s), 7.79 (1H, d, J = 5.6Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.0Hz), 7.17 (1H, d, J = 1.6Hz), 7.12 (1H, dd, J = 8.0, 1.6Hz), 5.16 (1H, q, J = 6.8Hz), 3.43 (3H, s)。
実施例32:5−(4−(シクロプロピル(ヒドロキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
シクロプロピルマグネシウムブロマイド(THF中0.5M、3.5mL、1.8mmol)を、3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−4−カルバルデヒド(150mg、0.58mmol)のTHF(1.6mL)溶液に、−36℃で滴下した。得られた混合物をその温度で3時間撹拌し、反応を飽和NH
4Cl溶液の添加によりクエンチした。この混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH/DCM、v/v、0−4%)で精製して、表題化合物を得た(67mg、39%);ESI-MS m/z: 297.2 [M+1]
+, 保持時間1.00分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342MHz) δ ppm -0.27-0 (m, 1H), 0.36-0.45 (m, 2H), 0.52-0.57 (m, 1H), 0.96-1.02 (m, 1H), 3.47 (s, 3H), 4.52 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 8, 1.6 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 6 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.63 (d, J = 6 Hz, 1H)。
実施例33:5−(4−(1−ヒドロキシプロピル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
エチルマグネシウムブロマイド(THF中3M、0.295mL、0.885mmol)を、3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−4−カルバルデヒド(75mg、0.295mmol)のTHF(2mL)溶液に−36℃で滴下した。得られた混合物をその温度で3時間撹拌し、反応を飽和NH
4Cl溶液の添加によりクエンチした。この混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物を逆相クロマトグラフィー(10%−100%、v/v、ACN−水)で精製して、6mgの所望の生成物を得た。ESI-MS m/z: 285.1 [M+1]
+, 保持時間1.00分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342MHz) δ ppm 0.74 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.47-1.53 (m, 2H), 3.40 (s, 3H), 4.93 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 8.1, 1.2 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.25 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 5 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.52 (d, J = 5 Hz, 1H)。
実施例34:3−メチル−5−(4−(オキセタン−2−イル)ピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:3−ブロモ−4−オキシラニル−ピリジンの合成
スルホニウム塩(7.39g、33.6mmol)のDMSO(40mL)溶液に、水素化ナトリウム(油中60%、1.236g、30.9mmol)を室温で添加した。15分間撹拌後、3−ブロモ−ピリジン−4−カルバルデヒド(930mg、5mmol)のDMSO(20mL)溶液を、この温度でゆっくり添加した。添加後、得られた混合物をさらに30分撹拌し、塩水でクエンチした。この混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、表題化合物を得た(200mg)。
工程2:3−ブロモ−4−オキセタン−2−イル−ピリジンの合成
カリウムtert−ブトキシド(561mg、5mmol)を、スルホニウム塩(1100mg、5mmol)のt−BuOH(20mL)溶液に、室温で添加した。15分間後、3−ブロモ−4−オキシラニル−ピリジン(200mg、上で得た)のDMSO(10mL)溶液を、50℃で滴下した。得られた混合物を50℃で15時間撹拌した。反応混合物を塩水でクエンチし、得られた混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラムで精製して、表題化合物を得た(96mg)。ESI-MS m/z: 216.1 [M+1]
+, 保持時間1.01分;
1H NMR (CDCl
3, 400.342MHz) δ ppm 2.50-2.59 (m, 1H), 3.31-3.39 (m, 1H), 4.65-4.70 (m, 1H), 4.87-4.92 (m, 1H), 5.91 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.68 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.73 (s, 1H)。
工程3:3−メチル−5−(4−(オキセタン−2−イル)ピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(123mg、0.44mmol)、3−ブロモ−4−オキセタン−2−イル−ピリジン(96mg、0.44mmol)、Na
2CO
3(水中2M、0.67mL、1.35mmol)およびPdCl
2(PPh
3)
2(16mg、0.02mmol)のDMF(4mL)中の混合物を100℃で3時間加熱した。濃縮後、得られた残留物を、DCMおよび飽和NH
4Cl溶液で希釈した。濾過後、濾液を濃縮し、残留物をフラッシュカラム(MeOH/CH
2Cl
2、v/v、0−3.5%)で精製して、表題化合物を得た(6mg、5%);ESI-MS m/z: 283 [M+1]
+, 保持時間1.03分;
1H NMR (MeOD, 400.342MHz) δ ppm 2.60-2.65 (m, 1H), 2.83-2.87 (m, 1H), 3.47 (s, 3H), 4.62-4.68 (m, 1H), 4.75-4.82 (m, 1H), 5.91 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.06 (dd, J = 8, 1.6 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.67 (d, J = 5.2 Hz, 1H)。
実施例35:5−(4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:2−(3−ブロモ−ピリジン−4−イル)−プロパン−2−オールの合成
メチルマグネシウムブロマイド(THF中3M溶液、1mL、3mmol)の溶液を、1−(3−ブロモ−ピリジン−4−イル)−エタノン(200mg、1mmol)のTHF(3mL)溶液に、−36℃で滴下した。添加後、得られた混合物をさらに30分間、この温度で撹拌し、0℃に温めた。反応を飽和NH
4Cl溶液の添加によりクエンチした。この混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を無水MgSO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、表題化合物を得た(217mg)。ESI-MS m/z: 218.0 [M+1]
+, 保持時間0.95分間。
工程2:5−(4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(304mg、1.1mmol)、2−(3−ブロモ−ピリジン−4−イル)−プロパン−2−オール(217mg、1.0mmol)、Na
2CO
3(水中2M、1.5mL、3.0mmol)およびPdCl
2(PPh
3)
2(56mg、0.08mmol)のDMF(6mL)中の混合物を100℃で4時間加熱した。濃縮後、残留物をDCMおよび飽和NH
4Cl溶液で希釈した。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、0−3.5%)で精製して、表題化合物を得た(1.4mg、0.5%);ESI-MS m/z: 285 [M+1]
+, 保持時間0.98分;
1H-NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 1.51 (s, 6H), 3.43 (s, 3H), 6.95 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.65 (d, J = 6.0 Hz, 1H)。
実施例36:5−(5−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:3−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−カルバルデヒドの合成
n−BuLi(ヘキサン中1.6M、2.250mL、3.60mmol)を、イソプロピルアミン(0.556mL、3.90mmol)のTHF(20mL)溶液に、−78℃で不活性ガス(N
2)下滴下した。得られた混合物を〜−50℃に温め、10分間撹拌し、−78℃に再冷却した。3−ブロモ−5−フルオロピリジン(528mg、3mmol)のTHF(5mL)溶液をこの温度で滴下した。反応混合物は、透明な明褐色から不均一な明褐色に変わった。30分間後、DMF(0.256mL、3.30mmol)を滴下し、得られた混合物を30分間撹拌した。反応をMeOH、続いてNH
4Cl(飽和溶液)でクエンチし、室温に温めた。濃縮後、残留物をCH
2Cl
2に溶解し、NaHCO
3(飽和溶液)で洗浄した。Na
2SO
4で乾燥後、濃縮し、残留物をカラム(ヘプタンからCH
2Cl
2)で精製して、僅かに黄色の結晶を得た(380mg)。
1H NMR (400.3MHz, CDCl
3): δ 8.58 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 10.33 (s, 1H)。
工程2:3−フルオロ−5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−4−カルバルデヒドの合成
3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(138mg、0.5mmol)、3−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−カルバルデヒド(102mg、0.5mmol)、Na
2CO
3(水中2M、0.75mL、1.5mmol)およびPdCl
2(PPh
3)
2(17mg、0.03mmol)のDMF(3mL)中の混合物を100℃で4時間加熱した。濃縮後、残留物をDCMおよび飽和NH
4Cl溶液で希釈した。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、0−1.5%)で精製して、表題化合物を得た(47mg、35%)。
1H NMR (400.3MHz, CDCl
3): δ 3.45 (s, 3H), 6.96 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 8, 1.7 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.68 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 10.07 (s, 1H)。
工程3:5−(5−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
水素化ホウ素ナトリウム(6.3mg、0.17mmol)を、3−フルオロ−5−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−4−カルバルデヒド(47mg、0.17mmol)のTHF(0.5mL)および水(0.1mL)中の溶液に0℃で添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。塩水を反応混合物に添加した。得られた混合物をDCMおよび水で希釈した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下濃縮した。残留物をフラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、0−3%)で精製し、表題化合物を得た(7mg、16%);ESI-MS m/z: 275 [M+1]
+, 保持時間0.92分;
1H NMR (MeOD, 400.3MHz) δ 3.44 (s, 3H), 4.59 (s, 2H), 7.32 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.48 (d, J = 1.2 Hz, 1H)。
実施例37:5−(4−(1−メトキシエチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
工程1:3−ブロモ−4−(1−メトキシ−エチル)−ピリジンの合成
水素化ナトリウム(鉱油中60%、148mg、3.71mmol)を、1−(3−ブロモピリジン−4−イル)エタノール(500mg、2.475mmol)のDMF(12mL)溶液に、0℃で添加した。10分間後、ヨードメタン(1.237mL、2.475mmol)を滴下し、得られた混合物を室温でさらに1時間撹拌した。反応を水でクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(酢酸エチル−ヘプタン、v/v、0−30%)で精製して、418mgの表題化合物を得た。
1H NMR (CDCl
3, 400.3MHz) δ 1.42 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 3.30 (s, 3H), 4.64 (q, J = 6.4 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.70 9s, 1H)。
工程2:5−(4−(1−メトキシエチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オンの合成
3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(255mg、0.93mmol)、3−ブロモ−4−(1−メトキシ−エチル)−ピリジン(200mg、0.93mmol)、Na
2CO
3(水中2M、1.6mL、0.8mmol)およびPdCl
2(PPh
3)
2(52mg、0.07mmol)のDMF(3mL)中の混合物を100℃で一夜加熱した。濃縮後、残留物をDCMおよび飽和NH
4Cl溶液で希釈した。濾過および抽出後、合わせた抽出物を無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過および濃縮後、残留物をフラッシュカラム(MeOH−CH
2Cl
2、v/v、0−1.5%)で精製して、題化合物を得た(182mg、69%)。ラセミ体を、キラルHPLC(ChiralPak, IA-Hカラム、40%EtOH/ヘプタン)で第一ピーク(鏡像体1、保持時間=10.90分)および第二ピーク(鏡像体2、保持時間=14.25分)に分けた。ESI-MS m/z: 285 [M+1]
+, 保持時間1.13分;
1H NMR (MeOD, 400MHz) δ 1.38 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 3.30 (s, 3H), 3.48 (s, 3H), 4.69 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 7.27 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.25 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.89 (d, J = 6.0 z, 1H)。
実施例38:5−(4−(1−アミノ−2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−3−イル)−3−メチルベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン
表題化合物を、実施例30に記載する方法を使用して合成した。鏡像体を、合成において市販の2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸アミドのいずれかの鏡像体を用いて得た。ESI-MS m/z: 324 [M+1]
+, 保持時間1.13分;
1H-NMR (MeOD, 400MHz) δ 3.43 (s, 3H), 4.57 (q, J = 7.6 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.63 (d, J = 5.2 Hz, 1H)。
実施例39:エタンスルホン酸[5−(2−オキソ−3−プロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド
工程1:5−ブロモ−3−プロピル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
100mL丸底フラスコに5−ブロモ−2−ベンズオキサゾリノン(0.750g、3.50mmol)、n−プロピルアイオダイド(0.684mL、7.01mmol)、炭酸カリウム(1.211g、8.76mmol)およびジオキサン(5mL)を入れた。反応混合物を、室温で一夜撹拌した。反応を水でクエンチした。無色沈殿を濾過により回収し、5−ブロモ−3−プロピル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンを得た。ESI-MS: m/z 258.2(M+H)
+
工程2:3−プロピル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンの合成
100mL丸底フラスコに5−ブロモ−3−プロピル−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(716mg、2.80mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(785mg、3.09mmol)およびジオキサン(15mL)を入れた。この混合物にPdCl
2(dppf).CH
2Cl
2(61.4mg、0.084mmol)を添加した。反応混合物を90℃で一夜撹拌した。反応物を室温に冷却し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘプタン、v/v、10−90から50−50)で精製して、純粋生成物3−プロピル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オンを明クリーム色固体として得た。
m/z 304.3(M+H)
+
工程3:エタンスルホン酸[5−(2−オキソ−3−プロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−アミドの合成
20mL マイクロ波バイアルに3−プロピル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(0.258g、0.852mmol)、エタンスルホン酸(3−ブロモ−フェニル)−アミド(0.150g、0.568mmol)、炭酸ナトリウム(水中2M、0.852mL、1.704mmol)およびジオキサン(5ml)を入れた。反応混合物をN
2で2回フラッシュし、排気し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(65.6mg、0.057mmol)を添加し、バイアルを再びN
2で排気し、フラッシュした。反応混合物をマイクロ波中、100℃で2時間、撹拌した。反応混合物を真空で濃縮した。残留物をDMSO(3.5mL)に溶解し、10〜100%ACN−水で溶出するXbridge C18を使用して精製して、純粋生成物エタンスルホン酸[5−(2−オキソ−3−プロピル−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−アミドを白色固体として得た。ESI-MS: m/z 362.2(M+H)
+,
1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 1.04 (t, J = 7.5 Hz, 3 H), 1.39 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.83 - 1.96 (m, 2 H), 3.24 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 3.95 (t, J = 7.1 Hz, 2 H), 7.42 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 7.46 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1 H), 7.53 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 7.97 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.44 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.58 (d, J = 2.0 Hz, 1 H)。HRMS: (ESI)m/z 362.11745 [(M+H)
+ C
17H
19N
3O
4Sの計算値362.11691]。
実施例40:エタンスルホン酸[5−(3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド
表題化合物を、実施例39に記載の方法を使用して合成した。ESI-MS: m/z 348.2(M+H)
+,
1H NMR (400MHz, MeOD) δ ppm 1.39 (t, J = 7.5 Hz, 3 H), 1.43 (t, J = 7.2 Hz, 3 H), 3.21 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 4.03 (q, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.41 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 7.45 (dd, J = 8.3, 1.8 Hz, 1 H), 7.53 (d, J = 1.3 Hz, 1 H), 7.94 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.41 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 8.51 (d, J = 2.0 Hz, 1 H). HRMS: (ESI)m/z 348.10245 [(M+H)
+ C
16H
17N
3O
4Sの計算値348.10126]。
本発明の化合物はアルドステロンシンターゼの阻害剤として有用であり、アルドステロンシンターゼが仲介する疾患および状態、例えば、ここに開示する代謝障害の処置に有用であることを見ることができる。
本発明は例示の方法でのみ記載されており、本発明の範囲内および精神内のまま修飾をなし得ると解釈されるべきである。