JP2012525826A - Cho/cert細胞系 - Google Patents

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Abstract

本発明は、細胞培養技術の分野に関する。本発明は、CERT S132A発現カセットを含むベクターコンストラクトを含む産生宿主細胞系を記載する。それらの細胞系は、改善された増殖特徴及び高いCERT S132A発現レベルを有する。本発明は、特に、DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている2つの細胞系に関する。本発明は、さらに、そのような好ましい産生宿主細胞を生成する方法ならびにDSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている2つの細胞系を使用してタンパク質を産生する方法に関する。

Description

発明の背景
本発明は、細胞培養技術の分野、具体的には、セラミドトランスファータンパク質(CERT)発現カセットを含むベクターコンストラクトを含む産生宿主細胞系に関する。それらの細胞系は、非トランスジェニック細胞系と比較して、改善された分泌特徴を有する。
背景
ヒト治療における使用のための生物医薬品についてのマーケットは、高速で成長を続けており、900を超える生物医薬品が臨床試験において評価されており、推定売上は2010年で500億である。長年にわたり、増加数の生物医薬品が、ヒトタンパク質を正確にプロセシングし、修飾するそれらの能力のため、哺乳動物細胞から産生される。哺乳動物細胞からの生物医薬品の成功裏の高収量産生が、このように、重大であり、プロセスにおいて使用される組換えモノクローナル細胞系の特徴に依存する。
大半の生物医薬品産物が、産生プロセスの間に細胞から分泌されるタンパク質であるため、産生細胞系の分泌輸送機構は、新規宿主細胞操作戦略のための別の興味深い標的である。
タンパク質分泌は、複雑な複数工程の機構である:細胞外空間又は外側細胞膜に輸送されることが運命付けられたタンパク質が、最初に、同時翻訳的に小胞体中に移入される。そこから、それらは脂質小胞中に充填され、ゴルジ装置に、最終的にはトランスゴルジネットワーク(TGN)から細胞膜に輸送され、そこで、それらは培養液中に放出される。
多くの操作アプローチで、プロセス(例えば転写及び翻訳など)を駆動する分子ネットワークの増大する理解が用いられ、タンパク質産生におけるこれらの工程での収量を増加させてきた。しかし、任意の複数工程の産生プロセスについて、プロセス連鎖の初期工程の間にボトルネックを広げることは、恐らくは、さらに下流、特に翻訳後にボトルネックを作る。特定の閾値まで、産生細胞の特異的な産生性が、産物遺伝子転写のレベルと直線的に相関することが報告されている。mRNAレベルでの産物発現のさらなる増強は、しかし、タンパク質合成、フォールディング、又は輸送機構の過負荷に導き、タンパク質産物の細胞内蓄積をもたらしうる。実際に、これは、現行の製造プロセスにおいて頻繁に観察されうる。
従って、組換えタンパク質産生のために宿主細胞の分泌能力を改善する必要がある。これは、翻訳後のボトルネック及びタンパク質産物の細胞内蓄積を予防するために、新規の転写増強技術との組み合わせで、及び、高力価プロセスにおいてさらにより重要になりうる。
しかし、翻訳後機構を標的化する以前のアプローチは成功しておらず、しかし、むしろ、試験において使用される細胞系もしくは産物又は初期の産生レベルに依存して、矛盾する結果に導いてきた:
−ER常在分子シャペロンBiP(結合タンパク質BiP/GRP78)の過剰発現は、予想外に、低下した分泌をもたらした;
−酵素タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)の増強発現は、矛盾した結果を示した。
転写因子Xボックス結合タンパク質1(XBP−1)を使用した分泌操作が、効果を有さない、又は、分泌を増強することが観察されたが、しかし、アポトーシス細胞死が同時に増加し、不安定な表現型に導き、XBP−1高発現クローンの単離を予防した。
このように、現在、分泌輸送機構の標的化操作の途中には2つの主なハードルがある:基礎となる調節機構についての依然として限定された知識及び産生細胞の同時増殖阻害又はアポトーシス応答を予防する必要性。
発明の概要
本発明は、2つの特定の新規産生宿主細胞系CHO/CERT 2.20及びCHO/CERT 2.41を記載する。これらの2つの細胞系は、DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されており、組換えタンパク質産生のための理想的な宿主細胞系である。なぜなら、それらは、改善された分泌能力ならびに良好な増殖特徴を有するからである。
本発明者らは、最近、ステロイド産生急性調節関連脂質トランスファー(START)ドメインファミリー、好ましくはセラミドトランスファータンパク質(CERT)からのタンパク質の過剰発現による分泌操作が、分泌経路を介して真核細胞から輸送されるタンパク質の産生を効率的に改善するための方法を提供することを示している。Florin et al., 2009及び特許出願WO2008/107388を参照のこと。それらは、本明細書により参照により組み入れられる。
CERT(グッドパスチャー抗原結合タンパク質としても公知)は、小胞体(ER)でのその産生部位からゴルジ膜へのセラミドの非小胞送達のために必須である細胞質タンパク質であり、そこで、スフィンゴミエリン(SM)への変換が起こる(Hanada et al., 2003)。
本発明者らは、本明細書で、CERT突然変異体S132Aが、Ser→Ala点突然変異を持ち、タンパク質キナーゼDによりもはやリン酸化されず、分泌を増強する際、野生型タンパク質よりも有意に効果的であることを実証することができた。
さらに、本発明者らは、本明細書で、CERT S132A発現レベルがその分泌増強効果と相関することを示し、細胞中の異種CERT S132Aのレベルが高いほど、前記細胞の分泌能力が高いことを意味する(図2)。
CERT S132A発現レベルと特異的な抗体産生性の間の相関を検討するために、本発明者らは、CERT突然変異体の低発現レベルを伴う2つのクローン細胞系及び高発現レベルを伴う2つのクローン細胞系(細胞内FACS染色におけるシグナル強度により判断する)を分析した(図2A)。7日間の流加プロセスにおいて、偽トランスフェクションされたコントロール細胞系は、平均産生性15pcdを示した(図2B)。低レベルのCERT SA突然変異体を発現する細胞クローンの特異的な産生性が、わずかに上昇しただけであったのに対し、高レベルのCERT突然変異体を伴うそれらのクローンは、約23pcdのIgG産物を分泌し、このように偽コントロールと比較して、明確に増加した特異的な産生性を示した(図2B)。これらのデータは、相関が、組換えタンパク質分泌に対するポジティブな効果とCERT S132A過剰発現のレベルとの間に存在することを示す。
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、選択された細胞クローンCHO/CERT S132A 2.20及びCHO/CERT S132A 2.41が、他のクローンよりも顕著に良好に、親CHO野生型細胞系よりもさらに良好に増殖することを示す(図5A及びB)。
良好な増殖特徴は、産生宿主細胞系のために特に重要である。なぜなら、低い増殖能力は、以下を起こすことにより、生物医薬品産生プロセスの複数の局面に対してネガティブな影響を有するからである:
・細胞の長期生成時間(それは、細胞系の開発において長期時系列をもたらす)
・単一細胞クローニング後のより低い効率及びその後のより遅い増殖
・スケールアップの間でのより長いタイムフレーム(特に、大スケールでの産生発酵槽のための接種の場合において)
・発酵槽運転当たりより低い産物収量。
このように、本発明により解決される特定の問題は、以下の両方を示すCERT S132A操作宿主細胞系を作製することである:
・CERT突然変異体S132Aの高発現レベル、及び
・最適な細胞増殖。
本発明では、最適化された分泌及び良好な増殖特性を伴う2つのそのような操作CHO/CERT S132A細胞系の生成を記載する。本発明において提供するモノクローナル細胞系は、組換えタンパク質産物の発現及び製造のための増強された産生能力を伴う最適化された宿主細胞システムとして特に有用である。
2つの細胞系を、ヒトCERT S132Aタンパク質をコードする発現コンストラクトを用いたCHO−DG44宿主細胞系のトランスフェクション及び安定した細胞プールを生成するためのその後の選択により生成した。これらから、モノクローナル細胞系を、FACSベースの単一細胞クローニングにより得て、広範なスクリーニング及び特徴付けに供した。合計で、100を上回るクローンが分析され、最終的に、2つのCHO/CERT S132A細胞系2.20及び2.41を、以下に基づいて選択した:
・細胞内染色及びウエスタンブロッティングにより決定された高レベルのCERT発現
・シードストック培養における良好な増殖(生存率、倍加時間)ならびに
・工業的な産生プロセスを反映する流加培養中での最適な増殖(ピーク細胞密度、経時的な生細胞の積分(IVC)、生存率)。
本発明において記載する細胞系は、ピューロマイシンだけを選択マーカーとして含むため、それらは、最も広く使用される選択及び増幅システムであるDHFR、グルタミンシンセターゼ(GS)及びネオマイシン(Neo)と適合し、このように発現システムの設計における適応/変化を伴わず組換え抗体の発現のために使用することができる。
生成された100を超えるCHO/CERT S132Aクローンから、本発明者らは、これらの基準に従って特に2つの新規モノクローナルCHO−DG44由来細胞系(即ち、クローン2.20及びクローン2.41)を選択し、それらは、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ)に寄託されている:
−細胞系は、本発明者らが「CHO/CERT 2.20」と呼び、それは、DSMZにナンバーDSM ACC2989の下で寄託されており、非常に高いCERT S132A発現レベル及び非常に良好な増殖特徴を有し、それらは、親CHO野生型細胞のものよりもさらにより良好である。
この細胞系は、細胞系での挿入DNAと細胞の隣接染色体DNAの間で接合フラグメントを同定することにより固有に記載することができる。例えば、細胞系のDNAを1つ又は複数の制限酵素を用いて消化し、そのような接合フラグメントを、例えば、挿入DNAの適した標識フラグメントを使用したサザンブロット解析(ゲノム中の挿入部位を同定する特定のバンドパターンに導く)により同定する。そのような制限酵素は、例えば、以下に記載され、EcoRV、HindIII、KpnI、NcoI、NdeI、PvuII、SpeI、XhoI、AvaII、BstXI、SalIを含む。
−細胞系は、本発明者らが「CHO/CERT 2.41」と呼び、それは、DSMZにナンバーDSM ACC2990の下で寄託されており、非常に高いCERT S132A発現レベル及び非常に良好な増殖特徴を有し、それらは、親CHO野生型細胞のものよりもさらにより良好である。
この細胞系は、細胞系での挿入DNAと細胞の隣接染色体DNAの間で接合フラグメントを同定することにより固有に記載することができる。例えば、細胞系のDNAを1つ又は複数の制限酵素を用いて消化し、そのような接合フラグメントを、例えば、挿入DNAの適した標識フラグメントを使用したサザンブロット解析(ゲノム中の挿入部位を同定する特定のバンドパターンに導く)により同定する。そのような制限酵素は、例えば、以下に記載され、EcoRV、HindIII、KpnI、NcoI、NdeI、PvuII、SpeI、XhoI、AvaII、BstXI、SalIを含む。
本発明には、このように、特に、DSMZにナンバーDSM ACC2989の下で寄託されている細胞系及びDSMZにナンバーDSM ACC2990の下で寄託されている別の細胞系が記載される。本願の目的のために、これらの2つの細胞系は「conCERT(商標)」細胞系とも呼ばれる。
親CHO−DG44細胞系と比較して、これらの2つの細胞系は、対応する発現プラスミドを用いたトランスフェクションに続く治療用タンパク質産物の増加した分泌速度ならびに良好な増殖特徴を示す。それらは、CHO−DG44宿主細胞系の利点(十分な特徴付け、FDA承認済み、ウイルス負荷の低リスク、高い産生性、頑健性、トランスフェクション性、無血清培地中での浮遊での増殖)を、増強された分泌の新たな特性及び産生プロセスにおける最適化された性能と統合する。
本発明において例示的に記載される特定のconCERT(商標)細胞系は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター/エンハンサー領域に由来する上流調節配列(600bp)、位置132に点突然変異(Ser132→Ala)を持つヒトCERT cDNAに融合されたN末端Flagエピトープタグ、停止コドン、及びポリアデニル化シグナルを含む3’非翻訳領域を含む、図1A及びB(配列番号1)に描写するFlagタグ付きヒトCERT突然変異体S132Aをコードする発現カセットを含む。
本発明において記載されるconCERT(商標)細胞系の生成のために使用されるベクターコンストラクトが図1Bに示されており、以下の機能的エレメントを含む:
−サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー/プロモーター、複数のクローニング部位(MCS)、ポリアデニル化シグナル、
−CERT S132A発現カセット、
−真核細胞においてピューロマイシンNアセチルトランスフェラーゼを選択マーカーとしてコードする発現カセット、
−複製起点、及び
−細菌におけるアンピシリン耐性のためのベータ−ラクタマーゼ発現カセット。
conCERT(商標)細胞系中での抗体濃度は、安定的にトランスフェクションされた野生型細胞において測定された力価と比較して、有意により高く、平均差は1.5〜2.5倍の範囲である(図6)。このように、conCERT(商標)細胞系は、対照比較において、野生型CHO細胞よりも有意により高い産物力価を生じる。これらのデータは、DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されているCHO/CERT S132A細胞が、親DG44細胞系と比較して、組換えタンパク質産生のための優れた宿主細胞であることを実証する。組換えタンパク質産生のための宿主細胞としてのconCERT(商標)細胞の具体的な例が、IgG4及びIgG1サブタイプ抗体、Fc融合タンパク質、一本鎖Fv(scFv)分子、及びナノボディについて与えられる。しかし、conCERT(商標)細胞は、また、他のタンパク質、ポリペプチド、又はそのフラグメント、例えば酵素、サイトカイン、リンホカイン、構造分子、付着分子、受容体、及びその派生物もしくはフラグメントなど、ならびにアゴニスト又はアンタゴニストとしての役割を果たしうる及び/又は治療的又は診断的使用を有しうる他のポリペプチドの組換えタンパク質産生のための好ましい宿主細胞である。
本発明により提供される細胞系は、真核細胞に基づく産生プロセスにおいてタンパク質収量を増加させることができる。これによって、そのようなプロセスでの物品のコストが低下し、同時に、研究試験、診断、臨床試験、又は治療用タンパク質の市場供給のために必要とされる材料を生成するために産生する必要があるバッチの数が低下する。
本発明のconCERT(商標)細胞系は、さらに、薬物開発をスピードアップしうる。なぜなら、しばしば、前臨床試験のための十分量の材料の生成が、時系列に関する決定的なワーク・パッケージであるからである。
本発明の最適化されたconCERT(商標)細胞系を、診断目的、研究目的(標的同定、リード同定、リード最適化)、又は販売中のもしくは臨床開発中の治療用タンパク質の製造のいずれかのための1つ又はいくつかの特定のタンパク質の生成のために使用することができる。それらは、分泌又は膜結合タンパク質(例えば表面受容体、GPCR、メタロプロテイナーゼ、又は受容体キナーゼなど)を発現又は産生するために等しく適用可能であり、それらは、同じ分泌経路を共有し、脂質小胞中に等しく輸送される。タンパク質は、次に、研究目的のために使用することができ、それは、細胞表面受容体の機能を特徴付けることを目的とする(例、表面タンパク質の産生ならびにその後の精製、結晶化、及び/又は分析のため)。これは、新たなヒト薬物治療の開発のために決定的に重要である。なぜなら、細胞表面受容体は、薬物標的の優勢なクラスであるからである。さらに、それは、細胞表面受容体と会合する細胞内シグナル伝達複合体の試験又は同じもしくは別の細胞上での可溶性増殖因子とそれらの対応する受容体との相互作用により部分的に媒介される細胞間コミュニケーションの分析のために有利になりうる。
図の説明
図1:CERT S132A発現コンストラクトの略図(A)DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)の下で寄託されている細胞系及びDSMZにナンバーDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)細胞の下で寄託されている細胞系中に含まれるFlag−CERT S132A発現カセットの略図。CMV=サイトメガロウイルス(CMV)初期領域のエンハンサー/プロモーター;Flag=Flag(商標)エピトープタグ;CERT−S132A=ヒトCERT S132A突然変異体のcDNA;Stop=TGA停止コドン;3’UTR=3’非翻訳領域。(B)本発明において記載されるCHO/CERT S132A(conCERT(商標))細胞系を生成するためのCHO−DG44細胞中にトランスフェクションされたベクターコンストラクトのマップ。プラスミドは内部で指定された「pBIP−1/Flag−CERT_SA」であった。7660bpのサイズを有する。黒矢印は、conCERT(商標)細胞系の同定のために適したオリゴヌクレオチドプライマーの結合位置を示す。CMV=サイトメガロウイルス(CMV)初期領域のエンハンサー/プロモーター、複数のクローニング部位が続く(示された酵素についての固有の認識部位により示される);F1 ori=細菌中の複製起点;bla=アンピシリン耐性のためのベータ−ラクタマーゼ遺伝子。 図2:CERT S132A発現と分泌増強の相関(A)IgG産生細胞系中での異種CERT S132A発現を、抗Flag抗体を用いた細胞内標識により測定した。シグナル強度に基づき、クローン#1−2を「低」(ライトグレードットバー)、クローン#3−4を「高」CERT−S132A発現(縞模様のバー)を伴う細胞系として分類した。(B)流加培養における同じ細胞系での特異的な抗体産生性。全ての細胞系での産生性を、プロセスの間での3つの時間点で、IVC(生細胞の積分)により割った産物濃度として算出した。 図3:ウエスタンブロッティングによるCERT発現の検出全細胞ライセートを14のCHO/CERT S132A細胞クローンから調製し、等量をSDS−PAGE及びFlag(商標)エピトープタグに対して産生された抗体を使用したその後の免疫学的検出に供した。多数の14の細胞クローンをSDS−PAGE上に表示する。個々の細胞系をそれらのクローンナンバーにより指定する。M=分子量マーカー;(−)=ネガティブコントロール(偽トランスフェクションされた細胞系からのライセート);(+)=ポジティブコントロール。 図4:接種培養におけるCHO/CERT S132A(conCERT(商標))細胞系の増殖特性接種培養の間での15のCHO/CERT S132A細胞クローンの増殖特徴。細胞を、細胞密度0.15〜3×10個細胞/mlで維持し、2〜3日ごとに分割した。(A)増殖速度に従った細胞系のランキング。(B)いくつかの継代にわたる生存率;DSMZにアクセッションナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT S132A 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT S132A 2.41)の下で寄託されている細胞系を実線により、全ての他のクローンを破線により示す。 図5:発酵の間でのモノクローナルCHO/CERT S132A細胞系の増殖15のモノクローナルな安定的にトランスフェクションされたCHO/CERT S132A細胞クローンを、6日間にわたる流加発酵に供した。(A)CHO/CERT S132A細胞系及び親DG44細胞の増殖プロファイル。DSMZにアクセッションナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている細胞系を実線により、全ての他のクローンを破線により示す。(B)6日間のプロセスにわたる全ての細胞系についての生細胞濃度の積分(IVC)。本発明において選択されるCHO/CERT S132A細胞系のIVCを縞模様のバーにより示し、他のCHO/CERT S132AクローンのIVCを黒バーにより提示し、親細胞のIVCを斜線バー中に表す。 図5:発酵の間でのモノクローナルCHO/CERT S132A細胞系の増殖15のモノクローナルな安定的にトランスフェクションされたCHO/CERT S132A細胞クローンを、6日間にわたる流加発酵に供した。(A)CHO/CERT S132A細胞系及び親DG44細胞の増殖プロファイルDSMZにアクセッションナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている細胞系を実線により、全ての他のクローンを破線により示す。(B)6日間のプロセスにわたる全ての細胞系についての生細胞濃度の積分(IVC)本発明において選択されるCHO/CERT S132A細胞系のIVCを縞模様のバーにより示し、他のCHO/CERT S132AクローンのIVCを黒バーにより提示し、親細胞のIVCを斜線バー中に表す。 図6:親CHO DG44細胞系と比較した、CHO/CERT S132A細胞から分泌された抗体力価/タンパク質産生の比較DSMZにアクセッションナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されているconCERT(商標)細胞系ならびに親CHO−DG44宿主細胞系(Classic)を、ヒトIgG1型モノクローナル抗体をコードする発現コンストラクトを用いてトランスフェクションする。遺伝子型当たり10の最も高い発現細胞プールの抗体力価を、力価中央値及び25〜75%分位をボックスとして描写するボックスプロット中に提示する。エラーバーは標準偏差を示す。 図7:親CHO DG44細胞系と比較した、CHO/CERT S132A細胞から分泌された抗体力価/タンパク質産生の比較DSMZにアクセッションナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されているconCERT(商標)細胞系ならびに親CHO−DG44宿主細胞系(Classic)を、ヒトIgG4型モノクローナル抗体をコードする発現コンストラクトを用いてトランスフェクションする。遺伝子型当たり10の最も高い発現細胞プールを選択する。(A、B)各遺伝子型についての細胞プールから生成された10の最も高い発現モノクローナル細胞系の特異的な産生性(A)及び抗体力価(B)を、力価中央値及び25〜75%分位をボックスとして描写するボックスプロット中に提示する。エラーバーは標準偏差を示す。 図7:親CHO DG44細胞系と比較した、CHO/CERT S132A細胞から分泌された抗体力価/タンパク質産生の比較DSMZにアクセッションナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されているconCERT(商標)細胞系ならびに親CHO−DG44宿主細胞系(Classic)を、ヒトIgG4型モノクローナル抗体をコードする発現コンストラクトを用いてトランスフェクションする。遺伝子型当たり10の最も高い発現細胞プールを選択する。(A、B)各遺伝子型についての細胞プールから生成された10の最も高い発現モノクローナル細胞系の特異的な産生性(A)及び抗体力価(B)を、力価中央値及び25〜75%分位をボックスとして描写するボックスプロット中に提示する。エラーバーは標準偏差を示す。
発明の詳細な説明
定義
一般的な実施態様「含む」又は「含まれる」は、より具体的な実施態様「からなる」を包含する。さらに、単数形及び複数形は限定的な方法で使用されない。
本発明の経過において使用する用語は、以下の意味を有する。
用語「CERT」はセラミドトランスファータンパク質CERTを指し、それは、また、グッドパスチュア抗原結合タンパク質として公知である。CERTは、小胞体(ER)でのその産生部位からゴルジ膜へのセラミドの非小胞送達のために必須の細胞質タンパク質であり、そこでは、スフィンゴミエリン(SM)への変換が起こる(Hanada et al., 2003)。
用語「CHO/CERT」、「CHO/CERT SA」、「CHO/CERT S132A」を互換的に使用する。さらに、細胞系の命名「CHO/CERT 2.20」、「CHO/CERT SA 2.20」、「CHO/CERT S132A 2.20」を互換的に使用し、それらの全てが同じ細胞系クローン2.20(アクセッションナンバーDSMZ DSM ACC2989の下で寄託される)を記載する。細胞系の命名「CHO/CERT 2.41」、「CHO/CERT SA 2.41」、「CHO/CERT S132A 2.41」を互換的に使用し、それらの全てが同じ細胞系クローン2.41(アクセッションナンバーDSMZ DSM ACC2990の下で寄託される)を記載する。
用語「派生物」は、一般的に、本発明の意図される使用を実現するために適した配列を含み、それは、配列が、細胞中での分泌輸送の増加を媒介することを意味する。
「宿主細胞」は、本発明の意味において、細胞、例えばハムスター細胞、好ましくはBHK21、BHK TK、CHO、CHO−K1、CHO−DUKX、CHO−DUKX B1、及びCHO−DG44細胞など又はそのような細胞系のいずれかの派生物/子孫である。特に好ましいのはCHO−DG44、CHO−DUKX、CHO−K1、CHO−S、及びBHK21であり、さらにより好ましいのはCHO−DG44及びCHO−DUKX細胞である。本発明のさらなる実施態様において、宿主細胞は、また、マウスミエローマ細胞、好ましくはNS0細胞及びSp2/0細胞又はそのような細胞系のいずれかの派生物/子孫を意味する。本発明の意味において使用することができるマウス細胞及びハムスター細胞の例を、また、表1にまとめる。しかし、そのような細胞の派生物/子孫、他の哺乳動物細胞(しかし、限定はされないが、ヒト、マウス、ラット、サル、及びトリ又は好ましくは齧歯類の細胞系を含む)、又は真核細胞(しかし、限定はされないが、酵母、昆虫、及び植物の細胞を含む)を、また、本発明の意味において、特に生物医薬品タンパク質の産生のために使用することができる。
宿主細胞が、無血清条件下で、場合により、動物由来の任意のタンパク質/ペプチドを含まない培地中で樹立され、適応され、完全に培養される場合に最も好ましい。商業的に利用可能な培地、例えばハムF12(Sigma, Deisenhofen, Germany)、RPMI−1640(Sigma)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Sigma)、最小必須培地(MEM;Sigma)、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM;Sigma)、CD−CHO(Invitrogen, Carlsbad, CA)、CHO-S-Invtirogen)、無血清CHO培地(Sigma)、及び無タンパク質CHO培地(Sigma)などが、例示的で適切な栄養溶液である。培地のいずれかに、必要に応じて、種々の化合物を用いて添加してもよい。それらの例は、ホルモン及び/又は他の増殖因子(例えばインスリン、トランスフェリン、上皮増殖因子、インスリン様増殖因子など)、塩(例えば塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン酸など)、バッファー(例えばHEPESなど)、ヌクレオシド(例えばアデノシン、チミジンなど)、グルタミン、グルコース又は他の等価のエネルギー供給源、抗生物質、微量元素である。任意の他の必要な添加剤が、また、当業者に公知でありうる適切な濃度で含まれてもよい。本発明において、無血清培地の使用が好ましいが、しかし、適量の血清が添加された培地も、宿主細胞の培養のために使用することができる。選択可能な遺伝子を発現する遺伝子改変細胞の増殖及び選択のために、適した選択薬剤を培養液に加える。
用語「タンパク質」を、アミノ酸残基配列又はポリペプチドと互換的に使用し、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。これらの用語は、また、しかし、限定はされないが、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、又はタンパク質プロセシングを含む反応を通じて翻訳後に修飾されるタンパク質を含む。改変及び変化、例えば、他のタンパク質への融合、アミノ酸配列の置換、欠失、又は挿入をポリペプチドの構造中に作製することができ、分子はその生物学的な機能活性を維持する。例えば、特定のアミノ酸配列の置換を、ポリペプチド又はその基礎となる核酸コード配列中に作製することができ、タンパク質を、同様の特性を伴い得ることができる。
用語「ポリペプチド」は、10を上回るアミノ酸を伴う配列を意味する。用語「ペプチド」は、10までのアミノ酸長の配列を意味する。
本発明は、生物医薬品ポリペプチド/タンパク質の産生のための宿主細胞を生成するために適する。本発明は、特に、増強された細胞産生性を示す細胞による、目的の多数の異なる遺伝子の高収量発現のために適する。
「目的の遺伝子」(GOI)、「選択された配列」、又は「産物遺伝子」は、本明細書において同じ意味を有し、目的の産物又は「目的のタンパク質」(また、用語「所望の産物」により言及される)をコードする任意の長さのポリヌクレオチド配列を指す。選択された配列は、完全長遺伝子又は切断遺伝子、融合遺伝子又はタグ付き遺伝子でありうる、及び、cDNA、ゲノムDNA、又はDNAフラグメント、好ましくは、cDNAでありうる。それは、天然配列、即ち、自然発生形態でありうる、又は、突然変異されうるもしくは別の方法で所望の通りに改変されうる。これらの改変は、選択された宿主細胞中でのコドン使用を最適化するためのコドン最適化、ヒト化、又はタギングを含む。選択された配列は、分泌ポリペプチド、細胞質ポリペプチド、核ポリペプチド、膜結合ポリペプチド、又は細胞表面ポリペプチドをコードしうる。
「目的のタンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、そのフラグメント、ペプチドを含み、その全てを、選択された宿主細胞において発現させることができる。所望のタンパク質は、例えば、抗体、酵素、サイトカイン、リンホカイン、接着分子、受容体、及びその派生物又はフラグメント、ならびに、アゴニストもしくはアンタゴニストとしての役割を果たしうる及び/又は治療的もしくは診断的使用を有しうる任意の他のポリペプチドでありうる。所望のタンパク質/ポリペプチドについての例も以下に与える。
より複雑な分子(例えばモノクローナル抗体など)の場合において、GOIは、2つの抗体鎖の1つ又は両方をコードする。
「目的の産物」は、また、アンチセンスRNAでありうる。
「目的のタンパク質」又は「所望のタンパク質」は、上に言及するものである。特に、所望のタンパク質/ポリペプチド又は目的のタンパク質は、例えば、しかし、限定はされないが、インスリン、インスリン様増殖因子、hGH、tPA、サイトカイン、例えばインターロイキン(IL)など、例、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、インターフェロン(IFN)アルファ、IFNベータ、IFNガンマ、IFNオメガ又はIFNタウ、腫瘍壊死因子(TNF)、例えばTNFアルファ及びTNFベータ、TNFガンマ、TRAIL;G−CSF、GM−CSF、M−CSF、MCP−1、及びVEGFである。また、含まれるのは、エリスロポエチン又は任意の他のホルモン増殖因子の産生である。本発明の方法は、また、抗体又はそのフラグメントの産生のために有利に使用することができる。そのようなフラグメントは、例えば、Fabフラグメント(フラグメント抗原結合=Fab)を含む。Fabフラグメントは、隣接する定常領域により一緒に保持される両鎖の可変領域からなる。これらは、プロテアーゼ消化により(例、パパインを用いて)、従来の抗体から形成されうるが、しかし、類似のFabフラグメントも一方で遺伝子操作により産生されうる。さらなる抗体フラグメントはF(ab‘)2フラグメントを含み、それは、ペプシンを用いたタンパク質分解的切断により調製されうる。
目的のタンパク質は、好ましくは、培養液から分泌ポリペプチドとして回収される、又は、それは、分泌シグナルを伴わずに発現された場合、宿主細胞ライセートから回収することができる。目的のタンパク質を、他の組換えタンパク質及び宿主細胞タンパク質から、目的のタンパク質の実質的に均質な調製物が得られる方法で精製することが必要である。最初の工程として、細胞及び/又は粒状細胞片を培養液又はライセートから除去する。目的の産物を、その後、混入する可溶性タンパク質、ポリペプチド、及び核酸から、例えば、免疫親和性カラム又はイオン交換カラム上での分画、エタノール沈澱、逆相HPLC、セファデックスクロマトグラフィー、シリカ上又は陽イオン交換樹脂(例えばDEAEなど)上でのクロマトグラフィーにより精製する。一般的に、宿主細胞により異種性に発現されたタンパク質をどのように精製するのかを当業者に教示する方法は、当技術分野において周知である。
遺伝子操作方法を使用し、重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変領域だけからなる短縮した抗体フラグメントを産生することが可能である。これらは、Fvフラグメント(Fragment variable=可変部分のフラグメント)と呼ばれる。これらのFvフラグメントは定常鎖のシステインによる2つの鎖の共有結合を欠くため、Fvフラグメントはしばしば安定化される。重鎖の及び軽鎖の可変領域を、短いペプチドフラグメント(例、10〜30アミノ酸、好ましくは15アミノ酸の)により連結することが有利である。この方法において、単一のペプチド鎖を得る(VH及びVLからなり、ペプチドリンカーにより連結されている)。この種類の抗体タンパク質は、単鎖Fc(scFv)として公知である。この種類のscFv抗体タンパク質の例は、先行技術から公知である。
近年、種々の戦略が、scFvを多量体派生物として調製するために開発されてきた。これは、特に、改善された薬物動態及び体内分布特性を伴うならびに増加した結合アビディティーを伴う組換え抗体に導くことが意図される。scFvの多量体化を達成するために、scFvを、多量体化ドメインを伴う融合タンパク質として調製した。多量体化ドメインは、例えば、IgGのCH3領域又はコイルドコイル構造(ヘリックス構造)、例えばロイシンジッパードメインなどでありうる。しかし、scFvのVH/VL領域の間での相互作用を多量体化(例、ダイア、トリ、及びペンタボディ)のために使用する戦略もある。ダイアボディにより、当業者は二価ホモ二量体scFv派生物を意味する。scFv分子中のリンカーの5〜10アミノ酸への短縮は、ホモ二量体化の形成に導き、それにおいて鎖内VH/VLの重ね合わせが起こる。ダイアボディは、加えて、ジスルフィド架橋の取り込みにより安定化されうる。ダイアボディ−抗体タンパク質の例は、先行技術において公知である。
ミニボディにより、当業者は、二価のホモ二量体scFv派生物を意味する。それは、免疫グロブリン、好ましくはIgG、最も好ましくはIgG1のCH3領域を、二量体化領域(ヒンジ領域(例、また、IgG1から)及びリンカー領域を介してscFvに結合される)として含む融合タンパク質からなる。ミニボディ−抗体タンパク質の例は、先行技術において公知である。
トリアボディにより、当業者は、三価のホモ三量体scFv派生物を意味する。VH−VLがリンカー配列を伴わずに直接的に融合されるScFv派生物は、三量体の形成に導く。
当業者は、また、二、三、又は四価構造を有し、scFvに由来する、いわゆるミニ抗体に精通しうる。多量体化は、二、三、又は四量体コイルドコイル構造により行われる。
当業者は、また、ラマ又はラクダ科からの他の動物に由来する単鎖抗体の1つ又は複数の可変ドメインからなるポリペプチド分子に精通しうる。さらに、当業者は、そのようなラクダ抗体の派生物及びバリアントを知っている。そのような分子は、また、「ドメイン抗体」と呼ばれる。ドメイン抗体バリアントは、ペプチドリンカーにより共有結合的に結合されているそれらの可変ドメインのいくつかを含む。
血中半減期を増加させるために、ドメイン抗体を生成することができ、それは、ポリペプチド成分(例えば抗体Fc部分など)又は血清中に存在する別のタンパク質(例えばアルブミンなど)に融合される。
「スキャフォールドタンパク質」により、当業者は、遺伝子クローニングにより又は同時翻訳プロセスにより、別のタンパク質又は別の機能を有するタンパク質の部分と共役されるタンパク質の任意の機能的ドメインを意味する。
定義により、宿主細胞中に導入された任意の配列又は遺伝子は、宿主細胞に関して、「異種配列」又は「異種遺伝子」又は「トランスジーン」と呼ばれる(導入された配列又は遺伝子が、宿主細胞中の内因性配列又は遺伝子と同一の場合でさえ)。
「異種」タンパク質は、このように、異種配列から発現されるタンパク質である。用語「組換え」は、本発明の明細書を通して、特にタンパク質発現に関連して、用語「異種」と互換的に使用される。このように、「組換え」タンパク質は、異種配列から発現されるタンパク質である。
異種遺伝子配列を、標的細胞中に、「発現ベクター」、好ましくは真核生物の、及びさらにより好ましくは哺乳動物の発現ベクターを使用することにより導入することができる。ベクターを構築するために使用される方法は、当業者に周知であり、種々の刊行物中に記載されている。特に、適したベクターを構築するための技術(機能的成分、例えばプロモーター、エンハンサー、終結シグナル及びポリアデニル化シグナル、選択マーカー、複製起点、及びスプライシングシグナルなどの記載を含む)が、先行技術において概説されている。ベクターは、しかし、限定はされないが、プラスミドベクター、ファージミド、コスミド、人工/ミニ染色体(例、ACE)、又はウイルスベクター(例えばバキュロウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペス単純ウイルス、レトロウイルス、バクテリオファージなど)を含みうる。真核生物発現ベクターは、典型的には、細菌中でのベクターの増殖を促進する原核生物配列(例えば複製起点及び細菌中での選択のための抗生物質耐性遺伝子など)も含みうる。種々の真核生物発現ベクター(ポリヌクレオチドを操作的に連結することができるクローニング部位を含む)が、当技術分野において周知であり、一部が、企業、例えばStratagene(La Jolla、CA)、Invitrogen(Carlsbad、CA)、Promega(Madison、WI)、又はBD Biosciences Clontech(Palo Alto、CA)などから商業的に利用可能である。
好ましい実施態様において、発現ベクターは、目的のペプチド/ポリペプチド/タンパク質をコードするヌクレオチド配列の転写及び翻訳のために必要な調節配列である少なくとも1つの核酸配列を含む。
用語「発現」は、本明細書で使用される通り、宿主細胞内での異種核酸配列の転写及び/又は翻訳を指す。宿主細胞中での目的の所望の産物/タンパク質の発現のレベルを、細胞中に存在する対応するmRNAの量、又は、本発明の実施例の通り、選択された配列によりコードされる目的の所望のポリペプチド/タンパク質の量のいすれかに基づいて決定してもよい。例えば、選択された配列から転写されたmRNAを、ノーザンブロットハイブリダイゼーション、リボヌクレアーゼRNA保護、細胞RNAに対するin situハイブリダイゼーションにより、又はPCRにより定量化することができる。選択された配列によりコードされるタンパク質を、種々の方法により、例えば、ELISAにより、ウエスタンブロッティングにより、ラジオイムノアッセイにより、免疫沈降により、タンパク質の生物学的活性についてのアッセイにより、タンパク質の免疫染色それに続くFACS解析により、又は均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイにより定量化することができる。
ポリヌクレオチド又は発現ベクターを用いた真核生物宿主細胞の「トランスフェクション」は、遺伝子改変細胞又はトランスジェニック細胞をもたらし、当技術分野において周知の任意の方法により実施することができる。トランスフェクション方法は、しかし、限定はされないが、リポソーム媒介性トランスフェクション、リン酸カルシウム共沈殿、エレクトロポレーション、ポリカチオン(例えばDEAEデキストランなど)媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、ウイルス感染、及びマイクロインジェクションを含む。好ましくは、トランスフェクションは安定トランスフェクションである。特定の宿主細胞系及び型において最適なトランスフェクション頻度及び異種遺伝子の発現を提供するトランスフェクション方法が好ましい。適した方法を、ルーチン手順により決定することができる。安定トランスフェクタントのために、コンストラクトは、宿主細胞のゲノムもしくは人工染色体/ミニ染色体中に組み込まれる、又は、エピソームとして位置づけられ、宿主細胞内に安定的に維持される。
本発明の実行では、別に示さない場合、細胞生物学、分子生物学、細胞培養、免疫学などの従来技術を用い、それらは当業者の技術内にある。これらの技術は、本発明の文献中に完全に開示されている。
実施態様
本発明は、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)にナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)の下で寄託されている細胞に関する。本発明は、細胞/細胞系に関し、その代表的なものがDSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)の下で寄託されている。この細胞系は、細胞系の細胞の挿入DNAと隣接染色体DNAの間で接合フラグメントを同定することにより、固有に記載することができる。例えば、細胞系のDNAを1つ又は複数の制限酵素を用いて消化し、そのような接合フラグメントを、例えば、挿入DNAの適した標識フラグメントを使用したサザンブロット解析(ゲノム中の挿入部位を同定する特定のバンドパターンに導く)により同定する。そのような制限酵素は、例えば、以下に記載され、EcoRV、HindIII、KpnI、NcoI、NdeI、PvuII、SpeI、XhoI、AvaII、BstXI、SalIを含む。
本発明は、さらに、DSMZにナンバーDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている細胞に関する。本発明は、細胞/細胞系に関し、その代表的なものがDSMZにナンバーDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている。この細胞系は、細胞系での挿入DNAと細胞の隣接染色体DNAの間で接合フラグメントを同定することにより固有に記載することができる。例えば、細胞系のDNAを1つ又は複数の制限酵素を用いて消化し、そのような接合フラグメントを、例えば、挿入DNAの適した標識フラグメントを使用したサザンブロット解析(ゲノム中の挿入部位を同定する特定のバンドパターンに導く)により同定する。そのような制限酵素は、例えば、以下に記載され、EcoRV、HindIII、KpnI、NcoI、NdeI、PvuII、SpeI、XhoI、AvaII、BstXI、SalIを含む。
本発明の特定の実施態様において、発明の細胞(CHO/CERT 2.20又はCHO/CERT 2.41)は、加えて、目的のタンパク質をコードする目的の遺伝子を含む少なくとも1つの2つめのベクターコンストラクトを含む。前記細胞は、好ましくは、加えて、目的のタンパク質をコードする目的の遺伝子ならびに選択及び/又は増幅マーカーを含む少なくとも1つの2つめのベクターコンストラクトを含む。2つめのベクターコンストラクト上の前記の選択及び/又は増幅マーカーは、好ましくは、グルタミンシンセターゼ(GS)又はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、最も好ましくはDHFRである。
本発明のさらなる好ましい実施態様において、全てのベクターコンストラクトが細胞ゲノム中に安定的に組み込まれる。
本発明のさらなる好ましい実施態様において、前記細胞は以下により特徴付けられる:
ゲノムDNAを鋳型として使用する場合での特定のPCRバンドパターン/フィンガープリント、それにより、2373bpのPCR産物が、配列番号2及び配列番号3のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される、又は、
ゲノムDNAを鋳型として使用する場合での特定のPCRバンドパターン/フィンガープリント、それにより、660bpのPCR産物(配列番号6)が、配列番号4及び配列番号5のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される、又は、
(a)のCERT特異的な2373bpのPCR産物と以下の制限酵素とのインキュベーションに起因する特定数のフラグメント及びフラグメントサイズ:

それにより、HindIIIを用いたインキュベーションが好ましい。
本発明の好ましい実施態様において、前記細胞は、CERT特異的な2373bpのPCR産物(ゲノムDNAを鋳型としてならびに配列番号2及び配列番号3のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される)の以下の制限酵素とのインキュベーションに起因する上の表に従ったサイズを伴う2つの特定のフラグメントにより特徴付けられる:EcoRV、KpnI、NcoI、NdeI、PvuII、SpeI、XhoI。
本発明の最も好ましい実施態様において、前記細胞は、CERT特異的な2373bpのPCR産物(ゲノムDNAを鋳型としてならびに配列番号2及び配列番号3のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される)の制限酵素HindIIIとのインキュベーションに起因するサイズ2176bp及び197bpをそれぞれ伴う2つの特定のフラグメントにより特徴付けられる。
本発明の特定の実施態様において、CERT S132A発現カセットは配列番号1からなる。
本発明のさらなる特定の実施態様において、目的のタンパク質は、治療用タンパク質、好ましくは抗体又は抗体融合タンパク質である。
本発明は、さらに、以下の工程により特徴付けられる宿主細胞系を生成するための方法に関する:
(a)親宿主細胞、好ましくはCHO又はNSO細胞、最も好ましくはCHO DG44細胞を提供すること、
(b)ベクターコンストラクトを、CERT S132A発現カセットを含む工程(a)の前記細胞中に導入すること、
(c)安定的にトランスフェクションされた細胞集団について選択すること、
(d)FACSベースの単一細胞クローニングによりモノクローナル細胞系を単離すること、
(e)以下についてスクリーニングすること
−高レベルなCERT S132A発現、
−シードストック培養中での最適な増殖、
−流加培養中での最適な増殖、
(f)工程(e)のスクリーニング基準に従って工程(d)の細胞クローンからモノクローナル細胞系を選択すること。
本発明は、さらに、以下の工程により特徴付けられる宿主細胞系を生成するための方法に関する:
a)親宿主細胞、好ましくはCHO又はNSO細胞を提供すること、
b)ベクターコンストラクトを、CERT S132A発現カセットを含む工程(a)の前記親宿主細胞中に導入すること、
c)安定的にトランスフェクションされた細胞集団について選択すること、
d)FACSベースの単一細胞クローニングによりモノクローナル細胞系を単離すること、
e)以下について前記モノクローナル細胞系をスクリーニングすること
i)高レベルなCERT S132A発現、
ii)シードストック培養中での最適な増殖、
iii)流加培養中での最適な増殖、
工程(e)のスクリーニング基準に従って工程(d)の細胞クローンからモノクローナル細胞系を宿主細胞系として選択すること。
本発明は、さらに、以下の工程により特徴付けられる宿主細胞系を生成するための方法に関する:
a)親宿主細胞、好ましくはCHO又はNSO細胞を提供すること、
b)ベクターコンストラクトを、CERT S132A発現カセットを含む工程(a)の前記親細胞中に導入すること、
c)安定的にトランスフェクションされた細胞集団について選択すること、
d)FACSベースの単一細胞クローニングにより細胞を単離すること、
e)以下について前記細胞をスクリーニングすること
i)高レベルなCERT S132A発現、
ii)シードストック培養中での最適な増殖、
iii)流加培養中での最適な増殖、
f)宿主細胞としての使用のために工程(e)のスクリーニング基準に従って単一クローン又は細胞のプールを選択すること。
好ましくは、工程(a)の前記親宿主細胞は、上に記載される定義下の宿主細胞である。好ましくは、工程(a)の前記親宿主細胞は、齧歯類細胞、例えばマウス又はハムスター細胞など、最も好ましくはCHO DG44細胞である。
好ましくは、工程(b)の前記ベクターコンストラクトは、図1Bに描写する以下の機能的エレメントを含む:
−サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー/プロモーター、
−複数のクローニング部位(MCS)、−CERT S132A発現カセット、
−真核細胞中での選択マーカーとしてピューロマイシンNアセチルトランスフェラーゼをコードする発現カセット、
−ポリアデニル化シグナル、
−複製起点、
−細菌中でのアンピシリン耐性のためのベータ−ラクタマーゼ発現カセット。
シードストック培養物を、工程(e)ii)において最適な増殖についてスクリーニングするための具体的な基準は、生存率、倍加時間である。
流加培養物を、工程(e)iii)において最適な増殖についてスクリーニングするための具体的な基準は、ピーク細胞密度、経時的な生細胞の積分(IVC)、生存率である。
流加培養中での前記スクリーニング基準は、特に有意である。なぜなら、それらは、工業的な産生プロセスにおける環境条件を反映するからである。
好ましい方法において、工程(b)のCERT S132A発現カセットは配列番号1からなる。
本発明は、さらに、上に記載する細胞において目的の遺伝子によりコードされる目的のタンパク質を産生する方法に関し、以下の工程により特徴付けられる:a)上に記載する細胞を提供すること、b)少なくとも1つの目的の遺伝子の発現を可能にする条件下で細胞を培養すること。特定の実施態様において、方法は、c)目的のタンパク質を収集する追加工程を含む。さらなる特定の実施態様において、方法は、d)目的のタンパク質を精製する別の追加工程を含む。
本発明は、さらに、上に記載する細胞において目的の遺伝子によりコードされる目的のタンパク質を産生する方法に関し、以下の工程により特徴付けられる:a)上に記載する細胞を提供すること、b)細胞の増殖及び少なくとも1つの目的の遺伝子の発現を可能にする条件下で細胞を培養すること。特定の実施態様において、方法は、c)目的のタンパク質を収集する追加工程を含む。さらなる特定の実施態様において、方法は、d)目的のタンパク質を精製する別の追加工程を含む。
本発明は、以下の工程により特徴付けられる発明の細胞において目的の遺伝子によりコードされる目的のタンパク質を産生する方法に関する:
(a)発明の細胞を提供すること、
(b)細胞の増殖及び目的の少なくとも1つの遺伝子の発現を可能にする条件下で前記細胞を培養すること、
(c)目的のタンパク質を収集すること、及び
(d)目的のタンパク質を精製すること。
好ましい産生方法において、宿主細胞は、目的の遺伝子についての選択及び/又は増幅マーカーとして、グルタミンシンセターゼ(GS)又はDHFR、好ましくはDHFRを含む。
本発明は、さらに、以下により、CERT S132A(配列番号1)についてトランスジーンである細胞を同定する方法に関する:
(a)ポリメラーゼ連鎖反応PCRを実施すること、
(b)ゲノムDNAを鋳型として使用すること、及び
(c)配列番号2及び配列番号3を伴うオリゴヌクレオチドプライマーを使用すること、
それにより2373bpのPCR産物が生成される。
場合により、前記細胞は、さらに、CERT特異的な2373bpのPCR産物と以下の制限酵素とのインキュベーションに起因する特定数のフラグメント及びフラグメントサイズにより特徴付けられる:
本発明は、具体的には、CERT S132A(配列番号1)についてトランスジーンである細胞を、ゲノムDNAを鋳型として使用するPCRにより同定/特徴付ける方法に関し、それにより2373bpのPCR産物が、配列番号2及び配列番号3のオリゴヌクレオチドプライマーを使用する場合に生成される。
本発明は、さらに、CERT S132A(配列番号1)についてトランスジーンである細胞を、ゲノムDNAを鋳型として使用するPCRにより同定/特徴付ける方法に関し、それにより2373bpのPCR産物が、配列番号2及び配列番号3のオリゴヌクレオチドプライマーを使用する場合に生成され、それにより、前記細胞は、CERT特異的な2373bpのPCR産物と以下の制限酵素とのインキュベーションに起因する特定数のフラグメント及びフラグメントサイズにより特徴付けられる:
前記方法の好ましい実施態様において、前記細胞は、CERT特異的な2373bpのPCR産物(ゲノムDNAを鋳型としてならびに配列番号2及び配列番号3のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される)の以下の制限酵素とのインキュベーションに起因する上の表に従ったサイズを伴う2つの特定のフラグメントにより特徴付けられる:EcoRV、KpnI、NcoI、NdeI、PvuII、SpeI、XhoI。
前記方法の最も好ましい実施態様において、前記細胞は、CERT特異的な2373bpのPCR産物(ゲノムDNAを鋳型としてならびに配列番号2及び配列番号3のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される)の制限酵素HindIIIとのインキュベーションに起因するサイズ2176bp及び197bpをそれぞれ伴う2つの特定のフラグメントにより特徴付けられる。
さらなる実施態様において、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)にナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)の下で寄託されている細胞は、特定の制限消化により又は特定のPCRバンドパターンにより特徴付けられ(ゲノムDNAを使用した場合)、それにより、そのようなアッセイは、クローンDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)中のCERTトランスジーン/CERT S132A発現カセットのゲノム組み込み部位について特異的である固有のフィンガープリントを生成する。細胞系DSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)は、接合フラグメントにより固有に記載される/特徴付けられる。細胞系DSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)は、挿入DNA(=CERTトランスジーン/CERT S132A発現カセット)と隣接染色体DNAの間の接合フラグメントにより固有に記載され/特徴付けられ、それにより、細胞系のDNA(好ましくは、ゲノムDNA)が、1つ又は複数の制限酵素(例えばEcoRV、HindIII、KpnI、NcoI、NdeI、PvuII、SpeI、XhoI、AvaII、BstXI、SalIなど)を用いて消化され、前記の接合フラグメントが、例えば、サザンブロット解析あるいは1つ又は複数の適した、場合により標識されたDNAフラグメントを使用したPCRにより同定される。このDNAフラグメントは、DSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)のゲノム中のCERTトランスジーン/CERT S132A発現カセットの固有の挿入部位を特徴付ける特定のバンドパターン又はフィンガープリントを呈する。
さらなる実施態様において、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)にナンバーDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている細胞は、特定の制限消化により又は特定のPCRバンドパターンにより特徴付けられ(ゲノムDNAを使用した場合)、それにより、そのようなアッセイは、クローンDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)中のCERTトランスジーン/CERT S132A発現カセットのゲノム組み込み部位について特異的である固有のフィンガープリントを生成する。細胞系DSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)は、接合フラグメントにより固有に記載される/特徴付けられる。細胞系DSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)は、挿入DNA(=CERTトランスジーン/CERT S132A発現カセット)と隣接染色体DNAの間の接合フラグメントにより固有に記載され/特徴付けられ、それにより、細胞系のDNA(好ましくは、ゲノムDNA)が、1つ又は複数の制限酵素(例えばEcoRV、HindIII、KpnI、NcoI、NdeI、PvuII、SpeI、XhoI、AvaII、BstXI、SalIなど)を用いて消化され、前記の接合フラグメントが、例えば、サザンブロット解析あるいは1つ又は複数の適した、場合により標識されたDNAフラグメントを使用したPCRにより同定される。このDNAフラグメントは、DSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)のゲノム中のCERTトランスジーン/CERT S132A発現カセットの固有の挿入部位を特徴付ける特定のバンドパターン又はフィンガープリントを呈する。
本発明は、さらに、a)請求項1〜7のいずれか一項記載の細胞を提供すること及びb)前記細胞の増殖を可能にする条件下で前記細胞を培養することを含む、細胞を培養するための方法に関する。前記方法の特定の実施態様において、細胞は、加えて、目的のタンパク質をコードする目的の遺伝子を含む少なくとも1つの(2つめの/追加の)ベクターコンストラクトを含む。好ましい実施態様において、前記方法は、加えて、目的のタンパク質を収集することを含む。別の好ましい実施態様において、前記方法は、さらに、目的のタンパク質を精製することを含む。
本発明は、さらに、タンパク質の製造のための発明の細胞(CHO/CERT 2.20=DSM ACC2989又はCHO/CERT 2.41=DSM ACC2990)の使用に関する。
さらに、本発明は、培地中に発明の細胞を含むリアクター/発酵容器に関する。
本発明は、また、発明の細胞、目的の遺伝子の発現のための発現ベクター、及び前記細胞の培養のための細胞培養液を含むキットに関する。本発明の特定の実施態様において、前記キットは発明の細胞を含み、それは、加えて、目的のタンパク質をコードする目的の遺伝子を含む少なくとも1つの(2つめの)ベクターコンストラクトを含み、それにより、前記細胞を培地中で培養し、それによってリアクター/発酵容器中での前記細胞の増殖を可能にする。
本発明は、さらに、CERT S132A発現カセットを含む細胞に関し、それにおいて前記細胞は以下により特徴付けられる:
f)ゲノムDNAを鋳型として使用する場合での特定のPCRバンドパターン/フィンガープリント、それにより、2373bpのPCR産物が、配列番号2及び配列番号3のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される、又は、
g)ゲノムDNAを鋳型として使用する場合での特定のPCRバンドパターン/フィンガープリント、それにより、660bpのPCR産物(配列番号6)が、配列番号4及び配列番号5のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される、又は、
h)(a)のCERT特異的な2373bpのPCR産物と以下の制限酵素とのインキュベーションに起因する特定数のフラグメント及びフラグメントサイズ:
特定の実施態様において、CERT S132A発現カセットは配列番号1からなる。好ましくは、前記細胞はCHO細胞又はNSO細胞である。
好ましい実施態様において、前記細胞は、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)にナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)の下で寄託される。
さらなる好ましい実施態様において、前記細胞は、DSMZにナンバーDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託される。
実施例
材料及び方法
細胞培養
産生及び開発スケールで使用される全ての細胞系を、インキュベーター(Thermo, Germany)中の表面エアレーションTフラスコ(Nunc, Denmark)又は振盪フラスコ(Nunc, Denmark)中の連続シードストック培養において、温度37℃で及び5% COを含む大気中で維持する。シードストック培養物を、2〜3日ごとに播種密度1−3E5個細胞/mLで継代培養する。細胞濃度を、全ての培養物中で、血球計を使用することにより決定する。生存率をトリパンブルー色素排除方法により評価する。
流加培養
細胞を、3x10個細胞/mlで、125ml振盪フラスコ中に、30mlのBI専売産生培地(抗生物質又はMTX(Sigma-Aldrich, Germany)を伴わない)中に播種する。培養物を120rpmで37℃及び5% CO(続く3日目に2%に低下させる)において撹拌する。BI専売フィード溶液を毎日加え、pHを、必要に応じてNaCOを使用してpH 7.0に調整する。細胞密度及び生存率を、トリパンブルー色素排除方法により、自動CEDEX細胞定量化システム(Innovatis)を使用して決定する。
細胞内FACS染色及びウエスタンブロッティングによるCERT S132A発現の検出
細胞内染色のために、1×10個細胞を、PBS中の1%パラホルムアルデヒド中で20分間固定し、0.05% Tween−20を含むPBS中で透過処理する。その後に、細胞を1% BSA/PBS中に再浮遊させ、抗Flag M2モノクローナルマウス抗体(Sigma)及びAlexa488標識ヤギ抗マウス抗体(Invitrogen)を使用して染色する。蛍光シグナルをフローサイトメトリー(FACScalibur, Coulter)により定量的に解析する。ウエスタンブロッティング用の全細胞抽出物を、NP40緩衝液[1%(v/v)NP40、50mM HEPES pH 7.9、150mM NaCl、1mM EDTA、5mM EGTA、25mM NaF、及び40μL/mL完全プロテアーゼ阻害剤溶液(Roche)]中での15分間にわたる氷上での5×10個細胞の溶解により調整する。ライセートを、16,000xgで10分間にわたる遠心分離により取り除き、サンプル中のタンパク質濃度を、BCA1アッセイキット(Sigma)を使用して決定する。ウエスタンブロット解析のために、等量のタンパク質を、MOPS緩衝液を用いて、NuPAGE 10% Bis−Trisゲル(Invitrogen)上で、製造者のプロトコールに従って分離する。タンパク質を、PVDFメンブレン(Millipore)上に、トランスファー緩衝液を使用し、XCell IIブロットモジュール(Invitrogen)を使用してトランスファーする。1時間にわたる室温でのブロッキング薬剤(Invitrogen)を用いたブロッキング後、メンブレンを、抗Flag M2抗体(Sigma)を用いてプローブする。タンパク質を、ペルオキシダーゼ共役二次抗体を用いて、ECL Plus化学発光検出システム(Amersham Pharmacia)を使用して可視化する。
抗体産生細胞の生成
CHO−DG44細胞ならびにconCERT(商標)細胞系を、IgG1型抗体の重鎖及び軽鎖をコードする発現プラスミドを用いて安定的にトランスフェクションする。選択的条件下でのその後の培養により、安定的にトランスフェクションされたIgG産生細胞集団を、DG44親細胞系及びconCERT(商標)細胞の両方から生成する。細胞プールを、さらに、2〜3日ごとの継代培養を伴う標準的なストック培養計画に従って培養する。
ELISAによる組換え産物濃度の決定
CHO−DG44細胞及びCERT S132A突然変異体を発現するように操作されたconCERT(商標)細胞系に由来するIgG産生細胞における組換え抗体産生を評価するために、細胞上清からのサンプルを、標準的な接種培養から、3回連続の継代について各継代の終わりに回収する。産物濃度を、次に、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)により分析する。分泌されたモノクローナル抗体産物の濃度を、ヒトFcフラグメント(Jackson Immuno Research Laboratories)及びヒトカッパ軽鎖(Sigma)に対するHRPコンジュゲーションされた抗体を使用して測定する。
単一細胞選別
「FACS Vantage」(Becton Dickinson)フローサイトメーター(パルスプロセシング、ソート増強モジュール、及び自動細胞沈着ユニットを備える)を、分析及び細胞選別のために使用する。前方及び側方散乱(FSC/SSC)のドットプロット上で、ゲートを単一の生細胞の周辺に設定する。選別された細胞を、200μL増殖培地を含む96ウェルマイクロタイタープレート中に、1ウェル当たり1個の細胞で、自動細胞沈着ユニットを用いて沈着させる。
核酸単離及びRT−PCR
増殖中の細胞からのゲノムDNA及び全RNAを、TRIzol(登録商標)(Invitrogen, Germany)を使用し、製造者の指示に従って単離する。RNAを、次に、DNase Iを用いて30分間にわたり37℃で処理する。第1鎖cDNA合成を、Cloned AMV First-Strand cDNA Synthesis Kit(Invitrogen, Germany)を使用して行う。3μgの全RNA及びオリゴ(dT)オリゴヌクレオチドを用いて開始する。ヒトCERT転写物の定量的レベルを、Absolute(商標)QPCR SYBR(登録商標)Green Fluorescein Mix(ABgene, Surrey, UK)及びMyIQ Real Time Detectionソフトウェア(BioRad, Germany)により制御されるサーマルサイクラーを使用したリアルタイムPCRにより決定する。
conCERT(商標)細胞の同定のための固有の増幅物を、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用したゲノムDNA上でのPCRにより検出する:
CMVセンス:

及び
ターミネーターアンチセンス:

DNA又はmRNAのいずれかを鋳型として使用し、CERT S132A発現を、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用したRT−PCRにより検出する:

及び

(660bpのPCR産物(配列番号6)をもたらす)。
実施例:CHOPPER(登録商標)細胞の生成&特徴付け
実施例1:CHO/CERT S132A細胞系の特徴付け及び固有の同定
CHO/CERT S132A細胞系(本明細書において「conCERT(商標)」細胞系とも呼ぶ)は、一般的に、ヒトCERT突然変異体S132Aの異種発現を伴う細胞として記載することができる。
本発明において記載されるCHO/CERT S132A細胞系は、図1Aに描写される以下を含むCERT発現カセットを含む:CMVエンハンサー/プロモーターに由来する上流調節配列(0.6kb)、セリン132をアラニンに変化させる突然変異を伴うヒトCERT遺伝子(GeneID 10087)のコード領域(配列番号1)に先行するFlag(商標)エピトープタグ;TGA停止コドン及びポリアデニル化シグナルを含む0.5kbの3’非翻訳領域。
本発明において記載されるCHO/CERT S132A細胞系の生成のために使用されるベクターコンストラクトを図1Bに示し、以下の機能的エレメントを含む:
・サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー/プロモーター
・Flag(商標)タグ付きCERT−SAをコードする発現カセット
・ウシ成長ホルモンからのポリアデニル化シグナル(bGH pA)
・ピューロマイシン耐性のための発現カセット
・複製起点
・細菌中でのアンピシリン耐性のためのベータ−ラクタマーゼ発現カセット
DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている2つのCHO/CERT S132A細胞系は、それらのゲノム中に安定的に組み込まれたCERT S132A発現コンストラクトを含む。
このコンストラクトを含むCHO/CERT S132A細胞系、例えばDSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)の下で寄託されている細胞系及びDSMZにナンバーDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている細胞系などは、ゲノムDNAでのPCRにより同定することができる。特定組のオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号2及び3)は、このPCR反応において2373bpサイズの異なるシグナルを産生し、それによって、上に記載するCERT S132A発現コンストラクトを用いてトランスフェクションされなかった細胞からCHO/CERT細胞を検出し、このように同定することができる。プライマーの結合位置及び方向を図1Bに描写する(矢印)。
CMVセンス:

ターミネーターアンチセンス:
2373 PCRフラグメントを、制限酵素を用いて消化する場合、制限フラグメントのパターンがもたらされる(表1にまとめる通り)。
DNA又はmRNAのいずれかを鋳型として使用し、conCERT細胞系中でのCERT S132A発現を、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを使用したPCRにより検出することもできる:CERT−for:

及びCERT−rev:

(以下の配列(配列番号6)を伴う660bpのPCR産物をもたらす):
本発明において記載されるCERT S132A細胞系CHO/CERT S132A 2.20及び2.41は、さらに、Flag(商標)エピトープタグ(例、抗Flag M2モノクローナルマウス抗体(Sigma))又はヒトCERTタンパク質(例、CERT/GPBP抗体、クローンBL2222, Bethyl Laboratories, Inc.)のいずれかに対して産生された抗体を使用したウエスタンブロットによるFlag−CERT−S132A融合タンパク質の異種発現により同定することができる。両方の抗体が、ハムスターCERTタンパク質と交差反応するわけではない。従って、CERT特異的シグナルがCHO/CERT S132A細胞中だけで検出されうるのに対し、このシグナルは、CERT S132A発現コンストラクトを含まないCHO細胞系中には存在しない。CERT発現カセットを保有するベクターコンストラクトは、ピューロマイシン耐性遺伝子も含む。CHO/CERT S132A細胞は、従って、培養液中の5〜10μg/mlピューロマイシンの存在において増殖することができる。
本発明において記載されるCHO/CERT S132A細胞系は、DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されており、CHO−DG44細胞系の派生物である。故に、それらは、増殖及び生存のために培養培地中に添加剤ヒポキサンチン及びチミジン(HT添加)を等しく必要とする。
実施例2:安定的にトランスフェクションされたCHO/CERT S132A細胞プールの生成
本発明において記載されるCHO/CERT S132A細胞系を生成するために、CHO−DG44細胞[Urlaub et al., Cell 33, 1983]を、N末端Flag(商標)エピトープタグに融合されたヒトCERTタンパク質の突然変異体バリアント(CERT Ser132→Ala、本明細書において「CERT−S132A」とも呼ばれる)についての発現カセットを保有する発現コンストラクトを用いてトランスフェクションする(図1)。
タンパク質コード領域は以下の配列を有する(配列番号1;配列が5’−3’方向で与えられる;開始コドン及び停止コドンに下線を引き、ボールド文字である。Flag(商標)タグコード領域に下線を引き、CERTコード領域をイタリックで表す;Ser132→Alaに変化させる突然変異コドンを下線及びボールド文字によりマークする):

安定的にトランスフェクションされた細胞プールを、抗生物質ピューロマイシンの存在における選択により生成する。結果として得られる安定な細胞プール中でのCERT−S132Aトランスジーンの発現を、Flag(商標)タグ又はCERT−S132Aタンパク質自体のいずれかに対して産生された抗体を使用したウエスタンブロットにより確認する。
細胞の産生性はCERTレベルと相関するため、最も高いCERT−S132A発現レベルを伴う細胞プールを、その後の単一細胞クローニングのために選択する。
実施例3:モノクローナルCHO/CERT S132A細胞系の生成及びスクリーニング
CERT−S132Aを過剰発現する安定的にトランスフェクションされた細胞プールを、FACSベースの単一細胞クローニングに供し、モノクローナルconCERT(商標)細胞系を生成する。CHO/CERT S132Aクローンを、次に、2つのパラメータに関して広範にスクリーニングする:a)高レベルのCERT−S132A発現、b)接種培養及び流加プロセスの両方における最適な細胞増殖特性。第1回の選択中に、CERT−S132A発現を、>100のCHO/CERT S132Aクローンにおいて、細胞内染色により評価する。これらから、最も高いレベルの細胞内CERT−S132Aを伴う15のクローンを、増殖及びさらなる解析のために選択する。15の選択されたCHO/CERT S132AクローンにおけるCERT−S132A発現を、さらに、抗Flag(商標)抗体を使用したウエスタンブロットにより評価する(図3)。CERT−SA突然変異体の過剰発現は、クローン1.15、2.20、2.31、2.41、2.65、2.67、3.11、及び3.31において最も高い。工業的な産生宿主細胞系について、シードストック培養ならびに無血清の化学的に定義された培地中での流加プロセスの両方における良好な増殖特徴が、非常に重要である。従って、CHO/CERT S132Aクローンを、標準的な工業的接種計画に従って培養し、倍加時間及び生存率を評価した。図4は、増殖速度(A)及びいくつかの培養継代にわたるその生存率(B)に従った15のCHO/CERTクローンのランキングを示す。2つの細胞系CHO/CERT S132A 2.20(DSMZにナンバーDSM ACC2989の下で寄託されている)及びCHO/CERT S132A 2.41(DSMZにナンバーDSM ACC2990の下で寄託されている)は、最も高い倍加時間を伴う4つのクローンの内にあり、生存率80〜100%を示す(図5A)。次に、CHO/CERT S132A細胞クローンの増殖を、振盪フラスコ中での流加発酵(生物医薬品産生プロセスについての小規模モデルを表す)において検討する。図5Aに示す通り、全てのCHO/CERT S132Aクローンが、増加する細胞濃度により特徴付けられる初期増殖期を伴う通常の増殖プロファイルを示し、それは、次に、プラトーに達し、その後に発酵の終わりに向かって減少する。しかし、CHO/CERT S132Aクローンの性能は、初期段階における増殖スピードならびに最高細胞密度に関して変動する。これは、産生プロセスにわたる生細胞の全積分(IVC)における差に言い換えられる(図5B)。全ての解析されたCHO/CERT S132A細胞系から、クローン1.13、2.20、及び2.41が、最も高いIVCを示し、それは、親CHO−DG44細胞系と比較してさらにより高い(図5B)。しかし、クローン1.13は低いCERT−S132A発現だけを示し、従って、除外される。従って、本発明において記載される2つの細胞系CHO/CERT 2.20(DSMZにナンバーDSM ACC2989の下で寄託されている)及びCHO/CERT 2.41(DSMZにナンバーDSM ACC2990の下で寄託されている)が、高レベルのCERT−SA発現ならびに優れた増殖特性を伴う細胞として選択される。両方の細胞系が、組換えタンパク質の産生のための最適化された宿主細胞系として理想的な候補である。
実施例4:GSシステムを使用した組換えタンパク質産生のための宿主細胞としてのCHO/CERT S132A細胞
DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている細胞は、組換えタンパク質産生のための理想的な宿主細胞である。なぜなら、それらは、改善された分泌能力ならびに良好な増殖特徴を有するからである。親DG44細胞系として、それらはdhfr欠損であり、そのため生物医薬品工業における組換えタンパク質のための最も広く使用される発現システム、即ち、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)に適合する。それらは、さらに、グルタミンシンセターゼ(GS)選択/増幅システムならびに他の一般的に使用される選択戦略(例えばネオマイシン、ブレオマイシン、ハイグロマイシン、及びゼオジン(zeozine)など)に適合する。
実施例5:組換えIgG1抗体産生のための宿主細胞としてのCHO/CERT S132A細胞
それらの優れた特性を実証するために、本発明において記載されるconCERT(商標)細胞ならびに親CHO−DG44細胞系を、ヒトモノクローナルIgG1型抗体をコードする発現コンストラクトを用いてトランスフェクションする。安定的なIgG産生細胞集団を、HT添加を伴わない無血清の化学的に定義された培地中での抗生物質G418の存在における選択により生成する。その後、それらを、標準的な工業的細胞系開発プログラムの部分として、メトトレキサート(MTX)を使用した遺伝子増幅に供した。結果として得られる安定的な細胞プールを、次に、振盪フラスコ中の流加発酵プロセスに供する。10日後、培養物を収集し、上清中のIgG濃度をELISAにより決定する。図6に示す通り、親CHO−DG44細胞に由来する10の最も高い産生プールでの収集力価の中央値は、conCERT(商標)細胞系に由来する産生細胞と比較して顕著に低い。さらに、DG44抗体産生細胞の25〜75%幅が400mg/L未満であるのに対し、それは、 CHO/CERT S132A IgG産生細胞において>400から1g/L近辺までの範囲である。このように、CHO/CERT S132A細胞からの産生細胞プールを用いて得られた収集力価は、親細胞系に由来する産生細胞プールと比較して約2倍高い。
これらのデータは、DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されているCHO/CERT S132A細胞が、親DG44細胞系と比較して、組換えタンパク質産生のための優れた宿主細胞であることを実証する。
実施例6:IgG4抗体の組換え産生のための宿主細胞としてのCHO/CERT S132A細胞
それらの優れた特性を実証するために、本発明において記載されるconCERT(商標)細胞ならびに親CHO−DG44細胞系を、ヒトモノクローナルIgG4型抗体をコードする発現コンストラクトを用いてトランスフェクションする。安定的なIgG産生細胞集団を、HT添加を伴わない無血清の化学的に定義された培地中での抗生物質G418の存在における選択により生成する。その後、それらを、標準的な工業的細胞系開発プログラムの部分として、メトトレキサート(MTX)を使用した遺伝子増幅に供した。結果として得られる安定的な細胞プールを、次に、振盪フラスコ中の流加発酵プロセスに供する。10日後、培養物を収集し、上清中のIgG濃度をELISAにより決定する。
親CHO−DG44細胞に由来する10の最も高い産生プールでの収集力価の中央値は、conCERT(商標)細胞系に由来する産生細胞と比較して顕著に低い。さらに、DG44抗体産生細胞の25〜75%幅が400mg/L未満であるのに対し、それは、 CHO/CERT S132A IgG産生細胞において>400から1g/L近辺までの範囲である。このように、CHO/CERT S132A細胞からの産生細胞プールを用いて得られた収集力価は、親細胞系に由来する産生細胞プールと比較して約2倍高い。
生物医薬品製造では、cGMP産生における使用のためのモノクローナル細胞系の生成が必要とされる。従って、次の工程において、細胞クローンを、最も高く発現する遺伝的に異種の細胞プールから生成する。各遺伝子型の10の最も高く発現する組換えクローンの性能を、その後に、接種培養中でならびに流加プロセス中で、上に記載する通りに分析する。また、モノクローナル細胞系のレベルで、conCERT(商標)細胞系から生じるIgG4産生クローンは、有意に高い特異的な産生性を示す(図7A−DG44細胞(Classic)に由来する10の上位クローンと比較した、IgG4型抗体について組換えであるCHO/CERT 2.20及び2.41(conCERT(商標))からの10の最も高く発現するモノクローナル細胞系)。さらに、これは、流加プロセス中でconCERT(商標)細胞を用いて達成されるより高い全IgG4力価と言い換えられる(図7B)。
例は、DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されているCHO/CERT S132A細胞が、親DG44細胞系と比較して、組換えタンパク質産生のための優れた宿主細胞であることを示す。
実施例7:conCERT(商標)細胞系からのFC融合タンパク質の増加した生物医薬品タンパク質産生
DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されているconCERT(商標)細胞及びCHO DG 44細胞を、Fc融合タンパク質(IgG抗体のFc部分に共有結合的に連結された治療的に活性である(ポリ)ペプチドを意味する)をコードするベクターを目的の遺伝子として用いてトランスフェクションする。選択後、上清を、4回のその後の継代の期間にわたる全ての安定細胞プールのシードストック培養から取り、産物力価をELISAにより決定し、細胞の平均数により割り、特異的な産生性を算出する。比較において、産物力価は、Fc融合タンパク質を発現するDG44由来細胞と比較して、conCERT(商標)宿主細胞から生成された産生細胞において顕著に高い。
また、流加培養において、conCERT(商標)由来細胞は、融合タンパク質の有意に増加した産生性ならびに収集時でのより高い力価を有する。
これは、細胞系開発におけるconCERT(商標)宿主細胞の使用によって、連続培養中での又はバイオリアクターバッチ培養もしくは流加培養中での増強された特異的な産生能力ならびにより高い力価を伴う産生細胞系の生成が可能になることを実証する。
実施例8:conCERT(商標)細胞系は、単鎖FV(scFv)分子及びドメイン抗体の生物医薬品産生のための優れた宿主細胞を表す。
DSMZにナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)及びDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されているconCERT(商標)細胞及びCHO DG 44細胞を、単鎖Fv(scFv)又はドメイン抗体(ラマ又はラクダ科からの他の動物に由来する単鎖抗体の可変領域の1つ又は複数のドメインを含む)をコードするベクターを目的の遺伝子として用いてトランスフェクションする。選択後、上清を、4回のその後の継代の期間にわたる全ての安定細胞プールのシードストック培養から取り、産物力価をELISAにより決定し、細胞の平均数により割り、特異的な産生性を算出する。比較において、産物力価は、scFvタンパク質又はドメイン抗体を発現するDG44由来細胞と比較して、conCERT(商標)宿主細胞から生成された産生細胞において顕著に高い。
また、流加培養において、conCERT(商標)由来細胞は、融合タンパク質の有意に増加した産生性ならびに収集時でのより高い力価を有する。
これは、細胞系開発におけるconCERT(商標)宿主細胞の使用によって、連続培養中での又はバイオリアクターバッチ培養もしくは流加培養中での増強された特異的な産生能力ならびにより高い力価を伴う産生細胞系の生成が可能になることを実証する。
配列表
配列番号1 Flag−CERT−SAコード領域(プライマーCMVセンス(配列番号2)及びターミネーターアンチセンス(配列番号3)を使用して生成される2373bpフラグメント)
配列番号2 プライマーCMVセンス
配列番号3 プライマーターミネーターアンチセンス
配列番号4 プライマーCERT−for
配列番号5 プライマーCERT−rev
配列番号6 CERT−for(配列番号4)及びCERT−rev(配列番号5)を用いて得られる660bpのPCR産物

Claims (17)

  1. DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)にナンバーDSM ACC2989(CHO/CERT 2.20)の下で寄託されている細胞。
  2. DSMZにナンバーDSM ACC2990(CHO/CERT 2.41)の下で寄託されている細胞。
  3. 細胞が、加えて、目的のタンパク質をコードする目的の遺伝子を含む少なくとも1つの2つめのベクターコンストラクトを含む、請求項1又は2記載の細胞。
  4. 全てのベクターコンストラクトが細胞ゲノム中に安定的に組み込まれる、請求項3記載の細胞。
  5. 請求項1〜4記載の細胞であって、該細胞が以下により特徴付けられる:
    a)ゲノムDNAを鋳型として使用する場合での特定のPCRバンドパターン/フィンガープリント、それにより、2373bpのPCR産物が、配列番号2及び配列番号3のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される、又は、
    b)ゲノムDNAを鋳型として使用する場合での特定のPCRバンドパターン/フィンガープリント、それにより、660bpのPCR産物(配列番号6)が、配列番号4及び配列番号5のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して生成される、又は、
    c)(a)のCERT特異的な2373bpのPCR産物と以下の制限酵素とのインキュベーションに起因する特定数のフラグメント及びフラグメントサイズ:

    それにより、HindIIIを用いたインキュベーションが好ましい。
  6. CERT S132A発現カセットが配列番号1からなる、請求項1〜5記載の細胞。
  7. 目的のタンパク質が、治療用タンパク質、好ましくは抗体又は抗体融合タンパク質である、請求項3〜6記載の細胞。
  8. 宿主細胞系を生成するための方法であって、以下の工程により特徴付けられる:
    a)親宿主細胞、好ましくはCHO又はNSO細胞を提供すること、
    b)ベクターコンストラクトを、CERT S132A発現カセットを含む工程(a)の該親細胞中に導入すること、
    c)安定的にトランスフェクションされた細胞集団について選択すること、
    d)FACSベースの単一細胞クローニングによりモノクローナル細胞系を単離すること、
    e)以下について該モノクローナル細胞系をスクリーニングすること
    i)高レベルなCERT S132A発現、
    ii)シードストック培養中での最適な増殖、
    iii)流加培養中での最適な増殖、
    f)工程(e)のスクリーニング基準に従って工程(d)の細胞クローンからモノクローナル細胞系を宿主細胞系として選択すること。
  9. 宿主細胞系を生成するための方法であって、以下の工程により特徴付けられる:
    a)親宿主細胞、好ましくはCHO又はNSO細胞を提供すること、
    b)ベクターコンストラクトを、CERT S132A発現カセットを含む工程(a)の該親細胞中に導入すること、
    c)安定的にトランスフェクションされた細胞集団について選択すること、
    d)FACSベースの単一細胞クローニングにより細胞を単離すること、
    e)以下について該細胞をスクリーニングすること
    i)高レベルなCERT S132A発現、
    ii)シードストック培養中での最適な増殖、
    iii)流加培養中での最適な増殖、
    f)宿主細胞としての使用のために工程(e)のスクリーニング基準に従って単一クローン又は細胞のプールを選択すること。
  10. 工程(b)のCERT S132A発現カセットが配列番号1からなる、請求項8又は9記載の方法。
  11. 請求項3〜7のいずれか一項記載の細胞において目的の遺伝子によりコードされる目的のタンパク質を産生する方法であって、以下の工程により特徴付けられる:
    a)請求項3〜7のいずれか一項記載の細胞を提供すること、
    b)少なくとも1つの目的の遺伝子の発現を可能にする条件下で細胞を培養すること。
  12. 方法がc)目的のタンパク質を収集する追加工程を含む、請求項11記載の方法。
  13. 方法がd)目的のタンパク質を精製する追加工程を含む、請求項12記載の方法。
  14. 以下により、CERT S132A(配列番号1)についてトランスジーンである細胞を同定する方法:
    a)ポリメラーゼ連鎖反応PCRを実施すること、
    b)ゲノムDNAを鋳型として使用すること、及び
    c)配列番号2及び配列番号3を伴うオリゴヌクレオチドプライマーを使用すること、
    それにより2373bpのPCR産物が生成される。
  15. 細胞を培養するための方法であって、以下を含む:
    a)請求項1〜7のいずれか一項記載の細胞を提供すること、及び
    b)該細胞の増殖を可能にする条件下で該細胞を培養すること。
  16. タンパク質の製造のための請求項1〜7のいずれか一項記載の細胞の使用。
  17. 請求項1又は2のいずれか一項記載の細胞、目的の遺伝子の発現のための発現ベクター、及び該細胞の培養のための細胞培養液を含むキット。
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